JP4692016B2 - 光波長変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光波長変換装置に関し、光の波長を光信号のまま波長変換する光波長変換装置に関する。
従来、光の波長を光信号のまま波長変換するためには、物質中の分極が高強度の光に対して示す非線形性を用いていた。例えば2次の非線形性を持つ物質に強い光を入射し、特定の位相整合条件を成立させることによって、第2高調波発生や光パラメトリック変換などの光学過程が起こり、結果として入射光と異なる波長が生成されることはよく知られており、様々な分野で応用されている。同様に、3次の非線形性を持つ物質に対しては、第3高調波発生や4光波混合などの光学過程を用いて光波長を変換させることが可能である(例えば非特許文献1参照)。
鈴木安弘、鳥羽弘、全光波長変換デバイスの開発動向、NTT R&D、Vol.51、No9、pp.693−698、2002年 M.Notomi,K.Yamada,J.Takahashi,C.Takahashi,I.Yokohama,"Extremely Large Group Velocity Dispersion of Line−Defect Waveguides in Photonic Crystal Slabs",Phys.Rev.Lett.87,253902(2001)
物質の光非線形性は非常に小さいため、上記の従来技術により光の波長を変換する場合には、非常に強い光強度及び長い相互作用長を必要とした。従って、微弱光を小さな体積中で波長変換することは容易ではなかった。例えば光子一個レベルの光を波長変換することは従来技術では不可能であるという問題があった。そこで、このような物質の非線形分極を用いた波長変換過程を用いずに、光の波長を光信号のまま波長変換できる装置が要望されている。
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、微弱光を光信号のまま波長変換することができる光波長変換装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、信号光を保持する光共振器と、
前記光共振器に信号光が保持されている期間に、前記光共振器への制御光の照射又は入射、もしくは、前記光共振器の構造を変位させて、前記光共振器の屈折率または実効的屈折率を変化させる屈折率変化手段を有し、
前記光共振器に保持した前記信号光を、前記光共振器の屈折率または実効的屈折率の変化後の値によって決まる波長変化量だけ波長を変化させて前記光共振器から出力することにより、光共振器の屈折率の変化により共鳴波長が変化し、共鳴波長の変化に応じて出力光の波長が変化し、微弱光を光信号のまま波長変換することができる。
請求項2に記載の発明は、信号光を通過させる、フォトニック結晶に構成された導波路と、
前記導波路に信号光が滞在している期間に、前記導波路への制御光の照射又は入射、もしくは、前記導波路の構造を変位させて、前記導波路の屈折率または実効的屈折率を変化させる屈折率変化手段を有し、
前記導波路に滞在した前記信号光を、前記導波路の屈折率または実効的屈折率の変化後の値によって決まる波長変化量だけ波長を変化させて前記導波路から出力することにより、導波路の屈折率の変化に応じて出力光の波長が変化する。
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の光波長変換装置において、
前記光共振器は、フォトニック結晶に構成されることにより、高いQ、かつ、小さな体積で光を保持することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1記載の光波長変換装置において、
前記光共振器は、リング型光共振器である。
請求項に記載の発明は、請求項1、3、4のいずれか1項記載の光波長変換装置において、
前記光共振器は、前記制御光の吸収で生じるキャリアプラズマ効果によって前記屈折率を変化させる。
請求項に記載の発明は、請求項記載の光波長変換装置において、
前記導波路は、前記制御光の吸収で生じるキャリアプラズマ効果によって前記屈折率を変化させる。

本発明によれば、非線形分極を示す物質を用いる必要がなく、微弱光を光信号のまま波長変換することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1(A),(B)は、本発明の光波長変換装置の第1実施形態の平面図、側面図を示す。同図中、三角格子空気穴2次元フォトニック結晶10は、エアブリッジ構造の高屈折率材料であるシリコン(Si)のスラブ12に三角格子状に配置した空気穴14(低屈折率材料)を設けたものである。フォトニック結晶10は屈折率が周期的に変調された構造を指し、これを用いることにより非常に小型で閉じ込めの強い、即ちQ(Quality Factor)の高い光共振器を実現することができる。
ここで、三角格子状の空気穴14の結晶配位方向であるΓK軸は隣接する2つ空気穴の中心を結ぶ方向であり、三角格子の3辺がΓK軸に対応する。また、ΓM軸は、隣接する2つ空気穴の中心を結ぶ直線(ΓK軸)に直交し、最短の空気穴の中心に向かう方向である。
入力用導波路16と出力用導波路18はフォトニック結晶の空気穴14をΓK軸に重なるX軸方向に除去して構成されており、導波路16の延長線上に導波路18が配置されている。導波路16,18間には光共振器20が配置されている。
光共振器20は、X軸方向に延在する3点欠陥(3つの空気穴の欠損)のX軸方向の両端に隣接する空気穴を3点欠陥から離すようにX軸方向に幅寄せするとともに、径を小さくして構成されている。光共振器20は例えば1.50μmに共鳴波長を持ち、導波路16,18それぞれに結合している。
この光共振器20の共鳴波長に合致した入力光を入力光源1で発生して入力用導波路16から入射すると、一定時間後入力した光は光共振器20内に蓄積される。光が蓄積されている状態で、シリコンで光吸収が起こる波長の制御光(例えば0.5μmの波長の光)を制御光源2で発生して光共振器20部分にスラブ12に垂直方向(Z軸方向)から照射し、光吸収によって生じるキャリアプラズマ効果によって光共振器20部分の屈折率を、光共振器20の共鳴波長が1%長くなる分だけ変化させる。ここで、キャリアプラズマ効果とは、材料中に光吸収により自由キャリヤ(電子または正孔)が生成されると、キャリヤ密度に応じて屈折率が変化する現象である。
すると、光共振器20内に蓄積された光の波長は共鳴波長の変化に追随して1.5655μmに波長変換される。蓄積された光は光共振器のQ値で決まるレートで最終的には出力用導波路18に放出され、1.5655μmに波長変換された光が出射される。
ところで、光カー効果を示す媒質中(例えばGaAs)を極短パルスを伝播させると、屈折率が高速に時間変化することによって光パルスの波長分布が変化する現象(自己位相変調効果)が従来から知られているが、その場合の波長分布の変化は屈折率の時間変化によって引き起こされており、波長の変化の大きさは屈折率の時間変化の大きさに依存している。
これに対し、キャリアプラズマ効果を用いる本実施形態における波長変換の度合い、即ち波長変化量は、変化後の屈折率の値によって決まっており、屈折率の時間変化の速さに依存しない。このため、変化後の屈折率の値によって波長変化量を正確に決定できる。
<第2実施形態>
図2(A),(B)は、本発明の光波長変換装置の第2実施形態の平面図、側面図を示す。同図中、スラブ30は低屈折率材料のクラッド32で形成され、クラッド32内になし地で示す高屈折率材料のコアにより入出力用導波路34及びリング型光共振器36を形成している。導波路34はX軸方向に延在しており、リング型光共振器36は導波路34に近接して配置されている。
このリング型光共振器36の共鳴波長に合致した光を入力光源1で発生して入出力用導波路34から入射すると、一定時間後入力した光はリング型光共振器36内に蓄積される。光が蓄積されている状態で、コアで光吸収が起こる波長の制御光を制御光源2で発生してリング型光共振器36部分にスラブ30に垂直方向(Z軸方向)から照射し、光吸収によって生じるキャリアプラズマ効果によってリング型光共振器36部分の屈折率を、リング型光共振器36の共鳴波長が長くなるように変化させる。
これにより、リング型光共振器36内に蓄積された光の波長は共鳴波長の変化に追随して長くなる方向に波長変換される。蓄積された光はリング型光共振器36のQ値で決まるレートで最終的には入出力用導波路34に放出される。
<第1実施形態の変形例>
図3(A),(B)は、本発明の光波長変換装置の第1実施形態の変形例の平面図、側面図を示す。同図中、図1と同一部分には同一符号を付す。図3において、三角格子空気穴2次元フォトニック結晶10は、エアブリッジ構造の高屈折率材料であるシリコンのスラブ12に三角格子状に配置した空気穴14(低屈折率材料)を設けたものである。
入力用導波路16と出力用導波路18はフォトニック結晶の空気穴14をΓK軸に重なるX軸方向に除去して構成されており、導波路16の延長線上に導波路18が配置されている。導波路16,18間には光共振器20が配置されている。
光共振器20は、X軸方向に延在する3点欠陥のX軸方向の両端に隣接する空気穴を3点欠陥から離すようにX軸方向に幅寄せするとともに、径を小さくして構成されている。光共振器20は導波路16,18それぞれに結合している。
この光共振器20の共鳴波長に合致した光を入力光源1で発生して入力用導波路16から入射すると、一定時間後入力した光は光共振器20内に蓄積される。光が蓄積されている状態で、シリコンで光吸収が起こる波長の制御光を制御光源2で発生して入力用導波路16から入射し、光吸収により生じるキャリアプラズマ効果によって光共振器20部分の屈折率を変化させ、光共振器20の共鳴波長を長くなるように変化させる。
このように、制御光を入力用導波路16から入射しても光波長変換の効果は同様である。また、制御光を入力光と別の導波路を用いて入射する構成であっても同様の効果が得られる。
<第2実施形態の変形例>
図4(A),(B)は、本発明の光波長変換装置の第2実施形態の変形例の平面図、側面図を示す。同図中、スラブ30は低屈折率材料のクラッド32で形成され、クラッド32内になし地で示す高屈折率材料のコアにより入出力用導波路34及びリング型光共振器36を形成している。入出力用導波路34はX軸方向に延在しており、リング型光共振器36は入出力用導波路34に近接して配置されている。
このリング型光共振器36の共鳴波長に合致した光を入力光源1で発生して入出力用導波路34から入射すると、一定時間後入力した光はリング型光共振器36内に蓄積される。光が蓄積されている状態で、コアで光吸収が起こる波長の制御光を制御光源2で発生して入出力用導波路34から入射し、光吸収によって生じるキャリアプラズマ効果によってリング型光共振器36部分の屈折率を、リング型光共振器36の共鳴波長が長くなるように変化させる。
すると、リング型光共振器36内に蓄積された光の波長は共鳴波長の変化に追随して長くなる方向に波長変換される。蓄積された光はリング型光共振器36のQ値で決まるレートで最終的には入出力用導波路34に放出される。
このように、制御光を入出力用導波路34から入射しても光波長変換の効果は同様である。また、制御光を入力光と別の導波路を用いて入射する構成であっても同様の効果が得られる。
<第3実施形態>
図5(A),(B)は、本発明の光波長変換装置の第3実施形態の平面図、側面図を示す。同図中、図1と同一部分には同一符号を付す。図3において、三角格子空気穴2次元フォトニック結晶10は、エアブリッジ構造の高屈折率材料であるシリコンのスラブ12に三角格子状に配置した空気穴14(低屈折率材料)を設けたものである。
フォトニック結晶10には、光共振器20が構成されている。光共振器20は、X軸方向に延在する3点欠陥のX軸方向の両端に隣接する空気穴を3点欠陥から離すようにX軸方向に幅寄せするとともに、径を小さくして形成されている。光共振器20は導波路16,18それぞれに結合している。
この光共振器20の共鳴波長に合致した光を入力光源1で発生して光共振器20部分にスラブ12に垂直方向(Z軸方向)から入射すると、一定時間後入力した光は光共振器20内に蓄積される。光が蓄積されている状態で、シリコンで光吸収が起こる波長の制御光を制御光源2で発生して光共振器20部分にZ軸方向から入射し、光吸収によって生じるキャリアプラズマ効果によって光共振器20部分の屈折率を変化させ、光共振器20の共鳴波長を長くなるように変化させる。これにより、光共振器20内に蓄積された光の波長は共鳴波長の変化に追随して波長変換され、光共振器20からZ軸方向に出射される。
このように、入力光及び制御光を光共振器20部分にスラブ12に垂直方向(Z軸方向)から入射しても光波長変換の効果は同様である。
<第4実施形態>
上記実施形態では光を蓄積する装置として光共振器を用いたが、導波路のみを用いても動作は可能である。
図6(A),(B)は、本発明の光波長変換装置の第4実施形態の平面図、側面図を示す。同図中、図1と同一部分には同一符号を付す。図6において、三角格子空気穴2次元フォトニック結晶10は、エアブリッジ構造の高屈折率材料であるシリコンのスラブ12に三角格子状に配置した空気穴14(低屈折率材料)を設けたものである。
入出力用導波路19は、フォトニック結晶の空気穴14をΓK軸に重なるX軸方向に除去して構成されている。
まず、ある波長の光パルスを入力光源3で発生して入出力用導波路19に入力し、この光パルスが入出力用導波路19内に滞在している間に、シリコンで光吸収が起こる波長の光パルスを制御光源2で発生して入出力用導波路19全体に照射し、光吸収により生じるキャリアプラズマ効果によって入出力用導波路19全体の屈折率を変化させる。これによって、波長変換された光が入出力用導波路19から出射される。
光共振器を用いた場合には、波長変換される光の波長が光共振器の共鳴波長に合致している必要があったが、導波路を用いた場合には、導波路を通過できる波長であればいかなる波長でも波長変換が可能である。
ただし、導波路を光パルスが出て行ってしまう前に、屈折率を変化させなければならないため、群速度の遅い導波路が有利であり、そのために群速度を容易に遅くできるフォトニック結晶導波路を用い、波長変換される光の波長として導波路のモードギャップ近傍の波長を用いることにより、より容易にこの効果が実現できる(非特許文献2参照)。
この実施形態でも第1実施形態の場合と同様に他の手段による屈折率変化を用いた場合、他の材料、他の構造のフォトニック結晶を用いた場合、光を導波路内に直接発生させる場合、導波路としてフォトニック結晶導波路以外の導波路を用いた場合にも同様の効果が期待される。
なお、第1、第3、第4実施形態ではシリコンによる2次元フォトニック結晶を用いているが、他の材料を用いたフォトニック結晶や、3次元フォトニック結晶など他のタイプのフォトニック結晶を用いても同様の効果が得られる。
また、第2実施形態では、光共振器としてリング型光共振器を用いたが、他のファブリーペロー光共振器等のどのような光共振器を用いても同様の効果が得られる。
なお、第1〜第4実施形態では、シリコン(Si)等の材料中に光吸収により自由キャリヤが生成されるとキャリヤ密度に応じて屈折率が変化する現象であるキャリアプラズマ効果による屈折率変化を用いているが、第1〜第4実施形態でスラブ12,30としてガリウム・砒素化合物(GaAs)等の材料を用い、ガリウム・砒素化合物等の材料中に光が存在すると光強度に比例する形で屈折率が変化する現象である光カー効果による屈折率変化を用いても良く、上記実施形態に限定されるものではない。
更に、ポッケルス効果などの電圧印加によって屈折率を動的に変化させる方法や、電流を流すことによって屈折率を変化させる方法、圧力を加えることによって屈折率を変化させる方法、その他の屈折率を変化させるどの方法を用いても同様の効果が得られる。
また、上記実施形態では、外部で発生した入力光を光共振器内に入れる場合についてのみ述べたが、フォトルミネッセンス、エレクトロルミネッセンスなどの原理を用いて、光共振器内に直接入力光を発生させ、しかるのちに屈折率を動的に変化させて波長を変換することも可能である。
<第5実施形態>
上記の第1〜第3実施形態では、屈折率を変化させることによって光共振器の共鳴波長を変化させたが、光共振器の構造そのものを時間変化させることによっても同様の効果が起こる。
図7(A),(B)は、本発明の光波長変換装置の第5実施形態の平面図、側面図を示す。同図中、図1と同一部分には同一符号を付す。図7において、三角格子空気穴2次元フォトニック結晶10は、エアブリッジ構造の高屈折率材料であるシリコンのスラブ12に三角格子状に配置した空気穴14(低屈折率材料)を設けたものである。
入力用導波路16と出力用導波路18はフォトニック結晶の空気穴14をΓK軸に重なるX軸方向に除去して構成されており、導波路16の延長線上に導波路18が配置されている。導波路16,18間には光共振器20が配置されている。
ここで、フォトニック結晶10は、X軸上で光共振器20の中央位置においてX軸と直交する平面(YZ平面:Y軸とZ軸を含む平面)で切断され、第1部分10aと第2部分10bに2分されている。第1部分10aは図示しない基台部に固定され、第2部分10bは微少変位装置40に固定されている。
微少変位装置40は、第2部分10bを第1部分10aに当接させた状態からX軸方向右側に微少変位させて第2部分10bを第1部分10aから離間させ、かつ、第2部分10bを逆方向に微少変位させて第1部分10aに当接させるよう駆動する。
光共振器20は、第2部分10bと第1部分10aの離間距離によって共鳴波長を変化させる。光共振器20に閉じこめられた光のモードは、実際には媒質(シリコン)と空気の両方にまたがって存在するため、光共振器20に閉じこめられた光のモードが平均的に感じる屈折率は媒質の屈折率と異なる。この光共振器20に閉じこめられた光のモードが平均的に感じる屈折率を実効的屈折率と呼び、光共振器20の共鳴波長はこの実効的屈折率によって決まる。
第2部分10bを第1部分10aに当接させて、光共振器20の共鳴波長に合致した光を入力光源1で発生して入力用導波路16から一定時間入射して光共振器20内に光を蓄積した状態で、微少変位装置40により第2部分10bを第1部分10aから10nm程度離間させる。これにより、実効的屈折率が変化して光共振器20の共鳴波長が変化し、光共振器20内に蓄積された光の波長は共鳴波長の変化に追随して波長変換される。
<第5実施形態の変形例>
光共振器の構造変化によって共鳴波長を変化させる他の方法は図7の実施形態に限らない。基本的に光共振器の幾何学的構造を変えるいかなる方法でも共鳴波長を変化させる方法として利用できる。
図8(A),(B)は、本発明の光波長変換装置の第5実施形態の第1変形例の平面図、側面図を示す。同図中、図7と同一部分には同一符号を付す。図8において、三角格子空気穴2次元フォトニック結晶10は、エアブリッジ構造の高屈折率材料であるシリコンのスラブ12に三角格子状に配置した空気穴14(低屈折率材料)を設けたものである。
入力用導波路16と出力用導波路18はフォトニック結晶の空気穴14をΓK軸に重なるX軸方向に除去して構成されており、導波路16の延長線上に導波路18が配置されている。導波路16,18間には光共振器20が配置されている。
ここで、フォトニック結晶10は、Z軸上でスラブ12の中央位置においてZ軸と直交する平面(XY平面)で切断され、第3部分10cと第4部分10dに2分されている。第3部分10cは図示しない基台部に固定され、第4部分10dは微少変位装置42に固定されている。
微少変位装置42は、第4部分10dを第3部分10cに当接させた状態からZ軸方向上側に微少変位させて第4部分10dを第3部分10cから離間させ、かつ、第4部分10dを逆方向に微少変位させて第3部分10cに当接させるよう駆動する。
光共振器20の共鳴波長に合致した光を入力光源1で発生して入力用導波路16から一定時間入射して光共振器20内に光を蓄積した状態で、微少変位装置42により第4部分10dを第3部分10cから離間させる。これにより、実効的屈折率が変化して光共振器20の共鳴波長が変化し、光共振器20内に蓄積された光の波長は共鳴波長の変化に追随して波長変換される。
図9(A),(B)は、本発明の光波長変換装置の第5実施形態の第2変形例の平面図、側面図を示す。同図中、図7と同一部分には同一符号を付す。図9において、三角格子空気穴2次元フォトニック結晶10は、エアブリッジ構造の高屈折率材料であるシリコンのスラブ12に三角格子状に配置した空気穴14(低屈折率材料)を設けたものである。
入力用導波路16と出力用導波路18はフォトニック結晶の空気穴14をΓK軸に重なるX軸方向に除去して構成されており、導波路16の延長線上に導波路18が配置されている。導波路16,18間には光共振器20が配置されている。
ここで、フォトニック結晶10は、Y軸上で導波路16,18と光共振器20の中央位置においてY軸と直交する平面(XZ平面)で切断され、第5部分10eと第6部分10fに2分されている。第5部分10eは図示しない基台部に固定され、第6部分10fは微少変位装置44に固定されている。
微少変位装置44は、第6部分10fを第5部分10eに当接させた状態からY軸方向上側に微少変位させて第6部分10fを第5部分10eから離間させ、かつ、第6部分10fを逆方向に微少変位させて第5部分10eに当接させるよう駆動する。
光共振器20の共鳴波長に合致した光を入力光源1で発生して入力用導波路16から一定時間入射して光共振器20内に光を蓄積した状態で、微少変位装置42により第4部分10dを第3部分10cから離間させる。これにより、実効的屈折率が変化して光共振器20の共鳴波長が変化し、光共振器20内に蓄積された光の波長は共鳴波長の変化に追随して波長変換される。
図10(A),(B)は、本発明の光波長変換装置の第5実施形態の第3変形例の平面図、側面図を示す。同図中、図8と同一部分には同一符号を付す。図10において、三角格子空気穴2次元フォトニック結晶10は、エアブリッジ構造の高屈折率材料であるシリコンのスラブ12に三角格子状に配置した空気穴14(低屈折率材料)を設けたものである。
入力用導波路16と出力用導波路18はフォトニック結晶の空気穴14をΓK軸に重なるX軸方向に除去して構成されており、導波路16の延長線上に導波路18が配置されている。導波路16,18間には光共振器20が配置されている。
ここで、フォトニック結晶10は、Z軸上でスラブ12の中央位置においてZ軸と直交する平面(XY平面)で切断され、第3部分10cと第4部分10dに2分されており、第3部分10cと第4部分10dの間には圧電性媒質46が挿入されている。
圧電性媒質46は、例えば電圧を印加すると体積が増加して第4部分10dと第3部分10cの離間距離を増加させ、かつ、電圧の印加を停止すると第4部分10dと第3部分10cの離間距離を減少させる。
圧電性媒質46に電圧を印加しない状態で、光共振器20の共鳴波長に合致した光を入力光源1で発生して入力用導波路16から一定時間入射して光共振器20内に光を蓄積する。光共振器20内に光を蓄積した状態で、圧電性媒質46に電圧を印加して第4部分10dと第3部分10cの離間距離を増加させる。これにより、実効的屈折率が変化して光共振器20の共鳴波長が変化し、光共振器20内に蓄積された光の波長は共鳴波長の変化に追随して波長変換される。
上記の第5実施形態では、フォトニック結晶10を用いた光共振器の場合について述べたが、第1実施形態と同様に他の材料、他の構造によるフォトニック結晶を用いた場合、光を光共振器内に直接発生させる場合、フォトニック結晶光共振器以外の光共振器を用いた場合にも適用でき、同様の効果が得られる。
<第6実施形態>
第4実施形態では、導波路の屈折率を変化させることによって波長を変化させたが、導波路の構造そのものを時間変化させることによっても同様の効果が起こる。
この場合の構成は、図7、図8、図9、図10それぞれにおいて、入力用導波路16と出力用導波路18の間のフォトニック結晶10の空気穴14をX軸方向に全て除去し(光共振器20を構成しない)単一の入出力用導波路19とした構成であるため、ここでは図示しない。
図7(A),(B)で、導波路16,18と光共振器20の代りに入出力用導波路19を構成した実施形態について説明する。第2部分10bを第1部分10aに当接させて、ある波長の光パルスを入出力用導波路19に入力し、この光パルスが入出力用導波路19内に滞在している間に、微少変位装置40により第2部分10bを第1部分10aから10nm程度離間させる。これにより、入出力用導波路19全体の実効的屈折率が変化し、波長変換された光が入出力用導波路19から出射される。
図8(A),(B)で、導波路16,18と光共振器20の代りに入出力用導波路19を構成した実施形態について説明する。第4部分10dを第3部分10cに当接させて、ある波長の光パルスを入出力用導波路19に入力し、この光パルスが入出力用導波路19内に滞在している間に、微少変位装置42により第4部分10dを第3部分10cから離間させる。これにより、入出力用導波路19全体の実効的屈折率が変化し、波長変換された光が入出力用導波路19から出射される。
図9(A),(B)で、導波路16,18と光共振器20の代りに入出力用導波路19を構成した実施形態について説明する。第4部分10dを第3部分10cに当接させて、ある波長の光パルスを入出力用導波路19に入力し、この光パルスが入出力用導波路19内に滞在している間に、微少変位装置42により第4部分10dを第3部分10cから離間させる。これにより、入出力用導波路19全体の実効的屈折率が変化し、波長変換された光が入出力用導波路19から出射される。
導波路の幾何学的構造を変えるどの方法も、実効的屈折率を変化させる方法として利用できる。第6実施形態では、フォトニック結晶10を用いた導波路の場合について述べたが、第4実施形態と同様に、他の材料、他の構造によるフォトニック結晶を用いた場合や、フォトルミネッセンス等により入力光を導波路内に直接発生させる場合や、フォトニック結晶導波路以外の導波路を用いた場合にも同様の効果が得られる。
なお、光共振器20,リング型光共振器36,入出力用導波路19が請求項記載の光保持手段に相当し、制御光源2,微少変位装置40,42,44,圧電性媒質46が屈折率変化手段に相当する。
本発明の光波長変換装置の第1実施形態の平面図、側面図である。 本発明の光波長変換装置の第2実施形態の平面図、側面図である。 本発明の光波長変換装置の第1実施形態の変形例の平面図、側面図である。 本発明の光波長変換装置の第2実施形態の変形例の平面図、側面図である。 本発明の光波長変換装置の第3実施形態の平面図、側面図である。 本発明の光波長変換装置の第4実施形態の平面図、側面図である。 本発明の光波長変換装置の第5実施形態の平面図、側面図である。 本発明の光波長変換装置の第5実施形態の第1変形例の平面図、側面図である。 本発明の光波長変換装置の第5実施形態の第2変形例の平面図、側面図である。 本発明の光波長変換装置の第5実施形態の第3変形例の平面図、側面図である。
符号の説明
1,3 入力光源
2 制御光源
10 フォトニック結晶
12,30 スラブ
14 空気穴
16 入力用導波路
18 出力用導波路
19,34 入出力用導波路
20 光共振器
36 リング型光共振器
40,42,44 微少変位装置
46 圧電性媒質

Claims (8)

  1. 信号光を保持する光共振器と、
    前記光共振器に信号光が保持されている期間に、前記光共振器への制御光の照射又は入射、もしくは、前記光共振器の構造を変位させて、前記光共振器の屈折率または実効的屈折率を変化させる屈折率変化手段を有し、
    前記光共振器に保持した前記信号光を、前記光共振器の屈折率または実効的屈折率の変化後の値によって決まる波長変化量だけ波長を変化させて前記光共振器から出力することを特徴とする光波長変換装置。
  2. 信号光を通過させる、フォトニック結晶に構成された導波路と、
    前記導波路に信号光が滞在している期間に、前記導波路への制御光の照射又は入射、もしくは、前記導波路の構造を変位させて、前記導波路の屈折率または実効的屈折率を変化させる屈折率変化手段を有し、
    前記導波路に滞在した前記信号光を、前記導波路の屈折率または実効的屈折率の変化後の値によって決まる波長変化量だけ波長を変化させて前記導波路から出力することを特徴とする光波長変換装置。
  3. 請求項記載の光波長変換装置において、
    前記光共振器は、フォトニック結晶に構成されたことを特徴とする光波長変換装置。
  4. 請求項1記載の光波長変換装置において、
    前記光共振器は、リング型光共振器であることを特徴とする光波長変換装置。
  5. 請求項1、3、4のいずれか1項記載の光波長変換装置において、
    前記光共振器は、前記制御光の吸収で生じるキャリアプラズマ効果によって前記屈折率を変化させることを特徴とする光波長変換装置。
  6. 請求項記載の光波長変換装置において、
    前記導波路は、前記制御光の吸収で生じるキャリアプラズマ効果によって前記屈折率を変化させることを特徴とする光波長変換装置。
  7. 請求項1、3、4のいずれか1項記載の光波長変換装置において、
    前記光共振器は、前記制御光により生じる光カー効果によって前記屈折率を変化させることを特徴とする光波長変換装置。
  8. 請求項記載の光波長変換装置において、
    前記導波路は、前記制御光により生じる光カー効果によって前記屈折率を変化させることを特徴とする光波長変換装置。
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