本発明は、複数のアクセスネットワークの利用が可能な通信網において、提供するサービス、ユーザの要望、事業者のポリシーなどに応じてアクセスネットワークを選択する方法に関する。
複数の事業者ネットワークとアクセスネットワークの組合せの中からユーザ又は端末が最適なネットワークを選択して位置登録を行う方法が、3GPP(Third Generation Par tnership Protocol)の技術仕様書TS23.122v6.5.0 (2005.06)に規定されている。
しかし、本仕様では、ユーザが利用したいサービスの種別(例えば、音声通話・データ受信等)によらず、常に上記位置登録が行われたネットワークを介して通信が行われることとなる。そのため、ユーザ(端末)が利用したいサービスに最適なネットワークが他にあり、そのネットワークを利用できる場所にいても、位置登録を行ったネットワークしか利用できないという問題がある。
また、ネットワークの選択は端末のみによって位置登録時に行われるため、通信開始時に判断すべきネットワーク側のリソースの空き状況や、事業者のポリシー、及び通信相手が選択したネットワークの種別等が、ネットワークの選択に際して考慮されないという問題もある。
なお、上記と同様のアイデアとして、複数のアクセス手段(W-CDMAとWLAN等)を利用可能な場所において、いずれのアクセスネットワークに接続するかを決定する方法が、特許文献1において開示されている。しかし、かかる特許文献1に記載の方法も端末が複数のアクセスネットワークの中から最適なものを選ぶことを示しており、上記技術仕様書TS23.122によるものと同様の課題がある。
一方、特許文献2には、網内の共通無線リソース管理装置が、複数アクセスネットワークそれぞれのリソース情報を基に、最適なアクセスネットワークを選択する方法が提案されている。しかし、この提案では、アクセスネットワークのリソース状況とオペレータの要望(プレファレンス)は考慮されているがユーザあるいは端末の要望や通信相手によるアクセスネットワークの選択結果が考慮されていないという課題がある。
また、ハンドオーバー時においては、複数のアクセス手段(W-CDMAとWLAN等)を利用可能な場所において、あるアクセスネットワークから他のアクセスネットワークにハンドオーバーする方法が、特許文献3に開示されている。
この特許文献3に開示された方法では、端末が複数のアクセスネットワークの中から最適なものを選ぶことを示しており、端末がアクセスネットワークを選択するための情報として、端末自身の位置・移動速度、コスト、網のサービス品質(QoS:Quality of Service)情報、バッテリ消費等が挙げられている。しかし、この方法においても、通信相手がハンドオーバーした場合のアクセスネットワークの選択結果が考慮されていない点で、上記と同様の課題がある。
なお、3GPPにおいては、TS25.401v6.6.0 (2005.06)により同種のアクセスネットワーク内(GERAN内及びUTRAN内)、及び異なるアクセスネットワーク(GERANとUTRAN間)のハンドオーバーが規定されているが、当該ハンドオーバーは、端末が受信している電波の強度等の端末がアクセスネットワークに通知した情報に基づいて、アクセスネットワークが実行するか否かの判断を行う。したがって、この判断に当たってコアネットワークは介在しておらず、ネットワーク全体のQoSやオペレータのポリシー、及び通信相手が利用しているアクセスネットワークの種類は考慮されていないという課題がある。
特開2005-110262号公報
特表2004-511988号公報
特開2003-333639号公報
上記の通り、これまでは複数のアクセスネットワークが利用可能な場合でも、いずれのアクセスネットワークを使って通信を行うかは、位置登録時に端末又はユーザによって選択されたアクセスネットワークに固定されていた。
さらに、各アクセスネットワークのリソース状況に応じて最適なアクセスネットワークを選択する場合、端末(ユーザ)で検出可能な情報(無線区間のリソースの空き状況等)のみによってアクセスネットワークが選択されていることから、いずれのネットワークを使いたいのかといったユーザの要望や、通信相手によるアクセスネットワークの選択結果が考慮されておらず、通信に関わる経路全体の視点からは、必ずしも最適なアクセスネットワークが選択されないという課題があった。
したがって、本発明の目的は、最適なアクセスネットワークが選択のための情報を通知する手順を規定することにより、通信に関わる経路全体の視点から最適なアクセスネットワークの選択を可能とする方法及び、これを用いたネットワークステムを提供することである。
複数のアクセスネットワークANを有する通信ネットワークにおけるアクセスネットワーク選択方法は、発側端末及び着側端末から当該時点で利用可能なANの識別子及びユーザの要望を発側網内装置及び着側網内装置にそれぞれ通知し、着側網内装置から、着側端末に割り当てるAN候補リストを発側網内装置に通知し、発側網内装置で発側端末に割り当てるANを決定し、発側端末に通知し、発側端末に割り当てられたANを着側網内装置に通知し、着側網内装置は、着側端末に割り当てるANを発側網内装置で発側端末に割り当てるANを決定した条件に基づいて決定し、着側端末に通知する。
本発明によれば、最適なアクセスネットワークが選択のための情報を通知する手順を規定することにより、通信に関わる経路全体の視点から最適なアクセスネットワークの選択を可能とすることができる。
本発明を実現する移動体通信網の構成図である。
本発明を実現するための機能配備のうち、移動通信端末UE1に対応する構成を示す図である。
本発明を実現するための機能配備のうち、移動通信端末UE2に対する機能配備構成を示す図である。
移動通信端末UE1によるローカルホームアドレス(L-HoA)、気付けアドレス(CoA)の取得と、ホームネットワークHN1内のS-CSCFへの登録の手順を示す図である。
移動通信端末UE1から移動通信端末UE2へ通信が要求された場合の通信開始時の移動通信端末UE1側の動作シーケンスを示す図である。
移動通信端末UE1から移動通信端末UE2へ通信が要求された場合の通信開始時の移動通信端末UE2側の動作シーケンスを示す図である。
着信側の端末と網が網選択機能を具備しない場合の、通信開始時の移動通信端末UE1側の動作シーケンスを示す図である。
着信側の端末と網が網選択機能を具備しない場合の、通信開始時の移動通信端末UE2側の動作シーケンスを示す図である。
着信側端末である移動通信端末UE2が暫定応答信号(Session Progress)なしに、直接応答信号(OK)を返信する場合の通信開始時の移動通信端末UE1側の動作シーケンスを示す図である。
着信側端末である移動通信端末UE2が暫定応答信号(Session Progress)なしに、直接応答信号(OK)を返信する場合の通信開始時の移動通信端末UE2側の動作シーケンスを示す図である。
発信側の端末と網が網選択機能を具備しない場合の、通信開始時の移動通信端末UE1側の動作シーケンスを示す図である。
発信側の端末と網が網選択機能を具備しない場合の、通信開始時の移動通信端末UE2側の動作シーケンスを示す図である。
発信側の端末が確認信号(PRACK)をサポートしていない場合の、通信開始時の移動通信端末UE1側の動作シーケンスを示す図である。
発信側の端末が確認信号(PRACK)をサポートしていない場合の、通信開始時の移動通信端末UE2側の動作シーケンスを示す図である。
通信中の移動通信端末UEがアクセスネットワーク乃切り替え契機を検出した場合の、ハンドオーバーシーケンスの例を示す図である。
網内装置が契機を検出した場合の、ハンドオーバーシーケンスを示す図である。
本発明を実現する移動体通信網の構成図を示す。
本発明を実現する機能配備図を示す。
位置登録手順を示す図である。
位置登録手順を示す図である。
ホームネットワークHNが移動先ネットワークVNのみを固定的に選択・移動先ネットワークVNがアクセスネットワークANを動的に選択する場合の発側シーケンス図を示す。
ホームネットワークHNが移動先ネットワークVNのみを固定的に選択・移動先ネットワークVNがアクセスネットワークANを動的に選択する場合の着側シーケンス図を示す。
ホームネットワークHNが移動先ネットワークVNのみを動的に選択・移動先ネットワークVNがアクセスネットワークANを動的に選択する場合の発側シーケンス図を示す。
ホームネットワークHNが移動先ネットワークVNのみを動的に選択・移動先ネットワークVNがアクセスネットワークANを動的に選択する場合の着側シーケンス図を示す。
ホームネットワークHNが移動先ネットワークVNとアクセスネットワークANを固定的に選択する場合の発側シーケンス図を示す。
ホームネットワークHNが移動先ネットワークVNとアクセスネットワークANを固定的に選択する場合の着側シーケンス図を示す。
ホームネットワークHNが移動先ネットワークVNとアクセスネットワークANを動的に選択する場合の発側シーケンス図を示す。
ホームネットワークHNが移動先ネットワークVNとアクセスネットワークANを動的に選択する場合の着側シーケンス図を示す。
ホームネットワークHNが移動先ネットワークVNをのみを固定的に選択・移動先ネットワークVNがアクセスネットワークANを固定的に選択する場合の発側シーケンス図を示す。
ホームネットワークHNが移動先ネットワークVNをのみを固定的に選択・移動先ネットワークVNがアクセスネットワークANを固定的に選択する場合の着側シーケンス図を示す。
移動先ネットワークVNVNとアクセスネットワークANとの間に移動管理を行う機能がある場合の、本発明を実現する移動体通信網の構成図を示す。
位置登録手順を示す図である。
符号の説明
UE(user equipment) ユーザ装置
L-HA(Local Home Agent) ローカルホームエージェント
PDF(Policy Decision Function) ポリシー決定機能部
P-CSCF(Proxy Call Session Control Function) プロキシ呼セッション制御機能部
S-CSCF(Serving Call Session Control Function) サービング呼セッション制御機能部
AAA(Authentication, Authorization and Accounting) 認証部
HSS(Home Subscriber Server) ホーム加入者サーバ
MM(Mobility Management) 移動管理部
本発明は、上記目的を達成するために、端末が網内装置に対して利用可能なアクセスネットワークの種別と、ユーザ要望(User Preference)を通知し、各網内装置がこれらの情報に加えて、ユーザが要求したサービス又はアプリケーションや有線網内あるいは無線区間のリソース状況や、事業者のポリシー等も考慮して、発信時及び着信時にアクセスネットワークの選択を行うことを可能とする。
また、上記網選択機能を発信網側と着信網側ともに具備する場合は、網内装置間で選択されるアクセスネットワークの候補又は選択されたアクセスネットワークを通知しあう手順を新たに設けることにより、対向網でのアクセスネットワークの選択候補或いは結果に応じた、自網でのアクセスネットワーク選択を可能とする。
さらに、通信開始後に端末の移動に伴って、利用可能なアクセスシステムが変わった場合や、ユーザが要求するサービス又はアプリケーションや有線網内あるいは無線区間のリソース状況が変化した場合に、アクセスネットワークの再選択を行い、ハンドオーバーを行うことを可能とする。
また、上記ハンドオーバー完了後に、通信相手に選択されたアクセスネットワークの種別を通知することにより、通知を受けた通信相手が、通知元である対向網でのアクセスネットワークの変更を契機として、自身のアクセスネットワークの再選択を行うことを可能とする。
本発明によれば、複数のアクセスネットワークを有する通信網において、ユーザ要望だけでなく様々な条件を基に、位置登録時の選択結果に固定されることなく、発着信時及び通信中に最適なアクセスネットワークの選択機能実現することができる。
以下、移動体通信網におけるプロトコルとして、IP電話などで用いる通信制御プロトコルであるSIP(Session Initiation Protocol)を適用した場合の本発明の実施例を示す。
図1は、本発明を実現する移動体通信網の構成図である。UE(User Equipment)1及びUE(User Equipment)2は、本発明において実際に通信を行う移動通信端末であり、それぞれ加入しているホームネットワーク(HN:Home Network)1,2より、ホームアドレス(HoA:Home of Address)HoA1とHoA2が割り当てられている。
ホームネットワークHN1とホームネットワークHN2は、それぞれ移動通信端末UE1とUE2が加入する移動通信網である。また移動先ネットワーク(VN:Visited Network)20,21は、それぞれ移動通信端末UE1とUE2が在圏する網である。さらにアクセスネットワーク(Access Network)20a,20bは、移動先ネットワークVN20が移動通信端末UE1に提供するアクセス手段であり、アクセスネットワーク(Access Network)21a,21bは、移動先ネットワークVN21が移動通信端末UE2に提供するアクセス手段である。
図2Aは本発明を実現するための機能配備のうち、移動通信端末UE1に対応する機能構成を示したものである。図2Bは対応する移動通信端末UE2に対する機能配備構成を示す図である。
以降、図2Aについて説明するが、移動通信端末UE2についての図2Bに関しても同様である。したがって、適宜に図2Bについての説明は省略する。
図2A,図2Bにおいて、特徴は本発明により備えられたローカルホームエージェント(L-HA:Local-Agent)1−1,2−1としての機能部である。
すなわち、ローカルホームエージェント(L-HA)1−1,2−1は、本発明の実現のために新たに設けられた機能部であり、サービス提供範囲内に移動してきた移動通信端末UE1,UE2に対してローカルホームアドレス(L-HoA1,L-HoA2)を割り当てる機能、及び移動通信端末UE1,UE2から通知された利用可能なアクセスネットワーク(Access Network)種別、ユーザプロファイル(User Profile)、及びQoS(Quality of Service)や事業者のポリシー(Policy)に基づいて、通信開始時に最適なアクセスネットワークを選択する機能を有する。
移動通信端末UE1,UE2は、複数の無線方式により通信を行う機能を有し、各無線方式に対応する気付けアドレス(CoA:Care of Address)と当該移動先ネットワーク(VN:Visited Network)20,21内のローカルホームアドレス(L-HoA1,L-HoA2)の割り当てを受け記憶する機能を有する。
また、移動通信端末UE1,UE2は、発信要求時・着信応答時にその時点で利用可能な無線方式(アクセスネットワーク:Access Network)に対応した気付けアドレス(CoA)と、ユーザ要望(User Preference)、ローカルホームアドレス(L-HoA)をローカルホームエージェント(L-HA)20-1,21-1に対して通知する機能を持つ。
図3に移動通信端末UE1によるローカルホームアドレス(L-HoA)、気付けアドレス(CoA)の取得と、ホームネットワークHN1内のS-CSCF (Serving Call Session Control Function)1-5 への登録の手順を以下に示す。
移動通信端末UE1が移動先ネットワークVN20のサービス提供エリアに移動してきた場合、移動通信端末UE1は、アクセスネットワーク20a,20bの電波を最初に受信した際に、それぞれから気付けアドレスCoA1-1とCoA1-2を取得する(ステップS1)。
移動通信端末UE1はホームネットワークHN1から割り当てられている識別子となるホームアドレスHoA1とアクセスネットワーク20aから割り当てられた気付けアドレスCoA1-1を、アクセスネットワーク20aを経由してローカルホームエージェント(L-HA)20-1に登録する(ステップS2)。
ローカルホームエージェント20-1は移動通信端末UE1からの登録を受け付けた時点で、自身が保持するテーブルを参照し、ホームアドレスHoA1に対応するローカルホームアドレスL-Ho1を割り当て済みか否かを判断する。
いずれのローカルホームアドレスL-HoAも割り当てていない場合は、移動通信端末UE1に対してローカルホームアドレスL-HoA1を割り当て、登録に対する応答に含めて移動通信端末UE1に通知する(ステップS3)。同時に、ローカルホームエージェント(L-HA)20-1は、ホームアドレスHoA1と、ローカルホームアドレスL-HoA1及び気付けアドレスCoA1-1を関連づけて記憶する(ステップS4)。
移動通信端末UE1は同様の手順で、アクセスネットワーク20b経由でホームアドレスHoA1と気付けアドレスCoA1-2をローカルホームエージェントL-HA20-1に登録する(ステップS5)。
ローカルホームエージェントL-HA20-1は移動通信端末UE1に対して既にローカルホームアドレスL-HoA1を割り当て済みであることから、登録完了の応答のみを移動通信端末UE1に対して行う(ステップS6)。同時に、ローカルホームエージェント(L-HA)20-1は、ホームアドレスHoA1と気付けアドレスCoA1-2を関連づけて記憶する(ステップS7)。
移動通信端末UE1は取得した全ての気付けアドレスCoAのローカルホームエージェントL-HA20-1への登録と、ローカルホームアドレスL-HoA1の取得が完了した時点で、自身が加入するホームネットワークHN1内のS-CSCF1-5に対して、ローカルホームアドレスL-HoA1の登録を行う(ステップS8)。
以上の手順により、移動通信端末UEによるローカルホームアドレスL-HoA及び気付けアドレスCoAの取得と、S-CSCF (Serving Call Session Control Function)1-5への登録が完了する。
次に、実施例として移動通信端末UE1から移動通信端末UE2へ通信が要求された場合の通信開始時の動作シーケンスを図4A,図4Bに示す。図4Aは移動通信端末UE1側、図4Bは移動通信端末UE2側からの処理を示す。この実施例では、発着信側ともに移動通信端末及び網が、網選択機能を有している場合である。
図4A,図4Bにおいて、移動通信端末UE1は発信要求信号(Invite)に、識別子であるローカルホームアドレスL-HoA1と気付けアドレスCoA1-1,CoA1-2、及びユーザ要望(User Preference)1を含めて、アクセスネットワーク20aを経由して、ローカルホームエージェントL-HA20-1に通知する(ステップS10)。
ここで、ローカルホームアドレスL-HoAはローカルホームエージェントL-HAがどの移動通信端末UEからの通信要求であるかを判断するため、気付けアドレスCoA1-1とCoA1-2が移動通信端末UE1が利用可能なアクセスネットワーク(Access Network)種別をローカルホームエージェントL-HA1へ通知するために用いられる。
また、ユーザ要望(User Preference)1は移動通信端末UE1のユーザがどのような基準で網選択をして欲しいか(例:通信速度優先・通信コスト優先など)を、ローカルホームエージェントL-HA20-1に通知するための情報である。
ローカルホームエージェントL-HA20-1は移動通信端末UE1からの発信要求信号(Invite)を受信すると、移動通信端末UE1から通知されたローカルホームアドレスL-HoA1、気付けアドレスCoA1-1、CoA1-2及びユーザ要望(User Preference)1を自身に記憶するとともに、発信要求信号を移動通信端末UE2に向けて発する(ステップS11)。
図4Bにおいて、移動通信端末UE2は発信要求信号(Invite)を受信すると、暫定応答信号(Session Progress)にローカルホームアドレスL-HoA2、気付けアドレスCoA2-1,CoA2-2及びユーザ要望2をアクセスネットワーク21aを経由してローカルホームエージェント21-1に通知する(ステップS12)。ここで移動通信端末UE2からローカルホームエージェント21-1へ通知される内容は、上記移動通信端末UE1からローカルホームエージェント20-1へ通知される内容と同様である。
ローカルホームエージェントL-HA21-1は移動通信端末UE2から暫定応答信号(Session Progress)を受信すると、移動通信端末UE2からローカルホームアドレスL-HoA2、気付けアドレスCoA2-1,CoA2-2及び、ユーザ要望2を自身に記憶するとともに、PDF(Policy Decision Function)21-2と協調して移動通信端末UE2から通知された気付けアドレスCoA2-1,CoA2-2及び、ユーザ要望の他、QoS、事業者のPolicy等を考慮して、本通信に適した順で移動通信端末UE2にサービス提供するアクセスネットワーク(Access Network)のリストを作成する(ステップS13)。
ローカルホームエージェントL-HA21-1は、作成したアクセスネットワークのリストを暫定応答信号(Session Progress)に含めて、ローカルホームエージェントL-HA20-1に送信する(ステップS14)。
移動先ネットワークVN20のローカルホームエージェントL-HA20-1は移動先ネットワークVN21のローカルホームエージェントL-HA2-2から暫定応答信号(Session Progress)を受信すると、PDF20-2と協調してローカルホームエージェントL-HA21-1から通知されたアクセスネットワークのリスト、及び移動通信端末UE1から通知された気付けアドレスCoA1-1,CoA1-2及び、ユーザ要望の他、QoS、事業者のPolicy等を考慮して、移動通信端末UE1に最適なアクセスネットワークを選択する(ステップS15)。なお、本実施例では、アクセスネットワーク20bを選択している。
ローカルホームエージェントL-HA20-1は、選択したアクセスネットワークを暫定応答信号(Session Progress)に含めて移動通信端末UE1に通知する(ステップS16)。
移動通信端末UE1はローカルホームエージェントL-HA20-1から暫定応答信号(183 Session Progress)を受信すると、アクセスネットワーク20bが選択されたことを認識して、アクセスネットワーク20bを経由して通信を行うために、無線リソースの確保を行う(ステップS17)。
また、移動通信端末UE1は暫定応答信号(Session Progress)に対する確認信号(PRACK)に、選択されたアクセスネットワーク20bの種別の情報を含めて、着側ネットワーク21のローカルホームエージェントL-HA21-1に通知する(ステップS18)。
なお、選択されたアクセスネットワークの種別の情報は、実際に選択を行ったローカルホームエージェントL-HA20-1が確認信号(PRACK)に含めて、ローカルホームエージェントL-HA21-1に通知しても良い。
ローカルホームエージェントL-HA21-1は移動通信端末UE1から確認信号(PRACK)を受信すると、PDF21-2と協調して移動通信端末UE1から通知された選択されたアクセスネットワーク、及び移動通信端末UE2から通知された気付けアドレスCoA2-1,CoA2-2、ユーザ要望の他、QoS、事業者のPolicy等を考慮して、移動通信端末UE2に最適なアクセスネットワークを選択する(ステップS19)。本実施例では、アクセスネットワーク21bを選択している。ローカルホームエージェントL-HA21-1は、選択したアクセスネットワーク21bを確認信号(PRACK)に含めて移動通信端末UE2に通知する(ステップS20)。
移動通信端末UE2はローカルホームエージェントL-HA21-1から確認信号(PRACK)を受信すると、アクセスネットワーク21bが選択されたことを認識して、アクセスネットワーク21bを経由して通信を行うために、無線リソースの確保を行う(ステップS21)。
その後、移動通信端末UE2が確認信号(PRACK)に対する応答信号(OK)に、選択されたアクセスネットワークがアクセスネットワーク21bであることを含めて移動通信端末UE1対して返信する(ステップS22)。
さらに、発信要求信号(Invite)に対する応答信号(OK)を移動通信端末UE1対して返信し(ステップS23)、移動通信端末UE1が発信要求OK (Invite)に対する確認信号(ACK)を移動通信端末UE2へ返信する(ステップS24)ことにより、通信開始時の動作シーケンスが完了する。
上記図4A,図4Bに示した実施例は、発着信双方の移動通信端末UEとも網選択機能を具備している場合を示しているが、移動通信端末−固定端末間の通信など一方の端末あるいは網が網選択機能を具備していないケースも考えられる。
図5A,図5Bに着信側の端末と網が網選択機能を具備しない場合の、通信開始時の動作シーケンスを示す。本実施例におけるシーケンスと図4A,図4Bに示したシーケンスとの相違は以下の通りである。
移動通信端末UE2からローカルホームエージェントL-HA21-1に対しての暫定応答信号(Session Progress)にローカルホームアドレスL-HoA2、気付けアドレスCoA2-1・CoA2-2及び、ユーザアドレス2が含まれない。
したがって、ローカルホームエージェントL-HA21-1が移動通信端末UE2から暫定応答信号Session Progress)を受信しても、アクセスネットワーク候補のリストを作成・通知をしない(図24B、ステップS13参照)。また、移動通信端末UE1から確認信号(PRACK)を受信してもアクセスネットワークの選択を行わない(図4B、ステップS19参照)。
さらに、ローカルホームエージェントL-HA20-1は、移動通信端末UE1に対するアクセスネットワークの選択をする際、着信側ネットワークの状況を考慮せずに、移動通信端末UE1から通知された気付けアドレスCoA1-1,CoA1-2及び、ユーザ要望1の他、QoS、事業者のPolicy等のみを考慮して行う(図5B、ステップS22'、S23'参照)。
図6A,図6Bは、着信側端末である移動通信端末UE2が暫定応答信号(Session Progress)なしに、直接応答信号(OK)を返信する場合の通信開始時の動作シーケンスを示す。
この場合も着信網側では網選択は行われない。発信網側では、ローカルホームエージェントL-HA20-1が応答信号(OK)を受信した際に、移動通信端末UE1から通知された気付けアドレスCoA1-1,CoA1-2及びユーザ要望の他、QoS、事業者のPolicy等のみを考慮して、アクセスネットワークの選択を行う(ステップS15)。
さらに、図7A,図7Bに示す実施例では、発信側の端末と網が網選択機能を具備しない場合の、通信開始時の動作シーケンスを示す。したがって、本実施例シーケンスと図4A,図4Bに示したシーケンスとの相違は以下の通りである。
移動通信端末UE1からローカルホームエージェントL-HA20-1に対しての発信要求信号(Invite)にローカルホームアドレスL-HoA1、気付けアドレスCoA1-1,CoA1-2及び、ユーザアドレスが含まれない。
ローカルホームエージェントL-HA20-1がローカルホームエージェントL-HA21-1から暫定応答信号(Session Progress)を受信してもアクセスネットワークの選択を行わない(図4A、ステップS15参照)。
ローカルホームエージェントL-HA21-1は移動通信端末UE2に対するアクセスネットワークの選択をする際、着信側ネットワークの状況を考慮せずに、移動通信端末UE2から通知された気付けアドレスCoA2-1,CoA2-2、ユーザ要望2の他、QoS、事業者のPolicy等のみを
考慮して行う。
さらに、図8A,図8Bに発信側の端末が確認信号(PRACK)をサポートしていない場合の、通信開始時の動作シーケンスを示す。この場合も発信網側では網選択は行われない。着信網側では、移動通信端末UE2が暫定応答信号(Session Progress)を送信した(ステップS14)後、更に応答信号(OK)送信する(ステップS15)。
ローカルホームエージェント21-1は移動通信端末UE1から確認信号(ACK)を受信した際(ステップS18)に、移動通信端末UE2から通知された気付けアドレスCoA2-1,CoA2-2、ユーザ要望2の他、QoS、事業者のPolicy等のみを考慮して、アクセスネットワークの選択を行う(ステップS19)。
つぎに、本発明の更なる実施例として、図9に通信中の移動通信端末UEがアクセスネットワークの切り替え契機を検出した場合の、ハンドオーバーシーケンスの例を示す。ここで、移動通信端末UEがハンドオーバー契機を検出するケースとして、ストリーミングサービス受信をW-CDMAで行っていたがW-LANのサービス提供エリアに移動した場合や、複数アクセスネットワークを利用可能な環境においてサービスの変更(ストリーミングから音声へ等)に伴い、最適なアクセスネットワークが変わった場合等が考えられる。
アクセスネットワーク20bを経由して通信中(ステップS100)の移動通信端末UE1がアクセスネットワーク20aに切り替えるハンドオーバー契機を検出する(ステップS30)と、位置登録情報更新信号(Biding Update)に、ローカルホームエージェントL-HoA20-1、気付けアドレスCoA1-1,CoA1-2、ユーザ要望(User Preference1)及びアクセスネットワーク選択要求を含めて、アクセスネットワーク20bを経由して、ローカルホームエージェントL-HA20-1に通知する(ステップS31)。
ローカルホームエージェントL-HA20-1は移動通信端末UE1から上記要求を受信すると、PDF20-2と協調して移動通信端末UE1から通知された気付けアドレスCoA1-1,CoA1-2、ユーザ要望の他、QoS、事業者のPolicy等を考慮して、移動通信端末UE1に最適なアクセスネットワークを選択する(ステップS32)。本実施例では、アクセスネットワーク20aを選択している。
ローカルホームエージェントL-HA20-1は、選択したアクセスネットワーク20aの選択情報を応答信号(Binding Ack)に含めて移動通信端末UE1に通知する(ステップS33)。
移動通信端末UE1はローカルホームエージェントL-HA20-1から応答信号(Binding Ack)を受信すると、アクセスネットワーク20aが選択されたことを認識して、アクセスネットワーク20aを経由して通信を行うために、無線リソースの確保を行う(ステップS34)。
移動通信端末UE1は無線リソースを確保したことを位置登録情報更新信号(Biding Update)によりローカルホームエージェントL-HA20-1に通知する(ステップS34)。この位置登録情報更新信号を受信したローカルホームエージェントL-HA20-1は、それ以降移動通信端末UE1に対するユーザデータをアクセスネットワーク20aを経由して転送する(ステップS200)。
なお、本ハンドオーバー完了後に、対向する移動通信端末UEに対して、自身が利用するアクセスネットワークが変わったことを通知(Update)し(ステップS35)、対向移動通信端末UEが当該通知を契機としてハンドオーバーを行うことも可能である。
また、図3に示した実施例に示すように、双方の網ともアクセスネットワークの選択機能を有する場合は、アクセスネットワークの選択を行うローカルホームエージェントL-HA20-1は、図3に示す発着信シーケンス中の通知あるいは上記ハンドオーバー後の通知により、対向網で利用中のアクセスネットワーク種別の情報を取得することが可能となる。従って、この場合には対向網で利用中のアクセスネットワーク種別も考慮した上で、アクセスネットワークを選択することが可能となる。
図10に網内装置が契機を検出した場合の、ハンドオーバーシーケンスを示す。ここで、網内装置がハンドオーバー契機を検出するケースとして、移動通信端末UEに対してストリーミングサービスをW-CDMAを介して提供していたが、W-LANのアクセスネットワークのリソース状況が変化し、当該W-LANを介してサービス提供が可能になった場合等が考えられる。
アクセスネットワーク20bを経由して移動通信端末UE1にサービス提供中のローカルホームエージェントL-HA20-1がハンドオーバー契機を検出する(ステップS40)と、ローカルホームエージェントL-HA20-1は移動通信端末UE1に対してハンドオーバー契機通知信号を送信する(ステップS41)。
上記信号を受信した後の移動通信端末UE1及びローカルホームエージェントL-HA20-1の動作は、上記図9の実施例における説明と同様である。
ここで、上記実施例説明において、ローカルホームエージェントL-HA及び、PDFが移動先ネットワーク(VN:Visited Network)内にあるものとしたが、これらの機能がホームネットワークHNに置かれる場合であっても本発明の適用による効果は変わらない。
また、ローカルホームエージェントL-HA及びPDFを独立した装置として実施例を説明したが、これらの機能が既存の装置(例えば、P-CSCF)内に設けられても効果は変わらない。
さらに、移動通信端末UE1,UE2が利用可能なアクセスネットワークの候補として通知する情報は、上記実施例で明示的に示してないが、移動通信端末UE1,UE2がその時点(当該時点)で利用可能な全てのアクセスネットワークの気付けアドレスCoAを通知する方法や、サービス、ユーザ要望(User Preference)に応じて選択した特定のアクセスネットワークの気付けアドレスCoAのみを通知する方法が考えられる。これらいずれの方法を適用する場合にあっても本発明により得られる効果は変わらない。
また、上記実施例は発側・着側とも移動体通信の場合を示したが、一方が固定網端末である場合や、サーバー等であっても本発明の効果は変わらない。
また、更に上記実施例では、プロトコルにSIPを用いた場合を示したが、他のプロトコルを適用した場合であっても本発明の効果は変わらない。
上記の実施例では、移動先ネットワークVNで提供される複数のアクセスネットワークは全て同一の通信事業者で管理されている。以下に説明される実施例ではユーザの所属するホームネットワークHNに通信事業者の異なる複数のネットワーク(移動先ネットワークVN)が接続され、各ネットワークに複数のアクセスネットワークが含まれる。言い換えれば、或るユーザに対するアクセスネットワークの選択肢に、通信事業者の異なるものが含まれる。この場合、或る通信事業者のネットワークから別の通信事業者のネットワークの様子を詳細に把握することはできないので、第1乃至第4実施例で説明済みの手法だけでは適切なアクセスネットワークの組み合わせを決定することは困難である。
以下の実施例による発明では複数の通信事業者によって、複数のアクセスネットワークが提供される場合に、端末が網内装置に対して利用可能なアクセスネットワークの種別と、ユーザ要望(User Preference)を通知する。各網内装置はこれらの情報に加えて、ユーザが要求したサービス又はアプリケーションが何であるか、有線網内であるか否か、無線区間のリソース状況、事業者のポリシー等も考慮して、発信時及び着信時に移動先ネットワークVN及びアクセスネットワークの選択を行うことができる。また、上記網選択機能を発信網側及び着信網側双方が具備する場合は、網内装置間で選択されるアクセスネットワークの候補又は選択されたアクセスネットワークを通知し合うようにする。これにより、対向網でのアクセスネットワークの選択候補或いは選択結果に相応しい自網内のアクセスネットワークを選択することができる。
また、アクセスネットワーク個々に識別子が設けられ、3GPPのGPRSのように、移動先ネットワークVN自身が独自のモビリティ制御機能を有し、その移動先ネットワークVNの配下に複数のアクセスネットワークが接続されている場合にも本発明は適用可能である。この場合、ホームネットワークHNは、アクセスネットワーク及びモビリティ制御機能を有する移動先ネットワークVNの何れかを選択し、VNはそれが管理するアクセスネットワークを識別するようにすることで、発側及び着側の間で最適なアクセスネットワークの組み合わせを選択することができる。
本発明によれば、複数のアクセスネットワークを有する通信網において、ユーザ要望だけでなく様々な条件を基に、発着信時及び通信中に最適なアクセスネットワークの選択機能実現することができ、位置登録時の選択結果には固定されない。
以下、移動体通信網においてプロトコルとしてSIPを適用した場合の本発明の実施例を示す。
図11は本発明を実現する移動体通信網の構成図である。UE1及びUE2は、本発明において実際に通信を行う移動通信機であり、それぞれ加入しているホームネットワーク(HN:Home Network)より、ホームアドレス(HoA:Home of Address)HoA1,HoA2が割り当てられている。HN1とHN2は、それぞれUE1とUE2が加入する移動通信サービス提供網である。また、移動先又は訪問先のネットワーク(VN:Visited Network)1-1、VN1-2;VN2-1、VN2-2は、それぞれUE1とUE2が在圏する網である。これらの移動先ネットワークVNは本実施例では異なる通信事業者によりそれぞれ管理される。更にアクセスネットワーク(AN:Access Network)1-1-1とAN1-1-2は、VN1-1がUE1に提供するアクセス手段である。AN1-2-1とAN1-2-2は、VN1-2がUE1に提供するアクセス手段である。AN2-1-1とAN2-1-2はVN2-1がUE2に提供するアクセス手段である。AN2-2-1とAN2-2-2は、VN2-2がUE2に提供するアクセス手段である。
アクセスネットワークは例えばW−CDMA方式の移動通信網等のような広域網でもよいし、ホットスポット的に提供される無線LAN等でもよい。また、アクセスネットワークは音声データのようなリアルタイムデータに有利なネットワークでもよいし、ノンリアルタイムデータに有利なネットワークでもよい。様々なアクセスネットワークが様々な場所で様々な通信事業者から提供される可能性があり、ユーザはそれらの1以上に在圏する可能性がある。
図12は本発明を実現するための機能配備のうち、或るユーザ装置(例えば、UE1)に対応する機能構成を示したものである。このユーザの通信相手も同様な通信環境にあってもよい。ローカルホームエージェントL-HAは本発明により新たに設けられた機能部であり、サービス提供範囲内に移動してきたUEに対してローカルホームアドレスL-HoAを割り当てる機能、及びUEから通知された利用可能なアクセスネットワーク種別、User Profile、及びQoSや事業者のPolicy等に基づいて、通信に最適なアクセスネットワークを選択する機能を有する。
ユーザ装置又は移動通信機UE1は複数の無線方式により通信を行う機能を有し、各無線方式に対応する気付けアドレスCoAと在圏する移動先ネットワークVNのL-HoAの割り当てを受け、それを記憶する機能を有する。また、UEは発信要求時及び着信応答時にその時点で利用可能な無線方式(Access Network)に対応したCoAと、ユーザ要望、L-HoA等をL-HAに対して通知する機能を有する。
図12では、L-HA及びPDFが独立した装置又は機能部として示されているが、これらの機能が既存の装置(例:P-CSCF)内に設けられてもよい。
図13A及び図13BはUE1によるL-HoA・CoAの取得と、S-CSCFへの登録の手順を示す。UE2についても同様の手順が行われる。
図13Aに示されるように、UE1が移動先ネットワークVNのサービス提供エリア内に移動し、AN1-1又はAN1-2の電波を受信すると、それぞれのアクセスネットワークからCoA (CoA1-1とCoA1-2)が割り当てられる(S2)。
UE1はホームネットワークHNから割り当てられているHoA1と、AN1-1から割り当てられたCoA1-1を、AN1-1を経由してL-HA1に登録する(S4)。
L-HA1はUE1からの登録を受け付けた時点で、自身が保持するテーブルを参照し、HoA1に対応するL-HoAを割り当て済みか否かを判断する。L-HoAを割り当てていない場合は、UE1に対してL-HoA1を割り当てて、登録に対する応答に含めてUE1に通知する。
UE1は同様の手順で、AN1-2経由でHoA1とCoA1-2をL-HA1に登録する(S6)。
L-HA1はUE1に対して既にL-HoA1を割り当て済みであることから、登録完了の応答のみをUE1に対して行う。
図13Bに示されるように、UE1は取得した全CoAのL-HA1への登録と、L-HoA1の取得が完了した時点で、自身が加入するホームネットワークHN内のS-CSCFに対して、L-HoA1の登録を行う(S8,S10)。
以上の手順により、UEによるL-HoA・CoAの取得と、S-CSCFへの登録が完了する。
図13A,13Bの手順では利用可能なアクセスネットワークが2つであることに起因して、2つのバイディングアップデート及び2つの登録要求がなされている。アクセスネットワーク数が異なればその数に応じたバインディングアップデート(BindingUpdate)及び登録要求(Register)がなされる。概して図13Aの手順はモバイルIPでのルータのアドレステーブル用のアドレス登録手順であり、図13Bの手順は3GPPシップ(SIP)プロトコルにおける発着呼用のアドレス登録手順である。各手順で登録されるアドレスの内容は同じであるが、図示のようにそれらを別々に行うことで、既存のプロトコルを変更せずに本発明の準備を行うことができる。
図14A,図14BはホームネットワークHNが移動先ネットワークVNを固定的に選択し、移動先ネットワークVNがアクセスネットワークANを動的に選択する場合において、UE1からUE2へ通信が要求された場合の通信開始時の動作シーケンスを示す。固定的及び動的の意味については後述される。図14Aは発信側(UE1側)の動作シーケンスを示し、図14Bは着信側(UE2側)の動作シーケンスを示す。
図示の例では、UE1及びUE2間で6つの信号がやりとりされ、それらは(1)UE1による発信要求(Invite)、(2)UE2による183セッションプログレス(183 Session Progress)、(3)UE1によるPRACK、(4)UE2による200-OK(PRACK等)、(5)UE2による200-OK(Invite)及び(6)UE1によるACKである。
UE1は発信要求信号(Invite)に、HoA1、ユーザ要望1、サービス種別、QoS要求を含めて、AN1-1-1を経由して、VN1-1(L-HA1-1)に通知する(S10)。ここで、L-HAは、受信した発信要求信号がどのUEからの要求であるかをHoA1を用いて判断する。また、ユーザ要望1はUE1のユーザがどのような基準で網選択をして欲しいか(例:通信速度優先・通信コスト優先など)を、L-HA1-1に通知するための情報である。
VN1-1(L-HA1-1)はUE1から発信要求信号(Invite)を受信すると、UE1から通知されたL-HoA1-1・CoA1-1-1・CoA1-1-2・ユーザ要望1を自身に記憶するとともに、発信要求信号をUE2に向けて発する(S12)。図示の例ではアクセスネットワークAN1-1-1を経由してVN-1に発信要求信号が送信されているが、このアクセスネットワーク及び移動先ネットワークVNの選択は仮のものであり、以後の手順が進んだ後に変更されるかもしれない。
図14BのS14に示されるように、着側(UE2側)のホームネットワークHNであるHN2は、要求されたサービスに適した移動先ネットワークNW選択し、選択した移動先ネットワークVN(本例ではVN2-1) を経由して、上記発信要求信号(Invite)をUE2へ送信する。本実施例ではこのHN2が選択した移動先ネットワークVNは以後の手順が進んでも変更されない。言い換えればこの選択は仮のものではない。複数の移動先ネットワークVNの内どの移動先ネットワークVNが選択されるかは、UE2の通信状況によらない何らかの所定の基準に基づいて決定される。「固定的に決定される」とは、このようにUE2の通信状況によらずにHN2により決定されることをいう。一方、HN2により選択されたVN2-1は、配下の複数のアクセスネットワークの内の1つを仮に選択し、それを通じてUE2と通信を行う。図示の例ではAN2-1-1が暫定的に選択されている。
UE2は発信要求信号(Invite)を受信すると、仮応答信号(183 Session Progress)にL-HoA2・CoA2-1-1・CoA2-1-2・ユーザ要望2を含め、AN2-1-1を経由して仮応答信号をVN2-1(L-HA2-1)に通知する(S16)。ここでUE2からVN2-1(L-HA2-1)へ通知される内容は、上記UE1からL-HA1-1へ通知される内容と同様に処理される。
VN2-1(L-HA2-1)はUE2から仮応答信号(183 Session Progress)を受信すると、UE2からL-HoA2・CoA2-1-1・CoA2-1-2・ユーザ要望2を自身に記憶する。また、VN2-1は、VN2-1内のPDF2-1と協調して、UE2にサービス提供するアクセスネットワークANのリスト(本通信に適した順に並べられたANのリスト)を作成し、自装置の記憶手段に保持する。VN2-1はリストの内容及び仮応答信号(183 Session Progress)をUE1に向けて発する(S18)。リストの作成には、UE2から通知されたCoA2-1-1・CoA2-1-2・ユーザ要望2の他、QoS、事業者のPolicy等が考慮される。UE2が利用可能なアクセスネットワークANの候補として通知する情報内容は様々なものが考えられ、例えばUE2がその時点で利用可能な全てのアクセスネットワークANのCoAが通知されてもよいし、サービス・ユーザ要望に応じて選択した特定のアクセスネットワークANのCoAのみが通知されてもよいし、他の情報が通知されてもよい。
図14AのS20に示されるように、UE1のホームネットワークであるHN1が、要求されたサービスに適した移動先ネットワークVN選択する。この選択も固定的に行われる、即ち所定の条件に従って移動先ネットワークVNが決定される。HN1はUE1からの発信要求を受けたVN1-1を介して、選択した移動先ネットワークVN(本例ではVN1-2) を上記仮応答信号(183 Session Progress)に含めてUE1へ送信する。即ち、仮決定されているVN1-1及びAN1-1-1を通じて、本決まりの移動先ネットワークVNが何であるか(図示の例では、VN1-2)を示す情報がUE1に通知される。
UE1は仮応答信号(183 Session Progress)受信すると、確認信号(PRACK)にL-HoA1・CoA1-2-1・CoA1-2-2・ユーザ要望1をAN1-2を含め、確認信号をVN1-2(L-HA1-2)に通知する(S22)。ここでUE2からVN2-1(L-HA2)へ通知される内容は、上記UE1からL-HA1-1へ通知される内容と同様である。
S24に示されるように、VN1-2(L-HA1-2)はUE1から確認信号(PRACK)を受信すると、VN1-2内のPDF1-2と協調して、UE1にサービス提供するアクセスネットワークANのリスト(本通信に適した順に並べられたANのリスト)を作成する。リストはUE1から通知されたCoA1-2-1・CoA1-2-2・ユーザ要望1の他、QoS、事業者のPolicy等を考慮して作成される。L-HA1-2は、作成したAccess Networkのリストを確認信号(PRACK)に含めてVN2-1(L-HA2-1)へ通知する。
図14BのS26に示されるように、VN2-1(L-HA2-1)はUE1から確認信号(PRACK)を受信すると、VN2-1内のPDF2-1と協調してUE1から通知されたアクセスネットワークANのリスト、及びUE2から通知されたCoA2-1-1・CoA2-1-2・ユーザ要望2の他、QoS、事業者のPolicy等を考慮して、UE2に最適なアクセスネットワークANを選択する(本実施例では、AN2-1-2を選択している)。VN2-1(L-HA2-1)は、選択したアクセスネットワークを確認信号(PRACK)に含めてUE2に通知する。通知は目下暫定的に使用されているAN2-1-1を通じて行われるが、以後UE2は決定内容に従ってAN2-1-2にアクセスすることになる。このようにアクセスネットワークの選択は、固定的な選択ではなく、UEの通信の実情及び趣向等に基づいて「動的に」なされる。
S28に示されるように、UE2はL-HA2から確認信号(PRACK)を受信すると、AN2-2が選択されたことを認識する。UE2は、AN2-2を経由して通信を行うために、無線リソースの確保を行う。UE2は、PRACKに対する応答信号(200 OK)に、選択されたANがAN2-2であることを含めてUE1対して返信し、更にInviteに対する応答信号(200 OK)をUE1対して返信する。
図14AのS30に示されるように、VN1-2(L-HA1-2)はUE2からPRACKに対する応答信号(200 OK)を受信すると、VN1-2内のPDF1-2と協調して、UE1に最適なアクセスネットワークANを選択する(本実施例では、AN1-2-2を選択している)。この選択では、UE2から通知されたアクセスネットワークANの選択結果リスト、及びUE1から通知されたCoA1-2-1・CoA1-2-2・ユーザ要望1の他、QoS、事業者のPolicy等が考慮される。
S32に示されるように、VN1-2(L-HA1-2)は、選択したアクセスネットワークANをPRACKに対する応答信号(200 OK)に含めてUE1に通知する。UE1はL-HA1からPRACKに対する応答信号(200 OK)を受信すると、AN1-2-2が選択されたことを認識し、UE1はAN1-2-2を経由して通信を行うために、無線リソースの確保を行う。
S34に示されるように、UE1は、Inviteに対する応答信号(200 OK)に対する確認信号(ACK)に、選択されたアクセスネットワークANの種別の情報を含めてUE2に通知する。選択されたアクセスネットワークANの種別の情報は、実際に選択を行ったL-HA1がACKに含めて、UE2に通知しても良い。
図14BのS36に示されるように、UE2が200 OK (Invite)に対する確認信号(ACK)をUE1から受信することにより、通信開始時の動作シーケンスが完了する。以後、UE1,UE2はそれらの間で適切に選択されたアクセスネットワークを通じて高品質な通信を行うことができる。
なお、図14AのS30に示されるように、ホームネットワークHNにより固定的に選択された移動先ネットワークVN1-2は、200-OK(PRACK,AN2-1-2)を受信した後に、適切なアクセスネットワークAN1-2-2を選択している。しかしながら、VN1-2がAN1-2-2を選択するタイミングは、S24のAN候補リストの作成時点以後のいつでもよいことに留意を要する。但し、何らかの信号を受信し、処理を行い、信号を送信するというような動作を、システム全体で統一的に行うことで処理手順の簡易化を図る観点からは、図示のようなタイミングでANの選択がなされることが好ましい。
図15A,図15BはホームネットワークHNが移動先ネットワークVNを動的に選択し、移動先ネットワークVNもアクセスネットワークANを動的に選択する場合の、通信開始時の動作シーケンスを示す。図14A,Bに示される手法も図15A,Bに示される手法も、選択された移動先ネットワークVNが動的にアクセスネットワークを選択する点で共通する。しかし、図15A,Bに示される手法は、ホームネットワークHNも動的に移動先ネットワークVNを選択する点で、それを固定的に選択する図14A,Bに示される手法と異なる。
図15AのS10に示されるように、UE1は発信要求信号(Invite)をUE2に送信する。図15Bに示されるように、UE1からの発信要求信号はUE2が利用可能な全ての移動先ネットワークVN2-1,VN2-2に送信される。
S12,S14に並列的に示されるように、発信要求信号(Invite)を受信したUE2は、図14Bに示されるS16での処理と同様に、仮応答信号(183 Session Progress)に必要な情報を含め、それをVN2-1,VN2-2にそれぞれ通知する。VN2-1,VN2-2はUE2から仮応答信号(183 Session Progress)を受信すると、UE2にサービス提供するANの候補リストを作成する。各VNに対するANの候補リストはHN2から仮応答信号(183 Session Progress)によりUE1に向けて送信される。
図15AのS16,S18に示されているように、UE1の側でもANの候補リストがVN1-1,VN1-2の各々で作成される。この場合に、HN1は183 Session ProgressをUE1が発信要求した移動先ネットワークVNのみでなく、位置登録している全ての移動先ネットワークVNから送信する。183 Session Progressに対するPRACKをUE1から受けたVN1-1,VN1-2の双方は自身のネットワーク内のAN候補リストを作成する。これらのリストを受信した HN1はUE1に対する全てのAN候補リストを作成する。
図15BのS20に示されるように、HN2はHN1から受信したPRACKに含まれるUE1に対するAN候補リストと、自身が保持しているUE2に対するAN候補リスト、ユーザ要望2の他、QoS、事業者のPolicy等を考慮して、UE2に最適な移動先ネットワークVNを選択する(本実施例では、VN2-1を選択している)。選択されたVNは適切なANを選択し(図示の例では、AN2-1-2が選択される)、選択されたVN,ANの情報がUE2に通知される。
S22に示されるように、UE2は通知内容を認識すると、AN2-1-2を経由して通信を行うために、無線リソースの確保を行う。UE2は、PRACKに対する応答信号(200 OK)に、選択されたアクセスネットワークANがAN2-1-2であることを含めてUE1対して返信し、更にInviteに対する応答信号(200 OK)をUE1対して返信する。
図15AのS24に示されるように、HN1はHN2から受信した200OK(PRACK)に含まれるUE2に対するAN候補リストと、自身が保持しているUE1に対するAN候補リスト、ユーザ要望1の他、QoS、事業者のPolicy等を考慮して、UE1に最適な移動先ネットワークVNを選択する(本実施例では、VN1-2を選択している)。選択されたVNは適切なANを選択し(図示の例では、AN1-2-2が選択される)、選択されたVN,ANの情報がUE1に通知される。UE1は通知内容を認識すると、AN1-2-2を経由して通信を行うために、無線リソースの確保を行う。
S26に示されるように、UE1は、Inviteに対する応答信号(200 OK)に対する確認信号(ACK)に、選択されたアクセスネットワークANの種別の情報を含めてUE2に通知する。
図15BのS28に示されるように、UE2が200 OK (Invite)に対する確認信号(ACK)をUE1から受信することにより、通信開始時の動作シーケンスが完了する。本実施例では、移動先ネットワークVNが固定的に選択されるのではなく、UEの意向に応じて動的に選択される。従ってUE1,UE2はそれらの間でより一層適切に選択されたアクセスネットワークを通じて更に高品質な通信を行うことができる。
図16A,図16BはホームネットワークHNが移動先ネットワークVNとアクセスネットワークANを固定的に選択する場合の動作シーケンスを示す。第5及び第6実施例では、HNはVNを選択するに過ぎず、ANの選択はVNに委ねられていたが、本実施例ではANの選択もHNで行われる。しかもVN,ANの選択は固定的に行われる。より具体的には、HN2が、UE1からのInviteを受信した時点で、VNだけでなくアクセスネットワークANも決定し、決定されたVN及びAN(本例ではVN2-1及びAN2-1-2) を経由して、上記発信要求信号(Invite)がUE2へ送信される。また、HN1が、UE2からの183 Session Progressを受信した時点で、VNだけでなくANも決定し、決定されたVN及びAN (本例ではVN1-2及びAN1-2-2) の内容は上記仮応答信号(183 Session Progress)によりUE1に通知される。
本実施例ではANは動的には選択されないので、ANの候補リストを作成するための手順は不要であり、手順の簡素化を図ることができる。
図17A,17BはホームネットワークHNが移動先ネットワークVNとアクセスネットワークANを動的に選択する場合の、通信開始時の動作シーケンスを示す。第7実施例も本実施例もHNがVNもANも選択する点で共通するが、本実施例ではその選択が動的になされる点が第7実施例と異なる。HNがVN及びANを選択する点を除いて、具体的な動作シーケンスは図15A,図15Bに示されるものと同様である。
図18A,図18BはホームネットワークHNが移動先ネットワークVNのみを固定的に選択し、移動先ネットワークVNがアクセスネットワークANを固定的に選択する場合の、通信開始時の動作シーケンスを示す。本シーケンスは図14A,図14Bに示されたシーケンスと同様であるが、HNによって選択されたVNが、Invite又は183 Session Progressを受信した時点で、ANの選択を行う点が異なる。本実施例ではANは動的には選択されないので、ANの候補リストを作成するための手順は不要であり、手順の簡素化を図ることができる。
なお、上記実施例では発側及び着側双方が移動体通信網であることが仮定されていたが、通信相手が固定網端末でもよいし、サーバー等であってもよい。また、上記実施例では、プロトコルにSIPを用いた場合が説明されたが、他のプロトコルが使用されてもよい。
ところで、通信事業者の提供するサービス形態は様々であり、場合によっては、配下の複数のアクセスネットワークの1以上が1つの管理部で管理され、その通信事業者の移動先ネットワークVNはその管理部と直接的に通信可能であるが、管理部配下の1以上のアクセスネットワークを直接的には区別できない環境も考えられる。例えば3GPPでは、共通のコア網(GPRS)配下に、異種のアクセス網(UTRANとGERAN)を収容することが可能である。この場合、従来のアクセスネットワーク選択方法では、GPRSが1つのアクセス網とみなされるため、GPRS自体を選択することはできても、その配下に接続されているUTRANとGERANの選択はできない。即ち、1つの移動先ネットワークVNと複数のアクセスネットワークとの間に、固有のモビリティ管理機能があるので、移動先ネットワークVNからはこれらのアクセスネットワークが単一のものと認識され、その配下のアクセスネットワークを直接的に選択することはできない。本発明の第10実施例は、このような問題に対処できる。
図19は1つの移動先ネットワークVNと複数のアクセスネットワークとの間に、固有のモビリティ管理機能部(MM: Mobility Management)が設けられている網構成図を示す。この場合、移動先ネットワークVNは、UE1がAN1-1とAN1-2のうちいずれを利用しているかに関わらず、ユーザデータをMobility Management (MM)宛てに送信し、Mobility ManagementがUE1が利用しているANに向けてデータを転送する。
図20はUEによるL-HoA・CoAの取得と、S-CSCFへの登録の手順を、UE1の場合を例に示す。図示されるように、UE1が移動先ネットワークVNのサービス提供エリアに入り、AN1-1又はAN1-2の電波を受信すると、UE1は、いずれかのANを経由して(本実施例ではAN1-1)、MMからCoA1-1を取得する(S2)。図13A,図13BではUEに対して移動先ネットワークVN配下のAN1-1,AN1-2から気付けアドレスCoA1,CoA2がそれぞれ割り当てられ、各自のアクセスネットワークANを経由して網への登録を行っていた。本実施例ではモビリティ管理機能部MMは気付けアドレスCoA1-1を割り当てるが、アクセスネットワークにはそのような気付けアドレスは割り当てられない。即ち、MMはAN1-1及びAN1-2に共通のCoA1-1をUEに割り当てる(払い出す)。UEから網への登録はいずれか一方のANのみから行われる。
UE1はホームネットワークHNから割り当てられているHoA1と、MMから割り当てられたCoA1-1を、AN1-1を経由してL-HA1に登録する(S4)。
L-HA1はUE1からの登録を受け付けた時点で、自身が保持するテーブルを参照し、HoA1に対応するL-HoAを割り当て済みか否かを判断する。L-HoAを割り当てていない場合は、UE1に対してL-HoA1を割り当てて、登録に対する応答に含めてUE1に通知する。
UE1は取得したCoAのL-HA1への登録と、L-HoA1の取得が完了した時点で、自身が加入するホームネットワークHN内のS-CSCFに対して、L-HoA1の登録を行う(S6)。このUEからの登録(Register)のパラメータに、ANを特定するための識別子AN1-1及びAN1-2が加えられる。
以上の手順により、UEによるL-HoA・CoAの取得と、S-CSCFへの登録が完了する。これにより、図19のようなネットワーク構造が使用されている場合であっても、UEの利用可能な全てのアクセスネットワークを区別する情報が、ホームネットワークHN及び移動先ネットワークVNに記憶される。その結果、上記の各実施例で説明されたような手順と同様な手順で、UE1,UE2の通信に相応しいアクセスネットワークの組み合わせを適宜選択することができる。
上述したように、移動先ネットワークVNはホームネットワークHNにより固定的に又は動的に選択される。アクセスネットワークANは、移動先ネットワークVNにより固定的に又は動的に選択されてもよいし、ホームネットワークHNにより固定的に又は動的に選択されてもよい。アクセスネットワークAN及び/又は移動先ネットワークVNを速やかに決定する観点からは、固定的な選択が好ましい。ユーザの通信状況に真に相応しいアクセスネットワークAN及び/又は移動先ネットワークVNを選択する観点からは、動的な選択が好ましい。移動先ネットワークVNが配下のアクセスネットワークANについての情報をホームネットワークHNに通知することを希望しない場合には、アクセスネットワークANの選択は移動先ネットワークVNにより行われることが望ましい。アクセスネットワークAN及び移動先ネットワークVNを一元的に管理する観点からは、それらの選択はホームネットワークHNにより行われることが望ましい。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。説明の便宜上、本発明が幾つかの実施例に分けて説明されてきたが、各実施例の区分けは本発明に本質的ではなく、1以上の実施例が必要に応じて使用されてよい。
本国際出願は2005年10月14日に出願した国際出願PCT/JP2005/018921に基づく優先権を主張するものであり、PCT/JP2005/018921の全内容を本国際出願に援用する。