JP4686299B2 - ユーザビリティ評価装置、ユーザビリティ評価方法およびプログラム - Google Patents

ユーザビリティ評価装置、ユーザビリティ評価方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、ユーザの生体信号を用いて機器の使いやすさを評価するためのユーザビリティ評価装置、ユーザビリティ評価方法、およびプログラムに関するものである。
ユーザに使用される様々な機器は、その使いやすさを事前に評価する必要がある。ユーザの機器の使いやすさはユーザビリティと呼ばれ、このユーザビリティ評価を適切に行うことにより、その評価結果を製品設計の修正や次回の機器の仕様決定に活用できる。
従来のユーザビリティ評価方法としては、(1)アンケート形式でユーザの主観評価を主に収集するもの、(2)ユーザの操作履歴情報など行動観察によるもの、(3)生理信号を用いるもの等がある。以下、従来の技術を概観する。
主観評価は、アンケートやインタビューによって、使いやすさに関する主観的な感想を聞いて評価するものである。主観評価は、さまざまな要因によって評価結果が影響されること、また主観的に回答できることは感じたことの一部であると言われている。
行動評価とは、ユーザの操作履歴情報や、ユーザをビデオ撮影した画像からユーザの表情や行動を観察して、そのデータを解析することで評価を行うもので、例えば感情状態や困惑等のユーザ状態と結び付けられて評価される。また行動評価は、ユーザが機器を操作している間の操作に注目するもので、その操作内容や操作時間間隔など外部からの観察によって測定可能なものが多い。ユーザの行動記録を用いて、ユーザの機器操作のタスクの達成度、ユーザの困惑度、ユーザの機器操作の印象などが評価できる。
行動評価の例として、特許文献1のアクティブヘルプ装置においては、画面を用いた対話的な操作において、各表示画面の停留時間を測定し、表示画面ごとに設定された標準表示時間との比較によって、利用者とシステムとの対話に以上な遅延や膠着が生じていないかどうかを評価する方法が用いられ、その評価結果はヘルプ情報の提示に用いられる。
次に、生理評価とは、ユーザの行動や状態に関する生理信号を主にユーザに装着したセンサによって取得し、評価に使用するものである。生理信号の代表的なものとしては、心拍、脈拍、血圧、脳波などが挙げられ、その特徴としては、アンケート等の主観的な回答とは異なり、ユーザ自身も気がつかない生理状態の変化が記録できること、また外部からの観察では知ることのできない状態も記録できることなどがある。
生理評価の例は、特許文献2に記載されている。特許文献2の作業者の心身状態評価方法においては、作業者の心身状態を評価するために生体センサとしてまばたきセンサ、皮膚インピーダンスを使用し、生理情報分析部によって生理情報を分析してストレス発生であるとか、リラックス中であるかなどが判定される。また、特許文献2においては、これらの生理情報と同時に行動指標も組合せることでより適切な評価が可能になるとされている。
このようにユーザから取得できる行動指標や生理指標などを使用して、ユーザビリティの評価が行われてきた。
特開2000−227826号公報 特開平11−65422号公報 WO2005/001677号公報 ISO9241−11 (3.Definition(1998)) 加我他、「事象関連電位(ERP)マニュアルーP300を中心にー」、篠原出版新社、1995 原田悦子「高齢者から見た『使いやすさ』とは何か:認知工学的視点から」、日本エム・イー学会専門別研究会、医療・福祉分野におけるヒューマンインターフェース研究会、平成16年度 第2回研究会予稿集、
しかしながら、上述の従来技術によっても、測定できない点があった。それはユーザの短時間のちょっとしたユーザ状態の変化や、ユーザがどれぐらい機能を覚えやすいか、慣れやすいか等の観点である。
ここで、ユーザビリティの定義について説明する。ユーザビリティは、国際規格ISO9241−11において定義されている(非特許文献1)。そこでは、「特定の利用状況において、特定のユーザーによって、ある製品が、指定された目標を達成するために用いられる際の、有効さ(Effectiveness)、効率(Efficiency)、ユーザーの満足度(Satisfaction)の度合い」と定義されている。
このうち、「有効さ」とは、ユーザが指定された目標を達成する上での正確さ、完全性を示し、どれぐらい誤った操作をすることなく、操作が達成されたかの指標である。
また「効率」とは、ユーザが目標を達成する際に、正確さと完全性に費やした資源であり、ユーザが正確に操作を達成するために、どれぐらいの苦労をしたか、の指標である。ここでの苦労とは操作上のストレスや、ミスをしないまでもミスをしそうになった、などが含まれる。
また、「満足度」とは、製品を使用する際の、不快感のなさ、及び肯定的な態度である。これは製品の印象や使い心地などから生じるものである。
ユーザビリティの評価においては、以上のようにさまざまな観点からの評価が総合的に行われる必要がある。この定義に従えば、特許文献1や2で測定できたのは上記定義における正確さに関する「有効さ」、操作上のストレス面からの「効率」、不快感という意味での「満足度」に相当する項目であった。
すなわち、特許文献1に例示される行動指標を用いる方法によっては、行動に現れないユーザの操作時の心的状態はわからなかった。
また、生理指標を用いる方法によっても、また特許文献2に示されるように生理指標と行動指標を組合せる方法によっても、主に生理指標によって、緊張度合いや集中度合いや疲労度などのユーザの状態に関する評価が行われた。しかしこの考え方では、ユーザの機器に対する全般的な評価との関連付けにおいて、機器を利用したときにストレスが少なく利用できた、とか、リラックスして使用できたなどという評価はできても、各個別の操作についての覚えやすさや違和感については評価がされなかった。
ところで、ユーザは機器の操作性について、その操作が可能かどうかのみを気にしているわけではない。例えば、インターネット上でユーザが発信する製品評価のページ等では、機器の操作性について、「繰り返し2時間も操作すれば慣れるが、依然としてちょっとした操作にもストレスを感じるかもしれません」であるとか、「誤操作する可能性はかなり低いと思いますが、直感的な操作がしにくいように感じます」などの記述が見られる。前者の事例については、ユーザは機器操作時にも常に学習をするので、ユーザの適応能力によって操作が実現されるが、実現できても操作に違和感が生じる場合があることを示唆している。また、後者の事例についても操作を間違わないことと、直感的に操作できることは独立の場合もあることを示唆している。
これらの事例は、ユーザビリティの定義における覚えやすさや、間違いを繰り返さないという意味での「効率」や、操作を行う場合に機器の操作を意識的に思い出さないと操作できないという直感的でない操作法になっているという意味での「満足度」に関連する。つまり、ユーザが機器操作を覚えるまでにどれぐらいの苦労を強いられ、どれぐらい機器の操作を覚えやすくなじみやすいかという点に関連している。
これらの点に関しては、従来のような操作ができたかできなかったかの行動評価では、ユーザは操作が達成できたらよいとされてきた。また、行動評価において比較的習熟と関係があると考えられる、指示がされてから操作が実行されるまでの時間間隔などについても、ユーザがどのような理由で時間間隔が空いたかは多くの場合は不明であった。
以上のように覚えやすさに関する「効率」は、これまでは主観的な内省報告によってのみ、その存在が確認されるだけであった。
このような問題に対して、本願発明者らは、非特許文献2で示されるような脳波計で測定可能な事象関連電位に着目した。発明者らはすでに特許文献3において、ユーザが機器動作に期待していたことと実際の機器の動作とが違っていた場合に、特徴的に現れる信号を用いたサービス提供装置を考案している。特許文献3では、この信号により機器の動作がユーザの思い通りであったか、ユーザの思い通りではなかったが判定できることを示している。
また、ユーザビリティ評価の観点からは、特許文献3に示す方法を用いれば、機器の複数ある機能のうち、どの機能に対してユーザは思い通りに操作できなかったか、という評価が可能になる。
ここで、ユーザが機器動作に期待していたことと、実際の機器の動作とが違う場合の例を図2を用いて簡単に説明する。図2(a)においてユーザ101がリモコン102を使用してテレビ103を操作する場面を示したものである。
このシーンにおいて図2(b)のような流れが考えられる。ステップS14でユーザ101はテレビ103を見ようと考えたとする。その思いにしたがってユーザ101はステップS15においてリモコン102を操作し、テレビを見ることを実現しようとする。ここでユーザ101は、明示的には意識していないかもしれないが、このリモコン102の操作によってテレビ103が映ると思っていると考えられる。
次のステップS16でいつもどおりにテレビが映った場合、ステップS17で普段どおりにテレビを見られるが、もしも何かの都合(テレビ103やリモコン102の故障、リモコン102のボタンの押し間違いなど)によって、テレビ103がユーザ101の期待通りの動作をしなかった場合、テレビ103はステップS18において映らずに、この場合ステップS19のように「あれ?おかしいな」とユーザ101は考えるだろう。
上記のステップS19の状況を事象関連電位を用いると、ステップS17の場合と明確に区別できることを扱ったのが、特許文献3に記載された事項である。本発明では、この場合に確認される信号を、以下期待はずれ信号と呼ぶ。
上述の従来技術の問題に鑑み、本発明は、機器のユーザビリティ評価において、ユーザの心的状態を生体信号を利用して検出し、機器の特定の機能について、最終的に覚えられたかではなく、その機能が覚えやすいか、慣れ易いかどうかの評価をすることによって、より詳細なユーザビリティ評価を行うことを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のユーザビリティ評価装置は、所定の機器に対するユーザの機能の操作を受ける操作入力部と、前記操作入力部によって受けた前記機能の操作に対し、応答内容を決定する応答内容決定部と、前記応答内容決定部によって決定された前記応答内容を前記ユーザに提示する提示部と、前記ユーザの生体信号として脳波の事象関連電位を計測する生体信号検出部と、計測された前記事象関連電位のデータを蓄積する蓄積部と、前記提示部が前記応答内容を提示したタイミングを起点として、前記生体信号検出部で計測された前記事象関連電位の中から、前記起点から所定の時間後の特定事象関連電位を前記蓄積部に蓄積させる特定事象関連電位判定部と、前記蓄積部に蓄積されており、前記特定事象関連電位を有する複数の前記事象関連電位の前記データにおいて、複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いから前記機能の操作の覚えやすさを判定するユーザ評価部とを備えるものである。ここで複数の特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いとは、時系列的に複数回検出された特定事象関連電位をそれぞれ比較した場合に、検出順番が増加するに従って該特定事象関連電位が変化して行く度合いのことである。また、特定事象関連電位は、事象関連電位の、時間で表された所定の検出対象区間におけるデータからその有無が判定される。また、本発明の別のユーザビリティ評価装置は、ユーザの要求を受ける操作入力部と、前記操作入力部によって受けた前記要求に対し、応答内容を決定する応答内容決定部と、前記応答内容決定部によって決定された前記応答内容を前記ユーザに提示する提示部と、前記ユーザの生体信号として脳波の事象関連電位を計測する生体信号検出部と、計測された前記事象関連電位のデータを蓄積する蓄積部と、前記提示部が前記応答内容を提示したタイミングを起点として、前記生体信号検出部で計測された前記事象関連電位の中から、前記起点から所定の時間後の特定事象関連電位を前記蓄積部に蓄積させる特定事象関連電位判定部と、前記蓄積部に蓄積されており、前記特定事象関連電位を有する複数の前記事象関連電位の前記データにおいて、複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いから前記ユーザが前記応答内容に対して飽きているか否かを判定するユーザ評価部とを備えるものである。また、本発明の別のユーザビリティ評価装置は、機能の操作に関する問題をユーザに表示する問題表示部と、所定の機器に対するユーザの機能の操作を受ける操作入力部と、前記操作入力部によって受けた前記機能の操作から、前記問題の回答として正誤を判定し、正しいか否かの判定を応答内容として決定する応答内容決定部と、前記応答内容決定部によって決定された前記応答内容を前記ユーザに提示する提示部と、前記ユーザの生体信号として脳波の事象関連電位を計測する生体信号検出部と、計測された前記事象関連電位のデータを蓄積する蓄積部と、前記提示部が前記応答内容を提示したタイミングを起点として、前記生体信号検出部で計測された前記事象関連電位の中から、前記起点から所定の時間後の特定事象関連電位を前記蓄積部に蓄積させる特定事象関連電位判定部と、前記蓄積部に蓄積されており、前記特定事象関連電位を有する複数の前記事象関連電位の前記データにおいて、複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いから前記ユーザの機能の操作の習熟度を判定するユーザ評価部とを備えるものである。
このような構成を有していることにより、「期待はずれ信号」のような特定事象関連電位を複数回検出した場合に、この特定事象関連電位が時系列的に変化していくことを観察してこの変化度合いを基にしてユーザ状態を評価することになり、非特許文献1に定義されているユーザビリティを広範囲に評価することとなる。
ある好適な実施形態において、前記ユーザ評価部において、前記特定事象関連電位の波形のピーク振幅の時系列的変化に基づいてユーザの状態を評価する。特定事象関連電位の波形とは、上記の所定の検出対象区間におけるデータが表す波形のことであり、ピーク振幅とは前記波形のうち正の電位の頂点を持つ大きな山形の波形の、前記頂点における電位の大きさのことである。
ある好適な実施形態において、前記ユーザ評価部において、前記特定事象関連電位の波形のピーク潜時の時系列的変化に基づいてユーザの状態を評価する。ここでピーク潜時とは、上記の所定の検出対象区間におけるデータが表す波形のうち正の電位の頂点を持つ大きな山形の波形の、頂点の前記起点からの経過時間のことである。
ある好適な実施形態において、前記ユーザ評価部において、前記特定事象関連電位の波形の形状の時系列的変化に基づいてユーザの状態を評価する。
ある好適な実施形態において、前記ユーザ評価部は、前記ユーザが所定の機器の特定の機能を複数回操作する際に当該機能の操作を該ユーザが覚えていく度合いをユーザの状態として評価して、当該機能の操作の覚えやすさを判定する。
前記ユーザ評価部は、2つの機能の操作における前記特定事象関連電位の時系列的な変化のそれぞれの度合いを比較して、前記特定事象関連電位の波形の振幅が早く減少したほうが機能の操作を覚えやすいとさらに判定することが好ましい。
ある好適な実施形態において、前記ユーザ評価部は、所定の機器が提供する特定の機能に対する前記ユーザの興味の度合いをユーザの状態として評価する。
前記ユーザ評価部は、2つの前記特定の機能がそれぞれ提供された際の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いを比較して、前記特定事象関連電位の波形の振幅が減少する度合いが少ないほうが興味が持続していると判定することが好ましい。
前記ユーザ評価部は、前記特定事象関連電位の波形の振幅が減少したらユーザは特定の機能の操作に対して習熟したと判定することが好ましい。
前記所定の時間は、450から800msecであることが好ましい。
前記所定の時間は、600msec前後または750msec前後であることが好ましい。
本発明のユーザビリティ評価方法は、所定の機器に対するユーザの機能の操作を受けるステップと、前記機能の操作に対して応答内容を決定するステップと、前記応答内容を前記ユーザに提示するステップと、前記ユーザの生体信号として脳波の事象関連電位を計測するステップと、計測された前記事象関連電位のデータを蓄積するステップと、前記応答内容を提示したタイミングを起点として、計測された前記事象関連電位の中から、前記起点から所定の時間後の特定事象関連電位を蓄積するステップと、前記特定事象関連電位を有する複数の前記事象関連電位の蓄積された前記データにおいて、複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いから前記機能の操作の覚えやすさを判定するステップとを含む。また、本発明の別のユーザビリティ評価方法は、ユーザの要求を受けるステップと、前記要求に対して応答内容を決定するステップと、前記応答内容を前記ユーザに提示するステップと、前記ユーザの生体信号として脳波の事象関連電位を計測するステップと、計測された前記事象関連電位のデータを蓄積するステップと、前記応答内容を提示したタイミングを起点として、計測された前記事象関連電位の中から、前記起点から所定の時間後の特定事象関連電位を蓄積するステップと、前記特定事象関連電位を有する複数の前記事象関連電位の蓄積された前記データにおいて、複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いから前記ユーザが前記応答内容に対して飽きているか否かを判定するステップとを含む。また、本発明の他のユーザビリティ評価方法は、機能の操作に関する問題をユーザに表示するステップと、所定の機器に対するユーザの機能の操作を受けるステップと、前記機能の操作から前記問題の回答として正誤を判定し、正しいか否かの判定を応答内容として決定するステップと、前記応答内容を前記ユーザに提示するステップと、前記ユーザの生体信号として脳波の事象関連電位を計測するステップと、計測された前記事象関連電位のデータを蓄積するステップと、前記応答内容を提示したタイミングを起点として、計測された前記事象関連電位の中から、前記起点から所定の時間後の特定事象関連電位を蓄積するステップと、前記特定事象関連電位を有する複数の前記事象関連電位の蓄積された前記データにおいて、複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いから前記ユーザの機能の操作の習熟度を判定するステップとを含む。
本発明のプログラムは、所定の機器に対するユーザの機能の操作を受けるステップと、前記機能の操作に対して応答内容を決定するステップと、前記応答内容を前記ユーザに提示するステップと、前記ユーザの生体信号として脳波の事象関連電位を計測するステップと、計測された前記事象関連電位のデータを蓄積するステップと、前記応答内容を提示したタイミングを起点として、計測された前記事象関連電位の中から、前記起点から所定の時間後の特定事象関連電位を蓄積するステップと、前記特定事象関連電位を有する複数の前記事象関連電位の蓄積された前記データにおいて、複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いから前記機能の操作の覚えやすさを判定するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。また、本発明の別のプログラムは、ユーザの要求を受けるステップと、前記要求に対して応答内容を決定するステップと、前記応答内容を前記ユーザに提示するステップと、前記ユーザの生体信号として脳波の事象関連電位を計測するステップと、計測された前記事象関連電位のデータを蓄積するステップと、前記応答内容を提示したタイミングを起点として、計測された前記事象関連電位の中から、前記起点から所定の時間後の特定事象関連電位を蓄積するステップと、前記特定事象関連電位を有する複数の前記事象関連電位の蓄積された前記データにおいて、複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いから前記ユーザが前記応答内容に対して飽きているか否かを判定するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。また、本発明の他のプログラムは、機能の操作に関する問題をユーザに表示するステップと、所定の機器に対するユーザの機能の操作を受けるステップと、前記機能の操作から前記問題の回答として正誤を判定し、正しいか否かの判定を応答内容として決定するステップと、前記応答内容を前記ユーザに提示するステップと、前記ユーザの生体信号として脳波の事象関連電位を計測するステップと、計測された前記事象関連電位のデータを蓄積するステップと、前記応答内容を提示したタイミングを起点として、計測された前記事象関連電位の中から、前記起点から所定の時間後の特定事象関連電位を蓄積するステップと、前記特定事象関連電位を有する複数の前記事象関連電位の蓄積された前記データにおいて、複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いから前記ユーザの機能の操作の習熟度を判定するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
本発明のユーザビリティ評価装置によれば、従来は測定が難しかった、機能の覚えやすさ、興味の度合い、習熟度などが評価可能になる。
これは覚えられるかどうかではなく、覚えられるが覚えるのにどの程度の負担があるかまでも評価し、その結果を用いて使いこなしやすい機器の設計や改良につなげることができる。
本願発明者らは、発明が解決しようとする課題の欄において説明したこと以外に、期待はずれの状況が複数回にわたり発生した場合に、期待はずれ信号の振幅、潜時ともに変化し、この変化は、期待はずれの度合いと関係することを新たに発見した。これらの実験の詳細については、実施の形態において詳述する。本発明では、この期待はずれの度合いの変化がユーザビリティの「効率」の評価に応用できる点に着目した。
本発明のユーザビリティ評価装置は、ユーザの要求を受ける操作入力部と、前記操作入力部によって受けた前記要求に対し、応答内容を決定する応答内容決定部と、前記応答内容決定部によって決定された前記応答内容を前記ユーザに提示する提示部と、前記ユーザの生体信号として脳波の事象関連電位を計測する生体信号検出部と、前記提示部が前記応答内容を提示したタイミングを起点として、前記生体信号検出部で計測された前記事象関連電位の中から、前記起点から所定の時間後の特定事象関連電位の有無を判定する特定事象関連電位判定部と、計測された前記事象関連電位のデータおよび前記特定事象関連電位の有無の判定結果を蓄積する蓄積部と、前記特定事象関連電位を有する複数の前記事象関連電位の蓄積された前記データにおいて、複数の該特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いから前記ユーザの状態を評価するユーザ評価部とを備えるものであるので、機器がユーザの操作に応じて反応した場合の、ユーザが抱く「期待はずれ感」の強さの変化を、事象関連電位により検出して、ユーザビリティ評価に利用できる。この期待はずれ感の変化は、機器の操作にどれぐらい慣れてきたかや、機器の操作の親しみやすさなどに関連すると考えられる。この評価によって、従来の評価方法で評価されていた、使えたかどうかストレスがかからなかったかの評価ではなく、どの特定の機能がどのぐらい覚えやすいか、慣れ易いか、などが評価でき、機器のユーザビリティ評価の測定項目に質的に新しい項目を追加できる。ここで特定事象関連電位というのは、例えば「期待はずれ」が生じた場合に、上記の起点から所定時間の後に現れる通常とは異なるある種の事象関連電位の所定時間範囲内における電位データと言うこともできる。
これらの機能や機器の覚えやすさの評価は、主観評価に頼るしかなったもので、本発明により初めて定量的に評価が可能になる。
特定事象関連電位の一種である期待はずれ信号は、その波形が提示部が応答内容を提示したタイミングを起点として300msec〜600msecぐらいに正の電位の頂点を持つ大きな山型の波形であり、その信号は、振幅(正の電位の頂点を取った時点での電位の大きさ)や、潜時(正の電位の頂点を取った時点の刺激提示からの時間、期待はずれ信号においては、約300msec〜600msecまたは750msec前後に見られることが多い)によって特徴づけられる。
この期待はずれ信号(特定事象関連電位)の特徴である、振幅の時系列的な変化度合いを見ることでユーザ状態の評価が可能になる。
また、振幅以外のもうひとつの特徴である潜時の時系列的な変化度合いを見ることによっても評価が可能である。
また、特定事象関連電位の波形は実験条件によって変化するので、潜時や振幅などの頂点の情報だけでなく、波形全体の形による評価も可能である。波形の評価としては波形全体をテンプレートとして距離計算を行うなどの方法もある。
より具体的には上記のユーザ状態評価によって、機器の特定の機能に対する機器操作の覚えやすさの評価が可能になる。これによって、従来のような機器全体の使いやすさの評価ではなく、機器が持つ各機能それぞれの覚えやすさが評価できる。その評価方法としては、検出対象区間における振幅が早く減少したほうが機能を覚えやすいとすること、などが考えられる。
このような処理によって、より詳細な機器評価が実現される。
また、前記ユーザ評価部は、機器が提供する特定の機能に対する興味の度合いを評価することも可能である。機器の提供する機能としては、情報推薦機能などが考えられる。
ここで期待はずれ信号の振幅が減少しないほうが興味が持続していると判定し、情報推薦のソフトウェアとしては良いと評価できる。これにより、従来は評価が難しかった、情報推薦内容の興味の度合いである飽きやすさが評価できる。
また、前記ユーザ評価部は、機器操作における特定の機能に対する特定のユーザの習熟度を評価することもできる。例えば、期待はずれ信号の検出対象区間における振幅が減少したらユーザは特定の機能に対して習熟したと評価することができる。
この評価によって個人ごとに習熟度が違う複雑な情報機器においても、各個人ごとの習熟度が評価できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。
(実施の形態1)
ユーザが機器を使用する場合、その機器が備える様々な機能を様々な頻度で使用することが考えられる。また機器の使いやすさと言っても、機器全体の使いやすさは、個々の機能がそれぞれどれぐらい使い易いかという評価値の総合によって決定されると考えられる。
そこでまずは実施の形態1に係るユーザビリティ評価装置を機器操作の覚えやすさの評価に応用する場合の処理方法について説明する。これは評価対象機器を評価実験用の部屋などで評価する場合を想定している。評価対象機器とは、ユーザが操作可能なひとつまたは複数の機能を持つ機器一般で、例えばテレビやビデオ、DVDなどの映像音響製品や、電子レンジや炊飯器や洗濯機などの家電製品、パソコンやカーナビ、携帯電話等の情報機器などが該当する。以下の例では、主にテレビやDVD等の操作を想定した場合の説明を行う。
図1に、本実施の形態におけるユーザビリティ評価装置の構成の例を示す。10はユーザ、11は操作指示部、12は操作入力部、13は機器反応部(提示部)、15は生体信号検出部、16は機能評価部(ユーザ評価部)、17は蓄積部、18は特定事象関連電位判定部、19は応答内容決定部である。なお、操作入力部12と機器反応部13と応答内容決定部19とをあわせて評価対象機器14とする。評価対象機器14は、独立した機器であることもあるし、評価装置に組み込まれた形でも実施できる。
ユーザビリティ評価において、ユーザ10は、操作指示部11からあらかじめ評価者が設定した操作指示を順に提示される。なお、操作指示は、評価者から口頭や文書によって示すことも可能であり、この場合はユーザビリティ装置に操作指示部11は必要ではない。
ユーザ10は、その操作指示に基づいてユーザ10が適切と考える操作(ユーザ10の要求)を操作入力部12を介して行う。操作入力部12は例えば、コンピュータの評価であれば、マウスやキーボードであるし、DVDやテレビの評価であればリモコン操作盤などになる。
ユーザ10の操作を受けて、評価対象機器14は、ユーザ10の操作のとおりに応答内容決定部19において機器動作(応答内容)を決定して、機器反応部13にその動作が示される。その動作とは、例えば画面に表示される文字や図の変化や、音の変化などを挙げることができる。
次に、機器反応部13による機器動作を見たときのユーザ10の生体反応、特に脳波計で測定可能な事象関連電位を中心にした信号を生体信号検出部15にて測定する。生体信号検出部15にて測定された信号(測定時刻と電位とが一組となったデータ)は、蓄積部17に蓄積される。また、蓄積されたデータは特定事象関連電位判定部18において特定事象関連電位の有無を判定される。そして、特定事象関連電位の有無も蓄積部17に蓄積される。ここで特定事象関連電位とは、機器反応部13がユーザに機器動作を提示したタイミングを起点として所定の時間後のある特定な事象関連電位のことであり、例として期待はずれ信号を挙げることができる。機能評価部16は、蓄積部17に蓄積されたデータと、生体信号検出部15から送られてくる今回のデータをもとに機能評価を行うものである。
以下、図1の構成図および、図7のフローチャートを用いて、その詳細な動作について説明する。
図7は、ユーザビリティ評価装置の処理の全体を概観したフローチャートである。大きく分けて、4つの部分に分かれている。まずは、全体の流れについて説明する。
本明細書で説明を行う実施の形態は、本実施形態を含めて3つであるが、図7のフローチャートの中では、ステップS20〜ステップS60までは全ての実施の形態に共通に使用可能であり、ステップS80のユーザ評価の方法がそれぞれの実施の形態によって異なっている。
最初のステップは実験実施とデータ収集のステップである(ステップS20)。ここでは、評価対象機器に対してユーザに様々な機器操作をしてもらい、その操作によって機器が動作し、その動作によってユーザに生起される生体信号を計測して記録する。生体信号としては例えば脳波計で測定可能な事象関連電位などがあり、この事象関連電位の時間的な変化である波形を記録していく。測定は複数の機能の操作にわたって行われることや、また複数の被験者の操作において行われて波形を記録することもある。
次のステップは、記録された事象関連電位の処理をするステップである(ステップS40)。ここでは、記録された事象関連電位の中から本発明で注目している特定事象関連電位である期待はずれ信号が含まれているかを各事象関連電位の波形を処理することによって算出する。この結果、期待はずれ信号が含まれるか含まれていないか、また期待はずれ信号が含まれるとした場合の信号の特徴も同時に算出される。信号の特徴は例えば、期待はずれ信号が含まれているとされたときの、陽性のピーク電位の振幅や潜時などを挙げることができ、これらがユーザ状態評価の指標として使用可能である。
次に、期待はずれ信号の検出処理が終わった後に、波形の加算処理を行う(ステップS60)。ここでは、期待はずれ信号の有無によって選別された後の、複数の期待はずれ信号を加算することで脳波信号のノイズを低減できる。
なお、この処理は、加算をしないと波形の減少が判定されない場合や、多くの回数にわたる波形の減少を判定する必要がある場合に使用される処理であり、少ない回数で期待はずれ信号が減少してしまう場合や、非加算波形でも十分な識別性能がある場合は、この処理は必ずしも必要ではない。
最後のステップが、処理された信号に基づくユーザ評価を行うステップである(ステップS80)。このステップによって、各機能においてどれぐらい操作が覚えやすかったかなどが評価可能になる。
以下、3種類の実施の形態について説明を行うが、基本的には上記ステップのうち、ステップS20〜ステップS60については、ほぼ共通の考え方で処理が可能であり、ステップS80の評価方法の部分が特に異なるところである。
以下各大まかなステップの処理の詳細に入る前に、期待はずれ信号取得実験の概要について説明し、特定事象関連電位が期待はずれ状況で特有に見られる信号であること、さらにその期待はずれ信号の振幅や潜時は、被験者が類似の状況に出会うたびに変化して、それはユーザが状況に適応する(状況になじんでいく)ことと関係があることを示す。
まず、本願発明者らが行った、期待はずれ信号を取得するための実験について、説明する。
図3(a)は実験手順の概要を示す図である。この実験は、被験者に指示を与え(手順A)、その指示を受けて被験者が必要な行為を思い浮かべて機器を操作し(手順B)、その操作結果としての動作を被験者に提示する(手順C)、という手順からなっている。
まず、実験施行者から、被験者に対して、「画面に「L」または「R」の文字が表示されるので、Lの文字に対してはマウスの左クリック、Rの文字に対しては右クリックを押して欲しい」と説明する。そして、「L」「R」を50%の確率でランダムに選択して、画面に表示する(手順A)。被験者は、表示された文字を見て、教示されたルールに従って、右か左のクリックを行う(手順B)。そして、その操作に対して、正しくクリックがなされたか否かを、「○」「×」で画面に表示する(手順C)。
ただし、この実験では、クリックが正しくなされたとしても(ほぼ100%正しくなされるはずである)、20%の確率で「×」を表示するものとする。被験者からすると、正しくクリックしたから「○」が表示されると期待していたのに「×」が表示されると、「あれっ」と思うはずである。すなわち、正誤が思った通りではなかった「期待はずれ」の状況になる。この「期待はずれ」の状況が、脳波における事象関連電位から検出できないかを確認することが、本実験の目的である。
図3(b)は1試行分の手順を示すフローチャートである。まず、画面に「L」または「R」の文字を50%の確率で選択して表示し(S1101)、被験者はその表示を見てどちらのボタンをクリックするかを決定して、マウスを操作する(S1102)。被験者の操作を受けて、正しく操作されたか否かに基づいて「○」「×」を表示する。このとき、「○」を表示すべき場合でも、20%の確率で「×」を表示する(S1103)。「○」「×」が表示されたタイミングを起点として、被験者の脳波における事象関連電位を測定し(S1104)、その測定された事象関連電位を処理して、期待はずれ信号を識別する(S1105)。
実験では、複数の被験者について、まず練習として常に「○」が表示される試行を30試行行った後に、図3(b)に示す手順による試行を100試行行った。
図4は実験結果で、4人の被験者の実験データを総加算平均した波形を示すグラフである。図4のグラフは、脳波計で測定された電位波形を「○」「×」の提示を起点にしてそれぞれ20回程度ずつ、4人の被験者で合計82回加算したものであり、横軸は刺激提示(「○」「×」が表示されたとき)からの時間で単位はmsec、縦軸は電位で単位はμVである。太線105は「期待はずれ」すなわち正しくクリックしたにもかかわらず「×」が表示されたときの波形、細線104は通常時すなわち正しくクリックして「○」が表示されたときの波形である。
図4から、「期待はずれ」のときは、刺激提示から約600msec前後に、通常時とは異なった特徴を持つ事象関連電位(特定事象関連電位)が現れていることが分かる。すなわち、この事象関連電位を計測することによって、ユーザの「期待はずれ状態」を検出できた、と予想される。t検定を行った結果、期待はずれのある/なしによって潜時450−800msec付近で有意差が認められた(p=0.05)時刻を帯106に示す。
なお、電極は、国際10−20法に従い、1)Pz:正中頭頂、2)3)A1,A2:両耳朶、4)ボディーアース(Z):鼻根部の4箇所に貼り付けた。サンプリング周波数は1000Hz、帯域通過フィルタは0.03−20Hzとした。
なお、本発明者らが行った別の実験によれば、この期待はずれ状態の信号は、刺激の複雑さや被験者の刺激に対する注意の向け方によって潜時の異なる事象関連電位が現れることがわかっている。例えばテレビを見ているユーザがニュース番組へチャンネルを切り替えたとき、カテゴリーが同じニュース番組へチャンネルを切り替えたがユーザが見たいニュース番組と異なるチャンネルへ切り替えてしまった場合には、期待はずれ信号は600msec前後ではなく、750msec前後に現れる。これはニュース番組という同じカテゴリーでは、異なるカテゴリーの番組(例えば、ニュース番組と野球番組、またはニュース番組とアニメ番組など)と違い、より複雑な処理が必要となることに起因して期待はずれ信号に潜時が生じると考える。
また、この実験で測定された事象関連電位105は、非特許文献2等に示されたP300と比べて、刺激提示からの反応時間が長めである。この理由は、次のように考えられる。
すなわち、事象関連電位に関して従来行われたのは、音程や画像の違いなどを判断する、という受動的な条件においての実験であった。これに対して、本願発明者らが実施した実験では、ユーザは、ある予期を持って行為を選択して実行し、その予期と実際の機器動作が同じであったか否かを判断している。被験者が予期を持って行為を選択する、というステップを含めた点が、これまでとは大きく異なっている。自分の予期通りの動作が行われたか否かの判定は、ただ単に音程や画像の違いを判断する場合と比べると、高次の判断になる。このため、刺激提示からの反応時間が、これまでの測定よりも遅めになって、刺激提示後600msec程度のところにピークが現れるようになったと考えられる。
以上の実験で明らかになったように、被験者の予期どおりに「○」「×」が表示されたか否かによって、脳波計で計測される事象関連電位には、明確な差がある。したがって、この特定事象関連電位は、ユーザ状態の判定において、「期待はずれ信号」として用いることができる。
次に、この期待はずれ信号が繰り返された場合にどのような振幅や潜時にどのような変化が現れたかについての説明を行う。
期待はずれ信号は、被験者が予期を持って行為を選択し、その予期と実際の機器動作が異なっていた場合の「期待はずれ」に関連した脳活動を反映している。事象関連電位はS/Nが低いため、期待はずれ信号の成分を明瞭にするために図4には被験者ごとに20回程度、4人の被験者で合計82回の加算平均の結果を示したが、期待はずれ信号のように被験者の予期と結果とのミスマッチを反映するような成分では、予期の変化に伴って出現する成分が変化する可能性があると考えた。
具体的には、本願発明者らは期待はずれ信号取得の実験において、期待はずれの試行が繰り返されるうちに、被験者は正しく行為を選択したにもかかわらず「×」が提示される場合があることを学習し、被験者の予期が変化することで結果として期待はずれ信号の成分が変化する可能性があると考えた。この考えに基づき図5に示したフローチャートのような処理を行い、期待はずれ信号の時系列変化を調べた。
S1301は、応答内容を提示したタイミング(応答提示時)を起点として、脳波の電位変化のサンプリングを行うステップである。サンプリング周波数としては例えば、200Hz、500Hz、1000Hzなどがある。
S1302はS1301でサンプリングした電位変化波形からノイズを除去するステップである。ここでは、信号に混入する低周波成分と高周波成分をカットするために例えば0.03−30Hzの帯域通過フィルタに通したり、瞬きや眼球運動による影響を低減するために、80μV以上の振幅を持つ波形を識別対象から除去したりする。
S1303は前記の期待はずれ取得実験において行為(左右のマウスクリック)は正しかったにもかかわらず「×」が提示されたかどうか、つまり期待はずれの試行であったかどうかを判定するステップである。正しい行為で「×」が提示された場合はS1304に、「○」が提示された場合はEndにそれぞれ進む。
S1304は実験開始から数えた期待はずれ状況での波形取得の繰り返し回数nに応じてどの段階の期待はずれ信号として加算平均するかを切り替えるステップである。S1305からS1308はそれぞれ段階1、段階2、段階3、段階4として、期待はずれ信号を加算平均するステップである。例えば、今回は4試行ごとに加算を行ったので、各段階には4波形ずつ振り分けられている。S1309は期待はずれの試行回数をインクリメントするステップである。
このようなS1301からS1309までのステップを4人の被験者のデータで行うことで、それぞれの段階で同程度の繰り返し回数の16回の期待はずれを加算平均できる。今回は、段階ごとの加算回数を確保しながら波形の時系列変化を調べるために、被験者の人数、実施した実験の繰り返し回数などを考慮して4試行ごとで4つの段階に分類した。
図6に、期待はずれの段階ごとに加算平均して得られた期待はずれ信号成分の時系列変化を示す。図6の(a)は段階ごとの期待はずれ信号の加算平均波形で横軸は時間で単位はmsec、縦軸は電位で単位はμVである。期待はずれ信号の振幅、潜時はそれぞれの段階ごとに異なっているが、段階間を比較すると振幅や潜時も含めた波形変化の傾向が見て取れる。なお、各段階16回程度の加算平均によってノイズ成分の影響は低減されていると考えられるので、波形変化の傾向について議論することは可能である。その傾向を詳しく見るために、図6(b)、(c)を作成した。(b)は期待はずれ信号の振幅の時系列変化をそれぞれの段階ごとにプロットした図で、縦軸は電位で単位はμVである。初期段階の期待はずれ信号の振幅が20μV程度と大きく、期待はずれの繰り返し回数が増えると振幅が減少していることが分かる。(c)は期待はずれ信号の潜時の変化をそれぞれの段階ごとにプロットしたで縦軸は時間で単位はmsecである。段階1の期待はずれ信号に比べて、繰り返し回数が増えると潜時が600msec近くから450msec近くまで短縮していることが分かる。このように、期待はずれ信号は20回程度の繰り返しであっても振幅、潜時が大きく変化することが明らかになった。
このように発明者らが実験によって発見した、期待はずれの回数が増加するにつれて期待はずれ信号の振幅が減少し潜時が短縮する現象を踏まえ、以下順番に図7に示した大まかなユーザビリティ評価の処理の流れの各ステップの詳細について説明する。また評価対象機器はDVDレコーダーを例にして説明を行う。
まず図7のステップS20の処理の詳細を図8に示す。
まずユーザビリティ評価装置から機器操作の指示がされる。これは例えば、DVDレコーダーであれば「再生してください」「録画してください」「停止してください」等の指示がなされる(ステップS21)。
この操作指示によって、ユーザは機器操作を実施する(ステップS22)。例えばリモコンや機器の操作パネルを操作したり、画面に表示される選択肢をキーボードで選択してもよい。この機器操作の実施がユーザの要求である。
操作の結果として機器側では機器を動作させる(ステップS23)。このとき、ユーザが正しく操作ができたかどうかに関わらず、ユーザが操作したように機器は動作する。例えば「録画してください」の場面で再生ボタンを押した場合は、再生の動作が行われることとする。すなわち、ユーザの要求に対して機器は応答内容を決定し、この応答内容をユーザに提示するのである。機器の動作自体が応答内容の提示ということができ、その動作を行うところが提示部ということができる。
ユーザは自分の機器操作後にどのように機器が動作するかを観察する。このときのユーザの脳波を計測し、特定事象関連電位判定部18において機器からの動作が提示されたタイミングを起点として電位変化のサンプリングを行う(ステップS24)。ユーザには機器動作に注目するように指示を出してもよいが、指示は特になくても日常生活の動作として機器操作の後の反応を注目すると考えることもできる。
次にユーザの操作が正しかったかを判定し(ステップS25)、脳波信号とともに、蓄積部17に蓄積する(ステップS26)
ここまでの処理によりある一試行のデータ収集が完了となるので、すべての予定していた操作指示が完了したかについて判定を行い(ステップS27)、完了の場合(ステップS27でYES)の場合はステップS28に進み、完了していない場合(ステップS27でNO)の場合は、次の機能を選択し(ステップS29)、最初のステップS21に戻る。
ステップS27においてYESの場合は、ある被験者についてのデータ収集が完了となったということなので、すべての予定していた被験者についての実験が完了したかについて判定を行い(ステップS28)、完了の場合(ステップS28でYES)、データ収集の処理(ステップS20)は完了で、完了していない場合(ステップS28でNO)は、次の被験者に交代して、最初のステップS21に戻る。
このようなループを用いたデータ収集により、被験者の様々な状況に対する様々な機能に対する操作時の事象関連電位を取得できる。
全てのデータを収集してステップS20が終了したら、次は図9に示すフローに従って、特定事象関連電位である期待はずれ信号の有無の検出処理を行う(ステップS40)。
図9において、蓄積部17から脳波(事象関連電位)のデータを取り出す(ステップS41)。サンプリング周波数は、例えば、200Hz、500Hz、1000Hzなどがある。次に、動作提示の基準時刻(起点)から波形識別に使用可能な特徴的な時間領域のサンプリングデータを切り出す(ステップS42)。基準時刻に近い場所での脳波の波形は、聴覚刺激や視覚刺激に反応して現れ、人の期待とは関係なく現れるとされているので、その部分は除去して、例えば600msec前後や、750msec前後、あるいは200msecから800msecを切り出して、判定に使用する。
ステップS43では切り出したサンプリングデータが構成する波形からのノイズ除去を行う。ノイズ除去としては、信号に混入する高周波成分をカットしたり、例えば40Hzのローパスフィルタを通したり、瞬きによる眼電の影響を低減するために、80μV以上の振幅を持つ波形を識別対象から除去したりする。
次に、あらかじめ作成された期待はずれ時の信号を加算した標準波形(例えば、図4のグラフ105。以下、ターゲットのテンプレートと表記)と期待はずれではない通常時の信号を加算した標準波形(例えば図4のグラフ104。以下、コントロールのテンプレートと表記)と、切り出されてノイズ除去されたデータの波形の信号の相関値が算出される。すなわち、期待はずれが生じたときの事象関連電位波形を象徴的に表すターゲットのテンプレートと収集したデータとの相関を計算し、期待はずれが生じていない通常時の事象関連電位波形を象徴的に表すコントロールのテンプレートと収集したデータとの相関を計算し、それぞれの相関値を算出するのである。その相関値によって、収集したデータのうち現在処理を行っている波形が、ターゲットのテンプレートとどれぐらい相関があって、コントロールのテンプレートとどれぐらい相関があるかが計算される(ステップS44)。
ステップS45では、各テンプレートと現在処理中の波形からどちらのテンプレートに近いかの距離計算を行う。具体的には、各波形の持つターゲットのテンプレートとの相関値とコントロールのテンプレートとの相関値でできる2次元の空間において、評価したい波形が、コントロールとターゲットのどちらの波形集合に近いかを計算するものである。距離計算には、例えば、マハラビノス距離が用いられる。このマハラビノス距離は、データの分散・共分散を考慮に入れたグループの重心からの距離を示し、単純な距離計算よりも識別能力が高いことが知られている。
ステップS46では、マハラビノス距離と呼ばれる尺度によって、現在処理している波形がターゲットとコントロールのどちらに近いかが判別される。ターゲットに近い場合は、ステップS47に進み、コントロールに近い場合はステップS48に進む。
ステップS47では、現在の波形はよりターゲット近いと判別されたため、現在のデータを提供した操作者は、期待はずれと思っている状態であったと識別する。そして期待はずれ有りとして蓄積部17に記録する。
またステップS48では、現在の波形はよりコントロールに近いと判別されたため、現在のデータを提供した操作者は、期待はずれではなく操作者の想定どおりの機器の反応が得られた状態であったと識別する。そして期待はずれ無しとして蓄積部17に記録する。
このような手順を踏むことで、一般的には波形にばらつきが大きく、一回の波形ごとの識別が困難であるとされる脳波においてもある程度識別が可能になる。
以上のようにして、蓄積部17に蓄積した事象関連電位のデータを全て、あるいは必要な分だけ期待はずれ検出処理を行った後に、図10に示すフローに従って、機能評価部16において事象関連電位の波形データの加算処理を行う。本処理によって得られた加算波形は、期待はずれ信号が減少しているかどうかのデータとして使用される。
図10において、まず蓄積部17から加算対象波形のデータを抽出する(ステップS61)。これは、例えばDVDプレーヤー単体の機能についての処理であれば、同一機能を実施したときの処理のときの波形のデータのみを抽出する。また、ある特定の人の評価をしたい場合は、複数人のデータのうちから、当該被験者のデータのみを抽出することになる。
ステップS62では、期待はずれ信号の検出処理が行われる。すでに、ステップS40にて検出処理が行われている場合は、その検出結果のみを使用すればよい。
ステップS63では、期待はずれ信号の有無が判定される。期待はずれ信号が検出された場合は(ステップS63でYES)、ステップS64の処理に進む。反対に期待はずれ信号が検出されなかった場合は(ステップS63でNO)、ステップS61に戻って、次の波形データの抽出に移る。
ステップS64では、その期待はずれ信号が、データ取得開始から期待はずれ信号の検出回数を数えた場合に何回目の期待はずれ信号であるかに応じて、ステップS65〜ステップS68の各段階に加算用データとして振り分ける。振り分けは一定の個数、例えば2個ずつ各段階に振り分けることにより実現される。すなわち、1回〜2回目は段階1の波形として加算し(ステップS65)、3回〜4回目は段階2の波形として加算し(ステップS66)、…などと振り分けることができる。なお、事前にいくつの期待はずれ信号が実験全体で発生するかが想定できる場合には、その個数を4分割しておいてもよい。例えば全体で8回程度期待はずれ信号が発生しそうな場合には、それぞれ2個ずつの加算によって次の段階に移行すると決めればよい。
ステップS69では、加算処理すべき対象の波形データがすべて処理されたかどうかを判定して、すべての処理が完了した場合(ステップS69でYES)、全体の処理を終了し、すべての処理が完了しない場合(ステップS69でNO)、ステップS61に戻る。
このようにして、次のステップS80での期待はずれ信号の減少具合を判定する前段階の処理を行うことができる。
なお、最初に目的とする波形データを蓄積部17から全て抽出しておいて波形データリストを作成して、その後に最初に取得された波形データから順次ステップ62以下の処理を行ってもよい。
また、蓄積部17に蓄積されるデータは、ユーザ10の操作に対する機器反応部13の応答を基点とする事象関連電位の波形データそのものと、その事象関連電位に対して期待はずれ信号判別処理(ステップS40)を行った結果である、期待はずれ信号の有無、さらにその波形のピークにおける振幅および潜時といった生体信号としての基本データであり、この基本データがどの操作指示に対してどんな操作を行ったか、という行動データと関連付けられて記録される。
さらに蓄積部17には、ステップS60の処理がされた後には、操作指示ごとや、操作ごとに加算処理を行った後のデータも蓄積されている。これは、各段階ごとに加算された時の波形、およびその加算波形が期待はずれ信号を含んでいるかどうか、その加算波形のピークにおける振幅、および潜時が生体信号としての基本データとして、行動データと関連付けられて記録される。
なおこの処理は、加算をしないと波形の減少が判定されない場合や、多くの回数にわたる波形の減少を判定する必要がある場合に用いられる処理であり、少ない回数で期待はずれ信号が減少してしまう場合や、非加算波形でも十分な識別性能がある場合は、この処理は必ずしても必要ではない。
以上の処理によって蓄積部17に蓄積されたデータを用いて、ステップS80のユーザ評価が行われる。具体的なユーザビリティ評価処理を図11に示す。この処理はステップS80の処理の具体的な内容に相当し、主にユーザ評価部である機能評価部16にて処理がされる。
ユーザビリティ評価では、まずDVDプレーヤーの評価したい機能を選択し(ステップS181)、その機能をユーザ10が操作したときに計測された脳波の波形データおよび期待はずれ信号の検出結果を蓄積部17より抽出し、次の処理にまわす。この波形データと期待はずれ信号との検出結果は、現在評価したい機能をユーザ10が操作した場合の回数と同じ個数のデータになる。期待はずれ信号の検出結果には前述の、期待はずれの有無、ピーク振幅や潜時などの情報が含まれる。
ステップS182では、ステップS181で抽出された波形データおよび期待はずれ信号の検出結果の中に期待はずれ信号が観察されていたかを判定する。もしも期待はずれ信号が観察されなかった場合(ステップS182においてNO)、何回か同じ操作をした場合に特に期待はずれもなく、すでに覚えられている機能であることがわかるために、その機能は、ステップS185において簡単である、と判定を下すことができる。一方、期待はずれ信号が観察されていた場合(ステップS182においてYES)、次のステップS183の処理に進む。
ステップS183では、複数回の期待はずれ信号の時系列的な変化の度合いを観察する。この変化は蓄積部17から抽出した、複数回の期待はずれ信号の潜時や振幅のデータを用いて判定される。判定は、変化量の閾値処理によって、潜時や振幅が一定の範囲の変化量に収まっているか(測定や実験条件のゆらぎの範囲内か)、減少傾向が見られるか(測定や実験条件のゆらぎ以上に変化が見られるか)などに分類される。閾値処理以外にも、典型的な減少のパターンなどが事前にわかっている場合には、その減少パターンとの比較によって、どの程度減少しているかを特定することもできる。この変化の度合いをステップS184にて判定する。もしも、期待はずれ信号の陽性のピーク電位の振幅が減少していると判定される場合(ステップS184においてYES)、当初は知らない機能であるために大きな期待はずれ信号が生じる内容であったが、その後期待はずれ信号の大きさが減少したということで、同じ間違いを繰り返したとしても徐々に慣れていって、当該機能操作の学習が終わったと考えられ、これはその被験者に取って新しい機能であるが、覚えやすい機能であると判定(ステップS186)することができる。仮に一回で覚えられた機能については、最初のみ期待はずれ信号が観察された場合であり、数回で覚えられた機能については最初の数回で期待はずれ信号が検出されなくなった事例に対応する。一方、期待はずれ信号の陽性のピーク電位の振幅が減少しない場合(ステップS184においてNO)、同じ操作の指示に対して、同じような操作の間違いを起こして、大きな期待はずれ信号を生み続けている点から、何度も同じ間違いを誘発する要因があるのではないかと考えられて、当該機能の操作は覚えにくいと判定(ステップS187)される。
上記のステップS185〜S187のように判定がされた後は、いずれの場合にもステップS181にて選択された機能についての覚えやすさの評価が完了したことになるので、ステップS188にて評価結果のデータベースに記録する。評価結果のデータベースは、機能評価部16内部にあり、その一例を図12に示す。図12のテーブルでは各機能ごとに、期待はずれ信号があるかないか(図では”−”によって、期待はずれ信号がなかった場合を示す)、あった場合はその振幅や潜時を記録してあり、最後に評価結果を記録する、という形式を持つ。評価内容については後述する。
ここまでの処理によって、あるひとつの機能の評価は完了となりステップS189にて、全機能の評価が完了したかどうかが判定される。全機能の評価が完了した場合には(ステップS189においてYES)の場合は、処理を終了し、全機能の評価が完了していない場合(ステップS189においてNO)には、次の機能を選択して評価するためにステップS181に移動する。
上記のフローに基づき、ユーザのDVDプレーヤーの各機能の操作を覚えていく度合いの評価および当該各機能の覚えやすさの判定を行った場合の例を図12を用いて説明する。これは、ステップS188における評価結果のデータベースの一例にもなっている。ここでは機能A、機能B、機能Cがあり、それぞれの期待はずれ信号の検出結果が表に示されている。発明者らは、期待はずれ信号が複数回続く場合の挙動についての実験から、期待はずれの度合いが減少する場合には、振幅としては小さくなり、潜時としては早くなることを発見している。この観点からは、機能Aは、最初は期待はずれが出ていたが、そのうちに減少して、最後には期待はずれ信号そのものが検出されなかった場合に該当するので、先の図11のフローチャートでは、ステップS186の使い方が覚えやすい例と考えることができる。ユーザの状態としては使い方を早く覚えてしまったものと評価できる。
次の機能Bについては、期待はずれ信号が毎回でており、しかも振幅や潜時に特徴的な変化が見られないために、図11のステップS187のように、まだ覚えられていなくてよく間違える機能であり、覚えにくいと判定されている。ユーザの状態としては使い方をまだ覚えていないものと評価できる。
機能Cについては、最初から期待はずれ信号そのものが検出されていない。期待はずれ信号は、ユーザの想像する機器動作と実際の機器動作がずれている場合に発生する信号であるので、この信号が最初から見られない場合は、最初から想定どおりの使いこなしができている、図11のステップS185の状況であると考えられる。ユーザの状態としては最初から使いこなしているものと評価できる。
このように期待はずれ信号の変化を用いることで、DVDプレーヤなどの機器のユーザビリティ評価ができる。また、機能ごとに集計することで、どの機能が使いにくく、さらに覚えにくいのか、同じ間違いを起こしやすいのかが判定できる手法になっている。
また、機能には、ユーザがすでに操作方法を覚えているもの、まだ覚えていないものがあり、覚えていない機能についても、覚えやすい機能と、覚えにくい機能があると考えられる。これは、ユーザの機器に対する知識量、それまでの経験、機器のインタフェースから想像される操作性などなど複雑な要因によって生じるものであると考えられる。
これらの要因から、ユーザが機器を操作するときに、ある機能については初めてにも関わらず問題なく操作ができ、またある機能については何回か操作しているにも関わらず、間違いを繰り返すことがある。この間違いの繰り返し過程における事象関連電位の変化の度合いによってその覚えやすさの判定をして、間違いの繰り返しが少ないインタフェースを設計する必要がある。
特に高齢者においては、非特許文献3に示されるように、同じ状況で同じエラーを反復することが知られており、本発明の評価方法などにより、事前に覚えやすくエラーの反復が少なくて済むインタフェースの実現が望まれている。
このように、期待はずれ信号の振幅や潜時が減少すること、およびその減少の度合いを評価することで、機器全体の評価でなく、各機能に対しての評価が可能になる。さらに、各機能がユーザによって、使える/使えないという判定ではなく、覚えやすい、覚えにくいという判定も可能になる。これは、従来では測定ができなかった項目であり、行動評価によっては区別ができないユーザが機器を操作できたとしても生じる可能性のある、違和感や直感的でないインタフェースを事前に見つけることができる。また、生理指標を使用することで全体としてのストレスやリラックスの度合いとして評価を考えることもできるが、本発明の事象関連電位を用いた測定によれば、各機能の、数試行程度の試行回数が少ない場合でも覚えやすさが識別できる。
なお、本実施の形態では、期待はずれ信号の振幅や潜時などが減少することのみを利用しているが、その減少の仕方には、本発明のように、今回が何回目の同じ状況になっているかによって起こるもの以外にも、期待はずれの状況が久しぶりに起こったのか、連続に起こったのかによっても減少の様子が違うことが発明者らの実験によってわかっている。このような、期待はずれ信号の減少の法則が明らかな場合には、さらに詳細な期待はずれ判定と、期待はずれの信号の強度の算出が可能になる。これは図7のフローチャートで言えば、ステップS40の精緻化に相当する。
(実施の形態2)
実施の形態2では、情報機器において情報やサービスを推薦するソフトウェアの評価を行う事例について説明する。
すなわち第1の実施形態では、ユーザが機器の機能をどれぐらい覚えやすいかを評価の対象としたのに対して、機能の覚えやすさではなくて、推薦ソフトウェア等の機器が提供する機能に対するユーザの興味の度合いの評価を想定したものである。期待はずれ信号は、基本的には事象関連電位を用いて算出される信号であるので、どの事象に関連させるかで複数の評価項目が設定できる。
本実施形態の特徴は、期待はずれ信号の振幅や潜時が減少した場合はユーザがソフトウェアの推薦内容に対して、飽きたもしくは興味をなくしたと判定する点である。情報推薦のソフトウェアにおいては、ソフトウェアの推薦内容がユーザにとって有益でない場合には、ユーザは推薦ソフトウェアを使用しなくなることが知られている。この場合には、ユーザにとって、最適な推薦を行うとともに、ユーザが明示的にせよ、非明示的にせよ期待している内容よりも、さらに良い推薦が求められる。なぜならユーザがすでに知っている内容を推薦されても、すでにユーザに取っては有益ではなく、常に新しい内容を紹介する必要があるからである。
例えば、カーナビ等の使用時に、「近くのレストランを紹介して欲しい」とユーザが要求した場合、仮にいくらユーザが中華料理を好きだとしても、毎回同じ中華レストランを推薦すると、ユーザにとっては新しい情報がなく新鮮な驚きはない、といった事例である。この場合にも、例えばタイ料理などが推薦されると、新しく期待以上であるという意味での、期待はずれ信号が検出できると考えられる。
以下、このような推薦機能の評価の実施の形態について図13〜図15を用いて詳細に説明する。
図13は本実施の形態におけるユーザビリティ評価装置の構成であり、以下図13を用いて、その働きについて説明する。
図13において、10はユーザ、21は操作入力部、22は機器反応部(提示部)、24は生体信号検出部、25はユーザ評価部、26は蓄積部、27はパラメータ調整部、28は特定事象関連電位判定部、29は応答内容決定部である。23は、操作入力部21と機器反応部22と応答内容決定部29とを統合した情報推薦機能を実現している情報推薦機器であるとする。
ユーザ10は、情報推薦機器23に対して何かしらの情報を推薦してもらいたい場合(例えば、この近くにあるおいしいレストランは?、この季節に合った音楽は?、今見られる私にあったテレビ番組は?など)、操作入力部21に対して要求を入力する。この入力は、例えば音声であったり、リモコンであったり、キーボードやマウスによる入力が考えられる。
情報推薦機器23は、応答内容決定部29において、操作入力部21を通して入力されたユーザからの要求に対して最も適切と考えられる情報を選択して(応答内容を決定して)、機器反応部22を介してユーザ10に返答する(応答内容の提示)。機器反応部22は、例えば音声や、ディスプレイ上に表示されるテキストや画像によってユーザ10に反応を返す。
この機器反応部22からの情報を見たときの、ユーザ10の生体反応、特に脳波計で測定可能な事象関連電位を生体信号検出部24で検出し、蓄積部26への事象関連電位のデータの蓄積と、ユーザ評価部25への送信を行う。また、蓄積部26から事象関連電位のデータを取り出して、特定事象関連電位判定部28において特定事象関連電位の有無を判定し、その判定結果を蓄積部26に記録させる。
ユーザ評価部25では、今回の機器反応部22の反応がどうだったかの評価を、それまでの蓄積部26に蓄積された過去の反応の系列も参考にしながら決定し、その結果、応答内容決定部29での情報推薦に用いられるパラメータを調整するパラメータ調整部27に送られる。応答内容決定部29は、ユーザの要求とパラメータ調整部27により調整されるパラメータによってユーザへ提示する応答内容を決定する。
このように、ユーザは毎回の情報推薦の要求を出すたびに、その反応を元にユーザ評価部25が適切な情報推薦のパラメータの設定を行うことになる。
ここで情報推薦機能におけるパラメータについて説明する。例えばレストラン推薦機能という情報推薦機能を実現するには、現在のユーザの位置、推薦可能なレストラン情報、ユーザの嗜好、これまでの推薦履歴などの情報が必要である。また、情報推薦のためには、ユーザの現在位置からどれぐらいの距離のところに、ユーザの嗜好にどれぐらい近いレストランがあるかという、距離尺度が必要である。この距離尺度を調整することで、ユーザには異なるレストラン情報が提供される。具体的に距離尺度とは、例えば、ユーザの嗜好に最もあったレストランはここから車で30分のところにあるが、最も近いのは車で5分のレストランで、ここはユーザの嗜好情報や訪問履歴が存在しない、などである。ここで移動距離とユーザの嗜好とのどちらを重視するかを調整することはパラメータ調整の一例である。例えば、ユーザの嗜好を重視するようにパラメータを調整すると、たとえ遠くてもユーザの嗜好にあったレストランが選択されるし、移動距離を重視するようにパラメータを調整すると、もっとも近くのレストランが選択される、という具合である。さらに、料理のジャンルによる区別も存在する。和食、洋食、中華のジャンルの中にもさらに、それぞれの類似度を持つメニューのジャンルがあって、それらのメニュー間の距離をどの程度重視するかも、パラメータ調整の一例である。
このようにパラメータを調整することで、ユーザには常にさまざまな推薦方法による情報提供が可能になる。
次に、図14を用いて情報推薦評価処理のフローチャートを示す。この処理は、図7におけるステップS80のユーザ評価処理に相当し、主にユーザ評価部25とその評価に基づくパラメータ調整部27の内部の処理に相当する。
まずユーザ10の操作入力部21を介した要求を受けて、ユーザ10の置かれた状況から最適な情報を検索あるいは生成して機器反応部22を介してユーザ10に提示する(ステップS281)。
ステップS282では、生体信号検出部24で情報を見たユーザの脳波の事象関連電位を取得・計測し、特定事象関連電位判定部28で期待はずれ信号が含まれているかを判定し、期待はずれ信号が含まれないと判断した場合(ステップS282でNO)、予想通りの情報提供をしたことになり、ユーザ10には目新しさがなく飽きてしまったのではないか(ステップS285)と判定される。この結果、パラメータ調整部27にて推薦に使用するパラメータを大きく変更し(ステップS286)、次の推薦時には現在使っている類似度基準よりも大きく外れた情報内容を提供できるようにしておく。
ステップS282で期待はずれ信号が含まれていると判断した場合(ステップS282でYES)、ユーザに何かしらの期待はずれな状況を引き起こしたことが確認される。
次のステップS283で、その期待はずれ信号は、これまでの期待はずれ信号と比較して、どのような傾向にあるかが判定される。もしもこれまでの期待はずれ信号と比較して、強度や大きさなどが減少傾向にあると判定された場合(ステップS284でYES)、同じパラメータを使用していてユーザが飽きてきたのではないか(興味の度合いが減少してきたのではないか)と判定され(ステップS287)、パラメータ調整部27にて推薦エンジンのパラメータを少し変更することになる(ステップS288)。例えば類似基準より少しはずれた情報内容を提供できるようにしておくことに相当する。
このようなパラメータ調整は、単純な期待はずれ信号の有無を基に判断することによっても可能であるが、本発明によれば期待はずれ信号の強度や大きさなどの減少傾向の強さによって、どの程度パラメータを変更すればよいかが調整できる点に特徴がある。例えば、期待はずれが観察されているけれども徐々にその振幅が減少している場合などに有効である。期待はずれの有無のみを使用する場合は、依然として期待はずれは観察されていることになり、この時点での対応ができなくなる。特に、推薦ソフトウェアに対する興味という点では、完全に興味がなくなった時点では、推薦ソフトウェアに対する興味を再度持ってもらうのは難しいと考えられる。
もしもステップS284で期待はずれ信号が今までと同様のレベルで観察された場合は(ステップS284でNO)、ユーザは、提示された情報に対して新鮮な驚きに通じる期待はずれ信号を持っており、飽きてはいないと判定でき(ステップS289)、次のステップS290においても、パラメータ調整部27でのパラメータを変更する必要はなしとされ、特に推薦エンジンのパラメータの変更はされずに終了する。
本実施形態では、推薦情報への期待や興味の度合いをユーザ10がどれくらい持っているかということがユーザ評価部25が評価するユーザ10の状態であるということができる。
図14のフローチャートは、1回の情報提示に対してのパラメータの修正方法についての処理を示しており、実際の運用時には、この処理が繰り返し行われることになる。この際、蓄積部26には、実施形態1における蓄積部17と同様に、事象関連電位波形、期待はずれ信号の有無、振幅、潜時等の生体データとともに、どのような依頼に対する情報提示の場合に、どの程度の期待はずれ信号が観察されたかの状況データと関連づけてデータが記録される。
このようなフローに基づいて評価を行うことで、情報推薦機器において常に適切なパラメータに基づく推薦が可能になる。
他にも推薦アルゴリズム自体の評価も可能である。図15に例を示す。これは推薦ソフトAと推薦ソフトBの評価を行った場合である。この場合、推薦ソフトBのほうが、ユーザの驚きに関連した期待はずれ信号が持続されているので、情報推薦ソフトウェアとしてはユーザに飽きられにくいので性能が高いと判定できる。ここでは、情報推薦機器において推薦ソフトAと推薦ソフトBとをそれぞれ特定の機能と見なしている。
このように、本実施形態では実施の形態1とは違って、期待はずれ信号の強度や大きさなどの減少を良くないことと考えることで、ユーザの興味の度合いが持続しているかどうかの判定をして、推薦を行うソフトウェアの評価を行うことができる。また、推薦ソフトウェアが持つ情報提示のためのパラメータが適切であるかどうかと関連させることで、パラメータ調整も行うことができる。これによって、従来は単純な推薦内容によって、飽きられていたような推薦ソフトウェアも適宜調整を行うことで、常に新鮮な驚きのある推薦が実現できる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、機器評価ではなく、ユーザ各個人の評価(ユーザ状態の評価)に応用した場合の形態について説明する。本発明はユーザの機器操作時の脳波を用いるために、総合的に機器の評価にも使用できるし、逆にユーザがどの程度、どの機能を使用できるかの評価にも応用できる。
一般的に機器の使いやすさは、ボタンの配置や色や大きさ等のユーザに依存しない部分と、メニューの構成や、操作方法など、ユーザのそれまでの経験に大きく依存した部分がある。特に、パソコンやDVDレコーダー、携帯電話、カーナビなどは、さまざまな情報を操作できる機能を持っているために、その情報操作の方法にはさまざまな形態が考えられ、現状では機器ごと、メーカーごとに、その操作体系は大きく異なっている。
このため、ユーザはそれまで使っていた機器の使用方法に習熟すればするほど、別の種類または別のメーカーの機器を使おうとした場合の使いにくさが増加する場合がある。例えば、携帯電話を例に取ると、A社の携帯電話A1を使っていたAさんと、B社の携帯電話B1を使っていたBさんが、それぞれ同時にA社の携帯電話A2に電話を切り替えたとした場合、Aさんに取っては携帯電話A1と似た操作体系である携帯電話A2は使いやすいと感じられ、Bさんに取っては携帯電話A2は電話をかける、写真を撮影する、メールを送信する等の機能は同じにも関わらず、モードの切り替えや、文字入力の方法や、電話帳の使い方などのちょっとした違いで、これまで使っていた携帯電話B1の操作方法によって新しい携帯電話A2を操作するために同じ間違いを繰り返すことが想定される。
このように同じ機器の評価でも、個人ごとに大きく評価は異なるので、この個人ごとの機能の習熟度をユーザの状態として評価するのが本実施の形態である。
図16は本実施の形態におけるユーザビリティ評価装置の構成を示す。
図16は、10はユーザ、31は問題表示部、32は操作入力部、33は正誤表示部(提示部)、35は生体信号検出部、36はユーザ評価部、37は蓄積部、38は特定事象関連電位判定部、39は応答内容決定部である。理解度判定装置34は、問題表示部31と操作入力部32と正誤表示部33と応答内容決定部39とを統合して評価対象問題(質問)を提示し評価する機能を示している。
理解度判定装置34は、順次、問題を問題表示部31を介してユーザ10に提示し、ユーザ10は、操作入力部32を介してその回答を入力する(ユーザの要求入力)。理解度判定装置34は、ユーザ10からの回答が正しかったかどうかを応答内容決定部39が判定して、正誤表示部33を介してユーザ10に正しかったか間違っていたかを表示する。ここまでのループは、自動的に問題を出題して、その正誤を回答してくれる、学習支援装置と同様の構成になっている。
本実施形態では、このときにユーザ10がどれぐらい理解しているかどうかだけではなく、ユーザ10の習熟度の判定も行うために、生体信号検出部35によって、ユーザ10が正誤表示部33からの反応を受けたときの生体信号、特に脳波計によって測定可能な事象関連電位を検出し、蓄積部37への事象関連電位のデータの蓄積を行う。また、特定事象関連電位判定部38が蓄積部37から事象関連電位のデータを読み出して、特定事象関連電位の有無を判定し、判定結果を蓄積部37に記録する。
ユーザ評価部36では、検出された生体信号と、蓄積部37に蓄積された過去のデータをもとに評価を行い、ユーザがどの問題に対しては習熟していて、どの問題に対しては、まだ習熟していないかを判定することができるシステムになっている。
なお、本発明の構成では、すべて問題(質問)を提示して回答を受け、そのときの事象関連電位のデータをすべて蓄積した後に評価するオフライン型の運用について説明を行うが、問題の一問一問の回答後にユーザ評価部36で評価を行うことで、オンライン型の運用を行うこともできる。この場合は、ユーザの評価部36で、ある問題の習熟度が不十分であると判定された場合は、その問題の出題頻度を向上させるなどの対応をオンラインで取ることができる。
ここでの問題とは、例えば機器評価における操作の指示のことを問題と呼んでいる。
図17は、本実施形態の習熟度評価処理のフローチャートである。この処理は、図7におけるステップS80のユーザ評価処理に相当し、主にユーザ評価部36の内部で処理される。
まず機器において評価したい機能を選択し(ステップS381)、その機能に関して機器操作を行ったときの脳波の波形を蓄積部37から抽出する。この抽出結果は、加算平均をしない場合は、現在評価したい機能をユーザが操作した場合の回数と同じ個数のデータになり、加算平均処理をした場合は、ステップS60にて設定した段階の数と同じ個数のデータになる。
ステップS382では、ユーザ評価部36にてステップS381で抽出された事象関連電位のデータの検出結果の中に期待はずれ信号が観察されたかどうかを判定する。もしも期待はずれ信号が一度も観察されなかった場合(ステップS382においてNO)、何回か同じ機能を評価しても、特に期待はずれ信号もなく、すでに覚えられている機能であることがわかるために、その機能は、ステップS385において簡単である、と判定を下すことができる。一方期待はずれ信号が観察された場合(ステップS382においてYES),次のステップS383の処理に進む。
ステップS383では、複数回の期待はずれ信号の時系列的な変化の度合いを観察する。想定される変化には、振幅や潜時に特徴的な変化が見られない場合や振幅や潜時が徐々に減少していると判断される場合などがある。この変化の度合いをステップS384にて判定する。もしも、陽性のピーク電位の振幅が減少していると判定される場合(ステップS384においてYES)、当初は知らない問題であったために大きな期待はずれ信号を生んでいたが、その後ピーク電位の振幅が減少したので、同じ間違いを繰り返したとしても、徐々に学習されて習熟が進んでいると判定(ステップS386)することができる。仮に一回で覚えられた機能については、最初のみ期待はずれ信号が観察された場合であり、数回で覚えられた機能については、最初の数回で期待はずれ信号が検出されなくなった事例と対応する。一方振幅が減少しない場合(ステップS384においてNO)、同じ問題に対して、同じような操作の間違いを起こし、大きな期待はずれ信号を生み続けている点から、まだまだ熟達していないことが考えられ、まだ使いこなせていないと判定される(S387)。
上記のステップS385〜S387のように判定がされた後は、いずれの場合にもステップS381にて選択された機能についての覚えやすさの評価(選択された機能についての特定ユーザの習熟度の評価)が完了したことになるので、ステップS388にて評価結果のデータベースに記録する。この評価結果のデータベースは、実施形態1のステップS188と同様、ユーザ評価部36内部に設置され、図12と類似の形式を持つ。
ここまでの処理によって、あるひとつの機能に対するユーザの習熟度合いの評価は完了となり、ステップS389にて、全機能に対する評価が完了したかどうかが判定される。全機能の評価が完了した場合には(ステップS389においてYES)の場合は、処理を終了し、全機能の評価が完了していない場合(ステップS389においてNO)には、次の機能を選択して評価するためにステップS381に移動する。
このように、期待はずれ信号の振幅の減少度合いから、ユーザの各機能に対する理解度や習熟度が判定できる。例えば、これによって携帯電話Aのユーザグループと携帯電話Bのユーザグループの各機能に対する習熟度合いの違いも明確になり、その判定結果に基づいて、どちらのグループにも覚えやすいメニューやヘルプを設計したり、事前に使用していた携帯電話の機種を入力することで、メニューやヘルプを切り替える等の機構を準備することもできる。
なお、本発明においては、データを収集した後に、最後に集計する方式について説明したが、実施の形態2のように、オンライン的に事象関連電位を取得してすぐに変更することも可能である。
(その他の実施の形態)
これまで説明した実施の形態は本発明の例示であり、本発明はこれらの例に限定されない。例えば図18に示すように、実施形態1に係る装置構成において生体信号検出部15と蓄積部17との間に特定事象関連電位判定部18をおいても構わない。この場合、生体信号検出部15で測定された事象関連電位のデータは、特定事象関連電位判定部18で特定事象関連電位の有無を判定されるとともに、そのまま蓄積部17へと送られてデータが蓄積される。また、同様の装置構成を実施形態2,3に適用してもよい。
また、ユーザが操作を覚えていく度合いや興味度合い、操作の習熟度などのユーザ状態は、特定事象関連電位である期待はずれ信号の波形の振幅が時系列的に変化、例えば減少することによってユーザ評価部において判定を行う判定方法をこれまで説明してきたが、波形の振幅以外に判定基準として期待はずれ信号の波形のピーク潜時や波形の形状を用いて判定を行ってもよい。
本発明にかかるユーザビリティ評価装置は、脳波計で計測可能な事象関連電位の時系列変化にユーザの行動を評価するユーザ行動評価部を有し、ユーザビリティ評価のうち、特に覚えやすさ評価や飽きやすさ評価など、時系列的な変化の評価などに有用である。
実施形態1に係るユーザビリティ評価装置の構成図である。 機器操作の概念図である。 予備実験の手順を示す図である。 期待はずれ信号の取得実験結果を示す図である。 期待はずれ信号の分析方法を示す図である。 期待はずれ信号の時系列変化を示す図である。 全体の処理のフローチャートを示す図である。 実施形態1の実験データ収集のフローチャートを示す図である。 実施形態1の期待はずれ検出処理のフローチャートを示す図である。 実施形態1の波形加算処理のフローチャートを示す図である。 実施形態1の機能評価処理のフローチャートを示す図である。 想定される電位変化の例を示す図である。 実施形態2に係るユーザビリティ評価装置の構成図である。 ユーザ評価部のフローチャートを示す図である。 想定される電位変化の例を示す図である。 実施形態3に係るユーザビリティ評価装置の構成図である。 実施形態3に係るユーザ評価部のフローチャートを示す図である。 実施形態1に係るユーザビリティ評価装置の異なる構成図である。
符号の説明
10 ユーザ
11 操作指示部
12 操作入力部
13 機器反応部
14 評価対象機器
15 生体信号検出部
16 機能評価部
17 蓄積部
18 特定事象関連電位判定部
19 応答内容決定部
21 操作入力部
22 機器反応部
23 情報推薦機能
24 生体信号検出部
25 ユーザ評価部
26 蓄積部
27 パラメータ調整部
28 特定事象関連電位判定部
29 応答内容決定部
31 問題表示部
32 操作入力部
33 正誤表示部
34 評価対象問題
35 生体信号検出部
36 ユーザ評価部
37 蓄積部
38 特定事象関連電位判定部
39 応答内容決定部

Claims (16)

  1. 所定の機器が有する機能に対してユーザが行う操作を受ける操作入力部と、
    前記操作入力部によって受けた前記操作に対し、応答内容を決定する応答内容決定部と、
    前記応答内容決定部によって決定された前記応答内容を前記ユーザに提示する提示部と、
    前記ユーザの生体信号として脳波の事象関連電位を計測する生体信号検出部と、
    計測された前記事象関連電位のデータを蓄積する蓄積部と、
    前記提示部が前記応答内容を提示したタイミングを起点として、前記生体信号検出部で計測された前記事象関連電位の中から、前記起点から所定の時間後の特定事象関連電位を前記蓄積部に蓄積させる特定事象関連電位判定部と、
    前記蓄積部に蓄積されており、前記特定事象関連電位を有する複数の前記事象関連電位の前記データにおいて、複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いから前記操作の覚えやすさを判定するユーザ評価部と
    を備え
    複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いとは、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅の変化の度合いであり、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅が減少した場合には前記操作が覚えやすいと判定し、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅が減少しない場合には前記操作が覚えにくいと判定する、ユーザビリティ評価装置。
  2. 前記ユーザ評価部において、前記特定事象関連電位の波形のピーク振幅の時系列的変化に基づいて操作の覚えやすさを判定することを特徴とした請求項1に記載のユーザビリティ評価装置。
  3. 前記ユーザ評価部は、前記ユーザが前記機器の複数の機能を複数回操作する際に、複数の機能の操作における前記特定事象関連電位の時系列的な変化のそれぞれの度合いを比較して、前記特定事象関連電位の波形の振幅が早く減少したほうが機能の操作を覚えやすいと判定することを特徴とした請求項1に記載のユーザビリティ評価装置。
  4. ユーザの要求を受ける操作入力部と、
    前記操作入力部によって受けた前記要求に対し、応答内容を決定する応答内容決定部と、
    前記応答内容決定部によって決定された前記応答内容を前記ユーザに提示する提示部と、
    前記ユーザの生体信号として脳波の事象関連電位を計測する生体信号検出部と、
    計測された前記事象関連電位のデータを蓄積する蓄積部と、
    前記提示部が前記応答内容を提示したタイミングを起点として、前記生体信号検出部で計測された前記事象関連電位の中から、前記起点から所定の時間後の特定事象関連電位を前記蓄積部に蓄積させる特定事象関連電位判定部と、
    前記蓄積部に蓄積されており、前記特定事象関連電位を有する複数の前記事象関連電位の前記データにおいて、複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いから前記ユーザが前記応答内容に対して飽きているか否かを判定するユーザ評価部と
    を備え、
    複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いとは、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅の変化の度合いであり、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅が減少した場合には飽きていると判定し、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅が減少しない場合には飽きていないと判定する、ユーザビリティ評価装置。
  5. 前記ユーザ評価部において、前記特定事象関連電位の波形のピーク振幅の時系列的変化に基づいてユーザが前記応答内容に対して飽きているか否かを判定することを特徴とした請求項に記載のユーザビリティ評価装置。
  6. 前記提示部は、前記応答内容決定部によって決定された前記応答内容として所定の機器の複数の機能を提示し、
    前記ユーザ評価部は、前記複数の機能がそれぞれ提供された際の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いを比較して、前記特定事象関連電位の波形の振幅が減少する度合いが少ないほうがユーザが飽きていないと判定することを特徴とした請求項に記載のユーザビリティ評価装置。
  7. 所定の機器が有する機能に対してユーザが行う操作に関する問題をユーザに表示する問題表示部と、
    所定の機器が有する機能に対してユーザが行う前記操作を受ける操作入力部と、
    前記操作入力部によって受けた前記操作から、前記問題の回答として正誤を判定し、正しいか否かの判定を応答内容として決定する応答内容決定部と、
    前記応答内容決定部によって決定された前記応答内容を前記ユーザに提示する提示部と、
    前記ユーザの生体信号として脳波の事象関連電位を計測する生体信号検出部と、
    計測された前記事象関連電位のデータを蓄積する蓄積部と、
    前記提示部が前記応答内容を提示したタイミングを起点として、前記生体信号検出部で計測された前記事象関連電位の中から、前記起点から所定の時間後の特定事象関連電位を前記蓄積部に蓄積させる特定事象関連電位判定部と、
    前記蓄積部に蓄積されており、前記特定事象関連電位を有する複数の前記事象関連電位の前記データにおいて、複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いから前記ユーザの前記操作の習熟度を判定するユーザ評価部と
    を備え、
    複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いとは、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅の変化の度合いであり、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅が減少した場合には習熟していると判定し、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅が減少しない場合には習熟していないと判定する、ユーザビリティ評価装置。
  8. 前記ユーザ評価部において、前記特定事象関連電位の波形のピーク振幅の時系列的変化に基づいてユーザの前記操作の習熟度を判定することを特徴とした請求項に記載のユーザビリティ評価装置。
  9. 前記所定の時間は、450から800msecであることを特徴とした請求項1からのいずれか一つに記載のユーザビリティ評価装置。
  10. 前記所定の時間は、600msec前後または750msec前後であることを特徴とした請求項1からのいずれか一つに記載のユーザビリティ評価装置。
  11. 所定の機器が有する機能に対してユーザが行う操作を受けるステップと、
    記操作に対して応答内容を決定するステップと、
    前記応答内容を前記ユーザに提示するステップと、
    前記ユーザの生体信号として脳波の事象関連電位を計測するステップと、
    計測された前記事象関連電位のデータを蓄積するステップと、
    前記応答内容を提示したタイミングを起点として、計測された前記事象関連電位の中から、前記起点から所定の時間後の特定事象関連電位を蓄積するステップと、
    前記特定事象関連電位を有する複数の前記事象関連電位の蓄積された前記データにおいて、複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いから前記操作の覚えやすさを判定するステップと
    を含み、
    複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いとは、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅の変化の度合いであり、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅が減少した場合には前記操作が覚えやすいと判定し、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅が減少しない場合には前記操作が覚えにくいと判定する、ユーザビリティ評価方法。
  12. 所定の機器が有する機能に対してユーザが行う操作を受けるステップと、
    記操作に対して応答内容を決定するステップと、
    前記応答内容を前記ユーザに提示するステップと、
    前記ユーザの生体信号として脳波の事象関連電位を計測するステップと、
    計測された前記事象関連電位のデータを蓄積するステップと、
    前記応答内容を提示したタイミングを起点として、計測された前記事象関連電位の中から、前記起点から所定の時間後の特定事象関連電位を蓄積するステップと、
    前記特定事象関連電位を有する複数の前記事象関連電位の蓄積された前記データにおいて、複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いから前記操作の覚えやすさを判定するステップと
    をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いとは、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅の変化の度合いであり、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅が減少した場合には前記操作が覚えやすいと判定し、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅が減少しない場合には前記操作が覚えにくいと判定する、プログラム。
  13. ユーザの要求を受けるステップと、
    前記要求に対して応答内容を決定するステップと、
    前記応答内容を前記ユーザに提示するステップと、
    前記ユーザの生体信号として脳波の事象関連電位を計測するステップと、
    計測された前記事象関連電位のデータを蓄積するステップと、
    前記応答内容を提示したタイミングを起点として、計測された前記事象関連電位の中から、前記起点から所定の時間後の特定事象関連電位を蓄積するステップと、
    前記特定事象関連電位を有する複数の前記事象関連電位の蓄積された前記データにおいて、複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いから前記ユーザが前記応答内容に対して飽きているか否かを判定するステップと
    を含み、
    複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いとは、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅の変化の度合いであり、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅が減少した場合には飽きていると判定し、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅が減少しない場合には飽きていないと判定する、ユーザビリティ評価方法。
  14. ユーザの要求を受けるステップと、
    前記要求に対して応答内容を決定するステップと、
    前記応答内容を前記ユーザに提示するステップと、
    前記ユーザの生体信号として脳波の事象関連電位を計測するステップと、
    計測された前記事象関連電位のデータを蓄積するステップと、
    前記応答内容を提示したタイミングを起点として、計測された前記事象関連電位の中から、前記起点から所定の時間後の特定事象関連電位を蓄積するステップと、
    前記特定事象関連電位を有する複数の前記事象関連電位の蓄積された前記データにおいて、複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いから前記ユーザが前記応答内容に対して飽きているか否かを判定するステップと
    をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いとは、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅の変化の度合いであり、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅が減少した場合には飽きていると判定し、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅が減少しない場合には飽きていないと判定する、プログラム。
  15. 所定の機器が有する機能に対してユーザが行う操作に関する問題をユーザに表示するステップと、
    所定の機器が有する機能に対してユーザが行う前記操作を受けるステップと、
    記操作から前記問題の回答として正誤を判定し、正しいか否かの判定を応答内容として決定するステップと、
    前記応答内容を前記ユーザに提示するステップと、
    前記ユーザの生体信号として脳波の事象関連電位を計測するステップと、
    計測された前記事象関連電位のデータを蓄積するステップと、
    前記応答内容を提示したタイミングを起点として、計測された前記事象関連電位の中から、前記起点から所定の時間後の特定事象関連電位を蓄積するステップと、
    前記特定事象関連電位を有する複数の前記事象関連電位の蓄積された前記データにおいて、複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いから前記ユーザの前記操作の習熟度を判定するステップと
    含み、
    複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いとは、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅の変化の度合いであり、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅が減少した場合には習熟していると判定し、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅が減少しない場合には習熟していないと判定する、ユーザビリティ評価方法。
  16. 所定の機器が有する機能に対してユーザが行う操作に関する問題をユーザに表示するステップと、
    所定の機器が有する機能に対してユーザが行う前記操作を受けるステップと、
    記操作から前記問題の回答として正誤を判定し、正しいか否かの判定を応答内容として決定するステップと、
    前記応答内容を前記ユーザに提示するステップと、
    前記ユーザの生体信号として脳波の事象関連電位を計測するステップと、
    計測された前記事象関連電位のデータを蓄積するステップと、
    前記応答内容を提示したタイミングを起点として、計測された前記事象関連電位の中から、前記起点から所定の時間後の特定事象関連電位を蓄積するステップと、
    前記特定事象関連電位を有する複数の前記事象関連電位の蓄積された前記データにおいて、複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いから前記ユーザの前記操作の習熟度を判定するステップと
    をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    複数の前記特定事象関連電位の時系列的な変化の度合いとは、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅の変化の度合いであり、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅が減少した場合には習熟していると判定し、前記特定事象関連電位が描く波形の振幅が減少しない場合には習熟していないと判定する、プログラム。
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