JP4685928B2 - チャネル割当て階層化のためのチャネル割当て - Google Patents

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Description

本発明は、チャネル割当て階層化(CHAT)手法を用いる移動セルラ通信システムにおけるチャネル割当て方法及びチャネル割当てシステムに関するものである。
特に、本発明は、端末の干渉抑圧能力、個々の端末により利用されるサービスの無線要求条件、端末の電波的位置あるいはそれらいくつかの組合せに基づくチャネル割当て方法に関するものである。
移動無線通信の利用は急速に成長し続けており、新規のデータサービスがますます普及するようになってきている。これらの新規なサービスの多くは、音声トラヒック量が増大し続けている従来の音声サービスよりも無線品質に大きな必要条件を要求する。一般的にネットワークオペレータが利用可能な電波スペクトルには限りがあるため、セルラネットワークのスペクトル効率を増大する技術が必要とされている。さらに、最適なパフォーマンスを達成するために、システムは、サービスの範囲及び様々な無線必要条件及び干渉抑圧能力を有する端末を高効率に管理可能でなければならない。
典型的なセルラネットワーク技術はGSMであり、現時点で他のいかなる種類のシステムよりもトラフィック負荷が大きい。多くの商用ネットワークにおける不均一性は、最大のトラフィックピークは最繁時に特定の領域に起こり得、セルは既にある利用可能な周波数と同じ数だけの送受信機が設置されたハードウェアの負荷の100%近くを要求する。さらに、付加的なスペクトル効率倍増化を可能にする適応アンテナ製品がすぐに利用できるようになる(非特許文献1)。それ故、セルの中での無線リソースの再利用を含む極端な負荷を取り扱う手段は、GSM又は他の技術を用いた将来のネットワークのためだけの問題ではなく、既存のネットワークに比較的すぐ存在するホットスポット領域に対してソリューションが必要とされ得る。
非常に高いスペクトル効率そして極端な負荷を扱うための手段は、チャネル割当て階層化(CHAT)手法(非特許文献2)により提供され得る。CHATにより、セルのハードウェアリソースを無線リソースから分離し、必要に応じて、利用可能な無線リソース(例えば周波数)より多いハードウェアリソースユニット(例えば送受信機)を設置することができる。CHAT構成のピーク負荷時にはセル内の同一チャネル干渉が一般的に存在するが、CHATはこれを管理するためのいくつかのメカニズムを提供する。使用可能なメカニズムの例として、適応狭ビームアンテナ、無線リソース・ホッピングによるセル内干渉ダイバーシティ、及び、高度な干渉抑圧受信器がある。
CHATは、無線リソースの部分的な再利用(すなわち1未満の再利用)を行う。これは、同一セル又はセル・セクター内の異なる端末が同一の無線リソースを同時に使用できることを意味する。
また、CHATは、特許文献1においても開示されており、図1には、単純化され不完全ではあるが、多くのハードウェアリソースユニット1a−h、2a−h(たとえば送受信機)、多くの無線リソース3a−h(たとえば周波数)、及び、リソース1−3が利用可能なセル4が例示されている。
CHAT手法によれば、利用可能なハードウェアリソースユニットは、各々が最大サイズh(hは整数)の多くの論理グループ(チャネル階層5及び6)に分割される。この最大サイズhは、各セルに割り当てられた無線リソースの数に等しい。セルは、各々の階層に対応する2つの論理セル7、8を含むと見なすことができる。CHATの部分的な再利用は、無線リソースを異なる階層の異なるチャネルに共有することによって達成される。図示される例においては、利用可能なハードウェアリソースユニットは、2つの階層に分割される。その2つの階層は、同一の無線リソース3a−hを利用する。たとえば、2つのチャネル(階層5から1つ(1a)及び階層6から1つ(2a))は、同時に同一の無線リソース3aを共有する。一般に、全ての階層は、部分的に又は完全に、同一の無線リソースを共有する。しかしながら、共有は、非常に柔軟になされる。チャネルは無線リソースを異なる階層の他のチャネルと共有でき、あるいは、チャネルは他と共有することなく自身に割当てられた無線リソースを使用することもできる。2つのチャネルが同一の無線リソースを共有するときには、衝突が起こりセル内の同一チャネル干渉が発生する。この効果は最小化されるべきである。CHATにおいて、衝突の発生頻度を最小化し衝突により発生する効果を最小化するために、多くの技術が使用される。この種の技術として、2つの階層での異なる無線リソースのホッピング・シーケンス(例えば周波数ホッピング・シーケンス)、受信器の干渉抑圧とともに使用される2つの階層での異なるトレーニング・シーケンス、及び、空間分離を使用する適応アンテナなどのさまざまな干渉回避技術が含まれる。
CHATは、好ましくは、セル内のハードウェアリソースユニットの数より無線リソースの数が少ない場合に使用される。しかしながら、CHATを、無線リソースの数が必要なハードウェアリソースユニットの数を超えるセルで使用しても良い。
CHAT手法の特徴は、チャネル階層が互いに干渉する量が、各々の階層のトラフィック負荷に依存しているということである。したがって、階層間のトラフィックの割当ては、他の階層の干渉レベルに影響を及ぼす。これを説明するために、階層5のトラフィック負荷が高く、階層6においては低いと仮定する。階層5のトラフィック負荷は高いので、階層5の端末の数はトラフィック負荷がより少ない階層6より多い。したがって、階層6の少数の端末による影響を受けるだけである階層5の端末より、階層6のチャネルが割当てられた端末は、階層5の多数の端末からより多くのセル内の同一チャネル干渉を経験する。セル内の同一チャネル干渉は異なる階層間で発生し、同一階層内では発生しない。
特許文献1に係る従来技術のCHATシステムのハードウェアリソースユニットは、必要とされるハードウェアリソースユニットの数が同じセル内の無線リソースの数より多い場合に階層に分割される。以下では、この階層構成プロセスが低速CHAT構成と称する。特許文献1に係る異なる階層へのチャネル割当ては、階層の現在の負荷が考慮されなされる。以下で我々が参照する異なる階層へのチャネル割当てを高速チャネル割当てと称する。特許文献1には高速チャネル割当てで使用される手段や方法については書かれていない。
セル又はセル・セクターのユーザ間のセル内干渉の均一な分布を得るための1つの方法として、第2(あるいはそれ以上)の階層が導入されるは常に、ハードウェアリソースユニットを等しいサイズのチャネル階層に分割することがである。しかしながら、これは、セル内の同一チャネル干渉が、必要となる負荷よりも非常に低い(すなわち100%よりも非常に低い)負荷で発生しうることを意味し、明らかに望ましくない。セルのユーザ間のセル内干渉の均一な分布を得る他の方法は、ランダムにチャネルを割り当てることである。しかしながら、これは、搬送波対干渉比(C/I)、ビット誤り率、サービス品質(QoS)その他に関してより高い無線条件を必要とするサービスを利用している端末に、より干渉が強いチャネル階層のチャネルが割当てられ得ることを意味する。その結果、端末はより強いセル内の同一チャネル干渉を経験することになる。また、より強く干渉しているチャネル階層のチャネルが、劣悪な電波的位置に位置する端末(例えばセル境界に位置する端末)割当てられ、その結果、端末はより強いセル内の同一チャネル干渉を経験することになることを意味する。さらに、より強く干渉しているチャネル階層のチャネルが、全くあるいはほとんど干渉抑圧能力がない端末に割当てられ、その結果、端末はより強いセル内の同一チャネル干渉を経験することになることを意味する。より強く干渉しているチャネル階層のチャネルが、高い無線必要条件を必要としかつ劣悪な電波的位置に位置する端末に割当てられる場合、又は、上述の状況の組み合わせの状態にある端末に割当てられる場合、セル内の同一チャネル干渉による問題は悪化する。
特許文献2には、セルにおいてより多くの接続を可能にするため、CDMAシステムのダウンリンクにおいて多数の符号(コード)セットを利用する方法が記述されている。ユーザ間の干渉を考慮して、異なるユーザに符号が割当てられる。
Carsten Ball et al., "Performance Analysis of a GERAN Switched Beam System by Simulations and Measurements", in Proc of VTC'04 Spring. Stephen Craig et al., "Channel Allocation Tiering (CHAT): Taking GSM/EDGE Networks Beyond One-Reuse", in Proc of VTC'01 Spring. 国際特許出願WO−A2−0197537 米国特許US−A−6542484
発明の目的の1つは、セル内の同一チャネル干渉が不可欠な場合(すなわち、無線リソース負荷が100%に非常に近くかつ100%未満である場合)にのみ導入されることを保証し、導入された場合であってもユーザ及びシステム性能にできるだけ影響しないような、低速CHAT構成及び高速チャネル割当てを組み合わせたCHATシステムにおけるチャネル割当て方法を提供することである。
好ましくは、より高いチャネル階層は、トラフィック負荷が高くユーザがシステムへアクセス出来なくなる場合にのみ使用されるべきである。
これにより達成される効果は、ネットワークの干渉レベルが常に最低限に保たれるということであり、それにより、ネットワークの一般的なトラフィック負荷にかかわりなくユーザそしてシステム性能を最大にすることである。
本発明の他の目的は、CHATシナリオの高速チャネル割当てを系統的に、また、端末の個々の必要条件にしたがって制御することである。個々の必要条件は、端末の、QoSサービス・プロファイル、電波的位置、干渉抑圧能力あるいはそれらの組合せを意味する。
本発明で達成される効果は、高レベルのセル内の同一チャネル干渉に絶えうる端末にのみ、より強く干渉しているチャネル階層のチャネルが割り当てられるということである。
他の効果は、知覚されるサービス性能がセルの全端末で可能な限り広く均一に分布することであり、それにより、システムの収容能力を最大化することである。
本発明は、主にGSMシステムに関して記載されている。GSMシステムにおいて、最少のハードウェアリソースは送受信機TRX上のタイムスロットである。そして、最少の無線リソースは周波数上のタイムスロットである。GSMにおいては、8個のタイムスロットが各々のTDMAフレームに存在するので、各々のTDMAフレーム周期において、所与のTRX及び所与の周波数に対して多くても8個の論理チャネル(例えばトラフィックチャネルTCH)の送信及び受信が実行されるだけである。引き続くTDMAフレームにおいて、同一あるいは異なる周波数を用いた同一あるいは異なるTRX上の8個の論理チャネルの同一のセットあるいは異なるセットにより通信が行われる。ハードウェアリソースから無線リソースへの論理チャネルの実際のマッピングはタイムスロット毎TDMAフレーム毎に変化するが、本発明の原則は同じままである。それゆえ、より明確にするため、以下で本発明は、TDMAフレームの単一のタイムスロットの期間のスナップショットとして記述されている。TDMAフレームの多数のタイムスロットにおける動的な場合、及び、多数のTDMAフレームに対する一般化は直接的である。
図2を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。図面において、類似の要素は同一の参照符号を有する。図2は、セルラ移動通信システムのセルにおいて利用可能な、ハードウェアリソースユニット1、2及び無線リソース3を示している。無線リソース3は、周波数f1、f2...f10である。ハードウェアリソースユニット1は、送受信機TRX1、TRX2...TRX10である。ハードウェアリソースユニット2は、送受信機TRX11及びTRX12である。更に、それぞれが矢印10で示すように対応するハードウェアリソースユニット1及び2と関連付けられた複数の論理チャネル9がある。図示した例において、ハードウェアリソースユニット1及び2と同数の論理チャネルCH1、CH2...CH12がある。すなわち、ハードウェアリソースは完全に利用されている。矢印11により示されるように、ハードウェアリソースユニット1の各々は対応する無線リソースにマッピングされる。そして、ハードウェアリソースユニット1と同数の無線リソースがあり、図では10個である。チャネル割当ては、論理チャネルに対してなされる。
チャネルCH11及びCH12の各々は、矢印12により示されるように無線リソースにマッピングされた対応するハードウェアリソースユニットにマッピングされる。無線リソースへのハードウェアリソースのマッピングは、低速CHAT構成プロセスの一部である。
本発明をよりよく理解するために、セルは10個の送受信機TRX1−10を備え、セルのトラフィック負荷は時間と共に増加するシナリオを仮定する。全TRXの全タイムスロットがトラフィックによって占有され、セルがこれ以上のトラフィックを取り扱えない場合に輻輳状態のポイントに達する。明らかに、セルの収容能力を増やす必要があるので、更に2つのTRX(TRX11及びTRX12)がセルに追加される。これらは、部分的な再利用であるCHAT構成の任意の周波数f1−10を使用できる。CHAT構成が導入されるこのポイントでのハードウェアリソースと無線リソースとの間のマッピングの決定は、低速CHAT構成の一部である。
トラフィックは、一日にわたって変化し、トラフィックが存在せず全ハードウェアリソースが利用可能である時点から開始すると仮定する。発信又は着信する第1の端末は、TRX1に割り当てられているチャネルCH1を割り当てられる。矢印11で示されるように、この時点ではTRX1は周波数f1にマッピングされているため、結果として、端末に対する個々のチャネルの割り当てはその端末に対する個々の無線リソースの割当てになる。発信又は着信する第2の端末は、矢印11の上から2番目に示されるように、この時点では周波数f2にマッピングされているTRX2に割り当てられているチャネルCH2を割り当てられる。第2の端末は、このように個々の無線リソースを割り当てられる。この従来の方法に従うチャネル割当ては、トラフィック量が増加するにしたがって進行する。無線リソースの100%付近(ただし未満)の閾値に達すると、高速チャネル割当てプロセスでのチャネルの割り当てが送受信機TRX11及びTRX12を利用して開始される。
8個のタイムスロットを有する完全なTDMAフレームを考慮する場合、例えば、TRX1−9の8個のタイムスロット及びTRX10の2個のタイムスロットが占有されTRX10の6個のタイムスロットのみが空いている場合に上述の閾値に到達する。
低速CHAT構成は、例えば、基地送受信局(BTS)の送受信機の設置と関連して、又は、BTSのトラフィック負荷がゼロのときに実行される。低速CHAT構成は、ハードウェアリソースユニット1及び2が複数の階層(ここでは2つの階層13、14)に分割されることを意味し、第1階層13はTRX1、TRX2、...TRX10を含み、第2階層14は送受信機TRX11及びTRX12を含む。また、低速CHAT構成は、閾値の設定も含んでいる。2つの階層間の閾値及び境界は、破線15によって例示的に示されている。さらに、低速CHAT構成は、上述した無線リソースのチャネル階層各々への割り当てが含まれている。
低速CHAT構成は、常にネットワークの干渉レベルを最低レベルに維持されている間、輻輳問題を回避するために実行される。
高速チャネル割当て方式は、厳しく制御された方法で需要に応じてチャネルを新規の端末に割り当てる。無線リソースの部分的な再利用のための一般的な概念は、干渉に影響されやすい端末により干渉している階層のチャネルが割当てられている間、より強く干渉しているチャネル階層のチャネルをセル内の同一チャネル干渉により耐えうる端末に割り当てることである。
上述の例に続いて、トラフィック負荷が非常に高く、第1のチャネル階層におけるTDMAフレーム周期の80個のタイムスロットのうちの4個だけが空いており、新規の端末が発呼のために基地局制御装置(BSC)に呼の要求をしている場合を想定する(図5参照)。呼の要求及び他のソースから、BSCは、端末の位置、端末の干渉抑圧能力、端末の要求サービスを知ることができる。たとえば、端末は干渉抑圧能力を有せず、あるいは、劣悪な電波的位置に位置し又は要求サービスが高い無線必要条件を必要とし、あるいはこれらの任意の組み合わせである場合、第1のチャネル階層の空いたタイムスロットの1つが割当てられることになる。端末は干渉抑圧能力を有し、あるいは、良好な電波的位置に位置し又は要求サービスが低い無線必要条件を必要とし、あるいはこれらの任意の組み合わせである場合、第2のチャネル階層が割当てられることになる。
この高速チャネル割付てプロセスは、発信あるいは着信する新規の端末の各々に対して繰り返される。
上述の説明から、本発明による高速チャネル割当ては、当該端末の干渉抑圧能力及び/又は所与のサービスの無線必要条件に基づいていることが理解されるべきである。よりロバストな端末及びサービスには、より大きく干渉している階層が優先的に割り当てられる。更に、高速チャネル割当ては、在圏の基地局、セル境界、周囲の干渉者、などに関する端末の”電波的位置”に基づいている。
ハードウェアリソースが使用される場合は、そのハードウェアリソースは使用中とマークされると理解されるべきである。呼が終了するとハードウェアリソースは空きとマークされ、新規の割当てに使用可能となる。
また、端末が割当てられることになる階層は、当該端末及びセル内で現在割り当てられているチャネルでのサービスに依存すると理解されるべきである。階層13に空いているチャネルがなく階層14に利用可能な空きチャネルがある場合であり、セル境界の近くに位置する干渉抑圧能力のない端末から呼の要求が到着した場合、この端末は、階層14の空きチャネルの1つに割り当てられるが、すぐに、上述の高速チャネル割当て方法の原理にしたがって再割当てがなされる。再割当ての結果、再割当ての前、階層13のチャネルが割当てられていた干渉抑圧能力のある端末には、より干渉した階層14のチャネルが割り当てられる。このようにして、より干渉が少ない階層13の使用中のハードウェアリソースを空き状態にする。空き状態になったこれらの階層13のハードウェアリソースは再割り当ての原因となった端末に割り当てられる。そして、おそらく、例えばトラフィック負荷の予測に従い、再割当ての間、干渉抑圧能力を有する他の端末は、より干渉している階層14のハードウェアリソースを割り当てられる。端末移動性などによるサービス・セッションの間の状況の変化によっても類似の端末再割り当てが発生する。望ましくは、複数の端末に適合する高速チャネル割当て方法が再割り当てに使用される。トラフィック負荷が閾値以下まで減少するか閾値以下の所定量減少すると、階層13のチャネルのみが高速チャネル割当て方法により利用され、予め指定されたトラフィック負荷閾値に再び到達するまで、階層14のチャネルは未使用状態に保持される。
良好な電波的位置(セル中心など)に存在するか、あるいは、低い無線必要条件のサービス(干渉にそれほど影響されないロバストなサービス)を実行しているか、又は、干渉抑圧能力を有するか、あるいはこれらの状況の組み合わせにある端末は、トラフィック負荷が閾値レベルを超えている場合は常に、より強く干渉しているチャネル階層(例えば図2の階層14)のチャネルを割り当てられる。劣悪な電波的位置(セル境界など)に存在するか、あるいは、高い無線必要条件のサービスを実行しているか、又は、干渉抑圧能力を有さないか、あるいはこれらの状況の組み合わせにある端末は、可能な限り常に、より弱く干渉しているチャネル階層(例えば図2の階層13)のチャネルを割り当てられる。
良好な電波的位置は、在圏の基地局との電波的若しくは地理的距離、セル境界との電波的若しくは地理的距離、周囲の干渉者との電波的若しくは地理的距離、搬送波対干渉比(C/I)若しくはビット誤り率(BER)、ブロック誤り率(BLER)そしてフレーム消去率(FER)のような他のリンク品質測定値、あるいはそれらの組み合わせにより定義される。
図2で示した実施例をさらに例示する図3を参照すると、より強く干渉している階層14はオーバレイ(OL)構成16を利用し、階層13はアンダーレイ(UD)構成17を利用している。端末の混合が存在し、いくつかは干渉抑圧(IS)能力がありいくつかは無いと仮定する。
ハードウェアリソースユニット1、2には、ハードウェアリソースの総数がN個存在し、f個(ここでN>f)の無線リソースに割り当てられていると仮定する。階層14は、主にIS(ISは干渉抑圧の略語)可能な端末のためにあり、OLで動作するNIS個のハードウェアリソースユニットを備える。階層13は、IS可能及びIS不能な双方の端末のためにあり、ULで動作するNREM個ののハードウェアリソースユニットを備える。低いトラフィック負荷では、全ての端末に対し、NREM個のユニットからのチャネルが割り当てられる。負荷閾値15を超える負荷では、IS可能な端末には、優先してNIS個の階層14のチャネルが割り当てられる。IS不能な端末には、可能な限り、NREM個の階層13のチャネルが割り当てられるべきである。
階層のサイズは、次のようになるべきである:
IS=N−f (NREM=fを意味する)
図示されたGSMの場合においては、輻輳を回避するため、10個の周波数(f=10)と、ブロッキング基準(N=12)を満足するため、セルあたり12個の送受信機が設置されなければならない。そのため、NIS=2個の送受信機及びNREM=10個の送受信機となる。この場合、NISに対するセル内の同一チャネル干渉の確率は、NREM/f=1であるため最大でも100%である。しかしながら、当該階層の全端末はIS可能であり良好な電波的位置に存在するためこの状況は対処可能である。NREMに対するセル内の同一チャネル干渉の確率は、NIS/f=0.2であるため最大でも20%である。それ故、IS不能な端末のセル内の同一チャネル干渉の確率は最小化される。
2つの階層は異なるホッピングシーケンスを用いているが周波数ホッピングを使用することを思い出すべきである。階層13のチャネルは10個の周波数にマッピングされ、(階層13の)個々の端末はこれらの周波数のいくつかあるいは全ての間をホッピングする。また、階層14の個々の端末もその10個の周波数のいくつかあるいは全ての間をホッピングするが、任意の時点で全10個の周波数の中で多くとも2個の周波数が階層14の端末によって使用される。これは、階層13の端末により平均的に経験される干渉は最大でも時間の確率で10分の2(2/10)であり、IS不能な端末が耐え得るべき確率である。
オーバレイ/アンダーレイのサブ・セル構成を用いて電波的位置の粒度が使用可能になることは理解されるべきである。端末がたとえばサブセル16に存在する場合、端末は基地局の近くにあり、システムはこの端末に対する通信最適化のためにこの情報を使用することができる。
図2又は図3と関連して記載されているセルの後のバージョンと見なすことができる図4を参照する。上述した実施例の議論に引き続き、セルのトラフィックが長期間にわたって上がり続けると仮定すると、セル・サイトで付加的なハードウェアリソースの追加を要求することになる。そして、時間とともに、付加的な10個の送受信機TRX13−22が追加された。しかし、利用可能な周波数は10個だけである。上述したものと同様の原理に従い低速CHAT構成が実行され、今や、階層13のTRX1−10、階層14のTRX11−20、及び、セル内の追加的なOLサブ・セル19として第3階層18のTRX21−22が存在する。階層13のチャネルは周波数f1−f10に矢印11で示すようにマッピングされる。また、階層14のチャネルも周波数f1−f10に矢印12で示すようにマッピングされ、階層18のチャネルも周波数f1−f10に矢印21で示すようにマッピングされる。閾値15は同じであり、新しい閾値20は第2階層14に対して設定される。この閾値は、階層14において可能な最大のトラフィック負荷の100%付近(ただし未満)(すなわち、セル内の無線リソースの200%付近(ただし未満))となるよう設定される。本発明の原則に従った高速チャネル割当てが、階層14及び階層18において発生する。階層13のチャネルが最初に割り当てられ、そして、階層14のチャネル、最後に階層18のチャネルが割り当てられる。図2と関連して記載されたものと類似した方法の階層間の再割り当てが図3において利用される。
一般的に、より強く干渉している階層又は複数の階層はOLで動作している。
上述の原理に従うことにより、より多くのハードウェアリソースを追加し、いくつかの階層を用いて低速CHAT構成を実行することが可能である。f個の無線リソース、T個の階層、総数がN個のハードウェアリソースユニットがある場合、最後の階層のハードウェアリソースユニットの数はN−(T−1)fとなる。
<階層へのチャネルの割り当て>
高速チャネル割付けアルゴリズムは、多くの異なる方法で端末を階層に割り当てることができる。そして、そのいくつかは以下で説明される。
1.すでに述べたように、無線リソース負荷が100%付近(ただし未満)に達するまで、全端末は第1階層13に割り当てられる。
2.閾値より上では、良好な電波的位置の端末は、次の階層14に割り当てられる。
3.オーバレイ(OL)/アンダーレイ(UL)のサブ・セル構成を利用することにより、電波的位置の粒度が利用可能であり、階層の各々には1つ以上の無線サブ・セル16、17、19に割り当てられる。
4.ステップ1−3は、より高い階層14、18において、N番目の階層の無線リソース閾値がN×100%付近(ただし未満)になると繰り返し実行される。
5.より高い階層14、18の端末を良好な電波的位置に維持するため、サービス・セッションの間に端末移動性の結果あるいは他の理由により電波的位置が大きく変化する場合階層間の再割り当てが実行され、あるいは、呼のセットアップ時の階層の輻輳又はハンドオーバは結果として初期割り当てからより不適な階層への再割り当てが実行される。
6.ステップ1−5が繰り返し実行されるが、端末が良好な電波的位置に存在する場合であっても、より低い無線必要条件をもつサービスはより高い階層14、18に割り当てられる。
7.ステップ1−5が繰り返し実行されるが、端末が良好な電波的位置に存在する場合であり、及び/又は、より低い無線必要条件をもつサービスであっても、干渉抑圧能力を有する端末はより高い階層14、18に割り当てられる。
8.ステップ7と同様であるが、より弱い干渉抑圧能力を有する端末に比較し、強い干渉抑圧能力を有する端末は、より高い階層14、18に割り当てられる。
9.上述のステップ1の代替として、端末は、直接、当該端末が利用しているサービスの所与のサービス・プロファイルを対処可能な最悪の階層に割り当てられる。しかしながら、ほとんどの場合、これは、不必要に保守的だろう。
上述したこれらの同じ原理は、OL/ULの有無にかかわらず、異なるサービス(回線交換及びパケット交換の双方)に容易に適用することが出来、また、(干渉抑圧能力に関する)異なる端末のタイプ及びサービス双方の混合に適用することができる。
<システム構成>
図5において、各々が複数の端末24にサービスしている複数のBTS(基地送受信局)23を制御しているBSC(基地局制御装置)22を備えるGSMシステムが示される。BTSの端末は、BSCを介して他の端末と通信可能である。理由を明確にするために、1つのBTSだけが図5に示されている。BSCは、従来のハードウェア及びソフトウェアから構成される。そして、本発明によれば、利用可能なハードウェアリソースユニットの数を複数の階層に分割するためのコントローラ25を備えている。コントローラは、BTSの低速CHAT構成のためのアルゴリズム25Aを備えている。さらに、BSCは、高速チャネル割当てのためのアルゴリズム26Aを含んでいるコントローラ26を備えている。端末には、無線リソース(例えば特定のTRX29により生成される周波数のTDMAフレーム28の1つ以上のタイムスロット27)が割り当てられる。割り当てられた無線リソースに関する情報は、破線30に示されるようにBTSに送信される。周波数ホッピングの場合、端末により利用される周波数は、あるTDMAフレームから次のTDMフレームで変化する。階層中の異なる端末にホッピングシーケンスを配布するために、移動割当てインデックスオフセット(MAIO)の管理方法を用いてもよい。これは、各々の階層中で任意の同一チャネル干渉を除去する。周波数ホッピングシーケンスを決定するMAIOのようなパラメータは、BSCからBTS(30)に送信される無線リソース割当て情報の一部である。
端末が発信又は着信をしようとする場合、高速チャネル割当てアルゴリズム26Aによって、送受信機1又は2の中の個々の送受信機29の1つ以上のタイムスロット27が割り当てられる。TDMAフレーム及びそのタイムスロットは図5の下部に拡大して示してある。
<発明の利点>
CHATを有するセル内の同一チャネル干渉の発生が最小化される。セル内の同一チャネル干渉が発生すると、対処可能なものに影響を与える。すなわち、より低い無線必要条件をもつサービス、及び、干渉抑圧能力を有する及び/又は良好な電波的位置の端末に影響を与える。このような方法で、セル内の同一チャネル干渉(例えばアップリンクに対する遠近効果(near-far effects))により生じ得る副作用を最小化出来、ユーザ及びシステム性能が強化される。
また、本発明は、例えば、一部の端末だけが干渉抑圧能力を有する場合の”移行シナリオ”に容易にCHATを配置することができる。干渉抑圧不能の端末における、セル内の同一チャネル干渉からの悪影響を最小化することができる。
本発明をGSMシステムに関して説明したが、当業者が本発明を(例えばOFDMそしてCDMAに基づく)他のセルラー移動電話システムに直接的に適用し得ることは理解されるべきである。OFDMシステムの無線リソースは、GSMと似た方法で複数の周波数及び複数のタイムスロットに分割されるため、また、送受信機のようなハードウェアリソースユニットも必要とされるため、GSMに関して上述した本発明の原則は、同様にOFDMシステムに直接適用することができる。さらにまた、WCDMAのようなDS(直接シーケンス)CDMAシステムは、無線リソースとして拡散符号、ハードウェアリソースとしてチャネル要素を備えており、それらもまた本発明を利用することが可能である。より高いチャネル階層には、GSMの周波数ホッピングシーケンスの代わりに新規のスクランブル符号が割り当てられる。
図2及び添付の文書に示される論理チャネル9は抽象的なものであり物理的な実体は存在しない。それらは、チャネルという用語の理解を容易にするために使用されている。チャネルは、ハードウェアリソース(例えば送受信機)によって、物理的実体を持つ。また、チャネルは、無線リソース(例えば周波数)によっても物理的実体を持ち得る。
従来技術に係るCHATシステムの概念図である。 本発明に係るCHATシステムを示す概念図である。 オーバーレイ/アンダーレイ・セルの構成を示す図2に類似した図である。 本発明に係る3階層を使用するCHATシステムを示す概念図である。 チャネル割当システムを使用しているGSMシステムの簡略ブロック図である。

Claims (15)

  1. チャネル割当階層化(CHAT)方式を使用してセルラ移動通信システムのセル内の端末にチャネルを割り当てる方法であって、
    利用可能なハードウェアリソースユニット(1、2)の数(N)は、無線リソース(3)の数(f)より多く、前記利用可能なハードウェアリソースユニットは、第1階層(13)と該第1階層より上の少なくとも1つの第2階層(14、18)とを含む2つ以上の階層(13、14、18)に分割され、前記第2階層のハードウェアリソースユニットの各々は、前記第1階層のハードウェアリソースユニットの何れか1つと無線リソースを共有しており、
    端末のいくつかは干渉抑圧能力を有し、
    前記方法は、
    端末の干渉抑制力の有無、利用しているサービスの無線必要条件、端末の電波的位置の少なくとも1つに基づいて決定された階層(13、14、18)のチャネルを個々の端末に割り当てることを特徴とする方法。
  2. ハードウェアリソースユニットの数が無線リソースの数(f)と同じになるように、前記第1階層のハードウェアリソースユニットのセットを無線リソースのセットにマッピングすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. fを無線リソースの数、N をハードウェアリソースユニットの総数、Tを階層の数としたとき、第T階層(18)以外の階層(14)の各々のハードウェアリソースユニットの数はfであり、第T階層のハードウェアリソースユニットの数はN−(T−1)fであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 無線リソース負荷が閾値(15、20)を超えた場合、良好な電波的位置の端末を前記第2階層(14、18)のチャネルに割り当てる第2割当ステップを含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  5. 第N+1階層の1以上のセルが第N階層の1つのセルに含まれるように、各々の階層に1以上のセルを割り当てる第3割当ステップを含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  6. 高い階層に割り当てられている端末を良好な電波的位置に保持するため、端末(24)移動性の結果、又は、他の理由により無線状況が変化した場合、端末への異なる階層の再割り当てを実行することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の方法。
  7. 無線リソース負荷が前記閾値の下から閾値の上に変化した場合、端末への異なる階層の再割り当てを実行することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の方法。
  8. 呼のセットアップと関連して、又は、ハンドオーバと関連して、前記再割り当てを実行することを特徴とする請求項に記載の方法。
  9. 請求項4乃至に記載のステップを繰り返、より低い無線必要条件のサービスを利用している端末(24)を、良好な電波的位置に存在する端末の替わり/あるいは一緒に、前記第2階層に割り当てることを特徴とする請求項3乃至に記載の方法。
  10. 良好な電波的位置は、在圏の基地局との電波的若しくは地理的距離、セル境界との電波的若しくは地理的距離、搬送波対干渉比(C/I)若しくはビット誤り率(BER)、ブロック誤り率(BLER)及びフレーム消去率(FER)あるいは他のリンク品質測定値、あるいはそれらの組み合わせにより定義されることを特徴とする請求項1又はに記載の方法。
  11. 請求項4乃至に記載のステップを繰り返、干渉抑圧能力を有する端末を、良好な電波的位置の端末及び/又はより低い無線必要条件のサービスの替わり/あるいは一緒に、より高い階層(14、18)に割り当てることを特徴とする請求項3乃至に記載の方法。
  12. 高い干渉抑圧能力を有する端末(24)を、該端末より低い干渉抑圧能力を有する端末より高い階層に割り当てることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  13. 他の全階層が高負荷であると見なし、端末を、所与のサービス品質要件に該端末が対応可能な範囲で負荷が最悪の階層に直接割り当てることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  14. セルラ移動通信システムのセル内の端末にチャネルを割り当てるシステムであって、端末(24)のいくつかは干渉抑圧能力を有し、
    ・該割り当てシステムは、チャネル割当階層化(CHAT)方式を使用しており、利用可能なハードウェアリソースユニット(1、2)の数(N)は無線リソース(3)の数(f)を上回り、
    ・該割り当てシステムは、
    ・利用可能なハードウェアリソースユニットの数を第1階層(13)及び該第1階層より高い第2階層(14、18)を含む少なくとも2つの階層(13、14、18)に分割するコントローラ(25)と、
    ・前記第2階層のハードウェアリソースユニットの各々が前記第1階層のハードウェアリソースユニットの何れか1つと無線リソースを共有するように階層の各々を複数の無線リソースにマッピングするアルゴリズム(25A)と、
    を備え、
    ・端末の干渉抑圧能力の有無、対応する端末が利用しているサービスの無線必要条件、端末の電波的位置の少なくとも1つに基づいて決定された階層のチャネルを端末に割り当てるアルゴリズム(26A)を備えることを特徴とするシステム。
  15. fを無線リソースの数、N をハードウェアリソースユニットの総数、Tを階層の数としたとき、第T階層以外の階層の各々のハードウェアリソースユニットの数はfであり、第T階層のハードウェアリソースユニットの数はN−(T−1)fであることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
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