JP4685236B2 - Thermosetting coating composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、貯蔵安定性に優れ、架橋密度、靱性、伸び性、耐酸性、耐溶剤性、耐擦傷性、低温硬化性等に代表される高度の塗膜性能が要求される、金属用、プラスチック用等のトップコート用塗料に有用な熱硬化性被覆組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属用、プラスチック用等のトップコート用塗料としては、耐候性および美粧性に優れた性能を有することから、アクリル−メラミン系樹脂が多く使用されている。しかし、アクリル−メラミン系樹脂はメラミン樹脂を硬化剤として使用するために耐酸性に劣り、これを塗料に適用した場合、酸性雨により塗膜に雨ジミが発生し、外観が低下する場合がある。
【0003】
この問題を解決するために、メラミンに代わる新規な硬化系が求められており、酸基とエポキシ基の架橋反応を利用した硬化系の検討が盛んに行われている。例えば、特開昭63−84674号公報には、接着性、光沢および鮮映性に優れた塗料用組成物として、低分子量ポリエポキシド、低分子量ヒドロキシル基含有多官能性物質、酸無水物からなる架橋剤および硬化触媒を含有する高固形分硬化性組成物が、特開平1−139653号公報には、耐酸性、耐溶剤性、耐水性および塗膜外観に優れた塗料用組成物として、酸基を有するアクリル系共重合体とエポキシ基を有するアクリル系共重合体からなる熱硬化性溶剤型塗料組成物が提案されている。
【0004】
また、特開平2−45577号公報、特開平3−287650号公報には、酸無水物基のハーフエステル化基を含有する共重合体、ヒドロキシ化合物およびエポキシ化合物を含有する熱硬化性組成物や、酸無水物基のハーフエステル化基を含有する共重合体とエポキシ基および水酸基を有する化合物とを含有する熱硬化性組成物が提案されている。
【0005】
しかし、特開昭63−84674号公報に開示されているような酸無水物からなる架橋剤を用いた場合には、組成成分間の反応性が高くなるために貯蔵安定性が不足する場合があり、組成成分全体を一液化することが困難な場合があり、作業性が悪い場合がある。
【0006】
また、特開平1−139653号公報に開示されているような熱硬化性溶剤型塗料組成物では、低温硬化性が不足する場合があり、自動車の焼き付けラインで採用されるような比較的低い温度で焼き付けた場合、冷熱環境下における耐クラック性や耐酸性、耐溶剤性等の塗膜性能が不十分となる場合がある。
【0007】
さらに、特開平2−45577号公報や特開平3−287650号公報に開示されている熱硬化性組成物は、貯蔵安定性と低温硬化性のバランスがかなり改善されているものの、酸無水物基を有する単量体単位が存在しないため未だ低温での硬化性および塗膜の耐溶剤性が不十分の場合がある。
【0008】
一方、酸基とエポキシ基の架橋反応を利用した上記熱硬化性塗料組成物の洗車傷に代表される耐擦傷性を更に向上させるため、特開平4−363374号公報には、酸無水物基のハーフエステル化基を含有するアクリル系共重合体と水酸基とエポキシ基を含有するアクリル系共重合体とからなる熱硬化性組成物に、更に、水酸基とカルボキシル基を含有するアクリル系共重合体とメラミン樹脂を添加した熱硬化性組成物が、特開平6−57077号公報には、酸無水物基のハーフエステル化基を含有するアクリル系共重合体と特定の水酸基とエポキシ基を含有するアクリル系共重合体とからなる熱硬化性組成物と水酸基および/またはカルボキシル基を含有するフッ素系共重合体からなる熱硬化性組成物が、特開平6−108001号公報には、酸無水物基のハーフエステル化基を含有するアクリル系共重合体と水酸基とエポキシ基を含有するフッ素系共重合体と反応触媒からなる熱硬化性組成物が、特開平6−128446号公報には、酸無水物基のハーフエステル化基を含有するアクリル系共重合体と特定の水酸基とエポキシ基を含有するアクリル系共重合体と特定の水酸基と特定のカルボキシル基を含有するアクリル系共重合体とからなる熱硬化性組成物が、特開平6−166741号公報には、酸無水物基のハーフエステル化基を含有するアクリル系共重合体と特定の水酸基とエポキシ基を含有するアクリル系共重合体と水酸基とカルボキシル基を含有するシリコーンポリマーとからなる熱硬化性組成物が、特開平7−224146号公報には、特定のカルボキシル基と酸無水物基のハーフエステル化基をともに含有するアクリル系共重合体と水酸基とエポキシ基を含有するアクリル系共重合体とからなる熱硬化性組成物が種々提案されてるが、いずれも低温硬化性、耐擦傷性、貯蔵安定性の点で未だ改良を必要とする場合がある。
【0009】
さらに特開平9−71706号公報には、ポリカルボン酸と特定の長鎖エポキシモノマーを用いた共重合体とからなる熱硬化性樹脂組成物が開示されているが、これは耐擦傷性の向上はみられるものの、実用を考えた長期の貯蔵安定性のバランスが未だ不充分の場合がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上の様な状況に鑑み、本発明の目的は、貯蔵安定性に優れ、架橋密度、靱性、伸び性、耐酸性、耐溶剤性、耐擦傷性、低温硬化性等に代表される高度の塗膜性能に優れた熱硬化性被覆用組成物を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために、熱硬化性被覆組成物について鋭意検討した結果、特に、エポキシ基含有ビニル単量体としてグリシジルエーテル基をビニル基から特定の位置に有するものを使用する事により、貯蔵安定性に優れ、架橋密度、靱性、伸び性、耐酸性、耐溶剤性、耐擦傷性、低温硬化性等に代表される高度の塗膜性能に優れた熱硬化性被覆用組成物を提供することでが可能であることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0012】
即ち、本発明によれば、熱硬化性被覆組成物の全配合量に基づいて、10〜90質量%のアクリル系共重合体(A)と、10〜90質量%のアクリル系共重合体(B)とを含有し、アクリル系共重合体(A)およびアクリル系共重合体(B)の合計量は50〜100質量%の範囲内である熱硬化性被覆組成物であって、アクリル系共重合体(A)は、共重合体(A)中の全単量体単位量に基づいて、下記一般式[1]で示されるエポキシ基含有ビニル系単量体(a−1)から誘導された単量体単位を5〜90質量%の範囲内で含有し、エポキシ当量が200〜900g/eqの範囲内であるアクリル系共重合体であり、
アクリル系共重合体(B)は、共重合体(B)中の全単量体単位量に基づいて、カルボキシル基および酸無水物基の少なくとも一方を含有するビニル系単量体単(b−1)から誘導された単量体単位を10〜70質量%の範囲内で含有し、酸当量が200〜900g/eqの範囲内であるアクリル系共重合体であることを特徴とする熱硬化性被覆組成物が提供される。
【0013】
【化2】
【0014】
(式中、R1は水素またはメチル基、R2は水素、メチル基またはエチル基を表す。)
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0016】
本発明の熱硬化性被覆組成物に用いるアクリル系共重合体(A)は、共重合体(A)中の全単量体単位量に基づいて一般式[1]で示されるエポキシ基含有ビニル系単量体(a−1)から誘導された単量体単位を5〜90質量%の範囲で含有し、エポキシ当量(1グラム当量のエポキシ基を含有する樹脂のグラム数)が200〜900g/eqの範囲のアクリル系共重合体である。
【0017】
一般式[1]で示されるエポキシ基含有ビニル系単量体(a−1)から誘導された単量体単位を含有することにより、貯蔵安定性に優れ、架橋密度、靱性、伸び性、耐酸性、耐溶剤性、耐擦傷性、低温硬化性等に代表される高度の塗膜性能に優れた熱硬化性被覆用組成物を得ることが可能となる。これらの特性は、例えば、下記式[2]で示されるグリシジルメタクリレートあるいは下記式[3]で示されるアクリル酸−4−ヒドロキシブチルグリシジルエーテル等では達成が困難なものである。
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】
この理由は明らかではないが、一般にグリシジルエーテル基はグリシジルエステル基と比べてカルボキシル基との反応性がマイルドであるため、上記一般式[1]で示されるエポキシ基含有ビニル系単量体(a−1)は上記式[2]で示されるグリシジルメタクリレートと比べて熱硬化性被覆用組成物としての貯蔵安定性が良好となり、また一方で、一般に共重合体の反応官能基が共重合体の主鎖から離れているほど架橋後の塗膜の耐擦傷性が増すため、上記一般式[1]で示されるエポキシ基含有ビニル系単量体(a−1)は上記式[2]で示されるグリシジルメタクリレートと比べて架橋塗膜の耐擦傷性が良好となり、さらに、一般に共重合体のエポキシ基が共重合体の主鎖に近いほどカルボキシル基との反応性がマイルドであるため、上記一般式[1]で示されるエポキシ基含有ビニル系単量体(a−1)は上記式[3]で示されるアクリル酸−4−ヒドロキシブチルグリシジルエーテルと比べて熱硬化性被覆用組成物としての貯蔵安定性が良好となるためと推察される。
【0021】
本発明に用いられる上記一般式[1]で示されるエポキシ基含有ビニル系単量体(a−1)は、具体例として2−グリシジルオキシエチル(メタ)アクリレート(この表現は2−グリシジルオキシエチルアクリレートおよび2−グリシジルオキシエチルメタクリレートの両者を含む。以下同様)、2−グリシジルオキシプロピル(メタ)アクリレートおよび2−グリシジルオキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのエポキシ基含有ビニル系単量体は、1種または2種以上を組み合わせて使用することも出来る。
【0022】
上記一般式[1]で示されるエポキシ基含有ビニル系単量体(a−1)のアクリル系共重合体(A)中の配合量は、アクリル系共重合体(A)中の全単量体単位量に基づいて、上記一般式[1]で示されるエポキシ基含有ビニル系単量体(a−1)が5質量%以上、更には10質量%以上、90質量%以下、更には70質量%以下の範囲であることが好ましい。これは、上記一般式[1]で示されるエポキシ基を有する単量体単位(a−1)が5質量%以上であれば充分な低温硬化性が得られ塗膜の耐擦傷性、硬度および耐溶剤性が良好であり、90質量%以下であれば熱硬化性被覆組成物の貯蔵安定性が良好であるためである。
【0023】
また、本発明の熱硬化性被覆組成物に用いるアクリル系共重合体(A)は、上記一般式[1]で示されるエポキシ基含有ビニル系単量体(a−1)と併用してその他のエポキシ基含有ビニル系単量体(a−2)を使用することができる。
【0024】
その他のエポキシ基含有ビニル単量体(a−2)の具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジルアリルエーテル、オキソシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3−グリシジルオキシプロピル(メタ)アクリレート、3−グリシジルオキシブチル(メタ)アクリレート、4−グリシジルオキシブチル(メタ)アクリレート、6−グリシジルオキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−グリシジルオキシオクチル(メタ)アクリレート、9−グリシジルオキシノニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは必要に応じて単独であるいは2種以上を併用して使用することができる。
【0025】
その他のエポキシ基含有ビニル単量体(a−2)のアクリル系共重合体(A)中の配合量は、アクリル系共重合体(A)中の全単量体単位量に基づいて、その他のエポキシ基含有ビニル単量体(a−2)が5質量%以上、更には10質量%以上、60質量%以下、更には50質量%以下の範囲であることが好ましい。これは、その他のエポキシ基含有ビニル単量体(a−2)が5質量%以上であれば充分な硬化性が得られ塗膜の硬度および耐溶剤性が良好であり、60質量%以下であれば熱硬化性被覆組成物の貯蔵安定性が良好であるためである。
【0026】
さらに、本発明の熱硬化性被覆組成物に用いるアクリル系共重合体(A)は、上記一般式[1]で示されるエポキシ基含有ビニル系単量体(a−1)と上記一般式[1]で示されるエポキシ基含有ビニル系単量体(a−1)以外のエポキシ基含有ビニル系単量体(a−2)の合計量がアクリル系共重合体(A)中の全単量体単位量に基づいて、20質量%以上、更には25質量%以上、90質量%以下、更には70質量%以下の範囲であることが好ましい。これは、ビニル系単量体(a−1)とビニル系単量体(a−2)の合計量が20質量%以上であれば充分な硬化性が得られ塗膜の硬度および耐溶剤性が良好であり、90質量%以下であれば熱硬化性被覆組成物の貯蔵安定性が良好であるためである。
【0027】
また、本発明の熱硬化性被覆組成物に用いるアクリル系共重合体(A)は、共重合体(A)中の全単量体単位量に基づいて、水酸基を有するビニル系単量体単(a−3)を5質量%以上、更には10質量%以上、50質量%以下、更には40質量%以下の範囲で含有することが好ましい。水酸基を有するビニル系単量体単位(a−3)が5質量%以上であれば硬化性や塗膜のノンサンドリコート性が良好であり、50質量%以下であれば塗膜の耐水性が良好であるからである。
【0028】
アクリル系共重合体(A)に使用される水酸基を有するビニル系単量体単位(a−3)の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートへのε−カプロラクトンまたはγ−ブチロラクトンの開環付加物(例えば、ダイセル化学(株)製プラクセルF単量体およびUCC社製トーンM単量体)、メタクリル酸へのエチレンオキシドの開環付加物、メタクリル酸へのプロピレンオキシドの開環付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたは2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの2量体や3量体等の末端に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、p−ヒドロキシスチレン等の他の水酸基含有ビニル系単量体類等が挙げられ、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。これらは、必要に応じて、単独であるいは2種以上を併用して使用することができる。
【0029】
さらに、本発明の熱硬化性被覆組成物に用いるアクリル系共重合体(A)は、上記(a−1)、(a−2)および(a−3)の単量体単位に加え、その他のビニル系単量体単位(a−4)を含有することができる。この配合量は、上記(a−1)、(a−2)および(a−3)それぞれの単量体単位の必要量を決定することにより算出される。
【0030】
このようなその他のビニル系単量体単位(a−4)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、2−ヘキシルデカニル(メタ)アクリレート等の直鎖状および分岐状の脂肪族炭化水素置換基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環式炭化水素置換基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−フェニルスチレン等のスチレン誘導体類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル類、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等のN−アルコキシ置換アミド類、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のビニル塩基性単量体類、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル等の不飽和脂肪族二塩基酸ジアルキルエステル類等が挙げられ、これらは必要に応じて単独であるいは2種以上を併用して使用することができる。
【0031】
これらのうちで、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、スチレンが好ましく、特に、塗膜の平滑性の点でi−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレートが、また塗膜硬度の点でスチレン、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレートが好ましい。これらは必要に応じて単独であるいは2種以上を併用して使用することができる。
【0032】
本発明で使用されるアクリル系共重合体(A)は、そのエポキシ当量が200g/eq以上、更には250g/eq以上、900g/eq以下、更には700g/eq以下の範囲のものである。これは、アクリル系共重合体(A)のエポキシ当量が200g/eq以上であれば被覆組成物の貯蔵安定性が良好であり、900g/eq以下であれば充分な硬化性が得られ塗膜の硬度および耐溶剤性が良好であるためである。
【0033】
また、本発明におけるアクリル系共重合体(A)は、その水酸基当量(1グラム当量の水酸基を含有する樹脂のグラム数)が250g/eq以上、更には350g/eq以上、2500g/eq以下、更には1500g/eq以下の範囲であることが好ましい。これは、アクリル系共重合体(A)の水酸基当量が250g/eq以上であれば耐水性が良好であり、2500g/eq以下であれば硬化性やノンサンドリコート性が良好であるためである。
【0034】
さらに、本発明におけるアクリル系共重合体(A)は、重量平均分子量が1,500以上、更には2,000以上、20,000以下、更には15,000以下の範囲であることが好ましい。これは、アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量が1,500以上であれば塗膜の耐水性および耐候性が良好であり、20,000以下であれば樹脂の粘度が比較的低粘度でありさらに塗膜の美粧性や被覆組成物の貯蔵安定性が良好であるためである。
【0035】
尚、本明細書における重量平均分子量は、アクリル系共重合体樹脂組成物のテトラヒドロフラン溶液(0.4質量%)を調整後、TOSO社製カラム(GE4000HXL及びG2000HXL)が装着されたTOSO社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置に上記の溶液100μlを注入し、流量:1ml/分、溶離液:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー法を用いて測定され、標準ポリスチレンで換算された値である。
【0036】
本発明の熱硬化性被覆組成物に用いるアクリル系共重合体(B)は、共重合体(B)中の全単量体単位量に基づいてカルボキシル基および/または酸無水物基を含有するビニル系単量体単位(b−1)から誘導された単量体単位を10〜70質量%の範囲で含有し、酸当量(1グラム当量のカルボキシル基を含有する樹脂のグラム数)が200〜900g/eqの範囲のアクリル系共重合体である。カルボキシル基および/または酸無水物基を含有するビニル系単量体単位(b−1)を含有することによりアクリル系共重合体(A)中の主にエポキシ基と、一部は水酸基と架橋反応し、貯蔵安定性に優れ、架橋密度、靱性、伸び性、耐酸性、耐溶剤性、耐擦傷性、低温硬化性等に代表される高度の塗膜性能に優れた熱硬化性被覆用組成物を与える。
【0037】
本発明のアクリル系共重合体(B)に用いられるカルボキシル基および/または酸無水物基を含有するビニル系単量体単位(b−1)の具体例としては、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有α,β−不飽和ビニル系単量体類、β−(メタ)アクリロキシエチルアシッドサクシネート、β−(メタ)アクリロキシエチルアシッドマレエート、β−(メタ)アクリロキシエチルアシッドフタレート、β−(メタ)アクリロキシエチルヘキサヒドロフタレート、γ−(メタ)アクリロキシプロピル−アシッドサクシネート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートへのε−カプロラクトンまたはγ−ブチロラクトンの開環付加物(例えば、ダイセル化学(株)製プラクセルF単量体およびUCC社製トーンM単量体)の末端水酸基を無水コハク酸や無水フタル酸または無水ヘキサヒドロフタル酸でエステル化して末端にカルボキシル基を導入したコハク酸モノエステルやフタル酸モノエステルまたは無水ヘキサヒドロフタル酸モノエステル等のカプロラクトン変性水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルと酸無水物化合物との半エステル化反応生成物等の長鎖カルボキシル基含有ビニル系単量体類、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、2,3−ジメチル無水マレイン酸等のα,β−ジカルボン酸無水物基を有するビニル系単量体、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノオクチル、イタコン酸モノオクチル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノ−2−エチルヘキシル、シトラコン酸モノエチル等のジカルボン酸モノエステル基を有するビニル系単量体、等があげられ、これらは必要に応じて単独であるいは2種以上を併用して使用することができる。
【0038】
中でも、少なくとも、特にα,β−ジカルボン酸無水物基を有する単量体単位とα,β−ジカルボン酸無水物基のモノエステル化基を有する単量体単位を共存させることが好ましい。
【0039】
この場合、例えば、α,β−ジカルボン酸無水物基を有する単量体を使用して、これらα,β−ジカルボン酸無水物基を有する単量体と後述する他のビニル系単量体を含む重合性ビニル系単量体混合物を重合した後に、その酸無水物基を部分的にアルカノールで開環し、酸無水物基とそのモノエステル化基が共存するようにさせることにより達成できるし、あるいは、α,β−ジカルボン酸無水物基を有する単量体とα,β−ジカルボン酸無水物基のモノエステル化基を有する単量体と後述する他のビニル系単量体を含む重合性ビニル系単量体混合物を重合することによっても達成できる。
【0040】
アクリル系共重合体(B)をα,β−ジカルボン酸無水物基を有する単量体と後述する他のビニル系単量体を含む重合性単量体混合物を重合後、その酸無水物基を部分的にアルカノールで開環しモノエステル化させて得る場合に用いられるアルカノールとしては、メタノール、エタノール、i−プロパノール、t−ブタノール、i−ブタノール、n−ブタノール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、アセトール、プロパギルアルコール、アリルアルコール等が挙げられ、メタノール、エタノールが好ましい。これらは必要に応じて単独であるいは2種以上を併用して使用することができる。
【0041】
モノエステル化は、通常の方法により必要に応じてテトラブチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩類やトリエチルアミン等の第3級アミン類等の反応触媒を併用して行うことができ、例えばアルカノールの量を適量にすることにより所望の酸無水物基を残存させることができる。
【0042】
アクリル系共重合体(B)に用いられるカルボキシル基および/または酸無水物基を含有するビニル系単量体単位(b−1)のアクリル系共重合体(B)中の配合量は、アクリル系共重合体(B)中の全単量体単位量に基づいて、カルボキシル基および/または酸無水物基を含有するビニル系単量体単位(b−1)が10質量%以上、更には15質量%以上、70質量%以下、更には60質量%以下の範囲であることが好ましい。これは、カルボキシル基および/または酸無水物基を含有するビニル系単量体単位(b−1)が10質量%以上であれば充分な低温硬化性が得られ塗膜の耐擦傷性、硬度および耐溶剤性が良好であり、70質量%以下であれば熱硬化性被覆組成物の貯蔵安定性が良好であるためである。
【0043】
さらに、本発明の熱硬化性被覆組成物に用いるアクリル系共重合体(B)は、上記カルボキシル基および/または酸無水物基を含有するビニル系単量体単位(b−1)の単量体単位に加えその他のビニル系単量体単位(b−2)を含有することができる。この配合量は、上記(b−1)単量体単位の必要量を決定することにより算出される。
【0044】
このようなその他のビニル系単量体単位(b−2)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、2−ヘキシルデカニル(メタ)アクリレート等の直鎖状および分岐状の脂肪族炭化水素置換基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環式炭化水素置換基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−フェニルスチレン等のスチレン誘導体類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル類、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等のN−アルコキシ置換アミド類、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のビニル塩基性単量体類、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル等の不飽和脂肪族二塩基酸ジアルキルエステル類等が挙げられる。
【0045】
また、ビニル系単量体単位(b−1)として酸無水物基を有する単量体を用いない場合は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートへのε−カプロラクトンまたはγ−ブチロラクトンの開環付加物(例えば、ダイセル化学(株)製プラクセルF単量体およびUCC社製トーンM単量体)、メタクリル酸へのエチレンオキシドの開環付加物、メタクリル酸へのプロピレンオキシドの開環付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたは2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの2量体や3量体等の末端に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、p−ヒドロキシスチレン等の他の水酸基含有ビニル系単量体類等も用いることができる。これらは必要に応じて単独であるいは2種以上を併用して使用することができる。
【0046】
これらのうちで、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、スチレンが好ましく、特に、塗膜の平滑性の点でi−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレートが、また塗膜硬度の点でスチレン、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレートが好ましい。これらは必要に応じて単独であるいは2種以上を併用して使用することができる。
【0047】
本発明におけるアクリル系共重合体(B)は、酸当量が200g/eq以上、更には250g/eq以上、900g/eq以下、更には700g/eq以下の範囲であることが好ましい。アクリル系共重合体(B)の酸当量が200g/eq以上であれば共重合体が比較的低粘度で塗装作業性が良好でありさらに塗膜の耐水性および耐候性が良好であり、900g/eq以下であれば充分な硬化性が得られるので塗膜の硬度および耐溶剤性が良好で好ましいためである。
【0048】
また、本発明におけるアクリル系共重合体(B)は、重量平均分子量が1,500以上、更には2,000以上、20,000以下、更には15,000以下の範囲であることが好ましい。アクリル系共重合体(B)の重量平均分子量が1,500以上であれば塗膜の耐水性および耐候性が良好であり、20,000以下であれば樹脂の粘度が比較的低粘度でありさらに塗膜の美粧性や被覆組成物の貯蔵安定性が良好であるためである。
【0049】
本発明の組成物に用いられるアクリル系共重合体(A)および(B)は、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法等の既知の重合法により製造することができるが、とりわけ溶液重合法により製造するのが好ましい。溶液重合法により上記アクリル系共重合体を製造する場合には、有機溶剤と重合開始剤および必要に応じて重合連鎖移動剤の存在下に重合性ビニル系単量体混合物を共重合させる。
【0050】
有機溶剤としては、トルエン、キシレンのような芳香族系炭化水素類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなエステル類等、一般的なものを選択して用いることができ、さらにアクリル系共重合体(B)においてα,β−ジカルボン酸無水物基を有する単量体を用いる場合を除けばイソプロパノール、n−ブタノールのようなアルコール類等もあわせて用いることができる。
【0051】
重合開始剤としては、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、ラウリルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルパーオキ−2−エチルヘキサノエート等の通常用いられる重合開始剤から選択することができる。また、必要に応じて2−メルカプトエタノール、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を使用することができる。
【0052】
また、溶液重合法でアクリル系共重合体を製造する場合、一般には、分子量をコントロールするため、70〜200℃の範囲で重合を行なうことが好ましく、好ましくは80〜180℃の範囲、さらにより好ましくは90〜170℃の範囲である。
【0053】
本発明の熱硬化性被覆組成物は、熱硬化性被覆組成物の全配合量に基づいて、アクリル系共重合体(A)を10質量%以上、更には20質量%以上、90質量%以下、更には80質量%以下の範囲で、アクリル系共重合体(B)を10質量%以上、更には20質量%以上、90質量%以下、更には80質量%以下の範囲で含有し、さらにアクリル系共重合体(A)およびアクリル系共重合体(B)の合計量を50質量%以上、更には60質量%以上、100質量%以下の範囲で含有するものである。これは、アクリル系共重合体(A)またはアクリル系共重合体(B)が10質量%以上であれば低温硬化性や塗膜の耐水性あるいは耐溶剤性が良好であるためであり、アクリル系共重合体(A)およびアクリル系共重合体(B)の合計量が50質量%以上であれば塗膜の耐酸性が良好であり架橋密度高く塗膜の耐候性、耐水性等が良好でありさらに美粧性が良好であるためである。
【0054】
本発明の熱硬化性被覆組成物には、更なる架橋密度や塗膜外観の向上のために、必要に応じてエポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基および水酸基のうちの何れか1種以上との反応性を有する官能基を含有する化合物、樹脂、またはそれらの混合物である補助硬化剤(C)を添加してもよい。
【0055】
その場合の配合量は、熱硬化性被覆組成物の全配合量に基づいて、アクリル系共重合体(A)を10質量%以上、更には15質量%以上、85質量%以下、更には80質量%以下;アクリル系共重合体(B)を10質量%以上、更には15質量%以上、85質量%以下、更には80質量%以下;アクリル系共重合体(A)およびアクリル系共重合体(B)の合計量を50質量%以上、更には55質量%以上、95質量%以下;さらに補助硬化剤(C)を5質量%以上、50質量%以下、更には45質量%以下の範囲で配合することが好ましい。これは、アクリル系共重合体(A)またはアクリル系共重合体(B)が10質量%以上であれば低温硬化性や塗膜の耐水性あるいは耐溶剤性が良好であるためであり、アクリル系共重合体(A)およびアクリル系共重合体(B)の合計量が50質量%以上であれば塗膜の耐酸性が良好であり架橋密度高く塗膜の耐候性、耐水性等が良好でありさらに美粧性が良好であるためであり、補助硬化剤(C)の添加量が5質量%以上であれば架橋密度や塗膜外観の向上効果が得られ、50質量%以下であれば塗料の貯蔵安定性や塗膜の耐酸性や無黄変性が良好であるためである。
【0056】
補助硬化剤(C)の具体例としては、メラミン系樹脂やブロックイソシアネート系樹脂のほか、グリシジルエーテル化合物、グリシジルエステル化合物、脂環式エポキシ化合物のようなエポキシ化合物類、アジピン酸、フタル酸等の多塩基酸化合物類、あるいは分子中にカルボキシル基を有する酸価50〜200mgKOH/gのポリエステル樹脂等を挙げることができる。これらの補助硬化剤(C)は、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0057】
また、本発明の熱硬化性被覆組成物のアクリル系重合体(A)中に存在するエポキシ基とアクリル系重合体(B)中に存在するカルボキシル基のモル比、即ち、エポキシ基/カルボキシル基は、1/5以上が好ましく、1/4以上がより好ましく、1/3以上が更に好ましい。また、5/1以下が好ましく、4/1以下がより好ましく、3/1以下が更に好ましい。エポキシ基/カルボキシル基比が、この範囲内であれば、たとえ前述の補助硬化剤を併用しなくても、架橋密度が高く未反応の官能基が少ないため、耐水性および耐候性等に優れる塗膜を得ることができる。
【0058】
このような比率は、例えば、本発明の熱硬化性被覆組成中のアクリル系共重合体(A)とアクリル系共重合体(B)の質量比、即ち、(A)/(B)を、好ましくは1/5以上、より好ましくは1/4以上、更に好ましくは1/3以上、また、好ましくは5/1以下、より好ましくは4/1以下、更に好ましくは3/1以下の範囲とすることにより達成される。
【0059】
また、本発明の熱硬化性被覆組成物には、硬化促進のために触媒を含有させることができる。硬化触媒としては、酸基とエステル基のエステル化反応に用いられる公知のものでよく、例えば、4級アンモニウム塩や4級ホスホニウム塩等が好ましい。具体的には、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロマイド等を挙げることができる。
【0060】
また、安定性を向上させるため、必要に応じて、スルホン酸系やリン酸系に代表される酸性化合物あるいはそれらのブロック化物を添加することができる。具体的には、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸およびこれらのアミンブロック化物、モノアルキルリン酸、ジアルキルリン酸、モノアルキル亜リン酸等が挙げられる。
【0061】
さらに、本発明の熱硬化性被覆組成物には、有機ベントン、ポリアミド、マイクロゲル、繊維素系樹脂等のようなレオロジー調節剤やシリコーンに代表される表面調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、垂れ止め剤等の添加剤を必要に応じて公知の手段を用いて適宜配合することができる。
【0062】
本発明の熱硬化性被覆組成物を自動車塗装用のクリヤー用塗料として使用する場合、クリヤーコート層と接するベースコート層としては、本発明の熱硬化性被覆組成物を用いることもできるが、アクリル−メラミン系等の公知の硬化性樹脂を必要に応じて適宜使用することもできる。これら熱硬化性樹脂と、揮発性の有機溶剤からなる希釈剤、アミノ樹脂やポリイソシアネート化合物等からなる硬化剤、アルミニウムペースト、マイカ、リン片状酸化鉄等の光輝剤、酸化チタン、カーボンブラック、キナクリドン等の無機顔料および有機顔料、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂等の添加樹脂、さらに表面調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤を、必要に応じて公知の手段を用いて適宜配合することによって、ベース塗料を調製することができる。
【0063】
以上に説明してきたアクリル系共重合体を含有する熱硬化被覆組成物は、塗料性能に優れ、さらにこれを用いることによって塗膜性能にも優れた塗膜の提供が可能であり、産業上極めて有益なものである。
【0064】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、部および%は質量基準であり、特に明記しない限り試薬等は市販の高純度品を使用した。
【0065】
<評価方法>
共重合体の物性は、下記により評価した。
【0066】
溶液不揮発分:1gの共重合体溶液をアルミ皿上にサンプリングし、150℃で1時間乾燥させたときの不揮発分の比率(質量%)。
【0067】
エポキシ当量:1グラム当量のエポキシ基を含有する共重合体のグラム数(g/eq;理論値)。
【0068】
水酸基当量:1グラム当量の水酸基を含む共重合体のグラム数(g/eq;理論値)。
【0069】
酸当量:1グラム当量のカルボキシル基を含有する共重合体のグラム数(g/eq;理論値)。
【0070】
重量平均分子量:アクリル系共重合体樹脂組成物のテトラヒドロフラン溶液(0.4質量%)を調整後、TOSO社製カラム(GE4000HXL及びG2000HXL)が装着されたTOSO社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置に上記の溶液100μlを注入し、流量:1ml/分、溶離液:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー法を用いて測定され、標準ポリスチレンで換算された値。
【0071】
また、塗料の性能は、下記により評価した。
【0072】
貯蔵安定性:60℃で24時間放置後の塗料の粘度をフォードカップ#4で測定し、試験前後の増加秒数から以下の基準で判定した;
◎:10秒未満、非常に良好、
○:10秒以上〜20秒未満、良好、実用上問題なし、
△:20秒以上〜30秒未満、不良、実用上問題あり、
×:30秒以上、使用不可。
【0073】
さらに、塗膜性能の評価は、下記のようにして行った。
【0074】
架橋密度:脱脂処理したポリプロピレン板(150mm×150mm)にクリヤーコート塗料を乾燥膜厚が30μmとなるように塗布し、未乾燥の重ね塗り塗膜を常温で15分間放置後、140℃の熱風乾燥機で30分間焼き付けて塗膜を形成した。この試験板からクリヤーコートの遊離塗膜(4mm×30mm)を切り出し、(株)東洋ボールドウィン製RHEOVIBRON(DDV−II−EP)にて粘弾性測定(測定周波数=3.5Hz、昇温速度=3℃/分)を行い、下記計算式から架橋間分子量(Mc)を求めた。Mcは、その値が小さいほど架橋密度が高いことを意味する;
Mc=3ρRT/E’
ただし、ρ:塗膜の密度(ρ=1とした)、R:気体定数、E’:高温ゴム状域での動的弾性率の最小値、T:高温ゴム状域で動的弾性率が最小値E’となるときの温度。
【0075】
ゲル分率:架橋密度測定の場合と同様にして作製した試験板からクリヤーコートの遊離塗膜(50mm×50mm)を切り出し、アセトン/メタノール=50/50(質量%)の混合溶剤中で還溜温度で3時間浸漬した後の不溶解分の比率(質量%)。
【0076】
靱性:架橋密度測定の場合と同様にして作製した試験板からクリヤーコートの遊離塗膜(10mm×70mm)を切り出し、(株)オリエンテック製RTA−250にて引っ張り試験測定(引っ張り速度=10mm/分)を行い、破断時の伸度(%)を求めた。伸度が大きいほど靱性が高いことを示す。
【0077】
硬度:脱脂処理したブリキ板(300mm×450mm)にクリヤーコート塗料を乾燥膜厚が30μmとなるように塗布し、未乾燥の重ね塗り塗膜を常温で15分間放置後、140℃の熱風乾燥機で30分間焼き付けて塗膜を形成した。この試験板により、三菱鉛筆ユニを用いて45度の角度で塗膜を引っかいて傷のつかない最も硬い硬度を判定した。
【0078】
耐酸性:硬度測定の場合と同様にして作製した試験板により、40%の硫酸水溶液をスポットし、70℃で15分放置後水洗し、スポット跡を目視判定した。
【0079】
耐溶剤性:硬度測定の場合と同様にして作製した試験板により、ガーゼにメチルエチルケトンを浸し、50往復ラビングテストを行った後の外観を目視判定した。
【0080】
耐擦傷性:硬度測定の場合と同様にして作製した試験板により、大栄科学精器(株)製の摩擦堅牢度試験機を用い、マケン石鹸(株)製マケンクレンザーの50%水溶液を塗りつけたガーゼを塗面と接触する箇所に当て、荷重1kgで50往復摩擦試験を行い、傷跡を目視判定した。
【0081】
低温硬化性:脱脂処理したブリキ板(300mm×450mm)にクリヤーコート塗料を乾燥膜厚が30μmとなるように塗布し、未乾燥の重ね塗り塗膜を常温で15分間放置後、120℃の熱風乾燥機で30分間焼き付けて塗膜を形成した。この試験板により、キシレンを用いて、上記の耐溶剤性試験を行い、試験後の塗膜の外観を目視判定した。
【0082】
なお、上記各項目の目視判定は次の基準により行った;
◎ :性能試験後の塗膜品質が試験前と変化せず、極めて優れた塗膜性能を維持していると判定、
○−◎ :性能試験後の塗膜品質が試験前とほとんど変化せず、優れた塗膜性能を維持していると判定、
○ :性能試験後の塗膜品質は試験前より若干低下しているが、実用性能は十分有していると判定、
△−○ :性能試験後の塗膜品質は試験前より低下しているが、実用性能は有していると判定、
×−△ :性能試験後の塗膜品質が試験前より低下し、実用上問題があると判定、
× :性能試験後の塗膜品質が試験前より著しく低下し、実用上使用不可能と判定。
【0083】
<アクリル系共重合体(A−1)の合成>
撹拌機、温度制御装置およびコンデンサーを備えた反応容器に溶剤としてソルベッソ#150(エッソ社製、芳香族炭化水素)を95部とn−ブタノール5部を加え、窒素ガスの吹き込みと撹拌を続けながら130℃に加熱した後、2−グリシジルオキシエチルメタクリレート30部、グリシジルメタクリレート10部、4−ヒドロキシブチルアクリレート20部、i−ブチルメタクリレート10部、2−エチルヘキシルメタクリレート10部、シクロヘキシルメタクリレート10部、スチレン10部、および2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル6部からなる単量体と重合開始剤の混合物を容器中に4時間かけて連続的に滴下し、次にフラスコの内温を130℃で1時間保持した後、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル1部を1時間かけて連続的に添加し、更に130℃で1時間保持して樹脂への転化率を充分に高め、樹脂固形分50%のアクリル系共重合体(A−1)を得た。得られた(A−1)の特性値は表1に示す通りである。
【0084】
<アクリル系共重合体(A−2)〜(A−14)の合成>
アクリル系共重合体(A−1)の合成方法に準じて、表1に示すビニル系単量体をそれぞれ重合し、アクリル系共重合体(A−2)〜(A−14)を合成した。得られた共重合体の特性値を表1に示す。
【0085】
【表1】
【0086】
<アクリル系共重合体(B−1)の合成>
撹拌機、温度制御装置およびコンデンサーを備えた反応容器に溶剤としてソルベッソ#150を50部およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10部を加え、窒素ガスの吹き込みと撹拌を続けながら130℃に加熱した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40部、無水マレイン酸20部、メタクリル酸4部、i−ブチルメタクリレート20部、2−エチルヘキシルメタクリレート10部、シクロヘキシルメタクリレート20部、スチレン20部およびt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート5部からなる溶剤、単量体と重合開始剤の混合物を容器中に4時間かけて連続的に滴下し、次にフラスコの内温を130℃で1時間保持した後、 t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1部を1時間かけて連続的に滴下し、更に130℃で1時間保持して樹脂への転化率を充分に高めた。その後、容器の内温を70℃に下げ、さらにメタノール6.2部およびトリエチルアミン0.5部を加え、内温を70℃に7時間保持し、酸無水物基の部分的なモノエステル化を行った。
【0087】
酸無水物基の減少をIR(赤外分光法;1780cm-1)で確認し、樹脂固形分50%のアクリル系共重合体(B−1)を得た。結果的に得られた(B−1)は、アクリル系共重合体(B−1)中の単量体単位の合計を100部とした場合、無水マレイン酸単量体単位1.5部、マレイン酸モノメチル単量体単位24.5部と、メタクリル酸単量体単位4部をそれぞれ有しており、酸当量377g/eq、重量平均分子量5,000であった。
【0088】
<実施例1>クリヤー塗料(D−1)の調製と塗料性能、塗膜性能評価
アクリル系共重合体(A−1)100部、アクリル系共重合体(B−1)100部、モダフロー(モンサント社製、アクリル系表面調整剤)0.2部、ベンジルトリ−n−ブチルアンモニウムブロマイド1部、チヌビン900(チバガイギー社製、紫外線吸収剤)2部、サノールLS−765(三共社製、光安定化剤)2部およびn−ブタノール10部を配合し、撹拌混合後、さらにソルベッソ#150/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=80/20(質量%)からなる混合溶剤で希釈し、組成物の20℃での粘度がフォードカップ#4で28秒となるように調製し、クリヤー塗料(D−1)を得た。
【0089】
前出の方法による塗料性能の評価結果を表2に示す。また、得られたクリヤー塗料(D−1)を用いて、先に記載した方法で各塗膜性能評価用の試験パネルを作成しその評価を行った。評価結果を表2にあわせて示す。
【0090】
<実施例2〜11、比較例1〜5>クリヤー塗料(D−2)〜(D−16)の調製と塗料性能、塗膜性能評価
アクリル系共重合体(A−1)とアクリル系共重合体(B−1)のかわりに表2に示すようにアクリル系共重合体(A)、アクリル系共重合体(B)および補助硬化剤(C)を用いて配合する他はクリヤー塗料(D−1)と同様の方法で、クリヤー塗料(D−2)〜(D−16)を得た。
【0091】
実施例1と同様に行った塗料性能の評価結果を表2及び3に示す。また、得られたクリヤー塗料(D−2)〜(D−16)を用いて、実施例1と同様にして各塗膜性能評価用の試験パネルの作成とその評価を行った。評価結果を表2及び3にあわせて示す。
【0092】
【表2】
【0093】
クリヤー塗料(D−1)〜(D−11)は、優れた貯蔵安定性を有し、さらに、架橋密度、ゲル分率、靱性(伸度)が高く、硬度、耐酸性、耐溶剤性、耐擦傷性、低温硬化性も良好で、優れた塗料性能と塗膜性能とを兼ね備えていた。
【0094】
【表3】
【0095】
これに対して、クリヤー塗料(D−12)〜(D−16)は、貯蔵安定性、架橋密度、ゲル分率、靱性(伸度)、耐擦傷性等の性能を同時に満足するものは得られなかった。
【0096】
【発明の効果】
本発明によれば、特定のエポキシ基を含有するビニル系単量体から誘導された単量体単位を含有するアクリル系共重合体を使用することで、貯蔵安定性に優れ、架橋密度、靱性、伸び性、耐酸性、耐溶剤性、耐擦傷性、低温硬化性等に代表される高度の塗膜性能に優れた熱硬化性被覆用組成物を得ることが可能となる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is excellent in storage stability and requires high coating film performance typified by crosslink density, toughness, elongation, acid resistance, solvent resistance, scratch resistance, low temperature curability, etc. The present invention relates to a thermosetting coating composition useful for a top coat paint such as plastic.
[0002]
[Prior art]
As topcoat paints for metals, plastics, etc., acrylic-melamine resins are often used because of their excellent weather resistance and cosmetic properties. However, acrylic-melamine resins are inferior in acid resistance due to the use of melamine resin as a curing agent, and when this is applied to a paint, the appearance of rain may be reduced due to acid rain in the coating film. .
[0003]
In order to solve this problem, a novel curing system replacing melamine has been demanded, and studies on a curing system using a crosslinking reaction between an acid group and an epoxy group have been actively conducted. For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 63-84673 discloses a coating composition having excellent adhesion, gloss, and sharpness as a low molecular weight polyepoxide, a low molecular weight hydroxyl group-containing polyfunctional material, and a crosslinkable product composed of an acid anhydride. JP-A-1-139653 discloses a high solid content curable composition containing an agent and a curing catalyst as a coating composition having excellent acid resistance, solvent resistance, water resistance, and coating film appearance. There has been proposed a thermosetting solvent-type coating composition comprising an acrylic copolymer having an epoxy group and an acrylic copolymer having an epoxy group.
[0004]
JP-A-2-45577 and JP-A-3-287650 disclose a thermosetting composition containing a copolymer containing a half-esterified group of an acid anhydride group, a hydroxy compound and an epoxy compound. A thermosetting composition containing a copolymer containing a half-esterified group of an acid anhydride group and a compound having an epoxy group and a hydroxyl group has been proposed.
[0005]
However, when a crosslinking agent comprising an acid anhydride as disclosed in JP-A-63-84684 is used, the reactivity between the composition components becomes high, so that the storage stability may be insufficient. In some cases, it is difficult to make one component of the entire composition component, and workability may be poor.
[0006]
In addition, the thermosetting solvent-type coating composition as disclosed in JP-A-1-139653 may be insufficient in low-temperature curability, and may be used at a relatively low temperature used in an automobile baking line. When baked in, the film performance such as crack resistance, acid resistance and solvent resistance in a cold environment may be insufficient.
[0007]
Furthermore, the thermosetting compositions disclosed in JP-A-2-45577 and JP-A-3-287650 are considerably improved in the balance between storage stability and low-temperature curability, In some cases, the curability at low temperatures and the solvent resistance of the coating film are still insufficient.
[0008]
On the other hand, JP-A-4-363374 discloses an acid anhydride group in order to further improve the scratch resistance typified by car washing scratches of the thermosetting coating composition using a crosslinking reaction between an acid group and an epoxy group. A thermosetting composition comprising an acrylic copolymer containing a half-esterified group and an acrylic copolymer containing a hydroxyl group and an epoxy group, and an acrylic copolymer further containing a hydroxyl group and a carboxyl group JP-A-6-57077 discloses an acrylic copolymer containing a half-esterified group of an acid anhydride group, a specific hydroxyl group and an epoxy group. JP-A-6-108001 discloses a thermosetting composition comprising an acrylic copolymer and a thermosetting composition comprising a fluorine copolymer containing a hydroxyl group and / or a carboxyl group. JP-A-6-128446 discloses a thermosetting composition comprising an acrylic copolymer containing a half-esterified group of an acid anhydride group, a fluorine-containing copolymer containing a hydroxyl group and an epoxy group, and a reaction catalyst. The acrylic copolymer containing an acid anhydride group half-esterified group, the acrylic copolymer containing a specific hydroxyl group and an epoxy group, and the acrylic copolymer containing a specific hydroxyl group and a specific carboxyl group. JP-A-6-166671 discloses a thermosetting composition comprising a polymer, an acrylic copolymer containing a half esterified group of an acid anhydride group, an acrylic containing a specific hydroxyl group and an epoxy group. Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-224146 discloses a thermosetting composition comprising a silicone copolymer and a silicone polymer containing a hydroxyl group and a carboxyl group. Various thermosetting compositions composed of acrylic copolymers containing both half-esterified groups of water groups and acrylic copolymers containing hydroxyl groups and epoxy groups have been proposed. In some cases, improvements are still required in terms of scratch resistance and storage stability.
[0009]
Further, JP-A-9-71706 discloses a thermosetting resin composition comprising a polycarboxylic acid and a copolymer using a specific long-chain epoxy monomer, which is improved in scratch resistance. In some cases, the balance of long-term storage stability considering practical use is still insufficient.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the circumstances as described above, the object of the present invention is to provide excellent coating stability, high degree of coating typified by crosslinking density, toughness, elongation, acid resistance, solvent resistance, scratch resistance, low temperature curability and the like. The object is to provide a thermosetting coating composition having excellent film performance.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present inventor has intensively studied the thermosetting coating composition. As a result, in particular, an epoxy group-containing vinyl monomer having a glycidyl ether group at a specific position from the vinyl group is used. For thermosetting coatings with excellent storage stability and excellent coating performance, such as crosslink density, toughness, elongation, acid resistance, solvent resistance, scratch resistance, and low temperature curability. The present inventors have found that this is possible by providing a composition, and have completed the present invention.
[0012]
That is, according to the present invention, 10 to 90% by mass of the acrylic copolymer (A) and 10 to 90% by mass of the acrylic copolymer (A) based on the total amount of the thermosetting coating composition. B), and the total amount of the acrylic copolymer (A) and the acrylic copolymer (B) is in the range of 50 to 100% by mass, and is an acrylic type The copolymer (A) is derived from the epoxy group-containing vinyl monomer (a-1) represented by the following general formula [1] based on the total monomer unit amount in the copolymer (A). An acrylic copolymer containing the monomer unit in a range of 5 to 90% by mass and having an epoxy equivalent in the range of 200 to 900 g / eq,
Based on the total monomer unit amount in the copolymer (B), the acrylic copolymer (B) is a vinyl monomer unit (b-) containing at least one of a carboxyl group and an acid anhydride group. Thermosetting, which is an acrylic copolymer containing the monomer unit derived from 1) within a range of 10 to 70% by mass and having an acid equivalent within a range of 200 to 900 g / eq. Coating compositions are provided.
[0013]
[Chemical 2]
[0014]
(Wherein R 1 Is hydrogen or methyl group, R 2 Represents hydrogen, a methyl group or an ethyl group. )
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described.
[0016]
The acrylic copolymer (A) used in the thermosetting coating composition of the present invention is an epoxy group-containing vinyl represented by the general formula [1] based on the total monomer unit amount in the copolymer (A). The monomer unit derived from the monomer (a-1) is contained in the range of 5 to 90% by mass, and the epoxy equivalent (grams of resin containing 1 gram equivalent of epoxy group) is 200 to 900 g. It is an acrylic copolymer in the range of / eq.
[0017]
By containing the monomer unit derived from the epoxy group-containing vinyl monomer (a-1) represented by the general formula [1], it has excellent storage stability, crosslink density, toughness, extensibility, and acid resistance. It is possible to obtain a thermosetting coating composition excellent in high-level coating film performance represented by properties, solvent resistance, scratch resistance, low temperature curability and the like. These characteristics are difficult to achieve with, for example, glycidyl methacrylate represented by the following formula [2] or acrylic acid-4-hydroxybutyl glycidyl ether represented by the following formula [3].
[0018]
[Chemical 3]
[0019]
[Formula 4]
[0020]
The reason for this is not clear, but since the glycidyl ether group is generally milder in reactivity with the carboxyl group than the glycidyl ester group, the epoxy group-containing vinyl monomer represented by the general formula [1] (a -1) has better storage stability as a thermosetting coating composition than the glycidyl methacrylate represented by the above formula [2], and on the other hand, the reactive functional group of the copolymer is generally a copolymer of the copolymer. Since the scratch resistance of the coating film after crosslinking increases as the distance from the main chain increases, the epoxy group-containing vinyl monomer (a-1) represented by the above general formula [1] is represented by the above formula [2]. As compared with glycidyl methacrylate, the scratch resistance of the cross-linked coating film is improved, and in general, the closer the epoxy group of the copolymer is to the main chain of the copolymer, the milder the reactivity with the carboxyl group, The epoxy group-containing vinyl monomer (a-1) represented by the general formula [1] is a thermosetting coating composition as compared with the acrylic acid-4-hydroxybutyl glycidyl ether represented by the formula [3]. It is presumed that the storage stability as
[0021]
The epoxy group-containing vinyl monomer (a-1) represented by the general formula [1] used in the present invention is, as a specific example, 2-glycidyloxyethyl (meth) acrylate (this expression is 2-glycidyloxyethyl). Including both acrylate and 2-glycidyloxyethyl methacrylate (the same applies hereinafter), 2-glycidyloxypropyl (meth) acrylate, 2-glycidyloxybutyl (meth) acrylate, and the like. These epoxy group-containing vinyl monomers can be used alone or in combination of two or more.
[0022]
The amount of the epoxy group-containing vinyl monomer (a-1) represented by the general formula [1] in the acrylic copolymer (A) is the total amount of the acrylic copolymer (A). Based on the body unit amount, the epoxy group-containing vinyl monomer (a-1) represented by the general formula [1] is 5% by mass or more, further 10% by mass or more, 90% by mass or less, and further 70%. It is preferable that it is the range of the mass% or less. If the monomer unit (a-1) having an epoxy group represented by the general formula [1] is 5% by mass or more, sufficient low-temperature curability can be obtained, and the scratch resistance, hardness and This is because the solvent resistance is good and the storage stability of the thermosetting coating composition is good if it is 90% by mass or less.
[0023]
The acrylic copolymer (A) used in the thermosetting coating composition of the present invention is used in combination with the epoxy group-containing vinyl monomer (a-1) represented by the general formula [1]. The epoxy group-containing vinyl monomer (a-2) can be used.
[0024]
Specific examples of the other epoxy group-containing vinyl monomer (a-2) include glycidyl (meth) acrylate, methyl glycidyl (meth) acrylate, 3,4-epoxycyclohexylmethyl (meth) acrylate, glycidyl allyl ether, oxo Cyclohexylmethyl (meth) acrylate, 3-glycidyloxypropyl (meth) acrylate, 3-glycidyloxybutyl (meth) acrylate, 4-glycidyloxybutyl (meth) acrylate, 6-glycidyloxyhexyl (meth) acrylate, 8-glycidyl Examples thereof include oxyoctyl (meth) acrylate and 9-glycidyloxynonyl (meth) acrylate. These may be used alone or in combination of two or more as required.
[0025]
The blending amount of the other epoxy group-containing vinyl monomer (a-2) in the acrylic copolymer (A) is based on the total monomer unit amount in the acrylic copolymer (A). The epoxy group-containing vinyl monomer (a-2) is preferably in the range of 5% by mass or more, more preferably 10% by mass or more and 60% by mass or less, and further preferably 50% by mass or less. If the other epoxy group-containing vinyl monomer (a-2) is 5% by mass or more, sufficient curability is obtained, and the hardness and solvent resistance of the coating film are good. This is because the storage stability of the thermosetting coating composition is good if it exists.
[0026]
Furthermore, the acrylic copolymer (A) used for the thermosetting coating composition of the present invention is an epoxy group-containing vinyl monomer (a-1) represented by the above general formula [1] and the above general formula [1]. 1] The total amount of the epoxy group-containing vinyl monomer (a-2) other than the epoxy group-containing vinyl monomer (a-1) represented by 1] is the total amount in the acrylic copolymer (A). Based on the body unit amount, it is preferably 20% by mass or more, more preferably 25% by mass or more, and 90% by mass or less, and further preferably 70% by mass or less. If the total amount of the vinyl monomer (a-1) and the vinyl monomer (a-2) is 20% by mass or more, sufficient curability can be obtained, and the hardness and solvent resistance of the coating film can be obtained. This is because the storage stability of the thermosetting coating composition is good when it is 90% by mass or less.
[0027]
In addition, the acrylic copolymer (A) used in the thermosetting coating composition of the present invention is a vinyl monomer unit having a hydroxyl group based on the total monomer unit amount in the copolymer (A). It is preferable to contain (a-3) in a range of 5% by mass or more, further 10% by mass or more, 50% by mass or less, and further 40% by mass or less. If the vinyl monomer unit (a-3) having a hydroxyl group is 5% by mass or more, curability and non-sand recoatability of the coating film are good, and if it is 50% by mass or less, the water resistance of the coating film is high. It is because it is good.
[0028]
Specific examples of the vinyl monomer unit (a-3) having a hydroxyl group used in the acrylic copolymer (A) include 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, 2-hydroxypropyl (meth) acrylate, (Meth) acrylic acid esters having a hydroxyalkyl group such as 3-hydroxypropyl (meth) acrylate, 2-hydroxybutyl (meth) acrylate, 4-hydroxybutyl (meth) acrylate, 6-hydroxyhexyl (meth) acrylate, Ring opening adduct of ε-caprolactone or γ-butyrolactone to 2-hydroxyethyl (meth) acrylate (for example, Plaxel F monomer manufactured by Daicel Chemical Co., Ltd. and Tone M monomer manufactured by UCC), to methacrylic acid A ring-opening adduct of ethylene oxide, propylene glycol to methacrylic acid Ring-opening adducts of xoxides, (meth) acrylic acid esters having a hydroxyl group at the terminal of 2-hydroxyethyl (meth) acrylate or 2-hydroxypropyl (meth) acrylate dimers and trimers, 4-hydroxy Examples include other hydroxyl group-containing vinyl monomers such as butyl vinyl ether and p-hydroxystyrene, such as 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, 4-hydroxybutyl (meth) acrylate, and 6-hydroxyhexyl (meth) acrylate. Is preferred. These may be used alone or in combination of two or more as required.
[0029]
Furthermore, the acrylic copolymer (A) used for the thermosetting coating composition of the present invention is in addition to the monomer units (a-1), (a-2) and (a-3) above, The vinyl monomer unit (a-4) can be contained. This blending amount is calculated by determining the necessary amount of each of the monomer units (a-1), (a-2) and (a-3).
[0030]
Examples of such other vinyl monomer units (a-4) include methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, n-propyl (meth) acrylate, n-butyl (meth) acrylate, i -Butyl (meth) acrylate, t-butyl (meth) acrylate, sec-butyl (meth) acrylate, n-pentyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, decyl (meth) acrylate, undecyl (meth) acrylate , Dodecyl (meth) acrylate, tridecyl (meth) acrylate, tetradecyl (meth) acrylate, pentadecyl (meth) acrylate, hexadecyl (meth) acrylate, heptadecyl (meth) acrylate, octadecyl (meth) acrylate, isodecyl (meth) ) (Meth) acrylates having linear and branched aliphatic hydrocarbon substituents such as acrylate, 2-hexyldecanyl (meth) acrylate, cyclohexyl (meth) acrylate, norbornyl (meth) acrylate, isobornyl (Meth) acrylates having an alicyclic hydrocarbon substituent such as (meth) acrylate and dicyclopentanyl (meth) acrylate, styrene, o-methylstyrene, m-methylstyrene, p-methylstyrene, α -Methyl styrene, p-ethyl styrene, 2,4-dimethyl styrene, pn-butyl styrene, pt-butyl styrene, pn-hexyl styrene, pn-octyl styrene, pn-nonyl styrene , Pn derivatives such as pn-dodecylstyrene and p-phenylstyrene , Ethylenically unsaturated nitriles such as acrylonitrile and methacrylonitrile, N-alkoxy substituted amides such as N-methoxymethyl acrylamide, N-ethoxymethyl acrylamide and N-butoxymethyl acrylamide, dimethylaminoethyl (meth) acrylate, Vinyl basic monomers such as diethylaminoethyl (meth) acrylate, unsaturated aliphatic dibasic acid dialkyl esters such as dimethyl maleate, diethyl maleate, dibutyl maleate, dimethyl fumarate, diethyl fumarate, dibutyl fumarate These may be used alone or in combination of two or more as required.
[0031]
Among these, n-butyl (meth) acrylate, i-butyl (meth) acrylate, t-butyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, dodecyl (meth) acrylate, tridecyl (meth) acrylate, tetradecyl (Meth) acrylate, cyclohexyl (meth) acrylate, isobornyl (meth) acrylate, and styrene are preferable, and i-butyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, dodecyl (meth) are particularly preferable in terms of the smoothness of the coating film. ) Acrylate, tridecyl (meth) acrylate, and tetradecyl (meth) acrylate, and styrene, cyclohexyl (meth) acrylate, and isobornyl (meth) acrylate are preferable in terms of coating film hardness. These may be used alone or in combination of two or more as required.
[0032]
The acrylic copolymer (A) used in the present invention has an epoxy equivalent of 200 g / eq or more, more preferably 250 g / eq or more, 900 g / eq or less, and further 700 g / eq or less. If the epoxy equivalent of the acrylic copolymer (A) is 200 g / eq or more, the storage stability of the coating composition is good, and if it is 900 g / eq or less, sufficient curability can be obtained. This is because the hardness and the solvent resistance are good.
[0033]
The acrylic copolymer (A) in the present invention has a hydroxyl group equivalent (gram number of resin containing 1 gram equivalent of hydroxyl group) of 250 g / eq or more, more preferably 350 g / eq or more, 2500 g / eq or less, Furthermore, it is preferable that it is the range of 1500 g / eq or less. This is because the water resistance is good if the hydroxyl equivalent of the acrylic copolymer (A) is 250 g / eq or more, and the curability and non-sand recoatability are good if it is 2500 g / eq or less. .
[0034]
Furthermore, the acrylic copolymer (A) in the present invention preferably has a weight average molecular weight of 1,500 or more, more preferably 2,000 or more, 20,000 or less, and further preferably 15,000 or less. This is because when the weight average molecular weight of the acrylic copolymer (A) is 1,500 or more, the water resistance and weather resistance of the coating film are good, and when it is 20,000 or less, the viscosity of the resin is relatively low. This is because of the viscosity, and the cosmetics of the coating film and the storage stability of the coating composition are good.
[0035]
In addition, the weight average molecular weight in this specification refers to a gel manufactured by TOSO manufactured by a TOSO column (GE4000HXL and G2000HXL) after adjusting a tetrahydrofuran solution (0.4% by mass) of an acrylic copolymer resin composition. 100 μl of the above solution is injected into a permeation chromatography device, measured using the gel permeation chromatography method under conditions of flow rate: 1 ml / min, eluent: tetrahydrofuran, column temperature: 40 ° C., and converted to standard polystyrene. Value.
[0036]
The acrylic copolymer (B) used in the thermosetting coating composition of the present invention contains a carboxyl group and / or an acid anhydride group based on the total monomer unit amount in the copolymer (B). The monomer unit derived from the vinyl monomer unit (b-1) is contained in the range of 10 to 70% by mass, and the acid equivalent (gram of resin containing 1 gram equivalent of carboxyl group) is 200. It is an acrylic copolymer in the range of ˜900 g / eq. By containing the vinyl monomer unit (b-1) containing a carboxyl group and / or an acid anhydride group, the acrylic copolymer (A) is mainly crosslinked with an epoxy group and partially with a hydroxyl group. Thermosetting coating composition that reacts, has excellent storage stability, and has excellent coating performance such as crosslink density, toughness, elongation, acid resistance, solvent resistance, scratch resistance, and low temperature curability. Give things.
[0037]
Specific examples of the vinyl monomer unit (b-1) containing a carboxyl group and / or an acid anhydride group used in the acrylic copolymer (B) of the present invention include methacrylic acid, acrylic acid, and croton. Carboxyl group-containing α, β-unsaturated vinyl monomers such as acid, vinylbenzoic acid, fumaric acid, itaconic acid, maleic acid, β- (meth) acryloxyethyl acid succinate, β- (meth) acrylic Roxyethyl acid maleate, β- (meth) acryloxyethyl acid phthalate, β- (meth) acryloxyethyl hexahydrophthalate, γ- (meth) acryloxypropyl-acid succinate, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate Ε-caprolactone or γ-butyrolactone ring-opening adduct (eg, Daicel Chemical Industries, Ltd. Succinic acid monoester or phthalic acid in which the terminal hydroxyl group of Cell F monomer and Tone M monomer manufactured by UCC) is esterified with succinic anhydride, phthalic anhydride or hexahydrophthalic anhydride and a carboxyl group is introduced at the terminal Long chain carboxyl group-containing vinyl monomers such as monoesters or half esterification reaction products of caprolactone-modified hydroxyl group-containing (meth) acrylic acid esters and acid anhydride compounds such as monoester or hexahydrophthalic anhydride monoester, anhydrous Vinyl monomers having an α, β-dicarboxylic anhydride group such as maleic acid, itaconic anhydride, citraconic anhydride, 2,3-dimethylmaleic anhydride, monomethyl maleate, monoethyl maleate, monobutyl maleate, Monooctyl maleate, monooctyl itaconate, monobutyl fumarate, fumaric acid Examples thereof include vinyl monomers having a dicarboxylic acid monoester group such as no-2-ethylhexyl, monoethyl citraconic acid, etc., and these can be used alone or in combination of two or more as required. .
[0038]
Among them, at least a monomer unit having an α, β-dicarboxylic anhydride group and a monomer unit having a monoesterification group of an α, β-dicarboxylic anhydride group are preferably allowed to coexist.
[0039]
In this case, for example, a monomer having an α, β-dicarboxylic acid anhydride group is used, and the monomer having the α, β-dicarboxylic acid anhydride group and another vinyl monomer described later are used. This can be achieved by polymerizing the polymerizable vinyl monomer mixture containing the polymer, and then partially opening the acid anhydride group with an alkanol so that the acid anhydride group and the monoesterified group coexist. Or a polymerization comprising a monomer having an α, β-dicarboxylic anhydride group, a monomer having a monoesterification group of an α, β-dicarboxylic anhydride group, and another vinyl monomer described later This can also be achieved by polymerizing a polymerizable vinyl monomer mixture.
[0040]
An acrylic copolymer (B) is polymerized with a polymerizable monomer mixture containing a monomer having an α, β-dicarboxylic anhydride group and another vinyl monomer described later, and then the acid anhydride group. As the alkanol used in the case of obtaining a monoester by partially ring-opening with alkanol, methanol, ethanol, i-propanol, t-butanol, i-butanol, n-butanol, methyl cellosolve, ethyl cellosolve , Dimethylaminoethanol, diethylaminoethanol, acetol, propargyl alcohol, allyl alcohol and the like, and methanol and ethanol are preferred. These may be used alone or in combination of two or more as required.
[0041]
The monoesterification can be performed by a usual method using a reaction catalyst such as a quaternary ammonium salt such as tetrabutylammonium and a tertiary amine such as triethylamine as necessary. For example, the amount of alkanol can be reduced. The desired acid anhydride group can be left by adjusting to an appropriate amount.
[0042]
The amount of the vinyl monomer unit (b-1) containing a carboxyl group and / or an acid anhydride group used in the acrylic copolymer (B) in the acrylic copolymer (B) is acrylic. Based on the total monomer unit amount in the copolymer (B), the vinyl monomer unit (b-1) containing a carboxyl group and / or an acid anhydride group is 10% by mass or more, It is preferably in the range of 15% by mass or more and 70% by mass or less, and further 60% by mass or less. This is because if the vinyl monomer unit (b-1) containing a carboxyl group and / or an acid anhydride group is 10% by mass or more, sufficient low-temperature curability can be obtained, and the scratch resistance and hardness of the coating film can be obtained. This is because the solvent resistance is good and the storage stability of the thermosetting coating composition is good if it is 70% by mass or less.
[0043]
Furthermore, the acrylic copolymer (B) used in the thermosetting coating composition of the present invention is a single monomer of the vinyl monomer unit (b-1) containing the carboxyl group and / or acid anhydride group. In addition to the body unit, other vinyl monomer units (b-2) can be contained. This blending amount is calculated by determining the necessary amount of the above (b-1) monomer unit.
[0044]
Examples of such other vinyl monomer units (b-2) include methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, n-propyl (meth) acrylate, n-butyl (meth) acrylate, i -Butyl (meth) acrylate, t-butyl (meth) acrylate, sec-butyl (meth) acrylate, n-pentyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, decyl (meth) acrylate, undecyl (meth) acrylate , Dodecyl (meth) acrylate, tridecyl (meth) acrylate, tetradecyl (meth) acrylate, pentadecyl (meth) acrylate, hexadecyl (meth) acrylate, heptadecyl (meth) acrylate, octadecyl (meth) acrylate, isodecyl (meth) ) (Meth) acrylates having linear and branched aliphatic hydrocarbon substituents such as acrylate, 2-hexyldecanyl (meth) acrylate, cyclohexyl (meth) acrylate, norbornyl (meth) acrylate, isobornyl (Meth) acrylates having an alicyclic hydrocarbon substituent such as (meth) acrylate and dicyclopentanyl (meth) acrylate, styrene, o-methylstyrene, m-methylstyrene, p-methylstyrene, α -Methyl styrene, p-ethyl styrene, 2,4-dimethyl styrene, pn-butyl styrene, pt-butyl styrene, pn-hexyl styrene, pn-octyl styrene, pn-nonyl styrene , Pn derivatives such as pn-dodecylstyrene and p-phenylstyrene , Ethylenically unsaturated nitriles such as acrylonitrile and methacrylonitrile, N-alkoxy substituted amides such as N-methoxymethyl acrylamide, N-ethoxymethyl acrylamide and N-butoxymethyl acrylamide, dimethylaminoethyl (meth) acrylate, Vinyl basic monomers such as diethylaminoethyl (meth) acrylate, unsaturated aliphatic dibasic acid dialkyl esters such as dimethyl maleate, diethyl maleate, dibutyl maleate, dimethyl fumarate, diethyl fumarate, dibutyl fumarate And the like.
[0045]
In the case where a monomer having an acid anhydride group is not used as the vinyl monomer unit (b-1), 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, 2-hydroxypropyl (meth) acrylate, 3-hydroxy (Meth) acrylic acid esters having a hydroxyalkyl group such as propyl (meth) acrylate, 2-hydroxybutyl (meth) acrylate, 4-hydroxybutyl (meth) acrylate, 6-hydroxyhexyl (meth) acrylate, 2-hydroxy Ring-opening adducts of ε-caprolactone or γ-butyrolactone to ethyl (meth) acrylate (eg, Daicel Chemical Co., Ltd. Plaxel F monomer and UCC Tone M monomer), ethylene oxide to methacrylic acid Ring-opening adduct with propylene oxide ring-opening to methacrylic acid Addenda, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate or 2-hydroxypropyl (meth) acrylate dimer or trimer (meth) acrylic acid ester having a hydroxyl group at the terminal, 4-hydroxybutyl vinyl ether, p Other hydroxyl group-containing vinyl monomers such as -hydroxystyrene can also be used. These may be used alone or in combination of two or more as required.
[0046]
Among these, n-butyl (meth) acrylate, i-butyl (meth) acrylate, t-butyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, dodecyl (meth) acrylate, tridecyl (meth) acrylate, tetradecyl (Meth) acrylate, cyclohexyl (meth) acrylate, isobornyl (meth) acrylate, and styrene are preferable, and i-butyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, dodecyl (meth) are particularly preferable in terms of the smoothness of the coating film. ) Acrylate, tridecyl (meth) acrylate, and tetradecyl (meth) acrylate, and styrene, cyclohexyl (meth) acrylate, and isobornyl (meth) acrylate are preferable in terms of coating film hardness. These may be used alone or in combination of two or more as required.
[0047]
The acrylic copolymer (B) in the present invention preferably has an acid equivalent of 200 g / eq or more, more preferably 250 g / eq or more, 900 g / eq or less, and even more preferably 700 g / eq or less. If the acid equivalent of the acrylic copolymer (B) is 200 g / eq or more, the copolymer has a relatively low viscosity and good coating workability, and the coating film has good water resistance and weather resistance, and 900 g This is because sufficient hardness can be obtained if it is / eq or less, and the hardness and solvent resistance of the coating film are favorable and preferable.
[0048]
The acrylic copolymer (B) in the present invention preferably has a weight average molecular weight of 1,500 or more, more preferably 2,000 or more, 20,000 or less, and further preferably 15,000 or less. If the weight average molecular weight of the acrylic copolymer (B) is 1,500 or more, the water resistance and weather resistance of the coating film are good, and if it is 20,000 or less, the viscosity of the resin is relatively low. Furthermore, it is because the cosmetics of the coating film and the storage stability of the coating composition are good.
[0049]
The acrylic copolymers (A) and (B) used in the composition of the present invention can be produced by known polymerization methods such as a solution polymerization method, a bulk polymerization method, and an emulsion polymerization method. It is preferable to manufacture by a legal method. When the acrylic copolymer is produced by a solution polymerization method, a polymerizable vinyl monomer mixture is copolymerized in the presence of an organic solvent, a polymerization initiator, and, if necessary, a polymerization chain transfer agent.
[0050]
Examples of organic solvents include aromatic hydrocarbons such as toluene and xylene, ketones such as methyl ethyl ketone and methyl isobutyl ketone, esters such as ethyl acetate, n-butyl acetate, and propylene glycol monomethyl ether acetate. A general one can be selected and used, and in the case of using a monomer having an α, β-dicarboxylic anhydride group in the acrylic copolymer (B), such as isopropanol and n-butanol. Other alcohols can also be used.
[0051]
As the polymerization initiator, 2,2-azobisisobutyronitrile, 2,2-azobis (2,4-dimethylvaleronitrile), 2,2-azobis (2-methylbutyronitrile), benzoyl peroxide, It can be selected from commonly used polymerization initiators such as cumene hydroperoxide, lauryl peroxide, di-t-butyl peroxide, t-butylperoxy-2-ethylhexanoate and the like. Moreover, chain transfer agents, such as 2-mercaptoethanol, n-octyl mercaptan, n-dodecyl mercaptan, and α-methylstyrene dimer, can be used as necessary.
[0052]
In the case of producing an acrylic copolymer by a solution polymerization method, in general, in order to control the molecular weight, it is preferable to perform polymerization in the range of 70 to 200 ° C, preferably in the range of 80 to 180 ° C, and more Preferably it is the range of 90-170 degreeC.
[0053]
The thermosetting coating composition of the present invention is 10% by mass or more, further 20% by mass or more, and 90% by mass or less of the acrylic copolymer (A) based on the total amount of the thermosetting coating composition. Furthermore, the acrylic copolymer (B) is contained in a range of 10% by mass or more, further 20% by mass or more, 90% by mass or less, and further 80% by mass or less in a range of 80% by mass or less, The total amount of the acrylic copolymer (A) and the acrylic copolymer (B) is 50% by mass or more, and further 60% by mass or more and 100% by mass or less. This is because if the acrylic copolymer (A) or the acrylic copolymer (B) is 10% by mass or more, the low-temperature curability and the water resistance or solvent resistance of the coating film are good. If the total amount of the copolymer (A) and the acrylic copolymer (B) is 50% by mass or more, the acid resistance of the coating film is good, the crosslinking density is high, and the weather resistance and water resistance of the coating film are good. This is because the cosmetic properties are also good.
[0054]
In the thermosetting coating composition of the present invention, one or more of an epoxy group, a carboxyl group, an acid anhydride group, and a hydroxyl group is optionally added for further improving the crosslinking density and coating film appearance. You may add the auxiliary | assistant hardening | curing agent (C) which is a compound, resin, or those mixtures containing the functional group which has reactivity with these.
[0055]
The blending amount in that case is 10% by mass or more, further 15% by mass or more, 85% by mass or less, and further 80% by mass based on the total blending amount of the thermosetting coating composition. 10% by mass or more, further 15% by mass or more and 85% by mass or less, and further 80% by mass or less; Acrylic copolymer (A) and acrylic copolymer The total amount of the combined (B) is 50% by mass or more, further 55% by mass or more and 95% by mass or less; and the auxiliary curing agent (C) is 5% by mass or more and 50% by mass or less, and further 45% by mass or less. It is preferable to mix in a range. This is because if the acrylic copolymer (A) or the acrylic copolymer (B) is 10% by mass or more, the low-temperature curability and the water resistance or solvent resistance of the coating film are good. If the total amount of the copolymer (A) and the acrylic copolymer (B) is 50% by mass or more, the acid resistance of the coating film is good, the crosslinking density is high, and the weather resistance and water resistance of the coating film are good. This is because the cosmetic properties are also good. If the amount of the auxiliary curing agent (C) added is 5% by mass or more, the effect of improving the crosslinking density and the coating film appearance can be obtained, and if it is 50% by mass or less. This is because the storage stability of the paint, the acid resistance and non-yellowing of the coating film are good.
[0056]
Specific examples of the auxiliary curing agent (C) include melamine resins and blocked isocyanate resins, glycidyl ether compounds, glycidyl ester compounds, epoxy compounds such as alicyclic epoxy compounds, adipic acid, phthalic acid, and the like. Examples thereof include polybasic acid compounds, and polyester resins having a carboxyl group in the molecule and having an acid value of 50 to 200 mgKOH / g. These auxiliary curing agents (C) may be used in combination of two or more.
[0057]
The molar ratio of the epoxy group present in the acrylic polymer (A) and the carboxyl group present in the acrylic polymer (B) of the thermosetting coating composition of the present invention, that is, epoxy group / carboxyl group. Is preferably 1/5 or more, more preferably 1/4 or more, and still more preferably 1/3 or more. Moreover, 5/1 or less is preferable, 4/1 or less is more preferable, and 3/1 or less is still more preferable. If the epoxy group / carboxyl group ratio is within this range, even if the above-mentioned auxiliary curing agent is not used together, the crosslinking density is high and the number of unreacted functional groups is small. A membrane can be obtained.
[0058]
Such ratio is, for example, the mass ratio of the acrylic copolymer (A) and the acrylic copolymer (B) in the thermosetting coating composition of the present invention, that is, (A) / (B), Preferably it is 1/5 or more, more preferably 1/4 or more, still more preferably 1/3 or more, preferably 5/1 or less, more preferably 4/1 or less, still more preferably 3/1 or less. Is achieved.
[0059]
Further, the thermosetting coating composition of the present invention can contain a catalyst for promoting curing. The curing catalyst may be a known catalyst used for the esterification reaction of an acid group and an ester group. For example, a quaternary ammonium salt or a quaternary phosphonium salt is preferable. Specific examples include benzyltrimethylammonium chloride, benzyltrimethylammonium bromide, tetrabutylammonium chloride, tetrabutylammonium bromide, tetrabutylammonium hydroxide, benzyltriphenylphosphonium chloride, benzyltriphenylphosphonium bromide and the like.
[0060]
Moreover, in order to improve stability, the acidic compound represented by the sulfonic acid type | system | group and phosphoric acid type | system | group, or those blocked products can be added as needed. Specific examples include p-toluenesulfonic acid, dodecylbenzenesulfonic acid, dinonylnaphthalenesulfonic acid and their amine blocked products, monoalkyl phosphoric acid, dialkyl phosphoric acid, monoalkyl phosphorous acid and the like.
[0061]
Further, the thermosetting coating composition of the present invention includes a rheology control agent such as organic benton, polyamide, microgel, and fibrous resin, a surface control agent typified by silicone, an ultraviolet absorber, and a light stabilizer. Additives such as antioxidants and sag-preventing agents can be appropriately blended using known means as necessary.
[0062]
When the thermosetting coating composition of the present invention is used as a clear paint for automobile painting, the thermosetting coating composition of the present invention can be used as the base coat layer in contact with the clear coat layer. A known curable resin such as a melamine-based resin can be appropriately used as necessary. These thermosetting resins, diluents composed of volatile organic solvents, curing agents composed of amino resins, polyisocyanate compounds, etc., brighteners such as aluminum paste, mica, flake iron oxide, titanium oxide, carbon black, Additives such as inorganic pigments and organic pigments such as quinacridone, polyester resins, epoxy resins and cellulose resins, and additives such as surface conditioners, ultraviolet absorbers and antioxidants, if necessary, using known means A base paint can be prepared by blending appropriately.
[0063]
The thermosetting coating composition containing the acrylic copolymer described above is excellent in paint performance, and further, by using this, it is possible to provide a paint film excellent in paint film performance. It is useful.
[0064]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples. Parts and% are based on mass, and commercially available high-purity products were used unless otherwise specified.
[0065]
<Evaluation method>
The physical properties of the copolymer were evaluated as follows.
[0066]
Nonvolatile content of solution: A ratio (% by mass) of nonvolatile content when a copolymer solution of 1 g is sampled on an aluminum dish and dried at 150 ° C. for 1 hour.
[0067]
Epoxy equivalent: grams of copolymer containing 1 gram equivalent of epoxy groups (g / eq; theoretical value).
[0068]
Hydroxyl equivalent: grams of copolymer containing 1 gram equivalent of hydroxyl groups (g / eq; theoretical value).
[0069]
Acid equivalent: grams of copolymer containing 1 gram equivalent of carboxyl groups (g / eq; theoretical value).
[0070]
Weight average molecular weight: After adjusting a tetrahydrofuran solution (0.4% by mass) of an acrylic copolymer resin composition, the above was applied to a gel permeation chromatography device manufactured by TOSO equipped with a column manufactured by TOSO (GE4000HXL and G2000HXL). A value obtained by injecting 100 μl of the above solution, using a gel permeation chromatography method under conditions of a flow rate: 1 ml / min, an eluent: tetrahydrofuran, a column temperature: 40 ° C., and converted into standard polystyrene.
[0071]
The performance of the paint was evaluated as follows.
[0072]
Storage stability: The viscosity of the paint after being left at 60 ° C. for 24 hours was measured with a Ford Cup # 4, and judged from the increased number of seconds before and after the test according to the following criteria;
A: Less than 10 seconds, very good,
○: 10 seconds or more to less than 20 seconds, good, no practical problem,
Δ: 20 seconds to less than 30 seconds, defective, practically problematic,
X: Unusable for 30 seconds or more.
[0073]
Furthermore, evaluation of coating film performance was performed as follows.
[0074]
Crosslink density: A clear coat paint was applied to a degreased polypropylene plate (150 mm × 150 mm) to a dry film thickness of 30 μm, and an undried overcoating film was allowed to stand at room temperature for 15 minutes, followed by drying with hot air at 140 ° C. A film was formed by baking for 30 minutes on a machine. A clear coating (4 mm × 30 mm) of clear coat was cut out from this test plate, and viscoelasticity measurement was performed with RHEOVIBRON (DDV-II-EP) manufactured by Toyo Baldwin Co., Ltd. (measurement frequency = 3.5 Hz, heating rate = 3). C./min), and the molecular weight (Mc) between crosslinks was determined from the following formula. Mc means that the smaller the value, the higher the crosslink density;
Mc = 3ρRT / E ′
Where ρ: density of coating film (ρ = 1), R: gas constant, E ′: minimum value of dynamic elastic modulus in high temperature rubbery region, T: dynamic elastic modulus in high temperature rubbery region The temperature at which the minimum value E ′ is reached.
[0075]
Gel fraction: A clear coating (50 mm × 50 mm) of a clear coating was cut out from a test plate prepared in the same manner as in the case of measuring the crosslink density, and returned in a mixed solvent of acetone / methanol = 50/50 (mass%) The ratio (mass%) of the insoluble matter after being immersed for 3 hours at temperature.
[0076]
Toughness: A clear coat free coating film (10 mm × 70 mm) was cut out from a test plate prepared in the same manner as in the crosslink density measurement, and a tensile test measurement (tensile speed = 10 mm / mm) by RTA-250 manufactured by Orientec Co., Ltd. Min), and the elongation (%) at break was determined. It shows that toughness is so high that elongation is large.
[0077]
Hardness: A clear coat paint was applied to a degreased tin plate (300 mm × 450 mm) to a dry film thickness of 30 μm, and an undried overcoating film was allowed to stand at room temperature for 15 minutes, followed by a hot air dryer at 140 ° C. And baked for 30 minutes to form a coating film. Using this test plate, the hardest hardness without scratches was determined by scratching the coating film at an angle of 45 degrees using a Mitsubishi Pencil Uni.
[0078]
Acid resistance: A 40% sulfuric acid aqueous solution was spotted with a test plate prepared in the same manner as in the hardness measurement, and was left standing at 70 ° C. for 15 minutes.
[0079]
Solvent resistance: Using a test plate prepared in the same manner as in the case of hardness measurement, methyl ethyl ketone was immersed in gauze, and the appearance after 50 reciprocating rubbing tests was visually determined.
[0080]
Scratch resistance: A test plate produced in the same manner as in the case of hardness measurement was used to apply a 50% aqueous solution of Maken Cleanser made by Maken Soap Co., Ltd. using a friction fastness tester made by Daiei Kagaku Seiki Co., Ltd. The gauze was applied to the place where it was in contact with the coated surface, a 50 reciprocating friction test was performed at a load of 1 kg, and the scar was visually determined.
[0081]
Low temperature curability: A clear coat paint was applied to a degreased tin plate (300 mm x 450 mm) to a dry film thickness of 30 μm, and the undried overcoating film was allowed to stand at room temperature for 15 minutes, followed by hot air at 120 ° C. A coating film was formed by baking for 30 minutes in a dryer. With the test plate, the above solvent resistance test was performed using xylene, and the appearance of the coating film after the test was visually determined.
[0082]
In addition, the visual judgment of each of the above items was performed according to the following criteria;
◎: The quality of the coating film after the performance test is the same as before the test, and it is determined that the coating performance is extremely excellent.
○-◎: The quality of the coating film after the performance test is hardly changed from that before the test, and it is determined that the excellent coating film performance is maintained.
○: The film quality after the performance test is slightly lower than before the test, but it is determined that the practical performance is sufficient.
Δ- ○: Although the quality of the coating film after the performance test is lower than that before the test, it is determined that the film has practical performance.
×-△: The quality of the coating film after the performance test is lower than before the test, and it is determined that there is a problem in practical use.
X: The quality of the coating film after the performance test was significantly lower than before the test, and it was determined that it could not be used practically.
[0083]
<Synthesis of acrylic copolymer (A-1)>
Add 95 parts of Solvesso # 150 (Esso, aromatic hydrocarbon) and 5 parts of n-butanol as a solvent to a reaction vessel equipped with a stirrer, a temperature controller and a condenser, and continue blowing nitrogen gas and stirring. After heating to 130 ° C., 30 parts 2-glycidyloxyethyl methacrylate, 10 parts glycidyl methacrylate, 20 parts 4-hydroxybutyl acrylate, 10 parts i-butyl methacrylate, 10 parts 2-ethylhexyl methacrylate, 10 parts cyclohexyl methacrylate, 10 styrene And a mixture of a monomer comprising 6 parts of 2,2′-azobis-2-methylbutyronitrile and a polymerization initiator are continuously added dropwise to the vessel over 4 hours, and then the internal temperature of the flask is adjusted. After holding at 130 ° C. for 1 hour, 2,2′-azobis-2-methylbutyronitrile 1 part is continuously added over 1 hour, and further maintained at 130 ° C. for 1 hour to sufficiently increase the conversion rate to a resin, thereby obtaining an acrylic copolymer (A-1) having a resin solid content of 50%. It was. The characteristic values of (A-1) obtained are as shown in Table 1.
[0084]
<Synthesis of acrylic copolymers (A-2) to (A-14)>
According to the method for synthesizing the acrylic copolymer (A-1), the vinyl monomers shown in Table 1 were polymerized to synthesize acrylic copolymers (A-2) to (A-14). . The characteristic values of the obtained copolymer are shown in Table 1.
[0085]
[Table 1]
[0086]
<Synthesis of acrylic copolymer (B-1)>
After adding 50 parts of Solvesso # 150 and 10 parts of propylene glycol monomethyl ether acetate as a solvent to a reaction vessel equipped with a stirrer, a temperature controller and a condenser, the mixture was heated to 130 ° C. while blowing nitrogen gas and stirring, and then propylene. 40 parts of glycol monomethyl ether acetate, 20 parts of maleic anhydride, 4 parts of methacrylic acid, 20 parts of i-butyl methacrylate, 10 parts of 2-ethylhexyl methacrylate, 20 parts of cyclohexyl methacrylate, 20 parts of styrene and t-butylperoxy-2-ethyl A solvent consisting of 5 parts of hexanoate, a mixture of a monomer and a polymerization initiator was continuously dropped into a container over 4 hours, and then the internal temperature of the flask was maintained at 130 ° C. for 1 hour. Butyl peroxy-2-ethylhexanoate 1 The portion was continuously added dropwise over 1 hour and further maintained at 130 ° C. for 1 hour to sufficiently increase the conversion to resin. Thereafter, the internal temperature of the container is lowered to 70 ° C., 6.2 parts of methanol and 0.5 part of triethylamine are added, and the internal temperature is maintained at 70 ° C. for 7 hours to partially monoesterify the acid anhydride group. went.
[0087]
The reduction of acid anhydride groups was determined by IR (infrared spectroscopy; 1780 cm -1 ) To obtain an acrylic copolymer (B-1) having a resin solid content of 50%. (B-1) obtained as a result was 1.5 parts of maleic anhydride monomer units when the total amount of monomer units in the acrylic copolymer (B-1) was 100 parts. It had 24.5 parts of monomethyl maleate monomer units and 4 parts of methacrylic acid monomer units, and had an acid equivalent of 377 g / eq and a weight average molecular weight of 5,000.
[0088]
<Example 1> Preparation of clear paint (D-1), paint performance, and coating film performance evaluation
Acrylic copolymer (A-1) 100 parts, Acrylic copolymer (B-1) 100 parts, Modaflow (manufactured by Monsanto, acrylic surface conditioner) 0.2 parts, benzyltri-n-butylammonium bromide 1 part, 2 parts of Tinuvin 900 (manufactured by Ciba Geigy, UV absorber), 2 parts of Sanol LS-765 (manufactured by Sankyo Co., Ltd., light stabilizer) and 10 parts of n-butanol are mixed, and after further mixing, Solvesso # 150 / propylene glycol monomethyl ether acetate = 80/20 (mass%) diluted with a mixed solvent, and the viscosity at 20 ° C. of the composition was adjusted to 28 seconds with Ford Cup # 4. -1) was obtained.
[0089]
Table 2 shows the evaluation results of the paint performance by the above method. Moreover, the test panel for each coating-film performance evaluation was created by the method described previously using the obtained clear coating material (D-1), and the evaluation was performed. The evaluation results are shown in Table 2.
[0090]
<Examples 2 to 11 and Comparative Examples 1 to 5> Preparation of clear paints (D-2) to (D-16), paint performance, and coating film performance evaluation
Instead of acrylic copolymer (A-1) and acrylic copolymer (B-1), as shown in Table 2, acrylic copolymer (A), acrylic copolymer (B), and auxiliary curing Clear paints (D-2) to (D-16) were obtained in the same manner as the clear paint (D-1) except that the compound (C) was used.
[0091]
Tables 2 and 3 show the evaluation results of the paint performance carried out in the same manner as in Example 1. In addition, using the obtained clear coating materials (D-2) to (D-16), a test panel for evaluating each coating film performance was evaluated and evaluated in the same manner as in Example 1. The evaluation results are shown in Tables 2 and 3.
[0092]
[Table 2]
[0093]
The clear paints (D-1) to (D-11) have excellent storage stability, and further have high crosslink density, gel fraction, toughness (elongation), hardness, acid resistance, solvent resistance, Scratch resistance and low-temperature curability were also good, and it had excellent paint performance and coating film performance.
[0094]
[Table 3]
[0095]
On the other hand, the clear coating materials (D-12) to (D-16) are required to satisfy the performances such as storage stability, crosslinking density, gel fraction, toughness (elongation), and scratch resistance at the same time. I couldn't.
[0096]
【The invention's effect】
According to the present invention, by using an acrylic copolymer containing a monomer unit derived from a vinyl monomer containing a specific epoxy group, it has excellent storage stability, crosslinking density, and toughness. Thus, it is possible to obtain a thermosetting coating composition excellent in high-level film performance represented by extensibility, acid resistance, solvent resistance, scratch resistance, low temperature curability and the like.
Claims (5)
アクリル系共重合体(A)は、共重合体(A)中の全単量体単位量に基づいて、下記一般式[1]で示されるエポキシ基含有ビニル系単量体(a−1)から誘導された単量体単位を5〜90質量%の範囲内で含有し、エポキシ当量が200〜900g/eqの範囲内であるアクリル系共重合体であり、
アクリル系共重合体(B)は、共重合体(B)中の全単量体単位量に基づいて、カルボキシル基および酸無水物基の少なくとも一方を含有するビニル系単量体単(b−1)から誘導された単量体単位を10〜70質量%の範囲内で含有し、酸当量が200〜900g/eqの範囲内であるアクリル系共重合体であることを特徴とする熱硬化性被覆組成物。
The acrylic copolymer (A) is an epoxy group-containing vinyl monomer (a-1) represented by the following general formula [1] based on the total monomer unit amount in the copolymer (A). Is an acrylic copolymer containing a monomer unit derived from 5 to 90% by mass within an epoxy equivalent of 200 to 900 g / eq,
Based on the total monomer unit amount in the copolymer (B), the acrylic copolymer (B) is a vinyl monomer unit (b-) containing at least one of a carboxyl group and an acid anhydride group. Thermosetting, which is an acrylic copolymer containing the monomer unit derived from 1) within a range of 10 to 70% by mass and having an acid equivalent within a range of 200 to 900 g / eq. Coating composition.
さらに補助硬化剤(C)を5〜50質量%の範囲内で含有し、補助硬化剤(C)は、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基および水酸基のうちの何れか1種以上と反応性を有する官能基を含有する化合物、樹脂、またはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載の熱硬化性被覆組成物。Based on the total blending amount of the thermosetting coating composition, it contains 10 to 85% by mass of acrylic copolymer (A) and 10 to 85% by mass of acrylic copolymer (B). The total amount of the copolymer (A) and the acrylic copolymer (B) is 50 to 95% by mass,
Further, the auxiliary curing agent (C) is contained in the range of 5 to 50% by mass, and the auxiliary curing agent (C) reacts with any one or more of epoxy group, carboxyl group, acid anhydride group and hydroxyl group. The thermosetting coating composition according to any one of claims 1 to 4, which is a compound containing a functional group having a property, a resin, or a mixture thereof.
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