JP4679523B2 - 静脈投薬過誤による害に関するインデックスシステム - Google Patents

静脈投薬過誤による害に関するインデックスシステム Download PDF

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Description

本発明は、保健医療施設における患者の管理システムおよび方法に関し、特に回避された投薬過誤の重大性の程度を評価するシステムと方法に関する。
投薬過誤、すなわち薬の発注、調合および投与の過程において発生する過誤は、それが傷害を生じたかどうかに関わりなく、公共機関における保健医療サービスの提供において重要な検討課題となっている。また投薬過誤の一部である有害ドラッグイベント(「ADE:adverse drug events」)は、医療の介入を必要とする薬による傷害およびいくつかの非常に深刻な投薬過誤を表しているが、これは多くの患者の傷害や死亡の原因となっている。保健医療施設は投薬過誤の発生を抑える方法を継続的に探求している。現在、回避可能な有害ドラッグイベント(「PADE:Preventuble adverse drug events」)の発生頻度およびその重大性の程度を低減するための様々なシステムや方法が開発されている。薬剤投与において、以下の代表的な5つの「正しい項目」または要素に注意が注がれている。すなわち正しい患者、正しい薬、正しい経路、正しい量、および正しい時間である。ADEやPADEを低減するためのシステムや方法は、これら5つの正しい項目を考慮しなくてはならない。
公共機関における薬の引渡し、確認および管理は従来から間違いが起こりうる領域であった。一般的な施設において、医者はある患者について薬の指図を入力する。この指図は単純な処方箋であったり、あるいは医師指図入力(「POE:Physician order entry」)システムなどの自動化システムへの入力であったりする。処方箋またはPOEシステムの電子処方は薬局へ送られ、そこで処方薬が調合される。典型的には、薬局は医師の指図をチェックして、それが患者にアレルギーを生じさせる可能性がないか、2種類以上の薬が処方された場合に薬の相互作用がないか、また処方薬が患者に使用してはならない薬ではないかを調べる。施設によっては、処方薬を確認し薬局内で集め、それらをキャリヤに入れてナースステーションに送る。ナースステーションにおいて、引き渡される薬は再度処方と照合され、誤りがないことを確認する。
一般的に、薬剤はドラッグカートまたは他のキャリアでナースステーションに運ぶことにより、薬の盗難その他の紛失をある程度防止するための安全性を確保している。一例を挙げると、ドラッグカートまたはキャリアは複数の引出しや容器に分割され、それぞれの引出しには一人の患者の処方薬が納められている。薬を取り出すには、ナースは適切な暗証番号を入力して引出し、扉または容器を解錠する。また、一般に使用する薬の在庫をナースステーション内またはその近くに配置した安全キャビネットの中に納めておくこともできる。この薬剤在庫は局部に適用する薬だけでなく、経口、筋肉内部投与(「IM:intramuscular」)および静脈内投与(「IV:intravenous」)薬剤も含めてもよい。キャビネットにアクセスするには一般的にナースの暗証番号および薬剤指図番号が必要である。
ナースステーションはある間隔毎に患者に渡す薬剤のリストを受け取る。ナース、他の介護者その他の資格者が渡すべき薬剤のリストを読んで、ナースステーション内の在庫からそれらの薬を集める。ナースステーションが管理するユニット内の患者に渡すべきすべての薬が収集されたなら、一人または複数のナースが薬を個々の患者に持っていき投与する。
そのようなシステムは、IV薬剤を投与する場合において、適切な投薬計画が患者に実行されていることを完全に確証することはできないかもしれない。例えば、ナースがIVバッグをある患者領域に持っていき、バッグを吊るし、治療パラメータによって点滴ポンプをプログラムし、薬剤の点滴を開始するとする。しかし、たとえ投与するための正しい薬剤が正しい患者に届いたとしても、例えば点滴ポンプなどの自動化あるいは半自動化された投与装置を使って薬剤を投与する場合、もし自動化装置が正しくない薬剤投与パラメータでプログラムされていれば、誤った薬剤投与が発生してしまうかもしれない。例えば、たとえ薬剤指図書に正しい点滴パラメータが含まれていても、それらパラメータは点滴ポンプに誤って入力される可能性があり、その結果点滴ポンプの薬剤投与では処方された治療ができなくなってしまう。
誤った治療パラメータの入力を防止するための予防策をシステムに組み込むひとつの試みとして、設定変更可能なドラッグライブラリを利用するものがある。これはパラメータ入力過程をモニターし、万一誤った入力または範囲外の入力が行われた場合に介護者と対話することができるものである。そのような場合、入力したパラメータが誤っていることあるいは治療を提供している施設が設けた範囲を超えていることを介護者に警告する。これらの設定変更可能なドラッグライブラリは投薬過誤をさけるための技術を著しく進歩させては来たが、投薬過誤の重大性の程度に基づいて警報を異ならせることは行っていない。検出された投薬過誤の重大性の程度または「危害可能性」を評価することは、介護者に個々の過誤に対してより適切に対応することを可能にするので有利である。
さらに、例えば、ある治療に関するイベントの記録を記憶させるための専用のメモリを点滴ポンプに設けるなど、治療計画の実施に関わるすべての行動を記録するために様々な方法が用いられている。例えばあるシステムにおいて、点滴ポンプにメモリを設けて、それに治療パラメータ、患者識別番号、介護者識別番号および他の情報を含む治療情報を後で取り出せるように記憶させる。あるいは、アラームや他の警報の発生等、治療実施中に発生するある種のイベントのみに関する情報を記憶させるように点滴ポンプをプログラムすることもできる。これらの警報に関する詳細なレポートを作成して、施設が現行の実施形態を評価しIV投薬の安全性を改善する方法を見いだすことに使うこともできる。しかしこれらのレポートは普通生のデータであり、それが施設にとって有用になるには更に分析がひつようである。したがって、個々の回避された投薬過誤の重大性の程度または危害可能性を評価することによって過去に遡る投薬過誤の分析を改善することが有益である。
すなわち、患者に対する保健医療の更なる改善のために必要であるが現在利用できないと認められるものは、回避されたIV投薬過誤に関わる危害可能性の評価を含む患者介護管理システムである。このシステムはさらに検出された投薬エラーの重大性の程度に基づいて、介護が行われる場において適切な警報を行うことができる。本発明はこれらのニーズおよび他の必要性を満たす。
簡潔にかつ一般的な言葉で表せば、本発明は、回避された静脈投薬エラーに関わる危害の重大性の程度を評価し、投薬エラーに危害インデックス値を割り当てることによってこれらエラーをより効率的にモニターし、追跡し、修正するためのシステムと方法に関するものである。
本発明の一つの特徴として、患者への薬剤投与に関わる投薬エラーの重大性の程度を評価するためのシステムであって、 危害インデックスデータベースを格納する第一メモリであって、前記危害インデックスデータベースは様々な投薬エラーに関わる危害インデックス値を含み、前記危害インデックス値は投薬エラーの重大性の程度を表すように構成された第一メモリと、投薬エラーのログを格納した第二メモリと、第一および第二メモリに動作可能に接続され、投薬エラーに関する前記危害インデックスデータベースに格納された危害インデックス値に基づいて、前記ログ内のそれぞれの投薬エラーについて総合危害インデックス値を決定するように構成されたプロセッサと、それぞれの投薬エラーについての総合危害インデックス値をユーザーに報告する手段とからなるシステムがある。
更に詳しい特徴として、各投薬エラーについて前記総合危害インデックス値をユーザーに報告する手段は、各投薬エラーについての前記総合危害インデックス値を表示するためにプロセッサに動作可能に接続されるディスプレイを有する。別の詳細な特徴として、各投薬エラーについて前記総合危害インデックス値をユーザーに報告する手段は、各投薬エラーについての前記総合危害インデックス値のレポートを印刷するためにプロセッサに動作可能に接続されるプリンターを有する。
別の詳細な特徴として、このシステムは更に、患者に薬剤を投与し、投薬エラーのログ(log)を提供する少なくとも1つの患者介護装置と投薬エラーのログを第2メモリに通信する手段とを含む。
別の詳細な特徴として、危害インデックスデータベースは更に患者治療に関わる複数の危害インデックスパラメータを含み、その各々の危害インデックスパラメータがそれに関わる投薬エラーの重大性の程度を表す危害インデックス値に関連づけられ、前記プロセッサはさらに、各投薬エラーに対応する各危害インデックスパラメータについての危害インデックス値の評価に基づいて、前記ログ内の各々の投薬エラーについて総合危害インデックス値を決定するように構成される。更に詳細な特徴として、危害インデックスパラメータは薬剤タイプ、投薬量、患者の介護レベルおよびエラーの検出可能性を含む。前記ログ内のそれぞれの投薬エラーは複数の治療パラメータによって定義され、前記プロセッサは更に各投薬エラーについて前記危害インデックスパラメータを前記治療パラメータと比較し、各治療パラメータに一つの危害インデックス値を割り当てて各投薬エラーの前記総合危害インデックス値を決定するように構成されている。
本発明の別の特徴として、患者への薬剤投与に関わる検出された投薬エラーの危害可能性を評価するためのシステムであって、患者に薬剤投与するための患者介護装置と、患者介護装置をプログラムして患者に薬剤投与するための薬剤投与パラメータ値を入力する手段と、薬剤投与パラメータの許容値を表す薬剤投与ガイドラインを格納する患者介護装置に関わるメモリと、前記メモリに動作可能に接続され、前記入力値を前記許容値と比較するように構成され、これらの値の不一致を表すエラーが検出されたことを表すプロセッサとからなり、前記メモリはさらに複数の投薬エラーに関わる危害可能性を表す危害インデックス値を含む一つの危害インデックスデータベースを格納し、前記プロセッサはさらに前記危害インデックスデータベースに格納された対応する投薬エラーに関わる前記危害インデックス値に基づいて表示されたエラーの総合危害インデックス値を決定するように構成されており、さらに前記総合危害インデックス値をユーザーに報告する手段とからなるシステムがある。
更に詳細な特徴として、総合危害インデックス値をユーザーに報告する手段は前記プロセッサに動作可能に接続されて前記エラーおよび関連する総合危害インデックス値を表示するディスプレイを有する。前記危害インデックスデータベースはさらに患者治療に関わる複数の危害インデックスパラメータを含み、その各々の危害インデックスパラメータがその危害可能性に従って前記危害インデックス値に関連づけられ、前記プロセッサはさらに前記表示された投薬エラーに従って前記危害インデックスパラメータに関わる前記危害インデックス値に基づいて前記表示されたエラーの前記総合危害インデックス値を決定するように構成される。更に詳細な特徴として、前記危害インデックスパラメータは薬剤のタイプ、投薬量、患者の介護レベルおよびエラーの検出可能性を含む。
本発明の更に別の特徴として、患者に薬剤を投与する患者介護装置であって、患者に薬剤投与するための薬剤投与パラメータ値を入力する手段と、薬剤投与パラメータの許容値を表す薬剤投与ガイドラインと複数の投薬エラーに関わる危害インデックス値を含む危害インデックスデータベースとを格納するメモリであって、前記危害インデックス値が前記投薬エラーの危害可能性を表すように構成されたメモリと、動作可能に前記メモリに接続され、さらに前記入力値を前記許容値と比較し前記入力値が前記許容値と一致しない場合に総合危害インデックス値を決定するように構成されたプロセッサであって、前記総合危害インデックス値が、前記危害インデックスデータベースに格納され前記入力値に関連づけられた前記危害インデックス値に基づいて決定されるように構成されたプロセッサと、前記総合危害インデックス値をユーザーに報告する手段とからなる患者介護装置が提供される。更に詳細な特徴として、総合危害インデックス値をユーザーに報告する手段は、総合危害インデックス値をユーザーに表示するディスプレイを含む。
さらに、患者介護装置による患者への薬剤投与に関わる投薬エラーの重大性の程度を評価する方法であって、前記患者介護装置に入力された治療パラメータ値を治療パラメータの許容値のライブラリに格納された値と比較することにより前記入力値が範囲外であることを検出するステップと、前記入力値が前記許容値のライブラリ内には見つからないと前記の比較が示した場合に、前記入力値が範囲外であることを示す警報を出すステップと、前記警報に関わる情報を前記患者介護装置のメモリに格納するステップと、前記薬剤投与装置の前記メモリに格納された情報をプロセッサに通信するステップと、格納された情報によって表わされた警報に対して、警報の重大性の程度を表わす危害インデックス値を危害インデックス値を様々な警報に割り当てる危害インデックスデータベースから決定することにより前記格納された情報を分析するステップと前記格納された情報によって表された前記警報の総合危害インデックス値を前記介護提供側に報告するステップとからなる方法がある。
本発明の別の方法の特徴として、患者介護装置による患者への薬剤投与に関わる投薬エラーの重大性の程度を評価する方法であって、前記患者介護装置に入力された治療パラメータ値を治療パラメータの許容値のライブラリに格納された値と比較することにより前記入力値が範囲外であることを検出するステップと、前記入力値が前記許容値のライブラリ内には見つからないと前記の比較が示した場合に、前記入力値が範囲外であることを示す警報を出すステップと、前記警報に関わる前記入力した治療パラメータ値と、前記警報に関わる前記治療パラメータに基づいて警報の重大性の程度を表す危害インデックス値を与える危害インデックスデータベースとを比較することによって前記警報の危害インデックス値を決定するステップとからなる方法がある。
本発明の他の特徴や利点は実施例の図面を参照した以下のより詳しい説明によって明らかとなるであろう。
本発明は投薬過誤の危害の程度を評価するためのシステムと方法を提供する。さらに本システムは、計算された危害インデクス値および/または施設全体の各種エラーについての危害インデックス値の詳細を示す過去に遡るレポートに基づいて、介護が行われる場において適切な警報を与えることができる。
図面には同様または対応する要素には同じ参照番号を用いてある。これら図面を参照するに、図1には本発明の特徴による統合された病院内情報/介護管理システム28全体が示される。施設の情報/介護管理システムの各種サブシステムが通信システム30を介して接続されている。通信システム30は例えばローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、インターネットまたはイントラネットによるネットワーク、または信号を搬送して施設内の各種情報システム間の通信を可能にする他の通信ネットワークでもよい。例えば図1に示すように、通信システム30は各種インターフェイス32を介して病院管理システム34、薬局情報システム36、医師指図(「PEO:Physician order entry」)入力システム38、および記憶装置42を有する病院情報システムサーバ40を接続している。一つの実施例において、通信システムはまた、病院内の様々な部門に配置されるコンピュータシステムも含む。例えば、図1の通信システム30はオプションとして、薬局中央演算ユニット(「CPU」)44および1つまたは複数のナーシングステーションCPU46に関連するコンピュータシステムを含む。ネットワークはまた、例えば生物医学エンジニアリング部門または臨床研究室などの他の部門のコンピュータシステムも含む。一つまたは複数の患者介護装置48も通信システム30に接続することができる。
通信システム30は、ワイヤまたは光通信ケーブルを使って、例えばイーサネット(登録商標)(IEEE522.3)、トークンリングネットワーク、あるいは他の適当なネットワークトポロジーで構成することができる。別の実施例として、通信システム30を無線システムで構成することができる。これは治療施設内に設置される発信器と受信機を使い、および/あるいは各種サブシステム、コンピュータ、患者介護装置および施設で使用される他の装置に取り付けられる。そのような無線システムにおいて、システムによって発信および受信される信号は、高周波(「RF」)、赤外線(「IR」)または適切な発信器と受信機を有する装置間を無線で情報を運ぶことのできる他の手段であってもよい。そのようなシステムは、そのシステムの様々な部分を接続するのにワイヤが必要ないという点を除いて、図1のシステムと同じであっても良いことが当業者には直ちに理解されるであろう。
各種システム34、36、38、40のそれぞれは、一般にデジタルコンピュータなどのハードウェアの組み合わせで構成される。それらコンピュータには例えば、一つまたは複数の中央演算処理ユニット、高速命令およびデータ記憶装置、ソフトウェアのオンライン大容量記憶装置、オンライン短期データ記憶装置、オフライン長期データ記憶装置、および各種の通信ポートが含まれる。オフライン長期データ記憶装置としては取外し可能なディスクドライブプラッター、CD ROMや磁気テープなどがある。また各種の通信ポートは、例えばモデム、ネットワーク30のようなローカルまたはワイドエリアネットワーク、レポート作成用プリンタに接続する。そのようなシステムはまた、ビデオディスプレイ、キーボード、タッチスクリーン、プリンターおよび各種臨床装置のインターフェイスも含む。各種システムのプロセッサまたはCPUは一般的に本発明の様々な部分を実行するために、以下にさらに詳しく説明するように一つまたは複数のコンピュータプログラムおよび基本的な運用ソフトウェアまたは他の運用プログラムや適切なオペレーティングシステムによって制御される。基本運用ソフトウェアには例えばマイクロソフト社が配布しているWindows NTTM(登録商標)、Windows 2000TM(登録商標)またはWindows XPTM(登録商標)のようなWindowsTM(登録商標)や、例えばLinuxやRed Hatによって配付された他の運用プログラム、あるいは他の適当なオペレーティングシステムが含まれる。運用ソフトウェアには他のハードウェアやネットワークとの通信、データ入力と出力、レポート作成および印刷を行う補助的なプログラムも含まれる。
患者介護装置48は、点滴ポンプ、生理学的モニター(例えば、心拍数、血圧、ECG、EEG、パルス酸素濃度計、呼気二酸化炭素量計測ユニット、および他の患者モニター)、セラピー装置、および他の薬剤投入装置から構成することができる。一つの実施例において、患者介護装置48はEggers等の米国特許No.5,713,856に記載されているものと類似のモジュールシステムを有する。この特許は引用することによりここに組み込む。この実施例において、患者介護装置48は一つまたは複数の機能モジュール52、54、56、58に接続されたインターフェイスユニット50とも呼ばれる高性能プログラミングモジュール50を有する。インターフェイスユニット50は、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)62等のメモリおよびユーザーインタフェイス装置64等の一つまたは複数のインターフェイス装置に接続された中央演算ユニット60、コード化データ入力装置66、ネットワーク接続68、および追加モジュールや装置と通信するための補助インターフェイス70を含む。また、必ずしも必要ではないが、インターフェイスユニット50はソフトウェアやデータを記憶するための好ましくはハードディスクドライブのようなメイン不揮発性記憶装置72と上記要素を相互接続するための一つまたは複数の内部バス74を含むことが好ましい。あるいは、ネットワークに接続された患者介護装置48または他の患者介護装置は、インターフェイスユニット50と同じコンポーネントを含む単一モジュール患者介護装置とすることもできる。
代表的な実施例において、ユーザーインタフェイス装置64はタッチスクリーンであって、ユーザに情報を表示し、ユーザーがスクリーンの定義された領域に触れることで情報を入力することができる。あるいは、ユーザーインタフェイス装置64は、例えば、モニター、プリンター、キーボード、ソフトキー、マウス、トラックボールおよび/またはライトペン等、情報を表示し入浴するための手段を含むことができる。コード化データ入力装置66は好ましくはバーコードフォーマットで印刷されたデータをスキャンし解読できるバーコードリーダであることが好ましい。あるいは、コード化データ入力装置66は、例えば磁気帯を読み込む装置、PCMCIAスマートカード、高周波カード、メモリースティック、CD,DVDあるいは他のアナログやデジタル記憶メディア等、コンピュータにコード化されたデータを入力する装置とすることもできる。データ入力装置66の他の例として、音声作動/認識装置あるいはポータブルパーソナルデータアシスタント(「PDA」)が含まれる。インターフェイス装置のタイプによっては、ユーザーインタフェイス装置64とコード化データ入力装置66は同じ装置であってもよい。あるいは、図1ではコード化データ入力装置66をインターフェイスユニット50内に配置しているが、データ入力装置66は薬局情報システム36内に組み込んでも良いし、外部に配置してRS−232シリアルインターフェイスまたは他の適切な通信手段を介して薬局情報システム36と通信するようにしてもよいことは当業者であれば分かるであろう。補助インターフェイス70は好ましくはRS−232通信インターフェイスが好ましいが、周辺装置と通信するための他の手段、例えばプリンター、患者モニター、点滴ポンプあるいは他の医療装置などを本発明の範囲を逸脱することなく使用することができる。
ネットワーク接続68は好ましくは直接のネットワーク接続であり、例えばT1接続、統合されたサービスのデジタルネットワーク(“ISDN”)接続、デジタル加入者線(「DSL」)モデムまたはケーブルモデムなどがある。あるいは、直接または間接ネットワーク接続を使うこともできる。例えば、限定はされないが、電話モデム,MIBシステム,RS232インターフェイス,補助インターフェイス、光リンク、赤外線リンク、高周波リンク、マイクロウェーブリンクまたはWLANS接続などを用いることができる。
機能モジュール52、54、56、58は患者に介護を提供したり患者の状態をモニターするものであればいかなる装置でもよい。本発明の一実施例において、機能モジュール52、54、56、58の少なくとも一つは、薬剤または他の溶液を患者に投与する静脈点滴ポンプである。説明のために機能モジュール52は点滴ポンプモジュールとする。機能モジュール54、56、58のそれぞれはどのようなタイプの患者治療またはモニター装置であってもよく、例えば、限定はされないが、点滴ポンプ、シリンジポンプ、PCAポンプ、硬膜外ポンプ、腸注入ポンプ、血圧モニター、パルス酸素濃度計、呼気二酸化炭素量計測ユニット、EKGモニター、EEGモニター、心拍数モニター、頭蓋内圧モニターなどがある。あるいは機能モジュール54、56および/または58はプリンターやスキャナーでもよいし、または他のいかなる周辺入力/出力装置であってもよい。
各機能モジュール52、54、56、58はインターフェイスユニット50と直接または間接的に通信し、インターフェイスユニット50が装置48の全体的な監視および制御をおこなう。好ましい実施例において、機能モジュール52、54、56、58は図1に示すようにまたEggers等が詳述するように物理的かつ電子的に直列にインターフェイスユニット50の一端または両端に接続される。しかし当業者ならば分かるように、本発明の範囲を逸脱することなく機能モジュールをインターフェイスユニットに接続する手段は他にもある。また十分な書換え能力と接続性を備えたポンプやモニター等の装置は別のインターフェイスユニットなしにネットワークと直接通信することもできることが理解されるであろう。上記のように、追加の治療装置や周辺装置を一つまたは複数の補助インターフェイス70を介して患者介護装置48に接続することができる。
それぞれの機能モジュール52、54、56、58としては普通、モジュールに特化したコンポーネント76、マイクロプロセッサ78、揮発性メモリ80および情報を記憶するための非揮発性メモリ82を含む。図1には4つの機能モジュールを示すが、中央コンピュータ50に直接または間接的に接続される装置の数はいくつでもよい。ここで説明する機能モジュールの数とタイプは例として示したものであり、本発明の範囲を限定するものではない。モジュール特化コンポーネント76としては特定のモジュールの動作に必要なコンポーネントならどんなものでもよく、例えば点滴ポンプモジュール52のポンプ機構などがある。
それぞれの機能モジュールは普通少なくともある程度の独立した動作をおこなうことができるが、インターフェイスユニット50は装置48の全体的な動作を監視し制御する。例えば以下により詳しく説明するが、インターフェイスユニット50は機能モジュール52、54、56、58にプログラミング命令を与え、各モジュールの状態を監視する。
図1に示すように、保健医療施設における薬局に関わるコンピュータシステムは中央演算ユニット44を有し、そのユニットには患者情報や薬剤パラメータを入力および表示するためのビデオディスプレイ90およびキーボード92が取り付けられている。さらに薬局CPUには発光/受光するライトペン96付きのバーコードリーダー94が取付けられている。ライトペンは薬剤容器、装置または介護者識別バッジに貼付けたバーコードラベルを読み込むものである。薬局CPU44にはさらに患者履歴および/または患者治療に関する情報を含むレポート作成のためのバーコードプリンター98とプリンター100が接続されている。プリンター100はまた、患者または薬剤データを技師または薬剤師がキーボード92や他の手段を使って薬局コンピュータ44に入力した後に、薬局CPU44が作成したバーコードラベルを印刷するために使うこともできる。
もう一つのコンピュータ、ここではナースCPU46と呼ぶが、これがナースステーションに配置される。ナースステーションは普通病院や診療所の様々な区域および/またはフロアーに配置され、記録の保管および患者ベッド数の監視のためのセンターとなっている。ナースステーションに設置されるナースCPU46は普通、患者を表示したりまたは施設の特定ユニットの動作に関する情報を表示するためのビデオディスプレイ102、および患者データを入力したり特定のコマンドを入力してナースCPU46に患者の治療履歴や治療のコースや進捗状態に関するレポートを接続したプリンター106またはビデオディスプレイ102上に作成させるためのキーボード104、マウス、タッチスクリーン、または他の手段を含む。以下により詳しく説明するが、ナースCPU46はまた他のレポート、例えば患者に投与する予定の薬剤、ナースが患者に費やした時間などの生産性測定値に関するレポートあるいは特定のユニットまたは病院の効率的運用に役立つ他のレポートを印刷することもできる。例えば、投与した実際の時間と投与予定時間を示したレポートを作成して人員配置要求の評価に役立てることもできる。
ナースステーションに関わるそれぞれの介護ユニットは普通、個室、共有部屋または複数のベッドがある解放または半解放病棟における一つまたは複数の患者ベッドから成る。本発明の実施例によれば、それぞれの個室、半個室または病棟領域は一人または複数の患者をモニターし治療するための少なくとも1つのベッド脇CPU(図示せず)を有する。ベッド脇CPUは患者の近くに普通に配置されたコンピュータまたはプロセッサを有するシステムであってもよい。そのようなコンピュータまたはプロセッサは、ベッド脇コンピュータとしてだけでなく、手に取付ける装置すなわち生命兆候装置、ラップトップコンピュータ、PDAなどにも組み込むことができる。一つの実施例において、インターフェイスユニットは一人の患者用のベッド脇CPUとして動作する。
本発明の一実施例によれば、患者介護装置48は投薬危害インデックスシステムを含む。これは検出された投薬エラーを分析するものであり、特に投薬過誤に関わる危害可能性を評価するものである。図4A−4Cに関連して詳しく説明するが、危害インデックスデータベースを患者介護装置からアクセス可能にすることによって、各種薬剤投与パラメータについての危害インデックス値を提供し投薬過誤の総合的危害インデックスを算出することができる。ここで使われる「データベース」という用語は一般に理解されているように使っていることは当業者には理解されるであろう。すなわち、「データベース」という用語はソフトウェアや他の形態での適切なプログラムを使って取り出したり分析したりできるように作られ、フォーマットされかつ記憶された値または情報の集まりを意味する。総合危害インデックスとは投薬過誤に関わる危険または危害の可能性を示す点数または格付けを表すものである。この総合危害インデックスを使って、検出された医療過誤の重大性の程度について介護者に警告することにより、介護現場で適切な行動がとれる。
そのようなシステムは各種の患者介護装置に使うことができるが、特にポンプ(IV infusion pump)52のように、プログラミングを必要とする静脈点滴ポンプに対しては特に有用である。インターフェイスユニットを含まない単一モジュール点滴ポンプも本発明の投薬危害インデックスシステムを組み込むことができる。エラーの危害インデックスは医療における過誤を検出するための保健医療施設におけるどのようなシステムにも使うことができる。例えば、ある点滴ポンプは入力された点滴パラメータを例えば薬局情報システム36などのネットワークからアクセスできる処方されたパラメータの記録に照らし合わせて正しいことを確かめる。パラメータが一致しない場合、危害インデックス値を示すことによって過誤の重大性の程度を介護者に知らせることができる。以下に詳しく説明するが、このシステムは点滴ポンプにプログラムされた誤ったパラメータを検出するために使う薬剤ライブラリのような投薬ガイドラインとともに使用すると特に有用である。
患者介護装置48は施設が確立した医療ガイドラインを含む図2に示すデータベース200,202,204,206のような一つまたは複数の電子データベースを記憶することができる。これらの施設ガイドラインは各種薬剤の投与のための適切なパラメータを提供することができる。例えば、ガイドラインには薬剤投与パラメータに関する施設が確立したガイドラインまたは制限が含まれる。例えば、投薬量、投薬頻度、および点滴ポンプをプログラムするための適切な流量や点滴時間等の他の薬剤投与関連情報が含まれる。
本発明の一実施例において、患者介護装置48はまたいくつかの異なったモードあるいは人格で動作することができる。それぞれの人格は構成データベースによって定義される。患者介護装置内の構成データベースは少なくとも部分的には、患者の位置、年齢、肉体的特徴または医学的特徴など患者特有の情報によって選択される。医学的特徴としては、限定されないが、患者の診断、治療処方、医療履歴、医療記録、患者介護提供者識別、生理学的特徴または心理的特徴が含まれる。さらに、ここで使われる患者特有の情報は介護提供者情報(例えば内科医の識別)または病院内や病院コンピュータネットワーク内の患者介護装置の位置を含む。患者介護情報はインターフェイス装置64、66、68、70を介して入力することもできるし、またネットワーク30内のどこからでも、例えば病院管理システム34、薬局情報システム36あるいは施設内の他のシステムや部門から入力することもできる。
各種データソースとの引渡しデータは現存の技術でネットワークに適合するデータに変換できる。また医療装置とネットワーク間での情報の移動は各種の手段によって達成できる。例えば、患者介護装置48とネットワークは自動化された対話および/または手動対話によって通信することができる。自動対話は連続または間欠的に行うことができ、ネットワーク接続68(図1に示すように)を介して、あるいはRS232リンク、MIBシステム、ブルートゥース(Amtel Corp.,San Jose,Calif.)などのRFリンク、IRリンク、WLANS、デジタルケーブルシステム、電話モデムまたは他の通信手段を介しておこなうことができる。患者介護装置48とネットワーク間の手動対話は例えばユーザーインタフェイス装置64、コード化データ入力装置66、バーコード、コンピュータディスク、PDA、メモリーカードまたは他のデータ記憶用メディアを使って、システム間で間欠的にまたは定期的にデータを物理的に転送することによっておこなう。好ましくは通信手段は双方向であり、できるだけ多くの分散データソース地点からデータへのアクセスが可能である。意思決定はネットワーク内の様々な地点で発生し得る。例えば、本発明を制約するものではないが、意思決定は病院管理システム34、薬局情報システム36、ナースステーションや薬局CPUのような他の部門やシステム、あるいは患者介護装置48自体の中で行うことができる。
図2を参照すると、本発明の一実施例において、患者介護装置48のインターフェイス装置ユニット50には複数の構成データベース200、202、204、206が含まれる。本実施例は患者介護装置48のインターフェイスユニット50を主に説明しているが、構成データベースをモジュールシステムに含まれない点滴ポンプのような他の患者介護装置に格納してもよいことは理解されるであろう。構成データベースはインターフェイスユニット50のメモリ72に格納するのが好ましいが、一つまたは複数のデータベースを機能モジュール52、54、56、58(図1)内に格納することもできる。メモリ72は内部ハードディスクが好ましいが、例えば、限定はしないが、CD−ROM、EEPROM、ディスケット、テープ、外部ハードディスク、メモリーカード、フラッシュメモリなどの固定またはリムーバブル記憶メディアを使用してもよいことは当業者であれば理解できるであろう。オプションとして、構成データベース200,202,204,206をRAM62のような揮発性メモリに格納することもできる。
図2および図3を参照すると、それぞれの構成データベース200,202,204,206はそれぞれのデータベースを識別するためのユニークなデータベース識別子またはポインター210,212,214,216,216を含むことが好ましい。各データベース200,202,204,206は複数のフィールドを有し、このフィールドで例えば使用可能な治療プロトコル、薬剤ライブラリ情報、ルールセット、装置の特徴、さらに患者介護装置の特定の動作パラメータを定義するための他の情報を定義する。各構成データベース200,202,204,206は患者介護装置48に関して特定の動作環境または人格を定義する。個々の構成データベースは治療位置(例えば、集中治療室[ICU]、新生児集中治療室[NICU]、小児科、腫瘍科、その他)に特化させてもよいし、病状(頭蓋内圧管理、骨髄移植、その他)に特化させてもよいし、ユーザー(LPN,RN,内科医、その他)に特化させてもよいし、あるいは他の状況に応じて作成してもよい。例えば、本発明の一実施例によれば、患者介護装置48がICU内に設けられている場合、その装置は構成データベース200を使用し、患者介護装置48がNICU内に設けられている場合、その装置は構成データベース202を使用する。それぞれのデータベース200と202は、病院のそのユニットにおける患者に使用する装置48の環境を設定する特定の動作パラメータ、治療プロトコルや特徴などを含む。
図2と図3では各データベースは同じ情報カテゴリとタイプを有するように示されているが、これらデータベースは情報のタイプや量に関して大きく異なることもある。構成データベースのそれぞれは、選択された場合、少なくとも部分的には装置48の動作環境を定義し、いくつかのプロトコルまたはデフォルトの動作パラメータの複数グループを含む。
図3は本発明の一実施例によるサンプル構成データベース204をより詳しく示したものである。構成データベース204は複数のプロトコル232,234,236,238,240から成るプロトコルモジュール230を含む。各プロトコルはデフォルトの動作パラメータの複数のフィールドを有する。ある点滴プロトコルはすべてのデフォルトパラメータ値を定義した完全で詳細な点滴指図を含むことができる。他の点滴プロトコルは部分的に定義したパラメータを有し、ユーザーは追加データを介護現場で入力する必要がある。例えば、図3のプロトコルA232は薬剤点的ポンプを制御するためのデフォルト動作パラメータ値と他のデータのフィールドを有する。本例のフィールドには薬剤名300、濃度304、容器サイズ308、公称投薬速度312、初期ボーラス316、最大投薬速度320、最小投薬速度324、最大累積投薬量328、薬剤不適合332、およびIDフィールドであってプロトコルのレコードを識別あるいは「呼び出す」ためのレコードポインタ336を含む。それぞれのフィールドは普通、特定の点滴プロトコルを集合的に定義する格納されたデフォルトパラメータ値を含む。いくつかのフィールド、例えば薬剤不適合332は関連情報を有する別のデータベースまたは薬剤ライブラリへの参照またはリンクを含む。そのような共通に使用されるデータライブラリへの参照によって、データをプロトコルおよび/または構成データベースとの間で共有できるので二重に記憶させたり入力することを避けることができ、しかもデータベース情報を効率的に更新することができる。同様に、すべてのプロトコルをそれぞれの構成データベース内に格納する必要はない。むしろ、異なる構成データベースからのプロトコルをマスターデータベースまたはライブラリに格納して、それぞれの構成データベースにライブラリ内に格納した特定のプロトコルへの参照リンクを設けることができる。そのような構成は、同じプロトコルを二重に格納することを防止し、またライブラリ情報の更新を容易にするため、有利である。
そのようなプロトコルが選択されたなら、ある情報を提供しなければならない。例えば、装置48はネットワークに問い合わせて自動的に患者の体重などのデータを病院管理システム34内の患者の電子レコードから、また重要な投薬量パラメータを薬局情報システム36から取得し、処方薬を使用禁止にするテスト結果がないかどうか研究室に二重チェックする。薬剤処方ラベルのコード化情報について薬局情報システム36への二重チェックも自動的に実行することができる。あるいは、ユーザーが患者の体重や全投薬量を直接装置に入力してもよい。本発明の一実施例において、薬剤に特化したプロトコル内の情報は「薬剤ライブラリ」内の情報の超集合である。したがって、もしユーザーが薬剤名を選択すると、レコード内のあるパラメータが適用される。そのようなパラメータは一般的に薬剤名、投薬速度制限、投薬単位、場合により薬剤濃度と容器サイズを含む。ユーザーは例えば患者の体重、薬剤量、希釈剤体積、投薬速度、全投薬量等の欠けているデータを入力またはスキャンし、自動的に選択されたパラメータを要求に応じて確認する。
異なるプロトコルは普通、異なるフィールドおよび/または異なるパラメータ値を有する。したがって、プロトコルB234は、プロトコルA232と比較して追加フィールドを含み、その追加フィールドは一次/二次点滴、マルチチャネル協調点滴およびマルチ投薬プロトコル等の異なる点滴タイプの一つまたは複数を実行するための指図および/またはパラメータを定義する。あるいは、プロトコルB234はプロトコルA232と同じフィールドを含むことができ、それらフィールドの一つにおける一つまたは複数のパラメータ値が異なるだけである。例えば、両方のプロトコルは薬剤ドーパミンの点滴用であり、その内一つのプロトコルは濃度304値が400mg/250mLでもう一方が800mg/250mLの濃度304値を有する。
再び図2と図3を参照すると、データベース204のルールセットモジュール250はデータベース内の特定のパラメータを定義するのを助けるために使うルールおよび/またはアルゴリズムを含む。例えば、ルールセットモジュール250は、ネットワーク30内の他のソースから取得したデータ、例えば病院管理システム34から取得した患者の年齢、体重または医療履歴あるいは研究室から取得したテスト結果などのデータに基づいて、最大許容点滴速度またはいくつかの他のパラメータを変更するアルゴリズムを含むことができる。ルールセットモジュール250における他のルールセットはポンプモジュール52内の特定のイベント、例えば点滴ラインの閉塞など、が発生したときに警報または勧告を出すことができる。
モジュール250内の更に別のセットは一つまたは複数の機能モジュールからの測定値を使ってもう一つの機能モジュールの動作を変更するアルゴリズムを含むことができる。例えば、モジュール250は頭部に外傷を負った患者の血圧と頭蓋内圧をモニターし灌流圧を計算するルールセットを含むことができる。灌流圧が定義した範囲外に落ち込んだときシステムはユーザーに通知して、血圧を上げたり頭蓋内圧を下げたりするために治療エージェントの点滴速度を調整することを勧告する。
図2と図3に示すように、データベース204のポンプ制限モジュール260はインターフェイスユニット50に取付けられた点滴ポンプモジュール52および、もしある場合は他のポンプ装置、の全体的動作制限を定義する情報を含む。ポンプ制限モジュール260は普通少なくとも3つのフィールド、すなわちライン内空気(AIL)制限262、最大速度264、および最大圧力268を含む。各構成データベース200,202,204,206のポンプ制限モジュール260は異なるパラメータと値を持つことができるので、特定の構成データベース200,202,204,206が立ち上がっているときにモジュール260は装置50の動作特性と動作モードの定義を支援する。
AIL制限262は患者に接続した点滴ライン内の空気量の許容制限を定義する。許容AIL制限は患者ごとにまた病院内の場所ごとに異なる。例えば、小児科患者には許容制限50μLを設定し、一般の大人の患者には100−200μLの許容制限を、また手術室および/または外傷患者に対しては500μLを使用する。
最大速度264はその特定の構成データベース204のもとで動作している点滴ポンプの最大許容点滴速度を定義する。また定義された最大速度264値は患者クラス患者クラス、属性、場所等で異なる。例えば、小児科患者にヘパリンを投与する最大速度は10ユニット/Kg/時間に設定し、大人の患者には500−2000ユニット/時間の制限を設ける。
構成データベース204の機能使用/不使用モジュール270は、構成データベース204が立ち上がっているときに患者介護装置48のユーザーにどの機能、例えば点滴タイプのポンプ、が使用可能であるかを定義する。本発明の好ましい一実施例において、患者介護装置48は単純な溶液注入のための一次点滴や血管解放状態維持(「KVO」)機能から複雑なマルチチャネル薬剤投与機能まで幅広い機能をサポートすることができる。
図4A−4Cを参照する。本発明の一実施例によれば、危害インデックスデータベース400はインターフェイスユニット50のメモリ72に格納することができる。あるいは、データベース400は機能モジュール52のメモリ82に、またはネットワーク30を介して患者介護装置48がアクセスできる遠方のコンピュータに格納してもよい。危害インデックスデータベース400は各種危害インデックスパラメータに対する危害インデックス値または薬剤投与に関するファクターを含む。図4A−4Cにおいて、危害インデックスパラメータはデータベース400内において様々なサブデータベースに組織化されている。パラメータとしては、薬剤タイプ402や投薬量404(図4A)、患者の介護レベル406(図4B)、および過誤の検出可能性408(図4C)などがある。
薬剤タイプパラメータ402は、特定の薬剤が本来持っている危険性を定義する。それぞれの薬は、投薬エラーの総合危害インデックスを計算する際に、その薬の危険性または誤って処方されたときに患者に与える危害の可能性に応じてある値が割り当てられる。例えば、図4Aに示した実施例において、薬剤は高リスク410、中リスク412または低リスク414に分類される。例えばヘパリンの場合、普通高リスク薬として分類され、一方ドーパミンは中リスク薬として分類される。それぞれのリスクカテゴリ410,412,414にはそのリスクに応じたスコアまたは評価値を表す危害インデックス値が割り当てられる。図4Aに示すように、その値はまた、以下に詳しく説明するように、投与量にも依存する。図4Aに示すデータは別の薬剤ライブラリと関連づけてもよい。薬剤ライブラリは薬剤リストと各薬剤についての危害インデックスデータベース400内の適切な危害インデックスフィールドへの参照リンクとを含む。
投薬量パラメータ404は薬剤の投与量に関するリスクを定義し、それらのリスクに対する様々な投薬量についての危害インデックス値を与える。例えば、投薬量を低リスク416、中リスク418または高リスク420に分類し、それぞれのカテゴリに危害インデックス値を関連づけることもできる。それぞれの投薬量リスクカテゴリはまた薬剤タイプパラメータ402に依存するある範囲の危害インデックス値を関連づけることもできる。例えば、図4Aにおいて、組合わせ危害インデックス値は、低リスク薬−低リスク投薬量の場合1.5、低リスク薬−中リスク投薬量の場合2、低リスク薬−高リスク投薬量の場合3である。中リスク薬−低リスク投薬量の組合わせ危害インデックス値は2、中リスク薬−中リスク投薬量の場合4、中リスク薬−高リスク投薬量の場合6である。高リスク薬−低リスク投薬量の組合わせ危害インデックス値は3、高リスク薬−中リスク投薬量の場合6、高リスク薬−高リスク投薬量の場合9である。
投薬量パラメータ404のリスクカテゴリは、誤った投薬量と最大投薬量制限との比などの投薬エラーの程度に基づいて定めることができる。最大投薬量制限は選択した構成データベースにおける最大投薬速度320(図3)に対応する。例えば、図4Aにおいて、低リスク薬の低リスク投薬量は最大投薬量制限の1−4倍であり、一方、低リスク薬の高リスク投薬量は最大投薬量制限の10倍以上である。更に、高リスク薬の低リスク投薬量は最大投薬量制限の1−1.5倍であり、高リスク薬の高リスク投薬量は最大投薬量制限の2.5倍である。この比は過剰投薬に関わるリスクの正確な評価を与えると期待されるが、エラーの程度は実際に処方された投薬量または平均投薬量と比較することもできる。危害インデックスデータベース400はまた最低投薬速度、処方された投薬速度または平均投薬速度以下の投薬量に関する危害インデックス値も含むことができる。
介護パラメータ406のレベルは保健医療施設における各種患者介護レベルに関わるリスクを定義する。図4Bに示すように、異なる危害インデックス値が各種介護レベルについて与えられる。介護レベルには一般422、中間424、大人ICU426およびPICU/NICU428がある。一般介護レベル422は低リスクで危害インデックス値は1である。中間424は危害インデックス値が1.2、大人ICU426は危害インデックス値が2、およびPICU/NICU428は高リスクで、危害インデックス値が3である。介護レベルは選択した特定の構成データベース200,202,204,206(図2)によって定めてもよい。追加の介護レベル、例えば構成データベース(小児科や腫瘍科など)に関して記述した介護レベルも含めることができる。あるいは、介護レベルは他の尺度で定めることができる。例えば患者の臨床状態の危険性を点数化するアパッチスコアまたは他の広く使用されているシステムなどを使用できる。
検出可能性パラメータ408は有害な薬剤イベントが発生する前にエラーが介護者によって発見される可能性を定義し、患者に提供される監視量に基づいて危害インデックス値を与える。図4Cは「起こりそうな」検出可能性410には危害インデックス1を、また「起こりそうにない」検出可能性412には危害インデックス値2を割り当てていることが分かる。例として、ICU患者に対するドーパミンの過剰投与は普通すぐに発見されるであろう。なぜなら患者の生命兆候は常時監視されておりどんな有害な影響も直ちに発見されるであろうから。しかし、ヘパリンが患者に処方された場合、ヘパリンの過剰投与は薬剤による大きな有害な影響が起きるまで普通発見されないであろう。
インターフェイスユニット50のCPU60は、薬剤投与ガイドラインによってまたは患者介護装置48が使用する他の確認手順によって検出される様々なエラーに関して、個々のパラメータ402,404,406,408の危害インデックス値を決定する。あるいは点滴ポンプモジュール52のプロセッサ78が危害インデックス値を定めるための分析を行うことができる。そしてそれぞれのパラメータの危害インデックス値を、例えば加算によって、組み合わせて総合危害インデックス値を出す。例えば、あるエラーの総合危害インデックス値は、図4A−図4Cの評価値によれば3.5から14の範囲であり、その範囲の下端は最小危害可能性(すなわち臨床影響は無いか小さい)を表し、その範囲の中間点は中くらいの危害可能性(すなわち相当な臨床影響があり得る)を表し、その範囲の上端は厳しい危害可能性(すなわち生死に関わる臨床影響があり得る)を表している。
ナースにエラーを知らせるために警報を出すことができる。その警報は総合危害インデックス値が示すエラーの重大性に応じたものにすることができる。危害評価システムは音声アラームの大きさやパターンを変えることによってあるいは視覚アラームの表示を変えることによってエラーの重大性をいくつかの警報レベルで表すことができる。エラーの重大性によって、介護現場においてあるいは離れた場所、例えばナースステーションにも警報を出すか、あるいはナースや臨床医を呼び出すか、を決めることができる。本発明の一実施例において、危害インデックス値を使って、「ハード」や「ソフト」制限値を薬剤投与ガイドラインにおけるパラメータの後ろに加えるかどうかを定めることができる。例えばソフト制限は低危害インデックス値を有する薬剤に割り当てることにより、介護者が警報を無視することを許容し、他方ハード制限は警報の無視を防止する。
ここでは4つの危害インデックスパラメータ402,404,406,408について説明したが、当業者であれば危害評価に他の要素を含めてもよいことが理解できるであろう。さらに、特定のパラメータを定義し数値を定めるために他の手段を使用することができる。例えば、研究室の試験結果や年齢などの患者特有の情報を別のファクターとして含めてもよいし介護パラメータ406のレベルに組み込んでもよい。データベース400におけるファクターや危害インデックス値は最初に保健医療施設と打ち合わせて開発し、その後均一な危害インデックス評価システムを提供するために前もって定義されたフィールドとしてデータベース400に設けることができる。この方法は保健医療業界における投薬エラー評価の標準化を促すものであるが、編集ツール(図示せず)を使って個々の施設が危害インデックスデータベース400をカスタマイズできるようにしてもよい。
図1には病院ネットワークに直接に接続されるように示したが、患者介護装置48はネットワークに接続される必要はない。例えば他の方法なら遠隔システムからネットワークを介して取得する情報でも、インターフェイスユニット50のユーザーインタフェイス装置64を使って提供することができる。別の実施例において、患者介護装置48はPDAやベッド脇CPUを介するなどして間接的にネットワークに接続してもよい。
更に別の実施例において、危害インデックスシステムはまた、回避された投薬エラーを過去に遡って分析するために使うこともでき、それぞれの回避されたエラーに総合危害インデックス値を与えて分析する。本実施例において、警報または「イベント」記録は病院コンピュータのメモリに格納することができる。記録は患者介護装置48のメモリ72または82に直接格納してもよいし、さらに病院情報システムサーバ−40に関わるメモリ42に格納してもよい。病院情報システムサーバ−40は一般にネットワーク内の様々なコンピュータに入力され集められたデータ格納する。危害インデックス評価モジュールを含む情報/介護管理システム28の様々なアプリケーションモジュールはネットワーク内のそれぞれのコンピュータに常駐させてもよい。これについては以下により詳しく説明する。警報記録の分析は、薬局CPU44、ナースCPU46または例えば生物医学ワークステーションなどの施設内の別のワークステーションにおけるプロセッサによって行うことができる。あるいはこの処理は病院情報システムサーバ−40でそのワークステーションに設けたモジュールをアクセスすることにより行うこともできる。
図5には、本発明の介護管理システムの一例からなる各種アプリケーションソフトウェアモジュールのブロック図が示されている。介護管理システムのアプリケーションソフトウェアはモジュールで構成され、これによって1つまたは複数のアプリケーションソフトウェアグループだけでシステムの設置と運用を行えるようにしている。この構成は、コストと複雑さが問題となる施設や完全なシステムを必要としない施設など個々の施設の大きく変わる要求に対処する融通性を提供する。
情報/介護管理システム28のプログラムはモジュールアプリケーションの一つが発生したアラームや警報を制御する。アラームは適切なビデオディスプレイに自動的に送られる。例えば、ポンプ52が発生した閉塞アラームは一定の期間だけ現場に限定される。その期間が過ぎるとインターフェイスユニット50または患者のベッド脇コンピュータがそのアラームを通信システム30上で放送して他の病院スタッフに問題がある可能性を警告し、あるいは内科医やナースなど患者の介護の担当者を呼び出す。
モジュールアプリケーションのそれぞれを詳しく説明する。臨床の場におけるこれらモジュールアプリケーションのそれぞれの動作をより詳しく以下に述べる。医薬投与管理モジュール500は薬剤指図情報、点滴ポンプモニター、およびバーコード技術を統合して、患者に投与される薬剤のリアルタイムの検証および記録を支援する。薬剤投与管理モジュール500は患者に特化した薬剤投与記録(「MAR:medical administration record」)または統合薬剤投与記録(「IMAR:integrated medical administration record」)をオンラインでリアルタイムに患者ごとに作成し維持する。この薬剤投与管理モジュール500は患者に提供した介護に関して、施設で作成されたすべての情報を含む。薬剤投与管理モジュール500は施設内に分散している情報/介護管理システム28の周辺ハードウェアを有する様々なナースCPU46(図1)や患者介護装置48またはベッド脇CPUから情報を収集する。例えば、患者を診ている内科医が病気を診断し患者のために適切な治療コースを決定した場合、その医師は望ましい治療方法さらに投薬量および/または投薬期間などの適切なパラメータを指定した医療指図を手書きで作成する。手書きの処方は施設のメールシステムによって薬局に送られ、そこで処方が専用の端末または他の手段によって薬局情報システム36にまた情報/介護管理システム28に入力される。
もう一つの実施例において、内科医は指図を直接POEシステム38に入力して、そこから薬局情報システム36に指図を転送するようにできる。医師はまた別の専用端末、例えばナースCPU46から薬局情報システム36にアクセスすることもできる。あるいは治療指図はナースまたは他の資格を持つ介護者によって薬局情報システム36またはナースCPU46に入力してもよい。
普通、病院や他の公的機関においては患者識別ブレースレットを用いて、それぞれの患者がたとえ意識のない状態あるいは問いかけに応答できない状態であっても、患者を識別できるようにしている。患者識別ブレースレットに取付けたラベルにはバーコードが印刷してあり、患者を識別するための情報が一連のバーに暗号化されている。このバーコードは薬局CPU44や患者介護装置48に接続されて示される(図1)ようなコンピュータバーコードリーダを使って読み込むことができる。薬剤容器もまた、患者識別や薬剤指図番号、および施設が薬剤を投与し治療を追跡するのに役立つと判断したいかなる情報をも表示するバーコードラベルによって識別することができる。バーコードはまたバーコードリーダを使って読み込むことができる。以下に説明するような薬剤投与管理モジュール500内に含まれるような適切なアプリケーションソフトウェアを使って、薬剤容器およびその内容物を患者に取付けた患者識別ブレースレットにリンクさせることにより、正しい薬剤が正しい患者に正しい時間に正しい方法で確実に投与されるようにできる。そのような識別ブレースレットおよびラベルはまた、バーコードの代わりに、問い合わせを受けたり参照装置に情報を通信することのできるRF識別、磁気帯、スマートチップや他のワイヤレス装置などのパッシブ装置を含むことができる。
投与される薬剤が普通点滴ポンプを使って患者に投与されるタイプのものである場合、薬剤投与管理モジュール500は自動的に患者のMARに点滴開始時間を記録し、点滴中に定期的にポンプに問い合わせを行い、点滴の連続記録を取り、点滴の終了時間と点滴量を記録する。
薬剤投与管理モジュール500はオンラインでリアルタイムの患者への特定薬剤投与の図式的記録を過去、現在および将来の計画的投薬に関して持っているので、ナースはMAR上の予定投薬量を選んで、特定時間における患者の健康状態に依存するオプションのリストから選択した特定の理由によってその薬が投与されないことを表示することができる。またこのシステムにおいては、ナースはMAR上の予定投薬量を選んで、メモを書いたりオプションのリストから選んだ投薬量に関する観察事項を記録することができる。薬剤投与管理モジュール500はまたオンラインでリアルタイムのヘルプ画面を提供しており、これにナースや他の介護者がアクセスして選択した薬剤および投与量に関する特定の情報を表示できる。
インターフェイスユニット50は実行中の点滴のリストを提供し、それらは薬局CPU44のビデオディスプレイに表示できる。前もって選択した時間内に終了する投薬は色付けしたり他の手段によって他の投薬と区別することができる。残り時間、薬剤および患者名、更にはプログラム制御のためのボタンも表示される。
薬剤投与管理モジュール500は、例えば以下により詳しく説明する検証プロセス中において食い違いが認められたときに発生する警報のログを、格納されたファイル内に記録し維持する。また薬剤投与管理モジュール500において、ナースはその違いをリアルタイムで認知し修正するか、あるいは適切なコマンドを入力することによって警報を無効にすることができる。ナースが警報を無効にすることが許されている場合でも、薬剤投与管理モジュール500はナースに対して個々の警報無効処理についての理由を要求し、自動的にその理由を患者のMARに入力する。
薬剤投与管理モジュール500はナースまたは他の介護専門家が患者に介護を効率的に提供できるように彼らを支援する。その支援は、患者のMARにオンラインで問い合わせしてレポートを作成し、それによってナースが薬剤投与を計画したりナースユニットが普通担当する多くの患者に薬剤を投与する仕事のスケジュールを策定するのを支援する能力を提供するものである。例えば、ビデオディスプレイをカラーコード化してそれぞれの薬剤投与の状態とスケジュールを表すことができる。計画された投薬時間の30分前から30分後までの薬剤投与窓をディスプレイ上で黄色いバンドで表示することができる。タスクリストなどの他のレポートには、例えばすべての薬剤が正しく与えられるように投薬作業をある期間にわたって分散しながら患者への適切な投薬を確保するための投薬スケジュールを含めてもよい。このシステムはまた、ナースステーションビデオディスプレイ102上に視覚警報を表示することができ、あるいはプリンター106で印字レポートを作成することによって、遅れて実施されている薬剤投与や再スケジュールされた薬剤投与の永久的記録を提供することができる。薬剤投与管理モジュール500は自動的に動作するようにプログラムすることができる。すなわち特定のナースユニットや施設の要求に従って所定の間隔、例えば30分毎にナースステーションにおいて標準レポートを自動的に提供することができる。
図5に示す臨床モニター/イベント履歴モジュール502は、ネットワークに接続された患者介護装置48を含む様々な臨床装置をリアルタイムでモニターし、これら装置の情報をネットワークの別の場所にあるモニターステーションに提供する。例えば、臨床モニター/イベント履歴モジュール502は、ナースユニット内の個室、半個室または病棟領域の患者に投薬するために使用する複数の臨床装置をモニターするように構成することができる。臨床モニター/イベント履歴モジュール502はそれぞれの装置からリアルタイムデータを取得し、ナースCPU46(図1)に接続されたビデオディスプレイ102上にそれぞれの装置の状態と設定に関するすべての有意なデータを含む装置を視覚的に表したものを表示する。例えば、臨床モニター/イベント履歴モジュール502が点滴ポンプ52をモニターしている場合、ナースステーションのナースはそのポンプの状態をアクセスすることができ、それによってナースCPU46に接続されたディスプレイ102はその時点で実行されている点滴の状態に関する情報を表示する。例えば、情報には点滴中の薬剤名、患者名、開始予定、実際の点滴開始、点滴終了予定、点滴終了予測、点滴した薬剤の量、点滴の完了していない薬剤量、およびナースが注目すべき警報または不一致状態が含まれる。情報/介護管理システム28は完全に統合されたシステムなので、薬剤投与管理モジュール500が臨床モニター/イベント履歴モジュール502と協働することにより、ナース、医師または技師は、ナースCPU46、ベッド脇CPUまたはラップトップやPDAを含む他の遠隔(すなわち患者の位置にはない)コンピュータシステムのビデオディスプレイ上に表示された点滴の状態を評価した後に、例えばコンピュータのキーボードやタッチスクリーンを使って点滴計画を調整することができる。
また臨床モニター/イベント履歴モジュール502は警報が発生する都度、ナースCPU46に接続されたビデオディスプレイ102などの遠隔モニタースクリーン上に直ちにアラーム状態を表示するようにプログラムすることもできる。例えば、それぞれの患者の点滴状態をナースステーションのビデオディスプレイ上に表示させることもできる。警報が発生したら、患者の部屋を表すボックスが赤く点滅して注意を喚起する。このようにアラーム状態を表示することによって、ナースは素早くしかも容易にナースステーションから患者を識別してアラームを生じさせた状態に対処するための適切な行動をとることができる。このシステムはまた、特に重要なイベントであると識別されたアラームを、施設の薬局内に配置された薬局CPU44に接続されたビデオディスプレイ90など施設に配置される他のビデオディスプレイに表示させるようにプログラムすることもできる。
本発明の一実施例において、図5に示した危害インデックス評価モジュール504は一つまたは複数の患者介護装置48から集めた警報ログを分析してログ内のエラーに関連する危害インデックス値を求めてナース、技師または施設内の他のユーザに分析を報告する。危害インデックス評価モジュール504は特定の患者介護装置のレポートを作成することもできるし、施設内の患者介護装置のすべてまたは選択したサブセットからのイベントレポートを統合することもできる。
危害インデックス評価モジュール504は薬剤投与管理モジュール500およびイベント履歴モジュール502と協働して、これらモジュールが集めた警報ログや他のデータを使って、様々なエラーに関わる危害レベルを決定してレポートする。例えば、薬剤投与管理モジュール500は患者に治療を与える前または最中に患者介護装置が発生したアラームや警報に関わる情報を患者介護装置から受け取りまたは取得することができる。危害インデックス評価モジュール504はその後その情報を分析して危害評価に関わるレポートを提供する。患者介護装置48がネットワークに直接接続されていない場合、警報に関する情報をRS232ポートまたは他の接続を介して病院コンピュータを走らせているモジュール500と504にアップロードすることができる。このようにして、それぞれの患者介護装置のデータを個別にアップロードして一つまたは複数の警報ログデータベースにコンパイルすることができる。
患者介護装置48が回避されたエラーに関する危害インデックス値を自動的に計算するこのような実施例において、危害インデックス値は他の警報データとともに送信することができる。その場合、患者介護装置48のプロセッサ72または82はデータ分析をして危害インデックス値を算出し、危害インデックス評価モジュール504はそれをコンパイルして報告する。あるいは、回避された投薬エラーの危害インデックス評価は、薬局CPU44、ナースCPU46または病院情報システムサーバ−40や生物医学部門におけるような別のワークステーションのプロセッサを使って投薬エラーデータの集まりを過去に遡ってのみ行うこともできる。本実施例の場合、最大投薬制限およびそれぞれのエラーに特有な介護レベルなどのデータは、それぞれの患者介護装置から取得した警報ログに含めることができる。
危害インデックス評価モジュールは図6に示すような検出された投薬エラーの総合危害インデックス値のレポートを作成する。これらのレポートは、施設内の患者への薬剤投与を改善するために施設が使うことができる。すなわち施設はレポートを使って、頻繁に発生するエラーや状態を識別してそれらを薬剤投与プロセスまたは介護者の訓練を改善することによって直すことができる。そのようなレポートはオンデマンドでカスタマイズすることができる。すなわち介護者または他のイベント分析責任者が特殊形式のレポートを要求することができる。あるいは施設が前もって確立したレポートフォーマットのメニューをシステムが提供し、レポートを要求している個人や部門が選択できるようにしてもよい。あるいは、システムを自動化して、前もって確立されたフォーマットのレポートを作成し施設内の適切な個人または部門に所定の間隔で配布するようにできる。分析結果はまた将来の使用のためにまたは配布のためにメモリに格納することもできる。レポートはビデオディスプレイ90または102に表示したりプリンター100または106で印刷することもできる。
危害インデックス評価モジュール504の機能はまた、示されたような個別のモジュール504としてではなく、薬剤投与管理モジュール500のような別のプログラミングモジュールの一部として提供することもできる。
図5に示す臨床装置追跡/報告モジュール506は、施設内の各臨床装置の位置とその使用履歴の記録を取るために使用する。このシステムは施設内で使用される各臨床装置、例えば点滴ポンプや生命兆候センサー、の現在または最後に知られていた施設内位置の記録を取る。したがってナースや技師は与えられた療法計画や生命兆候測定のための適切な装置を容易に見つけ出すことができる。これは、装置が一時的に誤って配置される可能性のある、多数の患者部屋、患者ベッドまたは治療領域を有する大きな病院やクリニックにおいて特に有用である。このシステムはまた、治療に特定の装置を必要とするような緊急事態が発生した場合にも役に立つ。その装置の状態はナースCPU46に接続されたビデオディスプレイ102などの遠隔ビデオ端末から容易に確認できる。
臨床装置追跡/報告モジュール506はまた、各臨床装置の使用履歴の記録を取る。この記録には、装置が治療した患者、その設置位置、日付、時間、使用時間、発生したアラームおよび投与した薬剤に関する情報が含まれる。この履歴はまた、臨床装置の保守および校正記録も含まれる。そのような情報はオンラインで技師、ナースまたは他の病院管理者が問い合わせることができ、それによって臨床装置の特定を支援するためのレポートや装置の使用履歴のレポートを作成したり、予防保守と装置校正のログを提供する。複雑で感度の高い臨床装置を効率的に校正することは、治療提供の精度や質を維持する上で保健医療施設において特に重要である。また装置の使用履歴を維持することは、必要なときに、あるいは特定の臨床装置が古く新しいモデルに取り替える必要があることを記録が示している場合に、追加の臨床装置を購入することが妥当かどうかを確かめるためにも役に立つ。
情報/介護管理システム28はまた、それぞれの患者の治療に使われるすべての消耗品の記録を取る消耗品追跡モジュール508を含む。この記録によって、適切な消耗品が適時且つコスト効率のよい方法でナースユニットに確実に注文/配達され、必要な消耗品が切れるのを防止する。そのような情報はまた適切なインターフェイスまたは他の管理システムを介して病院在庫システムでも使うことができる。これによって消耗品の購入ができるだけコスト効率よく行うことができる。消耗品追跡モジュール508はオンラインでの問い合わせと、特定の患者、特定のナースユニットまたは他の様々な目的に関わる消耗品の使用をまとめたレポートの作成を提供する。
ユニット管理ツールモジュール510はナースが患者に関する情報を共有するのを支援し、しかもナースユニット内での日常的な処理を自動化する。ユニット管理ツールモジュール510は、ナースが患者のアレルギー、障害および特殊な介護要求を記録できるようにし、薬剤投与記録モジュール500や臨床モニター/イベント履歴モジュール502と協力して、薬局ビデオディスプレイ90、ナースビデオディスプレイ102(図1)またはベッド脇ビデオディスプレイなどすべての適切なディスプレイスクリーン上にその情報を目立つように表示する。ユニット管理ツールモジュール510はまた、患者が部屋またはそのフロアから出たときの患者移動とその時間をナースが記録できるようにしている。例えば、患者が手術室に移されたりまたはリハビリ治療などの特殊な治療のために施設の異なる場所に移動する場合などである。このシステムはまた、患者が予定された時間よりも長くシステムから切り離された場合にアラームを出すようにプログラムすることもできる。例えば患者が個人的衛生のために点滴から離れる場合などである。この機能によって、確実にアラームや警報が鳴り、適切な職員が起こりえる問題について知らされるので警報状態を緩和するために必要な行動をとることができる。
知識リソースツールモジュール512は病院内の様々なユニット間で情報を共有する枠組みを提供し、また施設内の保健医療の提供に関わるナース、内科医および技師が使う各種日常ツールをサポートする。このモジュールは外部情報ソースを介護システム30に組み込むことを可能にしあるいは支援し、それによって施設内の患者を治療する際の介護管理チームの有効性を改善する。
例えば、知識リソースツールモジュール512は、電卓、患者に点滴する特定薬剤の適切な投薬量と点滴速度を計算する投薬速度計算器、測定単位間の変換を行う標準測定変計算器、皮膚表面領域計算器、およびタイマーやストップウォッチなどを含む各種オンラインツールを提供することができる。これらのリソースはシステム内の適切なポイントにおいてビデオディスプレイ90,102上に表示することができ、また薬局、ナースステーションまたはベッド脇のCPUから使用可能となる。これらのアプリケーションツールは、点滴ポンプが点滴開始時に投薬速度の計算を支援するように設定された場合などに、自動的にビデオディスプレイ90、102上に現れるようにプログラムすることができる。またこれらリソースはナース、医師または技師が適切なコマンドを入力することで使用可能となる。
情報/介護管理システムソフトウェアは様々な施設の要求に対応するために各種オペレーティングシステム上で動作するように作成することができる。本実施例において、ソフトウェアはIBM互換マイクロコンピュータ上のWindows環境(Windowsはマイクロソフト社の商標)を使ってナースや医師と対話できるように作成する。Windows環境は当業者によく知られており、ここでは詳しくは説明しない。介護管理システムソフトウェアは、Windowsシステムを使って実施した場合、Windowsオペレーティングシステムがいくつかのプログラムを一度にロードする能力を提供するので特に有用である。いくつかのアプリケーションプログラムを同時に走らせながら、情報/介護管理システム28の各種ソフトウェアモジュールに直ちにアクセス可能とするマルチタスキングプログラムも使用することができる。
本発明の一つの特定動作モードを説明する。ほとんどの病院は薬剤を普通どのように投与するかを定義した確立された薬剤処方書を共通に有する。本発明による患者介護管理システムが最初に設置されるとき、病院の委員会が組織されてその処方書をどのように施設内の患者介護装置に適用するかを定める。(例えばICU、NICU、小児科、腫瘍科、外科、その他の病院ユニットによって決められる)構成定義が合意され、薬剤と代表的な点滴プロトコルおよびガイドラインが確立される。更に、すべての制限外条件が定義される。施設内の技師はこれらの値を構成データベース200,202,204,206に入力して特定の施設用にカスタマイズする。あるいは、施設は医療データベースを購入するか提供してもらうことができる。この医療データベースには一般に使用されるルールセット、プロトコル、制限外イベントなど施設によって使用できるもの、あるいは施設が必要に応じて変更できるものが含まれる。同様に、危害インデックスデータベース400は危害インデックス値を既に定義した状態で施設に提供することもできるし、施設がそれ自身の危害インデックス値をカスタマイズしてもよい。
病院または他の介護を提供する施設に来る患者には、リストバンド、ネックレス、アンクルバンドまたは他の識別子が取付けられ、患者が意識を失ったり応答できない状態になった場合でも患者を識別できるようにしている。このリストバンドや他の器具は患者の名前やその他施設が重要と判断した情報を表すバーコードを含むことができる。さらに、年齢、アレルギー、他の重要な情報などいかなる情報でもバーコードにコード化できる。あるいは、患者情報装置は患者に装着したリストバンドまたは他のキャリアに取付けたアクティブ埋め込みコンピュータまたはパッシブ装置とすることができる。そのような装置は、リーダーまたはワイヤレス発信器/受信器など、介護提供施設内に配置された装置に応答するもので、問合せを受けたときに他の情報とともに患者の識別を提供する。
患者が施設に受け入れられてベッドに置かれた後は、患者は普通内科医によって評価されて治療コースが処方される。医師が治療コースを処方するのは、一連の研究室のテストを要求する指図または患者に対して特定の薬剤投与を要求する指図を作成することによって行う。あるケースでは、医師は所定書式の用紙かスリップに書き込んで指図を作成する。その指図は医療サービスを提供する病院システムに入力される。別のケースでは、医師は医師指図入力システム38(図1)に直接薬剤指図を入力することができる。あるいはナースまたは他の介護提供担当者に入力するよう指示する。
指図が特定の薬剤投与の場合、その指図は施設の薬局に送られる。指図は手書きまたは電子形式で薬局に届き、薬局によって評価され処理される。その後、薬局は医師の要求に従って薬剤を用意する。普通、薬局は容器内に薬剤を包装し、指図のコピーあるいは少なくとも患者名、薬剤名および適切な治療パラメータを薬容器に貼付けたラベルに表示する。この情報はバーコードで表すか、あるいは埋め込みコンピュータやパッシブ装置を有するラベルなどのスマートラベルに格納することもできる。この薬剤指図は病院の薬局情報システム36が提供することができ、サーバ−40に格納することができる。
一般に、薬剤はその後適切な介護ユニットに渡されて患者に投与される。ナースまたは技師はその薬容器を適切な患者まで運ぶ。本発明の一実施例によれば、ナースまたは技師は最初に患者IDブレースレット上のバーコードを患者介護装置48またはベッド脇CPUに接続されたバーコードリーダー66を使って読み込む。ナースまたは技師は薬容器のラベルに印刷されたバーコードの上でバーコード棒を移動させてバーコードを読み込む。さらに、薬剤を投与する介護者の識別の記録は、施設のすべての職員が普通身に付けている識別バッジに印刷されたバーコードを読み込むことによって得られる。
上記ではバーコードラベルを使用する場合について説明したが、当業者であれば前記したようなパッシブな識別装置を使って患者、介護者および投与する薬剤を識別できることも理解できるであろう。そのようなシステムはバーコードを読み込む必要性がなくなり、比較的自動的に識別と処理をおこなって正しい患者に正しい薬剤が投与されていることを確かめることができる。
ある薬剤について介護者は選択された1つの患者パラメータまたは複数のパラメータ、例えば研究室値や現在の生命兆候、を記述するデータを入力するように求められる。例えば、介護者はある選択された薬剤を投与する前に患者の血圧の値を測定し入力するように求められる。このとき、適切な構成データベースもまた選択して検証される。このシステムはプロトコルを含む薬剤投与ガイドラインを含み、これらガイドラインは図3に示すように選択された構成データベース204のパラメータの許容値の範囲を与えるルールセットである。システムが範囲外のパラメータ値を検出した場合、本発明の危害インデックス評価システムが危害インデックスデータベース400(図4A−4C)を使ってエラーの重大性の程度を評価し、計算された総合危害インデックス値に基づいて、適切な警報を発生する。別の実施例において、パラメータは自動的にモニターされシステムに入力されるので介護者は手で入力する必要がなくなる。
一旦薬剤投与パラメータおよび他のデータがポンプに入力されたなら、薬剤投与管理モジュール500がそのデータを分析し、患者のMARに治療計画情報を記録し、そして正しい薬剤が正しい患者に正しい投薬量で正しいルートを通って正しい時間に投与されつつあることを確認する。もし薬剤投与管理モジュール500が患者のブレースレットに印刷されたバーコード情報と薬容器に貼付けたラベルのバーコード情報とが一致しないことを検出したなら、危害インデックス評価システムも使ってエラーを評価し適切な警報を発することができる。その後、ナースまたは技師は患者のブレースレットのバーコードを再度読み込むか、あるいはキーボード82やタッチスクリーン83、マウス、その他の装置を使ってベッド脇CPU80に適切な情報を入力することによって、不一致を直す。その不一致がバーコードの再読み込みによって自動的に修正できないとナースや技師が判断し、しかも危害インデックス値がそのエラーは小さく薬剤投与の精度や安全性には影響しないことを示している場合、ナースや技師はその警報を無効にすることができる。
本発明の一実施例において、薬剤がインターフェイスユニット50に繋がっている点滴ポンプ52などの点滴ポンプを使って投与される場合、介護管理システムは、薬剤投与管理モジュール500の検証機能が完了したときに、点滴用の適切な設定パラメータからなる情報を薬局CPU44から通信システム30を介してインターフェイスユニット50に自動的にダウンロードする。これは、自動的にポンプを設定することで間違いの一つの潜在的源を解消でき、それによってナースや技師が点滴ポンプ52を設定するために必要なパラメータを手で入力する必要がなくなるので、特に有利である。ネットワークからパラメータをダウンロードすることで自動的にポンプを設定することができない実施例においては、情報/介護管理システム28は正しい処置が正しい患者に与えられていることを確認するだけである。したがってポンプは医師、ナースまたは技師によって手動で設定しなければならない。
一旦点滴ポンプまたは他の患者介護装置が設定されたなら、ナース、介護者または技師は点滴ポンプ54の適切なコントロールを押すことによって点滴を開始する。情報/介護管理システムによって自動的にモニターできるポンプを始動させると、信号がポンプからベッド脇コンピュータに送られる。この信号は臨床モニター/イベント履歴モジュール502によってログされ、薬剤投与管理モジュール500によって患者のMARに入力される。ネットワークからパラメータをダウンロードすることによっては設定することのできないポンプを施設が使用している場合、ナースまたは他の介護提供者は例えばベッド脇CPU、ナースCPU46またはPDAを使って点滴開始を記録する。この場合、点滴の状態に関する情報を表示する介護管理システムのビデオディスプレイはリアルタイムデータを表示しない。その代わり、介護管理システムは、点滴パラメータ、点滴が開始されてから経過した時間、および介護提供者によって手で記録され且つ点滴の進捗状態に影響したかもしれないいかなるイベントでも与えられたなら、点滴がどのような状態になっているはずであるかを予測する。
上記のアプリケションモジュールを利用する介護管理システムはリアルタイムで点滴プロセスをモニターし、施設内に配置された適切なビデオスクリーン上に警報を出し、必要に応じて遠隔場所にいるナースまたは他の介護提供者に介入させる。さらに、危害インデックス評価モジュール504を利用する本発明の情報/介護管理システムは患者介護装置が発生した警報ログを過去に遡って分析する。例えば危害インデックス評価モジュール504は施設で回避された様々な投薬エラーに関する危害インデックス値について介護提供者または技師にレポートを提供する。
さらに、何度も前に述べたように、施設の通信システム30は制約されるようには意図されてはいない。そのような通信システムは病院施設全体を包含することもできるし、病院の小さな領域のみに配置することもできる。それはまた病院以外の介護施設における通信システムを含むこともできるし、患者の家など他の介護施設にも適用することができる。上記実施例は例としてのみ述べたものである。
上記の詳細な説明では、よく知られた装置、方法、手順および個々のコンポーネントについては本発明の特徴をぼやかさないように詳しく説明はしなかった。当業者であればここで更に詳細を示さなくてもこれら装置、方法、手順および個々のコンポーネントを理解できるであろう。さらに、上記の実施例では病院環境で使用する場合を説明したが、本システムと方法は、外来クリニックや介護を患者に提供する他の環境などでも役に立つであろう。
本発明のいくつかの特定の実施例を図示し説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなしに様々な変更が可能であることは明らかであろう。したがって、本発明は添付のクレーム以外のもので制限を受けることはない。
本発明の原理を組み込んだ病院内の情報/介護管理システムの概略図である。 本発明の特徴であるインターフェイスユニットとそのメモリの内容を示す概略図である。 本発明の特徴である構成データベースを示す概略図である。 本発明の特徴である危害インデックスデータベースの部分を示す。 本発明の特徴である危害インデックスデータベースの部分を示す。 本発明の特徴である危害インデックスデータベースの部分を示す。 図1の情報/介護管理システムからなるソフトウェアモジュールの機能ブロック図である。 それぞれのエラーの危害インデックス値を含む、病院における投薬エラーのレポートを示す。

Claims (15)

  1. 患者への薬剤投与に関わる投薬エラーの重大性の程度を評価するためのシステムであって、
    危害インデックスデータベースを格納する第一メモリであって、前記危害インデックスデータベースは様々な投薬エラーに関わる危害インデックス値を含み、前記危害インデックス値は投薬エラーの重大性の程度を表すように構成された第一メモリと;
    投薬エラーのログを格納した第二メモリと;
    第一および第二メモリに動作可能に接続され、投薬エラーに関する前記危害インデックスデータベースに格納された危害インデックス値に基づいて、前記ログ内のそれぞれの投薬エラーについて総合危害インデックス値を決定するように構成されたプロセッサと;
    それぞれの投薬エラーについての総合危害インデックス値をユーザーに報告する手段とからなるシステム。
  2. 請求項1に記載のシステムであって、
    患者に投薬し投薬エラーのログをおこなう少なくとも1つの患者介護装置と;
    投薬エラーのログを第二メモリに通信する手段;
    を更に含むシステム。
  3. 請求項1に記載のシステムであって、危害インデックスデータベースは更に患者治療に関わる複数の危害インデックスパラメータを含み、その各々の危害インデックスパラメータがそれに関わる投薬エラーの重大性の程度を表す危害インデックス値に関連づけられ、
    前記プロセッサはさらに、各投薬エラーに対応する各危害インデックスパラメータについての危害インデックス値の評価に基づいて、前記ログ内の各々の投薬エラーについて総合危害インデックス値を決定するように構成されることを特徴とするシステム。
  4. 請求項3に記載のシステムであって、危害インデックスパラメータは薬剤タイプ、投薬量、患者の介護レベルおよびエラーの検出可能性を含む、ことを特徴とするシステム。
  5. 請求項3に記載のシステムであって、前記ログ内のそれぞれの投薬エラーは複数の治療パラメータによって定義され、前記プロセッサは更に各投薬エラーについて前記危害インデックスパラメータを前記治療パラメータと比較し、各治療パラメータに一つの危害インデックス値を割り当てて各投薬エラーの前記総合危害インデックス値を決定するように構成されている、ことを特徴とするシステム。
  6. 請求項1に記載のシステムであって、各投薬エラーについて前記総合危害インデックス値をユーザーに報告する手段は、各投薬エラーについての前記総合危害インデックス値を表示するためにプロセッサに動作可能に接続されるディスプレイを有する。
  7. 請求項1に記載のシステムであって、各投薬エラーについて前記総合危害インデックス値をユーザーに報告する手段は、各投薬エラーについての前記総合危害インデックス値のレポートを印刷するためにプロセッサに動作可能に接続されるプリンターを有する。
  8. 患者への薬剤投与に関わる検出された投薬エラーの危害可能性を評価するためのシステムであって、
    患者に薬剤投与するための患者介護装置と;
    患者介護装置をプログラムして患者に薬剤投与するための薬剤投与パラメータ値を入力する手段と;
    薬剤投与パラメータの許容値を表す薬剤投与ガイドラインを格納する患者介護装置に関わるメモリと;
    前記メモリに動作可能に接続され、前記入力値を前記許容値と比較するように構成され、これらの値の不一致を表すエラーが検出されたことを表すプロセッサとからなり;
    前記メモリはさらに複数の投薬エラーに関わる危害可能性を表す危害インデックス値を含む一つの危害インデックスデータベースを格納し、前記プロセッサはさらに前記危害インデックスデータベースに格納された対応する投薬エラーに関わる前記危害インデックス値に基づいて表示されたエラーの総合危害インデックス値を決定するように構成されており;さらに
    前記総合危害インデックス値をユーザーに報告する手段とからなるシステム。
  9. 請求項8に記載のシステムであって、前記危害インデックスデータベースはさらに患者治療に関わる複数の危害インデックスパラメータを含み、その各々の危害インデックスパラメータがその危害可能性に従って前記危害インデックス値に関連づけられ、
    前記プロセッサはさらに前記表示された投薬エラーに対応する前記危害インデックスパラメータに関わる前記危害インデックス値に基づいて前記表示されたエラーの前記総合危害インデックス値を決定するように構成されることを特徴とするシステム。
  10. 請求項9に記載のシステムであって、前記危害インデックスパラメータは薬剤のタイプ、投薬量、患者の介護レベルおよびエラーの検出可能性を含むことを特徴とするシステム。
  11. 請求項8に記載のシステムであって、総合危害インデックス値をユーザーに報告する手段は前記プロセッサに動作可能に接続されて前記エラーおよび関連する総合危害インデックス値を表示するディスプレイを有することを特徴とするシステム。
  12. 患者に薬剤を投与する患者介護装置であって、
    患者に薬剤投与するための薬剤投与パラメータ値を入力する手段と;
    薬剤投与パラメータの許容値を表す薬剤投与ガイドラインと複数の投薬エラーに関わる危害インデックス値を含む危害インデックスデータベースとを格納するメモリであって、前記危害インデックス値が前記投薬エラーの危害可能性を表すように構成されたメモリと;
    動作可能に前記メモリに接続され、さらに前記入力値を前記許容値と比較し前記入力値が前記許容値と一致しない場合に総合危害インデックス値を決定するように構成されたプロセッサであって、前記総合危害インデックス値が、前記危害インデックスデータベースに格納され前記入力値に関連づけられた前記危害インデックス値に基づいて決定されるように構成されたプロセッサと;
    前記総合危害インデックス値をユーザーに報告する手段とからなる患者介護装置。
  13. 請求項12に記載のシステムであって、前記総合危害インデックス値をユーザーに報告する手段は前記総合危害インデックス値をユーザーに表示するためのディスプレイを有する。
  14. 患者介護装置による患者への薬剤投与に関わる投薬エラーの重大性の程度を評価する、プロセッサによって実行される方法であって、
    前記患者介護装置に入力された治療パラメータ値を治療パラメータの許容値のライブラリに格納された値と比較することにより前記入力値が範囲外であることを検出するステップと;
    前記入力値が前記許容値のライブラリ内には見つからないと前記の比較が示した場合に、前記入力値が範囲外であることを示す警報を出すステップと;
    前記警報に関わる情報を前記患者介護装置のメモリに格納するステップと;
    前記薬剤投与装置の前記メモリに格納された情報をプロセッサに通信するステップと;
    格納された情報によって表わされた前記警報の総合危害インデックス値を、警報の重大性の程度を表す危害インデックス値を様々な警報に割り当てる危害インデックスデータベースから決定することにより前記格納された情報を分析するステップと;
    前記格納された情報によって表される前記警報の総合危害インデックス値を前記介護者に報告するステップとからなる。
  15. 患者介護装置による患者への薬剤投与に関わる投薬エラーの重大性の程度を評価する、プロセッサによって実行される方法であって、
    前記患者介護装置に入力された治療パラメータ値を治療パラメータの許容値のライブラリに格納された値と比較することにより前記入力値が範囲外であることを検出するステップと;
    前記入力値が前記許容値のライブラリ内には見つからないと前記の比較が示した場合に、前記入力値が範囲外であることを示す警報を出すステップと;
    前記警報に関わる前記入力した治療パラメータ値と、前記警報に関わる前記治療パラメータに基づいて警報の重大性の程度を表す危害インデックス値を与える危害インデックスデータベースとを比較することによって前記警報の危害インデックス値を決定するステップとからなる方法。
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