JP4677491B2 - 光ファイバ及び光ファイバ母材 - Google Patents
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Description
本願は、2006年9月14日に出願された特願2006−249360号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
(i)FTTHは通常ダブルスター型のPON(Passive Optical Network)であり、分配ロスが大きくなる。
(ii)アナログ信号やベースバンド信号、又は光SCM信号を伝送するため、受信機におけるCNR(Carrier Noise Ratio)を大きくする必要があり、受光部における最低信号光パワーが通信で用いられるデジタル伝送に比して大きい必要がある。
また、特許文献6については、フッ素を意図的な位置に添加する必要があるため、VAD法を用いた母材製造が困難である。
また、特許文献7については、その屈折率分布の形状が記載されたのみであり、詳細なパラメータ等については言及されていない。
かつ、Δ2+Δ3≦1.15となる関係を満たし、前記R2が2.60μm〜6.85μmであり、前記R3が3.63μm〜9.65μmであり、ケーブルカットオフ波長が1260nm未満であり、波長1.31μmにおけるモードフィールド径が7.9μm〜10.2μmであり、零分散波長が1300nm〜1324nmであり、零分散スロープが0.093ps/(nm2・km)以下であり、直径20mm、波長1.31μmにおける一様曲げ損失が2dB/m以下であり、波長1.55μmにおけるSBS閾値が通常のステップインデックス型の屈折率分布を有し、同一のモードフィールド径を持つシングルモード光ファイバに比して+3dB以上であることを特徴とする光ファイバが提供される。
本発明の第2の態様(aspect)にしたがい、コアの中央部に、コアの中心から半径R1μmの領域に、クラッドに対する比屈折率差として最大比屈折率差Δ1を有する第1コアと、第1コアを取り囲むように接し、半径R1μmからR2μmの領域に、クラッドに対する比屈折率差として最小比屈折率差Δ2を有する第2コアと、第2コアを取り囲むように接し、半径R2μm〜R3μmの領域に、クラッドに対する比屈折率差として最大比屈折率差Δ3を有する第3コアとからなる、3層構造のコアと、前記3層構造のコアを取り囲むように接し、ほぼ一定の屈折率を有するクラッドとから構成される屈折率分布を有し、前記Δ2が0.15%以上0.4%以下であり、前記Δ1、Δ2、Δ3が、Δ1>Δ2、かつ、Δ3>Δ2、であり、Δ3≧Δ1であり、前記Δ1、Δ2、Δ3を、Δ1−Δ2=X、Δ3−Δ2=Yとした場合、(X+Y)>0.4%であり、前記X、Yが、0.25%<X<0.6%、かつ、0.1%≦Y≦0.6%、かつ、(2*X−0.7)%<Y<(X/2+0.4)%となる関係を満たし、前記Δ2、Δ3、R1、R2が、(Δ2+Δ3)+1.0≦ R2/R1 ≦7*(Δ2+Δ3)−1.45 かつ、Δ2+Δ3≦1.15となる関係を満たし、前記R2が2.87μm〜4.10μmであり、前記R3が4.36μm〜5.74μmであり、ケーブルカットオフ波長が1260nm未満であり、波長1.31μmにおけるモードフィールド径が7.9μm〜10.2μmであり、零分散波長が1300nm〜1324nmであり、零分散スロープが0.093ps/(nm2・km)以下であり、直径20mm、波長1.31μmにおける一様曲げ損失が2dB/m以下であり、波長1.55μmにおけるSBS閾値が通常のステップインデックス型の屈折率分布を有し、同一のモードフィールド径を持つシングルモード光ファイバに比して+3dB以上であることを特徴とする光ファイバが提供される。
本発明の第3の態様(aspect)にしたがい、 コアの中央部に、コアの中心から半径R1μmの領域に、クラッドに対する比屈折率差としてほぼ一定で正の比屈折率差Δ1を有する第1コアと、第1コアを取り囲むように接し、半径R1μmからR2μmの領域に、ほぼ一定で正の比屈折率差Δ2を有する第2コアと、第2コアを取り囲むように接し、半径R2μm〜R3μmの領域に、クラッドに対する比屈折率差としてほぼ一定で正の比屈折率差Δ3を有する第3コアとからなる、3層構造のコアと、前記3層構造のコアを取り囲むように接し、クラッドに対する比屈折率差としてほぼ一定の屈折率を有するクラッドによって構成される屈折率分布を有し、前記Δ2が0.04%以上0.4%以下であり、前記Δ1、Δ2、Δ3の関係が、Δ1>Δ2、かつ、Δ3>Δ2、であり、Δ3≧Δ1であり、前記Δ1、Δ2、Δ3を、Δ1−Δ2=X、Δ3−Δ2=Yとした場合、(X+Y)>0.4%であり、前記X、Yが、0.25%<X<0.6%、かつ、0.1%≦Y≦0.6%、かつ、(2*X−0.7)%<Y<(X/2+0.4)%となる関係を満たし、前記Δ2、Δ3、R1、R2が、(Δ2+Δ3)+1.0≦ R2/R1 ≦7*(Δ2+Δ3)−1.45 かつ、Δ2+Δ3≦1.15となる関係を満たす光ファイバ母材であり、該光ファイバ母材を線引きして光ファイバ化した際、前記R2が2.60μm〜6.85μmであり、前記R3が3.63μm〜9.65μmであり、ケーブルカットオフ波長が1260nm未満であり、波長1.31μmにおけるモードフィールド径が7.9μm〜10.2μmであり、零分散波長が1300nm〜1324nmであり、零分散スロープが0.093ps/(nm2・km)以下であり、直径20mm、波長1.31μmにおける一様曲げ損失が2dB/m以下であり、波長1.55μmにおけるSBS閾値が通常のステップインデックス型の屈折率分布を有し、同一のモードフィールド径を持つシングルモード光ファイバに比して+3dB以上であることを特徴とする光ファイバ母材が提供される。
本発明の第4の態様(aspect)にしたがい、 コアの中央部に、コアの中心から半径R1μmの領域に、クラッドに対する比屈折率差として最大比屈折率差Δ1を有する第1コアと、第1コアを取り囲むように接し、半径R1μmからR2μmの領域に、クラッドに対する比屈折率差として最小比屈折率差Δ2を有する第2コアと、第2コアを取り囲むように接し、半径R2μm〜R3μmの領域に、クラッドに対する比屈折率差として最大比屈折率差Δ3を有する第3コアとからなる、3層構造のコアと、前記3層構造のコアを取り囲むように接し、ほぼ一定の屈折率を有するクラッドとから構成される屈折率分布を有し、前記Δ2が0.15%以上0.4%以下であり、前記Δ1、Δ2、Δ3が、Δ1>Δ2、かつ、Δ3>Δ2、であり、Δ3≧Δ1であり、前記Δ1、Δ2、Δ3を、Δ1−Δ2=X、Δ3−Δ2=Yとした場合、(X+Y)>0.4%であり、前記X、Yが、0.25%<X<0.6%、かつ、0.1%≦Y≦0.6%、かつ、(2*X−0.7)%<Y<(X/2+0.4)%となる関係を満たし、前記Δ2、Δ3、R1、R2が、(Δ2+Δ3)+1.0≦ R2/R1 ≦7*(Δ2+Δ3)−1.45 かつ、Δ2+Δ3≦1.15となる関係を満たす光ファイバ母材であり、該光ファイバ母材を線引きして光ファイバ化した際、前記R2が2.87μm〜4.10μmであり、前記R3が4.36μm〜5.74μmであり、ケーブルカットオフ波長が1260nm未満であり、波長1.31μmにおけるモードフィールド径が7.9μm〜10.2μmであり、零分散波長が1300nm〜1324nmであり、零分散スロープが0.093ps/(nm2・km)以下であり、直径20mm、波長1.31μmにおける一様曲げ損失が2dB/m以下であり、波長1.55μmにおけるSBS閾値が通常のステップインデックス型の屈折率分布を有し、同一のモードフィールド径を持つシングルモード光ファイバに比して+3dB以上であることを特徴とする光ファイバ母材が提供される。
2 波長1.55μmの光源
3 EDPA
4 後方散乱光パワー測定用のパワーメータ
5 9:1カプラ
6 入射光パワー測定用のパワーメータ
7 透過光パワー測定用のパワーメータ
8 被測定光ファイバ
前記Δ2が0.4%以下であり、
前記Δ1、Δ2、Δ3の関係が、Δ1>Δ2、Δ3>Δ2、かつΔ3>Δ1の関係であり、
前記Δ1、Δ2、Δ3を、Δ1−Δ2=X、Δ3−Δ2=Yとした場合、(X+Y)>0.4%であり、前記X、Yが、0.25%<X<0.6%、0.1%≦Y≦0.6%、かつ(2*X−0.7)%<Y<(X/2+0.4)%となる関係を満たし、
前記Δ2、Δ3、R1、R2が、
(Δ2+Δ3)+1.0≦R2/R1≦7*(Δ2+Δ3)−1.45 かつ、Δ2+Δ3≦1.15となる関係を満たし、
ケーブルカットオフ波長が1260nm未満であり、
波長1.31μmにおけるモードフィールド径が7.9μm〜10.2μmであり、
零分散波長が1300nm〜1324nmであり、
零分散スロープが0.093ps/nm2・km以下であり、
直径20mm、波長1.31μmにおける一様曲げ損失が2dB/m以下であり、
波長1.55μmにおけるSBS閾値が通常のステップインデックス型の屈折率分布を有し、且つ同一のモードフィールド径を持つシングルモード光ファイバに比して+3dB以上のSBS閾値であることを特徴としている。
なお以上のところから明らかなように、第1コアについての比屈折率差(もしくは最大比屈折率差)Δ1、第2コアについての比屈折率差(もしくは最小比屈折率差)Δ2、第3コアについての比屈折率差(もしくは最大比屈折率差)Δ3は、いずれもクラッドに対する比屈折率差を表しているが、以下の文章では、説明の煩雑さを避けるため、「クラッドに対する」との文言は省略する。
清水、“単一モード光ファイバにおけるSBS閾値に関する考察”、電子情報通信学会2005年総合大会 B−10−66
SBSeff=本発明の光ファイバのSBS閾値−本発明の光ファイバと同一のMFDを有するSMFのSBS閾値。
即ち、零分散波長が1300nm〜1324nmとなる光ファイバを得るために、前記X,Yが、X<0.6%であり、且つ、0.1%≦Y≦0.6%であり、かつ、(2*X−0.7)%<Y<(X/2+0.4)%とするのが好ましい。このような条件を満たす、X,Yの関係を図8に示す。
(Δ2+Δ3)+1.0≦ R2/R1 ≦7*(Δ2+Δ3)−1.45 かつ、Δ2+Δ3≦1.15となる関係を満たすことが好ましい。上記条件を満たす(Δ2+Δ3)と R2/R1の関係を図9に示す。
図10は、Δ3−Δ1と、SBSeffの関係を示した図である。図10に示すように、Δ3−Δ1が負の場合、比屈折率差の僅かな変動でSBSeffが大きく変化する。一方、Δ3−Δ1が正の場合、比屈折率差の変化に対するSBSeffの変化の割合は小さい。また、SBSeffをΔ3−Δ1の2次式として近似すると、その近似曲線は上に凸の放物線であり、また変極点はΔ3−Δ1>0であり、Δ3−Δ1が正の場合に比屈折率差の変動によるSBSeffの影響が小さいことが分かる。
光ファイバの母材製造時に、ドーパント濃度の揺らぎによって比屈折率差が目標より±0.05%程度変化することがある。その場合、SBSeffが目標よりも低下する可能性がある。Δ3−Δ1が正の場合、比屈折率差の変動によるSBSeffの変化量が小さいため、ドーパント濃度の揺らぎによる比屈折率差の変化に対し、SBSeffは大きく変化せず、常に安定したSBS特性を得ることができる。
なお、図10の屈折率分布は、Δ1は0.5%、Δ2は0.22%、Δ3は0.025%刻みで0.40〜0.65%、R2/R1は2.2であるが、表1に示すように、異なるΔ1、Δ2、Δ3、R1、R2、R3の組み合わせでも同様に変極点はΔ3−Δ1>0となり、Δ3−Δ1が正の場合に、常に安定したSBS特性を得られることが分かる。
また、Δ1−Δ2は0.25%以上とするのが望ましい。図11はΔ1−Δ2とSBSeffの関係を示した図である。図11に示すように、Δ1がΔ2より0.25%以上高い場合、Δ1とΔ2の差が0.25%以下と比較してSBSeffを大きく増加させることが可能になり、より大きなSBS抑制効果が得られる。また、Δ1−Δ2が0.25%以上の場合、光ファイバ母材作製時に生じるドーパント濃度の揺らぎによる比屈折率差の変化の影響が緩和され、Δ1−Δ2が変化してもSBSeffに大きな変化がなく、歩留まりの低下を防ぐことができる。
なお、図11の屈折率分布は、Δ1は0.03%刻みで0.44%〜0.56%、Δ2は0.24%、Δ3は0.55%であり、R2/R1は2.2である。しかしながら、図12に示すように、異なるΔ1、Δ2、Δ3、R1、R2、R3の組み合わせ、すなわち、Δ1が0.44%〜0.56%、Δ2が0.18%〜0.26%、Δ3が0.45%〜0.65%、R2/R1が1.8〜2.6の範囲とした屈折率分布においても同様の傾向が得られ、Δ1−Δ2が0.25%以上の屈折率分布において、より大きなSBS抑制効果が得られ、また、Δ1−Δ2の変化に対するSBSeffの依存性も小さくなる。
表2に、図5の屈折率分布を持つ、実施例1の光ファイバの構造パラメータ及び光学特性を示す。また、併せて比較例1の光ファイバの構造パラメータ及び光学特性を示す。比較例1の光ファイバは、図4に示すようなステップインデックス型の屈折率分布を有するSMFである。
また、表3に、実施例1の構造パラメータを、前記X、Y及びR2/R1の範囲で振った場合の結果を示す。
[実施例1h〜1t]
表4、表5に、実施例1の構造パラメータを、先に記したX、Y、R2/R1の範囲で振った結果を示す。表3に示した実施例1a〜1g、および、表4、表5に示した実施例1h〜1tの構造パラメータを持つ光ファイバは、図14に示すように、20kmの光ファイバにおけるSBS閾値が10.9〜13.8dBmであり、同一のMFDを有するSMFと比して+3.1〜+4.5dBの抑圧効果が得られた。また、実施例1h〜1tの光ファイバの光学特性は全てG652規格を満足している。
表6に、図6の屈折率分布を持つ光ファイバにおいて、屈折率分布の構造パラメータを、前記X、Y及びR2/R1の範囲で振った場合の光学特性を示す。
さらに、図6のように第3コアの屈折率を変化させることにより、コア中のGeO2ドープ量を減らすことができ、光ファイバ中の損失を低減させることが可能となる。
[実施例2g〜2m]
表7に、図6の屈折率分布を持つ光ファイバにおいて、屈折率分布の構造パラメータを、先に 記したX、Y、R2/R1の範囲で振った場合の光学特性を示す。表6に示した実施例2a〜2fおよび、表7に示した2g〜2mの構造パラメータを持つ光ファイバは、図16に示すように、20kmの光ファイバにおいてSBS閾値が10.8〜14.3dBmであり、同一のMFDを有するSMFと比して+3.2〜+4.7dBの抑圧効果が得られた。また、実施例2g〜2mの光ファイバの光学特性は、全てG652規格を満足している。
図17に、本発明に係る実施例3の光ファイバの屈折率分布を示す。実施例3における屈折率分布は、図17に示すように、コアの中央部に設けられ、コアの中心から半径R1μmの領域に位置する第1コアと、該第1コアを取り囲むように接して設けられ、半径R1μm〜R2μmの領域に位置する第2コアと、該第2コアを取り囲むように接して設けられ、半径R2μm〜R3μmの領域に位置する第3コアとからなる3層構造のコアと、前記3層構造のコアを取り囲むように接して設けられ、ほぼ一定の屈折率を有するクラッドとから構成されている。しかしながら、実施例1、実施例2とは異なり、該コアの屈折率分布は、緩やかな変化をしており、その境界が曖昧となっている。そこで、比屈折率差の径方向の変化率(dΔ/dr)を用いて各層の径を決定した。また、第1コアの比屈折率差Δ1は、下記式(1)に示すように、コアの中心から半径R1の範囲で等価的に均一となるΔで定義し、第2コアの比屈折率差Δ2は、半径R1μm〜R2μmの領域で最小値となる比屈折率差で定義し、第3コアの比屈折率差Δ3は、半径R2μm〜R3μmの範囲で最大値となる比屈折率差で定義した。
図18は、実施例5の光ファイバ母材の屈折率分布である。本実施例の光ファイバ母材は図18に示すように、コアの中央部に設けられ、コアの中心から半径R1μmの領域に、ほぼ一定で正の比屈折率差Δ1を有する第1コアと、該第1コアを取り囲むように接して設けられ、半径R1μmからR2μmの領域に、ほぼ一定で正の比屈折率差Δ2を有する第2コアと、該第2コアを取り囲むように接して設けられ、半径R2μm〜R3μmの領域に、ほぼ一定で正の比屈折率差Δ3を有する第3コアから成る、3層構造のコアから成り、実施例1、実施例2と同様に3層構造のコアを有する。
表9、表10に実施例5の光ファイバ母材の構造パラメータを先に記したX、Y、及び、R2/R1の範囲で振り、該母材を線引きし、光ファイバ化した時の光学特性を示す。実施例5の光ファイバ母材から線引きされて得られた光ファイバは、図19に示すようにSBS閾値が20kmの光ファイバにおいて10.9〜13.8dBmとなり、同一のMFDを有するSMFと比して+3.1〜+4.5dBの抑圧効果が得られており、さらにG652規格を満足している。
図20は、実施例6の光ファイバ母材の屈折率分布である。本実施例の光ファイバ母材は図20に示すように、コアの中央部に設けられ、コアの中心から半径R1μmの領域に、最大比屈折率差Δ1を有する第1コアと、該第1コアを取り囲むように接して設けられ、半径R1μmからR2μmの領域に、最小比屈折率差Δ2を有する第2コアと、該第2コアを取り囲むように接して設けられ、半径R2μm〜R3μmの領域に、最大比屈折率差Δ3を有する第3コアから成る、3層構造のコアから成り、実施例1、実施例2と同様に3層構造のコアを有する。
表11、表12に実施例6の光ファイバ母材の構造パラメータを先に記したX、Y、及び、R2/R1の範囲で振り、該母材を線引きし、光ファイバ化した時の光学特性を示す。実施例6の光ファイバ母材から線引きされて得られた光ファイバは、図21に示すようにSBS閾値が20kmの光ファイバにおいて10.8〜14.3dBmとなり、同一のMFDを有するSMFと比して+3.2〜+4.7dBの抑圧効果が得られており、さらにG652規格を満足している。
図22は実施例7の光ファイバ母材の屈折率分布である。本実施例の光ファイバ母材は図22に示すように、コアの中央部に設けられ、コアの中心から半径R1μmの領域に位置する第1コアと、該第1コアを取り囲むように接して設けられ、半径R1μmからR2μmの領域に位置する第2コアと、第2コアを取り囲むように接して設けられ、半径R2μm〜R3μmの領域に位置する第3コアから成り、実施例1、実施例2、実施例5、実施例6、と同様に3層構造のコアを有する。しかしながら、実施例1、2、5、6とは異なり、緩やかな変化をしており、その境界の定義は実施例3、実施例4と同一とした。
表13に実施例7の光ファイバ母材の構造パラメータと、該母材を線引きし、光ファイバ化した時の光学特性を示す。実施例7の光ファイバ母材から線引きされて得られた光ファイバは、SBS閾値が20kmの光ファイバにおいて12.6dBmとなり、同一のMFDを有するSMFと比して+3.8dBの抑圧効果が得られており、また、G652規格を満足している。
さらに、第3コアの比屈折率差を、第1コアの比屈折率差より大きくすることにより、光ファイバ母材の製造性を向上させることが可能となる。
Claims (4)
- コアの中央部に、コアの中心から半径R1μmの領域に、クラッドに対する比屈折率差としてほぼ一定で正の比屈折率差Δ1を有する第1コアと、第1コアを取り囲むように接し、半径R1μmからR2μmの領域に、クラッドに対する比屈折率差としてほぼ一定で正の比屈折率差Δ2を有する第2コアと、第2コアを取り囲むように接し、半径R2μm〜R3μmの領域に、クラッドに対する比屈折率差としてほぼ一定で正の比屈折率差Δ3を有する第3コアとからなる、3層構造のコアと、前記3層構造のコアを取り囲むように接し、ほぼ一定の屈折率を有するクラッドによって構成される屈折率分布を有し、
前記Δ2が0.04%以上0.4%以下であり、前記Δ1、Δ2、Δ3の関係が、Δ1>Δ2、かつ、Δ3>Δ2、であり、Δ3≧Δ1であり、
前記Δ1、Δ2、Δ3を、Δ1−Δ2=X、Δ3−Δ2=Yとした場合、(X+Y)>0.4%であり、前記X、Yが、0.25%<X<0.6%、かつ、0.1%≦Y≦0.6%、かつ、(2*X−0.7)%<Y<(X/2+0.4)%となる関係を満たし、
前記Δ2、Δ3、R1、R2が、
(Δ2+Δ3)+1.0≦ R2/R1 ≦7*(Δ2+Δ3)−1.45 かつ、Δ2+Δ3≦1.15となる関係を満たし、
前記R2が2.60μm〜6.85μmであり、
前記R3が3.63μm〜9.65μmであり、
ケーブルカットオフ波長が1260nm未満であり、
波長1.31μmにおけるモードフィールド径が7.9μm〜10.2μmであり、
零分散波長が1300nm〜1324nmであり、
零分散スロープが0.093ps/(nm2・km)以下であり、
直径20mm、波長1.31μmにおける一様曲げ損失が2dB/m以下であり、
波長1.55μmにおけるSBS閾値が通常のステップインデックス型の屈折率分布を有し、同一のモードフィールド径を持つシングルモード光ファイバに比して+3dB以上であることを特徴とする光ファイバ。 - コアの中央部に、コアの中心から半径R1μmの領域に、クラッドに対する比屈折率差として最大比屈折率差Δ1を有する第1コアと、第1コアを取り囲むように接し、半径R1μmからR2μmの領域に、クラッドに対する比屈折率差として最小比屈折率差Δ2を有する第2コアと、第2コアを取り囲むように接し、半径R2μm〜R3μmの領域に、クラッドに対する比屈折率差として最大比屈折率差Δ3を有する第3コアとからなる、3層構造のコアと、前記3層構造のコアを取り囲むように接し、ほぼ一定の屈折率を有するクラッドとから構成される屈折率分布を有し、
前記Δ2が0.15%以上0.4%以下であり、前記Δ1、Δ2、Δ3が、Δ1>Δ2、かつ、Δ3>Δ2、であり、Δ3≧Δ1であり、
前記Δ1、Δ2、Δ3を、Δ1−Δ2=X、Δ3−Δ2=Yとした場合、(X+Y)>0.4%であり、前記X、Yが、0.25%<X<0.6%、かつ、0.1%≦Y≦0.6%、かつ、(2*X−0.7)%<Y<(X/2+0.4)%となる関係を満たし、
前記Δ2、Δ3、R1、R2が、
(Δ2+Δ3)+1.0≦ R2/R1 ≦7*(Δ2+Δ3)−1.45 かつ、Δ2+Δ3≦1.15となる関係を満たし、
前記R2が2.87μm〜4.10μmであり、
前記R3が4.36μm〜5.74μmであり、
ケーブルカットオフ波長が1260nm未満であり、
波長1.31μmにおけるモードフィールド径が7.9μm〜10.2μmであり、
零分散波長が1300nm〜1324nmであり、
零分散スロープが0.093ps/(nm2・km)以下であり、
直径20mm、波長1.31μmにおける一様曲げ損失が2dB/m以下であり、
波長1.55μmにおけるSBS閾値が通常のステップインデックス型の屈折率分布を有し、同一のモードフィールド径を持つシングルモード光ファイバに比して+3dB以上であることを特徴とする光ファイバ。 - コアの中央部に、コアの中心から半径R1μmの領域に、クラッドに対する比屈折率差としてほぼ一定で正の比屈折率差Δ1を有する第1コアと、第1コアを取り囲むように接し、半径R1μmからR2μmの領域に、クラッドに対する比屈折率差としてほぼ一定で正の比屈折率差Δ2を有する第2コアと、第2コアを取り囲むように接し、半径R2μm〜R3μmの領域に、クラッドに対する比屈折率差としてほぼ一定で正の比屈折率差Δ3を有する第3コアとからなる、3層構造のコアと、前記3層構造のコアを取り囲むように接し、ほぼ一定の屈折率を有するクラッドによって構成される屈折率分布を有し、
前記Δ2が0.04%以上0.4%以下であり、前記Δ1、Δ2、Δ3の関係が、Δ1>Δ2、かつ、Δ3>Δ2、であり、Δ3≧Δ1であり、
前記Δ1、Δ2、Δ3を、Δ1−Δ2=X、Δ3−Δ2=Yとした場合、(X+Y)>0.4%であり、前記X、Yが、0.25%<X<0.6%、かつ、0.1%≦Y≦0.6%、かつ、(2*X−0.7)%<Y<(X/2+0.4)%となる関係を満たし、
前記Δ2、Δ3、R1、R2が、
(Δ2+Δ3)+1.0≦ R2/R1 ≦7*(Δ2+Δ3)−1.45 かつ、Δ2+Δ3≦1.15となる関係を満たす光ファイバ母材であり、
該光ファイバ母材を線引きして光ファイバ化した際、
前記R2が2.60μm〜6.85μmであり、
前記R3が3.63μm〜9.65μmであり、
ケーブルカットオフ波長が1260nm未満であり、
波長1.31μmにおけるモードフィールド径が7.9μm〜10.2μmであり、
零分散波長が1300nm〜1324nmであり、
零分散スロープが0.093ps/(nm2・km)以下であり、
直径20mm、波長1.31μmにおける一様曲げ損失が2dB/m以下であり、
波長1.55μmにおけるSBS閾値が通常のステップインデックス型の屈折率分布を有し、同一のモードフィールド径を持つシングルモード光ファイバに比して+3dB以上であることを特徴とする光ファイバ母材。 - コアの中央部に、コアの中心から半径R1μmの領域に、最大比屈折率差Δ1を有する第1コアと、第1コアを取り囲むように接し、半径R1μmからR2μmの領域に、クラッドに対する比屈折率差として最小比屈折率差Δ2を有する第2コアと、第2コアを取り囲むように接し、半径R2μm〜R3μmの領域に、クラッドに対する比屈折率差として最大比屈折率差Δ3を有する第3コアとからなる、3層構造のコアと、前記3層構造のコアを取り囲むように接し、クラッドに対する比屈折率差としてほぼ一定の屈折率を有するクラッドとから構成される屈折率分布を有し、
前記Δ2が0.15%以上0.4%以下であり、前記Δ1、Δ2、Δ3が、Δ1>Δ2、かつ、Δ3>Δ2、であり、Δ3≧Δ1であり、
前記Δ1、Δ2、Δ3を、Δ1−Δ2=X、Δ3−Δ2=Yとした場合、(X+Y)>0.4%であり、前記X、Yが、0.25%<X<0.6%、かつ、0.1%≦Y≦0.6%、かつ、(2*X−0.7)%<Y<(X/2+0.4)%となる関係を満たし、
前記Δ2、Δ3、R1、R2が、
(Δ2+Δ3)+1.0≦ R2/R1 ≦7*(Δ2+Δ3)−1.45 かつ、Δ2+Δ3≦1.15となる関係を満たす光ファイバ母材であり、
該光ファイバ母材を線引きして光ファイバ化した際、
前記R2が2.87μm〜4.10μmであり、
前記R3が4.36μm〜5.74μmであり、
ケーブルカットオフ波長が1260nm未満であり、
波長1.31μmにおけるモードフィールド径が7.9μm〜10.2μmであり、
零分散波長が1300nm〜1324nmであり、
零分散スロープが0.093ps/(nm2・km)以下であり、
直径20mm、波長1.31μmにおける一様曲げ損失が2dB/m以下であり、
波長1.55μmにおけるSBS閾値が通常のステップインデックス型の屈折率分布を有し、同一のモードフィールド径を持つシングルモード光ファイバに比して+3dB以上であることを特徴とする光ファイバ母材。
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