JP4676618B2 - ポンプの軸封装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体を輸送するポンプの軸封装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ターボポンプには、図4に示すように、ケーシング3内でインペラ4によって昇圧された被送液がシャフト8の周囲から外部に漏れるのを防止するため、軸封装置にグランドパッキン6やメカニカルシール等が使用されている。この軸封装置では、軸封部10のシャフトスリーブ7とグランドパッキン6が摺接する摺動部分で発生する熱の除去や洗浄のために、ランタンリング5に外部注水管9を連結してポンプ系の外部から清水を注入したり、あるいは昇圧された被送液を自己注入することが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ポンプ系の外部から清水を注入する場合には、注水用の水源の確保と、専用の外部注水管9の敷設が必要である。水源が遠くなると外部注水管9が長大となりコストが嵩む。
また、昇圧された被送液を自己注入する場合には、高圧の被送液が軸封部10に直接作用するため、軸封部のシール力を強化しなければならない。
【0004】
本発明は、ポンプの軸封装置における上記問題を解決するものであって、注水用の水源の確保、専用の外部注水管の敷設が不要であり、また、高圧の被送液が軸封部に直接作用せず、安定した軸シールのできる安価な軸封装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のポンプの軸封装置は、ポンプの軸封部と吸込管とを、軸封部に被送液を低圧で供給するための連結管で連結することにより上記課題を解決している。
ポンプの運転時には、シャフトが回転し、インペラが被送液を吸込管から吸込み、ケーシング内で昇圧して吐出管へ吐出する。このとき、軸封部が吸込管より高圧であれば、被送液が軸封部から連結管を経て吸込管へ流れ、軸封部が吸込管より低圧であれば、被送液が吸込管から連結管を経て軸封部へ流れる。
【0006】
この被送液の流れによって、軸封部の熱の除去や洗浄が行われる。軸封部と吸込管とは連結管によって連通しているので、軸封部に直接作用する被送液は、吸込管の圧力とほぼ同等の低圧である。
従って、軸封部のシール力を特に強化することなく被送液の外部への漏れを防止できる。注水用の水源の確保、専用の外部注水管の敷設も不要であり、軸封部と吸込管との間に連結管を配管するだけでよくコストも安価である。
【0007】
インペラに表羽根より外形の大きい裏羽根を設け、軸封部の軸シールの裏羽根側に連結管を連結すると、裏羽根によって軸封部が吸込管より低圧になり、被送液が吸込管から連結管を経て軸封部へ吸引され、吸込管とほぼ同等の低圧で自己注入ができるので、より安定した軸シールができる。
インペラの後部にエキスぺラを設け、軸封部の軸シールのエキスぺラ側に連結管を連結すると、エキスぺラによって軸封部が吸込管より低圧になり、被送液が吸込管から連結管を経て軸封部へ吸引され、吸込管とほぼ同等の低圧で自己注入ができるので、より安定した軸シールができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施の一形態であるポンプの軸封装置の構成を示す縦断面図である。
このポンプは、ケーシング3内にインペラ4を設け、シャフト8でインペラ4を回転させることにより被送液を吸込管1から吸込んで昇圧し、吐出管2から吐出する遠心ポンプである。
【0009】
このポンプの軸封部10のスタフィングボックス11とシャフトスリーブ7の間には、グランドパッキン6とランタンリング5とが設けられている。ランタンリング5には吸込管1から連結管12が連結されている。
ポンプの運転時には、シャフト8が回転し、インペラ4が被送液を吸込管1から吸込み、ケーシング3内で昇圧して吐出管2へ吐出する。このとき、軸封部10が吸込管1より高圧であれば、被送液が軸封部10から連結管12を経て吸込管1へ流れ、軸封部10が吸込管1より低圧であれば、被送液が吸込管1から連結管12を経て軸封部10へ流れる。
【0010】
この被送液の流れによって、軸封部10の熱の除去や洗浄が行われる。軸封部10と吸込管1とは連結管12によって連通しているので、軸封部10に直接作用する被送液は、吸込管1の圧力とほぼ同等の低圧である。
従って、グランドパッキン6の締めつけを強くする等の手段によって、軸封部10のシール力を特に強化しなくても被送液の漏れを防止できる。
【0011】
このポンプの軸封装置は、注水用の水源の確保、専用の外部注水管の敷設も不要であり、軸封部10と吸込管1との間に連結管12を配管するだけでよくコストも安価である。
図2は、この発明の他の実施の形態であるポンプの軸封装置の構成を示す縦断面図である。
【0012】
このポンプでは、インペラ4に表羽根13より外形の大きい裏羽根14が設けられ、軸封部10の軸シールであるグランドパッキン6の裏羽根14側に連結管12が連結されている。その他の構成は図1のポンプと同様である。
ポンプの運転時には、シャフト8が回転し、インペラ4が被送液を吸込管1から吸込み、ケーシング3内で昇圧して吐出管2へ吐出する。このとき、軸封部10は裏羽根14によって吸込管1より低圧になり、被送液が吸込管1から連結管12を経て軸封部10へ吸引され、吸込管10とほぼ同等の低圧で自己注入が行われる。このポンプの軸封装置では、裏羽根14の吸引によって安定した被送液の流れが生ずるので、安定した軸シールができる。
【0013】
図3は、この発明のさらに他の実施の形態であるポンプの軸封装置の構成を示す縦断面図である。
このポンプでは、インペラ4の後部にエキスぺラ15が設けられており、軸封部10のグランドパッキン6のエキスぺラ15側に連結管12が連結されている。その他の構成は図1のポンプと同様である。
【0014】
ポンプの運転時には、シャフト8が回転し、インペラ4が被送液を吸込管1から吸込み、ケーシング3内で昇圧して吐出管2へ吐出する。このとき、軸封部10は、エキスぺラ15によって軸封部10が吸込管12より低圧になり、被送液が吸込管1から連結管12を経て軸封部10へ吸引され、吸込管とほぼ同等の低圧で自己注入ができるので、より安定した軸シールができる。
このポンプでは、裏羽根14の吸引によって安定した被送液の流れが生ずるので、安定した軸シールができる。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のポンプの軸封装置は、注水用の水源の確保、専用の外部注水管の敷設が不要で、高圧の被送液が軸封部に直接作用せず、安定した軸シールが低コストで可能となる。
インペラに表羽根より外形の大きい裏羽根を設け、軸封部の軸シールの裏羽根側に連結管を連結すると、裏羽根によって軸封部が吸込管より低圧になり、被送液が吸込管から連結管を経て軸封部へ吸引され、吸込管とほぼ同等の低圧で自己注入ができるので、より安定した軸シールができる。
【0016】
インペラの後部にエキスぺラを設け、軸封部の軸シールのエキスぺラ側に連結管を連結すると、エキスぺラによって軸封部が吸込管より低圧になり、被送液が吸込管から連結管を経て軸封部へ吸引され、吸込管とほぼ同等の低圧で自己注入ができるので、より安定した軸シールができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態であるポンプの軸封装置の構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態であるポンプの軸封装置の構成を示す縦断面図である。
【図3】本発明のさらに他の実施の形態であるポンプの軸封装置の構成を示す縦断面図である。
【図4】従来のポンプの軸封装置の構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 吸込管
2 吐出管
3 ケーシング
4 インペラ
5 ランタンリング
6 グランドパッキン
7 シャフトスリーブ
8 シャフト
9 外部注水管
10 軸封部
11 スタフィングボックス
12 連結管
13 表羽根
14 裏羽根
15 エキスペラ

Claims (3)

  1. ポンプの軸封部と吸込管とを、軸封部に被送液を低圧で供給するための連結管で連結するとともに、インペラに表羽根より外形の大きい裏羽根を設け、軸封部の軸シールの裏羽根側に連結管を連結したことを特徴とするポンプの軸封装置。
  2. ポンプの軸封部と吸込管とを、軸封部に被送液を低圧で供給するための連結管で連結するとともに、インペラの後部にエキスぺラを設け、軸封部の軸シールのエキスぺラ側に連結管を連結したことを特徴とすポンプの軸封装置。
  3. インペラの後部にエキスぺラを設け、軸封部の軸シールのエキスぺラ側に連結管を連結したことを特徴とする請求項記載のポンプの軸封装置。
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