JP4673206B2 - 3次元パターン照合装置 - Google Patents

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Description

この発明は、立体的な物体、例えば人間の顔などを対象物とする3次元パターンの照合装置に関するものである。
近年、コンピュータ室や重要機械室への入退室管理、コンピュータ端末や銀行の金融端末へのアクセス管理などの個人認証を必要とする分野において、これまでの暗証番号やIDカードに代わって、人間の顔や静脈など3次元の生体情報に基づいて個人認証を行う装置が開発されている。
この種の装置において、人間の顔など立体的な物体を対象物とする3次元パターンの照合方法は、大別すると2次元照合型と3次元照合型の2タイプがある。
2次元照合型は、対象物を1台のカメラで撮像し、その撮像された画像(2次元パターン)を予め登録しておき「登録画像」とし、照合時に撮像される画像を「照合画像」として、「登録画像」と「照合画像」との間で照合を行うことから2次元照合型と呼ばれる(特許文献1参照)。
3次元照合型は、対象物を互いに異なる位置から2台のカメラで撮像し、その対象物のステレオ画像を基に対象物の各部分の凹凸を計測して3次元パターンを作成し、登録時に得られた「登録3次元パターン」と照合時に得られた「照合3次元パターン」との間で照合を行うことから3次元照合型と呼ばれる(特許文献2参照)。
2次元照合型は、扱うデータが2次元なので照合データ量が少なくて済み、照合処理の負荷が小さく、照合結果が短時間で得られるという長所がある。しかし、例えば、許可されない第三者が許可された人の顔の写真、もしくは顔のコピー画像を用いて照合時に照合画像として入力した場合、その不正を見破れず、照合したと判断する虞れがあり、偽造に弱いという欠点がある。
これに対し、3次元照合型は、扱うデータが3次元なので、万が一、上記のような不正が行われた場合でも、顔の凹凸が無い、あるいは正常な人の顔として不自然なほど凹凸差が小さいことから、照合したと誤って判断する虞れはない。
特開平10−134188号公報 特開平9−259271号公報 特開平6−168317号公報 特開平10−132534号公報(特許第3347608号) コンピュータ画像処理入門(日本工業技術センター編、総研出版(株)発行、P.44〜45)
しかしながら、従来の3次元パターンの照合では、照合結果が不正(NG)となった場合に、それが第三者による写真やコピー画像を用いた不正行為によるものなのか、不正の意思はなく単に本人と判断されなかった(登録されていなかった)だけであるのかは不明である。
一般的に、このような3次元パターンの個人認証装置が用いられる施設や機器は高いセキュリティ性が要求される場合が多いので、不正行為者が使用できないようにするのみならず、そのような行為があったことを遠隔地にあるセキュリティセンタに通報することが望まれる。しかし、不正行為であるか否かの判断ができないので、そのような仕組みをとることができない。
なお、照合対象物の3次元パターンと登録対象物の3次元パターンとの照合過程の中で、上記のような第三者の不正行為か、不正の意思がない第三者なのかを区別することができるように照合アルゴリズムを工夫することも考えられる。しかし、照合アルゴリズムが複雑になり、照合結果が得られるまでに長い時間がかかり、利便性に問題が生じ、結局実用化できない。更に、照合スピードを落とさないために、3次元の特徴情報のデータ量を少なくすることも考えられるが(特許文献3参照)、そのようにすると照合アルゴリズムの精度自体の低下を招き、これも実用化上問題となる。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、写真やコピー画像を用いた不正行為を早期に発見し、外部に速やかに通報することが可能な3次元パターン照合装置を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明の3次元パターン照合装置は、照合対象物を第1の方向から見た画像と第2の方向から見た画像とから照合対象物の3次元パターンを作成する3次元パターン作成手段と、この3次元パターン作成手段によって作成された照合対象物の3次元パターンの凹凸情報から照合対象物が不正であるか否かをチェックするチェック手段と、このチェック手段によって照合対象物が不正であると判断された場合、その旨を外部に通知する通知手段と、上記チェック手段によって照合対象物が不正でないと判断された場合、照合対象物の3次元パターンの基準方向に対する偏向角度を求め、この求めた偏向角度を零とするように照合対象物の3次元パターンを修正し、この修正した照合対象物の3次元パターンを基準方向から見た2次元パターンに変換し、この変換した照合対象物の2次元パターンと予め記憶されている登録対象物の2次元パターンとを相関法によって照合する第1の照合手段とを備え、第1の照合手段は、照合対象物の2次元パターンと登録対象物の2次元パターンをそれぞれフーリエ変換し、このフーリエ変換されたそれぞれの2次元パターンに対し振幅抑制処理を行い、この振幅抑制処理が行われたそれぞれの2次元パターンの座標系を極座標系に変換し、この極座標系に変換されたそれぞれの2次元パターンに対し距離抑制処理を行い、さらにこの距離抑制処理が行われたそれぞれの2次元パターンをフーリエ変換し、このフーリエ変換されたそれぞれの2次元パターンを合成し、この合成したデータに対して振幅抑制処理を行い、この振幅抑制処理が行われたデータに対してフーリエ変換または逆フーリエ変換の何れか一方を行って相関データを求め、この相関データに基づいて照合対象物の2次元パターンと登録対象物の2次元パターンとの照合を行うことを特徴とする。
この発明によれば、照合対象物の3次元パターンと登録対象物の3次元パターンとの照合を行う前に(照合過程に入る前の前処理段階で)、照合対象物の3次元パターンの凹凸情報から照合対象物が不正であるか否かがチェックされ、不正であると判断されるとその旨が外部に通知される。
また、本発明では、照合対象物が不正と判断された場合、照合対象物の3次元パターンと登録対象物の3次元パターンとの照合を行わないようにすることができる。すなわち、照合対象物が不正ではないことを前提として、照合対象物の3次元パターンと登録対象物の3次元パターンとの照合を行うことができる。この場合、照合対象物の3次元パターンの基準方向に対する偏向角度が求められ、この求めた偏向角度を零とするように照合対象物の3次元パターンが修正され、この修正された照合対象物の3次元パターンが基準方向から見た2次元パターンに変換され、この変換された照合対象物の2次元パターンと記憶されている登録対象物の2次元パターンとが相関法によって照合される
本発明において、照合対象物が不正であるか否かの判断は、例えば次のようにして行う。照合対象物の3次元パターンの凹凸情報より最もその位置が高い最大高さ部を探し出す。この最大高さ部を含む所定の範囲内における最もその位置が低い最小高さ部を探し出す。この探し出した最大高さ部と最小高さ部との凹凸差を求め、この凹凸差が予め定められた閾値よりも小さかった場合に、照合対象物を不正であると判断する。
本発明によれば、照合対象物の3次元パターンの凹凸情報から照合対象物が不正であるか否かをチェックすることにより、写真やコピー画像を用いた不正行為を早期に発見し、その旨を外部に速やかに通報することが可能となる。
また、本発明によれば、照合対象物が不正であるか否かが照合過程に入る前の前処理段階でチェックされるので、照合対象物が不正ではないことを前提として照合を行うようにすることができ、照合処理が複雑とならず、照合にかかる時間が長時間となることもなく、利便性が損なわれるという問題も生じないようにすることが可能となる。
また、本発明によれば、照合対象物が不正でないと判断された場合、3次元パターン同士ではなく、2次元パターン同士が照合されるので、取り扱うデータ量が少なく、処理負荷が低減され、高速で対象物の照合が行われるものとなる。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図1はこの発明の一実施の形態を示す3次元パターン照合装置のブロック構成図である。同図において、10は第1のCCDカメラ、11は第2のCCDカメラ、12は液晶表示装置(LCD)、20は処理部であり、処理部20は、CPUを有する制御部20−1と、ROM20−2と、RAM20−3と、ハードディスク(HD)20−4と、フレームメモリ(FM)20−5と、外部接続部(I/F)20−6と、フーリエ変換部(FFT)20−7とを備えており、ROM20−2には登録プログラムと照合プログラムが格納されている。また、CCDカメラ10,11は、所定の距離Lを隔てて設置されている。すなわち、CCDカメラ10,11は、そのレンズ10−1,11−1間の距離をLとして、横方向に並んで配置されている。図では分かり易いように、3次元パターン照合装置は上方向から見た図とし、対象物(人間の顔)は横方向から見た図としている。
〔対象物の登録〕
この3次元パターン照合装置において、対象物を人間の顔M1とした場合、この対象物M1(登録対象物)は次のようにして登録される。運用する前に、利用者は、CCDカメラ10,11に顔(登録対象物)M1を向け、自己に割り当てられたIDナンバを入力のうえ(図2に示すステップ101)、登録スタートスイッチ(図示せず)を押す。
制御部20−1は、登録スタートスイッチが押されると(ステップ102のYES)、フレームメモリ20−5を介して、CCDカメラ10からの登録対象物M1を捉えた画像O1(図3(a):第1の方向から見た画像)を第1画像として取り込み(ステップ103)、CCDカメラ11からの登録対象物M1を捉えた画像O2(図3(b):第2の方向から見た画像)を第2画像として取り込み(ステップ104)、この取り込んだ第1画像O1と第2画像O2とから登録対象物M1の3次元パターンO3(図3(g))を作成する(ステップ105)。以下、この3次元パターンO3を登録3次元パターンと呼ぶ。
〔登録3次元パターンの作成〕
制御部20−1は登録3次元パターンO3を次のようにして作成する。先ず、第1画像O1をフーリエ変換部20−7へ送り、この第1画像O1に2次元離散的フーリエ変換(DFT)を施し、フーリエ画像データF1とする(図4に示すステップ201)。なお、2次元離散的フーリエ変換については、例えば非特許文献1等に説明されているので、ここでの詳しい説明は省略する。
次に、制御部20−1は、第2画像O2をm×n個の局所領域O2(i,j)に分割する(ステップ202:図3(c))。そして、i=1,j=1とし(ステップ203)、第2画像O2の局所領域O2(1,1)の画像データをフーリエ変換部20−7へ送り、2次元離散的フーリエ変換を施す(ステップ204)。これにより、局所領域O2(1,1)の画像データは、フーリエ画像データF2(1,1)となる。
そして、制御部20−1は、ステップ201で得たフーリエ画像データF1とステップ204で得たフーリエ画像データF2とを合成し(ステップ205)、合成フーリエ画像データを得る(ステップ205)。
ここで、合成フーリエ画像データは、フーリエ画像データF1をA・exp(jθ)とし、フーリエ画像データF2をB・exp(jφ)とした場合、フーリエ画像データF1にフーリエ画像データF2の複素共役を乗じることによって得られるA・B・exp(j(θ−φ))で表される。但し、A,B,θ,φとも空間周波数(フーリエ)空間(u,v)の関数とする。
そして、A・B・exp(j(θ−φ))は、
A・B・exp(j(θ−φ))=A・B・cos(θ−φ)+j・A・B・sin(θ−φ) ・・・(1)
として表され、A・exp(jθ)=α1 +jβ1 、B・exp(jφ)=α2 +jβ2 とすると、A=(α1 2+β1 21/2,B=(α2 2+β2 21/2,θ=tan-1(β1 /α1 ),φ=tan-1(β2 /α2 )となる。この(1)式を計算することにより合成フーリエ画像データを得る。
なお、A・B・exp(j(θ−φ))=A・B・exp(jθ)・exp(−jφ)=A・exp(jθ)・B・exp(−jφ)=(α1 +jβ1 )・(α2 −jβ2 )=(α1 ・α2 +β1 ・β2 )+j(α2 ・β1 −α1 ・β2 )として、合成フーリエ画像データを求めるようにしてもよい。
そして、制御部20−1は、このようにして合成フーリエ画像データを得た後、振幅抑制処理を行う(ステップ206)。この実施の形態では、振幅抑制処理として、log処理を行う。すなわち、前述した合成フーリエ画像データの演算式であるA・B・exp(j(θ−φ))の振幅A・Bのlogをとり、log(A・B)・exp(j(θ−φ))とすることにより、振幅であるA・Bをlog(A・B)に抑制する(A・B>log(A・B))。
振幅抑制処理を施した合成フーリエ画像データでは第1画像O1の採取時と第2画像O2の採取時の照度差による影響が小さくなる。すなわち、振幅抑制処理を行うことにより、各画素のスペクトラム強度が抑圧され、飛び抜けた値がなくなり、より多くの情報が有効となる。
なお、この実施の形態では、振幅抑制処理としてlog処理を行うものとしたが、√処理を行うようにしてもよい。また、log処理や√処理に限らず、振幅を抑制することができればどのような処理でもよい。振幅抑制で全ての振幅を例えば1にすると、すなわち位相のみにすると、log処理や√処理等に比べ、計算量を減らすことができるという利点とデータが少なくなるという利点がある。
ステップ206で振幅抑制処理を行った後、制御部20−1は、その振幅抑制処理を行った合成フーリエ画像データをフーリエ変換部20−7へ送り、もう一度、2次元離散的フーリエ変換を施す(ステップ207)。この2次元離散的フーリエ変換が施された合成フーリエ画像データは、周波数空間における振幅が抑制されているが、基本的には第1画像O1と第2画像O2とを畳み込んだ画像データと考えることができ、第1画像O1と第2画像O2との相関を表すものである。
そして、制御部20−1は、この2次元離散的フーリエ変換が施された合成フーリエ画像データを取り込み、この合成フーリエ画像データより所定の相関成分エリア(この実施の形態では全エリア)の各画素の強度(振幅)をスキャンし、第1画像O1と第2画像O2との各画素の相関成分の強度のヒストグラムを求め、このヒストグラムより相関成分エリア内の最も強度の高い画素(相関ピーク)を抽出する(ステップ208)。
そして、この抽出した相関ピークをしきい値と比較し(図5に示すステップ209)、しきい値よりも相関ピークが小さければステップ210へ進み、大きければステップ211へ進む。この場合、第1画像O1中に局所領域O2(1,1)の画像データと一致する画像データがないので、あるいは一致する画像データがあったとしてもそれは背景であって相関ピークは小さいものとして現れるので、ステップ209のNOに応じてステップ210へ進む。ステップ210ではカメラ(レンズ10−1,11−1の中心)から登録対象物M1の局所領域O2(1,1)までの距離R(1,1)を所定値R0とし、これを記憶する。
そして、ステップ213においてi=mか否かをチェックのうえ、ステップ214においてi=i+1、すなわちi=2とし、ステップ216を経てステップ204へ戻る。以下、同様動作が繰り返され、登録対象物M1の局所領域O2(2,1),O2(3,1)までの距離R(2,1),R(3,1)が所定値R0として記憶される。
ステップ214において、i=4となると、次のステップ209において相関ピークがしきい値よりも大きくなる。すなわち、この場合、第1画像O1中に局所領域O2(4,1)の画像データ(図3(f))と一致する画像データがあるので、この時に相関成分エリアから抽出される相関ピークはしきい値以上となる。
この時の相関ピークの座標位置を図3(d)に示す。同図に示すPa1が相関ピークであり、相関成分エリアの中心P0から相関ピークPa1までの横方向の距離Aが、第2画像O2における局所領域O2(4,1)と第1画像O1における一致する画像データがある領域とのずれを示す。
この場合、制御部20−1は、相関成分エリアの中心P0から相関ピークPa1までの距離Aを求め(ステップ211)、すなわち第2画像O2における局所領域O2(4,1)と第1画像O1における一致する画像データのある領域とのずれAを求め、この求めたずれAに基づき、三角測量の原理に基づく下記(2)式により、カメラから登録対象物M1の局所領域O2(4,1)までの距離R(4,1)を求め、これを記憶する(ステップ212)。この場合、距離R(4,1)は、登録対象物M1の局所領域O2(4,1)までの平均距離として得られる。なお、下記(2)式において、fはレンズ10−1(11−1)の中心から撮像位置までの距離、Lはレンズ間距離である。
R=f・L/A ・・・・(2)
そして、制御部20−1は、ステップ213においてi=mか否かをチェックのうえ、ステップ214においてi=i+1、すなわちi=5とし、ステップ216を経て、ステップ204へ戻る。以下、同様動作が繰り返され、相関成分エリアから抽出される相関ピークがしきい値よりも低い場合には、その時の登録対象物M1の局所領域O2(i,j)までの距離が所定値R0として、しきい値よりも高い場合には、その時の登録対象物M1の局所領域O2(i,j)までの距離がずれAから求められる距離R(i,j)として記憶される。
ステップ213でi=mとなれば、i=1,j=j+1とし(ステップ215)、ステップ216を経てステップ204へ戻る。ステップ216において、j>nとなれば、すべての局所領域O2(i,j)についてその距離R(i,j)が求められたとし、ステップ217へ進む。ステップ217では、ステップ204〜216の繰り返し処理によって得られた登録対象物M1の局所領域O2(i,j)までの距離R(i,j)に基づいて、登録対象物M1の3次元パターンO3を作成する。本出願人は、この第1画像O1と第2画像O2からの3次元パターンO3の作成の基本技術について、すでに特許を取得している(特許文献4参照)。
なお、この実施の形態では、2次元離散的フーリエ変換をフーリエ変換部20−7において行うものとしたが、制御部20−1内で行うものとしてもよい。また、この実施の形態では、図4に示したステップ207にて2次元離散的フーリエ変換を行うようにしたが、2次元離散的フーリエ変換ではなく2次元離散的逆フーリエ変換を行うようにしてもよい。すなわち、振幅抑制処理が施された合成フーリエ画像データに対して2次元離散的フーリエ変換を行うのに代えて、2次元離散的逆フーリエ変換を行うようにしてもよい。2次元離散的フーリエ変換と2次元離散的逆フーリエ変換とは、定量的にみて照合精度は変わらない。2次元離散的逆フーリエ変換についても2次元離散的フーリエ変換と同じく非特許文献1で説明されている。
また、この実施の形態では、合成後のフーリエ画像データに対して振幅抑制処理を施して2次元離散的フーリエ変換を行うようにしたが(ステップ206,207)、合成前のフーリエ画像データF1およびフーリエ画像データF2(i,j)にそれぞれ振幅抑制処理を行った後に合成するようにしてもよい。すなわち、図6(a),(b)に示すように、図4のステップ206をなくし、ステップ201と202との間およびステップ204と205との間に振幅抑制処理を行うステップ218,219を設けてもよい。あるいは、図6(c)に示すように、図4のステップ206をなくし、ステップ204と205との間にF1,F2(i,j)に対して個別に振幅抑制処理を行うステップ220を設けてもよい。
また、この実施の形態では、第1の方向から登録対象物M1を見た画像を第1画像O1とし、第2の方向から登録対象物M1を見た画像を第2画像O2とし、第1画像O1と第2画像O2の局所領域O2(i,j)を空間周波数特性に基づいて照合し、相関成分エリアの中心から相関ピークの位置までの距離をずれAとして求めたが、第1画像O1の局所領域O1(i,j)と第2画像O2を空間周波数特性に基づいて照合しても、同様にしてずれAを求めることができる。
この場合、図3(d)に対応して、図3(e)が得られる。すなわち、図3(d)における相関ピークPa1に対し、相関成分エリアの中心P0を中心として逆の位置に相関ピークPa1’が現れる。したがって、この場合、相関ピークPa1’の位置から相関成分エリアの中心P0までの距離をずれAとして求める。
図4および図5のフローチャートに従う処理では、第2画像O2の局所領域O2(i,j)を対象としたフーリエ画像データF2を第1画像O1全体を対象としたフーリエ画像データF1と合成するために、演算量が多くなる。この演算量は、例えば、次のような方式とすることにより減らすことが可能である。第1画像O1を水平方向に分割し(図7(h)参照)、これにより得られる各分割領域O1(j)に2次元離散的フーリエ変換を施してフーリエ画像データF1(j)を作成し、フーリエ画像データF2(i,j)とこのフーリエ画像データF2(i,j)の作成元である第2画像O2の局所領域O2(i,j)に対応する第1画像O1における対応領域(i,j)が属する分割領域O1(j)のフーリエ画像データF1(j)とを合成し、これによって得られる合成フーリエ画像データからずれAを求めるようにする。図8,図9にその処理フローチャートを示す。
なお、図7では、第1画像O1を水平方向に分割したが、垂直方向に分割してもよい。また、第2画像O2からオーバラップすることなく局所領域O2(i,j)を切り出したが、図10に示すように、少しずつ(例えば、1画素ずつ)画像をずらしながら切り出すようにしてもよい。すなわち、局所領域O2(i,j)をオーバラップさせながら切り出すようにしてもよく、このようにすることにより3次元パターンの作成精度をアップすることができる。
〔登録3次元パターンの修正〕
制御部20−1は、登録3次元パターンO3を作成すると(図2:ステップ105)、この作成した登録3次元パターンO3の基準方向に対する偏向角度を求める(ステップ106)。すなわち、登録3次元パターンO3が直面する方向を基準方向とし(図3(g)参照)、この基準方向に対する登録3次元パターンO3の左右方向の偏向角度(回転角度)と上下方向の偏向角度(傾斜角度)を求める。
そして、制御部20−1は、この偏向角度が零となるように、すなわち登録3次元パターンO3が基準方向(真正面)を向くように、登録3次元パターンO3の回転角度と傾斜角度を修正する(ステップ107)。そして、この修正した登録3次元パターンO3を基準方向から見た2次元パターンに変換し、すなわち登録対象物M1を真正面から見た2次元パターンRに変換し、ステップ101で入力されたIDナンバと対応づけてハードディスク20−4に記憶する(ステップ108)。以下、この2次元パターンRを登録2次元パターンと呼ぶ。
〔対象物の照合〕
対象物の照合は次のようにして行われる。利用者は、CCDカメラ10,11に顔(照合対象物)M1を向け、自己に割り当てられたIDナンバを入力のうえ(図11に示すステップ401)、照合スタートスイッチ(図示せず)を押す。
制御部20−1は、照合スタートスイッチが押されると(ステップ402のYES)、フレームメモリ20−5を介して、CCDカメラ10からの照合対象物M1を捉えた画像S1(図3(a):第1の方向から見た画像)を第1画像として取り込み(ステップ403)、CCDカメラ11からの照合対象物M1を捉えた画像S2(図3(b):第2の方向から見た画像)を第2画像として取り込み(ステップ404)、この取り込んだ第1画像S1と第2画像S2とから照合対象物M1の3次元パターンS3(図3(g))を作成する(ステップ405)。以下、この3次元パターンS3を照合3次元パターンと呼ぶ。
なお、この照合3次元パターンS3の作成は、先に説明した登録3次元パターンO3と全く同じ処理によって行われる。すなわち、第1画像S1に2次元離散的フーリエ変換を施してフーリエ画像データとし、第2画像S2をm×n個の局所領域に分割し、各局所領域の画像データにフーリエ変換を施してフーリエ画像データとし、第1画像S1のフーリエ画像データと各局所領域のフーリエ画像データとから各局所領域のカメラからの距離Rを求め、この各局所領域の距離Rから照合3次元パターンS3を作成する。この照合3次元パターンS3は、照合対象物M1の立体画像を示し、その立体画像の各部の高さを示す各画素毎の凹凸情報から構成される。
〔不正行為のチェック〕
制御部20−1は、照合3次元パターンS3を作成すると(ステップ405)、この照合3次元パターンS3の画素毎の凹凸情報を収集し(ステップ406)、この収集した凹凸情報から照合対象物M1が不正であるか否か、すなわち写真やコピー画像を用いた不正行為が行われたか否かをチェックする(ステップ407)。
具体的には、照合3次元パターンS3の画素毎の凹凸情報より最もその位置が高い最大高さ部を探し出し、その最大高さ部を含む所定の範囲内における最もその位置が低い最小高さ部を探し出し、この探し出した最大高さ部と最小高さ部との凹凸差を求め、この凹凸差が予め定められた閾値よりも小さかった場合に、照合対象物M1を不正であると判断する。
本実施の形態において、照合対象物M1は顔であり、写真やコピー画像を用いた不正行為が行われたものでなければ、最大高さ部と最小高さ部との間にはある程度大きな凹凸差が生じる。写真やコピー画像では凹凸差は小さい。一般に、最大高さ部は「鼻の頭」の部分H1として探し出され(図13(a)参照)、この最大高さ部H1を含む所定の範囲として「鼻」の全体をその領域内に余裕を持って位置させることができる矩形状の領域SAを定めると、この領域SA内における最もその位置が低い最小高さ部H0(図13(b)参照)と最大高さ部H1との凹凸差hは、人によって異なるものの常にある値hth以上となる。本実施の形態では、この値hthを経験的に定めて正常閾値とし、この正常閾値hthよりも最大高さ部H1と最小高さ部H0との凹凸差hが小さければ、照合対象物M1を不正であると判断する。すなわち、最大高さ部H1と最小高さ部H0との凹凸差hが不自然に小さく、この不自然に小さい状態を写真やコピー画像を用いた不正行為が行われたと判断する。
なお、上述したように、一般的に最大高さ部は「鼻の頭」であり、「鼻の頭」は顔の中央部に存在するから、最大高さ部を含む所定の範囲として定められる矩形状の領域SAに誤って背景が含まれることはない。また、最大高さ部と最小高さ部との凹凸差は、照合3次元パターンS3の凹凸情報の収集過程で得られ、不正行為か否かの判断に要するデータは最大高さ部と最小高さ部だけでよく、不正行為のチェックプログラムが簡素で負荷が小さく、短時間に判断結果が得られる。
制御部20−1は、照合3次元パターンS3が不正なパターンであり、写真やコピー画像を用いた不正行為が行われたと判断すると(ステップ407のYES)、その旨を外部接続部20−6を介してセキュリティセンタに通報する(ステップ408)。この場合、不正行為の通報と合わせて、入力された画像S1,S2をセキュリティセンタへ送る(ステップ409)。また、不正と判定し(ステップ410)、その判定結果を液晶表示装置12に表示する。
〔照合3次元パターンの修正〕
制御部20−1は、照合対象物M1が不正ではないと判断すると(ステップ407のNO)、照合3次元パターンS3の基準方向に対する偏向角度を求める(図12:ステップ411)。すなわち、照合3次元パターンS3が直面する方向を基準方向とし(図3(g)参照)、この基準方向に対する照合3次元パターンS3の左右方向の偏向角度(回転角度)と上下方向の偏向角度(傾斜角度)を求める。
そして、制御部20−1は、この偏向角度が零となるように、すなわち照合3次元パターンS3が基準方向(真正面)を向くように、照合3次元パターンS3の回転角度と傾斜角度を修正する(ステップ412)。そして、この修正した照合3次元パターンS3を基準方向から見た2次元パターン、すなわち照合対象物M1を真正面から見た2次元パターンIに変換する(ステップ413)。以下、この2次元パターンIを照合2次元パターンと呼ぶ。
〔粗照合(第1照合)〕
そして、制御部20−1は、ステップ401で入力されたIDナンバと対応してファイル化されている登録2次元パターンRをハードディスク20−4から読み出し、倍率回転不変型振幅抑制相関法で登録2次元パターンRと照合2次元パターンIとを照合(第1照合:粗照合)する(ステップ414)。
図14にステップ414で行われる粗照合のフローチャートを示す。制御部20−1は、読み出した登録2次元パターンRに対し2次元離散的フーリエ変換を施して登録フーリエ画像データRF とし(ステップ501)、ステップ413で得た照合2次元パターンIに対し2次元離散的フーリエ変換を施して照合フーリエ画像データIF とする(ステップ502)。
この登録フーリエ画像データRF および照合フーリエ画像データIF には振幅成分と位相成分とが含まれている。また、この登録フーリエ画像データRF および照合フーリエ画像データIF は、デカルト座標系すなわち(x,y)座標系とされている。この登録フーリエ画像データRF および照合フーリエ画像データIF に対し振幅抑制処理を行い(ステップ503,504)、この振幅抑制処理された登録フーリエ画像データRFLおよび照合フーリエ画像データIFLの座標系を極座標系に変換し(ステップ505,506)、極座標系に変換された登録フーリエ画像データRPLおよび照合フーリエ画像データIPLを得る。
ここで、極座標変換とは、デカルト座標系(x,y)を極座標系(θ,r)に変換する処理のことをいう。すなわち、図15(a)に示されるデカルト座標系(x=rcosθ,y=rsinθ)を図15(b)に示されるような原点からの距離rと角度θで表される極座標系(θ=tan-1(y/x),r=(x2 +y2 1/2)に変換する処理のことをいう。
そして、ステップ505で得た極座標系とされた登録フーリエ画像データRPLとステップ506で得た極座標系とされた照合フーリエ画像データIPLにそれぞれ距離抑制処理を施す(ステップ507,508)。この例では、距離抑制処理として、極座標系とされた登録フーリエ画像データRPLおよび照合フーリエ画像データIPLの距離成分であるrにlog処理を施し、登録フーリエ画像データRPLL および照合フーリエ画像データIPLL とする。なお、ここでの距離抑制処理は、登録パターンと照合パターンとの倍率差を圧縮し、後述するように限りのあるエリア内で倍率ずれを確実に求めるために施すものであり、エリアに余裕があれば施さなくてもよい。また、距離抑制処理は、振幅抑制処理と違って、全ての距離を1とする処理は含まないものとする。全ての距離を1とすると倍率ずれが得られなくなってしまう。
次に、制御部20−1は、距離抑制処理が施された登録フーリエ画像データRPLL および照合フーリエ画像データIPLL に対して2次元離散的フーリエ変換を施し(ステップ509,510)、登録フーリエ画像データRPLLFおよび照合フーリエ画像データIPLLFを得る。そして、この登録フーリエ画像データRPLLFおよび照合フーリエ画像データIPLLFとを合成し(ステップ511)、合成フーリエ画像データを得る。そして、この合成フーリエ画像データに対して振幅抑制処理を施し(ステップ512)、この振幅抑制処理を施した合成フーリエ画像データに2次元離散的フーリエ変換を施す(ステップ513)。
なお、この例では、RPLLFとIPLLFとの合成フーリエ画像データに対して振幅抑制処理を行ったが、RPLLFおよびIPLLFに対して振幅抑制処理を行って登録フーリエ画像データRPLLF ’および照合フーリエ画像データIPLLF ’とし、このRPLLF ’とIPLLF ’とを合成するようにしてもよい。また、ステップ513での2次元離散的フーリエ変換は、2次元離散的逆フーリエ変換としてもよい。
そして、この2次元離散的フーリエ変換が施された合成フーリエ画像データより所定の相関成分エリアの各画素の相関成分の強度(振幅)をスキャンし、各画素の相関成分の強度のヒストグラムを求め、このヒストグラムより相関成分の強度の高い上位n画素を抽出し、この抽出したn画素の相関成分の強度の平均を相関値(スコア)として求める(ステップ514)。
ここで、求められた相関値が予め定められているしきい値よりも高ければ(ステップ515のYES)、粗くではあるが登録2次元パターンRと照合2次元パターンIとは「一致」したと判断する(ステップ516)。この場合、制御部20−1は、直ちにステップ415(図12)へ進み、ステップ415でのYESに応じて、登録対象物M1と照合対象物M1とが一致したとの判定結果を出す(ステップ416)。この判定結果は液晶表示装置12に表示される。また、外部接続部20−6を介して、解錠指令などとして出力される。
これに対し、求められた相関値が予め定められているしきい値よりも低ければ(ステップ515のNO)、登録2次元パターンRと照合2次元パターンIとは「不一致」と判断し、登録2次元パターンRと照合2次元パターンIとの回転ずれと倍率ずれを求めたうえ(ステップ517)、ステップ415(図12)へ進み、ステップ415でのNOに応じて、ステップ417へ進む。
〔回転ずれ、倍率ずれ〕
ステップ517での回転ずれと倍率ずれは次のようにして求める。ステップ513で得た2次元離散的フーリエ変換が施された合成フーリエ画像データより相関成分の強度の最も高い画素を相関ピークとして求める。この相関ピークの位置から登録2次元パターンRと照合2次元パターンIとの回転ずれΔθと倍率ずれΔrmとを求める。
図16に2次元離散的フーリエ変換が施された合成フーリエ画像データ中に現れる相関ピークの出現例を示す。この例では、2次元離散的フーリエ変換が施された合成フーリエ画像データの画像領域G1中に、相関ピークとしてP1が出現している。この相関ピークP1と相関成分エリアの中心P0との位置関係から回転ずれΔθと倍率ずれΔrmを求める。
すなわち、P0を中心とする相関ピークP1の横軸方向の位置から回転ずれΔθを求め、縦軸方向の位置から倍率ずれΔrmを求める。この例では、横軸方向の中心P0の位置がΔθ=0を示し、横軸方向の左限の位置がΔθ=−180゜、横軸方向の右限の位置がΔθ=+180゜を示す。また、縦軸方向の中心P0の位置がΔrm=1倍を示し、縦軸方向の下限の位置がΔrm=0倍,縦軸方向の上限の位置がΔrm=2倍を示す。なお、この場合の倍率ずれΔrmは、登録2次元パターンRに対する照合2次元パターンIの比率とする。また、倍率ずれΔrmは、登録2次元パターンRと照合2次元パターンIとの倍率差として求めるようにしてもよい。この場合、登録2次元パターンRと照合2次元パターンIとの倍率が同じであれば、倍率ずれΔrmはΔrm=0となる。
〔ずれ補正〕
粗照合で登録2次元パターンRと照合2次元パターンIとが「不一致」と判断された場合(ステップ515のNO)、制御部20−1は、上述のようにして登録2次元パターンRと照合2次元パターンIとの回転ずれΔθと倍率ずれΔrmを求めたうえ(ステップ517)、ステップ417へ進む。ステップ417では、回転ずれΔθと倍率ずれΔrmに基づいて、照合2次元パターンIに対してずれ補正を行う。
この例では、回転ずれΔθをΔθ=0゜とするように、また倍率ずれΔrmをΔrm=1倍とするように、照合2次元パターンIに対して回転角度の補正と倍率の補正とを行い、照合2次元パターンIN とする。これにより、ずれ補正が施された照合2次元パターンIN は、その回転角度と倍率が登録2次元パターンRと合致することになる。
なお、この場合、回転ずれΔθは粗照合を行う前にすでに是正されているので、すなわちステップ107(図2)における登録3次元パターンO3の回転角度と傾斜角度の修正、ステップ412(図12)における照合3次元パターンS3の回転角度と傾斜角度の修正によって回転ずれΔθは是正されているので、相関ピークP1の位置から倍率ずれΔrmだけを求め、照合2次元パターンIに対して倍率ずれ補正だけを行うようにしてもよい。また、照合2次元パターンIに対してではなく、登録2次元パターンRに対してずれ補正を行うようにしてもよい。
〔精照合(第2照合)〕
制御部20−1は、ステップ417で照合2次元パターンIに対してずれ補正を行った後、振幅抑制相関法によって登録2次元パターンRと照合2次元パターンIN とを照合(第2照合:精照合)する(ステップ418)。図17にステップ418で行われる精照合のフローチャートを示す。制御部20−1は、ずれ補正が施された照合2次元パターンIN に対して2次元離散的フーリエ変換を施し(ステップ601)、照合フーリエ画像データINFを得る。そして、この照合フーリエ画像データINFと先のステップ501で得られている登録フーリエ画像データRF とを合成し(ステップ602)、合成フーリエ画像データを得る。
そして、この合成フーリエ画像データに対して振幅抑制処理を行い(ステップ603)、この振幅抑制処理を行った合成フーリエ画像データに2次元離散的フーリエ変換を施す(ステップ604)。そして、この2次元離散的フーリエ変換が施された合成フーリエ画像データより所定の相関成分エリアの各画素の相関成分の強度(振幅)をスキャンし、各画素の相関成分の強度のヒストグラムを求め、このヒストグラムより相関成分の強度の高い上位n画素を抽出し、この抽出したn画素の相関成分の強度の平均を相関値(スコア)として求める(ステップ605)。
そして、ステップ605で得た相関値を予め定められているしきい値と比較し、相関値がしきい値以上であれば(ステップ606のYES)、登録2次元パターンRと照合2次元パターンIN とが「一致(OK)」したと判断する(ステップ607)。相関値がしきい値以下であれば(ステップ606のNO)、登録2次元パターンRと照合2次元パターンIN とは「不一致(NG)」と判断する(ステップ608)。
そして、制御部20−1は、ステップ419(図12)へ進み、登録2次元パターンRと照合2次元パターンIN とが一致したとの判断が得られていれば(ステップ419のYES)、登録対象物M1と照合対象物M1とが一致したとの判定結果を出す(ステップ416)。これに対し、登録2次元パターンRと照合2次元パターンIN とが不一致であるとの判断が得られていれば(ステップ419のNO)、登録対象物M1と照合対象物M1とが不一致であるとの判定結果を出す(ステップ420)。
なお、この例では、RF とINFとの合成フーリエ画像データに対して振幅抑制処理を行ったが、RF およびINFに対して振幅抑制処理を行って登録フーリエ画像データRF ’および照合フーリエ画像データINF’とし、このRF ’とINF’とを合成するようにしてもよい。また、振幅抑制処理において全ての振幅を1、すなわち位相のみとしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、照合3次元パターンS3の凹凸情報から照合対象物M1が不正であるか否かをチェックすることにより、写真やコピー画像を用いた不正行為を早期に発見し、その旨を外部のセキュリティセンタに速やかに通報することができるようになる。また、照合対象物M1が不正であるか否かが照合過程(粗照合、精照合)に入る前の前処理段階でチェックされ、照合対象物M1が不正ではないことを前提として照合が行われるので、照合処理が複雑とならず、照合にかかる時間が長時間となることもなく、利便性が損なわれるという問題も生じない。なお、この実施の形態では、図11に示したステップ405の後で凹凸情報を収集し不正行為をチェックするようにしたが、図12に示したステップ413の後で行うようにしてもよい。
また、本実施の形態では、登録対象物M1を第1の方向から見た画像O1と第2の方向から見た画像O2とから登録対象物M1の3次元パターンO3を作成するようにし、照合対象物M1を第1の方向から見た画像S1と第2の方向から見た画像S2とから照合対象物の3次元パターンS3を作成するようにしているので、カメラを回転させるなど複雑な装置を必要とせず、3次元パターンの作成に要する時間も短くて済み、低コストで対象物M1の照合を行うことができるようになる。
また、本実施の形態では、登録対象物M1の3次元パターンO3の基準方向に対する偏向角度を求め、この求めた偏向角度を零とするように登録対象物M1の3次元パターンO3を修正するようにし、照合対象物M1の3次元パターンS3の基準方向に対する偏向角度を求め、この求めた偏向角度を零とするように照合対象物M1の3次元パターンO3を修正するようにしているので、また、粗照合の照合過程で得られる相関ピークP1の位置から登録対象物M1の2次元パターンRと照合対象物M1の2次元パターンIとの間の回転ずれΔθと倍率ずれΔrmを求め、このずれに基づいて照合対象物M1の2次元パターンIにずれ補正を行うようにしているので、登録対象物M1と照合対象物M1の3次元的なずれ(傾斜方向のずれ、回転方向のずれ、倍率ずれ)が是正されるものとなり、位置決め手段を設けることなく、対象物M1の照合を正確に行うことができる。
また、本実施の形態にれよれば、修正された登録対象物M1の3次元パターンO3をそのパターンを基準方向から見た2次元パターンRに変換し、修正された照合対象物M1の3次元パターンS3をそのパターンを基準方向から見た2次元パターンIに変換し、この変換した登録対象物M1の2次元パターンRと照合対象物M1の2次元パターンIとを照合するようにしているので、すなわち3次元パターン同士ではなく、2次元パターン同士を照合するようにしているので、取り扱うデータ量が少なく、装置における処理負荷が低減され、3次元パターンの作成に要する時間の短縮とも相俟って、高速で対象物M1の照合が行われる。
また、本実施の形態によれば、登録対象物M1の2次元パターンRと照合対象物M1の2次元パターンS3との粗照合を倍率・回転不変型振幅抑制相関法により、精照合を振幅抑制相関法により行うようにしているので、すなわち両照合とも相関法によって行っているので、全体的な類似度(相関値)によって一致/不一致が判断されるものとなり、照合のための特徴点を定義する必要がなく、特徴点部分に外乱を受けたとしてもパターン全体として軽微であれば、特徴点方式よりも遙かに照合精度への影響を小さくすることができ、照合判断を誤る可能性を低くすることができる。なお、照合判定を誤る可能性は若干高くはなるが、精照合は相関法ではなく、特徴点方式などで行うようにしてもよい。
また、本実施の形態によれば、粗照合によって登録対象物M1の2次元パターンRと照合対象物M1の2次元パターンIとが一致すると判定された場合、ずれ補正や精照合を実行せずに直ちにその判定結果を出力するので、一致すると判定された場合の照合結果の出力が速くなる。すなわち、粗照合での一致/不一致の結果に拘わらず精照合を実行するようにしてもよいが、このようにすると一致すると判定された場合の照合結果の出力が遅くなる。これに対して、粗照合での結果が不一致であった場合にのみ、ずれ補正を施しての精照合を実行することによって、一致すると判定された場合の照合結果の出力が速くなる。
なお、図1に示した例では、CCDカメラ10と11とを横方向に並んで配置したが、上下方向に配置してもよく、斜め方向など、自由な方向に配置してよい。
また、図1に示した例では、CCDカメラを2台用いたが、1台のCCDカメラでも実現することが可能である。1台のCCDカメラで実現する例については本出願人が先に提案した特許文献4に記載されている。
また、本実施の形態では、対象物M1を人間の顔としたが、対象物M1は人間の顔に限られるものではなく、人間の顔のように高い部分と低い部分とがその特徴として必ず存在する立体物であれば、その立体物の写真やコピー画像を用いた不正行為を早期に発見することが可能である。
また、本実施の形態では、対象物M1を人間の顔としたので、最小高さ部は最小凸部として探し出されるが、対象物M1を人間としない場合には基準面よりも低い凹部であることもあり得る。
本発明の一実施の形態を示す3次元パターン照合装置のブロック構成図である。 この3次元パターン照合装置における対象物の登録処理を示すフローチャートである。 この3次元パターン照合装置における3次元パターンの作成処理過程を説明する図である。 この3次元パターン照合装置における3次元パターンの作成処理を示すフローチャートである。 図4に続くフローチャートである。 3次元パターンの作成処理の変形例を説明するためのフローチャートである。 3次元パターンの作成処理過程の他の例を説明する図である。 3次元パターンの作成処理の他の例を示すフローチャートである。 図8に続くフローチャートである。 第1画像O1からの局所領域の別の切り出し方法を説明する図である。 対象物の照合処理を示すフローチャートである。 図11に続くフローチャートである。 照合過程に入る前の前処理段階での不正行為のチェックを説明する図である。 粗照合(第1照合)の処理過程を示すフローチャートである。 デカルト座標系からの極座標系への変換を説明するための図である。 2次元離散的フーリエ変換が施された合成フーリエ画像データ中に現れる相関ピークの出現例を示す図である。 精照合(第2照合)の処理過程を示すフローチャートである。
符号の説明
10,11…CCDカメラ、12…液晶表示装置(LCD)、20…処理部、20−1…制御部、20−2…ROM、20−3…RAM、20−4…ハードディスク(HD)、20−5…フレームメモリ(FM)、20−6…外部接続部(I/F)、20−7…フーリエ変換部(FFT)、10−1,11−1…レンズ。

Claims (3)

  1. 照合対象物の3次元パターンと登録対象物の3次元パターンとを照合する3次元パターン照合装置において、
    照合対象物を第1の方向から見た画像と第2の方向から見た画像とから前記照合対象物の3次元パターンを作成する3次元パターン作成手段と、
    この3次元パターン作成手段によって作成された照合対象物の3次元パターンの凹凸情報から前記照合対象物が不正であるか否かをチェックするチェック手段と、
    このチェック手段によって前記照合対象物が不正であると判断された場合、その旨を外部に通知する通知手段と、
    前記チェック手段によって前記照合対象物が不正でないと判断された場合、前記照合対象物の3次元パターンの基準方向に対する偏向角度を求め、この求めた偏向角度を零とするように前記照合対象物の3次元パターンを修正し、この修正した照合対象物の3次元パターンを前記基準方向から見た2次元パターンに変換し、この変換した照合対象物の2次元パターンと予め記憶されている前記登録対象物の2次元パターンとを相関法によって照合する第1の照合手段とを備え
    前記第1の照合手段は、
    前記照合対象物の2次元パターンと前記登録対象物の2次元パターンをそれぞれフーリエ変換し、このフーリエ変換されたそれぞれの2次元パターンに対し振幅抑制処理を行い、この振幅抑制処理が行われたそれぞれの2次元パターンの座標系を極座標系に変換し、この極座標系に変換されたそれぞれの2次元パターンに対し距離抑制処理を行い、さらにこの距離抑制処理が行われたそれぞれの2次元パターンをフーリエ変換し、このフーリエ変換されたそれぞれの2次元パターンを合成し、この合成したデータに対して振幅抑制処理を行い、この振幅抑制処理が行われたデータに対してフーリエ変換または逆フーリエ変換の何れか一方を行って相関データを求め、この相関データに基づいて前記照合対象物の2次元パターンと前記登録対象物の2次元パターンとの照合を行う
    ことを特徴とする3次元パターン照合装置。
  2. 請求項1に記載された3次元パターン照合装置において、
    前記チェック手段は、
    前記照合対象物の3次元パターンの凹凸情報より最もその位置が高い最大高さ部を探し出す手段と、
    前記照合対象物の3次元パターンの凹凸情報より前記最大高さ部を含む所定の範囲内における最もその位置が低い最小高さ部を探し出す手段と、
    探し出された前記最大高さ部と前記最小高さ部との凹凸差を求め、この凹凸差が予め定められた閾値よりも小さかった場合に、前記照合対象物を不正であると判断する手段と
    を備えたことを特徴とする3次元パターン照合装置。
  3. 請求項1又は2に記載された3次元パターン照合装置において、
    前記第1の照合手段によって、前記照合対象物の2次元パターンと前記登録対象物の2次元パターンとが不一致と判断された場合、前記第1の照合手段の照合過程で得られる相関ピークの位置から前記照合対象物の2次元パターンと前記登録対象物の2次元パターンとの少なくとも倍率ずれを求め、この求めた倍率ずれを所定の倍率とするように前記照合対象物の2次元パターンまたは前記登録対象物の2次元パターンの何れか一方に対してずれ補正を行い、このずれ補正を行った一方の2次元パターンと他方の2次元パターンとを振幅抑制相関法によって照合する第2の照合手段
    を備えたことを特徴とする3次元パターン照合装置。
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