JP4671013B2

JP4671013B2 - Cleaning method for coating backing roll

Info

Publication number: JP4671013B2
Application number: JP2001294731A
Authority: JP
Inventors: 裕之鈴木
Original assignee: Kurita Water Industries Ltd
Current assignee: Kurita Water Industries Ltd
Priority date: 2001-09-26
Filing date: 2001-09-26
Publication date: 2011-04-13
Anticipated expiration: 2021-09-26
Also published as: JP2003093980A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗工バッキングロールの洗浄方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、片面塗工機のバッキングロールやフロークリンドクターに異物を付着させることなく、良好な操業性を維持することができる塗工バッキングロールの洗浄方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
バッキングロールを備えた片面塗工機を用いて塗工を行う場合、まず原紙に塗工液を塗工し、ブレードなどのメタリング装置により過剰の塗工液を掻き落として所定の塗工量としたのち、乾燥工程を通す。塗工液を原紙の紙幅より狭く塗工して、両端の耳部の一部を塗り残す塗工方法と、原紙よりも幅広く塗工して、バッキングロールの一部にも塗工液が直接転写される塗工方法がある。原紙幅以上の幅でバッキングロール上に転写された塗工液は、メタリング装置によっては完全に掻き落とされないので、バッキングロールの洗浄水によって、ドクター部のフロークリンドクターにおいて洗浄され、廃水として廃棄される。また、ピンホールなどの原紙欠陥部分を通して付着したバッキングロール上の塗工液も、フロークリンドクターで洗浄される。
しかし、バッキングロールを長期間にわたって安定して洗浄することは容易ではない。操業を継続すると、塗工液中の合成樹脂エマルションに含まれる凝集物や、原紙に付着してくる紙粉、繊維質などの異物がフロークリンドクターの刃先に付着し、バッキングロール面から刃が浮き上がり、その隙間から洗浄水が漏れだし、いわゆる水廻り現象が発生する。水廻り現象が発生すると、製品である塗工紙に筋がついたり、紙面の乾燥むらを引き起こしたり、極端な場合には紙切れを生ずるので、フロークリンドクターの取り替えが必要となり、塗工紙の品質と生産性の低下の原因となっている。
片面塗工機を用いて両面塗工紙を製造する場合は、まず原紙の片面に塗工液を塗布して乾燥したのち、他の面に同様に塗工液を塗布して乾燥する。このとき、第二のバッキングロールと接する紙面はすでに塗工されているので、塗工液組成物に含まれているバインダー成分などが付着しやすく、第二のバッキングロールが汚れやすくなり、その洗浄はいっそう困難になる。
バッキングロールの汚れを防止する方法として、塗工液の組成、機械的構造及び洗浄水の三つの方向から検討が進められている。例えば、特開平１０−２５９５９２号公報には、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリアミン系化合物及び界面活性剤を含有する塗工液組成物が提案されている。また、特開平６−６３４９６号公報には、先端部分がクロム被覆されたドクターブレードとバッキングロールの接圧角度を２０〜４０度に設定して洗浄する方法、特開平６−１３４３７３号公報には、ロッド状の接圧部先端を回転させながらバッキングロールを洗浄する方法、特開２０００−２７９８６１号公報には、ドクター部下流側近傍に水又は蒸気を供給する手段を設けたバッキングロール洗浄装置が提案されている。さらに、特開平３−１８１３７１号公報には、固形分濃度として０.０５〜３０重量％の顔料を含有する洗浄水を用いる洗浄方法、特開平１０−６０４８６号公報には、ポリエチレンオキサイドとポリアミンを１〜５,０００ppm含有する洗浄水を用いる洗浄方法、特開２００１−１８１９９９号公報には、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩又はアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩を含有するバッキングロール汚れ防止剤が提案されている。
また、塗工液中のバインダー成分の一つとして通常用いられるスチレン−ブタジエンラテックス、メチルメタクリレート−スチレン−ブタジエンラテックスなどの合成ゴムラテックスの品質設計を、塗工紙物性を多少犠牲にしてもバッキングロールの汚れを少なくするような品質バランスとすることが行われている。すなわち、合成ゴムラテックス中の硬質成分であるスチレン又はメチルメタクリレート成分の増加、架橋密度の増加、コアシェルラテックス粒子化におけるシェル層での硬質成分の増加や架橋密度の増加などによって、ラテックスの粘着性を低下させる方法、合成ゴムラテックスを含む塗工液の機械的安定性を向上させる方法などがとられている。このようなラテックスを用いて得られた塗工紙では、オフセット輪転印刷適性低下の可能性もあるが、あわせてバッキングロールなどの汚れ防止も同時に達成しなければならず、これら塗工紙の印刷適性の低下をできるだけ最小限に抑えているのが現状である。
このように、バッキングロールなどの汚れ防止ないし洗浄について、さまざまな改良が試みられているが、近年は生産性の向上のために、塗工速度がより高速化していること、塗工液のバインダー成分である合成ゴムラテックスの性能向上のために、用途によっては従来よりポリマーのゲル含量とガラス転移温度が低下していることなどから、バッキングロールはさらに汚れやすくなっている。バッキングロールとフロークリンドクターの汚れ除去のための塗工機の停止は、塗工紙製造において大きな損失である。また、バッキングロールの洗浄効果を向上することにより、塗工液のバインダー成分であるラテックスの設計において、塗工紙面の品質向上を一層考慮した品質設計が可能になる。このために、バッキングロールの洗浄効率が高く、バッキングロールとフロークリンドクターの汚れを効果的に防止することが可能な塗工バッキングロールの洗浄方法が強く求められている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、片面塗工機のバッキングロールやフロークリンドクターに異物を付着させることなく、良好な操業性を維持することができる塗工バッキングロールの洗浄方法を提供することを目的としてなされたものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、リモネン、非イオン界面活性剤及びカルシウムキレート剤を含有する洗浄水を用いることにより、バッキングロールを効果的に洗浄して、塗工機を安定して操業することが可能となることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
（１）片面塗工機のバッキングロール洗浄用ドクター部に洗浄水を注いでバッキングロールを洗浄する方法において、洗浄水が、リモネン、非イオン界面活性剤及びカルシウムキレート剤を含有することを特徴とする塗工バッキングロールの洗浄方法、
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
（２）非イオン界面活性剤が、一般式［１］、一般式［２］、一般式［３］又は一般式［４］で表される構造を有する非イオン界面活性剤である第１項記載の塗工バッキングロールの洗浄方法、
【化１】

（ただし、式中、Ｒは、水素、炭素数１〜２４の脂肪族炭化水素基又は炭素数６〜２４の芳香族炭化水素基であり、ＡＯは、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基から選ばれる少なくとも１種のオキシアルキレン基であり、オキシアルキレン基は単独付加体又は２種以上のブロック付加体、ランダム付加体のいずれであってもよく、ｎ、ｐ、ｑは付加モル数を表し、ｎは１〜２００、ｐ＋ｑは１〜２００である。ただし、一般式［１］においてＲが水素のときは、ｎは５〜２００である。）、
（３）リモネンと非イオン界面活性剤を配合したリモネン製剤を洗浄水に添加する第１項記載の塗工バッキングロールの洗浄方法、
（４）リモネン製剤のリモネンと非イオン界面活性剤の割合が、５：９５〜４０：６０（重量比）である第３項記載の塗工バッキングロールの洗浄方法、
（５）洗浄水中のリモネン濃度が、５〜１,０００mg／Ｌである第１項記載の塗工バッキングロールの洗浄方法、及び、
（６）洗浄水中のカルシウムキレート剤の濃度が、５０〜１０,０００mg／Ｌである第１項記載の塗工バッキングロールの洗浄方法、
を挙げることができる。
【０００５】
【発明の実施の形態】
本発明の塗工バッキングロールの洗浄方法においては、片面塗工機のバッキングロール洗浄用ドクター部に洗浄水を注いでバッキングロールを洗浄する方法において、洗浄水が、リモネン、非イオン界面活性剤及びカルシウムキレート剤を含有する。
本発明方法を適用することができる片面塗工機としては、例えば、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコーター、エアナイフコーター、カーテンコーターなどを挙げることができる。本発明方法は、オンマシンの片面塗工機にも、オフマシンの片面塗工機にも適用することができる。
図１は、バッキングロールの一例の説明図である。本例においては、塗工原紙１がバッキングロール２とピックアップロール３の間を通過して、右方から左方へ送られる。ピックアップロールにより原紙に塗工液４が塗工され、過剰の塗工液がメタリングブレード５により掻き落とされて所定の塗工量に制御され、乾燥工程へ送られる。上方には、フロークリンドクター６が設けられ、洗浄水ノズル７から洗浄水が供給され、バッキングロールとフロークリンドクターの間にダム８を形成して、バッキングロールの表面とフロークリンドクターの刃先に付着する異物を洗浄して除去する。付着する異物は、塗工液のバインダー成分ないしその凝集物と、顔料からなる場合が多い。
本発明方法に用いるリモネンは、主として、植物の枝葉、根茎、木皮、果実、樹脂などより、水蒸気蒸留、抽出などにより分離されるものである。本発明に用いるリモネンに特に制限はなく、例えば、オレンジ油、レモン油、ショウノウ白油などから分離されるｄ−体、ハッカ油などから分離されるｌ−体、テレビン油、橙花油、杉油などから分離されるｄｌ−体のいずれをも用いることができる。リモネンは生分解性を有し、天然柑橘類から抽出されるリモネンは、供給安定性及び経済性の点で有利である。
【０００６】
本発明方法に用いる非イオン界面活性剤に特に制限はないが、一般式［１］、一般式［２］、一般式［３］又は一般式［４］で表される構造を有する非イオン界面活性剤を好適に用いることができる。
【化２】

ただし、式中、Ｒは、水素、炭素数１〜２４の脂肪族炭化水素基又は炭素数６〜２４の芳香族炭化水素基であり、ＡＯは、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基から選ばれる少なくとも１種のオキシアルキレン基である。オキシアルキレン基は単独付加体又は２種以上のブロック付加体、ランダム付加体のいずれであってもよく、ｎ、ｐ、ｑは付加モル数を表し、ｎは１〜２００、ｐ＋ｑは１〜２００である。ただし、一般式［１］においてＲが水素のときは、ｎは５〜２００である。
Ｒで表される炭素数１〜２４の脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分枝状又は環状、飽和又は不飽和のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、ｎ−プロピル基、イソプロピル基、ｎ−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ビニル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。Ｒで表される炭素数６〜２４の芳香族炭化水素基は、芳香環に脂肪族炭化水素基が結合している基であってもよく、このような芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ジフェニルメチル基、シンナミル基、スチリル基などを挙げることができる。本発明方法において、これらの非イオン界面活性剤は、１種を単独で用いることができ、あるいは、２種以上を組み合わせて用いることもできる。
【０００７】
本発明方法において、リモネン、非イオン界面活性剤及びカルシウムキレート剤を含有する洗浄水の調製方法に特に制限はないが、リモネンと非イオン界面活性剤を配合したリモネン製剤と、カルシウムキレート剤を水に溶解したカルシウムキレート製剤を別々に調製し、それぞれを水に添加することにより、リモネン、非イオン界面活性剤及びカルシウムキレート剤を含有する洗浄水を調製することが好ましい。リモネンと非イオン界面活性剤を含有するリモネン製剤とすることにより、リモネンを取り扱う上での安全性と作業性が向上し、さらに洗浄水系でのリモネンの分散性も良好となり、バッキングロール洗浄用ドクター部の洗浄水に添加したリモネンが、水中で乳化又は可溶化して微細なミセルを形成し、優れた洗浄力を発揮する。
リモネン製剤におけるリモネンと非イオン界面活性剤の割合に特に制限はないが、５：９５〜４０：６０（重量比）であることが好ましく、１０：９０〜３０：７０（重量比）であることがより好ましい。リモネンと非イオン界面活性剤の割合が５：９５（重量比）未満であると、リモネンの有する洗浄力が十分発揮されないおそれがある。リモネンと非イオン界面活性剤の割合が、４０：６０（重量比）を超えると、バッキングロール洗浄用ドクター部の洗浄水に添加したとき、リモネンの水中への乳化又は可溶化が不十分になるおそれがある。
【０００８】
本発明方法に用いるカルシウムキレート剤に特に制限はなく、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、β−アラニン−Ｎ,Ｎ−二酢酸、アミノバルビツル酸−Ｎ,Ｎ−二酢酸、２−アミノ安息香酸−Ｎ,Ｎ−二酢酸、２−ホスホノエチルイミノ−Ｎ,Ｎ−二酢酸、アミノメチルホスホン酸−Ｎ,Ｎ−二酢酸、１,２−ジアミノシクロヘキサン−Ｎ,Ｎ,Ｎ',Ｎ'−四酢酸、Ｎ−ベンジルエチレンジアミン三酢酸、トリメチレンジアミン四酢酸、テトラメチレンジアミン四酢酸などを挙げることができる。これらのカルシウムキレート剤は、１種を単独で用いることができ、あるいは、２種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明方法において、洗浄水中のリモネン濃度に特に制限はないが、５〜１,０００mg／Ｌであることが好ましく、１０〜５００mg／Ｌであることがより好ましい。洗浄水中のカルシウムキレート剤の濃度にも特に制限はないが、５０〜１０,０００mg／Ｌであることが好ましく、１００〜２,０００mg／Ｌであることがより好ましい。洗浄水中のリモネン、非イオン界面活性剤及びカルシウムキレート剤の濃度は、特定の塗工紙製造工程について、それぞれの濃度を変更しながらバッキングロールなどの洗浄状態を観察し、最適濃度を選定することが好ましい。
本発明の洗浄方法によれば、片面塗工機のバッキングロール洗浄用ドクター部に、リモネン、非イオン界面活性剤及びカルシウムキレート剤を含有する洗浄水を注ぐことにより、バッキングロールとフローリングドクターへの異物の付着を防止し、高品質の塗工紙を安定して製造することが可能となる。本発明方法は、両面塗工紙の生産設備において、第二のバッキングロールの洗浄に特に有用である。
【０００９】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例１
クレー４０重量部、重質炭酸カルシウム４５重量部及び軽質炭酸カルシウム１５重量部を配合し、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ（分子量：数千〜１万）０.２重量部を添加してコーレス分散機を用いて分散し、固形分６８重量％の顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーに、リン酸変性澱粉［日本食品化工(株)、ＭＳ４６００］６重量部及び塗工紙用スチレン−ブタジエンラテックス［日本ゼオン(株)、ニッポールＬ］３０重量部を加え、固形分濃度６２重量％の塗工液を調製した。この塗工液を、塗工原紙（Ａ３コート紙、坪量９６ｇ／ｍ²）に自動塗工機［石川島播磨重工業(株)、ファンテンタイプ］を使用して塗工し、次いで、１２０℃の熱風乾燥機で３０秒間乾燥し、塗工量が１７ｇ／ｍ²の片面塗工紙を得た。
得られた塗工紙の塗工面を上側にして、バッキングロールと同材質の縦１００mm×横４５mmの長方形の硬度９０度のＮＢＲ製ゴム板を重ね、手抄き紙用のプレス機を用いて４９０kPaの圧力で１分間圧着したのち、解圧してＮＢＲゴム板から塗工紙を強制剥離させた。そして、新たな塗工紙を用いて、同一のＮＢＲゴム板に同様にして塗工紙を圧着したのち強制剥離する操作をさらに４回繰り返し、ＮＢＲゴム板上に顔料とラテックス成分を主体とする汚れを全面に付着させた汚れ試験片を得た。さらに、同じ操作を行って、合計１４個の汚れ試験片を調製した。
リモネン２０重量部と炭素数１２〜１４の第２級アルコールのエチレンオキサイド７モル付加物である非イオン界面活性剤８０重量部を配合して、リモネン製剤Ａを調製した。また、エチレンジアミン四酢酸（ＥＤＴＡ）２０重量部を水８０重量部に溶解して、カルシウムキレート製剤Ｂを調製した。
製剤Ａ及び製剤Ｂを水に添加して、リモネン１０mg／Ｌ、非イオン界面活性剤４０mg／Ｌ及びＥＤＴＡ１００mg／Ｌを含有する洗浄水を調製し、この洗浄水１Ｌを１Ｌビーカーに入れ、上記の汚れ試験片をビーカー中央上部に、洗浄水中に浸漬するように固定した。マグネチックスターラーを用いて３０分間撹拌したのち、試験片の洗浄状況を観察し、汚れが全面付着のままの状態を１点、汚れが全く付着していない状態を５点とする５段階評価の標準見本と比較して、洗浄の状態を判定した。評価結果は、４点であった。
さらに、リモネン１０mg／Ｌ、非イオン界面活性剤４０mg／Ｌ及びＥＤＴＡ１,０００mg／Ｌを含有する洗浄水、リモネン１００mg／Ｌ、非イオン界面活性剤４００mg／Ｌ及びＥＤＴＡ１０mg／Ｌを含有する洗浄水、リモネン１００mg／Ｌ、非イオン界面活性剤４００mg／Ｌ及びＥＤＴＡ１００mg／Ｌを含有する洗浄水、リモネン１００mg／Ｌ、非イオン界面活性剤４００mg／Ｌ及びＥＤＴＡ１,０００mg／Ｌを含有する洗浄水を調製し、同様にして汚れ試験片を浸漬し、洗浄試験を行った。評価結果は、それぞれ５点、３点、５点、５点であった。
【００１０】
比較例１
洗浄水として水を用いた以外は、実施例１と同様にして、洗浄試験を行った。評価結果は、１点であった。
比較例２
ＥＤＴＡを含有しない洗浄水を用いた以外は、実施例１と同様にして、洗浄試験を行った。
リモネン１０mg／Ｌと非イオン界面活性剤４０mg／Ｌを含有する洗浄水、リモネン１００mg／Ｌと非イオン界面活性剤４００mg／Ｌを含有する洗浄水、リモネン１,０００mg／Ｌと非イオン界面活性剤４,０００mg／Ｌを含有する洗浄水、リモネン１０,０００mg／Ｌと非イオン界面活性剤４０,０００mg／Ｌを含有する洗浄水を用いた。評価結果は、それぞれ１点、１点、２点、２点であった。
比較例３
リモネンと非イオン界面活性剤を含有しない洗浄水を用いた以外は、実施例１と同様にして、洗浄試験を行った。
ＥＤＴＡ１０mg／Ｌを含有する洗浄水、ＥＤＴＡ１００mg／Ｌを含有する洗浄水、ＥＤＴＡ１,０００mg／Ｌを含有する洗浄水、ＥＤＴＡ１０,０００mg／Ｌを含有する洗浄水を用いた。評価結果は、それぞれ１点、１点、２点、２点であった。
実施例１及び比較例１〜３の結果を、第１表に示す。
【００１１】
【表１】

【００１２】
第１表に見られるように、リモネン、非イオン界面活性剤及びＥＤＴＡを含有する洗浄水を用いて洗浄した実施例１においては、リモネン１０mg／Ｌ、非イオン界面活性剤４０mg／Ｌ及びＥＤＴＡ１,０００mg／Ｌを含有する洗浄水又はリモネン１００mg／Ｌ、非イオン界面活性剤４００mg／Ｌ及びＥＤＴＡ１００mg／Ｌを含有する洗浄水を用いることにより、試験片に付着した汚れは完全に除去される。これに対して、リモネンと非イオン界面活性剤のみを含有する洗浄水を用いた比較例２と、ＥＤＴＡのみを含有する洗浄水を用いた比較例３では、高濃度の洗浄水を用いても汚れの除去は不完全である。
実施例２
塗工速度８００ｍ／分、生産量２５０ｔ／日で両面塗工紙を製造している製紙工場で、洗浄試験を行った。
この工場では、第一コーターで上面を塗工して乾燥したのち、さらに第二コーターで下面を塗工して乾燥している。第二コーターのバッキングロールには、すでに塗工された紙面が接触するために、塗工層からの部分的な剥離が発生して、バッキングロール表面に顔料とラテックス主体の汚れが付着し、塗工紙の乾燥ムラや、塗工紙面を損傷したりする障害につながっていた。
洗浄効果は、下記の基準により、１〜５点の５段階で評価した。
１点：洗浄前より汚れが多い状態。
２点：洗浄前と汚れが同じ状態。
３点：汚れの付着が減少した状態。
４点：うっすら白いスジが確認できる状態。
５点：完全に汚れが除去された状態。
実施例１と同様にして調製したリモネン製剤Ａとカルシウムキレート製剤Ｂを用いて、リモネン１００mg／Ｌ、非イオン界面活性剤４００mg／Ｌ及びＥＤＴＡ２５０mg／Ｌを含有する洗浄水を用いて、第二コーターのバッキングロールを洗浄しつつ、両面塗工紙を製造した。白い汚れはある程度除去できたが、うっすらとまだ汚れが確認できる状態であり、洗浄効果は４点と判定された。
洗浄水中のリモネン濃度を２００mg／Ｌ、非イオン界面活性剤濃度を８００mg／Ｌに増加したが、洗浄の状態に大きな変化はなく、洗浄効果は４点であった。
そこで、さらにＥＤＴＡの濃度を増して、リモネン２００mg／Ｌ、非イオン界面活性剤８００mg／Ｌ及びＥＤＴＡ５００mg／Ｌを含有する洗浄水に切り替えたところ、汚れは完全に除去され、バッキングロール本来の黒色を取り戻した状態となり、洗浄効果は５点と判定された。
【００１３】
比較例４
従来は、洗浄水として工業用水を用いていた。このとき、汚れが増してくる状態であり、洗浄効果は１点であった。
比較例５
リモネンと非イオン界面活性剤を含有する洗浄水を用いて、洗浄試験を行った。
リモネン１００mg／Ｌと非イオン界面活性剤４００mg／Ｌを含有する洗浄水を用いたときは、工業用水を用いていたときと洗浄の状態に大差はなく、洗浄効果は１点であった。リモネン２００mg／Ｌと非イオン界面活性剤８００mg／Ｌを含有する洗浄水を用いると、汚れの増加は止まり、洗浄前と同じ状態を維持し、洗浄効果は２点と判定された。さらに、リモネン４００mg／Ｌと非イオン界面活性剤１,６００mg／Ｌを含有する洗浄水を用いると、汚れの層が薄くなり、バッキングロール表面がうっすら見える状態となり、洗浄効果は３点となったが、フロークリンダム内に発泡が認められた。リモネンと非イオン界面活性剤の濃度を増して、リモネン８００mg／Ｌ、非イオン界面活性剤３,２００mg／Ｌを含有する洗浄水としたが、発泡が激しくなっただけで、洗浄効果に大差はなく、洗浄効果の判定は３点のままであった。
比較例６
ＥＤＴＡを含有する洗浄水を用いて、洗浄試験を行った。
ＥＤＴＡ２５０mg／Ｌを含有する洗浄水を用いたときは、工業用水を用いていたときと洗浄の状態に大差はなく、洗浄効果は１点であった。ＥＤＴＡ濃度を５００mg／Ｌにすると、汚れの増加は止まり、洗浄前と同じ状態を維持し、洗浄効果は２点と判定された。ＥＤＴＡ１,０００mg／Ｌを含有する洗浄水を用いると、汚れの層が薄くなり、バッキングロール表面がうっすら見える状態となり、洗浄効果は３点となった。さらに、ＥＤＴＡの濃度を増して、ＥＤＴＡ２,５００mg／Ｌを含有する洗浄水としたが、洗浄効果はほとんど向上せず、洗浄効果の判定は３点のままであった。
実施例２及び比較例４〜６の結果を、第２表に示す。
【００１４】
【表２】

【００１５】
第２表に見られるように、リモネン、非イオン界面活性剤及びＥＤＴＡを含有する洗浄水を用いて洗浄した実施例２においては、良好な洗浄効果が得られ、リモネン２００mg／Ｌ、非イオン界面活性剤８００mg／Ｌ及びＥＤＴＡ５００mg／Ｌを含有する洗浄水を用いると、白い汚れは完全に除去され、バッキングロール表面の黒色を取り戻した状態となっている。これに対して、リモネンと非イオン界面活性剤のみを含有する洗浄水を用いた比較例５と、ＥＤＴＡのみを含有する洗浄水を用いた比較例６では、洗浄水中の有効成分の濃度を増大すると、洗浄効果はある程度は向上するが、ある濃度で洗浄効果は頭打ちとなり、それ以上良好な結果を得ることはできない。
【００１６】
【発明の効果】
本発明の洗浄方法によれば、片面塗工機のバッキングロール洗浄用ドクター部に、リモネン、非イオン界面活性剤及びカルシウムキレート剤を含有する洗浄水を注ぐことにより、バッキングロールとフローリングドクターへの異物の付着を防止し、高品質の塗工紙を安定して製造することが可能となる。本発明方法は、両面塗工紙の生産設備において、第二のバッキングロールの洗浄に特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、バッキングロールの一例の説明図である。
【符号の説明】
１塗工原紙
２バッキングロール
３ピックアップロール
４塗工液
５メタリングブレード
６フロークリンドクター
７洗浄水ノズル
８ダム[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for cleaning a coating backing roll. More specifically, the present invention relates to a coating backing roll cleaning method capable of maintaining good operability without adhering foreign matter to a backing roll or a flow clintor of a single-side coating machine.
[0002]
[Prior art]
When applying using a single-sided coating machine equipped with a backing roll, first apply the coating liquid to the base paper, and scrape off the excess coating liquid with a metalling device such as a blade to obtain the specified coating amount. Then, it goes through the drying process. Apply the coating solution narrower than the width of the base paper and leave some of the ears on both ends, and apply a wider area than the base paper, and the coating solution is applied directly to the backing roll. There are coating methods that are transferred. Since the coating liquid transferred onto the backing roll with a width greater than the width of the base paper is not completely scraped off by the metering device, it is washed in the doctor's flow clintor by the backing roll's washing water and discarded as waste water. The Further, the coating liquid on the backing roll adhering through a defective portion of the base paper such as a pinhole is also washed with a flow clintor.
However, it is not easy to wash the backing roll stably over a long period of time. If the operation is continued, agglomerates contained in the synthetic resin emulsion in the coating liquid, foreign matter such as paper dust and fibers adhering to the base paper will adhere to the blade edge of the flow clintor, and the blade will come off the backing roll surface. The water floats up and the washing water leaks from the gap, so-called water circulation phenomenon occurs. If the water-around phenomenon occurs, the coated paper that is the product will be streaked, the paper surface may be unevenly dried, and in extreme cases, the paper may be cut out. It is the cause of the decline in quality and productivity.
When producing double-sided coated paper using a single-sided coating machine, first, the coating liquid is applied to one side of the base paper and dried, and then the coating liquid is similarly applied to the other side and dried. At this time, since the paper surface in contact with the second backing roll has already been coated, the binder component contained in the coating liquid composition is likely to adhere, and the second backing roll is likely to become dirty and washed. Becomes more difficult.
As a method for preventing the backing roll from being soiled, studies are being conducted from the three directions of the composition of the coating liquid, the mechanical structure, and the washing water. For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-259592 proposes a coating liquid composition containing a sorbitan fatty acid ester, a polyamine compound, and a surfactant. Japanese Patent Laid-Open No. 6-63496 discloses a cleaning method in which the contact pressure angle between a doctor blade whose tip is coated with chromium and a backing roll is set to 20 to 40 degrees, and Japanese Patent Laid-Open No. 6-134373 discloses. , A method of cleaning the backing roll while rotating the tip of the rod-shaped contact portion, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-279861 discloses a backing roll cleaning device provided with means for supplying water or steam to the vicinity of the downstream side of the doctor unit. Proposed. Further, JP-A-3-181371 discloses a washing method using washing water containing a pigment having a solid content concentration of 0.05 to 30% by weight, and JP-A-10-60486 discloses polyethylene oxide and polyamine. A cleaning method using washing water containing 1 to 5,000 ppm, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-181999, proposes a backing roll antifouling agent containing polydiallyldimethylammonium salt or alkyldimethylbenzylammonium salt.
In addition, the quality of synthetic rubber latex such as styrene-butadiene latex and methyl methacrylate-styrene-butadiene latex, which are usually used as one of the binder components in the coating liquid, can be backed up even if the physical properties of the coated paper are somewhat sacrificed. The quality balance is made to reduce dirt. That is, by increasing the styrene or methyl methacrylate component, which is a hard component in the synthetic rubber latex, increasing the crosslink density, increasing the hard component in the shell layer and increasing the crosslink density in the formation of core-shell latex particles, the latex tackiness is increased. For example, a method for reducing the mechanical stability of a coating solution containing a synthetic rubber latex is used. With coated paper obtained using such latex, there is a possibility of reduced web offset printing suitability, but at the same time, it is necessary to simultaneously prevent stains such as backing rolls. The current situation is that the decline in aptitude is minimized as much as possible.
As described above, various improvements have been attempted with respect to preventing or cleaning stains such as backing rolls. Recently, in order to improve productivity, the coating speed has been increased, and the binder of the coating liquid. In order to improve the performance of the component synthetic rubber latex, depending on the application, the gel content of the polymer and the glass transition temperature are conventionally reduced. Stopping the coating machine to remove dirt on the backing roll and flow clintor is a major loss in the production of coated paper. In addition, by improving the cleaning effect of the backing roll, it is possible to design a quality that further considers the quality improvement of the coated paper surface in the design of the latex that is the binder component of the coating liquid. For this reason, there is a strong demand for a coating backing roll cleaning method that has a high cleaning efficiency for the backing roll and that can effectively prevent the backing roll and the flow clintor from being contaminated.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention was made for the purpose of providing a coating backing roll cleaning method capable of maintaining good operability without adhering foreign matter to the backing roll or flow clincher of a single-side coating machine. It is.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors have effectively cleaned the backing roll by using a wash water containing limonene, a nonionic surfactant and a calcium chelating agent. The inventors have found that the coating machine can be stably operated, and have completed the present invention based on this knowledge.
That is, the present invention
(1) In a method for washing a backing roll by pouring washing water into a backing roll washing doctor part of a single-side coating machine, the washing water contains limonene, a nonionic surfactant and a calcium chelating agent. Cleaning method for coating backing roll,
Is to provide.
Furthermore, as a preferred embodiment of the present invention,
(2) 1st term | claim whose nonionic surfactant is a nonionic surfactant which has a structure represented by General formula [1], General formula [2], General formula [3], or General formula [4] The coating backing roll cleaning method described,
[Chemical 1]

(In the formula, R is hydrogen, an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 24 carbon atoms, or an aromatic hydrocarbon group having 6 to 24 carbon atoms, and AO is an oxyethylene group, an oxypropylene group, or oxybutylene. It is at least one oxyalkylene group selected from a group, and the oxyalkylene group may be a single adduct, two or more block adducts, or a random adduct, and n, p, and q are added mole numbers. N is 1 to 200, and p + q is 1 to 200. However, in the general formula [1], when R is hydrogen, n is 5 to 200).
(3) A method for cleaning a coating backing roll according to item 1, wherein a limonene preparation containing limonene and a nonionic surfactant is added to cleaning water.
(4) The method for cleaning the coating backing roll according to item 3, wherein the ratio of limonene to the nonionic surfactant in the limonene preparation is 5:95 to 40:60 (weight ratio);
(5) The method for cleaning the coating backing roll according to item 1, wherein the limonene concentration in the cleaning water is 5 to 1,000 mg / L, and
(6) The method for cleaning the coating backing roll according to item 1, wherein the concentration of the calcium chelating agent in the cleaning water is 50 to 10,000 mg / L,
Can be mentioned.
[0005]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the method for cleaning the coating backing roll of the present invention, in the method for cleaning the backing roll by pouring cleaning water into the doctoring part for cleaning the backing roll of the single-side coating machine, the cleaning water contains limonene, a nonionic surfactant, and Contains a calcium chelator.
Examples of the single-side coating machine to which the method of the present invention can be applied include a blade coater, a rod coater, a bar coater, an air knife coater, and a curtain coater. The method of the present invention can be applied to both an on-machine single-side coating machine and an off-machine single-side coating machine.
FIG. 1 is an explanatory diagram of an example of a backing roll. In this example, the coating base paper 1 passes between the backing roll 2 and the pickup roll 3 and is sent from right to left. The coating liquid 4 is applied to the base paper by the pick-up roll, and the excess coating liquid is scraped off by the metering blade 5 to be controlled to a predetermined coating amount and sent to the drying process. On the upper side, a flow clintor 6 is provided, and cleaning water is supplied from the cleaning water nozzle 7 to form a dam 8 between the backing roll and the flow clintor, and on the surface of the backing roll and the blade edge of the flow clintor. Clean and remove adhering foreign matter. The adhering foreign matter often consists of a binder component of the coating liquid or an aggregate thereof and a pigment.
Limonene to be used in the method of the present invention is mainly separated from plant branches and leaves, rhizomes, bark, fruits, resins, and the like by steam distillation, extraction, or the like. The limonene used in the present invention is not particularly limited. For example, d-form separated from orange oil, lemon oil, camphor white oil, etc., l-form separated from mint oil, turpentine oil, orange flower oil, cedar oil Any of the dl-isomers separated from the above can be used. Limonene is biodegradable, and limonene extracted from natural citrus is advantageous in terms of supply stability and economy.
[0006]
Although there is no restriction | limiting in particular in the nonionic surfactant used for the method of this invention, The nonionic interface which has a structure represented by General formula [1], General formula [2], General formula [3], or General formula [4] An activator can be suitably used.
[Chemical 2]

In the formula, R is hydrogen, an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 24 carbon atoms or an aromatic hydrocarbon group having 6 to 24 carbon atoms, and AO is an oxyethylene group, an oxypropylene group, or an oxybutylene group. Is at least one oxyalkylene group selected from The oxyalkylene group may be a single adduct or two or more types of block adducts and random adducts. N, p and q represent the number of moles added, n is 1 to 200, and p + q is 1 to 200. It is. However, in general formula [1], when R is hydrogen, n is 5-200.
The aliphatic hydrocarbon group having 1 to 24 carbon atoms represented by R may be linear, branched or cyclic, saturated or unsaturated, for example, a methyl group, an ethyl group, n- Examples include propyl group, isopropyl group, n-butyl group, hexyl group, octyl group, decyl group, dodecyl group, tetradecyl group, vinyl group, cyclohexyl group and the like. The aromatic hydrocarbon group having 6 to 24 carbon atoms represented by R may be a group in which an aliphatic hydrocarbon group is bonded to an aromatic ring. Examples of such an aromatic hydrocarbon group include: , Phenyl group, tolyl group, butylphenyl group, octylphenyl group, diphenylmethyl group, cinnamyl group, styryl group and the like. In the method of the present invention, these nonionic surfactants can be used alone or in combination of two or more.
[0007]
In the method of the present invention, there is no particular limitation on the preparation method of washing water containing limonene, a nonionic surfactant and a calcium chelating agent, but a limonene preparation containing limonene and a nonionic surfactant, and a calcium chelating agent in water. It is preferable to prepare washing water containing limonene, a nonionic surfactant and a calcium chelating agent by separately preparing calcium chelate preparations dissolved in water and adding each to water. A limonene preparation containing limonene and a nonionic surfactant improves safety and workability in handling limonene, and also improves the dispersibility of limonene in the washing water system, and is a doctor for backing roll cleaning. The limonene added to the washing water of the part is emulsified or solubilized in water to form fine micelles and exhibits excellent detergency.
Although there is no restriction | limiting in particular in the ratio of a limonene and a nonionic surfactant in a limonene formulation, It is preferable that it is 5: 95-40: 60 (weight ratio), and it is 10: 90-30: 70 (weight ratio). Is more preferable. If the ratio of limonene to nonionic surfactant is less than 5:95 (weight ratio), the cleaning power of limonene may not be sufficiently exhibited. When the ratio of limonene and nonionic surfactant exceeds 40:60 (weight ratio), when added to the washing water of the doctoring part for backing roll washing, the emulsification or solubilization of limonene in water becomes insufficient. There is a fear.
[0008]
The calcium chelating agent used in the method of the present invention is not particularly limited, and examples thereof include ethylenediaminetetraacetic acid, nitrilotriacetic acid, β-alanine-N, N-diacetic acid, aminobarbituric acid-N, N-diacetic acid, 2-amino Benzoic acid-N, N-diacetic acid, 2-phosphonoethylimino-N, N-diacetic acid, aminomethylphosphonic acid-N, N-diacetic acid, 1,2-diaminocyclohexane-N, N, N ′, N Examples include '-tetraacetic acid, N-benzylethylenediamine triacetic acid, trimethylenediaminetetraacetic acid, tetramethylenediaminetetraacetic acid, and the like. These calcium chelating agents can be used individually by 1 type, or can also be used in combination of 2 or more type.
In the method of the present invention, the limonene concentration in the washing water is not particularly limited, but is preferably 5 to 1,000 mg / L, and more preferably 10 to 500 mg / L. Although there is no restriction | limiting in particular also in the density | concentration of the calcium chelating agent in a wash water, It is preferable that it is 50-10,000 mg / L, and it is more preferable that it is 100-2,000 mg / L. The concentration of limonene, nonionic surfactant and calcium chelating agent in the wash water should be determined by observing the cleaning condition of the backing roll, etc., while changing the concentration for a specific coated paper manufacturing process. Is preferred.
According to the cleaning method of the present invention, by pouring cleaning water containing limonene, a nonionic surfactant and a calcium chelating agent into the backing roll cleaning doctor part of a single-side coating machine, It is possible to prevent the adhesion of foreign substances and stably manufacture high-quality coated paper. The method of the present invention is particularly useful for cleaning the second backing roll in a production facility for double-coated paper.
[0009]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
Example 1
40 parts by weight of clay, 45 parts by weight of heavy calcium carbonate and 15 parts by weight of light calcium carbonate are blended, and 0.2 parts by weight of sodium polyacrylate (molecular weight: several thousand to 10,000) is added as a dispersant to disperse the core. A pigment slurry having a solid content of 68% by weight was prepared. To this pigment slurry, 6 parts by weight of phosphoric acid-modified starch [Nippon Food Chemical Co., Ltd., MS4600] and 30 parts by weight of styrene-butadiene latex for coated paper [Nippon Zeon Co., Ltd., Nippon L] are added, and the solid content concentration is increased. A 62% by weight coating solution was prepared. This coating solution is applied to a coating base paper (A3 coated paper, basis weight 96 g / m ² ) using an automatic coating machine [Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd., Phanten type], and then 120 ° C. Was dried with a hot air dryer for 30 seconds to obtain a single-side coated paper having a coating amount of 17 g / m ² .
With the coated surface of the resulting coated paper facing upward, an NBR rubber plate with a hardness of 100 mm in length and 45 mm in width and made of the same material as that of the backing roll is stacked, and using a press for handmade paper After pressure bonding at a pressure of 490 kPa for 1 minute, the pressure was released and the coated paper was forcibly separated from the NBR rubber plate. Then, using the new coated paper, the operation of pressing the coated paper in the same manner to the same NBR rubber plate and then forcibly peeling it is repeated four more times, with the pigment and latex component as the main components on the NBR rubber plate. A dirt test piece having dirt attached to the entire surface was obtained. Further, the same operation was performed to prepare a total of 14 soil test pieces.
Limonene formulation A was prepared by blending 20 parts by weight of limonene and 80 parts by weight of a nonionic surfactant that is an adduct of 7 moles of ethylene oxide of a secondary alcohol having 12 to 14 carbon atoms. Further, 20 parts by weight of ethylenediaminetetraacetic acid (EDTA) was dissolved in 80 parts by weight of water to prepare a calcium chelate preparation B.
Preparation A and preparation B are added to water to prepare washing water containing limonene 10 mg / L, nonionic surfactant 40 mg / L and EDTA 100 mg / L, and 1 L of this washing water is placed in a 1 L beaker. The soil specimen was fixed to the upper center of the beaker so as to be immersed in the washing water. After stirring for 30 minutes using a magnetic stirrer, the cleaning condition of the test piece was observed, and a five-point evaluation was made with one point indicating that the dirt remained on the entire surface and five points indicating that the dirt was not attached at all. The state of washing was judged by comparison with a standard sample. The evaluation result was 4 points.
Furthermore, limonene 10 mg / L, washing water containing nonionic surfactant 40 mg / L and EDTA 1,000 mg / L, limonene 100 mg / L, washing water containing nonionic surfactant 400 mg / L and EDTA 10 mg / L, Prepare wash water containing limonene 100 mg / L, nonionic surfactant 400 mg / L and EDTA 100 mg / L, limonene 100 mg / L, nonionic surfactant 400 mg / L and EDTA 1,000 mg / L. In the same manner, a soil test piece was immersed and a cleaning test was performed. The evaluation results were 5 points, 3 points, 5 points, and 5 points, respectively.
[0010]
Comparative Example 1
A cleaning test was conducted in the same manner as in Example 1 except that water was used as the cleaning water. The evaluation result was 1 point.
Comparative Example 2
A washing test was conducted in the same manner as in Example 1 except that washing water containing no EDTA was used.
Washing water containing limonene 10 mg / L and nonionic surfactant 40 mg / L, washing water containing limonene 100 mg / L and nonionic surfactant 400 mg / L, limonene 1,000 mg / L and nonionic surfactant Wash water containing 4,000 mg / L, wash water containing limonene 10,000 mg / L and nonionic surfactant 40,000 mg / L were used. The evaluation results were 1 point, 1 point, 2 points, and 2 points, respectively.
Comparative Example 3
A cleaning test was conducted in the same manner as in Example 1 except that cleaning water containing no limonene and nonionic surfactant was used.
Wash water containing EDTA 10 mg / L, wash water containing EDTA 100 mg / L, wash water containing EDTA 1,000 mg / L, and wash water containing EDTA 10,000 mg / L were used. The evaluation results were 1 point, 1 point, 2 points, and 2 points, respectively.
The results of Example 1 and Comparative Examples 1 to 3 are shown in Table 1.
[0011]
[Table 1]

[0012]
As can be seen in Table 1, in Example 1 washed with wash water containing limonene, nonionic surfactant and EDTA, limonene 10 mg / L, nonionic surfactant 40 mg / L and EDTA1, By using washing water containing 000 mg / L or washing water containing 100 mg / L of limonene, 400 mg / L of nonionic surfactant and 100 mg / L of EDTA, the dirt adhered to the test piece is completely removed. In contrast, in Comparative Example 2 using cleaning water containing only limonene and a nonionic surfactant, and Comparative Example 3 using cleaning water containing only EDTA, high-concentration cleaning water was used. Dirt removal is incomplete.
Example 2
A cleaning test was conducted at a paper mill that produced double-side coated paper at a coating speed of 800 m / min and a production rate of 250 t / day.
In this factory, after coating the upper surface with the first coater and drying, the lower surface is further coated with the second coater and dried. Since the already coated paper surface comes into contact with the backing roll of the second coater, partial peeling occurs from the coating layer, and stains mainly composed of pigment and latex adhere to the backing roll surface. This has led to uneven drying of the paper and damage to the coated paper surface.
The cleaning effect was evaluated in five stages of 1 to 5 points according to the following criteria.
1 point: More dirt than before washing.
2 points: The dirt is the same as before washing.
3 points: Dirt adhesion decreased.
4 points: A state where white lines can be confirmed slightly.
5 points: A state in which dirt is completely removed.
Using the limonene preparation A and calcium chelate preparation B prepared in the same manner as in Example 1, using the washing water containing limonene 100 mg / L, nonionic surfactant 400 mg / L and EDTA 250 mg / L, the second coater A double-sided coated paper was produced while washing the backing roll. The white stain was removed to some extent, but it was still in a state where the stain could still be confirmed, and the cleaning effect was determined to be 4 points.
The limonene concentration in the washing water was increased to 200 mg / L and the nonionic surfactant concentration was increased to 800 mg / L, but there was no significant change in the washing state, and the washing effect was 4 points.
Therefore, when the concentration of EDTA was further increased and switched to washing water containing limonene 200 mg / L, nonionic surfactant 800 mg / L and EDTA 500 mg / L, the stain was completely removed and the original black of the backing roll was restored. The recovered state was obtained, and the cleaning effect was determined to be 5 points.
[0013]
Comparative Example 4
Conventionally, industrial water has been used as cleaning water. At this time, the dirt increased, and the cleaning effect was one point.
Comparative Example 5
A cleaning test was performed using cleaning water containing limonene and a nonionic surfactant.
When washing water containing 100 mg / L of limonene and 400 mg / L of nonionic surfactant was used, there was no significant difference in the washing state from when industrial water was used, and the washing effect was one point. When washing water containing 200 mg / L of limonene and 800 mg / L of nonionic surfactant was used, the increase in soiling was stopped, the same state as before washing was maintained, and the washing effect was judged to be 2 points. Furthermore, when cleaning water containing 400 mg / L of limonene and 1,600 mg / L of nonionic surfactant was used, the dirt layer became thinner and the surface of the backing roll was slightly visible, resulting in a cleaning effect of 3 points. However, foaming was observed in the flow clean dam. The concentration of limonene and nonionic surfactant was increased to make cleaning water containing 800 mg / L of limonene and 3,200 mg / L of nonionic surfactant. The determination of the cleaning effect remained at 3 points.
Comparative Example 6
A washing test was performed using washing water containing EDTA.
When cleaning water containing EDTA 250 mg / L was used, there was no significant difference in the cleaning state from when industrial water was used, and the cleaning effect was 1 point. When the EDTA concentration was 500 mg / L, the increase in soiling stopped, the same state as before cleaning was maintained, and the cleaning effect was determined to be 2 points. When cleaning water containing 1,000 mg / L of EDTA was used, the dirt layer became thin, the surface of the backing roll was slightly visible, and the cleaning effect was 3 points. Furthermore, the concentration of EDTA was increased to obtain cleaning water containing EDTA 2,500 mg / L, but the cleaning effect was hardly improved, and the determination of the cleaning effect remained at three points.
The results of Example 2 and Comparative Examples 4 to 6 are shown in Table 2.
[0014]
[Table 2]

[0015]
As can be seen in Table 2, in Example 2 where the cleaning water containing limonene, a nonionic surfactant and EDTA was used, a good cleaning effect was obtained, and limonene 200 mg / L, nonionic interface When washing water containing 800 mg / L of the activator and 500 mg / L of EDTA is used, the white dirt is completely removed, and the black color of the backing roll surface is restored. In contrast, Comparative Example 5 using washing water containing only limonene and a nonionic surfactant and Comparative Example 6 using washing water containing only EDTA increase the concentration of the active ingredient in the washing water. Then, although the cleaning effect is improved to some extent, the cleaning effect reaches a certain level at a certain concentration, and no further satisfactory result can be obtained.
[0016]
【The invention's effect】
According to the cleaning method of the present invention, by pouring cleaning water containing limonene, a nonionic surfactant and a calcium chelating agent into the backing roll cleaning doctor part of a single-side coating machine, It is possible to prevent the adhesion of foreign substances and stably manufacture high-quality coated paper. The method of the present invention is particularly useful for cleaning the second backing roll in a production facility for double-coated paper.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram of an example of a backing roll.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Coating base paper 2 Backing roll 3 Pickup roll 4 Coating liquid 5 Metalling blade 6 Flow clintor 7 Washing water nozzle 8 Dam

Claims

In the method of pouring cleaning water into a doctor part for cleaning a backing roll of a single-side coating machine, the cleaning water contains limonene, a nonionic surfactant, and a calcium chelating agent. Cleaning method for backing roll.