JP4659178B2 - 混銑車及び混銑車編成車両 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、製鉄所構内において高炉から転炉へ溶銑を輸送する際に使用される混銑車に関する。
【0002】
【従来の技術】
混銑車は、2台の台車間に樽形の炉体を回転可能に支持したものである。このような混銑車は1両若しくは2両以上連結され、高炉で溶銑を受け入れた後、無線操縦の機関車に牽引されて製鉄所構内を移送される。転炉の所定位置に到着すると、台車の車輪に歯止めをかけ、その後、台車に搭載されたモータにより炉体を回転させて炉口を下へ向け、溶銑を受鋼鍋へ流入させる。炉体を回転させるための電力及び制御信号は、上記所定位置において設けられている地上側電気連結器から、混銑車に設けられた車上側電気連結器への電気接続を行うことにより、提供される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の混銑車では、上記のように、台車の車輪に歯止めをかける作業が必要である。しかしながら、歯止めをかけるために人が混銑車に近づくことは、高温で危険な環境にさらされることであり、好ましくない。そこで、混銑車に停留ブレーキを装備したいところであるが、これに必要な空気配管をどのように配置するかが問題である。例えば、炉体を避けた下方において、台車間に張架するように空気配管を設けることも可能ではあるが、台車間のスパンが長いため安定した支持は困難である。また、溶銑を受鋼鍋へ流入させる際、空気配管に溶銑がかかって損傷を生じることが多い。
【0004】
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、安全に停留させることができ、空気配管の損傷が生じることのない混銑車及び混銑車編成車両を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の混銑車及び混銑車編成車両は以下のように構成される。
【0006】
すなわち、本発明の混銑車は、
前後に互いに離隔して配置された2台の台車によって炉体の両端を回転可能に支持して成り、電気制御可能な空圧機器を含む停留ブレーキ装置及び当該空圧機器に圧縮空気を供給する空気圧縮機を搭載した混銑車本体と、
前記混銑車本体における前端側連結器の近傍及び後端側連結器の近傍にそれぞれ設けられ、当該混銑車本体と連結される車両との間で、前記空気圧縮機の電源及び前記空圧機器の制御信号を授受する電気接続装置と、
前記炉体の前方側において、ブラシ及びこれと摺接するスリップリングのいずれか一方を前記台車側に設け、他方を前記炉体側に設けて成る第1の電気接触装置と、
前記炉体の後方側において、ブラシ及びこれと摺接するスリップリングのいずれか一方を前記台車側に設け、他方を前記炉体側に設けて成る第2の電気接触装置と、
前記炉体に沿ってその前方側から後方側へ設けられ、前記第1の電気接触装置と前記第2の電気接触装置とを互いに接続する電路とを備えたものである(請求項1)。
【0007】
上記のように構成された混銑車(請求項1)においては、電気接続装置を介して、混銑車本体及びこれと連結される他の車両との間で電源や電気制御信号の授受が行われ、空気圧縮機の運転や停留ブレーキ装置の制御が行われる。また、当該混銑車においては、電気接触装置及び電路を介して台車間で電源や電気制御信号の授受が行われる。従って、当該混銑車が複数両連結された場合にも同様に、機関車から電源や電気制御信号を受けて、各混銑車において、空気圧縮機の運転や停留ブレーキ装置の制御が行われる。また、当該混銑車では、台車に搭載する空気圧縮機により、停留ブレーキ装置の制御に必要な圧縮空気が自給される。従って、台車間及び車両間の渡り空気配管は不要となる。
【0008】
また、上記混銑車(請求項1)において、混銑車本体は、一方の台車に、停留ブレーキ装置及び空気圧縮機の他、当該空気圧縮機から圧縮空気が供給される電気制御可能な空圧機器を含む連結器錠解放装置を搭載し、他方の台車に、電気制御可能な空圧機器を含む連結器錠解放装置及び当該空圧機器に圧縮空気を供給する空気圧縮機を搭載するものであってもよい(請求項2)。
この場合、連結器錠解放装置によって各台車の連結器の錠解放を制御することができる。
【0009】
また、本発明の混銑車編成車両は、機関車と、
前記機関車と連結され、前後に互いに離隔して配置された2台の台車によって炉体の両端を回転可能に支持して成り、電気制御可能な空圧機器を含む停留ブレーキ装置及び当該空圧機器に圧縮空気を供給する空気圧縮機を搭載した混銑車と、
前記混銑車における前端側連結器の近傍及び後端側連結器の近傍にそれぞれ設けられ、当該混銑車と連結される車両との間で、前記空気圧縮機の電源及び前記空圧機器の制御信号を授受する電気接続装置と、
前記炉体の前方側において、ブラシ及びこれと摺接するスリップリングのいずれか一方を前記台車側に設け、他方を前記炉体側に設けて成る第1の電気接触装置と、
前記炉体の後方側において、ブラシ及びこれと摺接するスリップリングのいずれか一方を前記台車側に設け、他方を前記炉体側に設けて成る第2の電気接触装置と、
前記炉体に沿って、その前方側から後方側へ設けられ、前記第1の電気接触装置と前記第2の電気接触装置とを互いに接続する電路とを備えたものである(請求項3)。
【0010】
上記のように構成された混銑車編成車両(請求項3)においては、電気接続装置を介して、混銑車及びこれと連結される機関車又は他の車両との間で電源や電気制御信号の授受が行われ、空気圧縮機の運転や停留ブレーキ装置の制御が行われる。また、混銑車においては、電気接触装置及び電路を介して台車間で電源や電気制御信号の授受が行われる。従って、当該混銑車が複数両連結された場合にも同様に、機関車から電源や電気制御信号を受けて、各混銑車において、空気圧縮機の運転や停留ブレーキ装置の制御が行われる。また、混銑車では、台車に搭載する空気圧縮機により、停留ブレーキ装置の制御に必要な圧縮空気が自給される。従って、台車間及び車両間の渡り空気配管は不要となる。
【0011】
また、上記混銑車編成車両(請求項3)において、混銑車と他の車両とを連結する連結器の近傍に設けられる電気接続装置は、
連結器の一方に取り付けられ、板状の導電部材を立てた状態で支持された一方側の接触子と、
当該連結器の他方に取り付けられ、前記一方側の接触子と対向する側に当該接触子を案内するテーパ状部を有する板状の導電部材を立てた状態で支持され、当該連結器の連結により、前記一方側の接触子と横方向に重なり合って接触する他方側の接触子と、
前記一方側の接触子と前記他方側の接触子とを互いに圧接させる方向に付勢する弾性部材とを有するものであってもよい(請求項4)。
この場合、連結器の連結方向をX方向、これに直交する横方向及び縦方向をそれぞれY方向及びZ方向とすると、両接触子はX−Z平面同士で重なり合って接触する。また、両接触子は弾性部材により、互いに圧接する方向に付勢されている。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、機関車1に、本発明の一実施形態による混銑車2を2両連結してなる混銑車編成車両を示す側面図である。図において、機関車1はアンテナ11を備えており、無線操縦により運転される。混銑車(混銑車本体)2は、前後に互いに離隔して配置された2台の台車21,22と、溶銑を入れる炉体23とによって構成されており、台車21,22は炉体23の両端を回転可能に支持している。各車両間の連結部には、連結器3が設けられ、この連結器3の近傍に電気接続装置4が設けられている。連結器3同士を連結することにより、電気接続装置4同士も互いに接続されるようになっている。なお、電気接続装置4は、対応する車両内の電気回路とケーブル接続されている。
【0013】
図2は、上記連結器3及び電気接続装置4の詳細図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。また、図3は、被連結側から連結器3及び電気接続装置4を見た正面図である。これらの図に示すように、電気接続装置4は、連結器3の上部に取り付けられている。図2の(a)及び(b)に示すように、電気接続器4の内部には、上下2段に一対の接触子41,42が取り付けられており、ばね43に付勢されることにより、接触圧力を付与される。接触子41,42の各々は、板状の導電部材(銅バー等)を立てた状態で絶縁支持されている。また、、接触子41,42の各々の先端側は、互いに同一方向に折り曲げられてテーパ状部41a,42aを形成しており、これらのテーパ状部41a,42aは、接続時に相手方の接触子を案内する作用をする。電気接続装置4の正面側(図3)には接触子41,42のみが見えるように端部を覆うゴム製のカバー44が取り付けられている。このカバー44が取り付けられている先端部ケース45は、相手方の電気接続装置4に押されると、図2の右方向に引っ込む。
【0014】
相手方の電気接続装置4も同一の形態であり、従って、(a)の二点鎖線に示すように、接続時に相手方のテーパ状部41a,42aは、左右逆向きになる。連結器3の連結動作に伴って電気接続装置4同士が接近すると、先端部ケース45同士が押され合って引っ込み、テーパ状部41a,42a同士が当接する。当接するテーパ状部41a,42a同士は、互いにガイドし合って接続を円滑にする。連結器3の連結完了時には、図4に示すように、相対向する一対の接触子41(42)がテーパ状部41a(42a)以外の平面部分で横方向に互いに重なり合って接触する。このとき、ばね43(図2の(a))により、所定の接触圧力が付与され、接触子41(42)同士が圧接する。
【0015】
図4において、連結方向と平行な方向をX方向、これに直交する横方向及び縦方向をそれぞれY方向及びZ方向とすると、相対向する両接触子41(42)はX−Z平面同士で重なり合って接触するため、接触位置においてX−Z平面に沿ったいかなる方向のずれがあっても、良好な接触状態が確保される。例えば、図4におけるY方向から見た側面図である図5に示すように、本来(a)に示すように接触すべきところ、上下方向のずれにより(b)に示すようになったとしても、十分な接触面積(図のハッチング部)が維持されるので、良好な接触状態が確保される。また、相対向する両接触子41(42)は、ばね43(図2の(a))により、互いに圧接する方向に付勢されているため、図4のY方向への変位を含むいかなる位置ずれや角度ずれがあっても、良好な接触状態が確保される。
【0016】
次に、混銑車2の構成について詳細に説明する。図6は、図1の1両目の混銑車2を中心に拡大して示す図である。なお、2両目の混銑車2も同様の構成である。図において、台車21は、車体下部に停留ブレーキ5を備えている。炉体23は、上部に炉口231を有している。台車21の右上端部には支持部材6が取り付けられており、その支持部材6の先端にブラシユニット7が取り付けられている。一方、炉体23の左端近傍の上面側にはブラシユニット7と電気的に接触するスリップリング装置8が取り付けられている。同様に、他の台車22の左上端部には支持部材6が取り付けられており、その支持部材6の先端にブラシユニット7が取り付けられている。また、炉体23の右端近傍の上面側にはブラシユニット7と電気的に接触するスリップリング装置8が取り付けられている。このようにして、上記ブラシユニット7及び対応するスリップリング装置8は、固定側である台車21又は22と、可動側である炉体23との間で、電気接触装置を構成している。炉体23の左右のスリップリング装置8は、耐熱材に覆われた耐熱ケーブル9により互いに電気的に接続されている。耐熱ケーブル9は、炉体23の表面に設けられた多数のリブ232によって架設されている。
【0017】
図7は、上記ブラシユニット7の詳細を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。当該ブラシユニット7は、電源用の2個のブラシホルダ71及び金属製(銅)のブラシ72、並びに、電気制御用の2個のブラシホルダ73及び金属製(銅)のブラシ74を1ユニット化したものである。ブラシホルダ71には電源用の大型の接続用端子75が設けられ、ブラシホルダ73には電気制御用の小型の接続用端子76が設けられている。
上記ブラシ72,74は、各ブラシホルダ71,73ごとに一対設けられ((c)参照)、ブラシホルダ71,73により、所定範囲で、(c)における左右方向((b)における上下方向に相当)に移動可能に保持されているとともに、図示しない内蔵ばねにより突出方向に付勢されている。(c)に示すように、スリップリング装置8の後述するスリップリング81,82が、ブラシ72,74に摺接する。
【0018】
図8は、スリップリング装置8を示す図であり、(a)は正面図(炉体23の後方から見た図)、(b)は側面図である。スリップリング装置8は、上記2個のブラシ72と接触する電源用の2本(太幅)のスリップリング81と、他の2個のブラシ74と接触する電気制御用の2本(細幅)のスリップリング82とを備えている。スリップリング81,82は、金属材料(SUS)からなり、π/4ラジアンの円弧状で、両端部がブラシ72,74との接触開始を円滑にするため、テーパ状になっている。また、各スリップリング81,82の一方の端部には、ケーブル接続用の端子部81a,82aが設けられている。スリップリング81,82は絶縁物(フッ素樹脂等)のスペーサ83を介して、同様の絶縁物の押さえ板84により挟持された状態で固定されている。また、各押さえ板84の外側に金属製(SS)の支持部材85が4本取り付けられている。計8本の支持部材85は、炉体23の所定位置の表面に固着される。炉体23の前後に設けられたスリップリング装置8の各スリップリング81,82同士は、上記端子部81a,82aに接続された耐熱ケーブル9(図6)により互いに接続される。
【0019】
次に、混銑車編成車両の電気回路及び空気回路について、図9を参照して説明する。なお、電源用の電路Lp及び電気制御用の電路Lcは、共に単線で表記している(実際には各2本で計4本)。また、電気回路及び空気回路は、1両目の混銑車2についてのみ示しているが、2両目の混銑車2についても同様である。
図において、機関車1は、機関車用電気制御盤12、連結器3、電気接続装置4、連結器3のロックを解放するための錠解放シリンダ13を備えている。一方、混銑車2の台車21は、電気制御盤211、空気圧縮機212a及び空気だめ(図示せず)等を内蔵した空気源ユニット212、錠解放及びブレーキ制御を行う空気制御装置213、台車21における連結器3の錠解放シリンダ214、及び、停留ブレーキ5(図6)を駆動するブレーキシリンダ215を備えている。空気制御装置213は、リリーフ弁2131、ブレーキ緩解用電磁弁2132、止め弁2133(通常、上の止め弁が開で、下の止め弁が閉)、圧力スイッチ2134、錠解放用電磁弁2135、絞り付き逆止弁2136、空気だめ2137を図示のように接続して構成されている。上記ブレーキ緩解用電磁弁2132及びブレーキシリンダ215は、停留ブレーキ5と共に、「停留ブレーキ装置」を構成している。また、上記錠解放用電磁弁2135及び錠解放シリンダ214は、「連結器錠解放装置」を構成している。
【0020】
上記の空気制御装置213においては、ブレーキ緩解用電磁弁2132が図示の弁位置にあるとき、ブレーキシリンダ215がばねの力により停留ブレーキ5(図6)を作動させている。電気制御盤211から指令信号を受けて、ブレーキ緩解用電磁弁2132が図示の弁位置から動作すると、ブレーキシリンダ215がばねに抗して駆動され、停留ブレーキ5が解除される。また、錠解放用電磁弁2135が図示の弁位置にあるときは、錠解放シリンダ214がばねの力により連結器3をロックし、連結器3が外れることを防止している。電気制御盤211から指令信号を受けて、錠解放用電磁弁2135が図示の弁位置から動作すると、錠解放シリンダ214がばねに抗して駆動され、連結器3のロックが解除される。
【0021】
一方、混銑車2の台車22は、電気制御盤221、空気圧縮機222a及び空気だめ(図示せず)等を内蔵した小型コンプレッサユニット222、錠解放を行う空気制御装置223、及び、台車22における連結器3の錠解放シリンダ224を備えている。空気制御装置223は、錠解放用電磁弁2231、絞り付き逆止弁2232、空気だめ2233を図示のように接続して構成されている。
上記の空気制御装置223においては、錠解放用電磁弁2231が図示の弁位置にあるときは、錠解放シリンダ224がばねの力により連結器3をロックしている。電気制御盤221から指令信号を受けて、錠解放用電磁弁2231が図示の弁位置から動作すると、錠解放シリンダ224がばねに抗して駆動され、連結器3のロックが解除される。
【0022】
上記のように構成された混銑車2が、機関車1と連結することにより電気接続装置4が互いに接続されると、各車両の電路Lp及びLcが相互に接続される。また、台車21と台車22との間では、ブラシユニット7とスリップリング装置8との電気的接触により、耐熱ケーブル9を介して、電気的な接続がなされる。このようにして、機関車1と混銑車2の台車21との間、及び、台車21と台車22との間で、電源や電気制御信号の授受が可能となる。また、2両目の混銑車2についても同様である。
また、上記混銑車2は、各台車21,22に電路Lpから電源が供給されている。この電源により、空気源ユニット212及び小型コンプレッサユニット222のそれぞれに内蔵する空気圧縮機212a,222aが運転され、各台車21,22ごとに圧縮空気が自給される。従って、台車間及び車両間の渡り空気配管は不要となる。
【0023】
なお、図示していないが、各台車21,22には炉体23を回転させるためのモータが搭載されている。また、各台車21,22ごとに、車両側面に車上側電気連結器が設けられている。一方、地上側の所定位置には、地上側電気連結器が設けられており、これを電気連結指令に応じて車上側電気連結器と接続することにより、停留した混銑車2の炉体23を回転させるための電力及び制御信号を提供することができる。
【0024】
上記のように構成された2両の混銑車2及び機関車1は、図1に示すように連結された状態において各連結器3にはロックがかかり、停留ブレーキ5が作動している。図示しないリモコン操縦器から機関車1に発進指令が送信されると、指令を受けた機関車1は、電路Lc経由で発進指令信号を混銑車2に送る。これを受けた混銑車2の電気制御盤211は、ブレーキ緩解用電磁弁2132を動作させ、停留ブレーキ5を解放する。これにより、混銑車2は発進可能な状態となる。
【0025】
高炉で炉体23に溶銑を受け入れた後、混銑車2は、機関車1に牽引されて転炉へ移送される。転炉の所定位置に到着すると、リモコン操縦器から機関車1にブレーキ指令が送信される。ブレーキ指令を受けた機関車1は、電路Lc経由でブレーキ指令信号を混銑車2に送る。これを受けた混銑車2の電気制御盤211は、ブレーキ緩解用電磁弁2132をオフ動作させ、停留ブレーキ5を作動させる。停留ブレーキ5の作動により、混銑車2は所定位置に停留した状態となる。このようにして、混銑車2の停留ブレーキ装置5を、機関車1からの電気制御信号により制御することができる。従って、人が混銑車2に近づくことなく、安全に混銑車2を停留させることができる。
その後、地上側電気連結器から、混銑車2に設けられた車上側電気連結器への電気接続が行われ、台車21,22に搭載されたモータにより炉体23を回転させて炉口231を下へ向け、溶銑を受鋼鍋へ流入させる。このとき、前述のように、台車間に渡り空気配管は存在しないため、溶銑による空気配管の損傷は生じない。
【0026】
また、連結器3の錠解放については、リモコン操縦器から機関車1に錠解放指令が送信されと、機関車1は、電路Lc経由で錠解放指令信号を混銑車2に送る。これを受けた混銑車2の電気制御盤211又は221は、対応する錠解放用電磁弁2132又は2231を動作させ、対応する連結器3の錠を解放する。錠解放により、連結器3を外すことができる。このようにして、連結器3の錠を、機関車1からの電気制御信号により制御することができる。従って、人が混銑車2に近づくことなく、安全に錠解放を行うことができる。
【0027】
なお、上記実施形態における電気接続装置4の接触子は、他にも種々の形態を採用することができる。例えば、図10の(a)に示すように、一方の接触子4xを、板ばね機能を有する板状の形態とし、他方の接触子4yを、先端がそり状に向かい合わせになった2枚の板状部材に隙間を設けて並立させたものとしてもよい。(b)は、このような接触子4x,4yを一対ずつ上下2段に収納した電気接続装置4M,4Fの平面図であり、(c)は接触子4xを有する電気接続装置4Mを被連結側から見た正面図である。(b)において、電気接続装置4Mには、前後に移動可能な先端部ケース45が設けられる。一方、相手方の電気接続装置4Fには、このような移動可能な先端部ケース45を設ける必要がない。先端部ケース45が相手方の電気接続装置4Fに当接すると、この先端部ケース45が引っ込んで接触子4xが相手方の電気接続装置4F内に進入し、接触子4yと接続される。(c)に示すように、先端部ケース45のカバー44には、接触子4xの板厚に相当する幅のスリット44aが縦長に設けられ、この幅は人の指より細い。また、接触子4yを収納する相手方の電気接続装置4Fの端面にも、上記カバー44と同様のものが取り付けられる。このような一対の電気接続装置4M,4Fは、連結解放状態のとき誤って接触子4x,4yに触れる恐れがなく、安全である。
【0028】
また、上記実施形態においては、混銑車2を2両連結したが、これは1両でもよいし、3両以上でもよい。
また、上記実施形態においては、ブラシユニット7を台車21,22側に設け、スリップリング装置8を炉体23側に設けたが、ブラシユニット7を炉体23側に設け、スリップリング装置8を台車21,22側に設けることもできる。
また、上記実施形態においては、炉体23の前後のスリップリング同士を接続する電路として耐熱ケーブル9を用いたが、炉体23の表面に耐熱絶縁物を介して導体を配置してもよい。
また、上記実施形態においては、停留ブレーキ5を台車21にのみ設けたが、逆に台車22にのみ設けるか又は台車21,22の双方に設けてもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明は以下の効果を奏する。
【0030】
請求項1の混銑車によれば、電気接続装置を介して他の車両との間で電源や電気制御信号の授受が行われるとともに、電気接触装置及び電路を介して台車間で電源や電気制御信号の授受が行われることにより、混銑車において空気圧縮機の運転や停留ブレーキ装置の制御が行われるので、人が混銑車に近づくことなく、安全に混銑車を停留させることができる。また、空気圧縮機の運転により停留ブレーキ装置の制御に必要な圧縮空気が自給されるので、台車間及び車両間の渡り空気配管は不要となり、その結果、溶銑による空気配管の損傷を防止することができる。
【0031】
請求項2の混銑車によれば、連結器錠解放装置によって各台車の連結器の錠解放を制御することができるので、人が混銑車に近づくことなく、安全に連結器の錠解放を行うことができる。
【0032】
請求項3の混銑車編成車両によれば、電気接続装置を介して他の車両との間で電源や電気制御信号の授受が行われるとともに、電気接触装置及び電路を介して台車間で電源や電気制御信号の授受が行われることにより、混銑車において空気圧縮機の運転や停留ブレーキ装置の制御が行われるので、人が混銑車に近づくことなく、安全に混銑車を停留させることができる。また、空気圧縮機の運転により停留ブレーキ装置の制御に必要な圧縮空気が自給されるので、台車間及び車両間の渡り空気配管は不要となり、その結果、溶銑による空気配管の損傷を防止することができる。
【0033】
請求項4の混銑車編成車両によれば、連結器の連結方向をX方向、これに直交する横方向及び縦方向をそれぞれY方向及びZ方向とすると、両接触子はX−Z平面同士で重なり合って接触するため、接触位置においてX−Z平面に沿ったいかなる方向のずれがあっても、良好な接触状態が確保される。また、両接触子は弾性部材により、互いに圧接する方向に付勢されているため、Y方向への変位を含むいかなる位置ずれや角度ずれがあっても、良好な接触状態が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による混銑車を2両連結してなる混銑車編成車両を示す側面図である。
【図2】上記混銑車編成車両における連結器及び電気接続装置の詳細図である。
【図3】上記連結器及び電気接続装置を被連結側から見た正面図である。
【図4】上記電気接続装置における接触子を示す斜視図である。
【図5】上記電気接続装置における接触子を示す側面図である
【図6】図1の1両目の混銑車を中心に拡大して示す側面図である。
【図7】上記混銑車におけるブラシユニットの詳細図である。
【図8】上記混銑車におけるスリップリング装置の詳細図である。
【図9】上記混銑車編成車両の電気回路図及び空気回路図である。
【図10】(a)は接触子の他の形態を示す平面図、(b)は当該接触子を収納した電気接続装置の平面図、(c)は当該電気接続装置の一方を被連結側から見た正面図である。
【符号の説明】
1 機関車
2 混銑車(混銑車本体)
3 連結器
4,4M,4F 電気接続装置
5 停留ブレーキ
7 ブラシユニット
8 スリップリング装置
9 耐熱ケーブル
21,22 台車
23 炉体
41,42,4x,4y 接触子
41a,42a テーパ状部
43 ばね
72,74 ブラシ
81,82 スリップリング
212a,222a 空気圧縮機
214,224 錠解放シリンダ
215 ブレーキシリンダ
2132 ブレーキ緩解用電磁弁
2135,2231 錠解放用電磁弁
Claims (4)
- 前後に互いに離隔して配置された2台の台車によって炉体の両端を回転可能に支持して成り、電気制御可能な空圧機器を含む停留ブレーキ装置及び当該空圧機器に圧縮空気を供給する空気圧縮機を搭載した混銑車本体と、
前記混銑車本体における前端側連結器の近傍及び後端側連結器の近傍にそれぞれ設けられ、当該混銑車本体と連結される車両との間で、前記空気圧縮機の電源及び前記空圧機器の制御信号を授受する電気接続装置と、
前記炉体の前方側において、ブラシ及びこれと摺接するスリップリングのいずれか一方を前記台車側に設け、他方を前記炉体側に設けて成る第1の電気接触装置と、
前記炉体の後方側において、ブラシ及びこれと摺接するスリップリングのいずれか一方を前記台車側に設け、他方を前記炉体側に設けて成る第2の電気接触装置と、
前記炉体に沿ってその前方側から後方側へ設けられ、前記第1の電気接触装置と前記第2の電気接触装置とを互いに接続する電路と
を備えたことを特徴とする混銑車。 - 前記混銑車本体は、一方の台車に、前記停留ブレーキ装置及び前記空気圧縮機の他、当該空気圧縮機から圧縮空気が供給される電気制御可能な空圧機器を含む連結器錠解放装置を搭載し、他方の台車に、電気制御可能な空圧機器を含む連結器錠解放装置及び当該空圧機器に圧縮空気を供給する空気圧縮機を搭載する請求項1の混銑車。
- 機関車と、
前記機関車と連結され、前後に互いに離隔して配置された2台の台車によって炉体の両端を回転可能に支持して成り、電気制御可能な空圧機器を含む停留ブレーキ装置及び当該空圧機器に圧縮空気を供給する空気圧縮機を搭載した混銑車と、
前記混銑車における前端側連結器の近傍及び後端側連結器の近傍にそれぞれ設けられ、当該混銑車と連結される車両との間で、前記空気圧縮機の電源及び前記空圧機器の制御信号を授受する電気接続装置と、
前記炉体の前方側において、ブラシ及びこれと摺接するスリップリングのいずれか一方を前記台車側に設け、他方を前記炉体側に設けて成る第1の電気接触装置と、
前記炉体の後方側において、ブラシ及びこれと摺接するスリップリングのいずれか一方を前記台車側に設け、他方を前記炉体側に設けて成る第2の電気接触装置と、
前記炉体に沿って、その前方側から後方側へ設けられ、前記第1の電気接触装置と前記第2の電気接触装置とを互いに接続する電路と
を備えたことを特徴とする混銑車編成車両。 - 前記混銑車と他の車両とを連結する連結器の近傍に設けられる前記電気接続装置は、
連結器の一方に取り付けられ、板状の導電部材を立てた状態で支持された一方側の接触子と、
当該連結器の他方に取り付けられ、前記一方側の接触子と対向する側に当該接触子を案内するテーパ状部を有する板状の導電部材を立てた状態で支持され、当該連結器の連結により、前記一方側の接触子と横方向に重なり合って接触する他方側の接触子と、
前記一方側の接触子と前記他方側の接触子とを互いに圧接させる方向に付勢する弾性部材と
を有する請求項3記載の混銑車編成車両。
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