JP4658593B2 - 音響環境に自動的に適合可能なプログラマブル聴覚人工器官 - Google Patents

音響環境に自動的に適合可能なプログラマブル聴覚人工器官 Download PDF

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Description

本発明は、補聴器又は人工耳などのプログラマブル聴覚人工器官に関する。特に、本発明は、特別な音響環境下において、ユーザが既に前記環境に適応した際の音響プロセッシング特性と類似あるいは同一の方法で前記環境に適応するように調整されたプログラマブル聴覚人工器官に関する。
聴力損失は、多くの異なる原因によって引き起こされるものであるが、それらは聴覚伝導の異常に起因するものと、感覚神経の異常に起因するものとに分けることができる。これらの内、聴覚伝導の損失によるものは、蝸牛における毛細胞に到達する音響に対する通常の機械的経路が、例えば小骨へのダメージによって妨げられることに起因する。聴覚伝導の損失は、慣用の補聴器を用いることによって補うことができる。前記補聴器は、音響情報が蝸牛及び毛細胞に到達できるように、マイクロホン、増幅器、及びレシーバ(小型のスピーカー)を具えている。最小可聴音響圧力レベルは、音響試験刺激の周波数とともに変化するので、前記増幅器は、前記信号の異なる周波数成分が種々のレベルに増幅されるように、列状に配置されたフィルタ群の前方に配置されているか、前記フィルタ群を具えるように構成されている。
感覚神経の異常は、蝸牛における毛細胞及び付随した聴覚神経網がダメージを受けていたり、破壊されていたりした場合に生じる。感覚神経に異常が生じると、最小可聴音響圧力レベルは増大するようになる。なお、前述したように、前記最小可聴音響圧力レベルは、音響試験刺激の周波数とともに変化する。しかしながら、聴覚伝導の異常とは対照的に、所定の試験周波数において不快であると感じる音響圧力レベルは、通常の聴覚能力を有する人々と同じである場合が多い。これは、機能しない耳の不快でない可聴範囲の音響圧力レベルのダイナミックレンジが減少しているためであり、前記ダイナミックレンジは、音響試験刺激の周波数とともに劇的に変化する。このような理由により、感覚神経の異常は、非線形増幅を利用した補聴器を使用することによって頻繁に対処され、一般的なダイナミックレンジを機能しない耳のダイナミックレンジに圧縮するようにしている。このようなシステムは、圧力増幅器の後方にフィルタバンクを有している。その結果、信号のダイナミックレンジは、各帯域において、機能しない耳のダイナミックレンジを適宜に考慮した所定のレンジにまで減少する。
耳が全く聞こえない人々の多くは、その聴覚不全は音響信号を神経インパルスに伝送する蝸牛における毛細胞の欠損あるいは破損に起因している。したがって、このような人々は、音響刺激が如何に増幅されようと、通常の方法で音響から生じる神経インパルスメカニズムの破損又は欠損があるために、補聴器を使用することによってもその症状が十分に改善されることがない。このような状況に鑑み、聴覚人工器官が開発されている。前記聴覚人工器官は、蝸牛における毛細胞をバイパスして、電気的刺激を直接聴覚神経網に伝送し、脳が聴覚神経に通常的に伝送される自然な聴覚に類似した聴覚を受容できるようにしている。USP4,532,930は、伝統的な聴覚人工器官を開示している。なお、前記米国特許の内容は、本明細書中に参照文献として含まれる。
聴覚人工器官は、代表的には2つの本質的要素を含んでいる。一つは、プロセッサユニットとしての外部コンポーネントであり、他の一つはスティミュレータ/レシーバとしてのインプラントコンポーネントである。伝統的に、これらの2つのコンポーネントは、協同して、ユーザに対して音響感覚を提供するものである。
前記外部コンポーネントは、伝統的に、演説及び環境音響などの音響受信のためのマイクロフォン、受信した音響、特に演説などをコード化された信号に変換するスピーチプロセッサ、電池などの電源、及び外部トランスミッタコイルから構成されている。
前記スピーチプロセッサから出力されたコード化された信号は、ユーザの側頭骨の部分に位置するインプラントスティミュレータ/レシーバユニットに経皮的に伝送される。この伝送は、前記インプラントスティミュレータ/レシーバユニットに設けられたインプラント受信コイルと連結するようにして位置する外部トランスミッタコイルを介して行われる。このような伝達は、2つの本質的な目的のために行われる。一つは前記コード化された音響信号を経皮的に伝達するためであり、他の一つはインプラントスティミュレータ/レシーバユニットにパワーを提供するためである。従来、このようなリンクは、RFリンクの形式で行われており、その他のリンクも提案され、成功の度合いは異なるものの実行されている。
インプラントスティミュレータ/レシーバユニットは、伝統的にはコード化された信号を受信し、外部プロセッサーユニットからのパワーを受信するための受信コイルと、前記コード化された信号を加工し、オリジナルな受信音響に相当する聴覚を生成する聴覚神経に直接電気的刺激を提供する内部聴覚電極アセンブリに、刺激信号を出力するスティミュレーターとを具えている。
ユーザは、聴覚人工器官に対して、個々の要求レベルに応じた異なる刺激信号の出力を要求する。このような状況は、個々のユーザが同一の聴覚異常を有し、同一の人工器官を用いる場合においても生じ、本質的に同一の音響環境に置かれた場合においても生じる。このような問題に鑑み、補聴器及び人工聴覚器官に対する音響加工スキームにおいては、個々のユーザの要求に対応するように設定されるパラメータを数多く具えている。例えば、入力音響に対する感度及び周波数レスポンスに対する変分などである。代表的に、これらのパラメータは日々の状況におけるユーザ、あるいは前記人工器官を取り付ける臨床医によって選択される。前者の場合、例えば感度(ボリューム)、周波数レスポンスなどが選択されるパラメータであって、後者の場合、例えばベースライン周波数応答及び入力レベルの変化に基づいて変化する周波数レスポンス及び感度の変化速度である。
特に最近、聴覚人工器官において、求めるパフォーマンスに合致するように調整されるべき、あるいは調整することのできるパラメータ数が増大する傾向にある。しかしながら、このようにパラメータ数が増大しても、個々のユーザにとっての最適なパラメータ値を選択できるような信頼性のある規範的な方法が存在しないという問題を際だたせる結果となり、特に前記パラメータの内のいくつかが、全く同一の聴覚障害を有する個人間で変化する場合において顕著となっている。したがって、臨床医が実際の診療室以外で、前記ユーザの報告された経験に基づいて人工器官を調節できるようになることが必要であり、前記調節のために診療室に戻らなければならないという時間の無駄及び不便性を解消する必要もある。
補聴器ユーザが聴覚を得ることのできる補聴器の例が、USP5,604,812において開示されている。前記補聴器は実際の駆動方法についても考慮されており、“アンシャープ入力(unsharp inputs)”、すなわち一般環境条件及び/又は補聴器の出力値、規定のアルゴリズム、聴覚不全データ、及び補聴器特性データについての補聴器携帯者の“感覚”を蓄積することができるメモリを有するものである。ファジー論理モジュールは前記データを用い、入力信号解析ユニットからの信号を制御し、補聴器に対する出力パラメータを計算する。前記ファジー論理回路モジュール及び/又は前記アルゴリズムは、神経回路網によって補助メモリに蓄積されたデータに基づいて計算を実行する。この間、前記神経回路網は前記補助メモリに接続されたパーソナルコンピュータにおいて駆動される。このような補聴器は、プロセッシングスキームが複雑になるという問題と、補助電源、代表的にはオンボードバッテリにおける望ましくない大規模な電流流出という問題とが生じるようになる。これに加え、前記補聴器は、正確に駆動させるために長時間を要し、ユーザが最適な状態を直接設定することが困難となり、このため、前記補聴器に対して、むしろ正確かつ直接に必要な入力を行うよりも“アンシャープ入力”を行う方が好ましくなる。
補聴器ユーザが聴覚を受信できる補聴器の他の例が、USP6,305,050において開示されている。この補聴器によれば、ユーザは、リモートユニットにおける音響状況の内から一つの音響状況を選択することによって現在の音響環境を同定することが要求される。この場合、前記ユーザは、前記選択した音響状況から現在の音響状況を瞬時に決定することができないので、前記補聴器の利点は大幅に減少してしまう。このような問題に加えて、リモートユニット、例えば作動中のリモートユニットは異なる音響環境を有することになり、その結果、音響状態を十分に画定することができない場合がある。したがって、神経回路網は、マイクロフォン信号の解析から音響状況などを十分に認識することができない場合がある。前記音響状況の認識は、メモリ限界及び音響状況の変化は早期に認識することが好ましいとの実用的な見地から数秒から数分の間に行うことが望ましい。したがって、所定の訓練を実施した後も、前記神経回路網は音響状況を誤って認識する可能性が生じてしまう。特に、音響的に十分に画定することができない状況ではなおさらである。その結果、増幅パラメータは、現在の音響状況に適さないものとなってしまう。このような装置においては、環境パラメータを測定したり、プロセッシングスキームにおいて直接にこれらのパラメータを使用する代わりに、特定の音響環境を類別する試みがなされている。これは、本願発明と共通する技術的事項である。また、前記装置では、以前の作業場所と音響的に異なる新たな作業場所のような、生活環境の変化によって、異なる増幅パラメータが必要になり、その結果、診療室に再度通わなければならなくなる。
補聴器は、そのユーザの嗜好をも受容することができ、このような補聴器についてはUSP6,044,163に記載されている。この文献に記載された補聴器は、USP6,035,05に記載されたものと類似しているが、主な相違事項は、神経回路網が、メモリ中に蓄積された増幅パラメータを一括して選択せず、個々の増幅パラメータを直接的に設定するということである。前記補聴器のその他の不利益は、USP6,035,050に記載された補聴器におけるものと同じである。
本発明は、調節可能であって、ユーザは可変的な音響環境に置かれた際に、前記ユーザに対する出力状態を調節することができる聴覚人工器官を前記ユーザに提供することを目的とする。
また、本発明は、個々のユーザの訓練によって伝統的な診療環境から離隔して遭遇した音響状況においても、前記ユーザの嗜好に合うように出力状況を調節し、前記ユーザの音響を最適化するために要求される診療時間を短縮することができる聴覚人工器官を前記ユーザに提供することを目的とする。
本明細書に含まれる、文献、動作、材料、装置、部品などは、本発明の目的を達成するために要求されるものである。これら要素の一部あるいは総ては、本願発明が関連する分野においては、従来技術あるいは公知技術を構成し、本願の特許請求の範囲に関する優先日以前に存在しているものではない。
発明を解決するための手段
上記目的を達成すべく、本発明は、
音響を受信し、この受信した音響に相当するマイクロフォン信号を生成するマイクロフォンと、
ユーザが受信可能な形態で音響信号を提供する出力デバイスと、
前記マイクロフォン信号を受信するとともに加工し、前記出力デバイスの動作に適した形態で出力信号を生成する音響プロセシング手段と、
セッティング状態を記憶するデータメモリ手段とを具え、
前記音響プロセッシング手段は第1のモードで動作可能であり、前記第1のモードにおいては、前記音響プロセッシング手段の前記出力信号を、現在の音響環境特性に対するユーザの嗜好に従って調節できるようにしたセッティング状態を、前記ユーザによって調整することができる少なくとも1つの可変プロセッシングファクタを含み、
前記音響プロセッシング手段は第2のモードで動作可能であり、前記少なくとも1つの可変プロセッシングファクタは、前記ユーザによって先に調整された可変プロセッシングファクタに基づいて自動的に調整され、
前記データメモリ手段は、前記第1のモードにおける前記セッティング状態を記憶することを特徴とする、聴覚人工器官(第1の聴覚人工器官)に関する。
本発明では、一ユーザに対して最適な出力信号として考慮されるものが、他のユーザに対しては最適な信号として考慮されないことを理解する必要がある。本発明は、ユーザが日常的あるいは時折接する音響環境と異なる音響環境に接した場合に、診療試験によって予め定められた方法ではなく、前記ユーザの要求に合致するような方法で、前記聴覚人工器官が駆動することを保証するものである。なお、前記音響環境は、前記ユーザが接触した場合に、前記ユーザが必ずしも主観的反応を繰り返して起こすとは限らない。
好ましくは、前記データメモリ手段は、少なくとも1つの音響環境特性を代表するデータセットを記憶することが好ましい。また、好ましくは、前記少なくとも1つの可変プロセッシングファクタは、このファクタに相当する音響環境に基づいて自動的に調整されることが好ましい。
第1の態様において、前記第1のモードで動作する際に、前記音響プロセッシング手段は、前記ユーザによって選択された前記少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの、2以上の最適なセッティング状態を提供する。この場合、前記ユーザは、特定の音響環境で駆動される際の、前記聴覚人工器官の駆動状態を、各セッティング状態での駆動状態と比較することができ、これらのセッティング状態から前記音響環境に最も良く合致するセッティング状態を選択することができる。前記ユーザによって選択された、前記可変プロセッシングファクタのセッティング状態は、必要に応じて前記音響環境特性を示すデータとともに、前記データメモリ手段内に記憶することができる。このプロセスは繰り返し実行され、これによって前記プロセッシング手段は、前記可変プロセッシングファクタのセッティング状態に対する前記ユーザの嗜好が、時間とともに又は使用経過に伴って変化するか否かをモニタリングすることができる。
上述のようなプロセスを繰り返す際、前記ユーザによる、各セッティング状態に対する選択の回数がモニタリングされ、前記聴覚人工器官が前記可変プロセッシングファクタの最適なセッティング状態、あるいは必要に応じて、特定の音響環境に対する可変プロセッシング状態の最適なセッティング状態を選択することができるようになる。
本例において、前記ユーザはコントロール手段を駆動させることにより、前記提供されたセッティング状態に基づいてリスニング環境を変更することができ、インジケータ手段を操作することによって、前記可変プロセッシングファクタのセッティング状態を選択することができる。一例において、前記コントロール手段は、ユーザによって操作可能なスイッチあるいはボタン群を具えることができ、前記インジケータ手段は、前記ユーザによって操作可能なスイッチあるいはボタン群を具えることができる。
他の例において、前記音響プロセッシング手段が第1のモードで駆動される場合、前記音響プロセッシング手段は調整可能とすることができる。この場合、前記ユーザは、最適なセッティング状態を不連続的に選択する代わりに、コントロール手段を調整することによって、実質的に連続した範囲において、前記可変プロセッシングファクタを変更することができ、したがってプロセッシング操作を変更することができる。前記ユーザが、特定の音響環境に対して最適なセッティング状態であると考える、前記実質的に連続した範囲の、所定のセッティング状態に前記コントロール手段を調整すると、前記ユーザはスイッチやボタンなどのインジケータ手段を操作して、前記セッティング状態、及び必要に応じて前記特定の音響環境を示すデータを前記データメモリ手段内に記憶する。前記音響プロセッシング手段によって、前記インジケータ手段が駆動されると、前記インジケータ手段は、前記コントロール手段における特定のセッティング状態が、前記特定の音響環境に対して最適であることを指示する。
本例において、前記コントロール手段は、ロータリーホイールコントロールを具えることができる。前記ロータリーホイールコントロールは、前記聴覚人工器官のハウジング上に取り付けることができ、また離隔したユニット上に取り付けることもできる。前記コントロール手段はトグルスイッチ又はプレスボタンの形態とすることもできる。
上述した例において、前記インジケータ手段は、前記聴覚人工器官のハウジングに取り付けることができるし、離隔したユニット上に取り付けることもできる。
好ましい態様において、前記ユーザによって、複数の音響環境に対して最適であるとして選択されたセッティング状態は、必要に応じて、前記音響環境特性を示すデータとともに、前記データメモリ手段内に記憶することができる。前記音響プロセッシング手段は、前記第2のモードで駆動することができ、所定の時間、あるいは前記ユーザが前記コントロール手段を調整し、特定の音響環境に対して最適であると考える新たなセッティング状態を選択する度毎に、前記第1のモードで同時に駆動させることができる。他の例において、前記聴覚人工器官は、前記第1のモードで駆動する時間を確定することができる。この時間は、前記ユーザが望むように設定することができる。訓練時間が完了した後に、前記聴覚人工器官は前記ユーザに対して信号を発することができる。この場合、前記聴覚人工器官において、訓練時間の終了は、前記聴覚人工器官によって既に評価されたセッティング状態と異なるセッティング状態を選択することができなくなった時点で終了するようにすることができる。
本発明の好ましい態様では、前記聴覚人工器官は、さらに音響解析手段を具えることができる。音響解析手段は、前記マイクロフォンから入力信号を受信し、ユーザの音響環境をモニタリングする。前記音響解析手段は、モニタリングされた音響環境を代表する出力を提供する。
さらに、前記データメモリ手段は、1以上のデータメモリロケーションを具えることができる。例えば、前記データメモリ手段は5つのデータメモリロケーションを具えることができる。本例において、第1のデータメモリロケーションは、ユーザの聴力データ及び/又は前記聴覚人工器官によって使用された1以上の音声に対する個々のデータを含む。第2のデータメモリロケーションは、前記聴覚人工器官の特性データを含む。第3のデータメモリロケーションは、個々のユーザが異なる音響環境における、音響プロセッサユニットの最適なプロセッシング操作を予想するために使用する1以上の式を具える。第4のデータメモリロケーションは、ユーザによって選択された最適な音響プロセッシングデータを記憶する。このデータは、連続的又は前記音響解析手段によって供給される音響環境データを指示するような異なる方法で順序づけることができる。最適な音響プロセッシングデータに相当する音響環境データは、適宜第5のデータメモリロケーションに記憶させることができる。なお、異なるメモリロケーションを有するデータメモリ手段を用いることもできる。
また、前記第4のデータメモリロケーションは、最適な音響プロセッシングデータの、予め画定された最大のデータ数を記憶することができる。例えば、400個の最適音響プロセッシングデータを記憶することができる。しかしながら、前記最大値は、他の値とすることもできる。例えば、前記データプロセッシング手段は、蓄積された総てのデータばかりを使用するものではなく、予め定められた数の、最も近時に記録されたデータをも利用する。例えば、可変プロセッシングファクタの最適値を決定する際に、最近時の256個のデータのみを利用することができる。また、前記メモリロケーション内の、最も古いデータに代えて、最も新しいデータを記憶させることができる。この先入れ先出し記憶システムは、前記聴覚人工器官に対して、最近時に記録されたデータを任意に記憶できるようにしている。また、前記メモリロケーションが一杯になった際に、古いデータが上書きされないようにし、新たなデータが記憶されなくするようにすることができる。さらに、前記メモリロケーションにおける古いデータに対して選択的に上書きを実施することによって、所定の音響環境に相当する新たなデータを前記メモリロケーション中に記憶させるようにすることができる。
前記聴覚人工器官は、さらにデータプロセッシング手段を具えることができる。前記データプロセッシング手段は、音響解析手段からの出力を受信する。この出力に基づいて、前記データプロセッシング手段は、前記マイクロフォンで受信した音の強さを計算することができる。また、前記データプロセッシングユニットは、通常の聴力を有する人が聞くことのできる音の強さ、あるいは何らかの聴力障害を有する人が聞くことのできる音の強さを計算することができる。なお、前記データプロセッシング手段は、前記マイクロフォンで受信した他の音響指標及び心理音響的指標を計算することもできる。前記データプロセッシング手段は、前記第3のデータメモリロケーションに記憶された1以上の式に対する入力データとして音響状態の指標を用いることができる。これによって、前記音響解析手段によって決定された音響環境において、前記ユーザが、前記音響プロセッシング手段の最適な音響プロセッシング動作を評価することができるようになる。
前記データプロセッシングユニットは、さらに前記第2のデータメモリロケーションに記憶された聴覚人工器官特性データ、及び前記式から得られた最適な音響プロセッサデータを用い、自動的及び連続的に前記音響プロセッシング手段の適当なセッティング状態を決定することができ、ユーザに対して、現在経験している音響環境に対する最適な出力信号を提供することができる。
好ましい例において、前記音響プロセッシング手段は、増幅手段及びゲインコントロール手段を含む。前記増幅手段は、前記第1のモードにおいて調整可能であり、前記ユーザが特定の音響環境において、前記増幅手段の各周波数又は総ての周波数におけるゲインを最適化できるようにすることができる。最適化の後、前記聴覚人工器官は、第2のモードにおいて駆動し、増幅手段の増幅特性を最適なレベルに調整する。すなわち、前記可変プロセッシングファクタは、各周波数又は総ての周波数における、増幅ゲインとすることができる。
前記増幅手段の、各周波数又は総ての周波数におけるゲインは、予め画定された形式の式を用いて計算することができる。前記式は、
Gi=ai+bi*max(Li, ci)+di*(SNRi-SNRav) (1)
で表すことができる。
ここで、
i=周波数バンド数
G=バンドiに対するゲイン
ai=バンドiに対する訓練係数
bi=バンドiに対する訓練係数
ci=バンドiに対する訓練係数
di=バンドiに対する訓練係数
Li=バンドiでの、マイクロフォンにおける音響圧力レベル
SNRi=バンドiでの、信号対ノイズ比(SNR)
SNRav=総てのバンドにおける平均SNR
信号スペクトルの高次のモーメント及びこれらモーメントの変化などの音響的あるいは心理音響的パラメータ、又はその他の統計的パラメータあるいは音響信号、あるいは前記統計的パラメータと音響信号との組み合わせ、さらには任意の係数などを組み合わせたものから構成される式を用いても、ゲイン又はプロセッシングファクタを計算することができる。例えば、聴覚人工器官が反応し、音響環境において変化する際の速度などのファクタを計算することができる。使用する式の選択は、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいて、その使用環境に依存して決定することができる。
上記具体例において、訓練係数はa,b,c及びdを含み、結果として、可変プロセシングファクタである増幅ゲインGを導出することになる。
したがって、前記音響プロセッシング手段の、1以上のプロセッシングファクタは、ユーザが前記コントロール手段又は多重コントロール手段を使用することによって調整することができる。同様に、前記ユーザは、前記コントロール手段又は前記多重コントロール手段を用いることにより、前記音響プロセッシング手段の1以上のパラメータを調整することができる。
(i) 出力信号のボリューム
(ii) 他の周波数と関連した特定の周波数における出力信号のゲイン、例えばミッドレンジ周波数のゲインを、ハイ又はローレンジ周波数のゲインに比較して、増幅したり減衰したりすることができる
(iii) ミッドレンジ周波数のゲインが変化しない間において、ローレンジ及びハイレンジ周波数のゲインを反対方向に調整するスロープコントロール
前記音響プロセッシング手段の操作において、前記ユーザは、前記インジケータ手段を駆動させることによって、特定の音響環境に対する可変プロセッシングファクタに対して最適なセッティング状態を選択することができる。前記音響プロセッシング手段の多重操作において、前記ユーザは前記インジケータ手段を駆動させることにより、前記ユーザが経験する音響環境の、1以上の可変プロセッシングファクタに対する最適な状態を選択することができる。したがって、1以上の可変プロセッシングファクタ同様、前記音響プロセッシング手段の、1以上の操作についても、その選択と結合させて調整することができる。前記インジケータ手段が駆動される度毎に、各周波数帯におけるゲインは、前記マイクロフォンによって受信した音響環境を示すデータセットとともに記録することができる。
前記データセットは、前記データプロセッシング手段による先のデータセットとともに使用して、各バンドにおける記録された訓練データと最も良く合致するゲイン式係数を計算する。各周波数バンドにおける記録ゲインは、前記ゲイン式係数を計算するために用いることができる。
第1のモードで駆動する際、前記データプロセシング手段は、ユーザによって予め決められた数の選択が実行されるまで上述したゲインに関する式の、最適な係数を計算しない。例えば、少なくともユーザによって50回の選択が実施されるまでは、最適な係数を計算しないようにすることができる。選択の回数が予め決まっていないような場合、前記音響プロセッシング手段は、前記第2のモードにおいて、予め画定された係数及び/又は可変プロセッシングファクタに基づいて、現在の環境に適応した出力を自動的に計算する。予め確定された数の選択が行われると、前記音響プロセッシング手段は、前記第1のモードにおいて、前記ユーザの先の嗜好に基づいた最適なゲインに関する式の係数を計算し、前記第2のモードにおいて自動的かつ連続的に、前記式を用いて前記可変プロセッシングファクタを計算することができる。前記音響プロセッシング手段において、ユーザが予め設定された回数の選択を行わない内に、ゲインに関する式の最適な係数を計算するようにすることができる。しかしながら、前記式及び計算された前記係数を用い、ある程度の正確さで前記ユーザが好ましいと判断する可変プロセッシングファクタが予測されるまで、前記第2のモードにおいて、計算された前記係数を使用しないことが好ましい。
異なる環境に対する最適な可変プロセッシングファクタを決定するに際して、式を使用しないようにすることもできる。前記最適に調整された可変プロセッシングファクタは、前記第4のデータメモリの、前記音響解析手段によって提供される音響環境データによって決定される位置に記憶することもできる。第1のモードの実行に先立って、前記第4のデータメモリロケーションは、経験的観察あるいは慣用の手法を用いて得られた、相当する音響環境パラメータ値に対するプロセッシングファクタとともにロードされる。前記第1のモードの動作中、前記最適に調整されたプロセッシングファクタは、前記第4のデータメモリロケーションの、前記音響解析手段によって供給された音響環境データによって決定されたロケーションに記憶される。前記最適に調整されたプロセッシングデータは、予め存在する古いデータ上に上書きすることもできるし、数学的及び/又は統計的手法を用いることによって、同じロケーションの、予め存在する古いデータと結合させることもできる。前記第2のモードにおける動作中において、前記音響解析手段によって供給された音響環境パラメータ及び神経音響パラメータは、前記第4のデータメモリロケーションを指示するために使用することができ、指示ロケーションに記憶された値は、前記音響プロセッシング手段の、プロセッシングファクタ値を決定するために使用する。前記音響プロセシング手段に適用されたプロセッシングファクタは、徐々に目的とする前記値に収束させ、前記ファクタが急速に変化したり、瞬時に変化したりすることによって、好ましくない音響効果が生じるのを防止する。なお、前記第5のデータメモリロケーション及び前記第3のデータメモリに記憶された式は必要としない場合がある。したがって、プロセッシングファクタの、音響環境に対する変化は、前記式において予め画定された関係に限定されない。
前記最適に調整された可変プロセッシングファクタは、前記第4のデータメモリロケーションに記憶することができ、前記ファクタの最適値を計算するに際しては、数学的及び/又は統計的手法を用いることができる。本例では、前記第3のデータメモリロケーションに記憶された式は必要としない。また、音響環境データを前記第5のデータメモリロケーション内に直接記憶する必要もなく、又はセッティングデータを指示するための音響環境データを前記第4のデータメモリロケーション内に記憶する必要もない。本例においては、補聴器又は蝸牛インプラントの出力が大きくなって不快になる以前に、前記出力の最大許容レベルなどの音響環境に対して、プロセッシングファクタが変化しないので、前記プロセッシングファクタを簡易化することができる。
ユーザは、前記人工聴覚器官を調整して、スピーチ明瞭度、リスニング快適性を最大限とすることなどのように、異なるリスニング基準に対して最適な可変プロセッシングファクタを提供するようにすることができる。また、前記調整過程において、(1)式と同様な、特定のリスニング基準と高度に関連した音響環境及び/又は神経音響パラメータを含む式を用いることができる。前記第2のモードで駆動する際、前記可変プロセッシングファクタは、前記式で用いられる係数、及び音響環境及び/又は神経音響パラメータ値によって決定された、リスニング基準の予測される加重結合に対して自動的に適合することができる。
また、前記第1のモードにおいて、前記ユーザは、前記インジケータ手段によって、前記可変プロセッシングファクタの好ましい調整を行うようにリスニング基準を指示する。また、前記聴覚人工器官は、異なるリスニング基準と関連した音響環境及び/又は神経音響パラメータの値、及び/又は受信したスピーチ及び音楽などの信号から、リスニング基準を自動的に予測するようにすることができる。
前記第4のデータメモリロケーション(請求項76では、第1のデータメモリロケーションとして言及している)は、異なるリスニング基準に対してセクション毎に分割され、前記最適に調整された可変プロセッシングファクタは、前記ユーザの調整の下に、前記リスニング基準によって決定されたメモリロケーション内に記憶するようにすることができる。
前記第5のデータのデータメモリロケーション(請求項77では、追加のデータメモリロケーションとして言及している)は、前記第4のデータメモリロケーション中に記憶された値に相当する音響環境又は神経音響パラメータの記憶のための、異なるリスニング基準に応じ、セクション毎に分割することができる。このような構成において、前記第4及び前記第5のデータメモリロケーションの、各セクション内におけるデータは、各リスニング基準に対する、前記(1)式の類似の可変プロセッシングファクタ式の最適な係数を計算するために用いることが好ましい。第2のモードにおいて、前記ユーザはインジケータ手段を介して現在のリスニング基準を指示することができる。また、前記第2のモードにおける操作において、前記リスニング基準又は加重結合された基準は、異なるリスニング基準と関連した音響パラメータ及び/又は神経音響パラメータ、又はスピーチ、音楽などの信号の存在から予測することができる。さらに、前記リスニング基準又は前記加重結合された基準は、音響環境及び/又は神経音響パラメータを有する1以上の訓練リスニング基準式から予測することができる。この場合、各訓練リスニング基準式の最適な係数は、前記第4及び前記第5のデータメモリロケーションの相当するセクションに記憶されたデータから計算する。前記リスニング基準又は加重結合されたリスニング基準が、前記ユーザ又は前記聴覚人工器官から自動的に指示されると、最適な可変プロセッシングファクタは、各基準毎に、(1)と類似した形式の式を用いて計算することができ、前記リスニング基準に従って互いに結合させることもできる。
また、前記第1のモードにおいて、前記インジケータ手段を介して前記ユーザによって指示されたリスニング基準、又は前記聴覚人工器官によって予測されたリスニング基準は、前記最適に調整された可変プロセッシングファクタが記憶された前記第4のデータメモリロケーションを指示する前記音響環境及び/又は神経音響パラメータとともに使用することができる。前記第2のモードにおいて、前記音響環境及び/又は神経音響パラメータ、並びに指示又は予測されたリスニング基準は、前記第4のデータメモリロケーションを指示し、現在の条件に対して最適な可変プロセッシングファクタを得るために使用することができる。なお、前記リスニング基準又は加重結合されたリスニング基準は、前記第4のデータメモリロケーションを指示するために、使用しないようにすることもできる。さらに、前記第1のモードにおいて、前記第4のデータメモリロケーションの各ロケーションに記憶されたプロセッシングファクタは、前記特定の音響環境に対するリスニング基準の加重結合に従って変更するようにすることができる。
上記例において、前記リスニング基準又は加重結合されたリスニング基準は、前記ユーザが、聴覚人工器官のハウジング上に設けられたスイッチ、トグルスイッチあるいは押しボタン群などのインジケータ手段を用いることによって、指示するようにすることができる。また、前記インジケータ手段は、隔離したユニット上に設けることもできる。
また、本発明は、
音響を受信し、この受信した音響に相当するマイクロフォン信号を生成するマイクロフォンと、
ユーザが受信可能な形態で音響信号を提供する出力デバイスと、
前記マイクロフォン信号を受信するとともに加工し、前記出力デバイスの動作に適した形態で出力信号を生成する音響プロセシング手段と、
前記マイクロフォン信号を受信し、音響環境を代表するデータセットを出力するデータ解析手段と、
複数のセッティング状態を記憶するデータメモリ手段と、
記憶された前記セッティング状態を解析し、前記音響プロセッシング手段にコントロール信号を出力するように操作されるデータプロセッシング手段とを具え、
前記音響プロセッシング手段は第1のモードで動作可能であり、前記第1のモードにおいては、前記音響プロセッシング手段の前記出力信号を、現在の音響環境特性に対するユーザの嗜好に従って調節できるようにしたセッティング状態を、前記ユーザによって調整することができる少なくとも1つの可変プロセッシングファクタを含み、
前記コントロール信号の受信に基づいて、前記音響プロセッシング手段は第2のモードで動作可能であり、前記少なくとも1つの可変プロセッシングファクタは、前記ユーザによって先に調整された可変プロセッシングファクタに基づいて自動的に調整され、
前記データメモリ手段は、前記第1のモードにおける前記セッティング状態を記憶することを特徴とする、聴覚人工器官(第2の聴覚人工器官)に関する。
第2の聴覚人工器官は、前記第1の聴覚人工器官と同様の構成要素を有しており、これらの構成要素については互いに同様の機能を奏し、作用効果を奏する。
前記第2の聴覚人工器官は、データメモリ手段を有し、異なる音響環境に対してユーザが決定した最適なセッティング状態を記憶するようにしている。この記録は、データプロセッシング手段を用いることにより、前記ユーザが異なる音響環境に晒された際の、スピーチプロセッサにおけるプロセッシング操作の最適な状態を予測するために使用する1以上の式の係数を計算するために用いられる。
前記聴覚人工器官は、前記ユーザの一方の耳に対して音声信号を出力するように調整することができる。また、前記ユーザの両方の耳に対して音声信号を出力するように調整することができる。また、2つの聴覚人工器官への入力信号を、ワイヤを介してあるいはワイヤレスの状態で、音響解析手段に結合させることもできる。上述した例において、コントロール手段を各聴覚人工器官のハウジング上に位置するようにすることができる。また、前記コントロール手段は、聴覚人工器官毎に設けられた隔離ユニット上に設けることもできるし、前記聴覚人工器官に共通の各ユニット上に設けることもできる。
前記聴覚人工器官は、補聴器とすることができる。この場合、その出力装置はイヤホーンであって、音響プロセッシング手段からの出力信号を受信するとともに増幅して、前記ユーザの耳へ伝達する。
また、前記聴覚人工器官は、インプラント補聴器とすることができる。この場合、その出力デバイスは、中耳又は内耳に機械的に結合された振動メカニズムとすることができる。
さらに、前記聴覚人工器官は、蝸牛インプラントとすることができる。この場合、その出力デバイスは、前記音響プロセッシング手段からのエンコード化された刺激を受信し、電極アレイを介して前記蝸牛インプラントに伝達すべき刺激信号を出力するレシーバ/スティミュレータユニットを具えることができる。また、前記音響プロセッシング手段はスピーチプロセッサを具えることができ、このスピーチプロセッサはコーディングストラテジを利用して、前記可変プロセッシングファクタに相当するマイクロフォン信号のプロセッシングの前又は後において、前記マイクロフォンによって受信した音響からスピーチを抽出するようにすることができる。さらに、前記スピーチプロセッサは、前記音響信号及び出力チャンネル振幅レベルの音声スペクトル解析を実行するようにすることができる。 前記音響信号のスペクトルから電気的出力チャンネル振幅レベルへの変換は、先に選択した可変プロセッシングファクタに基づいた、可変プロセッシングファクタによって決定することができる。前記チャンネル振幅レベルは、前記ユーザによる先の調整及び選択に基づいたプロセッシングファクタである閾値レベル及び不快レベルを含むことができる。さらに、前記音響プロセッサは、前記出力をそれらの大きさで分類することができ、”Cochlear LTD”によって開発されたSPEAKストラテジーにおいて使用するような“スペクトルマキシマ(spectral maxima)に対して警告を発するようにすることができる。
前記レシーバ/スティミュレータユニットは、好ましくは前記ユーザに対してインプラント可能なハウジング内に配置する。前記レシーバ/スティミュレータユニットに対する前記ハウジングは、好ましくは乳様突起後方に位置する、耳の後ろの骨の、窪んだ箇所にインプラントする。
前記スピーチプロセッシング手段は、使用において、信号がユーザの皮膚を通じて伝達されるように、前記ユーザの身体に取り付けることが好ましい。信号は、前記プロセッシング手段から、受信手段へ伝播し、この受信手段から前記プロセッシング手段へ伝播する。前記レシーバ/スティミュレータユニットは、前記ユーザの外部に付着したトランスミッタコイルからRF信号を受信するように調整されたレシーバコイルを含むことができる。前記RF信号はFM信号を含むことができる。前記レシーバコイルは、好ましくは信号を、この信号を受信すべきトランスミッタコイルに伝送する。
前記トランスミッタコイルは、その中心位置あるいは異なる位置に取り付けられた、相対的に引力を及ぼす磁石を経由して、前記レシーバコイルのインプラント位置の近傍に取り付けることが好ましい。
使用中において、前記マイクロフォンは、前記ユーザの耳翼に取り付けることが好ましいが、その他の適当な位置、例えば、前記ユーザの衣服に取り付けることもできる。前記スピーチプロセッサは、好ましくは前記マイクロフォンで受信した音響を連続した電気的刺激アルゴリズムにエンコード化する。前記エンコード化された電気的信号は、前記レシーバ/スティミュレータユニットの、トランスミッタコイル及びレシーバコイルを用い、前記レシーバ/スティミュレータユニットに伝送される。前記レシーバ/スティミュレータユニットは、前記FM信号を復調させることができ、電気的パルスを選択したスピーチコーディングストラテジーと一致したアルゴリズムによって、適当な電極部分に配分する。
前記プロセッシング手段をハウジングする外部要素は、電源をもハウジングすることが好ましい。前記電源は、1以上の再充電可能な電池を具えることができる。前記レシーバ/スティミュレータコイルは、所定のパワーを前記レシーバ/スティミュレータユニット及び電極アレイに対して経皮的な誘導に順じて供給する。
上述した例では、外部要素を含むが、前記マイクロフォン、前記スピーチプロセッサ、及び前記電源などは、インプラントすることができる。本例では、インプラントされた構成要素は、密閉されたハウジング内に含まれるか、スティミュレータユニットに対して使用されるハウジング内に含まれる。
さらに、本発明は、
音響環境におけるユーザによる、聴覚人工器官の調整方法であって、
マイクロフォンからの音響を受信し、この音響に相当するマイクロフォン信号を生成する工程と、
出力デバイスを介し、前記ユーザが受信可能な形態で音響信号を提供する工程と、
音響プロセッシング手段を介し、前記マイクロフォン信号に基づくプロセッシング操作を実行し、前記出力デバイスの動作に適した形態で出力信号を生成する工程と、
データメモリ手段内にセッティング状態を設定する工程とを具え、
前記音響プロセッシング手段は第1のモードで動作可能であり、前記第1のモードにおいては、前記音響プロセッシング手段の前記出力信号が、現在の音響環境特性に対するユーザの嗜好に従って調節できるようにしたセッティング状態を、前記ユーザによって調整することができる少なくとも1つの可変プロセッシングファクタを含み、
前記音響プロセッシング手段は第2のモードで動作可能であり、前記少なくとも1つの可変プロセッシングファクタは、前記ユーザによって先に調整された可変プロセッシングファクタに基づいて自動的に調整され、
前記データメモリ手段は、前記第1のモードにおける前記セッティング状態を記憶することを特徴とする、聴覚人工器官の調整方法に関する。
また、本発明は、
音響環境におけるユーザによる、聴覚人工器官の調整方法であって、
マイクロフォンからの音響を受信し、この音響に相当するマイクロフォン信号を生成する工程と、
出力デバイスを介し、前記ユーザが受信可能な形態で音響信号を提供する工程と、
音響プロセッシング手段を介し、前記マイクロフォン信号に基づくプロセッシング操作を実行し、前記出力デバイスの動作に適した形態で出力信号を生成する工程と、
データ解析手段において前記マイクロフォン信号を受信し、音響環境を代表するデータセットを出力する工程と、
複数のセッティング状態をデータメモリ手段内に記憶する工程と、
記憶された前記セッティング状態を解析し、前記音響プロセッシング手段にコントロール信号を出力する工程とを具え、
前記音響プロセッシング手段は第1のモードで動作可能であり、前記第1のモードにおいては、前記音響プロセッシング手段の前記出力信号を、現在の音響環境特性に対するユーザの嗜好に従って調節できるようにしたセッティング状態を、前記ユーザによって調整することができる少なくとも1つの可変プロセッシングファクタを含み、
前記コントロール信号の受信に基づいて、前記音響プロセッシング手段は第2のモードで動作可能であり、前記少なくとも1つの可変プロセッシングファクタは、前記ユーザによって先に調整された可変プロセッシングファクタに基づいて自動的に調整され、
前記データメモリ手段は、前記第1のモードにおける前記セッティング状態を記憶することを特徴とする、人工聴覚器官の調整方法に関する。
本発明によれば、ユーザは聴覚人工器官の通常の使用において、そのプロセッシング手段を簡易に調整することができる。また、本発明によれば、前記ユーザが前記聴覚人工器官を調整して、その動作を自動的に調整することができるようになる。このことは、以下に示すような多くの利点を有するようになる。
(1)ユーザが、補聴器及び蝸牛インプラントの双方のコントロールを最良の状態で行うことができるので、前記装置に対する前記ユーザの満足度が向上する。
(2)各ユーザが、それぞれの嗜好性及び必要性に応じて、プロセッシングパラメータを最適化することができるので、リスニング快適性、及び/又はスピーチ明瞭性、及び/又は実体的な音響品質を改善することができる。
(3)異なる、又は付加的なパラメータを有する装置が将来的に必要になった場合において、前記装置と効果的に協同する訓練アルゴリズムを生成することができる。
(4)前記聴覚人工器官に対する訓練(調整)が、ユーザの日常において実行することができるので、高価な診療費用を支払うことなく、前記聴覚人工器官の調整が可能となるとともに、前記調整を実生活の条件に合致した状態で実行することができる。その結果、前記調整を診療による理想的な状態に合致するように行うよりも、実際の使用に合致させて行うことができる。
(5)前記ユーザが何ら訓練を行うことなく、好ましいプロセッシングファクタと前記訓練に基づいて確立された音響特性との相関を自動的に用いることによって、環境中に効果的に機能する訓練アルゴリズムを生成することができる。
本発明は、人工耳に限定されるものではないが、図1に示すような公知のタイプの人工耳に使用することができる。
人工耳は、2つの主要構成要素からなり、1つはスピーチプロセッサ29を含む外部要素であり、他の1つはインプラントレシーバ及びスティミュレータユニット22を含む内部要素である。前記外部要素はマイクロフォン27を含む。スピーチプロセッサ29は、この図においては、外耳11の後方に取り付けられている。なお、前記人工耳は、その他の構成とすることもできる。スピーチプロセッサ29には、トランスミッタコイル24が取り付けられ、所定の電気信号をインプラントユニット22にRFリンクを介して伝送するように構成されている。
前記インプラント要素は、トランスミッタコイル24からのパワー及びデータを受信するためのレシーバコイル23を含む。インプラントレシーバ及びスティミュレータユニット22から蝸牛12に延在したケーブル12が設けられており、このケーブル12は電極アレイ20で終端している。したがって、受信された前記信号は、アレイ20によって基底膜8及び蝸牛12内の神経細胞に供給され、その結果、聴覚神経9を刺激することができるようになる。このような装置の駆動原理は、例えばUSP4,532,930に記載されている。
図1に線図的に示すように、人工耳電極アレイ20は、伝統的に蝸牛の全ターン数の範囲内で鼓室階の最初の位置に挿入される。
本発明の聴覚人工器官の一例におけるブロックダイヤグラムを図2で30として示す。このブロックダイアグラムは、人工耳及び補聴器の双方の特性を示している。前記ダイヤグラムは、あくまでも一例であって、本発明は人工耳及び補聴器の双方の特徴を有する必要はない。
聴覚人工器官30は、マイクロフォン27を具え、このマイクロフォン27は音を受信し、受信した音に相当するマイクロフォン信号を生成する。また、聴覚人工器官30は、機器のユーザによって受信可能な形態で音響信号を生成する出力装置を具えている。図から明らかなように、前記出力装置は、聴覚人工器官30が補聴器である場合、イヤホーン31を具えることができる。聴覚人工器官30が人工耳である場合、前記出力装置は、エンコーダー/トランスミッターユニット32を具え、これによってエンコードデータ信号を外部トランスミッタコイル24に出力する。
聴覚人工器官30は、さらに音響プロセッシングユニット33を有し、これによって、マイクロフォン27によって与えられたマイクロフォン信号を受信するように操作可能となり、イヤフォーン31又はエンコーダー/トランスミッターユニット32の操作に適したような形態で出力信号を生成することができる。
音響プロセッサ33の特性及び機能は、聴覚人工器官30が人工耳であるか、補聴器であるかに依存する。補聴器の場合、音響プロセッサ33は少なくとも増幅器を含み、人工耳の場合、音響プロセッサ33は増幅器及びマイクロフォン27で受信した音響から言語行動を抽出するためのコーディングストラテジーを使用するスピーチプロセッサを含む。図示した例では、前記人工耳のスピーチプロセッサは、音響信号の音響スペクトル解析を実行することができ、チャンネル振幅レベルを出力することができる。前記音響プロセッサは、前記出力をそれらの大きさで分類することができ、”Cochlear LTD”によって開発されたSPEAKストラテジーにおいて使用するような“スペクトルマキシマ(spectral maxima)に対して警告を発することができる。但し、他のコーディングストラテジーを採用することもできる。
本発明において、音響プロセッサ33は、例えば増幅度などの少なくとも1つの可変プロセッシングファクタを具える。前記可変プロセッシングファクタは、第1の操作モードにおいて調整され、音響プロセッサ33の出力信号は、少なくとも1つの音響環境におけるユーザの嗜好に合致するように最適化される。例えば、増幅器の増幅特性は、聴覚人工器官のユーザによって制御することができ、特定の環境における周囲のバックグランドノイズに適合するようにすることができる。
聴覚人工器官30は、さらにユーザによって選択されたセッティング状態を指示するデータを少なくとも記憶し、前記状態がセッティングされるとともにその状態が選択された時点において、音響環境の特性を示すデータセットを記憶するためのデータメモリ手段34を具える。
音響プロセッサ33は、第1のモードにおいて、ユーザによる調整の後に訓練係数(trainable coefficient)を再計算する。
音響プロセッサ33は、ユーザの選択に対して2以上の最適なセッティング状態を提供できるようにすることができる。これらセッティング状態の内の1つは、前記プロセッサによって自動的に計算されるものであり、他のセッティング状態は、前記セッティング状態と体系的に異なるものである。
この場合、前記ユーザは、各セッティング状態において動作させた時の、特定の音響環境の、動作時における前記聴覚人工器官の動作状態を比較し、前記セッティング状態から前記特定の音響環境に対して最も適したセッティング状態を選択することが好ましい。前記ユーザによって選択されたセッティング状態は、適宜前記特定の音響環境を表すデータとともに、データメモリ手段34内に記憶される。このプロセスは繰り返し実行され、データプロセッシングユニット38がユーザの嗜好を収集し、特定のセッティング状態に対するユーザの嗜好が時間あるいは使用時において変化するか否かをモニタする。このように、ユーザは適宜最適なセッティング状態を選択あるいは決定することができる。
本例において、前記ユーザは、トグルスイッチあるいはボタン対からなるコントロール手段36を操作することによって、セッティング状態を変更することができ、図2においてスイッチ35で示されるインジケータ手段を操作することによってセッティング状態を選択することができる。スイッチ35及びコントロール手段36は、聴覚人工器官のハウジングに取り付けることができ、あるいは図示していないが、離隔して配置されたユニット上に設けることもできる。
音響プロセッサ33のプロセッシング操作は、ユーザによって異なる方法で操作するようにすることもできる。この場合、前記ユーザが最適なセッティング状態を選択できるようにするよりも、前記ユーザがコントロール手段36を調節して、音響プロセッサユニット33のプロセシング操作を変更するようにすることができる。ユーザがコントロール手段36を調節することによって、前記ユーザが考える、特定の音響環境に対する最適なセッティング状態を選択すると、前記ユーザは、スイッチ35を操作して、前記セッティング状態、及び適宜前記特定の音響環境を表すデータをデータメモリ手段34内に記憶させる。スイッチ35を駆動すると、それは音響プロセッサユニット33によって、所定の時刻において特定のセッティング状態が、前記特定の音響環境において前記ユーザが最適と判断したものとして取り扱われる。
コントロール手段36は、聴覚人工器官30のハウジング上に取り付けられたロータリホイールコントロールを含む。また、スイッチ35も、聴覚人工器官30のハウジング上に取り付けることができる。なお、図示していないが、前記スイッチ及び前記コントローラは、離隔して配置されたユニット上に取り付けることもできる。
複数の音響環境に対してユーザが最適であるとして選択したセッティング状態は、適宜前記音響環境を代表するデータとともに、データメモリ手段34中に記憶される。音響プロセッサ33は、第2のモードにおいて連続的に操作され、第1のモードにおいて所定の時間だけ操作可能にしておくことができる。また、前記第1のモードにおいては、前記ユーザが、コントロール手段36を調節し、特定の音響環境に対して最適な状態と考えられるものを選択する度毎に、音響プロセッサ33を操作可能にしておくことができる。訓練時間はユーザが望む限り長く設定することができ、前記訓練が完了した際に、聴覚人工器官30は前記ユーザに対して合図を送るようにすることができる。この場合、聴覚人工器官30は、訓練時間が終了したことを示すようにすることができる。訓練時間の終了は、聴覚人工器官30によって既に評価されたセッティング状態と異なるセッティング状態を選択することができなくなった時点で終了する。
聴覚人工器官30は、さらに音響解析モジュール37を具えることができる。音響解析モジュール37は、マイクロフォン27から入力信号を受信し、ユーザの音響環境をモニタリングする。前記音響解析モジュールは、モニタリングされた音響環境を代表する出力を提供する。
図示した例において、データメモリ手段34は、5つのデータメモリロケーションを具える。本例において、第1のデータメモリロケーション34aは、ユーザの聴力データ及び/又は聴覚人工器官30によって使用された1以上の音声に対する個々のデータを含む。第2のデータメモリロケーション34bは、聴覚人工器官30の特性データを含む。第3のデータメモリロケーション34cは、個々のユーザが異なる音響環境における、音響プロセッサユニット33の最適なプロセッシング操作を予想するために使用した1以上の式を具える。第4のデータメモリロケーション34dは、ユーザによって選択された最適な音響プロセッシングデータを記憶する。前記第4のデータメモリ手段に記憶された最適な音響プロセッシングデータに相当する音響環境は、適宜第5のデータメモリロケーション35eに記憶させることができる。
図示した例において、第4のデータメモリロケーション34dは、予め画定された最大のデータ数である、400個の最適音響プロセッシングデータを記憶する。しかしながら、前記最大値は、他の値とすることもできる。図示した例では、データプロセッシングユニット38を使用する。このユニット38については以下に詳述する。ユニット38は、蓄積された総てのデータばかりを使用するものではなく、予め定められた数の、最も近時に記録されたデータをも利用する。この場合、データプロセッシングユニット38は、最適な式係数を計算する際に、最近時の256個のデータのみを利用する。メモリロケーションが一杯になると、前記メモリロケーションにおける古いデータに対して上書きを実施することによって、新たなデータを前記メモリロケーション中に記憶させるようにする。したがって、常に最も新たなデータが聴覚人工器官に記憶されるようにすることができる。他の態様においては、古いデータが上書きされないようにし、その結果、メモリロケーションが一杯になった後に、新たなデータが記憶されなくするようにすることができる。また、その他の態様においては、古いデータの価値に基づいて、前記古いデータを上書きするような規則を設けるようにすることもできる。
上述したように、聴覚人工器官は、さらにデータプロセッシングユニット38を具えることができる。データプロセッシングユニット38は、音響解析モジュール37からの出力を受信する。この出力に基づいて、データプロセッシングユニット38は、マイクロフォン27で受信した音の強さを計算することができる。図示した例では、データプロセッシングユニット38は、通常の聴力を有する人が聞くことのできる音の強さ、あるいは何らかの聴力障害を有する人が聞くことのできる音の強さを計算することができる。データプロセッシングユニット38は、マイクロフォン27で受信した他の音響指標及び心理音響的指標を計算することもできる。データプロセッシングユニット38は、第3のデータメモリロケーション34cに記憶された1以上の式に対する入力データとして音響状態の指標を用いることができる。これによって、音響解析モジュール37によって決定された音響環境において、ユーザが、音響プロセッサ33の最適な音響プロセッシング動作を評価することができるようになる。
データプロセッシングユニット38は、さらに第2のデータメモリロケーション34bに記憶された聴覚人工器官特性データ、及び前記式から得られた最適な音響プロセッサデータを用い、自動的及び連続的に音響プロセッサ33の適当なセッティング状態を決定することができ、ユーザに対して、現在経験している音響環境に対する最適な出力信号を提供することができる。
上述したように、音響プロセッサ33は、増幅手段及びゲインコントロール手段36を含む。データプロセッシングユニット38は、第2のモードにおいて駆動し、音響解析ユニット37の出力で代表されるように、任意の環境における最適な増幅特性を提供できるように、音響プロセッサ33の動作状態を計算する。
聴覚人工器官は、第1のモードにおいて動作させることもできる。この場合、前記増幅器の動作状態は、ユーザによってコントロール手段36を調整し、現在の音響環境における増幅特性が最適となるようにすることができる。
聴覚人工器官が、ユーザが以前に経験したことのない環境を含む、任意の環境下で使用される場合、前記増幅器のゲインは、予め画定した形式の式を用いることによって計算することができる。この例では、前記式は、
Gi=ai+bi*max(Li, ci)+di*(SNRi-SNRav) (1)
で表すことができる。
ここで、
i=バンド数
G=バンドiに対するゲイン
ai=バンドiに対する訓練係数
bi=バンドiに対する訓練係数
ci=バンドiに対する訓練係数
di=バンドiに対する訓練係数
Li=バンドiでの、マイクロフォンにおける音響圧力レベル
SNRi=バンドiでの、信号対ノイズ比(SNR)
SNRav=総てのバンドにおける平均SNR
各バンドiに対しては、次に示すような訓練データが記憶されている;
音響圧力レベル、すなわちSPL, Li (dB SPL単位)、
バンドiにおける信号対ノイズ比−総てのバンドにおける平均信号対ノイズ比、
すなわち、SNRi−SNRav(dB単位)、
好ましいゲイン(dB単位)。
上述した値は、実際の操作以前の所定の時間内において、マイクロフォン27で受信した信号に基づいて計算することができる。前記値は、前記操作以前の所定時間内、及び操作後の所定時間内において、マイクロフォン27で受信した信号に基づいて計算することができる。記憶されたLiは前記所定時間におけるSPLの平均値、RMSであり、記憶されたGiは、ボタンを押す以前及びユーザが前記ボタンを押した後、好ましいゲイン調整を行う以前の所定の時間内におけるゲインの平均値である。バンドiにおけるSNRは、現状、前記所定の時間内において、バンドiにおける時間の10%を越えた部分のSPLから90%を超えた部分のSPLを差し引くことによって計算している。信号の変調深さを評価することによってより正確に導出することができる。なお、より正確なSNR評価技術あるいはスピーチ/ノイズ比評価技術を用いることもできる。
記憶された訓練データは、例えば256個まで使用し、(1)式に関連した同様の式を多数形成することができる。得られた一連の式は、線形式とすることができるが、係数bi及びciは互いに乗じることができ、この場合、前記一連の式は線形とはならないので、前記一連の式は最初に線形化しておく。ciは予め所定の値に設定しておき、max(Li, ci)は、前記ci値及び記憶されたLi値に基づいて実行することができる。Li値が大きい場合、前記括弧内の計算結果はLiとなる。次いで、最適なai、bi及びciを直接的な数値法に基づいて計算する。この場合、前記係数は、記憶したGi及び相当するLi値及び記憶されたSNRi−SNRavに基づいて得たGiに対して最小2乗法を施して得たものとすることができる。この操作は、少なくともciの異なる4つの値、例えば35,45,55及び65dB SPLに対して行う。このように最小2乗法によって得た係数は、最適なものとして選択され、信号のプロセッシングに対して用いられる。但し、biの値は、-1.0から+1.0の範囲外でなく、又は、前記操作の回数が50回以下の場合に限られる。なお、その他の方法によって訓練係数を決定することもできる。
前記直接的な数値法は、上下分解・後方置換(lower-upper (LU) decomposition and back substitution)である。前記数値法は、一連の式がメモリ中にAx=bなるマトリックス状に記憶された、種々のガウス消去法である。マトリックスAは記憶された音響環境データであり、xは計算されるべき係数(すなわちai,bi及びci)を含むベクトルである。前記LU分解法は、前記マトリックスに基づいて操作され、ベクトルxについて解く。なお、その他のガウス消去法又は直接的な数値法を用いることもできる。
例えば、上述した操作を4回行うことにより、訓練係数に関する以下の式を得ることができる。
25=ai+(bi*35)+(di*0)
20=ai+(bi*45)+(di*0)
15=ai+(bi*55)+(di*0)
10=ai+(bi*65)+(di*0)
この場合、ai=42.5, bi=-0.5, ci=35及びdi=0.0となる。
このような係数を用いると、0dBなる値に対してはエラーを与えることになる。実際の状況において、人々の増幅度に対する嗜好性は多様である場合があり、訓練データがばらつく場合がある。したがって、上述した式の等号の左側に位置するGi値は一定ではなくなり、その結果、訓練係数値も異なるようになる可能性がある。
信号スペクトルの高次のモーメント及びこれらモーメントの変化などの音響的あるいは心理音響的パラメータ、又はその他の統計的パラメータあるいは音響信号、あるいは前記統計的パラメータと音響信号との組み合わせ、さらには任意の係数などを組み合わせたものから構成される式からも、ゲイン又はプロセッシングファクタを計算することができる。例えば、聴覚人工器官が反応し、音響環境において変化する際の速度などのファクタを計算することができる。使用する式の選択は、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいて、その使用環境に依存して決定することができる。
上記具体例において、訓練係数はa,b,c及びdを含み、結果として、可変プロセシングファクタである増幅ゲインGを導出することになる。
音響プロセッサ33の1以上のプロセッシングファクタは、式(1)と類似した式を用いて自動的に導出することができ、コントロール手段36又は多重コントロール手段をユーザが使用することによって調整することができる。本例においては、コントロール手段36により、ユーザは音響プロセッサ33の1以上のパラメータを制御することができる。
(i) 出力信号のボリューム
(ii) 他の周波数と関連した特定の周波数における出力信号のゲイン、例えばミッドレンジ周波数のゲインを、ハイ又はローレンジ周波数のゲインに比較して、増幅したり減衰したりすることができる
(iii) ミッドレンジ周波数のゲインが変化しない間において、ローレンジ及びハイレンジ周波数のゲインを反対方向に調整するスロープコントロール
ユーザは、コントロール手段36のいずれのセッティング状態が、特定の音響環境に対して最適なものであるかを決定する。スイッチ35を押すことによって、各周波数バンドにおけるゲインがマイクロフォン27で受信した音響環境を代表するデータとともに記録される。これらのデータは、先のデータとともにデータプロセッシングユニット38を用いて処理され、前記式から各バンドにおける記録された訓練データから、ユーザの嗜好を最も予測できるような係数を計算することができる。データプロセッシングユニット38は、好ましい増幅特性及びこれら特性に対して好ましい音響環境にアクセスし、増幅特性と音響環境との間の一般的な関係を計算する。したがって、自動的に計算された増幅特性は、音響環境の変化に伴い、複雑かつ画定された方法で変化することができる。例えば、本例では、各周波数におけるゲインは、全体の入力レベル及びその他の周波数におけるSNRに対する前記各周波数におけるSNRに応じて変化する。
図示したデータプロセッシングユニット38は、ユーザによって予め決められた数の選択が実行されるまで上述したゲインに関する式の、最適な係数を計算しない。図示した例では、聴覚人工器官30は、少なくともユーザによって50回の選択が実施されるまでは、最適な係数を計算しない。選択の回数が予め決まっていないような場合、前記音響プロセッサ33は、好ましくは当初の予め決定された訓練係数に基づいて得た信号を出力する。各ユーザに対する前記当初に予め決定された訓練係数は、処方された聴覚人工器官における従来の方法を用いて計算することもできるし、経験的なトライアンドエラーの操作を行うことによって決定することができる。予め設定された回数の選択が行われると、データプロセッシングユニット38は、ユーザがスイッチ35を操作してコントロール手段36が最適な状態を掲示する度毎に、直ちに訓練係数を再計算する。他の例においては、データプロセッシングユニット38が、ユーザが予め設定した回数の選択を行わない内に、訓練係数を再計算するようにすることもできる。但し、このようにして得た訓練係数は、上述した式から、ユーザの嗜好を正確に予測することができるようになるまで、及び/又はユーザが音響環境の好ましい最小レンジの範囲内において選択を行うまで、実際には適用しない。
その他の例として、データプロセッシングユニット38は、データメモリロケーション34c内に記憶された式を使用することなく、異なる環境に対する最適な可変プロセッシングファクタを決定することができる。最適に調整された可変プロセッシングファクタは、第4のデータメモリロケーション34dにおいて、音響解析手段37によって供給された、相当する音響環境データによって決定されたロケーションに記憶される。第1のモードの実行に先立って、第4のデータメモリロケーション34dは、経験的観察あるいは慣用の手法を用いて得られた、相当する音響環境パラメータ値に対するプロセッシングファクタとともにロードされる。前記第1のモードの動作中、前記最適に調整されたプロセッシングファクタは、第4のデータメモリロケーション34dにおいて、音響解析手段37によって供給された音響環境データによって決定されたロケーションに記憶される。例えば、第4のデータメモリロケーション34dは、多次元(すなわちN次元)の参照テーブルあるいはマトリックスを記憶する。各ディメンションは、異なる音響環境又は神経音響パラメータであって、これらのパラメータ値は、テーブル、マトリックスあるいは好ましいプロセッシングファクタが記憶されたメモリロケーション34dにおけるロケーションを決定する。したがって、前記マトリックスは、N個の音響環境パラメータ(又は音声などの神経音響パラメータ)で示されることになる。最適に調整されたプロセッシングデータは、第4のデータメモリ34dにおいて予め存在する古いデータ上に上書きすることもできるし、数学的及び/又は統計的手法を用いることによって、同じロケーションの、予め存在する古いデータと結合させることもできる。第2のモードにおける動作中において、音響解析手段37によって供給された音響環境パラメータ及び神経音響パラメータは、前記テーブル、前記マトリックス、又は第4のデータメモリロケーション34dのロケーションを指示するために使用する。指示ロケーションに記憶された値は、第2のプロセッシング手段33のためのプロセッシングファクタの値を決定するために使用する。音響プロセシング手段33に適用されたプロセッシングファクタは、徐々に目的とする前記値に収束させ、前記ファクタが急速に変化したり、瞬時に変化したりすることによって、好ましくない音響効果が生じるのを防止する。予め所定のプロセッシングファクタを含むメモリロケーションにおいて、プロセッシングファクタの、目的とする前記値を調整する操作は、メモリロケーション34dにおいて、現在の環境に近接した環境に対する、前記ユーザの調整嗜好を表すことができる。本例においては、第5のデータメモリロケーション34e及び第3のデータメモリ34cに記憶された式は必要とされない。また、プロセッシングファクタの、音響解析手段37によって供給された音響パラメータ、あるいはデータプロセッシングユニット38によって計算された神経音響パラメータに対する変化は、第3のデータメモリロケーション34cに記憶された式中において予め画定された関係によって制限されるものではない。
聴覚人工器官は、ユーザの一方の耳に音響信号を出力するようにすることができ、両方の耳に前記音響信号を出力するようにすることができる。
また、聴覚人工器官は、頭部の一方の側に取り付けられたマイクロフォンからのマイクロフォン信号を受信し、一方あるいは両方の耳に信号を出力するようにすることもできる。
図3は、データプロセッシングユニット38の動作を行うための論理を示すフローチャートである。
聴覚人工器官30がオンとなり、パワーが音響プロセッサ33及びデータプロセッシングユニット38を含む、器官30の構成要素に供給されることによって、ユニット38の動作が開始される。そして、ユーザが聴覚人工器官30のオフする、あるいは電源のバッテリが切れた時点でユニット38の動作は終了する。なお、特に図示していないが、他の終了態様を設定することもできる。例えば、ユーザの選択回数が所定の数に到達した場合、あるいはユーザが所定の時間の経過後、聴覚人工器官30に対する訓練を終了した場合、あるいはユーザがコントロール手段36を調整することによって、聴覚人工器官30に対する訓練が十分に実行された場合などに、ユニット38の動作終了を設定することができる。また、ユーザが異なる音響環境の範囲で聴覚人工器官30のパフォーマンスに満足した場合に、オーディオロジスト又は第3の機関が、聴覚人工器官30の取り扱いを終了させるようにすることができる。しかしながら、ユーザが任意に聴覚人工器官を扱うことができ、ユーザが新たな環境に遭遇した場合、あるいはユーザの可聴不全の度合いが時間とともに、あるいはユーザの聴覚人工器官への順応性が変化した場合、再度聴覚人工器官の取り扱いに対して訓練を行う必要がない。
図4は、本発明の聴覚人工器官のプロトタイプにおいて実施された初期実験の結果を示すグラフである。この実験の目的は、聴覚人工器官を取り扱うことによって、任意の入力音響に対する総ての周波数バンドにおける訓練に先立って、前記聴覚人工器官によって提供されるゲインよりも大きなゲインを生成することである。図4は、コントロール手段36(RMSコントロール調整(dB単位))を調整して、15回の選択回数を含む群の次の群において、前記聴覚人工器官に対する訓練能力の向上に伴い、望ましい出力減少が生じていることを示している。
図5は、式(1)の音響パラエータを使用したマトリックスを図示したものである。
図5は、2次元メモリ空間にプロセッシングファクタを記憶した状態を示している。前記マトリックスは、2つの音響パラメータ、すなわちバンドiに対する音響圧力レベル及び総てのバンドに対するバンドiのSNRの値によって示されている。なお、本発明では、当然に2次元以上のマトリックスを用いることもできる。メモリロケーションにおける数値はゲイン値を示している。ゲイン値は可変プロセッシングファクタである。太字のイタリック体で示された文字以外は、予め記憶された値を示しており、前記イタリック体の文字は、ユーザの訓練に基づいて新たにセッティングされ、記憶された値である。
以上、本発明を上述した具体例に基づいて説明したが、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいて、あらゆる変更や変形が可能である。上述した具体例はあくまで例示であって、本発明を限定するものではない。
従来の蝸牛インプラントシステムを示す図である。 本発明の聴覚人工器官の一例におけるブロックダイアグラムである。 図2に示す聴覚人工器官の、特定の操作モードのフローチャートである。 本発明の聴覚人工器官のプロトタイプにおいて実行された実験結果を示すグラフである。 2次元メモリスペースにおける、プロセッシングファクタの記憶状態を示す図である。

Claims (64)

  1. 音響を受信し、この受信した音響に相当するマイクロフォン信号を生成するマイクロフォンと、
    前記マイクロフォン信号を可変プロセッシングファクタの組を用いて加工し、出力信号を生成する音響プロセッサと、を具えるユーザの聴力を修復するための聴覚人工器官であって、
    前記聴覚人工器官は、前記ユーザに、少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの値を調節する能力を与え、
    前記聴覚人工器官は、少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの前記調節された値を、前記調節がなされた音響環境を表すデータセットともに記憶し、
    前記聴覚人工器官は、その後、前記その後の音響環境が前記記憶された値に対する以前の調節がなされた前記音響環境に類似していると決定されたとき、次の調節をユーザ入力なしに自動的に行い、少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの値を前記記憶された値に等しくするように変更する、
    ことを特徴とする、ユーザの聴力を修復するための聴覚人工器官。
  2. 少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの前記調節された値と、前記調節がなされた前記音響環境を表す前記データセットを記憶するためのデータメモリをさらに具えることを特徴とする、請求項1に記載の聴覚人工器官。
  3. 前記聴覚人工器官が、前記ユーザに、前記少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの値を繰り返し調節する能力を与えるように構成されることを特徴とする、請求項2に記載の聴覚人工器官。
  4. 前記ユーザによる前記少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの値の調節の各々が前記音響プロセッサによってモニタリングされることを特徴とする、請求項3に記載の聴覚人工器官。
  5. 前記ユーザはコントロール手段を操作し、前記少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの値を調節することを特徴とする、請求項4に記載の聴覚人工器官。
  6. 前記少なくとも1つの可変プロセッシングファクタが増幅ゲインファクタを具えることを特徴とする、請求項1に記載の聴覚人工器官。
  7. 前記聴覚人工器官は、前記ユーザに、前記少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの値を調節する前記能力を、所定の訓練期間中のみに与えることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一に記載の聴覚人工器官。
  8. 前記聴覚人工器官は、前記訓練期間が完了した後に、前記ユーザに対して信号を発することを特徴とする、請求項に記載の聴覚人工器官。
  9. 前記聴覚人工器官は、所定回数、前記少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの値が前記ユーザによって調節された後にのみ、前記1つ以上の可変プロセッシングファクタの値を自動的に調節するように構成されることを特徴とする、請求項に記載の聴覚人工器官。
  10. 前記マイクロフォンからの入力信号を受信し、前記聴覚人工器官が動作している前記現在の音響環境をモニタリングするように構成された音響解析装置を具えることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一に記載の聴覚人工器官。
  11. 前記音響解析装置は、モニタリングされた前記音響環境を代表する出力を与えることを特徴とする、請求項10に記載の聴覚人工器官。
  12. 前記データメモリは、1以上のデータメモリロケーションを具えることを特徴とする、請求項11に記載の聴覚人工器官。
  13. 前記データメモリは5つのデータメモリロケーションを有し、第1のデータメモリロケーションは、前記ユーザの聴力データ及び/又は前記聴覚人工器官によって使用された1以上の音響モデルに対する個々のデータを記憶することを特徴とする、請求項12に記載の聴覚人工器官。
  14. 第2のデータメモリロケーションは、前記聴覚人工器官の特性データを記憶することを特徴とする、請求項13に記載の聴覚人工器官。
  15. 第3のデータメモリロケーションは前記音響プロセッサによって用いられる1以上の式を記憶することを特徴とする、請求項13又は14に記載の聴覚人工器官。
  16. 第4のデータメモリロケーションは、前記ユーザによって調節された前記少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの値を記憶することを特徴とする、請求項1315のいずれか一に記載の聴覚人工器官。
  17. 前記第4のデータメモリロケーションに記憶されたデータは、前記音響解析装置によって提供された音響環境データにしたがって指示されることを特徴とする、請求項16に記載の聴覚人工器官。
  18. 第5のデータメモリロケーションは、前記第4のデータメモリロケーションに記憶された前記少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの値に相当する音響環境データを記憶することを特徴とする、請求項1317のいずれか一に記載の聴覚人工器官。
  19. 前記第4のデータメモリロケーションは、前記少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの調節された値の予め画定された最大数を記憶することを特徴とする、請求項16に記載の聴覚人工器官。
  20. 前記音響解析装置の前記出力を受信するためのデータプロセッシング装置を具えることを特徴とする、請求項11に記載の聴覚人工器官。
  21. 前記音響解析装置からの前記出力に基づき、前記データプロセッシング装置が前記マイクロフォンで収集した音響の大きさを計算するようにしたことを特徴とする、請求項20に記載の聴覚人工器官。
  22. 前記音響解析装置からの出力に基づいて、前記データプロセッシング装置は、前記マクロフォンで受信した音響の大きさなどの音響及び/又は神経音響指標を計算することを特徴とする、請求項20又は21に記載の聴覚人工器官。
  23. 前記データプロセッシング装置は、通常の聴力を有する人物及び/又は聴力が損なわれた人物に対する音響の大きさに関連して、前記受信した音響の大きさを計算することを特徴とする、請求項22に記載の聴覚人工器官。
  24. 前記前記少なくとも1つの可変プロセッシングファクタのうち、所定数の最も近時の調節を使用するように構成されたことを特徴とする、請求項3に記載の聴覚人工器官。
  25. 前記少なくとも1つの可変プロセッシングファクタは、複数の可変プロセッシングファクタを具えることを特徴とする、請求項1に記載の聴覚人工器官。
  26. 前記ユーザは、多重コントロール手段を操作して、前記複数の可変プロセッシングファクタを調整することを特徴とする、請求項25に記載の聴覚人工器官。
  27. 前記多重コントロール手段は、前記ユーザが前記音響プロセッサの次に示す操作の1以上を操作することを許可することを特徴とする、請求項26に記載の聴覚人工器官
    (i)前記出力信号のボリューム;
    (ii)特定周波数の、他の周波数に対する出力信号ゲイン;
    (iii)ミッドレンジゲインが不変の状態において、ローレンジ及びハイレンジ周波数のゲインを反対方向に調整するスロープコントロール。
  28. 前記音響プロセッサの操作の各々において、前記可変プロセッシングファクタの組のうち、前記ユーザが経験する音響環境に最適な各可変プロセッシングファクタに対する状態を選択することを特徴とする、請求項27に記載の聴覚人工器官。
  29. 前記音響プロセッサの多重操作において、前記可変プロセッシングファクタの組のうち、前記ユーザが経験する音響環境に最適な各可変プロセッシングファクタに対する状態を選択することを特徴とする、請求項27に記載の聴覚人工器官。
  30. 前記所定回数の調節が50回であることを特徴とする、請求項に記載の聴覚人工器官。
  31. 前記所定回数の調節が行われるまで、予め画定された所定数の選択が完了しない場合、前記音響プロセッサは、初期の、予め画定された可変プロセッシングファクタを用いて、前記マイクロフォン信号を処理することを特徴とする、請求項に記載の聴覚人工器官。
  32. 前記初期の、予め画定された可変プロセッシングファクタは、経験的なトライアンドエラーの調節操作を行うことによって、各ユーザに対して計算されることを特徴とする、請求項31に記載の聴覚人工器官。
  33. 前記少なくとも1つの調整された可変プロセッシングファクタを、前記音響解析装置によって提供された相当する音響環境データによって決定された前記1以上のロケーションに記憶することを特徴とする、請求項に記載の聴覚人工器官。
  34. 前記少なくとも1つの調整された可変プロセッシングファクタは、多次元の参照テーブル内に記憶され、前記参照テーブルにおいては、各ディメンションが異なる音響環境又は神経音響パラメータであることを特徴とする、請求項33に記載の聴覚人工器官。
  35. 前記多次元参照テーブルは、音響環境又は神経音響パラメータから選択した少なくとも2つのパラメータによって指標されることを特徴とする、請求項34に記載の聴覚人工器官。
  36. 前記パラメータ値は、好ましい可変プロセッシングファクタが記憶された、前記参照テーブル内のロケーションを決定することを特徴とする、請求項35に記載の聴覚人工器官。
  37. 前記1つ以上の調整された可変プロセッシングファクタは、目的とする値に収束させることを特徴とする、請求項1に記載の聴覚人工器官。
  38. 前記少なくとも1つの調整された可変プロセッシングファクタは、前記1以上のロケーションにおいて記憶されることを特徴とする、請求項12に記載の聴覚人工器官。
  39. 前記聴覚人工器官が、前記1つ以上の可変プロセッシングファクタの前記調整を、異なるリスニング基準と関連した音響環境及び/又は神経音響パラメータの値に基づくことを特徴とする、請求項1に記載の聴覚人工器官。
  40. 前記聴覚人工器官は、前記聴覚人工器官が受信したスピーチ及び/または音楽信号の存在から、前記リスニング基準を自動的に予測することを特徴とする、請求項39に記載の聴覚人工器官。
  41. 前記ユーザはインジケータ手段を介して現在のリスニング基準を指示することを特徴とする、請求項39に記載の聴覚人工器官。
  42. 音響を受信し、この受信した音響に相当するマイクロフォン信号を生成するマイクロフォンと、
    前記マイクロフォン信号を可変プロセッシングファクタの組を用いて加工し、出力信号を生成する音響プロセッサと、
    前記マイクロフォン信号を受信し、音響環境を代表するデータセットを出力するデータ解析装置と、
    を具えるユーザの聴力を修復するための聴覚人工器官であって、
    前記聴覚人工器官は、前記ユーザに、少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの値を調節する能力を与え、前記聴覚人工器官は、少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの前記調節された値を、前記調節がなされた音響環境を表すデータセットともに記憶し、
    前記聴覚人工器官は、その後、前記その後の音響環境が前記記憶された値に対する以前の調節がなされた前記音響環境に類似していると決定されたとき、次の調節をユーザ入力なしに自動的に行い、少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの値を前記記憶された値に等しくするように変更する、
    ことを特徴とする、聴覚人工器官。
  43. 前記音響解析装置によって出力された前記データセットおよび前記ユーザにより常設された前記少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの前記値を記憶する前記データメモリ手段をさらに具えることを特徴とする、請求項42に記載の聴覚人工器官。
  44. 前記ユーザの一方の耳に対して音声信号を出力することを特徴とする、請求項42または43に記載の聴覚人工器官。
  45. 前記ユーザの両方の耳に対して音声信号を出力することを特徴とする、請求項42または43に記載の聴覚人工器官。
  46. 前記聴覚人工器官が前記ユーザに、前記少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの値を繰り返し調節する能力を与えるように構成され、前記少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの特定のセッティング状態に対する、前記ユーザの嗜好が、時間とともに又は使用経過に伴ってどのように変化するかをモニタリングすることを特徴とする、請求項43に記載の聴覚人工器官。
  47. 前記ユーザの調節回数が、前記聴覚人工器官によってモニタリングされることを特徴とする、請求項46に記載の聴覚人工器官。
  48. 前記ユーザはコントロール手段を操作し、前記少なくとも1つの可変プロセッシングファクタを調節することを特徴とする、請求項47に記載の聴覚人工器官。
  49. 前記聴覚人工器官は、補聴器であることを特徴とする、請求項4248のいずれか一に記載の聴覚人工器官。
  50. 前記聴覚人工器官が、前記ユーザに前記出力信号を出力する出力デバイスをさらに具え、前記出力デバイスが、前記音響プロセッサの前記出力信号を受信するとともに増幅し、前記ユーザの耳に伝達するイヤフォンであることを特徴とする、請求項49に記載の聴覚人工器官。
  51. 前記聴覚人工器官は、インプラント補聴器であることを特徴とする、請求項4248のいずれか一に記載の聴覚人工器官。
  52. 前記聴覚人工器官は出力デバイスをさらに具え、前記出力デバイスが、中耳又は内耳に機械的に結合された振動メカニズムであることを特徴とする、請求項51に記載の聴覚人工器官。
  53. 前記聴覚人工器官は、蝸牛インプラントであることを特徴とする、請求項4248のいずれか一に記載の聴覚人工器官。
  54. 前記聴覚人工器官は出力デバイスをさらに具え、前記出力デバイスは、前記音響プロセッシング手段からのエンコード化された刺激を受信し、電極アレイを介して前記ユーザの蝸牛インプラントに伝達すべき刺激信号を出力するレシーバ/スティミュレータユニットを具えることを特徴とする、請求項53に記載の聴覚人工器官。
  55. 前記音響プロセッサはスピーチプロセッサを具え、このスピーチプロセッサはコーディングストラテジーを利用して、前記可変プロセッシングファクタの組に相当するマイクロフォン信号のプロセッシングの前又は後において、前記マイクロフォンによって受信した音響からスピーチを抽出することを特徴とする、請求項54に記載の聴覚人工器官。
  56. スピーチプロセッサは、出力チャンネル振幅レベルを生成するために、前記マイクロフォン信号の音声スペクトル解析を実行することを特徴とする、請求項55に記載の聴覚人工器官。
  57. 前記マイクロフォン信号から前記出力チャンネル振幅レベルへの変換は、前記可変プロセッシングファクタの組に基づくことを特徴とする、請求項56に記載の聴覚人工器官。
  58. 前記チャンネル振幅レベルは、前記ユーザによる前記少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの先の調節に基づく閾値レベル及び不快レベルを含むことを特徴とする、請求項57に記載の聴覚人工器官。
  59. 前記レシーバ/スティミュレータユニットは、前記ユーザに対してインプラント可能なハウジング内に位置することを特徴とする、請求項5458のいずれか一に記載の聴覚人工器官。
  60. 前記レシーバ/スティミュレータユニットに対する前記ハウジングは、乳様突起後方に位置する、耳の後ろの骨の、窪んだ箇所にインプラントすることを特徴とする、請求項59に記載の聴覚人工器官。
  61. 前記スピーチプロセッサは、前記マイクロフォンで受信した音響を連続した電気的刺激
    アルゴリズムにエンコード化することを特徴とする、請求項5560のいずれか一に記載の聴覚人工器官。
  62. 前記エンコード化された電気的信号は、前記レシーバ/スティミュレータユニットの、トランスミッタコイル及びレシーバコイルを用い、前記レシーバ/スティミュレータユニットに伝送することを特徴とする、請求項61に記載の聴覚人工器官。
  63. ユーザの聴力を修復する方法であって、
    受信した音響をマイクロフォン信号に変換する工程と、
    前記マイクロフォン信号をスピーチプロセッサにおいて処理し、可変プロセッシングファクタの組を利用する出力信号を生成する工程と、
    前記組のうち、少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの値の調節をユーザから受信する工程と、
    少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの前記調節された値を、前記調節がなされた音響環境を表すデータセットともに記憶する工程と、
    その後、前記その後の音響環境が前記記憶された値に対する以前の調節がなされた前記音響環境に類似していると決定されたとき、ユーザ入力なしに、少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの値を前記記憶された値に等しくするように自動的に調節する工程と、
    を具えることを特徴とする、方法。
  64. ユーザの聴力を修復する方法であって、
    受信した音響をマイクロフォン信号に変換する工程と、
    前記マイクロフォン信号をスピーチプロセッサにおいて処理し、可変プロセッシングファクタの組を利用する
    出力信号を生成する工程と、
    前記マイクロフォン信号を、聴覚人工器官の音響環境を表すデータセットを出力する音響解析手段で受信する工程と、
    前記組のうち、少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの値の調節をユーザから受信する工程と、
    少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの前記調節された値を、前記調節がなされた音響環境を表すデータセットともに記憶する工程と、
    その後、前記その後の音響環境が前記記憶された値に対する以前の調節がなされた前記音響環境に類似していると決定されたとき、ユーザ入力なしに、少なくとも1つの可変プロセッシングファクタの値を前記記憶された値に等しくするように自動的に調節する工程と、
    を具えることを特徴とする、方法。
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