JP4653742B2 - マルチ管腔医療電気リード本体 - Google Patents

Description

植込み型医療装置は、標的箇所に配置された刺激電極及び（又は）感知電極又はその他の型式のセンサをパルス発生器又は診断装置に連結されたコネクタに連結する１つ又はより多数の導体を保持する細長いリード本体を有する医療電気リードを長い間、利用してきた。

多数の機能を果たすため、単一のリード本体が多数の絶縁導体を保持することがしばしば望まれる。しかし、リード本体は、可能な限り小さい輪郭外形又は直径を有し、体内に植え込み得るよう可撓性であり、また、インプラント−環境の荷重下にて損傷に抵抗し得ることも望まれる。これらの必要条件は、絶縁性のマルチ管腔管を植え込むことを通じて対処することができる。本発明に掲げた実施の形態は、マルチ管腔管の新規な形態及びその内部の導体の配置を例示するものである。

以下の説明は、本発明の特定の実施の形態を示すものであり、従って、その範囲を限定するものではなく、本発明の適正な理解を助けるため掲げたものである。図面は、正確な縮尺ではなく（明示されない限り）、以下の詳細な説明と共に使用することを目的とするものである。以下、本発明は、同様の数字は同様の要素を示す、添付図面に関して説明する。

以下の説明は、性質上、一例であり、本発明の範囲、適用可能性又は形態を何ら限定することを目的とするではない。以下の説明は、本発明の一例としての実施の形態を具体化する便宜な説明を記載するものである。

図１は、本発明の１つの実施の形態に従った医療電気リードの平面図である。図１には、リード本体１１０と、先端電極１１８と、リング電極１１６と、２つの除細動電極１１２、１１４と、を有する医療電気リード１００が示されている。リード本体１１０は、先端電極１１８及びリング電極１１６をコネクタ脚部１２５の接点ピン１２６及び接点リング１２７にそれぞれ連結し、また、除細動電極１１２、１１４の各々をコネクタ脚部１２２又は１２３の接点ピン１２１又は１２４に連結する少なくとも４つの導体（図示せず、参考図２Ａ）を保持する。三叉状スリーブ１２０を介してリード本体１１０に接続されたコネクタ脚部１２２、１２３及び１２５は、リード１００を医療装置に電気的に連結し得るようにされており、また、その各々は、当該技術の当業者に既知である、例えば、ＤＦ−１又はＩＳ−１のような業界の標準に適合することができる。コネクタ脚部１２２、１２３及び１２５に相応する形態及び構造は、リードの構造技術における当業者に周知である。

本発明の実施の形態に従い、リード本体１１０は、エラストマー的生物適合性で且つ、双安定性のある絶縁性材料から成るマルチ管腔管を備えており、これら材料の例は、当該技術の当業者に周知であり、シリコーン、ポリウレタン及びそれらの組み合わせを含む。適宜な絶縁性材料の１つの特定例は、ショアＡスケールにて約３０ないし約７０の範囲のデュロメータ硬さを有するＨＰ（高性能）シリコーンである。図２Ａは、本発明の１つの実施の形態に従ったリード本体１１０のマルチ管腔管２０内の管腔及び導体の配置を示す、図１の断面線２−２に沿った断面図である。図２Ａには、実質的に楕円形の断面を形成する内面を有する管腔２１と、各々が実質的に円形の断面を形成する内面を有する複数の追加的な管腔２４Ａ、２４Ｂ、２４Ｃとを備える管２０が示されている。ケーブル導体１２、１４、２６は、管腔２４内に配置された状態で示され、また、コイル導体２８は管腔２１内に配置された状態で示されている。導体は、例えば、ＭＰ３５Ｎ合金のようなリードの構造技術にて既知の任意の適宜な材料を含み、また、同様に、当該技術の当業者に既知の方法に従って形成される。ケーブル導体１２、１４、２６は、図２Ａに示すように絶縁性シース２７を有することができ、これらケーブル導体の各々は、本発明の実施の形態に従い約０．１２７ｍｍ（０．００５インチ）ないし約０．５０８ｍｍ（０．０２０インチ）の範囲の外径を有する。

図２Ａには、ポリウレタン又はシリコーン或いはそれらの組み合わせのようなポリマーにて形成することができる外側上張りシース２５を有するリード本体１１０が更に示されている。本発明の幾つかの実施の形態に従い、上張りシース２５は、マルチ管腔管２０の上に形成されてリード本体１１０の外径を例えば、図１Ａに示した電極１１２、１１４、１１６のような、リード本体に連結された電極の外径に等しくする。更に、上張りシース２５は、管２０よりも大きいデュロメータ硬さを有するものとすることができる。本発明の代替的な実施の形態に従い、上張りシースは含められていない。

図１を再度参照すると、１つの実施の形態に従い、ケーブル導体１２、１４、２６は、除細動電極１１２、１１４の各々を接点ピン１２１又は１２４に連結し、また、リング電極１１６を接点リング１２７に連結する一方、コイル導体２８は先端電極１１８を接点ピン１２６に連結し、接点ピン１２６は、リードの構造技術の当業者に周知の手段によって回転させ、先端電極１１８をコイル２８を介して伸ばし且つ後退させリード本体１１０に対して出入りするようにすることができる。１つの代替的な実施の形態に従い、コイル２８は、先端電極１１８を回転させる必要がなく、また、コイル２８に連結された先端電極は、図１Ｂに示すような代替的な形態をとることができる。図１Ｂは、当該技術にて当業者に一般に既知であるように、先端電極１０２と、分岐構造体１０３とを有するリード１００の１つの代替的な末端１０１の部分平面図である。

図２Ａには、１つの実施の形態に従い、コイル２８と管腔２１の内面との間の潤滑性ライナーとして機能し、接点ピン１２６及び先端電極１１８からのトルクの効率的な伝達を容易にする、コイル導体２８を取り囲むシース２９が更に示されている。コイル２８及びシース２９は管腔２１内に嵌まり、実質的に三日月状の断面を有する２つの別個の空間２２Ａ、２２Ｂが形成されるようにする。かかる１つの実施の形態において、シース２９は、ＰＴＦＥ又はＥＴＦＥのようなフルオロポリマーにて形成することができる。代替的な実施の形態に従い、シース２９はコイル２８に対する潤滑性の性質を備えない冗長性絶縁体としてのみ機能し、例えば、図１Ｂに示した電極１０２のような、末端の先端電極を伸ばし且つ後退させるためコイルが使用されないならば、この潤滑性の性質は必要ない。更なる代替的な実施の形態において、シース２９は含まれず、単独にて管腔２１内に装着されたコイル２８は、別個の三日月形状の空間２２Ａ、２２Ｂを形成するのに十分な直径を備え又は備えないものとしてもよい。更に、管腔２１の内面は、コイル２８を介して先端電極を伸ばし且つ後退させ易くするのに有用な潤滑性の性質を備え又は備えなくてもよい。コイル２８は、本発明の実施の形態に従い、約０．５０８ｍｍ（０．０２０インチ）ないし約１．０１６ｍｍ（０．０４０インチ）の範囲の外径を有し、また、シース２９は、約０．５５８８ｍｍ（０．０２２インチ）ないし約１．０６６８ｍｍ（０．０４２インチ）の範囲の内径と、約０．６６０４ｍｍ（０．０２６インチ）ないし約１．１６８４ｍｍ（０．０４６インチ）の範囲の外径とを有する。

更なる代替的な実施の形態は、図２Ｂに示すように、コイル２８の管腔２８０内を伸びる第五の導体２８５を更に有している。第五の導体２８５は、その上に形成された絶縁性シース２９５によりコイル２８から隔離されている。第五の導体２８５は、コネクタ脚部１２２、１２３、１２５の１つ又は追加的なコネクタ脚部における追加的な接点に追加的な電極又は生理学的センサを連結し得るようにリード１１０内に含めることができる。導体１２、１４、２６は、その上に形成されたシースを有するものとして示されているが、例えば、図２Ａに示したシース２７は、本発明の幾つかの実施の形態に従ったかかる追加的なシースを含む必要がないことを理解すべきである。

図２Ａに示すように、１つの実施の形態に従い、コイル２８の周りのシース２９の外径は、図３に部品３２として示した管腔２１の短軸線の長さにほぼ等しく又はそれ以上である。図３は、マルチ管腔管２０及び導体の断面図である。図３には、短軸線の長さ３２よりも長い、長さ３１を有する長軸線を含む実質的に楕円形の断面を形成する管腔２１の内面が示されている。長さ３１は、幾つかの実施の形態に従い、約０．６３５ｍｍ（０．０２５インチ）ないし約２．０３２ｍｍ（０．０８０インチ）の範囲にあり、長さ３２は、０．３８１ｍｍ（０．０１５インチ）ないし１．６５１ｍｍ（０．０６５インチ）の範囲にある。管腔２１は、管腔２１、２４Ａないし２４Ｃの各々の間に十分な絶縁体を得るため最小肉厚３０Ａ、３０Ｂが維持され、また、管腔２１、２４Ａないし２４Ｃと管２０の外面２３との間に最小肉厚３０Ａが維持されるように管腔２４Ａないし２４Ｃに対して配置されている。最小肉厚３０Ａ、３０Ｂは、本発明の実施の形態に従い、約０．０５０８ｍｍ（０．００２インチ）ないし約０．３８１ｍｍ（０．０１５インチ）の範囲である。更に、本発明の実施の形態に従い、適宜な導体（参考図２Ａないし２Ｃ）を受容する寸法とされた管腔２１、２４Ａないし２４Ｃの配置を介して十分な絶縁体を提供しつつ、管２０の最小外径が実現される。管２０の最小外径は、約１．０１６ｍｍ（０．０４０インチ）ないし約３．０４８ｍｍ（０．１２０インチ）の範囲にあり、管腔２４Ａないし２４Ｃの直径は、幾つかの実施の形態に従い約０．２０３２ｍｍ（０．００８インチ）ないし約０．６３５ｍｍ（０．０２５インチ）の範囲にある。図３には、平坦化され、これにより、長軸線の両側部に非対称部分を形成し、管腔２１内の空間を最大にしつつ、管腔２４Ａ、２４Ｃと管腔２１との間の最小肉厚３０Ｂが維持されるようにする管腔２１の上面２１Ａ、２１Ｂが更に示されている。かかる形態は、本明細書にて「実質的に楕円形」という語に合致する。本発明の１つの代替的な実施の形態に従い、管腔２１は、ほぼ「純粋な」楕円体として又は面２１Ａ、２１Ｂの鏡像である平坦面を有するものとして形成され、長軸線の周りにて非対称であり、その双方の形態は、本明細書にて使用した「実質的に楕円形」という語に合致する。図３に示した長さ３１、３２は、弛緩した寸法すなわちその内部に導体が配置されていない弛緩した状態の管腔２１に相応する寸法に全体として相応する。

図４は、導体を受容し得るよう管腔２１を膨張させ且つ圧縮させるため付与することのできる力を示す、マルチ管腔管２０の概略断面図である。本発明の幾つかの実施の形態に従い、例えば、図２Ａ及び図２Ｂに示したシース２９を有する導体２８のような導体の外径は、図３に示した短軸線３２の長さに相応する、高さＨにほぼ等しく又はそれ以上であり、このため、例えば、リード本体１１０のようなリード本体を組み立てる過程にてかかる導体の管腔２１内への配列を容易にするため、管腔２１の高さＨを膨張させる必要がある。本発明の実施の形態に従い、管腔２１の内面により形成された実質的に楕円形の断面は、高さＨを増し得るよう弛緩した状態から変形させることができる。図４には、長軸線に沿って圧縮Ｃを生じさせ、短軸線に沿った膨張Ｅに到る外力Ｆ_ｅを備える第一の手段と、同様に、短軸線に沿った膨張Ｅに到る内力Ｆ_ｉとなる内圧の増加分を備える第二の手段という２つの変形手段が示されている。

管腔２１内にて高さＨにほぼ等しく又はそれ以上の直径を有する導体が組み立てられたならば、高さＨは、導体の外径に順応する一方、例えば、図２Ａに示した空間２２Ａ、２２Ｂのような別個の実質的に三日月形状の空間は、例えば、図２Ａに示したシース２９を含む導体２８のような、導体の両側部に維持される。

上記の説明において、特定の実施の形態に関して本発明を記述した。しかし、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱せずに、色々な形態変更及び変化を為すことが可能であることが理解できる。例えば、本明細書にて参照番号２４Ａないし２４Ｃとして示した複数の管腔内に含まれた管腔の断面及び管腔の数は、説明したものと相違するものでもよい。更に、本発明の精神から逸脱せずに、本明細書に記載した管腔の各々に異なる型式及び数の導体を配置することが可能である。

１Ａは、本発明の１つの実施の形態に従った医療電気リードの平面図である。１Ｂは、図１Ａに示したリードの１つの代替的な末端の部分平面図である。 ２Ａは、図１に示した断面線２−２に沿った断面図である。２Ｂは、本発明の１つの代替的な実施の形態に従ったリード本体の断面図である。 本発明の１つの実施の形態に従ったマルチ管腔管の断面図である。 本発明の１つの実施の形態に従ったマルチ管腔管の概略断面図である。

Claims (5)

1. 医療電気リードにおいて、
   管腔（２１）を有するエラストマー的マルチ管腔管（２０）であって、該管腔（２１）は実質的に楕円形の断面を形成する内面を有し、該断面は第一の長さを有する短軸線（３２）を備え且つ、短軸線（３２）の第一の長さは第一の長さよりも長い第二の長さまで伸びるように変形可能である前記エラストマー的マルチ管腔管（２０）と、
   管腔（２１）内を伸び且つ、実質的に円形の断面を有する細長い導体（２８）とを備え、
   導体（２８）の実質的に円形の断面と管腔（２１）の内面との交差部は、実質的に三日月形状の断面を有する２つの別個の空間（２２Ａ、２２Ｂ）を形成する、医療電気リード。
2. 請求項１に記載のリードにおいて、
   導体（２８）の実質的に円形の断面は、管腔（２１）の断面の短軸線（３２）の第一の長さにほぼ等しく又はそれ以上の外径を有する、リード。
3. 請求項１に記載のリードにおいて、
   導体（２８）の周りに形成されたシース（２９）を更に備え、管腔（２１）の断面の短軸線（３２）の第一の長さにほぼ等しく又はそれ以上のシース（２９）の外径を有する、リード。
4. 請求項１に記載のリードにおいて、
   導体（２８）はコイルの形態をしている、リード。
5. 請求項４に記載のリードにおいて、
   伸び可能で且つ後退可能な電極（１１８）と、
   導体（２８）を介して該電極（１１８）に連結されたコネクタピン接点（１２１、１２４、１２６、１２７）とを更に備え、
   コネクタピン接点（１２１、１２４、１２６、１２７）は、コイルを回転させ電極（１１８）を伸ばし且つ後退させる、リード。

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