JP4653720B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置、画像形成方法、及び、画像形成システムに関する。
レーザビームプリンタ等の画像形成装置は既によく知られている。かかる画像形成装置は、例えば、潜像を担持するための像担持体と、現像剤を担持した状態で回転することにより該現像剤を前記像担持体と対向する対向位置に搬送するための現像剤担持体と、前記像担持体に対向し該像担持体を帯電するための帯電部材と、を有しており、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号等が送信されると、帯電部材によって帯電された像担持体に担持された潜像を、現像剤担持体により前記対向位置に搬送された現像剤、で現像して現像剤像を形成し、当該現像剤像を媒体に転写して、最終的に媒体に画像を形成する。
特開平5−142950号公報 特開2004−219640号公報
上記の画像形成装置の中には、現像剤による前記潜像の現像の際に、現像剤担持体から前記像担持体へ現像剤を向かわせるための第一電圧と前記像担持体から前記現像剤担持体へ現像剤を向かわせるための第二電圧とを備えた交番電圧、を前記現像剤担持体に印加するものがある。また、当該現像剤担持体の表面には、現像剤担持体の表面に十分な量の現像剤が担持されること等(換言すれば、現像剤が担持される前記表面の表面積が十分大きな値となること等)、を考慮して、規則的に配置された凹部が設けられる場合がある。
ところで、このような画像形成装置において、前記潜像の現像の際に、像担持体と現像剤担持体との間に放電現象が発生する場合がある。当該放電現象が発生すると、像担持体上に現像剤像が適切に形成されず、したがって、最終的には媒体に不良な画像が形成されてしまう。
また、上述したように、現像剤担持体には、第一電圧と第二電圧を備えた交番電圧が印加されるが、この交番電圧に起因して、画像に濃度ムラが発生することが知られている。同様に、像担持体を帯電する帯電部材には、直流電圧と交流電圧が重畳された重畳電圧が印加されるが、この重畳電圧に起因して、画像の濃度ムラが発生することが知られている。そして、これら二種類の濃度ムラが発生した際に、二種類の濃度ムラの発生位置が重なると濃度ムラが顕著になり、この結果、画像の濃度ムラが目立ちやすくなる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、放電現象の発生を適切に抑制し、かつ、画像の濃度ムラが目立つことを抑制することにある。
前記課題を解決するために、主たる本発明は、
潜像を担持するための像担持体と、
規則的に配置された凹部を表面に有し、現像剤を担持した状態で回転することにより該現像剤を前記像担持体と対向する対向位置に搬送するための現像剤担持体と、
前記対向位置に搬送された前記現像剤による前記潜像の現像のために、前記現像剤担持体から前記像担持体へ現像剤を向かわせるための第一電圧と前記像担持体から前記現像剤担持体へ現像剤を向かわせるための第二電圧とを備えた交番電圧、を前記現像剤担持体に印加する交番電圧印加部と、
前記像担持体に対向し、該像担持体を帯電するための帯電部材と、
直流電圧と交流電圧とが重畳された重畳電圧、を前記帯電部材に印加する重畳電圧印加部と、
を有する画像形成装置であって、
前記交番電圧の周期の大きさは、
前記凹部の、前記現像剤担持体の周方向に沿う最小幅、を前記現像剤担持体が回転する際の該現像剤担持体の表面の移動速さで割った値よりも大きく、かつ、
前記重畳電圧の周期の大きさを自然数倍した値、及び、該周期の大きさを自然数分の一した値、のいずれとも異なることを特徴とする画像形成装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により少なくとも次のことが明らかにされる。
潜像を担持するための像担持体と、
規則的に配置された凹部を表面に有し、現像剤を担持した状態で回転することにより該現像剤を前記像担持体と対向する対向位置に搬送するための現像剤担持体と、
前記対向位置に搬送された前記現像剤による前記潜像の現像のために、前記現像剤担持体から前記像担持体へ現像剤を向かわせるための第一電圧と前記像担持体から前記現像剤担持体へ現像剤を向かわせるための第二電圧とを備えた交番電圧、を前記現像剤担持体に印加する交番電圧印加部と、
前記像担持体に対向し、該像担持体を帯電するための帯電部材と、
直流電圧と交流電圧とが重畳された重畳電圧、を前記帯電部材に印加する重畳電圧印加部と、
を有する画像形成装置であって、
前記交番電圧の周期の大きさは、
前記凹部の、前記現像剤担持体の周方向に沿う最小幅、を前記現像剤担持体が回転する際の該現像剤担持体の表面の移動速さで割った値よりも大きく、かつ、
前記重畳電圧の周期の大きさを自然数倍した値、及び、該周期の大きさを自然数分の一した値、のいずれとも異なることを特徴とする画像形成装置。
このような画像形成装置によれば、交番電圧の周期の大きさが、前記凹部の前記最小幅を前記移動速さで割った値よりも大きいことにより、放電現象が顕著に発生し得る状況が短時間で連続的に生じないようになっているから、放電現象の発生が適切に抑制されることとなる。また、交番電圧の周期の大きさが、前記重畳電圧の周期の大きさを自然数倍した値、及び、該周期の大きさを自然数分の一した値、のいずれとも異なることにより、二種類の濃度ムラの発生位置が連続して重なることを防止できるから、画像の濃度ムラが目立つことを抑制できる。
また、かかる画像形成装置あって、前記帯電部材は、回転可能な帯電ローラであり、該帯電ローラは、前記像担持体に空隙を介して対向することが望ましい。かかる場合には、画像の濃度ムラが目立つことを抑制できる効果が、より有効に奏される。
また、かかる画像形成装置あって、前記像担持体は、回転可能であり、前記交番電圧印加部は、前記第一電圧と前記第二電圧とを交互に所定期間印加し、前記像担持体の、前記重畳電圧印加部が前記重畳電圧の印加を開始したときに前記帯電部材によって帯電される帯電位置に位置する部分が、前記像担持体の回転に伴い、前記対向位置に搬送された現像剤によって現像される現像位置に位置したときに、前記交番電圧印加部が、前記現像剤担持体に前記第一電圧または前記第二電圧を印加し始めることが望ましい。かかる場合には、画像の濃度ムラが目立つことを抑制できる効果がより有効に奏される。
また、かかる画像形成装置あって、前記凹部は、前記周方向に対する傾斜角度が異なる2種類の螺旋状の溝部、であり、該2種類の螺旋状の溝部は、互いに交差して格子形状をなしており、前記現像剤担持体は、前記2種類の螺旋状の溝部に囲まれた正方形の頂面、を有し、該正方形の頂面が有する2本の対角線のうちの一方が前記周方向に沿っていることが望ましい。
また、(a)規則的に配置された凹部を表面に有し、現像剤を担持した状態で回転することにより該現像剤を像担持体と対向する対向位置に搬送するための現像剤担持体、
が回転する際の該現像剤担持体の表面の移動速さ、を変更するステップと、
(b)前記現像剤担持体から前記像担持体へ現像剤を向かわせるための第一電圧と前記像担持体から前記現像剤担持体へ現像剤を向かわせるための第二電圧とを備えた交番電圧、の周期の大きさが、
前記凹部の、前記現像剤担持体の周方向に沿う最小幅を、変更後の前記移動速さで割った値よりも大きくなるように、
前記交番電圧の周期の大きさを変更するステップと、
(c)直流電圧と交流電圧とが重畳された重畳電圧、の周期の大きさを自然数倍した値、及び、該周期の大きさを自然数分の一した値のいずれもが、前記交番電圧の、変更後の周期の大きさと異なるように、該重畳電圧の周期の大きさを変更するステップと、
(d)周期の大きさが変更された前記重畳電圧を、前記像担持体に対向する帯電部材に印加して、該像担持体を帯電するステップと、
(e)周期の大きさが変更された前記交番電圧を前記現像剤担持体に印加して、前記対向位置に搬送された前記現像剤により前記像担持体に担持された潜像を現像するステップと、
(f)を備えたことを特徴とする画像形成方法。
このような画像形成方法によれば、現像剤担持体の移動速さを変更しても、放電現象の発生を適切に抑制し、かつ、画像の濃度ムラが目立つことを抑制できる。
また、かかる画像形成方法あって、画像を形成可能な媒体の種類は、普通紙と厚紙であり、前記普通紙に画像を形成する際には、前記現像剤担持体の表面の移動速さを大きくし、前記厚紙に画像を形成する際には、前記現像剤担持体の表面の移動速さを小さくすることが望ましい。かかる場合には、媒体の種類が変更されても、放電現象の発生を適切に抑制し、かつ、画像の濃度ムラが目立つことを抑制できる。
また、(A)コンピュータ、及び、
(B)このコンピュータに接続可能な画像形成装置であって、
(a)潜像を担持するための像担持体と、
(b)規則的に配置された凹部を表面に有し、現像剤を担持した状態で回転することにより該現像剤を前記像担持体と対向する対向位置に搬送するための現像剤担持体と、
(c)前記対向位置に搬送された前記現像剤による前記潜像の現像のために、前記現像剤担持体から前記像担持体へ現像剤を向かわせるための第一電圧と前記像担持体から前記現像剤担持体へ現像剤を向かわせるための第二電圧とを備えた交番電圧、を前記現像剤担持体に印加する交番電圧印加部と、
(d)前記像担持体に対向し、該像担持体を帯電するための帯電部材と、
(e)直流電圧と交流電圧とが重畳された重畳電圧、を前記帯電部材に印加する重畳電圧印加部と、を有し、
(f)前記交番電圧の周期の大きさは、
前記凹部の、前記現像剤担持体の周方向に沿う最小幅、を前記現像剤担持体が回転する際の該現像剤担持体の表面の移動速さで割った値よりも大きく、かつ、
前記重畳電圧の周期の大きさを自然数倍した値、及び、該周期の大きさを自然数分の一した値、のいずれとも異なる画像形成装置、
(C)を具備したことを特徴とする画像形成システム。
このような画像形成システムによれば、放電現象の発生を適切に抑制し、かつ、画像の濃度ムラが目立つことを抑制できる。
===画像形成装置の全体構成例===
次に、図1を用いて、『画像形成装置』としてレーザビームプリンタ(以下、プリンタともいう)10を例にとって、その概要について説明する。図1は、プリンタ10を構成する主要構成要素を示した図である。なお、図1には、矢印にて上下方向を示しており、例えば、給紙トレイ92は、プリンタ10の下部に配置されており、定着ユニット90は、プリンタ10の上部に配置されている。
本実施の形態に係るプリンタ10は、図1に示すように、潜像を担持するための『像担持体』の一例としての感光体20の回転方向に沿って、帯電ユニット30、露光ユニット40、YMCK現像ユニット50、一次転写ユニット60、中間転写体70、クリーニングユニット75を有し、さらに、二次転写ユニット80、定着ユニット90、ユーザへの報知手段をなし液晶パネルでなる表示ユニット95、及び、これらのユニット等を制御しプリンタとしての動作を司る制御ユニット100を有している。
感光体20は、円筒状の導電性基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態においては、図1中の矢印で示すように時計回りに回転する。
帯電ユニット30は、感光体20を帯電するための装置である。この帯電ユニット30の詳細については後述する。露光ユニット40は、レーザを照射することによって帯電された感光体20上に潜像を形成する装置である。この露光ユニット40は、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の不図示のホストコンピュータから入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体20上に照射する。
YMCK現像ユニット50は、感光体20上に形成された潜像を、現像装置に収容された現像剤の一例としてのトナー、すなわち、ブラック現像装置51に収容されたブラック(K)トナー、マゼンタ現像装置52に収容されたマゼンタ(M)トナー、シアン現像装置53に収容されたシアン(C)トナー、及び、イエロー現像装置54に収容されたイエロー(Y)トナーを用いて現像するための装置である。
このYMCK現像ユニット50は、前記4つの現像装置51、52、53、54が装着された状態で回転することにより、前記4つの現像装置51、52、53、54の位置を動かすことを可能としている。すなわち、このYMCK現像ユニット50は、前記4つの現像装置51、52、53、54を4つの保持部55a、55b、55c、55dにより保持しており、前記4つの現像装置51、52、53、54は、中心軸50aを中心として、それらの相対位置を維持したまま回転可能となっている。そして、1ページ分の画像形成が終了する毎に選択的に感光体20に対向し、それぞれの現像装置51、52、53、54に収容されたトナーにて、感光体20上に形成された潜像を順次現像する。なお、前述した4つの現像装置51,52,53,54の各々は、YMCK現像ユニット50の前記保持部に対して着脱可能となっている。また、各現像装置の詳細については後述する。
一次転写ユニット60は、感光体20に形成された単色トナー像を中間転写体70に転写するための装置であり、4色のトナーが順次重ねて転写されると、中間転写体70にフルカラートナー像が形成される。この中間転写体70は、PETフィルムの表面に錫蒸着層を設けさらにその表層に半導電塗料を形成、積層したエンドレスのベルトであり、感光体20とほぼ同じ周速度にて回転駆動される。
二次転写ユニット80は、中間転写体70上に形成された単色トナー像やフルカラートナー像を紙、フィルム、布等の媒体に転写するための装置である。定着ユニット90は、媒体上に転写された単色トナー像やフルカラートナー像を媒体に融着させて永久像とするための装置である。
クリーニングユニット75は、一次転写ユニット60と帯電ユニット30との間に設けられ、感光体20の表面に当接されたゴム製のクリーニングブレード76を有し、一次転写ユニット60によって中間転写体70上にトナー像が転写された後に、感光体20上に残存するトナーをクリーニングブレード76により掻き落として除去するための装置である。
制御ユニット100は、図2に示すようにメインコントローラ101と、ユニットコントローラ102とで構成され、メインコントローラ101には画像信号及び制御信号が入力され、この画像信号及び制御信号に基づく指令に応じてユニットコントローラ102が前記各ユニット等を制御して画像を形成する。
次に、このように構成されたプリンタ10の動作について説明する。
まず、不図示のホストコンピュータからの画像信号及び制御信号がインターフェイス(I/F)112を介してプリンタ10のメインコントローラ101に入力されると、このメインコントローラ101からの指令に基づくユニットコントローラ102の制御により感光体20、及び、中間転写体70が回転する。感光体20は、回転しながら、帯電位置において帯電ユニット30により順次帯電される。
感光体20の帯電された領域は、感光体20の回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット40によって、第1色目、例えばイエローYの画像情報に応じた潜像が該領域に形成される。また、YMCK現像ユニット50は、イエロー(Y)トナーを収容したイエロー現像装置54が、感光体20に対向した現像位置に位置している。感光体20上に形成された潜像は、感光体20の回転に伴って現像位置に至り、イエロー現像装置54によってイエロートナーで現像される。これにより、感光体20上にイエロートナー像が形成される。感光体20上に形成されたイエロートナー像は、感光体20の回転に伴って一次転写位置に至り、一次転写ユニット60によって、中間転写体70に転写される。この際、一次転写ユニット60には、トナーTの帯電極性(本実施の形態においては、負極性)とは逆の極性の一次転写電圧が印加される。なお、この間、感光体20と中間転写体70とは接触しており、また、二次転写ユニット80は、中間転写体70から離間している。
上記の処理が、第2色目、第3色目、及び、第4色目について、各々の現像装置毎に順次実行されることにより、各画像信号に対応した4色のトナー像が、中間転写体70に重なり合って転写される。これにより、中間転写体70上にはフルカラートナー像が形成される。
中間転写体70上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写体70の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ユニット80によって媒体に転写される。なお、媒体は、給紙トレイ92から、給紙ローラ94、レジローラ96を介して二次転写ユニット80へ搬送される。また、転写動作を行う際、二次転写ユニット80は中間転写体70に押圧されるとともに二次転写電圧が印加される。
媒体に転写されたフルカラートナー像は、定着ユニット90によって加熱加圧されて媒体に融着される。
一方、感光体20は一次転写位置を経過した後に、クリーニングユニット75に支持されたクリーニングブレード76によって、その表面に付着しているトナーTが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーTは、クリーニングユニット75が備える残存トナー回収部に回収される。
===制御ユニットの概要===
次に、制御ユニット100の構成について図2を参照しつつ説明する。制御ユニット100のメインコントローラ101は、インターフェイス112を介してホストコンピュータと電気的に接続され、このホストコンピュータから入力された画像信号を記憶するための画像メモリ113を備えている。ユニットコントローラ102は、装置本体の各ユニット(帯電ユニット30、露光ユニット40、YMCK現像ユニット50、一次転写ユニット60、クリーニングユニット75、二次転写ユニット80、定着ユニット90、表示ユニット95)と電気的に接続され、それらが備えるセンサからの信号を受信することによって、各ユニットの状態を検出しつつ、メインコントローラ101から入力される信号に基づいて、各ユニットを制御する。
なお、YMCK現像ユニット50に接続されたYMCK現像ユニット駆動制御回路128には、交番電圧印加部132(単に、電圧印加部とも呼ぶ)が備えられている。この交番電圧印加部132は、トナーによる前記潜像の現像のために、交番電圧(以下、現像バイアスとも呼ぶ)を現像ローラ510に印加し、現像ローラ510と感光体20との間に交番電界を形成させる役割を果たす(詳細については、後述する)。また、帯電ユニット30に接続された帯電ユニット駆動制御回路129には、重畳電圧印加部133が備えられている。この重畳電圧印加部133は、感光体20を帯電させるために、重畳電圧(以下、帯電バイアスとも呼ぶ)を帯電ローラ31に印加し、帯電ローラ31と感光体20との間に交番電界を形成させる役割を果たす。
===帯電ユニット30について===
次に、図3Aと図3Bを用いて、感光体20を帯電する帯電ユニット30について説明する。図3Aは、感光体20と帯電ユニット30を示した模式図である。図3Bは、帯電ローラ31に印加される重畳電圧を示した模式図である。
帯電ユニット30は、感光体20に空隙を介して対向し該感光体20を帯電するための『帯電部材』の一例としての回転可能な帯電ローラ31と、帯電ローラ31に当接して該帯電ローラ31の表面をクリーニングするためのクリーニングローラ35(図1では不図示)と、を有している。帯電ローラ31は、金属の軸の表面に導電性の塗料が塗布された構成となっている。また、帯電ローラ31は、その軸方向の両端部に感光体20に当接するテープ32が取り付けられている。このテープ32の外径は、帯電ローラ31の中央部の外径よりも大きいので、該中央部と感光体20との間に間隙Gが形成されている。このため、帯電ローラ31は、非接触状態で感光体20を帯電する。
また、帯電ユニット30は、帯電ローラ31を回転可能に支持する軸受け33と、該軸受け33を介して帯電ローラ31を感光体20に向けて付勢するバネ34と、を有している。そして、帯電ローラ31が、ばね34の付勢力によって感光体20に向けて付勢されることによって、テープ32が感光体20に当接する。
ここで、感光体20の帯電について、図3Bを用いて説明する。感光体20の帯電が実行される際には、重畳電圧印加部133により、直流電圧と交流電圧が重畳された重畳電圧(帯電バイアス)が帯電ローラ31に印加される。具体的には、−580V(交流電圧の成分)を中心に、−540V〜−620Vの間で振幅する(交流電圧の成分)電圧が、帯電ローラ31に印加される。なお、帯電バイアスの周期の大きさ(この周期の大きさを、T2とする)は、1.0ms(ミリ秒)である。
===現像装置について===
次に、図4乃至図14を用いて、現像装置について説明する。図4は、現像装置の概念図である。図5は、現像装置の主要構成要素を示した断面図である。図6は、現像ローラ510の斜視模式図である。図7は、現像ローラ510の正面模式図である。図8は、溝部512の断面形状を示した模式図である。図9は、図7の拡大模式図であり、溝部512及び頂面515を表した図である。図10は、規制ブレード560の斜視図である。図11は、ホルダー526の斜視図である。図12は、ホルダー526に、上シール520、規制ブレード560、及び、現像ローラ510が組み付けられている様子を示した斜視図である。図13は、ホルダー526が、ハウジング540に取付けられている様子を示した斜視図である。図14は、現像ローラ510に印加される現像バイアスを示した模式図である。なお、図5に示す断面図は、図4に示す長手方向に垂直な面で現像装置を切り取った断面を表したものである。また、図5においては、図1同様、矢印にて上下方向を示しており、例えば、現像ローラ510の中心軸は、感光体20の中心軸よりも下方にある。また、図5では、イエロー現像装置54が、感光体20と対向する現像位置に位置している状態にて示されている。また、図6乃至図9においては、図を分かりやすくするために、溝部512等のスケールが実際のものと異なっている。
YMCK現像ユニット50には、ブラック(K)トナーを収容したブラック現像装置51、マゼンタ(M)トナーを収容したマゼンタ現像装置52、シアン(C)トナーを収容したシアン現像装置53、及び、イエロー(Y)トナーを収容したイエロー現像装置54が設けられているが、各現像装置の構成は同様であるので、以下、イエロー現像装置54について説明する。
イエロー現像装置54は、『現像剤担持体』の一例としての現像ローラ510、上シール520、トナー収容体530、ハウジング540、トナー供給ローラ550、規制ブレード560、ホルダー526等を有している。
現像ローラ510は、トナーTを担持した状態で回転することによりトナーTを感光体20と対向する対向位置(現像位置)に搬送する。この現像ローラ510は、アルミ合金、鉄合金等からなる部材である。
現像ローラ510は、図6及び図7に示すように、トナーTを適切に担持させるためにその中央部510aの表面に『凹部』の一例としての溝部512を有している。本実施の形態においては、当該溝部512として、互いに巻き方向の異なる2種類の螺旋状の溝部512、すなわち、第一溝部512a及び第二溝部512b、が設けられている。図7に示すように、第一溝部512a及び第二溝部512bの、現像ローラ510の周方向に対する傾斜角度、は互いに異なっており、また、第一溝部512aの長手方向と現像ローラ510の軸方向との成す鋭角の大きさと、第二溝部512bの長手方向と前記軸方向との成す鋭角の大きさは、共に、約45度である。また、図8に示すように、第一溝部512aのX方向の幅及び第二溝部512bのY方向の幅は約50μm、溝部512の深さは約7μm、溝角度(図8において、記号αで表される角度)は約90度である。
さらに、溝部512は、底面513と側面514とを備えており、本実施の形態においては、側面514の傾斜角度は、約45度である(図8参照)。
このように構成された2種類の螺旋状の溝部512は、図6、図7及び図9に示すように、現像ローラ510の中央部510aの表面に、規則的に配置され、かつ、互いに交差して格子形状をなしている。したがって、溝部512に四方を囲われた菱形の頂面515が、前記中央部510aに、網目上に多数形成されていることとなる。
前述したとおり、本実施の形態においては、第一溝部512aの長手方向と前記軸方向との成す鋭角の大きさと、第二溝部512bの長手方向と前記軸方向との成す鋭角の大きさが、共に、約45度であるため、頂面515は、正方形の平面形状を有しており、かつ、当該頂面515が有する2本の対角線のうちの一方(他方)が現像ローラ510の周方向(軸方向)に沿っている。なお、正方形の頂面515の一辺の長さは、図8に示すように、約30μmである。
さらに、現像ローラ510には、軸部510bが設けられており、当該軸部510bが後述するホルダー526の現像ローラ支持部526bによって軸受け576を介して支持されることにより(図12)、現像ローラ510が回転自在に支持される。図5に示すように、現像ローラ510は、感光体20の回転方向(図5において時計方向)と逆の方向(図5において反時計方向)に回転する。なお、本実施の形態において、現像ローラ510が回転する際の現像ローラ510の表面の移動速さV(すなわち、現像ローラ510の表面における、現像ローラ510の線速度)は、300mm/sである。また、感光体20が回転する際の感光体20の表面の移動速さ(すなわち、感光体20の表面における、感光体20の線速度)は、210mm/sとなっており、現像ローラ510の感光体20に対する周速比は約1.4である。
また、イエロー現像装置54が感光体20と対向している状態で、現像ローラ510と感光体20との間には空隙が存在する。すなわち、イエロー現像装置54は、感光体20上に形成された潜像を非接触状態で現像する。なお、本実施の形態に係るプリンタ10においては、ジャンピング現像方式が用いられ、感光体20上に形成された潜像を現像する際に、現像ローラ510と感光体20との間に交番電界が形成される(後に、詳述する)。
ハウジング540は、一体成型された複数の樹脂製のハウジング部、すなわち、上ハウジング部542と下ハウジング部544、とを溶着して製造されたものであり、その内部に、トナーTを収容するためのトナー収容体530が形成されている。トナー収容体530は、内壁から内方へ(図5の上下方向)突出させたトナーTを仕切るための仕切り壁545により、二つのトナー収容部、すなわち、第一トナー収容部530aと第二トナー収容部530bと、に分けられている。そして、第一トナー収容部530aと第二トナー収容部530bとは、上部が連通され、図5に示す状態で、仕切り壁545によりトナーTの移動が規制されている。しかしながら、YMCK現像ユニット50が回転する際には、第一トナー収容部530aと第二トナー収容部530bとに収容されていたトナーが、現像位置における上部側の連通している部位側に一旦集められ、図5に示す状態に戻るときには、それらのトナーが混合されて第一トナー収容部530a及び第二トナー収容部530bに戻されることになる。すなわち、YMCK現像ユニット50が回転することにより現像装置内のトナーTは適切に撹拌されることになる。
このため、本実施の形態では、トナー収容体530に攪拌部材を設けていないが、トナー収容体530に収容されたトナーTを攪拌するための攪拌部材を設けてもよい。また、図5に示すように、ハウジング540(すなわち、第一トナー収容部530a)は下部に開口572を有しており、現像ローラ510が、この開口572に臨ませて設けられている。
トナー供給ローラ550は、前述した第一トナー収容部530aに設けられ、当該第一トナー収容部530aに収容されたトナーTを現像ローラ510に供給するとともに、現像後に現像ローラ510に残存しているトナーTを、現像ローラ510から剥ぎ取る。このトナー供給ローラ550は、ポリウレタンフォーム等からなり、弾性変形された状態で現像ローラ510に当接している。トナー供給ローラ550は、第一トナー収容部530aの下部に配置されており、第一トナー収容部530aに収容されたトナーTは、該第一トナー収容部530aの下部にてトナー供給ローラ550によって現像ローラ510に供給される。トナー供給ローラ550は、中心軸を中心として回転可能であり、その中心軸は、現像ローラ510の回転中心軸よりも下方にある。また、トナー供給ローラ550は、現像ローラ510の回転方向(図5において反時計方向)と逆の方向(図5において時計方向)に回転する。
上シール520は、現像ローラ510にその軸方向に沿って当接して、現像位置を通過後に現像ローラ510上に残留しているトナーTのハウジング540内への移動を許容し、かつ、ハウジング540内のトナーTのハウジング540外への移動を規制する。この上シール520は、ポリエチレンフィルム等からなるシールである。上シール520は、後述するホルダー526の上シール支持部526aによって支持されており、また、その長手方向が現像ローラ510の軸方向に沿うように設けられている(図12)。上シール520が現像ローラ510に当接する当接位置は、現像ローラ510の中心軸よりも上方である。
また、上シール520の、現像ローラ510に当接する当接面520b、とは反対側の面(当該面を、反対面520cとも呼ぶ)と、前記上シール支持部526aとの間には、モルトプレーン等の弾性体からなる上シール付勢部材524が圧縮した状態で設けられている。この上シール付勢部材524は、その付勢力で上シール520を現像ローラ510側へ付勢することにより、上シール520を現像ローラ510に押しつけている。
規制ブレード560は、現像ローラ510の軸方向一端部から他端部に亘って現像ローラ510に当接部562aにて当接して、現像ローラ510に担持されたトナーTの層厚を規制し、また、現像ローラ510に担持されたトナーTに電荷を付与する。この規制ブレード560は、図5及び図10に示すように、ゴム部562と、ゴム支持部564と、を有している。
ゴム部562は、シリコンゴム、ウレタンゴム等からなり、現像ローラ510に当接している。
ゴム支持部564は、薄板564aと薄板支持部564bとから構成されており、その短手方向一端部564d(すなわち、薄板564a側の端部)でゴム部562を支持する。薄板564aは、リン青銅、ステンレス等からなり、バネ性を有している。薄板564aは、ゴム部562を支持しており、その付勢力によってゴム部562を現像ローラ510に押しつけている。薄板支持部564bは、ゴム支持部564の短手方向他端部564eに配置された金属製の板金であり、当該薄板支持部564bは、前記薄板564aの、ゴム部562を支持している側とは逆側の端、を支持した状態で、当該薄板564aに取り付けられている。
そして、規制ブレード560は、薄板支持部564bの長手方向両端部564cが後述するホルダー526の規制ブレード支持部526cによって支持された状態で、当該規制ブレード支持部526cに取付けられている。
規制ブレード560の、薄板支持部564b側とは逆側の端、すなわち、先端560aは、現像ローラ510に接触しておらず、該先端560aから所定距離だけ離れた部分(すなわち、当接部562a)が、現像ローラ510に幅を持って接触している。すなわち、規制ブレード560は、現像ローラ510にエッジにて当接しておらず、腹当たりにて当接しており、規制ブレード560が有する平面が現像ローラ510に当接することにより、前記層厚を規制する。また、規制ブレード560は、その先端560aが現像ローラ510の回転方向の上流側に向くように配置されており、いわゆるカウンタ当接している。なお、規制ブレード560が現像ローラ510に当接する当接位置は、現像ローラ510の中心軸よりも下方であり、かつ、トナー供給ローラ550の中心軸よりも下方である。また、当該規制ブレード560は、現像ローラ510にその軸方向に沿って当接することにより、トナー収容体530からのトナーTの漏れを防止する機能も発揮する。
また、図12に示すように、規制ブレード560のゴム部562の長手方向外側には、端部シール574が設けられている。当該端部シール574は、不織布により形成されており、現像ローラ510の軸方向端部に、当該現像ローラ510の周面に沿って接触して、その周面とハウジング540との間からのトナーTの漏れを防止する機能を発揮する。
ホルダー526は、現像ローラ510等の種々の部材を組み付けるための金属製の部材であり、図11に示すように、その長手方向(すなわち、現像ローラ510の軸方向)に沿った上シール支持部526aと、前記長手方向(前記軸方向)において上シール支持部526aの外側に設けられ、前記長手方向(前記軸方向)と交差する現像ローラ支持部526bと、当該現像ローラ支持部と交差し、前記上シール支持部526aの長手方向端部に対向する規制ブレード支持部526cと、を有している。
そして、図12に示すように、上シール520は、その短手方向端部520a(図5)にて、上シール支持部526aによって支持されており、また、現像ローラ510は、その端にて、現像ローラ支持部526bにより支持されている。
さらに、規制ブレード560は、その長手方向両端部564cにて、規制ブレード支持部526cにより、支持されている。規制ブレード560は、規制ブレード支持部526cにネジ止めされることにより、ホルダー526に固定されている。
このように、上シール520と、現像ローラ510と、規制ブレード560とが組付けられたホルダー526は、図13に示すように、ホルダー526とハウジング540との間からのトナーTの漏れを防止するためのハウジングシール546(図5)を介して、前述したハウジング540に取り付けられている。
このように構成されたイエロー現像装置54において、トナー供給ローラ550がトナー収容体530に収容されているトナーTを現像ローラ510に供給する。現像ローラ510に供給されたトナーTは、現像ローラ510の回転に伴って、規制ブレード560の当接位置に至り、該当接位置を通過する際に、層厚が規制されるとともに、負の電荷が付与される(負極性に帯電される)。層厚が規制され、負の電荷が付与された現像ローラ510上のトナーTは、現像ローラ510のさらなる回転によって、感光体20に対向する対向位置(現像位置)に搬送され、該対向位置にて感光体20上に形成された潜像の現像に供される。
ここで、当該潜像の現像について、図14を用いて説明する。前述したとおり、本実施の形態に係るプリンタ10においては、ジャンピング現像方式が用いられる。ジャンピング現像が実行される際には、交番電圧印加部132により、矩形状の交番電圧が現像ローラ510に印加される。この交番電圧は、図14に示すように、第一電圧V1と第二電圧V2とを備えている。
第一電圧V1は、現像ローラ510から感光体20へトナーを向かわせるための電圧であり、その値は−900Vである。本実施の形態においては、図14に示すように、現像の際に、感光体20の電位が、非画像部(白画像に対応する部分)において−500V、画像部(黒画像に対応する部分)において−50Vとなっており、かつ、トナーは負の極性に帯電しているため、現像ローラ510に第一電圧V1が印加される際には、現像ローラ510と感光体20との間に現像ローラ510から感光体20へトナーを向かわせる電界が形成され、現像ローラ510上のトナーが感光体20の方へ移動することとなる。
一方、第二電圧V2は、感光体20から現像ローラ510へトナーを向かわせるための電圧であり、その値は500Vである。現像ローラ510に第二電圧V2が印加される際には、現像ローラ510と感光体20との間に、感光体20から現像ローラ510へトナーを向かわせる電界が形成され、感光体20上のトナーが現像ローラ510へ移動する(引き戻される)こととなる。
そして、図14に示すように、第一電圧V1と第二電圧V2とが交番電圧印加部132により交互に印加されるから、潜像の現像の際に、トナーは、現像ローラ510から感光体20への移動と、感光体20から現像ローラ510への移動(戻り)と、を交互に繰り返すこととなる。
なお、本実施の形態においては、交番電圧印加部132が第一電圧V1を継続して印加している時間と、第二電圧V2を継続している時間は、双方とも、0.15ms(ミリ秒)である(すなわち、duty比率は50%)。したがって、交番電圧の周期の大きさ(この周期の大きさを周期T1とする)は、0.3ms(ミリ秒)である(図14参照)。また、交番電圧印加部132が現像ローラ510に印加する平均電圧は、非画像部の電位(−500V)より大きく、かつ、画像部の電位(−50V)より小さくなっており、その値は−200V(=(−900+500)/2)である。
現像ローラ510の回転によって現像位置を通過した現像ローラ510上のトナーTは、上シール520を通過して、上シール520によって掻き落とされることなく現像装置内に回収される。さらに、未だ現像ローラ510に残存しているトナーTは、前記トナー供給ローラ550によって剥ぎ取られうる。
===放電現象について===
上述したとおり、本実施の形態に係るプリンタ10は、トナーによる前記潜像の現像の際に、現像ローラ510から感光体20へトナーを向かわせるための第一電圧V1と感光体20から現像ローラ510へトナーを向かわせるための第二電圧V2とを備えた交番電圧(現像バイアス)、を現像ローラ510に印加する交番電圧印加部132を備えており、また、現像ローラ510の表面には、規則的に配置された凹部の一例としての溝部512が設けられている。そして、「発明が解決しようとする課題」の項で述べたとおり、このようなプリンタ10においては、前記潜像の現像の際に、感光体20と現像ローラ510との間に、画像形成不良の要因となる放電現象が発生し得る。
本項では、先ず、当該放電現象がどのような状況で発生し得るか、について説明する。そして、本実施の形態に係るプリンタ10は、従来のプリンタと比べて、当該放電現象が発生しにくいものとなっており、引き続いて、この点(すなわち、本実施の形態に係るプリンタ10の有効性)について、詳説する。
<<<放電現象が発生し得る状況>>>
放電現象は、以下に示すときに発生し易くなることが知られている。
1)交番電圧の電圧が切り替わるとき
交番電圧(現像バイアス)の電圧が切り替わるときには、放電現象が発生し易くなる。なお、現像バイアスの切り替わりについては、負の電圧から正の電圧へ切り替わる場合と正の電圧から負の電圧へ切り替わる場合の2通りが存在するが、放電現象は発生し易くなるのは、前者の場合である。本実施の形態に係るプリンタ10においては、現像バイアスが、第一電圧V1(−900V)から第二電圧V2(+500V)へ切り替わるときに、放電現象が発生し易くなる。
2)溝部512と頂面515(凹部と非凹部)との境界部が、感光体20と対向する対向位置に位置するとき
現像ローラ510には規則的に配置された溝部512が設けられているため、潜像の現像の際に、現像ローラ510が回転すると、溝部512が感光体20と対向する対向位置に至ったり、頂面515が当該対向位置に至ったりする(双方を繰り返す)。そして、溝部512と頂面515との境界部(例えば、図9中、記号A、Bで示された部分)が、前記対向位置に至った際に、放電現象が発生し易くなる。
そして、潜像の現像の際に、上記1)2)の状況が、同時に起こる場合がある。例えば、溝部512と頂面515との境界部が、前記対向位置に至った際に、現像バイアスが、第一電圧V1(−900V)から第二電圧V2(+500V)へ切り替わるような場合である。このような場合は、放電現象が顕著に発生し得る状況といえる。
<<<本実施の形態に係るプリンタ10の有効性>>>
本実施の形態に係るプリンタ10においては、前述した現像バイアスの周期の大きさ(周期T1)が、前記溝部512の、前記現像ローラ510の周方向に沿う最小幅Lmin、を現像ローラ510が回転する際の現像ローラ510の表面の移動速さVで割った値よりも大きくなっている(T1>Lmin/V)。そして、溝部512の幅と現像バイアスの周期の大きさとがこのような関係を満たす、本実施の形態に係るプリンタ10においては、放電現象の発生が適切に抑制されることとなる。
以下、当該事項について、図9及び図15を用いて、より詳しく説明する。前述したとおり、本実施の形態に係る現像ローラ510の表面には、周方向に対する傾斜角度が異なる2種類の螺旋状の溝部512が設けられており、当該2種類の螺旋状の溝部512は互いに交差して格子形状をなしている。また、現像ローラ510は前記2種類の螺旋状の溝部512に囲まれた正方形の頂面515を有し、正方形の頂面が有する2本のうちの一本が周方向に沿っている(図9)。そして、このような(図9に示される)現像ローラ510において、溝部512の、現像ローラ510の周方向に沿う幅に関しては、幅L1、幅L2等、幾つも定義されるが、最小幅は、図9に示される幅Lmin(図9における、AB間の距離)となる。なお、幅Lminの値は、約70.71μmである。
また、前述したとおり、現像ローラ510が回転する際の現像ローラ510の表面の移動速さVは、300mm/sである。したがって、前記最小幅Lminを現像ローラ510が回転する際の現像ローラ510の表面の移動速さVで割った値Lmin/Vは、約0.236ms(ミリ秒)となる。そして、図14に示されるように、現像バイアスの周期の大きさ(周期T1)は、0.3msであるから、本実施の形態において、T1>Lmin/Vの関係が満たされている。
次に、このようなT1>Lmin/Vの関係が満たされると、どうして、放電現象の発生が適切に抑制されるか、について、図15を用いて説明する。
溝部512と頂面515との境界部(例えば、図9中、記号A、Bで示された部分)が前記対向位置に至った際に、現像バイアスが第一電圧V1(−900V)から第二電圧V2(+500V)へ切り替わるような場合(換言すれば、前述した1)2)の状況が同時に起こる場合)に、放電現象が顕著に発生し得ることについて、「放電現象が発生し得る状況」の項で説明したが、実際には、このような状況になれば必ず放電現象が発生するということではなく、当該状況において放電現象の発生が回避される場合もある。しかしながら、潜像の現像中に、当該状況において放電現象の発生が回避されたとしても、すぐに(時間間隔をあまり置かずに)同様の状況が生じると、このときに放電現象が高確率で発生してしまう。
ここで、図15に着目する。図15は、本実施の形態に係るプリンタ10の有効性を説明するための説明図であり、上から順番に、二つの図(上図と下図とする)と時間軸とが表されている。
ここで、図15の下図には、前記潜像の現像が実行されているときのある時間tにおいて、感光体20と対向する対向位置に現像ローラ510のどの部分が位置するか、が表されている。例えば、潜像の現像の際に、時間t1で、図9中記号Aで示された部分が前記対向位置に位置するとしたときには、時間t1から約0.236ms(=Lmin/V)後には、現像ローラ510が回転して図9中記号Bで示された部分が前記対向位置に位置することとなる。そして、Lminは最小幅であるから、下図は、前述の1)の状況が生じてから、最短で0.236ms後に、再度1)の状況が生ずること、を表わしている。
一方、現像バイアスの周期の大きさ(0.3ms)は、Lmin/V(0.236ms)より大きいため、例えば、潜像の現像の際に、時間t1で、前述の1)の状況と現像バイアスが第一電圧V1(−900V)から第二電圧V2(+500V)へ切り替わる状況(すなわち、前述の2)の状況)とが同時に起こったとしても(図15の上図と下図を参照)、次に1)の状況が最短で生ずるとき(0.236ms後)には、必ず、2)の状況が生じないこととなる。このように、本実施の形態に係るプリンタ10においては、放電現象が顕著に発生し得る状況(すなわち、前述の1)2)が同時に生ずる状況)が短時間で連続的に生じないようになっており、このことにより、放電現象の発生が適切に抑制されることとなる。
===現像バイアスと帯電バイアスに起因する濃度ムラについて===
「発明が解決しようとする課題」の項で説明したとおり、現像ローラ510には、第一電圧V1と第二電圧V2を備えた交番電圧(現像バイアス)が印加されるが、この現像バイアスに起因して、画像に濃度ムラが発生することが知られている。そして、この濃度ムラは、現像バイアスの周期の大きさ(周期T1)毎に、発生しやすい。同様に、帯電ローラ31には、直流電圧と交流電圧が重畳された重畳電圧(帯電バイアス)が印加されるが、この帯電バイアスの交流電圧の成分に起因して、画像の濃度ムラが発生することが知られている。そして、この濃度ムラは、帯電バイアスの周期の大きさ(周期T2)毎に、発生しやすい。そして、これら二種類の濃度ムラが発生した際に、二種類の濃度ムラの発生位置が重なると濃度ムラが顕著になり、この結果、画像中の濃度ムラが目立ちやすくなる。
この現象について、図16A〜図16Cに示す比較例を用いて、具体的に説明する。図16Aは、現像バイアスに起因する濃度ムラを示した模式図である。図16Bは、帯電バイアスに起因する濃度ムラを示した模式図である。図16Cは、濃度ムラの度合いが強められた状態を示した模式図である。
現像バイアスに起因する濃度ムラは、図16Aに示すように、所定間隔L1毎に発生する。この所定間隔L1は、感光体20の移動速さに現像バイアスの周期T1を乗算した値となっている。同様に、帯電バイアスに起因する濃度ムラは、図16Bに示すように、所定間隔L2毎に発生する。この所定間隔L2は、感光体20の移動速さに帯電バイアスの周期T2を乗算した値となっている。そして、これら二種類の濃度ムラは、独立して発生する。
また、画像の形成の際に、現像バイアスに起因する濃度ムラの最初の発生位置と、帯電バイアスに起因する濃度ムラの最初の発生位置が、重なる場合があり(図16Cの点線で囲んだ領域X1)、二種類の濃度ムラの発生位置が重なると、濃度ムラが顕著となる。かかる際に、例えば、現像バイアスの周期T1が、帯電バイアスの周期T2を自然数分の一した値と同じである場合には、その後に発生する、帯電バイアスに起因する濃度ムラの発生位置と、現像バイアスに起因する濃度ムラの発生位置とが連続して重なりやすくなるため(図16Cにおいて点線で囲んだ領域X2)、所定間隔L2毎に濃度ムラが更に顕著になり、この結果、濃度ムラが目立ってしまう。
これに対し、本実施の形態に係るプリンタ10においては、図3Bと図14に示すように、前述した現像バイアスの周期T1(0.2ms)が、帯電バイアスの周期T2(0.9ms)を自然数倍した値、及び、該周期T2を自然数分の一した値、のいずれとも異なる。すなわち、T1とT2は、T1≠nT2に関係にある(ここで、nは、自然数倍、または、自然数分の一を示す)。かかる場合にも、現像バイアスに起因する濃度ムラの発生位置と、帯電バイアスに起因する濃度ムラの発生位置が重なることがあるが、仮に、二種類の濃度ムラの発生位置が重なっても、上記した比較例の場合とは異なり、その後に発生する、現像バイアスに起因する濃度ムラの発生位置と、帯電バイアスに起因する濃度ムラの発生位置とが、連続して重なることを防止できる。このため、画像中の濃度ムラが目立つことを抑制できる。
このように、現像バイアスの周期T1と帯電バイアスの周期T2とがこのような関係を満たす、本実施の形態に係るプリンタ10においては、画像の濃度ムラが目立つことを抑制することが可能となる。
===現像バイアス及び帯電バイアスの周期の大きさの変更制御について===
上述したようにプリンタ10は媒体に画像を形成可能であるが、この媒体の種類として、例えば、厚紙やOHPシート等の特殊紙と、普通紙とがある。そして、プリンタ10は、媒体の種類に応じて画像が適切に形成されるように、媒体の種類に応じてプリンタのプロセス速度(例えば、感光体20の表面の移動速さや、現像ローラ510の表面の移動速さV等)を変更する。具体的には、プリンタ10は、普通紙に画像を形成する際には、前記プロセス速度を大きくし、特殊紙に画像を形成する際には、前記プロセス速度を小さくする。
そして、本実施形態に係るプリンタ10においては、放電現象の発生を適切に抑制し、かつ、画像の濃度ムラが目立つことを抑制するために、媒体の種類に応じてプリンタのプロセス速度が変更される(この結果、現像ローラ510の表面の移動速さVも変更される)ことに伴い、現像バイアスの周期の大きさと帯電バイアスの周期の大きさを変更する制御が実行される。具体的には、制御ユニット100は、(1)現像バイアスの周期の大きさ(以下、周期T1とする)が、溝部512の、現像ローラ510の周方向に沿う最小幅Lminを、変更後の前記移動速さVで割った値よりも大きくなるように、現像バイアスの周期T1を変更し、(2)帯電バイアスの周期の大きさ(以下、周期T2とする)を自然数倍した値、及び、該周期T2を自然数分の一した値のいずれもが、現像バイアスの、変更後の周期T1と異なるように、該帯電バイアスの周期T2を変更する。
以下においては、図17を用いて、本制御に係るプリンタ10の動作例について説明する。図17は、本制御に係るプリンタ10の動作を説明するためのフローチャートである。
プリンタ10の当該動作が実行されるときの各種動作は、主として、制御ユニット100により実現される。特に、本実施の形態においては、ROMに格納されたプログラムをCPUが処理することにより実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
本制御は、外部装置であるコンピュータから画像信号と制御信号がプリンタ10に入力されると、実行される。この制御信号には、ユーザ等によって選択された媒体の種類(具体的には、「普通紙」と「厚紙」と「OHPシート」のうちのいずれか)に関する情報が含まれている。
まず、制御ユニット100は、制御信号に含まれている媒体の種類が、予め定まっている媒体の種類(ここでは、「普通紙」が予め定まっている媒体の種類とする)と一致するか否かを判断する(ステップS102)。
本実施例においては、制御信号に含まれている媒体の種類が、「厚紙」であることとする。かかる場合には、制御信号に含まれている媒体の種類(「厚紙」)が、予め定まっている媒体の種類(「普通紙」)と一致しないから(ステップS102:No)、制御ユニット100は、プロセス速度(現像ローラ510の移動速さV)を変更する(ステップS104)。
図18は、媒体の種類と、現像ローラ510の移動速さV等の関係を示したテーブルであり、制御ユニット100のROM等に格納されている。このテーブルを見ると分かるように、「普通紙」に画像を形成する際の現像ローラ510の移動速さVは、300mm/sであり、「厚紙」に画像を形成する際の現像ローラ510の移動速さVは、225mm/sであり、「OHPシート」に画像を形成する際の現像ローラ510の移動速さVは、150mm/sである。
本実施例においては「厚紙」に画像が形成されるから、制御ユニット100は、現像ローラ510の移動速さVを、300mm/sから225mm/sに変更する。
現像ローラ510の移動速さVが変更されると、制御ユニット100は、現像バイアスの周期T1と、帯電バイアスの周期T2を変更する(ステップS106、S108)。
図18に示すテーブルには、媒体の種類と、現像バイアスの周期T1及び帯電バイアスの周期T2と、の関係が示されている。例えば、現像ローラ510の移動速さVが225mm/sである場合には、現像バイアスの周期T1が0.3msであり、帯電バイアスの周期T2が1.0msである。そして、テーブルを見ると分かるように、現像ローラ510の移動速さVが小さくなる程、現像バイアスの周期T1と帯電バイアスの周期T2が、大きくなっている。
本実施例においては、現像ローラ510の移動速さVが、300mm/sから225mm/sに変更されている。このため、制御ユニット100は、現像ローラ510の移動速さVの変更に伴い、現像バイアスの周期T1を0.3msから0.4msに変更し、帯電バイアスの周期T2を1.0msから1.1msに変更する。
ところで、上述したように、現像ローラ510の移動速さVが300mm/sである場合には、現像バイアスの周期T1(0.3ms)と帯電バイアスの周期T2(1.0ms)が、二つの式(すなわち、T1>Lmin/V、かつ、T1≠nT2)が成り立つ関係となっている。そして、この二つの式が、現像ローラ510の移動速さVが225mm/sである場合と、前記移動速さが150mm/sである場合にも成り立つように、現像バイアスの周期T1と帯電バイアスの周期T2が、設定されている。このため、媒体の種類に応じて現像ローラ510の移動速さVが変更されても(例えば、300mm/sから225mm/sに変更されても)、現像バイアスの周期T1(0.4ms)と帯電バイアスの周期T2(1.1ms)が、上述した二つの式(すなわち、T1>Lmin/V、かつ、T1≠nT2)が成り立つように変更されるから、放電現象の発生を適切に抑制し、かつ、画像の濃度ムラが目立つことを抑制することが可能となる。
図17に示すフローチャートに戻って、本制御に係るプリンタ10の動作の説明を続ける。
制御ユニット100は、帯電ローラ31に帯電バイアスを印加させて、感光体20を帯電する(ステップS110)。本実施例においては、重畳電圧印加部133が、ステップS108にて周期T2が1.1msに変更された帯電バイアスを、回転中の帯電ローラ31に印加することにより、感光体20が帯電される。
次に、制御ユニット100は、現像ローラ510に現像バイアスを印加させて、感光体20上の潜像を現像する(ステップS112)。本実施例においては、交番電圧印加部132が、ステップS106にて周期T1が0.4msに変更された現像バイアスを、回転中の現像ローラ510に印加することにより、潜像が現像される。
上記では、制御ユニット100が現像ローラ510の移動速さVを変更したが、制御信号に含まれている媒体の種類が、予め定まっている媒体の種類(「普通紙」)と一致する場合には(ステップS102:Yes)、制御ユニット100は現像ローラ510の移動速さVを変更しない。そして、かかる場合には、制御ユニット100は、現像バイアスの周期T1と帯電バイアスの周期T2も変更しない。すなわち、現像ローラ510の移動速さVは300mm/sであり、現像バイアスの周期T1は0.3msであり、帯電バイアスの周期T2は1.0msである。そして、重畳電圧印加部133が、周期T2が1.0msである帯電バイアスを印加することにより、帯電ローラ31が帯電され(ステップS110)、交番電圧印加部132が、周期T1が0.3msである現像バイアスを印加することにより、潜像が現像される(ステップS112)。
かかる際にも、上述した二つの式(すなわち、T1>Lmin/V、かつ、T1≠nT2)が成り立つから、放電現象の発生を適切に抑制し、かつ、画像の濃度ムラが目立つことを抑制することが可能となる。
===現像装置の製造方法===
ここでは、現像装置の製造方法について、図19A乃至図21を用いて説明する。図19A乃至図19Eは、現像ローラ510の製造工程における、現像ローラ510の変遷を示した模式図である。図20は、現像ローラ510の転造加工を説明するための説明図である。図21は、イエロー現像装置54の組み立て方法を説明するためのフローチャートである。なお、現像装置を製造する際には、前述したハウジング540、ホルダー526、現像ローラ510、トナー供給ローラ550、規制ブレード560等がそれぞれ製造された後に、これらの部材を用いて現像装置の組み立てが実施される。本項では、これらの部材の製造方法のうち現像ローラ510の製造方法について先ず説明し、その後、現像装置の組み立て方法について説明する。なお、以下では、ブラック現像装置51、マゼンタ現像装置52、シアン現像装置53、及び、イエロー現像装置54のうち、イエロー現像装置54を例に挙げて、説明する。
<<<現像ローラ510の製造方法について>>>
ここでは、現像ローラ510の製造方法について、図19A乃至図20を用いて説明する。
先ず、図19Aに示すように、現像ローラ510の基材としてのパイプ材600を準備する。当該パイプ材600の肉厚は0.5〜3mmである。次に、図19Bに示すように、当該パイプ材600の長手方向両端部にフランジ圧入部602を作る。当該フランジ圧入部602は、切削加工により作られる。次に、図19Cに示すように、当該フランジ圧入部602にフランジ604を圧入する。フランジ604のパイプ材600への固定を確実にするために、フランジ604の圧入後、フランジ604をパイプ材600へ接着又は溶接するようにしてもよい。次に、図19Dに示すように、フランジ604が圧入されたパイプ材600の表面にセンタレス研磨を施す。当該センタレス研磨は、当該表面の全面に亘って実施され、センタレス研磨後の当該表面の十点平均粗さRzは、1.0μm以下となる。次に、図19Eに示すように、フランジ604が圧入されたパイプ材600に、転造加工を施す。本実施の形態においては、2つの丸ダイス650、652を用いた所謂スルーフィード転造(歩み転造、通し転造とも呼ばれている)加工が実施される。
すなわち、図20に示すように、ワークとしての前記パイプ材600を挟むように配置された二つの丸ダイス650、652、を当該パイプ材600に所定の圧力(当該圧力の方向を、図20中記号Pで示す)で押し付けた状態で、当該二つの丸ダイス650、652を同方向(図20参照)に回転させる。スルーフィード転造においては、丸ダイス650、652が回転することにより、パイプ材600が丸ダイス650、652の回転方向とは逆方向(図20参照)に回転しながら、図20中記号Hで示した方向に移動する。丸ダイス650、652の表面には、溝680を形成するための凸部650a、652aが備えられており、当該凸部650a、652aがパイプ材600を変形させることにより、パイプ材600に溝680が形成される。
そして、転造加工の終了後に、前記中央部510aの表面にメッキを施す。本実施の形態においては、当該メッキとして無電解Ni−Pメッキを用いるが、これに限定されるものではなく、例えば、硬質クロームメッキや電気メッキを用いてもよい。
<<<イエロー現像装置54の組み立て方法について>>>
次に、イエロー現像装置54の組み立て方法について、図21を用いて説明する。
先ず、前述したハウジング540、ホルダー526、現像ローラ510、規制ブレード560等を準備する(ステップS2)。次に、規制ブレード560をホルダー526の規制ブレード支持部526cにネジ止めすることにより、規制ブレード560をホルダー526に固定する(ステップS4)。なお、前述した端部シール574については、当該ステップS4の前に、予め規制ブレード560に取り付けておく。
次に、規制ブレード560が固定されたホルダー526に、現像ローラ510を取り付ける(ステップS6)。かかる際に、規制ブレード560が現像ローラ510の軸方向一端部から他端部に亘って当接するように、現像ローラ510をホルダー526に取り付ける。なお、前述した上シール520については、当該ステップS6の前に、予めホルダー526に取り付けておく。
そして、現像ローラ510、規制ブレード560等が取り付けられたホルダー526を、ハウジングシール546を介して、ハウジング540に取り付ける(ステップS8)ことにより、イエロー現像装置54の組み立てが完了する。なお、前述したトナー供給ローラ550については、当該ステップS8の前に、予めハウジング540に取り付けておく。
===その他の実施の形態===
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係る画像形成装置等を説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
上記実施の形態においては、画像形成装置として中間転写型のフルカラーレーザビームプリンタを例にとって説明したが、本発明は、中間転写型以外のフルカラーレーザビームプリンタ、モノクロレーザビームプリンタ、複写機、ファクシミリなど、各種の画像形成装置に適用可能である。
また、感光体についても、円筒状の導電性基材の外周面に感光層を設けて構成した、いわゆる感光ローラに限られず、ベルト状の導電性基材の表面に感光層を設けて構成した、いわゆる感光ベルトであってもよい。
また、上記実施の形態において、図3Aに示すように、前記帯電部材は、回転可能な帯電ローラ31であり、該帯電ローラ31は、感光体20に空隙を介して対向する(すなわち、帯電ローラ31は、感光体20に非接触状態で該感光体20を帯電する)こととしたが、これに限定されるものではない。例えば、帯電ローラ31は、感光体20に接触状態で該感光体20を帯電することとしてもよい。
ただし、帯電ローラ31が感光体20に非接触する、いわゆる非接触帯電の場合には、帯電による濃度ムラが生じやすいことが知られている。このため、現像バイアスの周期T1と帯電バイアスの周期T2が、T1≠nT2の関係を満たす、上記実施の形態の係るプリンタ10による効果、すなわち、画像の濃度ムラが目立つことを抑制できる効果が、より有効に奏される点で、上記実施の形態の方がより望ましい。
また、上記実施の形態において、図19に示すように、画像を形成可能な媒体の種類は、普通紙と厚紙であり、前記普通紙に画像を形成する際には、現像ローラ510の表面の移動速さVを大きくし(300mm/s)、前記厚紙に画像を形成する際には、現像ローラ510の表面の移動速さVを小さくする(150mm/s)こととしたが、これに限定されるものではない。例えば、プリンタ10が設置された環境に応じて、現像ローラ510の移動速さVを変更することとしてもよい。
媒体の種類に応じて現像ローラ510の移動速さVを変更する際には、媒体に応じて画像を形成するために、その変更の度合いが大きくなる傾向にある。このため、現像ローラ510の移動速さVに応じて、現像バイアスの周期T1と帯電バイアスの周期T2を変更することによって、上述した二つの式(すなわち、T1>Lmin/V、かつ、T1≠nT2)を確実に成り立たせることができる。そして、この結果、媒体の種類が変更されても、放電現象の発生を適切に抑制し、かつ、画像の濃度ムラが目立つことを抑制できる点で、上記実施の形態の方がより望ましい。
また、上記実施の形態において、凹部は、現像ローラ510の周方向に対する傾斜角度が異なる2種類の螺旋状の溝部512、であり、該2種類の螺旋状の溝部512は、互いに交差して格子形状をなしていることとしたが、これに限定されるものではない。
例えば、凹部は、溝状のものでなくてもよい。また、凹部が、溝部である場合に、溝部は螺旋状でなくてもよい。また、凹部として、1種類の溝部のみが設けられていてもよい。
また、上記実施の形態において、現像ローラ510は、前記2種類の螺旋状の溝部512に囲まれた菱形の頂面515、を有し、該菱形の頂面515が有する2本の対角線のうちの一方が前記周方向に沿っていることとしたが、これに限定されるものではない。
例えば、図22Aに示すように、菱形の頂面が有する2本の対角線の双方が、前記周方向に沿っていないこととしてもよい。
また、上記実施の形態において、現像ローラ510は、前記2種類の螺旋状の溝部512に囲まれた正方形の頂面515、を有することとしたが、これに限定されるものではない。
例えば、図22Bに示すように、頂面は、正方形でない菱形、であってもよい。また、頂面は、菱形でもなく、例えば、図22Cに示すように、円形であってもよい。なお、図22A乃至図22Cは、現像ローラ510の表面形状についてのバリエーションを示した図である(また、各図には、参考情報として、前述した最小幅Lminを示している)。
また、上記実施の形態においては、溝部512が、底面513と側面514とを備えており、側面514の傾斜角度は、約45度である(図8参照)こととしたが、これに限定されるものではなく、例えば、側面514の傾斜角度が、約90度であることとしてもよい。
また、上記実施の形態において、交番電圧印加部132が現像ローラ510に印加する電圧は、第一電圧V1及び第二電圧V2のみであり、交番電圧印加部132は、第一電圧V1と第二電圧V2とを交互に印加することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、交番電圧印加部132が、図23Aに示すような交番電圧を印加することとしてもよい。
また、上記実施の形態においては、交番電圧のduty比率を50%としたが、これに限定されるものではなく、図23Bに示すような交番電圧であってもよい。
なお、図23A及び図23Bは、交番電圧についてのバリエーションを示した図である(また、各図には、参考情報として、前述した周期の大きさT1を示している)。
===画像形成システム等の構成===
次に、本発明に係る実施の形態の一例である『画像形成システム』の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図24は、画像形成システムの外観構成を示した説明図である。画像形成システム700は、コンピュータ702と、表示装置704と、プリンタ706と、入力装置708と、読取装置710とを備えている。コンピュータ702は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。表示装置704は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。プリンタ706は、上記に説明されたプリンタが用いられている。入力装置708は、本実施形態ではキーボード708Aとマウス708Bが用いられているが、これに限られるものではない。読取装置710は、本実施形態ではフレキシブルディスクドライブ装置710AとCD−ROMドライブ装置710Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magneto Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
図25は、図24に示した画像形成システムの構成を示すブロック図である。コンピュータ702が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ802と、ハードディスクドライブユニット804等の外部メモリがさらに設けられている。
なお、以上の説明においては、プリンタ706が、コンピュータ702、表示装置704、入力装置708、及び、読取装置710と接続されて画像形成システムを構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、画像形成システムが、コンピュータ702とプリンタ706から構成されても良く、画像形成システムが表示装置704、入力装置708及び読取装置710のいずれかを備えていなくても良い。
また、例えば、プリンタ706が、コンピュータ702、表示装置704、入力装置708、及び、読取装置710のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、プリンタ706が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
このようにして実現された画像形成システムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
プリンタ10を構成する主要構成要素を示した図である。 図1のプリンタ10の制御ユニットを示すブロック図である。 図3Aは、感光体20と帯電ユニット30を示した模式図である。図3Bは、帯電ローラ31に印加される帯電バイアスを示した模式図である。 現像装置の概念図である。 現像装置の主要構成要素を示した断面図である。 現像ローラ510の斜視模式図である。 現像ローラ510の正面模式図である。 溝部512の断面形状を示した模式図である。 図7の拡大模式図である。 規制ブレード560の斜視図である。 ホルダー526の斜視図である。 ホルダー526に、上シール520、規制ブレード560、及び、現像ローラ510が組み付けられている様子を示した斜視図である。 ホルダー526が、ハウジング540に取付けられている様子を示した斜視図である。 現像ローラ510に印加される現像バイアスを示した模式図である。 本実施の形態に係るプリンタ10の優位性を説明するための説明図である。 図16Aは、現像バイアスに起因する濃度ムラを示した模式図である。図16Bは、帯電バイアスに起因する濃度ムラを示した模式図である。図16Cは、濃度ムラの度合いが強められた状態を示した模式図である。 本制御に係るプリンタ10の動作を説明するためのフローチャートである。 媒体の種類と、現像ローラ510の移動速さV等の関係を示したテーブルである。 図19A乃至図19Cは、現像ローラ510の製造工程における、現像ローラ510の変遷を示した模式図である。 現像ローラ510の転造加工を説明するための説明図である。 イエロー現像装置54の組み立て方法を説明するためのフローチャートである。 図22A乃至図22Cは、現像ローラ510の表面形状についてのバリエーションを示した図である 図23A及び図23Bは、現像バイアスについてのバリエーションを示した図である。 画像形成システムの外観構成を示した説明図である。 図24に示した画像形成システムの構成を示すブロック図である。
符号の説明
10 プリンタ、20 感光体、30 帯電ユニット、31 帯電ローラ、
32 テープ、33 軸受け、34 バネ、35 クリーニングローラ、
40 露光ユニット、50 YMCK現像ユニット、50a 中心軸、
51 ブラック現像装置、52 マゼンタ現像装置、53 シアン現像装置、
54 イエロー現像装置、55a、55b、55c、55d 保持部、
60 一次転写ユニット、70 中間転写体、75 クリーニングユニット、
76 クリーニングブレード、80 二次転写ユニット、90 定着ユニット、
92 給紙トレイ、94 給紙ローラ、95 表示ユニット、96 レジローラ、
100 制御ユニット、101 メインコントローラ、
102 ユニットコントローラ、112 インターフェイス、
113 画像メモリ、128 YMCK現像ユニット駆動制御回路、
129 帯電ユニット駆動制御回路、132 交番電圧印加部、
133 重畳電圧印加部、
510 現像ローラ、510a 中央部、510b 軸部、
512 溝部、512a 第一溝部、512b 第二溝部、513 底面、
514 側面、515 頂面、520 上シール、520a 短手方向端部、
520b 当接面、520c 反対面、524 上シール付勢部材、
526 ホルダー、526a 上シール支持部、526b 現像ローラ支持部、
526c 規制ブレード支持部、530 トナー収容体、
530a 第一トナー収容部、530b 第二トナー収容部、540 ハウジング、
542 上ハウジング部、544 下ハウジング部、545 仕切り壁、
546 ハウジングシール、550 トナー供給ローラ、560 規制ブレード、
560a 先端、562 ゴム部、562a 当接部、564 ゴム支持部、
564a 薄板、564b 薄板支持部、564c 長手方向両端部、
564d 短手方向一端部、564e 短手方向他端部、572 開口、
574 端部シール、576 軸受け、600 パイプ材、
602 フランジ圧入部、604 フランジ、650 丸ダイス、650a 凸部、
652 丸ダイス、652a 凸部、680 溝、700 画像形成システム、
702 コンピュータ、704 表示装置、706 プリンタ、708 入力装置、
708A キーボード、708B マウス、710 読取装置、
710A フレキシブルディスクドライブ装置、
710B CD−ROMドライブ装置、
802 内部メモリ、804 ハードディスクドライブユニット、
T トナー

Claims (4)

  1. 潜像を担持するための像担持体と、
    規則的に配置された凸部を表面に有し、現像剤を担持した状態で回転することにより該現像剤を前記像担持体と対向する対向位置に搬送するための現像剤担持体と、
    前記対向位置に搬送された前記現像剤による前記潜像の現像のために、前記現像剤担持
    体から前記像担持体へ現像剤を向かわせるための第一電圧と前記像担持体から前記現像剤
    担持体へ現像剤を向かわせるための第二電圧とを備えた交番電圧、を前記現像剤担持体に
    印加する交番電圧印加部と、
    前記像担持体に対向し、該像担持体を帯電するための帯電部材と、
    直流電圧と交流電圧とが重畳された重畳電圧、を前記帯電部材に印加する重畳電圧印加
    部と、
    を有する画像形成装置であって、
    前記交番電圧の周期の大きさは、
    前記現像剤担持体と前記潜像担持体との当該現像担持体の軸方向において存在するすべての前記凸部の頂面うち、一の凸部の頂面と当該一の凸部の頂面に対して前記軸方向に垂直に沿った方向に最も隣接して存在する他の凸部の頂面における、前記現像剤担持体の軸方向に垂直に沿った方向に垂直に沿う最小幅、を前記現像剤担持体が回転する際の該現像剤担持体の表面の移動速さで割った値よりも大きく、かつ、
    前記重畳電圧の周期の大きさを自然数倍した値、及び、該周期の大きさを自然数分の一
    した値、のいずれとも異なることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置であって、
    前記帯電部材は、回転可能な帯電ローラであり、
    該帯電ローラは、前記像担持体に空隙を介して対向することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の画像形成装置であって、
    前記像担持体は、回転可能であり、
    前記交番電圧印加部は、前記第一電圧と前記第二電圧とを交互に所定期間印加し、
    前記像担持体の、前記重畳電圧印加部が前記重畳電圧の印加を開始したときに前記帯電
    部材によって帯電される帯電位置に位置する部分が、前記像担持体の回転に伴い、前記対
    向位置に搬送された現像剤によって現像される現像位置に位置したときに、
    前記交番電圧印加部が、前記現像剤担持体に前記第一電圧または前記第二電圧を印加し
    始めることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置であって、
    前記凹部は、前記周方向に対する傾斜角度が異なる2種類の螺旋状の溝部、であり、該
    2種類の螺旋状の溝部は、互いに交差して格子形状をなしており、
    前記現像剤担持体は、前記2種類の螺旋状の溝部に囲まれた正方形の頂面、を有し、
    該正方形の頂面が有する2本の対角線のうちの一方が前記周方向に沿っていることを特
    徴とする画像形成装置。
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