JP4651992B2 - 電子書籍表示装置 - Google Patents
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さらに、表示品質についても、視野角が狭い上、コントラストも本来の書籍と遜色のないレベルに達していないのは勿論である。
該表示部は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間の密閉された空間に、画像表示媒体を封入し、画像表示媒体に電界を与えて画像表示媒体を移動させて画像を形成する表示板からなり、
前記表示部制御手段は、画像表示媒体に与える電界の分布を変化させることにより表示部に表示する情報を制御するとともに、前記入力部からの命令が所定時間なかった場合、前記電界分布を反転させたあと、この電界分布を均一にする処理を行うよう構成されてなる電子書籍表示装置。
前記表示部制御手段は、前記導線のそれぞれの電圧を二値的に制御することにより前記電界分布を変化させるよう構成されてなる電子書籍表示装置である。
本発明で用いる表示板は、対向する2枚の基板間に封入した2種類の、互いに帯電特性の異なる画像表示媒体(粒子群または粉流体)に電界を付与することによって情報を形成する。すなわち、付与された電界方向にそって、高電位側に向かっては低電位に帯電した画像表示媒体が電界の力やクーロン力などによって引き寄せられ、また、低電位側に向かっては高電位に帯電した画像表示媒体が電界の力やクーロン力などによって引き寄せられ、それら画像表示媒体が電位の切替えによる電界方向の変化によって往復運動することにより、画像表示がなされる。従って、画像表示媒体が、均一に移動し、かつ繰り返し時あるいは保存時の安定性を維持できるように、表示板を設計する必要がある。ここで、画像表示媒体とする粒子または粉流体にかかる力は、粒子同士または粉流体同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電気影像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
図3(a)および(b)に示す例では、基板10および20間の密閉された空間に気体、例えば乾燥空気を分散媒として封入した、少なくとも1種以上の粒子から構成される、2種以上の色の異なる画像表示媒体30(ここでは白色粒子30Wと黒色粒子30Bを示す)を、基板10および20の外部から加えられる電界に応じて、基板10および20と垂直方向に移動させ、黒色粒子30Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うかあるいは、白色粒子30Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図3(b)に示す例では、図3(a)に示す例に加えて、基板10と20との間に例えば格子状に隔壁40を設け表示セルを画成している。
以上の説明は、白色粒子30Wを白色粉流体に、黒色粒子30Bを黒色粉流体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することが出来る。
基板については、少なくとも一方の基板はパネル外側から画像表示媒体の色が確認できる透明な基板20であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。基板10は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリルなどのポリマーシートや、金属シートのように可とう性のあるもの、および、ガラス、石英などの可とう性のない無機シートが挙げられる。基板の厚みは、2〜5000μmが好ましく、さらに5〜2000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、5000μmより厚いと、薄型の画像表示板とする場合に不都合がある。
本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性(光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じく、流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされている(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
本発明に例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の画像表示装置では、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で用いられる。
V10/V5>0.8
ここで、V5は最大浮遊時から5分後の見かけ体積(cm3)、V10は最大浮遊時から10分後の見かけ体積(cm3)を示す。なお、本発明の画像表示装置は、粉流体の見かけ体積の時間変化V10/V5が0.85よりも大きいものが好ましく、0.9よりも大きいものが特に好ましい。V10/V5が0.8以下の場合は、通常のいわゆる粒子を用いた場合と同様となり、本発明のような高速応答、耐久性の効果が確保できなくなる。
粒子径分布Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
ここで、d(0.5)は粉流体を構成する粒子物質の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粉流体を構成する粒子物質の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粉流体を構成する粒子物質が90%である粒子径をμmで表した数値である。粉流体を構成する粒子物質の粒子径分布Spanを5以下とすることにより、サイズが揃い、均一な粉流体移動が可能となる。
着色剤の例としては、塩基性、酸性などの染料が挙げられ、ニグロシン、メチレンブルー、キノリンイエロー、ローズベンガルなどが例示される。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
溶剤不溶率(%)=(B/A)×100
(但し、Aは樹脂の溶剤浸漬前重量、Bは良溶媒中に樹脂を25℃で24時間浸漬した後の重量を示す)
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組合せて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
この空隙部分とは、図4(a)、(b)および図5(a)、(b)において、対向する基板10、基板20に挟まれる部分から、電極50、60、画像表示媒体(粒子群あるいは粉流体30)の占有部分、隔壁40の占有部分(隔壁を設けた場合)、パネルシール部分を除いた、いわゆる画像表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように装置に封入することが必要であり、例えば、画像表示媒体の充填、パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
対向する基板間の空間における画像表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には画像表示媒体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
2 表示部
3 筐体
4 入力部
5メモリカード挿入スロット
6 表示部制御手段
7 記憶媒体
8 メモリ
10、20 基板
30 画像表示媒体(粒子群または粉流体)
30W 白色粒子(白色粉流体)
30B 黒色粒子(黒色粉流体)
40 隔壁
50、60 電極
70 単純マトリックス電極
70A、70B 面状電極
71、72 導線
73 画素
Claims (6)
- 記憶媒体からの情報を表示する表示部と、表示部を操作する命令を入力する入力部と、入力部からの命令に基づいて表示部に表示する情報を制御する表示部制御手段とを具えた電子書籍表示装置であって、
該表示部は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間の密閉された空間に、画像表示媒体を封入し、画像表示媒体に電界を与えて画像表示媒体を移動させて画像を形成する表示板からなり、
前記表示部制御手段は、画像表示媒体に与える電界の分布を変化させることにより表示部に表示する情報を制御するとともに、前記入力部からの命令が所定時間なかった場合、前記電界分布を反転させたあと、この電界分布を均一にする処理を行うよう構成されてなる電子書籍表示装置。 - 前記、2枚の基板間の密閉された空間に、画像表示媒体を分散させる分散媒として気体を封入するとともに、前記画像表示媒体を、粒子群または粉流体で構成してなる請求項1に記載の電子書籍表示装置。
- 前記表示部制御手段は、メモリ部を有し、前記、電界分布を反転する処理を行うに際し、反転する処理の直前に表示されていた画像情報、もしくは、この画像情報を識別する識別符号を前記メモリ部に格納するとともに、入力部からの命令に基づいて、メモリ部から前記画像情報もしくは識別符号を読み出し、反転する処理の直前に表示されていた画像情報を表示する処理を行うよう構成されてなる請求項1もしくは2に記載の電子書籍表示装置。
- 前記表示部制御手段は、前記入力部からの命令がなかった場合、反転処理を行う旨の予告を前記表示部に表示する処理を、前記電界分布を反転する処理を行うこととなる時刻より前に行うよう構成されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の電子書籍表示装置。
- 前記表示板には、前記画像表示媒体に電界を与える単純マトリックス電極が配置され、単純マトリックス電極は、前記基板と平行に配置された一対の面状電極よりなり、各面状電極は互いに平行な複数の導線より構成され、異なる面状電極の導線は相互に交差する方向に向けられてなり、
前記表示部制御手段は、前記導線のそれぞれの電圧を二値的に制御することにより前記電界分布を変化させるよう構成されてなる請求項1〜4のいずれかに記載の電子書籍表示装置。 - 電子書籍情報の所望の箇所を検索できるよう構成されてなる請求項1〜5のいずれかに記載の電子書籍表示装置。
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