JP4651992B2 - 電子書籍表示装置 - Google Patents

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本発明は、内蔵した半導体記憶装置や、いわゆるPCカード、メモリカード、CD−ROM等の光記憶ディスク並びにMO等の磁気記憶ディスクなどの外部記憶媒体に記録された情報、特に文字情報を表示する表示部を有する電子書籍表示装置に関するものである。
ここで、電子書籍とは書籍などに含まれる文字や図形の情報をデジタルデータ化したものの総称であり、小説や辞書などの書籍をCD−ROM等の記録媒体に記録したものが普及しているが、近年のインターネットの普及を始めとする、情報通信形態の格段の進歩に連れて、様々な形態での電子化した書籍情報が従来の書籍に替わる情報媒体として流通し始めている。
かような電子書籍の利用方法としては、該電子書籍に記録してある情報を、パーソナルコンピューターや専用の表示装置を用いて表示、閲覧するのが一般的である。書籍としての携帯性を考慮した際、多機能のパーソナルコンピューターよりも特化された専用の表示装置が有利であり、そのための装置が種々提案されている。
すなわち、表示装置として透過型の液晶パネルは、バックライトが必要であり携帯性が重要である電子書籍表示装置には不適当であるため、従来の電子書籍用表示装置のほとんどがその表示部に反射型液晶表示装置を使用している。しかし、この反射型液晶表示装置では光シャッターとなる液晶層と反射板との間に液晶セルのガラス基板が存在するため、液晶による実像と反射板による虚像との間に視差が生じてしまい、表示画像に影が発生し、さらに液晶表示装置特有の視角特性があり、表示画面とユーザーの視線の成す角度によって表示コントラストが大きく変化してしまうという不具合がある。かような背景から、特許文献1では、ポリマーフィルムを使用した表示品質に優れた液晶を使用した電子書籍用の表示装置が提案されている。
特開2001−92383号公報
ところで、電子書籍用の表示装置には、本来の書籍に対する違和感を極力抑えるために、形状や重量を本来の書籍に近付けること、すなわち厚みが薄くかつ重量が軽いことが要求され、さらに消費電力が小さいこと、表示品質にすぐれることも求められている。しかしながら、液晶パネルは電極を設けたガラス基板を対向させ、これら2枚の基板間に液晶を保持しているため、厚さを薄くするには限界があり、しかもメモリ性がないことから、情報を表示し続けるためには常時電力を供給する必要がある。従って、電子書籍用の表示装置として必要とされる、厚みが薄くかつ重量が軽いこと及び、消費電力が小さいことに対する要求には、十分に答えることができない。
さらに、表示品質についても、視野角が狭い上、コントラストも本来の書籍と遜色のないレベルに達していないのは勿論である。
ここに、液晶に代わる画像表示装置として、電気泳動方式等の、2枚の基板間の密閉された空間に、画像表示媒体を封入し、画像表示媒体に電界を与えて画像表示媒体を移動させて画像を形成するものが提案されており、この従来技術は、液晶と比較すると、通常の印刷物に近い広い視野角が得られること、消費電力が小さいこと、メモリ機能を有していること等のメリットがあることから、電子書籍用の表示装置に適している。最近では、分散粒子と着色溶液から成る分散液をマイクロカプセル化し、これを対向する基板間に配置して成る電気泳動方式が提案され、電子書籍用の表示装置として製品化されている。
しかしながら、画像表示媒体に電界を与えて移動させ画像を形成する画像表示装置は、長時間同じ画像を表示させたとき、その画像のコントラストの一部が残像化し、その後に表示する画像にこの残像が現れてしまう現象を発生させる可能性があり、そのための対策が求められていた。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、2枚の基板間の密閉された空間に、画像表示媒体を封入し、画像表示媒体に電界を与えて画像表示媒体を移動させて画像を形成する画像表示方式が抱えている、長時間同じ画像を表示した場合に発生する可能性のある前記残像化現象を抑えることのできる電子書籍表示装置を提供することを目的とする。
<1>は、記憶媒体からの情報を表示する表示部と、表示部を操作する命令を入力する入力部と、入力部からの命令に基づいて表示部に表示する情報を制御する表示部制御手段とを具えた電子書籍表示装置であって、
該表示部は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間の密閉された空間に、画像表示媒体を封入し、画像表示媒体に電界を与えて画像表示媒体を移動させて画像を形成する表示板からなり、
前記表示部制御手段は、画像表示媒体に与える電界の分布を変化させることにより表示部に表示する情報を制御するとともに、前記入力部からの命令が所定時間なかった場合、前記電界分布を反転させたあと、この電界分布を均一にする処理を行うよう構成されてなる電子書籍表示装置。
<2>は、<1>において、前記、2枚の基板間の密閉された空間に、画像表示媒体を分散させる分散媒として気体を封入するとともに、前記画像表示媒体を、粒子群または粉流体で構成してなる電子書籍表示装置。
<3>は、<1>もしくは<2>において、前記表示部制御手段は、メモリ部を有し、前記、電界分布を反転する処理を行うに際し、反転する処理の直前に表示されていた画像情報、もしくは、この画像情報を識別する識別符号を前記メモリ部に格納するとともに、入力部からの命令に基づいて、メモリ部から前記画像情報もしくは識別符号を読み出し、反転する処理の直前に表示されていた画像情報を表示する処理を行うよう構成されてなる電子書籍表示装置である。
<4>は、<1>〜<3>のいずれかにおいて、前記表示部制御手段は、前記入力部からの命令がなかった場合、反転処理を行う旨の予告を前記表示部に表示する処理を、前記電界分布を反転する処理を行うこととなる時刻より前に行うよう構成されてなる電子書籍表示装置である。
<5>は、<1>〜<4>のいずれかにおいて、前記表示板には、前記画像表示媒体に電界を与える単純マトリックス電極が配置され、単純マトリックス電極は、前記基板と平行に配置された一対の面状電極よりなり、各面状電極は互いに平行な複数の導線より構成され、異なる面状電極の導線は相互に交差する方向に向けられてなり、
前記表示部制御手段は、前記導線のそれぞれの電圧を二値的に制御することにより前記電界分布を変化させるよう構成されてなる電子書籍表示装置である。
<6>は、<1>〜<5>のいずれかにおいて、電子書籍情報の所望の箇所を検索できるよう構成されてなる電子書籍表示装置である。ここで、電子書籍情報の所望の箇所を検索できる検索機能を有する電子書籍表示装置の例としては、電子辞書や電子事典等の中にリストされている言葉を検索して、その意味や解説を表示する表示装置がある。
<1>によれば、表示部制御手段は、前記入力部からの命令が所定時間なかった場合、画像表示媒体に与える電界の分布を反転させたあと、この電界分布を均一にする処理を行うよう構成されているので、後述するように、この表示部に同じ画像を長期間表示し続けた場合、その画像のコントラストのパターンが、その後に表示される画像にオーバーレイされた残像の形で残ってしまう現象を生じる可能性があるところ、この問題を解消することができる。
この残像現象の発生を防止するための方策は、コントラストのある画像部分を長時間表示しないことであり、そのためには、第一に、コントラストのある画像が所定時間以上、変化せずに表示され続けた場合、現在表示されている、例えば白黒のパターンを一旦反転させる、反転表示を強制的に行うことが有効であり、第二に、やむを得ず同じ画面を長期間表示する場合、例えば、電源を切った状態にしておく場合には、コントラストのない画像、すなわち全面一色の、いわゆるベタ画像の状態で放置することが必要である。ベタ画像は、これを長時間表示しても基板に付着した画像表示媒体に働く外力に差が生じることはなく、そのため、これを長時間表示し続けても残像化しないからである。
なお、詳細を後述するが、本発明に係る表示板において、電界分布を反転させることにより、反転画像を形成することができ、また、電界分布を均一にすることにより、ベタ画像を得ることができる。
<2>によれば、2枚の基板間の密閉された空間に、画像表示媒体を分散させる分散媒として気体を封入したので、応答が速くかつコントラスト比の高い表示が可能であり、しかも単純な構造で消費電力も少ないから、安価かつ安定性に優れる電子書籍表示装置を提供することができる。
したがって、本発明は、従来から知られている電気泳動方式が抱えている、液中を粒子が泳動するために液の粘性抵抗により応答速度が遅くなるという問題や、さらに、低比重の溶液中に酸化チタン等の高比重の粒子を分散させているため沈降しやすくなっており、分散状態の安定性維持が難しく、情報を繰り返して表示する際の安定性に欠けるという問題を解決することができる。
<3>によれば、表示部制御手段は、電界分布を反転する処理を行うに際し、反転する処理の直前に表示されていた画像情報、もしくは、この画像情報を識別する識別符号を前記メモリ部に格納するとともに、入力部からの命令に基づいて、メモリ部から前記画像情報もしくは識別符号を読み出し、反転する処理の直前に表示されていた画像情報を表示する処理を行うので、例えば、使用者が、読書等において、電子書籍表示装置の使用を中断したあと、再び、これを使用し始める際、簡単に、中断前の状態から使用を再開することができ、電子書籍表示装置を使いやすいものとすることができる。
<4>によれば、前記表示部制御手段は、前記入力部からの命令がなかった場合、反転処理を行う旨の予告を前記表示部に表示する処理を行うよう構成されているので、表示部に反転画像や、ベタ画像が現れても、使用者をあわてさせることもなく、電子書籍表示装置をヒューマンフレンドリーなものとすることができる。
<5>によれば、表示板の電極して、単純マトリックス電極を用いているため、表示板を簡素でコンパクトな構造とすることができ、このことにより、前記反転画像やベタ画像の表示を容易に行うことができる。
<6>によれば、電子書籍情報の所望の箇所を検索できるよう構成されているので、電子辞書用や電子事典用表示装置に代表されるように、検索結果を素早く表示する装置であことが要求され、本発明の表示速度の速さを好適に適用することができる。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して詳しく説明する。図1は、本発明に係る電子書籍表示装置を示す斜視図であり、電子書籍表示装置1は、薄板状の筐体3の上面に、外部または内部の記憶媒体からの情報を表示する表示部2を具え、また、表示部2における表示内容の更新等を行う表示部制御手段を有する。表示内容の更新としては、例えば表示している頁の前頁または次頁を表示する更新があり、この頁送りは筐体3の上面の入力部4を操作することによって行う。なお、5は、メモリカードを用いて表示情報を入力する場合の、メモリカード挿入スロットを示す。
図2は、電子書籍表示装置1の制御に係る構成を示すブロック線図であり、電子書籍表示装置1の表示部制御手段6は、入力部4に入力された命令、例えば頁送りの命令に基づいて、表示すべき情報を、例えば、メモリカード挿入スロット5に装着されているメモリカード等の記憶媒体7から表示すべきデータを読み出し、表示すべき画像を制御する信号を表示部2に出力する。また、表示部制御手段6はその内部に、データを格納するメモリ8を有する。
次に、上記した表示部2について、この表示部2を構成する表示板の基本的な構成について説明する。
本発明で用いる表示板は、対向する2枚の基板間に封入した2種類の、互いに帯電特性の異なる画像表示媒体(粒子群または粉流体)に電界を付与することによって情報を形成する。すなわち、付与された電界方向にそって、高電位側に向かっては低電位に帯電した画像表示媒体が電界の力やクーロン力などによって引き寄せられ、また、低電位側に向かっては高電位に帯電した画像表示媒体が電界の力やクーロン力などによって引き寄せられ、それら画像表示媒体が電位の切替えによる電界方向の変化によって往復運動することにより、画像表示がなされる。従って、画像表示媒体が、均一に移動し、かつ繰り返し時あるいは保存時の安定性を維持できるように、表示板を設計する必要がある。ここで、画像表示媒体とする粒子または粉流体にかかる力は、粒子同士または粉流体同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電気影像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
本発明の表示板の例を、図3(a)、(b)および図4(a)、(b)に基づき説明する。
図3(a)および(b)に示す例では、基板10および20間の密閉された空間に気体、例えば乾燥空気を分散媒として封入した、少なくとも1種以上の粒子から構成される、2種以上の色の異なる画像表示媒体30(ここでは白色粒子30Wと黒色粒子30Bを示す)を、基板10および20の外部から加えられる電界に応じて、基板10および20と垂直方向に移動させ、黒色粒子30Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うかあるいは、白色粒子30Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図3(b)に示す例では、図3(a)に示す例に加えて、基板10と20との間に例えば格子状に隔壁40を設け表示セルを画成している。
図4(a)および(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される、2種以上の色の異なる画像表示媒体30(ここでは白色粒子30Wと黒色粒子30Bを示す)を、基板10に設けた電極50と基板20に設けた電極60との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板10、20と垂直に移動させ、黒色粒子30Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色粒子30Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図4(b)に示す例では、図4(a)に示す例に加えて、基板10、20との間に例えば格子状に隔壁40を設け表示セルを画成している。
以上の説明は、白色粒子30Wを白色粉流体に、黒色粒子30Bを黒色粉流体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することが出来る。
以下、本発明の画像表示板を構成する各部材について説明する。
基板については、少なくとも一方の基板はパネル外側から画像表示媒体の色が確認できる透明な基板20であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。基板10は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリルなどのポリマーシートや、金属シートのように可とう性のあるもの、および、ガラス、石英などの可とう性のない無機シートが挙げられる。基板の厚みは、2〜5000μmが好ましく、さらに5〜2000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、5000μmより厚いと、薄型の画像表示板とする場合に不都合がある。
必要に応じて基板に設ける電極の電極形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類やITO、酸化インジウム、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が例示され、適宜選択して用いられる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりする方法が用いられる。視認側基板に設ける電極は透明である必要があるが、背面側基板に設ける電極は透明である必要がない。いずれの場合もパターン形成可能である導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。背面側基板に設ける電極の材質や厚みなどは上述した視認側基板に設ける電極と同様であるが、透明である必要はない。なお、この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
必要に応じて設ける隔壁40については、その形状は表示にかかわる画像表示媒体の種類により適宜最適に設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmに、隔壁の高さは10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。本発明では、いずれの方法も好適に用いられる。
これらのリブからなる隔壁により形成される表示セルは、図5に示すごとく、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示側から見える隔壁断面部分に相当する部分(表示セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、画像表示の鮮明さが増す。ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。このうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。いずれの方法においても本発明を好適に用いることができる。
次に、本発明の画像表示用パネルで用いる画像表示媒体としての粉流体について説明する。なお、本発明の画像表示媒体としての粉流体の名称については、本出願人が「電子粉流体(登録商標)」の権利を得ている。
本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性(光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じく、流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされている(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
すなわち、本発明における粉流体は、液晶(液体と固体の中間相)の定義と同様に、粒子と液体の両特性を兼ね備えた中間的な状態で、先に述べた粒子の特徴である重力の影響を極めて受け難く、高流動性を示す特異な状態を示す物質である。このような物質はエアロゾル状態、すなわち分散媒となる気体中に固体状もしくは液体状の物質が分散質として安定に浮遊する分散系で得ることができ、本発明の表示装置で固体状物質を分散質とするものである。
本発明の画像表示用パネルは、少なくとも一方が透明な、対向する基板間に、画像表示媒体として気体中に固体粒子が分散質として安定に浮遊するエアロゾル状態で高流動性を示す粉流体を封入するものであり、このような粉流体は、低電圧の印加でクーロン力などにより容易に安定して移動させることができる。
本発明に例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の画像表示装置では、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で用いられる。
ここで、エアロゾル状態の範囲は、粉流体の最大浮遊時の見かけ体積が未浮遊時の2倍以上であることが好ましく、更に好ましくは2.5倍以上、特に好ましくは3倍以上である。上限は特に限定されないが、12倍以下であることが好ましい。
粉流体の最大浮遊時の見かけ体積が未浮遊時の2倍より小さいと表示上の制御が難しくなり、また、12倍より大きいと粉流体を装置内に封入する際に舞い過ぎてしまうなどの取扱い上の不便さが生じる。なお、最大浮遊時の見かけ体積は次のようにして測定される。すなわち、粉流体が透過して見える密閉容器に粉流体を入れ、容器自体を振動或いは落下させて、最大浮遊状態を作り、その時の見かけ体積を容器外側から測定する。具体的には、直径(内径)6cm、高さ10cmのポリプロピレン製の蓋付き容器(商品名アイボーイ:アズワン(株)製)に、未浮遊時の粉流体として1/5の体積相当の粉流体を入れ、振とう機に容器をセットし、6cmの距離を3往復/secで3時間振とうさせる。振とう停止直後の見かけ体積を最大浮遊時の見かけ体積とする。
また、本発明においては、粉流体の見かけ体積の時間変化が次式を満たすものが好ましい。
10/V>0.8
ここで、Vは最大浮遊時から5分後の見かけ体積(cm)、V10は最大浮遊時から10分後の見かけ体積(cm)を示す。なお、本発明の画像表示装置は、粉流体の見かけ体積の時間変化V10/Vが0.85よりも大きいものが好ましく、0.9よりも大きいものが特に好ましい。V10/Vが0.8以下の場合は、通常のいわゆる粒子を用いた場合と同様となり、本発明のような高速応答、耐久性の効果が確保できなくなる。
粉流体を構成する粒子物質の平均粒子径(d(0.5))は、好ましくは0.1〜20μm、更に好ましくは0.5〜15μm、特に好ましくは0.9〜8μmである。0.1μmより小さいと表示上の制御が難しくなり、20μmより大きいと、表示はできるものの隠蔽率が下がり装置の薄型化が困難となる。なお、粉流体を構成する粒子物質の平均粒子径(d(0.5))は、次の粒子径分布Spanにおけるd(0.5)と同様である。
粉流体を構成する粒子物質は、下記式に示される粒子径分布Spanが5未満であることが好ましく、更に好ましくは3未満である。
粒子径分布Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
ここで、d(0.5)は粉流体を構成する粒子物質の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粉流体を構成する粒子物質の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粉流体を構成する粒子物質が90%である粒子径をμmで表した数値である。粉流体を構成する粒子物質の粒子径分布Spanを5以下とすることにより、サイズが揃い、均一な粉流体移動が可能となる。
なお、以上の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粉流体にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。この粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られる。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粉流体を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、測定を行うことができる。
粉流体の作製は、必要な樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を混練り粉砕しても、モノマーから重合しても、既存の粒子を樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤でコーティングしても良い。以下、粉流体を構成する樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂などが挙げられ、2種以上混合することもでき、特に、基板との付着力を制御する上から、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂が好適である。
荷電制御剤の例としては、正電荷付与の場合には、4級アンモニウム塩系化合物、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール誘導体などが挙げられ、負電荷付与の場合には、含金属アゾ染料、サリチル酸金属錯体、ニトロイミダゾール誘導体などが挙げられる。
着色剤の例としては、塩基性、酸性などの染料が挙げられ、ニグロシン、メチレンブルー、キノリンイエロー、ローズベンガルなどが例示される。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
しかしながら、このような材料を工夫無く混練り、コーティングなどを施しても、エアロゾル状態を示す粉流体を作製することはできない。エアロゾル状態を示す粉流体の決まった製法は定かではないが、例示すると次のようになる。
まず、粉流体を構成する粒子物質の表面に、平均粒子径が20〜100nm、好ましくは20〜80nmの無機微粒子を固着させることが適当である。更に、その無機微粒子がシリコーンオイルで処理されていることが適当である。ここで、無機微粒子としては、二酸化珪素(シリカ)、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化鉄、酸化銅等が挙げられる。この無機微粒子を固着させる方法が重要であり、例えば、ハイブリダイザー(奈良機械製作所(株)製)やメカノフュージョン(ホソカワミクロン(株)製)などを用いて、ある限定された条件下(例えば処理時間)で、エアロゾル状態を示す粉流体を作製することができる。
ここで繰り返し耐久性を更に向上させるためには、粉流体を構成する樹脂の安定性、特に、吸水率と溶剤不溶率を管理することが効果的である。隔壁で仕切られたセル内に封入する粉流体を構成する樹脂の吸水率は、3質量%以下、特に2質量%以下とすることが好ましい。なお、吸水率の測定は、ASTM−D570に準じて行い、測定条件は23℃で24時間とする。粉流体を構成する樹脂の溶剤不溶率に関しては、下記関係式で表される粉流体の溶剤不溶率を50%以上、特に70%以上とすることが好ましい。
溶剤不溶率(%)=(B/A)×100
(但し、Aは樹脂の溶剤浸漬前重量、Bは良溶媒中に樹脂を25℃で24時間浸漬した後の重量を示す)
この溶剤不溶率が50%未満では、長期保存時に粉流体を構成する粒子物質表面にブリードが発生し、粉流体との付着力に影響を及ぼし粉流体の移動の妨げとなり、画像表示耐久性に支障をきたす場合がある。なお、溶剤不溶率を測定する際の溶剤(良溶媒)としては、フッ素樹脂ではメチルエチルケトン等、ポリアミド樹脂ではメタノール等、アクリルウレタン樹脂では、メチルエチルケトン、トルエン等、メラミン樹脂ではアセトン、イソプロパノール等、シリコーン樹脂ではトルエン等が好ましい。
次に、本発明の画像表示用パネルで用いる画像表示媒体としての粒子について説明する。粒子は、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、2種以上混合することもできる。特に、基板との付着力を制御する観点から、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂が好適である。
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組合せて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
また、本発明の画像表示媒体としての粒子は平均粒子径d(0.5)が、0.1〜50μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために粒子の移動に支障をきたすようになる。
更に本発明では、各粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
さらにまた、各粒子の相関について、使用した粒子の内、最大径を有する粒子のd(0.5)に対する最小径を有する粒子のd(0.5)の比を50以下、好ましくは10以下とすることが肝要である。
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行うことができる。
画像表示媒体の帯電量は当然その測定条件に依存するが、画像表示用パネルにおける画像表示媒体を構成する粒子の帯電量はほぼ、初期帯電量、隔壁との接触、基板との接触、経過時間に伴う電荷減衰に依存し、特に画像表示媒体を構成する粒子の帯電挙動の飽和値が支配因子となっているということが分かった。
更に、本発明においては乾式の画像表示媒体を用いる場合に基板間の画像表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下、更に好ましくは35%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、図4(a)、(b)および図5(a)、(b)において、対向する基板10、基板20に挟まれる部分から、電極50、60、画像表示媒体(粒子群あるいは粉流体30)の占有部分、隔壁40の占有部分(隔壁を設けた場合)、パネルシール部分を除いた、いわゆる画像表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように装置に封入することが必要であり、例えば、画像表示媒体の充填、パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
本発明の画像表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、画像表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。
対向する基板間の空間における画像表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には画像表示媒体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
本発明の画像表示用パネルは、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、画像表示媒体を封入し、画像表示媒体に電界を与えて、画像表示媒体を移動させて画像を表示する可逆性の画像表示用パネルとして構成しているため、文字情報のみならず図形や記号、その他の画像情報を表示するために好適に用いることができる。
図6は、この表示板の一部を構成し、白色粒子30W、黒色粒子Bに電圧を与える電極として、好適に用いることのできる単純マトリックス電極を示す概念図であり、図6(a)は、その構造を概念的に示す斜視図であり、図6(b)は、その機能を概念的に示す配線図である。
単純マトリックス電極70は、基板10、20と平行に配置された一対の面状電極70A、70Bよりなり、面状電極70Aは互いに平行な複数の導線71より構成され、同様に、面状電極70Bは互いに平行な複数の導線72より構成されていて、導線71と、導線72とは、相互に交差する方向、図示の場合は、90度で交差する方向に向けられている。
そして、このような構成により、面状電極70A、70Bに直交する方向から見たとき、導線71と導線72とが交差する部分を、画像を表示する画素73とすることができ、高電圧側の電圧が印加された導線71と、低電圧側の電圧が印加された導線72とが交差して形成される画素73が、例えば「黒」、「白」のうち「黒」を表示するものとすれば、低電圧側の電圧が印加された導線71と、高電圧側の電圧が印加された導線72とが交差して形成される画素73は、「白」を表示するものとなり、このように、導線71および導線72の電圧をそれぞれ個別に制御することにより、導線の総数分だけのパターンを表示することが可能となる。
前記表示部制御手段6は、このように、導線71、72のそれぞれに、高圧側と低圧側との二値の電圧のいずかを印加する制御を行うことにより、電界分布を変化させ、その結果、各画素に「黒」、「白」のいずれかを表示させ、全体として所望の画像を形成できるよう構成されている。
ここで、先に説明した表示板は、長時間、同じ画像の状態で放置した場合、電圧を印加しても画像表示媒体30W、30Bが、電極50、60、もしくは、基板10、20から離れにくくなり残像として残ってしまう現象が生じる可能性があり、この現象の発生を防止するには、先に説明したように、コントラストのある画像部分を長時間表示しないことが重要であり、そのためには、第一に、コントラストのある画像が所定時間以上、変化せずに表示され続けた場合、現在表示されている白黒のパターンを一旦反転させて、「反転画像」を強制的に表示させることが有効であり、第二に、やむを得ず同じ画面を長期間表示する場合、例えば、電源を切っておく場合には、長時間表示しても残像を残さない、「ベタ画像」の状態で放置することが必要である。
このような、残像現象を防止する目的で、表示部制御手段6は、単純間トリックス電極70のそれぞれの導線71、72に印加する電圧を制御して、電界分布を変化させ、後述するように、「反転画像」および「ベタ画像」を表示する処理を行うが、これについて図7および図8を参照して説明する。「反転画像」を表示する処理は、導線71、72に印加する電圧を、すべての導線について、高圧側、低圧側のうち、現在印加されている側と反対側の電圧を印加する処理を行って、図7(a)のように表示されている現在の画像の白黒を反転させて、図7(b)に示すような「反転画像」を得る処理であり、「ベタ画像」を表示する処理は、すべての導線71には一方の側の電圧を印加するとともに、すべての導線72には他方の側の電圧を印加する処理をおこなって電界分布を画素によらない均一なものとすることにより、図8(a)に示すような全面、黒、もしくは、図8(b)に示すような全面、白の画像を得る処理である。
図9は、表示部制御手段6の処理の一部を示すフローチャートである。表示部制御手段6は、入力部4からの入力をチェックするための割込監視機能を有し、合わせて、最後に割込みがあった時点からの時間を計測するタイマを具えるが、図9を参照して、表示部制御手段6の、割込監視機能に関する部分の処理について説明する。
表示部制御手段6は、まず、タイマをクリアしてタイマ時間T=0とする処理(ステップS0)を行ったあと、割込み監視(ステップS1)を開始する。所定時間ΔTごとに割込みの有無をチェックし(ステップS2)、割込みがなかった場合には、タイマ時間をΔTだけ加算する処理(ステップS7)を行い、加算後のタイマ時間Tが、予め定められた第一の設定時間T1に達しているか否かをチェックし(ステップS8)、達していない場合には、何もしないで割込み監視(ステップS1)を繰り返す。
ステップS8で、タイマ時間が第一の設定時間T1以上となった場合には、もうすぐ反転画像を表示する旨の警報を表示させる処理(ステップS9)を行う。このとき、タイマ時間Tが、予め定められた第二の設定時間T2に達しているか否かをチェックし(ステップS10)、達していない場合には、何もしないで割込み監視(ステップS1)を繰り返すが、タイマ時間が第二の設定時間T2以上となった場合には、現画像情報そのもの、もしくは、現画像情報を識別する識別符号、例えば頁番号等、をメモリ8に一旦格納する処理(ステップS11)を行ったあと、反転画像を形成する反転処理(ステップS12)を行い、さらにその後、黒ベタもしくは白ベタ画像を表示させる処理(ステップ13)を行ったあと、割込み監視(ステップS1)を続ける処理に戻る。
一方、ステップS2で、割込みがあった場合には、タイマをクリアしてT=0としたあと、入力部4からの命令に基づいた処理(ステップS5)、例えば、画像を次頁のものに更新する処理等を行うが、入力部4からの命令が電源を切断するよう指示するものであった場合には、電源をOFFとする処理(ステップS24)を行うが、その前に、現画像情報そのもの、もしくは、現画像情報を識別する識別符号をメモリ8に一旦格納する処理(ステップS21)、反転画像を形成する反転処理(ステップS22)、および、黒ベタもしくは白ベタ画像を表示させる処理(ステップ13)をこの順に行う。
ここで、図9には示してはいないが、表示部制御手段6は、入力部4からの命令が、最後に表示した画像を再描画する指令である場合には、メモリ8に格納されている、反転処理を行う前に表示されていた最後の画像情報そのもの、もしくは、最後の画像を識別する識別符号を読み出し、最後の画像を表示する処理を行う。
なお、ベタ画像を表示するに際し、黒(もしくは白)ベタ画像を表示したのち、一旦白(もしくは黒)ベタ画像にし、再度黒(もしくは白)ベタ画像を表示するサイクル処理を一回以上行うこと、さらに、このサイクル処理を行う時間間隔や、サイクル処理において印加する電圧を変化させること等、表示部の仕様に合わせて適宜処理条件を設定することができる。
また、第二の設定時間T2は、同じ画像を表示しても残像を残さない程度に短い時間であればよく、また、前記第一の設定時間T1は、単に、第二の設定時間T2より短ければよくこれらの時間は、使用目的に応じて適宜設定することができ、例えば、第二の設定時間T2として、20分としたり、1時間としたりすることができ、さらには、使用者がその時間設定を変更できるよう構成することもできる。
本発明に係る実施形態の電子書籍表示装置を示す斜視図である。 電子書籍表示装置の制御に係る構成を示すブロック線図である。 (a)、(b)はそれぞれ本発明の画像表示板の一例を示す図である。 (a)、(b)はそれぞれ本発明の画像表示板の他の例を示す図である。 本発明の画像表示用パネルにおける隔壁の形状の一例を示す図である。 単純マトリックス電極を示す概念図である。 反転画像の例を示す斜視図である。 ベタ画像の例を示す斜視図である。 表示部制御装置の処理の一部を示すフローチャートである。
符号の説明
1 電子書籍表示装置
2 表示部
3 筐体
4 入力部
5メモリカード挿入スロット
6 表示部制御手段
7 記憶媒体
8 メモリ
10、20 基板
30 画像表示媒体(粒子群または粉流体)
30W 白色粒子(白色粉流体)
30B 黒色粒子(黒色粉流体)
40 隔壁
50、60 電極
70 単純マトリックス電極
70A、70B 面状電極
71、72 導線
73 画素

Claims (6)

  1. 記憶媒体からの情報を表示する表示部と、表示部を操作する命令を入力する入力部と、入力部からの命令に基づいて表示部に表示する情報を制御する表示部制御手段とを具えた電子書籍表示装置であって、
    該表示部は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間の密閉された空間に、画像表示媒体を封入し、画像表示媒体に電界を与えて画像表示媒体を移動させて画像を形成する表示板からなり、
    前記表示部制御手段は、画像表示媒体に与える電界の分布を変化させることにより表示部に表示する情報を制御するとともに、前記入力部からの命令が所定時間なかった場合、前記電界分布を反転させたあと、この電界分布を均一にする処理を行うよう構成されてなる電子書籍表示装置。
  2. 前記、2枚の基板間の密閉された空間に、画像表示媒体を分散させる分散媒として気体を封入するとともに、前記画像表示媒体を、粒子群または粉流体で構成してなる請求項1に記載の電子書籍表示装置。
  3. 前記表示部制御手段は、メモリ部を有し、前記、電界分布を反転する処理を行うに際し、反転する処理の直前に表示されていた画像情報、もしくは、この画像情報を識別する識別符号を前記メモリ部に格納するとともに、入力部からの命令に基づいて、メモリ部から前記画像情報もしくは識別符号を読み出し、反転する処理の直前に表示されていた画像情報を表示する処理を行うよう構成されてなる請求項1もしくは2に記載の電子書籍表示装置。
  4. 前記表示部制御手段は、前記入力部からの命令がなかった場合、反転処理を行う旨の予告を前記表示部に表示する処理を、前記電界分布を反転する処理を行うこととなる時刻より前に行うよう構成されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の電子書籍表示装置。
  5. 前記表示板には、前記画像表示媒体に電界を与える単純マトリックス電極が配置され、単純マトリックス電極は、前記基板と平行に配置された一対の面状電極よりなり、各面状電極は互いに平行な複数の導線より構成され、異なる面状電極の導線は相互に交差する方向に向けられてなり、
    前記表示部制御手段は、前記導線のそれぞれの電圧を二値的に制御することにより前記電界分布を変化させるよう構成されてなる請求項1〜4のいずれかに記載の電子書籍表示装置。
  6. 電子書籍情報の所望の箇所を検索できるよう構成されてなる請求項1〜5のいずれかに記載の電子書籍表示装置。
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