JP4650891B2 - 信号分離方法およびその方法を使用した信号分離装置 - Google Patents

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Description

この発明は、互いに独立している複数の発信源からの源信号を混合して受信して得られた観測値から源信号を独立成分分析により分離する信号分離方法およびその方法を使用した信号分離装置に関する。
独立成分分析(Independent Component Analysis:以下、略称するときはICAとする。)は、複数の源信号が線形混合された観測値から源信号を、互いに独立であるという確率的性質だけを用いて、分離抽出する方法である。
基準時刻tから始まるK個の時刻t(k=1〜Kの整数)の各時刻tでJ個の発信機から送信される源信号s(k)(j=1〜Jの整数)を用いて源信号行列S(下線)は、式(1)に示されるように、定義される。また、基準時刻tから始まるK個の時刻tの各時刻tでI個の受信機で受信される観測値χ(i=1〜Iの整数)を用いて観測値行列X(下線)は、式(2)に示されるように、定義される。
そして、観測値行列X(下線)と源信号行列S(下線)との間で式(3)の関係式が成り立つと定義する。なお、行列Aは、源信号行列S(下線)の線形和を表す式(4)で表される混合行列である。
Figure 0004650891
ゆえに、独立成分分析は、混合行列Aの推定値である推定混合行列A(ハット)を算出し、観測値行列X(下線)と推定混合行列A(ハット)とから式(5)に基づいて、源信号行列S(下線)の推定値である分離信号行列Y(下線)を算出することを意味する。
Figure 0004650891
しかし、分離信号行列Y(下線)には、振幅、位相、信号源の識別(以下、IDと称す。)の不確定性が残っている。これは以下の性質に起因している。観測値行列X(下線)は、ある未知の複素係数αを介して、式(6)のように書き換えることができる。すなわち、複素係数αがどのような値をとっても、観測値行列X(下線)は変化しないので、観測値行列X(下線)からは複素係数αの情報を知ることができない。よって、独立成分分析により、複素係数αを知ることはできない。これが、位相および振幅の不確定性の理由である。
Figure 0004650891
さらに、源信号sの順番を入れ替えても、すなわち、混合行列Aの列を入れ替えても観測値行列X(下線)は変化しないため、源信号sの順番も知ることができない。これが、IDの不確定性の理由である。
そして、IDの不確定性とは、例えば、発信機の数J=2の場合、得られた分離信号行列Y(下線)が、源信号推定値s(ハット)及び源信号推定値s(ハット)を要素として持つが、それが、式(7)なのか式(8)なのか分からないことを意味する。
Figure 0004650891
この性質から、観測値を観測値ブロック毎に分割してそれぞれ独立成分分析を行う場合、それぞれの観測値ブロックで得られた分離信号をID付けする必要がある。そして、ID付けを誤ると各観測値ブロックの分離信号をでたらめにつなぐことになり,電波の通信情報がわからなくなる。
そこで、各分離信号の到来方向推定値を計算し、似通った方向からの分離信号に同一IDを付加する方法が提案されている。なお、この提案では、同一直線上に等間隔配置されたアンテナ素子を用いた場合の方法を説明しているが、任意のアンテナ素子の配置でも本質に違いはないので、円周上にアンテナ素子を配置する円形アレーの例を用いて説明する。
このID付けの考え方は、各観測値ブロックpにおける推定混合行列A(ハット)の各列A(ハット)p,jから到来方向推定値θの各成分θp,jを計算し、同方向と判定されるならば、それに対応する分離信号yp,jに同一IDを付加することである。
観測値ブロックpにおける到来方向推定値θ(下線)を式(9)のようにベクトル表記する。
そして、観測値ブロックpにおける到来方向推定値θ(下線)の計算方法を説明する。まず、独立成分分析から得られた観測値ブロックpにおける推定混合行列A(ハット)は式(10)、式(11)で表される。ここで、αp、jは複素数の未知定数であり振幅及び位相の不確定性を意味し、A(ハット)の各列A(ハット)p,jは、各分離信号yp,jに対応するが、IDの不確定性があるので、yp,jは必ずしも源信号sp,jの推定値s(ハット)p,jに対応しない。
Figure 0004650891
式(11)に示した列A(ハット)p,jの任意の二つの行番号ij、i’jの要素A(ハット)p,i’j及び要素A(ハット)p,ijとし、それらの比を式(12)により計算する。
式(12)から、観測値ブロックpにおける到来方向推定値θ(下線)の各成分θp,jを算出すると、式(13)となる。そして、各信号源、すなわちj=1〜Jについて計算し、観測値ブロックpにおける到来方向推定値θ(下線)を推定する。
Figure 0004650891
そして、観測値ブロックpの1からPまでの到来方向推定値θ(下線)〜θ(下線)を求めて、行列式Θ(下線)として式(14)のように表す。
すべての観測値ブロックp(p=1、・・・、P)について、行列式Θ(下線)の各列θ(下線)の要素θp,1、・・・、θp、Jの似通ったものを、同じ行に並べ直し、Θ(下線)’と呼び、式(15)で定義する。
例えば、源信号数J=3、観測値ブロック数P=2の場合で、観測値ブロックp=2のときの到来方向推定値θ(下線)の成分θ2,1、θ2,2、θ2,3が観測値ブロックp=1のときの到来方向推定値θ(下線)の成分θ1,2、θ1,3、θ1,1に似通っているとすると、Θ(下線)’は式(16)となる。そして、Θ(下線)’の各行は同一IDを持っていることを意味する。
Figure 0004650891
なお、ここでは、説明を簡単にするために観測値ブロック数P=2としているが、実際には、到来方向推定値の平均や分散値などの確率情報を計算し、各到来方向の平均値からの散ばり、すなわち到来方向推定値の信頼度を加味してID付けを行うべく、高精度な確率情報が必要なため、十分な観測値ブロック数Pを必要とする。
次に、Θ(下線)’の情報を用い、分離信号行列Y(下線)の行をΘ(下線)’に対応するように並べ替えを行う。分離信号行列Y(下線)の並び替え後の行列をY(下線)’とし、これらをp=1、・・・、Pまで並べたものを、式(17)で定義する。例えば、源信号数J=3、観測値ブロック数P=2の場合で、Θ(下線)’が式(16)のとき、S(ハット、下線)は式(18)となり、S(ハット、下線)の各行は同一IDを持っていることを意味する。最後に、S(ハット、下線)の各列のyp,jをつなぎ合わせることにより最終的な分離信号S(ハット、下線)を得る。
Figure 0004650891
Sawada、他3名、「A Robust and Precise Method for Solving the Permutation Problem of Frequency−Domain Blind Source Separation」、IEEE Transactions on Speech and Audio Processing、2004年11月、Vol.12、No.5、p.530−p.538
しかし、この提案されているID付けの方法では、到来方向推定値を抽出するため、アンテナパターン、センサ配置、周波数などのパラメータ情報を正確に入手する必要がある。しかし、実際、アンテナパターンなどの情報には誤差が加わり、到来方向推定値を正確に抽出することができないという問題がある。
また、ある時刻におけるパラメータ情報が既知であっても、何らかの理由で時間経過とともにパラメータ情報が変化した場合、その変化したパラメータ情報を継続的に正確に知る必要があるという問題がある。
また、発信機は移動せず、発信源の到来方向が不変であるとの仮定を置いているため、万一発信機が移動する場合、正確なID付けが困難になるという問題がある。
また、独立成分分析の結果である分離信号および到来方向推定値を、長時間に渡り多数保存し、バッチ処理的にID付けを実施するため、大きな記憶容量を有する記憶装置を必要とするという問題がある。
また、データを一旦溜め込んで処理を行うため、リアルタイム表示ができないという問題がある。
この発明の目的は、パラメータ情報を必要とせず、パラメータ情報や到来方向が変化した場合でも正確にID付けし、大きな記憶容量の記憶装置を必要とせず、リアルタイム表示可能な信号分離方法およびその方法を使用した信号分離装置を提供することである。
この発明に係わる信号分離方法は、互いに独立している複数の発信源からの源信号を混合して受信した観測値から源信号を独立成分分析により分離する信号分離方法において、上記独立成分分析により得られた推定混合行列の各列を規格化して規格化列ベクトルを算出する工程を有する。
この発明に係わる信号分離方法は、1つ前までの観測値ブロックにより得られた追尾航跡と、現観測値ブロックで独立成分分析から得られる規格化列ベクトル間の相関処理を施すことにより、相関の成立した規格化列ベクトルに同一IDを付け、それに基づいて分離信号行列を並び替えるので、独立成分分析から得られる混合行列の推定値だけを用いており、アンテナパターン、センサ配置、周波数などのパラメータ情報を必要としない。また、追尾処理を用いるので、分離信号をリアルタイム表示可能である。
実施の形態1.
図1は、この発明に係わる信号分離方法を適用する信号送受信システムの概念図である。図2は、この発明に係わる観測装置の構成図である。図3は、この発明の実施の形態1に係わる信号分離装置のブロック図である。図4は、受信アンテナの配置図である。図5は、実施の形態1に係わる信号分離方法の工程を表すフローチャートである。図6は、実施の形態1に係わる追尾処理の手順を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態1に係わる信号送受信システムは、図1に示すように、J個の互いに独立する発信機2から源信号s(jは1〜Jの整数)が発信され、I個の受信機3を備える観測装置4で受信され観測値χ(iは1〜Iの整数)が得られる。なお、源信号sは、互いに独立しているという確率的性質がある。そして、信号分離装置5により観測値χから源信号sに対応する分離信号yを分離する。さらに、分離信号yに正しくIDを付加し、同一IDの信号をつなぎ合わせた結果が分離信号表示装置6において表示される。
この発明の実施の形態1に係わる観測装置4のアンテナ7は、図2に示すように、入射波の到来方向θにおける複素ゲインパターンg(θ)を有し、受信機3は雑音nを含めて受信した信号をA/D変換し、観測値χを出力する。
この発明の実施の形態1に係わる信号分離装置5は、図3に示すように、観測値ブロックpでの観測値行列X(下線)を独立成分分析(ICA)を行い、分離信号行列Y(下線)と推定混合行列A(ハット)を出力するICA処理部10、推定混合行列A(ハット)を規格化して規格化列ベクトルDp、jを列ベクトルとしてもつ規格化混合行列Dを出力する規格化列ベクトル算出部11、規格化列ベクトルDp,jを追尾処理して、規格化混合行列D内の規格化列ベクトルDp,jを並び替えられることにより得られた規格化混合行列D’を出力する追尾処理部12、並べ替えられた規格化混合行列D’を参照して分離信号行列Y(下線)を並べ替え、同じ行の要素を逐次つなぎ合わせて最終分離信号行列S(ハット、下線)を出力する逐次つなぎ合わせ部13を有する。
そして、信号分離装置5は、CPU、ROM、RAM、インターフェース回路を有するコンピュータから構成されている。
この実施の形態1に係わる追尾処理部12は、図3に示すように、仮定した目標の運動式により、1つまえの観測値ブロック(p−1)における目標の位置及び速度の平滑値から現観測値ブロックpにおける目標の位置及び速度の予測値を計算する予測処理部15、複数の目標が存在し、それぞれの目標に対応する追尾フィルタ入力値のIDが不明の場合に、それぞれの目標に尤もらしい追尾フィルタ入力値との対応付けを行う相関処理部16、各目標の予測値と、それに対応付けされた追尾フィルタ入力値と、フィルタゲインと呼ばれる係数により重み付け平均を行い、平滑値を計算する平滑処理部17を有する。
信号分離装置における信号分離処理の説明に先立って観測装置4から入力される観測値について説明する。
通信波として一般的な信号モデルを用い、M(t)を複素包絡線、fをキャリア周波数とすると、源信号s(t)は式(19)で与えられる。そして、到来方向θから入射する源信号sを、I個の受信機で受信した場合、時刻tにおける観測値χ(k)は式(20)で与えられる。
ここで、λ=c/f、g(θ)は受信機iの受信アンテナの到来方向θにおける複素ゲインパターン(指向性パターン)、pは受信アンテナの位相基準点からの位置ベクトル、q(θ)は源信号sの到来方向単位ベクトル、n(k)は受信機雑音である。
Figure 0004650891
次に、図4に示すように、受信アンテナとして円周上にアンテナ素子がアレー状に配置された場合を例にして説明する。なお、他のアンテナ配置を用いても良い。
アンテナ素子の配置されている円の半径をr、位置角をφ、十分遠方の発信源からの源信号sの到来方向をθとすると、時刻tにおける受信機の観測値χ(k)は式(21)で表される。
この式(21)をベクトル表記すると、式(22)となる。なお、s(下線)(k)、χ(下線)(k)、A、n(下線)(k)は、それぞれ式(23)、式(24)、式(25)、式(26)である。
Figure 0004650891
次に、信号分離装置の動作について図5を参照して説明する。
ステップS1では、式(27)に示すような、長さLの観測値ブロックpは、時間ブロック毎の観測値χ((p−1)L+h)(hは1〜Lの整数)を観測値行列X(下線)として表され、入力される。
ステップS2のICA処理では、観測値行列X(下線)に対し独立成分分析を行い、式(28)で表される観測値ブロックpの分離信号行列Y(下線)および式(29)で表される観測値ブロックpの推定混合行列A(ハット)を出力する。
Figure 0004650891
ステップS3の規格化列ベクトル算出では、観測値ブロックpの推定混合行列A(ハット)の各列A(ハット)p,jに対し、各列の第1行の値で全ての行の値をそれぞれ除算することにより式(30)、式(31)のように規格化する。そして、観測値ブロックpの規格化混合行列Dの各列Dp,jには複素数の未知定数αが存在しない。
規格化列ベクトル算出で、規格化列ベクトルを各列にもつ規格化混合行列Dは、追尾処理へ送られる。
Figure 0004650891
ステップS4の追尾処理では、運動を行う追尾対象(目標、ターゲットなど呼ばれる)の時系列入力情報を逐次処理しながら、目標の位置や速度などの運動諸元を推定する。
また、複数の目標が存在し、それぞれの目標に対応する入力値のIDが不明の場合には、尤もらしい入力値との対応付けを行う処理(相関処理)も含まれる。
追尾処理は、追尾フィルタと呼ばれる計算アルゴリズムによって行われる。一般に様々な種類の追尾フィルタが知られており、1例として、規格化列ベクトルDp、jを追尾目標(追尾対象)と見立てて、また、規格化列ベクトルDp、jを追尾フィルタ入力値と見立てて、p方向に追尾処理する場合を説明する。もちろん、他の派生情報を追尾しても問題ない。この場合、各観測値ブロックpでJ個の列ベクトルが得られるので、J個の目標を追尾処理することになる。追尾処理は、図6に示すように各pにおいて、予測処理、相関処理、平滑処理と呼ばれる3種類の処理を順番に行う。
図6は、この追尾処理の手順を示すフローチャートである。また、図7は、この追尾処理の様子を図示したものである。
予測処理とは、仮定した目標の運動式により、1つまえの観測値ブロック(p−1)における目標の位置及び速度の平滑値から現観測値ブロックpにおける目標の位置及び速度の予測値を計算する処理である。
相関処理とは、複数の目標が存在し、それぞれの目標に対応する追尾フィルタ入力値のIDが不明であるので、それぞれの目標に尤もらしい追尾フィルタ入力値の対応付けを行う処理である。図8は、3目標の場合の相関処理概念図である。
まず、それぞれの目標の予測値から、仮定した観測式により追尾フィルタ入力値予測値を計算し、追尾フィルタ入力値の予測値を中心として、確率的に存在しうる領域内に追尾フィルタ入力値が存在するか否かを調べる。そして、存在しうる領域に入った追尾フィルタ入力値の候補の中から、追尾フィルタ入力値の予測値から最も近い(残差二次形式と呼ばれる規格化距離の小さい)追尾フィルタ入力値が尤もらしいと判断し、目標との対応を決定し、ID付けを行う。図8の例では、目標3と追尾フィルタ入力値2、目標1と追尾フィルタ入力値3、目標2と追尾フィルタ入力値1が対応付けされている。
平滑処理とは、各目標と、それに対応付けされた追尾フィルタ入力値と、フィルタゲインと呼ばれる係数により重み付け平均を行い、平滑値を計算する処理である。
相関処理により得られた結果より、各目標に対して相関の成立した規格化混合行列Dの列ベクトルを並び替え、式(32)のように並べ替え済規格化混合行列D’として定義する。各観測値ブロックpにおける並べ替え済規格化混合行列D’の各列は同一IDを持っていることを意味する。
最後に、追尾処理の相関結果により得られた並び替え済規格化混合行列D’が、逐次つなぎ合わせに送られる。
Figure 0004650891
ステップS5の逐次つなぎ合わせでは、並び替え済規格化混合行列D’に従い分離信号行列Y(下線)を並び替えてからつなぎ合わせを行い、最終分離信号行列S((ハット、下線)を出力する。このために、まず、信号の並び替えを行う。観測値ブロック(p−1)までに得られている行列S(ハット、下線)p−1を式(33)とし、並べ替え済規格化混合行列D’に従い分離信号行列Y(下線)の行を並び変えた結果をY’(下線)pとする。S(ハット、下線)p−1の各列とY’(下線)の各列をつなぎ合わせることにより最終分離信号行列S(ハット、下線)が式(34)のようにして得る。最終分離信号行列S(ハット、下線)の各行は同一IDを持っていることを意味する。
ステップS6では、得られた最終分離信号行列S(ハット、下線)は分離信号表示装置6に送られ、表示が行われる。
ステップS7では、観測が完了したか否かを判断し、観測が未了のときにはステップS8へ進み、観測が完了したときには信号分離処理を終了する。
ステップS8では、次の観測値ブロック(p+1)における観測値行列X(下線)p+1が観測装置4から送られ、処理が継続する。
Figure 0004650891
なお、実施の形態1においては規格化混合行列Dそのものを用いてID付けを行っているが、ノルム、振幅値、位相値、実部、虚部など、規格化混合行列Dを加工することにより得られる派生情報でID付けを行ってもよい。
このような信号分離方法では、分離信号のID付けに使用する混合行列を規格化することにより、未知な複素数の定数が存在しないので、不確定な位相および振幅が分離信号のID付けに影響することを防げる。
また、1つ前までの観測値ブロックから計算された現観測値ブロックでの規格化列ベクトルの予測値と現観測値ブロックで独立成分分析から得られる規格化列ベクトルとの間の相関処理を施すことにより、相関の成立した規格化列ベクトル、すなわち分離信号に同一IDを付けるので、独立成分分析から得られる混合行列の推定値だけを用いており、アンテナパターン、センサ配置、周波数などのパラメータ情報を必要としない。
パラメータ情報や源信号の到来方向が変化しても、規格化列ベクトルの追尾処理を行っているので、正確にID付けを行うことができる。
また、観測値ブロック毎に逐次規格化列ベクトルを追尾処理しているので、過去の観測値行列などを記憶しておく必要がないので、大きな記憶容量を有する記憶装置を必要としない。さらに、逐次的に分離信号を出力できる。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係わる信号分離方法は、実施の形態1とID付けの方法だけが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
実施の形態2に係わる信号分離方法では、追尾処理を行わずに、規格化混合行列Dを用いてバッチ処理的、すなわち、p=1,‥,PのICA処理結果を溜め込んでから、一括でID付けを行う。規格化混合行列Dに含まれる各規格化列ベクトルが同じ方向を向いているものに同一IDを付加する。もちろん、規格化列ベクトルを加工して得られる派生情報を用いても良い。以下、規格化列ベクトルを用いる場合の一例を示す。
まず、各観測値ブロックpの規格化混合行列Dに含まれる各規格化列ベクトルDp,jを、所定の基準に従い並び替える。例えば、所定のベクトルを基準とした内積値を並び替えの基準にする。複素数における内積を式(35)で定義する。ただし、ここで●は内積、Tは転置、*は複素供役である。
この定義より、基準とした所定のベクトルDbasisとなす角度値Ωp,jは式(36)で与えられる。同様に、角度値Ωp,jの並び替えに従い、対応するDp,jも並び替える。並び替え済規格化混合行列D’が得られる。
Figure 0004650891
次に、予め定められた信頼度よりも高い信頼性のものにのみID付けを行うため、角度値Ωp,jの平均値と分散値を計算し、角度値Ωp,jのうち平均値からの偏差が大きいもの、すなわち角度値Ωp,jの信頼度の高いもののみにID付けを行う。
この場合、まず、並び替え済規格化混合行列D’の同じ列にあるものの時間平均値D(バー)を式(37)に従って計算する。そして、式(39)に示すように、D(バー)と同じ列にあるベクトルD’p,jと向く方向が十分近いもの(内積値の十分高いもの)のみに対し、IDを付加する。
ここで、角度値Ω’p,jは、式(38)のように複素ベクトルD(バー)とD’p,jの成す角度、Ωthresholdは、信頼性の許容範囲を示す設計パラメータであり、例えば、角度値Ωp,jの分散値を目安にして設定する。
Figure 0004650891
このような信号分離方法は、規格化列ベクトルやそれを加工して得られる派生情報を用いて分離信号結果にIDを付加するので、アンテナパターン、センサ配置、周波数などのパラメータ情報を必要としない。
また、バッチ処理的にも、アンテナパターンなどの種々のパラメータ情報を用いずにIDの決定を行うことができる。
なお、この信号分離方法は、周波数領域で独立成分分析を行う場合の周波数ビン間におけるID付けにも適用できる。
この発明に係わる信号分離方法を適用する信号送受信システムの概念図である。 この発明に係わる観測装置の構成図である。 この発明の実施の形態1に係わる信号分離装置のブロック図である。 受信アンテナの配置図である。 実施の形態1に係わる信号分離方法の工程を表すフローチャートである。 実施の形態1に係わる追尾処理の手順を示すフローチャートである。 追尾処理の様子を説明するための図である。 相関処理の様子を説明するための図である。
符号の説明
2 発信機、3 受信機、4 観測装置、5 信号分離装置、6 分離信号表示装置、7 アンテナ、10 ICA処理部、11 規格化列ベクトル算出部、12 追尾処理部、13 逐次つなぎ合わせ部、15 予測処理部、16 相関処理部、17 平滑処理部。

Claims (5)

  1. 互いに独立している複数の発信源からの源信号を混合して受信した観測値から源信号を独立成分分析により分離する信号分離方法において、
    上記独立成分分析により得られた推定混合行列の各列を規格化して規格化列ベクトルを算出する工程を有することを特徴とする信号分離方法。
  2. 時間ブロック毎または周波数ビン毎に算出された上記規格化列ベクトルに、バッチ処理や逐次処理である追尾処理により相関の成立した他の時間ブロックまたは周波数ビンにおいて算出された上記規格化列ベクトルと同一IDを付加する工程を有することを特徴とする請求項1に記載する信号分離方法。
  3. 時間ブロック毎または周波数ビン毎に算出された上記規格化列ベクトルに、上記規格化列ベクトルから派生されるノルム、実部、虚部、振幅または位相情報を用い、バッチ処理や逐次処理である追尾処理により相関の成立した他の時間ブロックまたは周波数ビンにおいて算出された上記規格化列ベクトルと同一IDを付加する工程を有することを特徴とする請求項1に記載する信号分離方法。
  4. 上記規格化列ベクトルに付けられたIDに基づいて上記独立成分分析により分離された分離信号にIDを付加することを特徴とする請求項2または3に記載する信号分離方法。
  5. 観測値を独立成分分析を行い、分離信号行列と推定混合行列を出力するICA処理部と、
    推定混合行列を規格化して規格化列ベクトルを列要素としてもつ規格化混合行列を出力する規格化列ベクトル算出部と、
    規格化列ベクトルを追尾処理してそれぞれの列にID付加された規格化混合行列を出力する追尾処理部と、
    それぞれの列にID付加された規格化混合行列を参照して分離信号にIDを付加し、同じIDを持つ分離信号を逐次つなぎ合わせて最終分離信号を出力する逐次つなぎ合わせ部と、
    を有することを特徴とする信号分離装置。
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