JP4647167B6 - 複合イオン交換膜 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明はイオン交換膜に関し、そのような膜自身およびそのような膜を製造する方法を提供する。
【0002】
添付図面の図1に示される高分子電解質膜燃料電池(PEMFC)は、白金触媒の層4と電極6とによって両面を挟まれた水素イオン伝導高分子電解質膜(PEM)の薄板2を備え得る。層2,4,6は1mm未満の厚さを有する膜電極アセンブリ(MEA)を形成する。
【0003】
PEMFCにおいて、水素は以下の電気化学反応をもたらす陽極(燃料極)にて導入される。
Pt陽極(燃料極)2H2→4H++4e-
水素イオンは伝導PEMを介して陰極へ移動する。同時に、酸化剤が陰極(酸化剤電極)に導入され、該陰極では以下の電気化学反応が起こる。
【0004】
Pt陰極(酸化体電極)O2+4H+=4e-→2H2
したがって、電子および陽子が消費されて、水および熱が生成される。外部回路を介して2つの電極を接続することにより、回路に電流が流れ、電池から電力が取り出される。
【0005】
PEM2は単層のイオン伝導物質からなり得る。しかしながら、多くの場合、単層の物質は満足のいく物理的特性を有さない。
本発明の目的は、上述の問題に対処することにある。
【0006】
本発明の第1の態様によると、導電性ポリマー(すなわちイオン伝導性ポリマー)と該ポリマーのための支持材とを含有する複合膜が提供される。前記ポリマーは、下記式Iの部分、
【化10】
Figure 0004647167
および/または下記式IIの部分、
【化11】
Figure 0004647167
および/または下記式IIIの部分を有する。
【化12】
Figure 0004647167
【0007】
前記式中、単位I、単位IIおよび/または単位IIIの少なくともいくつかは官能基化されてイオン交換サイトを提供し、単位I,II,IIIのフェニル部分は独立して任意に置換され、かつ任意に架橋され、m,r,s,t,v,wおよびzは独立してゼロまたは正の整数を表し、EおよびE’は独立して酸素原子または硫黄原子または直接結合を表し、Gは酸素原子もしくは硫黄原子、または直接結合、または−O−Ph−O−部分を表し、前記Phはフェニル基を示し、Arは該Arの1つ以上のフェニル部分を介して隣接する部分に結合される以下の部分(i)*、(i)〜部分(x)のうちの一つから選択される。
【化13】
Figure 0004647167
【0008】
(i)*において、中央のフェニルは1,4−または1,3−置換されている。
【0009】
好ましくは、導電性ポリマーと前記支持材とは一緒になって均一な混合物を形成しない。
好ましくは、前記イオン交換サイトを備えるために、ポリマーはスルホン化、リン酸化、カルボキシル化、第4級アミノアルキル化、またはクロロメチル化され、さらに−CH2PO32、−CH2NR3 20+を得るよう任意に変更されて、カチオンまたはアニオン交換膜を提供する。前記R20はアルキルまたは−CH2NAr3 X+であり、前記ArX+は芳香族化合物(アレーン)である。なおさらに、芳香族化合物部分は、既存の方法により容易に合成されて、ポリマー上に−OSO3Hおよび−OPO32カチオン型交換サイトを生成する水酸基を含み得る。この型のイオン交換サイトは国際特許出願公開第WO95/08581号に記載されるように提供され得る。
【0010】
好ましくは、前記第1の導電性ポリマーはスルホン化されている。好ましくは、前記第1の導電性ポリマーのイオン交換サイトのみがスルホン化されたサイトである。
【0011】
スルホン化の対象標準は、−SO3M基を有する置換の対象標準を含み、Mは、当然イオン化を考慮して、以下の基、すなわちH、NR4 y+から選択される1つ以上の成分を表す。前記式中、RyはH、C1−C4アルキル、またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、または第8亜族の金属、好ましくはH、NR4 +、Na、K、Ca、Mg、Fe、およびPtを表す。好ましくは、MはHを表す。この種のスルホン化は国際特許出願公開第WO96/29360号に記載されるように提供され得る。
【0012】
本明細書において特に言及しないかぎり、フェニル部分は、結合される部分への1,4−または1,3−架橋、特に1,4−架橋を有し得る。
前記ポリマーは、1つ以上の異なる種類の式Iの反復単位、1つ以上の異なる種類の式IIの反復単位、および1つ以上の異なる種類の式IIIの反復単位を含み得る。
【0013】
前記部分I,II,IIIは、好ましい反復単位である。ポリマー中において、単位I、単位IIおよび/または単位IIIは、互いに適切に結合している。すなわち、単位I、単位II、および単位IIIの間には他の原子または基は結合されていない。
【0014】
単位I、単位IIまたは単位IIIにおけるフェニル部分が任意に置換される場合、該フェニル部分は1つ以上のハロゲン、特にフッ素および塩素原子、またはアルキル、シクロアルキル、またはフェニル基により任意に置換され得る。好ましいアルキル基はC1-10、特にC1-4 アルキル基である。好ましいシクロアルキル基は、シクロヘキシルと、例えばアダマンチルのような多環基(multicyclic group)とを含む。いくつかの場合において、ポリマーの架橋に任意の置換基が用いられ得る。例えば、炭化水素の任意の置換基が官能基化、例えばスルホン化され、架橋反応を引き起こさせ得る。好ましくは、前記フェニル部分は未置換である。
【0015】
単位I、単位IIまたは単位IIIにおけるフェニル部分の任意の置換基の別の基は、アルキル、ハロゲン、yがゼロ以上の整数であるCy2y+1、O−Rq(Rqはアルキル、ペルフルオロアルキルおよびアリールから成る群から選択される)、CF=CF2、CN、NO2およびOHを含む。トリフルオロメチル化されたフェニル部分が好ましい状況もあり得る。
【0016】
前記ポリマーが架橋処理される場合、ポリマーは高分子電解質膜としての特性を改良するため、例えば水中における膨潤性を減少させるために適当に架橋処理される。架橋を行うためには、任意の適当な手段が用いられ得る。例えば、Eが硫黄原子を表す場合は、ポリマー鎖間の架橋は、それぞれの鎖上の硫黄原子を介して行われ得る。これに代わって、前記ポリマーは米国特許第5561202号に記載されるスルホンアミドブリッジによって架橋されてもよい。別の代替手段としては、欧州特許出願公開第EP−A−0008895号に記載される架橋処理がある。
【0017】
しかしながら、本願に記載の発明に従った(一部が)結晶性であるポリマーは、高分子電解質膜として用いられ得る物質を生成するために架橋を行う必要がない。このようなポリマーは架橋ポリマーよりも調製が容易であり得る。このように、本願に記載の前記ポリマーは結晶性であり得る。好ましくは、前記ポリマーは記載されるように任意に架橋処理されない。
【0018】
wおよび/またはzがゼロより大きい場合、式IIおよび/または式IIIの反復単位において、各フェニレン部分は独立して他の部分への1,4−または1,3−結合を有し得る。好ましくは、前記フェニレン部分は1,4−結合を有する。
【0019】
好ましくは、前記ポリマーのポリマー鎖は−S−部分を含まない。好ましくは、Gは直接結合を表す。
好ましくは、「a」は、前記ポリマーにおける式Iのモル%を表し、好ましくは、各単位Iは同一である。「b」は前記ポリマーにおける式IIのモル%を表し、好ましくは、各単位IIは同一である。「c」は前記ポリマーにおける式IIIのモル%を表し、好ましくは、各単位IIIは同一である。好ましくは、aは、45〜100の範囲、より好ましくは45〜55の範囲、特に48〜52の範囲にある。好ましくは、bおよびcの合計は0〜55の範囲、より好ましくは45〜55の範囲、特に48〜52の範囲にある。好ましくは、a対bとcの合計の比率は0.9〜1.1の範囲にあり、より好ましくは約1である。好ましくは、a、bおよびcの合計は、少なくとも90であり、好ましくは、少なくとも95であり、より好ましくは少なくとも99、特に約100である。好ましくは、前記ポリマーは実質的に部分I、部分IIおよび/または部分IIIからなる。
【0020】
前記ポリマーは、一般式IVの反復単位を有するホモポリマーであるか、
【化14】
Figure 0004647167
または、一般式Vの反復単位を有するホモポリマーであるか、
【化15】
Figure 0004647167
または、式IVおよび/または式Vの少なくとも2つの異なる単位を含むランダムコポリマーまたはブロックコポリマーであり得る。
式中、A、B、CおよびDは独立して0または1を表し、E,E’,G,Ar,m,r,s,t,v,wおよびzは本願中のいずれかの文に記載されているのと同様である。
上述した単位IVおよび/または単位Vを含むポリマーの代わりとして、前記ポリマーは一般式IV*の反復単位を有するホモポリマーであるか、
【化16】
Figure 0004647167
または、一般式V*の反復単位を有するホモポリマーであるか、
【化17】
Figure 0004647167
または、式IV*および/または式V*の少なくとも2つの異なる単位を有するランダムコポリマーまたはブロックコポリマーであり得る。式中、A、B、CおよびDは独立して0または1を表し、E,E’,G,Ar,m,r,s,t,v,wおよびzは本願中のいずれかの文に記載されている通りである。
好ましくは、mは0〜3の範囲、より好ましくは0〜2の範囲、特に0〜1の範囲にある。好ましくは、rは0〜3の範囲、より好ましくは0〜2の範囲、特に0〜1の範囲にある。好ましくは、tは0〜3の範囲、より好ましくは0〜2の範囲、特に0〜1の範囲にある。好ましくは、sは0または1である。好ましくはvは0または1である。好ましくは、wは0または1である。好ましくはzは0または1である。
【0021】
好ましくは、Arは以下の部分(xi)*、(xi)〜(xxi)から選択される。
【化18】
Figure 0004647167
(xi)*において、中央のフェニルは1,4−または1,3−置換されてもよい。
【0022】
好ましくは、(xv)は1,2−の部分、1,3−の部分、または1,5−の部分から選択され、(xvi)は1,6−の部分、2,3−の部分、2,6の−部分、または2,7−の部分から選択され、(xvii)は1,2−の部分、1,4−の部分、1,5−の部分、1,8−の部分、または2,6−の部分から選択される。
【0023】
好ましいクラスのポリマーの1つは、ポリマー鎖内に少なくとも数個のケトン部分を含み得る。このような好ましいクラスにおいて、好ましくは、ポリマーはポリマー鎖内にてアリール(または別の不飽和)部分同士の間に−O−および−SO2−を含み得る。したがって、この場合好ましくは、第1の態様および/または第2の態様のポリマーは、式IIIの部分のみから構成されず、式Iおよび/または式IIの部分も含む。
【0024】
一つの好ましいクラスのポリマーは、式IIIの部分は少しも含まず、式Iおよび/またはIIの部分を適当に含むに過ぎない。上述されたように、前記ポリマーがホモポリマー、またはランダムコポリマー、またはブロックコポリマーである場合、前記ホモポリマーまたはコポリマーは、一般式IVの反復単位を適当に含む。このようなポリマーは、いくつかの実施の形態において、一般式Vの反復単位を少しも含まなくてもよい。
【0025】
式IVに関して、好ましくは、前記ポリマーは、式中において、Arは部分(iv)を表し、EおよびE’は酸素原子を表し、mはゼロを表し、wは1を表し、sはゼロを表し、Gは直接結合を表し、AおよびBは1を表すか;Arは部分(i)を表し、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、mはゼロを表し、wは1を表し、rは0を表し、sは1を表し、AおよびBは1を表すか;Arは部分(iv)を表し、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、mは0を表し、wは0を表し、sは1を表し、rは1を表し、AおよびBは1を表すポリマーではない。
【0026】
式Vを参照すると、好ましくは、前記ポリマーは、式中、Arは部分(iv)を表し、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、mはゼロを表し、zは1を表し、vはゼロを表し、CおよびDは1を表すポリマーではない。
【0027】
好ましくは、前記ポリマーは以下の式で示されるスルホン化芳香族ポリエーテルケトンではない。
-[[Ph-O]p-Ph-[[CO-Ph']x-O-Ph]h-[CO-Ph']y-[O-Ph]n-CO-]-
式中、Phは1,4−または1,3−フェニレン部分を表し、Ph’はフェニレン、ナフチレン、ビフェニレンまたはアントリレンを表し、pは1,2,3または4を表し、x,hおよびnは独立してゼロまたは1を表し、yは1,2または3を表す。
【0028】
好ましくは、前記ポリマーは以下の式に従わない。
【化19】
Figure 0004647167
式中、eは0.2〜1であり、
fは0〜0.8であり、
e+f=1である。
好ましくは、前記ポリマーは以下の式に従わない。
【化20】
Figure 0004647167
式中、eは0〜1の数であり、gは0〜1の数であり、fは0〜0.5の数であり、合計e+f+g=1である。
好ましくは、前記ポリマーは、以下の式の少なくとも2つの異なる単位から構成されるコポリマーではない。
【化21】
Figure 0004647167
適当な部分Arは、部分(i),(ii),(iv),(v)であり、これらのうち、部分(i),(ii),(iv)が好ましい。好ましい部分Arは、部分(xi),(xii),(xiv),(xv),(xvi)であり、これらのうち、部分(xi),(xii),(xiv)は特に好ましい。別の好ましい部分は、部分(v)であり、特に部分(xvi)である。特に単位IV*および/または単位V*を含む代替のポリマーに関して、好ましいAr部分は部分(v)であり、特に部分(xvi)である。
【0029】
好ましいポリマーは、電子過多で、比較的不活性化されておらず、容易にスルホン化可能な単位である、例えば、多環式フェニレン(multi−phenylene)部分またはナフタリンなどの縮合環芳香族部分を含む。このような容易にスルホン化される単位は、比較的穏和な条件下においてスルホン化され、1単位あたりに2つのスルホン基を導入する。したがって、好ましいポリマーは、非局在化芳香族部分内に少なくとも10個のπ電子を有し得る。π電子の数は12以下であり得る。好ましいポリマーは、ビフェニレン部分を含む。他の好ましいポリマーは、ナフタレン部分を含む。好ましいポリマーは、2つの酸素原子に結合されている前記の電子過多で、不活性化されておらず、容易にスルホン化可能な単位を含む。特に好ましいポリマーは、−O−ビフェニレン−O−部分を含む。他の特に好ましいポリマーは、−O−ナフタレン−O−部分を含む。
【0030】
好ましいポリマーは、スルホン化が比較的難しい第1の型の部分と、スルホン化が比較的容易な第2の型の部分とを含む。例えば、前記第2部分は実施例2に後述される比較的穏和な方法を用いてスルホン化可能であり得るが、第1部分はそのような方法では実質的にスルホン化可能にはなり得ない。実施例2の方法の使用は、現在用いられている発煙硫酸を用いる方法に対して有利であり得る。好ましい前記第2部分は、nが少なくとも2である整数である部分−Phn−を含む。好ましくは、前記部分は少なくとも1つのエーテル酸素に結合されている。特に好ましいのは、前記部分が−O−Phn−O−であり、前記エーテル基がPh−Ph結合に対しパラ位にある場合である。
【0031】
好ましいポリマーは、
(a)EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mおよびsはゼロを表し、wは1を表し、AおよびBは1を表す式IVの単位、
(b)Eは酸素原子を表し、E’は直接結合を表し、Arは構造(i)の部分を表し、mはゼロを表し、Aは1を表し、Bはゼロを表す式IVの単位、
(c)EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mおよびvはゼロを表し、zは1を表し、CおよびDは1を表す式Vの単位、
(d)Eは酸素原子を表し、E’は直接結合を表し、Arは構造(ii)の部分を表し、mは0を表し、Cは1を表し、Dは0を表す式Vの単位、または、
(e)EおよびE’が酸素原子を表し、Arは構造(i)を表し、mは0を表し、Cは1を表し、Zは1を表し、Gは直接結合を表し、vは0を表し、Dは1を表す式Vの単位のうちから選択される第1の反復単位と、
(f)EおよびE’が酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mは1を表し、wは1を表し、sはゼロを表し、AおよびBは1を表す式IVの単位、
(g)Eは酸素原子を表し、E’は直接結合であり、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mおよびsはゼロを表し、wは1を表し、AおよびBは1を表す式IVの単位、
(h)EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mは1を表し、zは1を表し、vは0を表し、CおよびDは1を表す式Vの単位、および
(i)Eは酸素原子を表し、E’は直接結合を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mおよびvはゼロを表し、zは1を表し、CおよびDは1を表す式Vの単位のうちから選択される第2の反復単位とを含む(好ましくは主にそれらから成る)コポリマーである。
【0032】
前記第1の反復単位(a)〜(e)のいずれかとコポリマーを形成し得る他の第2の単位は、EおよびE’が酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(v)の部分を表し、mは0を表し、wは1を表し、sは0を表し、AおよびBは1を表す式IVの単位、または、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(v)の部分を表し、mは0を表し、zは1を表し、vは0を表し、CおよびDは1を表す式Vの単位を含む。
【0033】
いくつかの状況に好ましいポリマーは、単位(a),(b),(c)および(e)から選択される単位を含む第1の単位と、単位(f),(g),(h)または(i)から選択される第2の単位とからなり得る。また、単位(d)および(h)を含むポリマーが好ましいこともある。
【0034】
より好ましいポリマーは、上述された反復単位から選択される第1の反復単位、特に反復単位(b),(d)または(e)と、単位(f)または(h)から選択される第2の反復単位とを組み合わせて有するコポリマーである。
【0035】
式IV*および式V*の反復単位を有する好ましいポリマーは、Arが構造物(v)の部分を表し、Eが直接結合を表し、E’が酸素原子を表し、Gが直接結合を表し、w,sおよびmは0を表し、AおよびBは1を表す式IV*の単位、および/または、Arが構造(v)の部分を表し、Eが直接結合を表し、E’が酸素原子を表し、Gが直接結合を表し、z,vおよびmが0を表し、CおよびDが1を表す式V*の反復単位を含む。
【0036】
反復単位IV*およびV*を有する前記ポリマーは、上述された反復単位(a)〜(i)のいずれも含み得る。
【0037】
いくつかの状況において、式IVまたは式IV*のうち少なくとも1つの反復単位を含むポリマーが好ましくなり得る。
コポリマーは、1つ以上の第1の反復単位、および1つ以上の前記第2の反復単位を有して調製され得る。
【0038】
前記ポリマーが上記コポリマーである場合、コモノマー単位のモル%、例えば、上記された第1の反復単位および第2の反復単位のモル%は、溶媒中におけるポリマーの溶解度を変化させるために変更され得る。前記溶媒は、例えば、ポリマーからのフィルムおよび/または膜を形成するために用いられ得る有機溶媒、および/または他の溶媒、特に水である。
【0039】
好ましいポリマーは、極性非プロトン溶媒、例えば、NMP、DMSOまたはDMF中において、少なくとも10%w/vの溶解度を有し、(特に少なくとも10%w/w)好ましくは、10〜30%w/vの範囲(特に10〜30%w/wの範囲)にある溶解度を適切に有する。好ましいポリマーは、熱水中においてほぼ不溶性である。
【0040】
上述されたタイプの第1の単位(単位(a)および単位(c)を除く)は、スルホン化が比較的困難であり、上記されたタイプの第2の単位はよりスルホン化が容易であり得る。
【0041】
フェニル部分がスルホン化される場合、モノ−スルホン化のみが行われ得る。しかしながら、いくつかの状況においては、ジ−スルホン化、またはマルチ−スルホン化が行われることが可能であり得る。
【0042】
一般に、前記ポリマーが−O−フェニル−O−部分を含む場合、フェニル部分は最大100モル%までスルホン化され得る。前記ポリマーが−O−ビフェニレン−O−部分を含む場合は、フェニル部分は最大100モル%までスルホン化され得る。nが整数、好ましくは1−3である−O−(フェニル)n−O−部分は、最大100モル%まで、比較的容易にスルホン化することが可能であると考えられる。式−O−(フェニル)n−CO−、または−O−(フェニル)n−SO2−も100モル%までスルホン化され得るが、より強力な条件が要求され得る。式−CO−(フェニル)n−CO−および−SO2−(フェニル)n−SO2−はスルホン化するのがより困難であり、いくつかのスルホン化条件下においては、100モル%より低いレベルまでしかスルホン化され得ないか、あるいは全くスルホン化されないこともある。
【0043】
前記ポリマーのガラス転移温度(Tg )は、少なくとも144°C、適切には少なくとも150°C、好ましくは少なくとも154°C、より好ましくは少なくとも160°C、特に少なくとも164°Cであり得る。いくつかの場合において、Tg は、少なくとも170°C、または少なくとも190°C、または250°Cより大きいか、300°Cに等しくてもよい。
【0044】
前記ポリマーは、少なくとも0.1、適切には少なくとも0.3、好ましくは少なくとも0.4、より好ましくは少なくとも0.6、特に少なくとも0.7(最少0.8の換算粘度(RV)に対応する)のインヘレント粘度(IV)を有し得る。RVは、25°Cにて、密度1.84gcm-3の濃硫酸中のポリマー溶液について測定され、前記溶液は溶液100cm3あたり1gのポリマーを含む。IVは、25°Cにて、密度1.84gcm-3の濃硫酸中のポリマー溶液について測定され、前記溶液は溶液100cm3あたり1gのポリマーを含む。
【0045】
RVおよびIVの双方の測定はともに、約2分の溶媒流動時間を有する粘度計を適宜に用いる。
前記ポリマー(結晶性ならば)のための融解吸熱(Tm)の主ピークは少なくとも300°Cであり得る。
【0046】
一般的に、前記複合膜は、燃料電池においてPEMとして用いられる場合、好適にほぼ安定している。例えば、前記ポリマーは酸化、還元および加水分離に対して高い耐性を好適に有し、燃料電池中の反応剤に対して非常に低い浸透性を有する。しかしながら、好ましくは、前記ポリマーは高いプロトン伝導性を有する。さらに、前記ポリマーは高い機械的強度を好適に有し、膜電極アセンブリを形成する他の構成部材に接着されることが可能である。
【0047】
前記ポリマーは、適切には1mm未満の厚さ、好ましくは0.5mm未満、より好ましくは0.1mm未満、特に0.05mm未満の厚さを有するフィルムからなってもよい。前記フィルムは、少なくとも5μmの厚さを有し得る。
【0048】
前記高分子電解質膜は1つ以上の層を含む。好ましくは、前記層において、少なくとも一層は前記ポリマーのフィルムからなり得る。前記膜は、少なくとも5μm、適切には1mm未満、好ましくは0.5mm未満、より好ましくは0.1mm未満、特に0.05mm未満の厚さを有し得る。
【0049】
前記支持材は、複合膜に機械的強度および寸法安定性を適切に導入する。ポリマーは、支持材と関連させられて、様々な方法で複合膜を形成し得る。例えば、未支持の導電性ポリマーフィルムを予備成形して支持材に積層してもよい。これに代わって(かつ好ましくは)、支持材が多孔質であって、導電性ポリマーの溶液を支持材に含浸させてもよい。前記支持材は本質的に、任意に置換されたポリオレフィンを含むかまたは同ポリオレフィンから成る。好ましいポリオレフィンは、任意に置換されたポリエチレンおよびポリプロピレンである。一実施形態では、支持材は、好適には多孔性フィルムとして提供された、ポリテトラフルオロエチレンまたは表面修飾されたポリテトラフルオロエチレンを含むか、または好ましくはそれらから主に成ってもよい。そのような支持材は国際特許出願公開公報第W097/25369号および同第WO96/28242号の教示によって示され、かつ使用され得る。前記公報の内容は参照によって本願に援用される。好適には、支持材は、ポリマーフィブリルの多孔性微細構造を有しており、好ましくは、膜の内部容積をほぼ閉塞するように、該物質の全体にわたって前記ポリマーで含浸させられる。
【0050】
支持材は前記導電性ポリマーのために本願に記載された任意のポリマーから形成され得る。但し、前記支持材のポリマーは、イオン交換サイトを提供するためにスルホン化されても官能基化されてもいないか、あるいは支持材の表面領域上またはその領域内でのみスルホン化されている(または官能基化されてイオン交換サイトを提供する)、つまり前記支持材の官能基化はその内部領域でよりも表面において勝っている。前記支持材のEWは2000を越え得る。したがって、前記支持材は、部分I、IIおよび/またはIIIを有するポリマー、あるいは単位IVおよび/またはVを含むホモポリマーもしくはコポリマーを含み得る。
【0051】
好ましくは、前記支持材は、以下の式IVのホモポリマー、すなわち、
・EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは、構造(iv)の部分を表し、mおよびsは0を表し、wは1を表し、AおよびBは1を表すホモポリマー、
・Eは酸素原子を表し、E’は直接結合を表し、Arは構造(i)の部分を表し、mは0を表し、Aは1を表し、Bは0を表すホモポリマー、
・Arは、部分(iv)を表し、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、mは0を表し、wは0を表し、sは1を表し、rは1を表し、AおよびBは1を表すホモポリマー、
・Arは構造(i)*を表し、Eは酸素原子を表し、E’は直接結合を表し、mは0を表し、Aは1を表し、Bは0を表すホモポリマー、
・Arは部分(i)を表し、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、mはゼロを表し、wは1を表し、rは0を表し、sは1を表し、AおよびBは1を表すホモポリマー、
・Arは部分(iv)を表し、Eは硫黄原子を表し、mは0を表し、E’は直接結合を表し、Bは0を表すホモポリマーのうちから選択され、かつ、
・式中、Eは酸素原子を表し、E’は直接結合を表し、Arは、構造(ii)の部分を表し、mは0を表し、Cは1を表し、Dは0を表す式Vのホモポリマーから選択され、かつ、
・式中、EおよびE’は酸素原子を表し、mはゼロを表し、CおよびDは1を表し、zは1を表し、Gは直接結合を表し、vはゼロを表し、Arが下記構造の部分を表す式Vのホモポリマーを例えば含むポリスルホンから選択される。
【化22】
Figure 0004647167
上述の物質のブレンドを使用してもよい。
前記支持材について、前記支持材は国際特許公開公報第WO99/l0l65号に記載の任意の支持材であってもよい。前記公報は、その全容を本願に援用される。
【0052】
前記支持材は、好ましくは、前記導電性ポリマーで含浸されている。前記支持材は好ましくは多孔性であり、好適には、前記導電性ポリマーは支持材の内部容積をほぼ閉塞にするように、前記支持材の細孔内に配置される。
【0053】
前記多孔性支持材は、縦糸および横糸を有してもよいし、繊維の不規則な構成から成ってもよい織布によって提供され得る。好適には、前記細孔は、繊維間にある織布の空孔容積によって画定される。しかしながら、織布の繊維自身が多孔性であって、前記導電性ポリマーによって含浸されていてもよい。これに代わって、前記多孔性支持材は微孔性であり、好適には、以下で説明するような転相プロセスによって製造されてもよい。そのような微孔性物質は、貫通細孔を有さず、かつ/または密閉細孔を含まない。
【0054】
好ましくは、前記支持材および前記導電性ポリマーは緊密に接触している。それらの2つの物質は、好ましくは、一緒なって均一な物質を画成しないが、支持材と導電性ポリマーは、好ましくはそれら2つの物質間の境界領域で混ざり合う(もし起こるとした場合、例えば、支持材の表面は溶解されて前記導電性物質と接触している)。
【0055】
上述のような支持材の使用により、より低い当量(EW)(例えば、800g/モル未満、700g/モル少量未満、600g/モル未満、好適には500g/モル未満、好ましくは、450g/モル未満、またはさらに400g/モルもしくは370g/モル未満)のポリマー、あるいは比較的柔軟性がないか、かつ/または脆いポリマーを前記導電性ポリマーとして前記複合膜において使用することが可能になる。
【0056】
複合膜は、上述した支持材/導電性ポリマー構成の両側面上に、好適には白金触媒(つまり、白金含有)、または白金とルテニウムとの混合物である触媒物質(好ましくは触媒物質の層)を有する。触媒物質の外側には電極が設けられ得る。
【0057】
前述の導電性ポリマー(例えばスルホン化ポリマー)中の各フェニル基が、例えばスルホン化基、スルホン基、ケトン基などの電子求引性基に直接結合させられることにより非活性化されることが望ましいこともある。
【0058】
本発明の別の態様によれば、導電性ポリマーおよび該ポリマーの支持材を含む複合膜であって、前記ポリマーは、ポリアリールエーテルケトンおよび/またはポリアリールエーテルスルホン単位と、式−O−Phn−O−(XX)の単位とを含み、前記式中、Phはフェニル基を表し、nは2以上の整数を表し、かつ単位(XX)のPh基はスルホン化されている、複合膜が提供される。
【0059】
好ましくは、Phn部分の各フェニルはスルホン化、好ましくはモノ−スルホン化されている。記載されたように、このようなフェニル基のほぼ100モル%がスルホン化され得る。
【0060】
好ましくは、前記ポリマーの−OPhCO−部分および/または−OPhSO2−部分は、部分Phnのフェニル基よりも少ない程度にスルホン化されている。部分−OPhCO−および部分−OPhSO2−は、実質的にスルホン化されなくてもよい。
【0061】
一実施形態においては、前記ポリマーはケトン結合を全く含まなくてもよく、かつ900より大きい当量を有し得る。それにもかかわらず、驚いたことにこのようなポリマーが依然導電性を有することが見出された。
【0062】
前記複合膜は燃料電池用または電気分解装置用であり得る。
電気化学的燃料電池用イオン交換膜として本願に記載された複合膜の効用に加えて、次のさらなる効用も企図される。
1.水素/酸素の電気化学的燃料電池において使用される反応に対する逆化学反応を伴うプロトン交換膜に基づいた水電解。
【0063】
2.一般に塩水溶液の電解を伴い、塩素および水酸化ナトリウムを生成し、副産物として水素を有する塩素アルカリ電解。
3.複合膜の化学的不活性および高い電気伝導率による、従来のバッテリーにおける電極セパレータ。
【0064】
4.イオン選択的な電極、特に、Ca2+、Na+、K+のような特定のイオンの電位差測定のために使用される電極。イオン交換膜の電気伝導率は湿度に応じて変化するので、上記複合膜を湿度センサー用のセンサー材料として使用することも可能である。
【0065】
5.イオン交換クロマトグラフィーによる分離用のイオン交換材料。代表的なこのような用途としては、水の脱イオンおよび脱塩(例えば重金属汚染水の精製)、イオン分離(例えば希土類元素の金属イオン、超ウラン元素)、および干渉するイオン種の除去がある。
【0066】
6.分析用予備濃縮技術(ドナン(Donnan)透析)において使用されるイオン交換膜。この技術は一般には、希薄なイオン種を分析できるように濃縮する分析的化学プロセスにおいて使用される。
【0067】
7.電気透析におけるイオン交換膜。ここでは、電流の推進力下においてイオン溶液の成分を分離するために膜が使用される。電気分解の用途としては、産業規模の淡塩水の脱塩、ボイラー補給水(bolier feed make−up)の調製、糖溶液の脱灰、柑橘類ジュースの脱酸、アミノ酸の分離などがある。
【0068】
8.透析用途における膜。本用途では、溶質は膜の一方の側(フィード側)から反対側まで、該溶質の濃度勾配によって拡散する。分子の大きさの差から発生する薄膜を通過する拡散速度の差の結果として、溶質間の分離が生じる。そのような用途としては、血液透析(人工腎臓)およびビールからのアルコールの除去がある。
【0069】
9.ガス分離(ガス浸透)および浸透気化(pervaporation)(液体浸透)技術における膜。
10.水の分割(water spliting)、および続く廃水溶液からの酸および塩基の回収において使用されるバイポーラ膜。
【0070】
本発明は、本願に記載の複合膜のための導電性ポリマーの調製において、比較的スルホン化が容易な単位と、比較的スルホン化の困難な単位とを含むポリマーの使用に及ぶ。
【0071】
本願に記載した導電性ポリマーは、本願に記載された発明により記載されたポリマーのうちの少なくとも1つのポリマーのブレンドを含み得る。
好適には、本願の導電性ポリマーは、0〜40wt%、好ましくは0〜20wt%、より好ましくは0〜10wt%、特には0〜5wt%の他の高分子物質とブレンドされる。しかしながら、ポリマーのブレンドは提供されないことが好ましい。
【0072】
本発明の第3の態様によれば、第1または第2の態様による高分子電解質膜を組み込んだ燃料電池あるいは電気分解装置(特に燃料電池)が提供される。燃料電池は水素燃料電池であっても直接メタノール燃料電池であってもよい。
【0073】
単位I、II、III、IV、IV*、Vおよび/またはV*を有するポリマーは、
(a)一般式VIの化合物を重縮合すること、
【化23】
Figure 0004647167
(式中、Y1はハロゲン原子または−EH基を表し、Y2はハロゲン原子を表すか、またはY1がハロゲン原子を表す場合には、Y2はE’H基を表す)、または、
(b)一般式VIの化合物を
【化24】
Figure 0004647167
化学式VIIの化合物と、
【化25】
Figure 0004647167
および/または、化学式VIIIの化合物と共に重縮合すること、
【化26】
Figure 0004647167
(式中、Y1はハロゲン原子または−EH基(または、適当であれば−E’H)を表し、X1は別のハロゲン原子または−EH(または、−E’H)の1つを表し、Y2はハロゲン原子または−E’H基を表し、X2は別のハロゲン原子または−E’H基(または、適当であれば−EH)の1つを表す)ことと、
(c)任意に、項(a)に記載される工程の生成物と項(b)記載される工程の生成物との共重合を行うことから調整され得る
(式中、単位VI、単位VIIおよび/または単位VIIIのフェニル部分は任意に置換され、化合物VI、化合物VIIおよび/または化合物VIIIは任意にスルホン化され、Ar,m,w,r,s,z,t,v,G,EおよびE’は、EおよびE’が直接結合を表さないこと以外は上述した通りである)。
また、本方法は、前記ポリマーを調製するために、項(a)、項(b)および/または項(c)に記載される反応生成物をスルホン化および/または架橋処理を行うことも任意に含む。
【0074】
いくつかの状況において、ポリマーの形成の後に、調製されたポリマー、より詳細には該ポリマーのフェニル基は、上記された基で任意に置換され得る。
好ましくは、Y1,Y2,X1および/またはX2はハロゲン原子、特にフッ素原子、ハロゲン原子に対してオルト位またはパラ位に配置される活性基、特にカルボニル基またはスルホン基を表す。
【0075】
好ましいハロゲン原子はフッ素原子および塩素原子であり、フッ素原子は特に好ましい。好ましくは、ハロゲン原子は、活性基、特にカルボニル基に対してメタ位またはパラ位に配される。
【0076】
項(a)に記載される工程が行われる場合、好ましくは、Y1およびY2のうちの一方はフッ素原子を表し、他方はヒドロキシ基を表す。この場合、より好ましくは、Y1がフッ素原子を表し、Y2はヒドロキシ基を表す。Arが構造(i)の部分を表し、mが1を表すとき、項(a)に記載される工程は有利に用いられ得る。
【0077】
項(b)に記載される工程が行われるとき、好ましくは、Y1およびY2はそれぞれヒドロキシ基を表す。好ましくは、X1およびX2は、それぞれハロゲン原子、好適には同一のハロゲン原子を表す。
【0078】
一般式VI,VIIおよび一般式VIIIの化合物は市販されているか(例えば英国のアルドリッチ社(Aldrich)より)、かつ/または、一般的にフリーデル−クラフツ反応を伴う標準的な技術およびそれに続く官能基の適当な誘導体化により調製され得る。ここに記載されるいくつかのモノマーの調製は、ピー・エム・ハーゲンローザー(P M Hergenrother)、 ビー・ジェイ・ジェンセン(B J Jensen)およびエス・ジェイ・ハーベンス(S J Havens)によるPolymer第29巻358頁(1988年)、エイチ・アール・クリヒェルドルフ(H R Kricheldorf)およびユー・デリウス(U Delius)によるMacromolecules第22巻517頁(1989年)、およびピー・エー・スタニランド(P A Staniland)、Bull,Soc,Chem,Belg.第98(9−10)巻667頁 (1989年)に記載されている。
【0079】
化合物VI,VIIおよび/または化合物VIIIがスルホン化される場合には、スルホン化されていない式VI,VIIおよび/または式VIIIの化合物が調製され、このような化合物は前記重縮合反応の前にスルホン化され得る。
【0080】
ここに記載されるスルホン化は、濃硫酸(好適には少なくとも96%w/w、好ましくは少なくとも97%w/w、より好ましくは少なくとも98%w/wであり、かつ好ましくは98.5%w/w未満)中、昇温下において行われ得る。例えば、乾燥された高分子は硫酸と接触させられて、40°Cより高い温度、好ましくは55°Cより高い温度にて攪拌されつつ、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも2時間、より好ましくは約3時間加熱され得る。所望の生成物は、好適に冷水と接触させることにより沈殿を生じ、標準的な技術により単離され得る。また、スルホン化は米国特許第5362836号および/または欧州特許第EP0041780号に記載されるように行われてもよい。
【0081】
本発明の別の態様によると、本願に記載した複合膜を作成する方法が提供される。該方法は、本願に記載した導電性ポリマーを本願に記載した支持材と関連させることからなる。
【0082】
導電性ポリマーは様々な方法で支持材に関連させられ得る。前記方法は、導電性ポリマーおよび支持材をともに積層することからなってもよい。しかしながら、好ましくは、前記方法は多孔性の支持材に前記導電性ポリマーを含浸させることからなる。
【0083】
多孔性支持材は織布であっても微孔性膜であってもよい。
前記多孔性支持材が織布である場合、前記方法は第1の溶媒および導電性ポリマーからなる第1の溶媒製剤に織布を接触させる工程を備え得る。該工程では、好ましくは導電性ポリマーは第1の溶媒に溶解されている。従って、前記織布は前記製剤を含浸させられ得る。その後、前記織布の細孔内に前記導電性ポリマーを残したまま、前記第1の溶媒は除去され得る。
【0084】
第1の溶媒および前記多孔性支持材は、前記第1の溶媒が支持材の表面をある程度可溶化するように選択され得る。前記第1の溶媒は、少なくとも5wt%の濃度まで支持材を溶解することが可能であり得る。これは、導電性ポリマーと前記支持材との間の接触を改善し得る。任意に、前記第1の溶媒は前記支持材を官能基化(例えばスルホン化)して、前述したように、前記支持材の表面上にイオン交換サイトを提供することが可能であってもよい。
【0085】
前記第1の溶媒は極性非プロトン溶媒、例えばNMPであってもよいし、プロトン性溶媒であってもよい。極性非プロトン溶媒は前記多孔性支持材を可溶化できないことがある。一方、プロトン性溶媒は前記多孔性支持材を可溶化し、場合によっては、官能基化(スルホン化)することが可能であり得る。
【0086】
前記第1の溶媒がプロトン性溶媒である場合、好ましくは、前記溶媒は強酸溶媒を含有するか、または強酸溶媒から主に成る。溶媒が少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも97%、特には少なくとも98%の酸を含む。前記強酸溶媒は、硫酸、スルホン酸(例えばメタンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸)、フッ化水素酸およびリン酸のうちの1つ以上であり得る。
【0087】
好ましくは、前記プロトン性第1の溶媒は、硫酸を含有するか、または硫酸から主に成り得る。前記溶媒は、少なくとも96%、好ましくは少なくとも98%の酸を含み得る。前記溶媒は99%未満の酸を含有してもよい。前記プロトン性第1の溶媒は、好ましくは、スルホン化が困難な単位ではなく、本願に記載のスルホン化が容易な単位をスルホン化するように構成されている。
【0088】
一実施形態では、前記織布はポリエーテルエーテルケトン(例えばPEEK(商標))であり得る。この織布が硫酸中で導電性ポリマーを含む製剤と接触させられることにより、硫酸はポリエーテルエーテルケトン繊維の表面を溶解して該表面をスルホン化し、該織布の繊維間に画成された細孔内に導電性ポリマーが浸透する。その後、好適には非溶媒(例えば水)との接触によって、転相が行われ得る。乾燥後、上記構成物は、ポリエーテルエーテルケトンをほとんど攻撃しないが、既に細孔内にある導電性ポリマーをある程度まで溶解し得る極性非プロトン溶媒中において、導電性ポリマー製剤と接触させられ得る。別の実施形態では、記載したプロセスにおいてポリエーテルエーテルケトンの代わりにポリエーテルケトン(例えばPEK(商標))を使用してもよい。この場合、ポリエーテルケトンは硫酸によって溶解されるが、その表面はスルホン化されない。その他については、ポリエーテルエーテルケトンの処理について記載した通りのプロセスである。
【0089】
別の実施形態では、第1の溶媒は、好適には、極性非プロトン溶媒(例えばNMP)であってよく、該溶媒には導電性物質(例えばSPEDEK/PEKES)が提供される。前記支持材は前記溶媒によって可溶化されない物質(例えばポリエーテルエーテルケトン、特にPEEK(商標)、好適には織布として)であり、その結果、好適には、前記支持材の表面は可溶化されない。さらなる実施形態では、第1の溶媒は極性非プロトン溶媒(例えばNMP)であってよく、好適には、該溶媒中に導電性物質(例えばSPEDEK/PEKES)が提供される。前記支持材は前記溶媒によって可溶化されない物質(例えばポリエーテルケトン、特にPEK(商標))で適切に形成されている微孔性膜であり、そのため、好適には前記支持材の表面は可溶化されない。
【0090】
前記支持体が微孔性膜である場合、膜の調製は、本願に記載の支持材を前記第1の溶媒を含む溶媒製剤と接触させる工程を有する。前記第1の溶媒は、好ましくは支持材を可溶化する。その後、前記方法は支持材を第2の溶媒と接触させる工程を有する。
【0091】
前記第2の溶媒は、好ましくは、転相を引き起こすように構成されている。転相は、好適には、多孔性にさせられた前記支持材を生じる。前記第2の溶媒は、好ましくは、前記支持材には非溶媒である。好ましい第2の溶媒は水性であり、特に、水が好ましい。
【0092】
前記微孔性支持材は好ましくは、前記ポリマーが前記多孔性物質内に形成された細孔内に浸透するように、前記導電性ポリマーと接触させられる。前記導電性ポリマーは第3の溶媒中に供給されることにより、前記支持材内の細孔に浸透する。前記第3の溶媒は、好ましくは、極性非プロトン溶媒である。NMPは適切な溶媒である。その後、第3の溶媒は蒸発させられる。
【0093】
前記第3の溶媒は、上述した前記第1の溶媒と同様の類似点を有し得る。前記導電性物質は第1の溶媒中で前記支持材と接触させられ得る。その後、上述のように、転相が引き起こされて、その転相によって形成された細孔内に沈積した前記導電性ポリマーを生じ得る。細孔内における前記導電性ポリマーの沈積の後、上述されるように、上記構成物は、好適には支持材上に前記導電性ポリマーの実質的に連続したフィルムを形成するように、後処理され得る。該後処理は、前記導電性ポリマーは比較的可溶であり、かつ前記支持材はほぼ不溶である第3の溶媒に前記支持材の細孔内に導電性ポリマーを含む複合膜を接触させる工程を有する。この工程は、細孔中の導電性ポリマーをいくらか溶解させて、細孔間の物質の合着によるフィルム形成をもたらし得る。任意で、前記導電性ポリマーは、前記第3の溶媒中に提供されることによって、前記支持材内の細孔に浸透してもよい。前期第3の溶媒は好ましくは極性非プロトン溶媒である。NMPは好適な溶媒である。その後、第3の溶媒は蒸発させられる。
【0094】
前記方法は、記載したように調製された複合膜に触媒物質を関連させる後続工程を有してもよい。
本願に記載の前記複合膜は、燃料電池または電気分解装置に使用され得る。したがって、本発明は記載したような複合膜を組込む燃料電池または電気分解装置まで及ぶ。
【0095】
本願に記載の任意の発明あるいは実施形態の任意の態様のいかなる特徴も、本願に記載の他の発明あるいは実施形態の任意の態様のいかなる特徴と組み合わせられてもよい。
【0096】
例として、高分子電解質膜燃料電池の概要を示した図1を参照して本発明の特定の実施例について説明する。
NMPなる略語はN−メチルピロリドンを意味する。
PEEK(商標)およびPEK(商標)は、それぞれポリエーテルエーテルケトンおよびポリエーテルケトンのためのヴィクトレックス・ピー・エル・シー(Victrex Plc)の商標である。
【0097】
本明細書中、スルホン化ポリエーテル(ビフェニル)エーテルケトンはSPEDEKと称され、ポリエーテルケトンエーテルスルホンはPEKESと称される。コポリマーに比率が続いている場合(例えばSPEDEK/PEKES(1:1:5))、その比率はポリマー成分のモル比(例えば、SPEDEK対PEKESのモル比は1対1.5である)に該当する。
PEM2は、さらに以下に説明するように、強化材層と組み合わされたイオン伝導性物質層を備え得る。
【0098】
実施例1
すりガラスのクイックフィット式の栓、スターラ/スターラガイド、窒素注入口および排出口が取り付けられた700mlフランジフラスコに、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(89.03g、0.408モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(29.79g、0.16モル)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(60.06g、0.24モル)およびジフェニルスルホン(332g)を装填して、窒素にて1時間パージした。その後、内容物を窒素環境(nitrogen blanket)下において140〜150°Cの間に加熱して、ほぼ無色の溶液を形成した。窒素環境を維持している間、乾燥炭酸ナトリウム(43.24g、0.408モル)を添加した。3時間にわたって徐々に315°Cまで温度を上げ、次いで0.5時間維持した。
【0099】
反応混合物を冷却して、粉砕し、アセトンおよび水で洗浄した。生じたポリマーを120°Cのエアオーブン内で乾燥させた。該ポリマーは、400°C、1000sec-1において0.6kNsm-2の溶融粘度と、188°CのTgとを有した。
【0100】
実施例2
各ポリマーを98%の硫酸中(ポリマー3.84g/硫酸100g)、50°Cで21時間攪拌することにより、実施例1のポリマーをスルホン化した。その後、反応溶液を攪拌した脱イオン水中に滴下させた。スルホン化されたポリマーが自由流動ビーズとして沈殿した。ろ過によって回収し、pHが中性になるまで脱イオン水で洗浄し、乾燥させた。一般的に、DMSO−d6中における1H nmrは、100モル%のビフェニル単位がスルホン化されており、該ビフェニル単位を含む2つの芳香族環の各々上に、エーテル結合に対してオルト位に、1つのスルホン酸基を与えており、前記ビフェニル単位は583当量を示していることを確認した。
【0101】
実施例3
実施例2に記載したようなスルホン化後に、ポリマーを15%w/wの濃度でN−メチルピロリドン(NMP)中の溶解することにより、実施例2のポリマーから膜を生成した。均質な溶液を清浄なガラスプレート上にキャストし、次に、ステンレス鋼ガードナーナイフを使用して引き延ばして、400ミクロンのフィルムを得た。真空下、100°Cで24時間にわたって蒸発させると、平均膜厚40ミクロンの膜が生成した。
【0102】
実施例4
70μmの厚さおよびl.7×10-3g・cm-2の重量/単位面積を有する1片のPEEK(商標)の織布である支持層を直径10cmの円形枠に把持し、実施例2において調製したSPEDEK/PEKES(l:l:5)の15%(w/w)NMP中溶液に浸漬した。濡れた支持層を105°Cの真空炉内に1.5時間置いて、NMPを除去した。乾燥した複合膜をガラスプレート上に置いて、実施例2において調製したSPEDEK/PEKES溶液の膜厚50μmの液状被膜をドクターブレードで塗布し、105°Cの真空炉内で20時間にわたって乾燥させて、NMPを除去した。生じた複合膜は、平均膜厚70μmを有する。イオン伝導性膜対PEEK(商標)織布の重量比70:30であった。実施例3の未強化の膜は、熱湯中に1時間浸漬した後には、高度に膨潤しており脆弱であったが、本複合膜は強く、柔軟であった。
【0103】
実施例5−実施例4で調製した強化複合膜と実施例3の未強化膜との燃料電池性能の比較
例4において調製した強化複合膜、および例3において調製した未強化膜をlM硫酸中で煮沸することにより予備処理し、室温に冷まして、脱イオン水で完全に洗浄した。標準的な白金搭載ナフィオン(Nafion(登録商標))含浸ガス拡散電極(E−Tek、Elat 0.35mgPt cm-2)を用いて、それを前記膜上にホットプレスして膜電極アセンブリ(MEA)を調製した。活性領域は11.8cm2であった。以下の作動条件を継続した。
水素圧力 3Barg
気圧 3Barg
水素化学量論 1.5
空気化学量論 3
セル温度 50°C
電流密度 0.7Acm-2
未強化の膜を使用したMEAは30時間後に穴があいたが、強化複合膜は400時間以上にわたって作動し続けた。
【0104】
実施例6
実施例4に記載したような150mm×130mm片のPEEK(商標)織布である支持層をガラスプレートに把持し、例2において調製したSPEDEK/PEKESの10%(w/w)溶液(98%硫酸中)中に含浸させ、直ちに脱イオン水中に浸した。該複合膜を乾燥させ、その後、ドクターブレードを用いて、前記膜を実施例2で調整したSPEDEK/PEKESの15%(w/w)溶液(NMP中)の被膜で湿潤膜厚(wet thickness)100μmに被覆した。1時間熱湯中に浸漬した後には高度に膨潤し脆弱であった実施例3に記載の未強化の膜と比較して、上記複合膜は強く柔軟であった。
【0105】
実施例7
30分間、NMP中SPEDEK/PEKESで被覆する代わりに、NNP単独で複合膜を被覆して、30分間放置して乾燥させたこと以外は実施例6に記載した手順に従った。1時間熱湯中に浸漬した後には高度に膨潤し脆弱であった実施例3に記載の未強化の膜と比較して、上記複合体は強く柔軟であった。
【0106】
実施例8
PEK(商標)(英国ヴィクトレックス・ピー・エル・シーより入手した、0.22kNsm-2の溶融粘度を有する等級P22)の10%(w/w)溶液(98%硫酸中)をガラスプレート上にキャストし湿潤膜厚100μmの被膜を生成した。前記プレートを脱イオン水に浸して除去し、真空下105°Cで乾燥させることにより、微孔性膜を生成した。その後、この膜に実施例2で調製したSPEDEK/PEKESの15%(w/w)溶液(NMP中)を含浸させ、250μmの溶液の湿潤膜厚に形成し、その後105°Cで20時間乾燥して平均膜厚50ミクロン膜を生成した。イオン伝導性膜対PEK(商標)微孔性膜の重量比は80:20であった。1時間熱湯中に浸漬した後には高度に膨潤し脆弱であった実施例3に記載の未強化の膜と比較して、上記複合膜は強く柔軟であった。
【0107】
実施例9
実施例8からの膜の5cm×5cm×50ミクロン試料と、実施例3からの膜の5cm×5cm×40ミクロン試料を別々に沸騰した脱イオン水(500ml)中に60分間浸漬し、取り出して、リントフリー・ペーパーで素早く表面の水を除去して乾燥させ、50°Cの炉中で1日間乾燥させ、デシケータ中で周囲温度まで冷まして、その後素早く秤量した。水の取込み(water−uptakes)%は、下記で算出されるように、それぞれ強化複合膜で132%、未強化の膜で520%であった。
Figure 0004647167
【0108】
実施例10
PESの10%(w/w)溶液を98%硫酸に溶解し、ガラスプレート上にキャストして、湿潤膜厚100μmの被膜を生成した。該プレートを脱イオン水に浸して除去し、真空下、105°Cで乾燥させることにより、微孔性膜を生成した。その後、この膜に実施例2において調製したSPEDEK/PEKESの15%(w/w)溶液(NMP中)を含浸させて、250μmの溶液湿潤膜厚を形成し、105°Cで20時間乾燥させた。1時間熱湯中に浸漬した後には高度に膨潤し脆弱であった実施例3に記載の未強化の膜と比較して、上記複合膜は強く柔軟であった。
【0109】
実施例11
10cm×10cm片のPTFE織布である支持層をガラスプレートに把持し、実施例2において調製したSPEDEK/PEKESポリマーの5%(w/w)溶液(NMP/メタノール(30:70;w/w)中)を含浸させて、脱イオン水に浸した。該複合膜を乾燥された後、ドクターブレードを使用して、実施例2において調製したSPEDEK/PEKESポリマーの5%(w/w)溶液(NMP/メタノール(30:70;w/w)の被膜で湿潤膜厚250μmに被覆して乾燥させた。上記被覆手順を反復した。1時間熱湯中に浸漬した後には高度に膨潤し脆弱であった実施例3に記載の未強化の膜と比較して、上記複合膜は強く柔軟であった。
【0110】
実施例12
ヴィクトレックス(登録商標)PEEK(商標)(英国ヴィクトレックス・ピー・エル・シーより入手した、0.45kNsm-2の溶融粘度を有する等級450G)の7%(w/w)溶液(メタンスルホン酸中)をガラスプレート上にキャストして湿潤膜厚100μmの被膜を生成した。該プレートを脱イオン水に浸して除去し、真空下、105°Cで乾燥させることによって、微孔性膜を生成した。次に、この膜に実施例2において調製したSPEDEK/PEKESの15%(w/w)溶液(NMP中)を含浸させて、250μmの溶液湿潤膜厚に形成し、その後、105°Cで20時間乾燥させた。1時間熱湯中に浸漬した後には高度に膨潤し脆弱であった実施例3に記載の未強化の膜と比較して、上記複合膜は強く柔軟であった。
【0111】
本願に関連して、本願と同時に、あるいは本願に先立って出願され、本願とともに公開されたすべての論文ならびに文書に読み手の注意を喚起するものであり、それらの論文および文献の全容をここに援用するものである。
【0112】
本願(特許請求の範囲、要約書および図面を含む)において開示される特徴の全て、および/または、同様に開示されたあらゆる方法またはプロセスのすべての工程は、これらの特徴および/または工程の少なくともいずれかが互いに相容れないような組み合わせを除いて、任意の組み合わせとして組み合わせることが可能である。
【0113】
本願(特許請求の範囲、要約書および図面を含む)において開示される特徴のそれぞれは、特に断らない限りにおいて、同一かあるいは均等かあるいは同様の目的を果たす別の特徴にて置き換えることが可能である。すなわち、特に断らない限りにおいて、開示される各特徴は、同等もしくは同様な一連の一般的特徴のあくまで一実施例に過ぎない。
【0114】
本発明は上記に述べた実施形態の詳細に限定されるものではない。本発明は、本願(特許請求の範囲、要約書および図面を含む)に開示される特徴の内、任意の新規な1つの特徴もしくは任意の新規な組み合わせ、あるいは同様に開示されたすべての方法またはプロセスの工程の内、任意の新規な1つもしくは任意の新規な組み合わせに及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 高分子電解質膜燃料電池(PEMFC)の概略図。

Claims (21)

  1. 導電性ポリマーと該ポリマーのための支持材とを含む複合膜であって、前記ポリマーは、下記式Iの部分と、
    Figure 0004647167
    および/または、下記式IIの部分と、
    Figure 0004647167
    および/または、下記式IIIの部分とを備え、
    Figure 0004647167
    前記式中、単位I、単位IIおよび/または単位IIIの少なくともいくつかは官能基化されてイオン交換サイトを提供しており、単位I,II,IIIのフェニル部分は独立して任意に置換されており、かつ任意に架橋され、m,r,s,t,v,wおよびzは独立してゼロまたは正の整数を表し、EおよびE’は独立して酸素原子または硫黄原子または直接結合を表し、Gは酸素原子もしくは硫黄原子、または直接結合、またはPhがフェニル基を表す−O−Ph−O−部分を表し、さらにArはその1つ以上のフェニル部分を介して隣接する部分に結合されている下記の部分(i)*および(i)〜(x)のうちの1つから選択され、前記導電性ポリマーは、ポリマー鎖内に少なくともいくつかのケトン部分を含み、前記導電性ポリマーは、−O−ビフェニレン−O−部分を含む、
    複合膜。
    Figure 0004647167
  2. 記導電性ポリマーがスルホン化されている請求項1に記載の膜。
  3. 記導電性ポリマーが結晶性である請求項1または2に記載の膜。
  4. 前記ポリマーが、下記一般式IVの反復単位を有するホモポリマーであるか、
    Figure 0004647167
    または、下記一般式Vの反復単位を有するホモポリマーであるか、
    Figure 0004647167
    または、式IVおよび/または式Vの少なくとも2つの異なる単位のランダムコポリマーまたはブロックコポリマーであり、
    式中、A,B,CおよびDは独立して0または1を表す請求項1乃至3のいずれか1項に記載の膜。
  5. 記導電性ポリマーが、
    (a)EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mおよびsはゼロを表し、wは1を表し、AおよびBは1を表す式IVの単位、
    (b)Eは酸素原子を表し、E’は直接結合を表し、Arは構造(i)の部分を表し、mはゼロを表し、Aは1を表し、Bはゼロを表す式IVの単位、
    (c)EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mおよびvはゼロを表し、zは1を表し、CおよびDは1を表す式Vの単位、
    (d)Eは酸素原子を表し、E’は直接結合を表し、Arは構造(ii)の部分を表し、mは0を表し、Cは1を表し、Dは0を表す式Vの単位、または、
    (e)EおよびE’が酸素原子を表し、Arは構造(i)を表し、mは0を表し、Cは1を表し、Zは1を表し、Gは直接結合を表し、vは0を表し、Dは1を表す式Vの単位のうちから選択される第1の反復単位と、
    (f)EおよびE’が酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mは1を表し、wは1を表し、sはゼロを表し、AおよびBは1を表す式IVの単位、
    (g)Eは酸素原子を表し、E’は直接結合であり、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mおよびsはゼロを表し、wは1を表し、AおよびBは1を表す式IVの単位、
    (h)EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mは1を表し、zは1を表し、vは0を表し、CおよびDは1を表す式Vの単位、および
    (i)Eは酸素原子を表し、E’は直接結合を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mおよびvはゼロを表し、zは1を表し、CおよびDは1を表す式Vの単位のうちから選択される第2の反復単位とを含むコポリマーである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の膜。
  6. 記導電性ポリマーが(b)、(d)または(e)から選択される第1の反復単位と、(f)または(h)から選択される第2の反復単位とを含む請求項5に記載の膜。
  7. 記導電性ポリマーが、下記一般式IV*の反復単位
    を有するホモポリマーであるか、
    Figure 0004647167
    または、下記一般式V*の反復単位を有するホモポリマーであるか、
    Figure 0004647167
    または、式IV*および/または式V*の少なくとも2つの異なる単位を有するランダムコポリマーまたはブロックコポリマーであり、式中、A、B、CおよびDは独立して0または1を表す請求項1乃至6のいずれか1項に記載の膜。
  8. 前記導電性ポリマーのフィルムが支持材上に積層されている請求項1乃至7のいずれか1項に記載の膜。
  9. 支持材が多孔性であり、かつ該支持材内に前記導電性ポリマーが含浸させられている請求項1乃至7のいずれか1項に記載の膜。
  10. 前記支持材は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の式I、式IIおよび/または式IIIの部分を有するポリマーを含むが、但し、該支持部材のポリマーはスルホン化(さもなければイオン交換サイトを提供する官能基化)されていないか、または該支持材の表面の領域上もしくは該領域中でのみスルホン化(さもなければイオン交換サイトを提供する官能基化)されている請求項1乃至12のいずれか1項に記載の膜。
  11. 前記支持材が、請求項4に記載の式IVのホモポリマー、すなわち、
    ・EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは、構造(iv)の部分を表し、mおよびsはゼロを表し、wは1を表し、AおよびBは1を表すホモポリマー、
    ・Eは酸素原子を表し、E’は直接結合を表し、Arは構造(i)の部分を表し、mはゼロを表し、Aは1を表し、Bはゼロを表すホモポリマー、
    ・Arは部分(iv)を表し、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、mは0を表し、wは0を表し、sは1を表し、rは1を表し、AおよびBは1を表すホモポリマー、
    ・Arは構造(i)*を表し、Eは酸素原子を表し、E’は直接結合を表し、
    mは0を表し、Aは1を表し、Bは0を表すホモポリマー、
    ・Arは部分(i)を表し、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、mはゼロを表し、wは1を表し、rは0を表し、sは1を表し、AおよびBは1を表すホモポリマー、
    ・Arは部分(iv)を表し、Eは硫黄原子を表し、mは0を表し、E’は直接結合を表し、Bは0を表すホモポリマーのうちから選択されるか、または、
    ・Eは酸素原子を表し、E’は直接結合を表し、Arは、構造(ii)の部分を表し、mは0を表し、Cは1を表し、Dは0を表す式Vのホモポリマーから選択され、かつ、
    ・例えば、EおよびE’は酸素原子を表し、mはゼロを表し、CおよびDは1を表し、zは1を表し、Gは直接結合を表し、vはゼロを表し、Arが下記構造の部分を表す式Vのホモポリマーを含むポリスルホンから選択される請求項1乃至10のいずれか1項に記載の膜。
    Figure 0004647167
  12. 記導電性ポリマーが800g/モル未満、好ましくは500g/モル未満の当量(EW)を有する請求項1乃至11のいずれか1項に記載の膜。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の複合膜を組み込んだ燃料電池または電気分解装置。
  14. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の複合膜を作成する方法であって、該方法は、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の導電性ポリマーを請求項1乃至12のいずれか1項に記載の支持材に関連させることを有する方法。
  15. 多孔性の支持材に導電性ポリマーを含浸させることを有する請求項14に記載の方法。
  16. 第1の溶媒製剤は導電性ポリマーが供給されている極性非プロトン溶媒を含んでなり、かつ前記支持材は前記極性非プロトン溶媒には可溶でない物質(例えば、ポリエーテルエーテルケトン織布、またはポリエーテルケトン微孔性膜)であり、該方法が前記支持材を前記第1の溶媒製剤と接触させる工程を有する請求項14または15に記載の方法。
  17. 前記支持材が織布であり、該方法は、その織布を第1の溶媒と前記導電性ポリマーとを含む第1の溶媒製剤に接触させる工程を有し、前記第1の溶媒および前記支持材は、第1の溶媒が支持材の表面を可溶化するように選択される請求項14または15に記載の方法。
  18. 前記第1の溶媒は、前記支持材を官能基化して、同支持材の表面上にイオン交換サイトを提供することが可能である請求項17に記載の方法。
  19. 前記第1の溶媒が99%未満の酸を含んでいる請求項18に記載の方法。
  20. 前記方法が、
    支持材を可溶化する第1の溶媒を含む溶媒製剤に前記支持材を接触させることと、
    前記支持材を第2の溶媒に接触させ、転相を引き起こして、前記支持材を多孔性にすることとを有する請求項14または15に記載の方法。
  21. 前記導電性ポリマーが第3の溶媒中に供給されて、支持材中の細孔に浸透させられる請求項20に記載の方法。
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