JP4646486B2 - Olefin polymerization catalyst and olefin polymerization method - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なオレフィン重合用触媒および該オレフィン重合用触媒を用いたオレフィンの重合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にポリオレフィンは、機械的特性などに優れているため、各種成形体用など種々の分野に用いられているが、近年ポリオレフィンに対する物性の要求が多様化しており、様々な性状のポリオレフィンが望まれている。また生産性の向上も望まれている。
【0003】
オレフィン重合用触媒としては、いわゆるカミンスキー触媒がよく知られている。この触媒は非常に重合活性が高く、分子量分布が狭い重合体が得られるという特徴がある。このようなカミンスキー触媒に用いられる遷移金属化合物としては、例えばビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(特開昭58−19309号公報参照)や、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド(特開昭61−130314号公報参照)などが知られている。また、最近新しいオレフィン重合用触媒としてジイミン構造の配位子を持った遷移金属化合物(国際公開特許第9623010号参照)が提案されている。
【0004】
さらに最近新しいオレフィン重合触媒として、本願出願人はWO01/55231として、サリチルアルジミン配位子を有する遷移金属化合物を提案している。この場合、オレフィン重合において高度なリビング重合性を示し、種々のブロックポリマーが製造できるが、その重合活性および共重合性に関してはまだ改善の余地があった。またプロピレン重合ではシンジオ特異的な重合が可能であるが、その立体規則性に関してもさらなる改良が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は優れたオレフィンの重合活性を有し、高分子量のポリマーを生成するオレフィン重合用触媒あるいはα−オレフィンの重合において、高い重合活性を示すオレフィン重合用触媒あるいはエチレン/α−オレフィンの共重合において、α−オレフィン含量の高いコポリマーを生成するオレフィン重合用触媒を提供することを目的としている。さらには、これらのオレフィン重合用触媒を用いて、高分子量ポリマーまたは高立体選択的で高融点のポリマーを製造可能なオレフィンの重合方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るオレフィン重合用触媒は、
(A)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物からなることを特徴としている。
【0007】
【化3】

Figure 0004646486
(式中、Mはチタン原子を示し、mは、1〜2の整数を示し、R1は、炭素数1〜30の含有炭化水素基またはフッ素含有炭化水素基を示し、R2〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭化水素基、水素原子または炭化水素置換シリル基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、R6は、水素、1級または2級炭素のみからなる炭素数1〜4の炭化水素基、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基、アリール基置換アルキル基、単環性または二環性の脂環族炭化水素基および芳香族炭化水素基の6種の基から選ばれる基を示し、また、mが2の場合にはR2〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく、nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
【0008】
また本発明のオレフィン重合用触媒は、
(A)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物と、
(B)(B−1) 有機金属化合物、
(B−2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B−3) 遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物、とからなることが好ましい。
【0009】
【化4】
Figure 0004646486
(式中、Mはチタン原子を示し、mは、1〜2の整数を示し、R1は、炭素数1〜30の含有炭化水素基またはフッ素含有炭化水素基を示し、R2〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭化水素基、水素原子または炭化水素置換シリル基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、R6は、水素、1級または2級炭素のみからなる炭素数1〜4の炭化水素基、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基、アリール基置換アルキル基、単環性または二環性の脂環族炭化水素基および芳香族炭化水素基の6種の基から選ばれる基を示し、また、mが2の場合にはR2〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく、nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
【0010】
本発明のオレフィン重合用触媒は、前記一般式(I)で表される遷移金属化合物(A)において、Mがチタン原子であり、mが2であり、R1がフッ素置換基またはフッ素含有炭化水素置換基を有する炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であり、nが2であることが好ましい。
【0011】
また本発明のオレフィン重合用触媒は、前記一般式(I)で表される遷移金属化合物(A)において、R6が水素、1級または2級炭素のみからなる炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基、アリール基置換アルキル基、単環性または二環性の脂環族炭化水素基および芳香族炭化水素基の6種の基から選ばれる基であることが好ましい。
【0012】
本発明のオレフィン重合用触媒は、前記一般式(I)で表される遷移金属化合物(A)において、Mがチタン原子であり、R1がジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフェニル基、ペンタフルオロフェニル基および(トリフルオロメチル)テトラフルオロフェニル基から選ばれる基であり、R6が水素、1級または2級炭素のみからなる炭素数1〜4の炭化水素基であることが特に好ましい。
【0013】
また本発明のオレフィンの重合方法は、前記のようなオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを重合することを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明におけるオレフィン重合用触媒およびこの触媒を用いたオレフィンの重合方法について具体的に説明する。
【0015】
なお、本明細書において「重合」という語は、単独重合だけでなく、共重合をも包含した意味で用いられることがあり、「重合体」という語は、単独重合体だけでなく、共重合体をも包含した意味で用いられることがある。
【0016】
本発明に係るオレフィン重合用触媒は、(A)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物、あるいは、
(A)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物と、
(B)(B−1) 有機金属化合物、
(B−2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B−3) 遷移金属化合物(A)または遷移金属化合物(B)と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物とから形成されている。
【0017】
[(A) 遷移金属化合物 ]
本発明で用いられる(A)遷移金属化合物は、下記一般式(I)で表される化合物である。
【0018】
【化5】
Figure 0004646486
(なお、N……Mは、一般的には配位していることを示すが、本発明においては配位していてもしていなくてもよい。)
一般式(I)中、Mはチタン原子である。
【0019】
mは、1〜2の整数を示し、好ましくは2である。R1は、炭素数1〜30のフッ素含有炭化水素基を示し、R2〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭化水素基、水素原子または炭化水素置換シリル基を示し、R6は、水素、1級または2級炭素のみからなる炭素数1〜4の炭化水素基、炭素数5以上の脂肪族炭化水素基、アリール基置換アルキル基、単環性または二環性の脂環族炭化水素基および芳香族炭化水素基の6種の基から選ばれる基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
【0020】
1の炭素数1〜30のフッ素含有炭化水素基として、具体的にはトリフルオロメチル、パーフルオロエチル、パーフルオロプロピル、パーフルオロブチル、パーフルオロペンチル、パーフルオロヘキシル、モノフルオロフェニル、ジフルオロフェニル、トリフルオロフェニル、テトラフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、(トリフルオロメチル)フェニル、ビス(トリフルオロメチル)フェニル、トリス(トリフルオロメチル)フェニル、テトラキス(トリフルオロメチル)フェニル、ペンタキス(トリフルオロメチル)フェニル、(トリフルオロメチル)テトラフルオロフェニル、パーフルオロエチルフェニル、ビス(パーフルオロエチル)フェニル、パーフルオロプロピルフェニル、パーフルオロブチルフェニル、パーフルオロペンチルフェニル、パーフルオロヘキシルフェニル、ビス(パーフルオロヘキシル)フェニル、パーフルオロナフチル、パーフルオロフェナントレニル、パーフルオロアントラセニル、などが挙げられる。
【0021】
好ましくは、R1はフッ素置換基またはフッ素含有炭化水素置換基を有する炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であり、具体的にはモノフルオロフェニル、ジフルオロフェニル、トリフルオロフェニル、テトラフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、(トリフルオロメチル)フェニル、ビス(トリフルオロメチル)フェニル、トリス(トリフルオロメチル)フェニル、テトラキス(トリフルオロメチル)フェニル、ペンタキス(トリフルオロメチル)フェニル、(トリフルオロメチル)テトラフルオロフェニル、パーフルオロエチルフェニル、ビス(パーフルオロエチル)フェニル、パーフルオロプロピルフェニル、パーフルオロブチルフェニル、パーフルオロペンチルフェニル、パーフルオロヘキシルフェニル、ビス(パーフルオロヘキシル)フェニル、パーフルオロナフチル、パーフルオロフェナントレニル、パーフルオロアントラセニル、などが挙げられる。
【0022】
より好ましくは、R1はフッ素置換基またはフッ素含有炭化水素置換基からなる群より選ばれる置換基を2つ以上有する炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であり、具体的にはジフルオロフェニル、トリフルオロフェニル、テトラフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、(トリフルオロメチル)フェニル、ビス(トリフルオロメチル)フェニル、トリス(トリフルオロメチル)フェニル、テトラキス(トリフルオロメチル)フェニル、ペンタキス(トリフルオロメチル)フェニル、(トリフルオロメチル)テトラフルオロフェニル、ビス(パーフルオロエチル)フェニル、ビス(パーフルオロヘキシル)フェニル、などが挙げられる。
【0023】
特に好ましくは、R1は、ジフルオロフェニル基またはトリフルオロフェニル基またはテトラフルオロフェニル基またはペンタフルオロフェニル基またはビス(トリフルオロメチル)フェニル基または(トリフルオロメチル)テトラフルオロフェニル基である。この場合、2,6−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基などを具体的に例示できる。
【0024】
2〜R5の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜30のものが挙げられる。具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシルなどの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;ビニル、アリル、i−プロペニルなどの炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルケニル基;エチニル、プロパルギルなど炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルキニル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基;シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニルなどの炭素数5〜30の環状不飽和炭化水素基;フェニル、ベンジル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルなどの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;トリル、i−プロピルフェニル、t−ブチルフェニル、ジメチルフェニル、ジ−t−ブチルフェニルなどのアルキル置換アリール基などが挙げられる。
【0025】
また、上記炭化水素基は、他の炭化水素基で置換されていてもよく、例えば、ベンジル、クミルなどのアリール基置換アルキル基などが挙げられる。
【0026】
2〜R5の炭化水素置換シリル基としては、例えば炭素数の合計が1〜30の基を挙げられる。具体的には、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、ジメチル−t−ブチルシリル、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリルなどが挙げられる。これらの中では、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリルなどが好ましい。特にトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリルが好ましい。
【0027】
6の1級または2級炭素のみからなる炭素数4以下の炭化水素基とは、R6の炭素の中でフェノキシ環に直結する炭素が1級または2級炭素である炭素数4以下の炭化水素基のことである。具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチルなどの炭素原子数が1〜4、好ましくは1〜3の直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられる。
【0028】
6の炭素数5以上の脂肪族炭化水素基とは、R6の炭素の中でフェノキシ環に直結する炭素が環構造に含まれていない炭化水素基のことであり、例えば炭素数5〜30のものが挙げられる。具体的には、n−ペンチル、i−ペンチル、s−ペンチル、t−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニルなどの炭素原子数が5〜30、好ましくは5〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられる。
【0029】
6のアリール基置換アルキル基としては、例えばベンジル、クミル、1−ジフェニルエチル、トリフェニルメチルなどが挙げられる。
【0030】
6の単環性または二環性の脂環族炭化水素基としては、例えば炭素数3〜30のものが挙げられる。具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3または3〜20の単環性の脂環骨格を有する炭化水素基;ビシクロ[1.1.0]ブチル、ビシクロ[2.1.0]ペンチル、ノルボルニル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、スピロ[2.2]ペンチル、スピロ[2.3]ヘキシルなどの炭素原子数が5〜30、好ましくは5〜20の二環性の脂環骨格を有する炭化水素基;などが挙げられる。
【0031】
6の芳香族炭化水素基としては、例えば炭素数6〜30のものが挙げられる。具体的には、フェニル、ナフチル、ビフェニリル、トリフェニリル、フルオレニル、アントラニル、フェナントリルなどが挙げられる。
nは、Mの価数を満たす数であり、具体的には2〜4の整数であり、好ましくは2である。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示す。なお、nが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互いに同一であっても、異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
【0032】
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
炭化水素基としては、前記R2〜R5で例示したものと同様のものが挙げられる。具体的には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシルなどのアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜30のシクロアルキル基;ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基;ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル基;フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、ナフチル、メチルナフチル、アントリル、フェナントリルなどのアリール基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの炭化水素基には、ハロゲン化炭化水素、具体的には炭素原子数1〜20の炭化水素基の少なくとも一つの水素がハロゲンに置換した基も含まれる。
【0033】
ヘテロ環式化合物残基としては、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなどの含窒素化合物、フラン、ピランなどの含酸素化合物、チオフェンなどの含硫黄化合物などの残基、およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、アルコキシ基などの置換基がさらに置換した基などが挙げられる。
【0034】
酸素含有基としては、具体的には、ヒドロキシ基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどのアルコキシ基;フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシなどのアリーロキシ基;フェニルメトキシ、フェニルエトキシなどのアリールアルコキシ基;アセトキシ基;カルボニル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
イオウ含有基としては、具体的には、メチルスルフォネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p−トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリi−ブチルベンゼンスルフォネート、p−クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネート基;メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンジルスルフィネート、p−トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基;アルキルチオ基;アリールチオ基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
窒素含有基として具体的には、具体的には、アミノ基;メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基;フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルアミノなどのアリールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
ホウ素含有基として具体的には、BR4(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子等を示す)が挙げられる。
リン含有基として具体的には、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン基;トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィンなどのトリアリールホスフィン基;メチルホスファイト、エチルホスファイト、フェニルホスファイトなどのホスファイト基(ホスフィド基);ホスホン酸基;ホスフィン酸基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0038】
ケイ素含有基として具体的には、フェニルシリル、ジフェニルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリルなどの炭化水素置換シリル基;トリメチルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリルエーテル基;トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル基;トリメチルシリルフェニルなどのケイ素置換アリール基などが挙げられる。
【0039】
ゲルマニウム含有基として具体的には、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した基が挙げられる。
スズ含有基として具体的には、前記ケイ素含有基のケイ素をスズに置換した基が挙げられる。
ハロゲン含有基として具体的には、PF6、BF4などのフッ素含有基、ClO4、SbCl6などの塩素含有基、IO4などのヨウ素含有基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アルミニウム含有基として具体的には、AlR4(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子等を示す)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
本発明で用いられる遷移金属化合物(A)の好ましい構造としては、前記一般式(I)Mがチタン原子であり、mが2であり、R1が少なくとも2つ以上のフッ素置換基を有する炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であることが好ましい。また、R1がジフルオロフェニル基またはトリフルオロフェニル基またはテトラフルオロフェニル基またはペンタフルオロフェニル基またはビス(トリフルオロメチル)フェニル基または(トリフルオロメチル)テトラフルオロフェニル基であり、R6が炭化水素置換シリル基であることが特に好ましい。
【0041】
以下に、上記一般式(I)で表される遷移金属化合物の具体的な例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0042】
【化6】
Figure 0004646486
【0043】
【化7】
Figure 0004646486
【0044】
【化8】
Figure 0004646486
【0045】
【化9】
Figure 0004646486
【0046】
【化10】
Figure 0004646486
【0047】
【化11】
Figure 0004646486
【0048】
【化12】
Figure 0004646486
【0049】
【化13】
Figure 0004646486
【0050】
【化14】
Figure 0004646486
【0051】
なお、上記例示中、Meはメチル基を、Etはエチル基を、Prはプロピル基を、Buはブチル基を、cHEXはシクロヘキシル基を、Phはフェニル基を、Bnはベンジル基を示す。
このような遷移金属化合物(A)の製造方法は、特に限定されることなく、例えば以下のようにして製造することができる。
【0052】
まず、遷移金属化合物(A)を構成する配位子は、サリチルアルデヒド類化合物を、式R1−NH2の第1級アミン類化合物(R1は前記と同義である。)、例えば、アニリン類化合物またはアルキルアミン類化合物と反応させることにより得られる。具体的には、両方の出発化合物を溶媒に溶解する。溶媒としては、このような反応に一般的なものを使用できるが、なかでもメタノール、エタノール等のアルコール溶媒、またはトルエン等の炭化水素溶媒が好ましい。次いで、得られた溶液を室温から還流条件で、約1〜48時間撹拌すると、対応する配位子が良好な収率で得られる。配位子化合物を合成する際、触媒として、蟻酸、酢酸、トルエンスルホン酸等の酸触媒を用いてもよい。また、脱水剤として、モレキュラシーブス、硫酸マグネシウムまたは硫酸ナトリウムを用いたり、ディーンシュタークトラップにより脱水を行うと、反応進行に効果的である。
【0053】
次に、こうして得られた配位子を遷移金属M含有化合物と反応させることで、対応する遷移金属化合物を合成することができる。具体的には、合成した配位子を溶媒に溶解し、必要に応じて塩基と接触させてフェノキサイド塩を調製した後、金属ハロゲン化物、金属アルキル化物等の金属化合物と低温下で混合し、−78℃から室温、もしくは還流条件下で、約1〜48時間撹拌する。溶媒としては、このような反応に普通のものを使用できるが、なかでもエーテル、テトラヒドロフラン(THF)等の極性溶媒、トルエン等の炭化水素溶媒などが好ましく使用される。また、フェノキサイド塩を調製する際に使用する塩基としては、n−ブチルリチウム等のリチウム塩、水素化ナトリウム等のナトリウム塩等の金属塩や、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基が好ましいが、この限りではない。
【0054】
また、化合物の性質によっては、フェノキサイド塩調製を経由せず、配位子と金属化合物とを直接反応させることで、対応する遷移金属化合物を合成することもできる。
さらに、合成した遷移金属化合物中の金属Mを、常法により別の遷移金属と交換することも可能である。また、例えばR1〜R6の何れかがHである場合には、合成の任意の段階において、H以外の置換基を導入することができる。
【0055】
また、遷移金属化合物を単離せず、配位子と金属化合物との反応溶液をそのまま重合に用いることもできる。
以上のような遷移金属化合物(A)は、1種単独または2種以上組み合わせて用いられる。
【0056】
[(B−1) 有機金属化合物 ]
本発明で用いられる(B−1)有機金属化合物として、具体的には下記に示す一般式で表されるような周期表第1、2族および第12、13族の有機金属化合物が用いられる。
【0057】
(B−1a) Ra mAl(ORbnpq
(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)
で表される有機アルミニウム化合物。
【0058】
(B−1b) M2AlRa 4
(式中、M2はLi、NaまたはKを示し、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。)で表される周期表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。
【0059】
(B−1c) Rab3
(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、M3はMg、ZnまたはCdである。)で表される周期表第2族または第12族金属のジアルキル化合物。
【0060】
前記(B−1a)に属する有機アルミニウム化合物としては、次の一般式で表されるような化合物などを例示できる。
【0061】
a mAl(ORb3-m (式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、mは好ましくは1.5≦m≦3の数である。)
で表される有機アルミニウム化合物、
【0062】
amAlX3-m (式中、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは好ましくは0<m<3である。)
で表される有機アルミニウム化合物、
【0063】
a mAlH3-m (式中、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、mは好ましくは2≦m<3である。)
で表される有機アルミニウム化合物、
【0064】
a mAl(ORbnq (式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+q=3である。)
で表される有機アルミニウム化合物。
【0065】
(B−1a)に属する有機アルミニウム化合物としてより具体的には
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリn−アルキルアルミニウム;トリi−プロピルアルミニウム、トリi−ブチルアルミニウム、トリs−ブチルアルミニウム、トリt−ブチルアルミニウム、トリ2−メチルブチルアルミニウム、トリ3−メチルブチルアルミニウム、トリ2−メチルペンチルアルミニウム、トリ3−メチルペンチルアルミニウム、トリ4−メチルペンチルアルミニウム、トリ2−メチルヘキシルアルミニウム、トリ3−メチルヘキシルアルミニウム、トリ2−エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム;トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウム;ジi−ブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;(i−C49xAly(C510z(式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。)などで表されるトリi−プレニルアルミニウムなどのトリアルケニルアルミニウム;i−ブチルアルミニウムメトキシド、i−ブチルアルミニウムエトキシド、i−ブチルアルミニウムi−プロポキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;Ra 2.5Al(ORb0.5などで表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、エチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、ジi−ブチルアルミニウム(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、i−ブチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)などのジアルキルアルミニウムアリーロキシド;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジi−ブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどその他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
【0066】
また(B−1a)に類似する化合物も使用することができ、例えば窒素原子を介して2以上のアルミニウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物を挙げることができる。このような化合物として具体的には、(C25)2AlN(C25)Al(C25)2などを挙げることができる。
【0067】
前記(B−1b)に属する化合物としては、LiAl(C25)4、LiAl(C715)4 などを挙げることができる。
【0068】
またその他にも、(B−1)有機金属化合物としては、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシウムブロミド、プロピルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリド、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウムなどを使用することもできる。
【0069】
また重合系内で上記有機アルミニウム化合物が形成されるような化合物、例えばハロゲン化アルミニウムとアルキルリチウムとの組合せ、またはハロゲン化アルミニウムとアルキルマグネシウムとの組合せなどを使用することもできる。
【0070】
(B−1)有機金属化合物のなかでは、有機アルミニウム化合物が好ましい。
上記のような(B−1)有機金属化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0071】
[(B−2) 有機アルミニウムオキシ化合物 ]
本発明で用いられる(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
【0072】
従来公知のアルミノキサンは、例えば下記のような方法によって製造することができ、通常、炭化水素溶媒の溶液として得られる。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0073】
なお該アルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノキサンの溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解またはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
【0074】
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(B−1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
【0075】
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウムが特に好ましい。
【0076】
上記のような有機アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
【0077】
アルミノキサンの調製に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分または上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。さらにエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。
【0078】
また本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で通常10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であるもの、すなわち、ベンゼンに対して不溶性または難溶性であるものが好ましい。
【0079】
本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物としては、下記一般式(II)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物を挙げることもできる。
【0080】
【化15】
Figure 0004646486
【0081】
式中、R7は炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。
8は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。
【0082】
前記一般式(II)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物は、下記一般式(III)で表されるアルキルボロン酸と
【0083】
7−B(OH)2 …(III)
(式中、R7は前記と同じ基を示す。)
有機アルミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不活性溶媒中で、−80℃〜室温の温度で1分〜24時間反応させることにより製造できる。
【0084】
前記一般式(III)で表されるアルキルボロン酸の具体的なものとしては、メチルボロン酸、エチルボロン酸、i−プロピルボロン酸、n−プロピルボロン酸、n−ブチルボロン酸、i−ブチルボロン酸、n−ヘキシルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボロン酸、3,5−ジフルオロボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸などが挙げられる。これらの中では、メチルボロン酸、n−ブチルボロン酸、i−ブチルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸が好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0085】
このようなアルキルボロン酸と反応させる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(B−1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
【0086】
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、特にトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリi−ブチルアルミニウムが好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0087】
上記のような(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
【0088】
[(B−3) 遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物]
本発明で用いられる遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B−3)(以下、「イオン化イオン性化合物」という。)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。
【0089】
具体的には、ルイス酸としては、BR3(Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である。)で示される化合物が挙げられ、例えばトリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
【0090】
イオン性化合物としては、例えば下記一般式(IV)で表される化合物が挙げられる。
【0091】
【化16】
Figure 0004646486
式中、R9としては、H+、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどが挙げられる。
【0092】
10〜R13は、互いに同一でも異なっていてもよく、有機基、好ましくはアリール基または置換アリール基である。
前記カルボニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンなどが挙げられる。
【0093】
前記アンモニウムカチオンとして具体的には、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;ジ(i−プロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
【0094】
前記ホスホニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンなどが挙げられる。
【0095】
9としては、カルボニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが好ましく、特にトリフェニルカルボニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
【0096】
またイオン性化合物として、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩などを挙げることもできる。
【0097】
トリアルキル置換アンモニウム塩として具体的には、例えばトリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(p−トリル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(o−トリル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p−ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(m,m−ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(p−トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(o−トリル)ホウ素などが挙げられる。
【0098】
N,N−ジアルキルアニリニウム塩として具体的には、例えばN,N−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N−ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
【0099】
ジアルキルアンモニウム塩として具体的にはは、例えばジ(1−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
【0100】
さらにイオン性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、N,N−ジエチルアニリニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、下記式(V)または(VI)で表されるホウ素化合物などを挙げることもできる。
【0101】
【化17】
Figure 0004646486
(式中、Etはエチル基を示す。)
【0102】
【化18】
Figure 0004646486
【0103】
ボラン化合物として具体的には、例えば
デカボラン(14);ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレートなどのアニオンの塩;トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドドデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0104】
カルボラン化合物として具体的には、例えば
4−カルバノナボラン(14)、1,3−ジカルバノナボラン(13)、6,9−ジカルバデカボラン(14)、ドデカハイドライド−1−フェニル−1,3−ジカルバノナボラン、ドデカハイドライド−1−メチル−1,3−ジカルバノナボラン、ウンデカハイドライド−1,3−ジメチル−1,3−ジカルバノナボラン、7,8−ジカルバウンデカボラン(13)、2,7−ジカルバウンデカボラン(13)、ウンデカハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボラン、ドデカハイドライド−11−メチル−2,7−ジカルバウンデカボラン、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−トリメチルシリル−1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムブロモ−1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルバデカボレート(14)、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルバデカボレート(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウム7−カルバウンデカボレート(13)、トリ(n−ブチル)アンモニウム7,8−ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウム2,9−ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウムドデカハイドライド−8−メチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−エチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−ブチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−アリル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−9−トリメチルシリル−7,8−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−4,6−ジブロモ−7−カルバウンデカボレートなどのアニオンの塩;トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−1,3−ジカルバノナボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)銅酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)金酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)マンガン酸塩(IV)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0105】
ヘテロポリ化合物は、ケイ素、リン、チタン、ゲルマニウム、ヒ素および錫から選ばれる原子と、バナジウム、ニオブ、モリブデンおよびタングステンから選ばれる1種または2種以上の原子からなっている。具体的には、リンバナジン酸、ゲルマノバナジン酸、ヒ素バナジン酸、リンニオブ酸、ゲルマノニオブ酸、シリコノモリブデン酸、リンモリブデン酸、チタンモリブデン酸、ゲルマノモリブデン酸、ヒ素モリブデン酸、錫モリブデン酸、リンタングステン酸、ゲルマノタングステン酸、錫タングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンタングストバナジンン酸、ゲルマノタングストバナジンン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、ゲルマノモリブドタングストバナジン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドニオブ酸、およびこれらの酸の塩、例えば周期表第1族または2族の金属、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等との塩、トリフェニルエチル塩等との有機塩が使用できるが、この限りではない。
【0106】
上記のような(B−3)イオン化イオン性化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
【0107】
本発明に係る遷移金属化合物を触媒とする場合、助触媒成分としてのメチルアルミノキサンなどの有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)とを併用すると、オレフィン化合物に対して非常に高い重合活性を示す。また助触媒成分としてトリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどのイオン化イオン性化合物(B−3)を用いると良好な活性で非常に分子量の高いオレフィン重合体が得られる。
【0108】
本発明に係るオレフィン重合触媒は(A)前記(I)で表される遷移金属化合物を単独で用いても良いし、
(A)前記(I)で表される遷移金属化合物と、
(B)(B−1) 有機金属化合物
(B−2) 有機アルミニウムオキシ化合物、及び
(B−3) 遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物
から選ばれる少なくとも一種の化合物とから形成されてもよく、この場合、これらの化合物は重合系内において
【0109】
【化19】
Figure 0004646486
のような化合物が形成される。
(式中のR1〜R6、M、m、n、Xは(I)と同じであり、Yはいわゆる弱配位性のアニオンを示す。)
【0110】
この式で金属MとYの結合は共有結合していても良いし、イオン結合していても良い。式中のR1〜R6、M、m、n、Xの具体例は(I)と同じであり、Yの例としては、Chemical Review誌88巻1405ページ(1988年)、Chemical Review誌93巻927ページ(1993年)、WO98/30612 6ページに記載の弱配位性アニオンが挙げられ、具体的には
【0111】
AlR4 -(Rは一種でも二種以上でもよく、酸素原子、窒素原子、リン原子、水素原子、ハロゲン原子またはそれらを含有する置換基、及び脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環族炭化水素基で酸素原子、窒素原子、リン原子、水素原子、ハロゲン原子を含有する置換基を有していてもよい)
【0112】
BR4-(Rは一種でも二種以上でもよく、酸素原子、窒素原子、リン原子、水素原子、ハロゲン原子またはそれらを含有する置換基、及び脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環族炭化水素基で酸素原子、窒素原子、リン原子、水素原子、ハロゲン原子を含有する置換基を有していてもよい)
【0113】
またはPF6 -、SbF5 -、トリフルオロメタンスルホネート、p−トルエンスルホネート等が挙げられる。
【0114】
また、本発明に係るオレフィン重合用触媒は、上記遷移金属化合物(A)と、(B−1)有機金属化合物、(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(B−3)イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)とともに、必要に応じて後述するような担体(C)を用いることもできる。
【0115】
[(C) 担体 ]
本発明で用いられる(C)担体は、無機または有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体である。
【0116】
このうち無機化合物としては、多孔質酸化物、無機塩化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が好ましい。
【0117】
多孔質酸化物として、具体的にはSiO2、Al23、MgO、ZrO、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2など、またはこれらを含む複合物または混合物を使用、例えば天然または合成ゼオライト、SiO2−MgO、SiO2−Al23、SiO2−TiO2、SiO2−V25、SiO2−Cr23、SiO2−TiO2−MgOなどを使用することができる。これらのうち、SiO2および/またはAl23を主成分とするものが好ましい。
【0118】
なお、上記無機酸化物は、少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO43、BaSO4、KNO3、Mg(NO32、Al(NO33、Na2O、K2O、Li2Oなどの炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していても差し支えない。
【0119】
このような多孔質酸化物は、種類および製法によりその性状は異なるが、本発明に好ましく用いられる担体は、粒径が10〜300μm、好ましくは20〜200μmであって、比表面積が50〜1000m2/g、好ましくは100〜700m2/gの範囲にあり、細孔容積が0.3〜3.0cm3/gの範囲にあることが望ましい。このような担体は、必要に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して使用される。
【0120】
無機塩化物としては、MgCl2、MgBr2、MnCl2、MnBr2等が用いられる。無機塩化物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコールなどの溶媒に無機塩化物を溶解させた後、析出剤によってこれらを微粒子状に析出させたものを用いることもできる。
【0121】
本発明で用いられる粘土は、通常粘土鉱物を主成分として構成される。また、本発明で用いられるイオン交換性層状化合物は、イオン結合などによって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有するイオンが交換可能なものである。大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。また、これらの粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもできる。
【0122】
また、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物として、粘土、粘土鉱物、また、六方細密パッキング型、アンチモン型、CdCl2型、CdI2型などの層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物などを例示することができる。
このような粘土、粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイトなどが挙げられ、イオン交換性層状化合物としては、α−Zr(HAsO4)2・H2O、α−Zr(HPO42、α−Zr(KPO42・3H2O、α−Ti(HPO42、α−Ti(HAsO42・H2O、α−Sn(HPO42・H2O、γ−Zr(HPO42、γ−Ti(HPO42、γ−Ti(NH4PO42・H2Oなどの多価金属の結晶性酸性塩などが挙げられる。
【0123】
このような粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物は、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/g以上のものが好ましく、0.3〜5cc/gのものが特に好ましい。ここで、細孔容積は、水銀ポロシメーターを用いた水銀圧入法により、細孔半径20〜3×104Åの範囲について測定される。
半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/gより小さいものを担体として用いた場合には、高い重合活性が得られにくい傾向がある。
【0124】
本発明で用いられる粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理など、何れも使用できる。化学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、Mgなどの陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
【0125】
本発明で用いられるイオン交換性層状化合物は、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡大した状態の層状化合物であってもよい。このような嵩高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常、ピラーと呼ばれる。また、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。インターカレーションするゲスト化合物としては、TiCl4、ZrCl4などの陽イオン性無機化合物、Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(OR)3、B(OR)3などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)、[Al134(OH)247+、[Zr4(OH)142+、[Fe3O(OCOCH36+などの金属水酸化物イオンなどが挙げられる。これらの化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。また、これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)4、Al(OR)3、Ge(OR)4などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)などを加水分解して得た重合物、SiO2などのコロイド状無機化合物などを共存させることもできる。また、ピラーとしては、上記金属水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物などが挙げられる。
【0126】
本発明で用いられる粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は、そのまま用いてもよく、またボールミル、ふるい分けなどの処理を行った後に用いてもよい。また、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後に用いてもよい。さらに、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのうち、好ましいものは粘土または粘土鉱物であり、特に好ましいものはモンモリロナイト、バーミキュライト、ペクトライト、テニオライトおよび合成雲母である。
【0127】
有機化合物としては、粒径が10〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素原子数が2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびそれらの変成体を例示することができる。
【0128】
本発明に係るオレフィン重合用触媒は、上記遷移金属化合物(A)と、(B−1)有機金属化合物、(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(B−3)イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)、必要に応じて担体(C)と共に、必要に応じて後述するような特定の有機化合物成分(D)を含むこともできる。
【0129】
[(D) 有機化合物成分 ]
本発明において、(D)有機化合物成分は、必要に応じて、重合性能および生成ポリマーの物性を向上させる目的で使用される。このような有機化合物としては、アルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物およびスルホン酸塩等が挙げられるが、この限りではない。
【0130】
アルコール類およびフェノール性化合物としては、通常、R14−OHで表されるものが使用され、ここで、R14は炭素原子数1〜50の炭化水素基または炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基を示す。
アルコール類としては、R14がハロゲン化炭化水素のものが好ましい。また、フェノール性化合物としては、水酸基のα,α’−位が炭素数1〜20の炭化水素で置換されたものが好ましい。
【0131】
カルボン酸としては、通常、R15−COOHで表されるものが使用される。R15は炭素原子数1〜50の炭化水素基または炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基を示し、特に、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基が好ましい。
燐化合物としては、P−O−H結合を有する燐酸類、P−OR、P=O結合を有するホスフェート、ホスフィンオキシド化合物が好ましく使用される。
【0132】
スルホン酸塩としては、下記一般式(VII)で表されるものが使用される。
【0133】
【化20】
Figure 0004646486
式中、Mは周期表1〜14族の元素である。
16は水素、炭素原子数1〜20の炭化水素基または炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭化水素基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
mは1〜7の整数であり、nは1≦n≦7である。
【0134】
図1および図2に、本発明に係るオレフィン重合用触媒の調製工程を示す。
重合の際には、各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。
(1) 成分(A)を単独で重合器に添加する方法。
(2) 成分(A)および成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(3) 成分(A)を担体(C)に担持した触媒成分、成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(4) 成分(B)を担体(C)に担持した触媒成分、成分(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(5) 成分(A)と成分(B)とを担体(C)に担持した触媒成分を重合器に添加する方法。
【0135】
上記(2)〜(5)の各方法においては、各触媒成分の少なくとも2つ以上は予め接触されていてもよい。
成分(B)が担持されている上記(4)(5)の各方法においては、必要に応じて担持されていない成分(B)を、任意の順序で添加してもよい。この場合成分(B)は、同一でも異なっていてもよい。
【0136】
また、上記の成分(C)に成分(A)が担持された固体触媒成分、成分(C)に成分(A)および成分(B)が担持された固体触媒成分は、オレフィンが予備重合されていてもよく、予備重合された固体触媒成分上に、さらに、触媒成分が担持されていてもよい。
【0137】
本発明に係るオレフィンの重合方法では、上記のようなオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを重合または共重合することによりオレフィン重合体を得る。
【0138】
本発明では、重合は溶解重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できる。
液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などを挙げることができ、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
【0139】
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィンの重合を行うに際して、成分(A)は、反応容積1リットル当り、通常10-12〜10-2mol、好ましくは10-10〜10-3molになるような量で用いられる。
【0140】
成分(B−1)は、成分(B−1)と、成分(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(B−1)/M〕が、通常0.01〜100000、好ましくは0.05〜50000となるような量で用いられる。成分(B−2)は、成分(B−2)中のアルミニウム原子と、成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B−2)/M〕が、通常10〜500000、好ましくは20〜100000となるような量で用いられる。成分(B−3)は、成分(B−3)と、成分(A中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B−3)/M〕が、通常1〜10、好ましくは1〜5となるような量で用いられる。
【0141】
成分(D)は、成分(B)が成分(B−1)の場合には、モル比〔(D)/(B−1)〕が通常0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で、成分(B)が成分(B−2)の場合には、モル比〔(D)/(B−2)〕が通常0.001〜2、好ましくは0.005〜1となるような量で、成分(B)が成分(B−3)の場合には、モル比〔(D)/(B−3)〕が通常0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で用いられる。
【0142】
また、このようなオレフィン重合用触媒を用いたオレフィンの重合温度は、通常−50〜+200℃、好ましくは0〜170℃の範囲である。重合圧力は、通常常圧〜100kg/cm2、好ましくは常圧〜50kg/cm2の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
【0143】
得られるオレフィン重合体の分子量は、重合系に水素を存在させるか、または重合温度を変化させることによって調節することができる。さらに、使用する成分(B)の違いにより調節することもできる。
【0144】
このようなオレフィン重合用触媒により重合することができるオレフィンとしては、炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のα−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−イコセン、好ましくはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン;炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状オレフィン、例えばシクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン;極性モノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物などのα,β−不飽和カルボン酸、およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などの金属塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチルなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステルなどの不飽和グリシジル類;フッ化ビニル、塩化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニルなどのハロゲン化オレフィン類などを挙げることができる。
【0145】
また、オレフィンとして、ビニルシクロヘキサン、ジエンまたはポリエンなどを用いることもできる。ジエンまたはポリエンとしては、炭素原子数が4〜30、好ましくは4〜20であり二個以上の二重結合を有する環状又は鎖状の化合物が用いられる。具体的には、ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン;7−メチル−1,6− オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン。
【0146】
さらにオレフィンとして、芳香族ビニル化合物、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレンなどのモノもしくはポリアルキルスチレン;メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、ジビニルベンゼンなどの官能基含有スチレン誘導体;および3−フェニルプロピレン、4−フェニルプロピレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。これらのオレフィンは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0147】
本発明に係るオレフィン重合触媒を用いた重合方法では、高い重合活性で高分子量の重合体が得ることが可能となる。また、あるいは、エチレン/α−オレフィン共重合の場合、α−オレフィン含量の高い共重合体を得ることが可能となる。
【0148】
本発明に係る炭素数3以上のα-オレフィンの重合体は、DSCにより測定した融点(Tm)が130℃以下であり、13C−NMRにより測定したrr三連子が40mol%以上であり、かつ頭−頭結合と尾−尾結合の合計が10mol%以上であるという特徴をもつ。
【0149】
Tmは、130℃以下であり、好ましくは100℃以下である。
【0150】
rr三連子とは、α−オレフィン重合体中の任意のα−オレフィンユニット3分子からなる鎖の両側にアルキル基が規則正しく交互に並んでいる状態を表している。
【0151】
rr三連子は、40mol%以上であり、好ましくは43mol%以上である。
【0152】
プロピレン重合体に存在する異種結合(頭―頭結合、尾―尾結合)について説明する。プロピレンは、ビニル結合のα位にメチル基(Me)を有するため、重合体として結合する時は下記の様に3つの結合様式(頭―尾結合、頭―頭結合、尾―尾結合)が存在し得る。
【0153】
【化21】
Figure 0004646486
しかしながら通常のプロピレン重合触媒で生成するプロピレン重合体はその結合のほとんどが頭―尾結合である事が知られている。
【0154】
異種結合の含有量の同定に関しては、文献Macromolecules,25,4876(1992)によって以下の6つの結合様式(H−T、H−H、T−T、1−r、2U−r、2−r)がある事が示されている。更に文献Anal.Chem.,43,1245(1971)によってこれらの各炭素のケミカルシフト値の計算方法が示されており、このうち頭―尾結合に基づくケミカルシフト値(H−T)は例えば文献Macromolecules,24,2334(1991)、Plym.Bull.25,567(1991)等によって既に同定されている。
【0155】
【化22】
Figure 0004646486
【0156】
【表1】
Figure 0004646486
なお、表中のPはメチル基(CH3)、Sはメチレン基(CH2)、Tはメチン基(CH)を表す。
【0157】
すなわち、既に公知なH−T(全て頭―尾結合)の炭素のピーク以外は全て異種結合に由来するピークであると言える。又、H−T以外のものはそれぞれ異種結合を以下の量含んでいる。
【0158】
【表2】
Figure 0004646486
【0159】
以上より、ケミカルシフト及びシグナル強度からH−T、H−H、T−T、1−r、2U−r、2−rの存在比がわかれば、全結合に対する異種結合(頭―頭結合、尾―尾結合)量を算出する事ができる。
【0160】
プロピレン重合体の異種結合(H−H、T−T、1−r、2U−r、2−r)に基づく炭素のピークは、10―18ppm、30―45ppmの領域に存在する。結合様式(頭―尾結合、頭―頭結合、尾―尾結合)の比率は、Pββ(H−T)、Pαβ(H−H)、Tβγ(T−T)の各ピークの積分比より算出した。本発明のプロピレン重合体の頭−頭結合と尾−尾結合の合計は10mol%以上であり、好ましくは15mol%以上である。
【0161】
これらの重合体を得る方法としては、特定のオレフィン重合用触媒の存在下に前述のα-オレフィンを重合させる方法が挙げられる。特定のオレフィン重合用触媒としては、特に制限はないが、前述した本発明の一般式(I)で表されるオレフィン重合用触媒が挙げることができる。特に好ましい例としては前述の一般式(I)で表されるオレフィン重合用触媒の存在下に得られる、DSCにより測定した融点(Tm)が130℃以下であり、13C−NMRにより測定したrr三連子が40mol%以上であり、かつ頭−頭結合と尾−尾結合の合計が10mol%以上であるプロピレン重合体が挙げられる。
【0162】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0163】
なお、合成例で得られた化合物の構造は、FD−質量分析(日本電子SX−102A)等を用いて決定した。
【0164】
なお、本実施例において、得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、オルトジクロロベンゼン溶媒で、140℃で測定した。また、得られたポリマーの融点は示差熱分析装置(DSC)を用いて窒素気流下、10℃/minの昇温条件で測定した。
【0165】
合成例1
充分に窒素置換した100mlの反応器にトルエン50ml、ペンタフルオロアニリン3.30g(18.0mmol)、3−メチルサリチルアルデヒド(特開平11−315109記載の方法で合成、純度=98.0%、12.0mmol)2.38gおよび触媒として少量のp−トルエンスルホン酸を装入し、還流させながら13時間撹拌を続けた。この反応液を減圧濃縮して下記式(a)で示される黄色粉状結晶の化合物を3.28g(収率76.1%)得た。
【0166】
【化23】
Figure 0004646486
【0167】
充分に窒素置換した50mlの反応器に上記で得られた化合物(a)1.44g(4.00mmol)と無水ジエチルエーテル20mlを仕込み、−78℃に冷却し、撹拌した。これにn−ブチルリチウム2.52ml(n−ヘキサン溶液、1.59N、4.00mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温した。室温で3時間撹拌後、−78℃に冷却した四塩化チタン4.00ml(2.00mmol)のエーテルスラリーへ徐々に添加した。添加後、ゆっくりと室温まで昇温した。得られた褐色スラリーをろ過し、ろ液から析出した固体を集め、ヘキサンにて洗浄した。得られた固体を減圧乾燥させることにより、下記式(1)で示される橙色の化合物を0.764g(収率46%)得た。なお、化合物(1)のFD−質量分析の結果は、718(M+)であった。
【0168】
【化24】
Figure 0004646486
【0169】
合成例2
充分に窒素置換した100mlの反応器にトルエン50ml、ペンタフルオロアニリン3.30g(18.0mmol)、3−i−プロピルサリチルアルデヒド(基本特許記載の方法で合成、純度=98.0%、12.0mmol)2.38gおよび触媒として少量のp−トルエンスルホン酸を装入し、還流させながら13時間撹拌を続けた。この反応液を減圧濃縮して下記式(b)で示される黄色粉状結晶の化合物を3.28g(収率76.1%)得た。
【0170】
【化25】
Figure 0004646486
【0171】
充分に窒素置換した50mlの反応器に上記で得られた化合物(b)1.44g(4.00mmol)と無水ジエチルエーテル20mlを仕込み、−78℃に冷却し、撹拌した。これにn−ブチルリチウム2.52ml(n−ヘキサン溶液、1.59N、4.00mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温した。室温で3時間撹拌後、−78℃に冷却した四塩化チタン4.00ml(2.00mmol)のエーテルスラリーへ徐々に添加した。添加後、ゆっくりと室温まで昇温した。得られた褐色スラリーをろ過し、ろ液から析出した固体を集め、ヘキサンにて洗浄した。得られた固体を減圧乾燥させることにより、下記式(2)で示される橙色の化合物を0.764g(収率46%)得た。なお、化合物(2)のFD−質量分析の結果は、774(M+)であった。
【化26】
Figure 0004646486
【0172】
合成例3
充分に窒素置換した100mlの反応器にトルエン30ml、ペンタフルオロアニリン3.02g(16.5mmol)、サリチルアルデヒド1.83g(15.0mmol)および触媒として少量のp−トルエンスルホン酸を装入し、還流させながら24時間撹拌を続けた。この反応液を減圧濃縮して下記式(c)で示される淡黄色粉状結晶の化合物を3.01g(収率70.0%)得た。
【0173】
【化27】
Figure 0004646486
【0174】
充分にアルゴン置換した50mlの反応器に水素化ナトリウム0.14g(純度=60%、3.48mmol)と無水ジエチルエーテル5mlを仕込み、室温で撹拌した。これに上記で得られた化合物(c)1.00g(3.48mmol)を無水ジエチルエーテル40mlに溶解した溶液を10分かけて滴下した。室温で2時間撹拌後、−78℃に冷却した四塩化チタン3.48ml(n−ヘプタン溶液、0.5M、1.74mmol)へ30分かけて滴下した。滴下後、ゆっくりと室温まで昇温し、18時間撹拌を続けた。反応溶液の溶媒を無水ジクロロメタンに置換し、析出した塩を除去した後、得られたろ液から析出した固体を集め、ヘキサンにて洗浄した。得られた固体を減圧乾燥させることにより、下記式(3)で示される赤褐色の化合物を0.480g(収率40%)得た。なお、化合物(3)のFD−質量分析の結果は、690(M+)であった。
【0175】
【化28】
Figure 0004646486
【0176】
合成例4
充分に窒素置換した1Lの反応器に、エチルマグネシウムブロミド52.5ml(エーテル溶液、3M、157.5mmol)および無水テトラヒドロフラン70mlを装入した。氷冷下、2−シクロヘキシルフェノール26.44g(150.0mmol)を無水テトラヒドロフラン80mlに溶解した溶液を20分かけて滴下した。滴下終了後室温にて攪拌し、トルエン500mlを加えて加熱攪拌し、テトラヒドロフランおよびジエチルエーテルを留去した。室温まで冷却し、パラホルムアルデヒド11.60g(純度=94.0%、363.0mmol)およびトリエチルアミン29.9ml(214.5mmol)を加えて90℃にて40分加熱攪拌した。室温まで冷却しさらに氷冷しながら10%塩酸200mlおよびn−ヘキサン150mlを加えて分液し、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液200ml、続けて塩化ナトリウム水溶液200mlで洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮して得られた油状液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、下記式(d)で示される淡黄色の化合物を24.26g(収率78.0%)得た。
【0177】
【化29】
Figure 0004646486
【0178】
充分に窒素置換した100mlの反応器にトルエン50ml、ペンタフルオロアニリン2.780g(15.18mmol)、上記で得られた化合物(d)2.089g(純度=98.5%、10.07mmol)および触媒として少量のp−トルエンスルホン酸を装入し、還流させながら1日撹拌を続けた。この反応液を減圧濃縮して得られた油状液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、下記式(d’)で示される黄色の化合物を3.00g(収率81%)得た。
【0179】
【化30】
Figure 0004646486
【0180】
充分にアルゴン置換した50mlの反応器に上記で得られた化合物(d’)1.180g(2.875mmol)と無水ジエチルエーテル20mlを仕込み、−78℃に冷却し、撹拌した。これにn−ブチルリチウム1.95ml(n−ヘキサン溶液、1.59N、3.101mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温した。室温で4時間撹拌後、−78℃に冷却した四塩化チタン2.88ml(1.440mmol)のエーテルスラリーへ徐々に添加した。添加後、ゆっくりと室温まで昇温した。得られた暗赤色スラリーをろ過し、ろ液から析出した固体を集め、ヘキサンにて洗浄した。得られた固体を減圧乾燥させることにより、下記式(4)で示される暗褐色の化合物を0.400g(収率33%)得た。なお、化合物(4)のFD−質量分析の結果は、854(M+)であった。
【0181】
【化31】
Figure 0004646486
【0182】
実施例1
十分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブにトルエン250mlを装入し、液相および気相をプロピレンで飽和させた。その後、メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で2.50mmol、引き続き、チタン化合物(1)を0.01mmol加え重合を開始した。25℃で5時間反応させた後、少量のi−ブタノールを添加することにより重合を停止した。重合終了後、反応物を少量の塩酸を含むメタノールに投入してポリマーを全量析出後、グラスフィルターで濾過した。ポリマーを80℃、10時間で減圧乾燥した後、ポリプロピレン(PP)を3.440g得た。得られたPPの重量平均分子量(Mw)は317,500、分子量分布(Mw/Mn)は1.22、rr三連子は49mol%、頭−頭結合と尾−尾結合の合計は8mol%であった。重合条件および結果を(表1)に示す。
【0183】
実施例2〜4
実施例1において、それぞれチタン化合物(2)〜(4)に変えたこと以外は、同様にして重合を行った。重合結果を(表3)に示す。
【0184】
比較例1
実施例1において、チタン化合物(1)を下記チタン化合物(5)に変えたこと以外は、同様にして重合を行い、ポリプロピレン(PP)を0.183g得た。得られたPPの重量平均分子量(Mw)は31,600、分子量分布(Mw/Mn)は1.11、rr三連子は87mol%、頭−頭結合と尾−尾結合の合計は8mol%であった。重合条件および結果を(表3)に示す。
【0185】
【化32】
Figure 0004646486
【0186】
【表3】
Figure 0004646486
【0187】
実施例5
十分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブにトルエン250mlを装入し、液相および気相をプロピレンで飽和させた。その後、メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で5.00mmol、引き続き、チタン化合物(1)を0.05mmol加え、エチレン50リットル/hrを流し始めることで重合を開始した。25℃で5分間反応させた後、少量のi−ブタノールを添加することにより重合を停止した。反応物を少量の塩酸を含むメタノールに投入してポリマーを全量析出後、グラスフィルターで濾過した。ポリマーを130℃、10時間で減圧乾燥した後、エチレン・プロピレン共重合体を4.866g得た。チタン1mmol当たりの重合活性は1.17kg/hrであった。IRで測定したプロピレン含量は68.6mol%であり、重量平均分子量(Mw)は80,100であった。重合条件および結果を(表4)に示す。
【0188】
実施例6〜8
実施例5において、チタン化合物(1)をそれぞれチタン化合物(2)〜(4)に変えたこと以外は、同様にして重合を行った。重合条件および結果を(表4)に示す。
【0189】
比較例2
実施例5において、チタン化合物(1)をチタン化合物(5)に変えたこと以外は、同様にして重合を行い、エチレン・プロピレン共重合体を2.41g得た。チタン1mmol当たりの重合活性は0.579kg/hrであった。IRで測定したプロピレン含量は19.0mol%であり、重量平均分子量(Mw)は72,800であった。重合条件および結果を(表4)に示す。
【0190】
【表4】
Figure 0004646486
【0191】
実施例9
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブにトルエン250mlを装入し、攪拌下、エチレンおよび1−ブテンの混合ガス(70l/hおよび30l/h)を20分間吹き込んだ。その後、メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で1.25mmol、引き続き、チタン化合物(1)を0.001mmol加え重合を開始した。混合ガスを吹き込みながら25℃で5分間反応させた後、少量のメタノールを添加することにより重合を停止した。重合終了後、少量の塩酸を溶解させたメタノールに反応物を投入してポリマーを析出後、グラスフィルターで濾過した。ポリマーを130℃で10時間減圧乾燥し、エチレン/1−ブテン共重合体を0.100g得た。チタン1mmol当たりの重合活性は1.20kg/hrであった。IRで測定した1−ブテン含量は17.4mol%であり、重量平均分子量(Mw)は318,700であった。重合条件および結果を(表5)に示す。
【0192】
実施例10〜12
実施例5において、チタン化合物(1)をそれぞれチタン化合物(2)〜(4)に変えたこと以外は、同様にして重合を行った。重合条件および結果を(表5)に示す。
【0193】
比較例3
実施例9において、チタン化合物(1)をチタン化合物(5)に変えたこと以外は、同様にして重合を行い、エチレン/1−ブテン共重合体を0.190g得た。チタン1mmol当たりの重合活性は2.28kg/hrであった。IRで測定した1−ブテン含量は3.2mol%であり、重量平均分子量(Mw)は507,500であった。重合条件および結果を(表5)に示す。
【0194】
【表5】
Figure 0004646486
【0195】
実施例13
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブにトルエン250mlおよび1−ヘキセン50mlを装入し、攪拌下、エチレンガス(100l/h)を吹き込み、その後、メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で1.25mmol、引き続き、チタン化合物(1)を0.0025mmol加え重合を開始した。エチレンガスを吹き込みながら25℃で5分間反応させた後、少量のメタノールを添加することにより重合を停止した。重合終了後、少量の塩酸を溶解させたメタノールに反応物を投入してポリマーを析出後、グラスフィルターで濾過した。ポリマーを130℃で10時間減圧乾燥し、エチレン/1−ヘキセン共重合体を0.374g得た。チタン1mmol当たりの重合活性は1.80kg/hrであった。IRで測定した1−ヘキセン含量は24.0mol%であり、重量平均分子量(Mw)は344,100であった。重合条件および結果を(表6)に示す。
【0196】
実施例14〜16
実施例5において、チタン化合物(1)をそれぞれチタン化合物(2)〜(4)に変えたこと以外は、同様にして重合を行った。重合条件および結果を(表6)に示す。
【0197】
比較例4
実施例13において、チタン化合物(1)をチタン化合物(5)に変えたこと以外は、同様にして重合を行い、エチレン/1−ヘキセン共重合体を0.167g得た。チタン1mmol当たりの重合活性は0.80kg/hrであった。IRで測定した1−ヘキセン含量は4.2mol%であり、重量平均分子量(Mw)は188,400であった。重合条件および結果を(表6)に示す。
【0198】
【表6】
Figure 0004646486
【0199】
実施例17
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブにトルエン250mlおよび1−オクテン50mlを装入し、攪拌下、エチレンガス(100l/h)を吹き込み、その後、メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で1.25mmol、引き続き、チタン化合物(1)を0.0025mmol加え重合を開始した。エチレンガスを吹き込みながら25℃で5分間反応させた後、少量のメタノールを添加することにより重合を停止した。重合終了後、少量の塩酸を溶解させたメタノールに反応物を投入してポリマーを析出後、グラスフィルターで濾過した。ポリマーを130℃で10時間減圧乾燥し、エチレン/1−オクテン共重合体を0.442g得た。チタン1mmol当たりの重合活性は2.12kg/hrであった。IRで測定した1−オクテン含量は16.4mol%であり、重量平均分子量(Mw)は381,900であった。重合条件および結果を(表7)に示す。
【0200】
実施例18〜20
実施例17において、チタン化合物(1)をそれぞれチタン化合物(2)〜(4)に変えたこと以外は、同様にして重合を行った。重合条件および結果を(表7)に示す。
【0201】
比較例5
実施例17において、チタン化合物(1)をチタン化合物(5)に変えたこと以外は、同様にして重合を行い、エチレン/1−オクテン共重合体を0.234g得た。チタン1mmol当たりの重合活性は1.12kg/hrであった。IRで測定した1−オクテン含量は3.1mol%であり、重量平均分子量(Mw)は22,400であった。重合条件および結果を(表7)に示す。
【0202】
【表7】
Figure 0004646486
【0203】
実施例21
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブにトルエン250mlおよび1−デセン50mlを装入し、攪拌下、エチレンガス(100l/h)を吹き込み、その後、メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で1.25mmol、引き続き、チタン化合物(1)を0.0025mmol加え重合を開始した。エチレンガスを吹き込みながら25℃で5分間反応させた後、少量のメタノールを添加することにより重合を停止した。重合終了後、少量の塩酸を溶解させたメタノールに反応物を投入してポリマーを析出後、グラスフィルターで濾過した。ポリマーを130℃で10時間減圧乾燥し、エチレン/1−デセン共重合体を0.574g得た。チタン1mmol当たりの重合活性は2.74kg/hrであった。IRで測定した1−デセン含量は13.8mol%であり、重量平均分子量(Mw)は453,800であった。重合条件および結果を(表8)に示す。
【0204】
実施例22〜24
実施例21において、チタン化合物(1)をそれぞれチタン化合物(2)〜(4)に変えたこと以外は、同様にして重合を行った。重合条件および結果を(表8)に示す。
【0205】
比較例6
実施例21において、チタン化合物(1)をチタン化合物(5)に変えたこと以外は、同様にして重合を行い、エチレン/1−デセン共重合体を0.256g得た。チタン1mmol当たりの重合活性は1.23kg/hrであった。IRで測定した1−デセン含量は2.6mol%であり、重量平均分子量(Mw)は271,100であった。重合条件および結果を(表8)に示す。
【0206】
【表8】
Figure 0004646486
【0207】
【発明の効果】
本発明に係るオレフィン重合触媒を用いた重合方法では、高い重合活性で高分子量の重合体が得ることが可能となる。また、あるいは、エチレン/α−オレフィン共重合の場合、α−オレフィン含量の高い共重合体を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るオレフィン重合用触媒の調製工程を示す説明図である。
【図2】本発明に係るオレフィン重合用触媒の調製工程を示す説明図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel olefin polymerization catalyst and an olefin polymerization method using the olefin polymerization catalyst.
[0002]
[Prior art]
In general, polyolefins are used in various fields such as for various molded products because they are excellent in mechanical properties. However, in recent years, physical property requirements for polyolefins are diversified, and polyolefins having various properties are desired. Yes. Improvement of productivity is also desired.
[0003]
A so-called Kaminsky catalyst is well known as an olefin polymerization catalyst. This catalyst is characterized by extremely high polymerization activity and a polymer having a narrow molecular weight distribution. Examples of the transition metal compound used in such a Kaminsky catalyst include bis (cyclopentadienyl) zirconium dichloride (see JP 58-19309 A) and ethylene bis (4,5,6,7-tetrahydro). Indenyl) zirconium dichloride (see Japanese Patent Application Laid-Open No. 61-130314) is known. Recently, a transition metal compound having a ligand of diimine structure (see International Patent No. 9623010) has been proposed as a new olefin polymerization catalyst.
[0004]
Further, as a new olefin polymerization catalyst, the present applicant has proposed a transition metal compound having a salicylaldimine ligand as WO 01/55231. In this case, although high living polymerizability is shown in olefin polymerization and various block polymers can be produced, there is still room for improvement with respect to the polymerization activity and copolymerizability. In addition, syndiospecific polymerization is possible in propylene polymerization, but further improvement in the stereoregularity has been desired.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has an excellent olefin polymerization activity, and an olefin polymerization catalyst or an ethylene / α-olefin copolymer exhibiting a high polymerization activity in the polymerization of an olefin polymerization catalyst or α-olefin, which produces a high molecular weight polymer. An object of the present invention is to provide a catalyst for olefin polymerization which produces a copolymer having a high α-olefin content. It is another object of the present invention to provide an olefin polymerization method capable of producing a high molecular weight polymer or a highly stereoselective and high melting point polymer using these olefin polymerization catalysts.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The olefin polymerization catalyst according to the present invention comprises:
(A) It is characterized by comprising a transition metal compound represented by the following general formula (I).
[0007]
[Chemical 3]
Figure 0004646486
(In the formula, M represents a titanium atom, m represents an integer of 1 to 2, R1Represents a hydrocarbon group having 1 to 30 carbon atoms or a fluorine-containing hydrocarbon group, and R2~ RFiveMay be the same or different from each other, and each represents a hydrocarbon group, a hydrogen atom or a hydrocarbon-substituted silyl group, and two or more of these may be connected to each other to form a ring;6Is a hydrocarbon group having 1 to 4 carbon atoms consisting of hydrogen, primary or secondary carbon, aliphatic hydrocarbon group having 5 or more carbon atoms, aryl group-substituted alkyl group, monocyclic or bicyclic alicyclic ring A group selected from six types of aromatic hydrocarbon groups and aromatic hydrocarbon groups, and when m is 2, R2~ R62 may be connected among the groups represented by the formula: n is a number satisfying the valence of M, and X is a hydrogen atom, a halogen atom, a hydrocarbon group, an oxygen-containing group, or a sulfur-containing group. Group, nitrogen-containing group, boron-containing group, aluminum-containing group, phosphorus-containing group, halogen-containing group, heterocyclic compound residue, silicon-containing group, germanium-containing group, or tin-containing group, where n is 2 or more In the formula, a plurality of groups represented by X may be the same as or different from each other, and a plurality of groups represented by X may be bonded to each other to form a ring. )
[0008]
The olefin polymerization catalyst of the present invention is
(A) a transition metal compound represented by the following general formula (I);
(B) (B-1) an organometallic compound,
(B-2) an organoaluminum oxy compound, and
(B-3) A compound that reacts with the transition metal compound (A) to form an ion pair.
And at least one compound selected from the group consisting of:
[0009]
[Formula 4]
Figure 0004646486
(In the formula, M represents a titanium atom, m represents an integer of 1 to 2, R1Represents a hydrocarbon group having 1 to 30 carbon atoms or a fluorine-containing hydrocarbon group, and R2~ RFiveMay be the same or different from each other, and each represents a hydrocarbon group, a hydrogen atom or a hydrocarbon-substituted silyl group, and two or more of these may be connected to each other to form a ring;6Is a hydrocarbon group having 1 to 4 carbon atoms consisting of hydrogen, primary or secondary carbon, aliphatic hydrocarbon group having 5 or more carbon atoms, aryl group-substituted alkyl group, monocyclic or bicyclic alicyclic ring A group selected from six types of aromatic hydrocarbon groups and aromatic hydrocarbon groups, and when m is 2, R2~ R62 may be connected among the groups represented by the formula: n is a number satisfying the valence of M, and X is a hydrogen atom, a halogen atom, a hydrocarbon group, an oxygen-containing group, or a sulfur-containing group. Group, nitrogen-containing group, boron-containing group, aluminum-containing group, phosphorus-containing group, halogen-containing group, heterocyclic compound residue, silicon-containing group, germanium-containing group, or tin-containing group, where n is 2 or more In the formula, a plurality of groups represented by X may be the same as or different from each other, and a plurality of groups represented by X may be bonded to each other to form a ring. )
[0010]
The catalyst for olefin polymerization of the present invention is the transition metal compound (A) represented by the general formula (I), wherein M is a titanium atom, m is 2,1Is a C6-C30 aromatic hydrocarbon group having a fluorine substituent or a fluorine-containing hydrocarbon substituent, and n is preferably 2.
[0011]
Moreover, the catalyst for olefin polymerization of the present invention is the transition metal compound (A) represented by the general formula (I), wherein R6Is an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 4 carbon atoms consisting of only hydrogen, primary or secondary carbon, an aliphatic hydrocarbon group having 5 or more carbon atoms, an aryl group-substituted alkyl group, monocyclic or bicyclic fat The group is preferably a group selected from six types of cyclic hydrocarbon groups and aromatic hydrocarbon groups.
[0012]
The catalyst for olefin polymerization of the present invention is the transition metal compound (A) represented by the general formula (I), wherein M is a titanium atom, R1Is a group selected from a difluorophenyl group, a trifluorophenyl group, a tetraphenyl group, a pentafluorophenyl group and a (trifluoromethyl) tetrafluorophenyl group, and R6Is particularly preferably a hydrocarbon group having 1 to 4 carbon atoms consisting of only hydrogen, primary or secondary carbon.
[0013]
The olefin polymerization method of the present invention is characterized in that the olefin is polymerized in the presence of the olefin polymerization catalyst as described above.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the olefin polymerization catalyst and the olefin polymerization method using the catalyst in the present invention will be described in detail.
[0015]
In the present specification, the term “polymerization” may be used to mean not only homopolymerization but also copolymerization, and the term “polymer” refers not only to homopolymers but also to copolymerization. It may be used in the meaning that also includes coalescence.
[0016]
The olefin polymerization catalyst according to the present invention is (A) a transition metal compound represented by the following general formula (I), or
(A) a transition metal compound represented by the following general formula (I);
(B) (B-1) an organometallic compound,
(B-2) an organoaluminum oxy compound, and
(B-3) It is formed from at least one compound selected from compounds that react with the transition metal compound (A) or the transition metal compound (B) to form ion pairs.
[0017]
[(A) Transition metal compound]
The transition metal compound (A) used in the present invention is a compound represented by the following general formula (I).
[0018]
[Chemical formula 5]
Figure 0004646486
(Note that N... M generally indicates coordination, but may or may not be coordinated in the present invention.)
In general formula (I), M is a titanium atom.
[0019]
m represents an integer of 1 to 2, and is preferably 2. R1Represents a fluorine-containing hydrocarbon group having 1 to 30 carbon atoms, and R2~ RFiveMay be the same or different from each other and each represents a hydrocarbon group, a hydrogen atom or a hydrocarbon-substituted silyl group, and R6Is a hydrocarbon group having 1 to 4 carbon atoms consisting of hydrogen, primary or secondary carbon, aliphatic hydrocarbon group having 5 or more carbon atoms, aryl group-substituted alkyl group, monocyclic or bicyclic alicyclic ring A group selected from six groups of an aromatic hydrocarbon group and an aromatic hydrocarbon group, and two or more of them may be linked to each other to form a ring.
[0020]
R1Specific examples of the fluorine-containing hydrocarbon group having 1 to 30 carbon atoms include trifluoromethyl, perfluoroethyl, perfluoropropyl, perfluorobutyl, perfluoropentyl, perfluorohexyl, monofluorophenyl, difluorophenyl, and trifluoride. Fluorophenyl, tetrafluorophenyl, pentafluorophenyl, (trifluoromethyl) phenyl, bis (trifluoromethyl) phenyl, tris (trifluoromethyl) phenyl, tetrakis (trifluoromethyl) phenyl, pentakis (trifluoromethyl) phenyl, (Trifluoromethyl) tetrafluorophenyl, perfluoroethylphenyl, bis (perfluoroethyl) phenyl, perfluoropropylphenyl, perfluorobutylphenyl, perfluorope Butylphenyl, perfluorohexyl, bis (perfluorohexyl) phenyl, perfluoronaphthyl, perfluoro phenanthrenyl, perfluoro anthracenyl, and the like.
[0021]
Preferably R1Is an aromatic hydrocarbon group having 6 to 30 carbon atoms having a fluorine substituent or a fluorine-containing hydrocarbon substituent, specifically, monofluorophenyl, difluorophenyl, trifluorophenyl, tetrafluorophenyl, pentafluorophenyl, (Trifluoromethyl) phenyl, bis (trifluoromethyl) phenyl, tris (trifluoromethyl) phenyl, tetrakis (trifluoromethyl) phenyl, pentakis (trifluoromethyl) phenyl, (trifluoromethyl) tetrafluorophenyl, perfluoro Ethylphenyl, bis (perfluoroethyl) phenyl, perfluoropropylphenyl, perfluorobutylphenyl, perfluoropentylphenyl, perfluorohexylphenyl, bis (perfluorohexyl) pheny , Perfluoronaphthyl, perfluoro phenanthrenyl, perfluoro anthracenyl, and the like.
[0022]
More preferably, R1Is an aromatic hydrocarbon group having 6 to 30 carbon atoms having at least two substituents selected from the group consisting of fluorine substituents or fluorine-containing hydrocarbon substituents, specifically, difluorophenyl, trifluorophenyl, tetra Fluorophenyl, pentafluorophenyl, (trifluoromethyl) phenyl, bis (trifluoromethyl) phenyl, tris (trifluoromethyl) phenyl, tetrakis (trifluoromethyl) phenyl, pentakis (trifluoromethyl) phenyl, (trifluoromethyl ) Tetrafluorophenyl, bis (perfluoroethyl) phenyl, bis (perfluorohexyl) phenyl, and the like.
[0023]
Particularly preferably, R1Is a difluorophenyl group, trifluorophenyl group, tetrafluorophenyl group, pentafluorophenyl group, bis (trifluoromethyl) phenyl group or (trifluoromethyl) tetrafluorophenyl group. In this case, 2,6-difluorophenyl group, 2,4,6-trifluorophenyl group, pentafluorophenyl group, 3,5-bis (trifluoromethyl) phenyl group, 4- (trifluoromethyl) -2, Specific examples include 3,5,6-tetrafluorophenyl group.
[0024]
R2~ RFiveExamples of the hydrocarbon group include those having 1 to 30 carbon atoms. Specifically, the number of carbon atoms such as methyl, ethyl, n-propyl, i-propyl, n-butyl, i-butyl, s-butyl, t-butyl, neopentyl, n-hexyl, etc. is 1 to 30, preferably 1-20 linear or branched alkyl groups; vinyl, allyl, i-propenyl, etc., linear or branched alkenyl groups having 2 to 30, preferably 2-20 carbon atoms; ethynyl, propargyl A linear or branched alkynyl group having 2 to 30 carbon atoms, preferably 2 to 20 carbon atoms; cyclopropyl, cyclobutyl, cyclopentyl, cyclohexyl, norbornyl, adamantyl, etc. having 3 to 30 carbon atoms, preferably 3 -20 cyclic saturated hydrocarbon group; C5-C30 cyclic unsaturated hydrocarbon such as cyclopentadienyl, indenyl, fluorenyl, etc. An aryl group having 6 to 30, preferably 6 to 20 carbon atoms, such as phenyl, benzyl, naphthyl, biphenyl, terphenyl, phenanthryl, anthracenyl; tolyl, i-propylphenyl, t-butylphenyl, dimethylphenyl, di And alkyl-substituted aryl groups such as -t-butylphenyl.
[0025]
Moreover, the said hydrocarbon group may be substituted by other hydrocarbon groups, for example, aryl group substituted alkyl groups, such as benzyl and cumyl, etc. are mentioned.
[0026]
R2~ RFiveExamples of the hydrocarbon-substituted silyl group include groups having 1 to 30 carbon atoms in total. Specific examples include methylsilyl, dimethylsilyl, trimethylsilyl, ethylsilyl, diethylsilyl, triethylsilyl, diphenylmethylsilyl, triphenylsilyl, dimethylphenylsilyl, dimethyl-t-butylsilyl, dimethyl (pentafluorophenyl) silyl and the like. Among these, methylsilyl, dimethylsilyl, trimethylsilyl, ethylsilyl, diethylsilyl, triethylsilyl, dimethylphenylsilyl, triphenylsilyl and the like are preferable. In particular, trimethylsilyl, triethylsilyl, triphenylsilyl, and dimethylphenylsilyl are preferable.
[0027]
R6The hydrocarbon group having 4 or less carbon atoms consisting of only primary or secondary carbon of R is R6Among these carbons, the carbon directly bonded to the phenoxy ring is a primary or secondary carbon having 4 or less carbon atoms. Specifically, linear or branched having 1 to 4, preferably 1 to 3 carbon atoms such as methyl, ethyl, n-propyl, i-propyl, n-butyl, i-butyl, s-butyl and the like. Of the alkyl group.
[0028]
R6The aliphatic hydrocarbon group having 5 or more carbon atoms is R6Is a hydrocarbon group in which the carbon directly bonded to the phenoxy ring is not contained in the ring structure, for example, those having 5 to 30 carbon atoms. Specifically, the number of carbon atoms such as n-pentyl, i-pentyl, s-pentyl, t-pentyl, neopentyl, n-hexyl, n-heptyl, n-octyl, n-nonyl, etc. is 5 to 30, preferably Examples include 5 to 20 linear or branched alkyl groups.
[0029]
R6Examples of the aryl group-substituted alkyl group include benzyl, cumyl, 1-diphenylethyl, triphenylmethyl and the like.
[0030]
R6Examples of the monocyclic or bicyclic alicyclic hydrocarbon group include those having 3 to 30 carbon atoms. Specifically, a hydrocarbon group having a monocyclic alicyclic skeleton having 3 to 30, preferably 3 or 3 to 20, carbon atoms such as cyclopropyl, cyclobutyl, cyclopentyl, cyclohexyl, cyclooctyl; .1.0] butyl, bicyclo [2.1.0] pentyl, norbornyl, bicyclo [2.2.2] octyl, spiro [2.2] pentyl, spiro [2.3] hexyl, etc. And a hydrocarbon group having a bicyclic alicyclic skeleton of 5-30, preferably 5-20.
[0031]
R6Examples of the aromatic hydrocarbon group include those having 6 to 30 carbon atoms. Specific examples include phenyl, naphthyl, biphenylyl, triphenylyl, fluorenyl, anthranyl, phenanthryl and the like.
n is a number satisfying the valence of M, specifically an integer of 2 to 4, and preferably 2.
X is a hydrogen atom, halogen atom, hydrocarbon group, oxygen-containing group, sulfur-containing group, nitrogen-containing group, boron-containing group, aluminum-containing group, phosphorus-containing group, halogen-containing group, heterocyclic compound residue, silicon-containing Group, germanium-containing group, or tin-containing group. When n is 2 or more, a plurality of groups represented by X may be the same or different from each other, and a plurality of groups represented by X are bonded to each other to form a ring. Also good.
[0032]
Examples of the halogen atom include fluorine, chlorine, bromine and iodine.
As the hydrocarbon group, R2~ RFiveThe thing similar to what was illustrated by (1) is mentioned. Specifically, alkyl groups such as methyl, ethyl, propyl, butyl, hexyl, octyl, nonyl, dodecyl, eicosyl; cycloalkyl groups having 3 to 30 carbon atoms such as cyclopentyl, cyclohexyl, norbornyl, adamantyl; vinyl, Alkenyl groups such as propenyl and cyclohexenyl; arylalkyl groups such as benzyl, phenylethyl, and phenylpropyl; phenyl, tolyl, dimethylphenyl, trimethylphenyl, ethylphenyl, propylphenyl, biphenyl, naphthyl, methylnaphthyl, anthryl, phenanthryl, and the like An aryl group etc. are mentioned, However, It is not limited to these. These hydrocarbon groups also include halogenated hydrocarbons, specifically, groups in which at least one hydrogen of a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms is substituted with halogen.
[0033]
Heterocyclic compound residues include residues such as nitrogen-containing compounds such as pyrrole, pyridine, pyrimidine, quinoline, and triazine, oxygen-containing compounds such as furan and pyran, sulfur-containing compounds such as thiophene, and heterocyclic groups thereof. Examples thereof include a group further substituted with a substituent such as an alkyl group or alkoxy group having 1 to 30 carbon atoms, preferably 1 to 20 carbon atoms, in the compound residue.
[0034]
Specific examples of oxygen-containing groups include hydroxy groups; alkoxy groups such as methoxy, ethoxy, propoxy, and butoxy; aryloxy groups such as phenoxy, methylphenoxy, dimethylphenoxy, and naphthoxy; arylalkoxy groups such as phenylmethoxy and phenylethoxy Acetoxy group; carbonyl group and the like, but not limited thereto.
[0035]
Specific examples of the sulfur-containing group include methyl sulfonate, trifluoromethane sulfonate, phenyl sulfonate, benzyl sulfonate, p-toluene sulfonate, trimethylbenzene sulfonate, and tri-i-butylbenzene. Sulfonate groups such as sulfonate, p-chlorobenzene sulfonate, pentafluorobenzene sulfonate; methyl sulfinate, phenyl sulfinate, benzyl sulfinate, p-toluene sulfinate, trimethylbenzene sulfinate And sulfinate groups such as pentafluorobenzene sulfinate; alkylthio groups; arylthio groups and the like, but are not limited thereto.
[0036]
Specific examples of nitrogen-containing groups include amino groups; alkylamino groups such as methylamino, dimethylamino, diethylamino, dipropylamino, dibutylamino, dicyclohexylamino; phenylamino, diphenylamino, ditolylamino, dinaphthyl Examples thereof include, but are not limited to, arylamino groups such as amino and methylphenylamino or alkylarylamino groups.
[0037]
Specifically, the boron-containing group is BRFour(R represents hydrogen, an alkyl group, an aryl group which may have a substituent, a halogen atom, or the like).
Specific examples of the phosphorus-containing group include trialkylphosphine groups such as trimethylphosphine, tributylphosphine, and tricyclohexylphosphine; triarylphosphine groups such as triphenylphosphine and tolylphosphine; methyl phosphite, ethyl phosphite, and phenyl phosphite Examples thereof include, but are not limited to, phosphite groups (phosphide groups); phosphonic acid groups; phosphinic acid groups.
[0038]
Specific examples of silicon-containing groups include hydrocarbon-substituted silyl groups such as phenylsilyl, diphenylsilyl, trimethylsilyl, triethylsilyl, tripropylsilyl, tricyclohexylsilyl, triphenylsilyl, methyldiphenylsilyl, tolylsilyl, and trinaphthylsilyl. Hydrocarbon-substituted silyl ether groups such as trimethylsilyl ether; silicon-substituted alkyl groups such as trimethylsilylmethyl; silicon-substituted aryl groups such as trimethylsilylphenyl;
[0039]
Specific examples of the germanium-containing group include groups in which silicon in the silicon-containing group is replaced with germanium.
Specific examples of the tin-containing group include groups in which silicon in the silicon-containing group is substituted with tin.
Specific examples of halogen-containing groups include PF6, BFFourFluorine-containing groups such as ClOFour, SbCl6Chlorine-containing groups such as IOFourExamples of the iodine-containing group include, but are not limited to.
Specifically, as the aluminum-containing group, AlRFour(R represents hydrogen, an alkyl group, an aryl group which may have a substituent, a halogen atom or the like), but is not limited thereto.
[0040]
As a preferable structure of the transition metal compound (A) used in the present invention, the general formula (I) M is a titanium atom, m is 2, and R1Is preferably an aromatic hydrocarbon group having 6 to 30 carbon atoms having at least two fluorine substituents. R1Is a difluorophenyl group, a trifluorophenyl group, a tetrafluorophenyl group, a pentafluorophenyl group, a bis (trifluoromethyl) phenyl group or a (trifluoromethyl) tetrafluorophenyl group, and R6Is particularly preferably a hydrocarbon-substituted silyl group.
[0041]
Specific examples of the transition metal compound represented by the general formula (I) are shown below, but are not limited thereto.
[0042]
[Chemical 6]
Figure 0004646486
[0043]
[Chemical 7]
Figure 0004646486
[0044]
[Chemical 8]
Figure 0004646486
[0045]
[Chemical 9]
Figure 0004646486
[0046]
Embedded image
Figure 0004646486
[0047]
Embedded image
Figure 0004646486
[0048]
Embedded image
Figure 0004646486
[0049]
Embedded image
Figure 0004646486
[0050]
Embedded image
Figure 0004646486
[0051]
In the above examples, Me represents a methyl group, Et represents an ethyl group, Pr represents a propyl group, Bu represents a butyl group, cHEX represents a cyclohexyl group, Ph represents a phenyl group, and Bn represents a benzyl group.
The method for producing such a transition metal compound (A) is not particularly limited and can be produced, for example, as follows.
[0052]
First, the ligand constituting the transition metal compound (A) is a salicylaldehyde compound represented by the formula R1-NH2Primary amine compounds (R1Is as defined above. ), For example, by reacting with an aniline compound or an alkylamine compound. Specifically, both starting compounds are dissolved in a solvent. As the solvent, those generally used for such a reaction can be used, and among them, an alcohol solvent such as methanol and ethanol, or a hydrocarbon solvent such as toluene is preferable. The resulting solution is then stirred from room temperature under reflux conditions for about 1 to 48 hours to give the corresponding ligand in good yield. When synthesizing the ligand compound, an acid catalyst such as formic acid, acetic acid, and toluenesulfonic acid may be used as a catalyst. Further, when molecular sieves, magnesium sulfate or sodium sulfate is used as a dehydrating agent, or dehydration is performed using a Dean-Stark trap, it is effective for the progress of the reaction.
[0053]
Next, the corresponding transition metal compound can be synthesized by reacting the thus obtained ligand with the transition metal M-containing compound. Specifically, the synthesized ligand is dissolved in a solvent and contacted with a base as necessary to prepare a phenoxide salt, and then mixed with a metal compound such as a metal halide or metal alkylate at a low temperature. The mixture is stirred for about 1 to 48 hours at -78 ° C to room temperature or under reflux conditions. As the solvent, those commonly used for such a reaction can be used. Among them, polar solvents such as ether and tetrahydrofuran (THF), hydrocarbon solvents such as toluene and the like are preferably used. The base used in preparing the phenoxide salt is preferably a metal salt such as a lithium salt such as n-butyllithium, a sodium salt such as sodium hydride, or an organic base such as triethylamine or pyridine. Not as long.
[0054]
Depending on the properties of the compound, the corresponding transition metal compound can be synthesized by directly reacting the ligand with the metal compound without going through the preparation of the phenoxide salt.
Further, the metal M in the synthesized transition metal compound can be exchanged with another transition metal by a conventional method. For example, R1~ R6When any of these is H, substituents other than H can be introduced at any stage of the synthesis.
[0055]
Moreover, the reaction solution of a ligand and a metal compound can also be used for polymerization as it is without isolating the transition metal compound.
The above transition metal compounds (A) are used singly or in combination of two or more.
[0056]
[(B-1) Organometallic compound]
As the (B-1) organometallic compound used in the present invention, specifically, organometallic compounds of Groups 1, 2 and 12, 13 of the periodic table represented by the general formula shown below are used. .
[0057]
(B-1a) Ra mAl (ORb)nHpXq
(Wherein RaAnd RbMay be the same or different and each represents a hydrocarbon group having 1 to 15 carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms, X represents a halogen atom, m is 0 <m ≦ 3, and n is 0 ≦ n <3, p is a number 0 ≦ p <3, q is a number 0 ≦ q <3, and m + n + p + q = 3. )
An organoaluminum compound represented by
[0058]
(B-1b) M2AlRa Four
(Where M2Represents Li, Na or K, RaRepresents a hydrocarbon group having 1 to 15 carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms. A complex alkylated product of a Group 1 metal of the periodic table and aluminum.
[0059]
(B-1c) RaRbMThree
(Wherein RaAnd RbMay be the same or different from each other, and represents a hydrocarbon group having 1 to 15 carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms;ThreeIs Mg, Zn or Cd. A dialkyl compound of a metal of Group 2 or Group 12 of the periodic table.
[0060]
Examples of the organoaluminum compound belonging to (B-1a) include compounds represented by the following general formula.
[0061]
Ra mAl (ORb)3-m  (Wherein RaAnd RbMay be the same or different and each represents a hydrocarbon group having 1 to 15 carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms, and m is preferably a number satisfying 1.5 ≦ m ≦ 3. )
An organoaluminum compound represented by
[0062]
RamAlX3-m  (Wherein RaRepresents a hydrocarbon group having 1 to 15 carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms, X represents a halogen atom, and m is preferably 0 <m <3. )
An organoaluminum compound represented by
[0063]
Ra mAlH3-m  (Wherein RaRepresents a hydrocarbon group having 1 to 15 carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms, and m is preferably 2 ≦ m <3. )
An organoaluminum compound represented by
[0064]
Ra mAl (ORb)nXq  (Wherein RaAnd RbMay be the same or different and each represents a hydrocarbon group having 1 to 15 carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms, X represents a halogen atom, m is 0 <m ≦ 3, and n is 0 ≦ n <3, q is a number 0 ≦ q <3, and m + n + q = 3. )
An organoaluminum compound represented by
[0065]
More specifically as an organoaluminum compound belonging to (B-1a)
Tri-n-alkylaluminum such as trimethylaluminum, triethylaluminum, tri-n-butylaluminum, tripropylaluminum, tripentylaluminum, trihexylaluminum, trioctylaluminum, tridecylaluminum; trii-propylaluminum, trii-butylaluminum , Tri-s-butylaluminum, tri-t-butylaluminum, tri-2-methylbutylaluminum, tri-3-methylbutylaluminum, tri-2-methylpentylaluminum, tri-3-methylpentylaluminum, tri-4-methylpentylaluminum, tri-2 -Tri-branched alkylaluminum such as methylhexylaluminum, tri-3-methylhexylaluminum, tri-2-ethylhexylaluminum Beam; tricyclohexyl aluminum, tri-cycloalkyl aluminum such as tri-cyclooctyl aluminum; dialkyl aluminum hydride such as di-i- butyl aluminum hydride; triphenyl aluminum, triaryl aluminum such as tri tolyl aluminum (i-CFourH9)xAly(CFiveHTen)z(Wherein x, y and z are positive numbers and z ≧ 2x) and the like; trialkenylaluminum such as trii-prenylaluminum; i-butylaluminum methoxide, i-butylaluminum Alkyl aluminum alkoxides such as ethoxide and i-butylaluminum i-propoxide; Dialkylaluminum alkoxides such as dimethylaluminum methoxide, diethylaluminum ethoxide and dibutylaluminum butoxide; Alkyaluminums such as ethylaluminum sesquiethoxide and butylaluminum sesquibutoxide Sesquialkoxide; Ra 2.5Al (ORb)0.5Partially alkoxylated alkylaluminum having an average composition represented by: diethylaluminum phenoxide, diethylaluminum (2,6-di-t-butyl-4-methylphenoxide), ethylaluminum bis (2,6- Di-t-butyl-4-methylphenoxide), dii-butylaluminum (2,6-di-t-butyl-4-methylphenoxide), i-butylaluminum bis (2,6-di-t-butyl-) Dialkylaluminum aryloxides such as 4-methylphenoxide); dialkylaluminum halides such as dimethylaluminum chloride, diethylaluminum chloride, dibutylaluminum chloride, diethylaluminum bromide, dii-butylaluminum chloride; Alkyl aluminum sesquihalides such as chloride, butylaluminum sesquichloride, ethylaluminum sesquibromide; Partially halogenated alkylaluminums such as alkylaluminum dihalides such as ethylaluminum dichloride, propylaluminum dichloride, butylaluminum dibromide; Diethylaluminum Dialkylaluminum hydrides such as hydride and dibutylaluminum hydride; Other partially hydrogenated alkylaluminums such as alkylaluminum dihydride such as ethylaluminum dihydride and propylaluminum dihydride; Ethylaluminum ethoxychloride, butylaluminum butoxycyclide, ethyl Such as aluminum ethoxy bromide , And the like Kokishi reduction and halogenated alkyl aluminum.
[0066]
Moreover, the compound similar to (B-1a) can also be used, for example, the organoaluminum compound which two or more aluminum compounds couple | bonded through the nitrogen atom can be mentioned. Specific examples of such compounds include (C2HFive)2AlN (C2HFive) Al (C2HFive)2And so on.
[0067]
Examples of the compound belonging to (B-1b) include LiAl (C2HFive)Four, LiAl (C7H15)Four And so on.
[0068]
In addition, (B-1) organometallic compounds include methyl lithium, ethyl lithium, propyl lithium, butyl lithium, methyl magnesium bromide, methyl magnesium chloride, ethyl magnesium bromide, ethyl magnesium chloride, propyl magnesium bromide, propyl magnesium. Chloride, butyl magnesium bromide, butyl magnesium chloride, dimethyl magnesium, diethyl magnesium, dibutyl magnesium, butyl ethyl magnesium and the like can also be used.
[0069]
A compound that can form the organoaluminum compound in the polymerization system, for example, a combination of an aluminum halide and an alkyl lithium, or a combination of an aluminum halide and an alkyl magnesium can also be used.
[0070]
(B-1) Among organometallic compounds, organoaluminum compounds are preferred.
The above (B-1) organometallic compounds are used singly or in combination of two or more.
[0071]
[(B-2) Organoaluminum oxy compound]
The (B-2) organoaluminum oxy compound used in the present invention may be a conventionally known aluminoxane, or a benzene-insoluble organoaluminum oxy compound as exemplified in JP-A-2-78687. May be.
[0072]
A conventionally well-known aluminoxane can be manufactured, for example with the following method, and is normally obtained as a solution of a hydrocarbon solvent.
(1) Compounds containing adsorbed water or salts containing water of crystallization, such as magnesium chloride hydrate, copper sulfate hydrate, aluminum sulfate hydrate, nickel sulfate hydrate, first cerium chloride hydrate, etc. A method of reacting adsorbed water or crystal water with an organoaluminum compound by adding an organoaluminum compound such as trialkylaluminum to the suspension of the hydrocarbon.
(2) A method of allowing water, ice or water vapor to act directly on an organoaluminum compound such as trialkylaluminum in a medium such as benzene, toluene, ethyl ether or tetrahydrofuran.
(3) A method in which an organotin oxide such as dimethyltin oxide or dibutyltin oxide is reacted with an organoaluminum compound such as trialkylaluminum in a medium such as decane, benzene, or toluene.
[0073]
The aluminoxane may contain a small amount of an organometallic component. Further, after removing the solvent or the unreacted organoaluminum compound from the recovered aluminoxane solution by distillation, it may be redissolved in a solvent or suspended in a poor aluminoxane solvent.
[0074]
Specific examples of the organoaluminum compound used in preparing the aluminoxane include the same organoaluminum compounds as those exemplified as the organoaluminum compound belonging to the above (B-1a).
[0075]
Of these, trialkylaluminum and tricycloalkylaluminum are preferable, and trimethylaluminum is particularly preferable.
[0076]
The above organoaluminum compounds are used singly or in combination of two or more.
[0077]
Solvents used for the preparation of aluminoxane include aromatic hydrocarbons such as benzene, toluene, xylene, cumene, and cymene, aliphatic hydrocarbons such as pentane, hexane, heptane, octane, decane, dodecane, hexadecane, and octadecane, and cyclopentane. , Cycloaliphatic hydrocarbons such as cyclohexane, cyclooctane and methylcyclopentane, petroleum fractions such as gasoline, kerosene and light oil, or halides of the above aromatic hydrocarbons, aliphatic hydrocarbons and alicyclic hydrocarbons, especially chlorine And hydrocarbon solvents such as bromide and bromide. Furthermore, ethers such as ethyl ether and tetrahydrofuran can also be used. Of these solvents, aromatic hydrocarbons or aliphatic hydrocarbons are particularly preferable.
[0078]
The benzene-insoluble organoaluminum oxy compound used in the present invention has an Al component dissolved in benzene at 60 ° C. of usually 10% or less, preferably 5% or less, particularly preferably 2% or less in terms of Al atom, That is, those that are insoluble or hardly soluble in benzene are preferred.
[0079]
Examples of the organoaluminum oxy compound used in the present invention include an organoaluminum oxy compound containing boron represented by the following general formula (II).
[0080]
Embedded image
Figure 0004646486
[0081]
Where R7Represents a hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms.
R8May be the same or different and each represents a hydrogen atom, a halogen atom, or a hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms.
[0082]
The organoaluminum oxy compound containing boron represented by the general formula (II) includes an alkyl boronic acid represented by the following general formula (III) and
[0083]
R7-B (OH)2      ... (III)
(Wherein R7Represents the same group as described above. )
It can be produced by reacting an organoaluminum compound in an inert solvent under an inert gas atmosphere at a temperature of −80 ° C. to room temperature for 1 minute to 24 hours.
[0084]
Specific examples of the alkyl boronic acid represented by the general formula (III) include methyl boronic acid, ethyl boronic acid, i-propyl boronic acid, n-propyl boronic acid, n-butyl boronic acid, i-butyl boronic acid, n -Hexylboronic acid, cyclohexylboronic acid, phenylboronic acid, 3,5-difluoroboronic acid, pentafluorophenylboronic acid, 3,5-bis (trifluoromethyl) phenylboronic acid and the like. Among these, methyl boronic acid, n-butyl boronic acid, i-butyl boronic acid, 3,5-difluorophenyl boronic acid, and pentafluorophenyl boronic acid are preferable. These may be used alone or in combination of two or more.
[0085]
Specific examples of the organoaluminum compound to be reacted with the alkylboronic acid include the same organoaluminum compounds as those exemplified as the organoaluminum compound belonging to (B-1a).
[0086]
Of these, trialkylaluminum and tricycloalkylaluminum are preferable, and trimethylaluminum, triethylaluminum, and trii-butylaluminum are particularly preferable. These may be used alone or in combination of two or more.
[0087]
The (B-2) organoaluminum oxy compounds as described above are used singly or in combination of two or more.
[0088]
[(B-3) Compound that reacts with transition metal compound (A) to form ion pair]
As a compound (B-3) (hereinafter referred to as “ionized ionic compound”) which forms an ion pair by reacting with the transition metal compound (A) used in the present invention, JP-A-1-501950, Lewis acids described in Kaihei 1-502036, JP-A-3-179005, JP-A-3-179006, JP-A-3-207703, JP-A-3-207704, USP-5321106, etc. , Ionic compounds, borane compounds and carborane compounds. Furthermore, heteropoly compounds and isopoly compounds can also be mentioned.
[0089]
Specifically, as the Lewis acid, BRThree(R is a phenyl group which may have a substituent such as fluorine, methyl group, trifluoromethyl group or fluorine), and examples thereof include trifluoroboron, triphenylboron, tris. (4-fluorophenyl) boron, tris (3,5-difluorophenyl) boron, tris (4-fluoromethylphenyl) boron, tris (pentafluorophenyl) boron, tris (p-tolyl) boron, tris (o-tolyl) ) Boron, tris (3,5-dimethylphenyl) boron and the like.
[0090]
Examples of the ionic compound include compounds represented by the following general formula (IV).
[0091]
Embedded image
Figure 0004646486
Where R9Examples thereof include H +, carbonium cation, oxonium cation, ammonium cation, phosphonium cation, cycloheptyltrienyl cation, ferrocenium cation having a transition metal, and the like.
[0092]
RTen~ R13May be the same as or different from each other and are an organic group, preferably an aryl group or a substituted aryl group.
Specific examples of the carbonium cation include trisubstituted carbonium cations such as triphenylcarbonium cation, tri (methylphenyl) carbonium cation, and tri (dimethylphenyl) carbonium cation.
[0093]
Specific examples of the ammonium cation include trialkylammonium cation, triethylammonium cation, tripropylammonium cation, tributylammonium cation, and tri (n-butyl) ammonium cation; N, N-dimethylanilinium cation; N, N-diethylanilinium cation, N, N-dialkylanilinium cation such as N, N-2,4,6-pentamethylanilinium cation; dialkyl such as di (i-propyl) ammonium cation and dicyclohexylammonium cation An ammonium cation etc. are mentioned.
[0094]
Specific examples of the phosphonium cation include triarylphosphonium cations such as triphenylphosphonium cation, tri (methylphenyl) phosphonium cation, and tri (dimethylphenyl) phosphonium cation.
[0095]
R9Are preferably a carbonium cation, an ammonium cation, and the like, and particularly preferably a triphenylcarbonium cation, an N, N-dimethylanilinium cation, and an N, N-diethylanilinium cation.
[0096]
Examples of the ionic compound include trialkyl-substituted ammonium salts, N, N-dialkylanilinium salts, dialkylammonium salts, and triarylphosphonium salts.
[0097]
Specific examples of the trialkyl-substituted ammonium salt include triethylammonium tetra (phenyl) boron, tripropylammonium tetra (phenyl) boron, tri (n-butyl) ammonium tetra (phenyl) boron, and trimethylammonium tetra (p-tolyl). Boron, trimethylammonium tetra (o-tolyl) boron, tri (n-butyl) ammonium tetra (pentafluorophenyl) boron, tripropylammonium tetra (o, p-dimethylphenyl) boron, tri (n-butyl) ammonium tetra ( m, m-dimethylphenyl) boron, tri (n-butyl) ammonium tetra (p-trifluoromethylphenyl) boron, tri (n-butyl) ammonium tetra (3,5-ditrifluoromethylphenyl) ) Boron, tri (n- butyl) ammonium tetra (o-tolyl) and boron and the like.
[0098]
Specific examples of N, N-dialkylanilinium salts include N, N-dimethylanilinium tetra (phenyl) boron, N, N-diethylanilinium tetra (phenyl) boron, N, N-2,4,6. -Pentamethylanilinium tetra (phenyl) boron and the like.
[0099]
Specific examples of the dialkylammonium salt include di (1-propyl) ammonium tetra (pentafluorophenyl) boron and dicyclohexylammonium tetra (phenyl) boron.
[0100]
Further, as ionic compounds, triphenylcarbenium tetrakis (pentafluorophenyl) borate, N, N-dimethylanilinium tetrakis (pentafluorophenyl) borate, ferrocenium tetra (pentafluorophenyl) borate, triphenylcarbenium pentaphenyl Examples thereof include a cyclopentadienyl complex, an N, N-diethylanilinium pentaphenylcyclopentadienyl complex, and a boron compound represented by the following formula (V) or (VI).
[0101]
Embedded image
Figure 0004646486
(In the formula, Et represents an ethyl group.)
[0102]
Embedded image
Figure 0004646486
[0103]
Specifically as a borane compound, for example,
Decaborane (14); bis [tri (n-butyl) ammonium] nonaborate, bis [tri (n-butyl) ammonium] decaborate, bis [tri (n-butyl) ammonium] undecaborate, bis [tri (n-butyl) ) Ammonium] dodecaborate, bis [tri (n-butyl) ammonium] decachlorodecaborate, bis [tri (n-butyl) ammonium] dodecachlorododecaborate, and the like; tri (n-butyl) ammonium bis ( Examples thereof include salts of metal borane anions such as dodecahydridododecaborate) cobaltate (III) and bis [tri (n-butyl) ammonium] bis (dodecahydridododecaborate) nickelate (III).
[0104]
Specific examples of carborane compounds include:
4-carbanonaborane (14), 1,3-dicarbanonaborane (13), 6,9-dicarbadecarborane (14), dodecahydride-1-phenyl-1,3-dicarbanonaborane, dodecahydride- 1-methyl-1,3-dicarbanonaborane, undecahydride-1,3-dimethyl-1,3-dicarbanonaborane, 7,8-dicarbaunaborane (13), 2,7-dicarbaun Decaborane (13), undecahydride-7,8-dimethyl-7,8-dicarboundecaborane, dodecahydride-11-methyl-2,7-dicarboundecarborane, tri (n-butyl) ammonium 1- Carbadecaborate, tri (n-butyl) ammonium 1-carbundecaborate, tri (n-butyl) ammonium 1-carbadode Borate, tri (n-butyl) ammonium 1-trimethylsilyl-1-carbadecaborate, tri (n-butyl) ammonium bromo-1-carbadodecaborate, tri (n-butyl) ammonium 6-carbadecaborate (14), Tri (n-butyl) ammonium 6-carbadecaborate (12), tri (n-butyl) ammonium 7-carbaundecaborate (13), tri (n-butyl) ammonium 7,8-dicarbaundecaborate (12 ), Tri (n-butyl) ammonium 2,9-dicarbaundecaborate (12), tri (n-butyl) ammonium dodecahydride-8-methyl-7,9-dicarbaundecaborate, tri (n-butyl) Ammonium undecahydride-8-ethyl-7,9-dicarbaun Caborate, tri (n-butyl) ammonium undecahydride-8-butyl-7,9-dicarbaound decaborate, tri (n-butyl) ammonium undecahydride-8-allyl-7,9-dicarbaundecaborate, Anions such as tri (n-butyl) ammonium undecahydride-9-trimethylsilyl-7,8-dicarbaundecaborate, tri (n-butyl) ammonium undecahydride-4,6-dibromo-7-carbaundecaborate Salt of tri (n-butyl) ammonium bis (nonahydride-1,3-dicarbanonaborate) cobaltate (III), tri (n-butyl) ammonium bis (undecahydride-7,8-dicarbaun) Decaborate) ferrate (III), tri (n-butyl) ) Ammonium bis (undecahydride-7,8-dicarbaundecaborate) cobaltate (III), tri (n-butyl) ammonium bis (undecahydride-7,8-dicarbaundecaborate) nickelate ( III), tri (n-butyl) ammonium bis (undecahydride-7,8-dicarbaundecaborate) cuprate (III), tri (n-butyl) ammonium bis (undecahydride-7,8-dicarl) Bound Decaborate) Goldate (III), Tri (n-butyl) ammonium bis (nonahydride-7,8-dimethyl-7,8-dicarboundecaborate) ferrate (III), Tri (n-butyl) ) Ammonium bis (nonahydride-7,8-dimethyl-7,8-dicarbaoundeborate) Lomate (III), tri (n-butyl) ammonium bis (tribromooctahydride-7,8-dicarbaundecaborate) cobaltate (III), tris [tri (n-butyl) ammonium] bis (un Decahydride-7-carbaundecaborate) chromate (III), bis [tri (n-butyl) ammonium] bis (undecahydride-7-carbaundecaborate) manganate (IV), bis [tri (N-Butyl) ammonium] bis (undecahydride-7-carbaundecaborate) cobaltate (III), bis [tri (n-butyl) ammonium] bis (undecahydride-7-carbaundecaborate) Examples thereof include salts of metal carborane anions such as nickelate (IV).
[0105]
The heteropoly compound is composed of atoms selected from silicon, phosphorus, titanium, germanium, arsenic and tin, and one or more atoms selected from vanadium, niobium, molybdenum and tungsten. Specifically, phosphovanadic acid, germanovanadic acid, arsenic vanadic acid, phosphoniobic acid, germanoniobic acid, siliconomolybdic acid, phosphomolybdic acid, titanium molybdic acid, germanomolybdic acid, arsenic molybdic acid, tin molybdic acid, phosphorus Tungstic acid, germanotungstic acid, tin tungstic acid, phosphomolybdovanadic acid, phosphotungstovanadic acid, germanotungstovanadic acid, phosphomolybdotungstovanadic acid, germanomolybdo tungstovanadate, phosphomolybdo Tungstic acid, phosphomolybdoniobic acid, and salts of these acids, such as metals of Group 1 or 2 of the periodic table, specifically lithium, sodium, potassium, rubidium, cesium, beryllium, magnesium, calcium, strontium ,barium Salts with organic salts of triphenyl ethyl salts, and the like can be used but not limited thereto.
[0106]
The (B-3) ionized ionic compounds as described above are used singly or in combination of two or more.
[0107]
When the transition metal compound according to the present invention is used as a catalyst, when it is used in combination with an organoaluminum oxy compound (B-2) such as methylaluminoxane as a promoter component, it exhibits a very high polymerization activity for an olefin compound. When an ionized ionic compound (B-3) such as triphenylcarbonium tetrakis (pentafluorophenyl) borate is used as a promoter component, an olefin polymer having a good activity and a very high molecular weight can be obtained.
[0108]
In the olefin polymerization catalyst according to the present invention, (A) the transition metal compound represented by (I) may be used alone,
(A) the transition metal compound represented by (I),
(B) (B-1) Organometallic compound
(B-2) an organoaluminum oxy compound, and
(B-3) A compound that reacts with the transition metal compound (A) to form an ion pair.
May be formed from at least one compound selected from the group consisting of:
[0109]
Embedded image
Figure 0004646486
Are formed.
(R in the formula1~ R6, M, m, n and X are the same as in (I), and Y represents a so-called weakly coordinating anion. )
[0110]
In this formula, the bond between the metals M and Y may be covalently bonded or ionicly bonded. R in the formula1~ R6Specific examples of M, M, n, and X are the same as those in (I). Examples of Y include Chemical Review, Vol. 88, page 1405 (1988), Chemical Review, Vol. 93, page 927 (1993), The weakly coordinating anions described on page 6 of WO98 / 30612 can be mentioned, specifically,
[0111]
AlRFour -(R may be one kind or two or more kinds, oxygen atom, nitrogen atom, phosphorus atom, hydrogen atom, halogen atom or a substituent containing them, and aliphatic hydrocarbon group, aromatic hydrocarbon group, alicyclic carbonization. A hydrogen group may have a substituent containing an oxygen atom, a nitrogen atom, a phosphorus atom, a hydrogen atom or a halogen atom)
[0112]
BR4- (R may be one or more, oxygen atom, nitrogen atom, phosphorus atom, hydrogen atom, halogen atom or a substituent containing them, and aliphatic hydrocarbon group, aromatic hydrocarbon group, alicyclic ring A hydrocarbon group having an oxygen atom, a nitrogen atom, a phosphorus atom, a hydrogen atom, or a halogen atom)
[0113]
Or PF6 -, SbFFive -, Trifluoromethanesulfonate, p-toluenesulfonate, and the like.
[0114]
The catalyst for olefin polymerization according to the present invention includes the transition metal compound (A), (B-1) an organometallic compound, (B-2) an organoaluminum oxy compound, and (B-3) an ionized ionic compound. In addition to at least one compound (B) selected from the above, a carrier (C) as described later can be used as necessary.
[0115]
[(C) Carrier]
The carrier (C) used in the present invention is an inorganic or organic compound and is a granular or particulate solid.
[0116]
Among these, as the inorganic compound, porous oxides, inorganic chlorides, clays, clay minerals or ion-exchangeable layered compounds are preferable.
[0117]
Specifically, as a porous oxide, SiO2, Al2OThree, MgO, ZrO, TiO2, B2OThree, CaO, ZnO, BaO, ThO2Or using composites or mixtures containing these, eg natural or synthetic zeolites, SiO2-MgO, SiO2-Al2OThree, SiO2-TiO2, SiO2-V2OFive, SiO2-Cr2OThree, SiO2-TiO2-MgO etc. can be used. Of these, SiO2And / or Al2OThreeThe main component is preferred.
[0118]
The inorganic oxide contains a small amount of Na.2COThree, K2COThree, CaCOThree, MgCOThree, Na2SOFour, Al2(SOFour)Three, BaSOFour, KNOThree, Mg (NOThree)2, Al (NOThree)Three, Na2O, K2O, Li2It may contain carbonates such as O, sulfates, nitrates and oxide components.
[0119]
Such porous oxides have different properties depending on the type and production method, but the carrier preferably used in the present invention has a particle size of 10 to 300 μm, preferably 20 to 200 μm, and a specific surface area of 50 to 1000 m.2/ G, preferably 100-700m2/ G and pore volume of 0.3-3.0 cmThree/ G is desirable. Such a carrier is used after being calcined at 100 to 1000 ° C., preferably 150 to 700 ° C., if necessary.
[0120]
As inorganic chloride, MgCl2, MgBr2, MnCl2, MnBr2Etc. are used. The inorganic chloride may be used as it is or after being pulverized by a ball mill or a vibration mill. Further, it is also possible to use a material obtained by dissolving inorganic chloride in a solvent such as alcohol and then precipitating them with a precipitating agent.
[0121]
The clay used in the present invention is usually composed mainly of clay minerals. The ion-exchangeable layered compound used in the present invention is a compound having a crystal structure in which surfaces formed by ionic bonds and the like are stacked in parallel with each other with a weak binding force, and the contained ions can be exchanged. . Most clay minerals are ion-exchangeable layered compounds. In addition, these clays, clay minerals, and ion-exchange layered compounds are not limited to natural products, and artificial synthetic products can also be used.
[0122]
Examples of clay, clay mineral, or ion-exchangeable layered compound include clay, clay mineral, and ion crystalline compounds having a layered crystal structure such as hexagonal close packing type, antimony type, CdCl2 type, and CdI2 type. be able to.
Examples of such clays and clay minerals include kaolin, bentonite, kibushi clay, gyrome clay, allophane, hysinger gel, pyrophyllite, ummo group, montmorillonite group, vermiculite, ryokdeite group, palygorskite, kaolinite, nacrite, dickite , And halloysite, and the ion-exchange layered compound includes α-Zr (HAsO4).2・ H2O, α-Zr (HPOFour)2, Α-Zr (KPOFour)2・ 3H2O, α-Ti (HPOFour)2, Α-Ti (HAsOFour)2・ H2O, α-Sn (HPOFour)2・ H2O, γ-Zr (HPOFour)2, Γ-Ti (HPOFour)2, Γ-Ti (NHFourPOFour)2・ H2Examples thereof include crystalline acidic salts of polyvalent metals such as O.
[0123]
Such a clay, clay mineral, or ion-exchange layered compound preferably has a pore volume of 0.1 cc / g or more and a diameter of 0.3 to 5 cc / g measured by mercury porosimetry. Particularly preferred. Here, the pore volume is determined by a mercury intrusion method using a mercury porosimeter.FourMeasured over the range of cocoons.
When a carrier having a pore volume with a radius of 20 mm or more and smaller than 0.1 cc / g is used as a carrier, high polymerization activity tends to be difficult to obtain.
[0124]
The clay and clay mineral used in the present invention are preferably subjected to chemical treatment. As the chemical treatment, any of a surface treatment that removes impurities adhering to the surface and a treatment that affects the crystal structure of clay can be used. Specific examples of the chemical treatment include acid treatment, alkali treatment, salt treatment, and organic matter treatment. In addition to removing impurities on the surface, the acid treatment increases the surface area by eluting cations such as Al, Fe, and Mg in the crystal structure. Alkali treatment destroys the crystal structure of the clay, resulting in a change in the structure of the clay. In the salt treatment and the organic matter treatment, an ion complex, a molecular complex, an organic derivative, or the like can be formed, and the surface area or interlayer distance can be changed.
[0125]
The ion-exchangeable layered compound used in the present invention may be a layered compound in a state where the layers are expanded by exchanging the exchangeable ions between the layers with another large and bulky ion using the ion-exchange property. . Such a bulky ion plays a role of a column supporting the layered structure and is usually called a pillar. Moreover, introducing another substance between the layers of the layered compound in this way is called intercalation. As guest compounds to be intercalated, TiClFour, ZrClFourCationic inorganic compounds such as Ti (OR)Four, Zr (OR)Four, PO (OR)Three, B (OR)ThreeMetal alkoxides (R is a hydrocarbon group, etc.), [Al13OFour(OH)twenty four]7+, [ZrFour(OH)14]2+, [FeThreeO (OCOCHThree)6]+And metal hydroxide ions. These compounds are used alone or in combination of two or more. In addition, when intercalating these compounds, Si (OR)Four, Al (OR)Three, Ge (OR)FourA polymer obtained by hydrolyzing a metal alkoxide such as R (hydrocarbon group, etc.), SiO2Colloidal inorganic compounds such as can also be present together. Examples of the pillar include oxides generated by heat dehydration after intercalation of the metal hydroxide ions between layers.
[0126]
The clay, clay mineral, and ion-exchangeable layered compound used in the present invention may be used as they are, or may be used after a treatment such as ball milling or sieving. Further, it may be used after newly adsorbing and adsorbing water or after heat dehydration treatment. Furthermore, you may use individually or in combination of 2 or more types.
Of these, preferred are clays or clay minerals, and particularly preferred are montmorillonite, vermiculite, pectolite, teniolite and synthetic mica.
[0127]
Examples of the organic compound include granular or fine particle solids having a particle size in the range of 10 to 300 μm. Specifically, a (co) polymer produced mainly from an α-olefin having 2 to 14 carbon atoms such as ethylene, propylene, 1-butene, 4-methyl-1-pentene, vinylcyclohexane, styrene (Co) polymers produced by the main component, and their modified products.
[0128]
The catalyst for olefin polymerization according to the present invention is selected from the transition metal compound (A), (B-1) an organometallic compound, (B-2) an organoaluminum oxy compound, and (B-3) an ionized ionic compound. It is also possible to include a specific organic compound component (D) as described later, if necessary, together with at least one kind of compound (B), and optionally a carrier (C).
[0129]
[(D) Organic compound component]
In the present invention, the organic compound component (D) is used for the purpose of improving the polymerization performance and the physical properties of the produced polymer, if necessary. Examples of such organic compounds include, but are not limited to, alcohols, phenolic compounds, carboxylic acids, phosphorus compounds, and sulfonates.
[0130]
Alcohols and phenolic compounds are usually R14-OH is used, where R14Represents a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms or a halogenated hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms.
As alcohols, R14Are preferably halogenated hydrocarbons. Moreover, as a phenolic compound, what substituted the (alpha), (alpha) '-position of the hydroxyl group with the C1-C20 hydrocarbon is preferable.
[0131]
As the carboxylic acid, usually R15Those represented by -COOH are used. R15Represents a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms or a halogenated hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, and a halogenated hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms is particularly preferable.
As the phosphorus compound, phosphoric acid having P—O—H bond, P—OR, phosphate having P═O bond, and phosphine oxide compound are preferably used.
[0132]
As the sulfonate, those represented by the following general formula (VII) are used.
[0133]
Embedded image
Figure 0004646486
In the formula, M is an element of Groups 1 to 14 of the periodic table.
R16Is hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, or a halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms.
X is a hydrogen atom, a halogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, or a halogenated hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms.
m is an integer of 1 to 7, and n is 1 ≦ n ≦ 7.
[0134]
FIG. 1 and FIG. 2 show steps for preparing an olefin polymerization catalyst according to the present invention.
In the polymerization, the method of using each component and the order of addition are arbitrarily selected, and the following methods are exemplified.
(1) A method of adding the component (A) alone to the polymerization vessel.
(2) A method of adding the component (A) and the component (B) to the polymerization vessel in an arbitrary order.
(3) A method in which the component (A) is supported on the carrier (C) and the component (B) is added to the polymerization vessel in any order.
(4) A method in which the catalyst component having component (B) supported on carrier (C) and component (A) are added to the polymerization vessel in any order.
(5) A method in which a catalyst component in which component (A) and component (B) are supported on a carrier (C) is added to a polymerization vessel.
[0135]
In each of the above methods (2) to (5), at least two or more of the catalyst components may be contacted in advance.
In the above methods (4) and (5) in which the component (B) is supported, the unsupported component (B) may be added in any order as necessary. In this case, the components (B) may be the same or different.
[0136]
The solid catalyst component in which the component (A) is supported on the component (C) and the solid catalyst component in which the component (A) and the component (B) are supported on the component (C) are prepolymerized with olefin. Alternatively, a catalyst component may be further supported on the prepolymerized solid catalyst component.
[0137]
In the olefin polymerization method according to the present invention, an olefin polymer is obtained by polymerizing or copolymerizing an olefin in the presence of the olefin polymerization catalyst as described above.
[0138]
In the present invention, the polymerization can be carried out by either a liquid phase polymerization method such as solution polymerization or suspension polymerization or a gas phase polymerization method.
Specific examples of the inert hydrocarbon medium used in the liquid phase polymerization method include aliphatic hydrocarbons such as propane, butane, pentane, hexane, heptane, octane, decane, dodecane, and kerosene; cyclopentane, cyclohexane, and methylcyclopentane. Alicyclic hydrocarbons such as benzene, toluene, xylene and other aromatic hydrocarbons; halogenated hydrocarbons such as ethylene chloride, chlorobenzene and dichloromethane, or mixtures thereof, and the olefin itself is used as a solvent. You can also.
[0139]
When the olefin polymerization is carried out using the olefin polymerization catalyst as described above, the component (A) is usually 10 per liter of reaction volume.-12-10-2mol, preferably 10-Ten-10-3It is used in such an amount that it becomes mol.
[0140]
In the component (B-1), the molar ratio [(B-1) / M] of the component (B-1) to all transition metal atoms (M) in the component (A) is usually 0.01 to 100,000. The amount is preferably 0.05 to 50000. Component (B-2) has a molar ratio [(B-2) / M] of the aluminum atom in component (B-2) and the transition metal atom (M) in component (A) of usually 10 to 10. The amount used is 500,000, preferably 20 to 100,000. Component (B-3) has a molar ratio [(B-3) / M] of component (B-3) and component (transition metal atom (M) in A) of usually 1 to 10, preferably 1. Used in an amount such that it is ˜5.
[0141]
When component (B) is component (B-1), component (D) has a molar ratio [(D) / (B-1)] of usually 0.01 to 10, preferably 0.1 to 5. When the component (B) is the component (B-2), the molar ratio [(D) / (B-2)] is usually 0.001 to 2, preferably 0.005. When the component (B) is the component (B-3), the molar ratio [(D) / (B-3)] is usually 0.01 to 10, preferably 0.1. Used in an amount such that it is ˜5.
[0142]
Moreover, the polymerization temperature of the olefin using such an olefin polymerization catalyst is usually in the range of −50 to + 200 ° C., preferably 0 to 170 ° C. The polymerization pressure is usually normal pressure to 100 kg / cm.2, Preferably normal pressure to 50 kg / cm2The polymerization reaction can be carried out in any of batch, semi-continuous and continuous methods. Furthermore, the polymerization can be performed in two or more stages having different reaction conditions.
[0143]
The molecular weight of the resulting olefin polymer can be adjusted by the presence of hydrogen in the polymerization system or by changing the polymerization temperature. Furthermore, it can also adjust by the difference in the component (B) to be used.
[0144]
Examples of the olefin that can be polymerized by such an olefin polymerization catalyst include linear or branched α-olefins having 2 to 30 carbon atoms, preferably 2 to 20 carbon atoms, such as ethylene, propylene, and 1-butene. 2-butene, 1-pentene, 3-methyl-1-butene, 1-hexene, 4-methyl-1-pentene, 3-methyl-1-pentene, 1-octene, 1-decene, 1-dodecene, 1 -Tetradecene, 1-hexadecene, 1-octadecene, 1-icosene, preferably ethylene, propylene, 1-butene, 1-hexene; cyclic olefins having 3 to 30 carbon atoms, preferably 3 to 20 carbon atoms, such as cyclopentene, cycloheptene , Norbornene, 5-methyl-2-norbornene, tetracyclododecene, 2-methyl 1,4,5,8-di Tano-1,2,3,4,4a, 5,8,8a-octahydronaphthalene; polar monomers such as acrylic acid, methacrylic acid, fumaric acid, maleic anhydride, itaconic acid, itaconic anhydride, bicyclo (2 , 2,1) -5-heptene-2,3-dicarboxylic acid anhydride and other α, β-unsaturated carboxylic acids and their sodium, potassium, lithium, zinc, magnesium, calcium salts, etc. Metal salts of: methyl acrylate, ethyl acrylate, n-propyl acrylate, i-propyl acrylate, n-butyl acrylate, i-butyl acrylate, t-butyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate, methacrylic acid Methyl, ethyl methacrylate, n-propyl methacrylate, i-propyl methacrylate, n-butyl methacrylate, meta Α, β-unsaturated carboxylic acid esters such as i-butyl yllate; vinyl esters such as vinyl acetate, vinyl propionate, vinyl caproate, vinyl caprate, vinyl laurate, vinyl stearate, vinyl trifluoroacetate; Examples thereof include unsaturated glycidyls such as glycidyl acrylate, glycidyl methacrylate and monoglycidyl itaconate; halogenated olefins such as vinyl fluoride, vinyl chloride, vinyl bromide and vinyl iodide.
[0145]
Moreover, vinylcyclohexane, diene, polyene, etc. can also be used as an olefin. As the diene or polyene, a cyclic or chain compound having 4 to 30, preferably 4 to 20 carbon atoms and having two or more double bonds is used. Specifically, butadiene, isoprene, 4-methyl-1,3-pentadiene, 1,3-pentadiene, 1,4-pentadiene, 1,5-hexadiene, 1,4-hexadiene, 1,3-hexadiene, 1 , 3-octadiene, 1,4-octadiene, 1,5-octadiene, 1,6-octadiene, 1,7-octadiene, ethylidenenorbornene, vinylnorbornene, dicyclopentadiene; 7-methyl-1,6-octadiene, 4 Ethylidene-8-methyl-1,7-nonadiene, 5,9-dimethyl-1,4,8-decatriene.
[0146]
Further, as olefins, aromatic vinyl compounds such as styrene, o-methylstyrene, m-methylstyrene, p-methylstyrene, o, p-dimethylstyrene, o-ethylstyrene, m-ethylstyrene, p-ethylstyrene, etc. Mono- or polyalkyl styrenes; functional group-containing styrene derivatives such as methoxystyrene, ethoxystyrene, vinyl benzoic acid, methyl vinyl benzoate, vinyl benzyl acetate, hydroxystyrene, o-chlorostyrene, p-chlorostyrene, divinylbenzene; and 3 -Phenylpropylene, 4-phenylpropylene, α-methylstyrene and the like. These olefins can be used alone or in combination of two or more.
[0147]
In the polymerization method using the olefin polymerization catalyst according to the present invention, a high molecular weight polymer can be obtained with high polymerization activity. Alternatively, in the case of ethylene / α-olefin copolymerization, a copolymer having a high α-olefin content can be obtained.
[0148]
The α-olefin polymer having 3 or more carbon atoms according to the present invention has a melting point (Tm) measured by DSC of 130 ° C. or less.13The rr triplet measured by C-NMR is 40 mol% or more, and the total of the head-head bond and the tail-tail bond is 10 mol% or more.
[0149]
Tm is 130 ° C. or lower, preferably 100 ° C. or lower.
[0150]
The rr triplet represents a state in which alkyl groups are regularly and alternately arranged on both sides of a chain composed of three molecules of an arbitrary α-olefin unit in the α-olefin polymer.
[0151]
The rr triplet is 40 mol% or more, preferably 43 mol% or more.
[0152]
The heterogeneous bond (head-head bond, tail-tail bond) present in the propylene polymer will be described. Since propylene has a methyl group (Me) at the α-position of the vinyl bond, when it is bonded as a polymer, there are three bonding modes (head-to-tail bond, head-to-head bond, and tail-to-tail bond) as shown below. Can exist.
[0153]
Embedded image
Figure 0004646486
However, it is known that most of the bonds of propylene polymers produced with ordinary propylene polymerization catalysts are head-to-tail bonds.
[0154]
Regarding the identification of the content of heterogeneous bonds, the following six binding modes (HT, HH, TT, 1-r, 2U-r, 2-r, according to the document Macromolecules, 25, 4876 (1992). ) Is shown. Furthermore, the literature Anal. Chem. , 43, 1245 (1971) show the calculation method of the chemical shift value of each of these carbons. Among these, the chemical shift value (HT) based on the head-to-tail bond is described in, for example, the literature Macromolecules, 24, 2334 ( 1991), Plym. Bull. 25, 567 (1991) and the like.
[0155]
Embedded image
Figure 0004646486
[0156]
[Table 1]
Figure 0004646486
In the table, P represents a methyl group (CHThree), S is a methylene group (CH2), T represents a methine group (CH).
[0157]
That is, it can be said that all peaks other than the already known HT (all head-to-tail bond) carbon peaks are derived from heterogeneous bonds. Other than HT, each contains the following amount of heterogeneous bonds.
[0158]
[Table 2]
Figure 0004646486
[0159]
From the above, if the abundance ratio of HT, HH, TT, 1-r, 2U-r, 2-r is known from chemical shift and signal intensity, heterogeneous bonds (head-head bonds, (Tail-to-tail) amount can be calculated.
[0160]
Carbon peaks based on the heterogeneous bonds (HH, TT, 1-r, 2U-r, 2-r) of the propylene polymer exist in the region of 10-18 ppm and 30-45 ppm. The ratio of binding mode (head-to-tail coupling, head-to-head coupling, tail-to-tail coupling) is calculated from the integration ratio of each peak of Pββ (HT), Pαβ (HH), and Tβγ (TT). did. The total of the head-head bond and tail-tail bond of the propylene polymer of the present invention is 10 mol% or more, preferably 15 mol% or more.
[0161]
Examples of a method for obtaining these polymers include a method of polymerizing the aforementioned α-olefin in the presence of a specific olefin polymerization catalyst. Although there is no restriction | limiting in particular as a specific olefin polymerization catalyst, The catalyst for olefin polymerization represented by general formula (I) of this invention mentioned above can be mentioned. As a particularly preferred example, the melting point (Tm) measured by DSC obtained in the presence of the olefin polymerization catalyst represented by the above general formula (I) is 130 ° C. or less.13Examples thereof include propylene polymers having an rr triplet of 40 mol% or more measured by C-NMR and a total of head-head bonds and tail-tail bonds of 10 mol% or more.
[0162]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated further more concretely based on an Example, this invention is not limited to these Examples.
[0163]
In addition, the structure of the compound obtained by the synthesis example was determined using FD-mass spectrometry (JEOL SX-102A) etc.
[0164]
In this example, the weight average molecular weight (Mw) of the obtained polymer was measured at 140 ° C. with an orthodichlorobenzene solvent using GPC (gel permeation chromatography). Further, the melting point of the obtained polymer was measured using a differential thermal analyzer (DSC) under a nitrogen stream under a temperature rising condition of 10 ° C./min.
[0165]
Synthesis example 1
In a 100 ml reactor sufficiently purged with nitrogen, 50 ml of toluene, 3.30 g (18.0 mmol) of pentafluoroaniline, 3-methylsalicylaldehyde (synthesized by the method described in JP-A-11-315109, purity = 98.0%, 12 .0 mmol) 2.38 g and a small amount of p-toluenesulfonic acid as a catalyst were charged, and stirring was continued for 13 hours while refluxing. The reaction solution was concentrated under reduced pressure to obtain 3.28 g (yield: 76.1%) of a yellow powdery crystal compound represented by the following formula (a).
[0166]
Embedded image
Figure 0004646486
[0167]
Into a 50 ml reactor sufficiently purged with nitrogen, 1.44 g (4.00 mmol) of the compound (a) obtained above and 20 ml of anhydrous diethyl ether were charged, cooled to −78 ° C., and stirred. To this, 2.52 ml of n-butyl lithium (n-hexane solution, 1.59N, 4.00 mmol) was added dropwise over 5 minutes, and then the temperature was slowly raised to room temperature. After stirring at room temperature for 3 hours, it was gradually added to 4.00 ml (2.00 mmol) of ether slurry of titanium tetrachloride cooled to -78 ° C. After the addition, the temperature was slowly raised to room temperature. The obtained brown slurry was filtered, and the solid precipitated from the filtrate was collected and washed with hexane. The obtained solid was dried under reduced pressure to obtain 0.764 g (yield 46%) of an orange compound represented by the following formula (1). In addition, the result of FD-mass spectrometry of compound (1) was 718 (M +).
[0168]
Embedded image
Figure 0004646486
[0169]
Synthesis example 2
Into a 100 ml reactor thoroughly purged with nitrogen, 50 ml of toluene, 3.30 g (18.0 mmol) of pentafluoroaniline, 3-i-propyl salicylaldehyde (synthesized by the method described in the basic patent, purity = 98.0%, 12. 0 mmol) 2.38 g and a small amount of p-toluenesulfonic acid as a catalyst were charged, and stirring was continued for 13 hours while refluxing. The reaction solution was concentrated under reduced pressure to obtain 3.28 g (yield: 76.1%) of a yellow powdery crystal compound represented by the following formula (b).
[0170]
Embedded image
Figure 0004646486
[0171]
Into a 50 ml reactor sufficiently purged with nitrogen, 1.44 g (4.00 mmol) of the compound (b) obtained above and 20 ml of anhydrous diethyl ether were charged, cooled to −78 ° C., and stirred. To this, 2.52 ml of n-butyl lithium (n-hexane solution, 1.59N, 4.00 mmol) was added dropwise over 5 minutes, and then the temperature was slowly raised to room temperature. After stirring at room temperature for 3 hours, it was gradually added to 4.00 ml (2.00 mmol) of ether slurry of titanium tetrachloride cooled to -78 ° C. After the addition, the temperature was slowly raised to room temperature. The obtained brown slurry was filtered, and the solid precipitated from the filtrate was collected and washed with hexane. The obtained solid was dried under reduced pressure to obtain 0.764 g (yield 46%) of an orange compound represented by the following formula (2). In addition, the result of FD-mass spectrometry of compound (2) was 774 (M +).
Embedded image
Figure 0004646486
[0172]
Synthesis example 3
A 100-ml reactor sufficiently purged with nitrogen was charged with 30 ml of toluene, 3.02 g (16.5 mmol) of pentafluoroaniline, 1.83 g (15.0 mmol) of salicylaldehyde and a small amount of p-toluenesulfonic acid as a catalyst. Stirring was continued for 24 hours while refluxing. The reaction solution was concentrated under reduced pressure to obtain 3.01 g (yield: 70.0%) of a pale yellow powdery crystal compound represented by the following formula (c).
[0173]
Embedded image
Figure 0004646486
[0174]
Sodium hydride 0.14 g (purity = 60%, 3.48 mmol) and anhydrous diethyl ether 5 ml were charged into a 50 ml reactor sufficiently purged with argon, and stirred at room temperature. A solution prepared by dissolving 1.00 g (3.48 mmol) of the compound (c) obtained above in 40 ml of anhydrous diethyl ether was added dropwise thereto over 10 minutes. After stirring at room temperature for 2 hours, it was added dropwise to 3.48 ml of titanium tetrachloride (n-heptane solution, 0.5M, 1.74 mmol) cooled to -78 ° C over 30 minutes. After dropping, the temperature was slowly raised to room temperature and stirring was continued for 18 hours. The solvent of the reaction solution was replaced with anhydrous dichloromethane, and the precipitated salt was removed. Then, the precipitated solid was collected from the obtained filtrate and washed with hexane. The obtained solid was dried under reduced pressure to obtain 0.480 g (yield 40%) of a reddish brown compound represented by the following formula (3). In addition, the result of FD-mass spectrometry of compound (3) was 690 (M +).
[0175]
Embedded image
Figure 0004646486
[0176]
Synthesis example 4
A 1 L reactor purged with nitrogen was charged with 52.5 ml of ethylmagnesium bromide (ether solution, 3M, 157.5 mmol) and 70 ml of anhydrous tetrahydrofuran. Under ice-cooling, a solution prepared by dissolving 26.44 g (150.0 mmol) of 2-cyclohexylphenol in 80 ml of anhydrous tetrahydrofuran was added dropwise over 20 minutes. After completion of the dropwise addition, the mixture was stirred at room temperature, 500 ml of toluene was added and the mixture was stirred with heating, and tetrahydrofuran and diethyl ether were distilled off. After cooling to room temperature, 11.60 g (purity = 94.0%, 363.0 mmol) of paraformaldehyde and 29.9 ml (214.5 mmol) of triethylamine were added, and the mixture was heated and stirred at 90 ° C. for 40 minutes. The mixture was cooled to room temperature and further cooled with ice, 200 ml of 10% hydrochloric acid and 150 ml of n-hexane were added for liquid separation. The oily liquid obtained after drying over anhydrous sodium sulfate and concentration under reduced pressure was purified by silica gel column chromatography to obtain 24.26 g (yield 78.0%) of a pale yellow compound represented by the following formula (d). )Obtained.
[0177]
Embedded image
Figure 0004646486
[0178]
In a 100 ml reactor thoroughly purged with nitrogen, 50 ml of toluene, 2.780 g (15.18 mmol) of pentafluoroaniline, 2.089 g of the compound (d) obtained above (purity = 98.5%, 10.07 mmol) and A small amount of p-toluenesulfonic acid was charged as a catalyst, and stirring was continued for 1 day while refluxing. The oily liquid obtained by concentrating the reaction solution under reduced pressure was purified by silica gel column chromatography to obtain 3.00 g (yield 81%) of a yellow compound represented by the following formula (d ′).
[0179]
Embedded image
Figure 0004646486
[0180]
Into a 50-ml reactor sufficiently purged with argon, 1.180 g (2.875 mmol) of the compound (d ′) obtained above and 20 ml of anhydrous diethyl ether were charged, cooled to −78 ° C., and stirred. To this was added dropwise 1.95 ml of n-butyllithium (n-hexane solution, 1.59N, 3.101 mmol) over 5 minutes, and then the temperature was slowly raised to room temperature. After stirring at room temperature for 4 hours, it was gradually added to an ether slurry of 2.88 ml (1.440 mmol) of titanium tetrachloride cooled to −78 ° C. After the addition, the temperature was slowly raised to room temperature. The obtained dark red slurry was filtered, and the solid precipitated from the filtrate was collected and washed with hexane. The obtained solid was dried under reduced pressure to obtain 0.400 g (yield 33%) of a dark brown compound represented by the following formula (4). In addition, the result of FD-mass spectrometry of compound (4) was 854 (M +).
[0181]
Embedded image
Figure 0004646486
[0182]
Example 1
A glass autoclave having an internal volume of 500 ml that was sufficiently purged with nitrogen was charged with 250 ml of toluene, and the liquid phase and the gas phase were saturated with propylene. Thereafter, methylaluminoxane was added in an amount of 2.50 mmol in terms of aluminum atom, and then 0.01 mmol of titanium compound (1) was added to initiate polymerization. After reacting at 25 ° C. for 5 hours, the polymerization was stopped by adding a small amount of i-butanol. After completion of the polymerization, the reaction product was poured into methanol containing a small amount of hydrochloric acid to precipitate the whole amount of the polymer, followed by filtration with a glass filter. After drying the polymer under reduced pressure at 80 ° C. for 10 hours, 3.440 g of polypropylene (PP) was obtained. The obtained PP had a weight average molecular weight (Mw) of 317,500, a molecular weight distribution (Mw / Mn) of 1.22, an rr triplet of 49 mol%, and a total of head-head and tail-tail bonds of 8 mol%. Met. The polymerization conditions and results are shown in (Table 1).
[0183]
Examples 2-4
Polymerization was carried out in the same manner as in Example 1, except that the titanium compounds (2) to (4) were changed. The polymerization results are shown in (Table 3).
[0184]
Comparative Example 1
Polymerization was carried out in the same manner as in Example 1 except that the titanium compound (1) was changed to the following titanium compound (5) to obtain 0.183 g of polypropylene (PP). The weight average molecular weight (Mw) of the obtained PP was 31,600, the molecular weight distribution (Mw / Mn) was 1.11, the rr triplet was 87 mol%, and the total of the head-head bond and the tail-tail bond was 8 mol%. Met. The polymerization conditions and results are shown in (Table 3).
[0185]
Embedded image
Figure 0004646486
[0186]
[Table 3]
Figure 0004646486
[0187]
Example 5
A glass autoclave having an internal volume of 500 ml that was sufficiently purged with nitrogen was charged with 250 ml of toluene, and the liquid phase and the gas phase were saturated with propylene. Thereafter, 5.00 mmol of methylaluminoxane in terms of aluminum atom and 0.05 mmol of titanium compound (1) were subsequently added, and polymerization was started by starting to flow 50 liters / hr of ethylene. After reacting at 25 ° C. for 5 minutes, the polymerization was stopped by adding a small amount of i-butanol. The reaction product was poured into methanol containing a small amount of hydrochloric acid to precipitate the whole amount of the polymer, followed by filtration with a glass filter. After drying the polymer under reduced pressure at 130 ° C. for 10 hours, 4.866 g of ethylene / propylene copolymer was obtained. The polymerization activity per 1 mmol of titanium was 1.17 kg / hr. The propylene content measured by IR was 68.6 mol%, and the weight average molecular weight (Mw) was 80,100. The polymerization conditions and results are shown in (Table 4).
[0188]
Examples 6-8
In Example 5, polymerization was performed in the same manner except that the titanium compound (1) was changed to the titanium compounds (2) to (4), respectively. The polymerization conditions and results are shown in (Table 4).
[0189]
Comparative Example 2
Polymerization was carried out in the same manner as in Example 5 except that the titanium compound (1) was changed to the titanium compound (5) to obtain 2.41 g of an ethylene / propylene copolymer. The polymerization activity per 1 mmol of titanium was 0.579 kg / hr. The propylene content measured by IR was 19.0 mol%, and the weight average molecular weight (Mw) was 72,800. The polymerization conditions and results are shown in (Table 4).
[0190]
[Table 4]
Figure 0004646486
[0191]
Example 9
To a glass autoclave having an internal volume of 500 ml sufficiently purged with nitrogen, 250 ml of toluene was charged, and a mixed gas of ethylene and 1-butene (70 l / h and 30 l / h) was blown in for 20 minutes with stirring. Thereafter, methylaluminoxane was added in an amount of 1.25 mmol in terms of aluminum atom, and then 0.001 mmol of titanium compound (1) was added to initiate polymerization. After reacting at 25 ° C. for 5 minutes while blowing a mixed gas, the polymerization was stopped by adding a small amount of methanol. After the completion of the polymerization, the reaction product was poured into methanol in which a small amount of hydrochloric acid was dissolved, and the polymer was precipitated, followed by filtration through a glass filter. The polymer was dried under reduced pressure at 130 ° C. for 10 hours to obtain 0.100 g of an ethylene / 1-butene copolymer. The polymerization activity per 1 mmol of titanium was 1.20 kg / hr. The 1-butene content measured by IR was 17.4 mol%, and the weight average molecular weight (Mw) was 318,700. The polymerization conditions and results are shown in (Table 5).
[0192]
Examples 10-12
In Example 5, polymerization was performed in the same manner except that the titanium compound (1) was changed to the titanium compounds (2) to (4), respectively. The polymerization conditions and results are shown in (Table 5).
[0193]
Comparative Example 3
Polymerization was performed in the same manner as in Example 9 except that the titanium compound (1) was changed to the titanium compound (5) to obtain 0.190 g of an ethylene / 1-butene copolymer. The polymerization activity per 1 mmol of titanium was 2.28 kg / hr. The 1-butene content measured by IR was 3.2 mol%, and the weight average molecular weight (Mw) was 507,500. The polymerization conditions and results are shown in (Table 5).
[0194]
[Table 5]
Figure 0004646486
[0195]
Example 13
A glass autoclave with an internal volume of 500 ml sufficiently purged with nitrogen was charged with 250 ml of toluene and 50 ml of 1-hexene, and with stirring, ethylene gas (100 l / h) was blown into it. Subsequently, 0.0025 mmol of titanium compound (1) was added to initiate polymerization. After reacting at 25 ° C. for 5 minutes while blowing ethylene gas, the polymerization was stopped by adding a small amount of methanol. After the completion of the polymerization, the reaction product was poured into methanol in which a small amount of hydrochloric acid was dissolved, and the polymer was precipitated, followed by filtration through a glass filter. The polymer was dried under reduced pressure at 130 ° C. for 10 hours to obtain 0.374 g of an ethylene / 1-hexene copolymer. The polymerization activity per 1 mmol of titanium was 1.80 kg / hr. The 1-hexene content measured by IR was 24.0 mol%, and the weight average molecular weight (Mw) was 344,100. The polymerization conditions and results are shown in (Table 6).
[0196]
Examples 14-16
In Example 5, polymerization was performed in the same manner except that the titanium compound (1) was changed to the titanium compounds (2) to (4), respectively. The polymerization conditions and results are shown in (Table 6).
[0197]
Comparative Example 4
Polymerization was performed in the same manner as in Example 13 except that the titanium compound (1) was changed to the titanium compound (5) to obtain 0.167 g of an ethylene / 1-hexene copolymer. The polymerization activity per 1 mmol of titanium was 0.80 kg / hr. The 1-hexene content measured by IR was 4.2 mol%, and the weight average molecular weight (Mw) was 188,400. The polymerization conditions and results are shown in (Table 6).
[0198]
[Table 6]
Figure 0004646486
[0199]
Example 17
A glass autoclave with an internal volume of 500 ml sufficiently purged with nitrogen was charged with 250 ml of toluene and 50 ml of 1-octene, and with stirring, ethylene gas (100 l / h) was blown into it. Subsequently, 0.0025 mmol of titanium compound (1) was added to initiate polymerization. After reacting at 25 ° C. for 5 minutes while blowing ethylene gas, the polymerization was stopped by adding a small amount of methanol. After the completion of the polymerization, the reaction product was poured into methanol in which a small amount of hydrochloric acid was dissolved, and the polymer was precipitated, followed by filtration through a glass filter. The polymer was dried under reduced pressure at 130 ° C. for 10 hours to obtain 0.442 g of an ethylene / 1-octene copolymer. The polymerization activity per 1 mmol of titanium was 2.12 kg / hr. The 1-octene content measured by IR was 16.4 mol%, and the weight average molecular weight (Mw) was 381,900. The polymerization conditions and results are shown in (Table 7).
[0200]
Examples 18-20
In Example 17, polymerization was performed in the same manner except that the titanium compound (1) was changed to the titanium compounds (2) to (4), respectively. The polymerization conditions and results are shown in (Table 7).
[0201]
Comparative Example 5
Polymerization was conducted in the same manner as in Example 17 except that the titanium compound (1) was changed to the titanium compound (5) to obtain 0.234 g of an ethylene / 1-octene copolymer. The polymerization activity per 1 mmol of titanium was 1.12 kg / hr. The 1-octene content measured by IR was 3.1 mol%, and the weight average molecular weight (Mw) was 22,400. The polymerization conditions and results are shown in (Table 7).
[0202]
[Table 7]
Figure 0004646486
[0203]
Example 21
A glass autoclave with an internal volume of 500 ml sufficiently purged with nitrogen was charged with 250 ml of toluene and 50 ml of 1-decene, and with stirring, ethylene gas (100 l / h) was blown into it. Subsequently, 0.0025 mmol of titanium compound (1) was added to initiate polymerization. After reacting at 25 ° C. for 5 minutes while blowing ethylene gas, the polymerization was stopped by adding a small amount of methanol. After the completion of the polymerization, the reaction product was poured into methanol in which a small amount of hydrochloric acid was dissolved, and the polymer was precipitated, followed by filtration through a glass filter. The polymer was dried under reduced pressure at 130 ° C. for 10 hours to obtain 0.574 g of an ethylene / 1-decene copolymer. The polymerization activity per 1 mmol of titanium was 2.74 kg / hr. The 1-decene content measured by IR was 13.8 mol%, and the weight average molecular weight (Mw) was 453,800. The polymerization conditions and results are shown in (Table 8).
[0204]
Examples 22-24
In Example 21, the polymerization was performed in the same manner except that the titanium compound (1) was changed to the titanium compounds (2) to (4), respectively. The polymerization conditions and results are shown in (Table 8).
[0205]
Comparative Example 6
Polymerization was conducted in the same manner as in Example 21 except that the titanium compound (1) was changed to the titanium compound (5) to obtain 0.256 g of an ethylene / 1-decene copolymer. The polymerization activity per 1 mmol of titanium was 1.23 kg / hr. The 1-decene content measured by IR was 2.6 mol%, and the weight average molecular weight (Mw) was 271,100. The polymerization conditions and results are shown in (Table 8).
[0206]
[Table 8]
Figure 0004646486
[0207]
【The invention's effect】
In the polymerization method using the olefin polymerization catalyst according to the present invention, a high molecular weight polymer can be obtained with high polymerization activity. Alternatively, in the case of ethylene / α-olefin copolymerization, a copolymer having a high α-olefin content can be obtained.
[Brief description of the drawings]
BRIEF DESCRIPTION OF DRAWINGS FIG. 1 is an explanatory view showing a process for preparing an olefin polymerization catalyst according to the present invention.
FIG. 2 is an explanatory diagram showing a process for preparing an olefin polymerization catalyst according to the present invention.

Claims (4)

(A)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物と、
(B)(B−1) 有機アルミニウム化合物、
(B−2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B−3) 遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物、とからなることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
Figure 0004646486
(式中、Mはチタン原子を示し、mは、1〜2の整数を示し、Rは、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、および(トリフルオロメチル)テトラフルオロフェニル基から選ばれる基を示し、R〜Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭化水素基、水素原子または炭化水素置換シリル基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、Rは、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基から選ばれる基を示し、また、mが2の場合にはR〜Rで示される基のうち2個の基が連結されていてもよく、nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
(A) a transition metal compound represented by the following general formula (I);
(B) (B-1) an organoaluminum compound,
(B-2) an organoaluminum oxy compound, and (B-3) an olefin comprising at least one compound selected from compounds that react with the transition metal compound (A) to form an ion pair. Polymerization catalyst.
Figure 0004646486
(In the formula, M represents a titanium atom, m represents an integer of 1 to 2, R 1 represents a difluorophenyl group, a trifluorophenyl group, a tetrafluorophenyl group, a pentafluorophenyl group, bis (trifluoromethyl) A group selected from a phenyl group and a (trifluoromethyl) tetrafluorophenyl group , R 2 to R 5 may be the same or different from each other, and represent a hydrocarbon group, a hydrogen atom or a hydrocarbon-substituted silyl group. 2 or more of these may be connected to each other to form a ring, and R 6 represents hydrogen, methyl group, ethyl group, n-propyl group, i-propyl group, n-butyl group, i- butyl, s- butyl group, a cyclopropyl group, a cyclobutyl group, a cyclopentyl group, a cyclohexyl group, and a group selected from cyclooctyl group, or May when m is 2 are connected the two groups among the groups represented by R 2 to R 6, n is a number satisfying the valence of M, X is a hydrogen atom, Halogen atom, hydrocarbon group, oxygen-containing group, sulfur-containing group, nitrogen-containing group, boron-containing group, aluminum-containing group, phosphorus-containing group, halogen-containing group, heterocyclic compound residue, silicon-containing group, germanium-containing group, Or a tin-containing group, and when n is 2 or more, a plurality of groups represented by X may be the same or different from each other, and a plurality of groups represented by X are bonded to each other to form a ring May be good.)
請求項1に記載のオレフィン重合用触媒の存在下に、炭素数3以上のα−オレフィンを重合することを特徴とするα−オレフィンの重合方法。An α-olefin polymerization method comprising polymerizing an α-olefin having 3 or more carbon atoms in the presence of the olefin polymerization catalyst according to claim 1. 請求項1に記載のオレフィン重合用触媒の存在下に、エチレンおよび炭素数3以上のα−オレフィンを共重合することを特徴とするエチレンおよびα−オレフィンの共重合方法。A method for copolymerizing ethylene and an α-olefin, comprising copolymerizing ethylene and an α-olefin having 3 or more carbon atoms in the presence of the olefin polymerization catalyst according to claim 1. 請求項1に記載のオレフィン重合用触媒の存在下に、炭素数3以上のα−オレフィンを2種類以上共重合することを特徴とするα−オレフィンの共重合方法。An α-olefin copolymerization method comprising copolymerizing two or more α-olefins having 3 or more carbon atoms in the presence of the olefin polymerization catalyst according to claim 1.
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