JP4645053B2 - 微小流路システム - Google Patents

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本発明は、互いに混合しない液体同士が層状に接触しながら流れる微小流路を有する微小流路システムに関する。さらに本発明は、その微小流路内で液体の輸送、化学反応、分析、分離、抽出、検出等の化学的物理的操作を行う、微小流路システムを利用した装置に関する。また本発明は、この微小流路の内面を効果的に親水処理および/または疎水処理する方法に関する。
近年、内部に液体を充填または移動させるための微小流路を有する微小流路システムが注目されている。例えば、微小流路、原料液導入部および生成物取り出し部とを連結した構造をガラスやシリコンの基板上に形成することにより、微小な空間を利用した反応装置を作成することができる。この微小空間においては、分子拡散距離が小さいことや用いる液界面の効果により、反応を高速にすることができ、さらには反応を微少量で行うことができ、迅速化、省力化、省スペース化等の利点がある。このような微小流路システムは反応場ばかりではなく、流路内での送液、分析、分離、抽出、検出等の化学的物理的操作を行なうこともでき、その応用は広がっている。
しかしながら、微小流路における液体の流れ方は、流路の断面積が小さいためその壁面の性質に大きく影響される。表面を疎水処理した微小流路に水溶液を流す場合、特に塩を含有する水溶液の場合には、その凝集力により液滴となりがちであり、流路幅が狭くなるほど安定して流す事が困難であった。互いに混合しない2液(例えば水溶液とn−オクタンの様な有機溶媒)を流路に流して液体同士を接触させながら抽出等を行う場合、それぞれの液体が凝集して塊状となり、結果的に物質交換効率が低下しがちであった。さらに、液体同士を接触させた後それらを再びミクロスケールで分離することも同様に困難であった。流路表面を処理する公知の方法は、シランカップリング剤で処理する方法、親水性または疎水性の樹脂をコートする方法等である。しかし、シランカップリング剤で処理する方法は処理する基板によって効果が大きく異なり、ガラス基板には有効であるがPMMAのような樹脂基板には適応することができない。また、親水性または疎水性の樹脂をコートする方法は、たとえば親水性ポリマーで処理した表面に水溶液を流す際、親水性ポリマーの構成成分が送液すべき水溶液に溶出したり、親水性ポリマーが膨潤する等の不具合が生じていた。この様な不具合を解決するために、フォトリソグラフィの技術で流路を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2を参照。)が、基板上に紫外線硬化性組成物を均一な厚さで塗布し、流路となるべき部分をフォトマスクで覆って紫外線を照射し、未硬化の組成物を洗浄除去し、乾燥した後さらに紫外線を照射してポストベークする等、作製の工程が煩雑である。
特開2000−046797号公報 特開2001−137613号公報
本発明の目的は、前記の課題を解決する微小流路を有する微小流路システムを提供することであり、この微小流路システムを用いた反応装置、分析装置、分離装置、抽出装置、検出装置等を提供することである。さらに本発明は、微小流路の内面を、前記の課題を解決できるように親水処理および/または疎水処理する簡便な方法を提供することである。
本発明者は鋭意努力した結果、ポリマーのLB膜(ラングミュア・ブロジェツト(Langmuir - Blodgett)膜)を累積することによって、微小流路の内面を効果的に親水処理または疎水処理できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
本発明は以下から構成される。
[1]液体を移動させるための微小流路、この微小流路に液体を注入する少なくとも2つの導入路、およびこの微小流路から液体を排出する少なくとも1つの排出路を有し、この微小流路の内面が親水処理された部分と疎水処理された部分を有し、かつ、親水処理された部分と疎水処理された部分がそれぞれ流路の上流端から下流端にわたって連続している微小流路システムであって、ポリマーLB膜の累積によって該親水処理および/または該疎水処理された微小流路システム。
[2]下記式(1)で表される構成単位を有するポリマーのLB膜の累積によって親水処理および/または疎水処理された、前記[1]項に記載の微小流路システム。

Figure 0004645053
式中、Rは水素または炭素数1〜3のアルキルであり;Rは炭素数1〜14のペルフルオロアルキルであり;mは0〜2の整数である。
[3]式(1)で表される構成単位を有するポリマーのLB膜の累積によって疎水処理された、前記[1]項に記載の微小流路システム。

Figure 0004645053
式中、Rは水素または炭素数1〜3のアルキルであり;Rは炭素数1〜14のペルフルオロアルキルであり;mは0〜2の整数である。
[4]Rが水素またはメチルであり、Rが炭素数5〜10のペルフルオロアルキルであり、mが0〜2の整数である、式(1)で表される構成単位を有するポリマーのLB膜の累積によって疎水処理された、前記[3]項に記載の微小流路システム。
[5]ポリマーの数平均分子量が1,000〜100,000である、前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の微小流路システム。
[6]前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の微小流路システムを用いた反応装置。
[7]前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の微小流路システムを用いた分析装置。
[8]前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の微小流路システムを用いた検出装置。
[9]前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の微小流路システムを用いた分離装置。
[10]前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の微小流路システムを用いた抽出装置。
[11]液体を移動させるための微小流路、この微小流路に液体を注入する少なくとも2つの導入路、およびこの微小流路から液体を排出する少なくとも1つの排出路を有し、この微小流路の内面が親水処理された部分と疎水処理された部分を有し、かつ、親水処理された部分と疎水処理された部分がそれぞれ流路の上流端から下流端にわたって連続している微小流路システムにおいて、ポリマーLB膜の累積による該親水処理および/または該疎水処理方法。
[12]下記式(1)で表される構成単位を有するポリマーのLB膜の累積による、前記[11]項に記載の親水処理および/または疎水処理方法。

Figure 0004645053
式中、Rは水素または炭素数1〜3のアルキルであり;Rは炭素数1〜14のペルフルオロアルキルであり;mは0〜2の整数である。
[13]式(1)で表される構成単位を有するポリマーのLB膜の累積による、前記[11]項に記載の疎水処理方法。

Figure 0004645053
式中、Rは水素または炭素数1〜3のアルキルであり;Rは炭素数1〜14のペルフルオロアルキルであり;mは0〜2の整数である。
[14]Rが水素またはメチルであり、Rが炭素数5〜10のペルフルオロアルキルであり、mが0〜2の整数である、式(1)で表される構成単位を有するポリマーのLB膜の累積による、前記[13]項に記載の疎水処理方法。
[15]ポリマーの数平均分子量が1,000〜100,000である、前記[11]〜[14]のいずれか1項に記載の処理方法。
本発明の微小流路システムは、互いに混合しない2液を流路に流して液体同士を接触させても、それぞれの液体が凝集して塊状となることなく界面を形成して層状に流れ、かつ所望により、それらを再びミクロスケールで分離することもできる。そのため本発明の微小流路システムは、界面での物質交換効率が高く、分析、分離、抽出、検出等の化学的物理的操作を行なう装置として使用することができる。また、本発明のポリマーLB膜の累積によって微小流路の内面を親水処理または疎水処理する方法は、LB膜が薄いので微小流路の形状を保持できる。本発明の処理方法は、前もって加工した流路をポリマーでコートする方法のように、流路が埋まったり、加工した形状を保てなくなるようなことがない。また、本発明の処理方法は、フォトリソグラフィの技術で流路を形成する方法に比べ、簡便な操作で流路を作製することができる。
以下に本発明の実施態様を示す。
本発明の第1は、液体を移動させるための微小流路、この微小流路に液体を注入する少なくとも2つの導入路、およびこの微小流路から液体を排出する少なくとも1つの排出路を有し、この微小流路の内面が親水処理された部分と疎水処理された部分を有し、かつ、親水処理された部分と疎水処理された部分がそれぞれ流路の上流端から下流端にわたって連続している微小流路システムであって、ポリマーLB膜の累積によって親水処理および/または疎水処理された微小流路を有する微小流路システムである。
微小流路の内面に親水処理および/または疎水処理を行うLB膜を構成するポリマーは、(1)式で表される構成単位を有するポリマーが好ましい。このポリマーは側鎖にフルオロアルキル基を有することを特徴とする。

Figure 0004645053
なお、以降式(1)で表される構成単位を有するポリマーのことをポリマー(1)と略記することがある。
式中、Rは水素または炭素数1〜3のアルキルである。炭素数1〜3のアルキルの具体例はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルである。Rは水素またはメチルが好ましい。
は炭素数1〜14のペルフルオロアルキルである。その具体例は、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、ウンデカフルオロペンチル、トリデカフルオロヘキシル、ペンタデカフルオロヘプチル、ヘプタデカフルオロオクチル、ノナデカフルオロノニル、ヘンエイコサフルオロデシル等である。Rの好ましい例は、炭素数5〜10のペルフルオロアルキルであり、その具体例は、ウンデカフルオロペンチル、トリデカフルオロヘキシル、ペンタデカフルオロヘプチル、ヘプタデカフルオロオクチル、ノナデカフルオロノニル、ヘンエイコサフルオロデシル等である。
mは0〜2の整数である。−(CH−で表される構造の具体例は、単結合、メチレン、エチレンである。
ポリマー(1)の具体例は、ポリ(ペンタフルオロエチルアクリルアミド)、ポリ((ペンタフルオロエチル)メチルアクリルアミド)、ポリ((ペンタフルオロエチル)エチルアクリルアミド)、ポリ((ペンタフルオロエチル)メチルメタクリルアミド)、ポリ((ペンタフルオロエチル)エチルメタクリルアミド)、ポリ(ペンタフルオロエチルメタクリルアミド)、ポリ(ヘプタフルオロプロピルアクリルアミド)、ポリ((ヘプタフルオロプロピル)メチルアクリルアミド)、ポリ((ヘプタフルオロプロピル)エチルアクリルアミド)、ポリ(ヘプタフルオロプロピルメタクリルアミド)、ポリ((ヘプタフルオロプロピル)メチルメタクリルアミド)、ポリ((ヘプタフルオロプロピル)エチルメタクリルアミド)、ポリ(ノナフルオロブチルアクリルアミド)、ポリ((ノナフルオロブチル)メチルアクリルアミド)、ポリ((ノナフルオロブチル)エチルアクリルアミド)、ポリ(ノナフルオロブチルメタクリルアミド)、ポリ((ノナフルオロブチル)メチルメタクリルアミド)、ポリ((ノナフルオロブチル)エチルメタクリルアミド)、ポリ(ウンデカフルオロペンチルアクリルアミド)、ポリ((ウンデカフルオロペンチル)メチルアクリルアミド、ポリ((ウンデカフルオロペンチル)エチルアクリルアミド、ポリ(ウンデカフルオロペンチルメタクリルアミド)、ポリ((ウンデカフルオロペンチル)メチルメタクリルアミド、ポリ((ウンデカフルオロペンチル)エチルメタクリルアミド、ポリ(トリデカフルオロへキシルアクリルアミド)、ポリ((トリデカフルオロへキシル)メチルアクリルアミド)、ポリ((トリデカフルオロへキシル)エチルアクリルアミド)、ポリ(トリデカフルオロへキシルメタクリルアミド)、ポリ((トリデカフルオロへキシル)メチルメタクリルアミド)、ポリ((トリデカフルオロへキシル)エチルメタクリルアミド)、ポリ(ペンタデカフルオロヘプチルアクリルアミド)、ポリ((ペンタデカフルオロヘプチル)メチルアクリルアミド)、ポリ((ペンタデカフルオロヘプチル)エチルアクリルアミド)、ポリ(ペンタデカフルオロヘプチルメタクリルアミド)、ポリ((ペンタデカフルオロヘプチル)メチルメタクリルアミド)、ポリ((ペンタデカフルオロヘプチル)エチルメタクリルアミド)、ポリ(ヘプタデカフルオロオクチルアクリルアミド)、ポリ((ヘプタデカフルオロオクチル)メチルアクリルアミド)、ポリ((ヘプタデカフルオロオクチル)エチルアクリルアミド)、ポリ(ヘプタデカフルオロオクチルメタクリルアミド)、ポリ((ヘプタデカフルオロオクチル)メチルメタクリルアミド)、ポリ((ヘプタデカフルオロオクチル)エチルメタクリルアミド)、等である。
ポリマー(1)は既知の方法で製造することができるが、製造方法は特に限定されない。該ポリマーは、相当するモノマーを2,2′−アゾビスイソブチルニトリル等の重合開始剤と共に有機溶媒に溶解し、不活性気体中30〜120℃で3〜30時間ラジカル重合を行う。反応終了後、重合液を濃縮して得た固体をアセトニトリル等の溶媒を用いて再沈殿させて精製することにより得られる。
ポリマーの数平均分子量は1,000〜100,000が好ましい。数平均分子量が100,000以下であれば、高分子膜の凝集が起らず、分子配向が制御された高秩序な膜構造が得られる。一方、数平均分子量が1,000以上であれば、ポリマーLB膜は凝集状態になり、膜膨張となることが避けられる。
本発明の微小流路システムの流路の内面を処理するポリマーLB膜は次のようにして作成することができる。ポリマーを有機溶媒に溶解し、この溶液を水面上に必要量滴下して水面上に高分子単分子膜を形成する。有機溶媒を完全に蒸発させた後、この高分子単分子膜をテフロンバーを用いて一定速度で圧縮することにより、崩壊圧の高い分子が密に充填した単分子膜を得る。次いで、累積圧を所定の値に保ちながら、高分子単分子膜が基板に付着するように、基板を空気中から水中に所定の速度で降下させ、また、水中から空気中に所定の速度で上昇させる。これを繰り返して高分子単分子膜を一層ずつ基板上に累積することにより高分子累積膜を得る。この際、基板を上昇させたときのみ付着する高分子単分子膜を累積しても、基板を下降したときのみ付着する高分子単分子膜を累積してもよい。
単分子膜が形成されているか否かは、膜面積より算出される一分子あたりの占有面積と表面圧を測定することにより判断できる。累積するときの膜の表面圧は表面厚(π)−面積(A)曲線よりその膜が固体凝縮膜を形成している範囲の表面圧であればよい。ただし、その圧が高すぎると膜構成分子が重なり合い、一方圧が低すぎると安定に累積できない。良好な累積膜を形成するにためには表面圧10〜40mN/m付近を用いるのが好ましい。
ポリマーを溶解する有機溶媒は、該ポリマーを溶解し、かつ水面上に膜を形成した後に完全に蒸発し、膜表面に残らないものがよい。好ましい有機溶媒の例は、ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物、脂肪族炭化水素、エステル類等である。ハロゲン化炭化水素の具体例はクロロホルム等である。芳香族化合物の具体例はトルエン等である。脂肪族炭化水素の具体例はヘキサン等である。エステル類の具体例は酢酸エチル等である。膜作成時の溶媒蒸発速度の観点からハロゲン化炭化水素が好ましく、具体的にはクロロホルムが好適である。
上記溶媒に溶解するポリマーの濃度は0.0001〜0.005mol/lが好ましい。ポリマーの濃度が0.005mol/l以下であれば、高分子凝集体を形成することなく、良好な膜が得られる。一方、ポリマーの濃度が0.0001mol/l以上であれば、水槽が汚染される事を防止できる。
高分子単分子膜を累積する基板は、たとえばシリコン板、ガリウムヒ素板、石英板、ガラス板、セラミック板、フッ化カルシウム板のような無機基板、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエステル、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、アセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキシド等の有機基板等を挙げることができる。
基板はそのままでも高分子単分子膜の累積に使用できるが、必要に応じて基板表面を疎水処理することもできる。疎水処理は例えばジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、オクチルトリクロロシラン等のシランカップリング剤で処理する方法を用いればよい。
累積の際、基板を上下させることにより基板の両側に単分子膜を累積する。この操作を繰り返すことにより、累積膜を所望の厚さにすることができる。その厚さは1〜1,000層であり、好ましくは1〜200層である。
本発明の微小流路システムの微小流路の幅は1〜3000μmの範囲が好ましい。流路幅が1μmよりも広ければ液体の蒸発等の面で使用上困難になることはない。3000μmよりも広い流路は本発明の効果は損なわれないが微小流路システムの概念から逸脱する。微小流路の幅は10〜1000μmの範囲がさらに好ましい。また、微小流路の深さは1〜3000μmの範囲が好ましく、10〜1000μmの範囲が特に好ましい。本発明の微小流路の幅と深さの比は、深さ1に対して、幅が0.3〜5の範囲が好ましく、0.5〜2の範囲がより好ましい。
本発明の微小流路システムの微小流路の長さは任意であり、使用目的によって異なる。流路の構造は直線である必要はなく、任意の形状でよい。微小流路に接続して、液だまり部、反応部、注入口、流出口、電気泳動カラム、電極等が形成されてもよい。
本発明の微小流路システムの微小流路に送液する方法は特に限定されない。送液する駆動力には、重力ポテンシャル、遠心力、凝集力、表面張力、電場、磁場、振動、超音波、等が用いられる。
本発明の微小流路システムの微小流路の素材は任意であり、ポリマー、ガラス、セラミック、金属、半導体等特に制限はない。また、その形状もフィルム状、シート状、板、棒、紙、布、不織布、射出成型品等であってもよい。また、複数の微小流路システムを一つの基材上に形成した後、切断して複数のデバイスとすることもできる。
素材としてのポリマーの例は、スチレン系ポリマー、ポリスルホン系ポリマー、ポリアクリレート系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、セルロース系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ポリイミド系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー、ポリエーテル系又はポリチオエーテル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー等である。スチレン系ポリマーの具体例は、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ポリスチレン/マレイン酸共重合体、ポリスチレン/アクリロニトリル共重合体等である。ポリスルホン系ポリマーの具体例は、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等である。ポリアクリレート系ポリマーの具体例は、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル等である。ポリオレフィン系ポリマーの具体例は、ポリエチレン、ポリプロピレン等である。ポリエーテル系又はポリチオエーテル系ポリマーの具体例は、ポリオレフィンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド等である。ポリエステル系ポリマーの具体例は、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート等である。ポリマーは単独重合体であっても共重合体であってもよい。
本発明の微小流路システムの微小流路は、ポリマーブレンドやポリマーアロイで構成されてもよいし、積層体であってもよい。さらに改質剤、着色剤、無機物等の添加物が混合されてもよい。改質剤の例は、シリコンオイル、フッ素置換炭化水素、フッ素樹脂粉末等の撥水化剤等である。着色剤の例は、染料、顔料、蛍光色素等である。無機物の例は、クレイ、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム等である。
微小流路システムに溝を設けて微小流路を形成する方法は任意である。例えば、射出成型、溶剤キャスト法、溶融レプリカ法、切削、エッチング、フォトリソグラフィー(エネルギー線リソグラフィーを含む)、エッチング法、蒸着法、気相重合法、等表面を加工する方法が使用できる。溝となるべき部分を切り抜いたシート状部材と板状部材とを密着させる方法等も利用できる。また、図1に示すように、表面の処理を行ったガラス基板または樹脂基板で、ガラスまたは樹脂のスペーサを挟むことにより流路を形成してもよい。
本発明の微小流路システムは、異なる導入路から原料を微小流路に注入し、流路内で化学反応を起こさせて、生成物を排出路から取得する、反応装置として利用することができる。
本発明の微小流路システムは、異なる導入路から試料と試薬を微小流路に注入し、流路内で化学反応等を起こさせ、その流路に分光学的分析装置等を設けて、特定の物質を分析・検出する装置として利用することができる。
本発明の微小流路システムは、異なる導入路から例えば水溶液と有機溶媒を微小流路に注入し、流路内で水溶液中の目的物を有機溶媒に移動させる等、分離・抽出する装置として利用することができる。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
[ポリマーの合成例]
15MAAポリマーの合成
ペンタデカフルオロヘプチルメチルメタクリルアミド1.0g(2.14mmol)をトルエン20mlに溶解し、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(モノマーの1/100mol)を反応開始剤に用いて、60℃で24時間ラジカル重合を行った。重合停止後トルエンを減圧留去し、濃縮物をアセトニトリルから再沈殿して精製し、重合体を得た。収量は0.55gであった。以降、この重合体をC15MAAポリマーと略記する。
[実施例1]
15MAAポリマーLB膜によるガラス基板の表面処理(1)
ガラス基板は、あらかじめオクチルトリクロロシランで疎水処理を行った。水槽の水を15℃に保持し、濃度1Mに調整したC15MAAポリマーのクロロホルム溶液を、1滴ずつ水面に落とした。クロロホルムを蒸発させると、ポリマーが水面上に残った。水面のポリマーを、テフロンバーを用いて一定速度(14cm/min)で圧縮した。このときの表面圧は、USI製フィルム・バランス・コントローラー FSD−110を用いてモニターした。膜の表面圧が20mN/mになる様にテフロンバーで圧縮しながら、疎水処理したガラス基板を水面に垂直に上下させることにより、ポリマー単分子膜をガラス基板上に写し取った。ガラス基板の上昇、下降を繰り返してポリマーをガラス基板上に累積し、3回の上下動によって6層の累積膜を作製した。
接触角の測定
接触角は、協和界面科学(株)製コンタクト・アングル・メーター CA−Xタイプを使用し、水を液体試料として測定した。上記のC15MAAポリマーLB膜の接触角は118°であった。
微小流路システムの作製
上記の方法で表面処理を行ったガラス基板2枚に、厚さ500μmのスペーサーとなるガラスを挟み、ノーランド社製光硬化性接着剤 NOA68を用いて貼り合わせ微小流路システムを作成した。流路の幅は500〜1000μmである。
微小流路システム内の流れの観察
上記のように作成した微小流路システムに、マイクロシリンジポンプで水を送液した。送液速度は0.01m/secとした。微小流路システム内に水を流したときの画像を、顕微鏡とビデオカメラを用いて観察した。この観察によって、流れの先端の形状から接触角を測定し、動的接触角を測定した。このときのC15MAAポリマーLB膜の動的接触角は117°であった。
[実施例2]
15MAAポリマーLB膜によるガラス基板の表面処理(2)
ガラス基板は、実施例1同様オクチルトリクロロシランで疎水処理した。このガラス基板の一部を覆う様に、もう1枚のガラス基板をかぶせ、酸素雰囲気下、日本レーザー電子製UV235Sを用いて基板全体に紫外光を照射した。このとき、覆いをしていない部分(処理面Aとする。)のオクチルクロロシランが除去され、基板表面にヒドロキシル基が露出する。覆いをしていた部分(処理面Bとする。)にはオクチルトリクロロシランによる疎水処理が残っている。このようにパターンニングされたガラス基板上に、C15MAAポリマーのLB膜を、実施例1に準じた方法で6層累積した。LB膜が処理面Aには累積されず、処理面Bに累積されたことを、接触角の測定によって確認した。
接触角の測定
実施例1に準じて接触角を測定した。処理面Aの接触角は20°であった。処理面Bの接触角は118°であった。
T字型微小流路システムの作製
上記の方法で表面処理を行ったガラス基板2枚に、厚さ500μmのスペーサーとなるガラスを挟み、実施例1と同じ接着剤で貼り合わせて、図2のようなT字型微小流路システムを作成した。このとき微小流路システムの中央部に処理面Aと処理面Bの境界が来るようにした。流路の幅は500〜1000μmである。
T字型微小流路システム内の流れの観察(1)
上記のT字型微小流路システムに、処理面A側の注入口A(5)からマイクロシリンジポンプで水を送液した。この際観察しやすいように水にローダミンBを少量添加し着色した。送液速度は1μl/minとした。実施例1と同様に、微小流路システム内に水を流したときの画像を、顕微鏡とビデオカメラを用いて観察した。送液された水は処理面A上のみ選択的に流れた。
T字型微小流路システム内の流れの観察(2)
上記のT字型微小流路システムに、処理面A側の注入口A(5)からマイクロシリンジポンプで水を送液した。この際観察しやすいように水にローダミンBを少量添加し着色した。送液速度は10μl/minとした。実施例1と同様に、微小流路システム内に水を流したときの画像を顕微鏡とビデオカメラを用いて観察した。送液された水は処理面A上をはみ出し、処理面B上も流れた。
T字型微小流路システム内の流れの観察(3)
上記のT字型微小流路システムに、処理面A側の注入口A(5)からマイクロシリンジポンプで水を送液し、処理面B側の注入口B(6)からマイクロシリンジポンプでn−オクタンを送液した。送液速度は両方とも10μl/minとした。実施例1と同様に、微小流路システム内に水とn−オクタンを流したときの画像を、顕微鏡とビデオカメラを用いて観察した。水は処理面A上のみ流れ、n−オクタンは処理面B上のみ流れ、2つの液体は処理面Aと処理面Bの境界線上で界面(4)を形成し、混ざり合うことはなかった。以上の結果から、表面修飾した微小流路システム内に相溶性のない2液を、2液の界面を形成したまま流すことができることが確認された。
[実施例3]
エ字型微小流路システムの作製
形状をエ字型にする以外は実施例2に準じて、図3のような微小流路システムを作製した。
エ字型微小流路システム内の流れの観察
図3に示す上記エ字型微小流路システムに、処理面A側の注入口A(5)からマイクロシリンジポンプで水を送液し、処理面B側の注入口B(6)からマイクロシリンジポンプでn−オクタンを送液した。送液速度は両方とも10μl/minとした。実施例1と同様に、微小流路システム内に水とn−オクタンを流したときの画像を顕微鏡とビデオカメラを用いて観察した。水は処理面A上のみ流れ、n−オクタンは処理面B上のみ流れ、2つの液体は処理面Aと処理面Bの境界線上で界面(4)を形成し、混ざり合うことはなかった。さらに、排出口A(7)からは水のみが得られ、排出口B(8)からはn−オクタンのみが得られた。
比較例1
疎水処理を行わないガラス基板を用いてT字型微小流路システムを作製した。基板の接触角は20°であった。実施例2と同様に、一方からマイクロシリンジポンプで水を送液し、もう一方からマイクロシリンジポンプでn−オクタンを送液した。送液速度は両方とも10μl/minとした。実施例1と同様に微小流路システム内に水とn−オクタンを流したときの画像を顕微鏡とビデオカメラを用いて観察した。2つの液体は水とn−オクタンの合流部にて液滴を形成し乱れて流れた。
微小流路システム作製の手順 T字型微小流路システムの概念図 エ字型微小流路システムの概念図
符号の説明
1 基板
2 親水処理した表面(処理面A)
3 LB膜処理した表面(処理面B)
4 スペーサー
5 注入口Aおよび水の流入方向
6 注入口Bおよびn−オクタンの流入方向
7 微小流路
8 2つの液体の界面
9 排出口Aおよび水の流出方向
10 排出口Bおよびn−オクタンの流出方向

Claims (11)

  1. 液体を移動させるための微小流路、この微小流路に液体を注入する少なくとも2つの導入路、およびこの微小流路から液体を排出する少なくとも1つの排出路を有し、この微小流路の内面が親水処理された部分と疎水処理された部分を有し、かつ、親水処理された部分と疎水処理された部分がそれぞれ流路の上流端から下流端にわたって連続している微小流路システムであって、下記式(1)で表される構成単位からなるポリマーLB膜の累積によって該疎水処理された微小流路システム。

    Figure 0004645053
    式中、Rは水素または炭素数1〜3のアルキルであり;Rは炭素数1〜14のペルフルオロアルキルであり;mは0〜2の整数である。
  2. が水素またはメチルであり、Rが炭素数5〜10のペルフルオロアルキルであり、mが0〜2の整数である、式(1)で表される構成単位からなるポリマーのLB膜の累積によって疎水処理された、請求項に記載の微小流路システム。
  3. ポリマーの数平均分子量が1,000〜100,000である、請求項1または2に記載の微小流路システム。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の微小流路システムを用いた反応装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の微小流路システムを用いた分析装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の微小流路システムを用いた検出装置。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の微小流路システムを用いた分離装置。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の微小流路システムを用いた抽出装置。
  9. 液体を移動させるための微小流路、この微小流路に液体を注入する少なくとも2つの導入路、およびこの微小流路から液体を排出する少なくとも1つの排出路を有し、この微小流路の内面が親水処理された部分と疎水処理された部分を有し、かつ、親水処理された部分と疎水処理された部分がそれぞれ流路の上流端から下流端にわたって連続している微小流路システムにおいて、下記式(1)で表される構成単位からなるポリマーLB膜の累積による該疎水処理方法

    Figure 0004645053
    式中、Rは水素または炭素数1〜3のアルキルであり;Rは炭素数1〜14のペルフルオロアルキルであり;mは0〜2の整数である。
  10. が水素またはメチルであり、Rが炭素数5〜10のペルフルオロアルキルであり、mが0〜2の整数である、式(1)で表される構成単位からなるポリマーのLB膜の累積による、請求項に記載の疎水処理方法。
  11. ポリマーの数平均分子量が1,000〜100,000である、請求項9または10に記載の処理方法。
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