JP4642038B2 - 粒子線治療装置 - Google Patents
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Description
粒子線治療装置は、線量モニタの測定値から照射済みの線量を求めるため、治療照射時、治療計画から指示された物理線量(Gy)を線量モニタの測定値であるカウント値に変換する必要がある。物理線量から線量モニタのプリセット値への変換は、気温、気圧のみならず機械的特性にも影響を受けるため、治療照射毎及び患者毎にそれぞれ標準校正深測定及び患者校正深測定を行う必要がある。
治療照射毎及び患者毎に実施する標準校正深測定及び患者校正深測定作業(時間)は、粒子線治療装置を利用した癌治療において、実際に患者に粒子線を照射する作業(時間)に比べて、非常に高い割合を占めている。このため、治療照射のオペレータの作業が煩雑化し、粒子線治療装置の治療への利用率を低下させる要因となっている。
粒子線治療装置を利用した治療システムは、以上のようになっているので、治療する患者の増大に伴い、オペレータの負担が増大し、患者に対する粒子線治療装置の効率的な運用に支障をきたす恐れがある。また、過去に行った患者校正深測定と同様の測定を何度も行う状況が発生し、治療データの管理のむだも増大する。
特許文献1には、放射線治療システムの放射線量校正を自動化するものが記載されている。
また、患者の治療照射の待ち時間も増大し、粒子線治療装置の医療サービスの低下を引き起す一因にもなっている。
また、粒子線治療装置の治療照射への利用率が低く、粒子線治療装置の採算性を低下させる要因ともなっている。
さらに、新しい患者に対し、過去の患者校正深測定と同様の機械的条件で、患者校正深測定を行う状況が発生してきており、類似の患者校正深測定結果のデータベース量が増大し、その管理運用が非効率的になり、人為的なミスを招く恐れも増大し、粒子線治療装置の運用が、非効率的、信頼性の低下、安全性の低下などにつながる恐れが出るなどの問題がある。
特許文献1のものでは、個々の放射線量校正の自動化は行えても、患者校正深測定を患者毎に実施することの負担を解決するものではなかった。
以下に、この発明の実施の形態1について、図に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態1による粒子線治療装置におけるデータの流れと手順を示すシーケンス図であり、標準校正深測定(含標準分布測定)、患者校正深測定(含患者分布測定)及び粒子線治療からなる線量評価の手順を示している。
図1において、標準校正深測定S1は適当な間隔で行われる。標準校正深測定S2は、必要な場合、治療当日に再測定される。この結果、適当な間隔で行われた標準校正深測定結果S1a及び、必要な場合に治療当日に再測定した標準校正深測定結果S2aが得られる。
患者校正深測定P1は、照射条件毎に照射パラメータを変えて患者校正深測定を予め実施し、基準データを得るものであり、患者校正深測定結果P1aが得られる。この患者校正深測定結果P1aは、照射条件、測定条件とともにデータベースM1の患者校正深基準データテーブルに保存される。なお、この基準データには、過去の患者校正深測定結果を登録することもできる。
線量計算C1は、基準データを格納した患者校正深基準データテーブルの該当する基準データから、線量計算に使用する患者校正定数を抽出して、実施される。粒子線治療照射R1は、線量計算C1を実施した後に、粒子線治療装置により患者に対して実施される。
治療計画より指示された照射条件に適合する基準データP1cがデータベースM1に無い場合には、当該照射条件にて患者校正深測定を実施し、この測定結果をデータベースM1に登録し、これを用いて線量計算を実施する。すなわち、治療照射と同一条件で測定した患者校正深測定の測定結果を、治療時の補正に利用する患者校正深測定を行った対象の患者以外にも適用可能とする。
図2において、粒子線治療装置は、次のように構成される。
粒子線治療装置の粒子線加速器で加速された粒子線3は、ビーム輸送系で照射ヘッド1に導かれ、ワブラ電磁石4aで粒子線3が必要な照射幅に広げられ、散乱体4bに入射され、治療照射に必要な散乱角を持った粒子線に広げられる。散乱体4bを出た粒子線は、リッジフィルタ5を通り、そのエネルギー幅を広げ、さらにレンジシフタ6を通って、そのエネルギーを減少させ、線量モニタヘッド7及び、平坦度モニタヘッド8と通って照射される線量及び平坦度がモニタされ、さらにコリメータ9を通って粒子線3の照射野が整形され、基準線量計ヘッド19に照射される。粒子線治療装置の照射ヘッド1は、さらに、線量モニタのアンプ及び制御回路10、及び平坦度モニタの差動アンプ及び制御回路11を有している。
信号処理回路12は、線量モニタのアンプ及び制御回路10からの信号及び平坦度モニタの差動アンプ及び制御回路11からの出力信号を処理し、データ処理計算機13に渡す処理を行う。記録装置に形成されたデータベース14は、データ処理計算機13で処理されたデータを記録する。データ処理計算機13には、表示モニタ15、キーボード16、さらに粒子線治療装置の照射系計算機17が接続される。照射パラメータ18は、標準校正深測定結果の特性を支配するパラメータであり、データ処理計算機13に入力される。基準線量計ヘッド19は、校正深測定に用いられ、この基準線量計ヘッド19には、基準線量計本体20が接続され、この基準線量計本体20は、データ処理計算機13に接続されている。
図3において、1、3〜18は図2におけるものと同一のものである。図3では、粒子線3に患者2の患部が照射される。
図4において、データベースM1には、標準校正深測定及び患者校正深測定の結果が記録される。患者校正深測定前の直近に実施された標準校正深測定S1は、適当な間隔を置いた運転日に実施される。患者校正深測定P1は、これに対応する照射条件毎の患者校正深基準データ測定によって行われる。治療照射R1は、患者への粒子線の照射である。
Q10は、データベースM1から当該患者の患者校正深測定結果を取得する。Q11は、Q10での当該患者校正深測定結果の取得が、適切に実施されたかどうかの妥当性を判断する。Q12は、データベースM1からの患者校正深測定結果の取得が、不適切(データ無し等)と判断された場合の処理で、治療計画より指示された照射条件に対応した患者校正深基準データを取得する。
Q13は、治療計画より指示された照射条件に対応した患者校正深基準データの取得が適正に実施されたかどうかの妥当性を判断する。Q14は、患者校正深基準データの取得が不適切(データ無し)と判断された場合の処理で、治療を中断し、当該患者校正深の測定に進む手順である。Q15は、患者校正深測定日を基準日として、データベースM1からの直近の標準校正深測定結果を取得する。Q16は、Q15の標準校正深測定結果の取得が適正に取得されたかどうかの妥当性を判断し、Q17は、Q15の標準校正深測定結果の取得が不適切と判断された場合の処理で、治療を中断し、標準校正深測定に進む手順である。Q18は、患者治療日を基準日として、データベースM1からの直近の標準校正深測定結果を取得する。Q19は、この標準校正深測定結果が適正に取得されたかどうかの妥当性を判断し、Q20は、Q18の標準校正深測定結果の取得が不適切と判断された場合の処理で、治療を中断し、標準校正深測定に進む手順である。
Q21は、標準校正深測定結果の取得が適切と判断された場合の処理で、取得された患者校正深測定結果または患者校正深基準データ及び標準校正深測定結果に基づき、線量を計算し、温度、気圧等の補正を行い、照射カウント数を算定する手順である。Q22は、Q21で求めた照射カウント数値を粒子線治療装置のプリセットカウンタに設定する手順である。R1は治療照射、Q23は、治療照射記録の作成で、作成された結果は、データベースM1に蓄積される。
図3で、粒子線治療装置の粒子線加速器で加速された粒子線3は、ビーム輸送系で照射ヘッド1に導かれ、ワブラ電磁石4aで粒子線3が必要な照射幅に広げられ、散乱体4bに入射され、治療照射に必要な散乱角を持った粒子線に広げられる。散乱体4bを出た粒子線は、リッジフィルタ5を通り、そのエネルギー幅を広げ、さらにレンジシフタ6を通って、そのエネルギーを減少させ、線量モニタヘッド7及び、平坦度モニタヘッド8と通って照射される線量及び平坦度がモニタされ、さらにコリメータ9を通って粒子線の照射野が整形され、患者2の患部に照射される。
図2において、標準校正深測定は、機器パラメータを標準条件にして行う。すなわち粒子線エネルギー、ワブラ電磁石4aの励磁電流、散乱体4bの種類(厚さ)、リッジフィルタ5の種類、レンジシフタ6の種類(厚さ)及びコリメータ9の開き(照射野の大きさ)などを標準条件にし、基準位置に置かれた基準線量計ヘッド19に粒子線を照射し、線量モニタ7の出力、平坦度モニタ8の出力及び基準線量計20の出力をデータ処理計算機13に入力してデータ処理し、基準線量計の出力と比較することにより、標準校正定数を求め、その結果をデータベースM1に記録する。
患者校正深測定は、機器パラメータを治療計画で指示された治療する患者の照射条件に合わせ、すなわち、粒子線エネルギー、ワブラ電磁石4aの励磁電流、散乱体4bの種類(厚さ)、リッジフィルタ5の種類、レンジシフタ6の種類(厚さ)及びコリメータ9の開き(照射野の大きさ)照射角度(ガントリ角度)を治療計画で指示された治療する患者の照射条件に合わせて、照射条件に適合する基準位置に置かれた基準線量計ヘッド19に粒子線を照射し、線量モニタ7出力、平坦度モニタ8の出力及び基準線量計20の出力をデータ処理計算機13に入力し、基準線量計の出力と比較し、その結果をデータベースM1に記録する。
また、データベースM1からの患者校正深測定結果の取得が不適切の場合も患者校正深測定を実施するか、患者校正深基準データテーブルより基準データを取得する。基準データ取得が適切であれば、患者校正定数として利用する。取得した基準データが不適切であれば、患者校正深測定を実施する。
また、決められた標準の照射条件及び標準の計測条件で、粒子線をファントムに照射し、水平及び垂直方向の線量分布を測定する標準分布測定も必要に応じて実施し、結果をデータベースM1に記録する。
一方、治療する患者の照射条件で、水平及び垂直方向の線量分布を測定する患者分布測定及び照射条件毎の基準分布測定(粒子線をファントムに照射し、水平及び垂直方向の線量分布の測定)も必要に応じて実施し、結果をデータベースM1に記録する。
以上で、粒子線治療照射に必要な標準校正深測定結果(直近及び患者治療当日の)、患者校正深測定結果、あるいは基準データ及び患者分布の校正データ等が準備される。
Q11で、患者校正深測定結果の取得が不適切な場合(データ無し等)には、Q12に進み、データベースM1の患者校正深基準データテーブルの当該基準データから当該患者校正定数を取得し、Q13に進む。Q13では、当該患者校正定数取得の妥当性を判断する。当該患者校正定数の取得が適切な場合には、Q15に進み、Q15以下を実行する。
Q13で、当該患者校正定数の取得が不適切(データ無し等)な場合には、Q14に進み、治療操作を中断し、当該患者の患者校正深測定を実行し、その結果をデータベースM1に記録して、再びQ10に進み、患者校正深測定結果を取得する。この手順は、患者校正深測定結果のある患者に対しては、あくまでも患者校正深測定結果を優先するサイクルである。
Q16で、標準校正深測定結果の取得が不適切(データ無し等)な場合には、Q17で、治療を中断し、標準校正深の測定を実施し、その結果をデータベースM1に記録して、再びQ15に進み、標準校正深測定結果を取得する。
Q18では、データベースM1から治療照射日を基準日とした直近の標準校正深測定結果を取得し、Q19に進む。Q19では、標準校正深測定結果の取得の妥当性を判断する。標準校正深測定結果の取得が適切な場合には、Q21に進み、線量計算を実行する。標準校正深測定結果の取得が不適切(データ無し等)な場合には、Q20で、治療を中断し、標準校正深測定を実行し、その結果をデータベースM1に記録する。再びQ18に進み、Q19を経てQ21に進む。以上で線量校正の準備が完了する。
R1の治療照射が完了すると、Q23で、治療照射記録を作成し、その結果をデータベースM1に記録することにより、一連の粒子線治療照射が完了する。
また、粒子線治療装置の治療への利用率も向上し、短期間に、より多くの患者の治療ができ、医療サービスの向上にも役立つ他、標準校正深データ、患者校正深データ、校正実績、治療照射などの治療実績を確実に記録・保管できるなどの特徴があり、効率的で、より安全な粒子線治療法及び粒子線治療装置を得ることができる。
実施の形態1では、治療時に取得した患者校正深測定結果及び患者校正深基準データが、過去の他と同一の照射条件での患者校正深測定結果に比べて異なる場合がある。このような測定結果を取得して線量校正すると、誤った線量計算が行われる恐れがある。実施の形態2は、このような場合に対処するものである。
図5において、Q10、Q12、Q13、Q18、Q21〜Q23は図4におけるものと同一の処理である。これらの各処理は、実施の形態1と同様であるからその説明を省略する。
図5では、照射線量の誤差を許容値以下に保つようにする流れを示している。予め測定結果の変動幅の許容値(例えば2.5%)を設け、患者校正深測定結果あるいは患者校正深基準データ測定結果が、過去に実施した同一条件の測定結果や、シミュレーション等により求めた照射条件に対する理論値と比較し、許容値以下となった時の患者校正深測定結果及び患者校正深基準データ測定結果を、適正な患者校正深測定結果または患者校正深基準データとし、許容値以上の測定データと区分し、これらを分別記録し、適正な患者校正深測定結果または患者校正深基準データのみを補正用の患者校正深及び患者校正新基準データとして採用して、線量計算を実施し、照射線量の誤差を許容値以下に保つようにする。
図5において、Q24は、患者校正深測定値及び患者校正深基準データ測定値の適不適の判断基準であり、Q25は、患者校正深測定結果及び患者校正深基準データ測定結果をデータベースM1に記録する時のデータ誤差が許容値以下で有るか否かの判定を行う。Q24で、予め基準値(例えば従来測定値の平均値)と変動許容幅を設け、測定値と過去の測定結果やシミュレーション等により算出した理論値との差が変動許容幅以内のもののみをデータベースM1に記録する。Q10では、データベースM1からの患者校正深測定結果(複数)を取得し、Q26で、データベースM1から患者校正深測定結果が適切に取得されたかどうかの判断を行う。Q27では、適切に取得された場合に、患者校正深測定結果(複数)を表示する。Q28では、表示画面に表示された患者校正深測定結果の中から患者校正深基準データに採用する患者校正深測定値を選ぶ。Q29では、Q28で選ばれた患者校正深測定結果から患者校正深基準データとして、データベースM1の患者校正深基準データテーブルに追加登録する。このようにして高い精度の患者校正深基準データを得ることができる。
実施の形態1では、患者校正深測定結果の取得は、治療計画から指定された線源データ名を利用して、全て条件を満たす照射条件の下に行っているので、患者校正深基準データテーブル内のデータ量はかなり多量となり、測定や検索には相当の時間がかかる。実施の形態3は、このような場合に対処するものである。
図6は、この発明の実施の形態3による粒子線治療装置の患者校正深基準データテーブルの一例を示す図である。
図6において、患者校正深基準データテーブルには、線源データ名称21と、粒子線エネルギー22と、リッジフィルタ厚さ/種類23と、ワブラ電磁石電流24と、散乱体の厚さ/種類25と、代表レンジシフタ厚さ/種類26と、校正深27と、レンジシフタ有効範囲上限値28と、レンジシフタ有効範囲下限値29と、患者校正定数30と、標準校正定数31の照射パラメータを有している。ここで、21〜27は代表レンジシフタ(69mm)での設定条件である。28、29は分割したレンジシフタ有効範囲を示している。
測定条件の一つである機器条件の中には、機器条件の変更が患者校正定数に与える影響を演算により算出可能な項目がある。例えば、レンジシフタの厚みがこれに該当し、代表レンジシフタ厚を条件とするものについては実測し、代表レンジシフタ厚の周辺の厚みについては演算で求めることにより、基準データを収集するための測定回数を減らすことが可能となる。これら代表レンジシフタ厚の実測値及び演算により求めたデータは、基準データとして登録することも可能であるし、代表レンジシフタ厚のみデータベース等に登録し、レンジシフタ厚の異なる基準データについては、検索時に演算を行うことで登録するデータ数の削減や、検索時間の短縮を図ることも可能である。
患者校正深基準データテーブルは、コース毎及び線源データ毎に患者校正定数の基準となる患者校正深基準データを測定し、その結果がデータベースM1に患者校正深基準データテーブルとして登録されるが、レンジシフタは、主に有効範囲内の代表レンジシフタが用いられる。レンジシフタに依存性がある場合は、有効範囲を細分化し、分割した任意の代表レンジシフタでの患者校正定数を代表レンジシフタでの測定結果から、多項式により求め、その値をデータベースM1に登録する。
次に、患者校正深基準データテーブル作成について説明する。
図7(a)のQ30では、レンジシフタの代表厚さを選択する。Q31では、代表レンジシフタでの患者校正深測定を実施する。Q32では、測定結果より患者校正定数を算定する。次いで、Q33で、レンジシフタの依存性をチェックする。依存性がある場合には、Q34で、レンジシフタ厚を分割する。次いで、Q35で、分割したレンジシフタ厚における患者校正定数を多項式により計算する。Q36では、Q34にて分割されたレンジシフタ厚が残っているかどうかをチェックし、残っていれば、Q35にて、患者校正定数の演算を行う。
Q33で、レンジシフタの依存性がなければ、Q37を実行し、Q32の計算結果をデータベースM1に登録する。また、Q36で、分割されたレンジシフタ厚が残っていなければ、Q37を実行し、Q35の計算結果をデータベースM1に登録する。
図7(b)のQ40で、治療計画装置指定の線源データ名の指定を行う。Q41で、代表レンジシフタ毎に登録されている患者校正深基準データテーブルを検索する。Q42で、レンジシフタの依存性をチェックする。依存性があれば、Q43で、患者校正深基準データテーブルの中から実際に使用するレンジシフタの有効範囲を検索する。Q44で、レンジシフタ厚の有効範囲の重なりチェックを行い、有効範囲の重なりが有る場合には、Q45で、代表レンジシフタに近い方の範囲を参照し、Q46で、レンジシフタ有効範囲での患者校正定数を抽出し、線量計算の実施に移る。
Q42で、レンジシフタの依存性がなければ、Q46を実行する。また、Q44で、有効範囲の重なりがなければ、Q46を実行する。
実施の形態1では、治療時の計画値以外のガントリ角度で患者校正深測定を実施することがある。計画値以外のガントリ角度で患者校正深測定を実施した場合、実際の治療では計画値のガントリ角度で照射するため、照射線量計算時にガントリ角度の違いによる誤差が生じる。このため、ガントリ角度の違いを補正する必要がある。実施の形態4は、このような場合に対処するものである。
図8において、ガントリ角度ごとの補正係数がテーブル化されている。
患者校正深測定を第一のガントリ角度として、例えばガントリ角度0°により行い、治療時の第二のガントリ角度を、例えばガントリ角度45°とすると、図8により、治療のプリセット計算時にガントリ角度補正係数1.045をプリセット値に積算することで補正を行う。
5 リッジフィルタ、6 レンジシフタ、7 線量モニタヘッド、
8 平坦度モニタヘッド、9 コリメータ、10 アンプ及び制御回路、
11 差動アンプ及び制御回路、12 信号処理回路、13 データ処理計算機、
14 データベース、15 表示モニタ、16 キーボード、17 照射系計算機、
18 照射パラメータ、19 基準線量計ヘッド、20 基準線量計本体。
Claims (4)
- 患者の患部に粒子線を照射して治療を行う粒子線治療装置において、標準の照射条件により実施された標準校正深測定結果及び種々の治療照射条件に合うように複数の照射パラメータを変化させて予め測定された患者校正深基準データが保存される記録装置、及びこの記録装置に保存された上記患者校正深基準データ及び上記標準校正深測定結果を用いて、患者への上記粒子線の治療照射時の照射線量を算出するデータ処理計算機を備え、上記データ処理計算機により算出された照射線量に基づいて、患者への上記粒子線の治療照射が行われることを特徴とする粒子線治療装置。
- 上記データ処理計算機は、上記患者校正深基準データの変動幅に許容値を設け、この許容値内の変動幅を有する上記患者校正深基準データを用いて上記照射線量の算出を行うことを特徴とする請求項1記載の粒子線治療装置。
- 上記複数の照射パラメータの内、上記照射パラメータのとり得る所定範囲では測定結果に影響を及ぼさないような照射パラメータについては、上記所定範囲内のいずれかの値で代表させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の粒子線治療装置。
- 上記患者校正深基準データを測定するときの上記粒子線を照射する第一のガントリ角度と、患者への上記粒子線の治療照射で用いられる第二のガントリ角度との差に応じた補正係数を予め設定したガントリ角度補正係数表を、上記記録装置に記録させるとともに、患者への上記粒子線の治療照射時の照射線量の算出では、上記ガントリ角度補正係数表の補正係数を用いて補正されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の粒子線治療装置。
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