JP4640365B2 - 圧縮機のスクロール部品及びスクロール圧縮機 - Google Patents
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Description
本発明の第1実施形態に係る低圧ドーム型スクロール圧縮機1は、蒸発器や、凝縮器、膨張機構等と共に冷媒回路を構成し、その冷媒回路中のガス冷媒を圧縮する役割を担うものであって、図1に示されるように、主に、円筒状の密閉ドーム型のケーシング10、スクロール圧縮ポンプユニット15、駆動モータ16、下部主軸受60、吸入管19及び吐出管20から構成されている。なお、この低圧ドーム型スクロール圧縮機1は、縦置き式の圧縮機であって、スクロール圧縮ポンプユニット15が駆動モータ16よりも上に位置するようにして設置される。以下、この低圧ドーム型スクロール圧縮機1の構成部品についてそれぞれ詳述していく。
(1)ケーシング
ケーシング10は、主に、略円筒状の胴部ケーシング部11と、胴部ケーシング部11の上端部に気密状に溶接される椀状の上壁部12と、胴部ケーシング部11の下端部に気密状に溶接される椀状の底壁部13とから構成される。そして、このケーシング10には、主に、ガス冷媒を圧縮するスクロール圧縮ポンプユニット15と、スクロール圧縮ポンプユニット15の下方に配置される駆動モータ16とが収容されている。このスクロール圧縮ポンプユニット15と駆動モータ16とは、ケーシング10内を上下方向に延びるように配置されるクランク軸17によって連結されている。
スクロール圧縮ポンプユニット15は、図1に示されるように、主に、ハウジング23と、ハウジング23の上方に密着して配置される固定スクロール24と、固定スクロール24に噛合する可動スクロール26と、可動スクロール26の自転運動を防止するオルダムリング39から構成されている。以下、このスクロール圧縮ポンプユニット15の構成部品についてそれぞれ詳述していく。
ハウジング23は、胴部ケーシング部11に圧入固定されている。そして、このハウジング23には、上端面が固定スクロール24の下端面と密着するように、固定スクロール24がボルト(図示せず)により締結固定されている。また、このハウジング23には、上面中央に凹設されたハウジング凹部31と、下面中央から下方に延設された軸受部32とが形成されている。そして、この軸受部32には、上下方向に貫通する軸受孔が形成されており、この軸受孔にクランク軸17が回転自在に嵌入されている。
固定スクロール24は、主に、鏡板24aと、鏡板24aの下面から下方に延びる渦巻き状(インボリュート状)のラップ24bとから構成されている。鏡板24aには、圧縮室40(後述)に連通する吐出通路(図示せず)が形成されている。吐出通路は、鏡板24aの中央部分において上下方向に延びるように形成されている。
可動スクロール26は、図1〜図4に示されるように、主に、鏡板26aと、鏡板26aの上面から上方に向かって延びる渦巻き状(インボリュート状)のラップ26bと、鏡板26aの外周から外側に向かって延びる一対の翼部26cと、主に翼部26cに形成され上下方向に貫通する貫通溝26dと、貫通溝26dを跨ぐように翼部26cの渦巻部側に設けられる幌部26eと、鏡板26aの下面から下方に延びる軸受部26fとから構成されている。なお、本実施の形態において、幌部26eは、ボルトBTによって翼部26fに固定されている。また、この可動スクロール26では、翼部26cにルブライト処理が施されている。そして、この可動スクロール26は、貫通溝26dにオルダムリング39(後述)が嵌め込まれることによりハウジング23に支持される。なお、幌部26eは、貫通溝26dにオルダムリング39が嵌め込まれた状態において、天板UP(図4参照)の下面USから可動スクロール側キー部39a(後述)の上端面AS(図5参照)までの最短距離が4mm以下となり、側板SP(図4参照)の内面ISから可動スクロール側キー部39aの側面SSまでの最短距離が0.5mm以下となるように設計されている。なお、天板UP(図4参照)の下面USから可動スクロール側キー部39a(後述)の上端面AS(図5参照)までの最短距離は、2.5mm以下に設計されるのがより好ましく、1.5mm以下に設計されるのがさらに好ましい。また、軸受部26fにはクランク軸17の上端が嵌入される。可動スクロール26は、このようにスクロール圧縮ポンプユニット15に組み込まれることによってクランク軸17の回転により自転することなくハウジング23内を公転する。そして、可動スクロール26のラップ26bは固定スクロール24のラップ24bに噛合させられており、両ラップ24b,26bの接触部の間には圧縮室40が形成されている。そして、この圧縮室40では、可動スクロール26の公転に伴い、両ラップ24b,26b間の容積が中心に向かって収縮する。本実施形態に係る低圧ドーム型スクロール圧縮機1では、このようにしてガス冷媒を圧縮するようになっている。
オルダムリング39は、可動スクロール26の自転運動を防止するための部材であって、図5に示されるように、主に、本体39c、可動スクロール側キー部39a及びハウジング側キー部39bから構成されている。本体39cは、図5に示されるように、略円環状の成形体である。可動スクロール側キー部39aは、本体39cの軸を挟んで対向し本体39cの半径方向外周側に延びる突起部から軸方向に沿って片側に延びる一対の突起であり、可動スクロール26の貫通溝26dに嵌め込まれる。ハウジング側キー部39bは、本体39cの軸を挟んで対向し本体39cの半径方向外周側に延びる突起部から軸方向に沿って可動スクロール側キー部39aの反対側に延びる一対の突起であり、軸を中心として可動スクロール側キー部39aから略90°傾いた位置に配置されている。そして、このハウジング側キー部39bは、ハウジング23に形成されるオルダム溝(図示せず)に嵌め込まれる。なお、このオルダム溝は、長円形状の溝である。
駆動モータ16は、本実施の形態において直流モータであって、主に、ケーシング10の内壁面に固定された環状のステータ51と、ステータ51の内側に僅かな隙間(エアギャップ通路)をもって回転自在に収容されたローター52とから構成されている。
下部主軸受60は、駆動モータ16の下方の下部空間に配設されている。この下部主軸受60は、胴部ケーシング部11に固定されるとともにクランク軸17の下端側軸受を構成し、クランク軸17を支持している。
吸入管19は、冷媒回路の冷媒をスクロール圧縮ポンプユニット15に導くためのものであって、ケーシング10の胴部ケーシング部11に気密状に嵌入されている。
吐出管20は、ケーシング10内の冷媒をケーシング10外に吐出させるためのものであって、ケーシング10の上壁部12に気密状に嵌入されている。
駆動モータ16が駆動されると、クランク軸17が回転し、可動スクロール26が自転することなく公転運転を行う。すると、低圧のガス冷媒が、吸入管19を通って圧縮室40の周縁側から圧縮室40に吸引され、圧縮室40の容積変化に伴って圧縮され、高圧のガス冷媒となる。そして、この高圧のガス冷媒は、圧縮室40の中央部から吐出通路を通って吐出管20へ吐出され、ケーシング10外に吐出される。そして、ケーシング10外に吐出されたガス冷媒は、冷媒回路を循環した後、再度吸入管19を通ってスクロール圧縮ポンプユニット15に吸入されて圧縮される。
本発明の第1実施形態に係る低圧ドーム型スクロール圧縮機1では、オルダムリング39の可動スクロール側キー部39aの先端部が可動スクロール26の幌部26eに収容されるようにオルダムリング39の可動スクロール側キー部39aが可動スクロール26の貫通溝26dに嵌め込まれる。そして、幌部26eは、貫通溝26dにオルダムリング39が嵌め込まれた状態において、天板UP(図4参照)の下面USから可動スクロール側キー部39a(後述)の上端面AS(図5参照)までの最短距離が4mm以下となり、側板SP(図4参照)の内面ISから可動スクロール側キー部39aの側面SSまでの最短距離が0.5mm以下となるように設計されている。このため、この低圧ドーム型スクロール圧縮機1では、オルダムリング39の可動スクロール側キー部39a周辺の潤滑油が枯渇してしまうまでの時間を遅らせることができる。したがって、この低圧ドーム型スクロール圧縮機1では、可動スクロール26の翼部26cの表面被膜が完全に失われている場合であっても、起動時にオルダムリング39の可動スクロール側キー部39aと可動スクロール26の貫通溝26dを形成する壁との間で焼付や異常摩耗が生じにくくすることができる。
第1実施形態に係る可動スクロール26では、幌部26eがボルトBTにより翼部26cに固定されていたが、図6に示されるように幌部26eは圧入固定されてもよい。
第2実施形態に係る低圧ドーム型スクロール圧縮機は、固定スクロール、可動スクロール及びオルダムリング以外は第1実施形態に係る低圧ドーム型スクロール圧縮機1と同一である。このため、第2実施形態では、固定スクロール、可動スクロール及びオルダムリングについてのみ説明を行う。
第2実施形態に係る低圧ドーム型スクロール圧縮機101では、可動スクロール側キー部139aは、スクロール圧縮機101に組み込まれた状態において、上端面AS2から固定スクロール124の囲い壁部の端面US2までの最短距離が4mm以下となるように設計されている。このため、この低圧ドーム型スクロール圧縮機101では、オルダムリング139の可動スクロール側キー部139a周辺の潤滑油が枯渇してしまうまでの時間を遅らせることができる。したがって、この低圧ドーム型スクロール圧縮機101では、可動スクロール126の翼部126cの表面被膜が完全に失われている場合であっても、起動時にオルダムリング139の可動スクロール側キー部139aと可動スクロール126の貫通溝を形成する壁との間で焼付や異常摩耗が生じにくくすることができる。
第3実施形態に係る低圧ドーム型スクロール圧縮機は、固定スクロール及びオルダムリング以外は第2実施形態に係る低圧ドーム型スクロール圧縮機101と同一である。このため、第3実施形態では、固定スクロール及びオルダムリングについてのみ説明を行う。
第3実施形態に係る低圧ドーム型スクロール圧縮機201では、固定スクロール224の環状溝Gは、固定スクロール224がスクロール圧縮機201に組み込まれた状態において、底面US3からオルダムリング39の可動スクロール側キー部39aの上端面ASまでの最短距離が4mm以下となるように設計されている。このため、この低圧ドーム型スクロール圧縮機201では、オルダムリング39の可動スクロール側キー部39a周辺の潤滑油が枯渇してしまうまでの時間を遅らせることができる。したがって、この低圧ドーム型スクロール圧縮機201では、可動スクロール126の翼部126cの表面被膜が完全に失われている場合であっても、起動時にオルダムリング39の可動スクロール側キー部39aと可動スクロール126の貫通溝を形成する壁との間で焼付や異常摩耗が生じにくくすることができる。
26,126 可動スクロール(可動スクロール部品,可動スクロール)
26a 鏡板(平板部)
26b ラップ(渦巻部)
26c,126c 翼部
26d 貫通溝
26e 幌部
39,139 オルダムリング(自転防止部材)
39a,139a 可動スクロール側キー部(キー部)
124,224 固定スクロール
124c,224c 囲い壁部
G 固定スクロールの環状溝
Claims (2)
- 平板部(26a)と、
前記平板部の第1平面から前記第1平面に垂直な方向に向かって渦巻形状を保持しながら延びる渦巻部(26b)と、
前記平板部の外周から外側に向かって延びる一対の翼部(26c)と、
前記平板部及び前記翼部の少なくとも翼部に形成され、前記第1平面に垂直な方向に貫通する貫通溝(26d)と、
前記貫通溝を跨ぐように前記渦巻部側に設けられる幌部(26e)と
を備える圧縮機のスクロール部品(26)。 - 第1平板部(26a)と、前記第1平板部の第1平面から前記第1平面に垂直な方向に向かって渦巻形状を保持しながら延びる第1渦巻部(26b)と、前記平板部の外周から外側に向かって延びる一対の翼部(26c)と、前記平板部及び前記翼部の少なくとも翼部に形成され、前記第1平面に垂直な方向に貫通する貫通溝(26d)と、前記貫通溝を跨ぐように前記渦巻部側に設けられる幌部(26e)とを有する可動スクロール(26)と、
先端部が前記幌部に収容されるように前記貫通溝に嵌め込まれるキー部(39a)を有する自転防止部材(39)と
を備えるスクロール圧縮機(1)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007072103A JP4640365B2 (ja) | 2007-03-20 | 2007-03-20 | 圧縮機のスクロール部品及びスクロール圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007072103A JP4640365B2 (ja) | 2007-03-20 | 2007-03-20 | 圧縮機のスクロール部品及びスクロール圧縮機 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010128595A Division JP5282764B2 (ja) | 2010-06-04 | 2010-06-04 | スクロール圧縮機 |
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JP2008232002A JP2008232002A (ja) | 2008-10-02 |
JP4640365B2 true JP4640365B2 (ja) | 2011-03-02 |
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Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0979148A (ja) * | 1995-09-08 | 1997-03-25 | Daikin Ind Ltd | スクロール型流体機械 |
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2007
- 2007-03-20 JP JP2007072103A patent/JP4640365B2/ja not_active Expired - Fee Related
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