JP4637709B2 - 移動端末及び移動体通信システム - Google Patents
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Description
即ち、従来の移動体通信システムでは、基地局のセル内に存在する各移動端末は、任意にデータ送信を行うことが許されている。
しかしながら、移動端末から送信されるデータの電力は、送信データの高速化に伴って大きくなり、基地局の干渉量が大きなものになっている。そのため、各移動端末が任意にデータの送信を行える方式では、基地局の干渉量が許容容量を超えて通信不能を引き起こす可能性がある。
即ち、基地局のスケジューラが、送信レートや送信電力などを各移動端末に割り当てて、複数の移動端末から同時に送信される電力が限界を超えないように、移動端末の送信を制御するようにしている。
なお、各移動端末に対する送信電力等の割り当て処理はスケジューリングと呼ばれ、ある特定の移動端末に対して、スケジューリングを担当する基地局は、当該移動端末にとってサービング基地局である。一方、スケジューリングを担当しないが、移動端末から送信されたデータを受信する基地局は非サービング基地局である。
ただし、非サービング基地局であっても、他の移動端末をスケジューリングする必要がある場合に備えて、非サービング基地局もスケジューラを実装している。基地局が特定の移動端末に対して、スケジューリングを担当するか否かが、サービング基地局と非サービング基地局を区別するものである。
基地局のスケジューラは、干渉量を考慮して、各移動端末の送信電力や送信レート等を制御することにより、各移動端末からデータが送信されることにより引き起こされる基地局の干渉量を最大許容量に近付けつつ、基地局の干渉量が限界を超えないようにする。
これにより、無線資源を有効に利用することができるため、セル内の移動端末の収容容量を増やして、移動体通信システムのスループットを高めることができる。
また、従来の移動体通信システムでは、セル内の各移動端末から同時に高速レートでデータを送信される状況を仮定して、ある程度の余裕を見込んで最大送信レートを制限していたが、スケジューラが基地局の干渉量を確実に制御することができれば、その余裕を減らして、移動端末の送信ピークレートを高めることも可能になる。
「Grantの種類」
“Grant”には、例えば、許可送信電力の初期値等を移動端末に通知する際に使用される許可送信電力の絶対値を示すAG(Absolute Grant)と、許可送信電力を微調整する際に使用される許可送信電力の相対値を示すRG(Relative Grant)との2種類が存在する。
移動端末では、基地局から“Grant”を受けることにより、現在の許可送信電力(許可最大送信電力)を把握することができる。現在の許可最大送信電力はSG(Serving Grant)と呼ばれる。“SG”は移動端末毎に異なり、各移動端末は“SG”が示す許可最大送信電力を上限にしてデータの送信電力を決定し、そのデータを基地局に送信する。
“AG”の具体的な内容として、移動端末がE−DCH(Enhanced−Dedicated Channel)と呼ばれるチャネルを利用してデータを送信する際に、サービング基地局が、許可する最大電力比(E−DPDCH/DPCCH)を“AG”として移動端末に指示するものがある。
基地局は、下り共通チャネルであるE−AGCH(E−DCH Absolute Grant Channel)を利用して、“AG”を移動端末に通知している。
移動端末は、“AG”に含まれている識別子(E−RNTI:Enhanced−Radio Network Temporary Identity)を確認することにより、自身に関する“AG”であるか否かを判断する。
“Primary E−RNTI”の識別子を含む“AG”は、“Primary AG”と呼ばれ、“Secondary E−RNTI”の識別子を含む“AG”は、“Secondary AG”と呼ばれる。
移動端末は、“AG”に含まれている識別子E−RNTIによって、自身に関する“AG”であると判断すると、基地局から受信した“Primary AG”又は“Secondary AG”にしたがって現在の許可最大送信電力SGを更新する。
“RG”は、“AG”を補足するものであり、“AG”が示す最大電力比(E−DPDCH/DPCCH)の相対値を指示するものである。
基地局は、下り個別チャネルであるE−RGCH(E−DCH Relative Grant Channel)を利用して、“RG”を移動端末に通知している。
“RG”には、移動端末の識別子(Primary E−RNTI、Secondary E−RNTI)が含まれておらず、“RG”には、サービング基地局から送信される“Serving RG”と、非サービング基地局から送信される“Non−Serving RG”がある。
“Serving RG”では、「上げる」、「現状維持(DTX)」、「下げる」の3種類を指示することができる。
サービング基地局から移動端末へ許可送信電力を指示する際に用いることができるチャネルは、上述のE−AGCHとE−RGCH(Serving RG)の2種類が存在する。サービング基地局が“Serving RG”を使用して、許可送信電力を調整する必要性としては、以下のような点が挙げられる。
E−AGCHは共通チャネルであって、他の移動端末と共有の資源であるため、E−AGCHの利用は必要最小限に抑えるべきである。その結果、[共通チャネルであるが故に]個別チャネルであるE−RGCH(Serving RG)と比較して大きい送信電力が必要なE−AGCHの利用が抑制されることになる。つまり、“Serving RG”を用いることは、無線資源の有効活用につながる。
“Non−Serving RG”では、「現状維持(DTX)」、「下げる」の2種類を指示することができる。この「下げる」の指示はDownコマンドと呼ばれる。
一方のモードである「Primary E−RNTI状態」は、MACレイヤの状態変数である“Primary_Grant_Available”が「True」であるときの状態であり、移動端末が“Primary AG”にしたがって現在の許可最大送信電力SGを更新する。
他方のモードである「Secondary E−RNTI状態」は、MACレイヤの状態変数である“Primary_Grant_Available”が「False」であるときの状態であり、移動端末が“Secondary AG”にしたがって現在の許可最大送信電力SGを更新する。
なお、「Primary E−RNTI状態」と「Secondary E−RNTI状態」とでは、「Primary E−RNTI状態」の方が、優先順位が高くなっている。
移動端末は、「Primary E−RNTI状態」であるとき、基地局から「Secondary E−RNTI状態」への遷移を指示する通知として“Primary AG”=0(シグナリングの具体例としては、例えば、“Inactive”など、HARQ送信の不活性化の通知等があげられる。また、直接的に遷移の変更を通知しなくても、間接的に遷移を指示するものとして、例えば、「Secondary E−RNTI状態」への遷移の条件の一部を構成するパラメータや条件となるものを通知するようにしてもよい。)を受信すると、「Secondary E−RNTI状態」に遷移する。
移動端末は、その後、基地局から“Secondary AG”を受信すると、“Secondary AG”にしたがって現在の許可最大送信電力SGを更新する。
ただし、「Primary E−RNTI状態」の優先順位が「Secondary E−RNTI状態」より高いため、「Primary E−RNTI状態」にあるときに、“Secondary AG”を受信しただけでは、「Secondary E−RNTI状態」には遷移しない。
移動端末は、「Secondary E−RNTI状態」であるとき、基地局から“Primary AG”(条件1の“Primary AG”以外の値)を受信すると、「Primary E−RNTI状態」に遷移する。
また、移動端末は、“Primary AG”にしたがって現在の許可最大送信電力SGを更新する。
同様に、移動端末は、「Secondary E−RNTI状態」であるとき、基地局から“Secondary AG”を受信しても、そのまま「Secondary E−RNTI状態」を維持する(条件4)。
ただし、非サービング基地局からの指示である“Non−Serving RG”は、「Primary E−RNTI状態」及び「Secondary E−RNTI状態」のどちらの場合にも有効である。
以上の説明については、下記の非特許文献1に開示されている規格化の内容である。
特許文献1には、状態遷移ができなかった場合の検出方法として、状態遷移が正しく行われたことを判断する基準として有効データの開始時点を意味するSD(Start Delimiter)と、有効データ終了時点を意味するED(End Delimiter)の受信を用いている。
しかしながら、W−CDMAなど、この“SD”や“ED”が存在しない通信システムにおいては、この検出方法では、状態遷移が正しく行われたことを検出することができず、特許文献1と別の解決方法が必要とされる(本発明の移動体通信システムでは、これら“SD”や“ED”が存在しないため、別の解決方法が必要とされる)。
即ち、非特許文献2には、本発明と同じ通信方式において、E−RNTIの状態遷移のエラー自体を防ぐ方法が開示されている。
具体的には、「Primary E−RNTI状態」から「Secondary E−RNTI状態」への状態遷移を指示する“AG=0”の送信を繰り返し行うことで、状態遷移エラーを防止することが開示されている。
しかしながら、非特許文献2に開示されている方法では、“AG=0”を繰り返し送信することによる遅延時間の発生が問題になる。また、エラー自体を減らすことができても、無線回線である以上、伝送路状態が変動することによるエラーを完全に除去することができないため、非特許文献2における繰り返し送信を実行したにも拘わらず、状態遷移エラーが発生してしまった場合には、特別な対処方法が存在しない。
図1はこの発明の実施の形態1による移動体通信システムを示す構成図であり、図において、移動端末1はユーザが使用する携帯電話やモバイルPCなどの端末であり、サービング基地局2−1,非サービング基地局2−2又はアクティブセット基地局2−3と無線通信を実施する。
サービング基地局2−1は移動端末1に対するスケジューリング機能(スケジューラの機能であり、例えば、データの送信タイミングや送信電力を制御する機能)を有しており、移動端末1から送信されるデータを受信する。
ここでの送信電力の制御は、最大送信レートの指示を目的とする移動端末1の許可送信電力の制御のことを指しており、高速クローズドループでの電力制御のことではない。
なお、サービング基地局2−1と非サービング基地局2−2を合わせて、E−DCHアクティブセットと呼ばれ、サービング基地局2−1と非サービング基地局2−2は、従来のアクティブセットに含まれている基地局から選択される。
その理由は、上りチャネルではDPCCH(Dedicated Physical Control Channel)に含まれているパイロットで同期を取っており、そのパイロットを用いて信号の位相基準を決めているため、従来のアクティブセットに含まれている基地局でなければ、E−DCHのチャネルを受信することができないからである。
アクティブセット基地局2−3は従来のアクティブセットに含まれている基地局であるが、E−DCHアクティブセットに含まれていない基地局である。
サービング基地局2−1及び非サービング基地局2−2と移動端末1が利用するE−DCH(Enhanced DCH)は、上りのデータチャネルであり、従来の上りDCHと比較して、高速のパケット通信に適している。
DCHと大きく違うE−DCHの特有の性質は、サービング基地局2−1のスケジューラによりスケジューリングされること、HARQがサポートされていることである。
この実施の形態1では、「E−DCH」を例にして説明するが、E−DCHに限るものではなく、E−DCHの性質を併せ持つチャネルであれば、他のチャネルでもよい。
なお、“AG”には、AGの対象となる移動端末1の識別子(Primary E−RNTI、Secondary E−RNTI)が含まれている。
一般に複数のセクタに分割されている基地局が存在する。“Serving RLS”(Serving Radio Link Set)は、1つの基地局が物理的に複数のセクタに分割されているときに、各々のセクタから同じE−RGCH、E−HICHを移動端末1に対して送信する“Radio Link Set”のことである。E−RGCH(Serving RG)及びE−HICHは移動端末1により合成される。これにより、“Radio Link”が1本のときと比較して、“Radio Link”が複数本のときのE−RGCH(Serving RG)及びE−HICHの信頼性が上がることになる。
一方、E−AGCHは“Radio Link”が3本含まれる“Serving RLS”であってもサービング基地局2−1から1本のみ送信される。E−AGCHが3本ではなく、1本のみ送信される理由としては、E−AGCHは共通チャネルであるが故に送信電力が比較的高いため、各々のセクタからE−AGCHを送信することは、無線資源の観点から得策でないからである。
“Radio Link”が3本含まれる“Serving RLS”の場合、E−RGCH(Serving RG)は3本送信される。E−RGCHはセクタ間で移動端末到達時点でのタイミング調整が行われ、かつ、同じ内容が送信されるので、3本のE−RGCHは、移動端末1にて合成される。
“Radio Link”が3本含まれる“Serving RLS”の場合、E−HICHは3本送信される。E−HICHはセクタ間で移動端末到達時点でのタイミング調整が行われ、かつ、同じ内容が送信されるので、3本のE−HICHは、移動端末1にて合成される。
<移動端末1の変復調に関する部分についての説明>
変調部11は各チャネルの信号を多重化して拡散してから、その拡散信号を所望の搬送波に変調する処理を実施する。
電力増幅部12は変調部11により変調された搬送波を所望の電力まで増幅する処理を実施する。
アンテナ13は電力増幅部202により増幅された搬送波である変調信号をサービング基地局2−1、非サービング基地局2−2又はアクティブセット基地局2−3に送信する一方、サービング基地局2−1、非サービング基地局2−2又はアクティブセット基地局2−3から送信された搬送波である変調信号を受信する。
低雑音増幅部14はアンテナ13より受信された微弱な変調信号を復調に必要なレベルまで増幅する処理を実施する。
復調部15は低雑音増幅部14により増幅された変調信号を逆拡散(送信元で拡散された符号と同一の符号で逆拡散)して、元のチャネルの信号に分離する処理を実施する。
制御部16は移動端末1における各部の制御を実施するとともに、データやパラメータの受け渡しを実施する。
送信バッファ17は制御部16からユーザにより入力されたデータを受けると、そのデータを一時的に保持する処理を実施する。
DPCH送信部18は送信バッファ17に保持されたデータやプロトコル処理部43から発生されたイベントなどをDCHに乗せて、そのDCHを送信する処理を実施する。
DPCH(Dedicated Phisical CHannel)はDCHを乗せるための物理レイヤの名称であり、DCHのデータに加えて、パイロット信号や電力制御コマンドなどを含む実際に送信するものをすべて含むチャネルを意味する。なお、DCHは、個別にデータのやり取りを行うチャネルであり、高速パケット通信(E−DCH)が利用される場合には、DCHは主に音声等の比較的レートの低いデータを扱うチャネルである。
送信レート制御部20はサービング基地局2−1のスケジューラの指示の下、送信バッファ17におけるデータの出力を制御する処理を実施する。また、送信レート制御部20は電力管理部19により算出された移動端末1の残りの電力とSG管理部42から出力された許可最大送信電力SG(Serving Grant:スケジューラから与えられたE−DCHの許可送信電力が反映される値)からE−TFCI(E−DCH Transport Format Combination Indicator)を算出する処理を実施する。
なお、送信側のE−DCHのトランスポートブロックサイズや変調方式に関する情報を符号化してE−TFCI(制御ビット)に乗せる処理を実施し、受信側では、このE−TFCI(制御ビット)を基にトランスポートブロックサイズや変調方式を得て復調や復号化処理を実施する。
スケジューリング要求情報作成部22は送信バッファ17から出力されたデータと、電力管理部19により算出されたE−DCHに使用できる電力とに基づいてスケジューリング要求情報を作成する処理を実施する。
エンコーダ部23は再送制御部27から出力されたRV(Redundancy Version)の情報に基づいてシステマティックビット(情報ビット)とパリティビット(誤り訂正用ビット)を混合し、その混合した結果を符号化する処理を実施する。
E−DCH送信部24は再送制御部27から出力されたRVの情報を考慮して、E−DCHを物理チャネルに乗せて送信可能な状態に設定する処理を実施する。
E−HICH受信部26はサービング基地局2−1又は非サービング基地局2−2からE−DCH受信の成功/失敗を示すACK/NACK信号を受信する処理を実施する。
再送制御部27はE−HICH受信部26により受信されたACK/NACK信号からRVとRSNを算出する処理を実施する。なお、RVはシステマティックビットとパリティビットの組み合わせを示し、RSNは再送回数を示す情報である。
CPICH受信部28は共通パイロットチャネルであるCPICHの受信処理を実施して、そのCPICHの受信レベルをプロトコル処理部43に出力する。
E−RNTI管理部29のE−RNTIモード管理部30はサービング基地局2−1による許可送信電力の現在の指定方式が個々の移動端末1毎に指定する個別指定方式(“Primary AG”または“Serving RG”で指定する方式)であるのか、複数の移動端末1に対して共通に指定する共通指定方式(“Secondary AG”で指定する方式)であるのかを管理する管理手段である。
即ち、E−RNTIモード管理部30はサービング基地局2−1により与えられている識別子E−RNTIを管理する。また、サービング基地局2−1から“Primary E−RNTI”と“Secondary E−RNTI”の双方が同時に与えられている場合には、双方の識別子と、現在のE−RNTI状態が「Primary E−RNTI状態(プライマリ状態)」であるのか、「Secondary E−RNTI状態(セカンダリ状態)」であるのかを管理し、現在のE−RNTI状態を示す情報をAG切替部36、Secondary・AG受信部34及びServing・RG受信部38に出力する。
E−AGCH受信部32のPrimary・AG受信部33はサービング基地局2−1から個別指定方式による許可送信電力の指定情報として、“Primary AG”を受信する処理を実施する。“Primary AG”の受信処理はE−RNTI状態に関わらず行われる。
E−AGCH受信部32のSecondary・AG受信部34はサービング基地局2−1から共通指定方式による許可送信電力の指定情報として、“Secondary AG”を受信する処理を実施する。“Secondary AG”の受信処理はE−RNTI状態に関わらず常に行われてもよいが、E−RNTIモード管理部30から出力される現在のE−RNTI状態を示す情報が「Secondary E−RNTI状態」であることを表しているときだけ実施するようにしてもよい。
E−AGCH受信部32のAG切替部36はE−RNTIモード管理部30から出力される現在のE−RNTI状態を示す情報が「Primary E−RNTI状態」であれば、Primary・AG受信部33により受信された“Primary AG”をSG管理部42及び電力管理部19に出力し、現在のE−RNTI状態を示す情報が「Secondary E−RNTI状態」であれば、Secondary・AG受信部34により受信された“Secondary AG”をSG管理部42及び電力管理部19に出力する。
ただし、E−RNTI遷移エラー検出部31からエラー情報が出力された場合には(サービング基地局2−1は「Primary E−RNTI状態」と認識、移動端末1は「Secondary E−RNTI状態」と認識している状況)、Primary・AG記憶部35に記憶されている“Primary AG”をSG管理部42及び電力管理部19に出力する。
E−RGCH受信部37のServing・RG受信部38はサービング基地局2−1から個別指定方式による許可送信電力の指定情報として、“Serving RG”を受信する処理を実施する。
Non−Serving・RG受信部39は非サービング基地局2−2から送信される“Non−Serving RG”を受信する処理を実施する。Non−Serving・RG受信部39はE−RGCHを受信する必要がある非サービング基地局2−2の数だけ用意される。
なお、Primary・AG受信部33、Secondary・AG受信部34、Serving・RG受信部38及びNon−Serving・RG受信部39から指定情報受信手段が構成されている。
P−CCPCH受信部41は報知情報であるP−CCPCH(Primary Common Control Physical Channel)を受信する処理を実施する。
SG管理部42はE−AGCH受信部32により受信された“AG”と、E−RGCH受信部37により受信された“RG”などに基づいて現在の許可最大送信電力SGの値を更新する処理を実施する。
なお、Primary・AG記憶部35、AG切替部36、SG管理部42、電力管理部19及び送信レート制御部20から送信電力決定手段が構成されている。
プロトコル処理部43は通信のプロトコル処理を実施する。
最初に、“Primary E−RNTI”と“Secondary E−RNTI”の使用方法について説明する。
ここでは、サービング基地局2−1から特定の移動端末1に対して、2つの識別子(Primary E−RNTI、Secondary E−RNTI)が同時に与えられた場合の使用方法の一例を説明する。
例えば、パケット通信など、バースト的(間欠的)なトラフィックで、特にピークレートが高い通信を行う場合において、“AG”を指定するときなどが考えられる。
このような場合に、個別の移動端末1に対して“AG”を指定するメリットとしては、個々の移動端末1からのスケジューリング要求であるSI(Scheduling Information)によって、サービング基地局2−1が送信電力を割り当てる際、ピーク送信に合わせたスケジューリングによって基地局の干渉量を確実に管理することができる点にある。
例えば、比較的ピークレートが低いトラフィックに対して、事前に移動端末1のグループ(セル全体でもよい)に一定量まで送信を許可しておく場合などが考えられる。
このような場合に、グループ化された移動端末1に対して“AG”を指定するメリットとしては、ピークレートが低い送信に対して、送信許可の指示を毎回行う必要がなくなる点にある。また、グループに対して1つの“AG”とすることが可能であるので、移動端末1毎に“AG”を指定する必要がなくなる点にある。即ち、下りの共通チャネルであるために、他の移動端末と共有の資源であるE−AGCHの利用を抑制することが可能になる。
図3の横軸は時間軸であるが、“A”〜“E”は、説明の便宜上付したものであり、実際の時間に比例するものでもない。
図3の縦軸は“SG”であり、これは移動端末1により管理される現在の許可最大送信電力であって、単位の一例としては、最大電力比(E−DPDCH/DPCCH)が上げられる。
A、B時点において、例えば、上りにおける大容量のパケット通信の要求が移動端末(1)〜(3)の全てにおいて存在しなかった場合を考える。
この場合、A、B時点において、サービング基地局2−1のスケジューラーは、移動端末(1)〜(3)を“Secondary E−RNTI”で制御するため、同じ“Secondary AG”を移動端末(1)〜(3)に与える。
サービング基地局2−1のスケジューラは、移動端末(3)から通知を受けると、“Primary E−RNTI”での制御に変更するため、“Secondary AG”より値が高い“Primary AG”を移動端末(3)に通知する。
これにより、移動端末(3)に管理されている“SG”の値が、他の移動端末(1)(2)に管理されている“SG”の値と比較して高い値になる。
その後、サービング基地局2−1のスケジューラが、移動端末(3)の許可送信電力の制御を“Serving RG”で行った場合(例えば、D時点では「下げる」、E時点では「上げる」)、移動端末(3)の“SG”の値のみが影響を受けて、移動端末(1)(2)の“SG”の値は影響を受けない。なぜなら、「Primary E−RNTI状態」のときのみ“Serving RG”を使用し、「Secondary E−RNTI状態」のときは、使用しないからである。
(1)“Primary E−RNTI”、“Secondary E−RNTI”を共に同じ移動端末1に個別に割り当てる。
(2)“Primary E−RNTI”をグループ化された移動端末1に共通して割り当て、“Secondary E−RNTI”を“Primary E−RNTI”とは別のグループ化された移動端末1に共通して割り当てる。
(3)“Primary E−RNTI”、“Secondary E−RNTI”を共に同じグループ化された移動端末1に共通して割り当てる。
(4)“Primary E−RNTI”をグループ化された移動端末1に共通して割り当て、“Secondary E−RNTI”を個別の移動端末1に対して割り当てる。
本発明は、上記のいずれの使用方法であっても、サービング基地局2−1における現在のE−RNTI状態「Primary E−RNTI状態」、移動端末1の現在のE−RNTI状態「Secondary E−RNTI状態」となるエラーが発生した場合に適用可能である。
上述したように、“RG”には、移動端末1の識別子(Primary E−RNTI、Secondary E−RNTI)が含まれない。そのため、移動端末1が状態遷移に失敗しているにも拘らず、サービング基地局2−1が“RG”によって許可送信電力の指示を与えると、移動端末1とサービング基地局2−1の状態遷移がずれた状態が継続する。
以下、図4を用いて、移動端末1とサービング基地局2−1の状態遷移がずれた状態が継続する例を具体的に説明する。
その後、サービング基地局2−1が「Primary E−RNTI」で移動端末1を制御するために、“Primary AG”((条件1)の“Primary AG”の値以外の値)を送信する。
しかしながら、移動端末1がE−AGCH(Primary AG)の受信に失敗すると、サービング基地局2−1では、「Secondary E−RNTI状態」から「Primary E−RNTI状態」に遷移するが、移動端末1では、「Secondary E−RNTI状態」のままとなり、状態遷移のずれが生じる(図4のC時点)。
C時点においては、サービング基地局2−1では、移動端末1が高いSG値で動作していることを前提にしてスケジューラを動作させる一方、移動端末1は低いSG値のまま送信を継続する。
この場合、移動端末1では、“Serving RG”が「Primary E−RNTI状態時」のみ有効とされているので、“Serving RG”が移動端末1に対して影響を与えない。
移動端末1は、サービング基地局2−1から“Primary AG”を受信しないので、D時点では、「Secondary E−RNTI状態」のままである。
サービング基地局2−1が“Serving RG”での制御を続けると、サービング基地局2−1では「Primary E−RNTI状態」、移動端末1では「Secondary E−RNTI状態」と認識されて、サービング基地局2−1と移動端末1の状態遷移がずれた状態が継続することになる(図4のD、E時点)。
E−RGCH受信部37のServing・RG受信部38は、サービング基地局2−1から“Serving RG”が送信されると、“Serving RG”を受信してE−RNTI遷移エラー検出部31、SG管理部42及び電力管理部19に出力する(ステップST1)。
即ち、E−RNTIモード管理部30は、前回、サービング基地局2−1から送信された“AG”に含まれている“Primary E−RNTI”または“Secondary E−RNTI”のどちらで送信されたかを認識し、現在のE−RNTI状態を認識する。
ただし、サービング基地局2−1から“Primary E−RNTI”と“Secondary E−RNTI”の双方が同時に与えられている場合には、MACレイヤの状態変数“Primary_Grant_Available”が「True」であれば、現在のE−RNTI状態が「Primary E−RNTI状態」であると認識し、MACレイヤの状態変数“Primary_Grant_Available”が「False」であれば、「Secondary E−RNTI状態」であると認識する。
Serving・RG受信部38により受信される“Serving RG”は、「Primary E−RNTI状態」のときのみ有効とされているため、現在のE−RNTI状態が「Primary E−RNTI状態」であれば、移動端末1における現在のE−RNTI状態が、サービング基地局2−1における現在のE−RNTI状態「Primary E−RNTI状態」と一致しており、状態遷移のずれが生じていないが、現在のE−RNTI状態が「Secondary E−RNTI状態」である場合、移動端末1における現在のE−RNTI状態が、サービング基地局2−1における現在のE−RNTI状態「Primary E−RNTI状態」と相違しているため、状態遷移エラーの発生を検出する。
また、AG切替部36は、E−RNTIモード管理部30により認識されている現在のE−RNTI状態が「Primary E−RNTI状態」であるとき、Primary・AG受信部33が“Primary AG”を受信すると、“Primary AG”をSG管理部42及び電力管理部19に出力する。
SG=AG+Δ
あるいは、
SG=SG+Δ
ただし、Δは、RGによって決まるステップ幅である。Δは負の場合もある。
E−AGCH受信部32のAG切替部36は、E−RNTI遷移エラー検出部31からエラー情報を受け、E−RNTIモード管理部30から現在のE−RNTI状態を示す情報を受けると、Primary・AG記憶部35に記憶されている“Primary AG”(Primary・AG受信部33により前回受信された“Primary AG”)をSG管理部42及び電力管理部19に出力する。
SG=AG
送信レート制御部20は、サービング基地局2−1のスケジューラの指示の下、送信バッファ17におけるデータの出力を制御する処理を実施する。
また、送信レート制御部20は、SG管理部42から出力された許可最大送信電力SGを上回らない範囲内でデータの送信電力を決定する処理を実施する。
即ち、電力管理部19により算出された移動端末1の残りの電力と、SG管理部42から出力された許可最大送信電力SGからE−TFCI(E−DCH Transport Format Combination Indicator)を算出する処理を実施する。
なお、電力管理部19、送信レート制御部20及びE−DPCCH送信部25の処理内容は、例えば、非特許文献1に開示されている内容と同様であるため詳細な説明を省略する。
(条件1)から(条件4)までは上述の通りであるので説明を省略するが、この実施の形態1のエラー検出処理によって(条件5)が加えられる形となる。
(条件5)としては、移動端末1が「Secondary E−RNTI状態」であるときに、“Serving RG”を受信することによるエラー処理として、「Primary E−RNTI状態」に遷移するというものである。
仮に、このエラー検出方法を利用することができない場合は、移動端末1におけるE−AGCH(AG)の受信エラーを防ぐために、過剰なE−AGCH(AG)の送信電力がサービング基地局2−1で必要となる。
もしくは、“Serving RG”の連続利用が制限されてしまうため、Grant(許可送信電力)の変化が少ない場合は、サービング基地局2−1において、シグナリングのための無線資源の消費が大きい“AG”をなるべく使わず、必要最小のシグナリングで済ますという本来の“RG”の利点を損うことになる。
上記実施の形態1では、図4のステップST1,ST2の処理内容がエラー検出処理であるものについて示したが、ステップST1,ST2の処理順序は問わず、同時であってもよい。
また、ステップST1,ST2のエラー検出処理において、E−RNTI遷移エラー検出部31が状態遷移エラーを検出しても、Non−Serving・RG受信部39により“Non−Serving RG”が受信された場合、ステップST4の処理に移行せずに、“Non−Serving RG”の指示に従うようにしてもよい。
その理由は、“Non−Serving RG”は非サービング基地局2−2の干渉マージンが逼迫された場合に非サービング基地局2−2から送信される信号であって、“Serving RG”よりも優先順位が高い信号だからである。
また、エラー復旧処理として、ステップST4,ST5と別の処理であってもよい。
例えば、(1)「Primary E−RNTI状態」の状態遷移エラーを検出した以降、“Secondary AG”を無視する処理。(2)E−DCHの送信をストップさせるなどの処理でもよい。
このため、図4のエラー検出処理(ステップST1)を用いる場合と、用いない場合を設けてもよい。
図4のエラー検出処理(ステップST1)を用いるか否かは、下りの伝送路の品質に基づいて判断するのがよい。その判断として使用することができる基準としては、以下のようなものが考えられる。
その判断を移動端末1が行う場合には、パスロス(移動端末1で測定したCPICH受信レベルと、実際に基地局が送信しているCPICH送信レベルの差分)などが考えられる。
また、その判断をサービング基地局2−1が行う場合には、移動端末1から下りの伝送路の品質として通知され、基地局が把握しているものとして、パスロス、CQI(Channel Quality Indicator)などが考えられる。
先に説明した通り、移動端末1において複数の“Radio Link”が含まれる“Serving RLS”のE−RGCHは合成することができるが、E−AGCHは複数の“Radio Link”が含まれる“Serving RLS”であっても、サービング基地局2−1からは1本のみの送信であるために合成できない。つまり、“Serving RLS”に複数の“Radio Link”が含まれることにより、“Serving Radio Link”が1本のときと比較して“AG”の誤り率は同じであるが、“Serving RG”の誤り率は低くなる。
言い換えると、状態遷移エラー(E−AGCHの受信エラー)が発生する確率は“Serving Radio Link”が1本の場合と同じであるが、“Serving RG”の品質は高くなる。このため、“Serving Radio Link”が1本の場合には、上記実施の形態1のエラー検出処理(ステップST1)を用いず、“Serving RLS”に複数の“Radio Link”が含まれている場合には、そのエラー検出処理(ステップST1)を用いるという判断をすることは、そのエラー検出処理(ステップST1)を用いる上で特に有効であると考えられる。
上記実施の形態1では、図4のステップST5の処理内容がエラー復旧処理であるものについて示したが、この実施の形態3では、このエラー復旧処理を改良した内容について説明する。
上記実施の形態1では、特に言及していないが、エラー復旧後の送信開始においては注意が必要である。その理由は、サービング基地局2−1が状態遷移した後、スケジューラの指示が正しく移動端末1に伝えられておらず、スケジューラが意図しない干渉を引き起こす可能性があるからである。
Primary・AG記憶部35は、「Primary E−RNTI状態」の遷移エラーから復旧する際に“Primary AG”として、“SG”へ設定する値(エラー回復時の“Primary AG”)を記憶するようにする。
第1の設定方法としては、通信により基地局側から設定可能な通知手段を利用するものである。
設定可能とする利点としては、サービング基地局2−1や基地局制御装置が現在の干渉量を把握しており、その把握状況から許容できるエラー回復時の“Primary AG”を移動端末1に指定することができる点である。
これにより、比較的高い“SG”の値からエラー回復の送信が可能になる。
基地局からエラー回復時の“Primary AG”の具体的な通知方法としては、上位レイヤプロトコル(例えば、無線資源管理 RRC(Radio Resouce Control))などが考えられる。特に、基地局制御装置がエラー回復時の“Primary AG”を管理する場合は、同じく基地局制御装置が管理している無線資源管理のプロトコルを利用するこの方法が適切である。
具体的な設定としては、エラー回復時の“Primary AG”を各移動端末1に共通の値、もしくは、移動端末1毎に固有の値として、干渉量が問題とならない程度の低い値とするなどが考えられる。
具体的な設定値として適しているものとしては、例えば、AG=0、もしくは、最低の保証レートである“E−DCH Minimum Set”、もしくは、送信を許可する最大電力比(E−DPDCH/DPCCH)の最小値である“Minimum Grant”などが考えられる。
“E−DCH Minimum Set”は、移動端末1の電力の状態に関わらず送信を許可するデータの組み合わせ(その結果、データ量となる)を示しており、帯域保証等に利用可能なものである。
“Minimum Grant”は、例えば、“Primary AG”の“Grant”を最低とした場合に、移動端末1内の“SG”へ設定される値である。
例えば、第1の設定方法では、シグナリングの信頼性の確保が必要であり、特に共通“AG”を用いる場合は、基地局の送信電力を増加してエラー回避するなどの処置を施すことが必要となるが、第2の方法では、通信を行わないためエラーの発生があり得ない。
もう1つの利点としては、低い値からスタートすることで、サービング基地局2−1のスケジューラが期待した値と、移動端末1が実際に送信してくる送信電力との差が大きいために、移動端末1のエラー復旧を検知して、“AG”の再送信の判断材料に使うことができるという点である。
第1の設定方法では、比較的高い“SG”の値が指定されてしまうと、正しく“AG”を受信した動作であるのか、エラー回復処理によるエラー回復時の“Primary AG”によって送信されているのかが、サービング基地局2−1のスケジューラでは区別がつき難い問題があるが、第2の設定方法では、そのような問題がない。
第2の設定方法では、安全性を考えて初期値を低めに設定せざるを得ないが、このスロースタートの動作は、その問題を補うことができる。
ただし、E−RNTI遷移エラー検出部31により状態遷移エラー(サービング基地局2−1は「Primary E−RNTI状態」、移動端末1は「Secondary E−RNTI状態」)が検出された場合には、Primary・AG記憶部35に記憶されているエラー回復時の“Primary AG”をSG管理及び電力管理部19に出力する。
Claims (12)
- 基地局による許可送信電力の現在の指定方式が端末毎に指定する個別指定方式であるのか、複数の端末に対して共通に指定する共通指定方式であるのかを管理する管理手段と、上記基地局から個別指定方式による許可送信電力の指定情報又は共通指定方式による許可送信電力の指定情報を受信する指定情報受信手段と、上記指定情報受信手段により受信された指定情報が示す許可送信電力を現在の許可最大送信電力として記憶し、その許可最大送信電力を上回らない範囲内でデータの送信電力を決定する送信電力決定手段と、上記指定情報受信手段により個別指定方式による許可送信電力の指定情報が受信されたとき、上記管理手段により管理されている現在の指定方式が共通指定方式である場合、上記基地局により管理されている指定方式と相違が生じている状態遷移エラーの発生を検出するエラー検出手段とを備えた移動端末。
- 管理手段は、エラー検出手段により状態遷移エラーの発生が検出されると、現在の指定方式を共通指定方式から個別指定方式に切り替えることを特徴とする請求項1記載の移動端末。
- 送信電力決定手段は、管理手段により現在の指定方式が共通指定方式から個別指定方式に切り替えられると、現在の許可最大送信電力を変更することを特徴とする請求項2記載の移動端末。
- 送信電力決定手段は、指定情報受信手段により以前受信された個別指定方式による許可送信電力の指定情報を記憶し、管理手段により現在の指定方式が共通指定方式から個別指定方式に切り替えられると、現在の許可最大送信電力を上記指定情報が示す許可送信電力に変更することを特徴とする請求項3記載の移動端末。
- 送信電力決定手段は、管理手段により現在の指定方式が個別指定方式から共通指定方式に切り替えられる場合、現在の指定方式が切り替えられる直前の個別指定方式による許可送信電力の指定情報を記憶することを特徴とする請求項4記載の移動端末。
- 送信電力決定手段は、エラー検出手段による状態遷移エラーの発生の検出が解除されたのち、基地局から個別指定方式による許可送信電力の指定情報を受信し、現在の許可最大送信電力を上記指定情報が示す許可送信電力に変更することを特徴とする請求項3記載の移動端末。
- 送信電力決定手段は、管理手段により現在の指定方式が共通指定方式から個別指定方式に切り替えられると、現在の許可最大送信電力を予め設定された許可送信電力に変更することを特徴とする請求項3記載の移動端末。
- 基地局による送信電力の制御状態がプライマリ状態であるのか、セカンダリ状態であるのかを管理する管理手段と、上記基地局から許可送信電力の指定情報を受信する指定情報受信手段と、上記指定情報受信手段により受信された指定情報が示す許可送信電力を現在の許可最大送信電力として記憶し、その許可最大送信電力を上回らない範囲内でデータの送信電力を決定する送信電力決定手段と、上記指定情報受信手段により受信された指定情報が現在の許可最大送信電力に対する相対値を表しているとき、上記管理手段により管理されている現在の制御状態がセカンダリ状態である場合、上記基地局により管理されている制御状態と相違が生じている状態遷移エラーの発生を検出するエラー検出手段とを備えた移動端末。
- 許可送信電力を指定する基地局と、上記基地局により指定された許可送信電力を上回らない範囲内でデータの送信電力を決定し、そのデータを上記基地局に送信する移動端末とを備えた移動体通信システムにおいて、上記移動端末が、上記基地局による許可送信電力の現在の指定方式が端末毎に指定する個別指定方式であるのか、複数の端末に対して共通に指定する共通指定方式であるのかを管理する管理手段と、上記基地局から個別指定方式による許可送信電力の指定情報又は共通指定方式による許可送信電力の指定情報を受信する指定情報受信手段と、上記指定情報受信手段により受信された指定情報が示す許可送信電力を現在の許可最大送信電力として記憶し、その許可最大送信電力を上回らない範囲内でデータの送信電力を決定する送信電力決定手段と、上記指定情報受信手段により個別指定方式による許可送信電力の指定情報が受信されたとき、上記管理手段により管理されている現在の指定方式が共通指定方式である場合、上記基地局により管理されている指定方式と相違が生じている状態遷移エラーの発生を検出するエラー検出手段とを備えていることを特徴とする移動体通信システム。
- 管理手段は、エラー検出手段により状態遷移エラーの発生が検出されると、現在の指定方式を共通指定方式から個別指定方式に切り替えることを特徴とする請求項9記載の移動体通信システム。
- 送信電力決定手段は、管理手段により現在の指定方式が共通指定方式から個別指定方式に切り替えられると、現在の許可最大送信電力を変更することを特徴とする請求項10記載の移動体通信システム。
- 許可送信電力を指定する基地局と、上記基地局により指定された許可送信電力を上回らない範囲内でデータの送信電力を決定し、そのデータを上記基地局に送信する移動端末とを備えた移動体通信システムにおいて、上記移動端末が、上記基地局による送信電力の制御状態がプライマリ状態であるのか、セカンダリ状態であるのかを管理する管理手段と、上記基地局から許可送信電力の指定情報を受信する指定情報受信手段と、上記指定情報受信手段により受信された指定情報が示す許可送信電力を現在の許可最大送信電力として記憶し、その許可最大送信電力を上回らない範囲内でデータの送信電力を決定する送信電力決定手段と、上記指定情報受信手段により受信された指定情報が現在の許可最大送信電力に対する相対値を表しているとき、上記管理手段により管理されている現在の制御状態がセカンダリ状態である場合、上記基地局により管理されている制御状態と相違が生じている状態遷移エラーの発生を検出するエラー検出手段とを備えていることを特徴とする移動体通信システム。
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