JP4637037B2 - Seismic isolation device - Google Patents
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Description
本発明は、被支持体側と支持体側との間に設置する免震装置に関する。より詳しくは、免震作用と共に被支持体側の上部構造物に派生するヨーイング現象を防止して、より安定した免震作用を得られるように改良した免震装置に関する。 The present invention relates to a seismic isolation device installed between a supported body side and a support body side. More specifically, the present invention relates to an improved seismic isolation device that prevents a yawing phenomenon derived from an upper structure on the supported body side together with the seismic isolation function, and obtains a more stable seismic isolation function.
案内レールに沿って直線軌道上を転動するように構成された球体やローラあるいは車輪などの転動体を用いた転がり系の免震装置は、従来から広く知られている。この案内レールに沿って直線軌道上を転動する転動体を用いた免震装置の場合には、その免震作用に方向性が存在するため、それらの案内レールと転動体との組合わせからなる免震ユニットを互いに直交する状態に配設することにより、あらゆる方向の外力に対して対応できるように構成することも、従来から広く知られている(特許文献1、特許文献2参照)。
図13は免震建築物を例示した概略正面図であり、図14はその免震装置の配置状態を示した概略平面図である。図示のように、本例の免震建築物101の場合には、2階部分102が中心からずれているため、免震建築物101全体の重心Gの位置は、本例では4つの免震ユニット103a〜dにより形成される全体の免震装置によって支える免震建築物101に対する支持中心Cとは一致しない。したがって、例えば図14に示したように地震力等の外力Fが作用した場合には、免震建築物101側には支持体側の支持中心Cに対して偏心している重心Gに外力が作用することになることから、免震建築物101に対して前記支持中心Cを支点とした回転モーメントが作用することになる。その結果、上部構造物としての免震建築物101は、前記支持中心Cを通る垂直軸回りに回動し、いわゆるヨーイング現象が生起することになる。
FIG. 13 is a schematic front view illustrating a base-isolated building, and FIG. 14 is a schematic plan view illustrating an arrangement state of the base isolation device. As shown in the figure, in the case of the base-isolated
ところで、前記従来技術の場合には免震ユニットを互いに直交する状態に配設したことから、あらゆる方向の外力に対して対応できるものの、上述のヨーイング現象に対する防止対策に関しては十分ではなかった。そこで、平行に対向設置した案内レールに対してそれぞれ2個一組の車輪からなる転動体を配設するとともに、それらの各車輪にフランジを設けることにより、軌道拘束性を高めてヨーイング現象を防止しようというものも提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、この従来技術の場合には、構造が複雑でコスト高の要因になるだけでなく、適用し得る形態が限られてしまうため、適用上の自由度が狭められてしまうという技術的難点があった。
本発明は、以上のような従来の技術的状況に鑑みて開発したもので、より簡単な構成によってヨーイング現象を的確に防止できる免震装置を提供し、延いてはコストの削減や、適用上の自由度の拡大にも資することを目的とする。 The present invention has been developed in view of the above-described conventional technical situation, and provides a seismic isolation device that can accurately prevent yawing phenomenon with a simpler configuration, thereby reducing the cost and application. The purpose is to contribute to the expansion of the degree of freedom.
前記課題を解決するため、請求項1の発明では、少なくとも平面視において直線的な案内機能を有するV字状に対向した傾斜面からなる案内溝をそれぞれ備えた下部案内レール及び上部案内レールと、それらの上下の案内レールの前記案内溝に互いに離間した状態に係合して前記傾斜面上を転動する2個以上の球体からなる転動体を備えてなる免震ユニットを十字状に直交した状態に配設し、かつ、それらの免震ユニットの交差部が常に下方の免震ユニットを構成する互いに離間した2個の転動体の間に位置するように構成し、離間した転動体を介して作用する、上下の案内レール相互間の水平方向の相対的な回動に対する抑制作用により、上部構造物のヨーイング現象を抑制するという技術手段を採用した。因みに、請求項1の発明では、上方から見た平面視において直線的な案内機能を有する対向した傾斜面からなる案内溝を備えた下部案内レール及び上部案内レールを対象としたものであり、下部案内レール及び上部案内レールが復帰機能のために上下方向の変位を含む場合も含まれる。要は、平面視において直線的な案内機能を有する下部案内レールと上部案内レールの前記案内溝に離間した状態で係合して前記傾斜面上を転動する2個以上の球体からなる転動体に基づく両案内レールに対する楔的な軌道拘束力によって、上下の案内レール相互間の水平方向の相対的な回動を抑制し、上部構造物のヨーイング現象を抑制するものであればよい。なお、前記上下の各案内レールは、それぞれ直線上に配設した2本以上のレール部材を使用して構成することも可能である(請求項2)。
In order to solve the above problems, in the invention of
本発明によれば、次の効果を得ることができる。
(1)直線的な案内機能を有する上下の案内レールの対向した傾斜面からなる案内溝に2個以上の球体からなる転動体を互いに離間した状態に係合するというきわめて簡便な構成により、上部構造物のヨーイング現象を的確に抑制することが可能な、より簡素な構造で免震性能のよい免震装置を提供できる。
(2)構成がきわめて簡便なことから、コストの削減が可能であるとともに、適用上の自由度の拡大に有効である。
(3)上下の免震ユニットの交差部が常に下方の免震ユニットを構成する離間した2個の転動体の間に位置するように構成したので、上部構造物の荷重が常に離間した2個の転動体の間に作用し、装置の転倒が回避されるとともに、案内レールの固定部材に対する過大な引抜き力が解消され、より安定した免震性能を得ることができる。
According to the present invention, the following effects can be obtained.
(1) The upper part of the upper and lower guide rails having a linear guide function are engaged with a guide groove formed of opposed inclined surfaces by engaging two or more rolling elements separated from each other in a separated state. It is possible to provide a seismic isolation device with a simple structure and good seismic isolation performance that can accurately suppress the yawing phenomenon of a structure.
(2) Since the configuration is extremely simple, it is possible to reduce costs and to increase the degree of freedom in application.
(3) Since the intersection of the upper and lower seismic isolation unit is always configured so as to be positioned between the two rolling elements spaced constituting the seismic isolation unit of the lower two of the load of the upper structure is always spaced Acting between the rolling elements, the apparatus can be prevented from overturning, and the excessive pulling force with respect to the fixing member of the guide rail is eliminated, so that more stable seismic isolation performance can be obtained.
本発明に係る免震装置は、支持体側である地盤等の下部構造物側と被支持体側である躯体等の上部構造物側との間に設置して各種の建造物用の免震装置として広く適用することが可能である。場合に応じ、躯体の中間に設置することも可能である。さらに、例えばコンピュータ室のように既存あるいは新設の建造物の一室の床部の下方に設置して、当該室内のハードウェア機器等を保護する場合や、既存あるいは新設の建造物の内部に設置する展示物支持用の上部構造物と床部との間に設置して、美術品等の当該展示物を保護する場合などにも広く適用することが可能である。前記転動体としては球体が使用される。また、案内レールに関しては、断面形状がV字状などの対向した傾斜面からなる溝部に沿って転動体を直線的に案内する形態のものが使用される。要は、少なくとも上面から見た平面視において直線的な案内機能を有する対向した傾斜面からなる案内溝を備えた案内レールと、その案内レールによって直線的に案内され、前記傾斜面上を転動する球体からなる転動体の組合わせであれば、適宜の形態の採用が可能である。また、上下の各案内レールは、上下それぞれ1本の連続したレール部材から構成したものでもよいし、直線上に配設した2本以上のレール部材を使用して構成したものでもよい。 The seismic isolation device according to the present invention is installed between the lower structure side such as the ground which is the support side and the upper structure side such as the case which is the supported body side as a seismic isolation device for various buildings. It can be widely applied. Depending on the case, it can be installed in the middle of the housing. In addition, for example, when installed under the floor of a room in an existing or new building such as a computer room to protect hardware equipment in the room, or installed in an existing or new building The present invention can be widely applied to the case where it is installed between a superstructure for supporting an exhibit to be displayed and a floor portion to protect the exhibit such as a work of art. A spherical body is used as the rolling element. In addition, as for the guide rail, a configuration is used in which the rolling element is linearly guided along grooves formed by inclined surfaces facing each other such as a V-shaped cross section. In short, at least a guide rail provided with guide grooves made of opposed inclined surfaces having a linear guide function in a plan view as viewed from above, and linearly guided by the guide rails and rolled on the inclined surfaces if a combination of rolling elements consisting to that sphere, it is possible to employ the appropriate form. Each of the upper and lower guide rails may be constituted by one continuous rail member on the upper and lower sides, or may be constituted by using two or more rail members arranged on a straight line.
以下、図面に基づいて本発明の実施例に関して説明する。図1及び図2は本発明の第1実施例を示したもので、図1はその設置状態を示した正面図、図2は免震装置の部分を示した平面図である。図中1は本実施例に係る免震装置1で、下部構造物2と上部構造物3との間に設置され、それらの下部構造物2と上部構造物3との間を絶縁して免震機能を奏することになる。図示のように、本実施例に係る免震装置1は、十字状の平板からなる中間部材4を挟んで、その十字状の下面及び上面に沿って、それぞれ2個ずつ直線上に配列させた免震ユニット5,6と、免震ユニット7,8とを直交した状態に配設することにより構成される。図3〜図5は免震ユニット5〜8の要部の構成を拡大して示したものであり、図3はその正面図、図4は側面図、図5はA−A断面図である。図示のように、免震ユニット5〜8は、それぞれ本実施例ではV字状の溝部を備えた下部レール部材9及び上部レール部材10と、それらの上下のレール部材9,10の間に配設され、V字状の溝部に沿って直線的に案内される転動体としての球体11との組合わせから構成される。しかして、本実施例の場合においては、中間部材4の下部に直線上に配設された前記免震ユニット5と免震ユニット6のそれぞれの構成要素である2本の下部レール部材9の組合わせによって、直線的な案内機能を有する下部案内レールが構成され、同様にそれらの免震ユニット5と免震ユニット6のそれぞれの構成要素である2本の上部レール部材10の組合わせによって、直線的な案内機能を有する上部案内レールが構成されることになる。また、免震ユニット5と免震ユニット6のそれぞれの構成要素である2個の球体11によって、互いに離間した2個の転動体が構成されることになる。同様に、中間部材4の上部に直線上に配設された前記免震ユニット7と免震ユニット8のそれぞれの構成要素である2本の下部レール部材9の組合わせによって、直交状態に配設された他方の下部案内レールが構成され、それらの免震ユニット7と免震ユニット8のそれぞれの構成要素である2本の上部レール部材10の組合わせによって、他方の上部案内レールが構成されるとともに、免震ユニット7と免震ユニット8のそれぞれの構成要素である2個の球体11によって、互いに離間した2個の転動体が構成されることになる。
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. 1 and 2 show a first embodiment of the present invention. FIG. 1 is a front view showing the installation state, and FIG. 2 is a plan view showing a part of the seismic isolation device. In the figure,
次に、前記第1実施例に係る免震装置1の免震動作に関して説明する。図6はその免震装置1の動作状態を示した動作説明図である。図示のように、上部構造物3に対して水平方向の外力Fが作用した場合には、前記免震ユニット5と免震ユニット6の球体11がそれぞれ上下のレール部材9,10のV字状の溝部に係合しながら直線的に転動し、上部構造物3が下部構造物2に対して水平方向に相対的に移動することになる。ところで、この相対的な移動に際して、前述のように、上部構造物3の重心Gとその上部構造物3を支持する各免震装置1によって構成される支持体側の支持中心Cとの間に位置ずれがある場合には、上部構造物3のヨーイング現象の原因となる回転モーメントが作用することになるが、本実施例の場合には、球体11同士が互いに離間した状態で上下のレール部材9,10のV字状の溝部に係合していることから、前記回転モーメントに対抗してヨーイング現象の発生を抑制することになる。すなわち、互いに離間した球体11による軌道拘束力に基づいて、直線上に配設された2本の下部レール部材9の組合わせからなる下部案内レールと、直線上に配設された2本の上部レール部材10の組合わせからなる上部案内レールとの位置関係が確実に保持され、それらの下部案内レールと上部案内レールとの間の水平方向の回動が的確に抑制されるので、きわめて簡便な構成に拘らず、上部構造物3のヨーイング現象を的確に解消することが可能である。因みに、以上の場合には、免震ユニット5〜8においてヨーイング現象に対する同様の抑制機能を奏する。さらに、図示のように、下方の免震ユニット5,6と上方の免震ユニット7,8との交差部が常に下方の免震ユニット5,6を構成する離間した2個の球体11の間に位置するので、上部構造物3の荷重が常にそれらの離間した転動体としての2個の球体11の間に作用し、免震装置1の転倒が回避されるとともに、案内レールを構成する下部レール部材9の固定部材に対する過大な引抜き力が解消され、より安定した免震性能を得ることができる。
Next, the seismic isolation operation of the
図7及び図8は本発明の第2実施例を示したもので、図7はその設置状態を示した正面図、図8は免震装置の部分を示した平面図である。本実施例に係る免震装置12は、前記免震ユニット5〜8と同様の免震ユニットを使用し、それらの免震ユニット5,6を構成するそれぞれの下部レール部材9の端部相互間と上部レール部材10の端部相互間を連結部材13,14により連結して下部案内レールと上部案内レールを構成するとともに、免震ユニット7,8に関しても同様に連結することにより下部案内レールと上部案内レールを構成したものであり、さらにそれらを図示のように直交状態に配設して十字状に結合することにより、前記第1実施例と同様の機能を奏するように構成したものである。なお、本実施例では、上下の案内レールを直交状態に配設する際に、中間部材は用いずに直接的に結合する場合を示した。因みに、場合に応じて下部レール部材9や上部レール部材10の長さを調整し得ることはいうまでもない。
7 and 8 show a second embodiment of the present invention. FIG. 7 is a front view showing the installation state, and FIG. 8 is a plan view showing a part of the seismic isolation device. The
図9及び図10は本発明の第3実施例を示したもので、図9はその設置状態を示した正面図、図10は免震装置の部分を示した平面図である。本実施例に係る免震装置15は、1本の長尺のレール部材からなる下部案内レール16と上部案内レール17との組合わせを採用し、それらの下部案内レール16と上部案内レール17との間に互いに離間した状態に転動体としての球体18を2個以上配設することにより、下部免震ユニット19と上部免震ユニット20を構成し、図示のようにそれらの下部免震ユニット19と上部免震ユニット20とを直交状態に配設して十字状に結合することにより、前記第1実施例と同様の機能を奏するように構成したものである。すなわち、前記第1実施例及び第2実施例では、2個の球体11を支持案内するための案内レールを、直線上に配設された2組の免震ユニットのそれぞれの構成要素である2本の上下レール部材を組合わせて用いることにより構成した場合を示したが、本実施例は、長尺の上下レール部材からなる1組の免震ユニットを用い、1本のレール部材からなる案内レールによって2個の球体18を同時に支持案内し得るように構成した場合を示したものである。
9 and 10 show a third embodiment of the present invention. FIG. 9 is a front view showing the installation state, and FIG. 10 is a plan view showing a part of the seismic isolation device. The
なお、図11は前記第3実施例の変形例の設置状態を示した正面図であり、前記下部案内レール16と上部案内レール17の中央部と両端部に係止部21〜23を設けて球体18の移動範囲を規制するように構成し、もって上下の免震ユニット19,20の交差部を常に下方の免震ユニット19を構成する離間した転動体としての2個の球体18の間に位置せしめて、前記免震装置15の転倒を回避し得るように構成したものである。因みに、この係止部に関しては、2個の球体18の間の中央部に設置した係止部21だけでも、それらの球体18の移動範囲を規制する上で有効である。また、本変形例は前記第2実施例にも有効に適用できる。
FIG. 11 is a front view showing an installation state of a modified example of the third embodiment. Locking
図12は本発明を適用した実用上の実施例を示した斜視図であり、前記第2実施例の基本的な構成を適用したものである。図示のように、本実施例に係る免震装置24は、十字状のフレームからなる中間部材25を挟んで、その中間部材25の下部に2個の免震ユニット26,27を連結した状態に設置するとともに、上部に2個の免震ユニット28,29を連結した状態に設置することにより構成したものである。なお、図中30は転動体としての球体を示したものである。
FIG. 12 is a perspective view showing a practical embodiment to which the present invention is applied, in which the basic configuration of the second embodiment is applied. As shown in the drawing, the
1…免震装置、2…下部構造物、3…上部構造物、4…中間部材、5〜8…免震ユニット、9…下部レール部材、10…上部レール部材、11…球体、12…免震装置、13,14…連結部材、15…免震装置、16…下部案内レール、17…上部案内レール、18…球体、19…下部免震ユニット、20…上部免震ユニット、21〜23…係止部、24…免震装置、25…中間部材、26〜29…免震ユニット、30…球体
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Claims (2)
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JP2007239762A JP2007239762A (en) | 2007-09-20 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015113867A (en) * | 2013-12-09 | 2015-06-22 | 特許機器株式会社 | Base isolation structure |
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2006
- 2006-03-05 JP JP2006058783A patent/JP4637037B2/en active Active
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