JP4636989B2 - 遅延解析装置、遅延解析方法、遅延解析プログラム、および記録媒体 - Google Patents

遅延解析装置、遅延解析方法、遅延解析プログラム、および記録媒体 Download PDF

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Description

この発明は、設計対象回路の遅延を解析する遅延解析装置、遅延解析方法、遅延解析プログラム、および記録媒体に関する。
近年、半導体の高速化(高周波動作化)に伴い、回路内における信号伝搬時間の精度は非常に重要視されてきている。しかし、回路特有の問題や製造上の問題、あるいは劣化などにより、特定箇所において不良動作を誘発させるほどの遅延時間が発生することがあり、これらのケースにおいて恒久的な対策を行うためには不良発生原因を究明し、設計上または製造段階による対策を講じる必要がある。
たとえば、従来の解析方法では、スキャン設計された回路では、遅延故障試験もスキャン試験で実施しているため、フェイル値からエラー信号を取り込んだフリップフロップを特定することができるようになっている。そのため、フェイル値により特定されたフリップフロップから前段に位置するフリップフロップ間で活性化している経路を、トレースと検証とを繰り返しながら調査していた(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
特開2004−85333号公報
しかしながら、上述した特許文献1の従来技術では、データセット時に活性化しているフリップフロップ間の経路中に遅延故障経路があることは分かっても、その区間に存在する組み合わせ回路の規模によっては、解析時間が膨大になるという問題があった。一方解析処理をユーザの経験に委ねると、ユーザの経験や熟練度によって、解析内容にバラツキが生じ、解析精度や解析に対する信頼性が低下するという問題があった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、解析時間の短縮化を図りつつ、解析精度の向上を図ることができる遅延解析装置、遅延解析方法、遅延解析プログラム、および記録媒体を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる遅延解析装置、遅延解析方法、遅延解析プログラム、および記録媒体は、設計対象回路の試験により得られる遅延信号の取込先の中から任意の取込先を抽出し、抽出された取込先に至る経路中の出力分岐点を前記取込先から追跡し、追跡された出力分岐点に基づいて、前記設計対象回路内の故障推定箇所を決定し、決定された決定結果を出力することを特徴とする。
また、上記発明において、前記出力分岐点から前記取込先までの経路を前記故障推定箇所に決定することとしてもよい。また、上記発明において、前記出力分岐点から前の経路を非故障箇所に決定することとしてもよい。また、上記発明において、前記出力分岐点の前段に配置されている出力分岐元からの追跡をおこなわないこととしてもよい。
また、上記発明において、前記取込先が複数抽出された場合、前記各取込先から前記出力分岐点が出現するまでの経路を、非故障箇所に決定することとしてもよい。また、上記発明において、前記取込先が複数抽出された場合、前記出力分岐点から前記複数の取込先に繋がっているか否かを判定し、判定結果に基づいて、前記故障推定箇所を決定することとしてもよい。
また、上記発明において、前記出力分岐点が前記複数の取込先すべてに繋がっていないと判定された場合、前記出力分岐点から当該出力分岐点に繋がっている取込先までの経路を、前記非故障箇所に決定することとしてもよい。また、上記発明において、前記出力分岐点が前記複数の取込先すべてに繋がっていないと判定された場合、前記出力分岐点から前の経路を、前記非故障箇所に決定することとしてもよい。
また、上記発明において、前記出力分岐点の前段に配置されている出力分岐元からの追跡をおこなわないこととしてもよい。また、上記発明において、前記出力分岐点が前記複数の取込先すべてに繋がっていると判定された場合、前記出力分岐点と当該出力分岐点の出力分岐元との間の経路を、前記故障推定箇所に決定することとしてもよい。
また、上記発明において、前記取込先が前記遅延信号を取り込む前の、前記故障推定箇所中に存在するセルの端子の信号遷移をあらわすフェイルアドレスに基づいて、前記信号遷移があった端子を検出し、検出結果に基づいて、前記故障推定箇所の中から故障箇所を特定し、特定された故障箇所を出力することとしてもよい。
また、上記発明において、前記取込先が前記遅延信号を取り込む前の、前記故障推定箇所中に存在するセルの端子の信号遷移をあらわす複数のフェイルアドレスに基づいて、前記セルの端子の中から、前記全フェイルアドレスにおいて信号遷移が同一となる端子を検出し、検出結果に基づいて、前記故障推定箇所の中から故障箇所を特定し、特定された故障箇所を出力することとしてもよい。
また、上記発明において、前記取込先の出力期待値と前記設計対象回路の試験結果により得られる前記取込先の出力値との比較結果と、前記故障推定箇所に擬似遅延信号を与える擬似遅延故障シミュレーションの結果との一致性を判断し、判断結果に基づいて、前記故障推定箇所の中から前記故障箇所を特定することとしてもよい。
また、上記発明において、前記故障推定箇所のうち、前記比較結果と完全一致する擬似遅延故障シミュレーションの結果が得られた経路を、前記故障箇所に特定することとしてもよい。
また、上記発明において、前記故障推定箇所のうち、前記比較結果と一部一致する擬似遅延故障シミュレーションの結果が得られた経路に接続されているセル内部を、前記故障箇所に特定することとしてもよい。
本発明にかかる遅延解析装置、遅延解析方法、遅延解析プログラム、および記録媒体によれば、解析時間の短縮化を図りつつ、解析精度の向上を図ることができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる遅延解析装置、遅延解析方法、遅延解析プログラム、および記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(遅延解析装置のハードウェア構成)
まず、この発明の実施の形態にかかる遅延解析装置のハードウェア構成について説明する。図1は、この発明の実施の形態にかかる遅延解析装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1において、遅延解析装置は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、HDD(ハードディスクドライブ)104と、HD(ハードディスク)105と、FDD(フレキシブルディスクドライブ)106と、着脱可能な記録媒体の一例としてのFD(フレキシブルディスク)107と、ディスプレイ108と、I/F(インターフェース)109と、キーボード110と、マウス111と、スキャナ112と、プリンタ113と、を備えている。また、各構成部はバス100によってそれぞれ接続されている。
ここで、CPU101は、遅延解析装置の全体の制御を司る。ROM102は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM103は、CPU101のワークエリアとして使用される。HDD104は、CPU101の制御にしたがってHD105に対するデータのリード/ライトを制御する。HD105は、HDD104の制御で書き込まれたデータを記憶する。
FDD106は、CPU101の制御にしたがってFD107に対するデータのリード/ライトを制御する。FD107は、FDD106の制御で書き込まれたデータを記憶したり、FD107に記憶されたデータを遅延解析装置に読み取らせたりする。
また、着脱可能な記録媒体として、FD107のほか、CD−ROM(CD−R、CD−RW)、MO、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリーカードなどであってもよい。ディスプレイ108は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ108は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
I/F109は、通信回線を通じてインターネットなどのネットワーク114に接続され、このネットワーク114を介して他の装置に接続される。そして、I/F109は、ネットワーク114と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F109には、たとえばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。
キーボード110は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス111は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
スキャナ112は、画像を光学的に読み取り、遅延解析装置内に画像データを取り込む。なお、スキャナ112は、OCR機能を持たせてもよい。また、プリンタ113は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ113には、たとえば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
(遅延解析装置の機能的構成)
つぎに、この発明の実施の形態にかかる遅延解析装置の機能的構成について説明する。図2は、この発明の実施の形態にかかる遅延解析装置の機能的構成を示すブロック図である。図2において、遅延解析装置200は、抽出部201と、追跡部202と、決定部203と、判定部204と、出力部205と、検出部206と、特定部207と、判断部208とを備えている。
まず、抽出部201は、設計対象回路の試験結果により得られる遅延信号の取込先を抽出する。ここで、設計対象回路の試験とは、たとえば、スキャン試験機能を利用したディレイ試験(テスター測定)、ディレイ故障以外のスキャン試験、またはファンクション試験が挙げられる。以下、スキャン試験機能を利用したディレイ試験の場合について説明する。
また、取込先とは、上述したテスター測定により得られる遅延信号(故障データともいう)が取り込まれる(キャプチャーされる)箇所であり、具体的には、たとえば、設計対象回路内のセルまたは設計対象回路の最終段の出力端子である。また、セルとしては、たとえば、フリップフロップ回路(以下、単に「FF」という)が挙げられる。以下、取込先がFFである場合、当該FFをフェイルキャプチャーFFと称する。同様に、取込先が設計対象回路の最終段の出力端子である場合、当該出力端子をフェイルピンと称する。
また、追跡部202は、抽出部201によって抽出された取込先に至る経路中の出力分岐点を取込先から追跡する。具体的には、たとえば、フェイルキャプチャーFFやフェイルピンを出発点として、当該出発点から前段にさかのぼって、出力分岐点を追跡する。
また、決定部203は、追跡部202によって追跡された出力分岐点に基づいて、設計対象回路内の故障推定箇所を決定する。具体的には、たとえば、抽出部201によって抽出される取込先が一つである場合と複数である場合とで、決定方法が異なる。
抽出部201によって抽出される取込先が一つである場合、出力分岐点から取込先までの経路を故障推定箇所に決定する。故障推定箇所とは、故障箇所を含む経路である。また、出力分岐点から前の経路を非故障箇所に決定する。この場合、追跡部202は、出力分岐点の前段に配置されている出力分岐元からの追跡をおこなわない。これにより、無駄な追跡処理を防止することができ、解析処理の高速化を図ることができる。
一方、抽出部201によって抽出される取込先が複数である場合、決定部203は、各取込先から出力分岐点が出現するまでの経路を、非故障箇所に決定する。また、図2に示した判定部204を用いて決定することとしてもよい。具体的には、判定部204は、出力分岐点から複数の取込先に繋がっているか否かを判定する。そして、決定部203は、判定部204によって判定された判定結果に基づいて、故障推定箇所を決定する。
具体的には、たとえば、決定部203は、判定部204によって出力分岐点が複数の取込先すべてに繋がっていないと判定された場合、出力分岐点から当該出力分岐点に繋がっている取込先までの経路を、非故障箇所に決定する。すなわち、抽出された複数の取込先のうち一つでも正常なFFに繋がっている場合、その正常なFFまでの経路だけでなく、取込先(フェイルキャプチャーFF)までの経路も、非故障箇所に決定する。これにより、故障推定箇所の絞込みをおこなうことができる。
また、この場合、出力分岐点から前の経路を、非故障箇所に決定する。そして、追跡部202は、出力分岐点の前段に配置されている出力分岐元からの追跡をおこなわない。これにより、無駄な追跡処理を防止することができ、解析処理の高速化を図ることができる。一方、決定部203は、判定部204によって出力分岐点が複数の取込先すべてに繋がっていると判定された場合、出力分岐点と当該出力分岐点の出力分岐元との間の経路を、故障推定箇所に決定する。これにより、故障推定箇所を絞り込むことができる。
また、出力部205は、決定部203によって決定された決定結果を出力する。ここで、決定結果とは、上述した決定部203によって決定された故障推定箇所、非故障箇所、後述する故障箇所である。また、出力方法としては、たとえば、図1に示したディスプレイ108に表示したり、プリンタ113に印刷出力することができる。また、I/F109を介して外部のコンピュータ装置に送信することもできる。
また、検出部206は、取込先が遅延信号を取り込む前のフェイルアドレスに基づいて、信号遷移があった端子を検出する。ここで、フェイルアドレスとは、詳細については後述するが、故障推定箇所中に存在するセルの端子の信号遷移をあらわす情報であり、たとえば、故障推定箇所内に存在する各セルの端子のHへの変化またはLへの変化などの信号遷移をあらわしている。そして、信号遷移があったセルの端子、すなわち、Hへの変化またはLへの変化した端子を検出する。一方、H固定およびL固定のセルの端子は検出しない。
また、検出部206は、複数のフェイルアドレスに基づいて、セルの端子の中から、全フェイルアドレスにおいて信号遷移が同一となる端子を検出することとしてもよい。具体的な検出処理は後述するが、各フェイルアドレスは異なるタイミングで得られた情報であり、それぞれ各セルの端子の信号遷移に異同はあるが、全フェイルアドレスにおいて信号遷移が同一となる端子は、故障可能性が高い箇所となるため検出する。
また、特定部207は、検出部206によって検出された検出結果に基づいて、故障推定箇所の中から故障箇所を特定する。具体的には、検出結果が一つの端子である場合、当該端子を故障箇所に特定することができる。一方、検出結果が複数の端子である場合、故障箇所が絞り込めていないこととなる。したがって、たとえば、図2に示した判断部208を用いて故障箇所を特定する。
具体的には、判断部208は、取込先の出力期待値と設計対象回路の試験結果により得られる取込先の出力値との比較結果と、故障推定箇所に擬似遅延信号を与える擬似遅延故障シミュレーションの結果との一致性を判断する。この場合、特定部207は、判断部208によって判断された判断結果に基づいて、故障推定箇所の中から故障箇所を特定する。
ここで、比較結果は、出力期待値と出力値を比較した場合のエラー情報である。また、擬似遅延故障シミュレーションの結果とは、故障推定箇所に擬似遅延信号を与えた場合のエラー情報である。単純なライン上の遅延故障では、信号変化依存性がみられることはあっても擬似遅延故障シミュレーションで理論上エラーを完全再現できる。したがって、両エラー情報が完全一致している端子がある場合、当該端子を故障箇所に特定する。
一方、完全再現できない故障に関してはセル内部で故障が発生している可能性が高い。したがって、全故障推定箇所の擬似遅延故障シミュレーションを行い、テスターのエラー情報と擬似遅延故障シミュレーションのエラー情報が完全一致しない場合においては、故障推定箇所内に存在するセル内部を故障箇所に特定する。
なお、上述した抽出部201、追跡部202、決定部203、判定部204、出力部205、検出部206、特定部207、および判断部208は、具体的には、たとえば、図1に示したROM102、RAM103、HD105などの記録媒体に記録されたプログラムを、CPU101が実行することによって、またはI/F109によって、その機能を実現する。
つぎに、上述した追跡部202および決定部203を用いたバックトレース法について説明する。図3は、バックトレース法を示す説明図である。図3では、フェイルキャプチャーFFが1つの場合について説明する。なお、図3中、入力端子左脇の記号(●、▲、×)の意味、および太線の意味は、以下の通りである。
●:故障可能性のある経路(ラインを結ぶ入出力端子間)
▲:故障可能性のある経路(出力分岐点〜入力端子までの経路)
×:故障可能性のない経路
太線:故障検証の結果、故障可能性を内包している経路(故障推定範囲)
また、図3では、フェイルキャプチャーFFからのバックトレースにおいて、一例としてデータ信号を対象とするが、他の入力信号での故障可能性が0という訳ではなく、データ信号と同様に追跡対象とする場合もある。
<手順1>
まず、フェイルキャプチャーFF300のデータ入力端子Dを出発点としてバックトレースする。データ入力端子Dは、テスター測定により遅延信号が取り込まれた端子である。
<手順2>
つぎに、フェイルキャプチャーFF300のデータ入力端子Dを出発点としてバックトレースすることにより、フェイルキャプチャーFF300のデータ入力端子D前段の出力分岐点を追跡する。この場合、フェイルキャプチャーFF300のデータ入力端子Dと、当該フェイルキャプチャーFF300の前段のセル301の出力端子Xとを接続するラインL1には出力分岐点がないため、さらに、セル301の入力端子A1からバックトレースする。
<手順3>
つぎに、セル301の入力端子A1からバックトレースすることにより、セル301の入力端子A1前段の出力分岐点を追跡する。この場合、セル301の入力端子A1と、当該セル301の前段のセル302の出力端子Xとを接続するラインL2には出力分岐点がないため、さらに、セル302の入力端子A1からバックトレースする。
<手順4>
つぎに、セル302の入力端子A1からバックトレースすることにより、セル302の入力端子A1前段の出力分岐点を追跡する。この場合、セル302の入力端子A1と、当該セル302の前段のセル303の出力端子Xとを接続するラインL3には出力分岐点P1があるため、セル303の前段には故障発生源はないと判断される。したがって、セル303の前段に対してはバックトレースをおこなわない。この場合、セル302の未処理の入力端子A2からバックトレースする。
<手順5>
つぎに、セル302の入力端子A2からバックトレースすることにより、セル302の入力端子A2前段の出力分岐点を追跡する。この場合、セル302の入力端子A2と、当該セル302の前段のセル304の出力端子Xとを接続するラインL4には出力分岐点P2があるため、セル304の前段には、故障発生源はないと判断される。したがって、セル304の前段に対してはバックトレースをおこなわない。この場合、セル301の未処理の入力端子A2からバックトレースする。
<手順6>
以後、上記手順2〜手順5までと同様の手法により、セル305の入力端子A1〜A3から、残余のすべての入力信号経路(たとえば、セル306〜セル309)にバックトレースをおこなう。そして、未追跡の入力端子がすべて▲となるまで実行する。未追跡の入力端子がなくなった場合、故障可能性のある経路(図3中、太線表示)の範囲が、回路構成上から判別可能な故障可能性のある故障推定箇所ということになる。
また、図3では、フェイルキャプチャーFFが1つの場合について説明したが、フェイルキャプチャーFFが複数の場合も同様にバックトレースをおこなうことができる。フェイルキャプチャーFFが複数の場合、フェイルキャプチャーFFすべてに共通する出力分岐点を追跡する。以下、フェイルキャプチャーFFが複数の場合のバックトレース法について説明する。
図4−1および図4−2は、フェイルキャプチャーFFが複数の場合のバックトレース法を示す説明図である。なお、図4−1および図4−2中、入力端子左脇の記号(●、▲、△、×、■)の意味、および太線の意味は、以下の通りである。
●:故障可能性のある経路(ラインを結ぶ入出力端子間)
▲:故障可能性のある経路(出力分岐点〜入力端子までの経路)
△:故障可能性のある経路(出力端子〜出力分岐点までの経路)
×:故障可能性のない経路
■:その入力経路先に故障検可能性がない経路
太線:故障検証の結果、故障可能性を内包している経路(故障推定範囲)
また、図4−1および図4−2では、フェイルキャプチャーFFからのバックトレースにおいて、一例としてデータ信号を対象とするが、他の入力信号での故障可能性が0という訳ではなく、データ信号と同様に追跡対象とする場合もある。
<手順1>
まず、フェイルキャプチャーFF400A〜400Cの各データ出力端子Dを出発点としてバックトレースする。各データ入力端子Dは、テスター測定により遅延信号が取り込まれた端子である。
<手順2>
つぎに、フェイルキャプチャーFF400Aのデータ入力端子Dを出発点としてバックトレースすることにより、フェイルキャプチャーFF400Aのデータ入力端子D前段の出力分岐点を追跡する。この場合、フェイルキャプチャーFF400Aのデータ入力端子Dと、当該フェイルキャプチャーFF400Aの前段のセル401の出力端子Xとを接続するラインL11には出力分岐点がないため、ラインL11は、フェイルキャプチャーFF400Aだけに影響を与える経路となる。
換言すれば、ラインL11は、フェイルキャプチャーFF400BおよびフェイルキャプチャーFF400Cへ影響を与えることのない経路となり、ラインL11は故障可能性がない経路と判断される。一方で、セル401の前段は、故障可能性なしと判断されていないため、このあと、セル401の入力端子A1からバックトレースする。
同様に、フェイルキャプチャーFF400Bのデータ入力端子Dを出発点としてバックトレースすることにより、フェイルキャプチャーFF400Bのデータ入力端子D前段の出力分岐点を追跡する。この場合、フェイルキャプチャーFF400Bのデータ入力端子Dと、当該フェイルキャプチャーFF400Bの前段のセル402の出力端子Xとを接続するラインL12には出力分岐点がないため、ラインL12は故障可能性がない経路と判断される。したがって、セル402からバックトレースする。
また、フェイルキャプチャーFF400Cのデータ入力端子Dを出発点としてバックトレースすることにより、フェイルキャプチャーFF400Cのデータ入力端子D前段の出力分岐点を追跡する。この場合、フェイルキャプチャーFF400Cのデータ入力端子Dに接続されているラインL13には出力分岐点P11が検出される。
ここで、出力分岐点P11からフェイルキャプチャーFF400BおよびフェイルキャプチャーFF400Cに至る経路は存在するが、フェイルキャプチャーFF400Aに至る経路は存在しない。したがって、出力分岐点P11からフェイルキャプチャーFF400BおよびフェイルキャプチャーFF400Cに至る経路での故障可能性はないと判断する。ただし、出力分岐点P11の前段は、故障可能性なしと判断されていないため、さらに、出力分岐点P11から、すなわち、セル402の入力端子A2からバックトレースする。
<手順3>
つぎに、セル401の入力端子A1からバックトレースすることにより、セル401の入力端子A1前段の出力分岐点を追跡する。この場合、セル401の入力端子A1と、当該セル401の前段のセル403の出力端子Xとを接続するラインL14には出力分岐点P12があるため、セル403の前段には、故障発生源はないと判断される。したがって、セル403の前段に対してはバックトレースをおこなわない。
なお、図4−1中、FF400Dは、テスター測定により正常な信号を取り込んだFF、すなわち、フェイルキャプチャーFFではないFFである。したがって、このバックトレースにより、ラインL14は、故障可能性のない経路から、その入力経路先に故障可能性がない経路に変わる(図4−1中、「×→■」と表示。)。このあと、セル401の入力端子A2と、セル402の入力端子A1および入力端子A2からバックトレースする。
<手順4>
つぎに、セル401の入力端子A2と、セル402の入力端子A1および入力端子A2とからバックトレースすることにより、セル401およびセル402前段の出力分岐先を追跡する。この場合、セル401の入力端子A2と、当該セル401の前段のセル404の出力端子Xとを接続するラインL15には出力分岐点P13が検出される。同様に、セル402の入力端子A1と、当該セル402の前段のセル404の出力端子Xとを接続するラインL16にも、出力分岐点P13が検出される。
ここで、出力分岐点P13からフェイルキャプチャーFF400AおよびフェイルキャプチャーFF400Bに至る経路は存在するが、フェイルキャプチャーFF400Cに至る経路は存在しない。したがって、出力分岐点P13からフェイルキャプチャーFF400AおよびフェイルキャプチャーFF400Bに至る経路での故障可能性はないと判断する。ただし、出力分岐点P13の前段は故障可能性なしと判断されていない。したがって、セル404からバックトレースする。
また、セル402の入力端子A2からバックトレースすることにより、セル402の入力端子A2前段の出力分岐先を追跡する。この場合、セル402の入力端子A2と、当該セル402の前段のセル405の出力端子Xとを接続するラインL17には出力分岐点がないため、ラインL17は故障可能性がない経路と判断される。したがって、セル405の入力端子A1および入力端子A2からバックトレースする。
<手順5>
つぎに、セル404の入力端子A1および入力端子A2と、セル405の入力端子A1および入力端子A2とからバックトレースすることにより、セル404およびセル405の前段に、出力分岐点を追跡する。このバックトレースにより、セル404の入力端子A1とセル406の出力端子Xとを接続するラインL18と、セル405の入力端子A2とセル406の出力端子Xとを接続するラインL21とから、出力分岐点P14が検出される。
ここで、出力分岐点P14からフェイルキャプチャーFF400A〜400Cに至る経路が存在するため、ラインL18およびラインL21上の出力分岐点P14からセル406の出力端子Xまでの経路K1(図4−2中、太線で表示)は、故障可能性ありと判断される。
また、セル404の入力端子A2とセル407の出力端子Xとを接続するラインL19と、セル405の入力端子A1とセル406の出力端子Xとを接続するラインL20とから、出力分岐点P15が検出される。
ここで、出力分岐点P15からフェイルキャプチャーFF400A〜400Cに至る経路が存在するため、ラインL19およびラインL20上の出力分岐点P15からセル407の出力端子Xまでの経路K2(図4−2中、太線で表示)は、故障可能性ありと判断される。また、セル406およびセル407の前段は、故障可能性なしと判断されていないため、セル406およびセル407からバックトレースをおこなう。
<手順6>
つぎに、セル406の入力端子A1および入力端子A2と、セル407の入力端子A1および入力端子A2とからバックトレースすることにより、セル406およびセル407の前段に、出力分岐点を追跡する。このバックトレースにより、セル406の入力端子A1の前段およびセル407の入力端子A1の前段に、フェイルキャプチャーFF400A〜400C以外のFF(たとえば、FF400D)に繋がる出力分岐点(不図示)が検出されたとすると、当該出力分岐点(不図示)から前段の経路は、故障対象外となる。
一方、セル406の入力端子A2と当該セル406の前段のセル408の出力端子Xとを接続するラインL22には、出力分岐点がないため、ラインL22は故障可能性がない経路と判断される。同様に、セル407の入力端子A2と当該セル407の前段のセル409の出力端子Xとを接続するラインL23には、出力分岐点がないため、ラインL23は故障可能性がない経路と判断される。したがって、セル408およびセル409からバックトレースする。
<手順7>
つぎに、上述した手順6と同様、セル408およびセル409からバックトレースをすることにより、セル408およびセル409の前段の出力分岐点を追跡する。そして、フェイルキャプチャーFF400A〜400Cに繋がる出力分岐点(不図示)が検出されると、当該出力分岐点(不図示)から、当該出力分岐点(不図示)に接続されているセルの出力端子までの経路が、故障可能性ありと判断される。以後、図3に示した場合と同様、未処理の入力端子からのバックトレースが終了するまで、バックトレースを実行する。
(フェイルアドレス)
つぎに、検出部206で用いるフェイルアドレスについて具体的に説明する。図5は、フェイルアドレスの一例を示す説明図である。図5に示したフェイルアドレス1は、図3の手順6に示した設計対象回路に関する一つのフェイルアドレスを示している。図5においては、故障推定箇所が、図5に示した16個の端子から、信号変化のある9個の端子に絞り込まれている。この信号変化している9個の端子を結ぶ経路が、故障推定箇所となる。図5では、信号変化がある端子が複数(9個)存在するため、故障箇所を特定することができない。故障推定箇所を絞り込んで故障箇所を特定するためには、フェイルアドレスを複数用いるのが好ましい。
図6は、フェイルアドレスの他の例を示す説明図である。図6に示したフェイルアドレスは、図3の手順6に示した設計対象回路に関する複数のフェイルアドレス1〜10を示している。図6に示すように、複数のフェイルアドレス1〜10に基づいて、セルの端子の中から、全フェイルアドレス1〜10において信号遷移が同一となる端子を検出する。
図6では、フェイルキャプチャーFF300のデータ入力端子Dが、フェイルアドレス1〜10において信号遷移が同一となる端子である。また、セル301の入力端子A1も、フェイルアドレス1〜10において信号遷移が同一となる端子である。さらに、セル304の入力端子A2も、フェイルアドレス1〜10において信号遷移が同一となる端子である。したがって、図6においては、16個の端子から、全フェイルアドレス1〜10で信号変化が同一となる3個の端子(フェイルキャプチャーFFのデータ入力端子D、セル301の入力端子A2、およびセル305の入力端子A2)に絞り込まれている。
(擬似遅延故障シミュレーションによる故障箇所の特定処理内容)
つぎに、擬似遅延故障シミュレーションによる故障箇所の特定処理内容について具体的に説明する。この特定処理は、上述した特定部207および判断部208を用いる。図7−1〜図7−5は、擬似遅延故障シミュレーションによる故障箇所の特定処理内容を示す説明図である。図7−1は、図3の<手順6>に示したバックトレース後の状態から、図5に示したフェイルアドレス1により故障推定箇所(図7−1中、●表示)を絞り込んだ状態を示している。
図7−1では、図6に示したフェイルアドレスにより、フェイルキャプチャーFF300のデータ入力端子Dと、セル301の入力端子A2と、セル305の入力端子A2とに絞り込まれている。したがって、この場合の故障推定箇所は、フェイルキャプチャーFF300からセル305の入力端子A2にラインL6を介して接続されているセル306の出力端子Xまでの経路R1となる。なお、当該経路R1中のラインL1、L5およびL6は、図7−1中、太線で表示している。
また、図7−2は、判定パターンごとのテスターフェイルと、擬似遅延故障シミュレーションの結果とを対比した図表である。ここで、判定パターンA〜Oについて説明する。FFに取り込まれたデータは、スキャンチェーンのシフトレジスタ動作によりFFのスキャンアウト端子SOから順次出力される。テストパターンでは、正常動作時にスキャンアウト端子SOから出力される信号値を出力期待値として設定している。したがって、テスターでの設計対象回路の測定の結果、設計対象回路からの出力値が、出力期待値と一致すれば、比較結果として『PASS』であり、不一致であれば『FAIL』となる。
たとえば、図7−2において、設計対象回路がある判定パターンAを取り込んだ場合、フェイルキャプチャーFF300のスキャンアウト端子SOから出力された信号値が、出力期待値と不一致であるため、比較結果が『FAIL』となっている。一方、設計対象回路がある判定パターンBを取り込んだ場合、フェイルキャプチャーFF300のスキャンアウト端子SOから出力された信号値が、出力期待値と一致するため、比較結果が『PASS』となっている。
なお、判定パターンAは図6に示したフェイルアドレス1に対応し、判定パターンDは図6に示したフェイルアドレス2に対応し、判定パターンEは図6に示したフェイルアドレス3に対応し、判定パターンHは図6に示したフェイルアドレス3に対応し、判定パターンIは図6に示したフェイルアドレス4に対応し、判定パターンJは図6に示したフェイルアドレス5に対応し、判定パターンKは図6に示したフェイルアドレス6に対応し、判定パターンLは図6に示したフェイルアドレス7に対応し、判定パターンMは図6に示したフェイルアドレス8に対応し、判定パターンNは図6に示したフェイルアドレス9に対応し、判定パターンOは図6に示したフェイルアドレス10に対応する。
また、図7−2では、判定パターンA〜Oを用いた擬似遅延故障シミュレーションの結果も示されている。すなわち、図7−1の状態で、故障推定箇所に擬似遅延信号として判定パターンA〜Oを与え、擬似遅延故障シミュレーション時の各端子(フェイルキャプチャーFFのデータ入力端子D、セル301の入力端子A2、およびセル305の入力端子A2)の信号変化が、フェイルアドレスで示された信号変化と一致していれば『FAIL』、不一致であれば『PASS』となる。
したがって、擬似遅延故障シミュレーション結果の中の端子のうち、すべての判定パターンA〜Oにおいて、比較結果と『PASS/FAIL』で完全一致している端子がある場合、当該端子が故障箇所に特定される。図7−2では、セル305の入力端子A2の擬似遅延故障シミュレーション結果が比較結果と完全一致しているため、セル305の入力端子A2が故障箇所に含まれ、フェイルキャプチャーFF300のデータ入力端子Dとセル301の入力端子A2は、故障箇所から除外される。
図7−3は、故障箇所の特定後の状態を示している。図7−3において、セル305の入力端子A2が故障箇所に含まれることとなったため、故障箇所は、セル306の出力端子X〜ラインL6〜セル305からなる経路R2(図7−3中、●表示)となる。
つぎに、比較結果と擬似遅延故障シミュレーション結果とが完全一致していない場合について説明する。図7−4は、判定パターンごとのテスターフェイルと、擬似遅延故障シミュレーションの結果とを対比した図表である。図7−4に示した擬似遅延故障シミュレーション結果では、擬似遅延故障シミュレーション時の各端子(フェイルキャプチャーFFのデータ入力端子D、セル301の入力端子A2、およびセル305の入力端子A2)の擬似遅延シミュレーション結果のいずれも、比較結果と完全一致していない。このような場合、比較結果すべてを含むエラーを出力する箇所がないため、単純な擬似遅延故障シミュレーションではエラー再現できないセル内部に故障箇所が存在している可能性がある。
ラッチ回路やフリップフロップ回路、セレクタ回路のように、トランスミッションゲートを使用しているセルでは、擬似遅延故障シミュレーションモデルの関係上、内部ディレイを単純再現できない場合もあるため、逆に故障推定箇所内においてこのようなセルが存在する場合、当該セル内部で故障が発生していると診断することができる。たとえば、図7−4を参照すると、判定パターン”ADEHJ”の比較結果と完全に一致するエラーが擬似遅延故障シミュレーション結果にはないため、故障推定箇所R1内に存在する唯一のFFであるフェイルキャプチャーFF300内に故障箇所が存在すると特定される。図7−5は、図7−4の図表を用いた場合の故障箇所の特定後の状態を示している。図7−5中、●表示のセル、すなわち、フェイルキャプチャーFF300内部に故障箇所を特定する。
このように、完全再現できない故障に関してはセル内部で故障が発生している可能性が高い。したがって、全故障推定箇所の擬似遅延故障シミュレーションを行い、テスターのエラー情報と擬似遅延故障シミュレーションのエラー情報が完全一致しない以下(1)〜(3)の場合においては、故障推定箇所内に存在するセル内部を故障箇所に特定する。
具体的には、ライン上からはディレイコントロールできないセル内に故障箇所を絞り込むことができる。これにより、擬似遅延故障シミュレーションでのエラー不再現時については、ライン/セル内部の故障箇所の切り分けをおこなうこともできる。
(1)擬似遅延故障シミュレーションのエラー情報の内容について、テスターのエラー情報をすべて含むが他のエラーも混ざっている場合、故障推定箇所の前段で多段ゲートを使用しているセル内部を、故障箇所に特定する。
(2)擬似遅延故障シミュレーションのエラー情報の内容について、テスターのエラー情報の一部が再現しない場合(一部一致の確率が所定%以上100%未満)、故障推定箇所の後段で多段ゲートを使用しているセル内部を、故障箇所に特定する。
(3)擬似遅延故障シミュレーションのエラー情報の内容について、テスターのエラー情報が殆ど、あるいは全く再現しない場合(一部一致の確率が所定%未満)、故障推定箇所内でトランスミッションゲートを使用しているセル内部を、故障箇所に特定する。
また、上記(1)〜(3)のようなセル内部で発生した遅延故障については、セルの擬似遅延故障シミュレーションモデルが精巧でありさえすれば、各ノード(端子)へのディレイ付加シミュレーションをおこなうことで完全一致のエラー再現が可能となるため、かえって故障箇所をピンポイントで絞り込むことができる。この判断部208の判断処理により、故障推定箇所の妥当性をより詳細に判断することができる。
(遅延解析処理手順)
つぎに、この発明の実施の形態にかかる遅延解析装置200の遅延解析処理手順について説明する。図8は、この発明の実施の形態にかかる遅延解析装置200の遅延解析処理手順を示すフローチャートである。図8において、まず、抽出部201により未処理の取込先を抽出する(ステップS801)。抽出する取込先の数は、初期設定によりあらかじめ設定しておいてもよく、また、その都度、ユーザの指定により設定できるようにしてもよい。
つぎに、追跡部202により取込先から出力分岐点の追跡処理を実行し(ステップS802)、決定部203により故障推定箇所または非故障箇所の決定処理を実行する(ステップS803)。具体的には、抽出部201によって抽出された取込先が1つである場合、図3に示したバックトレース法により、追跡処理および決定処理を実行する。一方、抽出された取込先が複数である場合、図4−1および図4−2に示したバックトレース法により、追跡処理および決定処理を実行する。
そして、未追跡のセルの端子がある場合(ステップS804:Yes)、ステップS802に戻って、追跡処理を実行する。一方、未追跡のセルの端子がない場合(ステップS804:No)、未処理の取込先があるか否かを判断する(ステップS805)。未処理の取込先がある場合(ステップS805:Yes)、ステップS801に戻って、未処理の取込先を抽出する。一方、未処理の取込先がない場合(ステップS805:No)、図5または図6に示したフェイルアドレスを生成し(ステップS806)、検出部206による端子の検出処理により、フェイルアドレスを用いて故障推定箇所の絞込みをおこなう(ステップS807)。
そして、特定部207により、故障箇所が特定されたか否かを判断する(ステップS808)。この判断は、ステップS807における故障推定箇所の絞り込み範囲、たとえば、故障推定箇所内の端子数により判断する。故障箇所が特定された場合(ステップS808:Yes)、ステップS813に移行する。一方、故障箇所が特定されていない場合(ステップS808:No)、擬似遅延故障シミュレーションを実行して(ステップS809)、判断部208により、テスター測定による比較結果と擬似遅延故障シミュレーション結果とのエラー一致性を判断する(ステップS810)。
そして、完全一致する端子がある場合(ステップS810:Yes)、当該端子とその前段セルとの間の経路を故障箇所に特定し(ステップS811)、ステップS813に移行する。一方、完全一致しない場合(ステップS810:No)、故障推定箇所内の多段ゲートを有するセル内部を故障箇所に特定し(ステップS812)、ステップS813に移行する。このあと、出力部205により、特定された故障箇所を結果出力する(ステップS813)。そして、一連の処理を終了する。
なお、上述した実施の形態では、設計対象回路の試験のうち、スキャン試験機能を利用したディレイ試験の場合について説明したが、そのほかに、ディレイ故障以外のスキャン試験によっても実現することができる。すなわち、スキャン試験において、テスター測定で故障信号をキャプチャーしたFFを抽出して、バックトレースを実行する。これにより、設計対象回路の構成上、故障の可能性が潜む故障推定箇所を絞り込むことができる。
図9は、スキャン試験(スキャンによるディレイ試験)方式(スキューロード方式)を示す説明図であり、図10は、スキャン試験(スキャンによるディレイ試験)方式(スキューロード方式)を示すタイミングチャートである。図9において、FF901〜FF902間のディレイについてスキャン試験する場合、図10に示したクロック(2)〜(3)間で実現する。
すなわち、図9において、図10に示したクロック(1)でスキャンシフトしてきた信号がFF901のスキャン入力端子SIにセットされる。つぎに、図10に示したクロック(2)でFF901のスキャン入力端子SIからの信号を取り込み、出力端子QよりFF902に信号を送る。これにより、FF901〜FF902間で合成された信号がFF902のデータ入力端子Dにセットされる。これにより、ディレイ試験のためのランチ動作がおこなわれる。
つぎに、図10に示したクロック(3)でFF902のデータ入力端子Dからの信号を取りこみ、ディレイ試験のためのキャプチャー動作をおこなう。この例では、FF901〜FF902間の遅延がない場合は「1」を、遅延がある場合は「0」をキャプチャーする。そして、図10に示したクロック(4)以降では、FF902でキャプチャーした信号を順次スキャンシフトさせて、最終的にスキャンアウト端子の出力信号として出力値判定をおこなう。
したがって、図10に示したように、正常な状態であれば、クロック(2)でFF902に信号が入力されるが、クロック(2)〜(3)間で遅延が生じると、クロック(3)でFF902に信号が入力されることとなる(図10中、一点鎖線で表示)。
また、スキューロード方式以外の方式も適用することができる。図11は、スキャン試験(スキャンによるディレイ試験)方式(ブロードサイド方式)を示す説明図であり、図12は、スキャン試験(スキャンによるディレイ試験)方式(ブロードサイド方式)を示すタイミングチャートである。図11において、FF1101〜FF1102〜FF1103のうち、FF1102〜FF1103間のディレイについてスキャン試験する場合、図12に示したクロック(3)〜(4)間で実現する。
すなわち、図11において、図12に示したクロック(1)でスキャンシフトしてきた信号がFF1101のスキャン入力端子SIにセットされる。つぎに、図12に示したクロック(2)でFF1101のスキャン入力端子SIからの信号を取り込み、出力端子QよりFF1102に信号を送る。これにより、FF1101〜FF1102間で合成された信号がFF1102のデータ入力端子Dにセットされる。
つぎに、クロック(3)でFF1102のデータ入力端子Dからの信号を取り込み、出力端子QよりFF1103に信号を送る。これにより、FF1102〜FF1103間で合成された信号がFF1103のデータ入力端子Dにセットされる。これにより、ディレイ試験のためのランチ動作がおこなわれる。
つぎに、図12に示したクロック(4)でFF1103のデータ入力端子Dからの信号を取り込む。これにより、ディレイ試験のためのキャプチャー動作がおこなわれる。上記例では、FF1102〜FF1103間の遅延がない場合「1」を、遅延がある場合「0」をキャプチャーする。そして、図12に示したクロック(5)以降では、FF1103でキャプチャーした信号を順次スキャンシフトさせて、最終的にスキャンアウト端子の出力信号として出力値判定をおこなう。
したがって、図12に示したように、正常な状態であれば、クロック(3)でFF1103に信号が入力されるが、クロック(3)〜(4)間で遅延が生じると、クロック(4)でFF1103に信号が入力されることとなる(図12中、一点鎖線で表示)。また、スキュードロード方式と異なり、テストコントロール信号のタイミングに制限されることなく試験をおこなうことができる。
また、スキャン試験以外の試験、たとえばファンクション試験でも故障解析をおこなうことができる。具体的には、ファンクション試験において、テスター測定で遅延信号を出力している出力端子(フェイルピン)を抽出する。つぎに、フェイルピンから、図3または図4−1および図4−2に示したようにバックトレースをおこなうことで、設計対象回路の構成上、故障の可能性が潜む故障推定範囲を絞り込むことができる。
すなわち、フェイルキャプチャーFFがフェイルピンに変更しただけであるため、同一の処理で実現することができる。すなわち、スキャン試験の故障解析が容易となっているのは限定された回路と故障が発生したフェイルアドレスが明確になっているからであり、ファンクション試験においてもフェイルアドレスを突き止めることができれば、図5または図6に示したようなフェイルアドレスを用いることにより、上記と同様な遅延解析をおこなうことができる。
この発明の実施の形態によれば、設計対象回路(LSI)不良動作時のフェイル内容(フェイルアドレス・フェイルピン)をフィードバック情報とし、セルの出力分岐点の有無、フェイルキャプチャーFF以外へ至る経路の有無、フェイルキャプチャーFFの数、フェイルピン以外へ至る経路の有無、フェイルピンの数を判断材料とすることで、回路情報のみによるバックトレースを実現することができる。
また、フェイルキャプチャーFFの入力端子またはフェイルピンを起点としてバックトレースを実現することができる。そして、セルの出力分岐先がフェイルピンへ至ったらその経路のトレースを中止し、トレース先がなくなるまで繰り返し行うことにより、最終的に残った経路を故障推定箇所に決定することができる。
また、遅延故障は、遅延要因となる回路をレベル状態が変化した信号が通過することにより生まれるため、信号が変化しない限り遅延が発生することはない。したがって、フェイルキャプチャーFFに取り込まれる遅延信号は、取り込み動作をおこなうクロックよりも1つ前のクロック動作で発生していることとなり、1つ前のクロック動作直後で信号変化のあったポイントを故障推定箇所とすることができる。
また、故障推定箇所では、完全に故障箇所を特定していないため、故障推定箇所に対して擬似遅延信号を与えた擬似遅延故障シミュレーションを実行することにより、エラー内容から故障箇所を特定することができる。また、故障推定箇所すべてに擬似遅延故障シミュレーションで信号変化別の擬似遅延信号を与えても、テスターによる比較結果と擬似遅延故障シミュレーション結果が殆ど一致しないことがある。
単純なディレイ故障であれば擬似遅延故障シミュレーションでの故障再現が容易であることから、この様な場合は外部端子からは制御できないセル内部の故障である可能性が高く、故障推定箇所の中で外部端子から直接ディレイコントロールのできないトランスミッションゲートを使用している回路(セル)を対象に故障推定箇所を絞り込むことができる。
以上説明したように、この発明の実施の形態にかかる遅延解析装置200、遅延解析方法、遅延解析プログラム、および記録媒体によれば、回路構成とフェイル内容から故障推定箇所を絞り込んでいくため、遅延解析に要するシミュレーション回数を極力減らすことができ、遅延故障解析時間の短縮化を実現することができる。
また、遅延故障とは信号変化が起きた時のみ発生する不良であることから、遅延発生を促すクロック動作直後の信号変化に着目することで故障候補となる回路と正常な回路との切り分けが可能となる。したがって、故障推定箇所の絞込みを容易に実現することができる。また、複数のフェイルアドレスを用いることにより、故障推定精度の向上を図ることもできる。
また、遅延解析処理を自動化することにより、ユーザの熟練度に依存せず、故障推定時間の一層の短縮化を実現することができる。また、擬似遅延信号を与えた擬似遅延故障シミュレーションを実行することにより、テスターによる比較結果(テスターフェイル)との一致性からより精度の高い故障推定をおこなうことができる。さらに、擬似遅延信号を与えた擬似遅延故障シミュレーションを実行することにより、比較結果(テスターフェイル)との非一致性から、故障がセル内部/ラインで発生したのかを区別することができる。
なお、本実施の形態で説明した遅延解析方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
(付記1)設計対象回路の試験により得られる遅延信号の取込先の中から任意の取込先を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された取込先に至る経路中の出力分岐点を前記取込先から追跡する追跡手段と、
前記追跡手段によって追跡された出力分岐点に基づいて、前記設計対象回路内の故障推定箇所を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された決定結果を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする遅延解析装置。
(付記2)前記決定手段は、
前記出力分岐点から前記取込先までの経路を前記故障推定箇所に決定することを特徴とする付記1に記載の遅延解析装置。
(付記3)前記決定手段は、
前記出力分岐点から前の経路を非故障箇所に決定することを特徴とする付記1または2に記載の遅延解析装置。
(付記4)前記追跡手段は、
前記出力分岐点の前段に配置されている出力分岐元からの追跡をおこなわないことを特徴とする付記3に記載の遅延解析装置。
(付記5)前記決定手段は、
前記抽出手段によって前記取込先が複数抽出された場合、前記各取込先から前記出力分岐点が出現するまでの経路を、非故障箇所に決定することを特徴とする付記1に記載の遅延解析装置。
(付記6)前記抽出手段によって前記取込先が複数抽出された場合、前記出力分岐点から前記複数の取込先に繋がっているか否かを判定する判定手段を備え、
前記決定手段は、
前記判定手段によって判定された判定結果に基づいて、前記故障推定箇所を決定することを特徴とする付記1または5に記載の遅延解析装置。
(付記7)前記決定手段は、
前記判定手段によって前記出力分岐点が前記複数の取込先すべてに繋がっていないと判定された場合、前記出力分岐点から当該出力分岐点に繋がっている取込先までの経路を、前記非故障箇所に決定することを特徴とする付記6に記載の遅延解析装置。
(付記8)前記決定手段は、
前記判定手段によって前記出力分岐点が前記複数の取込先すべてに繋がっていないと判定された場合、前記出力分岐点から前の経路を、前記非故障箇所に決定することを特徴とする付記6または7に記載の遅延解析装置。
(付記9)前記追跡手段は、
前記出力分岐点の前段に配置されている出力分岐元からの追跡をおこなわないことを特徴とする付記8に記載の遅延解析装置。
(付記10)前記決定手段は、
前記判定手段によって前記出力分岐点が前記複数の取込先すべてに繋がっていると判定された場合、前記出力分岐点と当該出力分岐点の出力分岐元との間の経路を、前記故障推定箇所に決定することを特徴とする付記6〜9のいずれか一つに記載の遅延解析装置。
(付記11)前記取込先が前記遅延信号を取り込む前の、前記故障推定箇所中に存在するセルの端子の信号遷移をあらわすフェイルアドレスに基づいて、前記信号遷移があった端子を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された検出結果に基づいて、前記故障推定箇所の中から故障箇所を特定する特定手段と、を備え、
前記出力手段は、
前記特定手段によって特定された故障箇所を出力することを特徴とする付記1〜10のいずれか一つに記載の遅延解析装置。
(付記12)前記取込先が前記遅延信号を取り込む前の、前記故障推定箇所中に存在するセルの端子の信号遷移をあらわす複数のフェイルアドレスに基づいて、前記セルの端子の中から、前記全フェイルアドレスにおいて信号遷移が同一となる端子を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された検出結果に基づいて、前記故障推定箇所の中から故障箇所を特定する特定手段と、を備え、
前記出力手段は、
前記特定手段によって特定された故障箇所を出力することを特徴とする付記1〜10のいずれか一つに記載の遅延解析装置。
(付記13)前記取込先の出力期待値と前記設計対象回路の試験結果により得られる前記取込先の出力値との比較結果と、前記故障推定箇所に擬似遅延信号を与える擬似遅延故障シミュレーションの結果との一致性を判断する判断手段を備え、
前記特定手段は、
前記判断手段によって判断された判断結果に基づいて、前記故障推定箇所の中から前記故障箇所を特定することを特徴とする付記11または12に記載の遅延解析装置。
(付記14)前記特定手段は、
前記故障推定箇所のうち、前記判断手段により前記比較結果と完全一致する擬似遅延故障シミュレーションの結果が得られた経路を、前記故障箇所に特定することを特徴とする付記13に記載の遅延解析装置。
(付記15)前記特定手段は、
前記故障推定箇所のうち、前記判断手段により前記比較結果と一部一致する擬似遅延故障シミュレーションの結果が得られた経路に接続されているセル内部を、前記故障箇所に特定することを特徴とする付記13に記載の遅延解析装置。
(付記16)設計対象回路の試験により得られる遅延信号の取込先の中から任意の取込先を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程によって抽出された取込先に至る経路中の出力分岐点を前記取込先から追跡する追跡工程と、
前記追跡工程によって追跡された出力分岐点に基づいて、前記設計対象回路内の故障推定箇所を決定する決定工程と、
前記決定工程によって決定された決定結果を出力する出力工程と、
を含んだことを特徴とする遅延解析方法。
(付記17)設計対象回路の試験により得られる遅延信号の取込先の中から任意の取込先を抽出させる抽出工程と、
前記抽出工程によって抽出された取込先に至る経路中の出力分岐点を前記取込先から追跡させる追跡工程と、
前記追跡工程によって追跡された出力分岐点に基づいて、前記設計対象回路内の故障推定箇所を決定させる決定工程と、
前記決定工程によって決定された決定結果を出力させる出力工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする遅延解析プログラム。
(付記18)付記17に記載の遅延解析プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な記録媒体。
以上のように、本発明にかかる遅延解析装置、遅延解析方法、遅延解析プログラム、および記録媒体は、半導体回路の遅延解析に有用であり、特に、スキャン機能を利用したディレイ試験、ディレイ故障以外のスキャン試験、またはファンクション試験に適している。
この発明の実施の形態にかかる遅延解析装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態にかかる遅延解析装置の機能的構成を示すブロック図である。 バックトレース法を示す説明図である。 フェイルキャプチャーFFが複数の場合のバックトレース法(その1)を示す説明図である。 フェイルキャプチャーFFが複数の場合のバックトレース法(その2)を示す説明図である。 フェイルアドレスの一例を示す説明図である。 フェイルアドレスの他の例を示す説明図である。 擬似遅延故障シミュレーションによる故障箇所の特定処理内容(その1)を示す説明図である。 擬似遅延故障シミュレーションによる故障箇所の特定処理内容(その2)を示す説明図である。 擬似遅延故障シミュレーションによる故障箇所の特定処理内容(その3)を示す説明図である。 擬似遅延故障シミュレーションによる故障箇所の特定処理内容(その4)を示す説明図である。 擬似遅延故障シミュレーションによる故障箇所の特定処理内容(その5)を示す説明図である。 この発明の実施の形態にかかる遅延解析装置の遅延解析処理手順を示すフローチャートである。 スキャン試験方式(スキューロード方式)を示す説明図である。 スキャン試験方式(スキューロード方式)を示すタイミングチャートである。 スキャン試験方式(ブロードサイド方式)を示す説明図である。 スキャン試験方式(ブロードサイド方式)を示すタイミングチャートである。
符号の説明
200 遅延解析装置
201 抽出部
202 追跡部
203 決定部
204 判定部
205 出力部
206 検出部
207 特定部
208 判断部

Claims (10)

  1. 設計対象回路の試験により得られる遅延信号の取込先の中から複数の取込先を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段によって抽出された複数の取込先の各取込先に至る経路中の出力分岐点を前記取込先ごとに前記各取込先から追跡する追跡手段と、
    前記取込先ごとに前記各取込先から前記追跡手段による追跡で前記出力分岐点が出現するまでの経路を、非故障箇所に決定する決定手段と、
    前記決定手段によって決定された決定結果を出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とする遅延解析装置。
  2. 設計対象回路の試験により得られる遅延信号の取込先の中から任意の取込先を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段によって抽出された取込先に至る経路中の出力分岐点を前記取込先から追跡する追跡手段と、
    前記追跡手段によって追跡された出力分岐点に基づいて、前記設計対象回路内の故障推定箇所を決定する決定手段と、
    前記取込先が前記遅延信号を取り込む前の、前記決定手段により決定された故障推定箇所中に存在するセルの端子の信号遷移をあらわすフェイルアドレスに基づいて、前記信号遷移があった端子を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された検出結果に基づいて、前記故障推定箇所の中から故障箇所を特定する特定手段と、
    前記特定手段によって特定された故障箇所を出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とする遅延解析装置。
  3. 設計対象回路の試験により得られる遅延信号の取込先の中から任意の取込先を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段によって抽出された取込先に至る経路中の出力分岐点を前記取込先から追跡する追跡手段と、
    前記追跡手段によって追跡された出力分岐点に基づいて、前記設計対象回路内の故障推定箇所を決定する決定手段と、
    前記取込先が前記遅延信号を取り込む前の、前記決定手段により決定された故障推定箇所中に存在するセルの端子の信号遷移をあらわす複数のフェイルアドレスに基づいて、前記セルの端子の中から、前記全フェイルアドレスにおいて信号遷移が同一となる端子を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された検出結果に基づいて、前記故障推定箇所の中から故障箇所を特定する特定手段と、
    前記特定手段によって特定された故障箇所を出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とする遅延解析装置。
  4. 前記決定手段は、
    前記出力分岐点から前記取込先までの経路を前記故障推定箇所に決定することを特徴とする請求項2または3に記載の遅延解析装置。
  5. 前記決定手段は、
    前記出力分岐点から前の経路を非故障箇所に決定することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の遅延解析装置。
  6. 前記追跡手段は、
    前記出力分岐点の前段に配置されている出力分岐元からの追跡をおこなわないことを特徴とする請求項5に記載の遅延解析装置。
  7. 前記決定手段は、
    前記抽出手段によって前記取込先が複数抽出された場合、前記各取込先から前記出力分岐点が出現するまでの経路を、非故障箇所に決定することを特徴とする請求項2または3に記載の遅延解析装置。
  8. 抽出手段と、追跡手段と、決定手段と、出力手段と、を備え、設計対象回路の試験により得られる遅延信号の取込先を記憶する記憶手段にアクセス可能なコンピュータが、
    前記抽出手段により、前記記憶手段に記憶された遅延信号の取込先の中から複数の取込先を抽出する抽出工程と、
    前記追跡手段により、前記抽出工程によって抽出された複数の取込先の各取込先に至る経路中の出力分岐点を前記取込先ごとに前記各取込先から追跡する追跡工程と、
    前記決定手段により、前記取込先ごとに前記各取込先から前記追跡工程による追跡で前記出力分岐点が出現するまでの経路を、非故障箇所に決定する決定工程と、
    前記出力手段により、前記決定工程によって決定された決定結果を出力する出力工程と、
    を実行することを特徴とする遅延解析方法。
  9. 設計対象回路の試験により得られる遅延信号の取込先の中から複数の取込先を抽出する抽出工程と、
    前記抽出工程によって抽出された複数の取込先の各取込先に至る経路中の出力分岐点を前記取込先ごとに前記各取込先から追跡する追跡工程と、
    前記取込先ごとに前記各取込先から前記追跡工程による追跡で前記出力分岐点が出現するまでの経路を、非故障箇所に決定する決定工程と、
    前記決定工程によって決定された決定結果を出力する出力工程と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする遅延解析プログラム。
  10. 請求項9に記載の遅延解析プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な記録媒体。
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