JP4635106B1 - 組立式建造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価で組立容易な円筒状の組立式建造物を提供すること。
【解決手段】本発明では、円筒状の周壁(2)を有する組立式建造物(1)であって、円筒状の周壁(2)を中心軸から放射状に複数個に分離した形状の周壁構成体(3)と、複数個の周壁構成体(3)を円筒状に結束する結束具(4)とを有することにした。特に、前記結束具(4)は、複数の周壁構成体(3)を下方に向けて凸型の半円弧状に並べた下側周壁(13)を外周側から内周側に向けて支持する下側支持体(9)と、複数の周壁構成体(3)を上方に向けて凸型の半円弧状に並べた上側周壁(18)を内周側から外周側に向けて支持する上側支持体(15)とを有することにした。また、前記結束具(4)は、中心軸方向に向けて並設した2個の周壁(2)を連結することにした。
【選択図】図1
【解決手段】本発明では、円筒状の周壁(2)を有する組立式建造物(1)であって、円筒状の周壁(2)を中心軸から放射状に複数個に分離した形状の周壁構成体(3)と、複数個の周壁構成体(3)を円筒状に結束する結束具(4)とを有することにした。特に、前記結束具(4)は、複数の周壁構成体(3)を下方に向けて凸型の半円弧状に並べた下側周壁(13)を外周側から内周側に向けて支持する下側支持体(9)と、複数の周壁構成体(3)を上方に向けて凸型の半円弧状に並べた上側周壁(18)を内周側から外周側に向けて支持する上側支持体(15)とを有することにした。また、前記結束具(4)は、中心軸方向に向けて並設した2個の周壁(2)を連結することにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、組立式建造物に関するものであり、特に、円筒状の周壁を有する組立式建造物に関するものである。
従来より、施工性を考慮した様々な組立式建造物が考案されている。たとえば、特許文献1に開示されている組立式建造物では、地上に設置するベースと、ベースの上に設置する複数の柱と、複数の柱の間に設置する外壁と、複数の柱の上端に設置する屋根とで構成し、組立後に矩形箱型状の建造物を形成するようにしている。
ところが、上記従来の組立式建造物では、ベースや柱や外壁や屋根といった複数種類の構成部材をそれぞれ製造し、その後、施工現場に運搬し、施工現場で組み立てなければならず、組立式建造物に多大な労力や時間やコストを要していた。
そこで、請求項1に係る本発明では、円筒状の周壁を有する組立式建造物であって、円筒状の周壁を中心軸から放射状に複数個に分離した形状の周壁構成体と、複数個の周壁構成体を円筒状に結束する結束具とを有し、前記周壁は、複数の周壁構成体を下方に向けて凸型の半円弧状に並べたアーチ断面を有する下側周壁と、複数の周壁構成体を上方に向けて凸型の半円弧状に並べたアーチ断面を有する上側周壁とからなり、前記結束具は、下側周壁を外周側から内周側に向けて支持する下側支持体と、上側周壁を内周側から外周側に向けて支持する上側支持体とを有することにした。
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記結束具は、下方に向けて凸型の半円弧状の下側カバーと下側支持体とで下側周壁を挟持するとともに、上方に向けて凸型の半円弧状の上側カバーと上側支持体とで上側周壁を挟持する構造とした。
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項1又は請求項2に係る本発明において、前記結束具は、中心軸方向に向けて並設した2個の周壁を連結することにした。
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
すなわち、本発明では、円筒状の周壁を有する組立式建造物であって、円筒状の周壁を中心軸から放射状に複数個に分離した形状の周壁構成体と、複数個の周壁構成体を円筒状に結束する結束具とを有することにしているために、組立式建造物を形成する構成部材を簡素化することができ、組立式建造物に要する労力や時間やコストを低減することができる。
特に、結束具が、複数の周壁構成体を下方に向けて凸型の半円弧状に並べた下側周壁を外周側から内周側に向けて支持する下側支持体と、複数の周壁構成体を上方に向けて凸型の半円弧状に並べた上側周壁を内周側から外周側に向けて支持する上側支持体とを有することにした場合には、円筒状の組立式建造物を容易かつ安全に組み立てることができる。
また、結束具が中心軸方向に向けて並設した2個の周壁を連結することにした場合には、長尺状の建造物を容易に組み立てることができる。
以下に、本発明に係る組立式建造物の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、組立式建造物1は、円筒状の周壁2と、周壁2を構成する複数の周壁構成体3を円筒状に結束するための結束具4とを有し、全体的に円筒体形状となっている。
この組立式建造物1は、そのまま円筒体として利用することも可能であり、また、様々な構造物に応用することもできる。たとえば、組立式建造物1は、図2に示すように、前後端部に外壁や床などを取付けて体育館等の施設5を形成するようにしてもよく、図3に示すように、複数の組立式建造物1を海中に積層させて湾内外の海水の流動が可能な防波堤6を形成するようにしてもよい。
組立式建造物1は、以下に説明するようにして組み立てることができる。
まず、図4に示すように、地盤7に設置溝8を形成し、その設置溝8に山型鋼を内側に向けて半円弧状に折曲した形状の下側支持体9を前後に間隔をあけて設置する。ここで、下側支持体9は、周壁構成体3を下方から支持するために下方に向けて凸型の半円弧状に伸延する平板状の支持部10と周壁構成体3を前後に仕切るために支持部10の中央で凸状に伸延する半円弧平板状の仕切部11とを形成している。
次に、図4に示すように、前後に並んだ2個の下側支持体9,9の支持部10,10の上部に周壁構成体3を左右に並べて設置する。ここで、周壁構成体3は、円筒状の周壁2を中心軸から放射状に複数個(ここでは、18個)に分離した形状となっている。なお、周壁構成体3は、中心軸方向に向けて伸延する中空部12を形成して軽量化や空気層による断熱化を図っているが、中実状に形成したものでもよく、地盤7に埋没する周壁構成体3だけ中実状として重量化を図って組立式建造物1の安定性を増加させるようにしてもよく、さらに、中空部12に断熱材を充填したり電線や水道管などを配設するようにしてもよい。
これにより、図5、図7及び図8に示すように、前後に並んだ2個の下側支持体9,9の上部に下方に向けて凸型の半円弧状に並べた下側周壁13を形成し、各下側支持体9で下側周壁13を外周側から内周側に向けて支持するとともに、中央の下側支持体9で周壁2の中心軸方向に向けて並設した下側周壁13,13を連結した構造としている。なお、下側周壁13と設置溝8との隙間はセメントや土などで充填する。
次に、図5に示すように、各下側支持体9の上部に下方に向けて凸型の半円弧状に伸延する平板状の下側カバー14を取付け、下側支持体9と下側カバー14とで下側周壁13を構成する周壁構成体3の前後端部を挟持した構造としている。
次に、図6、図7及び図8に示すように、各下側カバー14の上部に山型鋼を外側に向けて半円弧状に折曲した形状の上側支持体15を前後に間隔をあけて取付ける。ここで、上側支持体15は、周壁構成体3を下方から支持するために上方に向けて凸型の半円弧状に伸延する平板状の支持部16と周壁構成体3を前後に仕切るために支持部16の中央で凸状に伸延する半円弧平板状の仕切部17とを形成している。
次に、図6に示すように、前後に並んだ2個の上側支持体15,15の支持部16,16の上部に周壁構成体3を左右に並べて設置する。
これにより、図1、図7及び図8に示すように、前後に並んだ2個の上側支持体15,15の上部に上方に向けて凸型の半円弧状に並べた上側周壁18を形成し、各上側支持体15で上側周壁18を外周側から内周側に向けて支持するとともに、中央の上側支持体15で周壁2の中心軸方向に向けて並設した上側周壁18,18を連結した構造としている。
最後に、図1、図7及び図8に示すように、各上側支持体15の上部に上方に向けて凸型の半円弧状に伸延する平板状の上側カバー19を取付け、上側支持体15と上側カバー19とで上側周壁18を構成する周壁構成体3の前後端部を挟持した構造としている。
なお、上記組立式建造物1では、下側支持体9と下側カバー14と上側支持体15と上側カバー19とで結束具4を構成している。
以上に説明したように、上記組立式建造物1は、円筒状の周壁2をその中心軸から放射状に複数個に分離した形状の周壁構成体3と、複数個の周壁構成体3を円筒状に結束する結束具4とを有した構成となっている。
そのため、上記構成の組立式建造物1では、組立式建造物1を形成する構成部材(周壁構成体3と結束具4)を簡素化することができ、組立式建造物1に要する労力や時間やコストを低減することができる。
なお、上記組立式建造物1では、周壁構成体3が円筒状の周壁2を中心軸から放射状に複数個に分離した形状となっているために、下側周壁13及び上側周壁18がアーチ断面となり、組立式建造物1の強度を良好に保持できるようになっている。
また、上記組立式建造物1は、結束具4が、複数の周壁構成体3を下方に向けて凸型の半円弧状に並べた下側周壁13を外周側から内周側に向けて支持する下側支持体9と、複数の周壁構成体3を上方に向けて凸型の半円弧状に並べた上側周壁18を内周側から外周側に向けて支持する上側支持体15とを有した構成となっている。
そのため、上記構成の組立式建造物1では、組立時に周壁2を構成する周壁構成体3が落下するのを防止することができ、円筒状の周壁2を有する組立式建造物1を容易かつ安全に組み立てることができる。
さらに、上記組立式建造物1は、結束具4が中心軸方向に向けて並設した2個の周壁2を連結した構成となっている。
そのため、上記組立式建造物1では、長尺状の建造物であっても容易かつ強固に組み立てることができる。
1 組立式建造物 2 周壁
3 周壁構成体 4 結束具
5 施設 6 防波堤
7 地盤 8 設置溝
9 下側支持体 10 支持部
11 仕切部 12 中空部
13 下側周壁 14 下側カバー
15 上側支持体 16 支持部
17 仕切部 18 上側周壁
19 上側カバー
3 周壁構成体 4 結束具
5 施設 6 防波堤
7 地盤 8 設置溝
9 下側支持体 10 支持部
11 仕切部 12 中空部
13 下側周壁 14 下側カバー
15 上側支持体 16 支持部
17 仕切部 18 上側周壁
19 上側カバー
Claims (3)
- 円筒状の周壁を有する組立式建造物であって、
円筒状の周壁を中心軸から放射状に複数個に分離した形状の周壁構成体と、複数個の周壁構成体を円筒状に結束する結束具とを有し、
前記周壁は、複数の周壁構成体を下方に向けて凸型の半円弧状に並べたアーチ断面を有する下側周壁と、複数の周壁構成体を上方に向けて凸型の半円弧状に並べたアーチ断面を有する上側周壁とからなり、
前記結束具は、下側周壁を外周側から内周側に向けて支持する下側支持体と、上側周壁を内周側から外周側に向けて支持する上側支持体とを有することを特徴とする組立式建造物。 - 前記結束具は、下方に向けて凸型の半円弧状の下側カバーと下側支持体とで下側周壁を挟持するとともに、上方に向けて凸型の半円弧状の上側カバーと上側支持体とで上側周壁を挟持する構造としたことを特徴とする請求項1に記載の組立式建造物。
- 前記結束具は、中心軸方向に向けて並設した2個の周壁を連結することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の組立式建造物。
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