JP4634140B2 - アイリス識別装置 - Google Patents

アイリス識別装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4634140B2
JP4634140B2 JP2004379823A JP2004379823A JP4634140B2 JP 4634140 B2 JP4634140 B2 JP 4634140B2 JP 2004379823 A JP2004379823 A JP 2004379823A JP 2004379823 A JP2004379823 A JP 2004379823A JP 4634140 B2 JP4634140 B2 JP 4634140B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iris
pixel
feature extraction
comparison
polar coordinate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004379823A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006185299A5 (ja
JP2006185299A (ja
Inventor
春雄 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2004379823A priority Critical patent/JP4634140B2/ja
Publication of JP2006185299A publication Critical patent/JP2006185299A/ja
Publication of JP2006185299A5 publication Critical patent/JP2006185299A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4634140B2 publication Critical patent/JP4634140B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Collating Specific Patterns (AREA)
  • Image Input (AREA)

Description

本発明は、アイリス識別装置に関し、特に極座標状に画素を配置したエリアセンサ、すなわち極座標センサ、において、アイリスの周辺部分の影響を低減して必要なアイリス情報を的確に検出可能とし、簡単な構成でアイリス識別精度を向上させる技術に関する。
本願出願人は先に目のアイリスパターンを用いて個人識別などを行なうためのアイリス情報取得装置およびアイリス識別装置などに使用するため、極座標状に光電変換画素を配置した極座標センサを用いることを提案している(特開2000−36036号公報)。
この極座標センサは、極座標状に配列された光電変換画素群からなる撮像センサと、前記撮像センサ上に結像されたアイリス画像の中心と前記撮像センサの極座標の極との間の誤差の方向と大きさとを求めるための中心位置誤差検出手段とを一体化して1つの基板上に形成したものである。
このようなアイリス情報センサでは、各個人の目のアイリスに特有のアイリスパターンの特徴抽出を行ないアイリスコードを取得する。このアイリスコードは、予め登録されたアイリスコードとの比較を行なうことによって個人認証などを行なうことができる。
目のアイリスのパターンに基づき特徴抽出を行なうためには、例えば前記極座標センサの撮像信号すなわち画素出力信号をバンドパスフィルタに入力し、バンドパスフィルタによって画素出力信号の変化点、すなわちアイリスパターンのθ方向の変化を抽出する。そして、この抽出された信号を所定のしきい値と比較してアイリスコードを生成する。あるいは、アイリスパターンの特徴抽出を、例えば、連続するN個の画素の出力の平均値を取得し、この平均値と注目画素の出力とを比較することによりバンドパスフィルタおよび比較器を含む構成と同等の機能を達成することができ、この方法は移動平均比較法と称することができる。
アイリスの模様を用いた個人認証に従来から使用されているアイリスコードは、アイリス画像を半径方向に例えば8つの解析帯に分け、それらを円周方向に切り伸ばして合成した帯から1024ポイントの画像データを取り出す。そして、各ポイントにおける模様(アイリスパターン)の位相によって各ポイントに2ビットずつのデータを割り当てる。したがって、計2048ビットのデータを特徴抽出データとして、すなわちアイリスコードとして取り出すものである。
そして、個人認証の際には、アイリスの撮像画像から得たアイリスコードと、予め登録されたアイリスコードとを各ビット毎に排他的論理和演算を行ないかつ積算する評価関数、すなわちハミング距離関数、が使用されていた。この評価関数によって計算された値が評価値として使用され、該評価値が所定値より小さい場合に同一人物であると判断されるなどの方法が用いられていた。前記排他的論理和は不一致部分を積算するため、得られた評価関数の値が小さい程類似度が高いことになる。
この場合、アイリスコードの各ビットの不一致部分の積算には、各ビットに対する重み付けはされておらず、全てのビットは重み=1で平等であった。
しかしながら、アイリスの外周部は瞼やまつ毛によって隠されることが多く、その周辺部もその影響を受けて画像の品位が落ちる。また、照明の仕方によっては、照明光がアイリス部分に写り込むこともあった。
そこで、これらの虹彩の外周部の比較してはいけない部分を比較対象から除くために、従来は本来のアイリスコードとして得られた256バイト(2048ビット)の他に、同じビット数のマスクビットを付加し、計512バイトのアイリスコードとすることで対処していた。すなわち、比較対象外の部分のマスクビットをセットすることで、その部分を比較しないようにしていた。
特開2000−36036号公報
しかしながら、このような従来の技術においては、マスクビットを付加することによりアイリスコードのビット数が大きくなり、検索スピードが低下し、リアルタイムで個人認証を行なう場合に極めて高速度の処理装置などを使用する必要があり、装置のコストも上昇するという不都合があった。
また、本来のアイリスコードの他にマスクビットを付加するため、マスクビットをアイリスの周囲状況、例えば瞼やまつ毛の状況を考慮して作成する必要があり、マスクビットの作成および設定に手間がかかるという不都合もあった。
したがって、本発明の目的は、前述の従来例における問題点に鑑み、極座標センサ部の各ポイントの比較結果を示す値に極座標センサ部の内周部のポイント程大きな重みを与えて積算するという構想に基づき、アイリスの外周部の瞼やまつ毛などによる影響を軽減してアイリスの識別率を向上させることにある。
本発明の他の目的は、本来のアイリスコードにマスクビットを付加することなしに、アイリスの外周部における瞼やまつ毛などによる悪影響を除去し、高精度の識別を高速度で行なうことができるようにすることにある。
本発明のさらに他の目的は、本来のアイリスコードにマスクビットを付加することなく高速かつ高精度の識別ができるようにすると共に、簡単な装置構成および少ないビット数のアイリスコードで実時間の認証が的確に行なわれるようにすることにある。
本発明のさらに他の目的は、マスクビットを作成し本来のアイリスコードに付加する手間を省き、アイリス識別装置の装置構成を簡単にし、かつ操作性を向上させることにある。
本発明の一態様によれば、極座標状に配列された光電変換画素群を備え、目のアイリス領域からの画像光を、前記画素群上に結像されたアイリス画像の中心と前記極座標の極とが一致するように前記光電変換画素群上に結像させ、前記光電変換画素群の各光電変換画素を順次走査してアイリス画像信号を読み出す極座標センサ部と、読み出したアイリス画像信号にもとづきアイリス特徴抽出コードを生成する特徴抽出コード生成部と、前記特徴抽出コード生成部によって生成されたアイリス特徴抽出コードと、予め登録されたアイリス特徴抽出コードとを比較して比較評価値を生成する比較部であって、前記比較評価値は前記極座標センサ部の内周部ほど大きな重みを有する比較評価関数で生成する比較部と、を具備し、前記比較評価値を予め定めた基準値と比較してアイリス識別を行うことを特徴とするアイリス識別装置が提供される。
この場合、前記特徴抽出コード生成部によって生成されたアイリス特徴抽出コードと、予め登録されたアイリス特徴抽出コードとを各画素ごとに排他的論理和演算して、不一致部分を各画素の半径位置に応じて重み付けして積算することにより、前記比較評価値を生成すると好都合である。
また、前記極座標センサ部の光電変換画素群は、複数の同心円状の解析帯に分けて配置され、かつ円周方向の画素数が等しいものとすることができる。
この場合、前記アイリス特徴抽出コードを、各半径方向に沿って配列された画素群のうち、内周部側に配置された画素が最上位ビット側、外周部側に配置された画素が最下位ビット側となるよう、各半径方向に沿って配列された各画素が2進数の各ビットに対応する重みを有するよう生成し、各半径方向に沿って配列された画素群からの特徴抽出データごとに予め登録されたアイリス特徴抽出コードの対応する特徴抽出データとの大きさ比較によってアイリス識別を行うことができる。
また、この場合、前記各半径方向に沿って配列された画素群からのアイリス特徴抽出データのうち、最上位ビット側から一部のビットのみを使用してアイリス識別を行うと好都合である。
さらに、前記アイリス画像信号は前記極座標センサの円周方向の所定の読出し開始位置の画素から最内周の解析帯に沿って一周分の読出しを行い、次に、該解析帯の外側の解析帯に沿って前記読出し開始位置から一周分の読出しを行い、以下順次外周側へと読出しを行うことも可能である。
この場合、前記所定の読出し開始位置からすべての画素につきアイリス画像信号の読出しを行った後、読出し開始位置を順次円周方向にシフトして読出しを行い、読み出した画像信号から生成したアイリス特徴抽出コードのうち予め登録されたアイリス特徴抽出コードと最もよく整合する読出し開始位置から読み出した画像信号から生成したアイリス特徴抽出コードを使用してアイリス識別を行うと好都合である。
また、前記所定の読出し開始位置から、順次読出し開始位置をシフトして読出しを行う過程で、一旦同一人物と判定できる比較評価値が得られた後は、以後の読出しおよび比較を省略することができる。
さらに、円周方向に連続する所定数の複数の画素のそれぞれを読出し開始位置として並列的に読み出したアイリス画像信号から生成した複数のアイリス特徴抽出コードを予め登録されたアイリス特徴抽出コードとそれぞれ比較する複数の比較および積算回路を具備し、これらの比較および積算回路によって得られた比較評価値のうち、最もよく整合する比較評価値を使用してアイリス識別を行うと好都合である。
本発明によれば、アイリスの外周部の重みを小さくし、内周部の重みを大きくしたから、瞼やまつ毛などの影響を最小限とし、簡単な装置構成によりアイリス識別率を向上させることができる。また、マスクビットを付加する必要がなく、あるいは一部のエリアのみマスクビットを付加する構成とすることもでき、アイリスコードのビット数を大幅に削減することができる。このため、アイリスコードのサイズを小さくすることができ、高速度で識別動作を行なうことが可能になる。
また、アイリス領域の内、比較してはいけない部分を比較対象から除くために、比較対象外の部分のマスクビットを作成し本来のアイリスコードに組み合わせる操作が必要なくなる。このため、アイリス識別装置の製造、設定および調整手順を大幅に簡略化することが可能になる。また、装置構成も簡略化することができ、アイリス識別装置全体としての生産性を向上させ装置コストを低下させることが可能になる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態につき説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係わるアイリス識別装置に使用されるアイリス情報取得装置部分の構成例を示す。同図において、このアイリス情報取得装置は、まず2つの広角カメラ1a,1bおよびズームカメラ7を具備する。広角カメラ1a,1bは、認識対象の人の目の画像を各CCD2a,2bによって撮像し、撮像した信号のノイズをCDS回路3a,3bによって低減して得た画像信号をアイリス獲得コントローラ6に送出する。なお、広角カメラ1a,1bは、制御部4a,4bが生成する同期制御信号をもとに、CCD2a,2bを駆動制御するCCDドライバ5a,5bを制御するとともに、CDS回路3a,3bの処理動作を制御している。
図1の装置はまたアイリス獲得コントローラ6を具備する。アイリス獲得コントローラ6は、広角カメラ1a,1bから入力された画像信号をもとに、認識対象の人の目の3次元位置を特定し、この特定した結果を示す信号またはデータをズームカメラ7に出力する。
ズームカメラ7は、この3次元位置をもとに、ステアリングモータ7bを駆動制御してミラー8cを動かし、ズームカメラ7の撮像方向を人の目の方向に向ける。また、ズームカメラ7は、ズームレンズ光学系8を駆動するズーム/フォーカスモータ7aを制御して人の目の3次元位置に合焦させるとともに、撮像対象のアイリス画像がアイリス情報センサ10、の撮像領域に一致するようにズーム量を調整する制御を行う。ズームカメラ7内のアイリス取得部9は、センサ10が撮像したアイリス画像とセンサとの位置誤差およびフォーカス誤差情報をアイリス獲得コントローラ6に送出する。
アイリス獲得コントローラ6は、上述したアイリス部の情報が得られるまで上述したカメラ系各部をサーボコントロールする。アイリス部の情報が得られると、この情報、すなわちアイリスコード、を内臓あるいは図示しないホストコンピュータが保持している予め登録されたアイリスコードと照合し、あるいはホストコンピュータに照合させる。なお、ホストコンピュータがカメラ系各部の制御を行なってもよいし、アイリス取得部9の各誤差信号によりセンサ部自身で制御を行なってもよい。
なお、図1の構成においては、撮像対象のアイリス画像がセンサ10の撮像領域に一致するように撮像画像の大きさを調整するズームレンズ光学系8を備えている。しかしながら、本発明はこのようなズームレンズ光学系8を使用せず、例えば単焦点のレンズを使用してもよいことは明らかである。例えば、カメラの前面の所定位置にのぞき穴などを設け、被識別対象者にこののぞき穴からカメラのレンズ部を見るよう指示する構成、いわゆるのぞき込み方式、などでは、カメラと目との間の距離をほぼ所定値に設定することができる。したがって、このような場合はズームレンズを使用しなくとも撮像対象のアイリス画像をセンサ10の撮像領域にほぼ一致させることができる。また、この場合はカメラに対する目の位置もほぼ所定の位置関係に規制されるので、図1における広角カメラ1a,1bなどを使用しない構成も可能である。
また、図1の構成においては、ミラー8cを動かしてズームカメラ7の撮像方向を目の方向に向けている。ただし、本発明はミラーの代わりに、VAP(可変頂角プリズム)や撮像レンズあるいはその一部を光軸に直角方向にシフトさせることによって目の位置合わせを行なうこともできる。
上記構成において、アイリス獲得コントローラ6がアイリス取得部から受けるアイリス部の情報は、アイリス取得部9によって2値化されたアイリスコードとなっている。このアイリス取得部9の詳細構成について図2を参照して説明する。
図2は、図1に示すアイリス情報取得装置におけるアイリス取得部9の概略の構成を示す。同図のアイリス取得部9は、極座標状に配列された複数の光電変換画素からなる極座標センサ部10aを備えたアイリス情報センサ10を備えている。極座標センサ部10aの各光電変換画素は、フォトダイオードで構成してもよく、CCD撮像素子によって構成してもよく、あるいはMOS型の撮像素子その他の光電変換素子で構成してもよい。また、極座標センサ部10aの中心エリア10bにはアイリス画像の中心と極座標センサ部の極座標の極との位置誤差を検出するための位置検出部10cが配置されている。位置誤差検出部10cは、例えば、前記極座標の極を中心として4分割されたフォトダイオードによって構成することができる。
図2の装置は、また、センサ10の光軸上に設けられ人間の目を可視光で照明する照明用のLED(発光ダイオード)13を有する。なお、LED13の発光面はセンサ10の受光面と光学的に位置をずらすことにより、LED13が人間の目を的確に照明できるように構成すると好都合である。なお、照明手段としてはLED13の他に、EL(電界発光)素子その他任意のものが使用できる。
図2の装置は、さらに、アイリス内径検出回路11を有する。アイリス内径検出回路11は、撮像したアイリス画像における半径方向の瞳とアイリスとの境界をレベル変化によって検出し、すなわちエッジ検出を行ない、その結果からアイリス画像の内径を求める。この場合、図2には図示されていないが、極座標センサ部10aのアイリス画像撮像用の、例えば8つの解析帯(リング帯)を形成する、有効画素部分のさらに内周部および外周部にはそれぞれ1周分のエッジ検出用の画素がリング状に配置されている。アイリス内径検出回路11は内周部のエッジ検出用の画素と該画素より外側に配置された画素との間の検出信号のレベル変化によって瞳とアイリスとの境界の検出を行なう。具体的には、例えば、検出信号のレベル変化は各画素出力を1周分平均した値の差によって求めることができる。
図2の装置は、さらにアイリス外径検出回路12を有し、該アイリス外径検出回路12も同様に、撮像したアイリス画像におけるアイリスの外周縁をレベル変化によって検出し、すなわちエッジ検出を行ない、その外径を求める。すなわち、上記アイリス内径検出回路と同様に、アイリス外径検出回路12は上述の極座標センサ部10aの外周部のエッジ検出用の画素と該画素より内側に配置された画素との間の検出信号のレベル変化によってエッジ検出を行なうことができる。
また、アイリス外径検出回路12は、ズーム誤差信号をアイリス獲得コントローラ6に出力する。なお、アイリス内径検出回路11は、前述のようにアイリスの内径を検出するが、この検出した内径とセンサ10の内周縁とのずれ、すなわち瞳径誤差信号を生成し、アイリス獲得コントローラ6に送出する。
アイリス獲得コントローラ6は、この瞳径誤差信号がなくなるようにLED13の明るさを制御する。すなわち、瞳径が極座標センサ部10aの内周縁よりも大きい場合には、LED13の明るさを増し、瞳径が極座標センサ部10aの内周縁よりも小さい場合にはLED13の明るさを減じる制御を行なう。具体的には、例えば、内周側のエッジ検出用の画素の出力と該画素の外側の有効画素の出力との差が最大になるようLED13の明るさを制御するサーボ動作を行なう。
これにより、瞳径は、常に極座標センサ部10aの内周縁に一致し、また、ステアリング誤差信号、ズーム誤差信号などによって、極座標センサ部10aの外周縁はアイリスの外径に一致するため、撮像対象のアイリス部は、極座標センサ部10a上の画素配列パターンに常に一致して撮像されることになる。
したがって、極座標センサ部10aの各画素の半径方向幅を必要な分解能例えば8等分に分割しておけばよく、このような極座標センサ部10aを有するセンサ10からの撮像信号を用いてそのままアイリスコードを生成することができる。
センサ10からの撮像信号はハイパスフィルタ14に送られる。ハイパスフィルタ14によって撮像信号の高域成分レベルを取り出し、フォーカス制御信号として出力する。上述のようなステアリング誤差信号、ズーム誤差信号、およびフォーカス制御信号は、それぞれ前述のアイリス獲得コントローラ6に送られる。アイリス獲得コントローラ6は、上述したようにズームカメラ内のステアリングモータ7bおよびズーム/フォーカスモータ7aを制御することによって撮像対象のアイリスを極座標センサ部10aの中心に一致させると共に、アイリスの外径を極座標センサ部10aの外周縁に一致させ、かつ合焦処理を行なわせる。
タイミングジェネレータ18は、センサ10のドライバ19を駆動させ、各解析帯毎にθ方向(回転方向)に画素信号を出力させる走査を行なう。前述のフィードバック処理による微調整を行なうことによって適正な撮像が可能な状態になると、各画素からの読出し出力信号は、後に詳細に説明するように、読出し電位保持部を介して加重移動平均回路15に送られる。加重移動平均回路15は、送られた画素出力信号の変化点、すなわちアイリスパターンのθ方向の変化を抽出する。さらに、2値化回路16は、抽出された信号に対して、内在するコンパレータによって2値化処理を行なったアイリスコードを生成する。そして、このアイリスコードはラッチ回路17を介してアイリス獲得コントローラ6に送られる。アイリス獲得コントローラ6は、上述したように各解析帯のアイリスコードと、ホストコンピュータに予め登録されたアイリスコードとの比較を行ない、個人認証を行なう。なお、アイリスコードはセキュリティ確保のために暗号化または符号化して各回路装置間を伝送することが好ましい。
なお、上述の方法によれば、センサ10として半径方向の画素数が多いものを使用して各解析帯に分割する必要がなく、しかもアイリスの中心が決定されているので、アイリス画像を予め登録しておくことにより、非常に簡単なパターンマッチングによっても認証処理を行なうことができる。すなわち、アイリスの内径と外径とが既知であるので、アイリスの中心で回転することのみによってパターンマッチングを行なうことができ、比較速度を格段に向上させることができる。
図3は、本発明の一実施形態に係わるアイリス識別装置に使用されるアイリスセンサの極座標センサ部10a、および画素の重み付けの例を示す説明図である。
図3において、極座標センサ部10aは、画素31を極座標の極oを中心として半径方向に例えば、8つの解析帯に沿って配置している。また、各解析帯における円周方向の画素数は等しくなっており、例えば256とされる。なお、極座標の極oの近傍の中心エリアにはアイリス画像の中心と極座標センサ部10aの極座標の極oとの位置誤差を検出するための前述の位置誤差検出部10cが配置されている。図3の位置誤差検出部10cは、前記図2に示されたものと形状が異なるが、極座標の極oを中心として4分割されたフォトダイオードによって構成されている。
本発明においては,このような極座標センサ部10aによって読み取ったアイリス画像情報から生成したアイリスコードを予め登録されたアイリスコードと比較する際に、アイリス特徴情報の豊富な内周部程重みのある比較評価関数を使用する。
例えば、図3の(1)に示されるように、極座標センサ部10aの、最内周重み=4,以下=4,=3,・・・,最外周重み=1とした評価関数で比較する。あるいは、図3の(2)に示されるように、最内周重み=8,以下=7,=6,・・・,最外周重み=1とする。あるいは、図3の(3)に示されるように、最内周重み=8,以下=4,=2,・・・,最外周重み=1、あるいは図3の(4)に示されるように、最内周重み=128,以下=64,=32,・・・,最外周重み=1とした評価関数で比較する。
すなわち、例えば、各画素のデータと予め登録されたデータとを排他的論理和演算し、この排他的論理和演算によって得られた値、すなわち“1”または“0”に、上述のような半径方向に内周部程大きな重みの値を乗算し、かつ積算する。
このような積算値を比較評価値として使用し、所定の基準値と比較することによりアイリス識別を行なうことができるが、内周部程重みのある比較評価関数を使用することにより、外周部の重みが小さくなる。したがって、外周部にしか現われない瞼やまつ毛の評価値における影響をかなり小さくすることができる。このため、瞼の部分などをマスクビットを使用して除去することなく、極座標センサ部で読み取ったデータ全体を比較してアイリス識別を行なうことが可能になる。
また、例えば図3の(4)に示されるように、内周部がMSB側、外周部がLSB側になるように特徴抽出コードを作成し、重みの付け方を工夫して、例えば、2のべき乗の重み付けをすることにより、特徴抽出コードを予め登録されたコードデータと単なる大きさ比較することによってアイリス識別を行なうことが可能になる。すなわち、円周方向の各特徴点における大きさ比較によって得られた差の値を、円周方向に特徴点数分(すなわち、画素数分)積算した結果が小さい程類似度が高いと判別することができる。したがって、この積算した結果が所定値以下であるか否かによって個人認証を行なうことが可能になる。
このような方法では、各特徴点における大きさ比較によって比較評価値を得ることができるので、相似コードの検索時間を大幅に短縮することができ、各画素毎に比較する場合に比べておよそ8分の1とすることが可能となる。
しかし、この場合、最内周は最外周の128倍の重みとなり、内周側の精度、特に中心位置合わせ精度、が非常に大きな影響を与え、高い性能の位置合わせサーボ機構が要求される。そこで、図3の(3)に示されるように、主として上位4ビットのみの大きさを比較する重み付けを行なうことにより、内外周の重み差を小さくし、かつ、比較時間を短縮することも可能になる。
特に、後に詳細に示すように、極座標センサ部に対する目の傾きの違いによる不一致を吸収するため、アイリスコード比較の際には、例えば+/−10°、すなわち+/−7画素程度、比較開始位置を振って比較し、その内最も似ている結果で個人を識別するなどの方法を取ることができる。
このような処理をアイリス識別装置内のマイコンやホスト側のソフトウェアで行なう場合には、一般的には、各ビット毎に一致/不一致を確かめ、不一致の場合には重みを掛けて積算するという操作を、解析帯の数(8)×円周方向特徴点数(256)分繰り返す必要がある。
このような方法では、演算量がかなり多くなり、極めて高速度の演算処理装置を必要とする。これに対処する1つの方法として、前述のように、図3の(3)および図3の(4)に示されるような、2のべき乗の重み付けをすることで、単なる大きさ比較でよいため、比較時間を短縮し、演算処理装置の負担が軽くなる。
図4は、ハードウェア回路を用いてアイリス識別を行なう場合の概略の装置構成を示す。同図の装置は、前述のような極座標センサ部を備えたアイリス情報センサ41と、予めアイリス特徴抽出コードを記憶しておくための不揮発メモリ42と、不揮発メモリ42の出力を並列−直列変換するPS変換回路43と、アイリス情報センサ41から供給されるアイリスコードとPS変換回路43から供給されるアイリスコードとを比較するための排他的論理和回路44とを備えている。
図4の装置はまた、排他的論理和回路44の出力を積算する積算器47と、該積算器47に半径位置に応じた重みを設定するための重み設定回路46と、この重み設定回路46に半径位置を示す信号を与える半径カウント/セレクタ45を備えている。
図4の装置はさらに、積算器47によって得られた比較評価値を判定基準回路48から供給される基準値と比較する比較器49を備えている。
図4の装置においては、アイリス情報センサ41を備えた撮像装置によって、判定対象の個人などの目のアイリス領域からの画像光を撮像して対応するアイリスコードが生成される。一方、不揮発メモリ42に予め登録されたアイリスコードがPS変換回路43によって直列コードデータに変換され排他的論理和回路44に供給される。排他的論理和回路44は極座標センサ41からのアイリスコードと不揮発メモリ42からの登録アイリスコードとを対応する各ビット毎に排他的論理和演算し、例えば、不一致の場合は“1”の信号を出力し、一致する場合は“0”の信号を出力する。これらの信号は積算器47に供給される。
半径カウント/セレクタ45は、アイリス情報センサ41のアイリスコードの読出しと同期して、アイリス情報センサ41から出力されるアイリスコードの各ビットの半径位置を示す信号を生成する。この半径位置を示す信号は重み設定回路46に供給される。重み設定回路46は、入力された信号で示される半径位置に応じて、前述のように内周部程大きな重みを示す信号を出力し積算器47に供給する。
積算器47は、排他的論理和回路44から入力される不一致を示す信号値、例えば“1”と重み設定回路46から入力される重みの値を乗算して積算する。排他的論理和回路44は、アイリス情報センサ41からのアイリスコードのビットと、不揮発メモリ42からのアイリスコードの対応するビットとが一致する場合は、例えば、信号値“0”を出力するから、積算器47は不一致の場合にのみ半径位置に応じて重み付けされた値を積算する。
アイリス情報センサ41の全ての画素からのデータに関して排他的論理和回路44での演算、および積算器47の積算が行なわれた時点で、積算器47は識別対象の人の比較評価値を出力する。
したがって、比較器49によって、積算器47から出力される比較評価値を判定基準回路48から供給される基準値と比較し、判定結果として、比較評価値が基準値以下の場合に同一人物と判定することができる。なお、判定基準回路48から供給される基準値は、例えば内部に予め用意してある幾つかの値の中から選択するか外部から供給できるようにすると好都合である。これによって、アイリスコードの相関度を所望の値に設定して、本人拒否率や他人受入れ率を適切に設定することが可能になる。
上記構成において、積算器47などはデジタル回路として構成してもよく、あるいはアナログ回路で実現することもできる。図5は、図4の積算器47を含む回路部分をアナログ回路で実現した構成を示す。同図の回路構成においては、半径位置によって定められる重みに応じた電流値を有する電流源I1,I2,I3,・・・,I8と、これらの電流源と直列に接続されたトランジスタスイッチS1,S2,S3,・・・,S8を備えている。各々の電流源I1,I2,・・・とトランジスタスイッチS1,S2,・・・との直列回路は両端が一緒に接続され、図示しない電源線と、不一致の場合にオンとされるMOSトランジスタ51の一方の電流端子、ソースまたはドレイン、に接続されている。
各トランジスタスイッチS1,S2,S3,・・・,S8のゲート電極には、各半径の解析帯の読出し時に対応するトランジスタスイッチをオンとするための半径選択信号rADRS1,rADRS2,rADRS3,・・・,rADRS8が供給される。したがって、各トランジスタスイッチS1,S2,S3,・・・,S8は極座標センサ部の内周部から外周部へと各半径位置の解析帯の画素を読み出している間中オンとされる。
図5の回路は、さらに、MOSトランジスタ51と直列に接続されたリセット用MOSトランジスタ52、リセット用MOSトランジスタ52と並列に接続された容量(C)53を備えている。さらに、図5の回路は、容量53の両端の電圧に対応する信号が一方の端子に入力され、他方の入力に判定基準回路から判定レベルを示す信号を受ける比較器54と、伝送ゲートおよびインバータなどで構成されるラッチ回路55を備えている。
なお、リセット用MOSトランジスタ52のゲート電極には、アイリス情報センサの極座標センサ部の有効画素エリアの内周側に隣接して配置されたエッジ検出用画素の読出し時にアクティブになる信号rADRS0をリセット信号として供給している。さらに、ラッチ回路55の各伝送ゲートの制御信号として、極座標センサ部の有効画素エリアの外周に設けられた他のエッジ検出用の画素の読出しを行なう場合にアクティブになる信号rADRS9が供給されている。ラッチ回路55は、遅延型フリップフロップ(D−FF)と同様の動作を行なう。
図5の回路においては、極座標センサ部の例えば最内周の解析帯の画素を読み出している場合には、半径選択信号rADRS1がオンとなり、トランジスタスイッチS1が導通している。したがって、例えば図4の排他的論理和回路44から不一致を示す信号がトランジスタ51のゲートに加えられると、該トランジスタ51がオンとなり、電流源I1で決定される電流がトランジスタスイッチS1およびトランジスタ51を介して容量53に流れ、容量53に該電流の大きさに対応する電荷が蓄積される。このようにして、比較結果が不一致になるに応じて、電流源I1で定められる大きさの電流が流れ、該電流の大きさに対応する電荷が容量53に積算されていく。
このようにして、極座標センサ部の内周の解析帯から外周の解析帯まで順次読出しが行なわれ、この読出し中に不一致が生じたことに応じて、各半径位置の電流源によって決定される大きさの電流がトランジスタ51を流れ、該電流に対応する電荷が容量53に蓄積される。
このようにして、全画素の読出しが終了すると、容量53には比較評価値に対応する電荷、従って電圧が蓄積される。この比較評価値を示す電圧を比較器54において判定基準回路から供給される判定レベルを示す電圧と比較し、有効画素の外周のエッジ検出用画素を選択する半径選択信号rADRS9によってラッチ55に比較結果を示すデータが取り込まれる。したがって、ラッチ回路55の出力によって同一人物か否かの判定結果が示される。なお、容量53に積算電荷を蓄積する前に、有効画素エリアの内周のエッジ検出用画素を選択する半径選択信号rADRS0によってリセット用CMOSトランジスタ52がオンとされ、容量53の電荷を放電し比較評価値をリセットする。
図6(a),(b)は、本発明に係わるアイリス識別装置に使用されるアイリス情報センサの概略の構成を示す。同図に示されるアイリス情報センサは、半導体などのセンサ・チップ基板(以下単に基板と称する)61の上に集積形成された極座標センサ部10aを基本的構成要素として備えている。極座標センサ部10aは、極座標の原点oを中心として極座標状に配列された複数の光電変換画素62を備えている。光電変換画素62は、例えばフォトダイオードからなり、目のアイリス画像を撮像するためのものである。
極座標の原点oから所定半径の中心エリアには位置誤差検出用の4分割フォトダイオード(PD)センサ10cが形成されている。この位置誤差検出用PDセンサ10cは、例えば、原点oを頂点とする頂角が90°の4つの扇形領域に分割されたフォトダイオードからなる。
極座標センサ部10aの外側には、極座標センサ部10aからの画像信号を読み出しかつ処理するための各種の回路要素が形成されている。例えば、参照数字63で示される一対の短冊状の部分は、極座標センサ部10aからの読出し画像信号を一時記憶するための読出し電位保持用容量であり、一対の容量が1つの画素に対応する。読出し電位保持用容量63は極座標センサ部10aの1つの半径位置の1周分の画素からの画像電荷を保持できる数だけ設けられている。前記一対の容量は、例えば、一方の容量が画素のリセット直後の電位を保持し、他方の容量が画像光を受光した後の画素の電位、すなわち、チャージ後の電位、を保持し、これらの両方の容量の電位の差を画素からの読出し信号として使用する。
また、参照数字64は、読出し電位保持用容量63を介して読み出された画像信号を外部に出力するためのMOSトランジスタアレイを含むスイッチング回路その他を配置した出力選択処理回路を示している。
なお、図6(b)は、図6(a)の極座標センサ部10aにおける光電変換画素62の一部を取り出して示したものである。図6(b)に示されるように、光電変換画素62は、極座標の原点oを中心として、例えば、8つの解析帯を構成するよう配置されている。例えば、最内周の解析帯を構成する画素62aは極座標の極oを中心とする所定半径上に配置されている。また、最内周の解析帯の外側には第2の解析帯の円周に沿って画素62bが配置され、さらに外側の解析帯には画素62cが円周に沿って配置され、以下同様に順次外側の解析帯に沿って画素が配置されている。これらの画素62a,62b,62c,・・・はアイリス画素を撮像してアイリスコードを生成するための有効画素群を構成する。なお、これらの有効画素群の領域の内周部には、極座標センサ部10aに投影されるアイリス画像の内周エッジを検出するためのエッジ検出用画素群65が配置されている。さらに、有効画素エリアの外周には図示しない外側エッジ検出用の画素群が配置されている。
なお、各有効画素62は、半径方向のほぼ中央部付近、すなわち各解析帯の中央部付近、は画素の幅が大きく、半径方向の中央付近から遠ざかるに応じて画素の幅が小さくなる形状とし、画素の半径方向中央付近で最も画素出力が大きくなるように重み付けが行なわれるよう、略菱形形状を有する。また、最内周のエッジ検出用画素65および図示しない最外周のエッジ検出用画素は略三角形の形状を有している。
図6のアイリス情報センサ61においては、極座標センサ部10aの各画素62からのアイリス画像信号の読出しは、最内周の解析帯の画素62aの内の、所定の開始位置66の画素から最内周の1周分の画素の読出しを行ない、次に第2の解析帯の画素62bを円周方向に沿って読み出す。以下、同様にして各半径位置の1周分の画素の読出しを行ない、最外周の有効画素まで読出しを行なって1回分の読出しを完了する。図6(a)における略渦巻き状の矢印はこの読出し過程の一例を示す。
なお、実際には、各半径位置の1周分の画素からの読出し電荷が、読出し電位保持用容量63に同時に読み出されて蓄積され、出力選択回路64などによって円周方向の画素の信号が順次出力される。
上述のようなアイリス情報センサによって目のアイリス情報を読み出しアイリス識別を行なう場合に、読出し開始位置66を所定の開始位置、図6(b)で(1)で示される画素の位置、から読み出した後、この開始位置66の前後の画素から同様にアイリス画像情報を読み出しアイリス識別を行なうと好都合である。すなわち、アイリス情報センサ61と認識対象の人の目の傾きの違いによる比較評価値の誤差を吸収するため、アイリスコードを予め登録されたアイリスコードデータと比較する際には、例えば+/−10°、例えば+/−7画素、程度比較開始位置を振って(シフトして)比較を行なうと好都合である。読出し開始位置をシフトさせて順次読出しを行ない予め登録されたアイリスコードデータと比較し、その内最も似ている結果で、すなわち最も評価値が低い読出しアイリスコードを使用して個人識別を行なうと好都合である。
例えば、図6(b)に示されるように、最初に数字(1)で示される読出し開始位置66の画素から極座標センサ部10aの画素の読出しを行なう。次に、読出し開始位置、すなわち比較開始位置、を図6(b)の(2)で示される位置にシフトし、この位置の画素から同様に極座標センサ部10aの画素の信号を読み出し予め登録されたアイリスコードデータと比較する。以下、同様に、読出し開始位置を(3),(4),(5),・・・と振ってアイリスコードの比較を行ない最も比較評価値の低い値を採用する。
なお、このような比較開始位置を振って比較評価値を得る場合は、目の傾斜が一致するポイントを含む少ない範囲でのみ小さな値となる。したがって、比較開始位置を振って順次読出しを行ない、一旦、比較評価値が同一人物と判定できる判定値以下になった後は、あるいはさらに比較開始位置を変えたことにより比較評価値がこの判定値以上になった場合は、以下の比較を省略して比較時間を短縮することができる。したがって、最初に傾き0°で比較を行ない、次に+/−1画素、+/−2画素、・・・だけずれた開始位置から読み出して比較するのが望ましい。
以上のようなアイリスコードの読出しおよび比較操作は、アイリス識別装置内に設けたマイコンや、ホスト側のコンピュータを使用してソフトウェアで行なうことができる。この場合には、各ビット毎に一致/不一致を確かめ、不一致の場合には半径位置に応じて設定された重みを乗算して積算するという操作を、解析帯の数(8)×円周方向特徴点数(256)分繰り返す必要がある。また、前述のように比較開始位置を順次シフトさせながら比較操作を行なう場合には、このような操作を各比較開始位置毎に行なう必要がある。
また、前述の図4に示される回路を使用して円周方向の読出し開始位置を順次振ることで読出しおよび比較を行なうこともできる。この場合は、図4の極座標センサ41から予め所定の読出し開始位置から画像信号を読み出しアイリスコードを生成して前述のように比較器49で比較を行なう。そして、次に極座標センサ41からの読出し開始位置を順次左右にシフトして同様にアイリス画像信号の読出しおよびアイリスコードの生成を行ない、比較器49で比較を行なう。このような操作によって、最も比較評価値が低いアイリスコードデータを採用してアイリス識別を行なえばよい。
次に、図7は、複数の読出し開始位置から同時にアイリス画像信号を読み出しかつアイリスコードを生成して、同時に比較判定を行なう構成を示す。
図7の回路は、画素シフト回路71aを備えた極座標センサ71と、登録されたアイリスコードデータを記憶する不揮発メモリ72と、不揮発メモリ72の出力データを直列信号に変換するPS変換回路73と、各々極座標センサ71から並列的に出力されるアイリスコードと不揮発メモリ72からの登録アイリスコードデータとを比較する排他的論理和回路74−1,74−2,74−3,・・・,74−mを備えている。図7の回路はまた、各々の排他的論理和回路74−1,74−2,74−3,・・・,74−mに対応して設けられた複数組の半径カウント/セレクタ75、重み設定回路76、積算器77、判定基準発生回路78および比較器79を備えている。
図7の回路構成において、アイリス情報センサ71は、前に図6で説明したアイリス情報センサ61と同様の構成を有する。したがって、アイリス情報センサ71は、極座標センサ部10aと、該極座標センサ部10aの外側に配置され1周分の画像信号電位を保持する読出し電位保持用容量63と、MOSトランジスタアレイ64を有している。したがって、極座標センサ部10aの各解析帯の画素電荷は各解析帯1周分の画素電荷が並列的に読出し電位保持用容量63に読み出される。したがって、この並列的に読み出された画素電荷をMOSトランジスタアレイ64などによって構成される画素シフト回路71aによって、それぞれ異なる読出し開始位置から並列的に取り出し、それぞれに対応するアイリスコードを生成することができる。
このようにして各読出し開始位置から読み出された画像信号に基づき生成された複数系統のアイリスコードは、それぞれ排他的論理和回路74−1,74−2,74−3,・・・,74−mに入力され、不揮発メモリ72から供給される登録アイリスコードデータと排他的論理和演算が行なわれる。各々の排他的論理和回路74−1,74−2,74−3,・・・,74−mは、各読出し開始位置から順次読み出されるアイリスコードと登録アイリスコードデータとを排他的論理和演算し、両者が一致する場合には“0”を出力し、不一致の場合には“1”を出力する。
したがって、積算器77において、前に図4を参照して説明したのと同様に、半径カウント/セレクタ75で指定される半径位置に応じた重み付けデータを重み設定回路76が発生し、この重みの値を積算器77において不一致の場合のデータ“1”に乗算して積算し、比較評価値を生成する。このようにして生成された比較評価値が比較器79において判定基準発生器78から供給される判定基準を示す値と比較され判定結果が出力される。
このような処理が、各々の排他的論理和回路74−1,74−2,74−3,・・・,74−mの出力について行なわれ、複数の読出し開始位置からの読出し信号に基づく判定結果が複数の比較器79によって同時に表示出力される。
このような回路構成を用いることにより、複数の読出し開始位置から読み出されたアイリス画像信号、従ってアイリスコード、に関し並列的に登録アイリスコードデータと比較を行なうことができる。したがって、目の傾きの違いによる比較評価値への影響が除去され、高速度で正確なアイリス識別を行なうことが可能になる。
図8は、本発明の別の実施形態に係わるアイリス識別装置の概略の構成を示す。同図の装置は、例えば対面式、あるいはのぞき込み方式のアイリス検出を行なう場合などに使用される構成を示す。図8の装置構成では、例えば、所定の穴からアイリスセンサをのぞき込むようにしあるいは認識対象者が所定の枠などの位置に顔を位置させることによって、アイリスセンサに対して所定の狭い範囲内に、かつアイリスセンサから所定の距離に認識対象者の目が位置するよう構成する。このような場合には、前に図1を参照して説明したような、広角カメラによるアイリス位置出しなどの前処理を行なう代わりに、VAP(頂角可変プリズム)8aまたは複数のレンズの相対的な平行移動を使用して構成を簡略化することができる。例えば、図8では、頂角可変プリズム8aとズームレンズ8bを含む光学系とアイリスセンサを含むアイリス取得部9などを含むズームカメラのみの制御でアイリス画像を得ることができる。
なお、図8において、7cは頂角可変プリズム8aを駆動するためのパン/チルトモータであり、7dはズーム/フォーカスモータを示す。
さらに、コントローラ81は、前記図1のアイリス獲得コントローラ6のように広角カメラの制御部分が必要ではなく、簡略化されたものであり、頂角可変プリズム8aおよびズームレンズ8bの駆動制御などを行なう。
また、図8の装置は、比較用の登録アイリスコードを記憶するためのメモリ82と、アイリス取得部9によって検出されたアイリスコードとメモリ82に記憶された登録アイリスコードとを比較する比較回路83、さらには比較回路83の識別判定レベル、すなわちアイリスコードの相関度を設定するための判定値設定回路84を具備する。判定値設定回路84は、例えば判定値を記憶するレジスタなどによって構成され、該レジスタに装置外部より、あるいは装置内部に予め用意してある幾つかの値をこのレジスタに書き込み、識別判定レベルを設定する。
また、暗号化回路85が設けられ、アイリス識別の判定結果を示すデータを暗号化して外部に供給できるようにする。
図8の構成では、例えば、アイリス取得部9、コントローラ81、メモリ82、比較回路83、判定値回路84および暗号化回路85などを1つの集積回路装置80として一体化し、装置構成を簡略化することができる。また、アイリス識別の判定レベルを任意の所望の値に設定することができる。さらに、アイリスコードが外部に出力されないのでアイリスコードの秘密性が保持され、装置としてより安全な識別装置が実現できる。したがって、簡単な装置構成によって高性能のアイリス識別装置が提供される。
本発明はATMのような高い信頼性と高い利便性とを備えて個人識別を行なう必要がある装置に適用可能であり、そのような装置におけるアイリス情報取得装置およびアイリス識別装置などの装置構成を簡略化し、高い識別精度を実現することが可能である。
本発明の一実施形態に係わるアイリス識別装置に使用されるアイリス情報取得装置の構成例を示すブロック図である。 図1のアイリス情報取得装置におけるアイリス取得部の概略の構成を示すブロック図である。 本発明に係わるアイリス識別装置に使用されるアイリス情報センサおよび各画素の重み付けの方法を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係わるアイリス識別装置の概略の構成を示すブロック図である。 図4のアイリス識別装置などに使用可能なアナログ積算器の構成を示すブロック回路図である。 本発明に係わるアイリス情報センサのチップ上の概略の構成を示す説明図(a)、およびアイリス情報センサの極座標センサ部の一部を取り出して示す読出し手順説明図(b)である。 本発明のさらに別の実施形態に係わるアイリス識別装置の概略の構成を示すブロック図である。 本発明のさらに別の実施形態に係わるアイリス識別装置の概略の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1a,1b 広角カメラ
6 アイリス獲得コントローラ
7a ズーム/フォーカスモータ
7b ステアリングモータ
8 ズームレンズ光学系
9 アイリス取得部
10 アイリス情報センサ
10a 極座標センサ部
10c 位置誤差検出用PDセンサ
11 アイリス内径検出回路
12 アイリス外径検出回路
13 発光ダイオード
14 ハイパスフィルタ
15 加重移動平均回路
16 2値化回路
17 ラッチ回路
18 タイミングジェネレータ
19 ドライバ
31 光電変換画素
33 半径方向画素群
41,71 アイリス情報センサ
42,72 不揮発メモリ
45,73 PS変換回路
44,74−1,74−2,・・・,74−m 排他的論理和回路
71a 画素シフト回路
45,75 半径カウント/セレクタ
46,76 重み設定回路
47,77 積算器
48,78 判定基準回路
49,79 比較器
61 センサ・チップ基板
62 光電変換画素
63 読出し電位保持用容量
64 出力選択処理回路
65 エッジ検出用画素群
66 読出し開始位置

Claims (4)

  1. 極座標状に配列された光電変換画素群を備え、目のアイリス領域からの画像光を、前記画素群上に結像されたアイリス画像の中心と前記極座標の極とが一致するように前記光電変換画素群上に結像させ、前記光電変換画素群の各光電変換画素を順次走査してアイリス画像信号を読み出す極座標センサ部と、
    読み出したアイリス画像信号にもとづきアイリス特徴抽出コードを生成する特徴抽出コード生成部と、
    前記特徴抽出コード生成部によって生成されたアイリス特徴抽出コードと、予め登録されたアイリス特徴抽出コードとを比較して比較評価値を生成する比較部であって、前記比較評価値は前記極座標センサ部の内周部ほど大きな重みを有する比較評価関数で生成する比較部と、
    を具備し、前記比較評価値を予め定めた基準値と比較してアイリス識別を行うことを特徴とするアイリス識別装置。
  2. 前記特徴抽出コード生成部によって生成されたアイリス特徴抽出コードと、予め登録されたアイリス特徴抽出コードとを各画素ごとに排他的論理和演算して、不一致部分を各画素の半径位置に応じて重み付けして積算することにより、前記比較評価値を生成することを特徴とする請求項1に記載のアイリス識別装置。
  3. 前記アイリス画像信号は前記極座標センサの円周方向の所定の読出し開始位置の画素から最内周の解析帯に沿って一周分の読出しを行い、次に、該解析帯の外側の解析帯に沿って前記読出し開始位置から一周分の読出しを行い、以下順次外周側へと読出しを行うことを特徴とする請求項1に記載のアイリス識別装置。
  4. 円周方向に連続する所定数の複数の画素のそれぞれを読出し開始位置として並列的に読み出したアイリス画像信号から生成した複数のアイリス特徴抽出コードを予め登録されたアイリス特徴抽出コードとそれぞれ比較する複数の比較および積算回路を具備し、これらの比較および積算回路によって得られた比較評価値のうち、最もよく整合する比較評価値を使用してアイリス識別を行うことを特徴とする請求項3に記載のアイリス識別装置。
JP2004379823A 2004-12-28 2004-12-28 アイリス識別装置 Expired - Fee Related JP4634140B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004379823A JP4634140B2 (ja) 2004-12-28 2004-12-28 アイリス識別装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004379823A JP4634140B2 (ja) 2004-12-28 2004-12-28 アイリス識別装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006185299A JP2006185299A (ja) 2006-07-13
JP2006185299A5 JP2006185299A5 (ja) 2008-03-27
JP4634140B2 true JP4634140B2 (ja) 2011-02-16

Family

ID=36738356

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004379823A Expired - Fee Related JP4634140B2 (ja) 2004-12-28 2004-12-28 アイリス識別装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4634140B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100936207B1 (ko) 2008-01-31 2010-01-11 르호봇테크(주) 홍채인증을 위한 홍채코드생성 및 비교방법
JP2016505886A (ja) * 2012-12-12 2016-02-25 エシロール エンテルナショナル (コンパニ ジェネラル ドプチック) フレネル光学レンズの最適化方法
EP3602399B1 (en) * 2017-03-24 2022-10-05 Magic Leap, Inc. Accumulation and confidence assignment of iris codes
WO2022074836A1 (ja) * 2020-10-09 2022-04-14 匡次 岩崎 生体認証システム、生体認証プログラムおよび生体認証用物品
CN112488001A (zh) * 2020-12-03 2021-03-12 江苏瞰风信息科技有限公司 一种生物识别设备及其使用方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000036036A (ja) * 1998-07-17 2000-02-02 Media Technology:Kk アイリス情報取得装置およびアイリス識別装置
JP2002056389A (ja) * 1999-04-09 2002-02-20 Iritech Inc 虹彩同定システム及び虹彩認識によって人を同定する方法
JP2003006645A (ja) * 2001-06-20 2003-01-10 Secom Co Ltd 本人認証用の顔画像照合装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000036036A (ja) * 1998-07-17 2000-02-02 Media Technology:Kk アイリス情報取得装置およびアイリス識別装置
JP2002056389A (ja) * 1999-04-09 2002-02-20 Iritech Inc 虹彩同定システム及び虹彩認識によって人を同定する方法
JP2003006645A (ja) * 2001-06-20 2003-01-10 Secom Co Ltd 本人認証用の顔画像照合装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006185299A (ja) 2006-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3610234B2 (ja) アイリス情報取得装置およびアイリス識別装置
US10018804B2 (en) Apparatus and method for multiple mode image acquisition for iris imaging
US7181049B2 (en) Authentication object image-pickup method and device therefor
US8786760B2 (en) Digital photographing apparatus and method using face recognition function
US9152850B2 (en) Authentication apparatus, authentication method, and program
JP3802892B2 (ja) 虹彩認証装置
KR20040062247A (ko) 홍채 인식 카메라의 구조 및 그 사용 방법
JP2007504562A (ja) 1つの画像から虹彩認証を行う方法および装置
JP2007122237A (ja) 偽造判定用撮像装置及び個人識別装置
JP2003132355A (ja) 虹彩認証方法及びその装置
JP2005258860A (ja) 複数認証方法及びその装置
JP4634140B2 (ja) アイリス識別装置
US20070217686A1 (en) Pattern matching system and targeted object pursuit system
JP2005063020A (ja) 認識装置
KR101767941B1 (ko) 일반 촬영 및 홍채인식 촬영이 가능한 겸용 카메라
JP4553691B2 (ja) アイリス情報センサおよびアイリス識別装置
JP2019033971A (ja) 内視鏡装置
JP3987081B2 (ja) 生体認証装置
JP4508842B2 (ja) アイリス情報センサ
KR100518877B1 (ko) 다수조명을 이용한 홍채 이미지의 아이리스 코드 생성방법
JP2008113754A (ja) 生体認証装置
JP4531070B2 (ja) 生体認証装置
JP2007117758A (ja) 生体認証装置
JPH07154666A (ja) ビデオカメラ
KR20020082679A (ko) 움직임 인식 시스템을 이용한 홍채 인식 시스템

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071228

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071228

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20071228

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20080718

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101029

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101109

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4634140

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131126

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees