JP4628449B2 - 移動通信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基地局と無線通信が可能な移動通信方法に関するものである。
近年、携帯電話網やPHS網といったセルラー網や、公衆無線LAN網(以下、無線LAN網と呼ぶ)など複数のワイヤレスネットワークが普及してきており、ユーザがこれらのネットワークの中から用途に合ったものを自由に選択し使用できる環境が広がりつつある。ユーザは,操作する移動通信端末がセルラー通信と無線LAN通信の両方が可能な場合には,例えば通信速度の速い方を選ぶなど、状況に応じて一方を選択し利用することができる。
使用するワイヤレスネットワークの種類を変更する場合、通信経路が変わることになるが、通信を継続しながら通信経路を切り替えるための技術としてハンドオーバ技術が知られている。ハンドオーバは、ハンドオーバ先となる基地局(移動体通信網における基地局や、無線LAN通信におけるアクセスポイント等)を探索し、通信経路を確立する探索・経路確立処理と、実際に通信経路を切り替えるハンドオーバ処理とからなっている。ハンドオーバは、ユーザにより手動で行われる場合と、移動通信端末の受信電波強度や通信状態等を検知することにより自動的に行われる場合とがあるが、後者の場合には、ハンドオーバを開始するタイミングが遅い場合、処理が間に合わずハンドオーバ中に通信が途切れてしまうおそれがある。
この問題を解決する方法の一つとして、特許文献1記載のように、電波強度の変化に基づいてハンドオーバを行うタイミング決定し、電波が途絶する前にハンドオーバを実行するものが知られている。特許文献1記載の方法では、2つの基地局の電波強度を同時に計測し、移動通信端末が現在通信を行っている一方の基地局の電波強度が減衰し、隣接する他方の基地局の電波強度が増加した時に、一方の基地局の電波強度の減衰傾向と他方の基地局の電波強度の増加傾向から、これらの基地局の電波強度が一致するタイミングを推定する。そして、これらの基地局の電波強度が一致するタイミングでハンドオーバを実行する。
特開2003−153327号公報
しかしながら、前述した従来の方法には、次のような課題が存在している。すなわち、電波強度の減衰傾向を得るためには,電波強度をある程度の時間にわたって複数回計測する必要がある。したがって、電波強度が急激に減衰するような場合には、計測を行っている間に基地局の電波強度が一致するタイミングを逃してしまったり、あるいはハンドオーバを行っている間に、現在用いている通信経路が途絶してしまい、ハンドオーバが間に合わないという問題が生じうる。
そこで本発明は、電波強度が所定値になるタイミングを早期に推定可能な移動通信方法を提供することを目的とする。
本発明は、基地局と無線通信が可能な移動通信端末による移動通信方法であって、基地局から送信される電波の強度を経時的に計測する計測ステップと、計測ステップで計測された電波強度に基づき、電波強度の増減を判断する検出ステップと、判断ステップにより増加していると判断された時の電波強度から、単位時間当たりの電波強度の増加量を算出する算出ステップと、判断ステップにより、電波強度は増加の後に減衰に転じたと判断された場合、減衰に転じた時の電波強度と、算出ステップにて算出された増加量とに基づき、電波強度が減衰に転じてから所定値になるまでにかかる減衰所要時間を推定する推定ステップと、を有することを特徴とする。
この移動通信方法においては、電波強度の増加量を用いて、電波強度が減衰に転じてから所定値になるまでの時間を推定する。すなわち、自端末が基地局に向かって移動しているときの電波強度の増加傾向を取得し、自端末が基地局から離れる方向に移動し始めたら、先に取得した電波強度の増加傾向に基づいて、電波強度が所定値になるまでに要する時間を推定する。電波強度の減衰傾向を取得する必要がなくなるため、電波強度が減衰し始めてからすぐに、電波強度が所定値まで減衰するのにかかる時間を推定できる。
また、所定値とは、電波の途絶が生じる値、又は通信が正常に行えなくなる値であると好適である。
この場合、電波強度が減衰し始めてから電波が途絶するまでにかかる時間、又は電波強度が減衰し始めてから通信が正常に行えなくなるまでにかかる時間を推定することができる。なお、「通信が正常に行えなくなる」状態とは、再送が頻発する場合や送受信がタイムアウトする場合等を指す。
また、自端末と通信可能な他の基地局との通信経路を確立する処理にかかる時間を示す時間情報を格納する格納ステップを有し、推定ステップは、格納ステップにて格納された時間情報が示す時間を減衰所要時間から減算することにより、電波強度が減衰に転じてから処理を開始するまでの時間を取得すると好適である。
移動通信端末の無線LANインタフェースやセルラーインタフェースは、定期的に基地局の探索を行うことで、自端末と通信可能な他の基地局を常時把握している場合がある。本発明は、このような場合に適したものである。つまり、自端末と、予め探索済みの自端末と通信可能な他の基地局と、の間における通信経路の確立処理を、本発明にて取得した時間に基づくタイミングで開始すれば、電波が途絶する前に他の基地局との通信経路を確立しておくことが可能になる。
また、自端末と通信可能な他の基地局を探索して当該基地局との通信経路を確立する処理にかかる時間を示す時間情報を格納する格納ステップを有し、推定ステップは、格納ステップにて格納された時間情報が示す時間を減衰所要時間から減算することにより、電波強度が減衰に転じてから処理を開始するまでの時間を取得すると好適である。
この場合、取得した時間に基づくタイミングで、自端末と通信可能な他の基地局を探索して当該基地局との通信経路を確立する処理を開始すれば、電波が途絶する前に他の基地局との通信経路を確立しておくことが可能になる。
また、自端末と通信可能な他の基地局との通信経路を確立して当該通信経路へ切り替える処理にかかる時間を示す時間情報を格納する格納ステップを有し、推定ステップは、格納ステップにて格納された時間情報が示す時間を減衰所要時間から減算することにより、電波強度が減衰に転じてから処理を開始するまでの時間を取得すると好適である。
前述したように、移動通信端末の無線LANインタフェースやセルラーインタフェースは、自端末と通信可能な他の基地局を常時把握している場合がある。また、通信経路の切り替えは他の基地局との通信経路を確立した後に行われるが、切り替えの開始から終了までにある程度の時間がかかることがある。本発明は、このような場合に適したものである。つまり、自端末と通信可能な他の基地局が探索済みであって、通信経路の切り替えに時間がかかる場合には、本発明によって取得された時間に基づくタイミングで、自端末と探索された他の基地局との通信経路の確立・切り替え処理を開始すれば、電波が途絶する前に通信経路の切り替えまで完了することが可能となる。
また、自端末と通信可能な他の基地局を探索して当該基地局との通信経路を確立し更に当該通信経路へ切り替える処理にかかる時間を示す時間情報を格納する格納ステップを有し、推定ステップは、格納ステップにて格納された時間情報が示す時間を減衰所要時間から減算することにより、電波強度が減衰に転じてから処理を開始するまでの時間を取得すると好適である。
通信経路の切り替えは他の基地局との通信経路を確立した後に行われるが、切り替えの開始から終了までにある程度の時間がかかることがある。本発明によれば、取得した時間に基づくタイミングで、自端末と通信可能な他の基地局を探索して当該基地局との通信経路を確立し更に当該通信経路へ切り替える処理を開始すれば、電波が途絶する前に通信経路の切り替えまで完了することが可能となる。
また、自端末の位置情報を経時的に取得する位置取得ステップを有し、推定ステップは、位置取得ステップにて取得された位置情報に基づいて電波強度の増加時の自端末の移動速度と電波強度が減衰に転じた時の自端末の移動速度とを取得し、これらの移動速度と、電波強度が減衰に転じた時の電波強度と、増加量とに基づき、減衰所要時間を推定すると好適である。
この場合、電波強度の増加時と電波強度が減衰に転じた時とで移動速度が異なっても、これを考慮した減衰所要時間を得ることができる。
本発明によれば、電波強度が所定値になるタイミングを早期に推定することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る移動通信方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明に係る移動通信方法を詳しく説明する前に、その概要について説明する。図1に示すように、本発明の実施形態に係る移動通信方法が適用される移動通信端末1は、セルラー通信と無線LAN通信とが可能な端末である。セルラー通信網30と無線LAN網32はインターネット網などのネットワークに接続したサーバ34に接続され、セルラー通信網30の基地局BA1と無線LAN網のアクセスポイントAP1〜AP3とでは、カバーするエリアが異なっている。図1では、基地局BA1はアクセスポイントAP1〜AP3に比べて広いエリアをカバーしており、基地局BA1のエリアの中にアクセスポイントAP1〜AP3のエリアが点在している。
ここで、図2に示すように、移動通信端末1を20秒かけてアクセスポイントAP1に近づけ、近づいたところで20秒間停留し,次に20秒間かけてアクセスポイントAP1から遠ざかり移動開始地点まで戻ったときを考える。この場合、移動通信端末1で測定されるアクセスポイントAP1からの電波の強度は、図3に示すグラフのようになる。図3から、電波の強度は、アクセスポイントAP1に近づくにつれ増加し、移動を停止すると増加も減衰もしない定常状態になり、アクセスポイントAP1から離れにつれ減衰していくことがわかる。
なお、移動速度が一定の場合、増加時と減衰時とでは、電波強度の単位時間当たりの変化量はほぼ一致する。本発明はこの点を利用したものであり、増加時の変化量を用いて、電波が減衰し始めてから途絶するまでにかかる時間を推定する。すなわち、移動通信端末1がアクセスポイントAP1に近づいているときの電波強度の変化量Aを取得しておき、移動通信端末1がアクセスポイントAP1から離れる方向に移動し始めたときには、このときの電波強度と、先に取得した変化量Aのマイナス値(変化量Aを−1倍したもの)とから、移動通信端末1がアクセスポイントAP1の電波を受信できなくなるまでの残り時間を予測する。
続いて、図4〜7に示す図を参照しながら、本発明に係る移動通信端末について詳しく説明する。
図4に移動通信端末1のハードウェア構成を示す。図4に示すように、移動通信端末1は、CPU(Central Processing Unit)101、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)102及びROM103(ReadOnlyMemory)、操作部104、無線通信部105、ディスプレイ106並びにアンテナ107等のハードウェアにより構成されている。なお、無線通信部105は、通常、無線通信の方式毎に設けられる。これらの構成要素が動作することにより、後述する移動通信端末1の各機能が発揮される。
図5は、移動通信端末1の機能構成を示す図である。移動通信端末1は、先に述べたように、セルラー通信と無線LAN通信の両方が可能な端末であって、より具体的にはスマートフォンやノートPCである。移動通信端末1は、無線LANインタフェース部2と、セルラーインタフェース部4と、電波強度計測部6と、計測情報格納部8と、位置計測部10と、推定部12と、準備情報格納部14と、通信経路決定部16と、通信経路変更部18とを備えている。
無線LANインタフェース部2は、無線LAN網の基地局であるアクセスポイントと、電波(通信波)を送受信することで通信を行う部分である。セルラーインタフェース部4は、セルラー通信網の基地局と、電波(通信波)を送受信することで通信を行う部分である。無線LANインタフェース部2及びセルラーインタフェース部4を具備することにより、移動通信端末1は、図6に示すように、アクセスポイントAP1が形成する無線LANエリア42に入った場合には基地局BS1からアクセスポイントAP1にハンドオーバし、無線LANエリア42から外れた場合にはアクセスポイントAP1から基地局BS1にハンドオーバすることができる。なお、本実施形態では説明の便宜上、移動通信端末1は常に基地局BS1が形成するセルラーエリア40に在圏しているものとする。
電波強度計測部6は、無線LANインタフェース部2及びセルラーインタフェース部4が受信した電波について、その強度を経時的に計測する部分である。電波強度の指標としては、例えば受信電波レベル、受信ノイズレベル、S/N比、基地局が発するビーコン、通信速度などが利用できる。電波強度計測部6は、電波強度の情報を、計測時刻に関する情報と対応付けて計測情報格納部8に格納する。
位置計測部10は、移動通信端末1の位置情報を経時的に取得する部分であって、加速度センサなどの位置計測装置や、位置情報を保持する機能等を具備している。また、GPS機能を具備していてもよい。位置計測部10は、取得した位置情報を、取得時刻に関する情報と対応付けて計測情報格納部8に格納する。
推定部12は、電波強度や位置情報に基づき種々の処理を行う部分である。
例えば、推定部12は、電波強度計測部6によって計測された電波強度に基づき、電波強度が増加、定常、減衰のいずれの状態にあるか判断する。より具体的には、電波強度計測部6によって電波強度が計測されると、推定部12は所定時間当たりの電波強度の変化率を算出し、電波強度の変化率が予め設定した状態判定値Ph以上であれば増加状態、状態判定値Phのマイナス値、すなわち(−Ph)以下であれば減衰状態、Phよりも小さく(−Ph)よりも大きければ定常状態と判断する。図7は、電波強度の変化率を示すグラフであって、より詳しく述べると、図7は、図2のグラフを2秒間の窓に分割し、各窓内の電波強度の値を最小二乗法により線形近似して一次関数を求めたのち、この一次関数の傾きをグラフ化したものである。図7では、状態判定値Phを「2」に設定しているが、ユーザが自由に変更できる。
また、推定部12は、電波強度が増加状態から定常状態又は減衰状態に転じた場合、増加状態だったときの電波強度の計測データを取得する。より具体的には、推定部12は、電波強度が増加状態から定常状態又は減衰状態に転じると、増加状態がいつ始まり、いつ終了したかを特定する。つまり、増加開始時刻と増加終了時刻とを特定する。増加開始時刻と増加終了時刻とを特定したのち、計測情報格納部8を検索し、増加開始時刻に計測された電波強度と、増加終了時刻に計測された電波強度とを抽出する。そして、抽出した電波強度から、増加時における単位時間当たりの電波強度の変化量(増加量)Aを算出する。
また、推定部12は、計測情報格納部8を検索し、増加開始時刻〜増加終了時刻の間に取得された位置情報を抽出することもある。この場合、抽出した位置情報から、増加時の移動通信端末1の移動速度Q1を算出する。また、増加状態又は定常状態から減衰状態に転じると、このときの移動通信端末1の移動速度Q2を算出する。推定部12は、これらの移動速度Q1,Q2の違いに基づいて電波強度の変化量Aを補正する。
また、推定部12は、電波強度が増加状態又は定常状態から減衰状態に転じたと判断した場合、減衰状態に転じた時刻を減衰開始時刻Trとして記憶するとともに、減衰開始時刻Trにおける電波強度Srを記憶する。そして、電波強度Srと、上記した電波強度の変化量Aとに基づき、減衰所要時間ΔTxを推定する。減衰所要時間ΔTxとは、電波強度が減衰に転じてから電波の途絶が生じる値(所定値)Ssになるまでの時間を指す。推定部12は、推定した減衰所要時間ΔTxと減衰開始時刻Trとに基づき、電波の途絶が生じる時刻Tsを算出する。電波途絶値Ssは、準備情報格納部14に予め格納されており、ユーザが自由に変更できる。
また、推定部12は、減衰所要時間ΔTxから準備所要時間ΔT1を減算し、準備開始までの猶予時間(ΔTx−ΔT1)を算出する。
ここで、準備所要時間ΔT1は、移動通信端末1と通信可能なアクセスポイント又は基地局を探索して、探索されたアクセスポイント又は基地局との通信経路を確立する探索・経路確立処理にかかる時間を指す。準備所要時間ΔT1を示す時間情報は、準備情報格納部14に予め格納されている。なお、準備所要時間ΔT1はユーザによって設定されても良いし、過去に無線LANインタフェース部2やセルラーインタフェース部4を実際に使用したときの、探索から通信経路確立までの所要時間から求められても良い。
猶予時間(ΔTx−ΔT1)は、電波強度が減衰状態に転じてから上述した探索・経路確立処理を開始するまでの時間である。推定部12は、猶予時間(ΔTx−ΔT1)と、減衰開始時刻Trとに基づき、他のアクセスポイント又は基地局の探索を開始する時刻である準備開始時刻Tuを算出する。
推定部12は、準備開始時刻Tu、減衰開始時刻Tr、減衰開始時刻Trにおける電波強度Sr、及び上記の電波強度の変化量Aに基づき、準備開始時刻Tuにおける電波強度Suを推定する。
通信経路決定部16は、新たな通信経路を決定する部分である。より具体的には、通信経路決定部16は、準備開始時刻Tuになると、電波強度計測部6により計測された電波強度に基づいて、通信可能なアクセスポイント又は基地局を探索する。電波強度計測部6による電波強度の計測には、無線LANインタフェース部2又はセルラーインタフェース部4が用いられる。通信経路決定部16は、現在通信を行っているアクセスポイント又は基地局以外に、エリア判定値Sg以上の電波強度が得られるアクセスポイント又は基地局があれば、そのアクセスポイント又は基地局との通信経路を確立するよう通信経路変更部18に指示すると共に、当該アクセスポイント又は基地局からの電波の強度を計測情報格納部8に格納するよう電波強度計測部6に指示する。エリア判定値Sgは、予め設定された値であり、ユーザが自由に変更できる。
通信経路変更部18は、通信経路決定部16からの指示に応じてアクセスポイント又は基地局との通信経路を確立する部分である。より具体的には、通信経路変更部18は、通信経路決定部16から指示されたアクセスポイント又は基地局との通信経路を確立する。更に、通信経路決定部16から指示されたアクセスポイント又は基地局からの電波の強度が、予め設定したハンドオーバ判定値Sh以上になると、新たに確立された通信経路に通信を切り替えるハンドオーバ処理を移動通信端末1にさせる。そして、電波強度がハンドオーバ判定値Sh以上である状態が判定時間ΔThの間維持された場合、ハンドオーバ処理前に通信を行っていたアクセスポイント又は基地局と移動通信端末1との通信を切断する。判定時間ΔThは予め設定された値であり、ユーザが自由に変更できる。ハンドオーバ後、移動通信端末1は、ハンドオーバ先のアクセスポイント又は基地局とデータの送受信を行う。データの送受信は、ハンドオーバ先が基地局ならばセルラーインタフェース部4を介して行われ、ハンドオーバ先がアクセスポイントならば無線LANインタフェース部2を介して行われる。上記が、本実施形態に係る移動通信端末1の構成である。
続いて、本実施形態に係る移動通信端末1で実行される処理(移動通信方法)について説明する。移動通信端末1は、図6に示すように、アクセスポイントAP1の近くまで移動すると、しばらくその場に停留し、その後アクセスポイントAP1から離れるように移動するものとする。図8は、移動通信端末1で実行される処理(移動通信方法)のシーケンス図である。図9は、移動通信端末1が図6のように移動した場合に、電波強度計測部6によって計測される、アクセスポイントAP1からの電波の強度のグラフである。図9では、縦軸が電波強度、横軸が時刻となっている。
当初の移動通信端末1は、基地局BS1と通信を行っている。移動通信端末1の電波強度計測部6は、無線LANインタフェース部2及びセルラーインタフェース部4を介して、基地局BS1等から送信された電波の強度をそれぞれ経時的に計測している(計測ステップ)。移動通信端末1が無線LANエリア42に向かって移動を開始すると、電波強度計測部6で計測される電波強度が変化していく。
通信経路決定部16は、電波強度計測部6で計測された電波強度を受け取る。そして、エリア判定値Sg以上の電波強度が得られるアクセスポイント又は基地局であって、基地局BS1以外のものを探索する(ステップS01)。通信経路決定部16による探索は、エリア判定値Sg以上の電波強度が得られるアクセスポイント又は基地局が見つかるまで続く(ステップS02)。
移動通信端末1が移動してアクセスポイントAP1に近づくと、通信経路決定部16が、電波強度がエリア判定値Sg以上になるアクセスポイントとしてアクセスポイントAP1を見つける。アクセスポイントAP1を発見すると、通信経路決定部16は、アクセスポイントAP1からの電波の強度を計測情報格納部8に格納するよう、電波強度計測部6に指示する。この指示を受けた電波強度計測部6は、無線LANインタフェース部2が受信したアクセスポイントAP1からの電波について、その強度の情報を計測時刻の情報と共に計測情報格納部8に格納開始する(ステップS03)。これにより、まず、電波強度Sgとその計測時刻Tgとに関する情報が計測情報格納部8に格納される。
電波強度計測部6に対する指示と平行して、通信経路決定部16は、アクセスポイントAP1との通信経路を確立するよう通信経路変更部18に指示する。通信経路変更部18は、アクセスポイントAP1との通信経路を確立後、さらにアクセスポイントAP1からの電波の強度がハンドオーバ判定値Shを越えると(図9参照)、移動通信端末1にアクセスポイントAP1へのハンドオーバ処理をさせる。電波強度がハンドオーバ判定値Sh以上である状態が判定時間ΔTh維持された場合、通信経路変更部18は、セルラーインタフェース部4を用いた通信を停止し、移動通信端末1と基地局BS1との通信を切断する。これによって移動通信端末1の消費電力を削減できるとともに無線リソースを開放することもできる。以降、移動通信端末1は、データの送受信をハンドオーバ先のアクセスポイントAP1を介して行う。
一方、推定部12は、電波強度計測部6によって計測された電波強度から、増加状態、定常状態、及び減衰状態のいずれであるかを判断する(判断ステップ)。移動通信端末1がアクセスポイントAP1に近づいている間は、図9に示すように電波強度が増加するため、推定部12は電波強度が増加状態にあると判断する。その後、移動通信端末1がアクセスポイントAP1近くで停留すると、図9に示すように電波強度の増加が止まるため、推定部12は、電波強度は増加状態から定常状態に転じたと判断する。
電波強度が定常状態に転じ、増加状態ではなくなると(ステップS04)、推定部12は増加開始時刻Tgと増加終了時刻Tkとを特定し、計測情報格納部8に格納された情報の中から、計測時刻Tgに対応付けられた電波強度Sgと、計測時刻Tkに対応付けられた電波強度Skとを抽出する。そして、増加時における単位時間当たりの電波強度の変化量A=(Sk−Sg)/(Tk−Tg)を算出する(算出ステップ、ステップS05)。
停留していた移動通信端末1がアクセスポイントAP1から離れ始めると、図9に示すように電波強度が減衰する。このとき、推定部12は、電波強度が定常状態から減衰状態に転じたと判断する。減衰状態に転じると(ステップS06)、推定部12は、減衰開始時刻Trと減衰開始時刻Trにおける電波強度Srとを記憶する。そして、電波強度Srと、先に算出した電波強度の変化量Aのマイナス値とを用いて、電波強度が電波途絶値Ssになるまでの減衰所要時間ΔTx=(Ss−Sr)/(−A)を取得する(推定ステップ、ステップS07)。減衰所要時間ΔTxを算出した推定部12は、減衰所要時間ΔTxと減衰開始時刻Trとから、電波途絶時刻Ts=Tr+ΔTxを算出する。
上記した一連の処理により、電波強度が減衰状態に転じてから電波途絶が生じるまでの時間ΔTxが推定され、電波途絶が生じる時刻Tsが推定される。
この移動通信方法では、電波強度が増加しているときの変化量を用いて、電波強度が減衰状態に転じてから電波途絶値Ssになるまでの時間を推定する。すなわち、移動通信端末1がアクセスポイントAP1に近づいているときの電波強度の変化量Aを算出しておき、移動通信端末1がアクセスポイントAP1から離れる方向に移動し始めたら、先に取得した変化量Aに基づいて、電波強度が電波途絶値Ssになるまでの時間ΔTxを推定する。よって、減衰傾向を取得せずとも電波途絶値Ssになるまでの時間ΔTxを得ることができるため、時間ΔTxを早期に推定することが可能となる。
ところで上記では、移動通信端末1はアクセスポイントAP1に近づいたのち、しばらくその場に停留し、その後アクセスポイントAP1から離れるように移動するものとしたが、移動通信端末1の動きはこれに限られない。
例えば図10に示すように、移動通信端末1は、アクセスポイントAP1から比較的離れたところまで移動してからその場に停留し、その後アクセスポイントAP1の近くを横切って移動することも考えられる。図11は、移動通信端末1がこのように移動する場合に、電波強度計測部6によって計測される電波強度のグラフである。この場合には、図9の区間L1、L2における単位時間当たりの電波強度の変化量A1,A2を算出し、減衰状態に転じたときの時刻Trと電波強度Sr、及び変化量A1,A2のいずれかのマイナス値を用いて、減衰所要時間ΔTx及び電波途絶が生じる時刻Tsを算出するとしてもよい。
また、図12に示すように、移動通信端末1はアクセスポイントAP1の近くを横切ったのち、アクセスポイントAP1から比較的離れたところで停留し、その後アクセスポイントAP1から更に離れる方向に移動していくことも考えられる。図13は、移動通信端末1がこのように移動する場合に、電波強度計測部6によって計測される電波強度のグラフである。この場合には、図13の区間L3における単位時間当たりの電波強度の変化量Aを算出し、変化量Aのマイナス値と減衰状態に転じたときの電波強度Srとに基づいて減衰所要時間ΔTxを取得したのち、減衰状態に転じたときの時刻Trに減衰所要時間ΔTxと移動通信端末1が停留していた時間ΔTyとを加算することで、電波途絶が生じる時刻Tsを特定するとしてもよい。
また、図14に示すように、移動通信端末1はアクセスポイントAP1の近くを横切ったのち、アクセスポイントAP1から比較的離れたところで停留し、その後アクセスポイントAP1に近づく方向に一端移動してからアクセスポイントAP1から離れていくことも考えられる。図15は、移動通信端末1がこのように移動する場合に、電波強度計測部6によって計測される電波強度のグラフである。この場合には、例えば、図15に示す区間L4(2度目の増加時)における単位時間当たりの電波強度の変化量Aを算出し、減衰状態に転じたときの時Tr、2度目の減衰状態に転じたときの電波強度Sr、及び変化量Aのマイナス値を用いて減衰所要時間ΔTx及び電波途絶が生じる時刻Tsを算出するとしてもよい。
次に、図16のシーケンス図を参照し、移動通信端末1において準備開始時刻Trを決定する場合の処理について説明する。ここでは、移動通信端末1は図6のように移動するものとする。図17は、移動通信端末1が図6のように移動する場合に、電波強度計測部6によって計測されるアクセスポイントAP1からの電波強度のグラフである。
図16のステップS10を実行する前に、準備所要時間ΔT1を示す時間情報を、準備情報格納部14に格納しておく(格納ステップ)。また、図16のステップS10〜S15の処理は、図8に示すステップS01〜S06の処理と同じであるため、説明を省略する。
移動通信端末1の推定部12は、電波強度が定常状態から減衰状態に転じると(ステップS15)、減衰状態に転じたときの電波強度Srと、電波強度の変化量Aのマイナス値とを用いて、電波強度が電波途絶値Ssになるまでの減衰所要時間ΔTx=(Ss−Sr)/(−A)を算出する(ステップS16)。
推定部12は、減衰所要時間ΔTxを算出する際に、準備情報格納部14から準備所要時間ΔT1を抽出する。そして、図17に示すように、減衰所要時間ΔTxから準備所要時間ΔT1を減算することにより、準備開始までの猶予時間(ΔTx−ΔT1)を算出する(ステップS17)。推定部12は、算出した猶予時間(ΔTx−ΔT1)と、減衰開始時刻Trとから、準備開始時刻Tu=Tr+(ΔTx−ΔT1)を取得する。
次に推定部12は、準備開始時刻Tu、減衰開始時刻Tr、減衰状態に転じた時の電波強度Sr、及び電波強度の変化量Aのマイナス値とから、準備開始時刻Tuにおける電波強度Su=(Tu−Tr)×(−A)+Srを推定する(ステップS18)。そして、アクセスポイントAP1からの電波の強度が値Suになったら(ステップS19)、通信経路決定部16は、電波強度がエリア判定値Sg以上のアクセスポイント又は基地局の探索を実行する(ステップS20)。なお、上記では推定部12は、アクセスポイントAP1からの電波の強度が値Suになったら探索を開始するとしたが、準備開始時刻Tuになったら探索を開始するとしても良い。
上記の移動通信方法では、アクセスポイントAP1からの電波が途絶する時刻Tsを推定し、この時刻Tsから準備所要時間ΔT1分だけさかのぼった時刻になると、ハンドオーバ先のアクセスポイントや基地局の探索を開始し、続いて通信経路の確立を行う。したがって、アクセスポイントAP1からの電波が途絶する前に、次の通信を行う基地局やアクセスポイントとの通信経路を確立しておくことが可能になる。
なお上記では、電波の途絶が生じる時刻Tsから準備所要時間ΔT1分だけさかのぼった時刻を準備開始時刻Tuとしたが、電波の途絶こそ生じないものの通信が正常に行えない状態となる時刻Twを推定し、時刻Twから準備所要時間ΔT1分だけさかのぼった時刻を準備開始時刻Tuとしてもよい。なお、「通信が正常に行えない」状態とは、例えば再送が頻発する場合や、送受信がタイムアウトする場合等を指す。
ここで、図18を参照しつつ、時刻Twの推定方法を説明する。推定部12は、途絶こそ生じないものの通信を良好に行うことが困難になる電波強度Swを、事前に取得しておく。そして、電波強度が定常状態から減衰状態に転じると、減衰状態に転じたときの電波強度Srと、電波強度の変化量Aとに基づき、電波強度Swになるまでの減衰所要時間ΔTz=(Sw−Sr)/(−A)を取得する。そして、減衰所要時間ΔTzと減衰開始時刻Trとから、時刻Tw=Tr+ΔTzを算出する。時刻Twから準備所要時間ΔT1分だけさかのぼった時刻を準備開始時刻Tuとし、時刻Tuにアクセスポイント等の探索を開始した場合には、アクセスポイントAP1との通信状態がさほど悪くないうちに、次の通信を行う基地局やアクセスポイントとの通信経路を確立しておくことが可能になる。
また、取得した準備開始時刻Tuが現在時刻よりも過去の場合には、アクセスポイント又は基地局の探索を直ちに開始するか、通信準備が間に合わない旨を移動通信端末1のディスプレイ表示でユーザに知らせ、準備が整うまで移動を止めるよう促すことが好ましい。知らせる手段はディスプレイ表示に限らず、バイブレータの振動やスピーカーからの警告音でもよい。
ところで、移動通信端末1においては、ハンドオーバ方式が原因で、実際に通信経路を切り替えるハンドオーバ処理に時間がかかることがある。そこで、準備所要時間ΔT1は、上述した探索・経路確立処理にかかる時間と、ハンドオーバ処理にかかる時間とを足し合わせた時間であるとしてもよい。この場合、電波が途絶する前に、ハンドオーバ処理を完了させることが可能になる。
また、無線LANインタフェース部2やセルラーインタフェース部4は、定期的または任意のタイミングで、通信経路の確立が可能なアクセスポイント又は基地局を探索してもよい。この場合、通信経路の確立が可能なアクセスポイント又は基地局を予め見つけておくことができるので、準備所要時間ΔT1を、アクセスポイント又は基地局の探索に要する時間分だけ短縮することができる。より具体的には、ハンドオーバ処理にかかる時間を考慮しなくてもよいならば、準備所要時間ΔT1は経路確立処理にかかる時間になり、ハンドオーバ処理にかかる時間を考慮するならば、準備所要時間ΔT1は経路確立処理にかかる時間とハンドオーバ処理にかかる時間とを足し合わせた時間になる。
また、上記の移動通信方法では、通信経路決定部16はアクセスポイントAP1からの電波の強度が値Suになったらアクセスポイント又は基地局の探索を開始する、もしくは準備開始時刻Tuになったら探索を開始するとしたが、ハンドオーバ先のアクセスポイント又は基地局が予め探索できている場合は、電波の強度が値Suになる、もしくは準備開始時刻Tuになった時点で、再度探索は行わずに、直ちに予め探索されたアクセスポイント又は基地局との通信経路の確立を開始することが好ましい。
次に、図19のシーケンス図を参照して、移動通信端末1の移動速度が変化した場合の処理について説明する。ここでは、移動通信端末1は図6のように移動するものとする。図20は、移動通信端末1が図6のように移動する場合に、電波強度計測部6によって計測されるアクセスポイントAP1からの電波強度のグラフである。図20からもわかるように、アクセスポイントAP1から離れる時の移動速度が、アクセスポイントAP1に近づくときの移動速度よりも早くなっている。
図19のステップS30及びS31の処理は、図8に示すステップS01及びS02の処理と同じであるため、説明を省略する。移動通信端末1の通信経路決定部16は、電波強度がエリア判定値Sg以上のアクセスポイントとしてアクセスポイントAP1を発見すると、アクセスポイントAP1からの電波の強度と、その計測時刻に関する情報とを計測情報格納部8に格納するよう、電波強度計測部6に指示する。また、通信経路決定部16は、移動通信端末1の位置情報を計測情報格納部8に格納するよう位置計測部10に指示する。
指示を受けた電波強度計測部6は、アクセスポイントAP1からの電波の強度を、計測時刻と対応付けて計測情報格納部8に格納開始する。同じく指示を受けた位置計測部10は、移動通信端末1の位置情報を、取得時刻と対応付けて計測情報格納部8に格納開始する(ステップS32)。
電波強度計測部6及び位置計測部10に対する指示と平行して、通信経路決定部16は、アクセスポイントAP1との通信経路を確立するよう通信経路変更部18に指示する。通信経路変更部18は、アクセスポイントAP1との通信経路を確立後、更にアクセスポイントAP1からの電波の強度がハンドオーバ判定値Shを越えると、新たに確立された通信経路に通信を切り替えるハンドオーバ処理を移動通信端末1を実行させる。電波強度がハンドオーバ判定値Sh以上である状態が判定時間ΔTh維持された場合、通信経路変更部18は、セルラーインタフェース部4を用いた通信を停止し、移動通信端末1と基地局BS1との通信を切断する。ハンドオーバ後、移動通信端末1は、データの送受信をハンドオーバ先のアクセスポイントAP1を介して行う。
一方、推定部12は、電波強度計測部6によって計測された電波強度から、電波強度が増加、定常、減衰のいずれの状態にあるかを判断する。移動通信端末1がアクセスポイントAP1に近づいている間、図9に示すように電波強度は増加する。この間、推定部12は電波強度が増加状態にあると判断する。移動通信端末1がアクセスポイントAP1近くで停留すると、図9に示すように電波強度の増加が止まる。このとき、推定部12は、電波強度は増加状態ではなく、定常状態に転じたと判断する。
電波強度が定常状態に転じ、増加状態ではなくなると(ステップS33)、推定部12は増加開始時刻Tgと増加終了時刻Tkとを特定し、計測情報格納部8に格納された情報の中から、計測時刻Tgに対応付けられた電波強度Sgと、計測時刻Tkに対応付けられた電波強度Skとを抽出する。そして、増加時における単位時間当たりの電波強度の変化量A=(Sk−Sg)/(Tk−Tg)を算出する。変化量Aの算出と平行して、推定部12は、計測情報格納部8に格納された情報の中から、取得時刻が時刻Tg〜Tkの範囲にあるものを検索し、検索された取得時刻に対応付けられた位置情報を抽出する。抽出した位置情報から、増加時における移動通信端末1の移動速度Q1を算出する(ステップS34)。
停留していた移動通信端末1がアクセスポイントAP1から離れ始めると、図9に示すように電波強度が減衰する。このとき、推定部12は、電波強度が定常状態から減衰状態に転じたと判断する。減衰状態に転じると(ステップS35)、推定部12は、このときに取得された位置情報から、移動通信端末1の移動速度Q2を算出する。そして、先に取得した増加時の移動速度Q1とから、変化率α=Q2/Q1を算出する(ステップS36)。推定部12は、変化率αと電波強度の変化量Aとから、補正後の変化量B=αAを取得する。推定部12は、補正後の変化量Bのマイナス値と、補正後の減衰状態に転じたときの電波強度Srとを用いて、電波強度が電波途絶値Ssになるまでの減衰所要時間ΔTx=(Ss−Sr)/(−αA)を算出する(ステップS37)。そして、電波強度が減衰状態に転じた時刻Trと減衰所要時間ΔTxとから、電波途絶が生じる時刻Ts=Tr+ΔTxを算出する。
上記した一連の処理により、移動速度の変化に応じた減衰所要時間ΔTxが得られ、電波途絶が生じる時刻Tsが推定される。よって、電波強度の増加時と電波強度が減衰に転じた時とで移動速度が変化しても、この変化を考慮した減衰所要時間ΔTxを推定できる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、移動通信端末1は、通信衛星やWiMAXを用いた通信が可能な端末であっても良い。また、セルラーインタフェース部のみ、あるいは無線LAN通信のみを複数備えた端末であっても良い。どの種類の無線通信を行うかによって、無線LANインタフェース部2及びセルラーインタフェース部4を適切なインタフェースに置き換えることになる。
また、セルラーインタフェース部2及び無線LANインタフェース部2が、電波強度計測部6に相当する機能をそれぞれ有しているとしてもよい。
また、自端末と通信可能な他の基地局を探索する場合、予め自端末と通信可能な他の基地局の位置情報を記載したリストを移動通信端末1に保持しておき、位置計測部10で得られた移動通信端末1の位置情報とリストに記載された基地局の位置情報とに基づいて、現在自端末と通信可能な他の基地局を見つけるとしてもよい。
また、推定部12は、電波強度がハンドオーバ判定値Sh以上である状態が判定時間ΔTh維持された場合、ハンドオーバ前に通信を行っていたアクセスポイント又は基地局との通信を切断するとしたが、ハンドオーバ判定値Sh以上になり、ハンドオーバが完了した時点で通信を切断するとしてもよい。
また、推定部12は、計測データから得られた一次関数の傾きから、電波強度が増加、定常、減衰のいずれの状態にあるかを判断するとしたが、所定時間あたりの電波強度の増加・減衰量によって各状態を判断するとしてもよい。また,電波強度を予め設定した閾値と比較することにより各状態を判断してもよく、例えば、上限閾値を超えた場合は増加状態、下限閾値を下回った場合は減少状態、下限閾値以上であり上限閾値以内である場合は定常状態としてもよい。
また、推定部12は、計測情報格納部8に格納された情報の中から、増加開始時刻〜増加終了時刻の間に計測された電波強度を全て抽出し、これに基づいて電波強度の変化量Aを算出するとしても良い。また、増加開始時刻〜増加終了時刻の間であって任意の時間範囲(例えば、増加開始時刻〜増加開始時刻+30秒)内にあるものを全て抽出し、これに基づいて電波強度の変化量Aを算出するとしても良い。
また、推定部12は、電波強度の変化量Aを、以下のようにして算出するとしても良い。すなわち、増加時における電波強度の計測データを最小二乗法により線形近似して一次関数を求めたのち、この一次関数の傾きから算出するとしても良い。そのほか、電波強度は受信環境などによって変化するため、値の分散が大きくなる可能性があることから、移動平均をとるなどして電波強度の計測データを平滑化してから傾きを求め、この傾きから電波強度の変化量Aを算出するとしても良い。
本発明の実施形態に係る移動通信方法が適用される移動通信端末を含むシステム構成を示す図である。 移動通信端末の移動経路を示す図である。 移動通信端末で測定される電波強度を示すグラフである。 移動通信端末のハードウェア構成を示す図である。 移動通信端末の機能構成を示す図である。 移動通信端末の移動経路を示す図である。 電波強度の変化率を示すグラフである。 移動通信端末で実行される処理(移動通信方法)に関するシーケンス図である。 移動通信端末が図6のように移動した場合に、電波強度計測部によって計測される電波強度のグラフである。 移動通信端末の移動経路を示す図である。 移動通信端末が図10のように移動した場合に、電波強度計測部によって計測される電波強度のグラフである。 移動通信端末の移動経路を示す図である。 移動通信端末が図12のように移動した場合に、電波強度計測部によって計測される電波強度のグラフである。 移動通信端末の移動経路を示す図である。 移動通信端末が図14のように移動した場合に、電波強度計測部によって計測される電波強度のグラフである。 移動通信端末において準備開始時刻Trを決定する場合の処理に関するシーケンス図である。 移動通信端末が図6のように移動した場合に、電波強度計測部によって計測される電波強度のグラフである。 時刻Twの推定方法を説明するための図であって、移動通信端末が図6のように移動した場合に、電波強度計測部によって計測される電波強度のグラフである。 移動通信端末の移動速度が変化した場合の処理に関するシーケンス図である。 移動通信端末が図6のように移動した場合に、電波強度計測部によって計測される電波強度のグラフである。
符号の説明
1…移動通信端末、2…無線LANインタフェース部、4…セルラーインタフェース部、6…電波強度計測部、8…計測情報格納部、10…位置計測部、12…推定部、14…準備情報格納部、16…通信経路決定部、18…通信経路変更部、40…セルラーエリア、42…無線LANエリア、BS1…基地局、AP1〜AP3…アクセスポイント。

Claims (7)

  1. 基地局と無線通信が可能な移動通信端末による移動通信方法であって、
    基地局から送信された電波の強度を経時的に計測する計測ステップと、
    前記計測ステップで計測された電波強度に基づき、電波強度の増減を判断する判断ステップと、
    前記判断ステップにより増加していると判断された時の前記電波強度から、単位時間当たりの前記電波強度の増加量を算出する算出ステップと、
    前記判断ステップにより、前記電波強度は増加の後に減衰に転じたと判断された場合、減衰に転じた時の前記電波強度と、前記算出ステップにて算出された前記増加量とに基づき、前記電波強度が減衰に転じてから所定値になるまでにかかる減衰所要時間を推定する推定ステップと、
    を有することを特徴とする移動通信方法。
  2. 前記所定値とは、電波の途絶が生じる値、又は通信が正常に行えなくなる値であることを特徴とする請求項1記載の移動通信方法。
  3. 自端末と通信可能な他の基地局との通信経路を確立する処理にかかる時間を示す時間情報を格納する格納ステップを有し、
    前記推定ステップは、前記格納ステップにて格納された前記時間情報が示す時間を前記減衰所要時間から減算することにより、前記電波強度が減衰に転じてから前記処理を開始するまでの時間を取得することを特徴とする請求項2記載の移動通信方法。
  4. 自端末と通信可能な他の基地局を探索して当該基地局との通信経路を確立する処理にかかる時間を示す時間情報を格納する格納ステップを有し、
    前記推定ステップは、前記格納ステップにて格納された前記時間情報が示す時間を前記減衰所要時間から減算することにより、前記電波強度が減衰に転じてから前記処理を開始するまでの時間を取得することを特徴とする請求項2記載の移動通信方法。
  5. 自端末と通信可能な他の基地局との通信経路を確立して当該通信経路へ切り替える処理にかかる時間を示す時間情報を格納する格納ステップを有し、
    前記推定ステップは、前記格納ステップにて格納された前記時間情報が示す時間を前記減衰所要時間から減算することにより、前記電波強度が減衰に転じてから前記処理を開始するまでの時間を取得することを特徴とする請求項2記載の移動通信方法。
  6. 自端末と通信可能な他の基地局を探索して当該基地局との通信経路を確立し更に当該通信経路へ切り替える処理にかかる時間を示す時間情報を格納する格納ステップを有し、
    前記推定ステップは、前記格納ステップにて格納された前記時間情報が示す時間を前記減衰所要時間から減算することにより、前記電波強度が減衰に転じてから前記処理を開始するまでの時間を取得することを特徴とする請求項2記載の移動通信方法。
  7. 自端末の位置情報を経時的に取得する位置取得ステップを有し、
    前記推定ステップは、前記位置取得ステップにて取得された前記位置情報に基づいて前記電波強度の増加時の自端末の移動速度と前記電波強度が減衰に転じた時の自端末の移動速度とを取得し、これらの前記移動速度と、前記電波強度が減衰に転じた時の前記電波強度と、前記増加量とに基づき、前記減衰所要時間を推定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の移動通信方法。
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