JP4628181B2 - 中継装置及び通信・放送システム - Google Patents

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本発明は、マルチパスの影響を抑制するためのガードインターバル(Guard Interval)を有する伝送方式を用いる通信・放送システムにおいて、衛星局から送信された信号と、複数の地上中継局から送信された信号とを同一周波数で受信する単一周波数ネットワーク(SFN:Single Frequency Network、以下「SFN」という。)を構築する技術に関する。
一般に、衛星局及び地上中継局から単一周波数でデータを送信する通信・放送システムでは、伝送方式として符号分散多重(CDM:Code Division Multiplex、以下「CDM」という。)を使用し、遅延時間差のある電波が生じるマルチパスを有効に利用したRake受信技術を用いている。ここで、Rake受信技術とは、マルチパスにおいて、遅延時間が異なり、独立したフェージング変動を受けた遅延波等が重畳された信号を受信し、当該受信信号から、逆拡散処理により遅延波等を分離し、その遅延時間を揃え、位相を同相化し、受信信号レベルの重み付けを行い、最大比合成(Rake合成)する技術である。これにより、ダイバーシチ効果を得ることができる。
一方、近年の通信・放送システムでは、移動体向けのサービスを提供する場合に、移動通信の環境下においてフェージングが主な問題になっている。このフェージングの問題に対応するため、伝送方式として直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing、以下「OFDM」という。)を使用することが多い。OFDMでは、信号にガードバンド(Guard Band)を付加することにより、マルチパスの影響を抑制することができる。
このため、SFNを構築する場合、SFNサービスエリア内の受信点(受信装置)では、各地上中継局からのデータを、OFDM信号に付加されるガードインターバルの期間内の遅延時間で受信できるように、各地上中継局が、データ送信のタイミングを制御する必要がある。この制御方法の例として、各地上中継局が、データ送信の遅延時間を調整して、データを送信するタイミングを同一とする技術が開示されている(非特許文献1を参照)。
村上研一、外6名、「地上デジタル放送SFN運用時の遅延時間調整」、社団法人映像情報メディア学会技術報告、2004年7月、Vol.28、No.39、p.5−8
ここで、衛星局と地上中継局から成る通信・放送システムにおいて、SFNを構築する場合を想定する。衛星局からデータを送信する通信・放送システムでは、全国がサービスエリアとなり得る。つまり、SFNは、このような広範囲なエリアで構築されることになる。図1は、衛星局から送信されたデータの遅延時間差を示す図である。この図は、衛星局が東経110度に位置する場合に、遅延時間が、東京(図中の※)を基準にして、左下から右上に向けて、−1000,−900,・・・,−100,100,200,・・・,1000μ秒であることを示している。例えば、500の線は、データの受信タイミングが、東京でのデータ受信に比べて500μ秒遅いことを示している。このように、受信点によって遅延時間が異なることがわかる。
一方、前述の非特許文献1の技術は、各地上中継局がデータの送信タイミングを同一にするから、狭いエリアで構築されるSFNには有効である。これに対し、非特許文献1の技術を用いて広範囲なエリアのSFNを構築するためには、ほとんど全ての地上中継局に、遅延時間を設定するための調整器を備える必要がある。このため、非特許文献1の技術を用いて広範囲なエリアのSFNを構築することは困難となる。
図2は、地上中継局から送信されたデータの遅延時間差を示す図である。この図は、地上中継局が東京(図中の※)に設置された場合に、遅延時間が、東京を中心にして、100,200,・・・,1000μ秒であることを示している。例えば、500の円線は、データの受信タイミングが、東京の地上中継局がデータを送信してから500μ秒後であることを示している。
ところで、CDMの伝送方式を用いた通信・放送システムでは、Rake受信技術を用いることにより、マルチパス環境下の遅延波を有効に利用することができる。このため、地上中継局が、衛星局からのデータを受信し、その直後に当該データを再送信するSFNを構築することができる。この場合、SFNサービスエリア内の受信点では、衛星局からデータを直接的に受信し、その後、地上中継局からデータを間接的に受信する。そして、受信装置は、Rake受信技術を用いることにより、遅延時間のあるデータを処理することができる。ここで、この遅延時間は、OFDM信号に付加されるガードインターバルの期間よりも小さい(短い)ことが必要である。遅延時間がガードインターバル期間以上の場合は、シンボル間で干渉が生じ、データ誤りになるからである。
図3は、衛星局から送信されたデータの受信タイミングの違いを示す図である。地上中継局から見て衛星局が位置する方向のサービスエリア(受信点1側)では、衛星局から送信されたデータを、地上中継局が受信するよりも早く受信する。また、地上中継局から見て衛星局が位置する方向と反対方向のサービスエリア(受信点2側)では、衛星局から送信されたデータを、地上中継局が受信するよりも遅く受信する。具体的には、衛星局から送信されたデータの受信タイミングについて、地上中継局を基準にして受信点1と受信点2とを比較すると、データは、受信点1において、地上中継局よりもX×cosθ/2.998×10秒早く到着し、受信点2において、地上中継局よりもX×cosθ/2.998×10秒遅く到着する。このため、地上中継局から見て衛星局が位置する方向のサービスエリア(受信点1側)の方が、地上中継局から見て衛星局が位置する方向と反対方向のサービスエリア(受信点2側)よりも、地上中継局から同一の距離において、衛星局から直接送信されるデータと地上中継局から再送信されるデータとの間の遅延時間が大きくなる。これに対し、地上中継局から見て衛星局が位置する方向と反対方向のサービスエリア(受信点2側)の方が、地上中継局から見て衛星局が位置する方向のサービスエリア(受信点1側)よりも、遅延時間が小さくなる。
図4は、衛星局から送信されるデータと、地上中継局から再送信されるデータとの間の遅延時間差を示す図である。ここで、衛星局が東経110度に位置し、地上中継局を東京(図中の※)に設置し、図の上方向を北、下方向を南、右方向を東、左方向を西とする。図中、東京を中心とした上下方向の楕円は、地上中継局からの距離(50,100,・・・,300km)を示し、東京を中心とした右上方向の楕円は、遅延時間(50,100,・・・,400μ秒)を示している。図4によれば、東京の地上中継局からの距離が100kmの受信点において、地上中継局から見て衛星局が位置する南西方向では、遅延時間が400μ秒以上であり、衛星局が位置する方向と反対の北東方向では、遅延時間が50μ秒であることがわかる。つまり、前述のように、衛星局が位置する方向では遅延時間が大きいのに対し、衛星局が位置する方向と反対方向では遅延時間が小さい。また、例えば、遅延時間が150μ秒の楕円線上の受信点では、地上中継局が衛星局から送信されたデータを再送信するため、衛星局から送信されたデータを、地上衛星局から再送信されたデータよりも150μ秒だけ先に受信する。SFNは、遅延時間がガードインターバル期間内になるように構築する必要があるため、例えば、ガードインターバル期間を150μ秒とした場合、衛星局が位置する方向とは反対の北東方向では、約300kmまでの範囲のSFNを構築することができるが、衛星局が位置する方向の南西方向では、約25kmまでの範囲のSFNを構築することができるに過ぎない。したがって、地上中継局を中心としたSFNのサービスエリアは、北東方向では広範囲に構築されるが、南西方向では狭い範囲に限定されてしまう。
そこで、本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ガードインターバルを有する伝送方式を用いる通信・放送システムにおいて、SFNのサービスエリアを拡大することが可能な中継装置及び通信・放送システムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、地上中継局の中継装置が、電波の送信方向に応じて設定された遅延時間により、予め記憶したデータを受信装置へ送信することを特徴とする。図5は、本発明による中継装置を説明するための概略図であり、送信アンテナの構成及び放射パターンの例が示されている。この中継装置1は、電波の送信方向に応じた4本の送信アンテナ2−1〜4、及び、当該送信アンテナ2−1〜4毎に、電波を送信する際の遅延時間τ1〜τ4が設定され、送信アンテナ2−1〜4を構成する素子に励振信号を出力する遅延回路3−1〜4を備えている。尚、図5の中継装置1は、4本の送信アンテナ2−1〜4及び4個の遅延回路3−1〜4を備えているが、この構成は本発明を説明するための例示であり、本発明はこの数に限定されるものではない。
遅延回路3−1〜4には、遅延時間τ1〜τ4が予め設定されているものとする。中継装置1に備えた図示しない制御手段は、衛星局から送信されるべきデータ予め記憶しておき、当該データを、遅延時間τ1に基づいて送信アンテナ2−1を介して送信する。同様に、図示しない制御手段は、前記データを、遅延時間τ2〜τ4に基づいて送信アンテナ2−2〜2−4を介してそれぞれ送信する。サービスエリア内の受信点において、受信装置は、衛星局から送信されたデータを受信し、地上中継局の中継装置1から、電波の送信方向に応じた送信アンテナを介して、遅延時間により遅延されたデータを受信する。
ここで、例えば、送信アンテナ2−1を、衛星局が位置する方向のエリア(図4において、遅延時間が大きいエリア/南西方向のエリア)に電波を送信する送信アンテナとし、送信アンテナ2−3を、衛星局が位置する方向と反対方向のエリア(遅延時間が小さいエリア/北東方向のエリア)に電波を送信する送信アンテナとすると、遅延回路3−1には、遅延時間が小さくなるように、遅延回路3−3の遅延時間τ3よりも小さい遅延時間τ1を設定する。また、中継装置1は、送信するデータを予め記憶しておく。これにより、中継装置1は、衛星局からデータを受信するよりも早いタイミングで、衛星局が位置する方向のエリアに対してデータを送信することができる。
本発明による中継装置は、ガードインターバルを有する伝送方式を用いてSFNが構成され、放送局から受信したデータを送信する衛星局と、前記SFNのサービスエリアへデータを送信する地上中継局と、前記サービスエリア内に設けられ、衛星局からのデータ、及び地上中継局からのデータを受信する受信装置とにより構成される通信・放送システムにおいて、前記地上中継局に設けられた中継装置であって、サービスエリアへデータを送信する送信アンテナと、前記データを送信するタイミングを設定し、送信アンテナに対応して設けられた遅延回路と、サービスエリアへ送信されるデータを予め記憶する記憶手段と、該記憶手段からデータを読み出し、前記遅延回路に送信タイミングを設定させ、前記送信アンテナにデータを送信させる制御手段とを備え、前記遅延回路は、前記記憶手段から読み出されたデータを、衛星局が位置する方向のサービスエリアに対して、該方向以外の方向のサービスエリアよりも早く送信するように、送信タイミングを設定することを特徴とする。
また、本発明による中継装置の好適例は、前記記憶手段が、サービスエリアに送信されるデータとして、前記放送局から地上ネットワークにより受信したデータを、予め記憶することを特徴とする。
また、本発明による中継装置の好適例は、前記記憶手段が、サービスエリアに送信されるデータとして、衛星局から前記SFNで使用する周波数とは異なる周波数により受信したデータを、予め記憶することを特徴とする。
また、本発明による通信・放送システムは、ガードインターバルを有する伝送方式を用いてSFNが構成され、放送局から受信したデータを送信する衛星局と、前記SFNのサービスエリアへデータを送信する地上中継局と、前記サービスエリア内に設けられ、衛星局からのデータ、及び地上中継局からのデータを受信する受信装置とにより構成される通信・放送システムにおいて、前記中継装置を地上中継局に設けたことを特徴とする。
本発明によれば、ガードインターバルを有する伝送方式を用いる通信・放送システムにおいて、地上中継局が、衛星局が位置する方向のサービスエリアに対して、衛星局からデータを受信するよりも早いタイミングでデータを送信するようにした。これにより、衛星局が位置する方向のサービスエリアの受信点では、衛星局から直接送信されたデータを受信した後、従来よりも早いタイミングで地上中継局からデータを受信することができるから、データの遅延時間が小さくなる。したがって、ガードインターバルの期間よりも短い遅延時間となるエリアは従来よりも広くなるから、衛星局及び地上中継局により構成されるSFNのサービスエリアを拡大することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施の形態は、以下の実施例1及び2により説明する。実施例1の通信・放送システムは、放送局(演奏局)が地上中継局へデータを配信する地上ネットワークと、衛星局が地上中継局へデータを配信する衛星ネットワークとにより構成され、地上中継局の中継装置は、地上ネットワークにより放送局から配信されたデータを予め記憶しておき、所定のタイミングで送信する。実施例2の通信・放送システムは、SFNで使用する周波数とは別の周波数を使用した衛星ネットワークと、SFNで使用する周波数を使用した衛星ネットワークとにより構成され、地上中継局の中継装置は、SFNで使用する周波数とは別の周波数で衛星局から配信されたデータを予め記憶しておき、所定のタイミングで送信する。
〔実施例1〕
図6は、本発明による通信・放送システムの第1の実施例を示すシステム図である。この通信・放送システムは、衛星局10、地上中継局20−1〜3及び放送局30により構成される。また、放送局30及び地上中継局20−1〜3により地上ネットワークが構成され、衛星局10及び地上中継局20−1〜3によりSFNが構成される。また、地上中継局20−1〜3には、図5に示した送信アンテナ2−1〜4及び遅延回路3−1〜4を含む中継装置1がそれぞれ設けられている。
衛星局10は、放送局30からアップリンクされたデータを、地上中継局20−1〜3、及び広域サービスエリアの受信装置へ送信する。地上中継局20−1〜3は、放送局30から地上ネットワークにより送信されたデータを受信し、所定のタイミングで当該データを広域サービスエリアの受信装置へ送信する。
具体的には、地上中継局20−1〜3における中継装置1の制御手段は、放送局30から地上ネットワークによりデータを受信すると、当該データを記憶手段に記憶する。図5に示したように、中継装置1の遅延回路3−1には、衛星局10が位置する方向に所定のタイミングでデータを送信するために、遅延時間が小さくなるように遅延時間τ1が設定されている。中継装置1の制御手段は、記憶手段からデータを読み出し、遅延回路3−1に設定された遅延時間τ1により、送信アンテナ2−1を介して、衛星局10からデータを受信するタイミングよりも早く、前記読み出したデータをサービスエリアへ送信する。ここで、放送局30から衛星局10までのデータ伝搬距離は36000km以上あり、往復では240m秒以上の伝搬時間が必要になるから、中継装置1は、衛星局10からデータを受信するよりも早くサービスエリアへデータを送信するように、そのタイミングを遅延時間τ1〜τ4により制御することができる。また、中継装置1は、GPS(Global Positioning System)等の外部基準信号を参照することにより、データ送信のタイミングを図ることができる。具体的には、放送局30が、送信時刻を多重したデータを作成し、当該データを地上中継局20−1〜3へ送信することにより、中継装置1は、予め、放送局30から地上ネットワークによりデータを受信した時刻と、衛星局10経由でデータを受信した時刻との間の時間差を得ておく。中継装置1は、この予め得ておいた時間差を用いて、データ送信のタイミングを図ることができる。
このように、地上中継局20−1〜3の中継装置1は、放送局30から地上ネットワークにより受信したデータを予め記憶し、衛星局10が位置する方向のサービスエリアには、衛星局10から送信されるデータを受信するタイミングよりも早く、前記記憶したデータをそのサービスエリアへ送信する。これにより、衛星局10が位置する方向のサービスエリアの受信点では、衛星局10から送信されたデータと、地上中継局20−1〜3から送信されたデータとの遅延時間を小さくすることができる。
図7は、図6に示した第1の実施例において、衛星局10から送信されるデータと、地上中継局20から送信されるデータとの間の遅延時間差を示す図である。図7は、図4に示した遅延時間差の図と同一の条件において、地上中継局20がデータを送信するタイミングを、衛星局10が位置する方向では、地上中継局20が衛星局10からデータを受信する予定の時間よりも150μ秒早くするように、図5に示した遅延回路3−1〜4の遅延時間τ1〜τ4が設定された場合の分布図である。具体的には、遅延時間τ1=150μ秒,τ2=τ3=τ4=0秒である。図7によれば、図4と比較して、南西方向に対して±45度の範囲内で、遅延時間が小さくなっていることがわかる。例えば、ガードインターバル期間を150μ秒とした場合、図4では、南西方向に約25kmの範囲までのSFNを構築することができるが、図7では、南西方向に約50kmの範囲までのSFNを構築することができる。つまり、遅延時間は、南西方向では約50kmの範囲までガードインターバルの期間内に抑えることができる。このように、実施例1の通信・放送システムによれば、SFNのサービスエリアを拡大することが可能となる。
〔実施例2〕
図8は、本発明による通信・放送システムの第2の実施例を示すシステム図である。この通信・放送システムは、衛星局110、地上中継局120−1〜3及び放送局130により構成される。また、衛星局110及び地上中継局120−1〜3によりSFNが構成される。地上中継局120−1〜3には、図5に示した送信アンテナ2−1〜4及び遅延回路3−1〜4を含む中継装置1がそれぞれ設けられている。図6に示した実施例1の通信・放送システムと、図8に示す実施例2の通信・放送システムとを比較すると、実施例1は、地上ネットワークにより放送局30から地上中継局20−1〜3へデータを配信するのに対し、実施例2は、放送局130から衛星局110を介して地上中継局120−1〜3へデータを配信する点で相違する。つまり、実施例2は、実施例1において、地上ネットワークによる地上中継局20−1〜3間のデータ配信が困難な場合に用いられる。
衛星局110は、放送局130からアップリンクされたデータを、地上中継局120−1〜3へ、SFNで使用する周波数とは別の周波数により送信する。この配信されたデータは、地上中継局120−1〜3により記憶手段に記憶される。また、衛星局110は、放送局130からアップリンクされたデータを、SFNで使用する周波数により、地上中継局120−1〜3、及び広域サービスエリアの受信装置へ送信する。地上中継局120−1〜3は、SFNで使用する周波数とは別の周波数で衛星局110から送信されたデータを受信し、所定のタイミングにより、当該データを広域サービスエリアの受信装置へ送信する。
具体的には、地上中継局120−1〜3における中継装置1の制御手段は、衛星局110からデータを受信すると、当該データを記憶手段に記憶する。図5に示したように、中継装置1の遅延回路3−1〜4には、衛星局10が位置する方向に所定のタイミングでデータを送信するために、遅延時間が小さくなるように遅延時間τ1〜τ4が設定されている。中継装置1の制御手段は、記憶手段からデータを読み出し、遅延回路3−1〜4に設定された遅延時間τ1〜τ4により、送信アンテナ2−1〜4を介して、衛星局110からデータを受信するタイミングよりも早く、前記読み出したデータをサービスエリアへ送信する。
このように、地上中継局120−1〜3の中継装置1は、衛星局110からSFNの周波数とは別の周波数で受信したデータを予め記憶し、衛星局110が位置する方向のサービスエリアには、衛星局110からデータを受信するタイミングよりも早く、前記記憶したデータをそのサービスエリアへ送信する。これにより、衛星局110が位置する方向のサービスエリアの受信点では、衛星局110から送信されたデータと、地上中継局120−1〜3から送信されたデータとの遅延時間を小さくすることができる。
図9は、図8に示した第2の実施例において、衛星局110から送信されるデータと、地上中継局120から送信されるデータとの間の遅延時間差を示す図である。図9は、図4に示した遅延時間差の図と同一の条件において、地上中継局120がデータを送信するタイミングを、全方向について、地上中継局120が衛星局110からデータを受信する予定の時間よりも150μ秒早くするように、図5に示した遅延回路3−1〜4の遅延時間τ1〜τ4が設定された場合の分布図である。具体的には、遅延時間τ1=τ2=τ3=τ4=150μ秒である。図9によれば、図4よりも遅延時間が小さくなっていることがわかる。例えば、ガードインターバル期間を150μ秒とした場合、図4では、南西方向に約25kmの範囲までのSFNを構築することができるが、図9では、南西方向に約50kmの範囲までのSFNを構築することができる。つまり、遅延時間は、南西方向では約50kmの範囲までガードインターバルの期間内に抑えることができる。このように、実施例2の通信・放送システムによれば、SFNのサービスエリアを拡大することが可能となる。尚、送信アンテナ及び遅延回路が単数の場合であっても、上記と同様の結果を得ることができる。
以上、実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施例1及び2に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、送信アンテナ2−1〜4及び遅延回路3−1〜4の数は、図5に示したように4つに限定されるものではなく、複数であればよい。また、実施例1では、地上中継局20−1〜4の中継装置1が、地上ネットワークにより放送局30から送信されたデータを記憶し、実施例2では、地上中継局120−1〜4の中継装置1が、衛星局110からSFNの周波数とは別の周波数により送信されたデータを記憶するようにしたが、これに限定されるものではなく、衛星局からデータを受信するよりも早く送信できるように、予めデータを記憶手段に記憶しておけばよい。
従来、通信・放送システムにおいて、個人を対象としたサービスを充実させるために、車や端末装置等の移動体向けのサービスの開発が数多く進められている。一方、地上ネットワークにより、全国等の広範囲なエリアで移動体による受信を実現するには、多数の地上中継局が必要となり困難である。また、衛星局を用いた衛星ネットワークにより実現するには、建物による遮断等が原因となって、完全なサービスエリアを設計することが困難である。このため、建物が集中する都市部では、実施例1に示したように、地上中継局を用いた地上ネットワークにより実現し、都市部以外では、実施例2に示したように、衛星局を用いた衛星ネットワークにより実現し、それぞれ周波数利用効率の高いSFNを構築することが望ましい。本発明の実施例1及び2によれば、前述のように、地上ネットワークと衛星ネットワークを使い分けたサービスエリアを設計することが可能となる。また、地上デジタル放送においては、地上中継局を用いた地上ネットワークが既に構築されているため、実施例1によるSFNは、比較的簡易に構築できるものと想定される。
ところで、現行の地上デジタル放送においては、変調方式にOFDMを使用し、126μ秒のガードインターバルを設定している。また、地上デジタル放送方式の規格(ARIB STD−B31)によれば、現在置局されている地上中継局のサービスエリアは、基幹局のような高出力の地上中継局のサービスエリアであっても最大50km程度である。詳細については規格(ARIBSTD−B31)を参照されたい。つまり、サービスエリアを有する少数の地上中継局にのみ本発明を適用し、多数の狭いサービスエリアを有する地上中継局には、衛星局から送信されたデータを再送信させる従来の技術を適用することにより、全国的なSFNの構築が可能となる。
衛星局から送信されたデータの遅延時間差を示す図である。 地上中継局から送信されたデータの遅延時間差を示す図である。 衛星局から送信されたデータの受信タイミングの違いを示す図である。 衛星局から送信されるデータと、地上中継局から送信されるデータとの間の遅延時間差を示す図である。 本発明による中継装置を説明するための概略図である。 本発明による通信・放送システムの第1の実施例を示すシステム図である。 図6の第1の実施例において、衛星局から送信されるデータと、地上中継局から送信されるデータとの間の遅延時間差を示す図である。 本発明による通信・放送システムの第2の実施例を示すシステム図である。 図8の第2の実施例において、衛星局から送信されるデータと、地上中継局から送信されるデータとの間の遅延時間差を示す図である。
符号の説明
1 中継装置
2 送信アンテナ
3 遅延回路
10,110 衛星局
20,120 地上中継局
30,130 放送局

Claims (4)

  1. ガードインターバルを有する伝送方式を用いてSFNが構成され、放送局から受信したデータを送信する衛星局と、前記SFNのサービスエリアへデータを送信する地上中継局と、前記サービスエリア内に設けられ、衛星局からのデータ、及び地上中継局からのデータを受信する受信装置とにより構成される通信・放送システムにおいて、前記地上中継局に設けられた中継装置であって、
    サービスエリアへデータを送信する送信アンテナと、
    前記データを送信するタイミングを設定し、送信アンテナに対応して設けられた遅延回路と、
    サービスエリアへ送信されるデータを予め記憶する記憶手段と、
    該記憶手段からデータを読み出し、前記遅延回路に送信タイミングを設定させ、前記送信アンテナにデータを送信させる制御手段とを備え、
    前記遅延回路は、前記記憶手段から読み出されたデータを、衛星局が位置する方向のサービスエリアに対して、該方向以外の方向のサービスエリアよりも早く送信するように、送信タイミングを設定することを特徴とする中継装置。
  2. 請求項1に記載の中継装置において、
    前記記憶手段は、サービスエリアに送信されるデータとして、前記放送局から地上ネットワークにより受信したデータを、予め記憶することを特徴とする中継装置。
  3. 請求項1に記載の中継装置において、
    前記記憶手段は、サービスエリアに送信されるデータとして、衛星局から前記SFNで使用する周波数とは異なる周波数により受信したデータを、予め記憶することを特徴とする中継装置。
  4. ガードインターバルを有する伝送方式を用いてSFNが構成され、放送局から受信したデータを送信する衛星局と、前記SFNのサービスエリアへデータを送信する地上中継局と、前記サービスエリア内に設けられ、衛星局からのデータ、及び地上中継局からのデータを受信する受信装置とにより構成される通信・放送システムにおいて、
    請求項1から3までのいずれか一項に記載した中継装置を、地上中継局に設けたことを特徴とする通信・放送システム。

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JP2000244383A (ja) * 1998-12-25 2000-09-08 Toshiba Corp 衛星通信システムとその再送信装置
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