JP4626027B2 - Lead-acid battery and manufacturing method thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は鉛蓄電池の極柱に密接する金属製ブッシングと樹脂製蓋の透孔との間を気密かつ液密にした鉛蓄電池とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の鉛蓄電池には、蓋と金属端子との気密性を確保するために、樹脂接着剤による気密構成と樹脂製ブッシングを使用したダブル・インジェクション成形による気密構成とが一般的に行われていた。
【0003】
以下、その両構成について、図3を用いて説明する。
【0004】
図3において、1は鉛合金からなる極柱であって樹脂製蓋2の開口部より突出した端子となる金属製ブッシング3の開口部3aに挿入してバーナー溶接により金属製ブッシング3に密接するように一体に構成されている。
【0005】
前記樹脂製蓋2は正極,負極,セパレータ,電解液などの電池要素を収納する電槽の上部口縁部に熱溶着されるものであるが、樹脂製蓋2と前記金属製ブッシング3との間の隙間を密封するために図3(a)に示す樹脂接着剤封止の構成と図3(b)に示す樹脂製ブッシングを使用した構成とがある。
【0006】
すなわち、図3の(a)において4は樹脂製蓋2の開口部より突出した金属製ブッシング3と前記樹脂製蓋2の開口部間の間隙に充填されたエポキシ樹脂などの接着剤層であって、この接着剤層4により金属製ブッシング3と樹脂製蓋2とは強固に接着され、金属製ブッシング3と樹脂製蓋2との間より電槽内の電解液が漏出することはない。
【0007】
また、図3の(b)に示す5は樹脂製ブッシングで、金属製ブッシング3の外周にダブル・インジェクション方式によって気密かつ液密に成型されている。
【0008】
そして前記する樹脂製ブッシング5の外周と樹脂製蓋2の開口部とは樹脂同士の溶着接合により強固に固着されている。従って金属製ブッシング3と樹脂製ブッシング5との間ならびに樹脂製ブッシング5と樹脂製蓋2の開口部との間より電槽内の電解液が漏出することはない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図3の(a)に示す接着剤方式によれば、金属製ブッシング3,樹脂製蓋2、そして、接着剤層4などの収縮率がそれぞれ異なるため、温度条件の厳しい環境下での蓄電池の使用では材料歪みによる隙間や割れなどが起こる。これは、個々の材料の収縮率の違いと蓄電池内部の圧力によるものとがある。隙間などが発生すると、蓄電池内部の硫酸分が極柱1から金属製ブッシング3と接着剤層4ならびに樹脂製蓋2との隙間を通じて、外部に漏洩して、電池端子は硫酸によって腐食され、最終的には、端子と配線されているターミナルも硫酸によって、断線するおそれがある。また、外部との気密性も懸念され、極端な気体漏洩の際には、極板,棚溶接部などの酸化の加速を引き起こしたり、電池内部の水分蒸発により電解液比重を上げて、極板に負担をかけ、極板寿命、すなわち電池寿命を短くすることが予想される。上述した問題点を解決するために、近年、図3の(b)に示す樹脂製ブッシング5と樹脂製蓋2とが接触する部分を溶着結合するダブル・インジェクション方式を用いる端子構造が実施されてきたが、この手段による場合は樹脂製蓋2と樹脂製ブッシング5の両方をインジェクションモールドするダブル・インジェクション方式を用いるため、設備においても工数においても非常に高価となる問題点があった。
【0010】
そこで本発明は、このような課題を解決し、蓄電池端子部における液密,気密不良の防止に適し、かつ安価で端子部の密閉構造を構成できる鉛蓄電池とその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記する目的を達成する手段として、樹脂製蓋の透孔に装着される金属製ブッシングの外周部に樹脂製ブッシングを密着して成形し、その樹脂製ブッシングの外周部と底部とに環状凹部を構成し、前記樹脂製ブッシングが密着する前記樹脂製蓋には、前記樹脂製ブッシングの環状凹部に対応する位置に環状凹部を設け、前記樹脂製ブッシングの環状凹部と前記樹脂製蓋の環状凹部とによって構成される環状溝部内に弾性体物質によって構成された弾性シール体を圧入させることによって前記樹脂製蓋に前記樹脂製ブッシングを気密でかつ液密に装着することとしたものである。
【0012】
これにより、Oリングもしくはパッキンなどの弾性シール体を有する樹脂製ブッシングを樹脂製蓋に密着させることで、前記弾性シール体が圧縮され、圧縮した弾性シール体により完全密封された状態となる。また、樹脂製ブッシングならびに樹脂製蓋の環状凹部にOリングもしくはパッキンなどの弾性シール体が入り込むように、相対した構造であり、Oリングやパッキンなどの弾性シール体の装着ズレを防止している。その結果、金属製ブッシングと極柱の溶接時の熱や熱衝撃的な雰囲気温度などにおいても、材料収縮,膨張は、弾性シール体の特性である膨張,収縮により隙間の発生を防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明において樹脂製ブッシングは金属製ブッシングに密着するように成形されるのであるが、その樹脂製ブッシングの外周ならびに底部に形成される環状凹部は樹脂製ブッシング成形時に同時形成されてもよいし、また表面が滑らかな樹脂製ブッシングを成形した後に加工によって環状凹部が形成されてもよい。
【0014】
また、樹脂製ブッシングと樹脂製蓋とはそれぞれが密着することになるため、膨張率などが同じ同質の樹脂を使用することが好ましく、また電解液が硫酸であるため耐電解液性として耐硫酸性の樹脂を選択することが望ましい。
【0015】
また、樹脂製ブッシングの環状溝部と樹脂製蓋の環状凹部とにより構成される溝部に圧入される弾性シール体は膨張,収縮の弾性が大きいことと、耐硫酸性を持った材質を選択することが好ましい。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図1を参照して説明する。
【0017】
まず、外部への出力端子となる鉛合金製の金属製ブッシング6の外周部にポリプロピレンからなる樹脂製ブッシング7を成形する。この樹脂製ブッシング7はポリプロピレンからなる樹脂製蓋8に形成した透孔9に装着するものである。前記樹脂製ブッシング7の外周には側部環状凹部10を加工によって形成する。そしてこの側部環状凹部10に対応する側部環状凹部10aを樹脂製蓋8に形成し、上記側部環状凹部10と10aとにより構成される環状溝部内にネオプレンゴムからなるOリング状弾性シール体11が圧入される。
【0018】
このOリング状弾性シール体11は、樹脂製ブッシング7の側部環状凹部10に一部が嵌入した状態で樹脂製ブッシング7を樹脂製蓋8の透孔9に圧入されることにより樹脂製蓋8の側部環状凹部10aに他の部分が圧入される。その結果、側部環状凹部10と10aとにより構成される環状溝部内にOリング状弾性シール体11は圧入されることとなり、このOリング状弾性シール体11の弾力によって樹脂製ブッシング7の側部は樹脂製蓋8に気密かつ液密に密着することとなる。
【0019】
同様に前記樹脂製ブッシング7の底部に設けた底部環状凹部12と樹脂製蓋8の底部に設けた底部環状凹部12aとにより構成される環状溝部内にパッキン状弾性シール体13を圧入することにより、樹脂製ブッシング7の底部と樹脂製蓋8の底部とは気密かつ液密に密着することとなる。
【0020】
なお、Oリング状弾性シール体11もパッキン状弾性シール体13も樹脂製ブッシング7と樹脂製蓋8との間に密封された状態において圧縮状態が変化しない状態になっており、電池内部にかかる圧力の最大値においても弾性シール体を変形することがなく、従って気体や液体が外部に漏出することはない。
【0021】
また、Oリング状弾性シール体11,パッキン状弾性シール体13が、所定位置で所期の圧縮ができていない際は、樹脂製蓋8に樹脂製ブッシング7が装着できず、また上記2つの弾性シール体11と13が所定位置に装着されていれば、樹脂製蓋8から樹脂製ブッシング7の取り外しは容易にはできない。次に、電池組み立てにおいて、樹脂製蓋8とポリプロピレンからなる電槽(図示せず)との熱溶着をおこない、鉛合金からなる極柱14は金属製ブッシング6の開口部に挿入された状態となり、それぞれバーナー溶接により接合する。
【0022】
次に、本発明の前記一実施例と図3の(b)に示す従来例(ダブル・インジェクション方式)とにおける図2に示す条件下において、300サイクルのヒートショックの試験:低温−40℃,高温65℃の2時間交互サイクルに及ぼす気密,液密の影響について表1に示す。仕様1は本実施例の密閉型鉛蓄電池、仕様2は従来の自動車始動用開放型電池を表している。試験数は1,000個である。
【0023】
【表1】
【0024】
この表1に示す結果より、本発明の一実施例では従来例に比較して、気密,液密に及ぼす影響が極めて少ないことがわかる。
【0025】
なお、本発明の一実施例においては、Oリング状弾性シール体11とパッキン状弾性シール体13とが2ヶ所に備えられた例を示したが、弾性シール体の取り付け数が多くかつ面積も大きいほど、樹脂製ブッシング7と樹脂製蓋8との面における密封保持効果が高い。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明においては金属製ブッシングの外周に密着して形成した樹脂製ブッシングの外周と底部とに環状凹部を形成し、この環状凹部に対応する環状凹部を樹脂製蓋にも設け、前記環状凹部同士で構成される環状溝部に弾性体物質の弾性シール体を圧入して、この弾性シール体によって樹脂製ブッシングと樹脂製蓋とが気密かつ液密に密着するので電解液が漏出したり、電池内気体が漏出することがなく、その効果を簡単な構成と製造方法によって達成し、所期の目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における鉛蓄電池端子部の断面図
【図2】ヒートショック試験の条件を示す図
【図3】(a)従来の接着剤方式における鉛蓄電池端子部の断面図
(b)従来のダブル・インジェクション方式における鉛蓄電池端子部の断面図
【符号の説明】
2,8 樹脂製蓋
3,6 金属製ブッシング
4 接着剤層
5,7 樹脂製ブッシング
9 透孔
10,10a 側部環状凹部
11 Oリング状弾性シール体
12,12a 底部環状凹部
13 パッキン状弾性シール体[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a lead storage battery in which a space between a metal bushing in close contact with a pole of the lead storage battery and a through hole of a resin lid is airtight and liquid-tight, and a method for manufacturing the lead storage battery.
[0002]
[Prior art]
In order to ensure the airtightness between the lid and the metal terminal, the conventional lead storage battery generally has an airtight structure by a resin adhesive and an airtight structure by a double injection molding using a resin bushing. .
[0003]
Hereinafter, both the configurations will be described with reference to FIG.
[0004]
In FIG. 3,
[0005]
The
[0006]
That is, in FIG. 3A,
[0007]
Further, 5 shown in FIG. 3B is a resin bushing, which is formed on the outer periphery of the metal bushing 3 in an airtight and liquid tight manner by a double injection method.
[0008]
The outer periphery of the resin bushing 5 and the opening of the
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
However, according to the adhesive method shown in FIG. 3 (a), the shrinkage rates of the
[0010]
SUMMARY OF THE INVENTION Accordingly, an object of the present invention is to solve such problems, and to provide a lead storage battery that is suitable for preventing liquid-tight and air-tight defects in the storage battery terminal portion, and that can constitute a sealed structure of the terminal portion at low cost, and a method for manufacturing the same. It is what.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
According to the present invention, as a means for achieving the above-mentioned object, a resin bushing is formed in close contact with an outer peripheral portion of a metal bushing attached to a through hole of a resin lid, and the outer periphery and bottom portion of the resin bushing are formed. An annular recess is provided at a position corresponding to the annular recess of the resin bushing on the resin lid that forms an annular recess, and the resin bushing is in close contact with the resin bushing. The resin bushing is mounted in an airtight and liquid-tight manner on the resin lid by press-fitting an elastic seal member made of an elastic material into an annular groove formed by an annular recess. .
[0012]
As a result, the elastic bushing is compressed by bringing a resin bushing having an elastic seal body such as an O-ring or packing into close contact with the resin lid, and is completely sealed by the compressed elastic seal body. In addition, the structure is opposed so that an elastic seal body such as an O-ring or packing enters the annular recess of the resin bushing and the resin lid, thereby preventing mounting displacement of the elastic seal body such as an O-ring and packing. . As a result, material shrinkage and expansion can be prevented by expansion and contraction, which is a characteristic of an elastic seal body, even in the heat and thermal shock atmosphere temperature during welding of metal bushings and poles. it can.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the present invention, the resin bushing is molded so as to be in close contact with the metal bushing, but the annular recess formed on the outer periphery and the bottom of the resin bushing may be formed simultaneously with the resin bushing molding, Alternatively, the annular recess may be formed by processing after molding a resin bushing having a smooth surface.
[0014]
In addition, since the resin bushing and the resin lid are in close contact with each other, it is preferable to use the same resin having the same expansion coefficient and the like, and since the electrolyte is sulfuric acid, the electrolyte is resistant to sulfuric acid. It is desirable to select a compatible resin.
[0015]
In addition, the elastic seal body that is press-fitted into the groove portion formed by the annular groove portion of the resin bushing and the annular recess portion of the resin lid has a large elasticity for expansion and contraction, and a material having sulfuric acid resistance should be selected. Is preferred.
[0016]
【Example】
An embodiment of the present invention will be described below with reference to FIG.
[0017]
First, a resin bushing 7 made of polypropylene is formed on the outer periphery of a metal bushing 6 made of lead alloy serving as an output terminal to the outside. The resin bushing 7 is attached to a through hole 9 formed in a
[0018]
The O-ring-shaped
[0019]
Similarly, a packing-like
[0020]
The O-ring-like
[0021]
Further, when the O-ring
[0022]
Next, under the conditions shown in FIG. 2 in the one embodiment of the present invention and the conventional example (double injection method) shown in FIG. 3B, a 300-cycle heat shock test: low temperature −40 ° C., Table 1 shows the effects of airtightness and liquid tightness on a 2-hour alternating cycle at a high temperature of 65 °
[0023]
[Table 1]
[0024]
From the results shown in Table 1, it can be seen that in one embodiment of the present invention, the influence on airtightness and liquid tightness is extremely small as compared with the conventional example.
[0025]
In the embodiment of the present invention, an example in which the O-ring
[0026]
【The invention's effect】
As is apparent from the above description, in the present invention, an annular recess is formed in the outer periphery and bottom of the resin bushing formed in close contact with the outer periphery of the metal bushing, and the annular recess corresponding to the annular recess is made of a resin lid An elastic seal body made of an elastic material is press-fitted into an annular groove formed by the annular recesses, and the resin bushing and the resin lid are in airtight and liquid tight contact with the elastic seal body. The liquid does not leak and the gas in the battery does not leak, and the effect can be achieved by a simple configuration and manufacturing method, and the intended purpose can be achieved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a lead storage battery terminal portion according to an embodiment of the present invention. FIG. 2 is a view showing conditions of a heat shock test. FIG. (B) Cross-sectional view of lead-acid battery terminal in conventional double injection method [Explanation of symbols]
2,8
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