JP4624604B2 - 画像取得装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画素ずらし機能を有する画像取得装置に関し、更に詳しくは画素ずらし機能を有する画像取得装置において画像ずらし機能を用いずに得られる解像度の画像の撮影に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学的に撮像した画像をデジタルデータとして記録する画像取得装置は、一般に撮像素子の画素数によって解像度が決まる。しかし、特開平6−225317号公報には、画素をずらして撮影した画像を用いることによって撮像素子の画素数を増やさずに高解像度の撮影を実現する画像取得装置が提案されている。
【0003】
画素ずらし機能を有する画像取得装置は、撮像素子に結像する光学像と撮像素子の空間的な相対位置を1/2画素ピッチずらして撮影した画像と画素をずらさずに撮影した画像を画像処理することにより、撮像素子の画素数以上の解像度の画像を取得することができる(高解像度モード)。またこの画像取得装置では、画素ずらしを行わないで通常の撮影による画像も取得することもできる(通常モード)。
【0004】
また高解像度モードでは、画素ずらしを行うことによって撮像素子のサンプリング周波数が見かけ上2倍になるので、通常時に撮像素子のサンプリング特性により発生する“高周波成分の折り返しノイズ”が派生しなくなる。このため、高解像度モードで光学ローパスフィルタを用いて高周波成分の除去を行うと、かえって必要な高周波成分が欠損してしまうこととなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
光学ローパスフィルタを用いると高解像モードで取得した画像のボケ量が多くなってしまうので、画素ずらし機能を有する画像取得装置では、光学ローパスフィルタは付加されない。しかし、このような構成にした場合、高解像モードで取得した画像は良いが、通常モードで取得した画像では不要な高周波成分が含まれてしまうこととなる。
【0006】
このため、通常モードで取得する画像においては、画像処理を行って移動平均フィルタ等をかけることによって高周波成分の除去が行われる。しかしこの方法には画像のエッジがボケるなどの問題がある。また、エッジ方向を検出して、エッジ方向に沿ったフィルタリングを行う方法もあるが、この場合エッジ方向を検出する処理に多くの処理時間が必要とされる。
【0007】
この点を解決するため、特開平10−164603号公報に記載の発明では、高解像モードで撮影する場合には、光学ローパスフィルタの機能をキャンセルする機構を設けている。
しかしこのような構成を実装する為には、光学ローパスフィルタの特性を切り替える機械的な機構を必要とし、このことは機器の小型化、低コスト化の障害となる。
【0008】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、画素ずらし機能付の画像取得装置において、画素ずらしを行わないで撮影したのと同等の解像度の画像を撮影する場合においても、エッジのボケを抑えると共に不要な高周波成分を除去した画像を取得できる低価格でコンパクトな画像取得装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による画像取得装置は、撮像素子に入射する光束と該撮像素子との相対位置を移動させる画素ずらし手段と、記相対位置が特定位置にあるとき、及び該特定位置から記画素ずらし手段により移動した1つ以上の位置にあるとき撮影する撮影手段と、前記撮影手段が画像を撮影する前に露出時間を予測する露出時間予測手段と、前記撮影手段が撮影した複数の画像を画像処理して最終的な画像を作成する画像処理手段と、を備え、前記露出時間予測手段によって予測した露出時間が前記撮影手段の最大露出時間以下のときには、前記撮影手段は前記予測した露出時間に基づいて前記複数の画像を撮影して、前記画像処理手段は前記複数の画像の同一位置の画素の加算平均を求めて前記最終的な画像を作成し、前記露出時間予測手段によって予測した露出時間が前記撮影手段の最大露出時間よりも大きいときには、前記撮影手段は前記予測した露出時間を撮影する回数で割った値である露出時間に基づいて前記複数の画像を撮影して、前記画像処理手段は前記複数の画像の同一位置の画素毎に加算して前記最終的な画像を作成するものである。
【0010】
次にこの撮影は、請求項2に記載の発明のように、例えば上記特定位置、該特定位置から水平方向に1/2画素分移動した位置及び該特定位置から垂直方向に1/2画素分移動した位置で行われる。或いは、請求項3に記載の発明のように上記特定位置及び、上記画素ずらし手段により移動した1つ以上の位置が等間隔にある位置で撮影する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。尚以下の説明では、顕微鏡用の画像取得装置を例として説明しているが、本実施例は、このような顕微鏡用の画像取得装置に限定されるものではなく、デジタルカメラ等光学的に撮像した画像を記録する画像取得装置であれば他のものでも適用可能である。
第1の実施形態
図1は、本発明が適用される画像取得装置の第1の実施形態の概略構成を示す図である。
【0016】
同図の画像取得装置は、撮像部1、メモリ回路2、画像処理部3、画素ずらし制御部4、制御回路5及びインターフェース6を備えている。
撮像部1は撮像素子7を有し、撮像素子7に入射した光束を光電変換し、デジタル画像データとして出力する機能を有している。メモリ回路2は、撮像部1から出力された画像データを記録する機能を有する。
【0017】
画像処理部3は、メモリ回路2に記録されている複数の画像データを読み取り、画像演算を行った後にその結果をメモリ回路2に書き込む機能を有する。また画像処理部3は、メモリ回路2からデータを読み取りインターフェース6に出力する機能を有する。このインターフェース6は、例えばPCIバス等を介して他の画像記録装置や、画像表示装置等に画像データを転送する機能を有する。
【0018】
制御回路5は、画素ずらし制御部4に撮像素子7の水平方向と垂直方向の移動量を制御する信号を出力すると共に、撮像部1に対して撮影信号を出力する機能を有する。
図2は、第1の実施形態における撮像部1の構成を示す図である。
【0019】
図2の撮像部1は、受光素子が縦横に配列状に整列している撮像素子7を備え、この撮像素子7の位置を水平方向に移動させる電圧変移素子8及び垂直方向に移動させる電圧変移素子9を撮像素子7に接着した形で有している。
画素ずらし制御部4は、制御回路5からの水平及び垂直方向の画素ずらし量を指示する制御信号に基いた大きさの電圧を電圧変移素子8及び9に印加する。電圧変移素子8及び9が、この印加電圧の大きさに応じて伸縮することによって、撮像素子7は水平及び垂直方向に目的とする位置に移動する。
【0020】
次に、第1の実施形態における動作処理を説明する。
第1の実施形態では、撮像素子7を予め定められた初期位置で撮影した画像データ(Image1)、撮像素子7を初期位置から水平方向に1/2画像移動した位置で撮影した画像データ(Image2)及び撮像素子7を初期位置から垂直方向に1/2画像移動した位置で撮影した画像データ(Image3)の3つの画像データを処理して最終的な画像データを求める。
【0021】
図3は、第1の実施形態における処理の流れを示す図である。
撮像部1の撮像素子7に光束が入射した状態で、制御回路5は、画素ずらし制御部4に対して、初期位置に撮像素子7を移動する指示信号を出力する。画素ずらし制御部4は、この信号を受け取ると初期位置に撮像素子7を移動するように、2つの電圧変移素子8及び9に電圧を印加する。先に説明したように、各電圧変移素子はこの印加電圧によって伸縮して撮像素子7を目的の位置へ移動させる(Step1)。
【0022】
図4は、撮像素子7の受光素子の配列の一部を示すモデル図である。
尚同図では、各受光素子にはRGBの原色フィルタが配置され、いわゆるベイヤ方式での配列を例として示しているが、本発明は撮像素子7の色フィルタの配列パターンに依存するものではないので、撮像素子7の受光素子には補色フィルタを用いてもよいし、またモノクロの撮像素子であってもよい。
【0023】
図4に示した配列状態において、制御回路5は、撮像部1に対して露出時間を設定すると共に、設定した露出時間を制御回路5の内部のレジスタに記録する。尚このように設定した露出時間をレジスタに記憶しておくのは、以後、画素ずらしを行った後に、撮影する前にレジスタに記憶した値を呼び出して露出時間に用いることによって、各撮影で露出時間が変化して取得画像の明るさが変わらないようにする為である。
【0024】
撮像素子7が初期位置に移動したら制御回路5は、撮像部1に対して撮影信号を出力する。撮像部1は撮影信号を受け取ると、撮像素子7に結像した像を設定された露出時間分露光し、光電変換後、画像データとしてメモリ回路2に出力する。メモリ回路2は、取得した画像データを撮像素子7を初期位置で撮影した画像(Image1)として記録する(Step2)。
【0025】
次に、制御回路5は、画素ずらし制御部4に対して初期位置から水平方向に1/2画素、撮像素子7を移動するように信号を出力する。画素ずらし制御部4は、この信号を受け取ると図5に示すように撮像素子7を水平方向に1/2画素分移動するような電圧を電圧変移素子8に印加する(Step3)。
【0026】
図5中の破線は、初期位置での受光素子の位置を示し、太線は水平方向に1/2画素分撮像素子7をずらしたときの受光素子の位置を示す。尚図5及び後述する画素ずらしを説明する各図面は撮像素子7の移動のイメージを説明するモデル図なので、画素の大きさや間隔、移動量等においても正確に表している訳ではない。
【0027】
次に、制御回路5は、内部のレジスタからStep2で撮影した時の露出時間を呼び出し撮像部1に設定する。そして、Step2のときと同様に、制御回路5は撮像部1に対して撮影信号を出力し、撮像部1は撮像素子7に結像した像を指定した露出時間の間露光してから画像データとしてメモリ回路2に出力する。メモリ回路2は、この画像データを撮像素子7を水平方向に1/2画素移動して撮影した画像(Image2)として記録する(Step4)。
【0028】
次に、制御回路5は、画素ずらし制御部4に対して、図6に示すように水平方向の位置が初期位置と同じで、垂直方向に1/2画素分移動した位置に撮像素子7を移動させる信号を出力する。画素ずらし制御部4は、Step1,Step3と同様に撮像素子7の水平方向が初期位置と同じで垂直方向に初期位置から1/2画素分移動するような電圧を電圧変移素子8及び9に印加する(Step5)。
【0029】
次に、Step4と同様に制御回路5は、内部のレジスタからStep2,Step4で撮影した時の露出時間を呼び出し撮像部1に設定する。そして、制御回路5は撮像部1に対して撮影信号を出力し、撮像部1は撮像素子7に結像した像を指定した露出時間分露光してから画像データとしてメモリ回路2に出力する。メモリ回路2は、この画像データを撮像素子7を水平方向が初期位置と同じで、垂直方向に初期位置から1/2画素移動して撮影した画像(Image3)として記録する(Step6)。
【0030】
次に画像処理部3は、メモリ回路2に記録されたImage1、Image2及びImage3の3つの画像に対して、各画素毎に、同一配列位置の画素のデータの加算平均を計算して求め、これを新しい画像としてメモリ回路2に保存する(Step7)。
図7は図3のStep7に対応する、撮像素子7が初期位置で撮影した画像Image1、初期位置から水平方向に1/2画素ずらした時に撮影した画像Image2、及び初期位置から垂直方向に1/2画素ずらしたときの画像Image3のデータを各画素毎に加算平均を計算して新たな画像ResultImage を求める処理のフローチャートである。
【0031】
尚以下の説明では、各画像のデータは[水平方向の位置:0〜撮像素子7の水平方向の画素数−1][垂直方向の位置:0〜撮像素子7の垂直方向の画素数−1]で表される2次元の配列形式で表されており、1つの配列要素は1つの画素と1対1対応しているものとする。
【0032】
図7のフローチャートにおいて、まずStep7−1で画素のY方向(垂直方向)の位置を示すループカウンタYを0に初期化する。
次にStep7−2で、カウンタYの値が画像の高さHeight(水平方向の画素数)よりも小さい場合は(Step7−2,Yes)、Step7−3に移動する。
【0033】
Step7−3では、画像の画素のX位置(水平方向)を示すループカウンタXを0に初期化する。次にStep7−4で、カウンタXが画像の幅Width(水平方向の画素数)よりも小さい場合は(Step7−4,Yes)、Step7−5に移動する。またカウンタXがWidthよりも小さくない場合は(Step7−4,No)、Step7−7へ処理を移動する。
【0034】
Step7−5では、3つの画像Image1、Image2及びImage3の位置(X,Y)が示す画素に対応する3つのデータの平均値を計算する。そして、計算結果から求まる値をメモリ回路2へ保存する。すなわち、Image1、Image2、Image3及び計算結果から求まる画像ResultImage の位置(X,Y)の画素データをそれぞれImage1[X][Y],Image2[X][Y],Image3[X][Y]そしてResultImage[X][Y] とすると、
ResultImage[X][Y]=(Image1[X][Y]+Image2[X][Y]+Image3[X][Y])/3
となる。
【0035】
Step7−6では、カウンタXをカウントアップしてから、Step7−4に処理を移行し、以降Step7−4でカウンタXの値がWidthと同じ値になるまでStep7−4〜Step7−6の処理を繰り返す。
Step7−7は、Step7−6と同様にカウンタYをカウントアップしてから処理をStep7−2に移行し、以降カウンタYの値がHeightと同じになるまでStep7−2〜Step7−7の処理を繰り返す。
【0036】
そしてStep7−2でカウンタYの値がHeightよりも小さくない、即ちカウンタYの値がHeightと同じになれば(Step7−2,No)、全ての画素に対して処理が完了し、Image1、Image2及びImage3を加算平均した画像ResultImage が求まってメモリ回路2に記録されたことになるのでStep7の処理を終了してStep8に処理を移す。
【0037】
Step8では、画像処理部3は、Step7でImage1、Image2及びImage3を加算平均して求めた画像データResultImage を撮像部1が出力したRawデータとしてこれに色再生処理を施してカラー画像を作成し、これを最終的な撮影画像としてメモリ回路2に記録する。また、この画像はインターフェース6を介して他の画像記録装置や、画像表示装置に転送される。尚この色再生処理は、本発明の特徴とするところではないので詳細な説明は省略するが、色再生処理としてどのような処理を行っても、本発明を制限するものとはならない。
【0038】
図8は、第1の実施形態によって撮影された画像のフィルタリング効果を示すグラフである。
同図では、なにも処理を行わない画像(同図中の原画像)の水平方向のプロファイルと、上記した第1の実施形態の様に撮像素子7を動かして画素ずらしを行い、注目画素と水平・垂直方向に1/2画素ずらした3画素の平均を計算した画像のプロファイル(同図中の1/2画素ずらし平均)、そして比較の為に画素ずらしを行わず、注目画素、注目画素に垂直方向に隣接する1つの画素、及び水平方向に隣接する1つの画素の3画素の平均を計算した画像のプロファイル(同図中の1画素単位の平均)が示されている。
【0039】
同図を見ると1/2画素ずらし平均のグラフは、ノイズが除去されると共に1画素単位の平均のグラフに比して、エッジがより強く出ていることが判る。
このように本実施形態による画素ずらし機能を有する画像取得装置は、画素ずらしを行わずとも得られる解像度の画像に対して、敢えて画素ずらしを行った撮影を行い、複数の画像の同一配列位置の画素を処理することにより、画像の高周波成分を除去することができる。
【0040】
また、1画素以下の画素サイズにてフィルタリングを行う為に、通常の画像処理でのフィルタリングに比べてエッジのボケを抑えることができる。
更に、画素ずらし機構以外にローパスフィルタ及びローパスフィルタの有効/無効の切り換えを行う為の機構を必要としないので、機器のコストの削減及び小型化を実現することができる。
【0041】
また、処理する複数の画像は時間的にずれて撮影されている為に、時間的に不規則に発生するランダムノイズを除去することができるという効果が得られる。
第2の実施の形態
次に第2の実施の形態について説明する。
【0042】
図9は、第2の実施形態の概略構成を示す図である。
第2の実施形態は、図1の第1の実施形態と装置構成はほぼ同じであるが、制御回路5が画像処理部3の内部データを参照できるようになっている。
また、制御回路5は、後述するように撮像部1から取得した画像データを元にして露出時間を予測する機能(自動露出機能)を備えている。制御回路5は、撮像部1に対して指定した露出時間分の露光を撮像部1が行った後、光電変換した画像データを常にメモリ回路2から画像処理部3に転送する。画像処理部3は、画像データの任意領域の明るさを計算し、画像処理部3内部のレジスタに記憶する。制御回路5は常にこのレジスタの値を参照し、レジスタ値が適正な明るさよりも明るい場合には露出時間を短くし、逆に暗い場合には露出時間を長くするように露出時間の予測を行う。
【0043】
そして、予測した露出時間が撮像部1が露出できる最大の露出時間以下の場合は、その予測した露出時間を用いて第1の実施の形態と同様の処理によって撮像素子7を移動して画素ずらしを行い、各位置での画像データImage1、Image2及びImage3を加算平均した画像を得る。
【0044】
しかし、予測した露出時間が撮像部1の最大露出時間より大きく、且つ最大露出時間の3倍以下のときは、初期位置、水平方向及び垂直方向にずらした位置による撮影での各露出時間を、予測した露出時間の1/3にして撮影して画像を取得する。この時第1の実施形態で説明した図7のStep7−5の画素の平均を求める計算処理では単なる加算処理を行う。すなわち、Step7−5の計算が以下のように変更される。
【0045】
ResultImage[X][Y] =Image1[X][Y]+Image2[X][Y]+Image3[X][Y]
これにより撮像部1の最大露出時間を上回る露出時間が自動露出機能によって予測された場合でも、実際の露出時間を予測した露出時間の1/3に設定して、撮像素子7を移動して初期位置、水平方向及び垂直方向にずらした位置による撮影を行い、複数画像の同一配列位置の画素を加算して画像を求めることにより、見かけ上撮像部1が露出できる最大露出時間を上回る露出時間での撮影を行うことができる。また第1の実施形態と同様、高周波成分を除去することができる。
【0046】
また、第1の実施の形態と同様に、1画素以下の画素サイズでフィルタリングを行うために、通常の画像処理によるフィルタリングに比べてエッジのボケを抑えることができる。更に、ローパスフィルタによってノイズを除去する構成に比して、画素ずらし機構以外にローパスフィルタ及びローパスフィルタの有効/無効の切り換えを行う為の機構を必要としないので、機器のコストの削減及び小型化を実現することができる。また、処理する複数の画像は時間的にずれて撮影されているものであるので、時間的に不規則に発生するランダムノイズを除去することができるという効果が得られる。
【0047】
更に、予測した露出時間が撮像部1の最大露出時間以下の場合でも、実際の露出時間を予測した露出時間の1/3に設定して撮影し、上述したようにこれらの画像データを除算を行わずに単に同一画素毎に複数画像の加算して画像データを求めることによって、通常の露出時間だけ露出して加算平均を計算する場合に比べ、露出時間が短くなった分だけ撮影処理にかかる時間を短縮するという効果が得られる。
【0048】
尚予測した露出時間が撮像部1が露出できる最大の露出時間を超える場合、上記説明では、露出時間を1/3にしたが、露出時間は予測した露出時間が撮像部1が露出できる最大の露出時間以下の相対であれば必ずしも1/3に限ることはなく、Step7−5の加算を求める処理で調節すればよい。これにより、予測した露出時間が撮像部1が露出できる最大の露出時間の6倍の値であったとしたら露出時間を1/6にすれば良い。この場合には、Step7−5の式は、
ResultImage[X][Y] =(Image1[X][Y] +Image2[X][Y]+Image3[X][Y]) *2
となる。
【0049】
またこの露出時間の短縮は、予測値が撮像部1が露出できる最大の時間を超えた場合だけでなく、撮影の要する処理時間を短縮する為に用いることが出来ることは言うまでもない。
第3の実施の形態
次に第3の実施形態について説明する。
【0050】
第3の実施形態の構成は図1と同じであるが、図1の第1の実施形態若しくは図9の第2の実施形態とほぼ同じ装置構成を有しているが、撮像部1の構成が異なる。
図10は第3の実施形態における撮像部1の構成例を示す図である。
【0051】
図10に示すように第3の実施形態の撮像部1は、撮像素子が水平方向の1次元配列のラインセンサとして構成されている。
この1次元撮像素子17は、図11に示すような受光素子を撮像範囲12をカバーする大きさで2ライン水平に並べた構成を持つ。そして各受光素子にはRGBの原色フィルタが配置され、その並びはベイヤ配列となっている。尚本実施形態では、1次元撮像素子17はいわゆるベイヤ方式の原色フィルタ配列を用いているが、この第3の実施形態も撮像素子17の色フィルタの配列パターンに依存するものではないので、撮像素子17の受光素子には補色フィルタを用いてもよいし、またモノクロの撮像素子であってもよい。
【0052】
この撮像素子17には、電圧変移素子18が接着されており、画素ずらし制御部4によって印加された電圧に基いて電圧変移素子18を伸縮させることによって、ガイド16を支点として撮像素子17が水平方向に移動する構成となっている。
【0053】
更に、撮像部1は、画素ずらし制御部4からの信号により動作するモータコントローラ14によって制御される垂直方向スキャン用モータ13を有し、このモータ13の回転によりギヤ15が上下動し、ギヤ15に接する撮像素子17が撮像範囲12を垂直方向に平行移動するように構成されている。
【0054】
次に、第3の実施形態における動作処理を説明する。
第3の実施形態では第2の実施形態と同様、まず適正露出時間の予測を行う。
撮像部1の撮像範囲12に光束が入射し像が結像した状態で、制御回路5は画素ずらし制御部4に対して、初動位置に1次元撮像素子17を移動する信号を出力する。画素ずらし制御部4は、この信号を受け取ると撮像素子17の初動位置である撮像範囲12の最上部に移動するようにモータコントローラ14に制御信号を出力すると共に、水平方向の初動位置に撮像素子7を移動するように、電圧変移素子17に電圧を印加する。モータコントローラ14は画素ずらし制御部4からの制御信号に基いて撮像素子7が初動位置に移動するように垂直方向スキャン用モータ13にパルスを出力する。モータ13はこのパルスに従って駆動し、撮像素子7を初動位置まで移動させる。また、電圧変移素子18は、図2の撮像部1で説明したのと同様に画素ずらし制御部4からの印加電圧によって伸縮することで、水平方向において撮像素子17を目的の位置へ移動させる。
【0055】
撮像素子17の初動位置への移動が完了すると、制御回路5は撮像部1に対して撮影信号を出力する。撮像部1は、撮影信号を受け取ると、初期値として設定されている露出時間の間撮像素子7に結像した2ライン分の像を露光し、光電変換後に画像データとしてメモリ回路2に出力する。メモリ回路2は、取得した画像データを初動位置の2ライン分の画像として記録する。
【0056】
次に、画素ずらし部4は、モータコントローラ14に撮像素子7が初動位置から2画素分下方に移動するように制御信号を出力し、この制御信号に基いて、モータコントローラ14はパルスを発する。垂直方向スキャン用モータ13はこのパルスに従って回転し、撮像素子17を初動位置から垂直方向(図10の下方)へ2画素分移動させる。撮像素子17の移動が終わると制御部5は撮像部1に撮影信号を出力し、撮像素子7に結像した像を光電変換後メモリ回路2に順次出力させ、これをメモリ回路2は次の2ライン分の画像データとして記憶する。
【0057】
以降、上記動作処理を撮像素子17が撮像範囲12の全ての範囲を走査するまで繰り返すことによって、撮像範囲12に結像した像がメモリ回路2に記憶される。
画像処理部3は、メモリ回路2に記憶した画像データの任意領域の明るさを計算し、画像処理部内部のレジスタに記憶する。制御回路5はこのレジスタの値を参照し、適正な明るさよりも明るい場合は、露出時間を短くし、逆に適正な明るさよりも暗い場合は、露出時間を長くするように露出時間の予測を行いその結果を制御回路5内部のレジスタに保存する。以上の処理により、露出時間の予測が終了する。尚上記処理では、撮像範囲12全域にわたって撮影を行ってその画像データを元に露出時間の予測を行っているが、撮像範囲12の特定部分、例えば中央部のみを撮影し、その画像データを元に露出時間の予測を行う構成としても良い。
【0058】
次に、制御回路5は、画素ずらし制御部4に対して、初動位置に撮像素子17を移動する信号を出力する。画素ずらし制御部4は、この信号を受け取ると撮像素子17を撮像範囲12の最上部の初動位置に移動するようにモータコントローラに制御信号を出力すると共に、水平方向の初動位置に撮像素子17を移動するように、電圧変移素子18に対応する大きさの電圧を印加する。モータコントローラ14は、撮像素子17が初動位置に移動するように垂直方向スキャン用モータ13にパルスを発し、モータ13はこのパルスに従って回転して撮像素子17を垂直方向の目的の位置へ移動させる。また電圧変移素子18は上述したように印加電圧の大きさに基いて伸縮して、撮像素子17を水平方向の目的の位置へ移動させる。
【0059】
撮像素子17が初動位置へ移動した状態で、制御回路5は、先に予測した露出時間を制御回路5の内部のレジスタより読み出し、撮像部1に対して設定する。以後、撮影を行う前にレジスタに記憶した露出時間を呼び出し、各撮影で露出時間が変化して取得画像の明るさが変わらないようにする。
【0060】
制御回路5は撮像部1に対して撮影信号を出力する。撮像部1は撮影信号を受け取ると、撮像素子17に結像した2画素ライン分の像を、設定された露出時間の間露光し、光電変換後に画像データとしてメモリ回路2に出力する。メモリ回路2は、この画像データを初動位置の2画素ライン分の画像として記録する。
【0061】
次に、画素ずらし部4は、モータコントローラ14に撮像素子17が初動位置から2画素分下方に移動するように制御信号を出力し、この制御信号に基いてモータコントローラ14が発したパルスに従って垂直方向スキャン用モータ13が稼動し、撮像素子17が初動位置から垂直方向(図10の下方)へ2画素分移動する。
【0062】
撮像素子17の移動が完了すると、上述したのと同様に制御回路5が撮像部1に撮影信号を出力し、撮像部1は撮像素子17に結像した2画素ライン分の像を光電変換後メモリ回路2に順次出力する。メモリ回路2はこの2画素ライン分の画像データを初動位置の画像データの次の位置の画像データとして記憶する。
【0063】
以上の処理を撮像範囲12全域にわたって行うことによって、撮像範囲12に結像した像を初期位置の画像(Image1)としてメモリ回路2に記憶することができる。
次に、制御回路5は、撮像素子17を初動位置と垂直方向には同じで、水平方向(図10右方向)に初動位置から1/2画素ずれた位置に移動させるよう画素ずらし制御部4に指示する制御信号を出力する。これにより画素ずらし制御部4は、モータコントローラ14に1次元撮像素子17が垂直方向に対して初動位置と同じ位置に移動させる制御信号を発し、また電圧変移素子18に撮像素子17が水平方向に対して初動位置とから1/2画素ずれた位置に移動するような大きさの電圧を印可する。そして撮像素子17の移動が完了すると、撮像素子17に結像した2画素ライン分の像の撮影を行う。その後、撮像素子17を2画素ライン分ずつ垂直方向に移動して順次撮影を行い、2画素ライン分の画像データをメモリ回路2へを順次転送する。この処理を撮像範囲12の全域にわたって行うことによって、メモリ回路2に垂直方向に対しては初期位置と同じで、水平方向に初期位置から1/2画素ずれた位置での画像(Image2)が記録される。
【0064】
次に、制御回路5は、画素ずらし部14に、水平方向には初動位置と同じで、垂直方向に対して初動位置から1/2画素分ずれた位置に、撮像素子17を移動させる様指示する制御信号を画素ずらし制御部4に出力する。この制御信号を受けて、画素ずらし制御部4は、モータコントローラ14に1次元撮像素子17が垂直方向に対し初動位置から1/2画素ずれた位置に移動させる制御信号を出力すると共に、水平方向には初動位置と同じ位置に移動するように電圧変移素子18に電圧を印可し、目的の位置に撮像素子17が移動すると、制御回路5は、撮像部1に対して撮影信号を出力し、撮像素子17に結像した2画素ライン分の像の撮影を行う。以降、上述したImage1及びImage2と同様に、撮像素子17を2画素分ずつ垂直方向に移動しながら撮影を行い、画像データ(2ライン分のデータ)を順次メモリ回路2に転送する。この処理によって、メモリ回路2へ水平方向は初期位置と同じで、垂直方向に対して初期位置から1/2画素分ずれた画像(Image3)が記録される。
【0065】
以上Image1、Image2及びImage3の3つの画像データがメモリ回路2に記録されると、第1の実施の形態と同様に、この3つの画像に対して、各画素毎に、同一配列位置の画素のデータの加算平均を計算して求め、これを新しい画像としてメモリ回路2に保存する。そして、この加算平均した画像を撮像部1が出力したRawデータとして色再生処理を行いカラー画像を作成し、最終結果の画像としてメモリ回路2に記録する。
【0066】
このように第3の実施形態においては、1次元撮像素子で構成される画素ずらし機能を有する画像取得装置において、画素ずらしを行わずとも得られる解像度の画像について、敢えて画素ずらしを行った撮影を行い、複数画像の同一配列位置の画素を処理することにより、画像の高周波成分を除去することができる。
【0067】
また、1画素以下の画素サイズにてフィルタリングを行うために、通常の画像処理によるフィルタリングに比べてエッジのボケを抑えることができる。更に、画素ずらし機構以外にローパスフィルタ及びローパスフィルタの有効/無効の切り換えを行う為の機構を必要としないため、機器のコストの削減及び小型化を実現することができる。
【0068】
また、処理する複数の画像は時間的にずれて撮影されている為に、時間的に不規則に発生するランダムノイズを除去することができるという効果が得られる。
尚上記説明で、第3の実施形態では、露出時間の予測を行った後に撮影を行っているが、露出時間の予測は必ずしも必要ではなく、第1の実施形態のように露出時間の予測の為の処理を行わず、露出時間に予め用意しておいて規定値を用いたり、撮影時に操作者が設定する構成としても良い。
【0069】
また露出時間の予測を行った際、予測した露出時間が撮像部1が露出できる最大の露出時間以下の場合は、露出時間を撮像部1の最大の露出時間以内の値、例えば予測値の1/3にして撮影し、撮影後の画素毎の平均を求める際に露出時間を短くした分の調整を行えばよい。
第4の実施形態
図12は、第4の実施形態の説明図である。
【0070】
水平方向及び垂直方向に光束と撮像部1の撮像素子7の位置関係をずらす手段としては、これまで説明したような撮像素子7を移動させる方法の他に撮像素子7に入射する光束の光路を変える方法も考えられる。
図12は上記方法を実現するための構成を示したもので、撮像素子7と光源の間に光束を透過する平行平板21を設けて、その角度を変えることにより光路を変え、撮像素子7に入射する光束と撮像素子7の相対位置関係をずらしている。また平行平板21の角度を変える手段として、水平方向の画素ずらし用の電圧変移素子28及び、垂直方向の画素ずらし用の電圧変移素子29が平行平板21に設置されており、この電圧変移素子への印加電圧を画素ずらし制御部4が制御することによって、撮像素子7へ入射する光束の光路を変更する。
【0071】
図13は、図12の下方から平行平板21を参照したときの図である。
平行平板21は、支点22、水平方向の画素ずらし用の電圧変移素子28及び垂直方向の画素ずらし用の電圧変移素子29によって支えられており、画素ずらし制御部4が印加する電圧値に基いて各電圧変移素子28,29が伸縮することによって、支点22を支点として傾きを変える。平行平板21を透過する光束を水平、垂直方向にずらすように動作する。
【0072】
この第4の実施形態では、制御部5からの指示に基いて画素ずらし制御部4が平行平板21の傾きを調節し、初期位置での画像Image1、初期位置から水平方向へ1/2画素分移動させた位置での画像Image2及び初期位置から垂直方向へ1/2画素分移動させた位置での画像Image3を撮影し、これら3つの画像を加算平均して最終的な画像を得る。尚本実施形態は画素ずらしの方法のみがこれまで説明してきた第1〜第3の実施形態と異なり、他の構成や動作処理は他の実施形態と同じである。
第5の実施形態
これまで第1〜第4の実施形態では、初期位置、初期位置から水平方向へ1/2画素分移動させた位置及び初期位置から垂直方向へ1/2画素分移動させた位置で撮影し、これらの画像から最終的な画像を求めていた。それに対し第5の実施形態では、他の位置に画素をずらして撮影した画像を用いる場合を示す。尚本実施形態は画素ずらし位置と各位置で取得した画像の処理の仕方のみがこれまで説明してきた他の実施形態と異なる。
【0073】
図14は、第5の実施の形態での、画素ずらし位置の例を示す図で同図(a)、(b)及び(c)の3種類の画素ずらしの例を示している。尚同図では、説明を簡単にするために、1つの赤色受光素子の移動についてのみを代表して示している。また図14では3つの画素ずらしを例として示してるが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、撮影対象物や撮影を行う環境等によって適宜な画素ずらしの仕方が選択されて用いられる。
【0074】
図14(a)は、初期位置、初期位置から右方向に1/2画素ずらした位置、初期位置から下方に1/2画素ずらした位置、初期位置から左方向に1/2画素ずらした位置及び初期位置から上方に1/2画素ずらした位置の5つの位置で撮影してこれら5つの画像から最終的な画像を求める場合を示したもので、同図中のR1は、赤色フィルタ位置の画素の初期位置、R2は撮像素子7を右方向に1/2画素ずらした場合の画素位置、R3は、下方に1/2画素ずらした場合の画素位置、R4は左方向に1/2画素ずらした場合の画素位置、R5は上方に1/2画素ずらした場合の画素位置を示している。
【0075】
これまで説明した処理と同様に撮像素子7の位置を図14(a)のR1、R2、R3、R4、R5の位置になるように順次移動して撮影し、画像データをメモリ回路2に保存する。そして、5つの画像の加算平均を計算して最終的な画像を求める。
【0076】
これらの処理の流れは、図7等によってこれまで説明した処理と基本的には同じなので説明を省略する。尚図7のStep7−5での各画素毎の加算平均は、以下の式で計算される。
ResultImage[X][Y] =(Image1[X][Y]+Image2[X][Y]+Image3[X][Y]+Image4[X][Y]+Image5[X][Y])/5
また図14(a)に示したような画素ずらしを行う場合において、第2の実施の形態の様に露出時間の予測を行い、予測した露出時間が撮像部1の露出できる最大露出時間を超えており、且つ最大露出時間の5倍以下のときは、各撮影での露出時間を予測した露出時間の1/5にして画像を取得する。そして、図7のStep7−5で画素の加算を求める処理を以下の計算式によって行う。
ResultImage[X][Y] =Image1[X][Y]+Image2[X][Y]+Image3[X][Y]+Image4[X][Y]+Image5[X][Y]
尚この図14(a)に示したような画素ずらしを行って撮影する場合、図7のフローチャート中のXは画像の水平方向の位置を示すループカウンタ、Yは画像の垂直方向の位置を示すループカウンタ、Heightは画像の垂直方向の画素数、Widthは水平方向の画素数、Image1は初期位置(図14(a)のR1)で取得したメモリ回路2内の画像の画像配列、Image2は初期位置より右方向に1/2画素移動した位置(図14(a)のR2)で取得したメモリ回路2内の画像の画素配列、Image3は初期位置から下方に1/2画素移動した位置(図14(a)のR3)で取得したメモリ回路2内の画像の画像配列、Image4は初期位置から左方向に1/2画素移動した位置(図14(a)のR4)で取得したメモリ回路2内の画像の画素配列、Image5は初期位置から上方に1/2画素移動した位置(図14(a)のR3)で取得したメモリ回路2内の画像の画像配列及びResultImage はImage1,Image2,Image3,Image4,Image5の加算の結果が格納される画像配列を示す。
【0077】
図14(b)は、初期位置を中心に8方向に撮像素子7を移動して得られた9つの位置で撮影してこれら9つの画像から最終的な画像を求める場合を示したもので、同図中のR1は赤色フィルタ位置の画素の初期位置、R2は撮像素子7を右方向に1/2画素ずらした場合の画素位置、R3はR2の位置から下方に1/2画素ずらした場合の画素位置、R4はR3の位置から左方向に1/2画素ずらした場合の画素位置、R5はR4の位置から左方向に1/2画素ずらした場合の画素位置、R6はR5の位置から上方向に1/2画素ずらした場合の画素位置、R7はR6の位置から上方向に1/2画素ずらした場合の画素位置、R8はR7の位置から右方向に1/2画素ずらした場合の画素位置、R9はR8の位置から右方向に1/2画素ずらした場合の画素位置を示している。
【0078】
図14(b)の場合でも基本的な動作処理はこれまで説明してきた物と同じなので詳細な説明は省略する。尚Step7−5では以下の計算式を用いて各画素毎の加算平均を求める処理が行われる。
ResultImage [X][Y]=(Image1[X][Y]+Image2[X][Y]+Image3[X][Y]+Image4[X][Y]+Image5[X][Y]+Image6[X][Y]+Image7[X][Y]+Image8[X][Y]+Image9[X][Y])/9
また、露出時間の予測を行った結果から、予測値が撮像部1の露出できる最大露出時間を超え、且つ最大露出時間の9倍以下のときは、各撮影での露出時間を予測した露出時間の1/9にして画像を取得する。そして、この時図7のStep7−5では以下の計算式によって処理が行われる。
ResultImage[X][Y] =Image1[X][Y]+Image2[X][Y]+Image3[X][Y]+Image4[X][Y]+Image5[X][Y]+Image6[X][Y]+Image7[X][Y]+Image8[X][Y]+Image9[X][Y]
尚この図14(b)に示したように画素ずらしを行って撮影する場合、図7のフローチャート中のXは画像の水平方向の位置を示すループカウンタ、Yは画像の垂直方向の位置を示すループカウンタ、Heightは画像の垂直方向の画素数、Widthは水平方向の画素数、Image1は、は初期位置(図14(b)のR1)で取得したメモリ回路2内の画像の画像配列、Image2は初期位置より右方向に1/2画素移動した位置(図14(b)のR2)で取得したメモリ回路2内の画像の画素配列、Image3は初期位置より右方向及び下方向に1/2画素移動した位置(図14(b)のR3)で取得したメモリ回路2内の画像の画素配列、Image4は初期位置より下方向に1/2画素移動した位置(図14(b)のR4)で取得したメモリ回路2内の画像の画素配列、Image5は初期位置より下方向及び左方向に1/2画素移動した位置(図14(b)のR5)で取得したメモリ回路2内の画像の画素配列、Image6は初期位置より左方向に1/2画素移動した位置(図14(b)のR6)で取得したメモリ回路2内の画像の画素配列、Image7は初期位置より上方向及び左方向に1/2画素移動した位置(図14(b)のR7)で取得したメモリ回路2内の画像の画素配列、Image8は初期位置より上方向に1/2画素移動した位置(図14(b)のR8)で取得したメモリ回路2内の画像の画素配列、Image9は初期位置より上方向及び右方向に1/2画素移動した位置(図14(b)のR9)で取得したメモリ回路2内の画像の画素配列及びResultImage はImage1,Image2,Image3,Image4,Image5,Image6,Image7,Image8及びImage9の加算の結果が格納される画像配列を示す。
【0079】
図14(c)は、等間隔にある3つの位置に移動して撮影し、これら3つの画像から最終的な画像を求める場合を示したもので、同図中のR1は色フィルタ位置の画素の初期位置、R2はR1から右方向に1/2画素移動した位置、R3は初期位置から水平方移行に1/4画素、垂直方移行に√3/4画素移動した位置を示す。
【0080】
この図14(c)のような画素ずらしを行った場合の動作処理は基本的にこれまで説明したものと同じであるので省略するが、図7のStep7−5では、以下の式によって加算平均が求められる。
ResultImage [X][Y]=(Image1[X][Y]+Image2[X][Y]+Image3[X][Y])/3
また露出時間の予測値から、露出時間を短縮する場合の処理も画素ずらし量が異なるだけで、これまで説明したものと同じなので説明は省略する。
【0081】
またこの図14(c)に示したように画素ずらしを行って撮影する場合、図7のフローチャート中のXは画像の水平方向の位置を示すループカウンタ、Yは画像の垂直方向の位置を示すループカウンタ、Heightは画像の垂直方向の画素数、Widthは水平方向の画素数、Image1は、は初期位置(図14(c)のR1)で取得したメモリ回路2内の画像の画像配列、Image2は初期位置より右方向に1/2画素移動した位置(図14(c)のR2)で取得したメモリ回路2内の画像の画素配列、Image3は初期位置より右方向に1/4及び下方向に√3/4画素移動した位置(図14(c)のR3)で取得したメモリ回路2内の画像の画素配列及びResultImage はImage1,Image2及びImage3の加算平均の結果が格納される画像配列を示す。
【0082】
【発明の効果】
以上に述べたように本発明によれば、画素ずらし機能を有する画像取得装置であって画素ずらしをしないで取得する解像度の画像に対しても、ローパスフィルタ及びローパスフィルタの有効/無効の切り換えを行う為の機構を備えずに、ローパスフィルタと同等のノイズ除去の効果を得ることができる。
【0083】
また、従来のように画素ずらしを行わないで取得した画像を画像処理によるフィルタリングする場合に比べてエッジのボケを抑えることができる。
更に時間的に不規則に発生するランダムノイズを除去することが出来る。
また撮像部が露出できる最大露出時間よりも、見かけ上長い露出時間で撮影することができる。
【0084】
更に本発明による画像取得装置は、ローパスフィルタ及びローパスフィルタの有効/無効の切り換えを行う為の機構を備える必要が無いので、機器の小型化、低コスト化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の概略構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態における撮像部の構成を示す図である。
【図3】第1の実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】受光素子の配列の一部を示すモデル図である。
【図5】撮像部を初期位置から水平方向に1/2画素ずらした状態を説明する図である。
【図6】撮像部を初期位置から垂直方向に1/2画素ずらした状態を説明する図である。
【図7】複数の画像の平均画像を求める処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明によるフィルタリング効果を説明する図である。
【図9】第2の実施形態の概略構成を示す図である。
【図10】第3の実施形態における撮像部の構成を示す図である。
【図11】第3の実施形態の1次元撮像素子上の受光素子の配列を示す図である。
【図12】第4の実施形態における平行平板による画素ずらしの構成を示す図である。
【図13】平行平板と電圧変移素子の位置関係を説明する図である。
【図14】画素ずらしにおいて、a)は水平方向、垂直方向の計5箇所の位置に移動する場合、b)は水平方向、垂直方向、斜め方向の計9箇所の位置に移動する場合、C)は等間隔に3箇所の位置に移動する場合を示す図である。
【符号の説明】
1 撮像部
2 メモリ回路
3 画像処理部
4 画素ずらし制御部
5 制御回路
6 インターフェース
7 撮像素子
8,9,18,28,29 電圧変移素子
12 撮像範囲
13 垂直方向スキャン用モータ
14 モータコントローラ
15 ギヤ
16 ガイド
17 一次元撮像素子
21 平行平板
22 支点

Claims (3)

  1. 撮像素子に入射する光束と該撮像素子との相対位置を移動させる画素ずらし手段と、
    前記相対位置が特定位置にあるとき、及び該特定位置から前記画素ずらし手段により移動した1つ以上の位置にあるとき撮影する撮影手段と、
    前記撮影手段が画像を撮影する前に露出時間を予測する露出時間予測手段と、
    前記撮影手段が撮影した複数の画像を画像処理して最終的な画像を作成する画像処理手段と、
    を備え
    前記露出時間予測手段によって予測した露出時間が前記撮影手段の最大露出時間以下のときには、前記撮影手段は前記予測した露出時間に基づいて前記複数の画像を撮影して、前記画像処理手段は前記複数の画像の同一位置の画素の加算平均を求めて前記最終的な画像を作成し、
    前記露出時間予測手段によって予測した露出時間が前記撮影手段の最大露出時間よりも大きいときには、前記撮影手段は前記予測した露出時間を撮影する回数で割った値である露出時間に基づいて前記複数の画像を撮影して、前記画像処理手段は前記複数の画像の同一位置の画素毎に加算して前記最終的な画像を作成する
    ことを特徴とする画像取得装置。
  2. 前記撮影手段は、前記特定位置、該特定位置から水平方向に1/2画素分移動した位置及び該特定位置から垂直方向に1/2画素分移動した位置で撮影することを特徴とする請求項撮像部1に記載の画像取得装置。
  3. 前記撮影手段が3回以上撮影を行う時、前記特定位置及び前記画素ずらし手段により移動した1つ以上の位置は等間隔にあることを特徴とする請求項1に記載の画像取得装置。
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