JP4623607B2 - Resin composition for coating film and resin molded product with coating film - Google Patents

Resin composition for coating film and resin molded product with coating film Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は塗膜用樹脂組成物及びその硬化物からなる塗膜が被覆された樹脂成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂は、透明性に優れ安価かつ軽量であり、成形が容易であるためガラスの代替品としてゴーグル、シールド、眼鏡レンズ等の多くの分野で使用されている。しかしこれらの樹脂からなる成形品は疎水性であるため、急激な温湿度の変化があった場合や、温湿度の異なる境界面に置かれた場合、結露した水が成形品の表面に微細な水滴を形成し、光を散乱することにより成形品の曇りが生じてしまう。そのためゴーグルやシールド等の透視性が重視される用途で使用した場合、この結露による成形品の曇りは大きな問題となる。
【0003】
この様な問題を解決するために、成形品を表面処理することによって結露した水を吸収または拡散させて、結露による曇りを防止する検討が行われてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開昭50−29656号公報、特開昭50−71770号公報、特開昭57−69043号公報、特開平2−16185号公報等には、親水性重合体や界面活性剤またはそれらを含む溶液を成形品表面に塗布、乾燥することにより塗膜を形成し、成形品表面を親水化し結露した水を吸収させたり拡散させたりすることによって、防曇性を付与する技術が開示されている。しかしこれらの技術では、防曇性は付与できるものの、吸水時に塗膜が軟化し傷が入りやすくなったり、成形品表面の拭き取りにより簡単に防曇効果が消失してしまうという欠点があった。
【0005】
一方、特開昭54−78782号公報、特開昭56−8258号公報、特開昭57−72856号公報、特開昭59−217783号公報等には加熱硬化型のコーティング剤により成形品表面に親水性の架橋塗膜を形成する技術が開示されている。しかしこれらの技術でも防曇性、塗膜強度、塗膜と成形品との密着性をバランス良く向上させることができなかった。また架橋塗膜の形成には高温且つ長時間の加熱処理が必要であり、生産性、エネルギーコストの面で問題があった。
【0006】
また特開平6−136165号公報には光硬化により防曇塗膜を形成する技術が開示されているが、防曇性、塗膜強度、塗膜と基材との密着性すべてに優れているものは得られていない。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題点を解決するために鋭意検討した結果、特定の塗膜用樹脂組成物を樹脂成形品に塗布し、硬化することにより、防曇性能、熱成形性、塗膜の密着性及び耐擦傷性に優れ、熱成形による防曇性能の低下や吸水時の硬度低下がない優れた塗膜が被覆された樹脂成形品を見出した。
【0008】
すなわち本発明の要旨は、下記の成分(a)、(b)、(c)及び(d)を下記の量含む重合性単量体混合物100重量部、HLBが6〜11のノニオン系界面活性剤0.1〜10重量部、アニオン系界面活性剤0.1〜5重量部並びに重合開始剤0.01〜10重量部からなる塗膜用樹脂組成物にある。
【0009】
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(a)10〜80重量%
下記一般式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート(b)0.1〜20重量%
【化4】

Figure 0004623607
(R1はCH3またはH、iは2〜10の整数を表す。)
成分(a)及び(b)と共重合可能な親水性単量体(c)0.1〜40重量%
(メタ)アクリル官能性シラン化合物の加水分解物及びメルカプト基含有シランもしくはアミノ基含有シランと親水性単官能(メタ)アクリル系単量体とのマイケル付加反応物からなる親水性非官能性シラン化合物の加水分解物で表面が修飾されたコロイダルシリカ(d)0.1〜60重量%
前述の塗膜用樹脂組成物において、(メタ)アクリル官能性シラン化合物が、メルカプト基含有シランもしくはアミノ基含有シランとポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートとのマイケル付加反応物からなることが好ましい。
【0011】
更に、前述の塗膜用樹脂組成物において、ノニオン系界面活性剤が下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
【化5】
Figure 0004623607
(R2はアルキル基またはアルキルフェニル基、jは1〜30の整数を表す。)
また更に、前述の塗膜用樹脂組成物において、アニオン系界面活性剤が下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
【化6】
Figure 0004623607
(R3はアルキル基またはアルキルフェニル基、R4は−OZまたは−O−(CH2CH2O)k−R3を表す。Zはアルカリ金属またはアンモニウム塩、kは1〜30の整数を表す。)
また本発明の要旨は、前述の塗膜用樹脂組成物の硬化物からなる塗膜が被覆された樹脂成形品にある。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の塗膜用樹脂組成物を構成する重合性単量体混合物の成分であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(a)の平均分子量は200〜2000であることが好ましく、200〜1000であることがより好ましい。(メタ)アクリレートとは、メタクリレートまたはアクリレートのことである。平均分子量が低すぎる場合は、塗膜用樹脂組成物の硬化物からなる塗膜(以下、適宜「塗膜」という)の親水性が不足し良好な防曇性能が得られない。高すぎる場合は、塗膜の硬度が不足する。塗膜と樹脂成形品との密着性(以下、適宜「塗膜の密着性」という)が良好で、防曇性能及び硬度が高い塗膜を得るためには、平均分子量200〜400未満のものと、平均分子量400〜2000のものとの併用が好ましい。平均分子量200〜350のものと、平均分子量400〜1000のものとの併用がより好ましい。重合性単量体混合物中のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(a)の含有量は10〜80重量%であり、20〜60重量%であることが好ましい。
【0013】
重合性単量体混合物の成分である一般式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート(b)としては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。重合性単量体混合物中のこれらのジ(メタ)アクリレート(b)の含有量は、0.1〜20重量%であり、2〜15重量%であることが好ましい。含有量が0.1重量%より低い場合は、塗膜が高温高湿下におかれた場合、塗膜の硬度低下及び塗膜の密着性の低下を引き起こし易くなる。また、20重量%より高い場合は、塗膜の吸水性が低下し、良好な防曇性能が得られない。
【0014】
重合性単量体混合物の成分である親水性単量体(c)は、前述のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(a)及びジ(メタ)アクリレート(b)と共重合可能な親水性単量体である。その具体的な例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、アルキルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリロイルとは、メタクリロイルまたはアクリロイルのことである。(メタ)アクリルアミドとは、メタクリルアミドまたはアクリルアミドのことである。これらの中でも、(メタ)アクリルアミド系の単量体が、塗膜の密着性及び親水性を良好にすると共に、界面活性剤を塗膜中に保持する能力を強化できるため特に好ましい。重合性単量体混合物中の親水性単量体(c)の含有量は、0.1〜40重量%であり、1〜20重量%であることが好ましい。含有量が0.1重量%より低い場合は、塗膜の親水性が悪化する。40重量%より高い場合は、塗膜の強度、特に吸水時の塗膜強度が低下する。
【0015】
重合性単量体混合物の成分であるコロイダルシリカ(d)は、(メタ)アクリル官能性シラン化合物の加水分解物及びメルカプト基含有シランもしくはアミノ基含有シランと親水性単官能(メタ)アクリル系単量体とのマイケル付加反応物からなる親水性非官能性シラン化合物の加水分解物で表面が修飾されたコロイダルシリカである。重合性単量体混合物中の表面が修飾されたコロイダルシリカ(d)の含有量は0.1〜60重量%であり、20〜60重量%であることが好ましい。ここで「加水分解物で表面が修飾された」とは、コロイダルシリカの表面の一部または全部に、シラン化合物の加水分解物が縮合反応により保持された状態となり、コロイダルシリカの表面特性が改質されていることを意味する。また、加水分解物の縮合反応が進んだものが、同時に保持されているコロイダルシリカも「加水分解物で表面が修飾された」コロイダルシリカ(d)に含まれる。
【0016】
本発明におけるこの表面修飾は、例えばコロイダルシリカゾルにシラン化合物を添加し、加水分解、または加水分解と縮合反応を生じせしめることにより容易に行うことができる。シラン化合物の加水分解反応を行う際の触媒としては、無機酸または有機酸を使用することができる。無機酸としては、塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸等のハロゲン化水素酸や硫酸、硝酸、燐酸等が挙げられる。有機酸としては、蟻酸、酢酸、シュウ酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。コロイダルシリカゾルの分散媒としては、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類を挙げることができる。
【0017】
シラン化合物の加水分解と縮合反応は、室温〜120℃程度の温度で30分〜24時間程度の条件下で行われることが好ましい。室温〜溶媒の沸点程度の温度で1〜10時間程度の条件下で行われることがより好ましい。また(メタ)アクリル官能性シラン化合物の加水分解物及び親水性非官能性シラン化合物の加水分解物でコロイダルシリカの表面修飾を行う場合、先に(メタ)アクリル官能性シラン化合物の加水分解物で表面修飾を行った後に、親水性非官能性シラン化合物の加水分解物で表面修飾を行うことが好ましい。最初に親水性非官能性シラン化合物の加水分解物で表面修飾を行うと、コロイダルシリカが凝集し、良好な塗膜用樹脂組成物が得られにくくなることがある。
【0018】
コロイダルシリカの表面を修飾する(メタ)アクリル官能性シラン化合物の加水分解物は、メルカプト基含有シランもしくはアミノ基含有シランとポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートとのマイケル付加反応物の加水分解物からなることが好ましい。
【0019】
(メタ)アクリル官能性シラン化合物の原料としてのメルカプト基含有シランは、次の一般式(4)で表されるものが好ましい。
【化7】
Figure 0004623607
(R5は一価の炭化水素基またはフッ素化アルキル基、R6は炭素数が1〜10の二価の置換または非置換の炭化水素基を表す。
Xはアルコキシ基、アミノ基、イソプロペノキシ基等の加水分解性基、 aは1〜3の整数を表す。)
5の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、オクタデシル、2−フェニルエチル、ビニル、3,3,3−トリフルオロプロピル、2−(ペルフルオロエチル)エチル、及び2−(ペルフルオロブチル)エチルなどの基が挙げられる。
【0020】
6の例としては、メチレン、エチレン、ブチレン、ヘキシレン、プロピレン、デシレン等の基、下記一般式(5)で表される非置換の二価の炭化水素基、2−ヒドロキシプロピルの様な置換基を有する二価の炭化水素基等が挙げられる。
【化8】
Figure 0004623607
これらのメルカプト基含有シランの例としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルブチルジメトキシシラン、δ−メルカプトブチルトリメトキシシラン、δ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、δ−メルカプトブチルメチルジメトキシシラン、δ−メルカプトブチルエチルジメトキシシラン、δ−メルカプトブチルメチルジエトキシシラン、δ−メルカプトブチルエチルジエトキシシラン、γ−メルカプトイソブチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトイソブチルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトブチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトブチルメチルトリメトキシシラン、γ−メルカプト−2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト−2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプト−2−ヒドロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプト−2−ヒドロキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジエチルエトキシシラン、β−メルカプトエチルトリメトキシシラン、β−メルカプトエチルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアミノシラン等が挙げられる。
【0021】
(メタ)アクリル官能性シラン化合物の原料としてのポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートは、平均分子量が400以下であるものが好ましい。平均分子量が高すぎる場合は、コロイダルシリカと混合した際に凝集が起こり良好な塗膜用樹脂組成物が得られない。
【0022】
メルカプト基含有シランとポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートとのマイケル付加反応物としては、一般式(6)で表されるものが好ましい。
【化9】
Figure 0004623607
(R7は一価の炭化水素基またはフッ素化アルキル基、R8は炭素数が1〜10の二価の置換または非置換の炭化水素基、R9及びR10はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表す。Xは加水分解性基、aは1〜3の整数、mは1〜9の整数を表す。)
一方、(メタ)アクリル官能性シラン化合物の原料としてのアミノ基含有シランは、N−(2−アミノエチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が好ましい。
【0023】
アミノ基含有シランとポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートとのマイケル付加反応物としては、一般式(7)で表されるものが好ましい。
【化10】
Figure 0004623607
(R11は一価の炭化水素基またはフッ素化アルキル基、R12は炭素数が1〜10の二価の置換または非置換の炭化水素基、R13及びR14はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基、R15は水素原子もしくは炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表す。Xは加水分解性基、aは1〜3の整数、nは1〜9の整数を表す。)
これらのマイケル付加反応は室温で触媒が無くても進行するが、触媒によりその反応速度を増加させることができる。触媒としては金属アルコキシド、ピペリジン、4級アンモニウム塩、ターシャリーホスフィン等が挙げられる。中でも触媒活性の高さ、取扱いの容易さからターシャリーホスフィンが好ましく、トリフェニルホスフィンがさらに好ましい。また溶媒中で行うことにより更に反応速度を増加させることができる。溶媒としてはアルコールのような極性の高いものが好ましい。反応終了後、溶媒を除去する場合は、エタノール、イソプロパノール等の低沸点のアルコールがより好ましい。
【0024】
一般式(6)と一般式(7)で表される(メタ)アクリル官能性シラン化合物を比較すると、表面修飾されたコロイダルシリカの分散安定性、得られた塗膜の防曇性能、塗膜硬度、膜密着性のバランスの点で、一般式(6)で表されるものがより好ましい。
【0025】
一般に多官能(メタ)アクリレート系単量体を主成分とする塗膜用樹脂組成物を、樹脂成形品に塗布後、硬化し塗膜を形成する場合、いわゆる投錨効果による樹脂成形品への密着性を得るために、塗膜用樹脂組成物を塗布後、一定時間樹脂成形品へ浸透させた後に硬化する方法が良く用いられる。
【0026】
その際、多官能(メタ)アクリレート系単量体を主成分とし、コロイダルシリカが分散された塗膜用樹脂組成物においては、樹脂成形品へ塗膜用樹脂組成物が浸透することにより、硬化後の塗膜ではコロイダルシリカが塗膜表面に濃縮された形態をとることがある。その場合、コロイダルシリカの表面修飾が、(メタ)アクリル官能性シラン化合物だけで行われた場合、硬化時の塗膜表面の架橋密度が非常に高まり、防曇性能を低下させることがある。
【0027】
そこで本願発明では、コロイダルシリカの表面修飾を行う成分として、(メタ)アクリル官能性シラン化合物の加水分解物と親水性非官能性シラン化合物の加水分解物とを併用する。それによってコロイダルシリカ(d)が塗膜表面に濃縮された場合でも、過度に塗膜の架橋密度が上がることはなく、防曇性能を維持することができる。
【0028】
この親水性非官能性シラン化合物の加水分解物は、メルカプト基含有シランもしくはアミノ基含有シランと親水性単官能(メタ)アクリル系単量体とのマイケル付加反応物の加水分解物からなる。
【0029】
親水性非官能性シラン化合物の原料としてのメルカプト基含有シラン及びアミノ基含有シランには、前記のものが挙げられる。
【0030】
親水性非官能性シラン化合物の原料としての親水性単官能(メタ)アクリル系単量体は、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系単量体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、アルキルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0031】
親水性非官能性シラン化合物としては、(メタ)アクリルアミド系単量体とメルカプト基含有シランとのマイケル付加反応物である一般式(8)で表されるものが、得られる塗膜の密着性と防曇性能及び添加された界面活性剤の塗膜中への保持力を高めることができるため特に好ましい。
【化11】
Figure 0004623607
(R16は一価の炭化水素基またはフッ素化アルキル基であり、R17は炭素数が1〜10の二価の置換もしくは非置換の炭化水素基、R18は炭素数1〜5のアルキル基を表す。Xは加水分解性基、aは1〜3の整数を表す。)
本発明の塗膜用樹脂組成物を構成するノニオン系界面活性剤はHLBが6〜11のものである。ここでHLBとは親水性親油性バランスのことであり、親水基の分子量をMw、親油性基の分子量をMoとした場合に、下記一般式(9)で表される。
【化12】
Figure 0004623607
HLBが6より低い場合は、塗膜の防曇性能が低下する。HLBが11より高い場合は、塗膜の密着性が悪化する。ノニオン系界面活性剤の含有量は、重合性単量体混合物100重量部に対して、0.1〜10重量部であり、1〜7重量部がより好ましい。ノニオン系界面活性剤の含有量が0.1重量部より低い場合は、防曇性能と塗膜硬度とのバランスを取ることが困難となる。10重量部より高い場合は、塗膜の密着性が低下したり、塗膜が被覆された成形品を放置した場合に塗膜表面から多量のノニオン系界面活性剤のブリードが見られるという問題が生じる。ノニオン系界面活性剤は一般式(2)で表されるものが好ましい。
【0032】
一般式(2)で表される界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0033】
本発明の塗膜用樹脂組成物を構成するアニオン系界面活性剤は、一般式(3)で表されるものが好ましい。これはポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸ジエステル単独もしくはリン酸モノエステルとリン酸ジエステルとの混合物のリン酸残基を完全中和または部分中和することにより得られる。またポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのリン酸ジエステル単独もしくはリン酸モノエステルとリン酸ジエステルとの混合物のリン酸残基を完全中和または部分中和することにより得られる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルの具体的な例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等が挙げられる。またポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの具体的な例としては、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。アニオン系界面活性剤の含有量は、重合性単量体混合物100重量部に対し、0.1〜5重量部である。含有量が0.1重量部より低い場合は、熱履歴後の防曇性能が悪化する。5重量部より高い場合は、塗膜用樹脂組成物中にアニオン系界面活性剤の未溶解物が析出したり発泡性が高まり撹拌溶解時に多量の泡を発生し、塗膜の外観が悪化する。
【0034】
塗膜用樹脂組成物を構成する重合開始剤は任意のものを用いることができる。
重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、メチルベンゾイルホルメート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−イドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド等の光重合開始剤、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド等の熱重合開始剤等が挙げられる。これらの重合開始剤は単独でも、2種以上を併用してもよい。
【0035】
重合開始剤の含有量は、重合性単量体混合物100重量部に対し、0.01〜10重量部である。重合開始剤の含有量が0.01重量部より低い場合は、得られた塗膜の硬度が低下する。10重量部より高い場合は、塗膜着色や防曇性能の低下が発生する。
【0036】
本発明の塗膜用樹脂組成物を樹脂成形品表面に塗布する方法としては、ロールコーター法、ナイフコーター法、ディップコート法、スプレーコート法等が挙げられる。また良好な防曇性能を有する塗膜が被覆された樹脂成形品を得るためには、重合硬化された塗膜の厚みは5〜100μmであることが好ましい。そのため塗膜用樹脂組成物の粘度に応じて所望の膜厚を得られる塗布方法を選択することが好ましい。樹脂板を製造しながら、樹脂板に塗膜用樹脂組成物を塗布し、重合硬化させて、連続的に塗膜が被覆された樹脂板を得ることもできる。
【0037】
塗膜用樹脂組成物を重合硬化させる方法としては熱重合法、光重合法等を用いることができるが、エネルギーコスト等の面で光重合法を用いることが好ましい。また重合時は酸素による重合阻害を避けるために、窒素等の不活性ガス雰囲気下で重合硬化させることが好ましい。樹脂フィルムまたは鋳型で塗膜用樹脂組成物をカバーして空気を遮断した雰囲気下で重合硬化させることも好ましい。
【0038】
また必要に応じて塗膜用樹脂組成物中に紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、溶剤、増粘剤、無機フィラー等を添加することができる。
【0039】
本発明の塗膜用樹脂組成物の硬化物からなる塗膜が被覆される樹脂成形品としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂等の成形品が挙げられる。樹脂の透明性、塗膜の密着性の点でアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂の成形品が好ましい。本発明の塗膜用樹脂組成物の硬化物からなる塗膜が被覆された樹脂成形品は、耐擦傷性、耐久性及び防曇性に優れ、スキーゴーグル、ヘルメットシールド、メーターカバー、眼鏡レンズ、銘板等に好適である。
【0040】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。各実施例においては、コロイダルシリカの表面を修飾する際に過剰に加えたポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートや親水性単量体等の成分であって未反応の成分は、重合性単量体混合物を構成する成分として表1に記載した。尚、塗膜が被覆された樹脂成形品(以下、適宜「サンプル」という)の各物性は、以下の条件で評価した。
【0041】
(1)防曇性
(1−1)呼気による評価
サンプルを23℃で50RH%の環境下で24時間調温調湿後、同環境下で20〜30mmの距離から塗膜面へ呼気を吹きかけて、曇りの発生状態を観察し評価した。
○:2秒間ずつ10回呼気を吹きかけても曇りの発生や透視性の低下がない
△:2秒間呼気を吹きかけても曇りの発生はないが、2秒間ずつ10回呼気を吹きかけることにより透視性が低下する
×:2秒間呼気を吹きかけることにより曇りが発生する
(1−2)耐久性評価
23℃で60RH%の環境と、40℃で95RH%の環境との境界に塗膜が40℃で95RH%の環境側になるようにサンプルを設置し、透視性の変化を目視で1時間観察し評価した。
○:曇りは発生せず、塗膜全面が均等に濡れ透視性が良好な状態が1時間継続した
×:曇りの発生または、塗膜の不均一な濡れにより透視性が低下した
(2)塗膜の密着性
サンプルの塗膜にカッターにて1mm×1mmの碁盤目100個を作り、これに粘着テープ(ニチバン(株)製)を貼り付けた後、急激に粘着テープを引き剥がすことを3回繰り返し、剥離しなかった碁盤目の数を数えて、密着性を評価した。
【0042】
(3)耐擦傷性(Δヘーズ)
#000のスチールウールを装着した直径25.4mmの円形パッドをサンプルの塗膜側表面上に置き、荷重を1000gかけながら、20mmの距離を100回往復擦傷し、擦傷前と擦傷後のヘーズ値の差を△ヘーズとして下記式で求めた。
Δヘーズ(%)=擦傷後のヘーズ値(%)−擦傷前のヘーズ値(%)
(4)耐湿性
60℃、95RH%の環境下にサンプルを5日間放置した後、塗膜を爪で擦った際の塗膜の傷付き性を評価した。
○:全く傷つかない
△:傷が入る
×:擦った際に塗膜が脱落する
(5)熱成形性
165℃の熱風乾燥炉でサンプルを10分間加熱後、曲率半径40mmの木型を用い塗膜面が凹面側になるように単曲面曲げ成形を行い、クラックの発生状況を観察した。
【0043】
[実施例1]
フラスコAにイソプロパノールを156重量部、ジメチルアクリルアミド(以下「DMAA」という)を100重量部、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランであるKBM−803(信越化学工業(株)製)を100重量部、トリフェニルフォスフィンの3重量%イソプロパノール溶液を45重量部順次加え、その溶液を室温で3日間反応させ、親水性非官能性シラン化合物を合成した。
【0044】
ついで、フラスコBにイソプロパノールを71重量部、分子量200のポリエチレングリコールジアクリレートであるNKエステルA−200(新中村化学(株)製、以下「A−200」という)を70重量部、KBM−803を14重量部、トリフェニルフォスフィンの3重量%イソプロパノール溶液9.1重量部を順次加え、その溶液を60℃に昇温後、3時間反応させアクリル官能性シラン化合物を合成した。
【0045】
得られた反応液にイソプロパノールを分散媒とする固形分30重量%のコロイダルシリカであるIPA−ST(日産化学工業(株)製)を234重量部加え、次いで0.01規定の塩酸水溶液6重量部を加え、60℃で1時間攪拌し、アクリル官能性シラン化合物の加水分解物でコロイダルシリカの表面を修飾した。
【0046】
フラスコBにフラスコA中の親水性非官能性シラン化合物を含む混合物56重量部及び0.01規定の塩酸水溶液を6重量部加え、更に60℃で1時間反応させて、コロイダルシリカの表面を修飾した。
【0047】
次いでこの反応液に分子量400のポリエチレングリコールジアクリレートであるNKエステルA−400(新中村化学(株)製、以下「A−400」という)を53重量部及びHLBが9.2のノニオン系界面活性剤であるエマルゲン905(花王(株)製)7重量部、一般式(3)のアニオン系界面活性剤フォスファノールであるLO−529(東邦化学工業(株)製)を4.2重量部加え、その混合物をロータリーエバポレーターにて揮発成分を減圧下にて留去した。
【0048】
この反応液100重量部に、1,6ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、以下「C6DA」という)を5重量部、重合開始剤として2,4,6−トリメチルジフェニルフォスフィンオキサイドであるLucirin TPO(BASF社製、以下「TPO」という)を1.5重量部加え溶解し、塗膜用樹脂組成物を製造した。
【0049】
その塗膜用樹脂組成物を、60℃の熱風乾燥炉にて予備加熱した厚さ2mmのポリカーボネート板(三菱レイヨン(株)製ダイヤライト、以下「PC板」という)上に塗布した。更にその上に厚さ50μのポリエチレンテレフタレート製の2軸延伸フィルム(帝人(株)製、以下「PETフィルム」という)を乗せ、JIS硬度40゜のゴムロールにてしごき、塗膜用樹脂組成物の厚みを12μにした。その後50秒放置した後、出力120w/cmのオゾンレスタイプのメタルハライドランプから210mm離れたところをPETフィルム面をランプ側にしてPC板を1.6m/minのスピードで通過させ重合硬化せしめた。その後PETフィルムを剥離し、更に出力120w/cmのオゾンレスタイプの高圧水銀ランプから210mm離れたところを塗膜面をランプ側にしてPC板を1.6m/minのスピードで通過させ重合硬化を完結させて塗膜が被覆されたPC板を得た。尚、塗膜用樹脂組成物の厚みを12μに設定してからメタルハライドランプの照射までの間、PETフィルム表面上の温度は40〜43℃であった。
【0050】
得られた塗膜が被覆されたPC板の評価結果を表1に示す。
【0051】
[実施例2]
C6DAの量を10重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして塗膜用樹脂組成物を製造し、PC板へ塗膜を被覆した。評価結果を表1に示す。
【0052】
[実施例3]
DMAA100重量部の代わりに、アクリロイルモルフォリン(以下「ACMO」という)100重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして塗膜用樹脂組成物を製造し、PC板へ塗膜を被覆した。評価結果を表1に示す。
【0053】
[比較例1]
C6DAを加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして塗膜用樹脂組成物を製造し、PC板へ塗膜を被覆した。評価結果を表1に示す。
【0054】
[比較例2]
C6DAの量を25重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして塗膜用樹脂組成物を製造し、PC板へ塗膜を被覆した。評価結果を表1に示す。
【0055】
[比較例3]
実施例1と同様にしてアクリル官能性シラン化合物の加水分解物でコロイダルシリカの表面を修飾した。
【0056】
次いでこの反応液にA−200を12重量部、A−400を68重量部及びエマルゲン905を7重量部、フォスファノールLO−529を4.2重量部加えた混合物をロータリーエバポレーターにて揮発成分を減圧下にて留去した。
【0057】
この反応液100重量部に、C6DAを5重量部、TPOを1.5重量部加え溶解し、塗膜用樹脂組成物を製造し、ポリカーボネート板へ塗膜を被覆した。評価結果を表1に示す。
【0058】
[比較例4]
フラスコにIPA−ST200重量部を加え、次いでフェニルトリメトキシシランであるKBM−103(信越化学工業(株)製)を12重量部、0.01規定の塩酸水溶液4.5重量部を加え、60℃で1時間攪拌し、非親水性非官能性シラン化合物の加水分解物でコロイダルシリカの表面を修飾した。
【0059】
次いでこの反応液にA−200を46.8重量部、A−400を31.2重量部及びエマルゲン905を4.5重量部、フォスファノールLO−529を2.7重量部加えた混合物をロータリーエバポレーターにて揮発成分を減圧下にて留去した。
【0060】
この反応液104.8重量部に、TPOを1.5重量部加え溶解し、塗膜用樹脂組成物を製造し、ポリカーボネート板へ塗膜を被覆した。評価結果を表1に示す。
【0061】
[比較例5]
KBM−103の代わりにγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランであるKBM−503(信越化学工業(株)製)を使用し、アクリル官能性シラン化合物の加水分解物でコロイダルシリカの表面を修飾したこと以外は比較例4と同様にして塗膜用樹脂組成物を製造し、ポリカーボネート板へ塗膜を被覆した。
評価結果を表1に示す。
【0062】
[比較例6]
実施例1と同様にして、親水性非官能性シラン化合物を合成した。
【0063】
ついでIPA−STを234重量部と、親水性非官能性シラン化合物を含む混合物56重量部及び0.01規定の塩酸水溶液6重量部を加えた。親水性非官能性シラン化合物の添加によりコロイダルシリカが凝集してゲルとなり、塗膜用樹脂組成物を製造することができなかった。
【0064】
【表1】
Figure 0004623607
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、防曇性能、熱成形性、塗膜の密着性及び耐擦傷性に優れ、熱成形による防曇性能の低下や吸水時の硬度低下もない優れた塗膜が被覆された樹脂成形品を得ることができる。また本発明の塗膜用樹脂組成物の硬化物は前述の塗膜に適している。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a resin composition for a coating film and a resin molded article coated with a coating film comprising a cured product thereof.
[0002]
[Prior art]
Polycarbonate resins and acrylic resins are used in many fields such as goggles, shields, and eyeglass lenses as substitutes for glass because they are excellent in transparency, are inexpensive and lightweight, and are easy to mold. However, molded products made of these resins are hydrophobic, so if there is a sudden change in temperature and humidity, or if they are placed on a boundary surface with different temperature and humidity, the condensed water will be minutely formed on the surface of the molded product. Forming water droplets and scattering light causes fogging of the molded product. For this reason, when used in applications where transparency is important, such as goggles and shields, fogging of the molded product due to this condensation is a major problem.
[0003]
In order to solve such problems, investigations have been made to prevent fogging due to condensation by absorbing or diffusing condensed water by subjecting a molded product to a surface treatment.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
JP-A-50-29656, JP-A-50-71770, JP-A-57-69043, JP-A-2-16185, and the like include a hydrophilic polymer, a surfactant, or the like. A technique for imparting antifogging properties by forming a coating film by applying and drying a solution on the surface of a molded article, and making the molded article surface hydrophilic to absorb or diffuse condensed water is disclosed. . However, although these techniques can provide antifogging properties, they have drawbacks in that the coating film becomes soft and easily damaged when absorbed, and that the antifogging effect is easily lost by wiping the surface of the molded product.
[0005]
On the other hand, JP-A-54-78782, JP-A-56-8258, JP-A-57-72856, JP-A-59-217783, etc. describe the surface of a molded article by a thermosetting coating agent. Discloses a technique for forming a hydrophilic crosslinked coating film. However, even with these techniques, the antifogging property, the coating film strength, and the adhesion between the coating film and the molded product could not be improved in a balanced manner. In addition, the formation of the crosslinked coating film requires high-temperature and long-time heat treatment, which is problematic in terms of productivity and energy cost.
[0006]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-136165 discloses a technique for forming an antifogging coating film by photocuring, and is excellent in all of antifogging properties, coating strength, and adhesion between the coating film and the substrate. Nothing has been obtained.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors applied a specific resin composition for a coating film to a resin molded product and cured it, so that antifogging performance, thermoformability, The present inventors have found a resin molded article which is excellent in adhesion and scratch resistance and coated with an excellent coating film which does not have a decrease in anti-fogging performance due to thermoforming or a decrease in hardness upon water absorption.
[0008]
That is, the gist of the present invention is a nonionic surfactant having 100 parts by weight of a polymerizable monomer mixture containing the following components (a), (b), (c) and (d) in the following amounts, and an HLB of 6 to 11. It is in the resin composition for coating films which consists of 0.1-10 weight part of agents, 0.1-5 weight part of anionic surfactant, and 0.01-10 weight part of polymerization initiators.
[0009]
  Polyethylene glycol di (meth) acrylate (a) 10-80% by weight
  Di (meth) acrylate (b) represented by the following general formula (1) 0.1 to 20% by weight
[Formula 4]
Figure 0004623607
          (R1Is CHThreeOr H and i represent the integer of 2-10. )
  Hydrophilic monomer copolymerizable with components (a) and (b) (c) 0.1 to 40% by weight
  Hydrolyzate of (meth) acryl functional silane compound andConsists of Michael addition reaction product of mercapto group-containing silane or amino group-containing silane and hydrophilic monofunctional (meth) acrylic monomerColloidal silica whose surface is modified with a hydrolyzate of a hydrophilic non-functional silane compound (d) 0.1 to 60% by weight
  In the above-described resin composition for coating film, the (meth) acryl functional silane compound is preferably composed of a Michael addition reaction product of a mercapto group-containing silane or amino group-containing silane and polyethylene glycol di (meth) acrylate.
[0011]
Furthermore, in the above-mentioned resin composition for coating films, the nonionic surfactant is preferably a compound represented by the following general formula (2).
[Chemical formula 5]
Figure 0004623607
(R2Represents an alkyl group or an alkylphenyl group, and j represents an integer of 1 to 30. )
Furthermore, in the above-mentioned resin composition for a coating film, the anionic surfactant is preferably a compound represented by the following general formula (3).
[Chemical 6]
Figure 0004623607
(RThreeIs an alkyl group or an alkylphenyl group, RFourIs —OZ or —O— (CH2CH2O)k-RThreeRepresents. Z represents an alkali metal or ammonium salt, and k represents an integer of 1 to 30. )
The gist of the present invention resides in a resin molded article coated with a coating film comprising a cured product of the above-described resin composition for coating film.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The average molecular weight of the polyethylene glycol di (meth) acrylate (a) that is a component of the polymerizable monomer mixture constituting the resin composition for a coating film of the present invention is preferably 200 to 2000, and preferably 200 to 1000. It is more preferable. (Meth) acrylate is methacrylate or acrylate. When the average molecular weight is too low, the hydrophilicity of a coating film (hereinafter, appropriately referred to as “coating film”) made of a cured product of the resin composition for coating film is insufficient, and good antifogging performance cannot be obtained. When too high, the hardness of the coating film is insufficient. In order to obtain a coating film having good adhesion between the coating film and the resin molded product (hereinafter referred to as “coating adhesion” as appropriate) and having high antifogging performance and hardness, those having an average molecular weight of less than 200 to 400 And a combination of those having an average molecular weight of 400 to 2000 is preferable. The combined use of those having an average molecular weight of 200 to 350 and those having an average molecular weight of 400 to 1000 is more preferred. The content of polyethylene glycol di (meth) acrylate (a) in the polymerizable monomer mixture is 10 to 80% by weight, and preferably 20 to 60% by weight.
[0013]
Examples of the di (meth) acrylate (b) represented by the general formula (1) that is a component of the polymerizable monomer mixture include 1,4-butanediol di (meth) acrylate, 1,5-pentanediol di ( And (meth) acrylate, 1,6-hexanediol di (meth) acrylate, 1,9-nonanediol di (meth) acrylate, and the like. The content of these di (meth) acrylates (b) in the polymerizable monomer mixture is 0.1 to 20% by weight, and preferably 2 to 15% by weight. When the content is lower than 0.1% by weight, when the coating film is placed under high temperature and high humidity, it tends to cause a decrease in the hardness of the coating film and a decrease in the adhesion of the coating film. Moreover, when higher than 20 weight%, the water absorption of a coating film falls and favorable anti-fogging performance is not obtained.
[0014]
The hydrophilic monomer (c), which is a component of the polymerizable monomer mixture, is a hydrophilic monomer that can be copolymerized with the aforementioned polyethylene glycol di (meth) acrylate (a) and di (meth) acrylate (b). Is the body. Specific examples thereof include 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, 2-hydroxybutyl (meth) acrylate, (meth) acryloylmorpholine, N, N-dimethyl (meth) acrylamide, N, N-dimethylaminoethyl. (Meth) acrylamide, N, N-dimethylaminopropyl (meth) acrylamide, N-isopropyl (meth) acrylamide, N-vinylpyrrolidone, polyethylene glycol (meth) acrylate, alkylphenoxy polyethylene glycol (meth) acrylate, and the like. (Meth) acryloyl is methacryloyl or acryloyl. (Meth) acrylamide is methacrylamide or acrylamide. Among these, (meth) acrylamide monomers are particularly preferable because they can improve the adhesion and hydrophilicity of the coating film and can enhance the ability to retain the surfactant in the coating film. The content of the hydrophilic monomer (c) in the polymerizable monomer mixture is 0.1 to 40% by weight, and preferably 1 to 20% by weight. When the content is lower than 0.1% by weight, the hydrophilicity of the coating film is deteriorated. When it is higher than 40% by weight, the strength of the coating film, particularly the coating strength at the time of water absorption is lowered.
[0015]
  Colloidal silica (d), which is a component of the polymerizable monomer mixture, is a hydrolyzate of a (meth) acryl functional silane compound andConsists of Michael addition reaction product of mercapto group-containing silane or amino group-containing silane and hydrophilic monofunctional (meth) acrylic monomerColloidal silica whose surface is modified with a hydrolyzate of a hydrophilic non-functional silane compound. The content of the colloidal silica (d) whose surface is modified in the polymerizable monomer mixture is 0.1 to 60% by weight, and preferably 20 to 60% by weight. Here, “the surface is modified with a hydrolyzate” means that the hydrolyzate of the silane compound is retained by a condensation reaction on part or all of the surface of the colloidal silica, and the surface properties of the colloidal silica are improved. Means quality. In addition, colloidal silica that has been subjected to the condensation reaction of the hydrolyzate and is simultaneously held is also included in the colloidal silica (d) whose surface is modified with the hydrolyzate.
[0016]
This surface modification in the present invention can be easily carried out, for example, by adding a silane compound to colloidal silica sol and causing hydrolysis or hydrolysis and condensation reaction. An inorganic acid or an organic acid can be used as a catalyst for the hydrolysis reaction of the silane compound. Examples of inorganic acids include hydrohalic acids such as hydrochloric acid, hydrofluoric acid, and hydrobromic acid, sulfuric acid, nitric acid, phosphoric acid, and the like. Examples of the organic acid include formic acid, acetic acid, oxalic acid, acrylic acid, methacrylic acid and the like. Examples of the dispersion medium for the colloidal silica sol include water; alcohols such as methanol, ethanol and isopropyl alcohol; ketones such as acetone and methyl isobutyl ketone; and ethers such as tetrahydrofuran and dioxane.
[0017]
The hydrolysis and condensation reaction of the silane compound is preferably performed at a temperature of about room temperature to 120 ° C. for about 30 minutes to 24 hours. More preferably, the reaction is carried out at a temperature from room temperature to the boiling point of the solvent for about 1 to 10 hours. When surface modification of colloidal silica is performed with hydrolyzate of (meth) acryl functional silane compound and hydrolyzate of hydrophilic non-functional silane compound, the hydrolyzate of (meth) acryl functional silane compound is used first. After surface modification, it is preferable to perform surface modification with a hydrolyzate of a hydrophilic non-functional silane compound. When surface modification is first performed with a hydrolyzate of a hydrophilic non-functional silane compound, colloidal silica aggregates, and it may be difficult to obtain a good coating film resin composition.
[0018]
The hydrolyzate of a (meth) acryl functional silane compound that modifies the surface of colloidal silica comprises a hydrolyzate of a Michael addition reaction product of a mercapto group-containing silane or amino group-containing silane and polyethylene glycol di (meth) acrylate. It is preferable.
[0019]
The mercapto group-containing silane as the raw material of the (meth) acryl functional silane compound is preferably represented by the following general formula (4).
[Chemical 7]
Figure 0004623607
(RFiveIs a monovalent hydrocarbon group or fluorinated alkyl group, R6Represents a divalent substituted or unsubstituted hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms.
X represents a hydrolyzable group such as an alkoxy group, an amino group, or an isopropenoxy group, and a represents an integer of 1 to 3. )
RFiveExamples of methyl, ethyl, propyl, butyl, phenyl, octadecyl, 2-phenylethyl, vinyl, 3,3,3-trifluoropropyl, 2- (perfluoroethyl) ethyl, and 2- (perfluorobutyl) ethyl And the like.
[0020]
R6Examples of these include groups such as methylene, ethylene, butylene, hexylene, propylene and decylene, unsubstituted divalent hydrocarbon groups represented by the following general formula (5), and substituents such as 2-hydroxypropyl. Examples thereof include a divalent hydrocarbon group.
[Chemical 8]
Figure 0004623607
Examples of these mercapto group-containing silanes include γ-mercaptopropyltrimethoxysilane, γ-mercaptopropyltriethoxysilane, γ-mercaptopropylmethyldimethoxysilane, γ-mercaptopropylethyldimethoxysilane, γ-mercaptopropylmethyldiethoxy. Silane, γ-mercaptopropylethyldiethoxysilane, γ-mercaptopropylbutyldimethoxysilane, δ-mercaptobutyltrimethoxysilane, δ-mercaptopropyltriethoxysilane, δ-mercaptobutylmethyldimethoxysilane, δ-mercaptobutylethyldimethoxysilane , Δ-mercaptobutylmethyldiethoxysilane, δ-mercaptobutylethyldiethoxysilane, γ-mercaptoisobutyltrimethoxysilane, γ-mercaptoi Butylmethyldimethoxysilane, γ-mercaptobutyltrimethoxysilane, γ-mercaptobutylmethyltrimethoxysilane, γ-mercapto-2-hydroxypropyltrimethoxysilane, γ-mercapto-2-hydroxypropyltriethoxysilane, γ-mercapto- 2-hydroxypropylmethyldimethoxysilane, γ-mercapto-2-hydroxypropylethyldiethoxysilane, γ-mercaptopropyldimethylmethoxysilane, γ-mercaptopropyldiethylethoxysilane, β-mercaptoethyltrimethoxysilane, β-mercaptoethyltri Examples include ethoxysilane and γ-mercaptopropyltriaminosilane.
[0021]
The polyethylene glycol di (meth) acrylate as a raw material for the (meth) acryl functional silane compound preferably has an average molecular weight of 400 or less. When the average molecular weight is too high, aggregation occurs when mixed with colloidal silica, and a good coating resin composition cannot be obtained.
[0022]
As a Michael addition reaction product of a mercapto group-containing silane and polyethylene glycol di (meth) acrylate, one represented by the general formula (6) is preferable.
[Chemical 9]
Figure 0004623607
(R7Is a monovalent hydrocarbon group or fluorinated alkyl group, R8Is a divalent substituted or unsubstituted hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, R9And RTenEach independently represents a hydrogen atom or a methyl group. X represents a hydrolyzable group, a represents an integer of 1 to 3, and m represents an integer of 1 to 9. )
On the other hand, amino group-containing silanes as raw materials for (meth) acryl functional silane compounds are N- (2-aminoethyl-3-aminopropyl) trimethoxysilane, 3-aminopropyltrimethoxysilane, 3-aminopropyltrisilane. Ethoxysilane and the like are preferable.
[0023]
As a Michael addition reaction product of an amino group-containing silane and polyethylene glycol di (meth) acrylate, one represented by the general formula (7) is preferable.
Embedded image
Figure 0004623607
(R11Is a monovalent hydrocarbon group or fluorinated alkyl group, R12Is a divalent substituted or unsubstituted hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, R13And R14Each independently represents a hydrogen atom or a methyl group, R15Represents a hydrogen atom or a monovalent hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms. X represents a hydrolyzable group, a represents an integer of 1 to 3, and n represents an integer of 1 to 9. )
These Michael addition reactions proceed without a catalyst at room temperature, but the reaction rate can be increased by the catalyst. Examples of the catalyst include metal alkoxide, piperidine, quaternary ammonium salt, tertiary phosphine and the like. Of these, tertiary phosphine is preferable and triphenylphosphine is more preferable because of its high catalytic activity and ease of handling. The reaction rate can be further increased by carrying out in a solvent. The solvent is preferably a highly polar one such as alcohol. When the solvent is removed after completion of the reaction, an alcohol having a low boiling point such as ethanol or isopropanol is more preferable.
[0024]
Comparing the (meth) acryl functional silane compounds represented by the general formula (6) and the general formula (7), the dispersion stability of the surface-modified colloidal silica, the antifogging performance of the obtained coating film, the coating film What is represented by General formula (6) is more preferable at the point of balance of hardness and film | membrane adhesiveness.
[0025]
Generally, when a resin composition for a coating film containing a polyfunctional (meth) acrylate monomer as a main component is applied to a resin molded product and then cured to form a coating film, adhesion to the resin molded product by a so-called anchoring effect In order to obtain the properties, a method of curing after applying the resin composition for a coating film and infiltrating the resin molded product for a certain time is often used.
[0026]
At that time, in the resin composition for a coating film in which a polyfunctional (meth) acrylate monomer is a main component and colloidal silica is dispersed, the resin composition for coating film penetrates into the resin molded product, thereby curing. In the later coating film, colloidal silica may take the form concentrated on the coating film surface. In that case, when the surface modification of colloidal silica is performed only with the (meth) acryl functional silane compound, the crosslinking density of the coating film surface at the time of curing may be greatly increased and the antifogging performance may be lowered.
[0027]
Therefore, in the present invention, a hydrolyzate of a (meth) acryl functional silane compound and a hydrolyzate of a hydrophilic non-functional silane compound are used in combination as components for surface modification of colloidal silica. Thereby, even when colloidal silica (d) is concentrated on the surface of the coating film, the crosslinking density of the coating film does not increase excessively, and the antifogging performance can be maintained.
[0028]
  The hydrolyzate of this hydrophilic non-functional silane compound comprises a hydrolyzate of a Michael addition reaction product of a mercapto group-containing silane or amino group-containing silane and a hydrophilic monofunctional (meth) acrylic monomer.The
[0029]
Examples of the mercapto group-containing silane and amino group-containing silane as the raw material for the hydrophilic non-functional silane compound include those described above.
[0030]
Hydrophilic monofunctional (meth) acrylic monomers as raw materials for hydrophilic non-functional silane compounds are N, N-dimethyl (meth) acrylamide, N, N-dimethylaminoethyl (meth) acrylamide, N, N -(Meth) acrylamide monomers such as dimethylaminopropyl (meth) acrylamide and N-isopropyl (meth) acrylamide, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, 2-hydroxybutyl acrylate, (meth) acryloylmorpholine, polyethylene Examples include glycol (meth) acrylate and alkylphenoxypolyethylene glycol (meth) acrylate.
[0031]
As the hydrophilic non-functional silane compound, a compound represented by the general formula (8) which is a Michael addition reaction product of a (meth) acrylamide monomer and a mercapto group-containing silane is used. The anti-fogging performance and the retention of the added surfactant in the coating film can be increased, which is particularly preferable.
Embedded image
Figure 0004623607
(R16Is a monovalent hydrocarbon group or fluorinated alkyl group, R17Is a divalent substituted or unsubstituted hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, R18Represents an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms. X represents a hydrolyzable group, and a represents an integer of 1 to 3. )
The nonionic surfactant constituting the resin composition for a coating film of the present invention has an HLB of 6 to 11. Here, HLB is a hydrophilic / lipophilic balance, and is expressed by the following general formula (9) when the molecular weight of the hydrophilic group is Mw and the molecular weight of the lipophilic group is Mo.
Embedded image
Figure 0004623607
When HLB is lower than 6, the anti-fogging performance of the coating film decreases. When HLB is higher than 11, the adhesion of the coating film is deteriorated. Content of nonionic surfactant is 0.1-10 weight part with respect to 100 weight part of polymerizable monomer mixtures, and 1-7 weight part is more preferable. When the content of the nonionic surfactant is lower than 0.1 parts by weight, it is difficult to balance the antifogging performance and the coating film hardness. When the content is higher than 10 parts by weight, there is a problem that the adhesiveness of the coating film is lowered, or when a molded product coated with the coating film is left as it is, a large amount of nonionic surfactant bleed is seen from the coating film surface. Arise. The nonionic surfactant is preferably represented by the general formula (2).
[0032]
Examples of the surfactant represented by the general formula (2) include polyoxyethylene lauryl ether, polyoxyethylene cetyl ether, polyoxyethylene stearyl ether, polyoxyethylene oleyl ether, polyoxyethylene octyl phenyl ether, polyoxy Examples thereof include ethylene nonyl phenyl ether.
[0033]
The anionic surfactant constituting the coating film resin composition of the present invention is preferably represented by the general formula (3). This is obtained by completely neutralizing or partially neutralizing the phosphoric acid residue of a polyoxyethylene alkyl ether phosphoric diester alone or a mixture of phosphoric monoester and phosphoric diester. Further, it can be obtained by completely neutralizing or partially neutralizing a phosphoric acid residue of a polyoxyethylene alkylphenyl ether phosphoric diester alone or a mixture of phosphoric monoester and phosphoric diester. Specific examples of the polyoxyethylene alkyl ether include polyoxyethylene lauryl ether, polyoxyethylene cetyl ether, polyoxyethylene stearyl ether, polyoxyethylene oleyl ether and the like. Specific examples of the polyoxyethylene alkyl phenyl ether include polyoxyethylene octyl phenyl ether and polyoxyethylene nonyl phenyl ether. The content of the anionic surfactant is 0.1 to 5 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the polymerizable monomer mixture. When the content is lower than 0.1 parts by weight, the antifogging performance after the heat history is deteriorated. When the content is higher than 5 parts by weight, an undissolved anionic surfactant is precipitated in the resin composition for the coating film, foamability is increased, and a large amount of foam is generated at the time of stirring and dissolving, and the appearance of the coating film is deteriorated. .
[0034]
Arbitrary things can be used for the polymerization initiator which comprises the resin composition for coating films.
Examples of the polymerization initiator include benzophenone, Michler ketone, benzoin, benzoin ethyl ether, benzoin isopropyl ether, benzoin isobutyl ether, methylbenzoyl formate, 2-hydroxy-2-methyl-1-phenylpropan-1-one, 1- (4 -Isopropylphenyl) -2-idoxy-2-methylpropan-1-one, benzyldimethyl ketal, benzyl diethyl ketal, diethoxyacetophenone, 1-hydroxycyclohexyl phenyl ketone 2,2-dimethoxy-2-phenylacetophenone, 2-methyl -[4- (methylthio) phenyl] -2-morpholino-1-propanone, isopropylthioxanthone, 2,4-diethylthioxanthone, 2,4,6-trimethylbenzoyldipheny Photopolymerization initiators such as phosphine oxide, benzoyldiethoxyphosphine oxide, thermal polymerization initiators such as azobisisobutyronitrile, azobis-2,4-dimethylvaleronitrile, benzoyl peroxide, ditertiary butyl peroxide, etc. Is mentioned. These polymerization initiators may be used alone or in combination of two or more.
[0035]
Content of a polymerization initiator is 0.01-10 weight part with respect to 100 weight part of polymerizable monomer mixtures. When content of a polymerization initiator is lower than 0.01 weight part, the hardness of the obtained coating film falls. When the content is higher than 10 parts by weight, coating coloration and anti-fogging performance decrease.
[0036]
Examples of the method for applying the resin composition for coating film of the present invention to the surface of a resin molded product include a roll coater method, a knife coater method, a dip coat method, and a spray coat method. In order to obtain a resin molded article coated with a coating film having good antifogging performance, the thickness of the polymerization-cured coating film is preferably 5 to 100 μm. Therefore, it is preferable to select a coating method capable of obtaining a desired film thickness according to the viscosity of the resin composition for a coating film. While producing a resin plate, a resin composition for a coating film can be applied to the resin plate and polymerized and cured to obtain a resin plate continuously coated with the coating film.
[0037]
As a method for polymerizing and curing the resin composition for a coating film, a thermal polymerization method, a photopolymerization method, or the like can be used, but it is preferable to use a photopolymerization method in terms of energy cost and the like. Further, during polymerization, in order to avoid polymerization inhibition by oxygen, it is preferable to polymerize and cure in an inert gas atmosphere such as nitrogen. It is also preferable to polymerize and cure in an atmosphere in which the resin composition for coating film is covered with a resin film or mold and the air is shut off.
[0038]
Moreover, a ultraviolet absorber, a light stabilizer, a heat stabilizer, a solvent, a thickener, an inorganic filler, etc. can be added to the resin composition for coating films as needed.
[0039]
Examples of the resin molded product to be coated with the coating film made of the cured product of the resin composition for coating film of the present invention include molded products such as acrylic resin, polycarbonate resin, polystyrene resin, and polyester resin. From the viewpoint of resin transparency and coating film adhesion, molded products of acrylic resin and polycarbonate resin are preferred. A resin molded article coated with a coating film comprising a cured product of the resin composition for a coating film of the present invention has excellent scratch resistance, durability and antifogging properties, ski goggles, helmet shield, meter cover, spectacle lens, Suitable for nameplates.
[0040]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described by way of examples. The present invention is not limited to the following examples. In each Example, components such as polyethylene glycol di (meth) acrylate and hydrophilic monomer added excessively when modifying the surface of colloidal silica, and unreacted components are a polymerizable monomer mixture. Are listed in Table 1. Each physical property of a resin molded product coated with a coating film (hereinafter referred to as “sample” as appropriate) was evaluated under the following conditions.
[0041]
(1) Anti-fogging property
(1-1) Evaluation by expiration
The sample was temperature-controlled and humidity-controlled at 23 ° C. in a 50 RH% environment for 24 hours, and then the breath was blown from the distance of 20 to 30 mm under the same environment to observe and evaluate the occurrence of cloudiness.
○: No fogging or loss of transparency even after blowing 10 breaths every 2 seconds
Δ: Clouding does not occur even after 2 seconds of exhalation, but transparency is reduced by exhaling 10 times every 2 seconds
X: Cloudy occurs by blowing exhalation for 2 seconds
(1-2) Durability evaluation
Install the sample at the boundary between the environment of 60 RH% at 23 ° C and the environment of 95 RH% at 40 ° C so that the coating is on the environment side of 95 RH% at 40 ° C, and visually observe the change in transparency for 1 hour. And evaluated.
○: No fogging occurred, and the entire surface of the coating film was evenly wet and the transparency was good for 1 hour.
×: Permeability decreased due to clouding or uneven wetting of the coating film
(2) Coating film adhesion
Make 100 grids of 1 mm x 1 mm with a cutter on the sample coating film, apply adhesive tape (manufactured by Nichiban Co., Ltd.) to it, and then peel off the adhesive tape abruptly three times to release The number of grids that were not taken was counted to evaluate the adhesion.
[0042]
(3) Scratch resistance (Δhaze)
Place a circular pad with a diameter of 25.4 mm with # 000 steel wool on the surface of the coating film side of the sample, and while applying a load of 1000 g, rub it back and forth 100 times at a distance of 20 mm, haze value before and after scratching The difference was determined by the following formula as Δhaze.
Δhaze (%) = haze value after abrasion (%) − haze value before abrasion (%)
(4) Moisture resistance
The sample was allowed to stand for 5 days in an environment of 60 ° C. and 95 RH%, and then the scratch resistance of the coating film when the coating film was rubbed with a nail was evaluated.
○: Not damaged at all
Δ: Scratches
×: The coating film falls off when rubbed
(5) Thermoformability
After heating the sample for 10 minutes in a hot air drying oven at 165 ° C., single-curved bending was performed using a wood mold with a curvature radius of 40 mm so that the coating surface was concave, and the occurrence of cracks was observed.
[0043]
[Example 1]
In flask A, 156 parts by weight of isopropanol, 100 parts by weight of dimethylacrylamide (hereinafter referred to as “DMAA”), 100 parts by weight of KBM-803 (manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.), which is γ-mercaptopropyltrimethoxysilane, 45 parts by weight of a 3% by weight isopropanol solution of phenylphosphine was sequentially added, and the solution was reacted at room temperature for 3 days to synthesize a hydrophilic non-functional silane compound.
[0044]
Next, 71 parts by weight of isopropanol, 70 parts by weight of NK ester A-200 (made by Shin-Nakamura Chemical Co., Ltd., hereinafter referred to as “A-200”) having a molecular weight of 200 are added to Flask B and KBM-803. 14 parts by weight and 9.1 parts by weight of a 3% by weight isopropanol solution of triphenylphosphine were sequentially added, and the solution was heated to 60 ° C. and reacted for 3 hours to synthesize an acrylic functional silane compound.
[0045]
234 parts by weight of IPA-ST (manufactured by Nissan Chemical Industries, Ltd.), which is a colloidal silica having a solid content of 30% by weight using isopropanol as a dispersion medium, was added to the resulting reaction liquid, and then 6% by weight of 0.01 N hydrochloric acid aqueous solution. The mixture was stirred at 60 ° C. for 1 hour, and the surface of the colloidal silica was modified with a hydrolyzate of an acrylic functional silane compound.
[0046]
To the flask B, 56 parts by weight of the mixture containing the hydrophilic non-functional silane compound in the flask A and 6 parts by weight of 0.01N hydrochloric acid aqueous solution are added, and further reacted at 60 ° C. for 1 hour to modify the surface of the colloidal silica. did.
[0047]
Next, in this reaction solution, NK ester A-400 (manufactured by Shin-Nakamura Chemical Co., Ltd., hereinafter referred to as “A-400”), which is a polyethylene glycol diacrylate having a molecular weight of 400, is 53 parts by weight and a nonionic interface having an HLB of 9.2. 7 parts by weight of Emulgen 905 (produced by Kao Corporation) as an activator, 4.2 weight of LO-529 (produced by Toho Chemical Industry Co., Ltd.), an anionic surfactant phosphanol of the general formula (3) A volatile component was distilled off under reduced pressure using a rotary evaporator.
[0048]
To 100 parts by weight of this reaction solution, 5 parts by weight of 1,6 hexanediol diacrylate (manufactured by Osaka Organic Chemical Industry Co., Ltd., hereinafter referred to as “C6DA”) and 2,4,6-trimethyldiphenylphosphine as a polymerization initiator 1.5 parts by weight of Lucirin TPO (manufactured by BASF, hereinafter referred to as “TPO”) as an oxide was added and dissolved to prepare a resin composition for a coating film.
[0049]
The resin composition for coating film was applied onto a 2 mm thick polycarbonate plate (Dialite manufactured by Mitsubishi Rayon Co., Ltd., hereinafter referred to as “PC plate”) preheated in a hot air drying furnace at 60 ° C. Further, a 50 μm-thick polyethylene terephthalate biaxially stretched film (manufactured by Teijin Ltd., hereinafter referred to as “PET film”) is placed thereon, and ironed with a rubber roll having a JIS hardness of 40 ° to obtain a resin composition for a coating film. The thickness was 12μ. Then, after leaving for 50 seconds, the PC film was passed through the PC plate at a speed of 1.6 m / min at a speed of 1.6 m / min at a distance of 210 mm from an ozone-less type metal halide lamp with an output of 120 w / cm, and was cured by polymerization. After that, the PET film was peeled off, and further passed through a PC plate at a speed of 1.6 m / min with a coating surface facing the lamp side 210 mm away from an ozone-less high-pressure mercury lamp with an output of 120 w / cm. A PC plate coated with the coating film was obtained after completion. In addition, the temperature on the PET film surface was 40-43 degreeC after setting the thickness of the resin composition for coating films to 12 micrometers until irradiation of a metal halide lamp.
[0050]
Table 1 shows the evaluation results of the PC plate coated with the obtained coating film.
[0051]
[Example 2]
A coating film resin composition was produced in the same manner as in Example 1 except that the amount of C6DA was 10 parts by weight, and the coating film was coated on a PC plate. The evaluation results are shown in Table 1.
[0052]
[Example 3]
A resin composition for coating film was produced in the same manner as in Example 1 except that 100 parts by weight of acryloylmorpholine (hereinafter referred to as “ACMO”) was used instead of 100 parts by weight of DMAA, and the coating film was applied to the PC board. Covered. The evaluation results are shown in Table 1.
[0053]
[Comparative Example 1]
A coating film resin composition was produced in the same manner as in Example 1 except that C6DA was not added, and the coating film was coated on a PC plate. The evaluation results are shown in Table 1.
[0054]
[Comparative Example 2]
A resin composition for a coating film was produced in the same manner as in Example 1 except that the amount of C6DA was 25 parts by weight, and the coating film was coated on a PC plate. The evaluation results are shown in Table 1.
[0055]
[Comparative Example 3]
In the same manner as in Example 1, the surface of colloidal silica was modified with a hydrolyzate of an acrylic functional silane compound.
[0056]
Next, a mixture obtained by adding 12 parts by weight of A-200, 68 parts by weight of A-400, 7 parts by weight of Emulgen 905, and 4.2 parts by weight of phosphanol LO-529 to this reaction liquid was volatile components by a rotary evaporator. Was distilled off under reduced pressure.
[0057]
In 100 parts by weight of this reaction solution, 5 parts by weight of C6DA and 1.5 parts by weight of TPO were added and dissolved to produce a resin composition for a coating film, and the polycarbonate plate was coated with the coating film. The evaluation results are shown in Table 1.
[0058]
[Comparative Example 4]
Add 200 parts by weight of IPA-ST to the flask, then add 12 parts by weight of KBM-103 (Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.), which is phenyltrimethoxysilane, and 4.5 parts by weight of 0.01N aqueous hydrochloric acid, The mixture was stirred at 0 ° C. for 1 hour, and the surface of colloidal silica was modified with a hydrolyzate of a non-hydrophilic non-functional silane compound.
[0059]
Subsequently, 46.8 parts by weight of A-200, 31.2 parts by weight of A-400, 4.5 parts by weight of Emulgen 905, and 2.7 parts by weight of phosphanol LO-529 were added to the reaction solution. Volatile components were distilled off under reduced pressure using a rotary evaporator.
[0060]
To 104.8 parts by weight of this reaction solution, 1.5 parts by weight of TPO was added and dissolved to produce a resin composition for a coating film, and the polycarbonate plate was coated with the coating film. The evaluation results are shown in Table 1.
[0061]
[Comparative Example 5]
Using KBM-503 (manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.) which is γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane instead of KBM-103, the surface of colloidal silica was modified with a hydrolyzate of an acrylic functional silane compound A coating film resin composition was produced in the same manner as in Comparative Example 4 except that the coating film was coated on a polycarbonate plate.
The evaluation results are shown in Table 1.
[0062]
[Comparative Example 6]
In the same manner as in Example 1, a hydrophilic non-functional silane compound was synthesized.
[0063]
Next, 234 parts by weight of IPA-ST, 56 parts by weight of a mixture containing a hydrophilic non-functional silane compound, and 6 parts by weight of 0.01 N hydrochloric acid aqueous solution were added. By adding the hydrophilic non-functional silane compound, colloidal silica aggregated into a gel, and a resin composition for a coating film could not be produced.
[0064]
[Table 1]
Figure 0004623607
[0065]
【The invention's effect】
According to the present invention, an excellent coating film that is excellent in antifogging performance, thermoformability, adhesion of the coating film and scratch resistance, and has no decrease in antifogging performance due to thermoforming or hardness reduction during water absorption is coated. A resin molded product can be obtained. Moreover, the hardened | cured material of the resin composition for coating films of this invention is suitable for the above-mentioned coating film.

Claims (5)

下記の成分(a)、(b)、(c)及び(d)を下記の量含む重合性単量体混合物100重量部、HLBが6〜11のノニオン系界面活性剤0.1〜10重量部、アニオン系界面活性剤0.1〜5重量部並びに重合開始剤0.01〜10重量部からなる塗膜用樹脂組成物。
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(a)10〜80重量%
下記一般式(1)で表されるジ(メタ)アクリレート(b)0.1〜20重量%
Figure 0004623607
(R1はCH3またはH、iは2〜10の整数を表す。)
成分(a)及び(b)と共重合可能な親水性単量体(c)0.1〜40重量%
(メタ)アクリル官能性シラン化合物の加水分解物及びメルカプト基含有シランもしくはアミノ基含有シランと親水性単官能(メタ)アクリル系単量体とのマイケル付加反応物からなる親水性非官能性シラン化合物の加水分解物で表面が修飾されたコロイダルシリカ(d)0.1〜60重量%
100 parts by weight of a polymerizable monomer mixture containing the following components (a), (b), (c) and (d) in the following amounts, and 0.1 to 10 weights of a nonionic surfactant having an HLB of 6 to 11. Part, 0.1-5 parts by weight of an anionic surfactant, and 0.01-10 parts by weight of a polymerization initiator.
Polyethylene glycol di (meth) acrylate (a) 10-80% by weight
Di (meth) acrylate (b) represented by the following general formula (1) 0.1 to 20% by weight
Figure 0004623607
(R 1 represents CH 3 or H, and i represents an integer of 2 to 10)
Hydrophilic monomer copolymerizable with components (a) and (b) (c) 0.1 to 40% by weight
Hydrolyzate of (meth) acryl functional silane compound and hydrophilic non-functional silane compound comprising Michael addition reaction product of mercapto group-containing silane or amino group-containing silane and hydrophilic monofunctional (meth) acrylic monomer Colloidal silica (d) whose surface is modified with a hydrolyzate of 0.1 to 60% by weight
(メタ)アクリル官能性シラン化合物が、メルカプト基含有シランもしくはアミノ基含有シランとポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートとのマイケル付加反応物からなることを特徴とする請求項1に記載の塗膜用樹脂組成物。  The resin for coating film according to claim 1, wherein the (meth) acryl functional silane compound comprises a Michael addition reaction product of mercapto group-containing silane or amino group-containing silane and polyethylene glycol di (meth) acrylate. Composition. ノニオン系界面活性剤が下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の塗膜用樹脂組成物。
Figure 0004623607
(R2はアルキル基またはアルキルフェニル基、jは1〜30の整数を表す。)
The resin composition for coating films according to claim 1 or 2 , wherein the nonionic surfactant is a compound represented by the following general formula (2).
Figure 0004623607
(R 2 represents an alkyl group or an alkylphenyl group, and j represents an integer of 1 to 30.)
アニオン系界面活性剤が下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載の塗膜用樹脂組成物。
Figure 0004623607
(R3はアルキル基またはアルキルフェニル基、R4は−OZまたは
−O−(CH2CH2O)k−R3を表す。Zはアルカリ金属または
アンモニウム塩、kは1〜30の整数を表す。)
The resin composition for coating films according to any one of claims 1 to 3 , wherein the anionic surfactant is a compound represented by the following general formula (3).
Figure 0004623607
(R 3 represents an alkyl group or an alkylphenyl group, R 4 represents —OZ or —O— (CH 2 CH 2 O) k —R 3 , Z represents an alkali metal or ammonium salt, and k represents an integer of 1 to 30. To express.)
請求項1〜請求項のいずれかに記載の塗膜用樹脂組成物の硬化物からなる塗膜が被覆された樹脂成形品。The resin molded product with which the coating film which consists of hardened | cured material of the resin composition for coating films in any one of Claims 1-4 was coat | covered.
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