JP4623510B2 - 原子炉構造材 - Google Patents
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Description
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記多機能層は、前記基体の表面を、炭化水素を主成分とするガスの燃焼炎を用いて当該基体の表面温度が900〜1500℃となる条件で400秒以下の加熱時間だけ加熱処理するか、炭化水素を主成分とするガスの燃焼ガス雰囲気中で当該基体の表面温度が900〜1500℃となる条件で400秒以下の加熱時間だけ加熱処理して形成したものであることを特徴とする原子炉構造材にある。
本発明の第7の態様は、第5又は6の態様において、前記多機能層は、前記基体の表面を、炭化水素を主成分とするガスの燃焼炎を用いて当該基体の表面温度が600℃以上の条件で加熱処理するか、炭化水素を主成分とするガスの燃焼ガス雰囲気中で当該基体の表面温度が600℃以上の条件で加熱処理して、前記基体の表面層内部に酸化チタン又はチタン合金酸化物からなる微細柱が林立している層を形成させ、次いで、熱応力、剪断応力及び引張力の少なくとも一つを与えて、該微細柱が林立している層を該表面層に沿う方向で切断させて形成したものであることを特徴とする原子炉構造材にある。
本発明の第11の態様は、第8〜10の何れかの態様において、前記多機能層は、前記基体の表面を、炭化水素を主成分とするガスの燃焼炎を用いて当該基体の表面温度が900〜1500℃となる条件で400秒以下の加熱時間だけ加熱処理するか、炭化水素を主成分とするガスの燃焼ガス雰囲気中で当該基体の表面温度が900〜1500℃となる条件で400秒以下の加熱時間だけ加熱処理して形成したものであることを特徴とする原子炉構造材にある。
アセチレンの燃焼炎を用い、厚さ0.3mmのチタン板をその表面温度が約1100℃となるように加熱処理することにより、表面層として炭素がTi−C結合の状態でドープされた炭素ドープ酸化チタン層を有するチタン板を形成した。1100℃での加熱処理時間をそれぞれ5秒(実施例1)、3秒(実施例2)、1秒(実施例3)に調整することにより炭素ドープ量及び炭素ドープ酸化チタン層の厚さが異なる炭素ドープ酸化チタン層を有するチタン板を形成した。
市販されている酸化チタンゾル(石原産業製STS−01)を厚さ0.3mmのチタン板にスピンコートした後、加熱して密着性を高めた酸化チタン皮膜を有するチタン板を形成した。
SUS板上に酸化チタンがスプレーコートされている市販品を比較例2の酸化チタン皮膜を有する基体とした。
実施例1の炭素がTi−C結合の状態でドープされた炭素ドープ酸化チタン層及び比較例1の酸化チタン皮膜について、ナノハードネステスター(NHT)(スイスのCSM Instruments製)により、圧子:ベルコビッチタイプ、試験荷重:2mN、負荷除荷速度:4mN/minの条件下で皮膜硬度を測定したところ、実施例1の炭素がTi−C結合の状態でドープされた炭素ドープ酸化チタン層はビッカース硬度が1340と高い値であった。一方、比較例1の酸化チタン皮膜のビッカース硬度は160であった。
実施例1の炭素がTi−C結合の状態でドープされた炭素ドープ酸化チタン層及び比較例1の酸化チタン皮膜について、マイクロスクラッチテスター(MST)(スイスのCSM Instruments製)により、圧子:ロックウェル(ダイヤモンド)、先端半径200μm、初期荷重:0N、最終荷重:30N、負荷速度:50N/min、スクラッチ長:6mm、ステージ速度:10.5mm/minの条件下で耐スクラッチ性試験を実施した。スクラッチ痕内に小さな膜の剥離が起こる「剥離開始」荷重及びスクラッチ痕全体に膜の剥離が起こる「全面剥離」荷重を求めた。その結果は第1表に示す通りであった。
実施例1の炭素がTi−C結合の状態でドープされた炭素ドープ酸化チタン層及び比較例1の酸化チタン皮膜について、高温トライボメーター(HT−TRM)(スイスのCSM Instruments製)により、試験温度:室温及び470℃、ボール:直径12.4mmのSiC球、荷重:1N、摺動速度:20mm/sec、回転半径:1mm、試験回転数:1000回転の条件下で摩耗試験を実施した。
実施例1の炭素がTi−C結合の状態でドープされた炭素ドープ酸化チタン層を有するチタン板を1M硫酸水溶液及び1M水酸化ナトリウム水溶液にそれぞれ室温で1週間浸漬した後、上記の皮膜硬度、耐摩耗性、及び後記する光電流密度を測定したところ、浸漬の前後で、結果に有意な差は認められなかった。即ち、実施例1の炭素がTi−C結合の状態でドープされた炭素ドープ酸化チタン層は高い耐薬品性(耐食性)を有することが認められた。
実施例1の炭素がTi−C結合の状態でドープされた炭素ドープ酸化チタン層について、X線光電子分光分析装置(XPS)で、加速電圧:10kV、ターゲット:Alとし、2700秒間Arイオンスパッタリングを行い、分析を開始した。このスパッタ速度がSiO2膜相当の0.64Å/sとすると、深度は約173nmとなる。そのXPS分析の結果を図2に示す。結合エネルギーが284.6eVである時に最も高いピークが現れる。これはCls分析に一般的に見られるC−H(C)結合であると判断される。次に高いピークが結合エネルギー281.7eVである時に見られる。Ti−C結合の結合エネルギーが281.6eVであるので、実施例1の炭素ドープ酸化チタン層中ではCがTi−C結合としてドープされていると判断される。なお、炭素ドープ酸化チタン層の深さ方向の異なる位置の11点でXPS分析を行った結果、全ての点で281.6eV近傍に同様なピークが現れた。
実施例1〜3の炭素がTi−C結合の状態でドープされた炭素ドープ酸化チタン層及び比較例1、2の酸化チタン皮膜の波長応答性をOriel社のモノクロメーターを用いて測定した。具体的には、それぞれの層、皮膜に対し、0.05M硫酸ナトリウム水溶液中で対極との間に電圧を0.3V印加し、光電流密度を測定した。
実施例1〜3の炭素がTi−C結合の状態でドープされた炭素ドープ酸化チタン層及び比較例1、2の酸化チタン皮膜について、式
η=jp(Ews−Eapp)/I
で定義される光エネルギー変換効率ηを求めた。ここで、Ewsは水の理論分解電圧(=1.23V)、Eappは印加電圧(=0.3V)、Iは照射光強度である。この結果を図4に示す。図4は光エネルギー変換効率ηを照射光波長に対して示してある。
実施例1及び2の炭素がTi−C結合の状態でドープされた炭素ドープ酸化チタン層及び比較例1の酸化チタン皮膜について、消臭試験を実施した。具体的には、消臭試験に一般的に用いられるアセトアルデヒドを炭素ドープ酸化チタン層を有する基体と共に1000mlのガラス容器に封入し、初期の吸着による濃度減少の影響が無視できるようになってから、UVカットフィルタ付き蛍光灯にて可視光を照射し、所定の照射時間毎にアセトアルデヒド濃度をガスクロマトグラフィーで測定した。なお、各皮膜の表面積は8.0cm2とした。
実施例1の炭素ドープ酸化チタン層及び比較例1の酸化チタン皮膜について、防汚試験を実施した。各皮膜を(財)電力中央研究所内の喫煙室内に設置し、145日後の表面の汚れを観察した。なお、この喫煙室内には太陽光の直接の入射はない。
実施例1〜3と同様にアセチレンの燃焼炎を用い、厚さ0.3mmのチタン板を、第2表に示す表面温度で第2表に示す時間の間加熱処理することにより、表面層として炭素ドープ酸化チタン層を有するチタン板を形成した。
天然ガスの燃焼炎を用い、厚さ0.3mmのチタン板を、第2表に示す表面温度で第2表に示す時間の間加熱処理した。
実施例4〜7の炭素ドープ酸化チタン層及び比較例3の皮膜について、上記の試験例1と同様にしてビッカース硬度(HV)を測定した。それらの結果を第2表に示す。また、実施例4〜7で形成された炭素ドープ酸化チタン層は、水滴との接触角が2°程度の超親水性であった。
実施例4〜7の炭素ドープ酸化チタン層及び比較例1及び3の酸化チタン皮膜について、試験例6と同様に、0.05M硫酸ナトリウム水溶液中で対極との間に電圧を0.3V印加し、300nm〜520nmの光を照射して光電流密度を測定した。その結果を図7に示す。図7には、得られた光電流密度jpを電位ECP(V vs. SSE)に対して示してある。
アセチレンの燃焼炎を用い、厚さ0.3mmのTi−6Al−4V合金板をその表面温度が約1100℃となるように加熱処理することにより、表面層が炭素ドープ酸化チタンを含有するチタン合金からなる合金板を形成した。1100℃での加熱処理時間を60秒とした。このようにして形成された炭素ドープ酸化チタンを含有する層は水滴との接触角が2°程度の超親水性であり、また実施例4で得られた炭素ドープ酸化チタン層と同様な光触媒活性を示した。
厚さ0.3mmのステンレス鋼板(SUS316)の表面にスパッタリングによって膜厚が約500nmのチタン薄膜を形成した。アセチレンの燃焼炎を用い、その表面温度が約900℃となるように加熱処理することにより、表面層として炭素ドープ酸化チタン層を有するステンレス鋼板を形成した。900℃での加熱処理時間を15秒とした。このようにして形成された炭素ドープ酸化チタン層は水滴との接触角が2°程度の超親水性であり、また、実施例4で得られた炭素ドープ酸化チタン層と同様な光触媒活性を示した。
粒径20μmの酸化チタン粉末をアセチレンの燃焼炎中に供給し、燃焼炎中に所定時間滞留させてその表面温度が約1000℃となるように加熱処理することにより、表面層として炭素ドープ酸化チタン層を有するチタン粉末を形成した。1000℃での加熱処理時間を4秒とした。このようにして形成された炭素ドープ酸化チタン層を有するチタン粉末、実施例4で得られた炭素ドープ酸化チタン層と同様な光触媒活性を示した。
厚さ1mmのガラス板(パイレックス(登録商標))の表面にスパッタリングによって膜厚が約100nmのチタン薄膜を形成した。アセチレンの燃焼炎を用い、その表面温度が1100℃(実施例11)、又は1500℃(実施例12)となるように加熱処理することにより、表面層として炭素ドープ酸化チタン層を有するガラス板を形成した。1100℃、又は1500℃での加熱処理時間を10秒とした。このようにして形成された炭素ドープ酸化チタン層は表面温度が1100℃の場合には図8(a)に写真で示すように透明であったが、表面温度が1500℃の場合には図9に示すように海に浮かぶ多数の小島状の起伏が表面に生じており、図8(b)に示すように半透明となった。
厚さ0.3mmのチタン板の表面を、アセチレンの燃焼炎により、第3表に示す表面層温度で第3表に示す時間加熱処理した。その後その燃焼炎を当てた表面を厚さ30mmのステンレスブロックの平らな面と接触させて冷却すると、チタン板表面の大部分に白色の酸化チタンからなる微細柱が林立している層が露出している部材と、薄膜上に白色の酸化チタンからなる多数の連続した狭幅突起部及び該突起部上に林立している微細柱が露出している小片部材とに分離した。即ち、加熱処理で表面層内部に形成された酸化チタンからなる微細柱が林立している層がその後の冷却で該微細柱が林立している層が該表面層に沿う方向で切断された。このようにして実施例13〜16の第2の多機能材を得た。
厚さ0.3mmのTi−6Al−4V合金板の表面を、アセチレンの燃焼炎により、第3表に示す表面層温度で第3表に示す時間加熱処理した。その後その燃焼炎を当てた表面を厚さ30mmのステンレスブロックの平らな面と接触させて冷却すると、チタン合金板表面の大部分にチタン合金酸化物からなる微細柱が林立している層が露出している部材と、薄膜上にチタン合金酸化物からなる多数の連続した狭幅突起部及び該突起部上に林立している微細柱が露出している小片部材とに分離した。
厚さ0.3mmのステンレス鋼板(SUS316)の表面に電子ビーム蒸着によって膜厚が約3μmのチタン薄膜を形成した。その薄膜表面を、アセチレンの燃焼炎により、第3表に示す表面層温度で第3表に示す時間加熱処理した。その後その燃焼炎を当てた表面を厚さ30mmのステンレスブロックの平らな面と接触させて冷却すると、ステンレス鋼板表面の大部分に白色の酸化チタンからなる微細柱が林立している層が露出している部材と、薄膜上に白色の酸化チタンからなる多数の連続した狭幅突起部及び該突起部上に林立している微細柱が露出している小片部材とに分離した。
市販されている酸化チタンゾル(石原産業製STS−01)を厚さ0.3mmのチタン板にスピンコートした後、加熱して密着性を高めた酸化チタン皮膜を有するチタン板を形成した。
実施例13〜18で得られた基板表面に微細柱が林立している層が露出している部材の微細柱側表面について、JIS K 5600−5−4(1999)に基づき、三菱鉛筆株式会社製ユニ1H〜9H鉛筆を用いて鉛筆引っかき硬度試験を実施した。その結果は第3表に示す通りであった。即ち、全ての試験片について9Hの鉛筆を用いた場合にも損傷は認められなかった。
実施例13〜18で得られた基板表面に微細柱が林立している層が露出している部材を1M硫酸水溶液及び1M水酸化ナトリウム水溶液にそれぞれ室温で1週間浸漬し、水洗し、乾燥させた後、上記の引っかき硬度試験:鉛筆法を実施した。その結果は第3表に示す通りであった。即ち、全ての試験片について9Hの鉛筆を用いた場合にも損傷は認められず、高い耐薬品性(耐食性)を有することが認められた。
実施例13〜18で得られた基板表面に微細柱が林立している層が露出している部材を管状炉内に入れ、大気雰囲気下で室温から1時間かけて500℃まで昇温させ、500℃の恒温で2時間保持し、更に1時間かけて室温まで静置冷却した後、上記の引っかき硬度試験:鉛筆法を実施した。その結果は第3表に示す通りであった。即ち、全ての試験片について9Hの鉛筆を用いた場合にも損傷は認められず、高い耐熱性を有することが認められた。
試料として、実施例16で得られた基板表面に微細柱が林立している層が露出している表面積8cm2の部材及び比較例4で得られた酸化チタン皮膜を有する表面積8cm2のチタン板を用いて消臭試験を実施した。具体的には、それらの試料をそれぞれ、約12μmol/Lの濃度に調整したメチレンブルー水溶液80mL中に浸漬し、初期の吸着による濃度減少の影響が無視できるようになってから、松下電器産業株式会社製のUVカットフィルター付き蛍光灯により可視光を照射し、所定の照射時間毎に波長660nmにおけるメチレンブルー水溶液の吸光度をHACH社製水質検査装置DR/2400で測定した。その結果は図14に示す通りであった。
実施例15で得られた基板表面に微細柱が林立している層が露出している部材の微細柱から得た試料についてX線回折(XRD)を行った結果、ルチル型の結晶構造を有することが判明した。
図16は本発明の原子炉構造材の一例の原子炉シュラウドを用いた原子炉を示す概略図である。図16に示すように、本発明の原子炉シュラウドを用いた原子炉100は、核反応により熱を発生させる炉心110と、炉心110の側面を取り囲んで冷却水の流れを整流する原子炉シュラウド120と、炉心110の下方に位置して炉心110を支持する炉心支持板130と、炉心110の上方に位置して炉心110を構成する燃料集合体を適切な位置に保持する上部格子板140と、炉心110をほぼ内部中央に配置すると共に原子炉シュラウド120、炉心支持板130及び上部格子板140を収容する原子炉圧力容器150とを具備する。そして、原子炉シュラウド120の炉心110側に対向する面及び原子炉圧力容器150側に対向する面の表面には、上述した多機能材が具備する多機能層が設けられている。なお、原子炉シュラウド120の炉心110側に対向する面及び原子炉圧力容器150側に対向する面の表面のすべてに多機能層を有する必要は必ずしもなく、炉心110側に対向する面又は原子炉圧力容器150側に対向する面の一方の表面のみに多機能層を有するようにしてもよく、その一部に多機能層を有するようにしてもよい。
実施形態1では、原子炉シュラウドの炉心側に対向する面及び原子炉圧力容器側に対向する面の表面又はその表面の一部に、上述した多機能材が具備する多機能層が設けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、原子炉シュラウドあるいはそれに接続された原子炉構造材の溶接部又は異種金属接触部の近辺に、上述した多機能材が具備する多機能層が設けられた防食用部材が導電可能に取り付けられるようにしてもよい。この多機能層が設けられた防食用部材は、その表面に可視光、紫外光、又は放射線(X線、γ線、β線など)が照射されると、放射線誘起表面活性によりその表面に活性化した電子が発生する。すると、その活性化した電子の作用によって、この防食用部材の表面の腐食電位が低下すると共に、この防食用部材が導電可能に取り付けられた原子炉シュラウドあるいはこの防食用部材が導電可能に取り付けられた位置の近辺に存在する原子炉構造材の溶接部又は異種金属接触部における腐食電位が低下する。したがって、この防食用部材が導電可能に取り付けられた原子炉シュラウドあるいはこの防食用部材が導電可能に取り付けられた位置の近辺に存在する原子炉構造材の溶接部又は異種金属接触部は、実施形態1と同様に耐食性を有するという効果を奏する。すなわち、本実施形態の原子炉構造材においても実施形態1と同様に耐食性を有するという効果を奏する。
110 炉心
120 原子炉シュラウド
130 炉心支持板
140 上部格子板
150 原子炉圧力容器
210 主蒸気ノズル
220 配管給水ノズル
230 炉心スプレーノズル
240 再循環出口ノズル
250 再循環入口ノズル
260 低圧注水ノズル
270 炉心スプレーノズル
Claims (14)
- 炭素ドープされた酸化チタン又はチタン合金酸化物からなる多機能層が表面の少なくとも一部に設けられており、前記多機能層が基体の表面に一体的に形成されたものであると共に該炭素がTi−C結合の状態で0.3〜15at%ドープされており、該基体の少なくとも表面層がチタン、チタン合金、チタン合金酸化物又は酸化チタンであることを特徴とする原子炉構造材。
- 請求項1において、前記基体は、チタン、チタン合金、チタン合金酸化物又は酸化チタンからなる表面部形成層と心材とからなり、該心材がチタン、チタン合金、酸化チタン及びチタン合金酸化物以外の材質であることを特徴とする原子炉構造材。
- 請求項1又は2において、前記多機能層のビッカース硬度が1000以上であることを特徴とする原子炉構造材。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記多機能層は、前記基体の表面を、炭化水素を主成分とするガスの燃焼炎を用いて当該基体の表面温度が900〜1500℃となる条件で400秒以下の加熱時間だけ加熱処理するか、炭化水素を主成分とするガスの燃焼ガス雰囲気中で当該基体の表面温度が900〜1500℃となる条件で400秒以下の加熱時間だけ加熱処理して形成したものであることを特徴とする原子炉構造材。
- 少なくとも表面側がチタン、チタン合金、チタン合金酸化物又は酸化チタンからなる基体の表面の少なくとも一部に酸化チタン又はチタン合金酸化物からなる多数の突起部を有していると共に微細柱が林立しているものであり且つ該微細柱が炭素ドープされている多機能層を設けたものであり、前記微細柱にドープされた炭素がTi−C結合の状態で含まれていることを特徴とする原子炉構造材。
- 請求項5において、前記基体は、チタン、チタン合金、チタン合金酸化物又は酸化チタンからなる表面部形成層と心材とからなり、該心材がチタン、チタン合金、酸化チタン及びチタン合金酸化物以外の材質であることを特徴とする原子炉構造材。
- 請求項5又は6において、前記多機能層は、前記基体の表面を、炭化水素を主成分とするガスの燃焼炎を用いて当該基体の表面温度が600℃以上の条件で加熱処理するか、炭化水素を主成分とするガスの燃焼ガス雰囲気中で当該基体の表面温度が600℃以上の条件で加熱処理して、前記基体の表面層内部に酸化チタン又はチタン合金酸化物からなる微細柱が林立している層を形成させ、次いで、熱応力、剪断応力及び引張力の少なくとも一つを与えて、該微細柱が林立している層を該表面層に沿う方向で切断させて形成したものであることを特徴とする原子炉構造材。
- 炭素ドープされた酸化チタン又はチタン合金酸化物からなる多機能層を表面の少なくとも一部に設けた防食用部材が導電可能に取り付けられており、前記多機能層が基体の表面に一体的に形成されたものであると共に該炭素がTi−C結合の状態で0.3〜15at%ドープされており、該基体の少なくとも表面層がチタン、チタン合金、チタン合金酸化物又は酸化チタンであることを特徴とする原子炉構造材。
- 請求項8において、前記基体は、チタン、チタン合金、チタン合金酸化物又は酸化チタンからなる表面部形成層と心材とからなり、該心材がチタン、チタン合金、酸化チタン及びチタン合金酸化物以外の材質であることを特徴とする原子炉構造材。
- 請求項8又は9において、前記多機能層のビッカース硬度が1000以上であることを特徴とする原子炉構造材。
- 請求項8〜10の何れかにおいて、前記多機能層は、前記基体の表面を、炭化水素を主成分とするガスの燃焼炎を用いて当該基体の表面温度が900〜1500℃となる条件で400秒以下の加熱時間だけ加熱処理するか、炭化水素を主成分とするガスの燃焼ガス雰囲気中で当該基体の表面温度が900〜1500℃となる条件で400秒以下の加熱時間だけ加熱処理して形成したものであることを特徴とする原子炉構造材。
- 少なくとも表面側がチタン、チタン合金、チタン合金酸化物又は酸化チタンからなる基体の表面の少なくとも一部に酸化チタン又はチタン合金酸化物からなる多数の突起部を有していると共に微細柱が林立しているものであり且つ該微細柱が炭素ドープされている多機能層を設けたものであり、前記微細柱にドープされた炭素がTi−C結合の状態で含まれている防食用部材が導電可能に取り付けられていることを特徴とする原子炉構造材。
- 請求項12において、前記基体は、チタン、チタン合金、チタン合金酸化物又は酸化チタンからなる表面部形成層と心材とからなり、該心材がチタン、チタン合金、酸化チタン及びチタン合金酸化物以外の材質であることを特徴とする原子炉構造材。
- 請求項1〜13の何れかの原子炉構造材が原子炉シュラウド、主蒸気ノズル、配管給水ノズル、炉心スプレーノズル、再循環出口ノズル、再循環入口ノズル、低圧注水ノズル、再循環ポンプ、母管、ヘッダ、ライザの少なくとも何れか1つであることを特徴とする原子炉構造材。
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