JP4622201B2 - Gas barrier laminate and gas barrier container - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙を基材とするガスバリア性積層体、およびパルプモールドを主体とするガスバリア性容器であり、特に高いガスバリア性を有しながら、パルプ繊維のリサイクル性および廃棄後の生分解性に優れたガスバリア性積層体およびガスバリア性容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に食品、トイレタリー関連製品、薬品、工業用品等の容器および包装材料には、内容物保護の目的でガスバリア性(酸素バリア性、水蒸気バリア性)が要求される場合がある。近年、環境意識の高まりから、紙容器や紙製の包装材料が幅広く使われ始めてきているが、紙素材には全くガスバリア性がないため、従来ガスバリア性材料と複合化して用いられるのが一般的であった。特に高いガスバリア性が要求される場合には、たとえば、紙基材に接着剤や溶融したポリオレフィン樹脂を介して、アルミ箔やアルミ蒸着或いは無機酸化物の蒸着フィルムを貼り合わせたりして使用されていた。
【0003】
しかしこれらのガスバリア性の紙積層体や紙容器は、焼却処理する場合には、焼却炉を傷めたり、焼却残査が多くなるといった問題が発生し、また再生紙としてリサイクルする場合には、フィルムを剥がす等の煩雑な操作が必要となるために、リサイクルされにくかった。また貼合したフィルムに生分解性がないために廃棄ゴミが長期間環境中に残存したりと、環境配慮型の素材である紙本来の特長が失われてしまっていた。
【0004】
また従来から紙に合成樹脂系の目止め剤をコーティングしたり、溶融状態のポリオレフィン系の樹脂をコーティングして、その上に直接無機酸化物等を蒸着処理することでガスバリア性の紙積層体を得る場合もあるが、ガスバリア性が不充分であったり、やはり紙の生分解性が阻害されたり、再生紙としてリサイクルしにくいといった問題があった。
【0005】
さらに紙容器の中でも、パルプ材料を湿式にて抄型上で吸引脱水後、乾燥炉或いは加熱金型内で乾燥することで製造されるパルプモールド容器は、形状の自由度が高く、また折り曲げ部分や貼り合わせ部分が無いため、付加価値の高い商品を提供することがきる。しかしパルプモールド容器はその複雑な三次元形状のために、ガスバリア層の形成が特に困難であった。またスプレーコートやディッピングコート等の手法を用いて目止め層を形成しても上述のような蒸着処理では、三次元形状の上に均一なガスバリア性の薄膜を形成することが極めて困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで我々は特願2000−102600号明細書にて、パルプモールドの表面にプラズマ重合による薄膜を形成してガスバリア性を付与したパルプモールド容器を提案している。プラズマ重合による薄膜、つまりプラズマ助成式CVD(化学的気相蒸着)にて薄膜を形成する場合、放電電極の形状をパルプモールド容器の形状に合わせて設計し、容器の内面または/および外面で安定したプラズマを発生させることで、三次元形状表面に均一な薄膜を形成することができる。この技術はシート上の紙基材に対しても同様に利用できるものである。
【0007】
紙基材やパルプモールド基材の表面はポーラスで不均一であるため、プラズマ重合による薄膜を形成する前に、基材表面に目止め層を形成する必要がある。
本発明は、目止め層の表面状態とプラズマ重合による薄膜とのマッチングをよくすることで、環境配慮型の素材として、紙の特長である生分解性、リサイクル性を損なうことなく、内容物保護のために要求される高いガスバリア性を備えたガスバリア性積層体およびガスバリア性容器を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、紙、あるいはパルプモールドのいずれかからなる基材の片面、あるいは両面に目止め層を介してプラズマ重合によるガスバリア性の薄膜が形成されており、該目止め層が、多糖類と下記一般式(1)に示されるシリカ化合物またはその加水分解物との複合材料を主成分とする層であることを特徴とするガスバリア性積層体である。
【0009】
【化2】

Figure 0004622201
【0010】
(式中X1、X2、X3、X4は、同一或いは相異なって、水酸基、アルコキシ基、アルキル基のいずれかであることを示す)
【0011】
請求項2の発明は、前記多糖類が、でんぷん或いは変成でんぷんであることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性積層体である。
【0012】
請求項3の発明は、前記多糖類が、部分脱アセチル化キチン或いはキトサンに、酸を作用させた部分脱アセチル化キチン塩或いはキトサン塩であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性積層体である。
【0013】
請求項4の発明は、前記多糖類が、セルロース誘導体であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性積層体である。
【0014】
請求項5の発明は、前記多糖類が、その構成単糖に少なくともグルクロン酸を含むことを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性積層体である。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア性積層体からなることを特徴とするガスバリア性容器である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
本発明はガスバリア性積層体と該ガスバリア性積層体からなるガスバリア性容器に関するものである。
図1は、本発明の一実施例として、紙基材の片面に目止め層を介してガスバリア性の薄膜を設けた構成を示した断面図である。本発明のガスバリア性積層体(1)は紙基材(2)の片面に目止め層(3)を介してプラズマ重合によるガスバリア性薄膜層(4)が形成されている。
図2は、前記ガスバリア性積層体からなるガスバリア性容器の一実施例を示す断面図である。
【0017】
本発明において、紙基材(2)は特に限定されるものではない。一般的な製紙材料として用いられる木材パルプ、非木材パルプ、古紙パルプ、および再生紙としてのリサイクル性、生分解性を損なわない範囲で樹脂パルプ等を原料として、適宜サイズ剤、紙力剤、填料、染料、顔料等の添加剤を添加して、多層或いは単層にて抄紙された米坪30g/m2程度の洋紙、和紙から、米坪1000g/m2程度まで或いはそれ以上の板紙までが用いられる。必要であれば、カレンダー、コーティング、含浸、印刷等の一般的な後処理が施されたもので構わない。さらには、前記と同様の抄紙原料および添加剤を用いて、三次元形状の抄型上に吸引脱水して抄き上げ、乾燥炉或いは加熱金型内で乾燥或いは加圧乾燥させたパルプモールド基材をも含むものである。但し紙およびパルプモールドの製造方法は前記に限定されるものではない。
【0018】
なお、目止め層が形成される側の紙基材表層は、緻密で、平滑であることが望ましい。基材表面(21)が緻密で平滑であることにより、目止め層(3)の必要厚みは低減し、無駄なコストアップを抑えるだけではなく、目止め層の表面状態が良好になり、その上に形成されるプラズマ重合によるガスバリア性薄膜(4)のガスバリア性も向上する。
【0019】
前記した良好な紙基材の表面状態を形成するには、材料面から原料パルプの叩解度を調整したり、樹脂パルプやアルコキシシランの加水分解物を主成分とする内添剤等を添加したり、或いは後処理として、カレンダー処理やコーティング処理等、公知の手法を用いて容易に得ることができる。またパルプモールド基材の場合は嵌合しあう雌雄型にて高圧プレス下で加熱乾燥したりすることによっても前記の良好な基材表面が得られる。
【0020】
一方、本発明のガスバリア性積層体およびガスバリア性容器の目止め層(3)としては、ガスバリア性薄膜(4)の高いガスバリア性を発現する為に、ピンホール無く表面が平滑で均一な耐水性のある連続膜であって、好ましくは表面が疎水性でプラズマ重合による薄膜とのマッチングが良いことが求められる。さらには、紙やパルプモールドの生分解性やリサイクル性を損なわない素材であることが求められる。従って本発明のガスバリア性積層体およびガスバリア性容器は、目止め層を形成するための目止め剤が、多糖類と下記一般式(化1)で示されるシリカ化合物またはその加水分解物との複合材料を主成分とすることを特徴としている。
【0021】
【化3】
Figure 0004622201
【0022】
(式中X1、X2、X3、X4は、同一或いは相異なって、水酸基、アルコキシ基、アルキル基のいずれかであることを示す)
【0023】
紙の主成分はセルロースであり、生分解性を有する材料の中でも多糖類は、最も紙とのなじみが良く、紙の生分解性およびリサイクル性の阻害要因となりにくい。但し、でんぷんや酸処理した部分脱アセチル化キチン、キトサンの塩、低置換度のセルロース誘導体等の水溶性多糖類単体を、紙基材上にコーティングしても、一部を除いて、その乾燥被膜には耐水性が無く、プラズマ重合による薄膜(4)を形成する上で、表面状態の良好な被膜が得られない。そこで本発明では、多糖類の生分解性を損なわない範囲で、以下に例示するシリカ化合物と複合化することで、造膜性、耐水性、表面の疎水性および薄膜との相性を向上させ、プラズマ重合によるガスバリア性薄膜(4)の高いガスバリア性を発現している。
【0024】
前記一般式(化1)で示されるシリカ化合物またはその加水分解物は、ゾルゲル反応を利用した、アルコキシシランの加水分解物の重縮合反応生成物として得られ、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、或いはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3,4−エポキシブチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシシル)エチルトリメトキシシラン等の炭素数1〜10の低級アルキル基を有するアルコキシシラン等のうちの一種或いは数種を用いて、酸を触媒としてアルコキシ基と等モル以上の水を加えて攪拌することでアルコキシ基を加水分解して、その後速やかに後述する多糖類溶液と混合して、紙基材上に塗工、乾燥することで、前記アルコキシシランの加水分解物の脱水或いは脱アルコール縮合によりシロキサン結合が生じ、多糖類成分と三次元的に絡み合った、シロキサンネットワークが形成される。これにより目止め層の造膜性、耐水性、表面性は飛躍的に向上する。
【0025】
ここで本発明に用いられる多糖類材料は、水溶性或いは水/アルコール等の混合溶液に可溶であるか、或いは均一に分散し、前記シリカ化合物と混合して乾燥被膜を形成し得るものであり、それ自体生分解性を有するものが用いられる。
【0026】
例えば、でんぷんは水を加え加熱溶解することで、最も安価かつ容易に用いることができる。また酸化でんぷん、エステル化でんぷん、ウロン酸化でんぷん等の既製の変成でんぷんも、生分解性と目止め層としての造膜性を満足しうる範囲において適用が可能である。
【0027】
また例えば、部分脱アセチル化キチン或いはキトサンを希酸中で溶解させた部分脱アセチル化キチン或いはキトサンの塩は、高濃度溶液としても割合粘度が低く、造膜性も良い為、目止め層の構成多等類として好ましい。ここでキトサンはN−アセチルグルコサミン残基からなるキチンの100%脱アセチル化物として得られるが、本発明において脱アセチル化度は必ずしも100%である必要は無く、つまり部分脱アセチル化キチンも適用が可能である。但し酸に対する十分な溶解性を確保する上で脱アセチル化度は50%以上であるのが好ましい。さらに、キトサン或いは部分脱アセチル化キチンのグルコサミン残基全てが塩を形成する必要は無く、より目止め層の表面状態および耐水性を上げるために、塩の形成はできるだけ少量であることが好ましく、全グルコサミン残基およびN−アセチルグルコサミン残基に対して、90mol%以下であることが望ましい。
【0028】
さらに多糖類材料として、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩、ヒドロキシプロピルセルロース、およびセロウロン酸、アミロウロン酸等のポリウロン酸類等の生分解性を有する多糖類誘導体も用いられる。
【0029】
さらには、特願2000−160103明細書に示される、N−オキシル化合物触媒により酸化した、グルクロン酸残基を構成単糖の1%以上60%以下含む改質微細セルロース等も本発明の多糖類材料として用いることができる。本改質微細セルロースは水溶性ではないものの、その水分散液を塗工すると、透明の耐水性、ガスバリア性を有する乾燥被膜が得られ、さらに前記のシリカ化合物と複合化することで、本発明の目止め層として特に好ましく用いることができる。
【0030】
ここで多糖類材料とシリカ化合物の混合比は、その材料により適宜調整されるべきものであるが、シリカ化合物の重縮合後の重量比で好ましくは1/0.1〜1/2、より好ましくは1/0.3〜1/1.5である。シリカ化合物の混合比が少ないと目止め層の耐水性、および表面性が得られにくく、逆にシリカ化合物の混合比が多いと目止め層が脆化し、クラック等の欠陥を生じやすく、また生分解性や紙のリサイクル性に影響が出る場合がある。
【0031】
なお目止め層(3)の形成方法としては、前記多糖類の溶液或いは分散液と、加水分解したアルコキシシランの混合液に、生分解性を損なわない範囲で、他の助剤成分を適宜添加し、前記紙基材表面(21)に、グラビアコート、バーコート、ダイコート、リップコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の手法により設けることができる。目止め層(3)の厚みとしては、基材の表面状態にもよるが、乾燥膜厚で1〜50μmが好ましい。1μm未満では紙基材表面の目止めが不充分となりやすく、高いガスバリア性が得られにくい。逆に50μmを超えると、前記したように無駄なコストアップとなったり、ガスバリア性の低下につながり好ましくない。
【0032】
プラズマ重合によるガスバリア性薄膜層(4)の形成は、基材(2)がシート状の場合は平行平板電極やドラム状の電極を用い、また基材(2)がパルプモールド基材等の三次元形状の場合はその形状に合わせた放電電極を作成して、以下に例示するモノマーガスを供給して、1〜10Pa程度の圧力下で電極に適当な電力を供給することにより、目止め層(3)を設けた基材(2)の目止め層表面(31)側に安定した放電プラズマを発生させて、所定時間処理することにより行われる。
【0033】
プラズマ重合により形成された薄膜の材質には特に制限はなく、たとえばシリカ系、フッ素系、炭素系等がある。その中でシリカ系は、プラズマ重合による薄膜の形成速度が速く、かつ比較的容易にできるため特に好ましい。また、前記シリカ系の薄膜に炭素原子を5%以上含有することにより、膜を通過する水蒸気透過度を低くすることができる。
【0034】
前記シリカ系薄膜の成膜に用いるモノマーとしては,1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン,ヘキサメチルジシロキサン,ビニルトリメチルシラン,メチルトリメトキシシラン,ヘキサメチルジシラン,メチルシラン,ジメチルシラン,トリメチルシラン,ジエチルシラン,プロピルシラン,フェニルシラン,ビニルトリエトキシシラン,ビニルトリメトキシシラン,テトラメトキシシラン,テトラエトキシシラン,フェニルトリメトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,オクタメチルシクロテトラシロキサン等の中から、目止め層(3)との相性や、求められるガスバリア性によって選択することができ,特に1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン,ヘキサメチルジシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサンが好ましい。ただし,これらに限定されるものではなくアミノシラン,シラザン等も用いることができる。いずれも液体である前記有機珪素化合物を気化させ、必要であれば酸素、二酸化炭素等の酸化力を有するガス、またアルゴンやヘリウム等の希ガスと混合して用いる。
【0035】
一方炭素系薄膜を重合するために用いられるモノマーとしては、例えばメタン,エタン,プロパン,ブタン,ペンタン,ヘキサン等のアルカン類,エチレン,プロピレン,ブテン,ペンテン,ブタジエン等のアルケン類,アセチレン等のアルキン類,ベンゼン,トルエン,キシレン,ナフタリン等の芳香族炭化水素類,シクロプロパン,シクロヘキサン等のシクロパラフィン類,シクロペンテン,シクロヘキセン等のシクロオレフィン類,一酸化炭素,二酸化炭素,メチルアルコール,エチルアルコール等の含酸素炭素化合物,メチルアミン,エチルアミン,アニリン等の含窒素炭素化合物等を使用することができる。またこれらのガス単独で使用しても良いが,アルゴンやヘリウム等の希ガスと混合して用いても良い。
【0036】
本発明のガスバリア性積層体およびガスバリア性容器は、図面には図示していないが、プラズマ重合による薄膜層(4)の上に、或いは基材層(2)の上に、保護コート層やヒートシール層、印刷層等を設けることが可能であり、さらに他の基材と貼り合わせることも可能である。さらにこれまで基材(2)の片面に目止め層(3)およびプラズマ重合による薄膜層(4)を形成した場合について詳述してきたが、基材の両面に目止め層、プラズマ重合による薄膜層を設けても構わない。また基材層としてパルプモールド基材を用いる場合、その形状に関しても、トレー、丼、ボトル形状等のパルプモールド成型が可能な形状であれば特に限定されるものではない。
【0037】
【実施例】
以下実施例により本発明のガスバリア性積層体およびガスバリア性容器を、詳しく説明する。
【0038】
300csfまで叩解した広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)を原料とし、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を乾燥パルプ重量当たり0.5%加え、0.4%濃度のパルプスラリーとした。このパルプスラリー4Lを雌型の抄型上に吸引脱水することでモールド中間体を得、嵌合しあうプレス型内で加熱乾燥して、図2に示すごとき、パルプモールド基材を得た。また紙基材としてコートボール(王子製紙製 UFコート)の310g/m2を用いた。
【0039】
<実施例1>
テトラエトキシシラン(以下TEOSと略す)とメチルトリエトキシシランの3/1混合物80gに0.05N−塩酸30gを加えて10時間攪拌し、加水分解溶液を得た。10%でんぷん水溶液70gと前記TEOSとメチルトリエトキシシランの加水分解溶液を混合して目止め剤とした。この目止め剤を前記紙基材のコート面上にバーコートし、約10μmの目止め層を設けた。さらに、ヘキサメチルジシロキサン(以下HMDSOと略す)をモノマーとして、酸素との混合雰囲気にて、目止め層の上にプラズマ重合により膜厚30nmのシリカ系の薄膜層を設け、実施例1のガスバリア性紙を得た。
【0040】
<実施例2>
0.5N−塩酸120gにキトサン10gを溶解し、アセトン中にてキトサン塩酸塩を析出させた。キトサン塩酸塩は、アセトンで余分な塩酸を洗浄し、再度水に溶解し、10%キトサン塩酸塩水溶液とした。この10%キトサン塩酸塩水溶液70gと、実施例1と同様に作成したTEOSとメチルトリエトキシシランの加水分解溶液を混合して目止め剤とした。この目止め剤を前記紙基材のコート面上にバーコートし、約10μmの目止め層を設けた。以下実施例1と同様にしてシリカ系の薄膜層を設け、実施例2のガスバリア性紙を得た。
【0041】
<実施例3>
平均粒径3μmの市販ペースト状微結晶セルロースの絶乾重量10gに、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンN−オキシル0.125g、臭化ナトリウム1.25gを溶解させた水溶液を加え、セルロース濃度が1.3%になるように調製した。反応温度を5℃とし、5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液100mlを加えて酸化反応を開始し、系内のpHは0.5N−水酸化ナトリウム水溶液にて常に10.8付近に調整した。1日後反応を停止し、水またはアルコールにて洗浄して、10%の改質微細セルロースペーストを得た。この改質微細セルロースは、その構成単糖であるグルコースの60%がグルクロン酸に変換されていた。
10%改質微細セルロースペースト70gに、実施例1と同様に作成したTEOSとメチルトリエトキシシランの加水分解溶液を混合して目止め剤とした。この目止め剤を前記紙基材のコート面上にバーコートし、約10μmの目止め層を設けた。以下実施例1と同様にしてシリカ系の薄膜層を設け、実施例3のガスバリア性紙を得た。
【0042】
<比較例1>
目止め剤として10%でんぷん水溶液を用いたこと以外は、前記実施例1と同様に目止め層およびシリカ系の薄膜層を設け、比較例1のガスバリア性紙を得た。
【0043】
<比較例2>
目止め剤として実施例2にて作成した10%キトサン塩酸塩水溶液を用いたこと以外は、前記実施例2と同様に目止め層およびシリカ系の薄膜層を設け、比較例2のガスバリア性紙を得た。
【0044】
<比較例3>
実施例3にて作成した10%改質微細セルロースペーストを目止め剤として用いた以外、前記実施例3と同様に目止め層およびシリカ系の薄膜層を設け、比較例3のガスバリア性紙を得た。
【0045】
<比較例4>
目止め剤として、市販のフェノール樹脂系コーティング剤を用い、p−トルエンスルホン酸を硬化剤として、前記紙基材のコート面上にバーコートし、約10μmの目止め層を設けた。さらに、HMDSOをモノマーとして、酸素との混合雰囲気にて、目止め層の上にプラズマ重合により膜厚30nmのシリカ系の薄膜層を設け、比較例4のガスバリア性紙を得た。
【0046】
前記実施例1〜3および比較例1〜4のガスバリア性紙について、JIS Z0208(防湿包装材料の透湿度試験方法)に従い、透湿度を測定した。測定結果を表1に示す。実施例1〜3および比較例4のガスバリア性紙は高い水蒸気バリア性が認められるが、比較例1〜3では殆ど水蒸気バリア性が出ていなかった。
【0047】
また、ガスバリア性の高かった実施例1〜3および比較例4のガスバリア性紙を畑土壌中深さ10cmのところに埋設し、分解の状態を観察した。実施例1〜3のガスバリア性紙は、5ヶ月後には試料の崩壊が確認され、1年後には、試料の回収ができないまでに分解していた。一方比較例4のガスバリア性紙は、一部紙層の崩壊が見られるものの、1年後でもシート状のまま残存していた。パルプ繊維の主成分であるセルロースは本来生分解性の素材であるが、生分解性を持たない樹脂層により、細かくばらけることができず、セルロースを分解する微生物と十分に接触することができずに、分解せず環境中に残存したものと考えられる。
【0048】
さらに、前記実施例1〜3および比較例4のガスバリア性紙について、一般的な古紙回収ラインに乗せることを想定して、以下のリサイクル性の評価を行った。
3cm角に切った試料20gを、80℃の2%水酸化ナトリウム水溶液1Lに入れ、小型離解機(テスター産業(株)製)にて3分間離解して、上層の浮遊物を分離し、水洗後、手抄抄紙機にて手抄紙を作成した。その状態とパルプ繊維の回収率を計算したところ、比較例4では大きなフィルム片が混在し、パルプ繊維の回収率も60%と低かった。一方実施例1〜3のガスバリア性紙は、いずれもきれいな再生紙が抄紙でき、繊維の回収率も80%以上であった。
【0049】
【表1】
Figure 0004622201
【0050】
<実施例4>
前記実施例2で作成した目止め剤を用い、前記パルプモールド基材の内面にスプレーコートし、約20μmの目止め層を設けた。さらに、HMDSOをモノマーとして、酸素との混合雰囲気にて、容器内面にプラズマ重合により膜厚30nmのシリカ系の薄膜層を設け、実施例4のガスバリア性容器を得た。
【0051】
<実施例5>
前記実施例3で作成した目止め剤を用い、前記パルプモールド基材の内面にスプレーコートし、約20μmの目止め層を設けた。さらに、HMDSOをモノマーとして、酸素との混合雰囲気にて、容器内面にプラズマ重合により膜厚30nmのシリカ系の薄膜層を設け、実施例5のガスバリア性容器を得た。
【0052】
<比較例5>
目止め剤として前記実施例2にて作成した10%キトサン塩酸塩水溶液を用いたこと以外は、前記実施例4と同様に目止め層およびシリカ系の薄膜層を設け、比較例5のガスバリア性容器を得た。
【0053】
<比較例6>
目止め剤として前記実施例3にて作成した10%改質微細セルロースペーストを用いたこと以外は、前記実施例5と同様に目止め層およびシリカ系の薄膜層を設け、比較例6のガスバリア性容器を得た。
【0054】
<比較例7>
目止め剤として、市販のフェノール樹脂系コーティング剤を用い、p−トルエンスルホン酸を硬化剤として、前記パルプモールド基材の内面にスプレーコートし、約20μmの目止め層を設けた。さらに、HMDSOをモノマーとして、酸素との混合雰囲気にて、容器内面にプラズマ重合により膜厚30nmのシリカ系の薄膜層を設け、比較例7のガスバリア性容器を得た。
【0055】
前記実施例4〜5、比較例5〜7の容器の開口部にヒートシールラッカーを塗布し、塩化カルシウムを30g充填して、アルミ箔入りラミネートフィルムを容器開口部にヒートシールして密閉した。これらを40℃90%RHの環境下に保存し、重量増加から容器の透湿度を求めた。測定結果を表2に示す。
【0056】
また、前記実施例4〜5、比較例5〜7の容器の開口部に、キャリアーガスの導入管と排出管を接続した金属板を、ガス漏れの無いように接着剤で貼り付け、酸素透過度測定装置(モダンコントロール製 OXTRAN10/50)を用いて容器の酸素透過度を求めた。測定結果を表2に示す。実施例5〜6および比較例7のガスバリア性容器は、水蒸気、酸素ともに高いバリア性を有し、食品やトイレタリー製品、薬品等の容器として内容物保護性が高いことが示された。
【0057】
さらに、ガスバリア性の高かった実施例4〜5および比較例7のガスバリア性容器について、畑土壌中深さ10cmのところに埋設し、分解の状態を観察した。実施例4〜5のガスバリア性容器は、5ヶ月後には試料の崩壊が確認され、1年後には、試料の回収ができないまでに分解していた。一方比較例7のガスバリア性容器は、前記比較例4のガスバリア性紙同様に、1年後でも容器形状のまま残存していた。
【0058】
さらに、前記実施例4〜5および比較例7のガスバリア性容器について、前記したリサイクル性の評価を行った。比較例7では大きなフィルム片が混在し、パルプ繊維の回収率も60%と低かったのに対し、実施例4〜5のガスバリア性容器ではきれいな再生紙が抄紙でき、繊維の回収率も80%以上と、本発明のガスバリア性容器はリサイクル性にも優れることが示された。
【0059】
【表2】
Figure 0004622201
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係わるガスバリア性積層体は、高いガスバリア性を有しながら、紙の特長である生分解性を有し、再生紙として容易にリサイクルできることから、環境負荷が少なく、工程ロスや使用後のゴミの再資源化も可能である。また本発明のガスバリア性容器は、形状の自由度が高く、内容物保護の為に要求される高いガスバリアー性を備え、かつ生分解性、再生紙としてリサイクル性に優れることから、紙容器としての用途を拡大し、かつ包装容器ゴミのリサイクルおよびコンポスト化を推進することが可能であり、循環型社会構築に大いに貢献できる。
【0061】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例として紙基材の片面に目止め層を介してガスバリア性の薄膜を設けた構成を示した断面図である。
【図2】本発明の一実施例としてガスバリア性容器の形態を示した断面図である。
【符号の説明】
1 ガスバリア性積層体ガスバリア性容器
2 紙又はパルプモールド基材
21 紙又はパルプモールド基材表面
3 目止め層
31 目止め層表面
4 プラズマ重合によるガスバリア性薄膜層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is a gas-barrier laminate based on paper and a gas-barrier container mainly composed of a pulp mold, and has a particularly high gas-barrier property while being capable of recycling pulp fibers and biodegradability after disposal. The present invention relates to an excellent gas barrier laminate and a gas barrier container.
[0002]
[Prior art]
In general, containers and packaging materials for food, toiletry-related products, medicines, industrial products, and the like may be required to have gas barrier properties (oxygen barrier properties, water vapor barrier properties) for the purpose of content protection. In recent years, paper containers and packaging materials made of paper have begun to be widely used due to growing environmental awareness. However, paper materials have no gas barrier properties, so they are generally used in combination with conventional gas barrier materials. It was the target. When particularly high gas barrier properties are required, it is used, for example, by bonding an aluminum foil, an aluminum vapor-deposited film or an inorganic oxide vapor-deposited film to a paper base material via an adhesive or a molten polyolefin resin. It was.
[0003]
However, these gas-barrier paper laminates and paper containers have problems such as damage to the incinerator or increased incineration residue when incinerated, and when recycled as recycled paper, film It is difficult to be recycled because it requires a complicated operation such as peeling off. In addition, because the laminated film is not biodegradable, waste trash remains in the environment for a long time, and the original features of paper, an environmentally friendly material, have been lost.
[0004]
Conventionally, a paper laminate having a gas barrier property can be obtained by coating a synthetic resin-based sealing agent on paper or coating a molten polyolefin-based resin, and directly depositing an inorganic oxide or the like on it. In some cases, the gas barrier property is insufficient, the biodegradability of the paper is hindered, and it is difficult to recycle the recycled paper.
[0005]
In addition, among paper containers, pulp mold containers manufactured by sucking and dehydrating pulp material on paper making in a wet process and then drying in a drying furnace or heating mold have a high degree of freedom in shape and have bent parts. Since there is no bonding part, it is possible to provide products with high added value. However, the pulp mold container is particularly difficult to form a gas barrier layer due to its complicated three-dimensional shape. Further, even if the sealing layer is formed by using a technique such as spray coating or dipping coating, it is extremely difficult to form a uniform gas barrier thin film on the three-dimensional shape by the above-described vapor deposition treatment. .
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, in Japanese Patent Application No. 2000-102600, we have proposed a pulp mold container in which a thin film by plasma polymerization is formed on the surface of a pulp mold to provide gas barrier properties. When forming a thin film by plasma polymerization, that is, plasma-assisted CVD (chemical vapor deposition), the discharge electrode is designed to match the shape of the pulp mold container and stable on the inner surface and / or outer surface of the container. By generating the generated plasma, a uniform thin film can be formed on the surface of the three-dimensional shape. This technique can be similarly applied to a paper substrate on a sheet.
[0007]
Since the surface of a paper base material or a pulp mold base material is porous and non-uniform, it is necessary to form a sealing layer on the surface of the base material before forming a thin film by plasma polymerization.
The present invention improves the matching between the surface state of the sealing layer and the thin film by plasma polymerization, and protects the contents as an environmentally friendly material without sacrificing the biodegradability and recyclability that are the features of paper. An object of the present invention is to provide a gas barrier laminate and a gas barrier container having high gas barrier properties required for the purpose.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In the invention of claim 1, a gas barrier thin film by plasma polymerization is formed on one side or both sides of a base material made of paper or pulp mold via a sealing layer, and the sealing layer is A gas barrier laminate comprising a composite material of a polysaccharide and a silica compound represented by the following general formula (1) or a hydrolyzate thereof as a main component.
[0009]
[Chemical 2]
Figure 0004622201
[0010]
(Where X 1 , X 2 , X Three , X Four Are the same or different and each represents a hydroxyl group, an alkoxy group, or an alkyl group)
[0011]
The invention according to claim 2 is the gas barrier laminate according to claim 1, wherein the polysaccharide is starch or modified starch.
[0012]
The invention according to claim 3 is the gas barrier property according to claim 1, wherein the polysaccharide is a partially deacetylated chitin salt or chitosan salt obtained by allowing an acid to act on partially deacetylated chitin or chitosan. It is a laminate.
[0013]
The invention according to claim 4 is the gas barrier laminate according to claim 1, wherein the polysaccharide is a cellulose derivative.
[0014]
The invention according to claim 5 is the gas barrier laminate according to claim 1, wherein the polysaccharide contains at least glucuronic acid in its constituent monosaccharide.
[0015]
A sixth aspect of the present invention is a gas barrier container comprising the gas barrier laminate according to any one of the first to fifth aspects.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
The present invention relates to a gas barrier laminate and a gas barrier container comprising the gas barrier laminate.
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a configuration in which a gas barrier thin film is provided on one side of a paper substrate through a sealing layer as an embodiment of the present invention. In the gas barrier laminate (1) of the present invention, a gas barrier thin film layer (4) by plasma polymerization is formed on one side of a paper substrate (2) through a sealing layer (3).
FIG. 2 is a cross-sectional view showing an embodiment of a gas barrier container made of the gas barrier laminate.
[0017]
In the present invention, the paper substrate (2) is not particularly limited. Wood pulp, non-wood pulp, used paper pulp used as a general papermaking material, and resin pulp, etc. as raw materials within the range that does not impair recyclability and biodegradability as recycled paper, sizing agent, paper strength agent, filler , 30g / m of rice tsubo made with multi-layer or single-layer paper by adding additives such as dyes and pigments 2 From about Western paper and Japanese paper, 1000g / m2 2 Paperboard up to the extent or more is used. If necessary, it may be subjected to general post-treatments such as calendering, coating, impregnation and printing. Furthermore, using the same papermaking raw materials and additives as described above, a pulp mold base is formed by sucking and dewatering onto a three-dimensional shape of papermaking, and drying or pressure drying in a drying furnace or heating mold. It also includes materials. However, the manufacturing method of paper and a pulp mold is not limited to the above.
[0018]
Note that the paper substrate surface layer on the side where the sealing layer is formed is desirably dense and smooth. Since the base material surface (21) is dense and smooth, the required thickness of the sealing layer (3) is reduced, and not only the wasteful cost increase is suppressed, but the surface state of the sealing layer is improved. The gas barrier property of the gas barrier thin film (4) formed thereon by plasma polymerization is also improved.
[0019]
In order to form the surface state of the above-mentioned good paper substrate, the beating degree of the raw material pulp is adjusted from the material side, or an internal additive mainly composed of a resin pulp or an alkoxysilane hydrolyzate is added. Or as post-processing, it can obtain easily using well-known methods, such as a calendar process and a coating process. Moreover, in the case of a pulp mold base material, the said favorable base-material surface is obtained also by carrying out the heat drying under a high pressure press with the male and female type | mold which fits.
[0020]
On the other hand, as the sealing layer (3) of the gas barrier laminate and gas barrier container of the present invention, the gas barrier thin film (4) exhibits a high gas barrier property, and thus has a smooth and uniform surface without pinholes. It is required that the surface is hydrophobic and the matching with a thin film by plasma polymerization is good. Furthermore, it is required that the material does not impair the biodegradability and recyclability of paper and pulp mold. Therefore, in the gas barrier laminate and the gas barrier container according to the present invention, the filler for forming the filler layer is a composite of a polysaccharide and a silica compound represented by the following general formula (Formula 1) or a hydrolyzate thereof. It is characterized by having a material as a main component.
[0021]
[Chemical 3]
Figure 0004622201
[0022]
(Where X 1 , X 2 , X Three , X Four Are the same or different and each represents a hydroxyl group, an alkoxy group, or an alkyl group)
[0023]
The main component of paper is cellulose, and among the biodegradable materials, polysaccharides are most familiar with paper, and are unlikely to be a hindrance to paper biodegradability and recyclability. However, water-soluble polysaccharides such as starch, acid-treated partially deacetylated chitin, chitosan salts, and low-substituted cellulose derivatives may be coated on a paper substrate, but some of them may be dried. The film does not have water resistance, and a film having a good surface condition cannot be obtained when the thin film (4) is formed by plasma polymerization. Therefore, in the present invention, in a range that does not impair the biodegradability of the polysaccharide, by combining with the silica compound exemplified below, the film-forming property, water resistance, surface hydrophobicity and compatibility with the thin film are improved, The high gas barrier property of the gas barrier thin film (4) by plasma polymerization is expressed.
[0024]
The silica compound represented by the general formula (Chemical Formula 1) or a hydrolyzate thereof is obtained as a polycondensation reaction product of an alkoxysilane hydrolyzate using a sol-gel reaction. For example, tetramethoxysilane, tetraethoxysilane Or methyltrimethoxysilane, methyltriethoxysilane, ethyltrimethoxysilane, ethyltriethoxysilane, vinyltrimethoxysilane, vinyltriethoxysilane, phenyltrimethoxysilane, phenyltriethoxysilane, 3-glycidoxypropyltrimethoxy Having a lower alkyl group having 1 to 10 carbon atoms such as silane, 3-glycidoxypropyltriethoxysilane, 3,4-epoxybutyltrimethoxysilane, 2- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltrimethoxysilane Alkoxy Using one or several of the above, etc., using an acid as a catalyst, the alkoxy group is hydrolyzed by adding equimolar or more water and stirring, and then immediately mixed with the polysaccharide solution described later. Then, by coating and drying on a paper substrate, a siloxane bond is formed by dehydration or dealcoholization condensation of the alkoxysilane hydrolyzate, and a siloxane network is formed in which the polysaccharide component is entangled three-dimensionally. Is done. Thereby, the film-forming property, water resistance, and surface property of the sealing layer are dramatically improved.
[0025]
Here, the polysaccharide material used in the present invention is water-soluble or soluble in a mixed solution such as water / alcohol, or can be uniformly dispersed and mixed with the silica compound to form a dry film. Yes, those that are biodegradable themselves are used.
[0026]
For example, starch can be used most inexpensively and easily by adding water and dissolving it by heating. Also, ready-made modified starches such as oxidized starch, esterified starch, and uronic oxidized starch can be applied within a range where the biodegradability and the film-forming property as a sealing layer can be satisfied.
[0027]
Also, for example, partially deacetylated chitin or chitosan salt in which partially deacetylated chitin or chitosan is dissolved in dilute acid has a low ratio viscosity and good film-forming property even in a high concentration solution. Preferred as a configuration class. Here, chitosan is obtained as a 100% deacetylated product of chitin consisting of N-acetylglucosamine residues, but in the present invention, the degree of deacetylation is not necessarily 100%, that is, partially deacetylated chitin is also applicable. Is possible. However, the degree of deacetylation is preferably 50% or more in order to ensure sufficient solubility in acid. Furthermore, it is not necessary for all glucosamine residues of chitosan or partially deacetylated chitin to form a salt, and in order to increase the surface state and water resistance of the sealing layer, it is preferable that the formation of salt is as small as possible, It is desirable that it is 90 mol% or less with respect to all the glucosamine residues and N-acetylglucosamine residues.
[0028]
Furthermore, as polysaccharide materials, for example, biodegradable polysaccharide derivatives such as methylcellulose, carboxymethylcellulose sodium salt, carboxymethylcellulose ammonium salt, hydroxypropylcellulose, and polyuronic acids such as ceurouronic acid and amylouronic acid are also used.
[0029]
Furthermore, the modified fine cellulose or the like, which is oxidized by an N-oxyl compound catalyst and contains 1 to 60% of the constituent monosaccharides as shown in the specification of Japanese Patent Application No. 2000-160103, is also included in the polysaccharide of the present invention. It can be used as a material. Although the modified fine cellulose is not water-soluble, when the aqueous dispersion is applied, a dry film having a transparent water resistance and gas barrier property is obtained, and further combined with the silica compound, the present invention. It can be particularly preferably used as a sealing layer.
[0030]
Here, the mixing ratio of the polysaccharide material and the silica compound should be appropriately adjusted depending on the material, but is preferably 1 / 0.1 to 1/2, more preferably the weight ratio after polycondensation of the silica compound. Is 1 / 0.3 to 1 / 1.5. If the mixing ratio of the silica compound is small, it is difficult to obtain the water resistance and surface properties of the sealing layer. Conversely, if the mixing ratio of the silica compound is large, the sealing layer becomes brittle and easily causes defects such as cracks. Degradability and paper recyclability may be affected.
[0031]
As a method for forming the sealing layer (3), other auxiliary components are appropriately added to the mixed solution of the polysaccharide solution or dispersion and the hydrolyzed alkoxysilane as long as the biodegradability is not impaired. The paper substrate surface (21) can be provided by a known method such as gravure coating, bar coating, die coating, lip coating, dip coating, or spray coating. The thickness of the sealing layer (3) is preferably 1 to 50 μm in terms of dry film thickness, although it depends on the surface state of the substrate. If it is less than 1 μm, the surface of the paper base material tends to be insufficiently sealed, and high gas barrier properties are difficult to obtain. On the other hand, if it exceeds 50 μm, it is not preferable because it leads to a wasteful cost increase as described above and a decrease in gas barrier properties.
[0032]
Formation of the gas barrier thin film layer (4) by plasma polymerization uses a parallel plate electrode or a drum-shaped electrode when the substrate (2) is a sheet, and the substrate (2) is a tertiary material such as a pulp mold substrate. In the case of the original shape, a discharge electrode is prepared according to the shape, the monomer gas exemplified below is supplied, and an appropriate power is supplied to the electrode under a pressure of about 1 to 10 Pa, whereby the sealing layer Stable discharge plasma is generated on the sealing layer surface (31) side of the base material (2) provided with (3), and the treatment is performed for a predetermined time.
[0033]
The material of the thin film formed by plasma polymerization is not particularly limited, and examples thereof include silica-based, fluorine-based, and carbon-based materials. Among them, the silica type is particularly preferable because the formation rate of a thin film by plasma polymerization is high and it can be relatively easily performed. Moreover, the water-vapor permeability which passes a film | membrane can be made low by containing 5% or more of carbon atoms in the said silica type thin film.
[0034]
Monomers used for forming the silica-based thin film include 1,1,3,3-tetramethyldisiloxane, hexamethyldisiloxane, vinyltrimethylsilane, methyltrimethoxysilane, hexamethyldisilane, methylsilane, dimethylsilane, Trimethylsilane, diethylsilane, propylsilane, phenylsilane, vinyltriethoxysilane, vinyltrimethoxysilane, tetramethoxysilane, tetraethoxysilane, phenyltrimethoxysilane, methyltriethoxysilane, octamethylcyclotetrasiloxane, etc. It can be selected depending on the compatibility with the sealing layer (3) and the required gas barrier properties. In particular, 1,1,3,3-tetramethyldisiloxane, hexamethyldisiloxane, octamethylcyclotetrasiloxane Preferred. However, it is not limited to these, and aminosilane, silazane, etc. can also be used. In any case, the organosilicon compound which is a liquid is vaporized, and if necessary, mixed with a gas having an oxidizing power such as oxygen or carbon dioxide, or a rare gas such as argon or helium.
[0035]
On the other hand, examples of monomers used for polymerizing carbon thin films include alkanes such as methane, ethane, propane, butane, pentane and hexane, alkenes such as ethylene, propylene, butene, pentene and butadiene, and alkynes such as acetylene. , Aromatic hydrocarbons such as benzene, toluene, xylene and naphthalene, cycloparaffins such as cyclopropane and cyclohexane, cycloolefins such as cyclopentene and cyclohexene, carbon monoxide, carbon dioxide, methyl alcohol, ethyl alcohol, etc. Oxygen-containing carbon compounds, nitrogen-containing carbon compounds such as methylamine, ethylamine, and aniline can be used. These gases may be used alone, or may be used by mixing with a rare gas such as argon or helium.
[0036]
Although the gas barrier laminate and the gas barrier container of the present invention are not shown in the drawings, the protective coating layer and the heat are formed on the thin film layer (4) by plasma polymerization or on the base material layer (2). A seal layer, a print layer, or the like can be provided, and can be bonded to another base material. Further, the case where the sealing layer (3) and the thin film layer (4) by plasma polymerization are formed on one side of the base material (2) has been described in detail so far. The sealing layer and the thin film by plasma polymerization are formed on both sides of the base material. A layer may be provided. Moreover, when using a pulp mold base material as a base material layer, the shape is not particularly limited as long as it is a shape capable of forming a pulp mold such as a tray, a basket, or a bottle shape.
[0037]
【Example】
The gas barrier laminate and gas barrier container of the present invention will be described in detail below with reference to examples.
[0038]
Hardwood bleached kraft pulp (LBKP) beaten to 300 csf was used as a raw material, and alkyl ketene dimer (AKD) was added as a sizing agent in an amount of 0.5% per dry pulp weight to obtain a pulp slurry having a concentration of 0.4%. The pulp slurry 4L was sucked and dehydrated on a female papermaking mold to obtain a mold intermediate, which was then heated and dried in a press mold that fits together to obtain a pulp mold substrate as shown in FIG. In addition, 310 g / m of coated balls (UF coat made by Oji Paper) as a paper base material 2 Was used.
[0039]
<Example 1>
30 g of 0.05N hydrochloric acid was added to 80 g of a 3/1 mixture of tetraethoxysilane (hereinafter abbreviated as TEOS) and methyltriethoxysilane and stirred for 10 hours to obtain a hydrolyzed solution. A sealant was prepared by mixing 70 g of a 10% starch aqueous solution and a hydrolyzed solution of TEOS and methyltriethoxysilane. This sealant was bar-coated on the coated surface of the paper substrate to provide a seal layer of about 10 μm. Furthermore, the gas barrier of Example 1 was prepared by providing a 30-nm-thick silica-based thin film layer by plasma polymerization on the filler layer in a mixed atmosphere with oxygen using hexamethyldisiloxane (hereinafter abbreviated as HMDSO) as a monomer. Sex paper was obtained.
[0040]
<Example 2>
10 g of chitosan was dissolved in 120 g of 0.5N hydrochloric acid, and chitosan hydrochloride was precipitated in acetone. Chitosan hydrochloride was washed with excess hydrochloric acid with acetone and dissolved again in water to obtain a 10% chitosan hydrochloride aqueous solution. 70 g of this 10% chitosan hydrochloride aqueous solution was mixed with a hydrolyzed solution of TEOS and methyltriethoxysilane prepared in the same manner as in Example 1 to obtain a sealant. This sealant was bar-coated on the coated surface of the paper substrate to provide a seal layer of about 10 μm. A silica-based thin film layer was provided in the same manner as in Example 1 to obtain a gas barrier paper of Example 2.
[0041]
<Example 3>
An aqueous solution in which 0.125 g of 2,2,6,6-tetramethyl-1-piperidine N-oxyl and 1.25 g of sodium bromide are dissolved in 10 g of an absolutely dry weight of a commercially available pasty microcrystalline cellulose having an average particle size of 3 μm. And the cellulose concentration was adjusted to 1.3%. The reaction temperature was 5 ° C., 100 ml of 5% aqueous sodium hypochlorite solution was added to initiate the oxidation reaction, and the pH in the system was always adjusted to around 10.8 with a 0.5N aqueous sodium hydroxide solution. After 1 day, the reaction was stopped and washed with water or alcohol to obtain a 10% modified fine cellulose paste. In this modified fine cellulose, 60% of glucose, which is a constituent monosaccharide, was converted to glucuronic acid.
A hydrolyzed solution of TEOS and methyltriethoxysilane prepared in the same manner as in Example 1 was mixed with 70 g of 10% modified fine cellulose paste to obtain a sealant. This sealant was bar-coated on the coated surface of the paper substrate to provide a seal layer of about 10 μm. Thereafter, a silica-based thin film layer was provided in the same manner as in Example 1 to obtain a gas barrier paper of Example 3.
[0042]
<Comparative Example 1>
A gas barrier paper of Comparative Example 1 was obtained by providing a sealing layer and a silica-based thin film layer in the same manner as in Example 1 except that a 10% starch aqueous solution was used as a sealing agent.
[0043]
<Comparative Example 2>
A gas barrier paper of Comparative Example 2 was prepared by providing a sealing layer and a silica-based thin film layer as in Example 2 except that the 10% chitosan hydrochloride aqueous solution prepared in Example 2 was used as a sealing agent. Got.
[0044]
<Comparative Example 3>
A gas barrier paper of Comparative Example 3 was prepared by providing a sealing layer and a silica-based thin film layer in the same manner as in Example 3 except that the 10% modified fine cellulose paste prepared in Example 3 was used as a sealing agent. Obtained.
[0045]
<Comparative example 4>
A commercially available phenolic resin-based coating agent was used as a sealing agent, and bar coating was performed on the coated surface of the paper base material using p-toluenesulfonic acid as a curing agent to provide a sealing layer of about 10 μm. Further, a silica-based thin film layer having a film thickness of 30 nm was provided on the sealing layer by plasma polymerization in a mixed atmosphere with oxygen using HMDSO as a monomer, and the gas barrier paper of Comparative Example 4 was obtained.
[0046]
For the gas barrier papers of Examples 1 to 3 and Comparative Examples 1 to 4, moisture permeability was measured according to JIS Z0208 (moisture-proof packaging material moisture permeability test method). The measurement results are shown in Table 1. The gas barrier papers of Examples 1 to 3 and Comparative Example 4 showed high water vapor barrier properties, but Comparative Examples 1 to 3 showed almost no water vapor barrier properties.
[0047]
Further, the gas barrier papers of Examples 1 to 3 and Comparative Example 4 having high gas barrier properties were embedded at a depth of 10 cm in the field soil, and the state of decomposition was observed. The gas barrier papers of Examples 1 to 3 were confirmed to have collapsed after 5 months, and were degraded after 1 year until the samples could not be collected. On the other hand, the gas barrier paper of Comparative Example 4 remained in a sheet form even after one year, although some paper layers collapsed. Cellulose, the main component of pulp fiber, is inherently a biodegradable material, but it cannot be separated finely by a resin layer that does not have biodegradability, and can fully contact with microorganisms that degrade cellulose. Without being decomposed, it is thought that it remained in the environment.
[0048]
Furthermore, the following recyclability was evaluated on the assumption that the gas barrier papers of Examples 1 to 3 and Comparative Example 4 were put on a general waste paper collection line.
20 g of a sample cut into a 3 cm square is placed in 1 L of a 2% aqueous sodium hydroxide solution at 80 ° C. and disaggregated for 3 minutes with a small disaggregator (manufactured by Tester Sangyo Co., Ltd.) to separate the upper layer suspended matter Later, hand paper was made with a hand paper machine. When the state and the recovery rate of pulp fiber were calculated, in Comparative Example 4, large film pieces were mixed, and the recovery rate of pulp fiber was as low as 60%. On the other hand, all of the gas barrier papers of Examples 1 to 3 were able to produce clean recycled paper, and the fiber recovery rate was 80% or more.
[0049]
[Table 1]
Figure 0004622201
[0050]
<Example 4>
Using the sealing agent prepared in Example 2, spray coating was performed on the inner surface of the pulp mold base material to provide a sealing layer of about 20 μm. Furthermore, a silica-based thin film layer having a film thickness of 30 nm was provided on the inner surface of the container by plasma polymerization in a mixed atmosphere with oxygen using HMDSO as a monomer to obtain a gas barrier container of Example 4.
[0051]
<Example 5>
Using the sealing agent prepared in Example 3, spray coating was performed on the inner surface of the pulp mold substrate to provide a sealing layer of about 20 μm. Further, a gas-based container of Example 5 was obtained by providing a 30 nm-thick silica-based thin film layer by plasma polymerization on the inner surface of the container in a mixed atmosphere with oxygen using HMDSO as a monomer.
[0052]
<Comparative Example 5>
Except for using the 10% chitosan hydrochloride aqueous solution prepared in Example 2 as a sealing agent, a sealing layer and a silica-based thin film layer were provided in the same manner as in Example 4, and the gas barrier property of Comparative Example 5 A container was obtained.
[0053]
<Comparative Example 6>
A gas barrier of Comparative Example 6 was prepared by providing a sealing layer and a silica-based thin film layer as in Example 5 except that the 10% modified fine cellulose paste prepared in Example 3 was used as a sealing agent. Sex container was obtained.
[0054]
<Comparative Example 7>
A commercially available phenolic resin-based coating agent was used as a sealing agent, and p-toluenesulfonic acid was used as a curing agent, and spray coating was performed on the inner surface of the pulp mold substrate to provide a sealing layer of about 20 μm. Further, a gas-based container of Comparative Example 7 was obtained by providing a silica-based thin film layer having a film thickness of 30 nm by plasma polymerization on the inner surface of the container in a mixed atmosphere with oxygen using HMDSO as a monomer.
[0055]
A heat seal lacquer was applied to the openings of the containers of Examples 4 to 5 and Comparative Examples 5 to 7, filled with 30 g of calcium chloride, and a laminate film containing aluminum foil was heat sealed to the container openings and sealed. These were stored in an environment of 40 ° C. and 90% RH, and the moisture permeability of the container was determined from the weight increase. The measurement results are shown in Table 2.
[0056]
In addition, a metal plate in which a carrier gas introduction pipe and a discharge pipe are connected to the openings of the containers of Examples 4 to 5 and Comparative Examples 5 to 7 is attached with an adhesive so that there is no gas leakage, and oxygen permeation is performed. The oxygen permeability of the container was determined using a degree measuring device (OXTRAN 10/50 manufactured by Modern Control). The measurement results are shown in Table 2. The gas barrier containers of Examples 5 to 6 and Comparative Example 7 have a high barrier property for both water vapor and oxygen, and are shown to have high content protection as containers for food, toiletry products, chemicals, and the like.
[0057]
Further, the gas barrier containers of Examples 4 to 5 and Comparative Example 7 having high gas barrier properties were embedded at a depth of 10 cm in the field soil, and the state of decomposition was observed. The gas barrier containers of Examples 4 to 5 were confirmed to be broken down after 5 months, and after 1 year, they were broken down until the sample could not be collected. On the other hand, like the gas barrier paper of Comparative Example 4, the gas barrier container of Comparative Example 7 remained in the container shape even after one year.
[0058]
Furthermore, the above-described recyclability of the gas barrier containers of Examples 4 to 5 and Comparative Example 7 was evaluated. In Comparative Example 7, large film pieces were mixed and the recovery rate of pulp fibers was as low as 60%. On the other hand, the gas barrier containers of Examples 4 to 5 made clean recycled paper, and the recovery rate of fibers was 80%. As described above, it was shown that the gas barrier container of the present invention is excellent in recyclability.
[0059]
[Table 2]
Figure 0004622201
[0060]
【The invention's effect】
As described above, the gas barrier laminate according to the present invention has biodegradability that is a characteristic of paper while having high gas barrier properties, and can be easily recycled as recycled paper. It is possible to recycle process loss and waste after use. The gas barrier container of the present invention has a high degree of freedom in shape, has a high gas barrier property required for content protection, and is excellent in biodegradability and recyclability as recycled paper. Can be expanded, and recycling and composting of packaging container waste can be promoted, greatly contributing to the establishment of a recycling-oriented society.
[0061]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a configuration in which a gas barrier thin film is provided on one side of a paper base material via a sealing layer as one embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing a form of a gas barrier container as an embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Gas barrier laminate gas barrier container
2 Paper or pulp mold base material
21 Paper or pulp mold substrate surface
3 Sealing layer
31 Sealing layer surface
4 Gas barrier thin film layer by plasma polymerization

Claims (6)

紙、あるいはパルプモールドのいずれかからなる基材の片面、あるいは両面に目止め層を介してプラズマ重合によるガスバリア性の薄膜が形成されており、該目止め層が、多糖類と下記一般式(1)に示されるシリカ化合物またはその加水分解物との複合材料を主成分とする層であることを特徴とするガスバリア性積層体。
Figure 0004622201
(式中X1、X2、X3、X4は、同一或いは相異なって、水酸基、アルコキシ基、アルキル基のいずれかであることを示す)
A gas barrier thin film by plasma polymerization is formed on one side or both sides of a base material made of paper or pulp mold via a sealing layer, and the sealing layer comprises a polysaccharide and the following general formula ( A gas barrier laminate, which is a layer mainly composed of a composite material with a silica compound or a hydrolyzate thereof shown in 1).
Figure 0004622201
(In the formula, X 1 , X 2 , X 3 , and X 4 are the same or different and indicate any of a hydroxyl group, an alkoxy group, and an alkyl group)
前記多糖類が、でんぷん或いは変成でんぷんであることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性積層体。The gas barrier laminate according to claim 1, wherein the polysaccharide is starch or modified starch. 前記多糖類が、部分脱アセチル化キチン或いはキトサンに、酸を作用させた部分脱アセチル化キチン塩或いはキトサン塩であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性積層体。The gas barrier laminate according to claim 1, wherein the polysaccharide is a partially deacetylated chitin salt or chitosan salt obtained by allowing an acid to act on partially deacetylated chitin or chitosan. 前記多糖類が、セルロース誘導体であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性積層体。The gas barrier laminate according to claim 1, wherein the polysaccharide is a cellulose derivative. 前記多糖類が、その構成単糖に少なくともグルクロン酸を含むことを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性積層体。The gas barrier laminate according to claim 1, wherein the polysaccharide contains at least glucuronic acid in its constituent monosaccharide. 請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア性積層体からなることを特徴とするガスバリア性容器。A gas barrier container comprising the gas barrier laminate according to any one of claims 1 to 5.
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