JP4616498B2 - 管継手用リテーナと小円盤連設体の組立方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は管継手用リテーナと小円盤連設体の組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、被接続パイプの端部にテーパ雄ネジ部を切削加工し、これに管継手の雌ネジ部を螺着するものが広く用いられている。その作業は特殊な工具が必要で、現場での作業も複雑である。また、管継手の製作は手作業による組立・加工の工程が多く発生している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
被接続パイプの肉厚が薄い場合には、雄ネジ加工が困難又は不可能である。また、従来の管継手で機械的に複雑な構造なものは、その製作方法も複雑なものとなり、管継手の製作には、多くの工数が必要であるという問題点がある。
【0004】
そこで本発明は、構造が簡単であるとともに、その組立・加工も簡単な構成により行え、また、安定した接続状態を保持できる管継手の部品の組立方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る管継手用リテーナと小円盤連設体の組立方法は、被接続パイプが挿入される継手本体の一端開口側に螺着可能な管継手用リテーナと、該管継手用リテーナに保持されると共に複数個の小円盤を一体に有する小円盤連設体を、備え、上記管継手用リテーナは、上記継手本体の雌ネジ部と上記被接続パイプの外周面の間で上記小円盤連設体を保持する円筒形状であって、上記小円盤連設体はパイプ抜け止め用であって、上記管継手用リテーナの螺進にて上記雌ネジ部に上記小円盤連設体が摺接して押圧され上記被接続パイプの外周面に螺旋状の食込跡を形成するように構成した管継手に於ける上記管継手用リテーナと上記小円盤連設体とを組み立てる方法に於て、円筒状のプラスチック製リテーナ素材に、該リテーナ素材の径方向からストレート状に貫孔を打ち抜いて、上記管継手用リテーナを形成し、その後、該管継手用リテーナの径方向から、上記小円盤連設体を上記貫孔に圧入して該貫孔内に自転可能に保持するものである。
【0006】
なお、雌ネジ部を有する継手本体と、雌ネジ部に螺合する雄ネジ部を有する円筒状のプラスチック製リテーナと、を備え、リテーナは、円周方向に複数個の小円盤からなる複数個の小円盤連設体を、雄ネジ部の外周側に一部が突出し内周側に一部が露出し、かつ、雄ネジ部のネジ山より僅かにネジ進行方向側に偏在して埋設して、管継手を構成するのが、良い。
【0007】
また、雌ネジ部を有する継手本体と、該雌ネジ部に螺合する雄ネジ部を有する円筒状のプラスチック製リテーナと、を備え、リテーナは、径方向にストレート状貫孔が打ち抜き形成され、貫孔に、複数個の小円盤からなる小円盤連設体を、圧入して指の力では回転できない大きさで保持して、雄ネジ部の外周側に一部が突出し内周側に一部が露出するよう埋設するように、管継手を構成するのが、良い。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態に基づき、本発明を詳説する。
【0009】
管継手の全体の基本的な構成の一例の説明を、まず述べる。図10に示すように、本発明の管継手は継手本体1とリテーナ4とを具備し、被接続パイプ7がその開口部より挿入されて接続されるものである。
【0010】
図10は、接続完了状態の管継手の実施の一形態を示す。この管継手は、継手本体1とリテーナ4を備え、継手本体1は雌ネジ部10を一端開口側から形成された短筒体2と、その短筒体2の他端開口部が回転可能な抜止手段5を介して連結された固定部材3とを、もって構成されている。さらに、円筒状のリテーナ4は、プラスチック製であって、上記短筒体2の雌ネジ部10に螺合するよう形成された雄ネジ部13を有し、かつ、円周方向に複数個のパイプ抜止用小円盤連設体14が設けられている。この小円盤連設体14は、雄ネジ部13のネジ山16に略沿って(詳細は後述する)一部が、その雄ネジ部13の外周側(外面)に突出し、かつ内周側(内面)に一部が露出するようにリテーナ4に埋設されている。
【0011】
また、雌ネジ部10の管継手内方側には、円板状のバックアップリング9が、また、バックアップリング9の内方側に、Oリング等のシール材8が嵌着されている。
【0012】
次に、図11に示すように、小円盤連設体14は、複数個の小円盤6を連設したものである。小円盤6は、金属製(例えば、焼入れ鋼やステンレス)であり、図11(イ)に示す如く、正面視略六角形状であると共に、図11(ロ)に示す如く、側面視円形であって、その外観形状は、丸みのある(アール状の)円形外周端縁36を有すると共に、円形外周端縁36を境として両側へ円錐状に隆起して形成された円形平面部37,37を有する略ソロバン玉型である。そして、本発明では3個の小円盤6,6,6の円形平面部37を相互に合わせるよう連設することで、小円盤連設体14を形成している。さらに、小円盤連設体14は、図11(イ)に示すように、軸心L廻りに回転可能にリテーナ4に埋設される。
【0013】
そして、図10、図11(イ)に示すように、継手本体1の軸心Cを含む縦断面に於て、小円盤連設体14の小円盤6の外側頂部38が、雄ネジ部13のネジ山16から、その雄ネジ部13の外周側(外面)に突出するよう設定されている。また、小円盤6の外側頂部38の角度は、雄ネジ部13のネジ角度(ネジ山16の頂部の角度)に略等しく設定されている。
【0014】
そして、継手本体1と被接続パイプ7とを接続する配管作業には、図10に示すように、リテーナ4の孔部に挿入した被接続パイプ7の端部47を、継手本体1の被接続パイプ挿入部25に挿入し、被接続パイプ7の端部47を段付部26に当接させて位置決めする。
【0015】
そして、リテーナ4を、継手本体1の短筒体2に設けた雌ネジ部10と、被接続パイプ7の隙間に挿入する。リテーナ4の雄ネジ部13を雌ネジ部10に螺合させるために、短筒体2を回転(図10の矢印T)させることで、雌ネジ部10と、被接続パイプ7の間との隙間にリテーナ4を螺進(図10の矢印A)させ、ねじ込ませ、図10の配管完了状態を得る。これは、リテーナ4に回転可能に埋設された小円盤6の内側頂部40が、被接続パイプ7の外面に食い込み、リテーナ4の回転が制限される(抵抗を受ける)ため、リテーナ4は螺進する。その後さらに短筒体2の回転が進むと、小円盤6の外側頂部38が雌ネジ部10に摺接することにより、小円盤6が内面側へ押圧され、小円盤6が被接続パイプ7の外面にさらに食い込み、食い込みながら回転しはじめ、それに伴い、リテーナ4も短筒体2の回転に遅れて回転を始め、かつ螺進し、小円盤6は、被接続パイプ7の外面に螺旋状に食込跡41を形成する。つまり、小円盤6は、被接続パイプ7の外周面を遊星回転しながらネジを転造及び螺進する。
【0016】
この時には、連設した小円盤6…の小円盤連設体14の外側頂部38,38,38が雌ネジ部10に摺接することにより、小円盤連設体14が内面側へ押圧され(外周側へ逃げることが防止され)、これにより、リテーナ4の内周面から突出した内側頂部40,40,40が被接続パイプ7の外周面に確実に食い込むことができる。短筒体2の雌ネジ部10と、リテーナ4を介しての小円盤連設体14は、被接続パイプ7への食い込み機能、及び固定機能、を有している。これにより、図10に示す、被接続パイプ7の引き抜き力Fに対する、抜止の効果を得ることができる。
【0017】
次に、図10に示す、継手本体1の短筒体2と固定部材3を連結する抜止手段5は、C型止め輪46によるものである。その構成は、固定部材3の外面と短筒体2の内面に夫々、上記C型止め輪46に対応する溝を設け、この固定部材3の溝にC型止め輪46を装着し、短筒体2を、この固定部材3に外嵌させ、短筒体2の溝にこのC型止め輪46を装着することで、短筒体2と固定部材3が固定される。これにより、短筒体2と固定部材3は、この継手本体1の管軸方向には固定され、短筒体2は円周方向の回転が自由に行うことができる。
【0018】
また、上記短筒体2は例えばロストワックス法等の鋳物による金属製、上記リテーナ4は射出成形によるプラスチック製であり、それらは共に非切削製ネジを有するものである。非切削製ネジのネジ表面荒さ、及びネジ寸法精度が多少不充分なものであっても、リテーナ4がプラスチック製であるため、ネジが焼き付くこと無くプラスチック側の雄ネジ部13が、金属側の雌ネジ部10に追従し、短筒体2の小さな回転トルクにより、これらのネジの締め付けは充分容易に行うことができる。
【0019】
次に、リテーナ4に上記複数個の小円盤連設体14を圧入する組立方法について説明する。図1はリテーナ4の貫孔加工装置28、及び、リテーナ4への小円盤連設体取付装置29の概略の全体側面図を示す。また、図2は貫孔加工装置28の平面図、図3は小円盤連設体取付装置29の概略の平面図を示す。射出成形により形成されたプラスチック製リテーナ材は、昇降機構付加工台30に、その軸心を鉛直方向として載置される。また、図2に示すように、リテーナ4の雄ネジ部13の円周方向に設定された複数箇所の小円盤連設体14取付け位置に、貫孔21を形成するため、リテーナ4の径方向Rに、リテーナ4の中心Oから放射線状に、かつ、中心Oに向かって、均等中心角度で貫孔成形機31…を複数配置する。この時のリテーナ4の載置された加工台30の位置を、孔空け作業位置43と言う。
【0020】
そして、この貫孔成形機31…は、先端に貫孔21を空ける剪断刃32を備え、その剪断刃32は、油圧又は空圧シリンダーなどの駆動装置33により、リテーナ4の外面側から、内面側へ向かって、径方向Rに駆動(押圧)され、リテーナ4の雄ネジ部13の所定位置に孔空け切断(孔抜き)を行う。即ち、径方向Rに、中心Oに向かって、リテーナ4の円筒壁に貫孔21を同時に複数個全てを設けることが可能である。この駆動装置33…はすべてが、同時に同じ動作(孔空け切断)を中心O向きに行うものであるため、加工台30上のリテーナ4は、孔空け時、移動(変位)しにくく、正確な所定位置に、同時に貫孔21を形成することとなる。つまり、リテーナ4を加工台30上に強固に固定することなく、貫孔21を形成することができる。
【0021】
図5は、リテーナ4の軸心を含む、小円盤連設体14の取付け位置の拡大縦断面図を示す。また、図6(ロ)と(ハ)は小円盤連設体14の取付けの拡大横断面図を示す。上記貫孔21の形状は、図5と図6(ロ)と(ハ)に示すように、その縦断面形状及び横断面形状はストレート状のものである。つまり、小円盤6のソロバン玉型に沿うように凹凸を設けたものではない。また、その平面視(リテーナ4の拡大側面視)は、図6(イ)に示すように、形状はソロバン玉型を直線に簡略化した貫孔形状Sとしている。そのため、図1と図2に示す、上記貫孔成形機31…の剪断刃32の形状はこの貫孔形状Sの断面をもつストレート状の刃であり、その結果、上記のような、一方向(径方向R)のみの駆動装置33により、貫孔21を設けることが可能となる。
【0022】
次に、上記貫孔成形機31による貫孔成形工程H後のリテーナ4は、図1のとおり、上記昇降機構付加工台30により、その上方の圧入作業位置44へ移動する。つまり、貫孔21形成後のリテーナ4は、加工台30に載置されたまま、次いで小円盤圧入工程Iへと続く。
【0023】
次に、図1と図3に示すように、リテーナ4の雄ネジ部13の円周方向に設定された複数箇所の小円盤連設体14の所定取付け位置に、小円盤連設体14を装着するため、径方向Rにリテーナ4の中心Oから放射線状に圧入機34…を均等中心角度で複数、上記貫孔成形機31と同様に(リテーナ4の中心Oに向かう断面において、同じ配置に)設置する。
【0024】
そして、この圧入機34…は、先端に押圧部35を備え、その押圧部35は、油圧又は空圧シリンダーなどの駆動装置33′により、リテーナ4の外面側から、内面側へ向かって、径方向Rに駆動(押圧)され、図4と図5に示すように、リテーナ4の雄ネジ部13に設けられた上記貫孔21に、圧入することで小円盤連設体14の装着を行う。即ち、径方向Rに同時に、しかも、円周方向の複数箇所において、リテーナ4の貫孔21に小円盤連設体14を埋設させることが可能である。この駆動装置33′…は同時に同じ動作(押圧)を中心O向きに行うものであるため、加工台30上のリテーナ4は、圧入時、移動(変位)しにくく、正確な所定位置に、同時に小円盤連設体14を図4に示す圧入力Pにて、図5の状態のようにリテーナ4の貫孔21に埋設させることとなる。つまり、リテーナ4を加工台30上に強固に固定することなく、小円盤連設体14を取り付けることができる。
【0025】
上記小円盤圧入工程Iが完了後、完成品のリテーナ4は加工台30より取り除かれ、加工台30は空の状態で、孔空け作業位置43へと降下していき、再び、貫孔成形工程Hを始めることができる。
【0026】
また、図1と図3に示すように、圧入作業位置44にある、リテーナ4の貫孔21の位置(小円盤連設体14の装着位置)まで案内される小円盤連設体14用案内路49…を、複数(小円盤連設体14の装着数と同数)備えている。これは、小円盤連設体14を自動的に貫孔21に押圧部35により圧入するため、圧入作業位置44の上部に設けた小円盤連設体貯蔵箱(図示省略)から連通されたもので、連続的に小円盤連設体14を貫孔21手前まで供給するものである。これにより、各貫孔21に一つの小円盤連設体14を配設し、押圧部35により自動で圧入、埋設することが可能となる。
【0027】
上記リテーナ4の組立方法により、簡単な組立機構により、リテーナ4に複数個の貫孔21を一度に形成し、その後、小円盤連設体14を一度に埋設することが可能となり、連続して、省スペースでの自動組立が容易に、かつ、単純な機構により行うことが可能である。また、この方法にて取り付けられた、小円盤連設体14は、固定金具や複雑な形状の装着孔を有さずに、容易に貫孔21に圧入保持され、その機能を充分発揮させることができるものである。
【0028】
次に、図6(イ)に示す貫孔形状Sの貫孔21と、それに埋設される小円盤連設体14(小円盤6)は、指の力では回転できないような大きさに設定している。つまり、図6(イ)に示すリテーナ4の拡大側面図のように、小円盤連設体14は、小円盤6の軸心Lに垂直な方向は、ネジの谷部及び山部で僅かに隙間が存在するが、小円盤6の軸心Lの方向には、リテーナ4の本体と接触(圧着)している状態とする。つまり、小円盤連設体14の円形外周端縁36はリテーナ4に非接触(非保持状態)であり、その両端の円形平面部37はリテーナ4の本体と接触(保持状態)するよう設定する。これにより、貫孔21に埋設された小円盤連設体14は脱落することなく圧入保持されたリテーナ4を構成することができ、かつ、図4と図5に示すように圧入機34…の非常に小さな圧入力Pにより、プラスチック製のリテーナ4に組立することが容易となる。つまり、この非常に小さな圧入力Pにおいて組立が可能であり、その小円盤6の機能を損なうことがなくなる最も望ましい保持状態を有するリテーナ4は、貫孔21とそれに埋設される小円盤連設体14(小円盤6)が、組立完了後、指の力では上記小円盤6が回転できない大きさとした状態のものである。
このようにして、貫孔21の形状を複雑な鉤型や蟻溝型にすることなく、また、金属のカシメ等にて固定することなく簡単な構成により、小円盤連設体14が貫孔21から脱落しないリテーナ4とすることができる。また、小さな圧入力Pにより、組立が可能となり、簡単な設備によりリテーナ4を組み立てることができる。
【0029】
次に、管継手のうちリテーナ4に埋設される、小円盤連設体14についてさらに詳細に説明する。上記のとおり、図10に示す本発明による管継手は、継手本体1とリテーナ4とからなる。また、図7の小円盤連設体14の組立後の詳細断面図に示すように、リテーナ4は、雄ネジ部13を有し、かつ、外周側に一部が突出し、内周側に一部が露出した状態で、円周方向に複数個の小円盤連設体14を有している。
【0030】
また、この小円盤連設体14の小円盤6の外側頂部38の角度は、雄ネジ部13のネジ角度(ネジ山16の頂部の角度)に略等しく設定され、この小円盤連設体14は、この雄ネジ部13のネジ山16に略沿って配置されている。詳細に説明すると、小円盤連設体14の外側頂部38が、それに連設するネジ山16より僅かにリテーナ4の軸心方向先端側に変位dをもって埋設されている。すなわち、小円盤6(小円盤連設体14)の外側頂部38が、ネジ山16の頂部より、変位dだけネジ進行方向G側寄りに偏在して配置されている。この時の小円盤連設体14の最もネジ進行方向G側寄りの外側頂部38を最外側頂部38′とし、また、最もネジ進行方向G側寄りの内側頂部40を最内側頂部40′とする。
【0031】
これは、上記のとおり、管継手に被接続パイプ7を配管する作業時において、上記、本発明の継手本体1のうち短筒体2を回転し、リテーナ4がひきこまれ、図8に示すように、この時、最外側頂部38′が雌ネジ部10に摺接しはじめたとき、小円盤連設体14がリテーナ4の内面側へ押圧され、これにより、リテーナ4の内周面から突出した内側頂部40,40,40が被接続パイプ7の外周面に確実に食い込むことができるよう、矢印M方向のモーメントを発生させるためである。
【0032】
即ち、継手本体1に被接続パイプ7を配管させる際に、このリテーナ4は短筒体2のみを回転させることで、螺進させる構成をとるため、図9に示すように、小円盤6(小円盤連設体14)の外側頂部38と、ネジ山16の頂部が、ネジ進行方向Gに対して、同じ位置に(即ち、ネジ山16と小円盤6の円形外周端縁36を完全に連続させた)配置した場合、雄ネジ部13のネジ山16は、ネジ進行方向G側とは反対のネジ山斜面23が、雌ネジ部10に摺接するため、小円盤連設体14は、矢印Nの方向に揺動して飛び出す作用が発生してしまう。つまり、図9の矢印N方向のモーメントが発生し、小円盤連設体14が貫孔21から抜け出る方向に───飛び出す方向に───移動する力成分を有する。これによって、小円盤連設体14が飛散したり、又は、短筒体2の開口端部にこじれ(噛み込みが発生して)、リテーナ4がそれ以上、螺進できなくなるという問題を生ずる。
【0033】
本発明は、このような問題を解決したものであって、図8に示すように、雄ネジ部13のネジ山16のネジ斜面23が雌ネジに摺接すると同時に、小円盤連設体14の外側頂部38からネジ進行方向G側のネジ斜面18が、雌ネジ部10に圧着しはじめるよう設定する。つまりこの状態が、小円盤連設体14を、上記ネジ山16より僅かにリテーナ4の軸心方向先端側に変位dをもって埋設することとなる。これによりリテーナ4が引き込まれていくと、小円盤連設体14のネジ進行方向G側寄りのネジ斜面18は、雌ネジ部10のネジ斜面19から大きな面圧Bを受け、最内側頂部40′を支点として、この小円盤連設体14に矢印M方向のモーメントを生じさせることが可能となる。
【0034】
つまり、図8の本発明のように、小円盤連設体14をネジ山16より軸心方向先端側に変位dをもって埋設することにより、小円盤6の斜面18に強大な面圧作用を生じさせ、内側頂部40,40,40が被接続パイプ7の外周面に食い込む方向へ働きかけることが可能となり、被接続パイプ7と継手本体1との接続がより、確かで、簡単な作業とすることができる。
【0035】
次に、図7と図8に示す、上記雌ネジ部10のネジ山の角度(θ′)、及び上記雄ネジ部13のネジ山16の角度(θ)が、それぞれ70°〜100 °に設定したものである。通常の並目ネジは60°としているが、本発明では約90°とし、ネジの締め付けは、より小さいトルクにて行うことが可能であり、ネジ山の傾斜が緩やかとなるため、締め付け時、ネジ山の破損の恐れがない。つまり、ネジ山の破壊、欠落により、ネジの締め付け効果を損なう恐れがない。また、上記小円盤連設体14の外側頂部38と、雄ネジ部13のネジ山16との変位dを設ける際に、その変位dは微小であるため、上記ネジ山の角度(θ′,θ)が70°〜100 °と大きい場合、ネジピッチが広くなり、その変位dの設定を容易に行うことができる。
【0036】
また、上記雌ネジ部10と上記雄ネジ部13が二条〜四条ネジとする。ネジの送りは、ネジピッチとネジ条数の積により与えられるため、ネジ条数を多くすることで、ネジの送りを多くすることができる。すなわち、リテーナ4の進みを早くすることが可能であり、一層少ない回転で締め付け(接続)作業が完了できる。しかし、五条をこえると、このリテーナ4は管軸方向の長さが比較的短いため、ネジ溝の数が減少し、螺着効果を損なう恐れがある(締め付け効果が低下してしまう)。
【0037】
【発明の効果】
本発明は上述の構成により次のような効果を奏する。
【0038】
(請求項1によれば)小円盤連設体14は貫孔21に圧入保持されるため、貫孔21の形状を複雑な鉤型や蟻溝型にすることなく、また、金属のカシメ等にて固定することなく簡単な構成により、小円盤連設体14の機能を引き出すことが可能なように小円盤連設体14をリテーナ4に組み立てることができる。
【0039】
貫孔21の形状を複雑な鉤型や蟻溝型にすることなく、また、金属のカシメ等にて固定することなく簡単な構成により、小円盤連設体14が貫孔21から脱落しないリテーナ4とすることができる。また、小さな圧入力Pにより、組立が可能となり、簡単な設備によりリテーナ4を組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リテーナと小円盤連設体の組立機の側面図である。
【図2】リテーナと小円盤連設体の組立機の平面図である。
【図3】リテーナと小円盤連設体の組立機の平面図である。
【図4】要部構成を示す詳細断面図である。
【図5】要部構成を示す詳細断面図である。
【図6】要部構成を示す詳細平面図である。
【図7】小円盤連設体の取付けを示す説明図である。
【図8】小円盤連設体の取付けを示す説明図である。
【図9】小円盤連設体の取付けを示す説明図である。
【図10】本発明の管継手の実施の一形態を示す要部断面図である。
【図11】小円盤連設体の説明図である。
【符号の説明】
1 継手本体
2 短筒体
3 固定部材
4 リテーナ
6 小円盤
10 雌ネジ部
13 雄ネジ部
14 小円盤連設体
16 ネジ山
21 貫孔
G ネジ進行方向
R 径方向
Claims (1)
- 被接続パイプ(7)が挿入される継手本体(1)の一端開口側に螺着可能な管継手用リテーナ(4)と、該管継手用リテーナ(4)に保持されると共に複数個の小円盤(6)を一体に有する小円盤連設体(14)を、備え、上記管継手用リテーナ(4)は、上記継手本体(1)の雌ネジ部(10)と上記被接続パイプ(7)の外周面の間で上記小円盤連設体(14)を保持する円筒形状であって、上記小円盤連設体(14)はパイプ抜け止め用であって、上記管継手用リテーナ(4)の螺進にて上記雌ネジ部(10)に上記小円盤連設体(14)が摺接して押圧され上記被接続パイプ(7)の外周面に螺旋状の食込跡(41)を形成するように構成した管継手に於ける上記管継手用リテーナ(4)と上記小円盤連設体(14)とを組み立てる方法に於て、
円筒状のプラスチック製リテーナ素材に、該リテーナ素材の径方向(R)からストレート状に貫孔(21)を打ち抜いて、上記管継手用リテーナ(4)を形成し、その後、該管継手用リテーナ(4)の径方向(R)から、上記小円盤連設体(14)を上記貫孔(21)に圧入して該貫孔(21)内に自転可能に保持することを特徴とする管継手用リテーナと小円盤連設体の組立方法。
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