JP4616261B2 - 非対称に配置されたビード付きの延長移動性タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、車両ホイール用のタイヤであって、ビードのうちの少なくとも1つが、母線を備えた受座を有し、受座の軸方向内側端部が、軸方向外側端部の位置する円の直径よりも大きな円の直径上に位置し、一様ではない高さのサイドウォールが設けられ、サイドウォールの各々について特定の繋留ゾーンが設けられたタイヤに関する。この種の設計は、或る特定の限度内で、低圧力状態又は圧力がゼロ又は事実上ゼロの状態でも使用できる新世代のタイヤに特に適しており、タイヤが装着されたリムからのタイヤの分離の恐れが減少する。この技術的思想は、「延長移動性(extended mobility)」(走行可能距離の延長)という表現によって表される場合が多い。
長い期間にわたり、タイヤ製造業者は、圧力が異常に低下した場合又は圧力が完全にゼロになった場合でも潜在的な危険又は危害の源を生じさせないタイヤを開発しようと努めている。遭遇する問題のうちの1つは、タイヤがぺしゃんこの状態又は圧力が非常に低い状態での走行に関する。事実、非常に低圧又は圧力がゼロの状態での走行時、従来型タイヤでは、ビードは、ビードが圧力によって当接保持されるリムの周囲から分離する恐れが高い。
これら欠点を解決するために、多くの解決策が試験された。大抵の場合、これら解決策により、リムに対するタイヤの取り付け及びこれからの取り外しに別途問題が生じる。
さらに、リムに対するタイヤ締付け又はクランプ機能は、動作中におけるタイヤの挙動を保証する上で本質的な機能である。事実、この機能は、多くの特徴、例えば、タイヤの装着(「クリッピング(clipping)」と呼ばれる場合がある)又は取り付け、タイヤのぴったりさ、リム上における回転等に直接的又は間接的に関係がある。これら機能は全て重要であり、特に高い品質水準が望ましい場合、製品の特定の性質及び厳格な製造を必要とする。加うるに、同分類のリム及びタイヤであっても、主として製造上の許容誤差に起因して、互いに僅かに異なる寸法形状のものである場合が多い。これら寸法上のばらつきにより、上述した種々の機能に適合させるのは困難である。
これら機能の実行のために大まかに言って2通りの解決策が工業的に用いられている。第1に、伝統型のタイヤに関し、これら機能全て同時に実施するのはビードワイヤである。
最近において、本出願人により製造された種々のタイプの製品では、従来型ビードワイヤに代えて、特に、繋留又は結合配合物によりカーカス型の補強構造と協働する円周方向コードの配列体から成る繋留ゾーンが用いられている。この場合においても、繋留ゾーンは、上述の機能の全てを実行する。
しかしながら、これら両方の場合において、或る特定のパラメータを最適化するのは困難である。というのは、一パラメータの改良により、別のパラメータが劣化する場合が非常に多いからである。かくして、一方におけるプラス面と他方におけるマイナス面の妥協点を見出すには或る限度がある。というのは、或る特定の特徴について性能の低下を大目に見るのは困難な場合が多いからである。
欧州特許第582,196号明細書は、2つのサイドウォールを延長部とするトレッド及び2つのビードを有し、更に、2つのビード内で環状補強材に繋留されたカーカスを有するタイヤを開示している。カーカスは、隣り合って配置されたコードで形成され、これらコードは、円周方向に整列すると共に環状補強材を含むビードのフック留めゾーン内に設けられた非常に高い弾性率の結合ゴムの少なくとも1つの層と接触状態にある。このタイヤでは、ビードのフック留めゾーンの環状補強材は、円周方向コードのスタックで形成され、カーカスの補強コードとこれらスタックとの間には、非常に高い弾性率の結合ゴムの層が介在している。この実施形態は、従来型のタイヤ向きであり、ビードは、タイヤのインフレーション圧力によりリムフックに当接保持される。この種の構造では、側方又は軸方向タイプの応力が大部分を占め、これら応力は、サイドウォールから実質的に軸方向にビードの中心に向かって作用する大きな圧縮力を引き起こす。これら圧縮力は、インフレーション圧力に応じて増大する。圧力の増大は、ビードを外部に向かって半径方向にフックに対して摺動させる傾向がある。リムの受座に対して半径方向内側寄りに引き起こされた応力は、圧力の増大につれ又はカーカス型補強構造の張力の増大につれて減少する。
さらに注目されることとして、コードのスタックは、ビードが当接するリムフックのプロフィールの向きに実質的に平行な方向に整列する。この種のタイヤのビードのプロフィールは、比較的幅が狭くて且つ細長く、繋留は、ビードの高さ及び幅の大部分にわたって分布して行われる。ビード内へのカーカスの入り込みは、ビードの壁に対して全体として実質的に中央である。さらに、主として軸方向応力を受けるのが比較的幅の狭いビードである場合、ビードをそれ自体回動させ又は旋回させる傾向のある大きなモーメント又はトルクの発生を可能にするインフレーション圧力も張力もカーカスには引き起こされない。
かかる形式のタイヤでは、圧力が下がり、車両が引き続き走行した場合、リム上におけるタイヤの保持は、もはや保証されず、多くの場合において、弛みが生じる。
欧州特許第673,324号明細書は、各ビード内で繋留されたラジアルカーカス補強材及び特定の形状のリムを備えた少なくとも1つのタイヤを有する転動組立体を記載している。このリムは、母線を備えた第1の受座を有し、この母線の軸方向外端部が、その軸方向内側端部との間の距離よりも短い距離だけ回転軸線から離れていて、突起又はリムフランジにより軸方向外部寄りに構成されるようになっている。タイヤは、このリムへの装着に適したビード受座を有する。この特許文献において提案された形式のタイヤ/リムインターフェースは、特に圧力の低下にもかかわらず或る距離を走行できるようにしながら脱着のしやすさに関して、既に知られている解決策と比べて多くの利点を有している。
欧州特許第748,287号明細書は、上述した欧州特許第673,324号明細書に記載された基本技術の初期の最適化を可能にする解決策を記載している。これは、インフレーション圧力がその定格値まで増大したときに、カーカス補強材及び特にその補強材の張力に応じてビードの締付けを変更することができる構造の少なくとも1つのビードを有するタイヤである。かくして、この特許文献は、カーカスの端部をビードワイヤに対し軸方向及び半径方向内側側部によりビードワイヤのベース周りに上に曲げることによりカーカスの端部の繋留が行われるビードを用いることを提案している。ビードは、ビードワイヤに隣接し且つその軸方向外側寄りに、比較的高い硬度のゴム配合物の異形要素を更に有し、ビードワイヤは、カーカス補強材の張力が増大すると、圧縮力をこのゴム配合物の異形要素に及ぼすことができる。この圧縮力は、装着リムへのビードのトウの自動締付けを生じさせる。したがって、カーカスの張力は、外部に向かうビードワイヤの変位を伴い、その結果、ビードワイヤがこの圧縮力を生じさせるようになっている。かかる形態では、従来型のビードワイヤ及びビードワイヤの下に位置するカーカスの上曲がり部は、圧縮力を生じさせる上で欠くべからざるものとして提供される。これにより、検討できる他の形式の構造が制約される。
さらに、欧州特許第922,592号明細書は、カーカスを軸方向外側寄りに上に曲げることによりカーカスが繋留された2つの実施形態を記載している。第1の実施形態は、カーカスをカーカスの端部の半径方向外部寄りに上に曲げることによりビード内にカーカスを繋留することを提案している。上曲がり部は、各側が金属ワイヤの2つの半径方向に重ね合わされた層によって包囲され、これら金属ワイヤの層は、軸方向に並んで配置されていて、ビードの受座に沿って実質的に軸方向部分を全て覆っている。これらの層は、受座に対して平行であるよう配置されている。これらの形式のコード及び対応の寸法形状は、非常に正確である。この特許文献において提案された第2の解決策は、種々の直径を備えたビード受座に関している。カーカスの固定も又、第1の解決策とは異なった仕方で行われる。先ず最初に、カーカスをビードの高さ位置で半径方向に分離された2つの部分に細分する。各部分を半径方向に配置されたコードの層によって互いに結合し、各層は、カーカス部分の各々に対して半径方向外側寄りに配置されている。半径方向外側のカーカス部分及び半径方向内側寄りのコードの層は、ビード内に設けられた高いコードのエラストマーのタイプのインサートによって分離されている。このインサートは、ビードの中央部分を軸方向に内張りし、金属ワイヤの半径方向設置限度を超えて、半径方向外側寄りに且つ軸方向内側寄りに上昇している。
欧州特許第922,592号明細書の解決策の2つの例には、幾つかの欠点がある。かくして、この特許文献において提案されたカーカスの固定には、カーカスの端部の軸方向外側寄りに上曲がり部を設けることが必要である。さらに、コードの重ね合わされた層は、半径方向においてビードの受座の近くに、より具体的に言えば、ビードが当接するフランジの上側部分よりも回転軸線に一層近くの半径方向位置に配置される。もし高い伸長性のコードが用いられなければ、コードの望ましくない半径方向位置に起因して、タイヤを脱着するのが困難である。また注目されるように、スタックは、ビードが当接する受座のプロフィールに実質的に平行に差し向けられる。第2の解決策によれば、カーカスは、2つの部分に細分され、高いコードのインサートが、一方においてコードの層を分離すると共に他方において2つのカーカス部分を分離するために必要である。しかしながら、カーカスは、インサート内には繋留されない。上述したインサートの形態には制約がある。
国際公開第WO01/39999号パンフレットは、延長移動性を備えたタイヤを記載しており、タイヤのビードの各々は、逆さまになった受座、繋留ゾーン、支承ゾーン及び移行ゾーンを有している。単独で取り上げられたこれらゾーンの各々及び或る程度まで互いに結合されるこれらゾーンの全ては、例えば、別のゾーンに対し或いは事実上の圧力中心CP、若しくはリムの受座等に対する角度又は回転タイプの相対運動を行うことができる内部ビードを形成する。
好ましくは、上述の支承ゾーンは、実質的に細長い。これは、例えば、実質的にビードの受座に沿って延長されている。かくして、軸方向内側部分の底部ゾーンの回転時において軸方向外側部分の方への力の伝達は可能であり、その間、ビードの受座の少なくとも一部に加わる支承圧力が維持される。力の伝達により、リムに対するビードのトウの自動締付けが生じる。
一般に、タイヤは、対称設計の、即ち、2つのサイドウォール上でほぼ同じアーキテクチャ的要素を有する。この種の設計は、非常に普及しているので、かかる原理に従ってタイヤを設計する場合、当業者にとって当然のようになっている。しかしながら、かかる原理を本来的に非対称の製品に直接適用した場合の結果として、或る特定の技術上の制約又は問題が生じる場合がある。例えば、高さが等しくないサイドウォール及び逆さまのビード受座を備えたタイヤの場合、ビードの各々の高さ位置で生じる応力は、相当にばらつきがある。かくして、外側のサイドウォールは、ホイールの内側のサイドウォールに対して比較的背が高い場合、実質的に高い応力に耐えなければならない。さらに、車両の外側に位置するビード及びサイドウォールは、道路の危険物に当たり、その結果、種々の応力及び歪みが生じる場合がある。これら種々の応力に関し、設計者は、多数の補強材及び(又は)繋留及び(又は)保護要素を提供してホイールの外側への位置決めと関連した要求の厳しい条件に効果的に耐えることができなければならない場合が多い。結果的に得られるアーキテクチャ的要素は、製造、追加の材料等に関する重量、コスト、スペース、困難性及び(又は)長さに関して相当大きなインパクトをもたらす。外側ビードのアーキテクチャはホイールのこの側に関し限界応力の関数として定められるので、類似したビードを内側に得るために外側ビードのアーキテクチャを繰り返すことは、それに応じて、これら種々の結果を増幅する。
さらに、多くの製品は、内側ビードよりも寸法又は表面積が大きな外側ビードを有する。例えば、外側ビードは、外部環境の効果からの保護をもたらすゾーンを必要とする場合がある。内側のビードにより占められる表面積は、外側のビードよりも小さい場合では、外側ビードの関数として定められたアーキテクチャを直接入れ替えることは、内側ビード内にスペースが不足しているので困難であり、それどころか不可能であることが判明している。
本発明の目的は、これら種々の欠点を解決することにある。
これを行うため、本発明は、車両ホイール用のタイヤであって、
−互いに軸方向に間隔を置いて位置していて、半径方向外側部分に円周方向トレッドを備えたクラウンゾーンによって半径方向外側部分が互いに接合された2つのサイドウォールを有し、
−サイドウォールの各々の半径方向内側寄りに配置されたビードを有し、各ビードは、適当なリムに接触するようになった受座及び外側フランジを有し、
−ビードの各々から実質的に半径方向にサイドウォールに沿ってクラウンゾーンに向かって延びる補強構造を有し、
−ビードは、
−母線を有するビード受座を有し、ビード受座の軸方向内側端部は、軸方向外側端部が位置する円の直径よりも大きな直径の円上に位置し、
−ビード内に設けられた補強構造用の繋留ゾーンを有し、該繋留ゾーンは、補強構造の一部に実質的に隣接して位置し、補強構造の各側に分布して位置する少なくとも2つのスタックを構成する円周方向コードの配列体を有し、結合配合物が、円周方向コードと補強構造との間に設けられ、
−実質的にビードの受座に沿って延びるビード用の支承ゾーンを有し、
−ビードは各々、ビードの繋留ゾーンの特定の且つ互いに異なる構成を有していて、長い方のサイドウォールのビードの繋留ゾーンが、短い方のサイドウォールに対応するビードの繋留ゾーンよりも高い繋留性能を示すようになっているタイヤを提供する。
繋留性能(これは、「繋留力」又は「保持力」とも呼ばれる)は、カーカス型の補強構造が所定限度内の機械的応力、特に引っ張り応力をいったん受けると、繋留ゾーンがこのゾーン内へのカーカス型補強構造の繋留を都合よく且つ丈夫に維持できる性能を意味するものと理解されたい。
この場合、例えば、簡単であり、軽量であり、よりコンパクトであり、より融通性があり、製造がより簡単であり、より安価である等の短いサイドウォールビードを設計することが可能である。コスト面での利点が達成される。というのは、事実上無駄であり、しかも或る程度までは重量化を伴う材料の使用が回避されるからである。さらに、短いサイドウォールは、望ましい脱着特性を保持する。さらに、車両の外側に設けられる場合が多い長いサイドウォールは、一般に、内側のビードが示す耐機械的応力性よりも高い耐機械的応力性を示す。
同様に、追加の要素がこれら追加の要素を必ずしも必要としない短いサイドウォールビードにマイナスの影響を与えるかどうかを心配することなく、長いサイドウォールビードを設計することができる。限度の条件が極端に厳しい或る特定の用途の場合、これにより、例えば短いサイドウォールビード内のスペースが不足しているために2つの同一の繋留ゾーンを備えた状態で製造するのが困難な適当で且つ効率的な製品を設計することが可能な場合がある。
本発明のタイヤは、例えばSUV(スポーツ・ユーティリティ車)タイヤ用の或る特定の形式のハイテクの製品及び(又は)背の高いサイドウォールを有する製品に関して特に有利である。
本発明の有利な一実施形態によれば、繋留ゾーンは両方共、タイヤを適当なリムに装着してその動作圧力に実質的に相当する圧力まで加圧すると、各側で実質的に同一のリム締付け荷重を生じさせるように配置される。
この場合、タイヤの動作は、特にビードゾーンにおいて一様である。荷重の分布の一様性は、動作上の特性、例えば脱着しやすさと固有の特性、例えば耐久性又は耐久度の両方を保証する上で極めて重要である。
動作圧力では、高さが不均等なサイドウォールを有する形式の本発明のタイヤは、補強構造のコードに種々の張力レベルを生じさせる。事実、コード張力は、短いサイドウォール側よりも長いサイドウォール側の方が大きい。かかる場合、両方のビードに同一の繋留ゾーンが設けられた典型的な解決策は、短いサイドウォール側に高い締付け力を生じさせる。事実、繋留の主要な機能が一方において、補強構造の張力を吸収し、他方において、タイヤが装着されたリムにビードを締め付けることにあると仮定すれば、繋留性能も又、一方のビードと他方のビードの締付けレベルの差を回避することが望ましい場合に互いに異なる必要がある。かくして、好ましい一実施形態によれば、2つのビード相互間繋留性能又は力の差は、実質的に、一方の側における他方の側に対する補強コードの張力のレベルの差又は一方のサイドウォールの張力のレベルと他方のサイドウォールの張力のレベルの差に一致している。このように、サイドウォールの高さが最も低いタイヤの側部に作用する高い締付けレベルが回避される。
さらに、かかる形態により、特に円周方向コードの配列体において、繋留ゾーンの高さ位置のところでの荷重の理想的な分布を達成することが可能である。例えば、配列体中の種々のコードが受ける応力の性質と応力のレベルの主要な差が回避され、例えば、コードの中には引っ張り荷重を受けるものがあれば、圧縮荷重を受けるものもある。
本発明の有利な一変形実施形態によれば、実質的にゼロの動作圧力から通常の動作圧力までの範囲内での圧力状態では、支承ゾーンに沿う圧力の分布は、実質的にこの圧力の値とは無関係である。タイヤのインフレーション時、支承ゾーンとリムの受座との間のインタフェースに沿う荷重の分布状態に関して生じる効果は、この分布状態には大きな影響を与えない。条件がどのようなものであれ、許容誤差とは無関係に、リムに左右する良好な締付け作用を容易に保証することができる動的安定性が達成される。特に、タイヤビードの高さ位置における内部応力は、動的に安定性があり、したがって、製品の寿命の延長に寄与する。かかる動的安定性により、ビードの高さ位置に付随的に生じる望ましくない応力、例えば、製品の性質及び品質に悪影響を及ぼす可能性が多分にある応力の発生を回避することができる。さらに、感度は、リム/タイヤ組立体の許容誤差のばらつきに減少する。
有利には、リムフランジ又はフックと繋留ゾーンとの間に配置されるようになった外側側方ゾーンが、ビードのゾーン内に配置される。このゾーンは好ましくは、例えば20〜60MPa以上の実質的に高い弾性のゴム配合物を備える。
有利には、外側側方ゾーンは、ビードの軸方向外側部分内に設けられ、この外側側方ゾーンは、リムフックに隣接した部分と繋留ゾーンとの間に延びる。有利には、このゾーンは、繋留ゾーンと協働し、それにより、この繋留ゾーンとリムフックに隣接したビードの部分との間の良好な機械的作用を可能にする。
このゾーンにより、特にリムフックの付近における締付け圧力を増大させることができる。ゾーンの変形性が制限されているので、このことによって、ビードがリムフックを越えて半径方向外方にスリップする傾向を制限することができる。これは更に、一方において、回転モーメントの発生傾向の抑制に寄与し、他方において、例えばコーナリングの際又は大きな側方応力を受けたときの動的安定性の確立に寄与する。
本発明の好ましい実施形態によれば、短い方のサイドウォールのビード内に配置された各円周方向コードは、ヤング率Ei及び表面積Siを示し、長い方のサイドウォールのビード内に配置された各コードは、ヤング率Ee及び表面積Seを有し、配列体のコードは、Σ(Ee×Seext>Σ(Ei×Siintであるように設けられている。
この実施形態によれば、長い方のサイドウォールの結果的に得られる剛性は、短い方のサイドウォールの結果的に得られる剛性よりも高い。
補強構造の各側でのコードの各々の弾性率と有効表面積の積の和は、信頼性が高く且つ正確な測定及び比較のためのパラメータとなる。有利には、この構成により、更に、比較の際にコード又はフィラメント、若しくはケーブルの種類を考慮に入れることができる。好ましくは、比較は、ビードゾーン又はビード内の補強構造の繋留ゾーン内に配置されたコードに基づいて行われる。
注目されるべきこととして、マルチフィラメントケーブル又は多数本のコードを有するケーブルの場合、考慮される断面は、有効断面である。コード相互間の自由又は空のスペースは、考慮に入れられない。
有利には、積E×Sの和は、タイヤのビードゾーン内でのみ考慮される。かくして、例えばテキスタイル型のものが多い保護コードがサイドウォール及び(又は)クラウンの一部内に配置されている場合、これらコードは、上述の不等式では考慮されないであろう。
本発明の有利な変形例によれば、Σ(Ee×Seext/Σ(Ei×Siint>1である。
本発明の種々の変形実施形態によれば、長い方のサイドウォールの繋留ゾーンの円周方向コードの少なくとも1つの特性は、短い方のサイドウォールの繋留ゾーンの円周方向コードの特性とは異なっている。これは、材料の種類、コード又は巻線の本数、コードのスタックの個数又はこれら変形例の種々の組み合わせの問題である。
本発明の有利な変形例によれば、短い方のサイドウォールは、車両の内側寄りに位置決めされるようになっており、長い方のサイドウォールは、車両の外側寄りに位置決めされるようになっている。
繋留ゾーンは、ビードワイヤ、特に従来型のビードワイヤ、例えば、カーカスプライが上に曲げられてこれが当たるマルチコードビードワイヤを構成せず、したがって、プライの上曲がり部分とビードワイヤとの間の協働ゾーンは、カーカスプライを定位置に保持するようになっている。
サイドウォール及びクラウンの補強構造は、有利には、カーカス型のものであり、その機械的性質は、公知の形式のカーカスプライの機械的性質とほぼ同じである。さらに、この補強構造は、有利には、ビードの高さ位置での軸方向分離を生じないで形成される。かくして、円周方向配列体のコードは全て好ましくは、実質的に同一の軸方向位置を占める。
支承ゾーンは好ましくは、実質的にリム受座に隣接して位置する。
タイヤの種々の構成要素が、完成した製品の形状に実質的に同一の形状を製造中にタイヤに与えるような形状の中央コアに直接取り付けて配置される特に好ましい製造方法によれば、上曲り部(これは、従来構造では存在している)を無しで済ますことにより、有利な製造の単純化が可能になる。
本発明の実施形形態の有利な形態によれば、スタック(タイヤの回転軸線に半径方向において最も近くに位置するコード)のベースは、上述のフランジの端部(上述のフランジの軸方向且つ半径方向に最も外側に位置する部分)よりも一段と半径方向外側寄りに配置される。スタックのベースは、有利には、タイヤにマッチしたリムのフランジに対して半径方向外方に配置されるよう設けられる。すると、リムへのタイヤの脱着作業が容易になる。
有利には、カーカス型補強構造は、ビードの各々から実質的に半径方向にサイドウォールに沿ってクラウンゾーンに向かって延びている。かくして、かかる構造は、一体であり、且つ一方のビードから他方のビードに延びるのがよく、或いは、変形例として、各々が単一のサイドウォールに沿って延びる2つの構造半部に分割されてもよい。
スタックの個数及び各々の巻線又はターンの本数は有利には、タイヤについて望ましい特性、例えば、その動作圧力に従って定められる。例えば、ビードゾーンの高さ位置での剛性を高めるためには、スタックの個数が多いことが望ましい。
補強構造は好ましくは、2つのビード相互間で前後に延び、ビードの各々の中にループを形成するコード巻線で形成される。さらに、コード巻線は好ましくは、単一のコードで形成される。
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図1〜図10を参照して非限定的に与えられる本発明のタイヤの幾つかの実施形態を読むと明らかになろう。
タイヤの補強アーマチュア又は補強材は、現在では、従来「カーカスプライ」、「クラウンプライ」等と呼ばれている1枚又は2枚以上のプライを積み重ねることにより構成されており、又大抵の場合そうである。この補強アーマチュアの命名法は、製造方法に由来があり、この製造方法では、大抵の場合長手方向コード補強材を備えたプライの形態で一連の半完成品を製造し、次に、タイヤブランクを作るためにこれら半完成品を組み合わせ又は積み重ねる。プライを大きな寸法の状態で平らに製造し、その後、所与の製品の寸法形状に従って切断する。また、プライを第1の段階では、実質的に平らに組み立てる。このように製造したブランクを次に、タイヤに代表的なドーナツ形のプロフィールを採用するよう形作る。次に、「仕上げ中」の製品と呼ばれる半完成品をブランクに被着させていつでも加硫ができる状態の製品が得られるようにする。
かかる「従来」方法では特に、タイヤブランク製造段階に関し、繋留要素(一般に、ビードワイヤ)が用いられ、この繋留要素を用いてカーカス補強材をタイヤビードゾーン内に繋留し又は維持する。かくして、この種の方法では、カーカス補強材(又はその一部のみ)を構成するプライの全ての一部をタイヤビード内に配置されたビードワイヤ周りに上に曲げる。このようにして、カーカス補強材をビード内に繋留する。
当業界におけるこの種の従来方法の一般的な採用により、プライ及び組立体の多種多様な製造方法にもかかわらず、当業者は、この方法を反映した語彙を用いており、それ故、一般的に受け入れられている用語は、特に、平らなプロフィールからドーナツ形のプロフィール等への変化を表す「プライ」、「カーカス」、「ビードワイヤ」、「付形」という用語を含む。
しかしながら、今日、適切に言えば、上述の定義に従って「プライ」又は「ビードワイヤ」を含まないタイヤが存在する。例えば、欧州特許第582,196号明細書は、プライの形態をした半完成品の助けを借りないで製造されたタイヤを記載している。例えば、種々の補強構造のコードを直接ゴム配合物の隣接の層に被着させ、全体を連続した層の状態でドーナツ形のコアに被着させ、このドーナツ形のコアは、製造中のタイヤの最終プロフィールとほぼ同じプロフィールを直接得ることができるようにする形状を備えている。かくして、この場合、もはや、「半完成品」が存在しなければ、「プライ」も存在せず、又「ビードワイヤ」も存在しない。例えば、ゴム配合物やコード又はフィラメントの形態をした補強材のようなベース製品を直接コアに被着させる。このコアは、ドーナツ形のものなので、平らなプロフィールからトーラス(立体環)の形態のプロフィールに変化させるためにブランクをもはや付形する必要はない。
さらに、この特許文献に記載されたタイヤは、ビードワイヤ周りのカーカスプライの従来型上曲がり部を備えていない。この種の繋留方式に代えて、円周方向フィラメントがサイドウォール補強構造に隣接して配置される構造が用いられ、全体が、繋留又は結合ゴム配合物内に埋め込まれる。
また、中央コアに迅速且つ有効でありしかも簡単な成層に特に適した半完成品を用いてドーナツ形コアへの組み立て法が存在する。最後に、或る特定のアーキテクチャ的特徴(例えば、プライ、ビードワイヤ等)を製造するための或る特定の半完成品の両方を有する混合型を用いることも可能であり、これに対し、他のものは、配合物及び(又は)フィラメントの形態をした補強材の直接被着により作られる。
この特許文献では、製品の製造分野と設計分野の両方における最近の技術的開発を考慮に入れるため、従来の用語、例えば「プライ」、「ビードワイヤ」等に代えて、有利には、中立的な用語又は用いられる方法の種類とは無関係な用語が用いられている。かくして、「カーカス型補強材」又は「サイドウォール材補強材」という用語は、従来方法におけるカーカスプライの補強コード及び半完成品を用いない方法に従って製造されたタイヤの対応のコード(これらは、一般に、サイドウォールの高さ位置に被着される)を示す上では妥当である。「繋留ゾーン」という用語は、その部分に関し、従来方法のビードワイヤ周りのカーカスプライの伝統的な上曲がり部又は円周方向フィラメント、ゴム配合物及びドーナツ形コアへの被着工程を含む方法により製造された底部ゾーンの隣接のサイドウォール補強部分により形成された組立体を同じように良好に表示することができる。
この明細書においては、「コード」という用語は、モノフィラメントとマルチフィラメント又は組立体、例えば、材料やこれらコードの加工がどんなものであれ、ケーブル、合撚りヤーン又は変形例として任意の同等な形式の組立体の両方を非常に一般的に表示している。「一体形コード」という表現は、単一の組み立てられていない要素から成るコードを意味している。これとは対照的に、「マルチフィラメント」という用語は、ケーブル、合撚りヤーン等を形成する少なくとも2本の一体形要素の組立体を意味している。
他方、「半径方向(ラジアル)」構造という用語は、90°の配列状態だけでなく、慣例に従って90°に近い角度での配列をも意味しているものと理解されたい。
従来、1枚又は複数枚のカーカスプライは、ビードワイヤ周りに上に曲げられることが知られている。この場合、ビードワイヤは、カーカス繋留機能を果たす。かくして、特に、このビードワイヤは、例えばインフレーション圧力の作用下でカーカスコード中に生じる張力に耐える。本明細書において説明する構成により、これと同様な繋留機能を保証することができる。また、従来形式のビードワイヤを用いてリムへのビードの締付け機能を果たすことも又知られている。また、本明細書において説明する構成により、同様な締付け機能を保証することができる。
本明細書の説明において、「結合」ゴム又は配合物は、場合によっては補強コードと接触状態にあり、これら補強コードにくっ付き、隣り合うコード相互間のギャップを埋めることができるゴム配合物を意味するものと理解されたい。
コードと結合ゴム層との間の「接触」は、コードの外側周囲の少なくとも一部が、結合ゴムを構成するゴム配合物と密に接触した状態にあることを意味するものと理解されたい。
「サイドウォール」という用語は、クラウンとビードとの間に位置し、大抵の場合曲げ強度が低いタイヤの部分を意味している。「サイドウォール配合物」は、カーカスの補強構造のコード及びこれらの結合ゴムに対して軸方向外側寄りに位置するゴム配合物を意味している。これら配合物は通常、弾性率が低い。
「ビード」は、サイドウォールに隣接して半径方向内部に位置するタイヤの部分を意味している。
ゴム配合物の「弾性率」は、周囲温度における10%のオーダの一軸伸び変形で得られた割線伸びモジュラスを意味するものと理解されたい。
図1は、本発明のタイヤ1を断面で示している。このタイヤは、好ましくは内側ビードに対応した第1のビード3に隣接して位置する第1のサイドウォール5を有している。これと同様に、タイヤの反対側の部分は、第2のビード4に隣接して位置する第2のサイドウォール6を有している。トレッド8が設けられたクラウン7は、サイドウォール相互間の連結手段となっている。クラウンは好ましくは、少なくとも1本の補強ベルトから成る。
タイヤは、有利には実質的に半径方向の配列体の状態に形作られた補強材を備えるカーカス型の補強材又は補強構造2を更に有している。この構造は、一方のビードからサイドウォール及びクラウンを経て他方のビードに連続して配置されたものであるのがよく、或いは変形例として、クラウン全体を覆うことなく、例えばサイドウォールに沿って配置された2つ以上の部品から成っていてもよい。
補強構造2の端部21は、ビード内に配置されている。
補強構造2を形成するには、2つのビード相互間に前後に延びる単一のコードを巻き、ビードの各々の中にループを形成するのがよい。ゴム配合物で被覆されたこれらループは、補強構造2とビード、特にスタック13との間の機械的結合に寄与する。コードの「後側部分」と「前側部分」との間にループが設けられているということは、補強材がモノフィラメントタイプのものであることを指示している。当然のことながら、カーカス型補強構造を単一のコードから連続的に製造しないようにすることが可能であり、又、ループが設けられず、例えば、自由端部を設けることが可能である。
ビードは、実質的に円周方向の繋留ゾーン30を更に有すると共に実質的に補強構造の一部に隣接して設けられた円周方向コード12の配列体を有し、ビードは、補強構造の各側に分布して設けられた少なくとも2つのスタック13を有し、結合(又は繋留)配合物14が、補強構造の円周方向コード相互間に配置されている。
繋留ゾーン内では、スタック13のうちの一方の少なくとも1本のコード12は好ましくは、補強構造2の一部21のすぐ近くに配置されている。また、スタックを、一部21がスタック13相互間に挿入されるよう配置してもよい。
この繋留を促進するため、コード12と補強構造2との間のスペースは、結合ゴム配合物14によって占められている。また、互いに異なる特性を有し、複数のゾーンを構成する複数個の配合物を用いることも可能であり、配合物及び結果的に得られた配列体の組み合わせは、事実上無制限である。種々の変形例によれば、広いモジュラス値の結合ゴム配合物14が用いられ、非限定的な例を挙げると、弾性率は、10〜20MPa以上、例えば40MPa以上であるのがよい。
コード11の配列体を種々の仕方で構成すると共に製造できる。例えば、スタック13は、有利には、螺旋に、好ましくは、最小直径から最大直径に巻かれた(実質的に、0°で)単一のコード12で形成されたものであるのがよい。また、スタックを互いに嵌め込んだ複数本の同心コードで形成してもよい。
図1及び図2に示す本発明の第1の実施形態によれば、ビード3,4の非対称性は、特に、巻線又はコードターンの個数が2つのビードにおいて同一ではないということに由来する。一例を挙げると、ビード3内では、スタックは、6本の巻線(又は、6本のコード、但し、これらが単一のターンしか作らないことを条件とする)、これに対し、ビード4内では、スタック13は、7本の巻線(又は7本のコード、但し、これらが単一のターンしか作らないことを条件とする)。明らかなこととして、スタックは又、単一のビード内で非対称であるのがよい。さらに、巻線又はコードの本数の差は、これまた大きいのがよい。有利には、一方のビードの他方のビードに対するスタック相互間の差は、次の関係式、即ち、Σ(Ee×Seext>Σ(Ei×Siintを満たし、この式において、Eiは、タイヤの軸方向内側の側部又は短い方のサイドウォールのビード内に配置された円周方向コードのヤング率を表し、Siは、タイヤの軸方向内側の又は短い方のサイドウォールのビード内に配置されたコードの表面積を表し、Eeは、タイヤの軸方向外側又は長い方のサイドウォールのビード内に配置された円周方向コードのヤング率を表し、Seは、タイヤの軸方向外側の又は長い方のサイドウォールのビード内に配置されたコードの表面積を表している。このように、好ましくは外側の長い方のサイドウォールの結果的に得られる剛性は、好ましくは内側の短い方のサイドウォールの結果的に得られた剛性よりも高く、したがって、内側よりも外側の方に大きな繋留性能又は力を生じさせる。
図3及び図4に示す第2の実施形態によれば、ビード3,4の非対称性は特に、スタック13の個数が2つのビードに関して同一ではないということに由来している。一例を挙げると、ビード3は、構造21の各側にコード12のスタック13を有し、これに対し、ビード4は、構造21の各側に2つのスタックを有している。明らかなこととして、スタックの個数は又、単一のビード内で非対称であるのがよい。さらに、2つのビードの各ビード相互間の差は、これ又大きいのがよい。有利には、一方のビードの他方のビードに対するスタックの個数相互間の差は、次の関係式、即ち、Σ(Ee×Seext>Σ(Ei×Siintを満たし、この式において、Eiは、タイヤの軸方向内側の側部又は短い方のサイドウォールのビード内に配置された円周方向コードのヤング率を表し、Siは、タイヤの軸方向内側の又は短い方のサイドウォールのビード内に配置されたコードの表面積を表し、Eeは、タイヤの軸方向外側又は長い方のサイドウォールのビード内に配置された円周方向コードのヤング率を表し、Seは、タイヤの軸方向外側の又は長い方のサイドウォールのビード内に配置されたコードの表面積を表している。このように、好ましくは外側の長い方のサイドウォールの結果的に得られる剛性は、好ましくは内側の短い方のサイドウォールの結果的に得られた剛性よりも高く、したがって、内側よりも外側の方に大きな繋留性能又は力を生じさせる。
図5〜図10は、本発明のタイヤの別の実施形態の幾つかの例を示している。この実施形態では、ビード3,4は各々、互いに異なる特性のコード12の配列体11を有している。様々である特性は、コードの性質又は材質、コードの寸法及び(又は)プロフィール等であるのがよい。図5〜図10に示す例では、上述の配列体のコードの配置状態は、外側ビード内に配置されたコード12の単位表面積当たりの密度が、内側ビード内に配置されたコード12の単位表面積当たりの密度よりも高いようなものである。有利な例によれば、単位面積当たりの密度は、コードプロフィール(切断コード、フィラメント、ケーブル又は合撚りヤーン)の表面積の和に相当している。例えば、少ない本数の大径のコードは、多い本数の全体として小径のコード、ケーブル、フィラメント又は撚りヤーン等よりも広い表面積を占めるのがよい。表面積の和は重要であり、即ち、これは、同一又は同一ではない表面積の和であるのがよい。
明らかなこととして、図9及び図10に示されているように、上述した形式の非対称性の種々の組み合わせを用いることができる。かくして、図9及び図10においては、様々であるのは、スタックの個数及び円周方向コードの特性である。
本発明のタイヤは、欧州特許第673,324号明細書に記載されている形式のリムへの装着使用に特に適している。シート及び好ましくは外側に向かって軸方向且つ半径方向に設けられた隆起領域又はフランジを有する。
スタック(タイヤの回転軸線に半径方向において最も近く位置するコード)のベースは好ましくは、例えば図3に示すように、上述のフランジの端部(フランジの軸方向且つ半径方向において最も外側の部分)よりも、更に半径方向外側寄りに配置される。スタックのベースは、タイヤにマッチしたリム60(又はリムフック)のフランジに対して半径方向外側に配置されるよう設けられる。すると、脱着作業が容易になる。かくして、図2においては、rf(第1のコードの半径)が、rj(リムフランジ又はフックの半径)よりも大きいことが理解されよう。この半径は、回転軸線からの距離に相当している。
説明すると共に(或いは)図示した実施形態の種々の例を有利には、欧州特許第580,055号明細書に記載された形式の装置を用いて製造できる。
かくして、例えば、内部キャビティの形状を付与する中央コアにタイヤを取り付けることが非常に有利である。好ましくは最終のアーキテクチャにより必要とされる順序で、タイヤの構成要素の全てがこのコアに取り付けられ、これらタイヤの構成要素は、実質的に最終のプロフィールではこれらの最終位置に直接配置される。この場合、かかるタイヤを米国特許第4,895,692号に記載されているように成形して加硫することができる。
本発明のタイヤの断面図である。 図1の実施形態のビードの拡大断面図である。 本発明のタイヤの別の実施形態の断面図である。 図3の実施形態のビードの拡大断面図である。 本発明のタイヤの別の実施形態の断面図である。 図5の実施形態のビードの拡大断面図である。 本発明のタイヤの別の実施形態の断面図である。 図7の実施形態のビードの拡大断面図である。 本発明のタイヤの別の実施形態の断面図である。 図9の実施形態のビードの拡大断面図である。

Claims (6)

  1. 車両ホイール用のタイヤであって、
    −互いに軸方向に間隔を置いて位置していて、半径方向外側部分に円周方向トレッドを備えたクラウンゾーンによって半径方向外側部分が互いに接合された2つのサイドウォールを有し、
    −前記サイドウォールの各々の半径方向内側寄りに配置されたビードを有し、各ビードは、適当なリムに接触するようになった受座及び外側フランジを有し、
    −前記ビードの各々から実質的に半径方向に前記サイドウォールに沿って前記クラウンゾーンに向かって延びる補強構造を有し、
    −前記ビードは、
    −母線を有するビード受座を有し、前記ビード受座の軸方向内側端部は、軸方向外側端部が位置する円の直径よりも大きな直径の円上に位置し、
    −前記ビード内に設けられた前記補強構造用の繋留ゾーンを有し、該繋留ゾーンは、前記補強構造の一部に実質的に隣接して位置し、前記補強構造の各側に分布して位置する少なくとも2つのスタックを構成する円周方向コードの配列体を有し、結合配合物が、前記円周方向コードと前記補強構造との間に設けられ、
    −実質的に前記ビードの前記受座に沿って延びる前記ビード用の支承ゾーンを有し、 −前記ビードは各々、前記ビードの前記繋留ゾーンの特定の且つ互いに異なる構成を有していて、長い方の前記サイドウォールに対応する前記ビードの前記繋留ゾーンが、短い方の前記サイドウォールに対応する前記ビードの前記繋留ゾーンよりも高い繋留性能を示すようになっており、前記繋留ゾーンは両方共、前記タイヤを適当なリムに装着してその動作圧力に実質的に相当する圧力まで加圧すると、各側で実質的に同一のリム締付け荷重を生じさせるように配置され、前記短い方のサイドウォールのビード内に配置された各円周方向コードは、ヤング率Ei及び表面積Siを示し、前記長い方のサイドウォールの前記ビード内に配置された各コードは、ヤング率E i とは異なるヤング率Ee及び表面積S i は異なる表面積Seを有し、前記配列体の前記コードは、Σ(Ee×Seext>Σ(Ei×Siintであるように設けられている、タイヤ。
  2. 積E×Sの和は、前記タイヤの前記ビードゾーン内でのみ考慮される、請求項1記載のタイヤ。
  3. 前記長い方のサイドウォールの前記ビードの前記繋留ゾーンの前記円周方向コードの本数は、前記短い方のサイドウォールの前記繋留ゾーンの前記円周方向コードの本数よりも多い、請求項1記載のタイヤ。
  4. 前記長い方のサイドウォールの前記繋留ゾーンの前記円周方向コードの前記スタックの個数は、前記短い方のサイドウォールの前記繋留ゾーンの前記円周方向コードの前記スタックの個数よりも多い、請求項1記載のタイヤ。
  5. 前記長い方のサイドウォールの前記繋留ゾーンは、通常の圧力では、前記補強構造の力が前記繋留ゾーン内の前記補強構造の各側で実質的に一様に分布されるような仕方で前記ビード内に配置されている、請求項1記載のタイヤ。
  6. 前記短い方のサイドウォールは、前記車両の内側寄りに位置決めされるようになっており、前記長い方のサイドウォールは、前記車両の外側寄りに位置決めされるようになっている、請求項1記載のタイヤ。
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