JP4610139B2 - Multilayer polypropylene resin foam board and assembly box thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種容器の仕切り板用材料、芯材、所謂ダンボール箱などの通い箱、収納箱などの材料に利用される多層ポリプロピレン系樹脂発泡板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シート状、板状の合成樹脂発泡体は熱成形されて、食品用トレイ、弁当箱、丼、カップ等の各種の容器や成形加工して通い箱、収納箱などに広く利用されてきている。例えば、実公平5−12031号公報には、ポリスチレン系樹脂発泡体の両面にポリプロピレン樹脂が積層された板状積層発泡体が開示されている。この板状積層発泡体は、折りたたみが可能であるものの、積層発泡体の芯層がポリスチレン樹脂発泡体であることから使用している間にヘタリや座屈が生じ易く、また耐熱性が低い。また積層発泡体の切断面はポリスチレン樹脂発泡体が露出した状態であり油や薬品に侵され易く耐油性、耐薬品性等に問題があり使用に際して自ずと制約がある等の問題がある。
【0003】
また特開平11−277696号公報には、ポリプロピレン系樹脂発泡体の少なくとも片面に、ポリプロピレン系樹脂からなり密度が0.3g/cm3を超える樹脂層からなる表面層を有するポリプロピレン系樹脂発泡積層板が記載されている。この積層発泡板は軽量で剛性に優れたものではあるが、耐折性および低温耐衝撃性において十分に満足できるものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、軽量で、剛性を有し、しかも耐折性および低温耐衝撃性に優れた多層ポリプロピレン系樹脂発泡板を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリプロピレン系樹脂発泡体層の少なくとも片面に、ポリプロピレン系樹脂組成物からなる樹脂層が積層されてなる耐折性および低温耐衝撃性に優れた多層ポリプロピレン系樹脂発泡板に関する。
【0007】
(1)本発明は、多層ポリプロピレン系樹脂発泡板において、ポリプロピレン系樹脂発泡体層の少なくとも一方の面に、メルトフローレイト(MFR)が8g/10分〜50g/10分の範囲にあるポリプロピレン系樹脂を25重量%以上含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる樹脂層(B)が積層され、該樹脂層(B)を介して熱可塑性エラストマーを含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる樹脂層(A)が積層されてなり、JIS P 8115(1994)に基づいて測定される耐折回数が1000回以上であり、かつ曲げ弾性率が200MPa以上であることを特徴とする多層ポリプロピレン系樹脂発泡板に関する。
【0008】
(2)また本発明は、熱可塑性エラストマーを含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる樹脂層(A)が多層ポリプロピレン系樹脂発泡板の最外層に位置して積層されていることを特徴とする上記(1)記載の多層ポリプロピレン系樹脂発泡板に関する。
【0009】
(3)また本発明は、樹脂層(B)を構成するポリプロピレン系樹脂組成物は、メルトフローレイト(MFR)が15g/10分〜50g/10分の範囲にあるポリプロピレン系樹脂を25重量%〜50重量%含有することを特徴とする上記(1)記載の多層ポリプロピレン系樹脂発泡板に関する。
【0010】
(4)また本発明は、樹脂層(A)を構成するポリプロピレン系樹脂組成物はメルトフローレイト(MFR)が8g/10分〜50g/10分の範囲にあるポリプロピレン系樹脂を25重量%以上含有することを特徴とする上記(1)記載の多層ポリプロピレン系樹脂発泡板に関する。
【0011】
(5)多層ポリプロピレン系樹脂発泡板にいて、ポリプロピレン系樹脂発泡体層の少なくとも一方の面に、メルトフローレイト(MFR)が8g/10分〜50g/10分の範囲にあるポリプロピレン系樹脂と熱可塑性エラストマーを含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる樹脂層(D)が積層され、該樹脂層(D)を介してポリプロピレン系樹脂からなる樹脂層(C)が積層されてなり、JIS P 8115(1994)に基づいて測定される耐折回数が1000回以上であり、かつ曲げ弾性率が200MPa以上であることを特徴とする多層ポリプロピレン系樹脂発泡板に関する。
【0012】
(6)また本発明は、熱可塑性エラストマーがオレフィン系エラストマーであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の多層ポリプロピレン系樹脂発泡板に関する。
【0013】
(7)さらに本発明は、ポリプロピレン系樹脂発泡体層の両面に樹脂層(A)が最外層に位置して積層されてなる上記(1)〜(4)または(6)のいずれかに記載の多層ポリプロピレン系樹脂発泡板より形成してなる組立箱に関する。
【0014】
(8)さらに本発明は、ポリプロピレン系樹脂発泡体層の両面に樹脂層(C)が最外層に位置して積層されてなる上記(5)または(6)記載の多層ポリプロピレン系樹脂発泡板より形成してなる組立箱に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、特に、耐折性および低温耐衝撃性に優れた多層ポリプロピレン系樹脂発泡板に関し、具体的には、多層ポリプロピレン系樹脂発泡板において、ポリプロピレン系樹脂発泡体層の少なくとも一方の面に、熱可塑性エラストマーを含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる樹脂層が積層されてなり、JIS P8115(1994)に基づいて測定される耐折回数が1000回以上であり、かつ曲げ弾性率が200MPa以上である多層ポリプロピレン系樹脂発泡板に関するものである。
【0016】
本発明におけるポリプロピレン系樹脂発泡体層(以下、単に「発泡体層」という)を構成する基材樹脂としては、プロピレン重合体、またはプロピレンと共重合可能な他のオレフィンとの共重合体が挙げられる。プロピレンと共重合可能な他のオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセンなどの炭素数2〜10のα−オレフィンが例示される。また上記共重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよく、さらに二元共重合体のみならず三元共重合体であってもよい。また、これらのポリプロピレン系樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0017】
上記の共重合体を、発泡体層を構成する基材樹脂として使用する場合、共重合体中に共重合成分のオレフィンが25重量%以下、特に15重量%以下の割合で含有されていることが好ましい。また共重合体中に含有する共重合成分の好ましい下限値は0.3重量%である。
【0018】
上記の発泡体層を構成する基材樹脂として使用されるポリプロピレン系樹脂の中でも押出発泡に好適な樹脂としては、一般のポリプロピレン系樹脂と比較して溶融張力が高いポリプロピレン系樹脂が好ましい。具体的には、例えば、特開平7−53797号公報に記載されているような、(1)1未満の枝分かれ指数と著しい歪み硬化伸び粘度とを有するポリプロピレンや、(2)(a)Z平均分子量(Mz)が1.0×106以上であるか、またはZ平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が3.0以上であり、(b)かつ平衡コンプライアンスJ0が1.2×10−3m2/N以上であるか、または単位応力当たりの剪断歪み回復Sr/Sが毎秒5m2/N以上であるポリプロピレンを用いたポリプロピレン系樹脂が好ましい。
【0019】
また、本発明においては、(3)スチレン等のラジカル重合性単量体およびラジカル重合開始剤や添加剤などを含む配合物を、ポリプロピレン系樹脂が溶融し、かつラジカル重合開始剤の分解温度において溶融混練することによって改質されたポリプロピレン系樹脂、あるいは(4)ポリプロピレン系樹脂とイソプレン単量体とラジカル重合開始剤とを溶融混練して得られる改質ポリプロピレン系樹脂であってもよい。さらにこれら基材樹脂の中でも不溶解成分の割合が低いものが好ましい。不溶解成分の割合は、発泡体を試料とし、145℃のキシレン中に試料を入れ8時間煮沸した後、100メッシュの金網で速やかに濾過し、ついで金網上に残った沸騰キシレン不溶解成分を20℃のオーブン中で24時間乾燥したのち、不溶解成分の重量G(g)を測定し、下記式(1)により求められる不溶解成分の割合が0〜10重量%である場合を意味するが、好ましくは、0〜5重量%、より好ましくは0〜2重量%である。不溶解成分の割合が低い程リサイクル性に優れており、またコスト低減の点より好ましいものである。
【0020】
【数1】
乾燥後の不溶解成分の割合(重量%)
=[G(g)/試料重量(g)]×100………(1)
【0021】
本発明においては、上記発泡体層を構成する基材樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂単独で使用されるのみならず、さらに必要に応じて他の樹脂を使用することができる。他の樹脂としては、例えば、上記以外のポリプロピレン系樹脂、あるいは高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体等のエチレン系樹脂またはブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられる。これらの他の樹脂を添加する場合には、その添加量は、基材樹脂総重量の40重量%以下にするのが好ましい。
【0022】
本発明の多層ポリプロピレン系樹脂発泡板(以下、単に「多層発泡板」ということがある)は、発泡体層の少なくとも一方の面に、ポリプロピレン系樹脂組成物層(以下、単に「樹脂層」という)が積層された多層発泡板であり、該樹脂層を発泡体層に積層するに際して、樹脂層を構成する樹脂中に発泡体層を構成する基材樹脂と同一または熱融着可能な同種のポリプロピレン系樹脂を含有させることが樹脂層と発泡体層との接着性およびリサイクル性の点から好ましく、また発泡体層を構成する基材樹脂中に樹脂層を構成する樹脂と同一または熱融着可能な同種のポリプロピレン系樹脂を含有させることが前記した点から好ましい。
【0023】
本発明の多層発泡板において、発泡体層の少なくとも一方の面に積層される樹脂層は、熱可塑性エラストマーを含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる樹脂層が積層されてなり、JIS P 8115(1994)に基づいて測定される耐折回数が1000回以上であり、かつ曲げ弾性率が200MPa以上であることを特徴とする。
【0024】
本発明の多層発泡板は、JIS P 8115(1994)に基づいて測定される耐折回数が1000回以上であり、ヒンジ部分の耐久性の点から2000回以上であることが好ましい。この耐折回数は多いに越したことはないが上限値はほぼ20000回である。なお、JIS P 8115(1994)に基づいて測定される耐折回数とは、試験片の長さ方向が押出方向(MD)となるよう長さ110mm×幅15mm×厚さ(多層発泡板の全厚)の試験片を用い、長さ方向中央部の全幅(15mm)にけい線を形成するための押し刃(先端角度72度)を片面から押圧を行う。(片面のみに樹脂層が積層されている場合は、樹脂層側から押圧を行う)押込み量は全厚の90%を押込み、押圧時間は3秒とする。次いでこの試験片を用いて、JIS P 8115(1994)に準拠して荷重10N、折り曲げ部のRは0.38mmとし、試験片の一端を固定し左右へ135度の角度に折り曲げ、1分間に左右合わせて175回折り曲げる速度で試験片が破壊するまで実施する。この測定によって得られた値を耐折回数として採用する。
【0025】
また、本発明の多層発泡板は、曲げ弾性率が200MPa以上を有する。本発明の多層発泡板より形成した組立箱を重ねて段積みした際に、箱の側面のたわみ等を抑える点から相応の強度、剛性を有することが望ましく曲げ弾性率は210MPa以上であることが好ましい。曲げ弾性率の上限は特に制限されないが上限値は500MPaである。なお、多層発泡板の曲げ弾性率は、JIS K 7203(1982)に準拠して押出方向(MD)と幅方向(TD)で測定する。試験片は長さ100mm×幅25mm×多層発泡板の全厚、支点の先端R=5(mm)、加圧の先端R=5(mm)、支点間距離は50mm、曲げ速度は10mm/分とする。多層発泡板の一方の面にのみ樹脂層が積層されている場合は、樹脂層面を下側にして測定する。このようにして測定される値を曲げ弾性率とする。
【0026】
本発明の多層発泡板のひとつは、熱可塑性エラストマーを含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる樹脂層(A)が発泡体層の少なくとも一方の面に積層された多層発泡板で、熱可塑性エラストマーを含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる樹脂層(A)が多層発泡板の最外層に位置して積層されている多層発泡板であれば、耐折性、低温耐衝撃性に特に優れ、JIS P 8115(1994)に基づいて測定される耐折回数が1000回以上であり、かつ曲げ弾性率が200MPa以上を示すものである。
【0027】
本発明の多層発泡板において、ポリプロピレン系樹脂発泡体層の少なくとも一方の面に、MFRが8g/10分〜50g/10分の範囲にあるポリプロピレン系樹脂を25重量%以上含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる樹脂層(樹脂層(B))が発泡体層に積層され、該樹脂層(B)を介して熱可塑性エラストマーを含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる樹脂層(樹脂層(A))が積層されることにより、積層過程において樹脂層を発泡体層に積層接着する際、樹脂層と発泡体層との接着温度を低く抑えることができるため発泡体層の気泡および気泡形成に影響を与えることが少なく連続気泡化を抑制し、連続気泡率の低い発泡体層を得ることができる。MFRが8g/10分未満であると上記したように気泡形成に影響を与え連続気泡化を抑制することができない虞がある。一方、50g/10分を超えると曲げ強度等の剛性が低下したり、外観が低下したりする虞がある。発泡体層の連続気泡化をより抑制する好ましいMFRは、15g/10分〜50g/10分である。なお、発泡体層に上記樹脂層(B)を積層することなく、MFRが8g/10分〜50g/10分の範囲にあるポリプロピレン系樹脂25重量%以上と熱可塑性エラストマーを含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる樹脂層(樹脂層(A))のみを積層した場合も、前述したように積層過程において発泡体層の気泡および気泡形成に影響を与えることが少なく連続気泡化を抑制し、連続気泡率の低い発泡体層を得ることができる。発泡体層に積層されるポリプロピレン系樹脂組成物からなる樹脂層におけるMFRは、10g/10分〜30g/10分であることが上記の点から好ましい。
【0028】
本発明における樹脂層(A)は、熱可塑性エラストマーを含有するポリプロピレン系樹脂組成物である。本発明において、樹脂層(A)は、熱可塑性エラストマーが1重量%〜30重量%とポリプロピレン系樹脂が99重量%〜70重量%(合計100重量%)であることが耐折性と剛性との点から好ましい。また、本発明における樹脂層(A)を構成するポリプロピレン系樹脂組成物は、さらに、MFRが8g/10分〜50g/10分の範囲にあるポリプロピレン系樹脂を25重量%以上含有することが好ましく、その上限値は99重量%である。このようにすると特に樹脂層(B)を介せずとも樹脂層(A)を積層することができ生産性および経済性に優れる多層発泡板となる。
【0029】
この樹脂層(A)を構成するポリプロピレン系樹脂としては、上記したプロピレン単独重合体、プロピレン共重合体またはこれら重合体、あるいは共重合体と他の熱可塑性樹脂との混合物に、酸化防止剤、滑剤、紫外線防止剤、難燃剤、帯電防止剤、抗菌剤、充填剤等の樹脂添加剤を配合した組成物であってプロピレン単位成分の割合が少なくとも50重量%以上含有するポリプロピレン系樹脂(いわゆるポリプロピレン系樹脂マスターバッチ)を使用することができる。本発明において、このようなポリプロピレン系樹脂は、上記樹脂層(A)を構成するポリプロピレン系樹脂に包含される。
【0030】
本発明の樹脂層(A)を構成する熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合ゴム、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴム、スチレン−エチレン−プロピレン共重合ゴム、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合ゴム等のスチレン系エラストマー、エチレン−プロピレンランダム共重合ゴム、エチレン−ブチレンブロック共重合ゴム、エチレン−オクテンランダム共重ゴムのエチレンと他のオレフィンとの共重合ゴム等のオレフィン系エラストマーが挙げられる。これらのエラストマーのうち、オレフィン系エラストマーが耐折性および低温耐衝撃性をより向上させるうえで好ましく、オレフィン系エラストマーの中でも配合量が少量でも十分な効果が得られ、コスト的に有利な点からエチレンと他のオレフィンとの共重合体ゴムが好ましく、中でも特にエチレン−ブチレンブロック共重合ゴムは、配合量がより少量でも十分な効果が得られ、曲げ弾性率等の剛性を維持しつつ耐折性および低温耐衝撃性に優れた多層発泡板を得ることができる。
【0031】
これらの熱可塑性エラストマーは、1重量%〜30重量%の範囲で使用される。熱可塑性エラストマーの割合が30重量%を超える量では、剛性の低下を招き、形成した箱容器を積み重ねた場合、箱容器の側面が撓む虞れや、耐熱性の低下を招く虞れがあり好ましくなく、好ましくは2重量%〜15重量%である。さらに好ましくは2重量%〜8重量%である。一方熱可塑性エラストマーの割合が1重量%よりも少ない量では耐折性および低温耐衝撃性が得られず所期の目的が達成されない。
【0032】
本発明における樹脂層(B)は、MFRが8g/10分〜50g/10分の範囲にあるポリプロピレン系樹脂を必須成分として含有するポリプロピレン系樹脂組成物である。本発明の樹脂層(B)を構成するポリプロピレン系樹脂は、上記のMFRが特定範囲にあるポリプロピレン系樹脂を25重量%以上含む以外は本発明における発泡体層または前記した樹脂層(A)を構成するポリプロピレン系樹脂と同等のものが使用される。
【0033】
本発明で用いられるMFRが8g/10分〜50g/10分の範囲にあるポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体でプロピレン単位成分の割合が50重量%以上含有するランダム共重合体、ブロック共重合体等のMFRが上記範囲であるものが挙げられる。これらの単独重合体または共重合体はそれぞれ単独で、または2種以上の混合物として用いることができる。また所望に応じて、MFRが上記範囲である上記単独重合体、または共重合体の少なくとも1種とその他の熱可塑性樹脂との混合物であって混合物中のプロピレン単位成分割合が50重量%以上のものが挙げられる。
【0034】
また、樹脂層(B)におけるポリプロピレン系樹脂には、例えば、酸化防止剤、滑剤、紫外線防止剤、難燃剤、帯電防止剤、抗菌剤、充填剤等の樹脂添加剤との混合物であって混合物中のプロピレン単位成分割合が50重量%以上のもので、かつMFRが上記範囲にあるもの、上記単独重合体または上記共重合体50重量%以上と、酸化防止剤、滑剤、紫外線防止剤、難燃剤、帯電防止剤、抗菌剤、充填剤等の樹脂添加剤50重量%以下との混合物でMFRが上記範囲にあるもの等も包含される。MFRが上記範囲のポリプロピレン系樹脂を含むポリプロピレン系樹脂にさらに前記樹脂層(A)で用いられた熱可塑性エラストマーを添加したポリプロピレン系樹脂組成物とすることもでき、この熱可塑エラストマーを含有する組成物が、耐折性および低温耐衝撃性がより向上した多層発泡板を得ることができる利点がある。
【0035】
本発明の樹脂層(B)を構成するポリプロピレン系樹脂組成物は、MFRが8g/10分〜50g/10分のポリプロピレン系樹脂を25重量%以上含有することが前記した所期の目的の点から好ましいが、より好ましくはMFRが15g/10分〜50g/10分のポリプロピレン系樹脂を25重量%〜50重量%含有することが好ましい。このような15g/10分〜50g/10分のMFRのポリプロピレン系樹脂を25重量%〜50重量%含有する場合は得られる多層発泡板の機械的強度、剛性が優れたものとなる。また含有量が50重量%以下であることが多層発泡板の回収原料を多く混入することができリサイクル性が高まる観点から好ましい。
尚、前述したように発泡体層に積層される樹脂層のポリプロピレン系樹脂組成物のMFRを、10g/10分〜30g/10分とするには、上記したMFRが8g/10分〜50g/10分、特に好ましくはMFRが15g/10分〜50g/10分のポリプロピレン系樹脂を25重量%〜50重量%を含有し、例えば、MFRが2g/10分以上8g/10分未満のポリプロピレン系樹脂を75重量%〜50重量%の範囲で混合することにより調整することができる。
【0036】
本発明において、耐折回数と曲げ弾性率の特定の値を満足する前記した以外の多層発泡板は、発泡体層の少なくとも一方の面に、MFRが8g/10分〜50g/10分の範囲にあるポリプロピレン系樹脂と熱可塑性エラストマーを含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる樹脂層(D)が積層され、該樹脂層(D)を介してポリプロピレン系樹脂からなる樹脂層(C)が積層されている多層発泡板である。該多層発泡板において、樹脂層(D)の厚みは、0.05mm〜0.30mmであることが発泡体層の連続気泡化の抑制、耐折性および低温衝撃性のバランスに優れる点から好ましい。さらに、0.05mm〜0.20mmであることが好ましい。また、樹脂層(C)の厚みは、機能性付与と外観の点から0.02mm以上が好ましく、樹脂層(C)の厚みが厚すぎると繰り返し折り曲げた際に裂け目が発生し、耐折性が低下することや低温耐衝撃性が低下する虞があることから樹脂層(C)の厚みは0.05mm未満であることが好ましい。この樹脂層(C)を構成するポリプロピレン系樹脂は、前述した樹脂層(A)および(B)を構成するポリプロピレン系樹脂として例示されるのと同様のものが挙げられる。また、樹脂層(D)を構成する熱可塑性エラストマーは、樹脂層(A)を構成する熱可塑性エラストマーとして例示されるのと同様のものが挙げられる。本発明において、樹脂層(D)は、熱可塑性エラストマーが1重量%〜30重量%とMFRが8g/10分〜50g/10分の範囲にあるポリプロピレン系樹脂が99重量%〜70重量%(合計100重量%)であることが耐折性と剛性との点から好ましい。このようにすると樹脂層(D)を直接発泡体層に積層することができ生産性および経済性に優れる多層発泡板となる。
【0037】
本発明におけるポリプロピレン系樹脂のMFRは、JIS K 7210(1976)により求められる値である。測定方法はA法により同一材料につき1回の押出し毎に1個の質量測定用試料を採取し、これを3回繰り返し行う。試験温度230℃、試験荷重21.18Nである。
【0038】
次に、本発明の多層発泡板の層構成について詳述する。
本発明の多層発泡板の厚みは、該発泡板を構成する発泡体層の厚さ、発泡体層に積層される樹脂層の構成およびその厚み等により種々の厚みのものがあり、用途により適宜選択される。例えば、通い箱や収納箱等に用いる場合は、強度や耐衝撃性、成形加工性、取り扱い性等の点から一般的に3〜10mmであり、内容物の重量が50kg程度以下のものの箱容器に用いる場合は、3〜5mmのものが使用される。本発明の多層発泡板を構成する発泡体層の厚さは、断熱性の観点から2mm以上が好ましく、一方、ヒンジ加工の観点からは8mm以下であることが好ましく、特にスジ押し加工用としてはヒンジ部分の形成が容易である点から5mm以下がより好ましい。
【0039】
また、発泡体層の見かけ密度は100〜500g/Lが好ましい。特に125〜300g/Lであると剛性、緩衝性および断熱性のバランスがとれたものとなり、特に通い箱や収納箱等に適したものである。発泡体層の見かけ密度が上記の範囲よりも小さくなると多層発泡板の剛性が低下する虞があり好ましくない。
一方、発泡体層の見かけ密度が上記の範囲を超えると、経済的に不利になり好ましくなく、また箱容器に成形する際の成形性が低下する虞があり好ましくない。さらには成形体の断熱性が悪くなり、保温性が低下する虞がある。また、発泡体層の厚みが余りにも薄くなると、組立箱を成形したとき壁厚が不充分となり、強度や断熱性、緩衝性の面などから好ましくない。一方発泡体層の厚みが大きくなり過ぎると成形加工性、ヒンジ加工性、箱としての取り扱い性等の面から好ましくない。
【0040】
また、本発明における発泡体層の連続気泡率は40%以下、好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下である。発泡体層の連続気泡率は、多層発泡板を加工して得られる製品の物性、品質に影響を与えるので上記の範囲に抑えることが必要である。なお、本明細書における「連続気泡率」は、ASTM D2856(1976)の手順Cによって発泡体層の実容積(独立気泡の容積と樹脂部分の容積との和)Vx(L)を求め、下記式(2)から算出される値である。
【0041】
【数2】
連続気泡率(%)=(Va‐Vx)×100/(Va−W/ρ)……(2)
ただし、
Va:試験片15cm3〜16cm3となるように最小限の枚数から求められる発泡体層の見掛けの容積(L)
W: 試験片における発泡体層の重量(g)
ρ: 発泡体層における基材樹脂の密度(g/L)
なお、予め樹脂層の容積は、試験片の外寸から求められる値とし、試験片の容積から樹脂層の容積を除くこととする。また発泡体層の重量は、発泡体層の密度と見掛けの容積から算出される値を採用する。
【0042】
本明細書において、多層発泡板の厚みは、多層発泡板の押出方向に対して垂直な幅方向の断面の厚みを顕微鏡により等間隔で10点撮影する。ついで、撮影した写真より多層発泡板の厚みを測定しその平均値を採用する。
【0043】
本明細書において、発泡体層の密度の測定は下記に示す方法によって行った。すなわち、予め、多層発泡板の厚みと坪量を測定し、顕微鏡により多層発泡板の押出方向に対して垂直な幅方向の多層発泡板の断面を等間隔で10点撮影し、撮影した写真より測定された樹脂層の厚みの平均値を算出する。樹脂層(樹脂層(A)のみ、樹脂層(A)および樹脂層(B)を含む樹脂層または樹脂層(C)および樹脂層(D)を含む樹脂層)の厚みを多層発泡板の厚みから差し引いた値を発泡体層の厚みとした。次いで樹脂層の密度(g/L)を乗じ、単位換算を行って樹脂層の坪量(g/m2)を算出する。前記した樹脂層の坪量を多層発泡板の坪量から差し引いた値を発泡体層の坪量(g/m2)とする。この発泡体層の坪量(g/m2)を前記の発泡体層の厚み(mm)で除した値を単位換算し発泡体層の密度(g/L)として採用する。
【0044】
本発明の多層発泡板において、発泡体層に積層される樹脂層の厚みは、樹脂層が単層の場合と多層の場合、すなわち、樹脂層(A)のみが積層される場合と、樹脂層(A)と樹脂層(B)とが積層される場合と、樹脂層(C)と樹脂層(D)とが積層される場合とで相違するが、一般的に0.05〜0.60mmであり、好ましくは0.10〜0.60mmである。樹脂層(A)のみが積層される場合は、一般的に0.05〜0.30mm程度であり、好ましくは0.05〜0.20mmである。樹脂層(A)と樹脂層(B)とが積層される場合には、一般的に0.07〜0.60mm程度であり、この場合樹脂層(B)は、樹脂層(A)と発泡体層との接着層としての機能をも有するものであり一般的には0.02〜0.30mm程度である。一方、樹脂層(A)の厚みは、耐折性、低温耐衝撃性および軽量性のバランスに優れる点から0.05mm〜0.30mmが好ましく、さらに0.05mm〜0.20mmが好ましい。尚、樹脂層(C)と樹脂層(D)とが積層される場合についての各樹脂層の厚みの範囲は、前述した通りである。発泡体層の厚みに対する樹脂層(樹脂層(A)および樹脂層(B)、樹脂層(C)および樹脂層(D))の割合は、3〜50%、好ましくは5〜40%である。この樹脂層の厚みが上記範囲よりも小さくなると表面平滑性が低下する虞があるので好ましくない。一方、上記の範囲を超えるような厚みとなると、発泡体層の独立気泡率の低下が発生する虞があり好ましくなく、またコスト高となり不利である。
【0045】
本発明の多層発泡板の最外層を構成する樹脂層(A)には、必要に応じてタルク等の無機充填剤を含有することができる。タルク等の無機充填剤を含有することにより、筒状多層発泡体と冷却された円筒との滑り性が良好となるので好ましい。該樹脂層中における無機充填剤の含有量は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上であり、30重量%を超えない量の範囲で添加され、添加量が30重量%を超える多量の添加は得られる多層発泡板が脆くなり好ましくない。添加量は筒状多層発泡体と冷却された円筒との滑り性と脆性とのバランスを考慮して25重量%以下、好ましくは20重量%以下である。なお、先に記述したタルクを添加したポリプロピレン系樹脂マスターバッチを最外層を構成する樹脂層に用いる場合には、敢えてこのような無機充填剤を添加する必要はないが、所望によって添加することができる。
このような無機充填剤を最外層を構成する樹脂層に含有させた場合は、環状ダイから押出された筒状多層発泡体を冷却された円筒上を通過させる際に、筒状多層発泡体と冷却された円筒との滑りが向上し、得られる多層発泡板の強度、耐熱性等を向上させことができ、また外観が良好なものとなる。
多層発泡板の最外層を構成する樹脂層にタルク等の無機充填剤を含有しない場合は、低温耐衝撃性がより向上する。しかし、無機充填剤を含有しない場合は、筒状多層発泡体と冷却された円筒との滑り性が低下する傾向がある。その場合、筒状多層発泡体と冷却された円筒との滑り性を良好とするには、例えば、金属製の円筒に各種金属やセラミックを溶着させてその溶射皮膜を下地としてフッ素樹脂または各種ポリマーをコーティングする等の表面処理する方法や円筒の表面温度を低くする方法やそれらを組み合わせた方法などが挙げられる。
【0046】
本発明の多層発泡板において、その発泡体層に積層される樹脂層は、発泡体層の両面に積層されることが表面の強度、成形加工性、外観、表面平滑性等の点から好ましいが、必ずしも発泡体層の両面に積層する必要はなく、発泡体層の一方の面に樹脂層を積層したものであっても差し支えない。発泡体層の一方の面に樹脂層を積層した多層発泡板を、例えば、通い箱や収納箱などの組立箱に利用する場合には、箱容器の外側が樹脂層を積層した面となるように配置して形成することが引っかき等に対する強度、耐衝撃性、印刷性等の点から好ましい。
【0047】
本発明の多層発泡板は、それ自体公知の方法で製造することができる。その代表的な方法としては、例えば、予め発泡体を製造し、その後製造工程ライン上または別ラインから樹脂層を構成する樹脂溶融物を別の押出機から供給して発泡体層に樹脂層を積層する方法、また発泡体層を製造し、製造工程ライン上または別ラインから樹脂層として本発明の樹脂層(A)を構成するポリプロピレン系樹脂フィルムを供給し、別の押出機から本発明の樹脂層(B)を構成する樹脂溶融物を供給して発泡体層に両者を積層する方法、また発泡体層を製造し、製造工程ライン上または別ラインから本発明の樹脂層 (A)と本発明の樹脂層 (B)との積層フィルムを導入して最外層を樹脂層(A)として熱ロールにより積層する方法、および多層共押出法により発泡体層の少なくとも片面に樹脂層(樹脂層(A)または樹脂層(A)および樹脂層(B))を設けて押出し積層発泡体を製造する方法などが挙げられる。尚、樹脂層(C)および樹脂層(D)を有する多層発泡板の場合は、前記した樹脂層(A)が樹脂層(C)、樹脂層(B)が樹脂層(D)に相当する。
【0048】
これらの方法のうち多層共押出法が、他の方法に比べ工程がシンプルであり、コストの面からも好ましい方法である。そして、発泡体層と樹脂層との接着強度が高い良好な多層発泡板が得られる。多層共押出法により多層発泡板を得る方法についてさらに詳しく述べると、(1)フラットダイを用い板状に共押出して積層する方法、(2)環状ダイを用いて共押出して筒状の多層発泡体を製造し、ついで筒状多層発泡体を切り開いて板状の多層発泡体とする方法がある。上記のうち、幅が1000mm以上もある幅広の多層発泡板を得るには環状ダイを用いた多層共押出法が適している。
【0049】
本発明の多層発泡板を構成する発泡体層形成用の発泡体は、従来公知の方法により製造することができる。この場合発泡剤は、無機発泡剤、揮発性発泡剤、分解型発泡剤等を用いることができる。無機発泡剤としては、例えば、二酸化炭素、空気、窒素などが挙げられる。
【0050】
揮発性発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ブタンとi−ブタンとの混合物、ペンタン、ヘキサン等の鎖状脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン等の環状脂肪族炭化水素、トリクロロフルオロメタン、ジクロロフルオロメタン、1,1−ジクロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロ−1−クロロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、メチルクロライド、エチルクロライド、メチレンクロライドなどのハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
【0051】
また分解型発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。
【0052】
上記した各種の発泡剤は適宜混合して使用することができる。発泡剤の使用量は、発泡剤の種類、所望する発泡倍率等によっても異なるが、最終的に見かけ密度30〜600g/Lの発泡体を得る量で、樹脂1kg当たり揮発性発泡剤で0.05〜2.0モル程度、無機発泡剤で0.03〜1.5モル程度、分解型発泡剤で0.03〜1.5モル程度ある。
【0053】
前記発泡体を得るに当たって、必要に応じて樹脂と発泡剤との溶融混練物中に気泡調整剤を添加することもできる。気泡調整剤としては、タルク、シリカ等の無機粉末や多価カルボン酸の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウムあるいは重炭酸ナトリウムとの反応混合物が挙げられる。気泡調整剤は樹脂100重量部当たり0.2重量部程度以下添加することが好ましい(ただし、後述する無機充填剤を樹脂に多量に含有させる場合は除く)。また、必要に応じてさらに熱安定剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、着色剤等のの添加剤を添加することもできる。
【0054】
また、予め樹脂中に、総重量の40%を限度として無機充填剤を含有させることができる。無機充填剤としては、従来慣用されているもの、例えば、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム等が挙げられ、これらの無機充填剤は平均粒径1〜70μmであることが均一に分散させることができる点から好ましい。このような無機充填剤を多量に含有させた場合、得られる発泡体は耐熱性が向上すると共に焼却処理の際の燃焼カロリーを低下させることが可能となる。
【0055】
本発明の多層発泡板は耐折性および低温耐衝撃性に優れており、各種容器の仕切り板用材料、芯材、ダンボール箱などの通い箱、収納箱などに用いられるが、発泡体層の両面に樹脂層(A)が最外層に位置して積層されてなる多層発泡板または発泡体層に樹脂層(D)と樹脂層(C)が積層され、発泡体層の両面に樹脂層(C)が最外層に位置して積層されてなる多層発泡板をスジ押し成形加工により形成されてなる組立箱は、箱における側面のたわみが少なく、また組立てた箱に収納物を収納し、低温下に落下した場合でも箱容器自体に割れが生じない等低温耐衝撃性に優れた組立箱である。また、形成された組立箱は、内側に樹脂層が存在しており収納物の出し入れに際して引っかき等の傷がつき難く組立箱の耐久性が向上する。一方、外側にも樹脂層が形成されていることから表面平滑性に優れており、印刷性も良好である。
【0056】
本発明の多層発泡板から組立箱の形成は、箱の展開図を打ち抜用の切抜き刃で作成し、ヒンジ部分のけい線を形成し、継ぎ代部分を接着してヒンジ部分を折り曲げて形成される。前記したけい線の形成とは、例えば、カッターや針等による切削溝加工や鉄製の押し刃によるスジ押し加工が挙げられる。前記した中でも折りたたみを繰り返してもヒンジ部分から裂け難い等の耐折性および生産性のバランスが優れている点からスジ押し加工が好ましい。スジ押し加工としては、例えば、鉄製のスジ押し用の押し刃により、必要に応じて加熱して先端部分を多層発泡板に押しつけてヒンジを形成する方法が挙げられる。その際、打ち抜用の切抜き刃とスジ押し用の押し刃をプレス機に取り付けて平板状の多層発泡板から展開された組立箱の切り抜きと、スジ押しとを同時に行うことが生産性の点からは望ましい。本発明の組立箱の形状は直方体、立方体などがあるがこれらに限るものでない。
【0057】
【実施例】
本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
【0058】
実施例および比較例に使用した樹脂、および熱可塑性エラストマーを下記に示す。なお、MFRの測定条件は温度230℃、荷重21.18Nで行った。
(I)ポリプロピレン系樹脂
樹脂a:サンアロマー(株)社製、商品名「SD632」(プロピレン−エチレンブロック共重合体)(MFR:3.2g/10分)
樹脂b:出光石油化学(株)製、商品名「J950HP」(プロピレン−エチレンブロック共重合体)(MFR:32g/10分)
樹脂c:カルプ工業(株)製、商品名「4600G−1」(タルク40重量%含有プロピレン−エチレンブロック共重合体)(MFR:14g/10分)
樹脂d:サンアロマー(株)社製、商品名「SD632」の回収原料(プロピレン−エチレンブロック共重合体)(MFR:10g/10分)
(II)熱可塑性エラストマー
樹脂e:日本合成ゴム(株)製、商品名「EP912」(エチレン−プロピレンランダム共重合ゴム)(MFR:8.6g/10分)
樹脂f:旭化成工業(株)製、商品名「タフテックH1141」(スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム)(MFR:140g/10分)
樹脂g:ダウケミカル社製、商品名「アフィニティーEG8200」(エチレン−オクテンランダム共重合ゴム)(MFR:10.6g/10分)
樹脂h:JSR(株)製、商品名「ダイナロン6200P」(エチレン‐ブチレンブロック共重合ゴム)(MFR:2.5g/10分)
(III)その他
樹脂i:日本ユニカー(株)製、商品名「NUC8008」(低密度ポリエチレン)(MFR:9.6g/10分)
【0059】
実施例1〜9、比較例1〜2
発泡体層を形成する発泡体製造用の押出機として、直径90mmと直径120mmの2台の押出機を使用し、樹脂層(A)形成用の押出機として直径40mmの押出機を使用し、また樹脂層(B)形成用の押出機として直径50mmを使用して、口金(ダイス)は、直径150mm、間隙0.8mmの環状ダイスを用いた。
【0060】
先ず、発泡体層を形成する発泡体を、直径90mmの押出機の原料投入口より所定量のポリプロピレン系樹脂(樹脂a)、気泡調整剤としてクエン酸モノナトリウムを樹脂100重量部に対して1.0重量部を添加し、加熱混練し、約200℃に調整された溶融樹脂混合物に、発泡剤としてn−ブタン70%とi−ブタン30%からなる混合物1.9重量部を圧入し、次いで直径120mmの押出機に供給した。
【0061】
一方、樹脂層(A)を構成する表1に示す樹脂混合物を直径40mmの押出機より押出し、また樹脂層(B)を構成する表2に示す樹脂混合物を直径50mmの押出機より押出し、樹脂層(B)を発泡体層側にしてそれぞれ発泡体層を形成する両面側に供給し、発泡体層成形用溶融物と合流させて環状ダイスから樹脂層(A)が内側となるように共押出し筒状多層発泡体を押出した。押出された筒状多層発泡体を冷却された円筒に沿わせて引き取り筒状物を切り開いた後、その多層発泡体の両面を加熱炉で加熱し平板化し目的の多層発泡板を得た。
【0062】
表1および表2に、多層発泡板における樹脂層(A)および樹脂層(B)を構成する樹脂の組成および混合比を示し、表3〜表7に多層発泡板の構成、および発泡体層の見掛け密度(g/L)、連続気泡率(%)、厚み(mm)、ならびに多層発泡板の耐折性、曲げ弾性率、−15℃における50%破壊エネルギーを示した。
【0063】
実施例10
発泡体層は実施例1に使用したと同様の押出機を用いて、実施例1と同様に行った。樹脂層(A)を構成する表1に示す樹脂混合物を直径65mmの押出機より押出し、発泡体層を形成する両面側に供給し、発泡体層成形用溶融物と合流させて環状ダイスから共押出した。押出された筒状多層発泡体を冷却された円筒に沿わせて引き取り筒状物を切り開いた後、その多層発泡体の両面を加熱炉で加熱し平板化し発泡体層に樹脂層(A)が積層された多層発泡板を得た。実施例1と同様に得られた多層発泡板の層構成、物性等を表4に示した。
【0064】
実施例11
発泡体層は実施例1に使用したと同様の押出機を用いて実施例1と同様に行った。樹脂層(A)を構成する表1に示す樹脂混合物を直径40mmの押出機より押出し、また樹脂層(B)を構成する表2に示す樹脂混合物を直径50mmの押出機より押出し、それぞれ発泡体層を形成する片面側に供給し、発泡体層成形用溶融物と合流させて環状ダイスから樹脂層(A)が筒状多層発泡体の内側となるように共押出した。押出された筒状多層発泡体を冷却された円筒に沿わせて引き取り筒状物を切り開いた後、その多層発泡体の両面を加熱炉で加熱し平板化し目的の多層発泡板を得た。実施例1と同様に得られた多層発泡板の層構成、物性等を表4に示した。
【0065】
実施例12
発泡体層は実施例1に使用したと同様の押出機を用いて実施例1と同様に行った。本実施例においては、最外層に位置する樹脂層(A)を構成する樹脂混合物として表1に示す樹脂混合物を直径40mmの押出機より発泡体層を形成する片面に押出し、また樹脂層(B)を構成する表2に示す樹脂混合物を直径50mmの押出機より押出し、発泡体層を形成する両面に供給し、発泡体層成形用溶融物と合流させて環状ダイスから樹脂層(A)が筒状多層発泡体の内側となるように共押出した。押出された筒状多層発泡体を冷却された円筒に沿わせて引き取り筒状物を切り開いた後、その多層発泡体の両面を加熱炉で加熱し平板化し目的の多層発泡板を得た。実施例1と同様に得られた多層発泡板の層構成、物性等を表4に示した。
【0066】
実施例1〜12、比較例1〜2に用いた円筒は、その表面をアルマイト処理したものを用いた。
【0067】
実施例13
発泡体層は実施例1に使用した押出機を用いて、実施例1と同様に行った。樹脂層(A)を構成する表2に示す樹脂混合物を直径40mmの押出機と直径50mmの押出機より押出し、発泡体層を形成する両面側に供給し、発泡体層成形用溶融物と合流させて環状ダイスから共押出した。押出された筒状多層発泡体を冷却された円筒に沿わせて引き取り筒状物を切り開いた後、その多層発泡体の両面を加熱炉で加熱し平板化し多層発泡板を得た。得られた多層発泡板の層構成、物性等を表6に示した。
尚、樹脂層は、樹脂層(A)が一体化して一つの層を構成しており、表6に示した樹脂層(A)の厚みは、まず顕微鏡により多層発泡板の押出方向に対して垂直な幅方向の多層発泡板の断面を等間隔で10点撮影し、撮影した写真より測定された樹脂層(A)の全体の樹脂層の厚みの平均値を算出した。次に、前記した全体の樹脂層の厚みの平均値と各押出機の吐出量の比により算出した値である。
【0068】
実施例14
発泡体層は実施例1に使用した押出機を用いて実施例1と同様に行った。樹脂層(A)を構成する表2に示す樹脂混合物を直径40mmの押出機と直径50mmの押出機より押出し、発泡体層を形成する片面側に供給し、発泡体層成形用溶融物と合流させて環状ダイスから筒状多層発泡体の樹脂層(A)が内側となるように共押出した。押出された筒状多層発泡体を冷却された円筒に沿わせて引き取り筒状物を切り開いた後、その多層発泡体の両面を加熱炉で加熱し平板化し目的の多層発泡板を得た。得られた多層発泡板の層構成、物性等を表6に示した。
尚、樹脂層は、樹脂層(A)が一体化して一つの層を構成しており、表6に示した樹脂層(A)の厚みは、まず顕微鏡により多層発泡板の押出方向に対して垂直な幅方向の多層発泡板の断面を等間隔で10点撮影し、撮影した写真より測定された樹脂層(A)の全体の樹脂層の厚みの平均値を算出した。次に、前記した全体の樹脂層の厚みの平均値と各押出機の吐出量の比により算出した値である。
【0069】
実施例15
発泡体層は実施例1に使用した押出機を用いて、樹脂層の厚みを変更し、脂層を樹脂層(C)、(D)とした以外実施例13と同様に行った。樹脂層(C)を構成する表2に示す樹脂混合物を直径40mmの押出機と樹脂層(D)を構成する表2に示す樹脂混合物を直径50mmの押出機より押出し、発泡体層側から順に樹脂層(D)、樹脂層(C)となるように発泡体層を形成する両面側に供給し、発泡体層成形用溶融物と合流させて環状ダイスから共押出した。押出された筒状多層発泡体を冷却された円筒に沿わせて引き取り筒状物を切り開いた後、その多層発泡体の両面を加熱炉で加熱し平板化し多層発泡板を得た。得られた多層発泡板の層構成、物性等を表7に示した。
尚、樹脂層は、樹脂層(C)、(D)が一体化して一つの層を構成しており、表7に示した樹脂層(C)、(D)の厚みは、まず顕微鏡により多層発泡板の押出方向に対して垂直な幅方向の多層発泡板の断面を等間隔で10点撮影し、撮影した写真より測定された樹脂層(C)、(D)の全体の樹脂層の厚みの平均値を算出した。次に、前記した全体の樹脂層の厚みの平均値と各押出機の吐出量の比により算出した値である。
【0070】
比較例3
樹脂層(A)を構成する表2に示す樹脂混合物を用いた以外実施例13と同様に得られた多層発泡板の層構成、物性等を表6に示した。
尚、樹脂層は、樹脂層(A)が一体化して一つの層を構成しており、表6に示した樹脂層(A)の厚みは、顕微鏡により多層発泡板の押出方向に対して垂直な幅方向の多層発泡板の断面を等間隔で10点撮影し、撮影した写真より測定された樹脂層(A)の全体の樹脂層の厚みの平均値を算出した。次に、前記した全体の樹脂層の厚みの平均値と各押出機の吐出量の比により算出した値である。
【0071】
実施例13〜15、比較例3に用いた円筒は、円筒の表面にセラミックを溶着させてその溶射皮膜を下地としてテフロンをコーテングした。さらに押出された筒状多層発泡体と円筒の先端が接触する部分を5℃の冷却媒体で循環させ冷却させた。
円筒と接触する樹脂層に無機充填剤を含有させなくとも筒状多層発泡体と円筒との滑り性は良好であった。また、実施例13と実施例7、10とを比較すると実施例13は、ほぼ同じ厚み、同じ坪量で耐折性についてほぼ同等であり、低温耐衝撃性について優位性がみられた。さらに実施例13は、実施例7の引張り弾性率の値を1とした場合、1.5倍の値となった。
【0072】
実施例1〜9は発泡体層の両面に樹脂層(A)および樹脂層(B)が積層され樹脂層(A)を最外層に位置した5層構造の多層発泡板であり、実施例10は発泡体層の両面に樹脂層(A)のみが積層された3層構造の多層発泡板、実施例11は発泡体層の片面に樹脂層(A)および樹脂層(B)が積層され樹脂層(A)を最外層に位置した3層構造の多層発泡板であり、実施例12は発泡体層の両面に樹脂層(B)が積層され、一方の面にさらに樹脂層(A)が最外層を形成して積層された4層構造の多層発泡板である。
比較例1、2はいずれも発泡体層の両面に、樹脂層(A)および樹脂層(B)が積層された5層構造の多層発泡板において、最外層を構成する樹脂層(A)が熱可塑性エラストマーを含有しない樹脂組成物からなる多層発泡板である。実施例と比較例1から最外層を構成する樹脂層(A)の厚みが0.074mmと厚く、熱可塑性エラストマーを含有しないため耐折性と低温耐衝撃性が悪い。
実施例と比較例2から樹脂層が熱可塑性エラストマーを含有しない樹脂組成物からなる多層発泡板である場合には、耐折性が悪く、−15℃における50%破壊エネルギー(J)が小さく低温耐衝撃性が悪い。
比較例3は、冷却された円筒と押し出された筒状多層発泡体との接する樹脂層に無機充填剤を含まない多層発泡板である。
比較例3は、比較例1、2と比較すると樹脂層に無機充填剤を含んでいないことから低温耐衝撃性が若干高く、引張り弾性率の値も高いものであった。
また、実施例2と実施例9および実施例1と実施例8から、熱可塑性エラストマーとしてブロック共重合ゴムを使用した場合は、ランダム共重合ゴムに比べその使用量が少なくても−15℃における50%破壊エネルギー(J)が同等の値を示し、その使用量が同一の場合には高い値を示す。
【0073】
実施例1〜15、比較例1〜3の発泡体層に積層された樹脂層のMFRは、10g/10分〜30g/10分の範囲内であった。
【0074】
実施例、比較例に示した多層発泡板の耐折性、曲げ弾性率、低温耐衝撃性の評価は以下により行った。
【0075】
(耐折性)
試験片の長さ方向が押出方向(MD)となる長さ110mm×幅15mm×厚さ(多層発泡板の全厚)の試験片を作製し、長さ方向中央部に試験片の全幅(15mm)にけい線を形成する押し刃(先端角度72度)を片面に当接し、(片面のみに樹脂層が積層された多層板は樹脂層側に当接、また実施例12は、樹脂層(A)側に当接)押し込み量が多層発泡板の全厚に対して90%となるように、押圧時間3秒、押圧0.4MPaで押圧してけい線を形成した。この試験片を用いて耐折試験を行った。試験は、JIS P 8115(1994)に準じて、荷重:10N、折り曲げ部R:0.38mmとし、試験片の一端を固定し左右へ135度の角度に折り曲げ、1分間に左右合わせて175回折り曲げる速度で行った。
試験は試験片10個について、けい線部に裂け目が発生するまでの折り曲げ回数を測定し、平均値を求め下記のように評価した。
○:1000回で裂け目発生せず。
△:100回以上1000回未満で裂け目が発生。
×:100回未満で裂け目発生。
実施例1〜15の多層発泡板は、耐折回数が5000回でもけい線部に裂け目が発生しなかった。
【0076】
(曲げ弾性率)
JIS K 7203(1982)に準じて、多層発泡板の押出方向(MD)と幅方向(TD)で測定した。試験片の長さ方向が押出方向(MD)となる、長さ100mm×幅25mm×厚さ(多層発泡板の全厚)を使用し、支点の先端R=5mm、加圧の先端R=5mm、支点間の距離50mm、曲げ速度10mm/分とした。試験片の押出方向と幅方向のそれぞれについて10個を測定し平均値を求め、数値の大きい方を多層発泡板の曲げ弾性率とした。なお、片面のみに樹脂層が積層された多層発泡板は樹脂層面を下側として測定した。また実施例12は、樹脂層(A)面を下側として測定した。
【0077】
(低温耐衝撃性)
試験片の長さ方向が押出方向(MD)となる、長さ150mm×幅120mm×厚さ(多層発泡板の全厚)の試験片を、−15℃の雰囲気に6時間以上保持した後、室温(23℃、湿度55%)に取り出して2秒以内に任意の高さから球形の重錘(重さ198.5g、直径36.5mm)を落下させ、JIS K 7211(1976)に準じて落錘衝撃試験を行い、50%破壊エネルギーを求めた。なお、片面のみに樹脂層が積層された多層板は樹脂層面を下側として測定した。また実施例12は、樹脂層(A)面を下側として測定した。
×:−15℃における50%破壊エネルギーが0.75未満
○:−15℃における50%破壊エネルギーが0.75以上
【0078】
実施例1〜15、比較例1〜3で得られた多層発泡板を用いてJIS Z 1507(1989)溝切り形、コード番号0201の箱形状(長さ430mm、幅250mm、高さ230mm)とした。なお、実施例11、12及び14については樹脂層(A)が箱の外側となるようにした。前記した箱のけい線は、3本の押し刃を用いて中央部の押し刃の高さが両端部の押し刃の高さより0.1mm高く、中央部の押し刃と両端部の押し刃との距離が2mmで各々の押し刃の幅は1mmであり、圧力13MPaで多層発泡板を押し込み、押圧時間は5秒とした。長さ方向を多層発泡板の押出方向(MD方向)としてけい線が外側となるように形成した。
【0079】
(箱における側面のたわみ)
前記した箱に15kgの樹脂ペレットを収納した箱を5段に段積みにする前のたわみを0点として、最下段の箱における側面(長さ430mm×高さ230mmの面における中央部)のたわみを測定した。その結果、本発明実施例の多層発泡板を用いた箱では、24時間後のたわみは4mm〜6mmであった。
【0080】
(箱の低温落下テスト)
箱の底面とコンクリート床面とが平行となるように2℃の雰囲気下で1mの高さから箱をコンクリート床へ落下させた。その結果、本発明実施例の多層発泡板を用いた箱では、箱の破損は認められなかった。一方、比較例1,2の多層発泡板を用いた箱では、箱の破損が認められた。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】
【0085】
【表5】
【0086】
【表6】
【0087】
【表7】
【0088】
【発明の効果】
以上のように、本発明の多層発泡板は軽量で、剛性を有し、しかも耐折性、低温耐衝撃性に優れた多層ポリプロピレン系樹脂発泡板であり、各種の容器仕切り板用材料、芯材、通い箱、収納箱などに好適なものである。
本発明の発泡体層の両面に樹脂層が積層され、最外層に位置する樹脂層が熱可塑性エラストマーを含有するポリプロピレン系樹脂組成物から構成された多層発泡板は耐折性および低温耐衝撃性に特に優れており、このような多層発泡板をスジ押し加工して形成される組立箱は、ヒンジ部分の耐折性が従来のものよりもはるかに優れており、箱の組立、折りたたみを繰り返し行ってもヒンジ部分から裂けることがなく、また箱容器に収納物を収納し、低温下で落下させても箱容器自体が破損することがない。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a multilayer polypropylene-based resin foam plate used as a material for partition plates of various containers, a core material, a so-called corrugated box such as a cardboard box, and a storage box.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, sheet-like and plate-like synthetic resin foams have been thermoformed and widely used in various containers such as food trays, lunch boxes, bowls, cups, etc., returnable boxes, storage boxes, etc. Yes. For example, Japanese Utility Model Publication No. 5-12031 discloses a plate-like laminated foam in which a polypropylene resin is laminated on both surfaces of a polystyrene resin foam. Although this plate-like laminated foam can be folded, since the core layer of the laminated foam is a polystyrene resin foam, it tends to cause settling and buckling during use, and has low heat resistance. In addition, the cut surface of the laminated foam is in a state in which the polystyrene resin foam is exposed, and is easily attacked by oil and chemicals. There is a problem in oil resistance, chemical resistance, and the like, and there are problems such as natural restrictions in use.
[0003]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-277696 discloses that a polypropylene resin foam is formed on at least one surface of a polypropylene resin foam and has a density of 0.3 g / cm. 3 A polypropylene-based resin foam laminate having a surface layer composed of more than a resin layer is described. This laminated foam board is lightweight and excellent in rigidity, but is not fully satisfactory in folding resistance and low-temperature impact resistance.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a multilayer polypropylene-based resin foam board that is lightweight, rigid, and excellent in folding resistance and low-temperature impact resistance.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The present invention relates to a multilayer polypropylene resin foam board excellent in folding resistance and low temperature impact resistance, in which a resin layer made of a polypropylene resin composition is laminated on at least one surface of a polypropylene resin foam layer.
[0007]
(1) The present invention In the multilayer polypropylene resin foam plate, at least one surface of the polypropylene resin foam layer has a polypropylene resin having a melt flow rate (MFR) in the range of 8 g / 10 min to 50 g / 10 min in an amount of 25% by weight or more. A resin layer (B) made of a contained polypropylene resin composition is laminated, and a resin layer (A) made of a polypropylene resin composition containing a thermoplastic elastomer is laminated through the resin layer (B). The present invention relates to a multilayer polypropylene-based resin foam board characterized in that the number of folding times measured based on JIS P 8115 (1994) is 1000 times or more and the flexural modulus is 200 MPa or more.
[0008]
(2) The present invention is also characterized in that the resin layer (A) made of a polypropylene resin composition containing a thermoplastic elastomer is laminated in the outermost layer of a multilayer polypropylene resin foamed plate. (1) It relates to the multilayer polypropylene resin foam plate described.
[0009]
(3) In the present invention, the polypropylene resin composition constituting the resin layer (B) is a polypropylene resin having a melt flow rate (MFR) in the range of 15 g / 10 min to 50 g / 10 min. % Containing the above (1) It relates to the multilayer polypropylene resin foam plate described.
[0010]
(4) The present invention also provides , Polypropylene resin composition constituting the resin layer (A) Is 25% or more by weight of a polypropylene resin having a melt flow rate (MFR) in the range of 8 g / 10 min to 50 g / 10 min. (1) It relates to the multilayer polypropylene resin foam plate described.
[0011]
(5) In a multilayer polypropylene resin foam board, a polypropylene resin and a thermoplastic elastomer having a melt flow rate (MFR) in the range of 8 g / 10 min to 50 g / 10 min on at least one surface of the polypropylene resin foam layer. A resin layer (D) made of a contained polypropylene resin composition is laminated, and a resin layer (C) made of a polypropylene resin is laminated through the resin layer (D), and is added to JIS P 8115 (1994). The present invention relates to a multilayer polypropylene-based resin foam board characterized in that the number of folding resistances measured based on this is 1000 times or more and the flexural modulus is 200 MPa or more.
[0012]
(6) The present invention is also characterized in that the thermoplastic elastomer is an olefin elastomer ( 1) to (5) The multilayer polypropylene-type resin foam board in any one of these.
[0013]
(7) Further, in the present invention, the resin layer (A) is laminated on both sides of the polypropylene resin foam layer so as to be positioned as the outermost layer ( 1) to (4) or (6) It is related with the assembly box formed from the multilayer polypropylene-type resin foam board in any one of.
[0014]
(8) Further, in the present invention, the resin layer (C) is laminated on both sides of the polypropylene resin foam layer so as to be positioned as the outermost layer ( 5) or (6) The present invention relates to an assembly box formed from the multilayered polypropylene resin foam plate described above.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention particularly relates to a multilayer polypropylene resin foam plate having excellent folding resistance and low-temperature impact resistance. Specifically, in the multilayer polypropylene resin foam plate, at least one surface of the polypropylene resin foam layer is provided. In addition, a resin layer made of a polypropylene resin composition containing a thermoplastic elastomer is laminated, the number of folding resistances measured based on JIS P8115 (1994) is 1000 times or more, and the flexural modulus is 200 MPa or more. It is related with the multilayer polypropylene-type resin foam board which is.
[0016]
Examples of the base resin constituting the polypropylene resin foam layer (hereinafter simply referred to as “foam layer”) in the present invention include propylene polymers or copolymers with other olefins copolymerizable with propylene. It is done. Examples of other olefins copolymerizable with propylene include ethylene, 1-butene, isobutylene, 1-pentene, 3-methyl-1-butene, 1-hexene, 3,4-dimethyl-1-butene, 1- Examples thereof include α-olefins having 2 to 10 carbon atoms such as heptene and 3-methyl-1-hexene. The copolymer may be a random copolymer or a block copolymer, and may be not only a binary copolymer but also a ternary copolymer. These polypropylene resins can be used alone or in admixture of two or more.
[0017]
When using the above copolymer as a base resin constituting the foam layer, the copolymer contains an olefin as a copolymer component in a proportion of 25% by weight or less, particularly 15% by weight or less. Is preferred. The preferred lower limit of the copolymer component contained in the copolymer is 0.3% by weight.
[0018]
Of the polypropylene resins used as the base resin constituting the foam layer, a resin suitable for extrusion foaming is preferably a polypropylene resin having a higher melt tension than a general polypropylene resin. Specifically, for example, as described in JP-A-7-53797, (1) polypropylene having a branching index less than 1 and significant strain hardening elongation viscosity, (2) (a) Z average Molecular weight (Mz) is 1.0 × 10 6 Or the ratio (Mz / Mw) of the Z average molecular weight (Mz) to the weight average molecular weight (Mw) is 3.0 or more, (b) and the equilibrium compliance J 0 Is 1.2 × 10 -3 m 2 / N or more, or the shear strain recovery Sr / S per unit stress is 5 m / sec. 2 Polypropylene resin using polypropylene which is / N or more is preferable.
[0019]
In the present invention, (3) a compound containing a radical polymerizable monomer such as styrene and a radical polymerization initiator or an additive is melted at a decomposition temperature of the radical polymerization initiator when the polypropylene resin melts. It may be a polypropylene resin modified by melt kneading, or (4) a modified polypropylene resin obtained by melt kneading a polypropylene resin, an isoprene monomer and a radical polymerization initiator. Further, among these base resins, those having a low proportion of insoluble components are preferable. The ratio of the insoluble component is the foamed sample, the sample is placed in xylene at 145 ° C. and boiled for 8 hours, then filtered quickly with a 100 mesh wire mesh, and then the boiling xylene insoluble component remaining on the wire mesh is removed. After drying in an oven at 20 ° C. for 24 hours, the weight G (g) of the insoluble component is measured, and the proportion of the insoluble component determined by the following formula (1) is 0 to 10% by weight. Is preferably 0 to 5% by weight, more preferably 0 to 2% by weight. The lower the proportion of insoluble components, the better the recyclability and the more preferable from the viewpoint of cost reduction.
[0020]
[Expression 1]
Percentage of insoluble components after drying (wt%)
= [G (g) / Sample weight (g)] × 100 (1)
[0021]
In the present invention, as the base resin constituting the foam layer, not only a polypropylene resin is used alone, but also other resins can be used as necessary. Other resins include, for example, polypropylene resins other than those described above, high density polyethylene, low density polyethylene, linear low density polyethylene, linear ultra-low density polyethylene, ethylene-butene copolymer, ethylene-anhydrous maleic acid. Examples thereof include ethylene resins such as acid copolymers or butene resins, vinyl chloride resins such as polyvinyl chloride and vinyl chloride-vinyl acetate copolymers, and styrene resins. When these other resins are added, the amount added is preferably 40% by weight or less of the total weight of the base resin.
[0022]
The multilayer polypropylene resin foam plate of the present invention (hereinafter sometimes simply referred to as “multilayer foam plate”) has a polypropylene resin composition layer (hereinafter simply referred to as “resin layer”) on at least one surface of the foam layer. ) Are laminated, and when the resin layer is laminated on the foam layer, the same kind of base resin that constitutes the foam layer or the same kind of resin that can be heat-sealed in the resin that constitutes the resin layer It is preferable to contain a polypropylene resin from the viewpoint of adhesion between the resin layer and the foam layer and recyclability, and the same resin as the resin constituting the resin layer or heat fusion in the base resin constituting the foam layer It is preferable from the above-mentioned point to contain the same kind of polypropylene resin.
[0023]
In the multilayer foamed plate of the present invention, the resin layer laminated on at least one surface of the foam layer is formed by laminating a resin layer made of a polypropylene-based resin composition containing a thermoplastic elastomer, and JIS P 8115 (1994). ), And the bending elastic modulus is 200 MPa or more.
[0024]
The multilayer foamed plate of the present invention has a folding endurance of 1000 times or more measured based on JIS P 8115 (1994), and preferably 2000 times or more from the viewpoint of durability of the hinge portion. This folding endurance has never been much, but the upper limit is almost 20000. Note that the number of folding resistances measured based on JIS P 8115 (1994) is 110 mm long × 15 mm wide × thickness (the total number of multilayer foamed plates so that the length direction of the test piece is the extrusion direction (MD)). Thickness) test piece is used, and a pressing blade (tip angle 72 degrees) for forming a wire line in the entire width (15 mm) at the center in the length direction is pressed from one side. (When the resin layer is laminated only on one side, pressing is performed from the resin layer side) The pressing amount is 90% of the total thickness, and the pressing time is 3 seconds. Next, using this test piece, in accordance with JIS P 8115 (1994), the load is 10 N, the R of the bent part is 0.38 mm, one end of the test piece is fixed and bent at an angle of 135 degrees to the left and right, and 1 minute. The test is carried out at the rate of bending 175 times in the left and right direction until the test piece breaks. The value obtained by this measurement is adopted as the folding endurance number.
[0025]
Moreover, the multilayer foamed board of this invention has a bending elastic modulus of 200 Mpa or more. When the assembly boxes formed from the multilayer foamed plates of the present invention are stacked and stacked, it is desirable to have appropriate strength and rigidity from the viewpoint of suppressing the deflection of the side surfaces of the boxes, and the flexural modulus should be 210 MPa or more. preferable. The upper limit of the flexural modulus is not particularly limited, but the upper limit is 500 MPa. In addition, the bending elastic modulus of a multilayer foamed board is measured by an extrusion direction (MD) and a width direction (TD) based on JISK7203 (1982). The test piece is 100 mm long × 25 mm wide × the total thickness of the multilayer foam plate, the fulcrum tip R = 5 (mm), the pressure tip R = 5 (mm), the distance between the fulcrums is 50 mm, and the bending speed is 10 mm / min. And When the resin layer is laminated only on one side of the multilayer foamed plate, the measurement is performed with the resin layer side down. The value measured in this way is defined as the flexural modulus.
[0026]
One of the multilayer foam boards of the present invention is a multilayer foam board in which a resin layer (A) made of a polypropylene-based resin composition containing a thermoplastic elastomer is laminated on at least one surface of a foam layer. If the multilayer foamed plate in which the resin layer (A) comprising the contained polypropylene resin composition is positioned and laminated on the outermost layer of the multilayer foamed plate is particularly excellent in folding resistance and low-temperature impact resistance, JIS P 8115 (1994) indicates that the folding endurance is 1000 or more and the flexural modulus is 200 MPa or more.
[0027]
In the multilayer foamed plate of the present invention, a polypropylene resin composition containing at least 25% by weight of a polypropylene resin having an MFR in the range of 8 g / 10 min to 50 g / 10 min on at least one surface of the polypropylene resin foam layer. A resin layer (resin layer (A)) made of a polypropylene-based resin composition containing a thermoplastic elastomer laminated with a resin layer (resin layer (B)) made of a product on the foam layer. ), The adhesive temperature between the resin layer and the foam layer can be kept low when laminating and bonding the resin layer to the foam layer in the lamination process, which affects the foam and bubble formation of the foam layer. The foam layer having a low open cell ratio can be obtained by suppressing the formation of open cells. If the MFR is less than 8 g / 10 minutes, the bubble formation may be affected as described above, and the continuous bubble formation may not be suppressed. On the other hand, if it exceeds 50 g / 10 minutes, the rigidity such as bending strength may be lowered, or the appearance may be lowered. A preferable MFR that further suppresses the continuous foaming of the foam layer is 15 g / 10 min to 50 g / 10 min. A polypropylene resin containing 25% by weight or more of a polypropylene resin having a MFR in the range of 8 g / 10 min to 50 g / 10 min and a thermoplastic elastomer without laminating the resin layer (B) on the foam layer. Even when only the resin layer (resin layer (A)) made of the composition is laminated, as described above, the foaming layer has less influence on the bubbles and the formation of bubbles in the lamination process, and continuous foaming is suppressed. A foam layer having a low cell rate can be obtained. It is preferable from said point that MFR in the resin layer which consists of a polypropylene resin composition laminated | stacked on a foam layer is 10 g / 10min-30g / 10min.
[0028]
The resin layer (A) in the present invention is a polypropylene resin composition containing a thermoplastic elastomer. In the present invention, the resin layer (A) has 1 to 30% by weight of thermoplastic elastomer and 99 to 70% by weight (total 100% by weight) of polypropylene-based resin. From the point of view, it is preferable. The polypropylene resin composition constituting the resin layer (A) in the present invention preferably further contains 25% by weight or more of a polypropylene resin having an MFR in the range of 8 g / 10 min to 50 g / 10 min. The upper limit is 99% by weight. If it does in this way, a resin layer (A) can be laminated | stacked without especially interposing a resin layer (B), and it becomes a multilayer foamed board excellent in productivity and economical efficiency.
[0029]
As the polypropylene resin constituting this resin layer (A), the above-mentioned propylene homopolymer, propylene copolymer or these polymers, or a mixture of a copolymer and another thermoplastic resin, an antioxidant, Polypropylene resin (so-called polypropylene) containing a composition of resin additives such as lubricants, UV inhibitors, flame retardants, antistatic agents, antibacterial agents, fillers, etc., and containing at least 50% by weight of propylene unit components Resin-based master batch). In the present invention, such a polypropylene resin is included in the polypropylene resin constituting the resin layer (A).
[0030]
Examples of the thermoplastic elastomer constituting the resin layer (A) of the present invention include styrene-butadiene-styrene block copolymer rubber, styrene-isoprene-styrene block copolymer rubber, hydrogenated styrene-butadiene-styrene block copolymer rubber. Styrene elastomers such as styrene-ethylene-propylene copolymer rubber, styrene-ethylene-propylene-styrene copolymer rubber, ethylene-propylene random copolymer rubber, ethylene-butylene block copolymer rubber, ethylene-octene random copolymer rubber Examples include olefin elastomers such as copolymer rubbers of ethylene and other olefins. Among these elastomers, olefin-based elastomers are preferable for further improving folding resistance and low-temperature impact resistance. Among olefin-based elastomers, a sufficient effect can be obtained even in a small amount, and from an advantageous point of cost. Copolymer rubbers of ethylene and other olefins are preferred, and ethylene-butylene block copolymer rubbers are particularly effective even when the blending amount is smaller, and are resistant to bending while maintaining rigidity such as flexural modulus. And a multi-layer foamed plate excellent in low temperature impact resistance can be obtained.
[0031]
These thermoplastic elastomers are used in the range of 1 to 30% by weight. When the ratio of the thermoplastic elastomer exceeds 30% by weight, the rigidity is lowered, and when the formed box containers are stacked, the side surfaces of the box containers may be bent and the heat resistance may be lowered. It is not preferable, and preferably 2 to 15% by weight. More preferably, it is 2 to 8% by weight. On the other hand, if the proportion of the thermoplastic elastomer is less than 1% by weight, folding resistance and low temperature impact resistance cannot be obtained, and the intended purpose cannot be achieved.
[0032]
The resin layer (B) in the present invention is a polypropylene resin composition containing, as an essential component, a polypropylene resin having an MFR in the range of 8 g / 10 min to 50 g / 10 min. The polypropylene resin constituting the resin layer (B) of the present invention includes the foam layer or the above-described resin layer (A) in the present invention except that the above-mentioned MFR includes a polypropylene resin having a specific range of 25% by weight or more. The thing equivalent to the polypropylene resin to comprise is used.
[0033]
Examples of the polypropylene resin having an MFR in the range of 8 g / 10 min to 50 g / 10 min used in the present invention include a propylene homopolymer, a copolymer of propylene and another olefin, and a ratio of propylene unit components. In which the MFR is in the above range, such as a random copolymer or a block copolymer. These homopolymers or copolymers can be used alone or as a mixture of two or more. In addition, if desired, the above-mentioned homopolymer or copolymer having an MFR in the above range is a mixture of at least one copolymer and another thermoplastic resin, and the proportion of propylene unit components in the mixture is 50% by weight or more. Things.
[0034]
The polypropylene resin in the resin layer (B) is, for example, a mixture of resin additives such as antioxidants, lubricants, UV inhibitors, flame retardants, antistatic agents, antibacterial agents, fillers, and the like. Propylene unit component ratio of 50% by weight or more and MFR in the above range, 50% by weight or more of the homopolymer or copolymer, antioxidants, lubricants, UV inhibitors, difficulty Also included are mixtures of 50% by weight or less of a resin additive such as a flame retardant, an antistatic agent, an antibacterial agent, and a filler and having an MFR in the above range. A polypropylene resin composition in which the thermoplastic elastomer used in the resin layer (A) is further added to a polypropylene resin containing a polypropylene resin having an MFR in the above range can also be used, and a composition containing this thermoplastic elastomer There is an advantage that the product can obtain a multi-layer foamed plate having improved folding resistance and low-temperature impact resistance.
[0035]
The polypropylene resin composition that constitutes the resin layer (B) of the present invention has an MFR of 8 g / 10 min to 50 g / 10 min. However, it is more preferable to contain 25% to 50% by weight of a polypropylene resin having an MFR of 15 g / 10 min to 50 g / 10 min. When the MFR polypropylene resin of 15 g / 10 min to 50 g / 10 min is contained in an amount of 25 wt% to 50 wt%, the resulting multilayer foamed plate has excellent mechanical strength and rigidity. Further, the content is preferably 50% by weight or less from the viewpoint of increasing the recyclability because a large amount of the recovered raw material for the multilayer foamed plate can be mixed.
In order to set the MFR of the polypropylene resin composition of the resin layer laminated on the foam layer as described above to 10 g / 10 min to 30 g / 10 min, the above MFR is 8 g / 10 min to 50 g / 10 minutes, particularly preferably, a polypropylene resin having a MFR of 15 g / 10 min to 50 g / 10 min of a polypropylene resin containing 25 wt% to 50 wt%, for example, an MFR of 2 g / 10 min or more and less than 8 g / 10 min It can adjust by mixing resin in 75 weight%-50 weight%.
[0036]
In the present invention, the multilayer foamed plate other than those described above satisfying the specific values of the number of folding times and the bending elastic modulus has an MFR of 8 g / 10 min to 50 g / 10 min on at least one surface of the foam layer. A resin layer (D) composed of a polypropylene resin composition and a polypropylene resin composition containing a thermoplastic elastomer is laminated, and a resin layer (C) composed of a polypropylene resin is laminated via the resin layer (D). It is a multilayer foam board. In the multilayer foamed plate, the thickness of the resin layer (D) is preferably 0.05 mm to 0.30 mm from the viewpoint of excellent balance between suppression of open cell formation of the foam layer, folding resistance and low temperature impact resistance. . Furthermore, it is preferable that it is 0.05 mm-0.20 mm. In addition, the thickness of the resin layer (C) is preferably 0.02 mm or more from the viewpoint of imparting functionality and appearance. If the thickness of the resin layer (C) is too thick, a crack is generated when it is repeatedly folded, resulting in folding resistance. It is preferable that the thickness of the resin layer (C) is less than 0.05 mm because there is a possibility that the low temperature impact resistance may decrease. Examples of the polypropylene resin constituting the resin layer (C) include those exemplified as the polypropylene resin constituting the resin layers (A) and (B) described above. Examples of the thermoplastic elastomer constituting the resin layer (D) are the same as those exemplified as the thermoplastic elastomer constituting the resin layer (A). In the present invention, the resin layer (D) is composed of 99% to 70% by weight of a polypropylene resin having a thermoplastic elastomer in the range of 1% to 30% by weight and an MFR in the range of 8g / 10min to 50g / 10min. It is preferable from the viewpoint of folding resistance and rigidity. If it does in this way, a resin layer (D) can be laminated | stacked directly on a foam layer, and it becomes a multilayer foamed board excellent in productivity and economical efficiency.
[0037]
The MFR of the polypropylene resin in the present invention is a value determined according to JIS K 7210 (1976). For the measurement method, one sample for mass measurement is taken for each extrusion of the same material by the method A, and this is repeated three times. The test temperature is 230 ° C and the test load is 21.18N.
[0038]
Next, the layer configuration of the multilayer foamed plate of the present invention will be described in detail.
The thickness of the multilayer foam board of the present invention has various thicknesses depending on the thickness of the foam layer constituting the foam board, the structure of the resin layer laminated on the foam layer and the thickness thereof, etc. Selected. For example, when used for a returnable box or a storage box, the container is generally 3 to 10 mm from the viewpoint of strength, impact resistance, molding processability, handleability, etc., and the weight of the content is about 50 kg or less. In the case of using for 3 to 5 mm, those of 3 to 5 mm are used. The thickness of the foam layer constituting the multilayer foamed plate of the present invention is preferably 2 mm or more from the viewpoint of heat insulation, while it is preferably 8 mm or less from the viewpoint of hinge processing. 5 mm or less is more preferable from the point which formation of a hinge part is easy.
[0039]
The apparent density of the foam layer is preferably 100 to 500 g / L. Especially when it is 125 to 300 g / L, the rigidity, buffering property and heat insulating property are balanced, and it is particularly suitable for a returnable box or a storage box. If the apparent density of the foam layer is smaller than the above range, the rigidity of the multilayer foam plate may be lowered, which is not preferable.
On the other hand, when the apparent density of the foam layer exceeds the above range, it is not preferable because it is economically disadvantageous, and the moldability at the time of molding into a box container may be lowered. Furthermore, there is a possibility that the heat insulating property of the molded body is deteriorated and the heat retaining property is lowered. On the other hand, if the thickness of the foam layer is too thin, the wall thickness becomes insufficient when the assembly box is formed, which is not preferable in terms of strength, heat insulating properties, and buffering properties. On the other hand, if the thickness of the foam layer becomes too large, it is not preferable from the viewpoints of molding processability, hinge processability, and handleability as a box.
[0040]
Further, the open cell ratio of the foam layer in the present invention is 40% or less, preferably 30% or less, and more preferably 20% or less. The open cell ratio of the foam layer affects the physical properties and quality of the product obtained by processing the multilayer foamed plate, so it is necessary to keep it within the above range. The “open cell ratio” in the present specification is obtained by calculating the actual volume of the foam layer (the sum of the volume of closed cells and the volume of the resin portion) Vx (L) by the procedure C of ASTM D2856 (1976). It is a value calculated from Equation (2).
[0041]
[Expression 2]
Open cell ratio (%) = (Va−Vx) × 100 / (Va−W / ρ) (2)
However,
Va: Test piece 15 cm 3 ~ 16cm 3 The apparent volume (L) of the foam layer required from the minimum number of sheets so that
W: Weight of the foam layer in the test piece (g)
ρ: Density of base resin in foam layer (g / L)
It should be noted that the volume of the resin layer is determined in advance from the outer dimension of the test piece, and the volume of the resin layer is excluded from the volume of the test piece. For the weight of the foam layer, a value calculated from the density of the foam layer and the apparent volume is adopted.
[0042]
In this specification, the thickness of the multilayer foamed plate is obtained by photographing 10 points at equal intervals with a microscope in the cross-sectional thickness in the width direction perpendicular to the extrusion direction of the multilayer foamed plate. Next, the thickness of the multilayer foam plate is measured from the photographed photograph, and the average value is adopted.
[0043]
In this specification, the density of the foam layer was measured by the following method. That is, the thickness and basis weight of the multilayer foam plate are measured in advance, and the cross-section of the multilayer foam plate in the width direction perpendicular to the extrusion direction of the multilayer foam plate is photographed at equal intervals by a microscope, from the photograph taken The average value of the measured thickness of the resin layer is calculated. The thickness of the resin layer (the resin layer (A) only, the resin layer including the resin layer (A) and the resin layer (B) or the resin layer including the resin layer (C) and the resin layer (D)) is the thickness of the multilayer foamed plate. The value subtracted from the thickness was taken as the thickness of the foam layer. Next, the resin layer density (g / L) is multiplied and unit conversion is performed to calculate the basis weight of the resin layer (g / m 2 ) Is calculated. The value obtained by subtracting the basis weight of the resin layer from the basis weight of the multilayer foamed plate is the basis weight of the foam layer (g / m 2 ). Basis weight of this foam layer (g / m 2 ) Divided by the thickness (mm) of the foam layer, the unit is converted and adopted as the density (g / L) of the foam layer.
[0044]
In the multilayer foam board of the present invention, the thickness of the resin layer laminated on the foam layer is such that the resin layer is a single layer or a multilayer, that is, only the resin layer (A) is laminated, and the resin layer Although the case where (A) and the resin layer (B) are laminated differs from the case where the resin layer (C) and the resin layer (D) are laminated, generally 0.05 to 0.60 mm. Preferably, it is 0.10 to 0.60 mm. When only the resin layer (A) is laminated, it is generally about 0.05 to 0.30 mm, preferably 0.05 to 0.20 mm. When the resin layer (A) and the resin layer (B) are laminated, it is generally about 0.07 to 0.60 mm. In this case, the resin layer (B) is foamed with the resin layer (A). It also has a function as an adhesive layer with the body layer and is generally about 0.02 to 0.30 mm. On the other hand, the thickness of the resin layer (A) is preferably 0.05 mm to 0.30 mm, more preferably 0.05 mm to 0.20 mm, from the viewpoint of excellent balance of folding resistance, low temperature impact resistance and lightness. In addition, the range of the thickness of each resin layer about the case where a resin layer (C) and a resin layer (D) are laminated | stacked is as having mentioned above. The ratio of the resin layer (resin layer (A) and resin layer (B), resin layer (C) and resin layer (D)) to the thickness of the foam layer is 3 to 50%, preferably 5 to 40%. . If the thickness of the resin layer is smaller than the above range, the surface smoothness may be lowered, which is not preferable. On the other hand, if the thickness exceeds the above range, there is a possibility that the closed cell ratio of the foam layer may be lowered, which is not preferable, and is disadvantageous because of high cost.
[0045]
The resin layer (A) constituting the outermost layer of the multilayer foamed plate of the present invention can contain an inorganic filler such as talc, if necessary. By containing an inorganic filler such as talc, the sliding property between the cylindrical multilayer foam and the cooled cylinder is improved, which is preferable. The content of the inorganic filler in the resin layer is preferably 1% by weight or more, more preferably 3% by weight or more, and is added in an amount not exceeding 30% by weight, and the addition amount is 30% by weight. Addition of a large amount exceeding this is not preferable because the resulting multilayer foam board becomes brittle. The amount added is 25% by weight or less, preferably 20% by weight or less in consideration of the balance between slipperiness and brittleness between the cylindrical multilayer foam and the cooled cylinder. In addition, when the polypropylene resin masterbatch to which talc described above is added is used for the resin layer constituting the outermost layer, it is not necessary to add such an inorganic filler, but it may be added as desired. it can.
When such an inorganic filler is contained in the resin layer constituting the outermost layer, when passing the cylindrical multilayer foam extruded from the annular die over the cooled cylinder, the cylindrical multilayer foam and Sliding with the cooled cylinder is improved, the strength, heat resistance and the like of the resulting multilayer foam plate can be improved, and the appearance is good.
When the resin layer constituting the outermost layer of the multilayer foamed plate does not contain an inorganic filler such as talc, the low temperature impact resistance is further improved. However, when an inorganic filler is not contained, the slipperiness between the cylindrical multilayer foam and the cooled cylinder tends to be reduced. In that case, in order to improve the slipperiness between the cylindrical multilayer foam and the cooled cylinder, for example, various metals and ceramics are welded to a metal cylinder and the sprayed coating is used as a base to form a fluororesin or various polymers. A surface treatment method such as coating, a method of lowering the surface temperature of a cylinder, a method of combining them, and the like.
[0046]
In the multilayer foamed plate of the present invention, the resin layer laminated on the foam layer is preferably laminated on both sides of the foam layer from the viewpoint of surface strength, moldability, appearance, surface smoothness, etc. However, it is not always necessary to laminate the both sides of the foam layer, and a resin layer may be laminated on one side of the foam layer. When using a multi-layer foam board with a resin layer laminated on one side of the foam layer, for example, in an assembly box such as a returnable box or a storage box, the outside of the box container is the side on which the resin layer is laminated. It is preferable to form them in terms of strength against scratches, impact resistance, printability, and the like.
[0047]
The multilayer foamed board of the present invention can be produced by a method known per se. As a typical method, for example, a foam is manufactured in advance, and then a resin melt constituting the resin layer is supplied from another extruder on the manufacturing process line or from another line to form the resin layer on the foam layer. A method of laminating, a foam layer is manufactured, a polypropylene resin film constituting the resin layer (A) of the present invention is supplied as a resin layer on the manufacturing process line or from another line, and the present invention is supplied from another extruder. A method of supplying the resin melt constituting the resin layer (B) and laminating both on the foam layer, and producing the foam layer, and the resin layer (A) of the present invention on the production process line or from another line A method of laminating a film with the resin layer (B) of the present invention and laminating the outermost layer as a resin layer (A) with a hot roll, and a resin layer (resin layer) on at least one surface of the foam layer by multilayer coextrusion method (A) or resin layer (A) A method of producing an extrusion laminated foam and resin layer (B)) provided the like. In the case of a multilayer foamed plate having a resin layer (C) and a resin layer (D), the resin layer (A) described above corresponds to the resin layer (C), and the resin layer (B) corresponds to the resin layer (D). .
[0048]
Among these methods, the multilayer coextrusion method has a simpler process than other methods and is a preferable method from the viewpoint of cost. And the favorable multilayer foamed board with the high adhesive strength of a foam layer and a resin layer is obtained. The method of obtaining a multilayer foamed plate by the multilayer coextrusion method will be described in more detail. (1) A method of coextruding into a plate shape using a flat die and (2) A method of coextrusion using an annular die to form a cylindrical multilayer foam. There is a method in which a body is manufactured and then a cylindrical multilayer foam is cut open to form a plate-like multilayer foam. Among the above, a multilayer coextrusion method using an annular die is suitable for obtaining a wide multilayer foam plate having a width of 1000 mm or more.
[0049]
The foam for forming a foam layer constituting the multilayer foam plate of the present invention can be produced by a conventionally known method. In this case, as the foaming agent, an inorganic foaming agent, a volatile foaming agent, a decomposable foaming agent, or the like can be used. Examples of the inorganic foaming agent include carbon dioxide, air, and nitrogen.
[0050]
Examples of volatile blowing agents include propane, n-butane, i-butane, a mixture of n-butane and i-butane, a chain aliphatic hydrocarbon such as pentane and hexane, and a cyclic aliphatic carbon such as cyclobutane and cyclopentane. Hydrogen, trichlorofluoromethane, dichlorofluoromethane, 1,1-dichloro-1,1,1,2-tetrafluoroethane, 1,1-difluoro-1-chloroethane, 1,1,1,2-tetrafluoroethane, And halogenated hydrocarbons such as 1,1-difluoroethane, methyl chloride, ethyl chloride, and methylene chloride.
[0051]
Examples of the decomposable foaming agent include azodicarbonamide, dinitrosopentamethylenetetramine, azobisisobutyronitrile, sodium bicarbonate, and the like.
[0052]
The various foaming agents described above can be used by being mixed as appropriate. The amount of foaming agent used varies depending on the type of foaming agent, the desired foaming ratio, etc., but is an amount that finally yields a foam having an apparent density of 30 to 600 g / L, and is 0. About 0.5 to 2.0 mol, about 0.03 to 1.5 mol for the inorganic foaming agent, and about 0.03 to 1.5 mol for the decomposable foaming agent.
[0053]
In obtaining the foam, an air-conditioning agent may be added to the melt-kneaded product of the resin and the foaming agent as necessary. Examples of the air conditioner include inorganic powders such as talc and silica, acidic salts of polyvalent carboxylic acids, and reaction mixtures of polyvalent carboxylic acids with sodium carbonate or sodium bicarbonate. It is preferable to add about 0.2 parts by weight or less of the air conditioner per 100 parts by weight of the resin (except when a large amount of inorganic filler described later is contained in the resin). Further, if necessary, additives such as a heat stabilizer, an ultraviolet ray inhibitor, an antioxidant, and a colorant can be added.
[0054]
Moreover, an inorganic filler can be previously contained in the resin up to 40% of the total weight. Examples of the inorganic filler include those conventionally used, for example, talc, silica, calcium carbonate, clay, zeolite, alumina, barium sulfate, magnesium hydroxide and the like, and these inorganic fillers have an average particle size of 1 to 1. It is preferable that the thickness is 70 μm because it can be uniformly dispersed. When such an inorganic filler is contained in a large amount, the resulting foam has improved heat resistance and can reduce the calorie burned during incineration.
[0055]
The multilayer foam board of the present invention is excellent in folding resistance and low-temperature impact resistance, and is used for partition plate materials for various containers, core materials, returnable boxes such as cardboard boxes, storage boxes, etc. The resin layer (D) and the resin layer (C) are laminated on a multilayer foamed plate or foam layer in which the resin layer (A) is positioned and laminated on both sides, and the resin layer ( C) is an assembly box formed by streaking a multi-layered foam plate that is laminated with the outermost layer positioned on the outermost layer, and there is little side deflection in the box. Even if it falls down, it is an assembly box with excellent low-temperature impact resistance, such as no cracking in the box container itself. Further, the formed assembly box has a resin layer on the inner side, so that scratches such as scratches are hardly caused when a stored item is taken in and out, and the durability of the assembly box is improved. On the other hand, since the resin layer is also formed on the outside, the surface smoothness is excellent, and the printability is also good.
[0056]
The assembly box is formed from the multilayer foamed plate of the present invention by creating a development view of the box with a punching blade, forming a hinge line, bonding the joint portion, and bending the hinge part. Is done. Examples of the above-described formation of the scribe line include cutting groove processing using a cutter, a needle, and the like, and streaking processing using an iron pressing blade. Of these, streaking is preferred because it has a good balance of folding resistance and productivity, such as being difficult to tear from the hinge portion even if folding is repeated. Examples of the streaking process include a method in which a hinge is formed by pressing a tip portion against a multi-layer foam board by heating with a steel streak pushing blade as necessary. At that time, attaching a cutting blade for punching and a pressing blade for streaking to the press machine, and cutting the assembly box developed from the flat multilayer foam plate and streaking at the same time is a point of productivity. Is desirable. The shape of the assembly box of the present invention includes, but is not limited to, a rectangular parallelepiped and a cube.
[0057]
【Example】
The present invention will be described more specifically with reference to examples.
[0058]
The resins and thermoplastic elastomers used in the examples and comparative examples are shown below. The MFR measurement conditions were a temperature of 230 ° C. and a load of 21.18 N.
(I) Polypropylene resin
Resin a: Product name “SD632” (propylene-ethylene block copolymer) manufactured by Sun Allomer Co., Ltd. (MFR: 3.2 g / 10 min)
Resin b: manufactured by Idemitsu Petrochemical Co., Ltd., trade name “J950HP” (propylene-ethylene block copolymer) (MFR: 32 g / 10 min)
Resin c: Product name “4600G-1” (Propylene-ethylene block copolymer containing 40% by weight of talc), manufactured by Calp Kogyo Co., Ltd. (MFR: 14 g / 10 min)
Resin d: Recovered raw material (propylene-ethylene block copolymer) of trade name “SD632” manufactured by Sun Allomer Co., Ltd. (MFR: 10 g / 10 min)
(II) Thermoplastic elastomer
Resin e: manufactured by Nippon Synthetic Rubber Co., Ltd., trade name “EP912” (ethylene-propylene random copolymer rubber) (MFR: 8.6 g / 10 min)
Resin f: manufactured by Asahi Kasei Kogyo Co., Ltd., trade name “Tuftec H1141” (styrene-butadiene block copolymer rubber) (MFR: 140 g / 10 min)
Resin g: manufactured by Dow Chemical Co., Ltd., trade name “Affinity EG8200” (ethylene-octene random copolymer rubber) (MFR: 10.6 g / 10 min)
Resin h: manufactured by JSR Corporation, trade name “Dynalon 6200P” (ethylene-butylene block copolymer rubber) (MFR: 2.5 g / 10 min)
(III) Other
Resin i: manufactured by Nippon Unicar Co., Ltd., trade name “NUC8008” (low density polyethylene) (MFR: 9.6 g / 10 min)
[0059]
Examples 1-9, Comparative Examples 1-2
As the extruder for foam production for forming the foam layer, two extruders having a diameter of 90 mm and a diameter of 120 mm are used, and as the extruder for forming the resin layer (A), an extruder having a diameter of 40 mm is used. Moreover, a diameter of 50 mm was used as an extruder for forming the resin layer (B), and a die having a diameter of 150 mm and a gap of 0.8 mm was used as the die.
[0060]
First, a foam for forming a foam layer is prepared by adding a predetermined amount of polypropylene resin (resin a) from a raw material charging port of an extruder having a diameter of 90 mm, and monosodium citrate as an air conditioner 1 per 100 parts by weight of the resin. 0.0 part by weight, kneaded by heating, and 1.9 parts by weight of a mixture composed of 70% n-butane and 30% i-butane as a blowing agent was injected into the molten resin mixture adjusted to about 200 ° C. Then, it was supplied to an extruder having a diameter of 120 mm.
[0061]
On the other hand, the resin mixture shown in Table 1 constituting the resin layer (A) is extruded from an extruder having a diameter of 40 mm, and the resin mixture shown in Table 2 constituting the resin layer (B) is extruded from an extruder having a diameter of 50 mm. The layer (B) is supplied to the both sides of the foam layer, with the layer (B) on the foam layer side, and joined with the melt for forming the foam layer so that the resin layer (A) is inside from the annular die. Extruded cylindrical multilayer foam was extruded. The extruded tubular multilayer foam was taken along a cooled cylinder, and the tubular product was cut open. Then, both surfaces of the multilayer foam were heated in a heating furnace to obtain a flat multilayer sheet.
[0062]
Tables 1 and 2 show the composition and mixing ratio of the resin constituting the resin layer (A) and the resin layer (B) in the multilayer foamed plate, and Tables 3 to 7 show the configuration of the multilayer foamed plate and the foam layer. The apparent density (g / L), the open cell ratio (%), the thickness (mm), the folding resistance of the multilayer foamed plate, the flexural modulus, and the 50% fracture energy at -15 ° C.
[0063]
Example 10
The foam layer was formed in the same manner as in Example 1 using the same extruder as used in Example 1. The resin mixture shown in Table 1 constituting the resin layer (A) is extruded from an extruder having a diameter of 65 mm, supplied to both sides forming the foam layer, and joined with the melt for forming the foam layer to be shared from the annular die. Extruded. The extruded cylindrical multilayer foam is taken along a cooled cylinder, and the cylindrical product is cut open. Then, both surfaces of the multilayer foam are heated in a heating furnace to flatten the resin layer (A) on the foam layer. A laminated multilayer foam board was obtained. Table 4 shows the layer structure and physical properties of the multilayer foamed plate obtained in the same manner as in Example 1.
[0064]
Example 11
The foam layer was formed in the same manner as in Example 1 using the same extruder as used in Example 1. The resin mixture shown in Table 1 constituting the resin layer (A) was extruded from an extruder having a diameter of 40 mm, and the resin mixture shown in Table 2 constituting the resin layer (B) was extruded from an extruder having a diameter of 50 mm. It supplied to the single side | surface side which forms a layer, it was made to merge with the melt for foam layer shaping | molding, and it coextruded so that the resin layer (A) might become the inner side of a cylindrical multilayer foam from an annular die. The extruded tubular multilayer foam was taken along a cooled cylinder, and the tubular product was cut open. Then, both surfaces of the multilayer foam were heated in a heating furnace to obtain a flat multilayer sheet. Table 4 shows the layer structure and physical properties of the multilayer foamed plate obtained in the same manner as in Example 1.
[0065]
Example 12
The foam layer was formed in the same manner as in Example 1 using the same extruder as used in Example 1. In this example, the resin mixture shown in Table 1 as the resin mixture constituting the resin layer (A) located in the outermost layer was extruded from one side of the foam layer to the resin layer (B And the resin mixture shown in Table 2 is extruded from an extruder having a diameter of 50 mm, supplied to both surfaces forming the foam layer, and joined with the melt for forming the foam layer to form the resin layer (A) from the annular die. Co-extrusion was performed so as to be inside the cylindrical multilayer foam. The extruded tubular multilayer foam was taken along a cooled cylinder, and the tubular product was cut open. Then, both surfaces of the multilayer foam were heated in a heating furnace to obtain a flat multilayer sheet. Table 4 shows the layer structure and physical properties of the multilayer foamed plate obtained in the same manner as in Example 1.
[0066]
As the cylinders used in Examples 1 to 12 and Comparative Examples 1 and 2, those whose surfaces were anodized were used.
[0067]
Example 13
The foam layer was formed in the same manner as in Example 1 using the extruder used in Example 1. The resin mixture shown in Table 2 constituting the resin layer (A) is extruded from an extruder having a diameter of 40 mm and an extruder having a diameter of 50 mm, supplied to both sides forming the foam layer, and merged with the melt for forming the foam layer And coextruded from an annular die. The extruded tubular multilayer foam was taken along a cooled cylinder, and the tubular product was cut open. Then, both surfaces of the multilayer foam were heated in a heating furnace to obtain a multilayer foamed plate. Table 6 shows the layer structure, physical properties, and the like of the obtained multilayer foamed plate.
The resin layer (A) is integrated into one layer, and the thickness of the resin layer (A) shown in Table 6 is first measured with respect to the direction of extrusion of the multilayer foamed plate using a microscope. Ten cross sections of the multilayer foam plate in the vertical width direction were photographed at equal intervals, and the average value of the thickness of the entire resin layer (A) measured from the photographed photos was calculated. Next, it is a value calculated by the ratio of the average value of the thickness of the entire resin layer described above and the discharge amount of each extruder.
[0068]
Example 14
The foam layer was formed in the same manner as in Example 1 using the extruder used in Example 1. The resin mixture shown in Table 2 constituting the resin layer (A) is extruded from an extruder having a diameter of 40 mm and an extruder having a diameter of 50 mm, supplied to one side forming the foam layer, and merged with the melt for forming the foam layer Then, it was coextruded from the annular die so that the resin layer (A) of the cylindrical multilayer foam was inside. The extruded tubular multilayer foam was taken along a cooled cylinder, and the tubular product was cut open. Then, both surfaces of the multilayer foam were heated in a heating furnace to obtain a flat multilayer sheet. Table 6 shows the layer structure, physical properties, and the like of the obtained multilayer foamed plate.
The resin layer (A) is integrated into one layer, and the thickness of the resin layer (A) shown in Table 6 is first measured with respect to the direction of extrusion of the multilayer foamed plate using a microscope. Ten cross sections of the multilayer foam plate in the vertical width direction were photographed at equal intervals, and the average value of the thickness of the entire resin layer (A) measured from the photographed photos was calculated. Next, it is a value calculated by the ratio of the average value of the thickness of the entire resin layer described above and the discharge amount of each extruder.
[0069]
Example 15
The foam layer was formed in the same manner as in Example 13 except that the thickness of the resin layer was changed using the extruder used in Example 1 and the oil layer was changed to resin layers (C) and (D). The resin mixture shown in Table 2 constituting the resin layer (C) was extruded from an extruder having a diameter of 40 mm and the resin mixture shown in Table 2 constituting the resin layer (D) from an extruder having a diameter of 50 mm, and sequentially from the foam layer side. It supplied to the both surface side which forms a foam layer so that it might become a resin layer (D) and a resin layer (C), it was made to merge with the melt for foam layer shaping | molding, and coextruded from the cyclic | annular die. The extruded tubular multilayer foam was taken along a cooled cylinder, and the tubular product was cut open. Then, both surfaces of the multilayer foam were heated in a heating furnace to obtain a multilayer foamed plate. Table 7 shows the layer structure, physical properties, and the like of the obtained multilayer foamed plate.
The resin layers (C) and (D) are integrated into a single layer, and the thicknesses of the resin layers (C) and (D) shown in Table 7 are first measured with a microscope. The cross section of the multilayer foam board in the width direction perpendicular to the extrusion direction of the foam board was photographed at 10 points at equal intervals, and the thickness of the entire resin layer (C) and (D) measured from the photographed photographs. The average value of was calculated. Next, it is a value calculated by the ratio of the average value of the thickness of the entire resin layer described above and the discharge amount of each extruder.
[0070]
Comparative Example 3
Table 6 shows the layer configuration, physical properties, and the like of the multilayer foamed plate obtained in the same manner as in Example 13 except that the resin mixture shown in Table 2 constituting the resin layer (A) was used.
The resin layer (A) is integrated with the resin layer to constitute one layer, and the thickness of the resin layer (A) shown in Table 6 is perpendicular to the extrusion direction of the multilayer foamed plate by a microscope. Ten cross-sections of the multilayer foam plate in the width direction were photographed at equal intervals, and the average value of the thickness of the entire resin layer of the resin layer (A) measured from the photographed photos was calculated. Next, it is a value calculated by the ratio of the average value of the thickness of the entire resin layer described above and the discharge amount of each extruder.
[0071]
In the cylinders used in Examples 13 to 15 and Comparative Example 3, ceramic was deposited on the surface of the cylinder, and Teflon was coated with the sprayed coating as a base. Further, the portion where the extruded cylindrical multilayer foam and the tip of the cylinder contacted was circulated with a cooling medium at 5 ° C. to be cooled.
Even if the resin layer in contact with the cylinder did not contain an inorganic filler, the sliding property between the cylindrical multilayer foam and the cylinder was good. Further, when Example 13 and Examples 7 and 10 were compared, Example 13 had almost the same thickness and the same basis weight, and almost the same folding resistance, and was superior in low temperature impact resistance. Further, in Example 13, when the value of the tensile elastic modulus of Example 7 was 1, the value was 1.5 times.
[0072]
Examples 1 to 9 are multi-layer foam plates having a five-layer structure in which the resin layer (A) and the resin layer (B) are laminated on both surfaces of the foam layer, and the resin layer (A) is positioned as the outermost layer. Is a multilayer foam board having a three-layer structure in which only the resin layer (A) is laminated on both sides of the foam layer. Example 11 is a resin in which the resin layer (A) and the resin layer (B) are laminated on one side of the foam layer. A multilayer foamed board having a three-layer structure in which the layer (A) is positioned at the outermost layer. In Example 12, the resin layer (B) is laminated on both sides of the foam layer, and the resin layer (A) is further provided on one side. It is a multi-layer foam board having a four-layer structure that is laminated by forming an outermost layer.
In Comparative Examples 1 and 2, the resin layer (A) constituting the outermost layer in the multi-layered foam plate having a five-layer structure in which the resin layer (A) and the resin layer (B) are laminated on both surfaces of the foam layer It is a multilayer foam board which consists of a resin composition which does not contain a thermoplastic elastomer. The resin layer (A) constituting the outermost layer from Examples and Comparative Example 1 is as thick as 0.074 mm and does not contain a thermoplastic elastomer, so that the folding resistance and low-temperature impact resistance are poor.
In the case where the resin layer is a multilayer foamed plate made of a resin composition containing no thermoplastic elastomer, the folding resistance is poor and the 50% fracture energy (J) at −15 ° C. is small and the temperature is low. Impact resistance is poor.
The comparative example 3 is a multilayer foam board which does not contain an inorganic filler in the resin layer which contact | connects the cooled cylinder and the extruded cylindrical multilayer foam.
In Comparative Example 3, compared with Comparative Examples 1 and 2, since the resin layer did not contain an inorganic filler, the low-temperature impact resistance was slightly high and the tensile modulus was also high.
Moreover, from Example 2, Example 9, Example 1, and Example 8, when block copolymer rubber is used as a thermoplastic elastomer, even if the usage-amount is less than random copolymer rubber, at -15 degreeC. 50% fracture energy (J) shows an equivalent value, and shows a high value when the amount used is the same.
[0073]
MFR of the resin layer laminated | stacked on the foam layer of Examples 1-15 and Comparative Examples 1-3 was in the range of 10g / 10min-30g / 10min.
[0074]
Evaluation of folding resistance, bending elastic modulus, and low-temperature impact resistance of the multilayer foamed plates shown in Examples and Comparative Examples was performed as follows.
[0075]
(Folding resistance)
A test piece having a length of 110 mm × width of 15 mm × thickness (total thickness of the multilayer foamed plate) in which the length direction of the test piece is the extrusion direction (MD) is prepared, and the entire width of the test piece (15 mm) is provided at the center in the length direction. ), A pressing blade (tip angle 72 degrees) that forms a wire is brought into contact with one side, (a multilayer board in which a resin layer is laminated only on one side is in contact with the resin layer side, and Example 12 is a resin layer ( A contact was made on the A) side) and a pressing line was formed at a pressing time of 3 seconds and a pressing pressure of 0.4 MPa so that the pressing amount was 90% of the total thickness of the multilayer foamed plate. A folding resistance test was performed using this test piece. In accordance with JIS P 8115 (1994), the test was performed with a load of 10 N and a bent portion R of 0.38 mm. One end of the test piece was fixed and bent at an angle of 135 degrees to the left and right, and 175 times in one minute. It was performed at a folding speed.
In the test, ten test pieces were measured for the number of bending until a tear occurred in the ridge portion, and an average value was obtained and evaluated as follows.
○: No tear occurred after 1000 times.
(Triangle | delta): A crack generate | occur | produces in 100 times or more and less than 1000 times.
X: Rupture occurred after less than 100 times.
In the multilayer foamed plates of Examples 1 to 15, no tears occurred in the tie lines even when the folding resistance was 5000 times.
[0076]
(Flexural modulus)
According to JIS K 7203 (1982), it measured in the extrusion direction (MD) and the width direction (TD) of a multilayer foamed board. The length direction of the test piece is the extrusion direction (MD), using a length of 100 mm × width of 25 mm × thickness (total thickness of the multi-layer foamed plate), a fulcrum tip R = 5 mm, and a pressure tip R = 5 mm The distance between the fulcrums was 50 mm and the bending speed was 10 mm / min. Ten specimens were measured for each of the extrusion direction and the width direction of the test piece to obtain an average value, and the larger value was taken as the flexural modulus of the multilayer foamed plate. In addition, the multilayer foamed board with which the resin layer was laminated | stacked only on one side was measured by making the resin layer surface into the lower side. In Example 12, the measurement was performed with the resin layer (A) surface as the lower side.
[0077]
(Low temperature impact resistance)
After holding the test piece of length 150 mm × width 120 mm × thickness (total thickness of the multilayer foam board) in the atmosphere at −15 ° C. for 6 hours or more, in which the length direction of the test piece is the extrusion direction (MD), A spherical weight (weight: 198.5 g, diameter: 36.5 mm) is dropped from an arbitrary height within 2 seconds after being taken out to room temperature (23 ° C., humidity 55%), according to JIS K 7211 (1976). A falling weight impact test was performed to determine 50% fracture energy. In addition, the multilayer board in which the resin layer was laminated only on one side was measured with the resin layer side as the lower side. In Example 12, the measurement was performed with the resin layer (A) surface as the lower side.
×: 50% fracture energy at −15 ° C. is less than 0.75
○: 50% fracture energy at −15 ° C. is 0.75 or more
[0078]
Using the multilayer foamed plates obtained in Examples 1 to 15 and Comparative Examples 1 to 3, JIS Z 1507 (1989) grooved shape, box shape of code number 0201 (length 430 mm, width 250 mm, height 230 mm) did. In Examples 11, 12, and 14, the resin layer (A) was placed outside the box. The above-mentioned box wire is composed of three pressing blades, and the height of the central pressing blade is 0.1 mm higher than the height of the pressing blades at both ends. And the width of each pressing blade was 1 mm, the multilayer foamed plate was pushed in at a pressure of 13 MPa, and the pressing time was 5 seconds. The length direction was taken as the extrusion direction (MD direction) of the multilayer foamed plate, and the wire was formed on the outside.
[0079]
(Side deflection in the box)
Deflection of the side of the lowermost box (length: 430mm x height 230mm) on the bottom of the box containing 15kg of resin pellets in 5 layers Was measured. As a result, in the box using the multilayer foamed plate of the embodiment of the present invention, the deflection after 24 hours was 4 mm to 6 mm.
[0080]
(Cold low temperature drop test)
The box was dropped onto the concrete floor from a height of 1 m under an atmosphere of 2 ° C. so that the bottom of the box and the concrete floor were parallel. As a result, in the box using the multilayer foamed plate of the embodiment of the present invention, the box was not damaged. On the other hand, in the box using the multilayer foamed plates of Comparative Examples 1 and 2, breakage of the box was observed.
[0081]
[Table 1]
[0082]
[Table 2]
[0083]
[Table 3]
[0084]
[Table 4]
[0085]
[Table 5]
[0086]
[Table 6]
[0087]
[Table 7]
[0088]
【The invention's effect】
As described above, the multilayer foam board of the present invention is a multilayer polypropylene resin foam board that is lightweight, rigid, and excellent in folding resistance and low-temperature impact resistance. It is suitable for materials, returnable boxes, storage boxes and the like.
The multilayer foamed board in which the resin layers are laminated on both surfaces of the foam layer of the present invention and the resin layer located on the outermost layer is composed of a polypropylene resin composition containing a thermoplastic elastomer has folding resistance and low temperature impact resistance. The assembly box formed by streaking such a multilayer foam plate has much better folding resistance than the conventional one, and the assembly and folding of the box are repeated. Even if it goes, it will not tear from the hinge part, and even if the stored item is stored in the box container and dropped at a low temperature, the box container itself will not be damaged.
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