JP4608041B2 - 加圧タンク用フェイル−セーフ送出し弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は内容物の偶発的な漏出に対して何重もの安全を提供する加圧タンクやシリンダなどの貯蔵コンテナのための送出し弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
多くの工業用処理及び製造装置は、毒性が高い流体の使用を必要としている。半導体材料の製造はそうした事例のひとつで、毒性の高い水素系又はハロゲン系ガスの安全な貯蔵と取り扱いが必要となる。そうしたガスの事例としては、シラン、ゲルメーン、アンモニア、ホスフィン、アルシン、スチビン、硫化水素、セレン化水素、テルル化水素、及びその他のハロゲン化合物である。毒性及び安全対策の結果として、これらのガスは工業プロセス施設においては慎重な貯蔵と取り扱いが要求される。
【0003】
半導体産業は特にイオン注入における砒素(As)及び燐(P)の供給源として、アルシン(AsH3)とホスフィン(PH3)などのガス性水素化物に依存している。イオン注入システムは通常AsH3とPH3の希釈混合物を10.4MPa(1500psig)もの圧力下で使用する。その非常に高い毒性と高い蒸気圧の故に、その使用、輸送及び貯蔵は半導体業界の安全上の重大な関心事となっている。
【0004】
非常に毒性の高いガスが半導体産業でどのように取り扱われているかを示すより具体的な例としてアルシンの取り扱いを見ると、アルシンは通常1825kPa(250psig)の加圧コンテナ内に貯蔵されている。生産環境内でのアルシン・シリンダの取り扱いは非常に多様な危険状況を示す。140グラム・シリンダでのアルシンの漏洩でも、天井までの高さが3メートルの3,500平方メートルの建物の容積全体を生命と健康に対する即時危険性(IDLH)レベルまで汚染してしまう。その漏出が大規模であると、こうした状況が1、2分で起きてしまい、その漏出源近くの領域では数時間にわたって極端な致死濃度が続くことを意味している。
【0005】
アルシン・コンテナは通常500ccガス・シリンダを用い、一端に弁がついている。1825kPa(250psig)で汲み上げられた液体アルシンは、その容積のほぼ20%程度(140グラムのアルシン)までそのシリンダを満たす。一度満たされると、弁が閉じられて安全キャップが弁出口に取り付けられる。このシリンダは軽量(約2.5kg)であり、弁はシリンダの重量と比較して強力であるので、コンクリート・フロア上で3〜6メートルの高さから弁端上にシリンダを落としても、弁やシリンダの一体性は破壊されない。これらの小型シリンダの強度は大型のガス・シリンダの場合は通常必要となるような弁の保護の必要性をなくしてくれる。
【0006】
こうしたコンテナを受け取るエンド・ユーザは、十分に換気されている場所で、安全キャップを取り外し、エンド・ユース装置上に通常は立ててそのコンテナを取り付けて弁を開く。そうするとコンテナは弁端の位置に応じて液体又は基体アルシンを放出する。弁端が下側の場合は、アルシン液が送り出される。弁端が上側の場合は、アルシン・ガスが送り出される。弁の位置にはかかわりなく、エンド・ユース装置は、そのシリンダからガスとして排出されるか、エンド・ユース装置内で液体からガスに転化されるかのいずれかの方法でアルシンを気相で用いる。
【0007】
室温(22℃)での液体アルシンの飽和圧力は1825kPa(250psig)である。このことはコンテナ内での装置接続部への、又はエンド・ユーザ装置内でなんらかの漏洩があった場合、1825kPaのアルシンが大気に放出されることを意味する。従って、1825kPa又はそれの絶対的な漏洩を防止できる接続部が、装置及び供給コンテナのすべての部分を接続しなければならないことを意味している。エンド・ユーザが最初に弁を開けて安全プラグを取り外さねばならない場合、特に弁端が下側の場合、140グラムのアルシン全体がわずか1〜2秒で漏れ出てしまう可能性がある。弁が閉じられているという過った考えの下で安全キャップの取り外しや、シリンダの切り離しを行うと、アルシンが急速に放出されてしまう。
【0008】
こうした流体の意図しない放出の結果として生ずる傷害や死の重大な可能性を考えて、こうした毒性流体の災害につながるような放出を阻止するためのシステムについて開示している先行システムがある。現在一般的に用いられているひとつのシステムは、アルシンや他の毒性の高いドーパントを吸着材に保持している。例えば、米国特許出願No.4,744,221は、アルシンを−30℃から+30℃の範囲の温度下でゼオライトと接触させてアルシンをゼオライトに吸着させて保存し、そしてアルシンを輸送することを開示している。その後175℃程度の温度で加熱すると、アルシンがゼオライトから放出される。米国特許出願No.4,744,221の方法は、アルシン輸送のために加熱を必要としているがこれは望ましくない。加熱に伴うひとつの問題は貯蔵容器が通常かなりの熱容量を持っていることである。貯蔵容器の熱容量は送り出し操作にかなり時間差が生じることを意味している。さらに、加熱はアルシンを分解させて水素ガスを発生させ、爆発の危険性を伴う。アルシンの熱分解はプロセス・システムに対するガス圧を望ましくないレベルまで増大させてしまう可能性もある。
【0009】
米国特許出願No.5,704,965、米国特許出願No.5,704,967、米国特許出願No.5,707,424、及び米国特許出願No.5,518,528はこれらのガスに対する高い貯蔵(吸着)容量を有するゼオライトから、毒性の流体を脱着するために減圧を用いて室温で作動する水素化及びハロゲン化ガスの貯蔵及び送出しのためのシステムを開示している。米国特許出願No.5,518,528をより詳細に調べてみると、それは貯蔵容器の内部圧力以下の圧力をもたらすために送出しアセンブリを用いている。減圧することによって吸着ガスが固相物理的脱着材媒体から脱着される。アルシンのかなりの部分を吸着材から引き出すためには、非常に低い圧力を用いる必要がある。完全充填の場合、送出し圧力は79.8kPa(600torr)でなければならない。半分だけ満たされている場合、それは9.3kPa(70torr)まで下がる。ほとんどのマス・フロー・コントローラは20kPa(150torr)までの圧力しか読み取れない。25kPa(150torr)で、吸着材上のアルシンの60%はその吸着材に残ったままである。吸着材タイプ・シリンダ内のアルシンの40%以上を利用するために必要な非常に低圧のマス・フロー・コントローラを設置するためには装置に一定の修正を加える必要があるであろう。
【0010】
米国特許出願No.4,936,877はアルシンをキャリア・ガス内に分散させて輸送することを開示している。この方式では、アルシンはキャリア・ガスをアルシンと接触させる混合室内に配置された流速制御薄膜を通じて貯蔵器を出ていく。
【0011】
弁ロック構成がキャリア・ガス貯蔵装置からの流体の流れを制限するより直接的な手段を提供している。米国特許出願No.4,723,867と米国特許出願No.4,738,693は半導体産業用のドーピング材の輸送における液体排出を阻止するためにいくつかの多重ポート弁を含む弁ブロック内での薄膜とダイアフラムの使用について開示している。
弁設計の一般的技術は弁要素を制御するための密封されたふいご部材の利用について開示している。米国特許出願No.4,157,072は船舶燃料タンク用の換気弁を開示している。この特許は沈没した船舶からの燃料の流出を阻止するための高い水圧に対応するための密封されたふいごを設けることを開示している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は毒性のある液体や気体の偶発的な漏洩や放出の可能性を減らすことである。この発明のさらに別の目的は毒性流体を保持、貯蔵、及び輸送を制御するための吸着材の必要性をなくすことである。この発明のさらに別の目的は供給サービス内に配置された場合だけその内容物を排出するタンクやシリンダ用の弁を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明による装置は貯蔵コンテナの取出口を通じて移される毒性の高い流体の放出を自動的に制限するレギュレータを提供する。このレギュレータはコンテナの外側に適切な排出条件が存在していない場合、又は圧力レギュレータ上に適切な排出条件が指示されない場合は、流体の排出を防ぐために貯蔵コンテナの取出口又はそれより下流に状況に対応可能な弁要素を配置して用いる。排出条件は通常の取り扱い及び貯蔵手順と通常の大気条件下で弁を保管又は取り扱う際には非常に起こりにくい所定の条件を示している。こうした条件としてはレギュレータの加熱、電流、電圧、磁界又は異常な物理的力のレギュレータ上又はその周辺への負荷などを含んでいる。好ましくは、このレギュレータは所定の圧力条件、又はより好ましくは真空条件がレギュレータの下流に存在するまでは、流体の排出を阻止する圧力感応要素を含んでいる。さらなる安全対策として、コンテナがエンド・ユース装置の内部又はその周辺に適切に配置されて、安全に接続されるまでは排出条件が指示できないようにすることができる。こうした方法で、本発明は貯蔵コンテナからの毒性のある流体を移すためのフェイル−セーフシステムを提供することができる。
【0014】
有効性を確実にするために、コンテナ弁又はコンテナ自体がレギュレータを内包するようにする。レギュレータはコンテナ弁の上流、又は下流に配置することができる。コンテナ弁の上流に配置された場合は、レギュレータとそのフェイル−セーフシステムに対する保護が最も高くなる。
【0015】
この発明の最も有利な使用法として、貯蔵コンテナ内部に内部流量制限を設けることによってさらに安全策を構じる方法がある。この流量制限はコンテナからの気相流体の排出を低質量流量に制限する。低質量流量とは通常コンテナがガスをエンド・ユース装置に提供する上での望ましい最大流量と同じ、又はそれ以上であるが、それでも偶発的な排出量を厳しく制限するのに十分な程度に制限されている。
【0016】
公知の流量制限装置のいずれでも、この発明における流量制限装置として用いることができる。適切な流量制限装置は組み込まれた導管、薄膜要素、又は細かな多孔性スクリーンやフィルター材を単独、又は組み合わせで用いることができる。毛細管はその長さと直径を調節することで、最大流体排出量を調節することができるので好ましい流量制限を可能にしてくれる。有効な流量制限はコンテナ取出口又はコンテナ弁取出口の上流のいずれかの場所で行われる。好ましくは流量制限はガスを供給するシリンダ又はタンク内部で行われる。
【0017】
コンテナからの液体の排出は液体の質量排出量が同じ制限開口部を通じての対応するガスの質量排出量を大幅に上回るので特別の危険性をもたらす。従って、流量制限装置の取入口の位置を調節することは流体排出の制御に役立つ。特に好適な構成では、流量制限装置への取入口をコンテナからの液体排出を防ぐように配置する。通常のアルシン・シリンダの20%充填容量の場合、流量制限装置に対する取入口をシリンダの中央部分に配置すると、そのシリンダが正しい姿勢で置かれているか、又は逆さまに置かれているかによって液体アルシンの排出を防いでくれる。さらに、取入口をシリンダの半径方向中央に配置すると、部分的に満たされたシリンダを水平方向、垂直方向のどのような姿勢に置こうとも液体の排出を防いでくれる。
【0018】
従って、好ましい装置の実施の形態において、この発明は加圧コンテナの取出口からの加圧流体の排出を制御するための装置である。この装置は加圧コンテナの取出口と連通してコンテナからの流体排出路を形成するポート体を含んでいる。このポート体の内部、又はその前方に固定された圧力レギュレータは、その流体排出路を通じての流体を流れを阻止する密封位置とその流体排出路を通じての流体の流れを可能にしてくれる開放位置との間を動くことができるようにされた弁要素を含んでいる。ダイアフラムはポート体上流の圧力条件からは切り離された内容積を形成しており、そのダイアフラムの内側と外側の圧力差が弁要素を開放位置に動かすまで、弁要素を密封位置に保持しておくような方法で弁要素の動きを制御するために弁要素と係合している。
【0019】
さらに具体的な装置の実施の形態においては、この発明は加圧流体を収容し、その加圧流体のシリンダからの排出を制御するためのシリンダと弁によるアセンブリである。このシリンダと弁のアセンブリはシリンダの開口部を形成するシリンダを含んでいる。この弁アセンブリはシリンダ開口部との密封係合に適合したポート体を含んでいる。流体取入口はそのポート体によって形成されており、シリンダ開口部と連通している。流体取入口はそのポート体によって形成され、シリンダの外部に配置されている。流体排出路は弁本体によってその流体取入口と流体取出口との間に形成されている。手動制御遮断弁は流体排出路を通じての流体の流れを制御する。自動弁はその流体排出路を通じての流体の流れを阻止する密封位置にバイアスされた弁要素を含んでいる。流体排出路に沿って弁要素の下流に配置された密封されたふいごは、その一部がポート体に固定されており、別の部分は弁要素と作動可能に結合されて、ふいごの内部及び外部との間の相対圧力差がふいごを拡張した場合に、弁要素を密封位置から開放位置に移動させるようになっている。
【0020】
他の実施の形態においては、この発明はタンクから流体を排出してそのタンクからの流体の制御されない排出を防ぐための方法及び制御システムとなっている。この方法はタンクに加圧流体を満たし、このタンクの内部と連通した取出口からタンクの外側に配置された輸送ポートに制御された排出を行うための排出路を確立し、通常の大気条件の外部の熱的、機械的、又は圧力条件に対応する制御弁によって排出路を通じての流体の流れを阻止し、選択的に排出路を開放して、望ましい場合は加圧流体を放出するように必要な熱的、機械的、及び圧力条件を課する諸工程で構成されている。
【0021】
例えば、制御弁は制御条件としての電気的パルスに感応することができる。電流がその弁に到着するまでその弁からの流出は起きないであろう。パルス電流はガスをそのシステム内に周期的に供給するようにだけ作動する。システム・パイプはパルス間に圧縮して供給に必要な条件を達成するのに十分なガスを供給できるような内容積を含んでいる。作動中にチューブ内に漏出が起きると、パルスが起こり得る排出の量を制限する。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1で、500ccシリンダ10を有するこの発明の実施の形態が示されており、この実施の形態は、シリンダ・ヘッド弁12がその頂点に設けられて弁取出口16を有している。シリンダの内部にはアルシン・ガスを弁取入口11に供給する取入口を有する毛管13が設けられている。排出されるまでは、シリンダ10の底部の液体アルシン貯蔵器15は、アルシン・ガスがシリンダを出ていくとそれを補充して、シリンダ内部の蒸気圧力を維持する。弁12内部に配置されたレギュレータ17はシリンダからのアルシン・ガスの排出を自動的に制御するふいご・アセンブリ28を含んでいる。ハンドル18によって主要弁要素19を手動制御することができる。
【0023】
図2はレギュレータ17とヘッド弁12の内部をより詳細に示している。ヘッド弁12からのアルシン・ガスの経路に続いて、ガスはまずチューブ13の毛管サイズの流域を通じて弁取入口11に入る。ヘッド弁12の本体はレギュレータ17を含んでいる。導入されたガスは最初にポペットの形状の弁要素20に接触する。ばね21が、ポペット弁20を弁座22に対してバイアスさせ、ガス流路の閉鎖状態をつくりだす。ポペット弁20の上部は弁座22全体を能動的な密封状態に維持するための弾力性座金又は他の密封要素を持っていてもよい。ばね21は、通常、ふいご23の形状のダイアフラム要素が拡張して接触プレートを偏位させるまで、ポペット弁20を弁座22に押しつける。接触弁24は、制御ピン25に作用してポペット弁20を弁座22から押し離す。それによって、アルシン・ガスが、制御ピン25の回りのピン通路26を通じて、ふいごアセンブリ28を収容するふいご室27内部に流入する。
【0024】
ふいごアセンブリ28は、ふいご23の内部を支承する壁31を有する内部室30を形成するふいごガイド29と、ふいご23の外部を取り囲む外部スリーブ32と、底部誘導プレート33を有している。ふいご23の上端でのふいごガイド29、及びふいご下端での接触プレート24との密封接触によって、ふいごが、ふいご室27内部及びガス流路全体の圧力から切り離される。内部室30は、通常大気圧状態で密封されて、ふいご室27内の圧力の減少によってふいご室27内のガスがふいご23を拡張させて接触プレート24を制御ピン25に逆らって下方に押すようにする。ふいごガイド29はスリーブ32をその外側端部周辺に保持する。ふいごガイド29、スリーブ32及び誘導プレート33は全体としてふいご23を保護するように包んでいる。ピン25は、誘導プレート33に形成された制御孔を貫通しており、接触プレート24との位置的整合性を維持する。
【0025】
ふいご室27を出たアルシン・ガスは弁取入口34を通じ、密封面35に沿って流れる。ねじ溝を切ったブッシング36が多層金属製ダイアフラム48を弁胴50に締めつけて、それによって弁軸部材38を介しての流体漏洩が起きないように密封している。ねじ溝を切った弁軸部材38と連係して作動するハンドル18は摩擦パッド52を介してピストン51をダイアフラム48上に押しつけて、主要弁プランジャ37をばね53の抵抗力に抗して下方に移動させる。プランジャ37の下方への動きはナット55によって保持されているテフロン(登録商標)製密封要素54を、弁胴50上に押しつけて表面35上に密封状態をつくりだす。ダイアフラム48から離れる方向に弁軸部材38を戻すとばね53が弁プランジャ37を上方に移動させ、それによって密封面を分離させ、ガスがポート34を通じて流れることができるようにする。密封面35を通過してしまえば、アルシン・ガスは室40から取出口41及び弁取出口16へ流れる。
【0026】
レギュレータ手段17は弁体内部の圧力が真空状態に低下するまでポペット20が絶対に開かないように設定することができる。こうした条件は通常500torr又はそれ以下の圧力と同等である。レギュレータをこのように設定しておくと、保護キャップを所定の場所に取り付けても取り付けなくても、主要弁の開口によってアルシンがシリンダから送り出されることはない。通常のエンド・ユース装置は100torr以下の圧力で作動するので、真空、又は具体的には500torr以下の圧力でアルシンを送り出すことにはいくつかの利点がある。例えば、アルシン・ガス接続部のすべてで陰圧となり、従って漏洩があってもエンド・ユース装置に流れ込むだけで、それは装置自体によってすばやく検出される。従って、漏出がないかどうか確認するために接合部をひとつずつ検査する必要がなくなる。加えて、タンク圧力を質量流量制御装置に受け入れ可能なレベルの圧力まで低下させるための外部圧力レギュレータは必要なくなる。より重要なことは、アルシン・システムのパイプ接続が偶発的に開けられても、保護キャップが取り外された場合のシリンダ弁の開口より危険性はずっと低いレベルにとどまることである。
【0027】
制限流路を用いると、必要な時にレギュレータ17がガス流をチェックできないというありそうもない出来事が起きた場合の安全性をさらに向上させてくれる。上に述べた制限装置の他にも、ある種の形状の毛管サイズの流域が流量制限装置としての細孔の柔軟性と信頼性を提供してくれる。単一又は複数の小径口又はしっかり束ねられた形状のいずれで設けられた場合でも、このタイプの適切な制限装置は気相流体の輸送を非常に低い流量に制限してくれると同時に、毛管作用によるより高い流量での液体の流れも可能にしてくれる。
【0028】
例えば、単一内径毛管は大気へのアルシンの放出を3sccm程度まで制限することができる。図1を参照してこの形状の流量制限装置をより詳細に説明すると、毛管13はシリンダ10からの出口を提供しているだけである。毛管13を曲がりくねった形状で形成してあるので、取出口14はシリンダ10の軸方向及び半径方向の中央に維持される。毛管の内径は通常は0.02ミリメートル(0.001インチ)を越さない。この直径はアルシンの1825kPa(250psig)飽和圧力がアルシンをチューブを通じて1分間あたりわずか60ミリグラム程度の流量で送るように流量を制限する。通常のエンド・ユーザは1分間あたり3〜10ミリグラム程度(1〜3sccm)の流量を必要とするだけである。流量60ミリグラムの場合、コンテナが空になるまでに40時間かかる。縦横10メートルずつで天井の高さが3メートルの部屋がアルシンの生命及び健康に対する緊急危険性(IDJH)レベルに到達するまでに1時間がかかるであろう。1時間あれば要因が退去するように警告を与え、対応チームが必要な措置を取るために十分な時間を提供してくれるであろう。より重要なことは、このアルシン・システムでのパイプ接続で偶発的な開口や事故があっても、それは真空状態で作動されるシステムでの危険性の程度が加圧状態で作動されるシステムの場合より低いことである。
【0029】
毛管の長さと直径も制限装置を通じて最も望ましい流量を提供するように調節することができる。上に述べたような流速でアルシンを輸送する場合、毛管の長さは15cm程度、孔径は直径12ミクロン程度である。毛管の直径が9ミクロン程度まで減少され、長さが上記のままであると、同じ流量を実現するためには4本の毛管を平行に用いる必要があるであろう。こうしたサイズの毛管は種々のガラス素材からつくることができる。適切に封じ込めることによってガラスのもろさを克服することは可能である。
【0030】
種々の適切な毛管構造をつくることができる。図3は直線的な毛管部材13′を提供するようにガラス・ロッドによって形成され、その取入口14′がシリンダ10の半径及び軸方向の中央に配置されている修正された形状の毛管を用いたタンクを示している。図4の断面図でよりはっきりと示されているように、通常ステンレス・スチールで構成されるメタル・チューブ42がガラス・チューブ46を保護するように包んでいる。チューブ46の直径の内側に中心のガラス・ロッド44を中心に固いガラス・ロッドの6角形構成があり、その内部でロッドのすべてはほぼ同じ直径を有している。ロッド43とロッド44との間、及びロッド43とチューブ46内部との間の空間は毛管部材13′を通じて流れる毛管サイズの流域45を提供する。ガラス・ロッド上にガラス管を縮めると固いチューブ/ロッド・アセンブリを提供してくれる。従って、内側ロッドが破壊された場合でも、ガラス管46によってその破片が保持されるので、ガラス管46の内径を通じての毛管流は維持される。金属チューブ42はオプションとしてガラス・ロッド43と44の回りに収縮させるとさらに固さと耐久性が向上し、より強化された装置が提供される。金属チューブ42をさらに強化すると、ガラス・ロッドやそれを取り巻くガラス・チューブが破断しても毛管部材13′内の制限流路の機能はほとんど変わらない。
【0031】
毛管が入口部分だけに使われている場合、シリンダを満たすアルシンはその毛管を通じてシリンダに入るようにするべきである。シリンダを満たすためには通常液体アルシンをシリンダ内に汲み上げることを必要とする。液体アルシンは気相アルシンと比べて500倍程度も高い密度を有している。その結果、ほとんどの液体充填/ガス引き出しシステムの場合、シリンダを用いる場合よりその強度はずっと低い。
【0032】
充填時間を減らすことが必要な装置の場合、シリンダ充填専用のより大型のポートを用いることによって、他のガス/ガス又は流体/ガス・システムの充填/輸送に望ましい、又は必要な場合にシリンダを再充填するための時間を短くすることができる。こうした構成の場合、シリンダ又は弁は毛管又はその他の流量制限をバイパスする別個の入力ポートを含んでいてもよい。このバイパス・ポートへの流れは、例えば、圧力、電気、磁気、又はその他の機械的な手段で制御することができる。
【0033】
【発明の効果】
この発明は前記のようであって、変移可能な制限装置を用いてシリンダを充填することも可能である。こうした構成の場合、制限要素として寄与できるフィルター要素が異なった位置間、つまりコンテナを充填するための位置とコンテナからガスを引き出すための別の位置との間で往復運動する。こうした制限装置の場合、密封体が弁体を通じての流体の流れを抑止するコンテナからの流体流路を確立するために、密封面から離れるように変移すると同時に流体を制限装置を通じて送り、コンテナからの流体の流れを制限するコンテナから弁取出口への流体流路を形成するように密封面の方向に変移できるようになっている密封体の形状で構成することもできる。このようにして、自動的に流量を変えながらコンテナに流体を出し入れするために単一ポートを用いることができる。タンク取入口を通じての単一ポートの使用はそのポートがほとんどのコンテナの細口を通じての大きな流域を持たせるようにしてタンクをガスで充填する作業をより容易にしてくれる。変移可能な制限要素はさらに、その制限装置が密封面と十分に接触していない場合、いかなるガスの排出も阻止するように制限要素と共に移動する弁密封要素を組み込んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の断面図である。
【図2】同上のシリンダ・ヘッド・アセンブリの拡大図である。
【図3】この発明の他の実施形態の断面図である。
【図4】図3の線3−3による断面図である。
【符号の説明】
10 加圧タンク
13 導管
20 弁要素
23 ダイアフラム
25 ピン
26 流体排出路
30 内容積
34 流体排出路
41 流体排出路
50 弁胴
Claims (6)
- 加圧タンクの取出口からの加圧液の排出を制御する装置において、
前記加圧タンク(10)の取出口と連通して流体排出路(26,34,41)を形成するポート体(50)と、
前記ポート体の内部又はその上流に固定されていて、流体が、前記流体排出路を通じて流出するのを防いでいる密封位置と、前記流体排出路に沿って流体が流れるようにする開放位置との間で動けるようになっている弁要素(20)と、
前記弁要素の上流の圧力状態から切り離された内容積(30)を規定するダイアフラム(23)であって、前記弁要素と係合して、前記ダイアフラムの前記内容積と前記ポート体の内部との間の圧力差が、前記弁要素を開放位置に動かすまで、前記密封位置に前記弁要素を保持するように前記弁要素の動きを制御する前記ダイアフラム(23)とを有し、
前記流体排出路の一部を、制限流路を有する導管(13)が形成していること、
前記ポート体(50)が、前記加圧タンクを充填するための、前記制限流路をバイパスする別個の入力ポートを有していること、および
前記ダイアフラム(23)が、前記弁要素(20)の下流に位置する前記流体排出路の真空状態に対応して前記弁要素(20)を開放位置に移動させるようになっていること
を特徴とする加圧タンクの取出口からの加圧液の排出を制御する装置。 - 前記ポート体が、前記弁要素の他に手動で動かされる弁(12)を保持している請求項1に記載された加圧タンクの取出口からの加圧液の排出を制御する装置。
- 前記ダイアフラム(23)がふいごを含む請求項1に記載された加圧タンクの取出口からの加圧液の排出を制御する装置。
- ハウジング(32)が、前記ふいごを収容するふいご室を形成し、該ふいご室が前記弁要素の下流に位置する前記流体排出路の一部と連通していて、その連通が前記弁要素の下流に位置する前記流体排出路の前記真空状態に対応して前記ふいご室の内部に真空をつくりだした時に前記弁要素を開放位置に動かすための十分な内圧を与えられた状態で前記ふいごが密封されている請求項3に記載された加圧タンクの取出口からの加圧液の排出を制御する装置。
- 前記弁要素(20)がポペット弁を含み、前記ふいごの拡張がピン(25)を作動させてポペット弁を開放位置に移動させるように構成されている請求項4に記載された加圧タンクの取出口からの加圧液の排出を制御する装置。
- 密封された前記ふいごの一部が前記ポート体に対して固定され、他の部分が前記弁要素と協働するように結合されていて、前記ふいごの内部と外部との間の相対圧力差が、前記ふいごを拡張させた時に前記弁要素を開放位置に移動させ、その開放位置で、前記流体排出路に沿って流体が流れるように構成されている請求項4に記載された加圧タンクの取出口からの加圧液の排出を制御する装置。
Priority Applications (1)
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JP21965499A JP4608041B2 (ja) | 1999-08-03 | 1999-08-03 | 加圧タンク用フェイル−セーフ送出し弁 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP21965499A JP4608041B2 (ja) | 1999-08-03 | 1999-08-03 | 加圧タンク用フェイル−セーフ送出し弁 |
Publications (2)
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