JP4606696B2 - チューナブル光フィルタ用のコントローラ及び方法 - Google Patents
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Description
[発明の技術分野]
本発明は、一般に光通信に関連し、特に調整可能な光ファイバフィルタ(tunable fiber optic filter)を利用する光通信に関連する。
【0002】
[発明の背景]
テレコミュニケーションシステムでは、光ファイバを介した光による情報伝送が広く行われている。光信号は、生成され、光ファイバに沿って伝送され、可能な限り少ない歪み(change)と供に当初の電気信号を再生するために検出される。光ファイバは、低コスト且つ高品質のディジタル伝送を行うために、電気信号処理と組み合わせられる。
【0003】
光ファイバシステム用途(アプリケーション)では、電気信号に変換せずに、信号の直接的な光学的処理を行い得る。これは一般に、増幅器、マルチプレクサ/デマルチプレクサ、スプリッタ、カプラ、フィルタ、イコライザ及び光ファイバ用途に適したスイッチのような光信号処理部を必要とする。光ファイバフィルタは、そのような光ファイバシステムに重要な要素である。光通信システムに使用される波長分割多重光システムに関し、特定の波長の光を選択する多種多様の光フィルタが提案されている。
【0004】
ファブリペローファイバ(FFP:fiber Fabry−Perot)干渉フィルタは、そのようなフィルタである。ファブリペローFP干渉計は、1897年にファブリ(C.Fabry)及びペロー(A.Perot)により与えられ、光フィルタの様々な分野で広範に使用されている。FP干渉計の基本構成及び動作は、当該技術分野で周知であり、物理学及び光学の多くの教科書に説明されている。この干渉計は、典型的には高い反射率で反射し、低損失で、一部を通過させる2枚の鏡の間に形成された光空洞又は光キャビティ(optical cavity)を有する。典型的には、FP干渉計を利用して処理を行うために、レンズを利用して、発散する光線を平行化(collimate)する。
【0005】
ファブリペローフィルタには、固定波長FFP及び可変波長FFPが含まれる。光キャビティ内の光ファイバの端部同士の間の距離を変化させることで、又はキャビティ内の光ファイバを伸ばすことで、波長を調整する。FFPの温度変化制御(温度制御)によって、又はピエゾトランスデューサのような電気機械的作用子のように、整合性(alignment)を害さずにフェルール(ferrule)要素の相対的な位置を変化させることによって、その調整が行われ得る。そのようなフィルタの応答は、一般に、温度、圧力のような環境状態の変化又はフィルタの経年変化と供に変化し得る。電気機械作用子及びFFP光学素子の非線形性に加えて、変化する電圧及び温度の揺らぎ(ドリフト)には、例えば光チャネルアナライザとして使用される場合には、調整可能なフィルタの定常的な校正を要する。
【0006】
フィルタ用のコントローラは、選択されたレーザ波長における信号損失を低減させ、異なる波長を有するレーザ光を減衰させるように調整する。一例として、ミラー(Miller)等による米国特許番号第5,838,437号に開示されているコントローラがある。従来のコントローラは、遠隔操作されるコントローラのバッテリに多くの電力を必要とするアナログRF技術を利用している。典型的なコントローラは、例えば、制約の多い機能要素(feature set)を有し、約6ワットを使用する。バッテリ寿命は短く、フィルタを動作させるには手動制御が必要とされる。従って、改善された機能要素を支援し、バッテリ寿命を延ばすために更に低電力で動作させるディジタルコントローラが必要とされている。
【0007】
[特許文献1]
米国特許番号第5,838,437号明細書
[発明の開示]
このような背景に鑑みて、本発明は、比較的低電力で動作し、バッテリ寿命を伸ばす、光システム用のディジタルコントローラを提供することを目的とする。
【0008】
上記の及び他の目的、並びに本発明による特徴及び利点は、光ファイバシステムにより与えられ、本システムは、ある波長ピークを有する少なくとも1つの光信号を伝送する光ファイバと、前記光ファイバに接続され、現在の光レベル(例えば、光子電力レベル)を検出する光検出器と、前記光検出器からの光ファイバアップストリームに接続されたチューナブル光フィルタを包含する。更に、本システムは、好ましくは、前記光検出器及び前記チューナブル光フィルタに接続され、各々の光レベルを分析しながら、一連の波長にわたるチューナブル光フィルタのステップを進行させるコントローラを含む。コントローラは、好ましくは、光信号の波長ピークを見出すために、以前の光レベルより小さい現在の光レベルに基づいて、チューナブル光フィルタのステップ方向を反転させる。
【0009】
前記コントローラは、現在の光レベルを以前の光レベルと比較するサンプル比較回路を有し得る。サンプル比較回路は、好ましくは、少なくとも1つの光信号の波長ピークが見出された場合にサンプルレートを低減させ、それによりコントローラの電力消費を低減させる。前記サンプル比較回路は、現在の光レベルを閾値と比較する第1比較器、及び現在の光レベルを以前の光レベルと比較する第2比較器より成る。コントローラは、前記現在の光レベルが前記閾値より小さい場合には、前記チューナブル光フィルタのステップ方向を反転させない。
【0010】
前記光検出器は、現在の光レベルを表現するアナログ光レベル信号を生成し、前記サンプル比較回路は、前記アナログ光レベル信号を、前記第1及び第2比較器で使用するためのディジタル光レベル信号に変換するアナログディジタル(A/D)変換器を包含し得る。また、前記コントローラは、更に、前記サンプル比較回路からの出力に基づいて、ロケーション情報信号を生成するバスコントローラ、及び前記ロケーション情報信号を、チューナブル光フィルタ用の制御電圧に変換するディジタルアナログ(D/A)変換回路を包含し得る。前記D/A変換回路は、前記一連の波長に関する範囲及び偏移を選択するレンジ及びオフセット選択回路を包含し得る。
【0011】
本発明の目的、特徴及び利点は、光ファイバチューナブルフィルタを制御する方法によっても与えられ、本方法は、光ファイバ内で、波長ピークを有する光信号の現在の光レベルを検出し;各自の光レベルを分析しながら一連の波長にわたるチューナブル光フィルタのステップを進行させ;及び現在の光レベルが以前の光レベルより小さい場合には、チューナブル光フィルタのステップ方向を反転させる。これは、光信号の波長ピークを見出すことを可能にする。本方法は、現在の光レベルを以前の光レベルと比較し、及び現在の光レベルを閾値と比較する。また、前記現在の光レベルが前記閾値より小さい場合には、前記チューナブル光フィルタのステップ方向は反転されない。
【0012】
現在の光レベルは、アナログ光レベル信号により表現され、本方法は、前記アナログ光レベル信号を、比較用のディジタル光レベル信号に変換し得る。また、本方法は、現在の光レベルと以前の光レベルの比較に基づいて、ディジタルロケーション情報信号を生成し;及び前記ディジタルロケーション情報信号を、チューナブル光フィルタ用の制御電圧に変換する。更に、光信号の波長ピークが見出された場合に、サンプルレートが低減され、電力消費を抑制することが好ましい。
【0013】
本システム、本コントローラ及び本方法は、好ましくは、アナログ入力信号を処理用のディジタル信号に変換すること、及びチューナブルフィルタに対するアナログ制御電圧を生成することを包含する。減速したサンプルレートを使用するディジタル信号処理は、従来のアナログシステムに対して、約150/1程度に電力消費量を低減させ得る。
【0014】
[発明を実施するための最良の形態]
以下、本発明の好適実施例が示される添付図面を参照しながら、本発明が詳細に説明される。しかしながら、本発明は、様々な態様で実現されることが可能であり、ここに説明する態様に限定して解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、本願による開示が充実するように、及び本発明の概念を当業者に適切に伝えるように与えられるものである。
【0015】
図1を参照しながら、光ファイバシステム10を説明する。本システム10は、光学繊維束中の1つのファイバのような、ある波長ピーク(wavelength peak)を有する少なくとも1つの光信号を搬送する光ファイバ16を含む。光検出器18は、現在の光レベル(例えば、光子電力レベル)を検出するために光ファイバ16に接続され、チューナブル光フィルタ12は光検出器からの光ファイバアップストリーム(upstream)に接続される。
【0016】
調整可能な光フィルタ12は、光フィルタの分野で広範に使用されているファイバファブリペロー(FFP)干渉フィルタであり得る。FFP干渉計の基本構成及び動作は、当該技術分野で周知であり、典型的には2枚の高い反射率の、低損失の部分的に透過させる鏡の間に形成された光キャビティを有する。典型的には、FFP干渉計を通じて処理するために発散性の光線を平行化するために、レンズが使用される。キャビティ内の光ファイバの端部同士の間の距離を変更することで、又はキャビティ内の光ファイバを伸張させることで、波長を調整する。調整は、例えば、ピエゾトランスデューサのような電気機械作用子のように、フェルール要素の相対的な位置を変更することで行われ得る。
【0017】
そのようなフィルタの応答は、温度、圧力のような環境条件の変化又はフィルタの経年変化と供に変化し得る。電気機械作用子及びFFP光学素子の非線形性に加えて、可変電圧及び熱的な揺らぎ(ドリフト)には、チューナブルフィルタ12の定常的な調整又は校正(calibration)を要する。
【0018】
システム10は、更に、光検出器18に例示的に接続されるコントローラ14を含む。コントローラ14は、選択されたレーザ波長における信号損失を最小化し、異なる波長を有するレーザ光を減衰させるように、フィルタ12を調整する。コントローラ14は、チューナブル光フィルタ12に接続され、連続的な波長にわたって各自の光レベルを分析しながら、チューナブル光フィルタにおける測定を段階的に進める。コントローラ14及びフィルタ12は、例えば、約0−30ボルト及び約4000乃至17000量子化レベルの範疇で動作し得る。コントローラ14は、現在の光レベルを以前の光レベルと比較することによって、光信号に関する所望の波長ピークを見出すことが可能である。現在の光レベルが以前の光レベルよりも小さいならば、コントローラは、ピークが見出されるまで、チューナブル光フィルタ12の進行方向(ステップ方向)を反転させる。
【0019】
例えば、図2を参照するに、コントローラ14は、光ファイバ16を通じて伝送される所望の光信号の波長ピーク40を見出そうとする。チューナブル光フィルタ12は、コントローラ14からの制御電圧(例えば、0−30ボルト)により制御され、光検出器18はピーク40の側に位置する点Aにおける電力レベルを検出したとする。チューナブル光フィルタ12がコントローラ14によって増加方向に進められた後に、その後の点Bにおける電力レベルが検出される。点Bにおける電力レベルは点Aにおける電力レベルより高く;それ故に、コントローラ14は、ピーク40の側を上りながら移動していることを判別し、進行方向を変化させないことを決定する。
【0020】
再び、フィルタ12に対する制御電圧が増加されると、点Cにおける電力レベルが検出される。ここで、点Cにおける電力レベルは以前の点Bにおける電力レベルより低いので、コントローラ14は、現在フィルタはピーク40の側を下降しながら移動していることを判別する。従って、フィルタ12の進行方向は反転され、再び点Bにおける電力レベルが検出され、それは点Cで検出された以前検出された電力レベルより大きいものである。このモードでは、コントローラは、別のモードが選択されるまで、ピーク40の付近で進退を行い続けるであろう。
【0021】
コントローラ14は、例えば図2の点Bのような現在の光レベルと、図2の点Aのような以前の光レベルとを比較するためのサンプル比較回路20を包含し得る。サンプル比較回路20は、少なくとも1つの光信号の光波長ピークが見出された場合にサンプルレートを下げ、これによりコントローラ14の電力消費を減らすことが好ましい。図4を参照するに、サンプル比較回路20は、目下の光レベルと、例えば閾値レジスタ64からの閾値とを比較する第1比較器62を含む。また、サンプル比較回路は、上述したような、目下の光レベルと、以前の光レベルとを比較する第2比較器66を含む。以下に詳細に説明されるように、目下の光レベルが閾値より小さかったならば、コントローラ14は、チューナブル光フィルタ12の進行方向を変化させない。
【0022】
光検出器18は、現在の光レベルを表現するアナログ光レベル信号を生成し、サンプル比較回路20は、アナログ光レベル信号を、第1比較器62及び第2比較器66で使用するためのディジタル光レベル信号に変換するアナログディジタル(A/D)変換器60を含むことが好ましい。
【0023】
また、コントローラ14は、サンプル比較回路20からの出力に基づいて位置又はロケーション(location)情報信号を生成するバスコントローラ26と、ロケーション情報信号をチューナブル光フィルタ12用の制御電圧に変換するディジタルアナログ(D/A)変換回路24と、タイミング及び制御回路22を含む。D/A変換回路24は、一連の波長の範囲及び偏移を選択するためのレンジ及びオフセット選択回路90、及びロケーション情報信号を、一連の波長に対して選択されたレンジ及びオフセットにおけるアナログ制御電圧に変換するD/A変換器92を含む。レンジ及びオフセット選択回路90は、テブナン(thevenin)電圧回路、掃引範囲を変更するためのレジスタバンクを包含し得る。
【0024】
また、コントローラ14は、例えば、当業者に理解され図1に示されるように、オンボード1MHz水晶発振器28、オンボード30V及び−10V電源30、アナログ3.3Vフィルタ32,26、及びディジタル3.3Vフィルタのような様々な電源供給回路及び発振器を包含し得る。
【0025】
チューナブル光フィルタ12を制御する方法は、光ファイバ16における光信号の現在の光レベルを検出すること、各自の光レベルを分析しながら一連の波長にわたってチューナブル光フィルタを進めること、及び現在の光レベルが以前の光レベルより小さくなった場合に、光信号の波長ピークを見出すために、チューナブル光フィルタの進行方向を反転させることを含む。本方法は、現在の光レベルと以前の光レベルを比較すること、及び現在の光レベルを閾値と比較することを包含し得る。上述したように、これらの比較はサンプル比較回路20の比較器62,66により実行され得る。現在の光レベルが閾値より小さくないならば、チューナブル光フィルタ12の進行方向は反転されない。
【0026】
本方法は、アナログ光レベル信号を比較用にディジタル光レベル信号に変換することを含む。また、本方法は、現在の光レベルと以前の光レベルとの比較に基づいてディジタルロケーション情報信号を生成すること、及びディジタルロケーション情報信号をチューナブル光フィルタ12用の制御電圧に変換することを包含する。更に、サンプルレートは、光信号の波長ピークが見出された場合に低減され、それにより電力消費を抑制することが好ましい。
【0027】
本システム10、本コントローラ14及び本方法は、アナログ入力信号を処理用のディジタル信号に変換すること、及びチューナブル光フィルタ12に対するアナログ制御電圧を生成することを包含する。減少したサンプルレートを有するディジタル信号処理は、以下に詳細に説明されるように、従来のアナログシステムに対して約150/1程度に電力消費を低減させ得る。例えば、本コントローラ14は、約6ワットの電力を要していた従来のコントローラと比較して、約40ミリワットの電力しか必要としない。
【0028】
ディジタルコントローラ14は、光ファイバ束中の1つのファイバ16により伝搬される電力を監視し、現在の電力及び場合によっては以前読み込んだ相対的な電力に基づいていくつかの機能を実行する。図3を参照するに、単独のファイバ16が、その電力を、逆バイアスされたダイオード52の接合部に与える。ダイオード52に与えられた電力レベルは、ダイオードの逆電流(reverse current)に比例する(0.8アンペア/ワット)。逆ダイオード電流は、演算増幅器(Op Amp)50の反転入力、即ち[−]入力の外側を流れ、そのオペアンプは、出力から[−]入力にフィードバック経路を有し、[−]入力への電流の総和がゼロになるようにする。
【0029】
このオペアンプ(Op Amp)の非反転の、即ち[+]の入力は、抵抗分割器R7/R8に接続され、これは、適切な動作が保証されるように、オペアンプで生じる可能性のある任意の負のオフセットよりも大きくあるべき小さな正のオフセットを与える。このオペアンプ50の出力は、フィードバックインピーダンスに印加された場合に、オペアンプの[−]入力への電流を生成する正の電圧を形成し、それはダイオード52における電流に正確に合致する。オペアンプ50の出力が形成する電圧は、光駆動ダイオード52を通じて流れる電流の大きさに比例する。このことは、電流から電圧への電力の変換手順を与える。
【0030】
オペアンプ50の出力は、A/D変換器60(図4)の入力に印加される。A/D変換器60は、アナログ電圧を、ディジタル論理が処理され得るような二進データに変換する。A/D変換器60により与えられる二進情報は、コンパレータ66により使用され、ラッチされ、その後に2進データを利用するいくつかの異なる動作を行う機能を有するタイミング及び制御回路32に伝送される。バスコントローラ22は、以下の機能を実行する能力を有する:
アイドル(IDLE)−システムのほとんどのクロックを中断するが、チューナブル光フィルタ12に対する定常的なフィルタ制御電圧は維持される。
【0031】
ロケーション及び電力(LOCATION & POWER)−チューナブル光フィルタ12に与えられるフィルタ制御電圧及びそのロケーションにおける電力のディジタル表現を報告する。
【0032】
ゴートゥ(GOTO)−フィルタ制御電圧を指定された尺度変更済みの(scaled)二進値に変更する。
【0033】
ピークホールド(PEAK HOLD)−チューナブル光フィルタ12の調整内容をピークに維持する。通常的には、GOTOと供に使用され、ロケーションが指定され、フィルタコントローラ14はより高い電力レベルを探索し、最終的にピークに到達し、そのピークがドリフトしたとしてもそのピークに合わせて保持する。
【0034】
光スペクトルアナライザ(OSA:OPTICAL SPECTRUM ANALYSIS)−外部コンピュータにより使用するためのCOM_BUSに電力を与えながら、最小値から最大値までフィルタ制御電圧を掃引する。また、ピークが検出された場合に、指標が与えられる(ロケーション及び電力)。
【0035】
デフォルト(DEFAULT)−このモードは、ユーザ指定項目をそれらのデフォルト値に設定する。このモードは、アイドルモードへの自動的な移行に続く過渡的な(transient)モードである。
【0036】
パワーオフ(POWER OFF)−このモードは、フィルタ制御電圧を0Vまで緩やかに進める。このモードは、FFP光フィルタにおけるヒステリシスの影響(prevelent)を低減させるために使用される。パワーオフモードアドレスは、二進値で0010である。
【0037】
セットRA(SET RA)−このモードは、レジスタバンクRAを特定の値に設定する。セットRAモードアドレスは、二進値で0100である。
【0038】
セットRB(SET RB)−このモードは、レジスタバンクRBを特定の値に設定する。セットRBモードアドレスは、二進値で0101である。
【0039】
セットN(SET N)−このモードは、1MHz水晶発振器により駆動されるNカウンタによる分割値を設定するために使用される。これは、システム周波数が、要求される応答時間に合致する最低電力に修正されることを可能にする。セットNモードアドレスは、二進値で1010である。
【0040】
閾値設定(SET THRESHOLD)−このモードは、それ以下のピークが無視される、A/D変換器60の最小値を格納するために使用される。閾値設定モードアドレスは、二進値で1011である。
【0041】
XFER RA & RB−このモードは、出力レンジ制御が、その電流設定から、付随する乱れ(disturbance)が最小である新規な設定に切り替えるようにして、RA及びRBコードを円滑に移行させるために使用される。XFER RA & RBモードアドレスは、二進値で1100である。
【0042】
表1:モードテーブル
【0043】
【表1】
システム10では、任意の時点で1つのモードでのみ動作することが意図されている。モード状態又はステータス(status)の確認は、ステータス(3:0)を監視することで行われる。COM_BUSのビット(3:0)は、モード識別子(identification)を搬送する。必要とされるならば、ビット(17:4)が大きさ(magnitude)を伝送する。パワーオンリセット(ROR)の後に、コントローラ14はアイドルモードになる。
【0044】
フィルタコントローラは、COM_BUS(17:0)におけるビット(3:0)を通じてモード命令を受け入れる。ホストコンピュータとインターフェースを円滑にとるには、ハンドシェイク手順(hand shake routine)が行われるべきである。
【0045】
コマンド命令を始めるために(指定されたモードへの変更)、REQ_BUS(バス要求)入力が印加される。現在の動作が完了すると、REL_BUS(バス解放)は、1状態への遷移を与える。これは、ホストコンピュータに、COM_BUSが、フィルタコントローラ14への入力に目下利用可能であることを通知する。この時点において、ホストコンピュータは適切なレベルをCOM_BUSに与え、その後にフィルタコントローラ14のストロボ(STROBE)入力を与える。フィルタコントローラ14は、その命令が許容されるか否かを判別し、許容されるならば、ACK2(承認2)にて1状態を与え、これは、シーケンスが完了したこと又はそれが許容されて処理中であることをホストコンピュータに通知する。ACK2確認に加えて、内部モードがエンコードされ、選択的な確認用のステータス(3:0)バスに、要求されたモードが実際に設定されたことが提示される。プロトコルは、ホストコンピュータがフィルタコントローラ14にREQ_BUS及びストロボ入力をアサートしない(deassert)ことを要する。
【0046】
バスコントローラ26のFIFOから出力データを受信する際に、同様なハンドシェイク手順が存在する。そのような手順は、光スペクトル分析(OSA)モードであり得る。フィルタコントローラ14は、0から16383までのステップを進み、4番目の電力読取値毎にFIFOで書き込む。完全なOSA掃引では、4095の書き込みが存在する。FIFOは、それがデータを有すること、及びそれが1状態に対してRTS(リクエストトゥセンド)出力を起動することを検出する。ホストコンピュータは、都合の良いときに、CTS(クリアトゥセンド)入力をアサートすることでその要求を承認する。その後にフィルタはデータ_準備(DATA_READY)出力を1状態にする。ホストコンピュータは、COM_BUS上のデータが有効であることの通知として、それを解釈する。ホストコンピュータは、COM_BUS上のデータを受け入れ、1状態に対してフィルタコントローラ14のACK(承認)入力を起こし、ホストコンピュータがCOM_BUS上のデータを受け入れたこと、及びそれが有効なデータとしてもはや維持される必要がないことを信号送信する。RTSに関する可能な例外と供に(データがFIFOに依然としてあるならば、RTSはハイ(high)に維持される)、総てのハンドシェイク手順は、それらの休止状態に戻る。OSA掃引の間に、検出されたピークの32までのロケーションは、内部レジスタに格納される。データがFIFOから読み取られるにつれて、レジスタが空になるまで、ピークロケーションがFIFOに書き込まれる。OSAの間に32以上のピークが検出されたならば、ピーク33及びそれ以上に関するピークロケーションは無視される。
【0047】
再び図3を参照するに、フォトン検出器/変換器18は、単独の光ファイバ16の出力を受信する。このブロック18は、単位時間当たりの光子エネルギを、光子電力に比例する電圧に変換する。電流に対する光子電力の変換における比例定数は、ワット当たり0.8アンペアである。電流から電圧への変換定数は、アンペア当たり1,220,000ボルトである(ここで、2.5アンペアの再々電流を想定しており、これは2.4ボルトのブロックからの出力を生成する。)。
【0048】
小さな正のオフセットが、オペアンプ50の+入力に印加される。これは、負のオフセットがオペアンプ50を不正確にすること(fooling)を抑制し、その出力をグランド以下で駆動するようにする。最適な信号振幅はグランドから正(3.3V)の供給電圧になる。この範疇の約10mVは、ゲイン入力オフセット保護のために喪失される。
【0049】
光子検出器/変換器の出力電圧V_inは、サンプル比較回路内の12ビットA/D変換器60の入力に印加される。A/D変換器60は、0乃至2.4Vの入力範囲を有する(2.4Vは内部基準値である。)。12ビット量子化レベルは、近似的に5.9mVである(或いは、0.00061マイクロアンペアの光子誘導電流である)。
【0050】
【数1】
A/D変換器60は、変換開始信号(Soc:Start of conversion)、クロック入力、未知(V_in)入力、12ビット出力バス[A(0:11)]及び変換終了出力(Eoc:End of conversion)を有する。好ましくは、Eoc情報は使用されない。V_inのA(0:11)ディジタル表現は、サンプルレジスタ68、及び2つの大きさ比較器62,66に与えられる。サンプルレジスタ68には、A/D変換シーケンスを開始させるのと同じ信号がクロック入力されている。最新のA(0:11)情報は、A/D変換器60がそれらを変更することが可能になる前に、捕捉される。A(0:11)バスを完全に更新するためには、近似的に17個の主要なクロックパルスが、A/D変換に必要とされる。1つの大きさ比較器66は、A(0:11)をそれらの以前の値B(0:11)と比較する。第2の大きさ比較器62は、A(0:11)を閾値(デフォルト値は、511)と比較する。A(0:11)の大きさが、設定している閾値より小さかったならば、ブロック出力上下トグル(UDT:Up Down Toggle)に関する何らの変更も許容されない。この閾値制限は、ノイズフロア(noise floor)における真のピークでないものが、利用されるエネルギの実際のピークとして報告されることを回避させる。閾値が511(ディジタル的には、二進値で111111111である)に設定されるならば、その範疇の約12.5%がピーク判定に利用できない。その範疇の12.5%より低いものの情報は、ディスプレイに提示されはするが判定には使用されない。
【0051】
サンプルレジスタ68の出力は、第1の大きさ比較器66に与えられる。第1の大きさ比較器66から得られる結果は、電力が増加しているのか減少しているのかを明らかにする。電力が増加しているならば、光フィルタ12は、ピークの側を上昇しながら移動している。ピークホールドモードでは、これは、ピークの側を上り、測定値が初めて減少した場合に方向を反転させ、別のモードに指定されるまで、そのピーク近辺で進退を反復するために使用され、光電力ソースは遮断され、又はフィルタコントローラ14への電力供給が中断される。
【0052】
論理1の場合に、UDT信号は、総ての条件に合致するならば、光フィルタ制御電圧に対する信号の方向変化を可能にするために使用される。これは、レジスタ、カウンタ、及びレジスタクロック生成ブロックに関連して以下に詳細に説明される。A>B信号は現在の電力が以前の電力より大きいことを示す。逆に、A<B信号は現在の電力が以前の電力よりも小さいことを示す。
【0053】
ロケーション及び電力モードの間に、フィルタコントローラ14は、内部信号(U/D CLK)を利用して、ロケーション又は電力がFIFOに書き込まれたか否かを確認する。ロケーション及び電力モードにてU/D_CLKが論理1状態にある場合には、そのロケーションがFIFOに書き込まれる。ロケーション及び電力モードにて、U/D_CLKが論理0状態にあるならば、その電力がFIFOに書き込まれる。ロケーションデータ及び電力データがFIFOに書き込まれた後に、そのモードはアイドルモードにジャンプし、バッテリ寿命を延ばす。別のモードに変更するためにホストコンピュータからの様々な命令が、FIFOをリセットさせ得ることに、留意を要する。FIFOに格納済みの総ての情報は、たとえモード変更要求が現在のモードへのものであったとしても、モード変更要求を受信する際に失われる。
【0054】
バスコントローラ26では、命令がオペレータから受け取られ、特定の信号が動作を開始する他のブロックに送信され、これにより命令内容が実現されることになる。クロックレートはタイミング及び制御回路22にて決定される。様々なモード及び動作に関するクロックレートは、以下のテーブルDに規定されている。
【0055】
テーブルD:クロックレート
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
留意点:1.N個の以前の値を使用する。
【0058】
ピークホールド用のクロックレートは、電力消費量を低く削減する。アイドルモードにある場合に、バスコントローラ及びタイミング・制御回路以外のブロックへのクロック配信は、この場合における最大電力を維持することに起因して禁止される。
【0059】
図5を参照するに、タイミング及び制御回路は、3つの重複しないクロック一式を形成するために、ジョンソンカウンタ70を利用する。デコードされた出力(クロック位相)は、逆のクロックレベルでイネーブルにされ、重複しない性質を保証する。電力は印加されるが何らのPORも開始されない場合に備えて、論理トラップ(logic trap)が包含される。論理トラップは、ジョンソンカウンタ70におけるデータの流れが適切な流れになるように速やかに組織する。また、タイミング及び制御回路22は、コントローラ14内で使用するクロックを形成する。クロック信号U/D_CLKは、Comp_ENの立ち下がりエッジで立ち上がり、SOCの立ち上がりエッジで立ち下がる。
【0060】
バスコントローラ26は、チューナブル光フィルタ12の制御入力に与えられる制御電圧に変換するために、ロケーション情報をD/A変換器92に与える(図7)。また、このブロック26は、遠方のコンピュータによって抽出されるように、COM_BUSに与えられるロケーション情報を提供する。
【0061】
ゴートゥモードでは、データがCOM_BUSに与えられ、REQ_BUSが起こされ、REL_BUSの受領及びストロボのアサートがなされると、そのデータはU/Dカウンタにロードされる。U/Dカウンタにロードされると、そのデータはD/A変換器92に利用可能になり、要求されたロケーションを表現する制御電圧を生成するのに使用される。
【0062】
ピークホールドモードは、通常的にはゴートゥサイクルに先行し、チューナブル光フィルタ12をピーク近傍に位置付ける。ピークホールドモードになると、コントローラ14は、検出された電力が増加するように、U/Dカウンタに保持されるロケーションを変化させ始める。現在のサンプルが、以前のサンプルよりも低い電力を有するならば、U/DカウンタのU/D入力を通じて方向変化の指示が発せられる。ロケーションがピークを越えると、次のサンプルは最新のサンプルよりも低い電力を示すであろう。これは、更なる方向変化が発せられることを引き起こす。ピークがドリフトしたとしても、そのピークの近傍でロケーションは連続的に進退を繰り返す。
【0063】
ピーク検出信号は、ピークが生じたことを示す。これは、U/Dカウンタにおけるロケーション番号を増加させながら、電力が上昇する期間の後に、電力が下降する事象が検出されたことを通知することによって、ピークの存在を検出する。これは、U/D入力における論理0から論理1への変化を探すことによって達成される。U/Dカウンタが減少する間のピークに関するピーク指標は、無視される。
【0064】
以上の説明文及び付随する図面に教示される利点を有する、本発明に関する多くの変形例及び他の実施例が、当業者に理解されるであろう。従って、本発明は説明された具体的な実施例に限定されないこと、及び修正例及び変形例は特許請求の範囲に包含されるよう意図されることは、理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるチューナブルフィルタ及びコントローラを含む光ファイバシステムの概略図を示す。
【図2】 図1のチューナブルフィルタのステップシーケンスを示す光信号の波長ピークの概略図を示す。
【図3】 図1のフォトン検出/変換器の詳細な実施例を示す図である。
【図4】 図1のサンプル比較回路の詳細な実施例を示す図である。
【図5A】 図1のタイミング及び制御回路の詳細な実施例を示す図である。
【図5B】 図1のタイミング及び制御回路の詳細な実施例を示す図である。
【図6A】 図1のバスコントローラの詳細な実施例を示す図である。
【図6B】 図1のバスコントローラの詳細な実施例を示す図である。
【図7A】 図1のD/A変換回路の詳細な実施例を示す図である。
【図7B】 図1のD/A変換回路の詳細な実施例を示す図である。
Claims (7)
- 波長ピークを有する光信号を搬送する光ファイバに接続されたチューナブル光フィルタ用のコントローラであって、
前記チューナブル光フィルタからダウンストリーム側で前記光ファイバに接続され、前記波長ピークを有する前記光信号の複数の光レベルを検出する光検出器と、
現在及び以前の光レベルのディジタルサンプルを比較するサンプル比較回路を有する制御回路と
を有し、前記サンプル比較回路は前記光検出器に接続され、
前記制御回路は、光信号の前記波長ピークを見出すために、前記光検出器からの各々の光レベルを分析しながら第1ステップ方向で一連の波長にわたって前記チューナブル光フィルタのステップを進行させ、現在の光レベルが以前の光レベルより小さくなるまで前記第1ステップ方向で前記一連の波長にわたって前記チューナブル光フィルタのステップの進行を続けさせ、現在の光レベルが以前の光レベルより小さくなったことに基づいて、チューナブル光フィルタのステップ方向を、前記第1ステップ方向とは逆向きの第2ステップ方向に反転させ、
前記制御回路は、より低い光レベルが検出された場合にステップ方向を反転する処理を反復させ、波長ピーク近辺で進退を繰り返すことで前記光チューナブルフィルタのチューニングを行い、
前記光信号の波長ピークが検出された場合、当該コントローラの動作モードがアイドルモードとは異なるピークホールドモードに移り、前記サンプル比較回路におけるサンプルレートは低減される、コントローラ。 - 前記サンプル比較回路が、現在の光レベルを閾値と比較する比較器をさらに有し、前記現在の光レベルが前記閾値より小さい場合には、前記制御回路は、前記チューナブル光ファイバフィルタのステップ方向を反転させない、請求項1記載のコントローラ。
- 前記光検出器が、現在の光レベルを表現するアナログ光レベル信号を生成する、請求項1記載のコントローラ。
- 前記サンプル比較回路が、前記アナログ光レベル信号をディジタル光レベル信号に変換するアナログディジタル(A/D)変換器をさらに有する、請求項3記載のコントローラ。
- 前記制御回路が、
前記サンプル比較回路からの出力に基づいて、ロケーション情報信号を生成するバスコントローラと、
前記ロケーション情報信号を、チューナブル光ファイバフィルタ用の制御電圧に変換するディジタルアナログ(D/A)変換回路と
をさらに有する請求項4記載のコントローラ。 - 前記D/A変換回路が、前記一連の波長に関する範囲及びオフセットを選択するレンジ及びオフセット選択回路を有する、請求項5記載のコントローラ。
- 波長ピークを有する光信号を搬送する光ファイバに接続されたチューナブル光フィルタを制御するコントローラにおける方法であって、
前記光ファイバ中の前記光信号の複数の光レベルを検出するステップと、
現在及び以前の光レベルのディジタルサンプルをサンプル比較回路により比較することで、各光レベルを分析しながら第1ステップ方向で一連の波長にわたって前記チューナブル光フィルタのステップを進行させ、現在の光レベルが以前の光レベルより小さくなるまで前記第1ステップ方向で前記一連の波長にわたって前記チューナブル光フィルタのステップを進行させるステップと、
光信号の波長ピークを見出すために、現在の光レベルが以前の光レベルより小さい場合に、前記チューナブル光フィルタのステップ方向を、前記第1ステップ方向とは逆向きの第2ステップ方向に反転させるステップと、
を有し、より低い光レベルが検出された場合にステップ方向を反転する処理を反復させ、波長ピーク近辺で進退を繰り返すことで前記光チューナブルフィルタのチューニングが行われ、
前記光信号の波長ピークが検出された場合、前記コントローラの動作モードがアイドルモードとは異なるピークホールドモードに移り、前記サンプル比較回路におけるサンプルレートは低減される、方法。
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