JP4599770B2

JP4599770B2 - Welded structural steel with excellent low temperature toughness

Info

Publication number: JP4599770B2
Application number: JP2001209698A
Authority: JP
Inventors: 聡伊木; 博幸 ▲角▼; 善明村上; 敏文小嶋; 伸一鈴木; 龍至平井; 穣松田
Original assignee: JFE Steel Corp
Current assignee: JFE Steel Corp
Priority date: 2001-07-10
Filing date: 2001-07-10
Publication date: 2010-12-15
Anticipated expiration: 2021-07-10
Also published as: JP2003027179A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、海洋構造物、圧力容器、船舶、橋梁、建築及びライパイプ等の大型溶接構造物に用いられる高張力鋼に関し、特に低温での大入熱溶接ＨＡＺ靭性に優れたものに関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、海洋構造物、圧力容器、船舶などの鋼構造物は大型化し、使用鋼材は厚肉化の傾向にある。厚肉材の場合、仮付け溶接等の小入熱溶接時の低温割れや、作業能率を向上させるためのエレクトロガス溶接（ＥＧＷ），サブマージアーク溶接（ＳＡＷ）等の大入熱溶接による低温靭性の低下が問題とされる場合がある。
【０００３】
そのため、厚肉材の製造においては、小入熱溶接時の低温割れ防止のため、低Ｃｅｑ化、低Ｐｃｍ化するとともに、大入熱溶接ＨＡＺ部の靭性劣化を防止する成分設計が通常行われている。
【０００４】
しかし、最近では構造物によって、−４０℃での低温靭性が要求される場合も見受けられるなど、従来より遥かに成分設計の困難度はましている。
【０００５】
大入熱溶接ＨＡＺ靭性改善方法として、種々の提案がされており、例えば、特公昭５５−２６１６４号公報は、微細なＴｉＮを析出させγ結晶粒の粗大化を抑制することを、特許第２９５００７６号公報は、多量の微細なＡｌ2Ｏ3析出物によりオーステナイトの粗大化を抑制する方法を提案している。
【０００６】
そして、特開昭６１−７９７４５号公報は、Ｔｉ酸化物粒子を核生成サイトとして粒内フェライトを生成させて組織を微細化し、ＨＡＺ靭性を改善する方法を、特開平５−２８７３７４号公報は、Ｃａ酸化物やＣａオキシサルファイドを核として粒内アシキュラーフェライトを生成させ、組織を微細化する方法を提案している。
【０００７】
また、特開平９−２０９５５号公報では、Ｎ量をＴｉ及びＢ量に応じて調整し、ＴｉＮ，ＢＮによりボンド部の靭性を改善する方法が提案されている。
【０００８】
しかしながら、特公昭５５−２６１６４号公報記載の方法では、１４００℃前後となるボンド部で、ＴｉＮの大部分が溶解するため、組織が粗大化し、ボンド部靭性は改善されない。
【０００９】
また、特許第２９５００７６号公報記載の方法でも、高温で長期に保持された場合は、Ａｌ2Ｏ3によってもオーステナイト粒径の粗大化を抑制することは困難である。
【００１０】
特開昭６１−７９７４５号公報記載の方法では、Ｔｉ酸化物を鋼中に微細に分散するために強脱酸元素のＡｌは０．００７％以下と極端に少ない特殊な成分であり、溶解での鋼種編成が複雑となる。
【００１１】
同様に、特開平５−２８７３７４号公報記載の方法は、Ｃａ酸化物を安定に確保するため、Ｏを０．００４０％以下に、強脱酸元素であるＡｌを０．００７％以下に制限するもので、脱酸方法、成分元素の添加などで精密な制御が必要で、更に溶接材料によっては溶接金属部の靭性が低下する問題も懸念される。
【００１２】
特開平９−２０９５５号公報記載の方法では、Ｎ量をＴｉあるいはＢ窒化物として固定される量以上添加するため、加熱温度が１０００〜１２００℃となるＨＡＺが固溶Ｎにより脆化する。
【００１３】
特許第２９３１０６５号公報は、溶接熱影響部におけるＴｉＮが、入熱量５００ｋＪ／ｃｍ〜１０００ｋＪ／ｃｍという超大入熱で高温に長時間曝される状態においても溶解しない寸法、および微細化に必要な個数が得られるよう製造条件を規定し、更に、ＢＮとの相乗効果により溶接ボンド部を含むＨＡＺ全域での低温靭性を改善することを提案している。
【００１４】
しかし、粗大なＴｉＮが、母材や入熱が低下した場合のＨＡＺに残存し、鋼材の清浄性を低下させることが懸念され、また、最近、特に大型化の著しいコンテナ船用として多量の鋼板を製造する場合、鋳片の冷却速度を５℃／分以下とすることは生産性の観点から好ましくない。
【００１５】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、現在、生産性を損なうことなく、大入熱溶接のＨＡＺ全域で優れた低温靭性が得られる鋼板製造技術は十分確立されているとは言い難く、特に、構造物の局所脆化をもたらし安全性低下をさせるため好ましくないとされるシャルピー衝撃値変動幅を十分小さくする技術は提供されていない。
【００１６】
本発明は、生産性に優れ、大入熱溶接（４００ｋＪ／ｃｍ以上）のＨＡＺ全域（Ｂｏｎｄ，Ｂｏｎｄ＋１ｍｍ、３ｍｍ、５ｍｍ）での靭性が、−４０℃でのシャルピー衝撃値（ｖＥ−４０）として個々の試験片で、１００Ｊ以上となる溶接構造用鋼を提供することにある。
【００１７】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、先行技術を基に、超大入熱溶接ＨＡＺ靭性に及ぼす成分組成の影響について検討を行った。
【００１８】
その結果、特許第２９３１０６５号は、上述したように超大入熱溶接特有の長い高温滞留時間でも溶解消滅しない粗大ＴｉＮを生成させること、およびＨＡＺにおいて固定されない過剰なＮによりＨＡＺ靭性が劣化するのを防止するためＮ量をＴｉ，Ｂ量との関係において規定することを特徴とするものであるが、その規定されているＴｉ量の範囲内において、鋼板の表面性状や清浄性を考慮してＴｉ添加量を低く抑えた場合、靭性を改善するＢの効果は必ずしも安定して得られず、特に−４０℃のように従来経験されなかった低温の場合では、むしろその焼入れ性向上効果によるものと推測される靭性値の変動が切欠位置によっては観察され、優れた技術ではあるものの、いっそうの靭性改善が必要であることが判明した。
【００１９】
そこで、本発明者等は、鋳造凝固過程の冷却速度を遅くするなどして生産性を阻害することなく粒内フェライト生成による靭性改善効果をより一層向上させる方法について鋭意検討を行い、新たな知見として、常法の鋳造凝固過程で得られるＡｌ₂Ｏ₃析出物が鋼中に一定寸法で適当量確保された場合、ＴｉＮや、ＢＮの析出核として粗大ＴｉＮとほぼ同じ効果が得られること、およびＡｌ、Ｂ，Ｎ添加量を適正化し、特に、溶接部においてＢと窒化物を形成しない固溶Ｎを十分なＡｌ量によりＡｌＮとして析出させ、固溶Ｎを低減することにより、−４０℃においてもＨＡＺ全域（Ｂｏｎｄ、Ｂｏｎｄ＋１〜５ｍｍ）で変動幅が小さく安定して良好な靭性の得られることを見出した。
【００２０】
本発明は、上記知見を基にさらに検討を加えてなされたものであり、すなわち、本発明は、
１．質量％で、Ｃ：０．０４〜０．１２％、Ｓｉ：０．０１〜０．５％、Ｍｎ：０．５〜２％、Ｓ：０．００１〜０．０１％、ｓｏｌ．Ａｌ：０．０４〜０．０８％、Ｂ：０．０００５〜０．００３％、Ｏ：０．００１〜０．００５％、Ｎ：０．００４〜０．００７％で０．９×１．３Ｂ≦Ｎ≦１．２×１．３Ｂ（但し、Ｂは含有量（％）とする。）を満足するＮを含有し、且つ、円相当直径が０．５μｍ以上、３μｍ以下のＡｌ_２Ｏ_３析出物を１×１０^３個／ｍｍ^２以上含有する残部Ｆｅおよび不可避的不純物からなる低温靭性に優れた溶接構造用鋼。
【００２１】
２．Ｃｕ≦０．５％、Ｎｉ≦１．０％、Ｃｒ≦０．５％、Ｍｏ≦０．５％、Ｖ≦０．１％、Ｎｂ≦０．０３％の群から選択された一種または二種以上を含有する１記載の低温靭性に優れた溶接構造用鋼。
【００２２】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の成分限定理由について詳細に説明する。
【００２３】
Ｃ
Ｃは、強度を確保するために必要で、その効果を得るため、０．０４％以上添加する。一方、０．１２％を超えて添加すると高炭素島状マルテンサイトが生成し、ＨＡＺ靭性および溶接性が低下するため、０．０４〜０．１２％（０．０４％以上、０．１２％以下）とする。尚、０．０４％未満の場合、強度を確保するため、焼入れ性向上元素を多量に添加しなければならず、生産原価が上昇し、靭性、溶接性が劣化する。
【００２４】
Ｓｉ
Ｓｉは、強度の確保と、製鋼過程における脱酸剤として必要で、その効果を得るため、０．０１％以上添加する。一方、０．５％を超えて添加すると高炭素島状マルテンサイトが生成しやすくなり、ＨＡＺ靭性が劣化するため、０．０１〜０．５％とする。
【００２５】
Ｍｎ
Ｍｎは、強度を確保するため、０．５％以上添加する。一方、２％を超えると焼入れ性が増大し、溶接性、ＨＡＺ靭性を劣化させるため、０．５〜２％とする。
【００２６】
Ｓ
Ｓは、ＨＡＺ部でのフェライトの核生成サイトとなるＭｎＳを生成するため必要で、０．００１％以上とする。一方、０．０１％を超えると、母材および溶接部の靭性が低下するため、０．００１〜０．０１％とする。
【００２７】
Ｂ
Ｂは、フェライトの核生成サイトとなるＢＮを生成させるため、０．０００５％以上添加する。一方、０．００３％を超えて添加するとＨＡＺ靭性が低下するため、０．０００５〜０．００３％とする。
【００２８】
ｓｏｌ．Ａｌ
ｓｏｌ．Ａｌは、脱酸およびＨＡＺ靭性に有害な固溶Ｎを低減させ、Ａｌ₂Ｏ₃を生成させるため０．０４％以上とする。一方、０．０８％を超えると、粗大なＡｌ系介在物が生じるようになり、靭性が低下するため、０．０４〜０．０８％とする。
【００２９】
図２は、ＨＡＺ全域でのシャルピー衝撃値（ｖＥ−４０）におよぼすｓｏｌ．Ａｌの影響を示すもので、ｓｏｌ．Ａｌ以外の成分を本発明範囲内として、ｓｏｌ．Ａｌ量のみ、本発明範囲内および本発明範囲外のそれぞれにおいて２種類変化させた鋼を用いた。その結果、本発明鋼ではＨＡＺ全域で安定して優れたシャルピー衝撃試験結果が得られている。尚、試験結果は平均値を示す。
【００３０】
図３は、図２の試験結果において、切欠位置をＨＡＺ＋１ｍｍとしたシャルピー衝撃試験における個々の衝撃値（ｖＥ−４０）と平均値を示すもので、ｓｏｌ．Ａｌ量が本発明範囲外で低い供試鋼の場合、平均値とかけはなれた極めて低い衝撃値が発生する不安定な挙動を示し、局所脆化による安全性が懸念される結果となっている。
【００３１】
ｓｏｌ．Ａｌ量が低い供試鋼の場合、最高加熱温度がボンド部より低いＨＡＺ＋１ｍｍでは、ＡｌＮを形成せず、Ｂとの窒化物とならない固溶Ｎにより、フェライト地組織の靭性劣化が生じたものと思われる。
【００３２】
Ｎ
Ｎは、ＨＡＺにおいてオーステナイト結晶粒の粗大化を抑制し、また、フェライトの核生成サイトとなるＢＮを生成させるため０．００４％以上とする。一方、０．００７％を超えると固溶Ｎ量がＡｌ窒化物の形成によっても過剰となり、靭性が低下するため、０．００４〜０．００７％とする。
【００３３】
本発明では、更にＮ量を０．００４〜０．００７％の範囲内において、０．９×１．３Ｂ≦Ｎ≦１．２×１．３Ｂ（Ｂは含有量（％））に規定し、含有するＮの大部分をＢＮとすることが必要である。
【００３４】
Ｏ
鋼中Ｏ量は、ＢＮの析出サイトとなるＡｌ₂Ｏ₃析出物を十分確保し、また、過剰な添加による粗大介在物の生成を防止するため、０．００１〜０．００５％とする。
【００３５】
Ａｌ₂Ｏ₃析出物
Ａｌ₂Ｏ₃析出物は、フェライト析出核となるＢＮを析出させ、ＨＡＺ部を微細フェライト組織とし低温靭性を向上させるため、円相当直径で０．５μｍ以上、３μｍ以下で、その個数を１×１０³個以上に規定する。尚、本発明でＡｌ₂Ｏ₃析出物とは、Ａｌ₂Ｏ₃析出物およびＡｌ₂Ｏ₃を主体とし、他の酸化物（例えば、ＳｉＯ₂、ＣａＯ）も含む複合析出物とする。
【００３６】
図１に、相当円直径が０．５μｍ以上、３μｍ以下のＡｌ₂Ｏ₃析出物数に及ぼすｓｏｌ．Ａｌ量の影響を示す。供試鋼は、請求項１記載の成分組成を有する本発明鋼と、該発明鋼において、Ｎ量のみまたはｓｏｌ．Ａｌ量のみを本発明範囲外とする比較鋼とした。
【００３７】
その結果、ｓｏｌ．Ａｌ量が本発明範囲内となる鋼では、いずれも円相当直径で０．５μｍ以上、３μｍ以下となるＡｌ₂Ｏ₃析出物の個数は１×１０³個以上となるものの、これらのうち、Ｎ量が本発明範囲外となる比較鋼では、−４０℃でのシャルピー衝撃試験結果が不安定となっていた。
【００３８】
Ａｌが本発明の範囲外となる鋼では、円相当直径で０．５μｍ以上、３μｍ以下となるＡｌ₂Ｏ₃析出物の個数が少なくやはりシャルピー衝撃試験結果が不安定となっていた。
【００３９】
本発明は以上の構成により十分な特性が得られるが、更にその特性を向上させるため、Ｃｕ，Ｎｉ，Ｃｒ，Ｍｏ，Ｖ，Ｎｂの一種又は二種以上を添加することができる。これらの元素を添加する場合、Ｃｕ≦０．５％、Ｎｉ≦１．０％、Ｃｒ≦０．５％、Ｍｏ≦０．５％、Ｖ≦０．１％、Ｎｂ≦０．０３％とする。
【００４０】
尚、本発明において、「残部が実質的にＦｅ」とは、本発明の作用効果を損なわない範囲で、不可避不純物、他の微量元素を含有することを意味する。
【００４１】
次に製造条件について述べる。本発明では、鋼中に微細なＡｌ₂Ｏ₃析出物を安定して析出させることが重要あるが，鋳造凝固速度を５℃／分より遅くする必要はなく、溶鋼からの鋳造凝固過程は常法によるものでよい。鋳造凝固後は所要の条件で加熱をした後に、圧延等の加工を施して厚鋼板とする。
【００４２】
鋳片の加熱条件、圧延等の加工条件は、所望する強度に応じて適宜設定すればよく、加速冷却などの水冷操作と組合わせたり、圧延後熱処理を行うことは何等差し支えない。
【００４３】
【実施例】
表１、２に示す成分組成の鋼を溶製し、連続鋳造法でスラブとした後、１１００〜１２５０℃に加熱し、ＴＭＣＰ，ＤＱ−Ｔなどにより板厚５０〜７０ｍｍの鋼板を製造した。
【００４４】
これらの鋼板について、母材の機械的性質およびエレクトロガスアーク溶接（入熱４００〜５３０ｋＪ／ｃｍ）のＨＡＺ靭性を調査した。ＨＡＺ靭性はシャルピー衝撃試験により、切欠位置をボンド部、ボンド部からＨＡＺ側に１ｍｍ、３ｍｍ，５ｍｍとし、試験温度−４０℃でのシャルピー衝撃値（平均値、個々の値）によって評価した。表示は平均値のみとした。
【００４５】
【表１】

【００４６】
【表２】

【００４７】
表３、４に製造条件、これらの試験結果を示す。本発明鋼であるＮｏ．１〜１５は、母材の引張強度５１０Ｎ／ｍｍ2以上、−４０℃でのシャルピー衝撃値２００Ｊ以上、ボンド部を含むＨＡＺ全域での−４０℃でのシャルピー衝撃値（平均値）として１００Ｊ以上が得られている。更に、表には示さなかったものの個々の衝撃値の変動幅も小さく、何れの試験結果においても平均値の±２０％以内であった。
【００４８】
一方、Ｎｏ．１６〜３２は比較鋼で、いずれもｓｏｌ．Ａｌおよび／またはＮ量が本発明範囲外でＨＡＺの各位置での衝撃値（平均値）が劣り、また、個々の衝撃値の変動幅も大きく、平均値の±２０％を超えていた。
【００４９】
Ｎｏ．１６〜２１、２３、２５、２７〜３１はＮが本発明範囲外で、ＢおよびＮのバランスが悪く、Ｎｏ．１７，１８，２０〜２２、２４，２６，２８，３２はｓｏｌ．Ａｌ量が本発明範囲外で低い。そのため、これら比較鋼はボンドを含むＨＡＺ全域のいずれかまたは全ての位置で、−４０℃でのシャルピー衝撃値（平均値）が１００Ｊ以下となっている。
【００５０】
【表３】

【００５１】
【表４】

【００５２】
【発明の効果】
本発明によれば、エレクトロガスアーク溶接等の４００ｋＪ／ｃｍ以上の大入熱溶接継手部ＨＡＺ全域で安定して優れた低温靭性となる溶接構造用鋼が得られ、産業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図１】Ａｌ₂Ｏ₃の析出状態に及ぼすｓｏｌ．Ａｌ量の影響を示す図。
【図２】ＨＡＺ靭性（ｖＥ−４０の平均値：Ｊ）に及ぼすｓｏｌ．Ａｌ量の影響を示す図。
【図３】ＨＡＺ靭性（ｖＥ−４０の個々の衝撃値：Ｊ）に及ぼすｓｏｌ．Ａｌ量の影響を示す図。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to high-strength steel used for large-scale welded structures such as offshore structures, pressure vessels, ships, bridges, buildings, and live pipes, and more particularly, to high heat input HAZ toughness at low temperatures.
[0002]
[Prior art]
In recent years, steel structures such as offshore structures, pressure vessels, ships and the like have become larger, and the steel materials used tend to be thicker. In the case of thick materials, low temperature toughness due to low temperature cracking during small heat input welding such as tack welding and high heat input welding such as electrogas welding (EGW) and submerged arc welding (SAW) to improve work efficiency There is a case where a decrease in the number is a problem.
[0003]
For this reason, in the manufacture of thick-walled materials, in order to prevent low-temperature cracking during small heat input welding, component design is generally performed to reduce Ceq and Pcm and prevent toughness deterioration of the high heat input HAZ part. ing.
[0004]
However, recently, there are cases in which low temperature toughness at −40 ° C. is required depending on the structure, and the degree of difficulty in designing components is far greater than in the past.
[0005]
Various proposals have been made as methods for improving the high heat input HAZ toughness. For example, Japanese Patent Publication No. 55-26164 discloses that fine TiN is precipitated to suppress coarsening of γ crystal grains. No. 1 proposes a method of suppressing austenite coarsening by a large amount of fine Al2O3 precipitates.
[0006]
JP-A-61-79745 discloses a method for improving the HAZ toughness by generating intragranular ferrite by using Ti oxide particles as nucleation sites, and JP-A-5-287374 discloses a method for improving HAZ toughness. Proposed is a method of generating intragranular acicular ferrite using Ca oxide or Ca oxysulfide as a nucleus to refine the structure.
[0007]
Japanese Laid-Open Patent Publication No. 9-20955 proposes a method of adjusting the N amount according to the Ti and B amounts and improving the toughness of the bond portion by TiN and BN.
[0008]
However, in the method described in Japanese Examined Patent Publication No. 55-26164, since most of TiN dissolves at the bond portion at around 1400 ° C., the structure becomes coarse and the bond portion toughness is not improved.
[0009]
Further, even in the method described in Japanese Patent No. 2950076, it is difficult to suppress the coarsening of the austenite grain size even by Al2O3 when kept at a high temperature for a long time.
[0010]
In the method described in JP-A-61-79745, in order to finely disperse Ti oxide in steel, Al, which is a strong deoxidizing element, is an extremely small special component of 0.007% or less. The steel grade organization becomes complicated.
[0011]
Similarly, the method described in JP-A-5-287374 restricts O to 0.0040% or less and Al, which is a strong deoxidizing element, to 0.007% or less in order to ensure stable Ca oxide. However, precise control is required by a deoxidation method, addition of component elements, and the like. Further, depending on the welding material, there is a concern that the toughness of the weld metal part is lowered.
[0012]
In the method described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-20955, since the N amount is added in an amount that is fixed as Ti or B nitride, the HAZ at a heating temperature of 1000 to 1200 ° C. is embrittled by the solid solution N.
[0013]
Japanese Patent No. 2931065 discloses that TiN in the weld heat affected zone does not dissolve even in a state where it is exposed to a high temperature for a long time with an extremely high heat input of 500 kJ / cm to 1000 kJ / cm, and the number required for miniaturization. The manufacturing conditions are defined so that the low temperature toughness in the entire HAZ including the weld bond portion is improved by a synergistic effect with BN.
[0014]
However, there is a concern that coarse TiN will remain in the HAZ when the base metal and heat input are reduced, and the cleanliness of the steel material will be lowered. When manufacturing, it is not preferable that the cooling rate of the slab is 5 ° C./min or less from the viewpoint of productivity.
[0015]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, it is difficult to say that steel sheet manufacturing technology that can provide excellent low temperature toughness in the entire HAZ region of high heat input welding without sacrificing productivity is particularly well established. No technology has been provided for sufficiently reducing the Charpy impact value fluctuation range, which is undesirable for reducing the safety and reducing safety.
[0016]
The present invention is excellent in productivity, and the toughness in the entire HAZ region (Bond, Bond + 1 mm, 3 mm, 5 mm) of high heat input welding (400 kJ / cm or more) is the Charpy impact value (vE-40) at −40 ° C. The object is to provide a welded structural steel of 100 J or more with individual test pieces.
[0017]
[Means for Solving the Problems]
Based on the prior art, the present inventors examined the influence of the component composition on the super large heat input welding HAZ toughness.
[0018]
As a result, as described above, Japanese Patent No. 2931065 generates coarse TiN that does not dissolve and disappear even in the long high-temperature residence time peculiar to super-high heat input welding, and that HAZ toughness deteriorates due to excessive N that is not fixed in HAZ. In order to prevent this, the amount of N is specified in relation to the amounts of Ti and B, but within the range of the specified amount of Ti, Ti is considered in consideration of the surface properties and cleanliness of the steel sheet. When the addition amount is kept low, the effect of B for improving toughness is not necessarily obtained stably, especially in the case of a low temperature that has not been experienced in the past, such as -40 ° C., rather due to its hardenability improving effect. The estimated fluctuation of toughness value was observed depending on the notch position, and it was found that further improvement in toughness was necessary although it was an excellent technique.
[0019]
Therefore, the present inventors have conducted intensive studies on a method for further improving the toughness improvement effect by intragranular ferrite formation without hindering productivity by slowing down the cooling rate of the casting solidification process, etc. As an appropriate amount of Al ₂ O ₃ precipitates obtained in a conventional casting solidification process is ensured in steel with a certain size, the same effect as coarse TiN can be obtained as TiN and BN precipitation nuclei, And -40 ° C. by optimizing the addition amount of Al, B, and N, in particular, by precipitating solute N that does not form nitrides with B in the weld zone as AlN with a sufficient amount of Al, and reducing the solute N. In addition, it was found that the fluctuation range is small and stable and good toughness can be obtained over the entire HAZ (Bond, Bond + 1 to 5 mm).
[0020]
The present invention has been made based on further studies based on the above findings, that is, the present invention
1. In mass%, C: 0.04 to 0.12%, Si: 0.01 to 0.5%, Mn: 0.5 to 2%, S: 0.001 to 0.01%, sol. Al: 0.04 to 0.08%, B: 0.0005 to 0.003%, O: 0.001 to 0.005%, N: 0.004 to 0.007%, 0.9 × 1. Al ₂ O containing N satisfying 3B ≦ N ≦ 1.2 × 1.3B (where B is the content (%)) and having an equivalent circle diameter of 0.5 μm or more and 3 μm or less. ₃ precipitate 1 × 10 ³ cells / mm ² or more content to balance of Fe and low-temperature toughness excellent welding structural steel consisting of unavoidable impurities.
[0021]
2. One or two selected from the group of Cu ≦ 0.5%, Ni ≦ 1.0%, Cr ≦ 0.5%, Mo ≦ 0.5%, V ≦ 0.1%, Nb ≦ 0.03% 2. A steel for welded structure having excellent low-temperature toughness according to 1, containing at least a seed.
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the reasons for limiting the components of the present invention will be described in detail.
[0023]
C
C is necessary for securing the strength, and is added in an amount of 0.04% or more in order to obtain the effect. On the other hand, if added over 0.12%, high carbon island martensite is generated, and the HAZ toughness and weldability are lowered. Therefore, 0.04 to 0.12% (0.04% or more, 0.12% The following. In addition, when less than 0.04%, in order to ensure strength, a large amount of a hardenability improving element must be added, resulting in an increase in production costs and deterioration of toughness and weldability.
[0024]
Si
Si is necessary as a deoxidizer in securing the strength and in the steelmaking process, and is added in an amount of 0.01% or more in order to obtain the effect. On the other hand, if added over 0.5%, high-carbon island martensite is likely to be generated, and the HAZ toughness deteriorates, so the content is made 0.01 to 0.5%.
[0025]
Mn
Mn is added in an amount of 0.5% or more to ensure strength. On the other hand, if it exceeds 2%, the hardenability increases and the weldability and HAZ toughness are deteriorated.
[0026]
S
S is necessary to generate MnS that becomes a nucleation site of ferrite in the HAZ part, and is made 0.001% or more. On the other hand, if it exceeds 0.01%, the toughness of the base metal and the welded portion will decrease, so 0.001 to 0.01%.
[0027]
B
B is added in an amount of 0.0005% or more in order to generate BN that becomes a nucleation site of ferrite. On the other hand, if added over 0.003%, the HAZ toughness decreases, so 0.0005 to 0.003%.
[0028]
sol. Al
sol. Al decreases to 0.04% or more in order to reduce solid solution N harmful to deoxidation and HAZ toughness and to generate Al ₂ O ₃ . On the other hand, if it exceeds 0.08%, coarse Al-based inclusions are produced, and the toughness is lowered. Therefore, the content is made 0.04 to 0.08%.
[0029]
FIG. 2 shows the effect of sol. On the Charpy impact value (vE-40) in the entire HAZ. This shows the influence of Al. Components other than Al are included in the scope of the present invention, and sol. Only the amount of Al was used, and two types of steel were used, each within the scope of the present invention and outside the scope of the present invention. As a result, the steel of the present invention has obtained stable and excellent Charpy impact test results throughout the HAZ. In addition, a test result shows an average value.
[0030]
FIG. 3 shows individual impact values (vE-40) and average values in the Charpy impact test in which the notch position is HAZ + 1 mm in the test results of FIG. In the case of a test steel whose Al content is low outside the scope of the present invention, it shows an unstable behavior in which an extremely low impact value that is different from the average value is generated, and the safety due to local embrittlement is a concern. .
[0031]
sol. In the case of the test steel with a low Al content, in HAZ + 1 mm where the maximum heating temperature is lower than the bond part, the toughness deterioration of the ferrite texture occurs due to the solid solution N that does not form AlN and does not become a nitride with B. Seem.
[0032]
N
N is made 0.004% or more in order to suppress coarsening of austenite crystal grains in HAZ and to generate BN which becomes a nucleation site of ferrite. On the other hand, if it exceeds 0.007%, the amount of solute N becomes excessive due to the formation of Al nitride and the toughness decreases, so the content is made 0.004 to 0.007%.
[0033]
In the present invention, the N amount is further specified within the range of 0.004 to 0.007% to 0.9 × 1.3B ≦ N ≦ 1.2 × 1.3B (B is the content (%)). , It is necessary to make most of the contained N BN.
[0034]
O
The amount of O in the steel is set to 0.001 to 0.005% in order to sufficiently secure Al ₂ O ₃ precipitates serving as BN precipitation sites and to prevent generation of coarse inclusions due to excessive addition.
[0035]
Al ₂ O ₃ precipitates Al ₂ O ₃ precipitates precipitate BN as ferrite precipitation nuclei and make the HAZ part a fine ferrite structure to improve low-temperature toughness. Therefore, the equivalent circle diameter is 0.5 μm or more and 3 μm or less. The number is defined as 1 × 10 ³ or more. In the present invention, the Al ₂ O ₃ precipitate is a composite precipitate mainly composed of Al ₂ O ₃ precipitate and Al ₂ O ₃ and also containing other oxides (for example, SiO ₂ and CaO).
[0036]
FIG. 1 shows the effect of sol. On the number of Al ₂ O ₃ precipitates having an equivalent circular diameter of 0.5 μm or more and 3 μm or less. The influence of the amount of Al is shown. The test steel is a steel of the present invention having the component composition according to claim 1 and the steel of the present invention, in which only N amount or sol. Only the amount of Al was used as a comparative steel outside the scope of the present invention.
[0037]
As a result, sol. In the steel in which the amount of Al falls within the scope of the present invention, the number of Al ₂ O ₃ precipitates having an equivalent circle diameter of 0.5 μm or more and 3 μm or less is 1 × 10 ³ or more. In the comparative steel in which the N amount is out of the range of the present invention, the Charpy impact test result at −40 ° C. was unstable.
[0038]
In steels in which Al is outside the scope of the present invention, the number of Al ₂ O ₃ precipitates having an equivalent circle diameter of 0.5 μm or more and 3 μm or less is small, and the Charpy impact test results are unstable.
[0039]
In the present invention, sufficient characteristics can be obtained by the above configuration. However, in order to further improve the characteristics, one or more of Cu, Ni, Cr, Mo, V, and Nb can be added. When these elements are added, Cu ≦ 0.5%, Ni ≦ 1.0%, Cr ≦ 0.5%, Mo ≦ 0.5%, V ≦ 0.1%, Nb ≦ 0.03% To do.
[0040]
In the present invention, “the balance is substantially Fe” means containing inevitable impurities and other trace elements as long as the effects of the present invention are not impaired.
[0041]
Next, manufacturing conditions will be described. In the present invention, it is important to stably precipitate fine Al ₂ O ₃ precipitates in the steel, but it is not necessary to make the casting solidification rate slower than 5 ° C./min. It may be by law. After casting and solidification, the steel sheet is heated under the required conditions, and then subjected to processing such as rolling to obtain a thick steel plate.
[0042]
The heating conditions of the slab and the processing conditions such as rolling may be appropriately set according to the desired strength, and there is no problem in combination with water cooling operation such as accelerated cooling or heat treatment after rolling.
[0043]
【Example】
Steels having the component compositions shown in Tables 1 and 2 were melted and made into slabs by a continuous casting method, and then heated to 1100 to 1250 ° C. to produce steel plates having a thickness of 50 to 70 mm by TMCP, DQ-T or the like.
[0044]
For these steel plates, the mechanical properties of the base metal and the HAZ toughness of electrogas arc welding (heat input 400 to 530 kJ / cm) were investigated. The HAZ toughness was evaluated by a Charpy impact test, with the notch position being 1 mm, 3 mm, and 5 mm from the bond portion to the HAZ side with a Charpy impact value (average value, individual value) at a test temperature of −40 ° C. Only the average value was displayed.
[0045]
[Table 1]

[0046]
[Table 2]

[0047]
Tables 3 and 4 show the manufacturing conditions and the test results. No. which is steel of the present invention. 1 to 15 has a tensile strength of the base material of 510 N / mm 2 or more, a Charpy impact value at −40 ° C. of 200 J or more, and a Charpy impact value (average value) at −40 ° C. of the entire HAZ including the bond portion is 100 J or more. Has been obtained. Further, although not shown in the table, the fluctuation range of each impact value was small, and in any test result, it was within ± 20% of the average value.
[0048]
On the other hand, no. 16 to 32 are comparative steels, all of which are sol. When the amount of Al and / or N was outside the range of the present invention, the impact value (average value) at each position of the HAZ was inferior, and the fluctuation range of each impact value was large, exceeding ± 20% of the average value.
[0049]
No. Nos. 16 to 21, 23, 25, and 27 to 31 are those in which N is outside the scope of the present invention, and the balance between B and N is poor. 17, 18, 20-22, 24, 26, 28, 32 are sol. The amount of Al is low outside the scope of the present invention. Therefore, these comparative steels have a Charpy impact value (average value) at −40 ° C. of 100 J or less at any or all positions in the entire HAZ including the bond.
[0050]
[Table 3]

[0051]
[Table 4]

[0052]
【The invention's effect】
According to the present invention, a steel for welded structure that exhibits stable and excellent low temperature toughness in the entire heat input welded joint HAZ of 400 kJ / cm or more such as electrogas arc welding is obtained, which is extremely useful industrially.
[Brief description of the drawings]
1 shows the effect of sol. _On the precipitation state of Al ₂ O ₃ . The figure which shows the influence of Al amount.
FIG. 2 shows the effect of sol. On HAZ toughness (average value of vE-40: J). The figure which shows the influence of Al amount.
FIG. 3 shows the effect of sol. On HAZ toughness (individual impact value of vE-40: J). The figure which shows the influence of Al amount.

Claims

In mass%, C: 0.04 to 0.12%, Si: 0.01 to 0.5%, Mn: 0.5 to 2%, S: 0.001 to 0.01%, sol. Al: 0.04 to 0.08%, B: 0.0005 to 0.003%, O: 0.001 to 0.005%, N: 0.004 to 0.007%, 0.9 × 1. Al ₂ O containing N satisfying 3B ≦ N ≦ 1.2 × 1.3B (where B is the content (%)) and having an equivalent circle diameter of 0.5 μm or more and 3 μm or less. ₃ precipitate 1 × 10 ³ cells / mm ² or more content to balance of Fe and low-temperature toughness excellent welding structural steel consisting of unavoidable impurities.

One or two selected from the group consisting of Cu ≦ 0.5%, Ni ≦ 1.0%, Cr ≦ 0.5%, Mo ≦ 0.5%, V ≦ 0.1%, Nb ≦ 0.03% The welded structural steel excellent in low temperature toughness according to claim 1, comprising at least a seed.