JP4595696B2 - Temperature measuring device and temperature measuring method - Google Patents
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Description
本発明は、電圧コンバータ装置に組み込まれて使用される複数のスイッチング素子からなるパワー半導体モジュールを加熱してその温度測定を行うための温度計測装置、および温度計測方法に関し、とくに車両用電圧コンバータ装置に組み込まれるIPM(Intelligent Power Module)などのパワー半導体モジュールの温度検出用ダイオードの温度特性決定に必要な温度計測装置および温度計測方法に関する。 The present invention is a temperature measuring device for carrying out the temperature measurement by heating Rupa word semiconductor module, such a plurality of switching elements used incorporated into the voltage converter apparatus, and to a temperature measuring method, in particular voltage vehicle IPM (Intelligent power Module) temperature measuring device and a temperature measuring method required temperature characterization of the power semiconductor module of the temperature detecting diode, such as about incorporated in the converter device.
最近の車両機器では、高効率化や省エネ対策として、大きな駆動力を生むことができる電動機駆動システムが採用されている。図12は、車両機器における電動機駆動システムの一例を示すブロック図である。この電動機(M)4の駆動システムには、大別して電源1、昇降圧コンバータ2、およびインバータ3が含まれている。
In recent vehicle equipment, an electric motor drive system capable of generating a large driving force is adopted as a high efficiency and energy saving measure. FIG. 12 is a block diagram illustrating an example of an electric motor drive system in a vehicle device. The drive system of the electric motor (M) 4 includes a
ここでは、電源1は走行車両の架線などから給電される電圧、あるいは直列接続されたバッテリから構成されている。昇降圧コンバータ2では、車両駆動時に電源回路の280ボルトの電圧VLを、電動機4の駆動に適した750ボルトまで昇圧している。そして、車両の制動時には、電動機4が発電機となって、そこから生じる電圧VH(=750ボルト)を電源回路の電圧VL(=280ボルト)まで降圧して、電力の回生動作が行われる。さらに、車両駆動時には、インバータ3のスイッチング素子をオンオフ制御することにより、電動機4の各相に対して昇降圧コンバータ2で昇圧された電力から所定の電流を流すようにしている。このとき、車両の速度はスイッチング周波数に応じて変化する。車両の制動時には、各相に生じる交流電圧に同期してインバータ3のスイッチング素子をオンオフし、いわゆる整流動作によって直流電圧に変換して、昇降圧コンバータ2から電源1への回生動作が行われる。
Here, the
こうした車両用電圧コンバータ装置を含む電動機4の駆動システムには、スイッチング素子として半導体パワースイッチ、およびこれに並列に設けられたダイオードを一体に組み込んだ、IPMなどのパワー半導体モジュールが用いられる。このIPMなどのパワー半導体モジュールにおいて、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)チップに内蔵された温度検出用ダイオードの温度特性をあらかじめ測定しておく必要がある。 In the drive system of the electric motor 4 including such a vehicle voltage converter device, a power semiconductor module such as an IPM, in which a semiconductor power switch as a switching element and a diode provided in parallel therewith are integrated, is used. In a power semiconductor module such as IPM, it is necessary to measure in advance the temperature characteristics of a temperature detecting diode built in an IGBT (Insulated Gate Bipolar Transistor) chip.
図13は、従来の温度計測装置とパワー半導体モジュールの構成を示す側面断面図である。パワー半導体モジュール100は金属ベース板11を放熱板として備え、その上に複数に分割されたIGBTチップ12がセラミック基板13を介して載置されている。
FIG. 13 is a side cross-sectional view showing a configuration of a conventional temperature measuring device and a power semiconductor module. The
パワー半導体モジュール100の放熱用の金属ベース板11には、たとえば銅(Cu)ベースが用いられる。また、一対のIGBTチップ12が、絶縁用の各セラミック基板13上に固定されている。ここでは、IGBTチップ12には温度検出用のダイオードが複数個形成されている。
For example, a copper (Cu) base is used for the
温度検出用のダイオードは、昇降圧動作においてIGBTチップ12での損失が許容値を超過して熱的に破壊しないように、その温度を検出して、IGBTチップ12の破壊温度に至る手前でゲート信号を遮断するなどの過熱防止機構を構成している。このパワー半導体モジュール100は、さらに樹脂などの外囲ケース14によって保護され、その外部には複数の主端子15が設けられる。
The diode for temperature detection detects the temperature so that the loss in the
このパワー半導体モジュール100では、シリコンウェハにダイオードのみを形成する場合に比べて、温度検出用のダイオードがIGBTチップ12内に形成されているため、ロット間で順方向降下電圧や温度係数のバラツキが大きく、ロット毎に温度検出ダイオードの温度特性に応じて後段回路によって補正しなければならない。そして、このダイオードの温度特性を補正する際には、正確にIGBTチップ12の温度検出を行う必要がある。
In this
そこで、パワー半導体モジュール100を温度計測装置200に載せて、金属ベース板11の温度を測定していた。すなわち、パワー半導体モジュール100はヒータ21により加熱され、図13に示すように温度制御された熱板22との間に熱電対23を挟み込んでおくことにより、金属ベース板11の温度が熱電対23によって測定できる。
Therefore, the
このように、所定の温度まで加熱された時点で温度検出ダイオードの順方向降下電圧を測定すれば、ダイオードの温度特性が測定できる。しかし、このような従来の温度計測方法では、ヒータ21により加熱・温度制御された熱板22と、熱電対23からなる温度計測装置200を用いていることから、以下のような問題があった。
Thus, if the forward voltage drop of the temperature detection diode is measured when it is heated to a predetermined temperature, the temperature characteristic of the diode can be measured. However, such a conventional temperature measuring method has the following problems because the
第1に、熱電対23は金属ベース板11と熱板22に対して線接触状態で温度測定を行っている。そのため、従来の温度計測装置200では、熱電対23がその接触状態の影響を受け易く、常に安定して正確な温度を測定することが難しかった。
First, the
第2に、パワー半導体モジュール100に熱電対23を挟み込むことによって、銅(Cu)などの金属ベース板11の表面に僅かではあれ、傷が発生しやすい。そのため、金属ベース板11の平坦度が損なわれる恐れがあった。
Second, by sandwiching the
なお、後述する特許文献1には、トッププレートの下面の温度を非接触で検出して温度センサ信号を出力する非接触温度センサを用いた電磁誘導加熱調理器の発明が開示されている。
図14は、パワー半導体モジュール各部の温度履歴を示す温度プロファイル図である。ここには、金属ベース板11と熱板22の隙間に挟み込んだ熱電対23による温度プロファイルとともに、熱板22を加熱した場合の金属ベース板11のセラミック基板13側、セラミック基板13自体、およびIGBTチップ12にそれぞれ接着された別の熱電対によって測定された温度履歴を記載している。
FIG. 14 is a temperature profile diagram showing the temperature history of each part of the power semiconductor module. Here, together with the temperature profile of the
これによると、金属ベース板11の温度を測定する熱電対23の接触状態が良い状態(図14(A))では、熱板22と金属ベース板11に挟み込まれた熱電対の指示温度が、IGBTチップ12が搭載されているセラミック基板13の温度と概ね同一になる。これに対して、熱電対23の接触状態が良くない状態(図14(B))では、熱板22と金属ベース板11に挟み込まれた熱電対23の指示温度だけが、IGBTチップ12を搭載しているセラミック基板13の温度より低い値となっている。これは、熱板22から金属ベース板11への熱の伝導が行われているにもかかわらず、熱電対23では正確に金属ベース板11の温度を検出できていないことを示している。同時に、金属ベース板11の温度が正確に測定できれば、IGBTチップ12の温度も概ね正確に測定できることを示している。
このように、トッププレートの下面の温度を非接触で計測する方法であれば、熱板22と金属ベース板11との間に熱電対23を挟み込んで行う温度測定における上述した問題は解決されるが、IGBTチップ12に形成された温度検出用のダイオードの温度特性を測定する従来の温度計測装置200では、ヒータ21により加熱・温度制御された熱板22によって加熱を行っていたので、以下の課題が残っていた。
Thus, if the temperature of the lower surface of the top plate is measured in a non-contact manner, the above-described problems in the temperature measurement performed by sandwiching the
第1に、金属ベース板11と熱板22を接触させて、熱板22から金属ベース板11に熱の伝導を行うとき、パワー半導体モジュール100の金属ベース板11には僅かながら反りが生じるから、熱板22に完全には密着しなくなる。そのため、パワー半導体モジュール100の温度計測時に、金属ベース板11が設定温度に達するまで時間がかかる。
First, when heat conduction is performed from the
第2に、熱板22はその加熱対象である金属ベース板11に比べて大面積であって、しかも熱板22の全体が高温になるまで加熱する必要がある。したがって、このような熱板22を用いた従来の温度計測装置200は、パワー半導体モジュール100の温度計測作業にとって危険なものであった。
Second, the
第3に、パワー半導体モジュール100の金属ベース板11を均一に加熱することは困難であったために、金属ベース板11の温度測定結果が不正確になりやすい。したがって、IGBTチップ12に埋め込まれた温度検出用ダイオードの出力(温度検出値)との比較も不正確となって、温度検出用ダイオードの出力の補償量を正確に決定することができなかった。
Third, since it is difficult to uniformly heat the
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、放熱用の金属ベース板を備えたパワー半導体モジュールの温度を非接触で測定できる温度計測装置を提供することを目的とする。 This invention is made | formed in view of such a point, and it aims at providing the temperature measuring apparatus which can measure the temperature of the power semiconductor module provided with the metal base plate for thermal radiation in non-contact.
また、本発明の別の目的は、放熱用の金属ベース板を備えたパワー半導体モジュールの温度を安定して測定できる温度計測方法を提供することである。 Another object of the present invention is to provide a temperature measurement method capable of stably measuring the temperature of a power semiconductor module provided with a metal base plate for heat dissipation .
本発明では、上記問題を解決するために、放熱用の金属ベース板を備え、温度検出用のダイオードを内蔵したパワー半導体モジュールを加熱してその温度測定を行うための温度計測装置において、エンジニアリングプラスチックからなるトッププレートと、前記トッププレートの上面に前記金属ベース板を密着させて前記パワー半導体モジュールを固定する固定手段と、前記トッププレートと前記パワー半導体モジュールの前記金属ベース板との隙間に挿入される被加熱材料と、前記被加熱材料を媒介にして前記パワー半導体モジュールの前記金属ベース板を加熱するための誘導加熱手段と、前記トッププレートを透過して前記被加熱材料から放射される赤外線に基づいて前記パワー半導体モジュールの温度を測定する放射温度測定手段と、を備えたことを特徴とする温度計測装置が提供される。 In the present invention, in order to solve the above problem, in a temperature measuring apparatus for heating and measuring a power semiconductor module including a metal base plate for heat dissipation and incorporating a temperature detecting diode , engineering is performed. A top plate made of plastic, a fixing means for fixing the power semiconductor module by bringing the metal base plate into close contact with the top surface of the top plate, and a gap between the top plate and the metal base plate of the power semiconductor module Heated material, induction heating means for heating the metal base plate of the power semiconductor module through the heated material, and infrared rays transmitted through the top plate and emitted from the heated material Radiation temperature measuring means for measuring the temperature of the power semiconductor module based on Temperature measurement apparatus characterized by comprising is provided.
温度計測装置に載置されたパワー半導体モジュールを加熱するとき、金属ベース板の部分だけが発熱することになるから、このような加熱手段を用いた温度計測装置による測定作業が安全に行える。 When the power semiconductor module placed on the temperature measuring device is heated, only the metal base plate portion generates heat, so that the measurement work using the temperature measuring device using such a heating means can be performed safely.
また、金属ベース板より電気抵抗率が高い金属微粉末や金属箔などの被加熱材料を金属ベース板との隙間に挿入してもよい。
このようにすれば、金属ベース板に反りが生じた場合でも、確実に被加熱材料から金属ベース板に熱を伝達させることが可能となる。
Moreover, you may insert to-be-heated materials, such as a metal fine powder and metal foil whose electrical resistivity is higher than a metal base board, in the clearance gap between a metal base board.
In this way, even when the metal base plate is warped, heat can be reliably transferred from the material to be heated to the metal base plate.
したがって、放熱用の金属ベース板を安定して加熱することができ、そこに載置されたIGBTチップの温度を非接触で、かつ安定して測定できる。
本発明の温度計測方法は、放熱用の金属ベース板を備え、温度検出用のダイオードを内蔵したパワー半導体モジュールを加熱してその温度測定を行うための温度計測方法において、エンジニアリングプラスチックからなるトッププレートの上面に前記パワー半導体モジュールを固定する際に、前記トッププレートと前記金属ベース板との隙間に被加熱材料を挿入して密着させ、前記被加熱材料を媒介にして前記パワー半導体モジュールの前記金属ベース板を加熱し、前記トッププレートを透過して前記被加熱材料から放射される赤外線に基づいて前記パワー半導体モジュールの温度を測定する、ことを特徴とする。
Therefore, the metal base plate for heat dissipation can be stably heated, and the temperature of the IGBT chip placed thereon can be stably measured without contact.
The temperature measurement method of the present invention is a temperature measurement method for measuring a temperature of a power semiconductor module that includes a metal base plate for heat dissipation and has a built-in temperature detection diode. When the power semiconductor module is fixed to the upper surface of the plate, a heated material is inserted into and closely adhered to the gap between the top plate and the metal base plate, and the power semiconductor module of the power semiconductor module is mediated by the heated material. The metal base plate is heated, and the temperature of the power semiconductor module is measured based on infrared rays transmitted through the top plate and radiated from the material to be heated.
本発明の温度計測装置によれば、金属ベース板が均一に加熱され、その温度計測結果が正確なものとなるとともに、パワー半導体モジュールに含まれているスイッチング素子の温度を正確に反映したものとなる。 According to the temperature measuring device of the present invention, the metal base plate is heated uniformly, the temperature measurement result becomes accurate, and accurately reflects the temperature of the switching element included in the power semiconductor module. Become.
また、本発明の温度計測方法によれば、放熱用の金属ベース板を安定して均一に加熱することができ、金属ベース板の温度計測結果が正確なものとなる。したがって、金属ベース板に載置されたIGBTチップの温度を非接触で、かつ安定して測定できるため、IGBTチップに埋め込まれた温度検出用ダイオードの温度検出結果との差異、すなわち温度検出用ダイオードの温度特性が正確に決定でき、後段回路における精度のよい補正が可能になる。 Further, according to the temperature measurement method of the present invention, the metal base plate for heat dissipation can be stably and uniformly heated, and the temperature measurement result of the metal base plate becomes accurate. Accordingly, since the temperature of the IGBT chip mounted on the metal base plate can be stably measured without contact, the difference from the temperature detection result of the temperature detection diode embedded in the IGBT chip, that is, the temperature detection diode Thus, the temperature characteristic can be accurately determined, and accurate correction in the subsequent circuit becomes possible.
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るパワー半導体モジュールの構成を示す側面断面図である。
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
(Embodiment 1)
FIG. 1 is a side sectional view showing the configuration of the power semiconductor module according to the first embodiment.
このパワー半導体モジュール10は、後述する誘導加熱による温度計測装置に対応した構造であって、一方の面にスイッチング素子が載置された放熱用の金属ベース板11は、たとえば銅(Cu)ベース板として構成されている。この金属ベース板11の一方の面には、樹脂などの外囲ケース14によって保護されたIGBTチップが固定され、外囲ケース14の外部に複数の主端子15が突設されている。
This
IGBTチップには、温度検出用のダイオードなどが過熱防止機構として形成されていて、パワー半導体モジュール10の昇降圧動作においてIGBTチップでの損失が許容値を超過して熱的に破壊しないように、その温度を検出してIGBTチップの破壊温度に至る手前でゲート信号を遮断する。また、金属ベース板11の他方の面には、メッキまたはスパッタなどによって、たとえばクロム(Cr)など高い電気抵抗率ρ(=17×10-8Ωm)の金属膜16が加熱体(被加熱材料)として成膜されている。
In the IGBT chip, a temperature detection diode or the like is formed as an overheat prevention mechanism, so that the loss in the IGBT chip does not exceed the allowable value in the step-up / step-down operation of the
図2は、パワー半導体モジュールと温度測定を行うための温度計測装置との位置関係を示す平面図である。
これは、温度計測装置201の筐体20を上面から透視したものであり、パワー半導体モジュール10の外形がほぼ四角形であって、その加熱温度を測定するための放射温度計24は、温度計測装置201の筐体20内の中央部分に位置する。また、この筐体20内には、パワー半導体モジュール10の外形に対応する直径であって、その軸線が一致するように円形の誘導加熱用コイル25が設けられている。筐体20のパワー半導体モジュール10に接するトッププレートは、加熱される金属ベース板11の高温に耐えうるように、たとえばポリイミドなどのエンジニアリングプラスチックが使用されている。したがって、金属膜16が成膜された金属ベース板11から放射され、トッププレートを通過した赤外線は放射温度計24に入射し、金属ベース板11の温度を放射温度計24によって測定できる。
FIG. 2 is a plan view showing a positional relationship between the power semiconductor module and a temperature measuring device for performing temperature measurement.
This is a perspective view of the
この放射温度計24の原理は、温度測定対象である金属ベース板11の表面から放射される赤外線を集光レンズで赤外線センサに集光して、金属ベース板11の表面から出る赤外線のエネルギー量に基づいて、その温度を測定する。放射温度計24に用いられる赤外線センサでは、焦電素子やセレン化鉛(PbSe)、あるいは硫化鉛(PbS)などの光伝導素子により赤外線のエネルギー量を測定している。なお、すでに図12において説明したように、金属ベース板11の温度は樹脂ケース内のIGBTチップ温度と概ね同一であるので、金属ベース板11を放射温度計24の測定対象として選択しても差し支えない。
The principle of the
図3は、実施の形態1に係る温度計測装置の一例を示す構成説明図である。
この温度計測装置201は、パワー半導体モジュール10がトッププレートの上面に配置され、その内部に放射温度計24と誘導加熱用コイル25が収納された筐体20と、温度制御装置30およびその電源31とから構成される。温度制御装置30では、放射温度計24によって測定されたパワー半導体モジュール10の温度計測値を、予め設定された指示値と比較して、電源31をPID制御することによって、誘導加熱用コイル25の電流値と周波数を容易に変更できる。電源31は、誘導加熱用コイル25に高周波(10〜20KHz)の大電流を流すインバータ装置であって、温度制御装置30からの制御入力により誘導加熱用コイル25に流す電流値と周波数が指令されている。
FIG. 3 is a configuration explanatory diagram illustrating an example of the temperature measurement device according to the first embodiment.
In this
このように構成された温度計測装置201では、誘導加熱用コイル25に加えられる交番磁界によりクロム(Cr)など金属膜16の表面に渦電流が流れるため、その電気抵抗に応じたエネルギー損失が熱となって、金属膜16を成膜した金属ベース板11だけが加熱される。したがって、温度検出用ダイオードの温度特性を決定する際に、放熱用の金属ベース板11の温度を非接触で測定することで、パワー半導体モジュール10の温度測定作業を安全に行うことができる。
In the
なお、パワー半導体モジュール10の他の部分に銅(Cu)を材料とする構成部分があっても、それらの厚みがおよそ20μm以上であれば電気抵抗は小さく、僅かな発熱しか生じないため、温度測定の誤差をもたらすものとはならない。
Even if there are constituent parts made of copper (Cu) in other parts of the
(実施の形態2)
図4は、実施の形態2に係る温度計測装置のトッププレートとパワー半導体モジュールの関係を示す側面断面図である。
(Embodiment 2)
FIG. 4 is a side cross-sectional view showing the relationship between the top plate and the power semiconductor module of the temperature measuring device according to the second embodiment.
ここでは、実施の形態1で用いた加熱体として成膜された金属膜16に代えて、金属微粉末17が用いられる。すなわち、温度計測装置の筐体20のトッププレート27には、パワー半導体モジュール10の外形よりやや大きな凹部28を深さ数百μmで形成し、そこにクロム(Cr)など高い電気抵抗率ρ(=17×10-8Ωm)の金属微粉末17を満たしておく。パワー半導体モジュール10の金属ベース板11は、このトッププレート27の凹部28にボルト29によって締め付けることによって固定される。これにより、温度計測装置のトッププレート27とパワー半導体モジュール10の間の金属微粉末17に所定の荷重が加わって、金属ベース板11と金属微粉末17との密着性が良好になる。
Here, metal
このようなトッププレート27を有する温度計測装置では、誘導加熱用コイルからの交番磁界が金属微粉末17に作用して渦電流が流れ、その電気抵抗に応じたエネルギー損失が熱となって金属ベース板11だけが加熱される。したがって、実施の形態1の場合と同様に、パワー半導体モジュール10の温度測定作業を安全に行うことができる。
In such a temperature measuring device having the
(実施の形態3)
図5は、実施の形態3に係る温度計測装置のトッププレートとパワー半導体モジュールの関係を示す側面断面図である。
(Embodiment 3)
FIG. 5 is a side sectional view showing the relationship between the top plate and the power semiconductor module of the temperature measuring device according to the third embodiment.
ここでは、実施の形態2の金属微粉末17に代えて、金属箔18が用いられている。パワー半導体モジュール10の金属ベース板11は、金属箔18を挟んでトッププレート27にボルト29によって締め付けられる。これにより、温度計測装置の筐体20とパワー半導体モジュール10の間の金属箔18に所定の荷重が加わって、金属ベース板11と金属箔18との密着性が良好になる。
Here, a
(実施の形態4)
図6は、実施の形態4に係る温度計測装置を示す側面断面図である。この実施の形態4では、温度計測装置201の構成とともに、放射温度計24を用いたパワー半導体モジュール10の温度測定方法について説明する。
(Embodiment 4)
FIG. 6 is a side sectional view showing a temperature measuring apparatus according to the fourth embodiment. In the fourth embodiment, the temperature measuring method of the
この温度計測装置201では、金属箔18などの加熱体の温度を測定することによって、金属ベース板11が熱板22からの加熱により温度制御されながら、所定温度まで加熱され、パワー半導体モジュール10に組み込まれた温度検出用のダイオードの温度特性を測定している。図13の従来装置と異なる点は、熱板22の中央部に上下面を貫通する測定窓22hが形成されていること、およびこの測定窓22hを介して金属ベース板11から放射される赤外線強度を、放射温度計24によって測定していることである。
In this
一般に赤外線センサが正確な温度測定を行うのに必要なセンシング領域は、放射温度計24の測定対象までの距離や、光学系が光ファイバー式であるか、非光ファイバー式であるかなどによって異なる。ここでは、測定温度は25〜200℃の範囲であって、測定距離が100mm以下とした場合、加熱手段となるヒータ21の高さを考慮すると、放射温度計24のセンシング領域としては直径2mm以上が必要である。このセンシング領域を確保するには、図6に示すように加熱体が金属箔18の場合は測定窓22hを形成すればよい。しかし、加熱体が実施の形態2において用いた金属微粉末17の場合には、遮蔽壁を設ける必要がある。
In general, the sensing area required for the infrared sensor to perform accurate temperature measurement differs depending on the distance to the measurement target of the
図7は、昇降圧コンバータの回路構成を示す回路図である。
この昇降圧コンバータ2は、大別してリアクトルL、コンデンサC、駆動系のスイッチング素子2A,2B、これらのスイッチング素子2A,2Bを制御する制御回路a1,b1から構成されるものであって、電源1の電圧VLを昇圧して、インバータ3(図12)へ供給している。最近の車両機器では、それぞれ制御回路a1,b1からのゲート信号によってオンオフされる半導体パワースイッチとしてIGBTQ1,Q2が用いられ、これらのIGBTQ1,Q2に並列にダイオードD1,D2を接続したスイッチング素子2A,2Bが構成されている。なお、スイッチング素子2A,2BのダイオードD1,D2は、IGBTQ1,Q2に流れる電流とは逆方向に電流を流すように接続される。
FIG. 7 is a circuit diagram showing a circuit configuration of the buck-boost converter.
This step-up / down
つぎに、上述した温度計測装置でパワー半導体モジュール10を加熱し、温度検出用ダイオードの温度特性を決定する際の温度測定方法について説明する。
図8は、パワー半導体モジュールのIGBTチップの配置例を示す図である。
Next, a temperature measurement method for heating the
FIG. 8 is a diagram illustrating an arrangement example of IGBT chips of the power semiconductor module.
車両用電圧コンバータ装置などに用いられるパワー半導体モジュール10は、数百Aの電流をスイッチングするため、複数個のIGBTチップ12が並列接続で使用されており、図8に示すように、IGBTチップ12はセラミック基板13上で対称配置の構成となっている。そのため、温度計測装置201の熱板22の中央にパワー半導体モジュール10を載せれば、IGBTチップ12を避けて、セラミック基板13の中央にその測定窓22hが位置することになる。したがって、パワー半導体モジュール10のIGBTチップ12に対応する金属ベース板11は熱板22と接触することになるから、IGBTチップ12を確実に加熱できる。
In the
放射温度計24は、図6に示すように金属ベース板11面から必要な測定距離を隔てた底板20bに、その光軸が熱板22の測定窓22hの中心を通る金属ベース板11の法線と一致するように配置され、測定窓22hを介して金属ベース板11面の温度を測定する。なお、測定温度範囲25〜200℃、側板20sによって規定される測定距離100mm以下であれば、そのセンシング領域の直径2mmを満足する放射温度計としては、(株)チノー製の赤外線センサ(型式IR−CAB)が好ましい。この赤外線センサによれば、応答時間2秒で計測精度は±0.8℃、再現性0.2℃以内、分解能0.1℃である。
As shown in FIG. 6, the
放射温度計24による測定では、同じ温度でも測定対象の材質や表面状態などにより、そこからの赤外線量は異なるので、あらかじめ放射率を設定しておく必要がある。放射率とは、黒体を1.0(100パーセント)としたときの比率として表記され、放射率測定器で測定した放射率を用いて0.4〜0.99の範囲で補正することができる。
In the measurement with the
つぎに、図9に示した昇降圧コンバータ2での昇降圧動作の原理を簡単に説明する。図9は、IGBT素子のスイッチング動作で生じる損失を示す図である。
昇圧動作では、昇圧用のスイッチング素子2BのIGBTQ2がオン(導通)のタイミングで、リアクトルLには電流I1が流れて、そこにL(I1)2/2のエネルギーが蓄積される。その後、スイッチング素子2Bがオフ(非導通)したとき、スイッチング素子2AのダイオードD1に電流が流れて、リアクトルLに蓄えられたエネルギーがコンデンサCに送られる。
Next, the principle of the step-up / step-down operation in the step-up / step-down
In boost operation, IGBT Q2 of the
降圧動作では、スイッチング素子2AのIGBTQ1がオン(導通)すると、リアクトルLには電流I2が流れて、そこにL(I2)2/2のエネルギーが蓄積される。その後に、スイッチング素子2Aがオフ(非導通)すると、スイッチング素子2BのダイオードD2に電流が流れて、リアクトルLに蓄えられたエネルギーが電源1へ回生される。
The step-down operation, IGBT Q1 of the
このような昇降圧動作において、IGBTQ1,Q2に生ずる損失は、図9に示すようにスイッチング素子2A,2Bの動作状態が、それぞれ活性領域(スイッチング時)と飽和領域で発生する。飽和領域では、スイッチング素子2A,2Bのエミッタ・コレクタ間の電圧が低いため、大電流が流れても損失は比較的少ない。しかし、活性領域ではエミッタ・コレクタ間の電圧は低くないので大きな損失が発生し、これらの損失が許容値を超過するとIGBTQ1,Q2が熱的に破壊され、上述のような昇降圧動作ができなくなる。そして、車両などの輸送機器にこのような昇降圧コンバータ2が使用される場合には、IGBTQ1,Q2の破壊による影響が大きい。
In such a step-up / step-down operation, the loss generated in the IGBTs Q1 and Q2 occurs in the active region (when switching) and the saturation region, respectively, as shown in FIG. In the saturation region, since the voltage between the emitter and collector of the
図10は、IGBTチップに埋め込まれた温度検出用ダイオードの特性を示す図である。図10(A)に示すように、IGBTチップには、温度検出用のダイオードが形成され、LV−ICの電流源からの定電流(IF)を印加して、温度検出用のダイオードの端子間電圧VFによって温度を検出するようにしている。図10(B)は、ダイオードの順方向降下電圧と温度との比例関係を示す特性図である。このようにダイオードの順方向降下電圧と温度とが比例関係にあるので、IGBTチップに埋め込まれた温度検出用ダイオードの端子間電圧を検出することによりIGBTチップの温度を検出することができる。 FIG. 10 is a diagram illustrating the characteristics of the temperature detection diode embedded in the IGBT chip. As shown in FIG. 10A, a temperature detection diode is formed on the IGBT chip, and a constant current (IF) from a current source of the LV-IC is applied between the terminals of the temperature detection diode. The temperature is detected by the voltage VF. FIG. 10B is a characteristic diagram showing a proportional relationship between the forward voltage drop of the diode and the temperature. Thus, since the forward voltage drop of the diode and the temperature are in a proportional relationship, the temperature of the IGBT chip can be detected by detecting the voltage between the terminals of the temperature detection diode embedded in the IGBT chip.
図11はIGBTのゲートドライブに用いる制御回路の構成を示すブロック図である。
この制御回路40では、PWM信号が2値化回路41に供給され、論理回路42、およびMOSFETドライバ43を介してIGBTゲートドライブ信号が生成される。この制御回路40は、IGBT温度信号が供給される温度信号比較器45、IGBT電流信号が供給される電流信号比較器46、およびアラーム信号を生成する論理回路47を備える。温度検出用のダイオードでの順方向降下電圧が、IGBTQ1,Q2が破壊温度に至る手前に設定された閾値電圧以下になると、IGBTゲートドライブ信号を遮断し、単独でスイッチング動作を停止させる保護機能(過熱防止機能)が設けられている。
FIG. 11 is a block diagram showing a configuration of a control circuit used for the gate drive of the IGBT.
In the
また、別途温度検出用のダイオードでの順方向降下電圧を、フォトカプラなどを介して上位システムに伝送することにより、上位システムでIGBTチップの温度を監視し、所定温度に到達すると、スイッチング周波数を低下させるようにしている。ここでは、さらに温度上昇が持続すると、IGBTゲートドライブ信号を遮断することによって、システムとしてIGBTQ1,Q2の熱的破壊が防止できる。 In addition, by separately transmitting the forward voltage drop in the temperature detection diode to the host system via a photocoupler, etc., the host system monitors the temperature of the IGBT chip. I try to lower it. Here, if the temperature rise continues further, the IGBT Q1 and Q2 can be prevented from being thermally destroyed as a system by blocking the IGBT gate drive signal.
以上述べたように、この実施の形態4に係る温度計測装置201によれば、パワー半導体モジュール10をヒータ21により温度制御しながら、所定の温度に加熱して、金属ベース板11の温度を正確に知ることができ、IGBTチップ12に埋め込まれた温度検出用ダイオードの出力と比較することにより、温度検出用ダイオードの温度特性を正確に知ることができる。したがって、温度検出用ダイオードの温度特性にバラツキがあっても、それに対応して後段回路において精度よく補正することができ、その温度測定に必要とする工数を削減できる。
As described above, according to the
また、温度検出用ダイオードの温度特性のバラツキを精度よく補正しているため、IGBTチップ12の温度を正確に監視することができ、所定温度に到達した際のスイッチング周波数を低下、さらに温度上昇が持続した際のIGBTゲートドライブ信号の遮断といった保護動作を正確なものとすることできる。
Moreover, since the variation in temperature characteristics of the temperature detection diode is accurately corrected, the temperature of the
100 パワー半導体モジュール
11 金属ベース板
12 IGBTチップ
13 セラミック基板
14 外囲ケース
15 主端子
16 金属膜
17 金属微粉末
18 金属箔
20 筐体
21 ヒータ
22 熱板
22h 測定窓
24 放射温度計
25 誘導加熱用コイル
27 トッププレート
28 凹部
29 ボルト
30 温度制御装置
31 電源
201 温度計測装置
DESCRIPTION OF
Claims (10)
エンジニアリングプラスチックからなるトッププレートの上面に前記パワー半導体モジュールを固定する際に、前記トッププレートと前記金属ベース板との隙間に被加熱材料を挿入して密着させ、
前記被加熱材料を媒介にして前記パワー半導体モジュールの前記金属ベース板を加熱し、
前記トッププレートを透過して前記被加熱材料から放射される赤外線に基づいて前記パワー半導体モジュールの温度を測定する、
ことを特徴とする温度計測方法。 In a temperature measurement method for measuring a temperature of a power semiconductor module that includes a metal base plate for heat dissipation and has a built-in temperature detection diode,
When fixing the power semiconductor module on the top surface of the top plate made of engineering plastic, insert the material to be heated into the gap between the top plate and the metal base plate,
Heating the metal base plate of the power semiconductor module through the material to be heated;
Measuring the temperature of the power semiconductor module based on infrared rays transmitted through the top plate and radiated from the heated material;
A temperature measurement method characterized by that.
エンジニアリングプラスチックからなるトッププレートと、
前記トッププレートの上面に前記金属ベース板を密着させて前記パワー半導体モジュールを固定する固定手段と、
前記トッププレートと前記パワー半導体モジュールの前記金属ベース板との隙間に挿入される被加熱材料と、
前記被加熱材料を媒介にして前記パワー半導体モジュールの前記金属ベース板を加熱するための誘導加熱手段と、
前記トッププレートを透過して前記被加熱材料から放射される赤外線に基づいて前記パワー半導体モジュールの温度を測定する放射温度測定手段と、
を備えたことを特徴とする温度計測装置。 In a temperature measurement device for measuring a temperature of a power semiconductor module that includes a metal base plate for heat dissipation and has a built-in temperature detection diode,
A top plate made of engineering plastic,
Fixing means for fixing the power semiconductor module by bringing the metal base plate into close contact with the upper surface of the top plate;
A material to be heated inserted into a gap between the top plate and the metal base plate of the power semiconductor module;
Induction heating means for heating the metal base plate of the power semiconductor module through the material to be heated;
Radiation temperature measuring means for measuring the temperature of the power semiconductor module based on infrared rays that are transmitted through the top plate and radiated from the heated material;
A temperature measuring device comprising:
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