JP4590548B2 - 勢力圏図作成装置及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、パターン認識、地理情報処理、コンピュータグラフィックス、形状設計、物理シミュレーションなどに用いられる勢力圏図(一般化ボロノイ図とも呼ばれる)を高速かつ安定に算出するための装置及び方法に関する。本発明は、技術的には、アルゴリズム工学、画像処理、計算幾何学に関する技術に関するものであり、さらに、特にこれらの技術をコンピュータ上で実行する場合を想定した新たな工学的手法にも関する。
勢力圏図は、様々な技術分野で広く応用されている。土木関係において地理的な位置関係を検証するための技術や、機械技術において、物体と物体との干渉可能性を検証するためのシミュレーション等で使用される場合等が多い。また、ある領域に複数の物体を格納する場合の、物体間の干渉を検証するための技術としても用いられる。例えば、ワイヤーハーネス中に径の異なる電線(又は光ファイバー)を収容しようとする場合に、なるべく多くの電線を収容する方法を求めるための基本技術として、この勢力圏図を用いることが提案されている。
さて、勢力圏図(一般化ボロノイ図)は、ある空間に、生成元と呼ばれる複数の図形が設けられている場合に、その空間を各生成元に最も「近い」部分空間にそれぞれ分割した図である。一般的には、この分割した各部分空間は、生成元の個数と同数個存在する。
ここで、いずれの生成元に「近い」かは、いわゆる一般化距離で求める。したがって、この空間においては、所定の一般化距離が規定されている必要がある。
例えば、2次元、3次元又は一般の次元の空間における有界な領域と、生成元と呼ばれる有限個の図形と、この有界な領域内の任意の点から生成元までの一般化距離が与えられている。このような状況の下で、その領域は、それぞれの生成元に最も近い点を集めた勢力圏に分割される。空間が2次元であれば、求められる各勢力圏も2次元であり、空間が3次元であれば求められる各勢力圏も3次元である。そして、各勢力圏の「仕切り」を境界と呼ぶ。このような複数の勢力圏(及びその境界)からなる分割図形が、勢力圏図(又は一般化ボロノイ図)である。
図7には、勢力圏図の1例が示されている。この図においては、2次元の平面中に、生成元G1、G2、G3、G4、G5、G6が設けられている。G6は、リング状(環)の生成元であり、G1、G2、G3、G4、G5は、円板状の生成元である。そして、G6の内部の空間を各勢力圏に分割した例が示されている。勢力圏P1は、生成元G1に近い領域であり、勢力圏P2は生成元G2に近い領域である。また、勢力圏P3は、生成元G3に近い領域であり、勢力圏P4は生成元G4に近い領域である。生成元G6の内部の領域中のいずれの点についても最も近い生成元が存在するので、このように各勢力圏に分割することができる。ここで、「近い」とは、所定の距離の尺度が与えられることによって判断することが可能となる。距離の概念に含まれれば、日常的な意味における距離以外の任意の尺度の距離を適用することが可能である。一般に距離の概念に含まれる尺度は「一般化距離」又は「一般距離」とも呼ばれる。例えば、マンハッタン距離等も一般化距離の一例であり、勢力圏図の作成に適用することが可能である。
勢力圏図の効率のよい計算法は、計算幾何学と呼ばれるアルゴリズム理論の分野で開発され、多様な種類の一般化距離に対して、多くのものが提案されている。
その代表的なものには、逐次添加法、分割統治法、平面走査法、投影法がある。これらの内容は、下記非特許文献1及び下記非特許文献1に述べられている参考文献に詳しい。
しかし、計算幾何学の分野で提供される計算法を、コンピュータに組込んで計算装置として実現しようとするとき、大きな問題が発生する。それは、計算の不安定性である。
計算幾何学においては、数値計算は正しく行われるという前提で、計算法が設計される。一方、コンピュータの中では、数値は浮動小数点表示と呼ばれる方法で近似的に表されるため、誤差が発生する。この誤差のために、勢力圏図の構造が誤って判定されることがあり、その結果、理論的にはあり得ない状況に陥って、計算が破綻する。したがって、理論的に正しい計算法をそのままコンピュータプログラムにインプリメントしても、正常に動作する計算装置は得ることは難しい。
この計算の不安定性を克服するために、従来から種々の計算安定化の方法が提案されてきた。それらの方法は、主に下記の3種類に大別される。
多倍長計算による方法
第一の計算安定化の方法は、勢力圏図の構造を常に正しく判定するのに十分な精度の高い多倍長計算を用いる方法である。これは厳密計算法又は整数帰着法と呼ばれる。この方法によれば、誤差なく計算が進行するから、勢力圏図の構造が正しく決定され、理論どおりに計算ができる。この方法の詳しい解説は、下記非特許文献2等に記載されている。
ディジタル画像近似法
第二の計算安定化の方法は、勢力圏図をディジタル画像の形式を模した方法を用いて近似的に計算する方法である。
よく知られているように、一般的に、ディジタル画像は一つの画像を複数の画素群で表現する手法が採用されている。すなわち、一つの画像は格子状に区切られており、各「区画」は画素と呼ばれている。そして、各画素毎に、色や明るさ等の値が設定されている。
この第二の方法においては、空間をディジタル画像のように複数の画素に分割し、それぞれの画素がどの勢力圏に属するかを決定することによって、勢力圏図の作成が(近似的に)行われる。この第二の方法はディジタル画像近似法と呼ばれる。
よく知られているように、この「画素」は縦と横に整然と並んでおり、勢力圏を作成する対象となる領域を埋め尽くしているので、矛盾のない分割構造をもともと有している。なお、「矛盾のない」という言葉の意味については後に詳述する。
したがって、たとえ一般化距離の計算に誤差が発生して、画素が属する勢力圏が誤って決定されても、領域分割図形としては不整合の生じる余地はない。その結果、たとえコンピュータの上で計算誤差が発生しても、計算の安定性は保たれるため、計算の破綻を防ぐことができる。
ディジタル画像近似法の例は、例えば、下記非特許文献3に提案されている。さらに、より簡便なディジタル画像近似法が下記非特許文献5に記載されている。
位相優先法
第三の計算安定化の方法は、勢力圏図の境界が矛盾なくつながることを最優先の条件として計算を進める方法である。数値計算結果はこの条件に反しない場合にのみ採用することによって、計算誤差が発生しても、少なくとも矛盾が生じないことを保証する計算方法である。なお、ここでいう「矛盾が生じない」については、後に詳述する。
この第三の方法は位相優先法と呼ばれる。この方法によれば、浮動小数点で計算が実行できるから、高速に計算が可能である。位相優先法については、下記非特許文献4に詳しい記載がある。
グラフ構造と勢力圏図
勢力圏図を求めるとは、各勢力圏の境界を求めることを一般には含む概念である。そして、勢力圏図においては、各勢力圏を区切る境界は、頂点と辺からなるグラフ構造をなしている。これは既に示した図7からも明らかであろう。換言すれば、このグラフ構造(位相)は、境界の頂点と頂点間を結ぶ辺の関係に他ならない。
そして、勢力圏図は、勢力圏図の境界の各頂点の座標と、境界の上記位相関係(グラフ構造)が判明すれば、求めることが可能である。概念的に言えば、境界の各頂点の座標とグラフ構造の情報に基づき、生成元から等距離の点を求めることによって辺が描かれる。このことは、既に知られている事項である。
このようにして、頂点座標に基づき勢力圏図の境界の頂点を描き、頂点に基づき辺を描くことができれば、その結果が勢力圏図である。
このように、勢力圏図を描く場合に、勢力圏図の境界が表すグラフ構造(位相関係)は非常に重要である。上述した位相優先法も、この位相に着目した方法の一つである。
岡部篤行、バレーブーツ、杉原厚吉、ソンノックチョイ著「空間分割―ボロノイ図とその応用」(2000年ジョンワイリー社刊) 杉原厚吉著「FORTRAN計算幾何プログラミング」(1998年岩波書店刊) G.ボルゲホルス著、ディジタル画像における距離変換(Distance transformation in digital images)、コンピュータビジョン・グラフィックス・画像処理(Computer Vision,Graphics and Image Processing)、第34巻、1986年刊、344−371ページ 杉原厚吉著「計算幾何工学」(1994年 培風館刊) 渕田孝康、森邦彦、村島定行著「波面法を用いた2次元一般図形離散ボロノイ図の作成」、電子情報通信学会論文誌、第J83−D−I巻(2000年)、第9号、927ページ−935ページ
上述した第一の計算安定化法である厳密計算法は、勢力圏の境界が複雑な曲線となる場合には、非常に高い精度の計算が必要になるため、計算効率が著しく劣化してしまうという問題がある。
上述した第二の計算安定化法であるディジタル画像近似法は、近似の精度を高めようとすると、「画素」の数を増やす必要があり、「画像」が巨大になりがちである。非常に大きな画像(画素数が多い画像)を用いる場合は、それに比例して計算効率が劣化してしまう。しかも、それでもなお近似図しか得られない。
また、上述した第三の計算安定化法である位相優先法は、計算効率は劣化しないが、勢力圏図の種類毎に境界が矛盾なくつながるための固有の条件を見つけなければならない。したがって、勢力圏図を作成しようとする対象毎に、個別の工夫と個別の計算構造を作らなければならない。したがって、この方法を用いるためには、高度の専門知識が要求され、汎用性に乏しい。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、その目的は以下の通りである。
・従来の方法に比べて計算効率を向上させた勢力圏図計算装置を提供すること。
・近似図しか得られないという制限がない勢力圏図計算装置を提供すること。 ・高度の専門知識を必要としない汎用性を有する勢力圏図計算装置を提供すること。
・これらの特徴を有する勢力圏図計算装置を構成するためのコンピュータプログラムを提供すること。
(1)上記課題を解決するために、本発明は、平面上に配置されている複数の生成元に対して、前記平面を、前記各生成元に近い部分平面である勢力圏に分割し、前記各生成元の前記勢力圏を算出する勢力圏図計算装置において、前記平面を小領域に分割する小領域分割手段と、前記小領域が最も近い生成元の識別子を各小領域に付し、近似勢力圏図を作成するラベル手段と、前記近似勢力圏図において識別子の値が異なる小領域の境界がなすグラフである境界グラフの構造を抽出する境界グラフ構造抽出手段と、前記抽出した境界グラフの構造に基づきこの境界グラフの頂点が隣接する小領域の前記識別子を求めることによって、この頂点が隣接する勢力圏を求める頂点位相算出手段と、前記頂点位相算出手段で求めたその頂点が隣接する勢力圏に基づき、最終的に求めたい勢力圏の境界の頂点の座標を算出する座標計算手段と、を含むことを特徴とする勢力圏図計算装置である。
ディジタル画像生成手段が、平面を小領域に分割し、ラベル手段がラベル付けすることによって近似勢力圏図を作成する。近似勢力圏図は、境界グラフの構造を抽出できればよいので粗い近似で十分である。そのため、計算量を増大させずに勢力圏図の算出が行える。
(2)また、本発明は、上記(1)記載の勢力圏図計算装置において、前記小領域の大きさは、前記生成元の間の距離のうち、最も小さい距離の値の1/2未満であることを特徴とする勢力圏図計算装置である。
小領域は粗く設定すればすればするほど計算量は減るが、粗すぎる(小領域の大きさが大きい)と小さな勢力圏が無視されてしまう場合もある。そこで、このように1/2未満に設定すれば、全ての勢力圏に対して近似勢力圏図を求めることができる。
(3)また、本発明は、上記(1)記載の勢力圏図計算装置において、前記小領域分割手段は、前記空間を行と列からなる行列状に分割し、分割後の一つの行に含まれる各小領域を行方向に位置をシフトすることを特徴とする勢力圏図計算装置である。
シフトすることによって、4以上の勢力圏に隣接する頂点の発生を防止することができる。
(4)また、本発明は、上記(3)記載の勢力圏図計算装置において、前記小領域分割手段の前記シフトする量が、前記小領域の大きさの略1/2であることを特徴とする勢力圏図計算装置である。
このように、1/2のシフト量とすることによって、頂点の分布に偏りが生じることを防止することができる。
(5)また、本発明は、上記(1)記載の勢力圏図計算装置において、前記小領域分割手段は、各小領域が六角形となるように小領域分割を行うことを特徴とする勢力圏図計算装置である。
このように六角形を平面を埋め尽くすように配置することによっても、4以上の勢力圏に隣接する頂点の発生を防止することができる。
(6)また、本発明は、3次元空間上に配置されている複数の生成元に対して、前記3次元空間を、前記各生成元に近い領域毎に分割し、前記各生成元の勢力圏を算出する勢力圏図計算装置において、前記3次元空間を小領域に分割する小領域分割手段と、前記小領域が最も近い生成元の識別子を各小領域に付するラベル手段と、前記識別子の値が異なる小領域の境界がなすグラフである境界グラフの構造を抽出する境界グラフ構造抽出手段と、前記抽出した境界グラフの構造に基づきこの境界グラフの頂点に隣接する小領域に付されている生成元の識別子を求めることによって、最終的に求めたい勢力圏の境界がなすグラフの頂点が隣接する勢力圏の生成元を求める頂点位相算出手段と、前記頂点位相算出手段で求めた生成元に基づき、最終的に求めたい勢力圏の境界がなすグラフの頂点の位置を算出する座標計算手段と、を含むことを特徴とする勢力圏図計算装置である。
このような構成によって、上記(1)と同様の作用を3次元空間でも得ることが可能である。
(7)また、本発明は、上記(6)記載の勢力圏図計算装置において、前記小領域の大きさは、前記生成元の間の距離のうち、最も小さい距離の値の1/2未満であることを特徴とする勢力圏図計算装置である。
このような構成によって、小さい勢力圏が無視されてしまうことがない。
(8)また、本発明は、上記(6)記載の勢力圏図計算装置において、前記小領域分割手段は、前記空間を縦・横・奥行き方向に所定間隔で区切ることによって、直方体からなる各小領域に分割し、分割後の一つの行に含まれる各小領域を行方向に位置をシフトし、分割後の一つの面に含まれる各小領域をその面と平行な方向にシフトすることを特徴とする勢力圏図計算装置である。
このようにシフトすることによって、境界グラフの頂点に隣接する勢力圏の数がたかだか4個とすることができる。
(9)また、本発明は、上記(8)記載の勢力圏図計算装置において、前記小領域分割手段の前記シフトする量が、前記小領域の大きさの略1/3であることを特徴とする勢力圏図計算装置である。
このように、シフト量を1/3とすることによって、境界グラフの頂点の分布に偏りが生じるのを防止することができる。
(10)また、本発明は、n次元空間上に配置されている複数の生成元に対して、前記n次元空間を、前記各生成元に近い領域毎に分割し、前記各生成元の勢力圏を算出する勢力圏図計算装置において、前記n次元空間を小領域に分割する小領域分割手段と、前記小領域が最も近い生成元の識別子を各小領域に付するラベル手段と、前記識別子の値が異なる小領域の境界がなすグラフである境界グラフの構造を抽出する境界グラフ構造抽出手段と、前記抽出した境界グラフの構造に基づきこの境界グラフの頂点に隣接する小領域に付されている生成元の識別子を求めることによって、最終的に求めたい勢力圏の境界がなすグラフの頂点が隣接する勢力圏の生成元を求める頂点位相算出手段と、前記頂点位相算出手段で求めた生成元に基づき、最終的に求めたい勢力圏の境界がなすグラフの頂点の位置を算出する座標計算手段と、を含むことを特徴とする勢力圏図計算装置である。ここで、前記nは4以上の整数である。
このような構成によって、上記(1)(6)と同様の作用効果をn(nは4以上の整数)次元空間における勢力圏図の作成でも得ることが可能である。
プログラムの発明
以下、上述した(1)−(10)の発明をプログラムとして表現したものであり、その作用効果は、上記(1)−(10)と基本的に同様である。
(11)本発明は、上記課題を解決するために、平面上に配置されている複数の生成元に対して、前記平面を、前記各生成元に近い部分平面である勢力圏に分割し、前記各生成元の前記勢力圏を算出する勢力圏図計算装置として、コンピュータを動作させるプログラムにおいて、前記コンピュータに、前記平面を小領域に分割する小領域分割手順と、前記小領域が最も近い生成元の識別子を各小領域に付し、近似勢力圏図を作成するラベル手順と、前記近似勢力圏図において識別子の値が異なる小領域の境界がなすグラフである境界グラフの構造を抽出する境界グラフ構造抽出手順と、前記抽出した境界グラフの構造に基づきこの境界グラフの頂点が隣接する小領域の前記識別子を求めることによって、この頂点が隣接する勢力圏を求める頂点位相算出手順と、前記頂点位相算出手段で求めたその頂点が隣接する勢力圏に基づき、最終的に求めたい勢力圏の境界の頂点の座標を算出する座標計算手順と、を実行させることを特徴とするプログラムである。
(12)また、本発明は、上記(11)記載のプログラムにおいて、前記小領域の大きさは、前記生成元の間の距離のうち、最も小さい距離の値の1/2未満であることを特徴とするプログラムである。
(13)また、本発明は、上記(11)記載のプログラムにおいて、前記小領域分割手順は、前記空間を行と列からなる行列状に分割し、分割後の一つの行又は列に含まれる各小領域を行方向又は列方向に位置をシフトすることを特徴とするプログラム。
(14)また、本発明は、上記(13)記載のプログラムにおいて、前記小領域分割手順における前記シフトする量が、前記小領域の大きさの略1/2であることを特徴とするプログラムである。
(15)また、本発明は、上記(11)記載のプログラムにおいて、前記小領域分割手順においては、各小領域が六角形であることを特徴とするプログラムである。
(16)また、本発明は、3次元空間上に配置されている複数の生成元に対して、前記3次元空間を、前記各生成元に近い領域毎に分割し、前記各生成元の勢力圏を算出する勢力圏図計算装置として、コンピュータを動作させるプログラムにおいて、前記コンピュータに、前記3次元空間を小領域に分割する小領域分割手順と、前記小領域が最も近い生成元の識別子を各小領域に付するラベル手順と、前記識別子の値が異なる小領域の境界がなすグラフである境界グラフの構造を抽出する境界グラフ構造抽出手順と、前記抽出した境界グラフの構造に基づきこの境界グラフの頂点に隣接する小領域に付されている生成元の識別子を求めることによって、最終的に求めたい勢力圏の境界がなすグラフの頂点が隣接する勢力圏の生成元を求める頂点位置算出手順と、前記頂点位相算出手段で求めた生成元に基づき、最終的に求めたい勢力圏の境界がなすグラフの頂点の位置を算出する座標計算手順と、 を実行させることを特徴とするプログラムである。
(17)また、本発明は、上記(16)記載のプログラムにおいて、前記小領域の大きさは、前記生成元の間の距離のうち、最も小さい距離の値の1/2未満であることを特徴とするプログラムである。
(18)また、本発明は、上記(16)記載のプログラムにおいて、前記小領域分割手順においては、前記空間を、縦・横・奥行き方向に所定間隔で区切り、直方体からなる各小領域に分割し、分割後の一つの行に含まれる各小領域を行方向に位置をシフトし、分割後の一つの面に含まれる各小領域をその面と平行な方向にシフトすることを特徴とするプログラムである。
(19)また、本発明は、上記(18)記載のプログラムにおいて、前記小領域分割手順においては、前記シフトする量が、前記小領域の大きさの略1/3であることを特徴とするプログラムである。
(20)また、本発明は、n次元空間上に配置されている複数の生成元に対して、前記n次元空間を、前記各生成元に近い領域毎に分割し、前記各生成元の勢力圏を算出する勢力圏図計算装置として、コンピュータを動作させるプログラムにおいて、前記コンピュータを、前記n次元空間を小領域に分割する小領域分割手順と、前記小領域が最も近い生成元の識別子を各小領域に付するラベル手順と、前記識別子の値が異なる小領域の境界がなすグラフである境界グラフの構造を抽出する境界グラフ構造抽出手順と、前記抽出した境界グラフの構造に基づきこの境界グラフの頂点に隣接する小領域に付されている生成元の識別子を求めることによって、最終的に求めたい勢力圏の境界がなすグラフの頂点が隣接する勢力圏の生成元を求める頂点位置算出手順と、前記頂点位相算出手段で求めた生成元に基づき、最終的に求めたい勢力圏の境界がなすグラフの頂点の位置を算出する座標計算手順と、を含むことを特徴とするプログラムである。ここで、前記nは4以上の整数である。
勢力圏図を生成する従来の方法では、勢力圏の境界のつながり方を表す境界グラフを計算することが、大きな計算時間を要すると同時に、計算の不安定性をもたらす原因でもあった。
本発明の装置では、境界グラフは、粗い近似図形でかまわないので、計算時間を短縮することができる。また、連結な図形で領域全体を埋め尽くす無矛盾な近似図形を生成できるので、計算の不安定性もない。
この結果、本発明によれば、計算時間が長くなってしまうことを防止しつつ、矛盾が生じないことが保証されるので、安定した計算が可能となる効果を奏する。特に、留意すべき点は、本発明は、近似の勢力圏図ではなく、正確な勢力圏図が生成できるという点である。
さらに、本発明は、従来、最も難しいとされてきた境界グラフの抽出までの計算を、小領域に分割した近似勢力圏図の上で行うという汎用的な手法を採用している。したがって、生成元や一般化距離の種類が変更されても、同様の汎用的な手法をそのまま適用することができるので、より汎用的な計算装置、プログラムを提供可能である。
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1には、本実施の形態の勢力圏図計算装置10の構成ブロック図が示されている。この図1に示すように、勢力圏図計算装置10は、ディジタル画像生成手段12と、ラベル手段14と、境界グラフ抽出手段16と、頂点位相算出手段18と、座標計算手段20と、を備えている。
本実施の形態において特徴的なことは、ディジタル画像を用いて、近似的な粗い勢力圏図を作成し、これに基づき、勢力圏図の境界がなすグラフ構造(位相構造)を検出したことである。そして、このグラフ構造に基づき境界の頂点の配置、すなわちどの生成元の間にあるのか、を知ることができるので、そのような配置に基づいて頂点の座標を算出することができる。本実施の形態においては、このような構成によって、計算速度を向上させつつ、正確な勢力圏図の作成を実現している。
(a)ディジタル画像作成手段
ディジタル画像生成手段12は、平面を一定の大きさに区分けし、各区分を表す画素からなるディジタル画像を作成する。作成したディジタル画像の様子が図3に示されている。図3における各四角の升目が「画素」である。この画素は、平面を区分けした各区分を表すものであり、平面状の区分と画素とは実質上同一視することが便利な場合もある。
したがって、本特許では、画素という言葉を、しばしば平面状の区分を表す言葉としても用いる。
さて、次に述べるように、各画素毎にどの生成元の勢力圏であるかを設定していくのである。
この画素の大きさ、すなわち1辺の長さは、大きければ大きいほど、いわば近似の程度が粗くなり、その結果、計算量を減少させることができる。しかし、画素の大きさが大きすぎると、本来的に小さな勢力圏の生成元に対して、ディジタル画像上で(近似の)勢力圏が求められずに無視されてしまう場合もある。本来の勢力圏の大きさが画素の数分の1である場合には、周囲の大きな勢力圏に埋もれてしまい、小さな勢力圏が無視されてしまうことも考えられる。このような状況を排除するために、本実施の形態では、画素の大きさ(1辺の長さ)を、勢力圏の間の最小距離の1/2未満に設定している。
画素の大きさをこのように設定することによって、各勢力圏が無視されることなく、近似的に求めることが可能である。この結果、いわゆる無矛盾のディジタル画像が得られる。本特許における「無矛盾」「矛盾のない」の意味は、後に述べる(2)ラベル付け動作において詳述する。
なお、ディジタル画像生成手段12は、コンピュータと、コンピュータをディジタル画像生成手段12として動作させるプログラムと、から構成することが好ましい。ディジタル画像は、画素を格子状に並べた如きデータ構造を実現できればどのようなデータでも良い。従来から知られているディジタル画像データのフォーマットを利用してもよいし、また、行列のデータを含む数値データファイルとして扱うことも好ましい。
なお、このディジタル画像生成手段12は、請求の範囲の小領域分割手段の好適な一例に相当する。また、「区分」「画素」は、請求の範囲の小領域の一例に相当する。
(b)ラベル手段
ラベル手段14は、ディジタル画像の各画素に、その画素が最も近い生成元の番号を付する。本実施の形態では、距離として、日常的なユークリッド距離を採用している。その結果、いわゆる普通の距離として画素から最も近い位置にある生成元の番号を各画素に付していく。このように数値を付すことによって、同じ数値が付された画素の集合が、その数値が示す生成元の「近似」勢力圏となる。本実施の形態では、このような近似の勢力圏を近似ディジタル画像と呼ぶ。
本実施の形態では、ユークリッド距離を採用したが、他の距離の尺度を用いることも好ましい。例えばマンハッタン距離等を採用することも好ましい。
なお、ラベル手段14は、コンピュータと、コンピュータをラベル手段14として動作させるプログラムと、から構成することが好ましい。所定の生成元の座標と画素との間の距離を求めることは、一般的なコンピュータプログラムで十分に実施可能であり、またディジタル画像の画素の値を所定の値に設定することも一般的なコンピュータプログラムで十分に実施可能である。
なお、生成元の番号は、請求の範囲の「生成元の識別子」の好適な一例に相当する。生成元を指し示すことができれば、番号以外の他の識別子を用いてももちろんかまわない。
(c)境界グラフ抽出手段
境界グラフ抽出手段16は、この近似ディジタル画像から、勢力圏の境界のグラフ構造を抽出する。このグラフを境界グラフと呼ぶ。
なお、境界グラフ抽出手段16は、コンピュータと、コンピュータを境界グラフ抽出手段16として動作させるプログラムと、から構成することが好ましい。
境界グラフの抽出は、値の異なる画素の間をトレースする技術・プログラムを用いて実施することが可能である。このような技術は、画像の輪郭線を抽出することや、画像から文字を読み取る技術等において従来からよく知られている技術である。したがって、当業者であればそのようなプログラムを作成することは容易である。
(d)頂点位相算出手段
頂点位相算出手段18は、上記境界グラフの中から頂点をとりだし、その頂点の周囲に存在する面、すなわち勢力圏を求める。この頂点位相算出18は、コンピュータと、コンピュータを頂点位相算出手段18として動作させるプログラムと、から構成することが好ましい。グラフの構造から、その頂点の周囲に存在する面(勢力圏)を知ることはグラフ構造の解析に基本的な動作であるので、当業者であれば容易にそのようなプログラムを作成可能である。
このように、頂点位相算出手段18は、頂点毎にその周囲の勢力圏を求めていく。
(e)座標計算手段
座標計算手段20は、各頂点の実際の座標を求める。上記頂点位相算出手段18によって、周囲の勢力圏が判明しているので、その頂点の周囲の生成元もまた判明する。したがって、本来、頂点はその周囲の生成元の中間に位置するので、3個の生成元の中間の座標を求めれば、その頂点の実際の座標を求めることができる。
このようにして、座標計算手段20は、各頂点の実際の位置(座標)を算出する。さらに、座標計算手段20は、勢力圏の境界がなすグラフの各頂点の座標を求めるとともに、その頂点間の辺も算出する。上述したように、境界の頂点の位置と、生成元の位置が判明すれば、境界の辺も描くことが可能であることが従来から知られている。
この座標計算手段20も、上述した各手段と同様に、コンピュータと、コンピュータを座標計算手段20として動作させるプログラムと、から構成することが好ましい。
このようにして、座標計算手段20は、境界の頂点の座標を求め、かつ、頂点間の辺をも描く。この結果、最終的に求めたい勢力圏図を求めることが可能である。
動作例
以下、具体的な動作を説明する。
図2には、与えられた空間と、空間上の生成元の例が示されている。この図2の例においては、空間は2次元平面であり、生成元はG1、G2、G3、G4、G5、G6の6個が示されている。生成元G1、G2、G3、G4、G5は「円」であり、生成元G6はリング状の円周である。また、距離はユークリッド距離を採用する。
(1)ディジタル画像生成動作
まず、ディジタル画像生成手段12は、与えられた平面中の各生成元の間の距離を算出する。そして、その中から最も短い距離を求める。求められた距離の1/2を画素の大きさとして記憶する。記憶は、コンピュータに用いられる種々の記憶手段中に行うことが可能である。記憶手段としては、ハードディスクや半導体メモリ、各種光学ディスク(CD−RW・DVD−RW等)を利用することができる。
本実施の形態では、空間として2次元平面の例を示すが、他の空間を外部から与えることも好ましい。この場合、その空間を表す所定のパラメータをディジタル画像生成手段12を実現するプログラムに供給することが好ましい。または、ディジタル画像生成手段12を実現するプログラムが、利用可能な空間の種別を利用者に提示した問い合わせを行い、利用者が所望の空間を選択する構成を採用することも好ましい。また、生成元を本実施の形態の勢力圏図計算装置に供給す際に、黙示的に空間を指定している場合も多いと考えられる。この場合、見かけ上は特に空間の指定が必要ない場合もある。
また、本実施の形態では、一般化距離としてユークリッド距離の例を示すが、他の種類の距離を外部から与えることも好ましい。また、ディジタル画像生成手段12を実現するプログラムが、利用可能な距離の種別を利用者に提示した問い合わせを行い、利用者が所望の距離を選択する構成を採用することも好ましい。また、距離を算出するプログラムをサブルーチンや、プラグインの形で外部から供給することも好ましい。
そして、ディジタル画像生成手段12は、求められた画素の大きさで、与えられた空間を区切り、各区分に対応する画素からなるディジタル画像を作成する。ディジタル画像は、画像データのフォーマットを利用することも好ましいし、一般的な行列のデータ構造を利用することも好ましい。この区分は、請求の範囲の小領域の好ましい一例に相当する。
この画素に所定の値を書き込むことによって、空間中の区分(小領域)にラベル付けを行う。つまり、空間上の各区分と、ディジタル画像中の画素とは、1対1に対応しているからである。そのため、空間上の各区分とディジタル画像中の画素とは、実質的には同一視することが可能である。そこで、本特許では、空間を区切った各区分も便宜上「画素」と呼ぶ場合がある。したがって、概念的には、上記画素も本請求の範囲の小領域の好ましい一例である。
さて、ディジタル画像生成動作では近似図形を得ることが目的であるので、近似は粗くてかまわない。つまり、画素の大きさは必要以上に小さくする必要はない。したがって、それぞれの生成元の勢力圏が少なくとも1個の画素を含むという制約を満たす範囲で、最も粗いディジタル画像を作ればよい。それ以上に近似の精度を高める必要はなく、計算効率を悪化させることはない。
(2)ラベル付け動作
ラベル手段14は、上記区切った各画素(区分)から最も近い生成元を算出する。そして、算出した生成元の番号を、対応する画素に書き込んでいく。ディジタル画像は、所定の記憶手段中に記憶されており、ラベル手段14を構成するプログラムが、各画素から最も近い生成元の番号を、ディジタル画像中の画素に書き込んでいくのである。この書き込みを、全画素に対して行う。行った結果が図3に示されている。
この図3において、生成元G1が最も近い生成元である画素には、「1」が付されている。また、生成元G2が最も近い生成元である画素には、「2」が付されている。同様に、「3」、「4」、「5」、「6」が付されている。
このように数値を付すことによって、同じ数値が付された画素の集合が、(その数値が示す生成元の「近似」勢力圏となる。
ところで、請求の範囲では、空間を分割した各小領域にラベル付け動作を実行している。このラベル付け動作は種々の実行方法が考えられるが、本実施の形態では、各小領域に対応した画素からなるディジタル画像をコンピュータの記憶手段中に作成し、この画素にラベル付けを行うことによって、実質的に小領域に対するラベル付けを行っている。このような手法はコンピュータのプログラムの構成方法によって種々の方法が考えられるので、利用可能なコンピュータによって別の手段・別の変数等を採用することももちろん好ましい。
なお、本実施の形態におけるディジタル画像を生成し、各画素に数値を入れる動作は、従来から知られている手法をそのまま利用可能である。たとえば、従来から知られているディジタル画像近似法の中でも最も簡単な、飛地を無視する方法(上記非特許文献5参照)を採用することが好ましい。この方法によって、それぞれの生成元の勢力圏は連結であることが保証され、かつ全ての画素がいずれかの生成元の勢力圏に属すことも保証されるから、平面を生成元と同じ数の連結領域へ分割した図形という意味で矛盾のない「近似」の勢力圏が得られる。図3における同じ値の数値が付された画素の集合が勢力圏である。具体的な勢力圏p1−p6の様子がその生成元と共に図4に示されている。図4において、勢力圏p1は、生成元G1の近似の勢力圏である。勢力圏p2は、生成元G2の近似の勢力圏である。以下、同様に勢力圏p3、p4、p5、p6は、生成元G3、G4、G5、G6の近似の勢力圏である。
図4に示した近似勢力圏は、ディジタル画像を用いて作成されているので、近似ディジタル画像と呼ぶ。
ここで作成される近似ディジタル画像は、矛盾のない分割図形である。本特許における「矛盾のない」「無矛盾」について説明する。矛盾のない又は無矛盾とは、
・分割した各領域が連結であること。
・生成元の個数と、近似勢力圏の個数が一致すること。
・各近似勢力圏に重なりがないこと。
・全ての画素がいずれかの勢力圏に含まれること、すなわち空きがないこと。
という条件が全て満たされる場合を言う。
ディジタル画像の生成、及び、ラベル付け、の目的は、境界グラフを抽出するために必要な平面分割図形を生成することである。この分割した図形が無矛盾であるためには、それぞれの生成元に対する(近似の)勢力圏が1個以上の画素を持つことが必要である。換言すれば、このような条件を満たす範囲でなるべく粗いディジタル画像を用いることによって、計算量の減少を図ることができる。上で述べたように、画素の大きさを、生成元の間の距離の中で、最も短い距離の1/2未満の大きさにすることによって、上記の条件を満たすことが可能である。
なお、このラベル付け動作は、請求の範囲のラベル動作の好適な一例に相当することは言うまでもない。
(3)境界グラフの抽出動作
境界グラフ抽出手段16は、値の異なる画素の間を辿っていく動作(トレース)を行うことによって、境界グラフ(の構造)を抽出する。抽出した境界グラフの概念図が図5に示されている。トレースをすることによって、グラフの「辺」を辿ることが可能であり、3個以上の値の異なる画素が隣接している点をグラフの「頂点」であると認識することができる。このようなグラフの抽出は従来から知られている技術であるので、詳細な説明は省略する。図5に示す例では、v1、v2、v3、v4、v5、v6、v7、v8の8個の頂点が見いだされている。3個以上の値の異なる画素が隣接する点は、すなわち3個以上の勢力圏が接続する点である。境界グラフの頂点を抽出することによって、このような点を見つけ出すことができる。この技術は、従来から典型的な画像処理技術として知られている。
特に、ラベル付け動作後の近似ディジタル画像が矛盾のない分割図形であるから、境界グラフの抽出動作で抽出される境界グラフは、平面グラフであることが保証される。
(4)頂点位相算出動作
上述のようにして見つけられた8個の頂点v1−v8は、3個の勢力圏に隣接している。そして、頂点位相算出手段18は、動作各頂点毎にその周囲の3個の勢力圏を求める。これはグラフのデータ構造から求めることができる。
本実施の形態では、グラフのデータ構造は、頂点のデータ、辺のデータだけでなく、面のデータも含むデータである。この面とは近似の勢力圏であることは言うまでもない。そして、面(近似の勢力圏)のデータは、平面上時計回り(又は反時計回り)にその面の周囲を形成する頂点を順番に並べたデータを一つの面とするデータである。そして、各面のデータは、その面が表す勢力圏の生成元の番号も含まれている。これによって、各面がどの(生成元の)勢力圏を表すのかを知ることができる。
便宜上、面の番号と、生成元の番号とを一致させておくことで実質的に面のデータ中に生成元のデータも含めておくことが好ましい。たとえば、図4、図5において、面P1のデータは、P1:v1、v2、v3 となる。面P1の名称そのものが、生成元の番号1を表しているが、もちろん別の番号付けをしてもかまわない。また、他グラフ構造としては、一般的なグラフ構造のデータと同様に、各頂点、各辺のデータも含むものである。
このような面のデータを含めているので、各頂点の周囲の勢力圏及びその勢力圏の基礎となった生成元を知ることができる。
(5)座標計算動作
次に、境界における各頂点の実際の座標を求める。各頂点の位相、すなわち、周囲の隣接する勢力圏及びその勢力圏の基礎となる生成元、が判明するのでこれに基づき各頂点の実際の座標を求める。この動作は座標計算手段20が実行する。
頂点v3を例にして説明する。
座標計算手段20は、まず、グラフ構造から頂点v3がどの面(勢力圏)に隣接するかを検索する。すると、グラフ構造から、
P1:v3、v2、v1
P2:v3、v8、v6、v4、v2
P5:v7、v8、v3、v1
の3個の勢力圏が見いだされるので、頂点v3の周囲に隣接することが判明する。これはすなわち、頂点v3が、3個の生成元G1、G2、G5から等距離の座標に位置することを意味する。したがって、座標計算手段20は、この3個の生成元G1、G2、G5から等距離の位置の座標を計算する。求められた座標が頂点v3の実際の値である。
以下、他の頂点に関しても周囲に隣接する勢力圏の基礎となった生成元を求め、これら生成元から等距離の点(いわば中間位置)を求めることによって、各頂点の実際の座標を算出する。
このように、境界の頂点は、各生成元(G1−G6)から選ばれた3個の生成元から等距離の位置に存在することは、幾何的に明らかであり、また、直感的にも明らかであろう。その様子が図6に示されている。図6には、境界の頂点の「実際の」位置と、各生成元との位置関係を表す図が示されている。座標計算手段20は、この「実際の」位置を求めるのである。この図に示すように、各生成元G1−G6の間に頂点v1−v8が設けられている。たとえば、頂点v3は、生成元G1、G2、G5から等距離の位置に存在する。図6においては、頂点v3の周囲に破線で円を示し、この「等距離」を視覚的に明らかにしている。
各頂点v1−v8の実際の位置を求めた後、座標計算手段20は、各頂点間に張られている辺の計算を行う。各辺は、各頂点の実際の位置に基づき、辺の両側の生成元から等距離にある点の集合として求められる。
このようにして図4、図5の近似図形から、境界グラフの辺を抽出し、座標計算手段20がそれらの辺のを計算した結果が図7に示されている。この図7に示す図形(のデータ)が、本実施の形態の装置で生成される勢力圏図である。
このように、本実施の形態によれば、高度の専門知識がなくても、迅速に勢力圏図を求めることができる勢力圏図計算装置が提供可能である。図4・図5と図7を見比べると、図4・図5が非常に粗い近似図形であるにもかかわらず、最終的には、図7で示す通り正確な勢力圏図が生成できることが本実施の形態から明らかである。
実施の形態2−A(画素のシフト)
画素の並びとして、図3では正方格子状(碁盤の目状)に四角形の画素が並んでいるものを採用したが、行を1つおきにずらした(シフトした)画素群を用いることも好ましい。このような画素の並びの様子が図8に示されている。
図8には、奇数行の画素を1/2画素分だけ行方向にずらしている。このような並びを採用して、近似の勢力圏図(図4等)を作成した場合、4個以上の勢力圏が共通の境界点を持つことがなくなるので、計算の単純化を実現することが可能である。もちろん偶数行でも同様であることは言うまでもない。
図3に示したような碁盤の目状の画素の並びの場合、各点に4個の辺が接続しているので、生成元の配置によっては、4個の勢力圏の共通の境界点が(実際には共通ではないのに)見かけ上発生してしまう場合がある。この様子が図9に示されている。
図9(1)には、実際の勢力圏の一部が示されている。この図においては、4個の生成元(円で示される)が描かれており、各生成元の勢力圏の境界が細線で示されている。この図9上では、境界の頂点は2個描かれている。この図9(1)の例に対して、実施の形態1で示した方法で画素を構成し、近似の勢力圏を求めた例が図9(2)に示されている。この図に示すように、本来正確には2個の頂点となるべきところが、近似の結果、1個の頂点として認識されてしまっている。これを「退化」と呼ぶ。実施の形態1の手法ではこのような退化を防止するためには一定の工夫が必要となってしまう。
これに対して、本実施の形態2においては、画素の並びを図8の如き態様にした。この図8から明らかなように、この並びの画素を採用した場合、原理的に退化は発生しない。その理由は、図8の画素の並びでは、たかだか3個の勢力圏のみが共通の境界点を持ちうるからである。これによって、4個以上の勢力圏が共通の境界点を持ってしまうという「退化」を完全に防止することが可能である。この様子が、図9(3)に示されている。
したがって、特段の工夫をすることなく、無矛盾の近似の勢力圏(近似ディジタル画像)を求めることが可能である。特別の工夫が不要となるため、一層計算の高速化を図ることが可能である。なお、ここでは、奇数行の行をずらす(シフトする)という構成を採用したが、結局、隣接する行の間でずれて(シフトして)いれば発明としては十分である。それは、シフトされていれば、各頂点に隣接する領域(勢力圏)の数をたかだか3にすることができるので、原理的に、4個の勢力圏に共通の頂点が発生してしまうことはなくなるからである。
なお、図8では、行を1行おきにずらす場合を説明しているが、列を1列おきにずらす場合も同様であることは言うまでもない。
実施の形態2−B(六角形の画素)
画素の並びとして、図3では正方格子状(碁盤の目状)に四角形の画素が並んでいるものを採用したが、六角形の画素を並べて平面を埋め尽くす構成を採用することも好ましい。このような画素の並びの様子が図10に示されている。
図10には、六角形の画素が平面上に隙間なく並べられている様子が示されている。このような並びを採用して、近似の勢力圏図(図4等)を作成した場合、4個以上の勢力圏が共通の境界点を持つことがなくなるので、計算の単純化を実現することが可能である。
図10に示した画素配置の場合は、各頂点がたかだか3個の面(勢力圏)にのみ隣接しているので、4個以上の勢力圏の共通の頂点が発生してしまう退化の可能性がないからである。
実施の形態3(高次元空間)
これまで平面、すなわち2次元空間上での勢力圏図を説明してきたが、より高次元の空間で勢力圏図を作成する場合にも本発明は容易に応用可能である。
たとえば、3次元の空間で勢力圏図の作成には、ディジタル画像生成手段12が、四角形の画素の代わりに、立方体を用いればよい。この立方体を縦と横と高さの方向に3次元的に並べた3次元ディジタル画像を用いることによって、3次元勢力圏図計算装置を実現することができる。しばしばこのような立方体は画素(ピクセル)に対応し、ボクセルと呼ばれる場合がある。この立方体も、請求の範囲の小領域の好適な一例に相当する。
そして、各立方体にラベル付けをして、近似ディジタル画像(3次元)を得る。3次元であるため、「近似ディジタル立体画像」と呼ぶことも好ましい。この画像から境界のグラフ構造を抽出し、境界の頂点の位相を算出する。この位相に基づいて、実際の境界の頂点の座標を計算すると共に、辺の座標も求める。このようにして3次元空間における勢力圏図を容易に求めることができる3次元勢力圏図計算装置が得られる。
なお、時間軸も加えて、4次元の空間に対して勢力圏図を求める際にももちろん本発明は応用可能である。たとえば、施設の利用予約をする際に、各予約が時間的にどの程度離れているのか、各予約の時間的要素も含めた勢力圏図を求めることによって、予約間の干渉等を調べることができ、より効率的な時空間の利用が期待される。
さらに、4以上の任意の整数nに対して、n次元超立方体をn次元方向に並べたn次元ディジタル画像を無矛盾近似図形生成部において生成することによって、請求の範囲に示した高次元の勢力圏図計算装置を実現できる。このような高次元の勢力圏図計算装置もコンピュータで実現することが可能である。高次元のデータをコンピュータで取り扱うことは従来のソフトウェア技術から十分に可能なことである。高次元のデータを取り扱うには、高次元の配列データを用いて計算処理を行うことが好ましいが、従来から知られている他のソフトウェア技術・ハードウェア技術を用いることももちろん好ましい。たとえば、ハードウェアとしてベクトル型のプロセッサを用いることも好ましい。
実施の形態4(高次元空間+画素のシフト)
上述したように、3次元空間における勢力圏図を求める場合は、立方体を3次元の碁盤の目状(ルービックキューブの如く立方体を並べたもの)に並べ、各立方体に対してラベル付けをすることによって、近似ディジタル立体画像を得ていたが、この立方体を実施の形態2のようにずらす(シフトする)ことも好ましい。
このような立体的な「画素」をずらす様子を表す説明図が図11に示されている。図11(1)に示すように、まず第1層の画素(立方体)中において、各行は、互いに行方向に少しずつずらされている。ずらす量はおよそ画素の大きさ(画素の辺の長さ)の1/3程度が好ましい。同様に、第2層についても、第1層と同様に、各行は隣接する他の行に対して画素の大きさの1/3ずつずらされている(図11(2))。
そして、この第1層と第2層とは、重ねられているが、その際に列方向に第2層がずらされて、第1層と重なっている。この様子が図11(3)に示されている。この図11(3)において、第1層は実線で、第2層は破線で示されている。
このように立方体を配置すれば、いわゆる退化を防止することができるため、上記実施の形態2と同様に計算の単純化を図ることができ、計算の高速化を図ることが可能である。
なお、3次元の場合の退化は、5個以上の勢力圏が共通の境界を有することを言う。さらに、上で述べた例では、行の画素を行方向にずらし、第2層を列方向にずらしたが、逆でももちろんかまわない。
さらに、4以上の任意の整数nに対して、n次元超立方体をn次元方向に並べたn次元ディジタル画像をディジタル画像生成手段12が生成することによって、より高次元の勢力圏図計算装置を実現可能である。
本発明の好適な実施の形態における勢力圏図計算装置の構成ブロック図である。 与えられた空間と、空間上の生成元の例を示す説明図である。 ディジタル画像の様子を示す説明図である。 近似の勢力圏p1−p6の様子を示す説明図である。 境界グラフの概念図である。 境界の頂点の「実際の」位置と、各生成元との位置関係を表す図である。 本実施の形態において作成した勢力圏図である。 1行おきに行に含まれる画素を1/2画素分ずらした様子を示す説明図である。 退化の様子を示す説明図である。 平面を6角形の画素で埋め尽くす場合の説明図である。 3次元空間において画素をずらす様子を表す説明図である。
符号の説明
10 勢力圏図計算装置
12 ディジタル画像生成手段
14 ラベル手段
16 境界グラフ抽出手段
18 頂点位相算出手段
20 座標計算手段
G1、G2、G3、G4、G5、G6 生成元
p1、p2、p3、p4、p5、p6 近似の勢力圏
P1、P2、P3、P4、P5、P6 勢力圏
v1、v2、v3、v4、v5、v6、v7、v8 境界グラフの頂点

Claims (20)

  1. 平面上に配置されている複数の生成元に対して、前記平面を、前記各生成元に近い部分平面である勢力圏に分割し、前記各生成元の前記勢力圏を算出する勢力圏図計算装置において、
    前記平面を小領域に分割する小領域分割手段と、
    前記小領域が最も近い生成元の識別子を各小領域に付し、近似勢力圏図を作成するラベル手段と、
    前記近似勢力圏図において識別子の値が異なる小領域の境界がなすグラフである境界グラフの構造を抽出する境界グラフ構造抽出手段と、
    前記抽出した境界グラフの構造に基づきこの境界グラフの頂点が隣接する小領域の前記識別子を求めることによって、この頂点が隣接する勢力圏を求める頂点位相算出手段と、
    前記頂点位相算出手段で求めたその頂点が隣接する勢力圏に基づき、最終的に求めたい勢力圏の境界の頂点の座標を算出する座標計算手段と、
    を含むことを特徴とする勢力圏図計算装置。
  2. 請求項1記載の勢力圏図計算装置において、前記小領域の1辺の長さは、前記生成元の間の距離のうち、最も小さい距離の値の1/2未満であることを特徴とする勢力圏図計算装置。
  3. 請求項1記載の勢力圏図計算装置において、
    前記小領域分割手段は、
    前記平面を行と列からなる行列状に配置される小領域群に分割し、
    分割後の一つの行に含まれる複数の小領域群を行方向に位置をシフトすることを特徴とする勢力圏図計算装置。
  4. 請求項3記載の勢力圏図計算装置において、
    前記小領域分割手段の前記シフトする量が、前記小領域の1辺の長さの1/2であることを特徴とる勢力圏図計算装置。
  5. 請求項1記載の勢力圏図計算装置において、
    前記小領域分割手段は、各小領域が六角形となるように小領域分割を行うことを特徴とする勢力圏図計算装置。
  6. 3次元空間上に配置されている複数の生成元に対して、前記3次元空間を、前記各生成元に近い領域毎に分割し、前記各生成元の勢力圏を算出する勢力圏図計算装置において、
    前記3次元空間を小領域に分割する小領域分割手段と、
    前記小領域が最も近い生成元の識別子を各小領域に付するラベル手段と、
    前記識別子の値が異なる小領域の境界がなすグラフである境界グラフの構造を抽出する境界グラフ構造抽出手段と、
    前記抽出した境界グラフの構造に基づきこの境界グラフの頂点に隣接する小領域に付されている生成元の識別子を求めることによって、最終的に求めたい勢力圏の境界がなすグラフの頂点が隣接する勢力圏の生成元を求める頂点位相算出手段と、
    前記頂点位相算出手段で求めた生成元に基づき、最終的に求めたい勢力圏の境界がなすグラフの頂点の位置を算出する座標計算手段と、
    を含むことを特徴とする勢力圏図計算装置。
  7. 請求項6記載の勢力圏図計算装置において、前記小領域の大きさは、前記生成元の間の距離のうち、最も小さい距離の値の1/2未満であることを特徴とする勢力圏図計算装置。
  8. 請求項6記載の勢力圏図計算装置において、
    前記小領域分割手段は、
    前記空間を縦・横・奥行き方向に所定間隔で区切り、直方体からなる小領域群に分割し、
    分割後の一つの行に含まれる複数の小領域群を行方向に位置をシフトし、
    分割後の一つの面に含まれる複数の小領域群をその面と平行な方向にシフトすることを特徴とする勢力圏図計算装置。
  9. 請求項8記載の勢力圏図計算装置において、
    前記小領域分割手段の前記シフトする量が、前記小領域の1辺の長さの1/3であることを特徴とする勢力圏図計算装置。
  10. n次元空間上に配置されている複数の生成元に対して、前記n次元空間を、前記各生成元に近い領域毎に分割し、前記各生成元の勢力圏を算出する勢力圏図計算装置において、
    前記n次元空間を小領域に分割する小領域分割手段と、
    前記小領域が最も近い生成元の識別子を各小領域に付するラベル手段と、
    前記識別子の値が異なる小領域の境界がなすグラフである境界グラフの構造を抽出する境界グラフ構造抽出手段と、
    前記抽出した境界グラフの構造に基づきこの境界グラフの頂点に隣接する小領域に付されている生成元の識別子を求めることによって、最終的に求めたい勢力圏の境界がなすグラフの頂点が隣接する勢力圏の生成元を求める頂点位相算出手段と、
    前記頂点位相算出手段で求めた生成元に基づき、最終的に求めたい勢力圏の境界がなすグラフの頂点の位置を算出する座標計算手段と、
    を含むことを特徴とする勢力圏図計算装置。ここで、前記nは4以上の整数である。
  11. 平面上に配置されている複数の生成元に対して、前記平面を、前記各生成元に近い部分平面である勢力圏に分割し、前記各生成元の前記勢力圏を算出する勢力圏図計算装置として、コンピュータを動作させるプログラムにおいて、前記コンピュータに、
    前記平面を小領域に分割する小領域分割手順と、
    前記小領域が最も近い生成元の識別子を各小領域に付し、近似勢力圏図を作成するラベル手順と、
    前記近似勢力圏図において識別子の値が異なる小領域の境界がなすグラフである境界グラフの構造を抽出する境界グラフ構造抽出手順と、
    前記抽出した境界グラフの構造に基づきこの境界グラフの頂点が隣接する小領域の前記識別子を求めることによって、この頂点が隣接する勢力圏を求める頂点位相算出手順と、
    前記頂点位相算出手段で求めたその頂点が隣接する勢力圏に基づき、最終的に求めたい勢力圏の境界の頂点の座標を算出する座標計算手順と、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
  12. 請求項11記載のプログラムにおいて、前記小領域の大きさは、前記生成元の間の距離のうち、最も小さい距離の値の1/2未満であることを特徴とするプログラム。
  13. 請求項11記載のプログラムにおいて、
    前記小領域分割手順は、
    前記平面を行と列からなる行列状に配置される小領域群に分割し、
    分割後の一つの行に含まれる複数の小領域群を行方向に位置をシフトすることを特徴とするプログラム。
  14. 請求項13記載のプログラムにおいて、
    前記小領域分割手順の前記シフトする量が、前記小領域の1辺の長さ大きさの1/2であることを特徴とするプログラム。
  15. 請求項11記載のプログラムにおいて、
    前記小領域分割手順においては、各小領域が六角形であることを特徴とするプログラム。
  16. 3次元空間上に配置されている複数の生成元に対して、前記3次元空間を、前記各生成元に近い領域毎に分割し、前記各生成元の勢力圏を算出する勢力圏図計算装置として、コンピュータを動作させるプログラムにおいて、前記コンピュータに、
    前記3次元空間を小領域に分割する小領域分割手順と、
    前記小領域が最も近い生成元の識別子を各小領域に付するラベル手順と、
    前記識別子の値が異なる小領域の境界がなすグラフである境界グラフの構造を抽出する境界グラフ構造抽出手順と、
    前記抽出した境界グラフの構造に基づきこの境界グラフの頂点に隣接する小領域に付されている生成元の識別子を求めることによって、最終的に求めたい勢力圏の境界がなすグラフの頂点が隣接する勢力圏の生成元を求める頂点位置算出手順と、
    前記頂点位相算出手段で求めた生成元に基づき、最終的に求めたい勢力圏の境界がなすグラフの頂点の位置を算出する座標計算手順と、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
  17. 請求項16記載のプログラムにおいて、前記小領域の1辺の長さは、前記生成元の間の距離のうち、最も小さい距離の値の1/2未満であることを特徴とするプログラム。
  18. 請求項16記載のプログラムにおいて、
    前記小領域分割手順は、
    前記空間を、縦・横・奥行き方向に所定間隔で区切り、直方体からなる小領域群に分割し、
    分割後の一つの行に含まれる複数の小領域群を行方向に位置をシフトし、
    分割後の一つの面に含まれる複数の小領域群をその面と平行な方向にシフトすることを特徴とするプログラム。
  19. 請求項18記載のプログラムにおいて、
    前記小領域分割手順においては、
    前記シフトする量が、前記小領域の1辺の長さの1/3であることを特徴とするプログラム。
  20. n次元空間上に配置されている複数の生成元に対して、前記n次元空間を、前記各生成元に近い領域毎に分割し、前記各生成元の勢力圏を算出する勢力圏図計算装置として、コンピュータを動作させるプログラムにおいて、前記コンピュータを、
    前記n次元空間を小領域に分割する小領域分割手順と、
    前記小領域が最も近い生成元の識別子を各小領域に付するラベル手順と、
    前記識別子の値が異なる小領域の境界がなすグラフである境界グラフの構造を抽出する境界グラフ構造抽出手順と、
    前記抽出した境界グラフの構造に基づきこの境界グラフの頂点に隣接する小領域に付されている生成元の識別子を求めることによって、最終的に求めたい勢力圏の境界がなすグラフの頂点が隣接する勢力圏の生成元を求める頂点位置算出手順と、
    前記頂点位相算出手段で求めた生成元に基づき、最終的に求めたい勢力圏の境界がなすグラフの頂点の位置を算出する座標計算手順と、
    を含むことを特徴とするプログラム。ここで、前記nは4以上の整数である。
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