以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明によるマイクロ波無線通信システムにおける統合監視制御端末の構成の一例を示すブロック図である。統合監視制御端末20は、装置シンボル描画機能部21と、IPアドレス自動割当機能部22と、系構成情報ダウンロード機能部23とを含む。
統合監視制御端末20は、具体的には、ワークステーションやパーソナルコンピュータ等の情報処理装置によって実現される。本実施の形態において、装置シンボル描画機能部21は、系構成を配置するための表示部を有し、系構成情報ダウンロード機能部23は、マイクロ波無線通信装置10(図2に示す)と通信できる通信インターフェース部を有する。装置シンボル描画機能部21、IPアドレス自動割当機能部22および系構成情報ダウンロード機能部23は、例えば、統合監視制御端末20の制御部によって実現される。制御部は、具体的には、プログラムに従って動作する情報制御装置のCPUによって実現される。
装置シンボル描画機能部21は、表示部に複数のマイクロ波無線通信装置10で構成される系構成を描画し、マイクロ波無線通信装置10の固有情報を登録する。この実施の形態では、マイクロ波無線通信装置10の固有情報として、MACアドレス(出荷時にマイクロ波無線通信装置に読込まれたアドレス)が使用される。
図2は、マイクロ波無線通信装置10の構成の一例を示すブロック図である。マイクロ波無線通信装置10は、装置全体を制御する制御部11と、無線回線部(送・受信)12と、有線回線部(送・受信)13と、分岐用有線回線部(送・受信)14と、監視制御端末インタフェース部15と、自MACアドレス保存部16と、系構成テーブル保存部17と、自IPアドレス保存部18と、アンテナ19とを含む。マイクロ波無線通信装置10がマスタ局に位置づけられる場合には、マイクロ波無線通信装置10は、監視制御端末インタフェース部15を介して、統合監視制御端末20に接続される。
自MACアドレス保存部16には、装置出荷時にMACアドレスが登録されている。系構成テーブル保存部17および自IPアドレス保存部18は、統合監視制御端末20で自動作成されたデータの保存部であり、統合監視制御端末20から系構成テーブルおよびIPアドレスのデータが送られてきたとき、それらのデータを保存する。
無線回線部(送・受信)12は、他のマイクロ波無線通信装置との間の無線通信を行う回路部であり、有線回線部(送・受信)13および分岐用有線回線部(送・受信)14は、他のマイクロ波無線通信装置との間の有線通信を行う回路部である。無線回線部(送・受信)12、有線回線部(送・受信)13、および分岐用有線回線部(送・受信)14は、ハードウェアの改造に応じて多分岐構造になる場合がある。
図3は、統合監視制御端末20の表示部に表示される画面の一例を示す説明図である。装置シンボル描画機能部21は、ネットワーク管理者(または、ユーザ)の操作に応じて、表示部に、1つ又は複数の1ホップ(2つのマイクロ波無線通信装置10が無線回線を介して接続されている状態)のマイクロ波無線通信装置10のシンボルを配置する。なお、装置シンボル描画機能部21は、ネットワーク管理者の操作に応じて、表示部に、マイクロ波無線通信装置10のシンボルのみを配置するようにしてもよい。
次いで、装置シンボル描画機能部21は、マイクロ波無線通信装置10のMACアドレス入力画面を表示する。また、ネットワーク管理者がローカル側(統合監視制御端末20をホストとする。すなわちローカル側は全てのマイクロ波無線通信装置10を含む)に設置されているマイクロ波無線通信装置のMACアドレスを入力すると、入力されたMACアドレスをマイクロ波無線通信装置に対応付ける。さらに、ネットワーク管理者が2つのマイクロ波無線通信装置10のシンボルをクリックしたことに応じて、装置シンボル描画機能部21は、有線回線(Back−Back接続)を表示部に描画する。なお、表示部に、マイクロ波無線通信装置10のシンボルのみを配置するようにした場合には、ネットワーク管理者が2つのマイクロ波無線通信装置10のシンボルをクリックしたことに応じて、有線回線又は無線回線を描画する。以下、有線回線又は無線回線を描画する場合を例にする。
図4は、統合監視制御端末20の表示部に表示される画面の他の例を示す説明図である。図4には、有線回線又は無線回線によりLAN接続された系の構成が示され、同一ネットワーク内に、マイクロ波無線通信装置が21個(すなわち、マイクロ波無線通信装置NE1〜マイクロ波無線通信装置NE21)が画面上に配置されている例が示されている。
IPアドレス自動割当機能部22は、ネットワークアドレス入力機能と、深さ優先探索によるIPアドレス自動割当機能とを有する。IPアドレス自動割当機能部22は、装置シンボル描画機能部21にマイクロ波無線通信装置10のMACアドレスが入力され、有線回線又は無線回線が描画された後に起動される。
IPアドレス自動割当機能部22が起動されると、IPアドレス自動割当機能部22は、ネットワークアドレス入力画面を表示部に表示する。ネットワーク管理者は、ローカル側に設置されるマイクロ波無線通信装置10に割当ててよいネットワークアドレスを入力する。
さらに、IPアドレス自動割当機能部22は、深さ優先探索で全てのマイクロ波無線通信装置10で構成されるネットワークをサブネットに分割し、各サブネットに許可されるネットワークアドレスを割当て、各マイクロ波無線通信装置10のシンボルにIPアドレスを割当てる。IPアドレス自動割当機能部22は、それぞれのマイクロ波無線通信装置10のMACアドレスとIPアドレスとをMACアドレス/IPアドレス照合データベースに記憶する。
図5は、MACアドレス/IPアドレス照合データベースに記憶される内容の一例を示す説明図である。MACアドレス/IPアドレス照合データベースには、ネットワークマップ画面上のシンボルに対応するシンボル番号、MACアドレスおよびIPアドレスの他に、ブロードキャスト結果および装置情報取得結果が含まれる。
図6は、統合監視制御端末20のIPアドレス自動割当機能の一例を示す説明図である。図6に示す例では、図4に示す系構成において、マイクロ波無線通信装置NE1が、Root NE(先頭装置)になっている。Root NEおよびBranch NE(分割された各サブネットの先頭装置)のサブネットマスク値が255.255.255.248(1サブネットに許容されるNE数は6)である場合、深さ優先探索によって、ネットワークが、それぞれ最大6個のNE数を含む複数のサブネットに分割されていることを表している。
サブネットマスク値は説明のために小さい値にされているが、実際の装置では、1サブネットのNE数をもっと大きくとれるサブネットマスク値が設定されている。深さ優先探索により、1つのネットワークが、サブネット1→サブネット2→サブネット3→サブネット4→サブネット5→サブネット6→サブネット7→サブネット8の順番でサブネットに分割される。そして、各サブネットの先頭装置から順番にIPアドレスが割当てられていく。各サブネットにおけるマイクロ波無線通信装置には、各サブネット毎に許容されるネットワークアドレスの先頭IPアドレスから順番にIPアドレスが割り当てられる。
サブネット2、サブネット7が末端の装置1つでサブネットを構成している理由は、装置の増設時にこのサブネットを先頭にして深さ優先探索のルールをスタートさせることが可能なようにサブネットを切っているからである。この場合、サブネット2やサブネット7に接続される装置を増設した場合には、サブネット2やサブネット7の先頭装置のIPアドレスはそのままで、新規の装置に対して、残っているIPアドレスを続きで割当てることができる。
統合監視制御端末20における系構成情報ダウンロード機能部23は、MACアドレス/IPアドレスリストをブロードキャスト送信する機能およびマイクロ波無線通信装置10の装置情報取得機能を有する。系構成情報ダウンロード機能部23は、MACアドレス/IPアドレス照合データベースから抽出されたMACアドレス/IPアドレスのリストを、通信インターフェース部を介して、LAN接続されている全マイクロ波無線通信装置にブロードキャスト送信する。なお、統合監視制御端末20は、マスタ局のマイクロ波無線通信装置と通信インターフェース部を介して接続されており、マスタ局のマイクロ波無線通信装置と他のマイクロ波無線通信装置とは、無線回線又は有線回線を介してLAN接続されている。
ブロードキャスト送信後、MACアドレスに対応するマイクロ波無線通信装置から、応答があった場合は、図5に示すように、ブロードキャスト結果を「NG」から「OK」に変更する。
系構成情報ダウンロード機能部23は、装置情報取得機能によって、ブロードキャスト結果が「OK」になったマイクロ波無線通信装置に対して装置情報要求を送信する。装置情報要求に対して、該当するマイクロ波無線通信装置から装置情報が取得できた場合、図5に示す装置情報取得結果を「NG」から「OK」に変更する。
本実施の形態では、統合監視制御端末20の表示部に配置した各マイクロ波無線通信装置10のシンボルに対応するマイクロ波無線通信装置のMACアドレスが統合監視制御端末20に入力され、そのMACアドレスにより、マイクロ波無線通信システムにおけるマイクロ波無線通信の機器管理が行われる。
また、IPアドレス自動割当機能部22が、ネットワークをサブネットに分割する方法として、深さ優先探索を応用して用いることにより、ネットワーク構成が多分岐構成になった場合でも対応できる。
次に、動作について説明する。図7および図8は、本発明によるマイクロ波無線通信システムにおいて、深さ優先探索を応用して1ネットワークをサブネットに分割していく分割方法の一例を示すフローチャートである。
ここでは、サブネットの先頭装置のシンボル名称をブランチシンボルとし、深さ優先探索を応用した分割方法をブランチシンボル自動設定という。また、サブネットの先頭装置をBranch NEという。前提条件として、統合監視制御端末20側からBranch NEを決定し、さらに、深さ優先探索の応用で他のBranch NEを自動設定していく場合を例にする。
IPアドレス自動割当機能部22は、NEの先頭をRoot NE(統合監視制御端末20に直接繋がる装置)に設定する(ステップS1)。
IPアドレス自動割当機能部22は、LIFO型(Last In First Out)の複数のスタック等を準備し初期化する。この例では、スタックA=空、スタックB=空に設定する。さらに、IPアドレス自動割当機能部22は、変数C=0、フラグD=0、キューE=空に設定する(ステップS2)。キューEには、取り出されたNEが蓄積される。
IPアドレス自動割当機能部22は、サブネットの先頭NEのサブネットマスク値を確認する。そして、サブネットマスク値からサブネット数を計算し、サブネット数を変数Cに保存する(ステップS3)。
IPアドレス自動割当機能部22は、サブネットの先頭NEをスタックAに入れる(ステップS4)。IPアドレス自動割当機能部22は、スタックAからNEを取り出す(ステップS5)。IPアドレス自動割当機能部22は、フラグDが0であるか否かを判定する(ステップS6)。そして、フラグDが0である場合には、スタックAから取り出したNEをキューEに入れる。フラグDの初期値は0であるので、IPアドレス自動割当機能部22は、スタックAから取り出したNEをキューEに入れる(ステップS7)。キューEのNE数の確認処理に進む。
キューEのNE数の確認処理において、IPアドレス自動割当機能部22は、変数C(サブネット数)が、取り出し済みのNE数(キューEの中のNE数)と同数であるか判定する(ステップS14)。取り出し済みのNE数が、変数Cよりも少ない場合、すなわち、No(”>”(少ない))であれば、取り出したNEの履歴確認処理に進む。取り出したNEの履歴確認処理において、IPアドレス自動割当機能部22は、取り出したNEが、過去に訪れたNEであるか判定する(ステップS16)。最初は過去に訪れたNEではないので、IPアドレス自動割当機能部22は、取り出したNEに繋がるNEがあるかを判定する(ステップS17)。取り出したNEに繋がるNEがない場合は、ステップS18に進む。
最初は繋がるNEがあるので、IPアドレス自動割当機能部22は、そのNEに繋がる全てのNEを、スタックAに追加する。そのNEに繋がるNEが複数ある場合、図9に示す優先順位の低いポートからスタックAに入れる。図9は、4つのポートの優先順位リストを示す説明図である。図9に示すリストを用いた場合には、スタックAに、優先順位が最も低いポートから、ポート4、ポート3、ポート2、ポート1の順に入れる。なお、ポート数が多くなった場合には、ポート優先順位リストにポートを追加することができる。また、応用例として優先順位も可変とすることできる。また、取り出したNEに繋がるNE数が2つ以上である場合、スタックBに多分岐の元となったNEを保存しておく(ステップS19)。そして、ステップS21に進む。
IPアドレス自動割当機能部22は、スタックAが空であるかを判定する(ステップS21)。スタックAが空ではない場合、ステップS5のスタックAからNEを取り出す処理に戻る。これを繰り返すことにより、スタックAからのNEをキューEにためる。スタックAが空である場合、キューEにたまっているNEで、サブネットを閉じる。そして、スタックA、スタックB、変数C、およびキューEをクリアして(ステップS22)、一連の処理を終了する。
ステップS14において、IPアドレス自動割当機能部22が、変数C(サブネット数)が、取り出し済みのNE数と同数である(変数C=取り出し済みのNE数)と判定した場合、キューEにたまっているNEでサブネットを閉じる。IPアドレス自動割当機能部22は、最後に取り出したNEを、新しいBranch NEに設定し、キューEをクリアする初期化処理を実行する(ステップS15)。そして、IPアドレス自動割当機能部22は、元に戻ってステップS3のサブネットの先頭NEのサブネットマスク値を確認する。サブネットマスク値で決定されるサブネット数を変数Cに保存する(ステップS3)。
ステップS16において、取り出したNEが、過去に訪れたNEであると判定された場合、IPアドレス自動割当機能部22は、そのNEに繋がるNEがないか否かを判定する(ステップS18)。すなわち、IPアドレス自動割当機能部22は、末端のNEでサブネットが切られてしまう場合、そのNEに繋がるNEが無いか否かにより判定する。IPアドレス自動割当機能部22は、そのNEに繋がるNEがあると判定した場合、ステップS19に進む。
IPアドレス自動割当機能部22は、そのNEに繋がるNEがないと判定した場合、フラグDを1に設定する(ステップS20)。そして、ステップS21に進む。
また、ステップS6において、フラグD=0でない(フラグD=1)場合には、IPアドレス自動割当機能部22は、取り出したNEの1つ前の接続先が、キューEの中に存在しているか否か判定する(ステップS8)。取り出したNEの1つ前の接続先が、キューEの中に存在している場合には、IPアドレス自動割当機能部22は、フラグDを初期化処理としてクリアする(ステップS9)。その後、ステップS14に進む。
ステップS8において、取り出したNEの1つ前の接続先がキューEの中に存在していないことを確認した場合、IPアドレス自動割当機能部22は、スタックAから取り出したNEをスタックAに戻し、キューEにたまっているNEでサブネットを閉じる。さらに、キューEおよびフラグDを、初期化処理としてクリアする(ステップS10)。
その後、IPアドレス自動割当機能部22は、スタックBが空であるか否かを判定する(ステップS11)。スタックBが空である場合、スタックA、スタックB、変数C、およびキューEをクリアして(ステップS12)、一連の処理を終了する。
スタックBが空でない場合、IPアドレス自動割当機能部22は、スタックBからNEを取り出し、分岐が残っていなければスタックBから取り出したNEを廃棄し、分岐が残っているNEを取り出すまでスタックBからNEを取り出す処理を繰り返す。IPアドレス自動割当機能部22は、取り出したNE(分岐が残っているNE)をBranch NEとする。そのとき、たどっていない分岐が2つ以上であったら、スタックBから取り出したNEをスタックBに戻す(ステップS13)。さらに、フローチャートに従って制御が実行されると、例えば図6に示されたように、1ネットワークが複数のサブネットに分割される。
次に、図4および図6に示した系構成を例にして、また、図7および図8のフローチャートを参照して、IPアドレス自動割当機能部22の動作について具体的に説明する。なお、上述したように、図6には、図4に示す1ネットワークが8つのサブネットに分割された例が示されている。また、図7および図8のフローチャートに記載されている処理については既に説明されているので、以下、説明を簡略化することがある。
IPアドレス自動割当機能部22は、図4に示されたマイクロ波無線通信装置NE1をRoot NEに設定する(ステップS1)。そして、ステップS2〜S7の処理を行う。この場合には、ステップS4において、スタックAにはNE1が入る。また、ステップS7において、キューEにNE1が入る。
IPアドレス自動割当機能部22は、ステップS14のキューEのNE数の確認処理に進む。この場合には、変数Cは6、取り出し済みのNE数は1であり、同数でないので、過去に訪れたNEであるか判定する(ステップS16)。最初は過去に訪れたNEではないので、IPアドレス自動割当機能部22は、取り出したNE1に繋がるNEがあるかを判定する(ステップS17)。NE1にはNE2のみが繋がっているので、IPアドレス自動割当機能部22は、NE1に繋がるNE2を、スタックAに追加する(ステップS19)。IPアドレス自動割当機能部22は、スタックAが空であるかを判定する(ステップS21)。スタックAには、NE2が入っているので、すなわち空ではないので、ステップS5のスタックAからNEを取り出す処理に戻る。これで、NE1についての処理が終了する。次に、NE2についての処理を実行する。
IPアドレス自動割当機能部22は、スタックAからNE2を取り出す(ステップS5)。すると、スタックAは空になる。続いて、ステップS6,S7の処理を行う。ステップS7の処理の実行後には、キューEには、NE1およびNE2が入っている。IPアドレス自動割当機能部22は、ステップS14のキューEのNE数の確認処理に進む。変数Cは6、取り出し済みのNE数は2であり、同数でないので、ステップS14からステップS16に進む。ステップS16において、取り出したNE2は過去に訪れたNEではないと判定され、IPアドレス自動割当機能部22は、取り出したNE2に繋がるNEがあるかを判定する(ステップS17)。NE2にはNE3のみが繋がっているので、IPアドレス自動割当機能部22は、NE3をスタックAに追加する(ステップS19)。IPアドレス自動割当機能部22は、スタックAが空であるかを判定する(ステップS21)。スタックAには、NE3が入っているので、ステップS5のスタックAからNEを取り出す処理に戻る。これで、NE2についての処理が終了する。次に、NE3についての処理を実行する。
IPアドレス自動割当機能部22は、スタックAからNE3を取り出す(ステップS5)。すると、スタックAは空になる。続いて、ステップS6,S7の処理を行う。ステップS7の処理の実行後には、キューEには、NE1、NE2およびNE3が入っている。IPアドレス自動割当機能部22は、ステップS14のキューEのNE数の確認処理に進む。変数Cは6、取り出し済みのNE数は3であり、同数でないので、ステップS16に進む。ステップS16において、取り出したNE3は過去に訪れたNEではないと判定され、IPアドレス自動割当機能部22は、取り出したNE3に繋がるNEがあるかを判定する(ステップS17)。NE3にはNE4のみが繋がっているので、IPアドレス自動割当機能部22は、NE3に繋がるNE4を、スタックAに追加する(ステップS19)。IPアドレス自動割当機能部22は、スタックAが空であるかを判定する(ステップS21)。スタックAには、NE4が入っているので、ステップS5のスタックAからNEを取り出す処理に戻る。これで、NE3についての処理が終了する。次に、NE4についての処理を実行する。
IPアドレス自動割当機能部22は、スタックAからNE4を取り出す(ステップS5)。すると、スタックAは空になる。続いて、ステップS6,S7の処理を行う。ステップS7の処理の実行後には、キューEには、NE1、NE2、NE3およびNE4が入っている。IPアドレス自動割当機能部22は、ステップS14のキューEのNE数の確認処理に進む。変数Cは6、取り出し済みのNE数は4であり、同数でないので、ステップS16に進む。ステップS16において、取り出したNE4は過去に訪れたNEではないと判定され、IPアドレス自動割当機能部22は、取り出したNE4に繋がるNEがあるかを判定する(ステップS17)。NE4にはNE5のみが繋がっているので、IPアドレス自動割当機能部22は、NE4に繋がるNE5を、スタックAに追加する(ステップS19)。IPアドレス自動割当機能部22は、スタックAが空であるかを判定する(ステップS21)。スタックAには、NE4が入っているので、ステップS5のスタックAからNEを取り出す処理に戻る。これで、NE4についての処理が終了する。次に、NE5についての処理を実行する。
IPアドレス自動割当機能部22は、スタックAからNE5を取り出す(ステップS5)。すると、スタックAは空になる。続いて、ステップS6,S7の処理を行う。ステップS7の処理の実行後には、キューEには、NE1、NE2、NE3、NE4およびNE5が入っている。IPアドレス自動割当機能部22は、ステップS14のキューEのNE数の確認処理に進む。変数Cは6、取り出し済みのNE数は5であり、同数でないので、ステップS16に進む。ステップS16において、取り出したNE5は過去に訪れたNEではないと判定され、IPアドレス自動割当機能部22は、取り出したNE5に繋がるNEがあるかを判定する(ステップS17)。NE5には、NE6、NE8およびNE9が繋がっているので、IPアドレス自動割当機能部22は、NE5に繋がる全てのNEを、スタックAに追加する(ステップS19)。繋がるNEが、複数ある場合は、図9に示すように、優先順位の低いポートからスタックAに追加する。ここでは、スタックAに、NE6、NE9、NE8の順に入れる。又、取り出したNEに繋がるNEが二つ以上であるので、スタックBに多分枝の元となったNEを保存する。すなわち、スタックBにNE5を保存する。IPアドレス自動割当機能部22は、スタックAが空であるかを判定する(ステップS21)。スタックAには、NE6、NE9およびNE8が入っているので、ステップS5のスタックAからNEを取り出す処理に戻る。これで、NE5についての処理が終了する。次の処理を実行する。
IPアドレス自動割当機能部22は、スタックAからNE8を取り出す(ステップS5)。スタックAには、NE6およびNE9が残る。続いて、ステップS6,S7の処理を行う。ステップS7の処理の実行後には、キューEには、NE1、NE2、NE3、NE4、NE5およびNE8が入っている。IPアドレス自動割当機能部22は、ステップS14のキューEのNE数の確認処理に進む。変数Cは6、取り出し済みのNE数は6であるので、IPアドレス自動割当機能部22は、ステップS14において、変数C(サブネット数)が取り出し済みのNE数と同数である(変数C=取り出し済みのNE数)と判定する。IPアドレス自動割当機能部22は、キューEにたまっているNEでサブネットを閉じる(ステップS15)。すなわち、サブネット1が、NE1、NE2、NE3、NE4、NE5およびNE8を含むグループとして形成される。IPアドレス自動割当機能部22は、最後に取り出したNE8を、新しいBranch NEに設定し、キューEをクリアする初期化処理を実行する。そして、IPアドレス自動割当機能部22は、ステップS3に戻り、サブネットの先頭NEのサブネットマスク値を確認する。
次に、サブネット2の決定方法について説明する。ステップS3において、IPアドレス自動割当機能部22は、サブネットの先頭NEのサブネットマスク値を確認する。この例では、サブネットマスク値255.255.255.248が確認される。そして、サブネットマスク値255.255.255.248からサブネット数を計算し、変数Cとして6を保存する(ステップS3)。IPアドレス自動割当機能部22は、サブネットの先頭NEであるNE8をスタックAに入れる(ステップS4)。すなわち、スタックAには、NE6、NE9およびNE8が入っている。
IPアドレス自動割当機能部22は、スタックAからNE8を取り出す(ステップS5)。スタックAには、NE6およびNE9が残る。IPアドレス自動割当機能部22は、フラグDが0であるか否かを判定する(ステップS6)。続いて、ステップS6,S7の処理を行う。ステップS7の処理の実行後には、キューEにNE8が入る。IPアドレス自動割当機能部22は、ステップS14のキューEのNE数の確認処理に進む。変数Cは6、取り出し済みのNE数は1であり、同数でないので、ステップS16に進む。ステップS16において、取り出したNE8は過去に訪れたNEであると判定され、IPアドレス自動割当機能部22は、取り出したNE8に繋がるNEがあるかを判定する(ステップS18)。NE8に繋がるNEがないので、フラグDを1に設定する(ステップS20)。次いで、IPアドレス自動割当機能部22は、スタックAが空であるかを判定する(ステップS21)。スタックAには、NE6およびNE9が入っているので、ステップS5のスタックAからNEを取り出す処理に戻る。これで、NE8についての処理が終了し、ステップS5についての処理に進む。
IPアドレス自動割当機能部22は、スタックAからNE9を取り出す(ステップS5)。スタックAには、NE6が残る。IPアドレス自動割当機能部22は、フラグDが0であるか否かを判定する(ステップS6)。フラグDは0でない(フラグD=1)ので、IPアドレス自動割当機能部22は、取り出したNE9の1つ前の接続先が、キューEの中に存在しているか否か判定する(ステップS8)。NE9の1つ前の接続先NE5がキューEの中に存在していないので、IPアドレス自動割当機能部22は、スタックAから取り出したNE9をスタックAに戻し、キューEにたまっているNEでサブネットを閉じる。すなわち、サブネット2が、NE8を含むグループとして形成される。また、キューEおよびフラグDをクリアする(ステップS10)。この段階で、スタックAには、NE6およびNE9が入っている。
その後、IPアドレス自動割当機能部22は、スタックBが空であるか否かを判定する(ステップS11)。スタックBには、NE5が入っているので、IPアドレス自動割当機能部22は、スタックBからNE5を取り出し、分岐が残っていなければNE5を廃棄する。しかし、NE5は分岐が残っているNEであるから(図6参照)取り出したNE5をBranch NEとする。また、たどっていない分岐(NE6への分岐およびNE9への分岐)が2つ以上あるので、NE5をスタックBに戻す。
さらに、IPアドレス自動割当機能部22が図7および図8のフローチャートに従って制御を実行すると、サブネット3〜サブネット8を作成することができる。その結果、図6に示された1ネットワークを、人手を介さずに、すなわち自動的に、複数のサブネットに分割をすることができる。
図10は、統合監視制御端末20の動作を示すフローチャートである。統合監視制御端末20の動作を、図4および図6を参照して説明する。ネットワーク管理者(あるいはユーザ)は、統合監視制御端末20の表示部にマイクロ波無線通信装置10のシンボルを配置する。装置シンボル配置時に、装置シンボル描画機能部21は、各装置のMACアドレスを登録する画面を表示するので、ネットワーク管理者は、MACアドレスを登録する。ネットワーク管理者が、2つのシンボルをクリックすることにより、装置シンボル描画機能部21は、有線回線(Back−Back接続)又は無線回線を描画する(ステップS101)。
装置シンボル描画機能部21は、表示部に描画されている全装置に割振りたいネットワークアドレスを登録する画面を表示する。その画面において、ネットワーク管理者は、ネットワークアドレスを入力する(ステップS102)。すなわち、1ネットワークに使用してよいネットワークアドレスの範囲を決めるために、1つのネットワークアドレスを入力する。装置シンボル描画機能部21は、入力されたネットワークアドレスを、例えば統合監視制御端末20の記憶部に登録する。図6に例示されたネットワークの場合、例えば、ネットワークアドレスとして172.18.0.0、サブネットマスク値として255.255.0.0を設定する。
ネットワークアドレスが登録されると、IPアドレス自動割当機能部22が起動する。IPアドレス自動割当機能部22は、ブランチシンボル自動設定機能により、Branch NEになった順番で、先頭からサブネットが割当てられる(ステップS103)。1番はRoot NE、次はブランチシンボル自動設定によって、Branch NEになった順番でサブネットが割当てられる。
IPアドレス自動割当機能部22は、ネットワーク管理者によって登録されたネットワークアドレスを、各サブネットの先頭NEのサブネットマスク値の内容によって分割していく(ステップS104)。図6に例示されたネットワークの場合、例えば、サブネットマスク値を255.255.255.248(NE数6)にしているので、ネットワークアドレスをサブネットの若番から分割していくことになる。サブネット1は、ネットワークアドレス172.18.0.0、サブネットマスク値255.255.255.248であるので、使用できるIPアドレスは、172.18.0.1〜172.18.0.6となる。サブネット2は、ネットワークアドレス172.18.0.8、サブネットマスク値255.255.255.248であるので、使用できるIPアドレスは、172.18.0.9〜172.18.0.14となる。サブネット3は、ネットワークアドレス172.18.0.16、サブネットマスク値255.255.255.248であるので、使用できるIPアドレスは、172.18.0.17〜172.18.0.22となる。以下、同様にサブネット4〜サブネット8についても、使用できるIPアドレスを設定していく。また、分割されて生成されたネットワークアドレスをサブネットネットワークアドレスという。
IPアドレス自動割当機能部22は、各サブネットに割り当てられたサブネットネットワークアドレスの若番IPアドレスから、キューEにためられていたNE順で、各NEに、親NE(Branch NE)からIPアドレスを割振る(ステップS105)。
そして、IPアドレス自動割当機能部22は、自動IPアドレス割振り(ステップS103〜S105の処理結果)から各NEの静的系構成情報を作成する(ステップS106)。
IPアドレス自動割当機能部22は、割振られたIPアドレスを、MACアドレス/IPアドレス照合データベースに保存する(ステップS107)。MACアドレス/IPアドレス照合データベースには、図5に示すように、シンボル番号に対応してMACアドレス/IPアドレス/ブロードキャスト結果/装置情報取得結果の欄が設けられている。系構成情報ダウンロード機能部23は、MACアドレス/IPアドレスリストを全マイクロ波無線通信装置10にブロードキャスト送信する。そして、マイクロ波無線通信装置10から応答を受信した場合、そのマイクロ波無線通信装置10に対応する静的系構成情報を送信し、マイクロ波無線通信装置10の監視情報を取得し画面上に反映する(ステップS108)。監視情報とは、マイクロ波無線通信装置10のアラーム情報およびステータス情報である。
図11は、Root NEの静的系構成情報の一例を示す説明図である。図11には、ネットワークアドレスが172.18.0.0で、図6に示したネットワーク例であるRoot NE/Branch NEのサブネットマスク値が255.255.255.248だった場合について、Root NEの静的系構成情報が示されている。図11に例示された静的系構成情報には、分割されたサブネット名に対応してネットワークアドレス/サブネットマスク/デフォルトゲートウェイの欄が設けられている。他Branch NEの静的系構成情報は、Root NEの静的系構成情報よりは少なく、配下のルーティング情報が判断できるようなデータ内容になっている。すなわち、静的系構成情報は、複数のマイクロ波無線通信装置10を含むネットワークの系構成(少なくともサブネットの系構成)を特定しうる情報になっている。
図12は、統合監視制御端末20と各マイクロ波無線通信装置10との間の動作を示すシーケンス図である。図12に示す例では、統合監視制御端末20が管理するネットワークに、複数のマイクロ波無線通信装置10、すなわち無線通信装置1、無線通信装置2、無線通信装置3から無線通信装置nが配置されている。以下、図11を参照して各無線通信装置への割当手順について説明する。
まず、統合監視制御端末20と無線通信装置1間のLANリンクが確立する(ステップS201)。各無線通信装置は、隣接する無線通信装置と無線回線や有線回線で繋がると、LAN接続のリンクが確立するハードウェア構造になっているとする。
統合監視制御端末20は、全無線通信装置にMACアドレス/IPアドレスリスト(MACアドレスとIPアドレスとが対応付けられて設定された識別情報)をブロードキャスト送信する(ステップS202)。MACアドレス/IPアドレスリストとは、図5に示されたMACアドレス/IPアドレス照合データベースのMACアドレスとIPアドレスのみを抽出したリストである。
各無線通信装置は、ブロードキャスト送信されたMACアドレス/IPアドレスリストにおけるMACアドレスのうち、自MACアドレス保存部16に登録されているMACアドレスと一致するMACアドレスを自MACアドレスとして検出する。例えば、無線通信装置1が、送信されてきたMACアドレス/IPアドレスリストから自MACアドレスを検出すると、リスト登録されている自MACアドレスに対応するIPアドレスを自IPアドレス保存部18に保存し、統合監視制御端末20に正常受信の応答を返信する(ステップS203)。
統合監視制御端末20は、無線通信装置1からの応答を受信すると、MACアドレス/IPアドレス照合データベースの対応するブロードキャスト結果をNGからOKに更新する(ステップS204)。
その後、統合監視制御端末20は、無線通信装置1に静的系構成情報を送信する(ステップS205)。静的系構成情報とは、図11に示されたRoot NEの静的系構成情報のデータである。
無線通信装置1が、送信されてきた静的系構成情報を受信すると、系構成テーブル保存部17に静的系構成情報を保存した後、統合監視制御端末20に正常受信の応答を返信する(ステップS206)。統合監視制御端末20は、無線通信装置1に装置情報要求を送信する(ステップS207)。
無線通信装置1は、装置情報要求を受信すると、装置情報を統合監視制御端末20に送信する(ステップS208)。
無線通信装置2から無線通信装置nについても、同じシーケンス(ステップ203〜ステップ208)で動作する。その結果、統合監視制御端末20は、統合監視制御端末20の表示部にシンボルで描画された全マイクロ波無線通信装置10の装置情報を取得できる。よって、統合監視制御端末20は、全マイクロ波無線通信装置10の装置情報を表示部に反映することができる。
本実施の形態によれば、統合監視制御端末20は、装置シンボル描画機能部21、IPアドレス自動割当機能部22および系構成情報ダウンロード機能部23を実装しているので、同一ネットワークにおけるマイクロ波無線通信装置のMACアドレスによる機器管理とIPアドレスの管理とをすることができる。
マイクロ波無線通信装置10は、自MACアドレスを検出し、統合監視制御端末20から送信されたIPアドレスおよび系構成情報を保存する。従って、マイクロ波無線通信装置10の設置時に、保守員が設置場所に行って順次装置を接続するだけで、統合監視制御端末20からIPアドレスおよび系構成情報を自動的に取得してマイクロ波無線通信装置10を運用状態にすることができる。その結果、保守員の作業効率化を図ることができる。
また、マイクロ波無線通信装置10の設置時に、人を介してIPアドレス割当てや系構成情報をマイクロ波無線通信装置にダウンロードさせる必要はなく、誤って異常データをマイクロ波無線通信装置にダウンロードさせて装置立ち上げができなくなったり、アドレスの重複登録による装置間のネットワーク接続異常などにより統合監視制御端末20が監視制御を正常に実施できなくなるという問題を回避することができる。
しかも、問題が発生した場合の原因を調査するために、各マイクロ波無線通信装置がダウンロードした情報を詳細に点検する多大な保守員の作業を回避することができる。
さらに、IPアドレス自動割当機能部22でのネットワーク内をサブネットに分割する方法として深さ優先探索を応用して用いているので、最適なIPアドレス割当てをすることができる。また、マイクロ波無線通信装置の無線区間や有線区間の分岐がハードウェアの改造などにより多分岐構造になった場合でも対応することができる。