JP4586070B2 - 判断しきい値レベルを変更する装置を有する受信器および同受信器を有する光学伝送システム - Google Patents

判断しきい値レベルを変更する装置を有する受信器および同受信器を有する光学伝送システム Download PDF

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Description

本発明は、判断しきい値レベルを変更する装置を有する光学受信器および同光学受信器を有する光学伝送システムに関する。特に、本発明は、レベル1のノイズ特性が濾波非干渉性光源とファブリ−ペローレーザダイオード(F−P LD)との波長差に応じて可変であることを利用して、光学受信器に入力されるパワーに応じて判断しきい値レベルを調整することによって伝送特性を向上可能な判断しきい値レベルを変更する装置を有する光学受信器および同光学受信器を有する光学伝送システムに関する。
既存の光ネットワークでの容量拡張が、徐々に増大しつつあるデータトラフィックに対応するとともに、種々のマルチメディアサービスを提供するために求められてきた。既存の銅ベースの光ネットワークでは、各加入者が利用できる帯域に制限がある。上記問題を解消する方法として、光ファイバベースの受動光ネットワーク(PON)技術への研究が活発に行われてきており、PONは柔軟かつトランスペアレントであり、広帯域を使用することが可能である。
現在、PON技術の中でも波長分割多重(WDM)が究極の解決策であると認識されている。WDMでは1つの波長を各加入者に割り当てなければならないため、波長分割多重−受動光ネットワーク(WDM−PON)技術の重要な要素は、低コスト送受信器を使用することでWDM−PON向けのシステムを具現することである。近年提唱されている波長ロックF−P LDは、WDM−PONでの経済的な光源として認識されている。ここで、波長ロックF−P LDは、濾波非干渉性光源または広帯域光源(以下、BLS)をマルチモードで発振するF−P LDに入射させ、F−P LDが準シングルモードで発振するようにF−P LDの波長を濾波BLSの波長にロックすることによって得られる光源である。
しかし、F−P LDの波長は周囲温度変化に伴って可変であり、F−P LDの変化する波長は濾波非干渉性光源の波長に一致せず、光信号の伝送品質の低下に繋がる。
図1は、従来技術による光伝送システムで使用されている光受信器の構造図を示す。図1に示すように、従来技術による光伝送システムで使用されている光受信器は、光信号を受信し、受信した光信号を電気信号に変換するフォトダイオード(PD)441、PD441によって変換された電気信号を事前増幅するトランスインピーダンス増幅器(TAI)442、TIA442によって増幅された電気信号がレベル「0」であるかそれともレベル「1」であるかを判断し、判断信号を増幅して出力する制限増幅器(LA)443、および増幅された判断信号からクロックおよびデータを生成するクロック・データリカバリ(CDR)444からなる。
LA443は高利得を有する増幅器であり、入力信号を判断しきい値レベルに対応する基準値と比較し、入力信号がレベル「0」(ローレベル)であるか、それともレベル「1」(ハイレベル)であるかを判断する機能を行う。すなわち、入力信号は、基準値よりも低い場合にレベル「0」と表され、基準値よりも高い場合にレベル「1」と表される。光伝送システムに応じて反転した光信号を基準値と比較することによって判断する場合、LA443は、入力信号が基準値よりも低い場合に入力信号をレベル「0」と判断し、基準値よりも高い場合にレベル「1」と判断する。一般に、光伝送システムでは、レベル「1」のノイズは、光増幅器の使用によりレベル「0」のノイズよりも大きいため、光信号パワーの有する値が高いほど、判断しきい値レベル(すなわち、基準値)の電圧値が低くなければならない場合に望ましい伝送特性の光信号を得ることができる。
さらに、後述した光信号の伝送特性は、光源としてBLSまたは発光ダイオード(LED)等の非干渉性光を使用する光伝送システムにも同様に当てはめることができる。本発明の実施形態として説明することになる波長ロックF−P LDの場合、波長ロックF−P LDは、波長ロックF−P LDの波長がその温度に応じて可変であり、よって最適な判断しきい値レベルが濾波非干渉性光源とF−P LDとの波長差に応じて可変であり、したがって温度に依存する特性も考慮しなければならないため最も複雑なケースである。
本発明の目的は、従来技術での問題を解決し、レベル「1」のノイズ特性が濾波非干渉性光源とF−P LDとの波長差に応じて可変であることを利用して、光受信器に入力されるパワーに応じて判断しきい値レベルを調整することによって伝送特性を向上可能な判断しきい値レベルを変更する装置を有する光受信器および同光学受信器を有する光学伝送システムを提供することである。
本発明の一態様によれば、本発明は、光信号を受信し、受信した光信号を電気信号に変換するフォトダイオード(PD)、PDによって変換された電気信号を事前増幅するトランスインピーダンス増幅器(TAI)、TIAによって増幅された電気信号がレベル「0」であるかそれともレベル「1」であるかを判断し、判断信号を増幅する制限増幅器(LA)、増幅された判断信号からクロックおよびデータを生成するクロック・データリカバリ(CDR)、およびPDにより受信した光信号に応じて判断しきい値レベルを調整し、調整された判断しきい値レベルをLAに提供する制御回路を備える、光伝送システムに採用される光受信器を提供する。
本発明の別の態様によれば、本発明は、広帯域光源(BLS)を濾波してn個の波長にする第1のアレイ導波路格子(AWG)、第1のAWGにより濾波された光が入射し、第1のAWGに波長ロック光を出力するn個のファブリ−ペローレーザダイオード(F−P LD)、第1のAWGから出力されるBLSの光および波長分割多重(WDM)信号を伝送する光ファイバ、伝送されたWDM信号をバイパスし出力する光サーキュレータ、光サーキュレータからバイパスされ出力されたWDM信号を分波してn個の波長にする第2のAWG、および第2のAWGから分波された光信号を受信し、分波された光信号を電気信号に変換し、変換された電気信号を事前増幅し、増幅された電気信号をレベル「0」またはレベル「1」として判断し、判断信号を増幅し、増幅された判断信号からクロックおよびデータを生成し、受信した光信号のパワーに応じて判断しきい値レベルを調整することができる光受信器を備える光伝送システムを提供する。
本発明のさらなる特徴および利点が、同じまたは同様の参照番号が同じ構成要素を示す添付図面を参照して明白に理解することができる。
本発明による光伝送システムの光受信器に使用される判断しきい値レベルを変更する装置は、複雑な温度制御システムを採用することなく具現することができる。
さらに、本発明による判断しきい値レベルを変更する装置を採用することにより、所望の光信号伝送効率を保証するWDM−PONを経済的に具現することが可能である。
さらに、本発明は、本発明の実施形態により、光源として波長ロックF−P LDのみならず増幅器または非干渉性光を採用するWDM−PONのように、レベル「1」のノイズがレベル「0」のノイズよりも大きな光信号を受信する光受信器等のいかなる光受信システムにも広く適用することが可能である。
以下、本発明について好ましい実施形態および添付図面を参照しつつより詳細に説明する。
図2は、本発明による光伝送システムで使用することができる判断しきい値レベルを変更する装置を有する光受信器の構造を示す。図2に示すように、判断しきい値レベルを変更する装置445を有する光受信器440は、入力データ値が判断しきい値レベルよりも高い場合にはその入力データ値(すなわち、電気信号値)をレベル「1」と判断し、判断しきい値レベルよりも低い場合にはレベル「0」と判断し、制御回路445が、図1に示すように判断信号を増幅する従来技術によるLA443に追加された構成を有する。すなわち、本発明による制御回路445は、本発明が光信号の最適な伝送品質を得る方法を示すように、受信した光信号パワーに応じて判断しきい値レベルを調整し、調整された判断しきい値レベルをLA443に提供する。
制御回路445は、上述した本発明による判断しきい値レベルを変更する装置445の特定の実施形態であり、固定直流電圧値を出力する直流回路(DC)445c、光信号パワーに比例する出力値を提供する増幅器445a、およびDC445cから出力された固定直流電圧値と増幅器445aから提供された光信号パワーに比例する出力値とを合算する加算器445bを備える。すなわち、光信号はフォトダイオード(PD)441に入力され、PD441は入力された光信号を電気信号に変換する。変換された電気信号はTIA442および制御回路445の増幅器445aに入力される。増幅器445aは、入力された光信号パワーに比例する出力値を加算器445bに提供する。加算器445bは、増幅器445aから提供された出力値とDC445cから出力された固定直流電圧値とを合算し、その結果生じる値をLA443に出力する。LA443は、加算器445bから入力された、結果として生じる値を判断しきい値レベルとして使用するため、LA443において使用される判断しきい値レベルは、入力される光信号パワーに応じて変化する。
図3は、本発明による波長ロックF−P LDシステムを有するWDM−PONの構造図を示す。
図3を参照すると、温度制御装置が使用されない場合、F−P LD100の波長は周囲温度の変化に応じて可変であり、F−P LD100の波長が濾波BLS420の波長に一致しない領域が存在する。レベル「1」を有する信号のノイズ特性は、濾波BLS420とF−P LD100との波長の一致または不一致の程度に依存して可変であり、結果として光受信器440で受信する信号のビットエラーレート(BER)を増大させる。しかし、判断しきい値レベルが図2に示唆するように本発明による方法により調整される場合、光信号のBERを低減することができ、したがって光信号の伝送品質を劇的に向上させることが可能である。
再び図2および図3を参照すると、本発明の波長ロックF−P LDシステムを有するWDM−PONは、第1のAWG200、F−P LD100、光サーキュレータ410、第2のAWG430、および光受信器440を備え、各構成要素について順番に説明する。
第1のAWG200は、BLS420から入射した光を濾波して、n個の波長を有する光にする。第1のAWG200を透過する光の1つはF−P LD100に入力され、F−P LD100の波長をロックする。波長ロックF−P LD100から出力される光は第1のAWG200によって波長分割多重化(WDM)され、WDM信号は光ファイバ300を通り、光サーキュレータ410をバイパスして光サーキュレータ410から出力される。光サーキュレータ410をバイパスして光サーキュレータ410から出力されるWDM信号は、第2のAWG430によってn群に分波される。第2のAWG430により分波された光信号は、光受信器440に提供される。光受信器440は、第2のAWG430によって提供される光信号を受け取って電気信号に変換し、変換された電気信号を事前増幅し、増幅された電気信号をレベル「0」またはレベル「1」と判断し、判断信号を増幅し、増幅された判断信号からクロックおよびデータを生成し、受け取った光信号パワーに応じて制御回路445によって判断しきい値レベルを調整する。第1のAWG200および第2のAWG430はそれぞれアレイ導波路格子である。
ここで、上述したF−P LD100に代えて、本発明は、反射型半導体光増幅器(RSOA)、LED、および反射防止コート付きF−P LDのうちの任意の1つを採用してもよい。さらに、波長ロックF−P LD100に入射されるBLS420として、高出力発光ダイオード(LED)、増幅自然放出(ASE)を発するエルビウム添加ファイバ増幅器(EDFA)、およびスーパールミネッセントダイオード(SLD)のうちの任意の1つを使用してよい。
以下、本発明による光受信器440の特定の構造および動作について説明する。本発明の光受信器440は、PD441、TIA442、LA443、制御回路445、およびCDR444を備える。各構成要素について以下に詳細に説明する。
PD441は、第2のAWG430から光信号を受け取ると、光信号を電気信号に変換し、変換された電気信号をTIA442に提供する。TIA442は変換された電気信号を事前増幅し、増幅された電気信号をLA443に提供する。LA443は、TIA442によって増幅された電気信号を、判断しきい値レベルに応じてレベル「0」またはレベル「1」と判断し、判断信号を増幅し、増幅された判断信号をCDR444に提供する。CDR444は、LA443によって提供された増幅された判断信号からクロックおよびデータを生成する。
さらに、PD441によって変換された電気信号は制御回路445に提供される。制御回路445は、図2に示すように増幅器445a、DC445c、および加算器445bを備える。PD441によって変換された電気信号は増幅器445aにも提供される。増幅器445aは、光受信器440に入力された入力光信号に比例する出力値を加算器445bに提供する。DC445cは、固定直流電圧値を加算器445bに提供する。加算器445bは、DC445cによって提供される固定直流電圧値を、光受信器440により提供される入力光信号に比例する出力値に加算する。その後、加算器445bから出力される結果生じる値がLA443に提供され、TIA442により増幅電気信号の判断しきい値レベルとして使用される。このようにして、本発明の制御回路445は、受信する光信号パワーに応じて判断しきい値レベルを調整する。
図2および図3に示す本発明の実施形態では、EDFAが光源のBLS420として採用され、前面反射が反射防止コートされたレーザダイオードが、濾波非干渉性光源が入射されるF−P LD100として採用される。
図2および図3を再び参照すると、中央オフィス(CO)400のBLS420から出力された生来の光が光ファイバ300に渡されて伝送され、生来の光を濾波してn個の波長(nはWDM信号の出力ポート数またはチャネル数)にする第1のAWG200によって分波され、マルチモードで発振するF−P LD100に入射する。波長ロックF−P LD100で直接変調されたデータは、第1のAWG200および光ファイバ300を通って伝送された後にCO400に伝送される。伝送された光信号は第2のAWG430を通り、受信端である光受信器440に送られる。光受信器440のPD441に入力された光信号は電気信号に変換され、TIA442を通してLA443に入力される。
図2および図3に示し上述した本発明の制御回路445が、LA443の判断しきい値レベルを変更すると、LA443は受信した光信号を、変更された判断しきい値レベルに基づいてレベル「0」またはレベル「1」と判断する。
判断しきい値レベルを変更する装置または制御回路445は、上述した本発明の光伝送システムに光受信器440で使用され、レベル「1」のノイズ成分がレベル「0」のノイズ成分よりも大きい場合に適用される。しかし、光信号のレベルが反転され、したがってレベル「0」がハイ電圧である場合、判断しきい値レベルもそれに従って逆になる。したがって、判断しきい値レベルも、受信光信号パワーが増大したときに最適なBERを満たすように増大されるように変更されなければならない。
図4は、本発明による複数の波長ロックF−P LDシステムを有するWDM−PONの構造図を示す。図4に示すような、波長ロックF−P LDシステム100は、双方向WDM−PONシステムに適用することも可能である。この場合、n個のF−P LD100a、100b、・・・およびn個の光受信器440a、440b、・・・を第1のAWG299および第2のAWG300にそれぞれ使用することができる。
周囲温度が、図3および図4に示す本発明の実施形態において使用されている波長ロックF−P LD100で変化する場合、F−P LD100の加入者側の温度も変化し、F−P LD100の波長を変化させる。しかし、各加入者に割り当てられた波長に対応する濾波BLS420の波長は固定であるため、濾波BLS420の波長が、周囲温度に応じて各加入者に割り当てられた波長に対応したり、しなかったりすることが発生する。したがって、レベル「1」のノイズ特性を変更することができる。
図5および図6はそれぞれ、本発明による波長ロックF−P LDシステムを有するWDM−PONでの濾波非干渉性光源とF−P LDとの波長差に依存するアイダイアグラムを示す。図5および図6に示すように、図5は濾波BLSの波長がF−P LDの波長に対応する場合を示し、図6は濾波BLSの波長がF−P LDの波長に対応しない場合を示す。
図6に示すように濾波BLSの波長がF−P LDの波長に対応しない場合、図5に示すように濾波BLSの波長がF−P LDの波長に対応する場合と比較して、ビートノイズ成分が大きくなり、レベル「1」の分布が広がったと認識することができる。したがって、固定判断しきい値レベルを使用することに代えて、本発明において提案するように受信光信号パワーに応じて判断しきい値レベルを変更することにより伝送効率を上げることが可能である。
図7〜図11はそれぞれ、本発明によるWDM−PONでの濾波非干渉性光源とF−P LDとの波長差に依存する受信光パワーに基づく判断しきい値レベルとビットエラーレートとの関係のグラフを示す。図7〜図11に示すように、図7〜図11は、0.2nm、0.1nm、0nm、−0.1nm、および−0.2nmのそれぞれで離調する測定値を示し、ここで、離調とは、濾波BLSとF−P LDとの波長差に対応する値として定義される。
たとえば、図7を見ると、光信号パワーが増大するほど、最適なBERを満たす判断しきい値レベルが低減する特徴がある。また、上記特徴が、図7〜図11から見て取ることができるように異なる離調値のそれぞれでも同様の傾向を有することも認識することができる。したがって、受信光信号パワーに依存する最適な判断しきい値レベルが存在し、判断しきい値レベルを受信光信号パワーに応じて低減することができる場合、伝送効率を上げることが可能である。しかし、最適な判断しきい値レベルも、図7〜図11から見て取ることができるように離調値に応じて変化するため、上記実施形態において説明したように、濾波BLSにより波長ロックされたF−P LDを採用することが最も複雑なケースであると認識することができる。
図12は、本発明による判断しきい値レベルのグラフを示す。図12に示すように、グラフは、判断しきい値レベルが受信光信号パワーに依存する傾向を示す。図12における点線は、最適な伝送特性のために採用される判断しきい値レベルであり、上記ノイズ特性は、一般的に、光パワー(dBm)によって変化する判断しきい値レベル(V)の勾配変化率が大きいほど悪く、小さいほど良い。図12から見て取ることができるように、使用されている光伝送システムが、最適なBERを満たすためにすべての温度領域で動作しなければならないため、判断しきい値レベルを受信光信号パワーに応じて点線のように変更することによって最適なBERを得ることが可能である。増幅器445aの増幅率αの値の範囲は−0.001〜−0.02に対応する。
図13および図14はそれぞれ、本発明による判断しきい値レベルを適用する前後の離調に依存するビットエラーレートのグラフを示す。図13および図14に示すように、図13は、図1に示すように従来技術による光受信器に使用されている固定判断しきい値レベルを使用する場合を示し、図14は、本発明の光受信器440に使用されている可変判断しきい値レベルを使用する場合を示す。
図13から見て取ることができるように、0.2nmおよび0.1nmという離調値でエラーなし伝送効率を得ることができない領域がある。したがって、温度にかかわりなく全温度領域でエラーなし伝送効率を得るために、F−P LDの波長を特定の波長にロックする別個の温度制御装置を使用する必要がある。この別個の温度制御装置を採用する要件はシステム全体を複雑にするとともに、コストを増大させ、同様に経済効率を下げる。
しかし、図14から見て取ることができるように、図2に示唆した本発明の判断しきい値レベルを変更する装置445を有する光受信器440を採用した場合、全温度領域でエラーなし伝送効率が得られることを認識することが可能である。上記原理を図4に示す本発明のCO400側での複数の光受信器440a、440b、…に適用する場合、WDM−PON等の光伝送システムを低コストで具現可能なだけでなく、光信号の望ましい光伝送品質を得ることも可能である。
上述した本発明の技術的特徴は、加入者がデータをCO400に送信する(アップストリームの場合)CO400の光受信器での説明に対応する。しかし、上述した本発明の技術的特徴が、CO400がデータを加入者に送信する場合(ダウンストリームの場合)には加入者の光受信器にも当てはめられることが業者により完全に理解される。さらに、上述した本発明の技術的特徴は、レベル「1」のノイズがレベル「0」のノイズよりも大きな光信号を受信する光受信器に当てはめることもできる。たとえば、ノイズは主に、光増幅器を採用するWDM−PONではレベル「1」で発生し、それによって判断しきい値レベルは、光増幅器が採用されない場合と比較してより低い電圧に移るため、本発明の技術的特徴を利用することによって光信号の伝送品質を向上させることが可能である。しかし、本発明は、レベル「0」がロー電圧である場合を例示し、信号レベルが反転し、したがってレベル「0」がハイ電圧の場合、判断しきい値レベルも逆になり、入力光信号パワーが増大するにつれて増大するように変更されなければならない。
WDM−PONを、上述した本発明での判断しきい値レベルを変更する装置を有する光受信器を採用する光伝送システムの特定の実施形態として例示したが、本発明による判断しきい値レベルを変更する装置を有する光受信器が、WDM−PON以外の一般の光ネットワークまたは一般の光伝送システムにも適用できることが当業者により完全に理解される。
上述したように、本発明による光伝送システムの光受信器に使用される判断しきい値レベルを変更する装置は、複雑な温度制御システムを採用することなく具現することができる。
さらに、本発明による判断しきい値レベルを変更する装置を採用することにより、所望の光信号伝送効率を保証するWDM−PONを経済的に具現することが可能である。
さらに、本発明は、本発明の実施形態により、光源として波長ロックF−P LDのみならず増幅器または非干渉性光を採用するWDM−PONのように、レベル「1」のノイズがレベル「0」のノイズよりも大きな光信号を受信する光受信器等のいかなる光受信システムにも広く適用することが可能である。
様々な変更を、本発明の範囲から逸脱することなく本明細書に説明し図示した構造および方法に行うことが可能であるため、上記説明に含まれる、または添付図面に示されるすべてのことは限定ではなく例示として解釈されるべきである。したがって、本発明の幅および範囲は上記の例示的な実施形態のいずれによっても制限されず、本明細書に添付される特許請求の範囲およびその等価物に従ってのみ定められるべきである。
従来技術による光伝送システムで使用されている光受信器の構造を示す。 本発明による光伝送システムで使用することができる判断しきい値レベルを変更する装置を有する光受信器の構造図を示す。 本発明による波長ロックF−P LDシステムを有するWDM−PONの構造図を示す。 本発明による複数の波長ロックF−P LDシステムを有するWDM−PONの構造図を示す。 本発明による波長ロックF−P LDシステムを有するWDM−PONでの濾波非干渉性光源とF−P LDとの波長差に応じたアイダイアグラムを示す。 本発明による波長ロックF−P LDシステムを有するWDM−PONでの濾波非干渉性光源とF−P LDとの波長差に応じたアイダイアグラムを示す。 本発明によるWDM−PONでの濾波非干渉性光源とF−P LDとの波長差に依存する、受信光パワーに基づいた判断しきい値レベルとビットエラーレートとの関係のグラフを示す。 発明によるWDM−PONでの濾波非干渉性光源とF−P LDとの波長差に依存する、受信光パワーに基づいた判断しきい値レベルとビットエラーレートとの関係のグラフを示す。 発明によるWDM−PONでの濾波非干渉性光源とF−P LDとの波長差に依存する、受信光パワーに基づいた判断しきい値レベルとビットエラーレートとの関係のグラフを示す。 発明によるWDM−PONでの濾波非干渉性光源とF−P LDとの波長差に依存する、受信光パワーに基づいた判断しきい値レベルとビットエラーレートとの関係のグラフを示す。 発明によるWDM−PONでの濾波非干渉性光源とF−P LDとの波長差に依存する、受信光パワーに基づいた判断しきい値レベルとビットエラーレートとの関係のグラフを示す。 本発明による判断しきい値レベルのグラフを示す。 本発明による判断しきい値レベルを適用する前の離調に依存するビットエラーレートのグラフを示す。 本発明による判断しきい値レベルを適用した後の離調に依存するビットエラーレートのグラフを示す。
符号の説明
300:光ファイバ
400:中央オフィス
410:光サーキュレータ440:光受信器

Claims (10)

  1. 光伝送システムに採用される光受信器であって、
    光信号を受信し、該受信した光信号を電気信号に変換するフォトダイオード(PD)と、
    該PDにより変換された電気信号を事前増幅するトランスインピーダンス増幅器(TIA)と、
    該TIAにより増幅された前記電気信号をレベル「0」またはレベル「1」のいずれかとして判断し、その判断信号を増幅する制限増幅器(LA)と、
    該LAによる前記増幅判断信号からクロックおよびデータを生成するクロック・データリカバリ(CDR)と、
    前記PDにより受信された光信号パワーに応じて判断しきい値レベルを調整し、前記判断しきい値レベルを調整し、該調整された判断しきい値レベルを前記LAに提供する制御回路と
    を備え、
    前記制御回路は、
    前記電気信号が前記PDから入力され、前記光信号パワーに比例する出力値を提供する増幅器と、
    固定直流電圧値を提供する直流回路(DC)と、
    DCから提供される前記固定直流電圧値と前記増幅器から提供される前記光信号パワーに比例する出力値とを合算し、結果として生じる値を前記LAに提供する加算器と
    を備え、
    前記加算器から提供される前記結果生じる値は前記調整された判断しきい値レベルである、光受信器。
  2. 前記制御回路は双方向波長分割多重−受動光ネットワーク(WDM−PON)に適用される、請求項1に記載の光受信器。
  3. 前記制御回路は、レベル「1」のノイズがレベル「0」のノイズよりも大きい場合に適用される、請求項1に記載の光受信器。
  4. 前記光信号のレベルが反転し、したがってレベル「0」が前記制御回路においてハイ電圧である場合、前記判断しきい値レベルは、前記受信光信号パワーが増大するにつれて増大するように変更される、請求項1に記載の光受信器。
  5. 広帯域光源(BLS)を濾波してn個の波長にする第1のアレイ導波格子(AWG)と、
    該第1のAWGにより濾波された光が入射し、前記第1のAWGに波長ロック光を出力するn個のファブリ−ペローレーザダイオード(F−P LD)と、
    前記第1のAWGから出力された前記BLSの光を伝送する光ファイバと、波長分割多重(WDM)信号を伝送する光ファイバと、
    前記送信されたWDM信号を受信し、さらに前記送信されたWDM信号を出力する光サーキュレータと、
    該光サーキュレータにより出力された前記WDM信号をn個の波長に分波する第2のAWGと、
    該第2のAWGから前記分波された光信号を受信し、前記分波された光信号を電気信号に変換し、該変換された電気信号を事前増幅し、該増幅された電気信号をレベル「0」またはレベル「1」と判断し、判断信号を増幅し、該増幅された判断信号からクロックおよびデータを生成し、前記受信光信号パワーに応じて判断しきい値レベルを調整できる光受信器と
    を備え、
    前記制御回路は、
    前記電気信号が前記PDから入力され、前記光信号パワーに比例する出力値を提供する増幅器と、
    固定直流電圧値を提供する直流回路(DC)と、
    DCから提供される前記固定直流電圧値と前記増幅器から提供される前記光信号パワーに比例する出力値とを合算し、結果として生じる値を前記LAに提供する加算器と
    を備え、
    前記加算器から提供される前記結果として生じる値は前記調整された判断しきい値レベルである光伝送システム。
  6. 前記光受信器は、
    前記分波された光信号を受信し、該受信した光信号を電気信号に変換するフォトダイオード(PD)と、
    該PDにより変換された前記電気信号を事前増幅するトランスインピーダンス増幅器(TIA)と、
    該TIAにより増幅された前記電気信号をレベル「0」またはレベル「1」と判断し、その判断信号を増幅する制限増幅器(LA)と、
    該LAにより増幅された前記判断信号からクロックおよびデータを生成するクロック・データリカバリ(CDR)と、
    前記PDにより受信される前記光信号パワーに応じて変化する判断しきい値レベルの、前記光信号パワーに対する勾配変化率が減少するように、前記判断しきい値レベルを調整し、該調整された判断しきい値レベルを前記LAに提供する制御回路と
    を備える、請求項5に記載の光伝送システム。
  7. 前記制御回路は、レベル「1」のノイズがレベル「0」のノイズよりも大きい場合に適用される、請求項5または6に記載の光伝送システム。
  8. 該光伝送システムは、前記BLSとして、高出力発光ダイオード(LED)、増幅自然放出(ASE)を発するエルビウム添加ファイバ増幅器(EDFA)、およびスーパールミネッセントダイオード(SLD)のうちの任意の1つを採用する、請求項5または6に記載の光伝送システム。
  9. 前記光信号のレベルが反転し、したがってレベル「0」が前記制御回路においてハイ電圧である場合、前記判断しきい値レベルは、前記受信光信号パワーが増大するにつれて増大するように変更される、請求項5または6に記載の光伝送システム。
  10. 該光伝送システムは、前記各F−P LDを採用することに代えて、反射型半導体光増幅器(RSOA)、LED、および反射防止コート付きF−P LDのうちの任意の1つを採用する、請求項5または6に記載の光伝送システム。
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