JP4582935B2 - Mass spectrometer - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は質量分析装置に関し、特に、吸着性を有する試料ガスの質量を高い精度で分析する質量分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスを分析する手法としてはガス分子の質量を計測する質量分析法が最も基本的である。質量分析法は、試料であるガス(ガス分子)をイオン化し、当該試料ガスを、電磁場(電場もしくは磁場またはその両方)を通過させることにより各質量に応じて分離させ、分別を行い、これを検出・測定する方法である。試料ガスをイオン化する方法としては、従来、主に電子衝撃イオン化法が用いられてきた。電子衝撃イオン化法は、試料ガスに電子を高速で衝突させイオン化を行うので、衝突エネルギによって試料ガスを構成するガス分子自身が分裂(解離)されるという問題がある。
【0003】
上記問題を解決した方法として化学イオン化法がある。化学イオン化法では、メタンガスを電子衝撃でイオン化して1次イオンを生成し、1次イオンを試料ガスに衝突させて水素付着を起こし、試料ガスをイオン化する。化学イオン化法によれば、余剰エネルギが大きく、解離を完全になくすことはできない。また他の反応も発生して複数種のイオンが発生するという問題がある。
【0004】
ガス分子の解離を完全に抑制してイオン化させる方法としてイオン付着イオン化法が開発されている。このイオン付着イオン化法は、ホッジ(Hodges, Analytical Chemistry vol.48 No.6 P825 (1976))、ボムビック(Bombick,Analytical Chemistry vol.56 No.3 P396 (1984))、藤井(Analytical Chemistry vol.61 No.9 P1026 (1986), Chemical Physics Letters vol.191 No.1.2 P162 (1992) ,特開平6−11485号公報)によって報告されている。
【0005】
上記のイオン付着イオン化法では、例えばLi+,K+,Na+などアルカリ金属塩を含有するイオン放出体を加熱することによってアルカリ金属をイオン化し、この金属イオンを、試料ガス分子の電荷の偏った場所に穏やかに付着させ、試料ガスをイオン化する。またN2やArなどの不活性ガスを試料ガスと共に導入し、この不活性ガスとイオン化された試料ガスとを衝突させて試料ガスイオンから余剰エネルギをすばやく奪い去り、試料ガスイオンを安定化させる。このような不活性ガスを三体ガスという。イオン付着イオン化法は、特に解離が発生しやすい有機物の試料に対して有効であって、有機物試料に対する高精度な分析に期待が寄せられている。
【0006】
次にイオン付着イオン化法による従来の装置構成を図8と図9を参照して説明する。図8において、101はイオン化室、102は差動排気室、103は分析室、104はイオン放出体、105はヒータ、106はリペラ、107は金属イオンによるイオン化領域、108は第1アパーチャ、109は第2アパーチャ、110は質量分析器、111は検出器である。イオン化室101に対してガス導入装置112が付設され、差動排気室102の排気ポート102aには図示しない排気装置が接続されている。ガス導入装置112は、試料ガス用ボンベ121と試料ガス用可変流量バルブ122と三体ガス用ボンベ123と三体ガス用可変流量バルブ124とガス導入管125とから構成されている。イオン化室1の圧力は三体ガスと試料ガスの合計で約100Paとなっている。
【0007】
ヒータ105によって加熱されたイオン放出体104から金属イオン、例えばLi+が放出される。この金属イオンがリペラ106による電気斥力により分析室103の方向に移動し、この過程で試料ガスに付着して試料ガスがイオン化する。金属イオンによるイオン化領域107は、金属イオンが分析室103の方向に移動する領域に対応している。金属イオンによるイオン化領域107は、機能的には化学イオン化法での1次イオンによるイオン化領域に対応する。化学イオン化法による当該イオン化領域に比較して、イオン付着イオン化法によるイオン化領域107は、イオン放出体104が固体であって体積が小さいので、イオン化室101の中心軸の近傍に局在している。イオン化領域107でイオン化された試料ガスは、分析室103へ移送され、分析室103において、質量分析器110によって分離され、検出器111によって検出される。
【0008】
次に図9にイオン付着イオン化法による他の装置を示す。図9において、図8で説明した要素と同一の要素には同一の符号を付している。図8に示した装置と構成の上で異なっている点は、ガス導入装置112がリペラ106Aの背後に設置されていること、リペラ106Aは試料ガス等が透過するようにメッシュ状となっていることである。その他の構成・作用は、図8で説明した構成・作用と同じである。
【0009】
前述のイオン付着イオン化による装置においては、図8と図9に示されるごとく、ガス導入管125の先端導入口からイオン化領域107の中心部までの距離をA、先端導入口からイオン化室101の内壁面までの距離の代表的最短値をBとするとき、いずれも、A>Bの関係を満たすように設けられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来のイオン付着イオン化法による装置を用いて、例えば酸素、水、フタル酸ジブチルシロキサン等の吸着性を有するガスを分析する場合、精度のよい分析ができないという問題がある。その理由は、吸着性を有する試料ガスは、イオン化室に導入されたとき安定的にイオン化領域に存在せず、イオン化室の内壁面に吸着されてしまうからである。
【0011】
すなわち従来のイオン付着イオン化法では、試料ガスは気相の状態において本来の濃度を安定に実現していなければならず、そのためには内壁面において吸着平衡(吸着する速度と脱離する速度が同じで、見かけ上吸着ができていないような状態)が実現していることが必要である。しかし、吸着性ガスの場合には一度壁面に吸着すると、再び気相に戻るまでの滞在時間が非常に長く(分または時間のオーダ)、吸着平衡に達するまでの時間が何時間にも及ぶものが多い。
【0012】
従って吸着性ガスの場合には、ガスを導入した後に、すぐに測定を行ったのでは、本来の濃度よりもかなり低い値を示してしまう。これは、内壁の表面に吸着している量が少ないので、吸着する速度が脱離する速度よりも大きく、気相の試料ガスが内壁の表面に移動しているためである。換言すれば、内壁表面が真空ポンプとして働いてしまっているのである。逆に、ガス導入を停止して次の測定に入っても、前の測定の試料ガスがいつまでも測定されてしまう。これは、内壁表面に吸着している量が多いので、脱離する速度が吸着する速度よりも大きく、内壁の表面に吸着している試料ガスが気相に移動しているためである。
【0013】
吸着平衡に達するまでの時間は、ガスの吸着性の強さだけでなく壁面の温度に依存する。壁面温度が高くなると、ガスが吸着してそこに留まっている時間(滞在時間または吸着時間)が短くなり、吸着平衡に達するまでの時間は短くなる。なお、試料ガスの流量が少ない場合には、吸着による濃度の低下が顕著となり、吸着平衡に達するまでの時間が長くなる。
【0014】
そのため従来では、試料ガスのガス導入管とイオン化室を昇温しながら測定を行う方法が採用されている。しかしながら、試料ガスによっては実用的に可能な200〜300℃では不十分で、必ずしも吸着平衡が実現した状態で測定されているとはいえないことが多い。また、熱に弱い試料ガスでは、測定前に熱で分解してしまうという別の問題も発生する。
【0015】
本発明の目的は、上記の各問題を解決することにあり、イオン付着イオン化のイオン源を備えた質量分析装置において、試料ガスとして吸着性を有するガスを用いるとき、当該ガスを高精度で質量分析できる質量分析装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る質量分析装置は、上気の目的を達成するために、次のように構成される。
【0017】
第1の質量分析装置(請求項1に対応):
吸着性を有する試料ガスをイオン化するイオン化領域が内部に形成されるイオン化室と、イオン化領域でイオン化された試料ガスのイオンを電磁場により質量分別される分析室と、を備えて構成され、
試料ガスが、ガス導入管を経てイオン化室に導入され、イオン化室内のイオン化領域でイオン放出体から放出された金属イオンを試料ガスに付着させることによりイオン化され、イオン化室と分析室との間に設けられたアパーチャを通過し、その後に、分析室で電磁場により質量分別される質量分析装置において、
イオン化室には、
金属イオンを放出するイオン放出体と、
アパーチャの位置を基準として、イオン放出体の背後に配置され、電気斥力によって金属イオンを分析室の方向に移動させるリペラと、
アパーチャとイオン放出体との間に試料ガスを導入できるように設けられたガス導入管と、が設けられ、
ガス導入管は、アパーチャとイオン放出体との間にガス導入管の先端導入口が位置するようにイオン化室の内部に突き出させて配置され、試料ガスを水平中心軸に対して斜め若しくは垂直方向に導入するものであり、
ガス導入管の先端導入口の位置は、その先端導入口からイオン化領域の中心部までの距離を、先端導入口からイオン化室の内壁までの距離の代表的最短値よりも短くなるように設けられることを特徴としている。
【0019】
第2の質量分析装置(請求項2に対応)は、上記の構成において、イオン化室の圧力を10〜1000Paの間の値としたことを特徴とする。
【0020】
第3の質量分析装置(請求項3に対応)は、上記の構成において、ガス導入管が二重往復管で形成され、試料ガスが一方の管の端部から流入し、先端部で折り返して他方の管から流出すると共に、ガス導入管の先端導入口から試料ガスの一部がイオン化室に導入されることを特徴とする。
【0021】
第4の質量分析装置(請求項4に対応)は、上記の構成において、ガス導入管の先端部形状が軸対称形となっており、イオン化領域が先端部形状の軸上に位置することを特徴とする。
【0022】
第5の質量分析装置(請求項5に対応)は、上記の構成において、ガス導入管の先端部に所望の電圧が印加され、電位が設定されることを特徴とする。
【0023】
第6の質量分析装置(請求項6に対応)は、上記の構成において、軸対称形のメッシュ板または開口付き板を、この外側にガス導入管の先端導入口が位置し、かつこの軸上にイオン化領域が位置するように設けたことを特徴とする。
【0024】
第7の質量分析装置(請求項7に対応)は、上記の構成において、メッシュ板または開口付き板に所望の電圧が印加され、電位が設定されることを特徴とする。
【0025】
【作用】
前述した本発明の課題を解決するためには、イオン化室において気相状態での濃度に対する内壁の影響を少なくすることが必要である。以下に、この観点から前述の3つの方式を検討する。
【0026】
電子衝撃イオン化法による装置では、イオン化室の圧力は10-2Paであり、平均自由行程は数十センチとなる。「平均自由行程」とは、ガスが他のガスと衝突せずに進むことのできる長さ(行程)の平均値である。イオン化室の寸法は通常数センチ程度であるので、試料ガスは他のガスと衝突することなくイオン化室を飛び回っている。従って、ガス導入管はイオン化室の隅のほうに取り付けられているが、導入された試料ガスは一瞬(ミリ秒以下)のうちにイオン化室の全体に一様に拡散する。そのため、気相状態での濃度は内壁の状況に支配されているといえる。従って、たとえガス導入管をイオン化室内に突き出して、先端の導入口を電子衝撃によるイオン化領域の内部に位置させたとしても、この影響の度合いはほとんど変化しない。
【0027】
化学イオン化法による装置では、イオン化室の圧力は約100Paであり平均自由行程は数十ミクロンとなるので、試料ガスは常に他のガスと衝突している。この衝突はランダムな方向であるため、試料ガスはゆるく閉じ込められたような形となって、試料ガスがイオン化室内を移動する速度(拡散速度)は非常に遅くなる。そこで、ガス導入管の先端の導入口をイオン化室の内壁からは遠ざけて、一次イオンによるイオン化領域の内部でしかも中心付近に位置させると、気相状態での濃度に対する内壁の影響を減らすことができる。すなわち、導入された試料ガスの本来の濃度がイオン化領域内でかなり実現することになる。しかしながら、この場合には一次イオンによるイオン化領域の電界が特定な電位であるガス導入管の影響で乱れてしまい、正常なイオン化が行われなくなる。また、一次イオンによるイオン化領域はイオン化室の内壁近くまで広がっているので、内壁の影響はかなり残ってしまう。すなわち、最終的に測定される信号量は試料ガスの本来の濃度を示さない。
【0028】
イオン付着イオン化法による装置では、化学イオン化法と同様にイオン化室の圧力は約100Paであり、試料ガスの拡散速度は非常に遅くなる。一方、金属イオンによるイオン化領域は、化学イオン化法とは異なり、イオン化室の中心の水平軸上の付近に局在している。そのため、ガス導入管の先端の導入口を金属イオンによるイオン化領域の境界付近に位置させると、正常なイオン化をほとんど損なわずに、気相状態での濃度に対する内壁の影響を大幅に減らすことができる。すなわち、最終的に測定される信号量も試料ガスの本来の濃度を示すことになる。
【0029】
以上のように、本発明では、試料ガスを空間に閉じ込めることにより内壁の影響を減らすという新規な考え方を採用する。従来の考え方は、上記いずれのイオン化においても、内壁の表面積を減らすことにより影響を減らそうというものである。そのため、イオン化室はできるだけ小さく作られていることが多い。しかし実際には、複雑な構造のイオン化室の表面積を桁違いに小さくすることは不可能である。
【0030】
上記に対して、本発明によれば、空間に閉じ込められた試料ガスと内壁との接触をより減少させるため、内壁は遠くにあったほうがよいという考えを採用する。従って、イオン化室の内部の表面積それ自体はむしろ増加しても、試料ガスと内壁とが接触させないようにするため、内壁の影響を桁違いに小さくすることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。この実施形態で説明される構成は、本発明が理解できる程度に概略的に示したものであり、物質および数値の限定は例示にすぎない。従って本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載事項から解釈できる様々な形態に適用する。
【0033】
図1を参照しては本発明の第1の実施形態を説明する。図1において、左端にイオン化室11が設けられ、このイオン化室11には中央の差動排気室12を介して分析室13が接続されている。イオン化室11にはガス導入装置14が付設されている。イオン化室11と差動排気室12の間には中央に孔15aが形成された第1アパーチャ15が設けられ、差動排気室12と分析室13の間には中央に孔16aが形成された第2アパーチャ16が設けられている。差動排気室12の排気ポート12aは図示しない排気ポンプにつながっている。分析室13には電磁場が設定された質量分析器と検出器が備えられている。質量分析器と検出器の図示は省略されている。
【0034】
イオン化室11には、アルカリ金属塩を含有するイオン放出体21、イオン放出体21に給電させかつ加熱するヒータ(給電線)22、イオン放出体21の背後に配置されたリペラ23が設けられている。イオン放出体21の左側の領域にはイオン放出体21から放出された金属イオンによるイオン化領域24が形成される。イオン化領域24はイオン化室11の水平な中心軸に沿って形成され、比較的に狭い領域に形成される。
【0035】
ガス導入装置14は、試料ガス用ボンベ31、三体ガス用ボンベ32、試料ガス用可変流量バルブ33、三体ガス用可変流量バルブ34、ガス導入管35を備えて成る。2つのボンベ31,32のそれぞれから可変流量バルブ33,34を介して供給された試料ガスと三体ガスは混合され、ガス導入管35を介してイオン化室11の内部のイオン化領域24に導入される。ガス導入管35の先端開口部からは吹出しジェット流36で2種類のガスが吹き出される。さらにガス導入管35の先端開口部を起点にして示された領域はイオン化室11内に分布している試料ガスであり、その分布領域はほぼ上記イオン化領域24と一致している。なお濃い密度の分布は前述のイオン化領域24であり、薄い密度の分布は拡散した試料ガスの分布状態を示している。
【0036】
ヒータ22によって加熱されたイオン放出体21から金属イオンであるLi+が放出される。この金属イオンはリペラ23による電気斥力により分析室13の方向に向かって移動する。この移動の過程で、ガス導入管35の先端から吹き出されイオン化領域24に存在する試料ガスに付着し、この試料ガスをイオン化する。イオン放出体21は固体であり、比較的に体積が小さいため、金属イオンによるイオン化領域24はイオン化室11の中心軸の近傍に局在している。
【0037】
イオン化室11の圧力は、試料ガスと三体ガスの合計で約100Paとなるように設定されている。そのため、試料ガスは常に他のガスと衝突している。この衝突はランダムな方向であるため、試料ガスはゆるく閉じ込められたような形の空間に存在するようになって、試料ガスがイオン化室11内を移動する速度(拡散速度)は非常に遅くなる(例えば10-3秒程度)。
【0038】
ガス導入管35は、例えば直線的な形態で、イオン化室11の壁を貫通し、その内部に突き出しており、先端の導入口は金属イオンによる上記イオン化領域24の境界付近に位置させている。ただしガス導入管35は、吹き出しジェット流36が金属イオンによるイオン化領域24での金属イオンの流れを乱さないように、イオン化室11の軸(水平中心軸)に対して斜め方向に取り付けられていることが好ましい。
【0039】
ガス導入管35の設置の位置に関して、ガス導入管35の先端の導入口からイオン化領域24の中心部までの距離をA、導入口からイオン化室11の内壁面までの距離の代表的最短値をBとすると、A<Bとなっている。なお、イオン化室11の内壁面のごく僅かな一部だけがガス導入管35の先端導入口に近くても大きな影響はないので、この場合には代表的最短値が意味を持っている。ここで、「代表的最短値」とは、イオン化室における影響を与える内壁面のうちの最も短い距離にある部分の距離の値という意味である。上記の構成によって、気相状態での試料ガスの濃度に対するイオン化室11の内壁面の影響を大幅に減らすことができる。また、ガス導入管35が金属イオンによるイオン化領域24の電界をあまり乱さないので、正常なイオン化をあまり損なわない。これらの結果、測定される信号量は試料ガスの本来の濃度を示している。
【0040】
質量分析装置のイオン付着イオン化によるイオン源においてガス導入管35の配置を上記条件を満たすように構成したため、イオン化室11の内壁面の影響を大幅に減らし、吸着性を有するガスの質量分析において高精度の質量分析を行うことができる。
【0041】
図2を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。図2において、図1で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付している。第2実施形態では、前述のガス導入装置14が、試料ガス導入装置14Aと三体ガス導入装置14Bの2つの部分に分離されて、それぞれイオン化室11に付設されている。
【0042】
試料ガス導入装置14Aは、イオン化領域24の上方のイオン化室天井部に設けられている。試料ガス導入装置14Aは、試料ガス用ボンベ31と、試料ガス用可変流量バルブ33と、試料ガス用ガス導入管41とから構成される。試料ガス用ガス導入管41は天井部を貫通し、天井部から実質的に真直ぐに下方に至るように配置されている。試料ガス用ガス導入管41の先端は、イオン化領域24の中心の近くに位置する。試料ガス用ガス導入管41の先端とイオン化領域24の中心との距離はAに設定される。また試料ガス用ガス導入管41の先端とイオン化室11の天井部の内壁面との距離はBに設定される。42は試料ガスによる吹出しジェット流である。
【0043】
また三体ガス導入装置14Bは、イオン化領域24の左方のイオン化室壁部に設けられている。三体ガス導入装置14Bは、三体ガス用ボンベ32と、三体ガス用可変流量バルブ34と、三体ガス用ガス導入管43とから構成される。三体ガス用ガス導入管43は左壁部を貫通し、リペラ44の左側に至るように配置されている。三体ガス用ガス導入管43の先端は、リペラ44の左側に位置する。45は三体ガスによる吹出しジェット流である。なおリペラ44はメッシュ状の形態を有している。
【0044】
本実施形態では、試料ガスと三体ガスを別々に導入し、試料ガス用ガス導入管41はイオン化室11の水平中心軸に対して垂直方向に設けられ、三体ガス用ガス導入管43は上記軸上に設けられている。その他の構成は第1実施形態の構成と同じである。
【0045】
ガス流量としては、試料ガスに比して三体ガスが圧倒的に多い。従って、試料ガスによる吹出しジェット流42の影響は少なく、イオン放出体21から放出された金属イオンに基づくイオン化領域24での金属イオンの流れの状況は、従来と同じである。第2実施形態では、さらに、第1実施形態に比較して、試料ガス用ガス導入管41の先端導入口はイオン化領域24の中心部により近づいているので、A/Bの値は小さくなっている。従って、より精度のよい測定を行うことができる。
【0046】
次に図3を参照して本発明の第3の実施形態を説明する。この実施形態でも、第2実施形態と同様に、試料ガス導入装置14Aと三体ガス導入装置14Bは分離してイオン化室11に設けられている。試料ガス導入装置14Aはイオン化室11の天井部に設けられ、三体ガス導入装置14Bはイオン化室11の左壁部に設けられている。図3において、図2で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0047】
図3において、試料ガス用ボンベ31には直接にガス導入管46が設けられている。ガス導入管46の先部は、イオン化室11の天井部を貫通し、イオン化室内部に僅かに突き出た位置にて配置されている。ガス導入管46の先部には微小孔46aが形成されている。ガス導入管46の先部の微小孔(または微小アパーチャ)46aからはイオン化領域24の中心に向けて吹出しジェット流42が生じている。このジェット流42は相対的に長い長さを有している。またイオン化室11の下壁において、ほぼ試料ガス導入装置14Aの下方の位置に、可変流量バルブ47を備えた排気管48が設けられている。排気管48の出口は上記排気ポート12aにつながっている。
【0048】
本実施形態では、試料ガス用可変流量バルブは特別に設けられない。従って、試料ガス用ガス導入管46の内部は試料ガス用ボンベ31の内部と同じ高い圧力となっている。試料ガスは、この高い圧力によって、微小孔46aを通り抜けてイオン化室11の内部に勢いよく吹き出す。このため、試料ガスによる吹出しジェット流42は第2の実施形態のジェット流よりも長くなっている。従って、試料ガスがガス導入管46の先端の導入口からイオン化領域24の中心部に到達するまでに他のガスと衝突する回数(Mとする)はかなり小さくなる。これに対して、先端導入口からイオン化室11の内壁面までの距離の代表的最短値に到達するまでに他のガスと衝突する回数(Nとする)は第2の実施形態とほぼ同じである。そのため本実施形態では、長さであるA,Bに関してはA>Bとなっているが、衝突回数であるM,Nに関してはM<Nとなっている。
【0049】
第3実施形態の構成によれば、イオン化室11において気相状態での濃度に対する内壁面の影響を大幅に減らすことができ、その上、試料ガスのガス導入管46が金属イオンによるイオン化領域24からより遠くなっているので、正常なイオン化をほとんど損なわない。そのため、より精度のよい測定を行うことができる。
【0050】
なお上記のM,Nをより正確に定義すると、Mは試料ガス導入管46の先端導入口からイオン化領域14の中心までの距離をその間の試料ガスの平均自由行程で割った値となり、他方、Nは試料ガス導入管46の先端導入口からイオン化室11の内壁面までの距離の代表的最短値をその間の試料ガスの平均自由行程で割った値となる。
【0051】
次に図4を参照して本発明の第4の実施形態を説明する。第4実施形態は第3実施形態の変形例である。図4において、前述の各実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付している。この実施形態では、試料ガス導入装置14Aの構成を一部変更している。この実施形態では、イオン化室11の天井部に取り付けられるガス導入管51を外管51aと内管51bからなる二重往復管として形成している。内管51bの下部の先端導入口は外管51aの先端の導入口近傍に設けられる。ガス導入管51の外管51aの先端部には微小孔51cが形成されている。その他の構成は第3実施形態と同じである。
【0052】
本実施形態では、試料ガスのガス導入管51が二重往復管となっている。そのため、試料ガス用ボンベ31から供給された試料ガスは、試料ガス用ガス導入管51の内管51bから流入し、さらに外管51aの先端の微小孔51cから流出している。内管51bの先端開口部から出た試料ガスは、一部は折り返され、外管51aを通って外部へ排出され、残りは外管51aの先端の微小孔51cを通ってイオン化室11のイオン化領域24に導入されている。
【0053】
前述の各実施形態の構成によれば、実際にイオン化室11に導入される試料ガスのみが試料ガス用ガス導入管(35,41,46)を流れていたので、試料ガス用ガス導入管内での試料ガスの流れは相対的に非常に遅かった。そのため、ガス導入管の内壁での吸着平衡が実現するまでに非常に長い時間を要し、イオン化室11への試料ガスの導入量自体が本来の値とずれてしまう可能性が高かった。しかし、本実施形態の場合には、実際にイオン化室11に導入される試料ガスの何倍もの試料ガスが流れているので、試料ガスの流れは早く、ガス導入管51の内壁での吸着は短時間で達成される。
【0054】
図5を参照して本発明の第5の実施形態を説明する。この実施形態も、第3実施形態の変形例である。図5において、前述の各実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付している。このガス導入装置は、試料ガス導入装置14Aと三体ガス導入装置14Bとに分離して構成されている。試料ガス用ボンベ31に対してガス導入管が設けられるが、このガス導入管52はイオン化室11内に設けられるリング状のガス導入管である。リング状ガス導入管52は、イオン化室11の内部にてイオン化領域24の周囲に軸を囲むような円形リング状の形態を有している。リング状ガス導入管52の中心軸は、イオン化室11の水平中心軸と一致している。試料ガス用ボンベ31とリング状ガス導入管52は流入管53で接続される。試料ガス用ボンベ31から出た試料ガスは流入管53を経由してリング状ガス導入管52に導入される。さらにリング状ガス導入管52の内周面には、試料ガスをイオン化領域24に噴出するための複数のガス吹出し用微小孔52aが適宜な位置関係にてバランスよく形成されている。またリング状ガス導入管52には、試料ガス用ボンベ31から供給される試料ガスの一部を外部へ排出するための流出管54が設けられている。微小孔52aから噴出されるジェット状ガス流55は比較的に長いものである。その他の構成は前述した実施形態で説明した構成と同じである。
【0055】
本実施形態によれば、リング状ガス導入管52を設けたため、金属イオンによるイオン化領域24に面している部分はリング状(軸対称性)であるため、もともと軸対称である金属イオンによるイオン化領域24に対する電界の影響は非常に少ない。イオン化領域24の周囲から試料ガスを導入しているため、バランスよく試料ガスを導入すると共に、図3で説明した第3実施形態の条件を満たし、同等の効果を発揮する。さらに作用・効果の面において第4実施形態で説明した特徴も有している。
【0056】
次に図6を参照して本発明の第6の実施形態を説明する。この実施形態では、第5実施形態によるリング状ガス導入管の構成を応用し、かつ試料ガス導入装置と三体ガス導入装置を合体して成るガス導入装置61が設けられている。ガス導入装置61は基本的に第1実施形態で説明したものと同じである。ガス導入装置61はイオン化室11の上方に配置され、ガス導入管62は流入管63により天井部を通してイオン化室11の内部に設けられる。リング状ガス導入管62としては、径の小さいリング状ガス導入管がイオン化領域24の周囲に設けられる。リング状ガス導入管62の内周面には試料ガスを噴出する微小孔62aが複数形成されている。リング状ガス導入管62において上記の流出管54は設けられていない。リング状ガス導入管62には電源64によって配線65を介して所要の電圧が印加されており、所要の電位が設定されている。これにより、リング状ガス導入管62は、集束レンズとしての機能が与えられている。また流入管63には絶縁部66が付設されている。
【0057】
本実施形態では、ガス導入管をリング状の管体として形成している。これは、導入管先端をリング状に形成したと考えることもできる。リング状ガス導入管62は、イオン放出体21から放出された金属イオンに基づいて作られるイオン化領域24に対して、より接近して設置されている。その結果、試料ガス導入系としては、第1実施形態と同じ通常の構造のものを使用することができる。しかし、リング形状に基づいて軸対称とはいえ、金属イオンによるイオン化領域24に対する電界の影響が大きくなるので、リング状ガス導入管62に電源64に基づき適切な電位を与えることにより、逆に集束効果などの積極的な機能を持たせている。リング状ガス導入管62は集束レンズを兼ねている。
【0058】
さらに図7を参照して本発明の第7の実施形態を説明する。この実施形態は試料ガス導入装置14Aと三体ガス導入装置14Bは分離されている。第7実施形態は、図2を参照して説明した第2実施形態の変形例である。図7において、第2実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付している。試料ガス導入装置14Aにおけるガス導入管41の先端の箇所には、イオン化領域24を囲むように例えば円筒状のメッシュ部材71を設けている。円筒状メッシュ部材71の中心軸は、イオン化室11の水平中心軸と一致している。円筒状メッシュ部材71は、ガス導入管41の先端導入口がその外側に配置され、かつ金属イオンによるイオン化領域24がその軸上に位置するように、設置される。当該円筒状メッシュ部材41には、電源64によって配線65を介して所要の電圧が印加されている。
【0059】
本実施形態では、ガス導入管41の先端導入口から噴出した試料ガスは円筒状メッシュ部材71を透過してイオン化領域24に到達することができる。円筒状メッシュ部材71の外側ではガス導入管41の先端導入口による電界の乱れがあるが、円筒状メッシュ部材71が軸対称の条件を満たすように設置されているため、当該メッシュ部材71の内側では軸対称な電界になっている。さらに円筒状メッシュ部材71には所要の電位が設定されているので、円筒状メッシュ部材71は集束レンズも兼ねている。
【0060】
メッシュ部材71は多数の小さい孔(開口)を持っているので通常の(開口のない)板よりも表面積が小さい。そのため、円筒状メッシュ部材71は、前述のリング状ガス導入管に比較すると、その内壁面による影響を小さくすることができ、より高精度の測定が行われる。
【0061】
なおメッシュ部材の代りに、多くの孔を有する板材を用いることもできるし、吹出し付近にのみ孔を有する板材を用いることができる。また集束レンズを兼ねない場合には、円筒状メッシュ部材71の電位をイオン化室11の内壁の電位(通常アース電位)のままとすることもできる。
【0062】
上記の各実施形態ではイオン化室11の圧力は好ましくは100Paとしたが、イオン化室11での平均自由行程がイオン化室の寸法よりも十分短く試料ガスの閉込め効果が出現する範囲、すなわち1Pa以上であれば構わない。ただし、イオン付着イオン化法の要請からは10Pa〜1000Paが望ましい。試料ガスは試料ガス用ボンベから直接導入されるものとしたが、試料自体は固体でも液体であっても何らかの手段でガス状にされ、そのガスを分析するものであれば構わない。また、本装置を他の成分分離装置、例えばガスクロマトグラフや液体クロマトグラフに接続して、ガスクロマトグラフ/質量分析装置(GC/MS)、液体クロマト/質量分析装置(LC/MS)とすることもできる。イオン放出体は、線状のヒータに球状のアルカリ金属塩を取り付けたものとしたが、ヒータに金属塩を薄膜状に塗布したもの、ヒータの代りにホットプレートを使用したものなど各種形状・構造のものとすることができる。
【0063】
付着する金属イオンとしてはLi+として説明したが、アルカリ金属イオンとしてはK+、Na+、Rb+、Cs+、またその他の金属イオンとしてAl+、Ga+、In+なども使用することができる。質量分析機構としては四重極型質量分析計、イオントラップ(3次元)型質量分析計、磁場セクター型質量分析計、TOF(飛行時間)型質量分析計などいずれも使用することができる。
【0064】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、イオン源としてイオン付着イオン化法を用いた質量分析装置において、試料ガスとして吸着性のガスを用いたとしても高精度にて質量分析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る質量分析装置の第1実施形態の概略構成図である。
【図2】本発明に係る質量分析装置の第2実施形態の概略構成図である。
【図3】本発明に係る質量分析装置の第3実施形態の概略構成図である。
【図4】本発明に係る質量分析装置の第4実施形態の概略構成図である。
【図5】本発明に係る質量分析装置の第5実施形態の概略構成図である。
【図6】本発明に係る質量分析装置の第6実施形態の概略構成図である。
【図7】本発明に係る質量分析装置の第7実施形態の概略構成図である。
【図8】イオン付着イオン化法によるイオン源を備えた従来の質量分析装置の概略構成図である。
【図9】イオン付着イオン化法によるイオン源を備えた他の従来の質量分析装置の概略構成図である。
【符号の説明】
11 イオン化室
12 差動排気室
13 分析室
14 ガス導入装置
14A 試料ガス導入装置
14B 三体ガス導入装置
21 イオン放出体
22 ヒータ
23 リペラ
31 試料ガス用ボンベ
32 三体ガス用ボンベ
35 ガス導入管
36 吹出しジェット流[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a mass spectrometer, and more particularly to a mass spectrometer that analyzes the mass of an adsorbing sample gas with high accuracy.
[0002]
[Prior art]
The most basic method for analyzing gas is mass spectrometry that measures the mass of gas molecules. In mass spectrometry, a sample gas (gas molecule) is ionized, and the sample gas is separated according to each mass by passing an electromagnetic field (electric field or magnetic field or both), and is separated. It is a method of detecting and measuring. Conventionally, an electron impact ionization method has been mainly used as a method for ionizing a sample gas. Since the electron impact ionization method performs ionization by colliding electrons with the sample gas at high speed, there is a problem that gas molecules constituting the sample gas themselves are split (dissociated) by collision energy.
[0003]
There is a chemical ionization method as a method for solving the above problems. In the chemical ionization method, methane gas is ionized by electron bombardment to generate primary ions, the primary ions collide with the sample gas to cause hydrogen adhesion, and the sample gas is ionized. According to the chemical ionization method, surplus energy is large and dissociation cannot be completely eliminated. In addition, there is a problem in that other reactions occur and a plurality of types of ions are generated.
[0004]
An ion attachment ionization method has been developed as a method for ionization by completely suppressing dissociation of gas molecules. This ion attachment ionization method is described by Hodges (Analytical Chemistry vol.48 No.6 P825 (1976)), Bombic (Analytical Chemistry vol.56 No.3 P396 (1984)), Fujii (Analytical Chemistry vol.61). No. 9 P1026 (1986), Chemical Physics Letters vol.191 No.1.2 P162 (1992), JP-A-6-11485).
[0005]
In the above ion attachment ionization method, for example, Li+, K+, Na+Alkali metal etc.saltThe ion emitter containing ion is heated to ionize the alkali metal, and the metal ion is gently attached to the location where the charge of the sample gas molecule is biased to ionize the sample gas. N2An inert gas such as Ar or Ar is introduced together with the sample gas, and the inert gas and the ionized sample gas collide with each other to quickly take away excess energy from the sample gas ions, thereby stabilizing the sample gas ions. Such an inert gas is called a three-body gas. The ion attachment ionization method is particularly effective for a sample of an organic substance that easily generates dissociation, and is expected to provide a highly accurate analysis of the organic substance sample.
[0006]
Next, a conventional apparatus configuration by the ion attachment ionization method will be described with reference to FIGS. In FIG. 8, 101 is an ionization chamber, 102 is a differential exhaust chamber, 103 is an analysis chamber, 104 is an ion emitter, 105 is a heater, 106 is a repeller, 107 is an ionization region by metal ions, 108 is a first aperture, 109 Is a second aperture, 110 is a mass analyzer, and 111 is a detector. A
[0007]
Metal ions such as Li from the
[0008]
Next, FIG. 9 shows another apparatus using the ion attachment ionization method. In FIG. 9, the same elements as those described in FIG. 8 differs from the apparatus shown in FIG. 8 in that the
[0009]
In the apparatus using ion attachment ionization described above, as shown in FIGS. 8 and 9, the distance from the tip inlet of the
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
When analyzing a gas having adsorptivity such as oxygen, water, dibutylsiloxane phthalate and the like using a conventional ion attachment ionization apparatus, there is a problem that an accurate analysis cannot be performed. The reason is that the sample gas having adsorptivity does not stably exist in the ionization region when introduced into the ionization chamber and is adsorbed on the inner wall surface of the ionization chamber.
[0011]
That is, in the conventional ion attachment ionization method, the sample gas must stably realize the original concentration in the gas phase, and for this purpose, the adsorption equilibrium (adsorption speed and desorption speed) are the same on the inner wall surface. Thus, it is necessary to realize a state in which adsorption is not apparently realized. However, in the case of adsorptive gas, once it is adsorbed on the wall surface, it takes a very long time to return to the gas phase again (on the order of minutes or hours), and it takes hours to reach adsorption equilibrium. There are many.
[0012]
Therefore, in the case of an adsorptive gas, if the measurement is performed immediately after the gas is introduced, the value is considerably lower than the original concentration. This is because, since the amount adsorbed on the surface of the inner wall is small, the adsorbing speed is larger than the desorbing speed, and the gas phase sample gas has moved to the inner wall surface. In other words, the inner wall surface functions as a vacuum pump. On the contrary, even if the gas introduction is stopped and the next measurement is started, the sample gas of the previous measurement is measured indefinitely. This is because, since the amount adsorbed on the inner wall surface is large, the desorption rate is higher than the adsorbing rate, and the sample gas adsorbed on the inner wall surface moves to the gas phase.
[0013]
The time until the adsorption equilibrium is reached depends not only on the strength of gas adsorption but also on the wall surface temperature. When the wall surface temperature becomes high, the time during which the gas is adsorbed and stays there (residence time or adsorption time) is shortened, and the time until the adsorption equilibrium is reached is shortened. Note that when the flow rate of the sample gas is small, the decrease in concentration due to adsorption becomes significant, and the time until the adsorption equilibrium is reached becomes long.
[0014]
For this reason, conventionally, a method of measuring while raising the temperature of the gas introduction pipe and the ionization chamber of the sample gas has been adopted. However, depending on the sample gas, the practically possible 200 to 300 ° C. is insufficient, and it cannot often be said that the measurement is necessarily performed in a state where adsorption equilibrium is realized. In addition, in the case of a sample gas that is weak against heat, another problem that the sample gas is decomposed by heat before measurement occurs.
[0015]
An object of the present invention is to solve the above-described problems, and in a mass spectrometer equipped with an ion source for ion attachment ionization, when a gas having adsorptivity is used as a sample gas, the gas is massed with high accuracy. The object is to provide a mass spectrometer capable of analysis.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
The mass spectrometer according to the present invention is configured as follows in order to achieve the above-mentioned purpose.
[0017]
First mass spectrometer (corresponding to claim 1):
An ionization chamber in which an ionization region for ionizing a sample gas having adsorptivity is formed, and an analysis chamber in which ions of the sample gas ionized in the ionization region are subjected to mass separation by an electromagnetic field,
The sample gas is introduced into the ionization chamber through the gas introduction tube, and is ionized by attaching the metal ions released from the ion emitter in the ionization region in the ionization chamber to the sample gas, and between the ionization chamber and the analysis chamber. In a mass spectrometer that passes through a provided aperture and is then subjected to mass separation by an electromagnetic field in an analysis room,
In the ionization chamber,
An ion emitter that emits metal ions;
A repeller that is arranged behind the ion emitter with respect to the position of the aperture and moves the metal ions in the direction of the analysis chamber by electric repulsion;
A gas introduction pipe provided so that a sample gas can be introduced between the aperture and the ion emitter, and
The gas introduction tube is disposed so as to protrude into the ionization chamber so that the tip introduction port of the gas introduction tube is positioned between the aperture and the ion emitter, and the sample gas is inclined or perpendicular to the horizontal central axis. To be introduced
The position of the tip inlet of the gas inlet tube is provided so that the distance from the tip inlet to the center of the ionization region is shorter than the typical minimum value of the distance from the tip inlet to the inner wall of the ionization chamber. It is characterized by that.
[0019]
First2Mass spectrometer (claim)2Is characterized in that, in the above configuration, the pressure of the ionization chamber is set to a value between 10 and 1000 Pa.
[0020]
First3Mass spectrometer (claim)3In the above configuration, the gas introduction tube is formed of a double reciprocating tube, and the sample gas flows in from the end of one tube, turns back at the tip, flows out from the other tube, and introduces the gas. A part of the sample gas is introduced into the ionization chamber from the leading inlet of the tube.
[0021]
First4Mass spectrometer (claim)4In the above configuration, the shape of the tip of the gas introduction tube is axisymmetric, and the ionization region is positioned on the tip of the tip.
[0022]
First5Mass spectrometer (claim)5In the above-described configuration, a desired voltage is applied to the distal end portion of the gas introduction tube, and a potential is set.
[0023]
First6Mass spectrometer (claim)6In the above configuration, an axially symmetric mesh plate or an apertured plate is provided so that the tip inlet of the gas introduction tube is located outside and the ionization region is located on this axis. It is characterized by that.
[0024]
First7Mass spectrometer (claim)7In the above configuration, a desired voltage is applied to the mesh plate or the plate with the opening, and the potential is set.
[0025]
[Action]
In order to solve the above-described problems of the present invention, it is necessary to reduce the influence of the inner wall on the concentration in the gas phase state in the ionization chamber. In the following, the above three methods will be examined from this viewpoint.
[0026]
In an apparatus using electron impact ionization, the pressure in the ionization chamber is 10-2Pa and the mean free path is several tens of centimeters. The “mean free path” is an average value of the length (stroke) that the gas can travel without colliding with other gases. Since the size of the ionization chamber is usually about several centimeters, the sample gas flies around the ionization chamber without colliding with other gases. Therefore, although the gas introduction tube is attached toward the corner of the ionization chamber, the introduced sample gas is uniformly diffused throughout the ionization chamber in an instant (milliseconds or less). Therefore, it can be said that the concentration in the gas phase is governed by the condition of the inner wall. Therefore, even if the gas introduction tube protrudes into the ionization chamber and the leading inlet is located inside the ionization region by electron impact, the degree of this effect hardly changes.
[0027]
In the apparatus using the chemical ionization method, the pressure in the ionization chamber is about 100 Pa and the mean free path is several tens of microns, so that the sample gas always collides with other gases. Since this collision is in a random direction, the sample gas becomes loosely confined, and the speed at which the sample gas moves through the ionization chamber (diffusion speed) becomes very slow. Therefore, if the introduction port at the tip of the gas introduction tube is kept away from the inner wall of the ionization chamber and is located within the ionization region by the primary ions and near the center, the influence of the inner wall on the concentration in the gas phase state can be reduced. it can. That is, the original concentration of the introduced sample gas is considerably realized in the ionization region. However, in this case, the electric field in the ionization region due to the primary ions is disturbed by the influence of the gas introduction tube having a specific potential, and normal ionization cannot be performed. Moreover, since the ionization area | region by a primary ion has extended to the inner wall vicinity of the ionization chamber, the influence of an inner wall will remain considerably. That is, the signal amount finally measured does not indicate the original concentration of the sample gas.
[0028]
In the apparatus using the ion attachment ionization method, as in the chemical ionization method, the pressure in the ionization chamber is about 100 Pa, and the diffusion rate of the sample gas becomes very slow. On the other hand, the ionization region by metal ions is localized near the horizontal axis at the center of the ionization chamber, unlike the chemical ionization method. Therefore, if the introduction port at the tip of the gas introduction tube is positioned near the boundary of the ionization region by metal ions, the influence of the inner wall on the concentration in the gas phase can be greatly reduced without substantially impairing normal ionization. . That is, the signal amount finally measured also indicates the original concentration of the sample gas.
[0029]
As described above, the present invention adopts a novel concept of reducing the influence of the inner wall by confining the sample gas in the space. The conventional idea is to reduce the influence of any ionization described above by reducing the surface area of the inner wall. Therefore, the ionization chamber is often made as small as possible. In practice, however, it is impossible to reduce the surface area of an ionization chamber having a complicated structure by an order of magnitude.
[0030]
On the other hand, according to the present invention, in order to further reduce the contact between the sample gas confined in the space and the inner wall, the idea that the inner wall should be far away is adopted. Therefore, even if the surface area of the inside of the ionization chamber itself is increased, the influence of the inner wall can be reduced by an order of magnitude in order to prevent the sample gas from contacting the inner wall.
[0032]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Preferred embodiments of the present invention will be described below with reference to the accompanying drawings. The configuration described in this embodiment is shown schematically to the extent that the present invention can be understood, and the limitations of materials and numerical values are merely examples. Therefore, the present invention is not limited to the following embodiments, and is applied to various forms that can be interpreted from the description of the claims.
[0033]
A first embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. In FIG. 1, an
[0034]
The
[0035]
The
[0036]
Li, which is a metal ion, from the
[0037]
The pressure in the
[0038]
The
[0039]
Regarding the installation position of the
[0040]
Since the arrangement of the
[0041]
A second embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. In FIG. 2, elements that are substantially the same as those described in FIG. In the second embodiment, the
[0042]
The sample
[0043]
The three-body
[0044]
In the present embodiment, the sample gas and the three-body gas are separately introduced, the sample gas
[0045]
As the gas flow rate, the three-body gas is overwhelmingly larger than the sample gas. Therefore, the influence of the
[0046]
Next, a third embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. Also in this embodiment, similarly to the second embodiment, the sample
[0047]
In FIG. 3, a
[0048]
In the present embodiment, the sample gas variable flow valve is not specially provided. Therefore, the inside of the sample gas
[0049]
According to the configuration of the third embodiment, the influence of the inner wall surface on the concentration in the gas phase state in the
[0050]
If M and N are defined more precisely, M is a value obtained by dividing the distance from the tip inlet of the sample
[0051]
Next, a fourth embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. The fourth embodiment is a modification of the third embodiment. In FIG. 4, elements that are substantially the same as the elements described in the above embodiments are assigned the same reference numerals. In this embodiment, the configuration of the sample
[0052]
In the present embodiment, the
[0053]
According to the configuration of each of the above-described embodiments, only the sample gas that is actually introduced into the
[0054]
A fifth embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. This embodiment is also a modification of the third embodiment. In FIG. 5, elements that are substantially the same as those described in the above-described embodiments are assigned the same reference numerals. This gas introduction device is configured to be separated into a sample
[0055]
According to the present embodiment, since the ring-shaped
[0056]
Next, a sixth embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. In this embodiment, there is provided a
[0057]
In the present embodiment, the gas introduction tube is formed as a ring-shaped tube. This can be considered that the leading end of the introduction tube is formed in a ring shape. The ring-shaped
[0058]
Further, a seventh embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. In this embodiment, the sample
[0059]
In the present embodiment, the sample gas ejected from the tip introduction port of the
[0060]
Since the
[0061]
In addition, the board | plate material which has many holes can also be used instead of a mesh member, and the board | plate material which has a hole only near blowing can be used. In the case where it does not also serve as a focusing lens, the potential of the
[0062]
In each of the above embodiments, the pressure of the
[0063]
As a metal ion to adhere, Li+As an alkali metal ion, K+, Na+, Rb+, Cs+Al as other metal ions+, Ga+, In+Etc. can also be used. As the mass analysis mechanism, any of a quadrupole mass spectrometer, an ion trap (three-dimensional) mass spectrometer, a magnetic sector sector mass spectrometer, a TOF (time-of-flight) mass spectrometer, and the like can be used.
[0064]
【The invention's effect】
As is apparent from the above description, according to the present invention, mass spectrometry can be performed with high accuracy even if an adsorptive gas is used as a sample gas in a mass spectrometer using an ion attachment ionization method as an ion source. Can do.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram of a first embodiment of a mass spectrometer according to the present invention.
FIG. 2 is a schematic configuration diagram of a second embodiment of a mass spectrometer according to the present invention.
FIG. 3 is a schematic configuration diagram of a third embodiment of a mass spectrometer according to the present invention.
FIG. 4 is a schematic configuration diagram of a fourth embodiment of a mass spectrometer according to the present invention.
FIG. 5 is a schematic configuration diagram of a fifth embodiment of a mass spectrometer according to the present invention.
FIG. 6 is a schematic configuration diagram of a sixth embodiment of a mass spectrometer according to the present invention.
FIG. 7 is a schematic configuration diagram of a seventh embodiment of a mass spectrometer according to the present invention.
FIG. 8 is a schematic configuration diagram of a conventional mass spectrometer equipped with an ion source based on ion attachment ionization.
FIG. 9 is a schematic configuration diagram of another conventional mass spectrometer provided with an ion source by an ion attachment ionization method.
[Explanation of symbols]
11 Ionization room
12 Differential exhaust chamber
13 Analysis room
14 Gas introduction device
14A Sample gas introduction device
14B Three-body gas introduction device
21 Ion emitter
22 Heater
23 Repeller
31 Sample gas cylinder
32 Three-body gas cylinder
35 Gas introduction pipe
36 Outlet jet flow
Claims (7)
前記試料ガスが、ガス導入管を経てイオン化室に導入され、前記イオン化室内の前記イオン化領域でイオン放出体から放出された金属イオンを前記試料ガスに付着させることによりイオン化され、前記イオン化室と前記分析室との間に設けられたアパーチャを通過し、その後に、分析室で電磁場により質量分別される質量分析装置において、
前記イオン化室には、
金属イオンを放出する前記イオン放出体と、
前記アパーチャの位置を基準として、前記イオン放出体の背後に配置され、電気斥力によって金属イオンを分析室の方向に移動させるリペラと、
前記アパーチャと前記イオン放出体との間に前記試料ガスを導入できるように設けられた前記ガス導入管と、が設けられ、
前記ガス導入管は、前記アパーチャと前記イオン放出体との間に前記ガス導入管の先端導入口が位置するように前記イオン化室の内部に突き出させて配置され、前記試料ガスを水平中心軸に対して斜め若しくは垂直方向に導入するものであり、
前記ガス導入管の先端導入口の位置は、その先端導入口から前記イオン化領域の中心部までの距離を、前記先端導入口から前記イオン化室の内壁までの距離の代表的最短値よりも短くなるように設けられることを特徴とする質量分析装置。 An ionization chamber in which an ionization region for ionizing a sample gas having adsorptivity is formed, and an analysis chamber in which ions of the sample gas ionized in the ionization region are mass-separated by an electromagnetic field,
Wherein the sample gas is introduced into the ionization chamber through the gas inlet tube, the metal ions emitted from the ion emitter in the ionizing region of the ionization chamber can be attached to the sample gas is ionized, and the ionization chamber In a mass spectrometer that passes through an aperture provided between the analysis chamber and then performs mass separation by an electromagnetic field in the analysis chamber,
In the ionization chamber,
The ion emitter for releasing metal ions;
A repeller that is arranged behind the ion emitter with respect to the position of the aperture and moves metal ions in the direction of the analysis chamber by electric repulsion;
The gas introduction pipe provided so that the sample gas can be introduced between the aperture and the ion emitter, and
The gas introduction tube is disposed so as to protrude into the ionization chamber so that a tip introduction port of the gas introduction tube is located between the aperture and the ion emitter, and the sample gas is disposed on a horizontal central axis. In contrast, it is introduced obliquely or vertically.
The position of the tip inlet of the gas inlet tube is such that the distance from the tip inlet to the center of the ionization region is shorter than the typical minimum value of the distance from the tip inlet to the inner wall of the ionization chamber. The mass spectrometer is provided as described above.
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