各種の信号情報等をあらわすディジタルデータの伝送にあたり、データ伝送路上での盗聴を防止すべく、送信側において、伝送するディジタルデータを暗号化し、受信側において、暗号化されたディジタルデータについての復号化を行って元のディジタルデータを得るようになすことが提案されている。このようなディジタルデータの暗号化にあたっての代表的な暗号アルゴリズムとして、1977年に米国商務省標準局(NBS)が公布したDES(Data Encryption Standard) 方式が知られている。
DES方式による暗号化伝送にあっては、ディジタルデータが別途用意される鍵データ(暗号化鍵データ)により定められる規則に従って暗号化されるとともに、暗号化されたディジタルデータが別途用意される鍵データ(復号化鍵データ)により定められる規則に従って復号化され、その際、暗号化鍵データと復号化鍵データとは同じ鍵データ(共通鍵データ)とされる。そして、暗号化及び復号化のためのアルゴリズム自体は公開されており、共通鍵データが秘密に維持されることにより守秘機能が果たされる。
図1は、DES方式による暗号化伝送システムの基本的構成を示す。この図1に示される基本構成にあっては、伝送されるべきディジタルデータが、元データとして、DES暗号化部11に供給される。DES暗号化部11には予め用意された暗号化鍵データも供給され、DES暗号化部11において、元データに暗号化鍵データによって定められる規則に従ったDES方式による暗号化処理が施されて、暗号化データが形成される。そして、DES暗号化部11から暗号化データが送出され、一端がDES暗号化部11に接続されたデータ伝送路12を通じて伝送される。
データ伝送路12を通じて伝送された暗号化データは、データ伝送路12の他端に接続されたDES復号化部13に供給される。DES復号化部13には暗号化鍵データと同一の内容を有するものとされた復号化鍵データも供給され、DES復号化部13において、暗号化データに復号化鍵データによって定められる規則に従ったDES方式による復号化処理が施されて、元データが再生される。
一方、映像信号の分野においては、伝達情報の多様化及び再生画像の高品質化を実現する観点等からのディジタル化が図られており、例えば、映像信号情報をあらわすディジタルデータによって形成されるディジタル映像信号を扱う高精細度テレビジョン(High Definition Television :HDTV)システム等が提案されている。HDTVシステムのもとにおけるディジタル映像信号(以下、HD信号という)は、例えば、BTA(Broadcasting Technology Association:放送技術開発協議会)により制定された規格BTA S-002 に従って形成され、Y,PB /PR 形式のものとG,B,R形式のものとがある。Y,PB /PR 形式の場合、Yは輝度信号を意味し、PB /PR は色差信号を意味する。また、G,B,R形式の場合、G,B及びRは、夫々、緑色原色信号,青色原色信号及び赤色原色信号を意味する。
このようなHD信号は、例えば、各フレーム期間が第1フィールド期間と第2フィールド期間とに分けられるもとで、フレームレートを30Hz(フィールドレートは60Hz)とし、各フレーム期間におけるライン数を1125ラインとし、ラインあたりのデータサンプル数を2,200サンプルとし、サンプリング周波数を74.25MHzとするものとされる。そして、例えば、Y,PB /PR 形式のHD信号は、図2に示される如くのデータフォーマットに従うものとされる。
図2に示されるデータフォーマットにおいて、図2のAは、映像信号における輝度信号成分をあらわす輝度信号データ系列(Yデータ系列)における各ライン分の一部を示し、図2のBは、映像信号における色差信号成分をあらわす色差信号データ系列(PB /PR データ系列)における各ライン分の一部を示している。Yデータ系列及びPB /PR データ系列の夫々を形成するワードデータの各々は、例えば、10ビット構成とされる。即ち、Yデータ系列及びPB /PR データ系列の夫々は、例えば、10ビットワードが連なって形成される10ビットワード列データであり、ワード伝送レートは、例えば、74.25Mwpsとされる。
Yデータ系列にあっては、各ライン分がラインブランキング部に映像データ部が連なって形成され、各映像データ部の直前に、各々が10ビット構成とされる4ワード(3FF(Y),000(Y),000(Y)及びXYZ(Y);3FF及び000の夫々は16進表示であって、16進表示であることをあらわす“h”が付されて3FFh及び000hと記され、また、(Y)はYデータ系列中のワードであることをあらわす。)から成るタイミング基準コードデータ(SAV:Start of Active Video)が配されるとともに、各映像データ部の直後に、各々が10ビット構成とされる4ワード(3FF(Y),000(Y),000(Y),XYZ(Y))から成るタイミング基準コードデータ(EAV:End of Active Video ) が配される。同様にして、PB /PR データ系列にあっても、各映像データ部の直前に、各々が10ビット構成とされる4ワード(3FF(C),000(C),000(C),XYZ(C); (C)はPB /PR データ系列中のワードであることをあらわす。)から成るSAVが配されるとともに、各映像データ部の直後に、各々が10ビット構成とされる4ワード(3FF(C),000(C),000(C),XYZ(C))から成るEAVが配される。勿論、Yデータ系列中のEAV及びSAVの夫々は、Yデータ系列における各ラインブランキング部に配され、また、PB /PR データ系列中のEAV及びSAVの夫々は、PB /PR データ系列における各ラインブランキング部に配される。
4ワード(3FF(Y),000(Y),000(Y),XYZ(Y)もしくは3FF(C),000(C),000(C),XYZ(C))については、始めの3ワード(3FF(Y),000(Y),000(Y)もしくは3FF(C),000(C),000(C))が、ワード同期あるいはライン同期を確立するためのものであり、また、最後の1ワード(XYZ(Y)もしくはXYZ(C))が、同一フレームにおける第1フィールドと第2フィールドとの識別のため、あるいは、タイミング基準コードデータEAVとタイミング基準コードデータSAVとの識別のためのものである。
Yデータ系列及びPB /PR データ系列の夫々における各ラインブランキング部のタイミング基準コードデータEAVとタイミング基準コードデータSAVとの間には、各フレーム分を形成するライン分の夫々の番号(ライン番号)をあらわすライン番号データLN0(Y)及びLN1(Y)もしくはLN0(C)及びLN1(C),誤り検出符号データYCR0及びYCR1もしくはCCR0及びCCR1、及び、音声データ等を含む補助データYA0,YA1,・・・,YA267もしくはCA0,CA1,・・・,CA267が配される。
上述のYデータ系列及びPB /PR データ系列から成るHD信号が伝送されるに際しては、データ伝送路が簡略化されることからして、ワード列データからシリアルデータに変換されて伝送されるシリアル伝送が望まれることになる。そして、Yデータ系列及びPB /PR データ系列を含んで形成されるHD信号のシリアル伝送に関しては、前述のBTAによって制定された規格であるBTA S-004 による HD SDI (High Definition Serial Digital Interface)に準拠した伝送を行うことが規格化されている。
HD SDI に準拠した伝送にあっては、Yデータ系列及びPB /PR データ系列に、各々におけるEAV及びSAVが配されたラインブランキング部が同期せしめられたもとでのワード多重化処理が施されて、図3に示される如くのワード多重データ系列が、ワード伝送レートを74.25Mwps×2=148.5Mwpsとする10ビットワード列データとして形成される。このワード多重データ系列にあっては、各映像データ部の直前に、各々が10ビット構成とされる8ワード(3FF(C),3FF(Y),000(C),000(Y),000(C),000(Y),XYZ(C),XYZ(Y))から成る多重タイミング基準コードデータ(多重SAV)が配されるとともに、各映像データ部の直後に、各々が10ビット構成とされる8ワード(3FF(C),3FF(Y),000(C),000(Y),000(C),000(Y),XYZ(C),XYZ(Y))から成る多重タイミング基準コードデータ(多重EAV)が配されることになる。
そして、ワード多重データ系列が、それを構成する各10ビットワードについて、最下位ビット(LSB) から最上位ビット(MSB) までが順次送り出されることにより、パラレルデータからシリアルデータに変換され、さらに、そのシリアルデータにスクランブル処理が施されてシリアル伝送HD信号(以下、HD-SDI信号という) とされて、そのHD-SDI信号がデータ伝送路を通じての伝送に供される。斯かるHD-SDI信号は、ビット伝送レートが、例えば、148.5Mwps×10bit =1.485Gbpsとされる。
HD-SDI信号がデータ伝送路を通じての伝送に供される際にも、データ伝送路での盗聴を防止すべく、送信側において、HD-SDI信号を暗号化し、受信側おいて、暗号化されたHD-SDI信号についての復号化を行って元のHD-SDI信号を得るようになすことが望まれる場合が考えられる。このような、HD-SDI信号についての暗号化伝送は、原理的には、前述の図1に基本構成が示されるDES方式による暗号化伝送システムと同様な暗号化伝送システムをもって行うことができる。
例えば、HD信号を HD SDI に準拠してHD-SDI信号に変換し、それをデータ伝送路を通じて伝送して、HD-SDI信号を HD SDI に準拠してHD信号に戻し、それを、画像表示を行うビデオプロジェクタ等のビデオ機器に供給する場合に、HD-SDI信号についての暗号化伝送を行うとすると、図4に示される如くの暗号化伝送システムが考えられる。
図4に示される暗号化伝送システムにあっては、例えば、ビデオカメラ装置等から得られるHD信号を HD SDI に準拠してHD-SDI信号に変換するHD-SDI信号送出部15から送出されるHD-SDI信号DHSが、HD-SDI暗号化部16に供給される。HD-SDI暗号化部16には、予め用意された鍵データDEYが供給される。HD-SDI暗号化部16においては、HD-SDI信号DHSが、それにシリアル/パラレル変換(S/P変換)処理が施されて、一旦、各々が10ビットワード列データを成すYデータ系列及びPB /PR データ系列を含んで形成される元のHD信号に戻され、そのHD信号に鍵データDEYにより定められる規則に従ったDES方式による暗号化処理が施されて、暗号化HD信号が形成され、さらに、暗号化HD信号にパラレル/シリアル変換(P/S変換)処理が施されて暗号化シリアルデータDHSEが形成される。
HD信号に暗号化処理が施されて暗号化HD信号が形成されるにあたっては、例えば、図2のA及びBに示されるYデータ系列及びPB /PR データ系列を含んで形成される、図5に示される如くのHD信号の、各ライン区分における映像データ部に配された映像データDVVとそれに続くラインブランキング部の冒頭部分に配されたタイミング基準コードデータEAVとを含む部分について暗号化処理が施され、それにより暗号化映像データが形成される。一方、各ラインブランキング部に配された諸データのうちのタイミング基準コードデータEAV以外のもの、即ち、各ライン区分毎に順次変化していくライン番号をあらわすライン番号データDLN, 誤り符号データCRCC,音声データ等を含むものとされる補助データDAA及びタイミング基準コードデータSAVは、暗号化処理が施されることなく、暗号化映像データと組み合わされる。その結果、各ラインブランキング部に配されたタイミング基準コードデータEAV以外の各データとそれに続く暗号化映像データとを含んだ暗号化HD信号が形成される。
そして、HD-SDI暗号化部16 から暗号化シリアルデータDHSEが送出され、一端がHD-SDI暗号化部16 に接続されたデータ伝送路17を通じて伝送される。
データ伝送路17を通じて伝送された暗号化シリアルデータDHSEは、データ伝送路17の他端に接続されたHD-SDI復号化部18に供給される。HD-SDI復号化部18には、HD-SDI暗号化部16に供給される鍵データDEYと同じものである鍵データDEYも供給される。HD-SDI復号化部18においては、暗号化シリアルデータDHSEにS/P変換が施されて、各々が10ビットワード列データを成し、暗号化された映像データ部を有するYデータ系列及びPB /PR データ系列を含んで形成される暗号化HD信号が得られ、その暗号化HD信号に鍵データDEYにより定められる規則に従ったDES方式による復号化処理が施されて、元のYデータ系列及びPB /PR データ系列を含んで形成されるHD信号が再生される。
暗号化HD信号に復号化処理が施されて元のYデータ系列及びPB /PR データ系列を含んで形成されるHD信号が再生されるにあたっては、暗号化HD信号の各ラインブランキング部における暗号化映像データについて復号化処理が施され、それにより、元の映像データDVVとタイミング基準コードデータEAVとが再生される。一方、各ラインブランキング部に配された諸データのうちのタイミング基準コードデータEAV以外のもの、即ち、ライン番号データDLN, 誤り符号データCRCC,補助データDAA及びタイミング基準コードデータSAVは、そのまま取り出されて、再生された映像データDVV及びタイミング基準コードデータEAVと組み合わされる。その結果、図5に示される如くの、元のHD信号が得られる。
さらに、HD-SDI復号化部18においては、再生されたHD信号に、HD SDIに準拠したYデータ系列及びPB /PR データ系列の多重化及びそれにより得られるワード多重データ系列に対するP/S変換が行われて元のHD-SDI信号DHSが再生される。そして、HD-SDI復号化部18から得られるHD-SDI信号DHSが、ビデオ機器19に供給され、ビデオ機器19において、HD-SDI信号DHSに基づくHD信号が再生されて、そのHD信号が画像表示等に供される。
上述のHD-SDI暗号化部16において、HD信号における映像データDVV及びタイミング基準コードデータEAVを含む部分に、鍵データDEYによって定められる規則に従ったDES方式による暗号化処理を施すために用いることができる暗号化回路として、例えば、図6,図8及び図10に示される如くのものが、また、上述のHD-SDI復号化部18において、暗号化HD信号における暗号化された映像データDVV及びタイミング基準コードデータEAVを含む部分に鍵データDEYによって定められる規則に従ったDES方式による復号化処理を施すために用いることができる復号化回路として、例えば、図7,図9及び図11に示される如くのものが提案されている。
図6に示される暗号化回路は、jビットワード列データ(jは正整数)を成すディジタル情報データDODが入力データとして供給される暗号化部20と、鍵データDEYを送出する鍵データ送出部21とを備えて構成され、鍵データ送出部21は、鍵データDEYを暗号化部20に供給する。暗号化部20は、ディジタル情報データDODに、鍵データDEYにより定められる規則に従った暗号化処理を施し、ディジタル情報データDODに基づくjビットワード列データを成す暗号化されたディタルデータ(暗号化情報データ)DXDを形成して、それを送出する。
図8に示される暗号化回路は、jビットワード列データを成すディジタル情報データDODが入力データとして供給される暗号化部20と、鍵データDEYを送出する鍵データ送出部21と、乱数発生部22と、初期値データDITを送出してそれを乱数発生部22に供給する初期値データ送出部23とを備えて構成され、鍵データ送出部21は、鍵データDEYを乱数発生部22に供給する。
乱数発生部22にあっては、レジスタ部25が、入力データに応答して、yビット構成(yはjより大なる正整数)とされるレジスタ出力データDRZを送出し、それを暗号形成部26に供給する。このレジスタ部25には、初期値データ送出部23からの初期値データDITが供給される。
暗号形成部26には、鍵データ送出部21からの鍵データDEYも供給され、暗号形成部26は、レジスタ出力データDRZについての鍵データDEYによって定められる規則に従った暗号化を行い、yビット構成とされる暗号データDEZを送出する。暗号形成部26から得られる暗号データDEZは、ビット取出部27に供給される。ビット取出部27は、暗号形成部26から得られる暗号データDEZを形成するyビットのうちのjビットを、擬似乱数データDXAとして取り出す。ビット取出部27から得られる擬似乱数データDXAは、乱数発生部22から送出されて、暗号化部20に供給される。
なお、乱数発生部22は、擬似乱数データDXAに代えて、乱数データを発生するものとされる場合もあり、その際には、乱数発生部22から送出される乱数データが暗号化部20に供給される。
暗号化部20にあっては、ディジタル情報データDODに対して、乱数発生部22からの擬似乱数データDXAもしくは乱数データに応じた暗号化処理を施し、ディジタル情報データDODに基づく、jビットワード列データを成す暗号化された暗号化情報データDXDを送出する。
暗号化部20から送出される暗号化情報データDXDは、乱数発生部22におけるビット数変換部28に供給される。ビット数変換部28は、jビットワード列データを成す暗号化情報データDXDをyビットワード列データに変換して帰還用データDFDを形成し、それをレジスタ部25に入力データとして供給して、レジスタ部25に帰還をかける。
それゆえ、レジスタ部25は、最初に、初期値データ送出部23からの初期値データDITに応じたレジスタ出力データDRZを送出し、その後は、ビット数変換部28からの帰還用データDFDに応じたレジスタ出力データDRZを送出することになる。
図10に示される暗号化回路は、図8に示される暗号化回路と略同様に構成されるが、乱数発生部22が、図8に示されるビット数変換部28に相当するものを備えていない。それに伴って、暗号化部20から送出される暗号化情報データDXDは乱数発生部22に供給されず、暗号形成部26から送出される暗号データDEZが、ビット取出部27に供給されるとともに、レジスタ部25に入力データとして供給されて、レジスタ部25に帰還をかける。全体の動作は、図8に示される暗号化回路の場合と同様である。
また、図7に示される復号化回路は、図6に示される暗号化回路によって形成された、jビットワード列データを成す暗号化情報データDXDが入力データとして供給される復号化部30と、鍵データDEYを送出する鍵データ送出部31とを備えて構成され、鍵データ送出部31は、鍵データDEYを復号化部30に供給する。復号化部30は、暗号化情報データDXDに、鍵データDEYにより定められる規則に従った復号化処理を施し、暗号化情報データDXDに基づくjビットワード列データを成す元のディジタル情報データDODを再生して、それを送出する。
図9に示される復号化回路は、図8に示される暗号化回路によって形成された、jビットワード列データを成す暗号化情報データDXDが入力データとして供給される復号化部30と、鍵データDEYを送出する鍵データ送出部31と、乱数発生部32と、初期値データDITを送出してそれを乱数発生部32に供給する初期値データ送出部33とを備えて構成され、鍵データ送出部31は、鍵データDEYを乱数発生部32に供給する。
乱数発生部32は、図8に示される乱数発生部22と同様に、レジスタ部25,暗号形成部26,ビット取出部27及びビット数変換部28を含んで構成され、jビット構成の擬似乱数データDXAを復号化部30に供給する。但し、乱数発生部32におけるビット数変換部28には、復号化部30にも供給される暗号化情報データDXDが供給され、ビット数変換部28の出力データ(DFD)が外部入力データとしてレジスタ部25に供給される。また、鍵データ送出部31及び初期値データ送出部33は、夫々、図8に示される鍵データ送出部21及び初期値データ送出部23と同様のものである。
なお、乱数発生部32は、擬似乱数データDXAに代えて、乱数データを発生するものとされる場合もあり、その際には、乱数発生部32から送出される乱数データが復号化部30に供給される。
斯かるもとで、復号化部30にあっては、暗号化情報データDXDに対して、乱数発生部32からの擬似乱数データDXAもしくは乱数データに応じた復号化処理を施し、暗号化情報データDXDに基づく元のディジタル情報データDODを再生して、それを送出する。
図11に示される復号化回路は、図10に示される暗号化回路によって形成された、jビットワード列データを成す暗号化情報データDXDが入力データとして供給される復号化部30を備えて、図9に示される復号化回路と略同様に構成されるが、乱数発生部32が、図9に示されるビット数変換部28に相当するものを備えていない。それに伴って、復号化部30に供給される暗号化情報データDXDは乱数発生部32に供給されず、暗号形成部26から送出される暗号データDEZが、ビット取出部27に供給されるとともに、レジスタ部25に入力データとして供給して、レジスタ部25に帰還をかける。全体の動作は、図9に示される復号化回路の場合と同様である。
ディジタル情報データに暗号化処理が施されて形成される暗号化情報データについて、その解読し難さを暗号強度ということとすると、ディジタル情報データの暗号化伝送にあたっては、その目的からして、暗号強度は大である程望ましい。
上述の図6に示される暗号化回路が用いられる場合には、入力データであるディジタル情報データDODの内容が同一である状態が継続すると、その間、暗号化情報データDXDの内容も同一となってしまう。それに対して、図8あるいは図10に示される暗号化回路が用いられる場合には、乱数発生部22におけるレジスタ部25に帰還がかけられるので、入力データであるディジタル情報データDODの内容が同一である状態が継続しても、その間、暗号化情報データDXDの内容が同一となってしまうことがない。
それゆえ、図6に示される暗号化回路による暗号化に比して、図8あるいは図10に示される暗号化回路による暗号化の方が暗号強度が大とされることになる。従って、HD-SDI信号についての暗号化伝送においてHD信号に暗号化処理を施すにあたっては、図8あるいは図10に示される如くの暗号化回路が用いられることが望ましい。
図8あるいは図10に示される如くの暗号化回路が用いられて、HD信号に暗号化処理が施される場合、暗号化HD信号から元のHD信号を再生するにあたっては、図9あるいは図11に示される如くの復号化回路が用いられる。その際、暗号化回路と復号化回路との夫々において同じタイミングをもって同じ擬似乱数データもしくは乱数データを発生させる必要があるので、通常、暗号化回路及び復号化回路の夫々の乱数発生部22及び32におけるレジスタ部25に供給される初期値データDITが共通の同じ値をあらわすものに固定される。
そして、図8あるいは図10に示される如くの暗号化回路が用いられて、HD信号に暗号化処理が施されるにあたっては、暗号化HD信号にP/S変換が施されて得られるシリアルデータが伝送される際における誤伝送の可能性が考慮されて、暗号化されるHD信号の各ライン区分毎に、乱数発生部22の動作がリセットされる。そのため、図8に示される暗号化回路が用いられる場合には、暗号化されるHD信号があらわす映像内容が全体に亙って均一色である場合等において、当該HD信号の各ライン区分について発生する擬似乱数データもしくは乱数データが同じとされる。また、図10に示される暗号化回路が用いられる場合には、暗号化されるHD信号があらわす映像内容にかかわらず、当該HD信号の各ライン区分について発生する擬似乱数データもしくは乱数データが同じとされる。
このように、暗号化されるHD信号の各ライン区分について発生する擬似乱数データもしくは乱数データが同じとされると、暗号化HD信号から元のHD信号があらわす映像内容を推測することが容易とされて、暗号強度の低下がもたらされることになってしまう。
さらに、図8に示される暗号化回路が用いられる場合、暗号化されるHD信号の複数フレーム区分が、例えば、静止画像に対応するものであって、あらわす映像内容が同一のものとされるとき、その間、当該HD信号の各フレーム区分毎に見て同じとなる擬似乱数データもしくは乱数データが発生せしめられる。また、図10に示される暗号化回路が用いられる場合には、暗号化されるHD信号があらわす映像内容にかかわらず、当該HD信号の各フレーム区分毎に見ても同じとなる擬似乱数データもしくは乱数データが発生せしめられる。
暗号化されるHD信号の各フレーム区分毎に見て同じとなる擬似乱数データもしくは乱数データが発生せしめられることも、暗号化HD信号から元のHD信号があらわす映像内容を推測することを容易とすることになり、暗号強度の低下をもたらす要因となってしまう。
斯かる点に鑑み、本願の特許請求の範囲に記載された発明は、例えば、HD-SDI信号にS/P変換処理が施されて得られるHD信号の如くの、複数のデータ区分が設けられるディジタル映像信号に、鍵データに応じた暗号化処理、あるいは、鍵データに従って形成された乱数データもしくは擬似乱数データに応じた暗号化処理、を施して暗号化ディジタル映像信号を得るにあたり、暗号強度の改善を図ることができる暗号化装置、及び、ディジタル映像信号に暗号強度の改善が図られることになる暗号化処理が施されて得られた暗号化ディジタル映像信号に復号化処理を施して、例えば、HD-SDI信号にS/P変換処理が施されて得られるHD信号の如くの、複数のデータ区分が設けられる元のディジタル映像信号を得ることができる復号化装置を提供する。
本願の特許請求の範囲における請求項1に記載された発明に係る暗号化装置は、入力データに鍵データにより定められる規則に従った暗号化を行って暗号データを形成する暗号形成部と、ディジタル映像信号に、暗号形成部から得られる暗号データに基づく乱数データもしくは擬似乱数データに応じた暗号化処理を施して、暗号化ディジタル映像信号を得る暗号化部と、初期値データが供給されるもとで暗号形成部に対する入力データを発生してそれを暗号形成部に供給するデータ供給部と、ディジタル映像信号から該ディジタル映像信号におけるライン区分毎に変化するライン番号データを抽出して、抽出されたライン番号データをデータ供給部に初期値データとして供給する初期値データ送出部と、を備えて構成される。
本願の特許請求の範囲における請求項2に記載された発明に係る暗号化装置は、ディジタル映像信号に、それにおけるフレーム区分毎に変化するフレーム番号データを挿入して、改変ディジタル映像信号を得るフレーム番号データ挿入部と、入力データに鍵データにより定められる規則に従った暗号化を行って暗号データを形成する暗号形成部と、フレーム番号データ挿入部から得られる改変ディジタル映像信号に、暗号形成部から得られる暗号データに基づく乱数データもしくは擬似乱数データに応じた暗号化処理を施して、暗号化ディジタル映像信号を得る暗号化部と、初期値データが供給されるもとで暗号形成部に対する入力データを発生してそれを暗号形成部に供給するデータ供給部と、フレーム番号データ挿入部から得られる改変ディジタル映像信号から、フレーム番号データを抽出し、抽出されたフレーム番号データをデータ供給部に初期値データとして供給する初期値データ送出部と、を備えて構成される。
本願の特許請求の範囲における請求項3に記載された発明に係る暗号化装置は、ディジタル映像信号に、それにおけるフレーム区分毎に変化するフレーム番号データを挿入して、改変ディジタル映像信号を得るフレーム番号データ挿入部と、入力データに鍵データにより定められる規則に従った暗号化を行って暗号データを形成する暗号形成部と、フレーム番号データ挿入部から得られる改変ディジタル映像信号に、暗号形成部から得られる暗号データに基づく乱数データもしくは擬似乱数データに応じた暗号化処理を施して、暗号化ディジタル映像信号を得る暗号化部と、初期値データが供給されるもとで暗号形成部に対する入力データを発生してそれを暗号形成部に供給するデータ供給部と、フレーム番号データ挿入部から得られる改変ディジタル映像信号から、フレーム番号データを抽出し、抽出されたフレーム番号データをデータ供給部に初期値データとして供給する第1の初期値データ送出部と、フレーム番号データ挿入部に供給されるディジタル映像信号もしくはフレーム番号データ挿入部から得られる改変ディジタル映像信号から、フレーム番号データ挿入部に供給されるディジタル映像信号におけるライン区分毎に変化するライン番号データを抽出し、抽出されたライン番号データをデータ供給部に初期値データとして供給する第2の初期値データ送出部と、を備えて構成される。
本願の特許請求の範囲における請求項4に記載された発明に係る暗号化装置は、鍵データを送出する鍵データ送出部と、ディジタル映像信号に、鍵データ送出部から送出される鍵データに基づく改変鍵データに応じた暗号化処理を施して、暗号化ディジタル映像信号を得る暗号化部と、ディジタル映像信号からそれにおけるライン区分毎に変化するライン番号データを抽出し、抽出されたライン番号データを送出するライン番号データ送出部と、鍵データ送出部から送出される鍵データとライン番号データ送出部から送出されるライン番号データとについての演算処理を行って改変鍵データを形成し、それを暗号化部に供給する演算処理部と、を備えて構成される。
本願の特許請求の範囲における請求項5に記載された発明に係る暗号化装置は、ディジタル映像信号からそれにおけるライン区分毎に変化するライン番号データを抽出し、抽出されたライン番号データを送出するライン番号データ送出部と、ディジタル映像信号とライン番号データ送出部から送出されるライン番号データとについての演算処理を行って改変ディジタル映像信号を形成する演算処理部と、鍵データを送出する鍵データ送出部と、演算処理部から得られる改変ディジタル映像信号に、鍵データ送出部から送出される鍵データに応じた暗号化処理を施して、暗号化ディジタル映像信号を得る暗号化部と、を備えて構成される。
本願の特許請求の範囲における請求項6に記載された発明に係る暗号化装置は、ディジタル映像信号に、それにおけるフレーム区分毎に変化するフレーム番号データを挿入して、改変ディジタル映像信号を得るフレーム番号データ挿入部と、フレーム番号データ挿入部から得られる改変ディジタル映像信号から、フレーム番号データを抽出し、抽出されたフレーム番号データを送出するフレーム番号データ送出部と、鍵データを送出する鍵データ送出部と、鍵データ送出部から送出される鍵データとフレーム番号データ送出部から送出されるフレーム番号データとについての演算処理を行って改変鍵データを形成してそれを送出する演算処理部と、フレーム番号データ挿入部から得られる改変ディジタル映像信号に、演算処理部から送出される改変鍵データに応じた暗号化処理を施して、暗号化ディジタル映像信号を得る暗号化部と、を備えて構成される。
本願の特許請求の範囲における請求項7に記載された発明に係る暗号化装置は、ディジタル映像信号に、それにおけるフレーム区分毎に変化するフレーム番号データを挿入して、第1の改変ディジタル映像信号を得るフレーム番号データ挿入部と、フレーム番号データ挿入部から得られる第1の改変ディジタル映像信号から、フレーム番号データを抽出し、抽出されたフレーム番号データを送出するフレーム番号データ送出部と、フレーム番号データ挿入部から得られる第1の改変ディジタル映像信号とフレーム番号データ送出部から送出されるフレーム番号データとについての演算処理を行って第2の改変ディジタル映像信号を形成する演算処理部と、鍵データを送出する鍵データ送出部と、演算処理部から得られる第2の改変ディジタル映像信号に、鍵データ送出部から送出される鍵データに応じた暗号化処理を施して、暗号化ディジタル映像信号を得る暗号化部と、を備えて構成される。
本願の特許請求の範囲における請求項8に記載された発明に係る暗号化装置は、ディジタル映像信号に、それにおけるフレーム区分毎に変化するフレーム番号データを挿入して、改変ディジタル映像信号を得るフレーム番号データ挿入部と、フレーム番号データ挿入部から得られる改変ディジタル映像信号から、フレーム番号データを抽出し、抽出されたフレーム番号データを送出するフレーム番号データ送出部と、フレーム番号データ挿入部から得られる改変ディジタル映像信号から、ディジタル映像信号におけるライン区分毎に変化するライン番号データを抽出し、抽出されたライン番号データを送出するライン番号データ送出部と、鍵データを送出する鍵データ送出部と、鍵データ送出部から送出される鍵データとフレーム番号データ送出部及びライン番号データ送出部から夫々送出されるフレーム番号データ及びライン番号データとについての演算処理を行って改変鍵データを形成してそれを送出する演算処理部と、フレーム番号データ挿入部から得られる改変ディジタル映像信号に、演算処理部から送出される改変鍵データに応じた暗号化処理を施して、暗号化ディジタル映像信号を得る暗号化部と、を備えて構成される。
本願の特許請求の範囲における請求項9に記載された発明に係る暗号化装置は、ディジタル映像信号に、それにおけるフレーム区分毎に変化するフレーム番号データを挿入して、第1の改変ディジタル映像信号を得るフレーム番号データ挿入部と、フレーム番号データ挿入部から得られる第1の改変ディジタル映像信号から、フレーム番号データを抽出し、抽出されたフレーム番号データを送出するフレーム番号データ送出部と、フレーム番号データ挿入部から得られる第1の改変ディジタル映像信号から、フレーム番号データ挿入部に供給されるディジタル映像信号におけるライン区分毎に変化するライン番号データを抽出し、抽出されたライン番号データを送出するライン番号データ送出部と、フレーム番号データ挿入部から得られる第1の改変ディジタル映像信号と、フレーム番号データ送出部及びライン番号データ送出部から夫々送出されるフレーム番号データ及びライン番号データと、についての演算処理を行って第2の改変ディジタル映像信号を形成し、それを送出する演算処理部と、鍵データを送出する鍵データ送出部と、演算処理部から得られる第2の改変ディジタル映像信号に、鍵データ送出部から送出される鍵データに応じた暗号化処理を施して、暗号化ディジタル映像信号を得る暗号化部と、を備えて構成される。
本願の特許請求の範囲における請求項10に記載された発明に係る復号化装置は、入力データに鍵データにより定められる規則に従った暗号化を行って暗号データを形成する暗号形成部と、暗号化ディジタル映像信号に、暗号形成部から得られる暗号データに基づく乱数データもしくは擬似乱数データに応じた復号化処理を施して、元のディジタル映像信号を得る復号化部と、初期値データが供給されるもとで上記暗号形成部に対する入力データを発生してそれを暗号形成部に供給するデータ供給部と、暗号化ディジタル映像信号からそれにおけるライン区分毎に変化するライン番号データを抽出し、抽出されたライン番号データをデータ供給部に初期値データとして供給する初期値データ送出部と、を備えて構成される。
本願の特許請求の範囲における請求項11に記載された発明に係る復号化装置は、入力データに鍵データにより定められる規則に従った暗号化を行って暗号データを形成する暗号形成部と、暗号化ディジタル映像信号に、暗号形成部から得られる暗号データに基づく乱数データもしくは擬似乱数データに応じた復号化処理を施して、元のディジタル映像信号を得る復号化部と、初期値データが供給されるもとで暗号形成部に対する入力データを発生してそれを暗号形成部に供給するデータ供給部と、暗号化ディジタル映像信号から、それにおけるフレーム区分毎に変化するフレーム番号データを抽出し、抽出されたフレーム番号データをデータ供給部に初期値データとして供給する初期値データ送出部と、を備えて構成される。
本願の特許請求の範囲における請求項12に記載された発明に係る復号化装置は、入力データに鍵データにより定められる規則に従った暗号化を行って暗号データを形成する暗号形成部と、暗号化ディジタル映像信号に、暗号形成部から得られる暗号データに基づく乱数データもしくは擬似乱数データに応じた復号化処理を施して、元のディジタル映像信号を得る復号化部と、初期値データが供給されるもとで暗号形成部に対する入力データを発生してそれを暗号形成部に供給するデータ供給部と、暗号化ディジタル映像信号から、それにおけるフレーム区分毎に変化するフレーム番号データを抽出し、抽出されたフレーム番号データを上記データ供給部に初期値データとして供給する第1の初期値データ送出部と、暗号化ディジタル映像信号から、それにおけるライン区分毎に変化するライン番号データを抽出し、抽出されたライン番号データをデータ供給部に初期値データとして供給する第2の初期値データ送出部と、を備えて構成される。
本願の特許請求の範囲における請求項13に記載された発明に係る復号化装置は、鍵データを送出する鍵データ送出部と、暗号化ディジタル映像信号に、鍵データ送出部から送出される鍵データに基づく改変鍵データに応じた復号化処理を施して、元のディジタル映像信号を得る復号化部と、暗号化ディジタル映像信号からそれにおけるライン区分毎に変化するライン番号データを抽出し、抽出されたライン番号データを送出するライン番号データ送出部と、鍵データ送出部から送出される鍵データとライン番号データ送出部から送出されるライン番号データとについての演算処理を行って改変鍵データを形成し、それを復号化部に供給する演算処理部と、を備えて構成される。
本願の特許請求の範囲における請求項14に記載された発明に係る復号化装置は、暗号化ディジタル映像信号からそれにおけるライン区分毎に変化するライン番号データを抽出し、抽出されたライン番号データを送出するライン番号データ送出部と、暗号化ディジタル映像信号とライン番号データ送出部から送出されるライン番号データとについての演算処理を行って改変暗号化ディジタル映像信号を形成する演算処理部と、鍵データを送出する鍵データ送出部と、演算処理部から得られる改変暗号化ディジタル映像信号に、鍵データ送出部から送出される鍵データに応じた復号化処理を施して、元のディジタル映像信号を得る復号化部と、を備えて構成される。
本願の特許請求の範囲における請求項15に記載された発明に係る復号化装置は、暗号化ディジタル映像信号からそれにおけるフレーム区分毎に変化するフレーム番号データを抽出し、抽出されたフレーム番号データを送出するフレーム番号データ送出部と、鍵データを送出する鍵データ送出部と、鍵データ送出部から送出される鍵データとフレーム番号データ送出部から送出されるフレーム番号データとについての演算処理を行って改変鍵データを形成し、それを送出する演算処理部と、暗号化ディジタル映像信号に、演算処理部から送出される改変鍵データに応じた復号化処理を施して、元のディジタル映像信号を得る復号化部と、を備えて構成される。
本願の特許請求の範囲における請求項16に記載された発明に係る復号化装置は、暗号化ディジタル映像信号からそれにおけるフレーム区分毎に変化するフレーム番号データを抽出し、抽出されたフレーム番号データを送出するフレーム番号データ送出部と、暗号化ディジタル映像信号とフレーム番号データ送出部から送出されるフレーム番号データとについての演算処理を行って改変暗号化ディジタル映像信号を形成する演算処理部と、鍵データを送出する鍵データ送出部と、演算処理部から得られる改変暗号化ディジタル映像信号に、鍵データ送出部から送出される鍵データに応じた復号化処理を施して、元のディジタル映像信号を得る復号化部と、を備えて構成される。
本願の特許請求の範囲における請求項17に記載された発明に係る復号化装置は、暗号化ディジタル映像信号からそれにおけるフレーム区分毎に変化するフレーム番号データを抽出し、抽出されたフレーム番号データを送出するフレーム番号データ送出部と、暗号化ディジタル映像信号からそれにおけるライン区分毎に変化するライン番号データを抽出し、抽出されたライン番号データを送出するライン番号データ送出部と、鍵データを送出する鍵データ送出部と、鍵データ送出部から送出される鍵データとフレーム番号データ送出部及びライン番号データ送出部から夫々送出されるフレーム番号データ及びライン番号データとについての演算処理を行って改変鍵データを形成し、それを送出する演算処理部と、暗号化ディジタル映像信号に、演算処理部から送出される改変鍵データに応じた復号化処理を施して、元のディジタル映像信号を得る復号化部と、を備えて構成される。
本願の特許請求の範囲における請求項18に記載された発明に係る復号化装置は、暗号化ディジタル映像信号からそれにおけるフレーム区分毎に変化するフレーム番号データを抽出し、抽出されたフレーム番号データを送出するフレーム番号データ送出部と、暗号化ディジタル映像信号からそれにおけるライン区分毎に変化するライン番号データを抽出し、抽出されたライン番号データを送出するライン番号データ送出部と、暗号化ディジタル映像信号とフレーム番号データ送出部及びライン番号データ送出部から夫々送出されるフレーム番号データ及びライン番号データとについての演算処理を行って、改変暗号化ディジタル映像信号を形成し、それを送出する演算処理部と、鍵データを送出する鍵データ送出部と、演算処理部から得られる改変暗号化ディジタル映像信号に、鍵データ送出部から送出される鍵データに応じた復号化処理を施して、元のディジタル映像信号を得る復号化部と、を備えて構成される。
上述の如くの本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項3までのいずれかに記載された発明に係る暗号化装置にあっては、暗号形成部に入力データを供給するデータ供給部に、それに対する初期値データとして、暗号化されるべきディジタル映像信号におけるライン区分毎に変化するライン番号データもしくはフレーム区分毎に変化するフレーム番号データ、あるいは、それら両方を供給する初期値データ送出部が備えられ、それにより、擬似乱数データもしくは乱数データの形成に、暗号化されるべきディジタル映像信号における各ライン区分毎のリセットがかけられるもとにあっても、暗号化されるべきディジタル映像信号における各ライン区分もしくは各フレーム区分について発生する擬似乱数データもしくは乱数データが同じとされてしまう事態が防止されることになる。
その結果、暗号化ディジタル映像信号から元のディジタル映像信号があらわす情報内容を推測することが困難とされて、暗号強度の改善が図られる。
本願の特許請求の範囲における請求項4,請求項6及び請求項8のいずれかに記載された発明に係る暗号化装置にあっては、暗号化されるべきディジタル映像信号におけるライン区分毎に変化するライン番号データもしくはフレーム区分毎に変化するフレーム番号データ、あるいは、それらの両方を送出する、ライン番号データ送出部もしくはフレーム番号データ送出部、あるいは、それらの両方、及び、鍵データ送出部から送出される鍵データと、ライン番号データ送出部から送出されるライン番号データもしくはフレーム番号データ送出部から送出されるフレーム番号データあるいはそれらの両方と、についての演算を行って改変鍵データを形成し、それを、暗号化されるべきディジタル映像信号に基づく暗号化ディジタル映像信号を形成する暗号化部に供給する演算処理部が備えられ、それにより、暗号化されるべきディジタル映像信号に基づく暗号化ディジタル映像信号を得るための暗号化に用いられる鍵データが、暗号化されるべきディジタル映像信号における各ライン区分毎もしくは各フレーム区分毎に、あるいは、それら両方をもって、変化するものに改変されることになる。
その結果、暗号化ディジタル映像信号から元のディジタル映像信号があらわす情報内容を推測することが困難とされて、暗号強度の改善が図られることになる。
本願の特許請求の範囲における請求項5,請求項7及び請求項9のいずれかに記載された発明に係る暗号化装置にあっては、暗号化されるべきディジタル映像信号におけるライン区分毎に変化するライン番号データもしくはフレーム区分毎に変化するフレーム番号データ、あるいは、それらの両方を送出する、ライン番号データ送出部もしくはフレーム番号データ送出部、あるいは、それらの両方、及び、当該暗号化されるべきディジタル映像信号と、ライン番号データ送出部から送出されるライン番号データもしくはフレーム番号データ送出部から送出されるフレーム番号データ、あるいは、それらの両方と、についての演算を行って改変ディジタル映像信号を形成し、それを鍵データが供給される暗号化部に供給する演算処理部が備えられ、それにより、暗号化されるディジタル映像信号が、それにおける各ライン区分毎もしくは各フレーム区分毎にあるいはそれら両方をもって、変化するものに改変されて、暗号化部において鍵データに応じて暗号化されることになる。
その結果、暗号化ディジタル映像信号から元のディジタル映像信号があらわす情報内容を推測することが困難とされて、暗号強度の改善が図られることになる。
また、本願の特許請求の範囲における請求項10から請求項12までのいずれかに記載された発明に係る復号化装置にあっては、暗号形成部に入力データを供給するデータ供給部に、それに対する初期値データとして、暗号化ディジタル映像信号におけるライン区分毎に変化するライン番号データもしくはフレーム区分毎に変化するフレーム番号データ、あるいは、それら両方を供給する初期値データ送出部が備えられることにより、ディジタル映像信号に暗号強度の改善が図られることになる暗号化処理が施されて得られた暗号化ディジタル映像信号に対しての、元のディジタル映像信号を再生するための擬似乱数データもしくは乱数データに応じた復号化処理が、適正に行われることになる。
本願の特許請求の範囲における請求項13,請求項15及び請求項17のいずれかに記載された発明に係る復号化装置にあっては、暗号化ディジタル映像信号におけるライン区分毎に変化するライン番号データもしくはフレーム分毎に変化するフレーム番号データ、あるいは、それらの両方を送出する、ライン番号データ送出部もしくはフレーム番号データ送出部、あるいは、それらの両方、及び、鍵データ送出部から送出される鍵データと、ライン番号データ導出部から送出されるライン番号データもしくはフレーム番号データ送出部から送出されるフレーム番号データ、あるいは、それらの両方と、についての演算を行って改変鍵データを形成し、それを、暗号化ディジタル映像信号に基づく元のディジタル映像信号を再生する復号化部に供給する演算処理部が備えられ、それにより、ディジタル映像信号に暗号強度の改善が図られることになる暗号化処理が施されて得られた暗号化ディジタル映像信号に対しての、元のディジタル映像信号を再生するための鍵データに応じた復号化処理が、適正に行われることになる。
本願の特許請求の範囲における請求項14,請求項16及び請求項18のいずれかに記載された発明に係る復号化装置にあっては、暗号化ディジタル映像信号におけるライン区分毎に変化するライン番号データもしくはフレーム分毎に変化するフレーム番号データ、あるいは、それらの両方を送出する、ライン番号データ送出部もしくはフレーム番号データ送出部、あるいは、それらの両方、及び、当該暗号化ディジタル映像信号と、ライン番号データ導出部から送出されるライン番号データもしくはフレーム番号データ送出部から送出されるフレーム番号データ、あるいは、それらの両方と、についての演算を行って改変暗号化ディジタル映像信号を形成し、それを鍵データが供給される復号化部に供給する演算処理部が備えられ、それにより、ディジタル映像信号に暗号強度の改善が図られることになる暗号化処理が施されて得られた暗号化ディジタル映像信号に対しての、元のディジタル映像信号を再生するための鍵データに応じた復号化処理が、適正に行われることになる。
本願の特許請求の範囲に記載された発明を実施するための形態は、以下に述べられる 実施例1〜実施例19をもって説明される。
図12は、本願の特許請求の範囲における請求項1に記載された発明に係る暗号化装置の一例を示す。
図12に示される暗号化装置の例は、jビットワード列データを成すディジタル情報データである、図5に示される如くのHD信号DODが入力データとして供給される暗号化部40と、乱数発生部41と、鍵データDEYを送出してそれを乱数発生部41に供給する鍵データ送出部42と、暗号化部40にも供給されるHD信号DODが供給されるライン番号データ抽出部43と、を備えて構成される。
ライン番号データ抽出部43は、それに供給されるHD信号DODから、それに含まれる各ライン分毎に順次変化していくライン番号をあらわすライン番号データDLNを抽出して、抽出されたライン番号データDLNを乱数発生部41に供給する。
乱数発生部41にあっては、レジスタ部44が、入力データに応答して、yビット構成とされるレジスタ出力データDRZを送出し、それを暗号形成部45に入力データとして供給する、データ供給部を形成するものとして備えられている。このレジスタ部44においては、ライン番号データ抽出部43からのライン番号データDLNが供給されて、それが初期値データとされるとともに、それに応じて、暗号化部40に供給されるHD信号DODにおける各ライン分毎に動作がリセットされる。これよりして、ライン番号データ抽出部43は、ライン番号データDLNを、乱数発生部41におけるレジスタ部44に対する初期値データとして送出する、初期値データ送出部を形成していることになる。
乱数発生部41における暗号形成部45には、鍵データ送出部42からの鍵データDEYも供給され、暗号形成部45は、入力データであるレジスタ出力データDRZについての鍵データDEYによって定められる規則に従った暗号化を行い、yビット構成とされる暗号データDEZを送出する。暗号形成部45から得られる暗号データDEZは、ビット取出部46に供給される。ビット取出部46は、暗号形成部45から得られる暗号データDEZを形成するyビットのうちのjビットを、擬似乱数データDZAとして取り出す。ビット取出部46から得られる擬似乱数データDZAは、乱数発生部41から送出されて、暗号化部40に供給される。
なお、乱数発生部41は、擬似乱数データDZAに代えて、乱数データを発生するものとされる場合もあり、その際には、乱数発生部41から送出される乱数データが暗号化部40に供給される。
暗号化部40にあっては、HD信号DODに対して、乱数発生部41からの擬似乱数データDZAもしくは乱数データに応じた暗号化処理を施し、jビットワード列データを成す暗号化情報データである、HD信号に基づく暗号化HD信号DXDを送出する。斯かるHD信号についての暗号化にあたっては、図5に示される如くのHD信号の、各ライン分における映像データ部に配された映像データDVVとそれに続くラインブランキング部の冒頭部分に配されたタイミング基準コードデータEAVとを含む部分について暗号化処理が施され、それにより暗号化映像データが形成される。そして、各ラインブランキング部に配された諸データのうちのタイミング基準コードデータEAV以外のもの、即ち、ライン番号データDLN, 誤り符号データCRCC,補助データDAA及びタイミング基準コードデータSAVが、暗号化処理が施されることなく、暗号化映像データに組み合わされる。その結果、各ラインブランキング部に配されたタイミング基準コードデータEAV以外の各データとそれに続く暗号化映像データとを含むものとされる暗号化HD信号が形成される。
暗号化部40から送出される暗号化HD信号DXDは、乱数発生部41におけるビット数変換部47に供給される。ビット数変換部47は、jビットワード列データを成す暗号化されたDH信号DXDをyビットワード列データに変換して帰還用データDFDを形成し、それをレジスタ部44に帰還する。
それゆえ、レジスタ部44は、暗号化部40に供給されるHD信号DODにおける各ライン分毎にその動作がリセットされる都度、先ず、ライン番号データ抽出部43からのライン番号データDLNに応じたレジスタ出力データDRZを送出し、その後、ビット数変換部47からの帰還用データDFDに応じたレジスタ出力データDRZを送出することになる。
図13は、本願の特許請求の範囲における請求項10に記載された発明に係る復号化装置の一例を示し、この復号化装置の例は、図12に示される暗号化装置の例から得られる暗号化情報データである暗号化HD信号DXDに復号化処理を施して、元のディジタル情報データであるHD信号DODを再生するものとされる。
図13に示される復号化装置の例は、図12に示される暗号化装置の例によって形成された、jビットワード列データを成す暗号化情報データである、暗号化HD信号DXDが、入力データとして供給される復号化部50と、乱数発生部51と、鍵データDEYを送出してそれを乱数発生部51に供給する鍵データ送出部52と、復号化部50にも供給される暗号化HD信号DXDが供給されるライン番号データ抽出部53と、を備えて構成される。
ライン番号データ抽出部53は、それに供給される暗号化HD信号DXDから、それに含まれる各ライン分毎に順次変化していくライン番号をあらわすライン番号データDLNを抽出して、抽出されたライン番号データDLNを乱数発生部51に供給する。
乱数発生部51は、図12に示される乱数発生部41と同様に、暗号形成部45,暗号形成部45に入力データを供給するデータ供給部を形成するレジスタ部44,ビット取出部46及びビット数変換部47を含んで構成され、jビット構成の擬似乱数データDZAを復号化部50に供給する。但し、乱数発生部51におけるビット数変換部47には、復号化部50にも供給される暗号化HD信号DXDが供給され、ビット数変換部47の出力データ(DFD)が外部入力データとしてレジスタ部44に供給される。また、鍵データ送出部52は、図12に示される鍵データ送出部42と同様のものである。
従って、図13に示される復号化装置の例にあっても、乱数発生部51において、レジスタ部44に、ライン番号データ抽出部53からのライン番号データDLNが供給されて、それが初期値データとされるとともに、それに応じて、復号化部50に供給される暗号化HD信号DXDにおける各ライン分毎にレジスタ部44の動作がリセットされる。それにより、ライン番号データ抽出部53は、ライン番号データDLNを、乱数発生部51におけるレジスタ部44に対する初期値データとして送出する、初期値データ送出部を形成していることになる。そして、レジスタ部44は、復号化部50に供給される暗号化HD信号DXDにおける各ライン分毎にその動作がリセットされる都度、先ず、ライン番号データ抽出部53からのライン番号データDLNに応じたレジスタ出力データDRZを送出し、その後、ビット数変換部47からの外部入力データDFDに応じたレジスタ出力データDRZを送出することになる。
なお、乱数発生部51は、擬似乱数データDZAに代えて、乱数データを発生するものとされる場合もあり、その際には、乱数発生部51から送出される乱数データが復号化部50に供給される。
斯かるもとで、復号化部50にあっては、暗号化HD信号DXDに対して、乱数発生部51からの擬似乱数データDZAもしくは乱数データに応じた復号化処理を施し、jビットワード列データを成す元のディジタル情報データである、暗号化HD信号DXDに基づく元のHD信号DODを再生して、それを送出する。斯かる暗号化HD信号についての復号化にあたっては、暗号化HD信号の、各ライン分における暗号化映像データについて復号化処理が施され、それにより元のHD信号の各ライン分における映像データ部に配された映像データDVVとそれに続くラインブランキング部の冒頭部分に配されたタイミング基準コードデータEAVとが再生される。そして、それらが、暗号化されていない各ラインブランキング部に配された諸データのうちのタイミング基準コードデータEAV以外のもの、即ち、ライン番号データDLN, 誤り符号データCRCC,補助データDAA及びタイミング基準コードデータSAVと組み合わされる。その結果、各ラインブランキング部に配されたタイミング基準コードデータEAV以外の各データとそれに続く映像データとを含むものとされる元のHD信号が再生される。
図14は、本願の特許請求の範囲における請求項2に記載された発明に係る暗号化装置の一例を示す。
図14に示される暗号化装置の例にあっては、jビットワード列データを成すディジタル情報データである、図5に示される如くのHD信号DODが供給されるフレーム番号データ挿入部55と、HD信号DODにおける各フレーム分毎に順次変化していくフレーム番号をあらわすフレーム番号データDFRをフレーム番号データ挿入部55に供給するフレーム番号データ送出部56とが設けられている。フレーム番号データ挿入部55は、HD信号DODにおける各ラインブランキング部における補助データDAAが配される部分に、フレーム番号データ送出部56からのフレーム番号データDFRを挿入し、図15に示される如くの、各ラインブランキング部にフレーム番号データDFRが挿入されて成る改変HD信号DOD’を形成する。
さらに、図14に示される暗号化装置の例は、フレーム番号データ挿入部55とフレーム番号データ送出部56とに加えて、フレーム番号データ挿入部55から送出される改変HD信号DOD’が入力データとして供給される暗号化部40と、乱数発生部41と、鍵データDEYを送出してそれを乱数発生部41に供給する鍵データ送出部42と、暗号化部40にも供給される改変HD信号DOD’が供給されるフレーム番号データ抽出部57と、を備えて構成される。
フレーム番号データ抽出部57は、それに供給される改変HD信号DOD’から、それに含まれる各フレーム分毎に順次変化していくフレーム番号をあらわすフレーム番号データDFRを抽出して、抽出されたフレーム番号データDFRを乱数発生部41に供給する。
乱数発生部41は、図12に示される乱数発生部41と同様のものであって、レジスタ部44,暗号形成部45,ビット取出部46及びビット数変換部47を含んで構成され、jビット構成の擬似乱数データDZAを暗号化部40に供給する。但し、レジスタ部44には、フレーム番号データ抽出部57からのフレーム番号データDFRが供給されて、それが初期値データとされる。それにより、フレーム番号データ抽出部57は、フレーム番号データDFRを、乱数発生部41におけるレジスタ部44に対する初期値データとして送出する、初期値データ送出部を形成していることになる。また、レジスタ部44は、フレーム番号データ抽出部57からのフレーム番号データDFRが供給されるもとにあっても、暗号化部40に供給される改変HD信号DOD’における各ライン分毎に動作がリセットされるように設定される。鍵データ送出部42も、図12に示される鍵データ送出部42と同様のものである。
なお、乱数発生部41は、擬似乱数データDZAに代えて、乱数データを発生するものとされる場合もあり、その際には、乱数発生部41から送出される乱数データが暗号化部40に供給される。
暗号化部40にあっては、フレーム番号データ挿入部55からの改変HD信号DOD’に対して、乱数発生部41からの擬似乱数データDZAもしくは乱数データに応じた暗号化処理を施し、jビットワード列データを成す暗号化情報データである、改変HD信号DOD’基づく暗号化HD信号DXDを送出する。斯かる改変HD信号DOD’についての暗号化は、図12に示される暗号化部40によるHD信号DODについての暗号化と同様に行われる。
そして、暗号化部40から送出される暗号化HD信号DXDは、乱数発生部41におけるビット数変換部47に供給され、ビット数変換部47は、jビットワード列データを成す暗号化されたDH信号DXDをyビットワード列データに変換して帰還用データDFDを形成し、それをレジスタ部44に帰還する。
それにより、レジスタ部44は、暗号化部40に供給される改変HD信号DOD’における各ライン分毎にその動作がリセットされるもとで、当該改変HD信号DOD’における各フレーム分毎に、先ず、フレーム番号データ抽出部57からのフレーム番号データDFRに応じたレジスタ出力データDRZを送出し、その後、ビット数変換部47からの帰還用データDFDに応じたレジスタ出力データDRZを送出することになる。
図16は、本願の特許請求の範囲における請求項11に記載された発明に係る復号化装置の一例を示し、この復号化装置の例は、図14に示される暗号化装置の例から得られる暗号化情報データである暗号化HD信号DXDに復号化処理を施して、元のディジタル情報データであるHD信号DODを再生するものとされる。
図16に示される復号化装置の例は、図14に示される暗号化装置の例によって形成された、jビットワード列データを成す暗号化情報データである、暗号化HD信号DXDが、入力データとして供給される復号化部50と、乱数発生部51と、鍵データDEYを送出してそれを乱数発生部51に供給する鍵データ送出部52と、復号化部50にも供給される暗号化HD信号DXDが供給されるフレーム番号データ抽出部58と、復号化部50の出力側に設けられたフレーム番号データ除去部59と、を備えて構成される。
フレーム番号データ抽出部58は、それに供給される暗号化HD信号DXDから、それに含まれる各フレーム分毎に順次変化していくフレーム番号をあらわすフレーム番号データDFRを抽出して、抽出されたフレーム番号データDFRを乱数発生部51に供給する。
乱数発生部51は、図14に示される乱数発生部41と同様のものであって、レジスタ部44,暗号形成部45,ビット取出部46及びビット数変換部47を含んで構成され、jビット構成の擬似乱数データDZAを復号化部50に供給する。但し、ビット数変換部47には、復号化部50にも供給される暗号化HD信号DXDが供給され、ビット数変換部47の出力データ(DFD)が外部入力データとしてレジスタ部44に供給される。また、鍵データ送出部52は、図14に示される鍵データ送出部42と同様のものである。
従って、図16に示される復号化装置の例にあっても、乱数発生部51において、レジスタ部44に、フレーム番号データ抽出部58からのフレーム番号データDFRが供給されて、それが初期値データとされる。それにより、フレーム番号データ抽出部58は、フレーム番号データDFRを、乱数発生部51におけるレジスタ部44に対する初期値データとして送出する、初期値データ送出部を形成していることになる。また、レジスタ部44は、フレーム番号データ抽出部58からのフレーム番号データDFRが供給されるもとにあっても、復号化部50に供給される暗号化HD信号DXDにおける各ライン分毎に動作がリセットされるように設定される。そして、レジスタ部44は、復号化部50に供給される暗号化HD信号DXDにおけるライン分毎にその動作がリセットされるもとで、当該暗号化HD信号DXDにおける各フレーム分毎に、先ず、フレーム番号データ抽出部58からのフレーム番号データDFRに応じたレジスタ出力データDRZを送出し、その後、ビット数変換部47からの外部入力データDFDに応じたレジスタ出力データDRZを送出することになる。
なお、乱数発生部51は、擬似乱数データDZAに代えて、乱数データを発生するものとされる場合もあり、その際には、乱数発生部51から送出される乱数データが復号化部50に供給される。
斯かるもとで、復号化部50にあっては、暗号化HD信号DXDに対して、乱数発生部51からの擬似乱数データDZAもしくは乱数データに応じた復号化処理を施し、暗号化HD信号DXDに基づく改変HD信号DOD’を得て、それをフレーム番号データ除去部59に供給する。斯かる暗号化HD信号についての復号化にあたっては、暗号化HD信号DXDの、各ライン分における暗号化映像データについて復号化処理が施され、それによりHD信号の各ライン分における映像データ部に配された映像データDVVとそれに続くラインブランキング部の冒頭部分に配されたタイミング基準コードデータEAVとが再生される。そして、それらが、暗号化されていない各ラインブランキング部に配された諸データのうちのタイミング基準コードデータEAV以外のもの、即ち、ライン番号データDLN, 誤り符号データCRCC,補助データDAA,フレーム番号データDFR及びタイミング基準コードデータSAVと組み合わされる。その結果、各ラインブランキング部に配されたタイミング基準コードデータEAV以外の各データとそれに続く映像データとを含むものとされる改変HD信号DOD’が得られる。
フレーム番号データ除去部59にあっては、復号化部50からの改変HD信号DOD’から、それにおける各ラインブランキング部に挿入されたフレーム番号データDFRが除去されて、jビットワード列データを成す元のディジタル情報データであるHD信号DODが再生される。
図17は、本願の特許請求の範囲における請求項3に記載された発明に係る暗号化装置の一例を示す。
図17に示される暗号化装置の例は、前述の図14に示される暗号化装置に、ライン番号データ抽出部60とデータ加算部61とが追加されたものに相当する。図17においては、図14に示される各部及び各データに対応する部分及びデータが図14と共通の符号が付されて示されており、それらについての重複説明は省略される。
図17に示される暗号化装置の例にあっては、暗号化部40に供給される改変HD信号DOD’が、ライン番号データ抽出部60にも供給される。ライン番号データ抽出部60は、それに供給される改変HD信号DOD’から、それに含まれる各ライン分毎に順次変化していくライン番号をあらわすライン番号データDLNを抽出して、抽出されたライン番号データDLNを、データ加算部61を通じて乱数発生部41に供給する。
乱数発生部41には、フレーム番号データ抽出部57からのフレーム番号データDFRも、データ加算部61を通じて供給される。そして、乱数発生部41にあっては、フレーム番号データ抽出部57からのフレーム番号データDFR及びライン番号データ抽出部60からのライン番号データDLNの夫々が、レジスタ部44に、それに対する初期値データとして供給される。これよりして、フレーム番号データ抽出部57及びライン番号データ抽出部60の夫々は、フレーム番号データDFRもしくはライン番号データDLNを、乱数発生部41におけるレジスタ部44に対する初期値データとして送出する、初期値データ送出部を形成していることになる。
そして、レジスタ部44は、暗号化部40に供給される改変HD信号DOD’における各ライン分毎にその動作がリセットされるもとで、当該改変HD信号DOD’における各フレーム分毎に、フレーム番号データ抽出部58からのフレーム番号データDFRに応じたレジスタ出力データDRZを送出し、さらに、当該改変HD信号DOD’における各ライン分毎に、先ず、ライン番号データ抽出部60からのライン番号データDLNに応じたレジスタ出力データDRZを送出し、その後、ビット数変換部47からの帰還用データDFDに応じたレジスタ出力データDRZを送出する動作を行う。
図17に示される暗号化装置の例におけるその他の動作は、図14に示される暗号化装置の例の場合と同様である。
図18は、本願の特許請求の範囲における請求項12に記載された発明に係る復号化装置の一例を示し、この復号化装置の例は、図17に示される暗号化装置の例から得られる暗号化情報データである暗号化HD信号DXDに復号化処理を施して、元のディジタル情報データであるHD信号DODを再生するものとされる。
図18に示される復号化装置の例は、前述の図16に示される復号化装置に、ライン番号データ抽出部62とデータ加算部63とが追加されたものに相当する。図18においては、図16に示される各部及び各データに対応する部分及びデータが図16と共通の符号が付されて示されており、それらについての重複説明は省略される。
図18に示される復号化装置の例にあっては、復号化部50に供給される暗号化HD信号DXDが、ライン番号データ抽出部62にも供給される。ライン番号データ抽出部62は、それに供給される暗号化HD信号DXDから、それに含まれる各ライン分毎に順次変化していくライン番号をあらわすライン番号データDLNを抽出して、抽出されたライン番号データDLNを、データ加算部63を通じて乱数発生部51に供給する。
乱数発生部51には、フレーム番号データ抽出部58からのフレーム番号データDFRも、データ加算部63を通じて供給される。そして、乱数発生部51にあっては、フレーム番号データ抽出部58からのフレーム番号データDFR及びライン番号データ抽出部62からのライン番号データDLNの夫々が、レジスタ部44に、それに対する初期値データとして供給される。これよりして、フレーム番号データ抽出部58及びライン番号データ抽出部62の夫々は、フレーム番号データDFRもしくはライン番号データDLNを、乱数発生部51におけるレジスタ部44に対する初期値データとして送出する、初期値データ送出部を形成していることになる。
そして、レジスタ部44は、復号化部50に供給される暗号化HD信号DXDにおける各ライン分毎にその動作がリセットされるもとで、当該暗号化HD信号DXDにおける各フレーム分毎に、フレーム番号データ抽出部58からのフレーム番号データDFRに応じたレジスタ出力データDRZを送出し、さらに、当該暗号化HD信号DXDにおける各ライン分毎に、先ず、ライン番号データ抽出部62からのライン番号データDLNに応じたレジスタ出力データDRZを送出し、その後、ビット数変換部47からの外部入力データDFDに応じたレジスタ出力データDRZを送出する動作を行う。
図18に示される復号化装置の例におけるその他の動作は、図16に示される復号化装置の例の場合と同様である。
上述の図12,図14及び図17のいずれかに示される暗号化装置の例によれば、例えば、暗号化部40において暗号化されるべきディジタル情報データがHD信号とされたもとで、乱数発生部41におけるレジスタ部44に、それに対する初期値データとして、暗号化されるべきHD信号におけるライン分もしくはフレーム分毎に変化するライン番号データもしくはフレーム番号データあるいはそれら両方を供給する初期値データ送出部を形成するライン番号データ抽出部43または60もしくはフレーム番号データ抽出部57あるいはそれら両者が備えられることにより、擬似乱数データもしくは乱数データの形成に、暗号化されるべきHD信号における各ライン分毎のリセットがかけられるもとにあっても、暗号化されるべきHD信号における各ライン分もしくは各フレーム分について発生する擬似乱数データもしくは乱数データが同じとされてしまう事態が防止される。それゆえ、暗号化HD信号から元のHD信号があらわす情報内容を推測することが困難とされて、暗号強度の改善が図られる。
また、上述の図13,図16及び図18のいずれかに示される復号化装置の例によれば、例えば、図12,図14及び図17のいずれかに示される暗号化装置の例によって、HD信号に暗号強度の改善が図られることになる暗号化処理が施されて得られた暗号化HD信号に対しての、元のHD信号を再生するための擬似乱数データもしくは乱数データに応じた復号化処理が、復号化部50において適正に行われることになる。
図19は、本願の特許請求の範囲における請求項4に記載された発明に係る暗号化装置の一例を示す。
図19に示される暗号化装置の例は、jビットワード列データを成すディジタル情報データである、図5に示される如くのHD信号DODが入力データとして供給される暗号化部70と、暗号化部70にも供給されるHD信号DODが供給され、そのHD信号DODからそれに含まれるライン番号データDLNを抽出して送出するライン番号データ送出部71と、ライン番号データ送出部71により抽出されたライン番号データDLNを保持するレジスタ部72と、鍵データDEYを送出する鍵データ送出部73と、レジスタ部72により保持されたライン番号データDLNと鍵データ送出部73から送出される鍵データDEYとが供給される演算処理部74と、を備えて構成される。
ライン番号データ送出部71は、HD信号DODとされたディジタル情報データにおけるデータ区分毎に変化する情報データを送出する情報データ送出部を形成しており、HD信号DODから抽出したライン番号データDLNを、ディジタル情報データにおけるデータ区分毎に変化する情報データとして送出する。
演算処理部74は、鍵データDEYとライン番号データDLNとに演算処理を施して、ライン番号データDLNに応じて、暗号化部70に供給されるHD信号DODにおける各ライン分毎に変化するものとされる改変鍵データDXYを形成し、それを暗号化部70に供給する。暗号化部70は、HD信号DODに改変鍵データDXYによって定められる規則に従った暗号化処理を施して、jビットワード列データを成す暗号化情報データである、HD信号DODに基づく暗号化HD信号DXDを形成して、それを送出する。
斯かる暗号化部70におけるHD信号についての暗号化も、前述の図12に示される暗号化部40におけるHD信号DODについての暗号化と同様にして行われ、暗号化HD信号DXDが、各ラインブランキング部に配された、暗号化されていないライン番号データDLN, 誤り符号データCRCC,補助データDAA及びタイミング基準コードデータSAVと、それに続く、映像データDVV及びタイミング基準コードデータEAVが暗号化されて得られた暗号化映像データと、を含んで成るものとされる。
図20は、本願の特許請求の範囲における請求項13に記載された発明に係る復号化装置の一例を示し、この復号化装置の例は、図19に示される暗号化装置の例から得られる暗号化HD信号DXDに復号化処理を施して、元のディジタル情報データであるHD信号DODを再生するものとされる。
図20に示される復号化装置の例は、図19に示される暗号化装置の例によって形成された、jビットワード列データを成す暗号化情報データである、暗号化HD信号DXDが入力データとして供給される復号化部80と、復号化部80にも供給される暗号化HD信号DXDが供給され、その暗号化HD信号DXDからそれに含まれるライン番号データDLNを抽出して送出するライン番号データ送出部81と、ライン番号データ送出部81により抽出されたライン番号データDLNを保持するレジスタ部82と、鍵データDEYを送出する鍵データ送出部73と、レジスタ部82により保持されたライン番号データDLNと鍵データ送出部73から送出される鍵データDEYとが供給される演算処理部83と、を備えて構成される。鍵データ送出部73は、図19に示される鍵データ送出部73と同様のものである。
ライン番号データ送出部81は、暗号化HD信号DXDとされた暗号化情報データにおけるデータ区分毎に変化する情報データを送出する情報データ送出部を形成しており、暗号化HD信号DXDから抽出したライン番号データDLNを、暗号化情報データにおけるデータ区分毎に変化する情報データとして送出する。
演算処理部83は、鍵データDEYとライン番号データDLNとに演算処理を施して、ライン番号データDLNに応じて、復号化部80に供給される暗号化HD信号DXDにおける各ライン分毎に変化するものとされる改変鍵データDXYを形成し、それを復号化部80に供給する。復号化部80は、暗号化HD信号DXDに改変鍵データDXYによって定められる規則に従った復号化処理を施して、jビットワード列データを成す元のディジタル情報データである、暗号化HD信号DXDに基づく元のHD信号DODを形成して、それを送出する。
斯かる復号化部80における暗号化HD信号DXDについての復号化も、前述の図13に示される復号化部50における暗号化HD信号DXDについての復号化と同様にして行われ、元のHD信号DODが、各ラインブランキング部に、タイミング基準コードデータEAV,ライン番号データDLN, 誤り符号データCRCC,補助データDAA及びタイミング基準コードデータSAVが配され、それに、映像データDVVが配された映像データ部が連なって成るものとされる。
図21は、本願の特許請求の範囲における請求項5に記載された発明に係る暗号化装置の一例を示す。
図21に示される暗号化装置の例は、暗号化部70と、鍵データDEYを送出して、それを暗号化部70に供給する鍵データ送出部73と、jビットワード列データを成すディジタル情報データである、図5に示される如くのHD信号DODが供給される演算処理部75と、演算処理部75にも供給されるHD信号DODが供給され、そのHD信号DODからそれに含まれるライン番号データDLNを抽出して送出するライン番号データ送出部71と、ライン番号データ送出部71により抽出されたライン番号データDLNを保持するレジスタ部72と、を備えて構成される。
ライン番号データ送出部71,レジスタ部72及び鍵データ送出部73は、図19に示されるライン番号データ送出部71,レジスタ部72及び鍵データ送出部73と同様のものであり、ライン番号データ送出部71は、HD信号DODとされたディジタル情報データにおけるデータ区分毎に変化する情報データを送出する情報データ送出部を形成しており、HD信号DODから抽出したライン番号データDLNを、ディジタル情報データにおけるデータ区分毎に変化する情報データとして送出する。
レジスタ部72により保持されたライン番号データDLNは、演算処理部75に供給される。演算処理部75は、HD信号DODとレジスタ部72により保持されたライン番号データDLNとに演算処理を施して、ライン番号データDLNに応じて、HD信号DODにおける各ライン分毎に変化するものとされる改変HD信号DODPを形成し、それを暗号化部70に供給する。
暗号化部70は、演算処理部75からの改変HD信号DODPに、鍵データDEYによって定められる規則に従った暗号化処理を施して、jビットワード列データを成す暗号化情報データである、改変HD信号DODPに基づく暗号化HD信号DXDを形成して、それを送出する。斯かる暗号化部70における改変HD信号DODPについての暗号化も、前述の図19に示される暗号化部70におけるHD信号DODについての暗号化と同様にして行われる。
図22は、本願の特許請求の範囲における請求項14に記載された発明に係る復号化装置の一例を示し、この復号化装置の例は、図21に示される暗号化装置の例から得られる暗号化HD信号DXDに復号化処理を施して、元のディジタル情報データであるHD信号DODを再生するものとされる。
図22に示される復号化装置の例は、復号化部80と、鍵データDEYを送出して、それを復号化部80に供給する鍵データ送出部73と、jビットワード列データを成すディジタル情報データである、図21に示される暗号化装置の例により形成された暗号化HD信号DXDが供給される演算処理部83と、演算処理部83にも供給される暗号化HD信号DXDが供給され、その暗号化HD信号DXDからそれに含まれるライン番号データDLNを抽出して送出するライン番号データ送出部81と、ライン番号データ送出部81により抽出されたライン番号データDLNを保持するレジスタ部82と、を備えて構成される。
ライン番号データ送出部81,レジスタ部82及び鍵データ送出部73は、図20に示されるライン番号データ送出部81,レジスタ部82及び鍵データ送出部73と同様のものであり、ライン番号データ送出部81は、暗号化HD信号DXDとされたディジタル情報データにおけるデータ区分毎に変化する情報データを送出する情報データ送出部を形成しており、暗号化HD信号DXDから抽出したライン番号データDLNを、ディジタル情報データにおけるデータ区分毎に変化する情報データとして送出する。
レジスタ部82により保持されたライン番号データDLNは、演算処理部83に供給される。演算処理部83は、暗号化HD信号DXDとレジスタ部72により保持されたライン番号データDLNとに演算処理を施して、ライン番号データDLNに応じて、暗号化HD信号DXDにおける各ライン分毎に変化するものとされる改変暗号化HD信号DXDPを形成し、それを復号化部80に供給する。
復号化部80は、演算処理部83からの改変暗号化HD信号DXDPに、鍵データDEYによって定められる規則に従った復号化処理を施して、jビットワード列データを成す元のディジタル情報データである、改変暗号化HD信号DXDに基づく元のHD信号DODを形成して、それを送出する。斯かる復号化部80における改変暗号化HD信号DXDPについての復号化も、前述の図20に示される復号化部80における暗号化HD信号DXDについての復号化と同様にして行われる。
図23は、本願の特許請求の範囲における請求項6に記載された発明に係る暗号化装置の一例を示す。
図23に示される暗号化装置の例にあっては、jビットワード列データを成すディジタル情報データである、図5に示される如くのHD信号DODが供給されるフレーム番号データ挿入部55と、HD信号DODにおける各フレーム分毎に順次変化していくフレーム番号をあらわすフレーム番号データDFRをフレーム番号データ挿入部55に供給するフレーム番号データ送出部56とが設けられている。これらのフレーム番号データ挿入部55及びフレーム番号データ送出部56は、図14及び図17に示されるフレーム番号データ挿入部55及びフレーム番号データ送出部56と同様のものであり、フレーム番号データ挿入部55は、HD信号DODにおける各ラインブランキング部における補助データDAAが配される部分に、フレーム番号データ送出部56からのフレーム番号データDFRを挿入し、図15に示される如くの、各ラインブランキング部にフレーム番号データDFRが挿入されて成る改変HD信号DOD’を形成する。
さらに、図23に示される暗号化装置の例は、フレーム番号データ挿入部55とフレーム番号データ送出部56とに加えて、フレーム番号データ挿入部55から送出される改変HD信号DOD’が入力データとして供給される暗号化部70と、暗号化部70にも供給される改変HD信号DOD’が供給され、その改変HD信号DOD’からそれに含まれるフレーム番号データDFRを抽出して送出するフレーム番号データ送出部85と、フレーム番号データ送出部85により抽出されたフレーム番号データDFRを保持するレジスタ部86と、鍵データDEYを送出する鍵データ送出部73と、レジスタ部86により保持されたフレーム番号データDFRと鍵データ送出部73から送出される鍵データDEYとが供給される演算処理部74と、を備えて構成される。
フレーム番号データ送出部85は、改変HD信号DOD’とされたディジタル情報データにおけるデータ区分毎に変化する情報データを送出する情報データ送出部を形成しており、改変HD信号DOD’から抽出したフレーム番号データDFRを、ディジタル情報データにおけるデータ区分毎に変化する情報データとして送出する。
鍵データ送出部73及び演算処理部74は、図19に示される鍵データ送出部73及び演算処理部74と同様のものであり、演算処理部74は、鍵データDEYとフレーム番号データDFRとに演算処理を施して、フレーム番号データDFRに応じて、暗号化部70に供給される改変HD信号DOD’における各フレーム分毎に変化するものとされる改変鍵データDXYを形成し、それを暗号化部70に供給する。暗号化部70は、改変HD信号DOD’に改変鍵データDXYによって定められる規則に従った暗号化処理を施して、jビットワード列データを成す暗号化情報データである、改変HD信号DOD’に基づく暗号化HD信号DXDを形成して、それを送出する。
斯かる暗号化部70における改変HD信号DOD’についての暗号化も、前述の図14に示される暗号化部40における改変HD信号DOD’についての暗号化と同様にして行われる。
図24は、本願の特許請求の範囲における請求項15に記載された発明に係る復号化装置の一例を示し、この復号化装置の例は、図23に示される暗号化装置の例から得られる暗号化HD信号DXDに復号化処理を施して、元のディジタル情報データであるHD信号DODを再生するものとされる。
図24に示される復号化装置の例は、図23に示される暗号化装置の例によって形成された、jビットワード列データを成す暗号化情報データである、暗号化HD信号DXDが入力データとして供給される復号化部80と、復号化部80にも供給される暗号化HD信号DXDが供給され、その暗号化HD信号DXDからそれに含まれるフレーム番号データDFRを抽出して送出するフレーム番号データ送出部87と、フレーム番号データ送出部87により抽出されたフレーム番号データDFRを保持するレジスタ部88と、鍵データDEYを送出する鍵データ送出部73と、レジスタ部88により保持されたフレーム番号データDFRと鍵データ送出部73から送出される鍵データDEYとが供給される演算処理部89と、復号化部80の出力側に設けられたフレーム番号データ除去部90と、を備えて構成される。鍵データ送出部73は、図23に示される鍵データ送出部73と同様のものである。
フレーム番号データ送出部87は、暗号化HD信号DXDとされた暗号化情報データにおけるデータ区分毎に変化する情報データを送出する情報データ送出部を形成しており、暗号化HD信号DXDから抽出したフレーム番号データDFRを、暗号化情報データにおけるデータ区分毎に変化する情報データとして送出する。
演算処理部89は、鍵データDEYとフレーム番号データDFRとに演算処理を施して、フレーム番号データDFRに応じて、復号化部80に供給される暗号化HD信号DXDにおける各フレーム分毎に変化するものとされる改変鍵データDXYを形成し、それを復号化部80に供給する。復号化部80は、暗号化HD信号DXDに改変鍵データDXYによって定められる規則に従った復号化処理を施して、jビットワード列データを成す元のディジタル情報データである、暗号化HD信号DXDに基づく変換HD信号DOD’を形成して、それをフレーム番号データ除去部90に供給する。
斯かる復号化部80における暗号化HD信号DXDについての復号化も、前述の図20に示される復号化部80における暗号化HD信号DXDについての復号化と同様にして行われる。
フレーム番号データ除去部90にあっては、復号化部80からの改変HD信号DOD’から、それにおける各ラインブランキング部に挿入されたフレーム番号データDFRが除去されて、jビットワード列データを成す元のディジタル情報データであるHD信号が再生される。
図25は、本願の特許請求の範囲における請求項7に記載された発明に係る暗号化装置の一例を示す。
図25に示される暗号化装置の例にあっては、jビットワード列データを成すディジタル情報データである、図5に示される如くのHD信号DODが供給されるフレーム番号データ挿入部55と、HD信号DODにおける各フレーム分毎に順次変化していくフレーム番号をあらわすフレーム番号データDFRをフレーム番号データ挿入部55に供給するフレーム番号データ送出部56とが設けられている。これらのフレーム番号データ挿入部55及びフレーム番号データ送出部56は、図14,図17及び図23に示されるフレーム番号データ挿入部55及びフレーム番号データ送出部56と同様のものであり、フレーム番号データ挿入部55は、HD信号DODにおける各ラインブランキング部における補助データDAAが配される部分に、フレーム番号データ送出部56からのフレーム番号データDFRを挿入し、図15に示される如くの、各ラインブランキング部にフレーム番号データDFRが挿入されて成る改変HD信号DOD’を形成する。
さらに、図25に示される暗号化装置の例は、フレーム番号データ挿入部55とフレーム番号データ送出部56とに加えて、暗号化部70と、鍵データDEYを送出して、それを暗号化部70に供給する鍵データ送出部73と、フレーム番号データ挿入部55から送出される改変HD信号DOD’が供給される演算処理部91と、演算処理部91にも供給される改変HD信号DOD’が供給され、その改変HD信号DOD’からそれに含まれるフレーム番号データDFRを抽出して送出するフレーム番号データ送出部85と、フレーム番号データ送出部85により抽出されたフレーム番号データDFRを保持するレジスタ部86と、を備えて構成される。
フレーム番号データ送出部85,レジスタ部86及び鍵データ送出部73は、図23に示されるフレーム番号データ送出部85,レジスタ部86及び鍵データ送出部73と同様のものであり、フレーム番号データ送出部85は、改変HD信号DOD’とされたディジタル情報データにおけるデータ区分毎に変化する情報データを送出する情報データ送出部を形成しており、改変HD信号DOD’から抽出したフレーム番号データDFRを、ディジタル情報データにおけるデータ区分毎に変化する情報データとして送出する。
レジスタ部86により保持されたフレーム番号データDFRは、演算処理部91に供給される。演算処理部91は、改変HD信号DOD’とレジスタ部86により保持されたフレーム番号データDFRとに演算処理を施して、フレーム番号データDFRに応じて、改変HD信号DOD’における各ライン分毎に変化するものとされる改変HD信号DODP’を形成し、それを暗号化部70に供給する。
暗号化部70は、演算処理部91からの改変HD信号DODP’に、鍵データDEYによって定められる規則に従った暗号化処理を施して、jビットワード列データを成す暗号化情報データである、改変HD信号DODP’に基づく暗号化HD信号DXDを形成して、それを送出する。斯かる暗号化部70における改変HD信号DODP’についての暗号化も、前述の図23に示される暗号化部70における改変HD信号DOD’についての暗号化と同様にして行われる。
図26は、本願の特許請求の範囲における請求項16に記載された発明に係る復号化装置の一例を示し、この復号化装置の例は、図25に示される暗号化装置の例から得られる暗号化HD信号DXDに復号化処理を施して、元のディジタル情報データであるHD信号DODを再生するものとされる。
図26に示される復号化装置の例は、復号化部80と、鍵データDEYを送出して、それを復号化部80に供給する鍵データ送出部73と、jビットワード列データを成すディジタル情報データである、図25に示される暗号化装置の例により形成された暗号化HD信号DXDが供給される演算処理部92と、演算処理部92にも供給される暗号化HD信号DXDが供給され、その暗号化HD信号DXDからそれに含まれるフレーム番号データDFRを抽出して送出するフレーム番号データ送出部87と、フレーム番号データ送出部87により抽出されたフレーム番号データDFRを保持するレジスタ部88と、復号化部80の出力側に設けられたフレーム番号データ除去部90と、を備えて構成される。
フレーム番号データ送出部87,レジスタ部88,鍵データ送出部73及びフレーム番号データ除去部90は、図24に示されるフレーム番号データ送出部87,レジスタ部88,鍵データ送出部73及びフレーム番号データ除去部90と同様のものであり、フレーム番号データ送出部87は、暗号化HD信号DXDとされたディジタル情報データにおけるデータ区分毎に変化する情報データを送出する情報データ送出部を形成しており、暗号化HD信号DXDから抽出したフレーム番号データDFRを、ディジタル情報データにおけるデータ区分毎に変化する情報データとして送出する。
レジスタ部88により保持されたフレーム番号データDFRは、演算処理部92に供給される。演算処理部92は、暗号化HD信号DXDとレジスタ部88により保持されたフレーム番号データDFRとに演算処理を施して、フレーム番号データDFRに応じて、暗号化HD信号DXDにおける各ライン分毎に変化するものとされる改変暗号化HD信号DXDP’を形成し、それを復号化部80に供給する。
復号化部80は、演算処理部92からの改変暗号化HD信号DXDP’に、鍵データDEYによって定められる規則に従った復号化処理を施して、jビットワード列データを成すディジタル情報データである、改変暗号化HD信号DXDP’に基づく改変HD信号DOD’を形成して、それをフレーム番号データ除去部90に供給する。斯かる復号化部80における改変暗号化HD信号DXDP’についての復号化も、前述の図22に示される復号化部80における改変暗号化HD信号DXDPについての復号化と同様にして行われる。
フレーム番号データ除去部90にあっては、復号化部80からの改変HD信号DOD’から、それにおける各ラインブランキング部に挿入されたフレーム番号データDFRが除去されて、jビットワード列データを成す元のディジタル情報データであるHD信号DODが再生される。
図27は、本願の特許請求の範囲における請求項8に記載された発明に係る暗号化装置の一例を示す。
図27に示される暗号化装置の例は、前述の図23に示される暗号化装置に、ライン番号データ送出部95とレジスタ部96とデータ加算部97とが追加されたものに相当する。図27においては、図23に示される各部及び各データに対応する部分及びデータが図23と共通の符号が付されて示されており、それらについての重複説明は省略される。
図27に示される暗号化装置の例にあっては、暗号化部70に供給される改変HD信号DOD’が、ライン番号データ送出部95にも供給される。ライン番号データ送出部95は、それに供給される改変HD信号DOD’から、それに含まれる各ライン分毎に順次変化していくライン番号をあらわすライン番号データDLNを抽出して、抽出されたライン番号データDLNを、レジスタ部96に供給する。
レジスタ部96は、ライン番号データ送出部95からのライン番号データDLNを保持し、保持したライン番号データDLNをデータ加算部97を通じて演算処理部74に供給する。
演算処理部74には、レジスタ部86によって保持されたフレーム番号データDFRも、データ加算部97を通じて供給される。そして、演算処理部74にあっては、レジスタ部96からのライン番号データDLNとレジスタ部86からのフレーム番号データDFRと鍵データ送出部73からの鍵データDEYとについての演算処理が行われ、改変HD信号DOD’における各ライン分毎に、さらには、各フレーム分毎に変化するものとされる改変鍵データDXYが形成されて、それが暗号化部70に供給される。
それにより、暗号化部70は、図23に示される暗号化部70による改変HD信号DOD’に対する暗号化の場合と同様にして、フレーム番号データ挿入部55から送出される改変HD信号DOD’に、改変鍵データDXYにより定められる規則に従った暗号化処理を施して、改変HD信号DOD’に基づく暗号化HD信号DXDを形成する。
図27に示される暗号化装置の例におけるその他の動作は、図23に示される暗号化装置の例の場合と同様である。
図28は、本願の特許請求の範囲における請求項17に記載された発明に係る復号化装置の一例を示し、この復号化装置の例は、図27に示される暗号化装置の例から得られる暗号化情報データである暗号化HD信号DXDに復号化処理を施して、元のディジタル情報データであるHD信号DODを再生するものとされる。
図28に示される復号化装置の例は、前述の図24に示される復号化装置に、ライン番号データ送出部98とレジスタ99とデータ加算部100とが追加されたものに相当する。図28においては、図24に示される各部及び各データに対応する部分及びデータが図24と共通の符号が付されて示されており、それらについての重複説明は省略される。
図28に示される復号化装置の例にあっては、復号化部80に供給される暗号化HD信号DXDが、ライン番号データ送出部98にも供給される。ライン番号データ送出部98は、それに供給される暗号化HD信号DXDから、それに含まれる各ライン分毎に順次変化していくライン番号をあらわすライン番号データDLNを抽出して、抽出されたライン番号データDLNを、レジスタ部99に供給する。
レジスタ部99は、ライン番号データ送出部98からのライン番号データDLNを保持し、保持したライン番号データDLNをデータ加算部100を通じて演算処理部89に供給する。
演算処理部89には、レジスタ部88によって保持されたフレーム番号データDFRも、データ加算部100を通じて供給される。そして、演算処理部89にあっては、レジスタ部99からのライン番号データDLNとレジスタ部88からのフレーム番号データDFRと鍵データ送出部73からの鍵データDEYとについての演算処理が行われ、暗号化HD信号DXDにおける各ライン分毎に、さらには、各フレーム分毎に変化するものとされる改変鍵データDXYが形成されて、それが復号化部80に供給される。
それにより、復号化部80は、図24に示される復号化部80による暗号化HD信号DXDに対する復号化の場合と同様にして、暗号化HD信号DXDに、改変鍵データDXYにより定められる規則に従った復号化処理を施して、暗号化HD信号DXDに基づく改変HD信号DOD’を得、それをフレーム番号データ除去部90に供給する。
図28に示される復号化装置の例におけるその他の動作は、図24に示される復号化装置の例の場合と同様である。
図29は、本願の特許請求の範囲における請求項9に記載された発明に係る暗号化装置の一例を示す。
図29に示される暗号化装置の例は、前述の図25に示される暗号化装置に、ライン番号データ送出部95とレジスタ部96とデータ加算部97とが追加されたものに相当する。図29においては、図25に示される各部及び各データに対応する部分及びデータが図25と共通の符号が付されて示されており、それらについての重複説明は省略される。
図29に示される暗号化装置の例にあっては、演算処理部91に供給される改変HD信号DOD’が、ライン番号データ送出部95にも供給される。ライン番号データ送出部95は、それに供給される改変HD信号DOD’から、それに含まれる各ライン分毎に順次変化していくライン番号をあらわすライン番号データDLNを抽出して、抽出されたライン番号データDLNを、レジスタ部96に供給する。
レジスタ部96は、ライン番号データ送出部95からのライン番号データDLNを保持し、保持したライン番号データDLNをデータ加算部97を通じて演算処理部91に供給する。
演算処理部91には、レジスタ部86によって保持されたフレーム番号データDFRも、データ加算部97を通じて供給される。そして、演算処理部91にあっては、フレーム番号データ挿入部55からの改変HD信号DOD’とレジスタ部96からのライン番号データDLNとレジスタ部86からのフレーム番号データDFRとについての演算処理が行われ、改変HD信号DOD’における各ライン分毎に、さらには、各フレーム分毎に変化するものとされる改変HD信号DODP’が形成されて、それが暗号化部70に供給される。
図29に示される暗号化装置の例におけるその他の動作は、図25に示される暗号化装置の例の場合と同様である。
図30は、本願の特許請求の範囲における請求項18に記載された発明に係る復号化装置の一例を示し、この復号化装置の例は、図29に示される暗号化装置の例から得られる暗号化情報データである暗号化HD信号DXDに復号化処理を施して、元のディジタル情報データであるHD信号DODを再生するものとされる。
図30に示される復号化装置の例は、前述の図26に示される復号化装置に、ライン番号データ送出部98とレジスタ部99とデータ加算部100とが追加されたものに相当する。図19においては、図26に示される各部及び各データに対応する部分及びデータが図26と共通の符号が付されて示されており、それらについての重複説明は省略される。
図30に示される復号化装置の例にあっては、演算処理部92に供給される暗号化HD信号DXDが、ライン番号データ送出部98にも供給される。ライン番号データ送出部98は、それに供給される暗号化HD信号DXDから、それに含まれる各ライン分毎に順次変化していくライン番号をあらわすライン番号データDLNを抽出して、抽出されたライン番号データDLNを、レジスタ部99に供給する。
レジスタ部99は、ライン番号データ送出部98からのライン番号データDLNを保持し、保持したライン番号データDLNをデータ加算部100を通じて演算処理部92に供給する。
演算処理部92には、レジスタ部88によって保持されたフレーム番号データDFRも、データ加算部100を通じて供給される。そして、演算処理部92にあっては、暗号化HD信号DXDとレジスタ部99からのライン番号データDLNとレジスタ部88からのフレーム番号データDFRとについての演算処理が行われ、暗号化HD信号DXDにおける各ライン分毎に、さらには、各フレーム分毎に変化するものとされる改変暗号化HD信号DXDP’が形成されて、それが復号化部80に供給される。
図30に示される復号化装置の例におけるその他の動作は、図26に示される復号化装置の例の場合と同様である。
上述の図19,図23及び図27のいずれかに示される暗号化装置の例によれば、例えば、暗号化部70において暗号化されるべきディジタル情報データがHD信号とされたもとで、暗号化されるべきHD信号に基づく暗号化HD信号を得るための暗号化に用いられる鍵データが、暗号化されるべきHD信号における各ライン分毎もしくは各フレーム分毎に、あるいは、それらの両方をもって、変化するものに改変されることになる。その結果、暗号化HD信号から元のHD信号があらわす映像内容を推測することが困難とされて、暗号強度の改善が図られることになる。
また、上述の図20,図24及び図28のいずれかに示される復号化装置の例によれば、例えば、図19,図23及び図27のいずれかに示される暗号化装置の例によって、HD信号に暗号強度の改善が図られることになる暗号化処理が施されて得られた暗号化HD信号に対しての、元のHD信号を再生するための復号化処理が、復号化部80において適正に行われることになる。
さらに、上述の図21,図25及び図29のいずれかに示される暗号化装置の例によれば、例えば、暗号化部70において暗号化されるべきディジタル情報データがHD信号とされるもとで、暗号化されるべきHD信号が、それにおける各ライン分毎もしくは各フレーム分毎にあるいはそれらの両方をもって、変化するものに改変されて、暗号化部において鍵データに応じて暗号化されることになる。その結果、暗号化HD信号から元のHD信号があらわす映像内容を推測することが困難とされて、暗号強度の改善が図られることになる。
また、上述の図22,図26及び図30のいずれかに示される復号化装置の例によれば、例えば、図21,図25及び図29のいずれかに示される暗号化装置の例によって、HD信号に暗号強度の改善が図られることになる暗号化処理が施されて得られた暗号化HD信号に対しての、元のHD信号を再生するための復号化処理が、復号化部80において適正に行われることになる。
図31は、上述の図12,図14及び図17の各々における乱数発生部41及び上述の図13,図16及び図18の各々における乱数発生部51の夫々に代えて用いることができる乱数発生部101を示す。即ち、上述の図12,図14及び図の各々に示される暗号化装置の例及び上述の図13,図16及び図18の各々に示される復号化装置の例の夫々は、乱数発生部41もしくは51に代えて、乱数発生部101が用いられたものとされ得るのである。
図31に示される乱数発生部101は、図12,図14及び図17の各々における乱数発生部41及び図13,図16及び図18の各々における乱数発生部51の夫々が備えるものと同様な、暗号形成部45,暗号形成部45に入力データを供給するデータ供給部を形成するレジスタ部44及びビット取出部46を備えるが、図12,図14及び図17の各々における乱数発生部41及び上述の図13,図16及び図18の各々における乱数発生部51の夫々が備えるビット数変換部47は備えていない。そして、暗号形成部45から得られる暗号データDEZが、ビット取出部46に供給されるとともに、レジスタ部44に対する帰還用データとされ、レジスタ部44に帰還される。
それゆえ、レジスタ部44は、ライン番号データ抽出部43,53,60または62,もしくは、フレーム番号データ抽出部57または58、あるいは、それら両者から、初期値として供給されるライン番号データDLNもしくはフレーム番号データDFRあるいはそれら両者に応じたレジスタ出力データDRZを送出するとともに、暗号形成部45からの帰還用データとされた暗号データDEZに応じたレジスタ出力データDRZを送出することになる。