JP4578023B2 - Method for treating incinerated ash containing dioxins and heavy metals - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイオキシン類及び重金属を含む焼却灰を再生セメントの固化により得られるセメント硬化体内に封じ込めるダイオキシン類及び重金属を含む焼却灰の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、企業や家庭から排出される生ゴミや有機産業廃棄物は、これらゴミを収集した地域のゴミ焼却炉にて焼却処分されている。そして、上記有機産業廃棄物には、ポリ塩化ビニル等の塩素を含む合成樹脂類が混在していることから、焼却過程において化学反応が生じて猛毒のダイオキシン類が生成することが知られている。更に、産業廃棄物には鉛や六価クロム等の重金属が多く含まれている。
【0003】
又、上記ゴミ焼却炉は、一定期間毎に焼却炉の清掃が行われる。この清掃は、焼却炉内の焼却灰を除去するとともに、焼却炉内を水洗いすることにより行われる。
【0004】
しかしながら、上記焼却炉内の焼却灰や焼却炉の清掃に用いられた後の焼却灰が分散した状態の排水にはダイオキシン類や重金属が含まれていることから、これらの処理が問題となっていた。
【0005】
一方、コンクリート構造物は、一定期間が経過すると、その耐久性の問題から或いは別の構造物を新たに建築するために取り壊されることがあるが、この際、コンクリート構造物の解体取り壊しによって発生するコンクリート廃棄物の処理が社会問題化している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、コンクリート構造物の解体取り壊しやブロック等の二次製品から発生するコンクリート廃棄物を有効利用して、ダイオキシン類及び重金属を含む焼却灰を効果的に封じ込め処理することができるダイオキシン類及び重金属を含む焼却灰の処理方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のダイオキシン類及び重金属を含む焼却灰の処理方法は、ダイオキシン類及び重金属を含む焼却灰を含有するフミン質溶液を、乾燥したコンクリート砕砂20〜50重量部、乾燥した高炉水滓50〜80重量部及び二水換算による乾燥した石膏2〜5重量部を粉砕、混合することによって得られた再生セメントに混合し、この再生セメントを固化させることを特徴とする。
【0008】
【作用】
本発明のダイオキシン類及び重金属を含む焼却灰の処理方法は、再生セメントを用いてダイオキシン類及び重金属を含む焼却灰をセメント硬化体内に封じ込め処理するものであるが、上記再生セメントは、コンクリート構造物の解体取り壊しやブロック等の二次製品等から発生するコンクリート廃棄物を原料にして製造されたものであり、環境面において優れたものである。
【0009】
一方、上記再生セメントを固化して得られたセメント硬化体は、その空隙の大きさが普通セメントを固化して得られたセメント硬化体の空隙に比して大きい。
【0010】
そこで、本発明のダイオキシン類及び重金属を含む焼却灰の処理方法では、ダイオキシン類及び重金属を含む焼却灰を高分子化合物であって凝集剤としての作用を有するフミン質によって凝集させて大きな粒子に成長させることによりセメント硬化体内に確実に封じ込め、ダイオキシン類及び重金属を含む焼却灰がセメント硬化体の空隙を通じてセメント硬化外に溶出するのを防止している。
【0011】
しかも、上記フミン質は、分子量が数千以上の色素成分であって芳香環を基本構造とする高分子有機酸であり、親油性をも有していることから、上記焼却灰の表面に吸着したダイオキシン類は、上記フミン質に対して高い親和性を有し、よって、フミン質により凝集させられた焼却灰の表面に吸着しているダイオキシン類は、焼却灰を凝集させているフミン質との間の高い親和力によって焼却灰から遊離するのを確実に防止させられており、セメント硬化体内において焼却灰と共に確実に封じ込められてセメント硬化体外に溶出するのを防止している。
【0012】
一方、鉛や六価クロム等の重金属は酸性或いはアルカリ性が強くなる程、溶出し易くなる。又、上記再生セメントは、原料コンクリートに由来する成分が多く含まれていることからCaOが少なく不溶残分が多くなっており、上記再生セメントを固化させて形成されるセメント硬化体は、普通セメントを固化させて形成されるセメント硬化体に比較して低pHを示す。しかも、上記フミン質は、それが有するカルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロソ基等の官能基において重金属と錯体を形成するものと考えられる。
【0013】
従って、重金属は、上記再生セメントを用いることによるセメント硬化体の低pH化に加えて上記フミン質との錯体化も相まってセメント硬化体外に溶出するのを防止され、セメント硬化体内に封じ込められる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のダイオキシン類及び重金属を含む焼却灰の処理方法は、ダイオキシン類及び重金属を含む焼却灰を含有するフミン質溶液を、乾燥したコンクリート砕砂20〜50重量部、乾燥した高炉水滓50〜80重量部及び二水換算による乾燥した石膏2〜5重量部を粉砕、混合することによって得られた再生セメントに混合し、この再生セメントを固化させることを特徴とする。
【0015】
上記ダイオキシン類及び重金属を含む焼却灰とは、例えば、各地域のゴミ焼却炉においてゴミを焼却して発生する焼却灰が挙げられ、この焼却灰の表面にはポリ塩化ビニル等の塩素を含む合成樹脂を燃焼させた時に発生するポリ塩化ジペンゾパラジオキシン、ポリ塩化ジペンゾフラン、コプラナーPCB等のダイオキシン類が吸着しているとともに、焼却灰には鉛や六価クロム等の重金属が含有されている。
【0016】
又、フミン質溶液は、水中にフミン質を溶解させてなるものである。このフミン質とは、植物体の分解と腐植化に伴う各種の生物的、非生物的なプロセスによって合成された高分子有機物であり、複雑な化学構造を持ち、非晶質であること、分解に対する抵抗性を持つこと、暗色を呈すること、酸としての性質を持つこと等の特徴を有する。
【0017】
詳細には、上記フミン質は、酸及びアルカリへの溶解性によって区別されたフルボ酸、腐植酸(フミン酸)、ヒューミンの他に、有機溶媒で抽出されないケロジェンを含む。
【0018】
上記フルボ酸は、土壌や堆積物からアルカリによって抽出される有機物又は水質中に溶存する有機物のうち、酸性(pH=1)にしても沈殿しないものであり、具体的には、カルボキシル基に富んだ腐植物質や、分子量の大きな多糖類、配糖体、フェノール性物質等の多様な物質の混合物である。
【0019】
そして、上記腐植酸は、土壌、湖底・海底堆積物、堆積岩等からアルカリによって抽出され、酸によって沈殿する赤褐色又は暗褐色の有機物であり、カルボキシル基やフェノール性水酸基によって酸としての性質を示し、重量平均分子量が数万から数十万の多分散性の高分子である。又、上記ヒューミンは、アルカリ性溶媒で土壌から抽出できない有機物である。
【0020】
上記処理方法において用いられるフミン質溶液は、具体的には、広葉樹の枯れ葉を水に浸漬させた後、この水を必要に応じて濾過することにより得ることができる。
【0021】
又、上記フミン質溶液のフミン質濃度、即ち、上記フミン質溶液の有機炭素濃度(TOC)は、低いと、上記焼却灰の凝集効果が低く、焼却灰を効果的に凝集させることができないことがあるので、20mgC/l以上が好ましく、25〜100mgC/lがより好ましい。
【0022】
そして、上記ダイオキシン類及び重金属を含む焼却灰を含有するフミン質溶液は、例えば、焼却炉を清掃する際に排水が生じるが、この排水中には焼却灰が含有されており、この排水中に上記フミン質溶液を添加するか、或いは、焼却炉で発生した焼却灰をフミン質溶液中に添加することによって得ることができる。
【0023】
更に、上記フミン質溶液を混合させる上記再生セメントとは、コンクリート構造物を解体取り壊した際に発生するコンクリート廃棄物やブロック、ヒューム管、電柱等のセメント二次製品から発生するコンクリート廃棄物を原料の一つにして製造されたセメントをいい、従来から提供されているものが用いられる。
【0024】
具体的には、上記再生セメントとしては、乾燥したコンクリート砕砂20〜50重量部、乾燥した高炉水滓50〜80重量部及び二水換算による乾燥した石膏2〜5重量部を粉砕、混合することによって得られた平均粉末度5000〜8000cm2 /gの再生セメント等が挙げられる。
【0025】
上記コンクリート砕砂とは、道路舗装、ビル、橋梁等のコンクリート構造物の解体取り壊しにより発生したコンクリート廃棄物や、ブロック、ヒューム管、電柱等のセメント二次製品のコンクリート廃棄物をインペラーブレーカー等の破砕機で破砕して得られたものであり、具体的には、コンクリート廃棄物中の細骨材が、例えば、砂岩等の珪酸質岩石鉱物である場合には、SiO2 39〜45重量%、CaO12〜17%、Al2 O3 13〜15重量%、MgO4〜8重量%、Fe2 O3 7〜10重量%、SO3 0.2〜1.0重量%からなる。又、コンクリート砕砂の粒径は、5mm以下のものが好ましい。
【0026】
又、上記高炉水滓とは、製鉄所の高炉で銑鉄を作る際に生ずるスラグであり、例えば、SiO2 31〜37重量%、CaO38〜44重量%、Al2 O3 13〜19重量%、MgO3〜8重量%からなる。そして、上記石膏とは、無水、半水又は二水のうちの何れかの状態にある石膏をいう。
【0027】
更に、上記ポルトランドセメントとは、混合セメント(高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント等)によるものを除く、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント等をいい、通常は普通ポルトランドセメントであればよい。
【0028】
上記再生セメントの製造方法としては、先ず、水分が約0.5%以下に乾燥されたコンクリート砕砂、高炉水滓及び石膏をローラミル等の汎用の粉砕装置を用いて所定割合で混合、粉砕して製造することができる。
【0029】
しかして、上記処理方法では、例えば、焼却炉内を洗浄することにより生じた排水、即ち、ダイオキシン類及び重金属を含む焼却灰が分散した水を容器内に集水し、この容器内の水中に上記フミン質溶液を添加し両者が均一に混合するように攪拌してダイオキシン類及び重金属を含む焼却灰を含有するフミン質溶液を得る。
【0030】
この時、上記フミン質は凝集剤となって、水中の焼却灰同士を集合させ大きな粒子に成長させる。そして、ダイオキシン類は、水中においてはその大部分が焼却灰に吸着した状態で存在しており、焼却灰が凝集して大きな粒子に成長した後も焼却灰表面に吸着した状態を維持する。
【0031】
更に、上記フミン質は、芳香環を基本構造とする高分子有機酸であることから親油性をも有し、ダイオキシン類と優れた親和性を有する。従って、上記フミン質によって凝集させられた焼却灰に吸着しているダイオキシン類は、焼却灰に吸着したフミン質との親和力によって焼却灰から遊離するのを確実に防止されている。
【0032】
又、非常に微細で水中に分散している焼却灰も、その表面に付着したダイオキシン類とフミン質との高い親和性によってフミン質により捕捉されて上記焼却灰はより大きな粒子に成長する。
【0033】
一方、重金属も、焼却灰を凝集させている上記フミン質のカルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロソ基等の官能基と錯体を形成するものと思われる。
【0034】
このように、フミン質溶液中の焼却灰はダイオキシン類及び重金属と共にフミン質によって凝集されて大きな粒子に成長しており、この大きな粒子に成長した焼却灰を含有するフミン質溶液を上記再生セメントに混合し、この再生セメントを固化させることによってセメント硬化体を形成し、このセメント硬化体内に焼却灰をダイオキシン類及び重金属と共に封じ込めるものである。
【0035】
そして、上記セメント硬化体内に形成される空隙の大きさは、普通セメントを固化させて得られるセメント硬化体内に形成される空隙の約2倍程度の大きさであるが、上述の如く、焼却灰はフミン質によって凝集されて大きな粒子に成長させられていることから、上記セメント硬化体内の空隙を通じて外部に溶出するといったことはなく、焼却灰はダイオキシン類及び重金属と共にセメント硬化体内に確実に封じ込められる。
【0036】
又、上記再生セメントは、原料コンクリートに由来する成分が多く含まれており、CaOが少なく不溶残分が多くなっていることから、再生セメントを固化させて得られたセメント硬化体は、普通セメントを固化させて得られたセメント硬化体に比較して低pHを示し、よって、アルカリ性が強い程、溶出し易い重金属は、上記フミン質との錯体化に加えて、普通セメントから形成されたコンクリート硬化体に比較して、上記再生セメントを用いることによるセメント硬化体の低pH化によってセメント硬化体内により確実に封じ込められる。
【0037】
【実施例】
(実施例1)
ケヤキ等の落葉広葉樹の枯れ葉70gを水4リットル中に1週間浸漬することによりフミン質溶液を得た。なお、フミン質溶液の有機炭素濃度は、有機炭素濃度測定器(島津製作所社製 商品名「TOC5000A」)を用いて測定したところ、40mgC/lであった。
【0038】
そして、ゴミ焼却場で発生した焼却灰200g(ダイオキシン類濃度:1.5ng−TEQ/g、鉛濃度:1550mg/kg)を上記フミン質溶液4リットル中に添加し、焼却灰同士をフミン質によって凝集させて大きな粒子に成長させた。
【0039】
一方、ビルを解体取り壊した時に発生したコンクリート廃棄物をインペラーブレーカーによって破砕して粒径が5mm以下のコンクリート砕砂を製造した。そして、このコンクリート砕砂30重量部と高炉水滓70重量部と二水石膏に換算した石膏3重量部とをローラミルに供給して粉砕、混合させて得られた混合物に対して普通ポルトランドセメントを20重量部添加して再生セメントを製造した。
【0040】
しかる後、上記再生セメント37重量部に対して上記フミン質溶液を63重量部添加して十分に混練りした後、この再生セメントを直方体の型枠内に流し込んで固化させ、直方体状のセメント硬化体を製造した。
【0041】
(比較例1)
再生セメントの代わりに普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製 商品名「普通ポルトランドセメント」)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてセメント硬化体を製造した。
【0042】
(比較例2)
フミン質溶液の代わりに精製水を用いたこと以外は実施例1と同様にしてセメント硬化体を製造した。
【0043】
(比較例3)
ゴミ焼却場で発生した焼却灰200g(ダイオキシン類濃度:1.5ng−TEQ/g、鉛濃度:1550mg/kg)を精製水4リットル中に添加して焼却灰が分散してある懸濁水を得た。
【0044】
そして、普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製 商品名「普通ポルトランドセメント」)37重量部に対して上記懸濁水を63重量部添加して十分に混練りした後、この普通ポルトランドセメントを直方体の型枠内に流し込んで固化させ、直方体状のセメント硬化体を製造した。
【0045】
以上の如くして得られたセメント硬化体からのダイオキシン類及び重金属の溶出度を以下に示した測定方法で測定し、その結果を表1に示した。
【0046】
(ダイオキシン類の溶出度)
セメント硬化体を粒径5mm程度に粉砕したもの300gを水3リットル中に添加した後、この水を2週間平行振とうした。振とう終了後、水を30分間安静状態としてセメント硬化体を自然沈降させて上澄みを採取し、この上澄み中のダイオキシン類の量を厚生省告示第234号「ダイオキシン類の濃度算出方法」に準拠して測定した。
【0047】
(鉛の溶出度)
セメント硬化体を粒径5mm程度に粉砕したもの300gを水3リットル中に添加した後、この水を2週間平行振とうした。振とう終了後、水を30分間安静状態としてセメント硬化体を自然沈降させて上澄みを採取し、この上澄み中の重金属の量を厚生省告示第13号に準拠して測定した。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】
本発明のダイオキシン類及び重金属を含む焼却灰の処理方法は、上述の如く、フミン質によって焼却灰を凝集させて大きな粒子に成長させた上で再生セメントに混合され、この再生セメントを固化させることによってダイオキシン類及び重金属を含む焼却灰をセメント硬化体内に封じ込めるものであり、ダイオキシン類及び重金属を含む焼却灰を長期間に亘ってセメント硬化体内に略確実に封じ込めることができる。
【0050】
しかも、上記フミン質は、芳香環を基本構造とし親油性をも有していることから、ダイオキシン類との親和力によって焼却灰の表面に吸着したダイオキシン類が焼却灰から遊離するのを確実に防止しつつ焼却灰を凝集させた状態にセメント硬化体内に封じ込めることができる。
【0051】
更に、上記再生セメントは、原料コンクリートに由来する成分が多く含まれておりCaOが少なく不溶残分が多くなっていることから、この再生セメントを硬化させて得られるセメント硬化体は、普通セメントを固化させて得られるセメント硬化体に比較して低pHに維持される一方、鉛や六価クロム等の重金属は、アルカリ性が弱い程、溶出し難く、更に、重金属はフミン質の官能基と錯体を形成しているものと思われ、よって、再生セメントを硬化させて得られるセメント硬化体内に焼却灰と共に封じ込められた重金属は、セメント硬化体内に略確実に封じ込められる。
【0052】
このように、ダイオキシン類及び重金属を含む焼却灰を含有するフミン質溶液を作製するとともに、このフミン質溶液を再生セメントに混合し、この再生セメントを固化させることにより、焼却灰に含有されているダイオキシン類及び重金属の双方をセメント硬化体内に略確実に封じ込めることができる。
【0053】
又、本発明のダイオキシン類を含む焼却灰の処理方法は、セメントとして再生セメントを用いるとともに、天然化合物であるフミン質を用いており、環境面においても優れている。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for treating incineration ash containing dioxins and heavy metals, in which incineration ash containing dioxins and heavy metals is contained in a hardened cement body obtained by solidification of recycled cement.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, raw garbage and organic industrial waste discharged from companies and households are incinerated in a local incinerator where these garbage are collected. And since the organic industrial waste is mixed with synthetic resins containing chlorine such as polyvinyl chloride, it is known that a chemical reaction occurs in the incineration process to produce highly toxic dioxins. . Furthermore, industrial waste contains a lot of heavy metals such as lead and hexavalent chromium.
[0003]
In the above-mentioned garbage incinerator, the incinerator is cleaned at regular intervals. This cleaning is performed by removing the incineration ash in the incinerator and washing the incinerator with water.
[0004]
However, since the wastewater in which the incineration ash in the incinerator and the incineration ash after being used for cleaning the incinerator are dispersed contains dioxins and heavy metals, these treatments are problematic. It was.
[0005]
On the other hand, after a certain period of time, a concrete structure may be demolished due to its durability problem or to newly build another structure. At this time, the concrete structure is demolished and demolished. The treatment of concrete waste has become a social problem.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention relates to dioxins capable of effectively containing incinerated ash containing dioxins and heavy metals by effectively using concrete waste generated from secondary products such as demolition and demolition of concrete structures and blocks, and A method for treating incinerated ash containing heavy metals is provided.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The method for treating incinerated ash containing dioxins and heavy metals according to the present invention comprises a humic solution containing incinerated ash containing dioxins and heavy metals, 20 to 50 parts by weight of dry concrete crushed sand, and 50 to 80 dry blast furnace water tanks. It is characterized in that 2 to 5 parts by weight of dry gypsum in terms of 2 parts by weight and dihydrate is mixed with the regenerated cement obtained by pulverization and mixing , and this regenerated cement is solidified.
[0008]
[Action]
The method for treating incinerated ash containing dioxins and heavy metals according to the present invention is to contain incinerated ash containing dioxins and heavy metals in a cemented hardened body using recycled cement. The recycled cement is a concrete structure. It is manufactured from concrete waste generated from secondary products such as dismantling and demolition of blocks and blocks, and is excellent in terms of environment.
[0009]
On the other hand, the cement cured body obtained by solidifying the recycled cement has a void size larger than that of the cement cured body obtained by solidifying ordinary cement.
[0010]
Therefore, in the method for treating incinerated ash containing dioxins and heavy metals according to the present invention, the incinerated ash containing dioxins and heavy metals is agglomerated by humic substances that are polymer compounds and act as a flocculant to grow into large particles. By doing so, the hardened cement body is surely contained, and incineration ash containing dioxins and heavy metals is prevented from eluting out of the hardened cement body through the voids of the hardened cement body.
[0011]
Moreover, the humic substance is a high molecular weight organic acid having a molecular weight of several thousand or more and an aromatic ring as a basic structure, and also has lipophilicity, so it adsorbs on the surface of the incinerated ash. The dioxins have high affinity for the humic substances, and therefore the dioxins adsorbed on the surface of the incinerated ash agglomerated by the humic substances are different from the humic substances that agglomerate the incinerated ash. Is reliably prevented from being released from the incinerated ash, and is reliably contained together with the incinerated ash in the hardened cement body and prevented from being eluted out of the hardened cement body.
[0012]
On the other hand, heavy metals such as lead and hexavalent chromium are more easily eluted as the acidity or alkalinity becomes stronger. In addition, the recycled cement contains many components derived from raw material concrete, so there is little CaO and a large amount of insoluble residue. The hardened cement formed by solidifying the recycled cement is ordinary cement. Compared with a hardened cement body formed by solidifying, low pH is exhibited. Moreover, the humic substance is considered to form a complex with a heavy metal at a functional group such as a carboxyl group, a hydroxyl group, or a nitroso group.
[0013]
Therefore, the heavy metal is prevented from eluting out of the hardened cemented body by being combined with the humic substance in addition to lowering the pH of the hardened cemented body by using the recycled cement, and is contained in the hardened cementitious body.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The method for treating incinerated ash containing dioxins and heavy metals according to the present invention comprises a humic solution containing incinerated ash containing dioxins and heavy metals, 20 to 50 parts by weight of dry concrete crushed sand, and 50 to 80 dry blast furnace water tanks. It is characterized in that 2 to 5 parts by weight of dry gypsum in terms of 2 parts by weight and dihydrate is mixed with the regenerated cement obtained by pulverization and mixing , and this regenerated cement is solidified.
[0015]
The incineration ash containing dioxins and heavy metals includes, for example, incineration ash generated by incineration of garbage in each region's incinerator, and the surface of this incineration ash is a synthetic containing chlorine such as polyvinyl chloride. Dioxins such as polychlorinated dipenzoparadioxins, polychlorinated dipenzofurans, and coplanar PCBs that are generated when the resin is burned are adsorbed, and incineration ash contains heavy metals such as lead and hexavalent chromium .
[0016]
The humic solution is obtained by dissolving humic substances in water. This humic substance is a high-molecular organic substance synthesized by various biological and abiotic processes associated with decomposition and humification of plants, has a complex chemical structure, is amorphous, and decomposes. It has the characteristics such as having resistance to, exhibiting a dark color, and having an acid property.
[0017]
Specifically, the humic substance contains kerogen that is not extracted with an organic solvent, in addition to fulvic acid, humic acid (humic acid), and humin distinguished by solubility in acid and alkali.
[0018]
The fulvic acid is an organic substance extracted from soil or sediment by alkali or an organic substance dissolved in water, and does not precipitate even when acidic (pH = 1). Specifically, it is rich in carboxyl groups. It is a mixture of various substances such as humic substances, high molecular weight polysaccharides, glycosides, and phenolic substances.
[0019]
The humic acid is a reddish brown or dark brown organic substance that is extracted by alkali from soil, lake bottom / seafloor sediment, sedimentary rock, etc., and precipitated by acid, and exhibits acid properties by carboxyl groups and phenolic hydroxyl groups, A polydisperse polymer having a weight average molecular weight of tens of thousands to hundreds of thousands. The humin is an organic substance that cannot be extracted from soil with an alkaline solvent.
[0020]
Specifically, the humic solution used in the above-described treatment method can be obtained by immersing dead leaves of a broad-leaved tree in water and then filtering the water as necessary.
[0021]
In addition, when the humic concentration of the humic solution, that is, the organic carbon concentration (TOC) of the humic solution is low, the incineration ash has a low agglomeration effect and the incineration ash cannot be effectively aggregated. Therefore, 20 mgC / l or more is preferable, and 25 to 100 mgC / l is more preferable.
[0022]
The humic solution containing incinerated ash containing dioxins and heavy metals generates, for example, waste water when cleaning the incinerator, and this waste water contains incinerated ash. It can be obtained by adding the humic solution or by adding incineration ash generated in an incinerator to the humic solution.
[0023]
Further, the recycled cement mixed with the humic solution is a concrete waste generated when demolishing and demolishing a concrete structure or a concrete waste generated from a cement secondary product such as a block, a fume tube, or a power pole. The cement manufactured as one of the above is used, and those conventionally provided are used.
[0024]
Specifically, as the reproduction cement,燥concrete crushed sand 20-50 parts by weight of dry, gypsum 2-5 part by weight of dry by dry blast furnace water slag 50 to 80 parts by weight of dihydrate terms ground and mixed Examples thereof include recycled cement having an average fineness of 5000 to 8000 cm 2 / g .
[0025]
The above-mentioned concrete crushed sand refers to concrete waste generated by dismantling and demolition of concrete structures such as road pavements, buildings, and bridges, as well as concrete waste from cement secondary products such as blocks, fume pipes, utility poles, etc. Specifically, when the fine aggregate in the concrete waste is a siliceous rock mineral such as sandstone, 39 to 45% by weight of SiO 2 , CaO12~17%, Al 2 O 3 13~15 wt%, MgO4~8 wt%, Fe 2 O 3 7 to 10 wt%, consisting of SO 3 0.2 to 1.0% by weight. The particle size of the crushed concrete sand is preferably 5 mm or less.
[0026]
Moreover, the blast furnace water tank is a slag generated when making pig iron in a blast furnace of an ironworks, for example, SiO 2 31 to 37 wt%, CaO 38 to 44 wt%, Al 2 O 3 13 to 19 wt%, It consists of 3 to 8% by weight of MgO. And the said gypsum means the gypsum in any state of anhydrous, half water, or two water.
[0027]
Furthermore, the above-mentioned Portland cement refers to ordinary Portland cement, early-strength Portland cement, etc., excluding those made of mixed cement (blast furnace cement, fly ash cement, silica cement, etc.), and may be ordinary Portland cement.
[0028]
As a method of producing the recycled cement, first, concrete crushed sand, blast furnace water tank and gypsum dried to a water content of about 0.5% or less are mixed and pulverized using a general-purpose pulverizer such as a roller mill. Ru can be produced.
[0029]
Thus, in the above treatment method, for example, waste water generated by cleaning the inside of the incinerator, that is, water in which incineration ash containing dioxins and heavy metals is dispersed is collected in the container, and the water in this container is collected. The humic solution is added and stirred so that they are uniformly mixed to obtain a humic solution containing incinerated ash containing dioxins and heavy metals.
[0030]
At this time, the humic substance becomes a flocculant and aggregates the incineration ash in water to grow into large particles. And most dioxins exist in the state adsorbed by the incineration ash in the water, and maintain the state adsorbed on the surface of the incineration ash even after the incineration ash aggregates and grows into large particles.
[0031]
Furthermore, since the humic substance is a polymer organic acid having an aromatic ring as a basic structure, it also has lipophilicity and has excellent affinity with dioxins. Therefore, the dioxins adsorbed on the incinerated ash aggregated by the humic substances are reliably prevented from being released from the incinerated ash by affinity with the humic substances adsorbed on the incinerated ash.
[0032]
Incinerated ash that is very fine and dispersed in water is also captured by the humic substance due to the high affinity between dioxins and humic substances adhering to the surface, and the incinerated ash grows into larger particles.
[0033]
On the other hand, it is considered that heavy metals also form complexes with functional groups such as carboxyl groups, hydroxyl groups, and nitroso groups of the humic substances that aggregate incineration ash.
[0034]
Thus, the incinerated ash in the humic solution is agglomerated by the humic substance together with dioxins and heavy metals to grow into large particles, and the humic solution containing the incinerated ash grown into these large particles is used as the recycled cement. By mixing and solidifying the recycled cement, a hardened cement body is formed, and incinerated ash is contained in the hardened cement body together with dioxins and heavy metals.
[0035]
The size of the void formed in the hardened cement body is about twice the size of the void formed in the hardened cement body obtained by solidifying ordinary cement. Is aggregated by humic substances and grown into large particles, so it does not elute outside through the voids in the hardened cement body, and the incinerated ash is securely contained in the hardened cement body together with dioxins and heavy metals. .
[0036]
The recycled cement contains a large amount of components derived from raw material concrete and contains a small amount of CaO and a large amount of insoluble residue. Therefore, the hardened cement obtained by solidifying the recycled cement is ordinary cement. Compared to the hardened cement obtained by solidifying the cement, it shows a low pH, and the stronger the alkalinity, the more likely the heavy metal to elute is the concrete formed from ordinary cement in addition to the complexation with humic substances. Compared with the hardened body, the cement hardened body is reliably contained by lowering the pH of the hardened cement body by using the recycled cement.
[0037]
【Example】
Example 1
A humic solution was obtained by immersing 70 g of dead leaves of deciduous broad-leaved trees such as zelkova in 4 liters of water for 1 week. The organic carbon concentration of the humic solution was 40 mgC / l as measured using an organic carbon concentration meter (trade name “TOC5000A” manufactured by Shimadzu Corporation).
[0038]
Then, 200 g (dioxins concentration: 1.5 ng-TEQ / g, lead concentration: 1550 mg / kg) of incineration ash generated at the garbage incineration site is added to 4 liters of the above humic solution, and the incineration ash is made of humic substances. Agglomerated to grow into large particles.
[0039]
On the other hand, the concrete waste generated when the building was demolished was crushed by an impeller breaker to produce crushed concrete having a particle size of 5 mm or less. Then, 30 parts by weight of the crushed concrete sand, 70 parts by weight of blast furnace water tank, and 3 parts by weight of gypsum converted to dihydrate gypsum are fed to a roller mill and pulverized and mixed. Recycled cement was produced by adding parts by weight.
[0040]
Thereafter, 63 parts by weight of the humic solution is added to 37 parts by weight of the recycled cement, and the mixture is sufficiently kneaded, and then the recycled cement is poured into a rectangular parallelepiped mold and solidified to harden the rectangular parallelepiped cement. The body was manufactured.
[0041]
(Comparative Example 1)
A cured cement was produced in the same manner as in Example 1 except that ordinary Portland cement (trade name “ordinary Portland cement” manufactured by Taiheiyo Cement Co., Ltd.) was used instead of recycled cement.
[0042]
(Comparative Example 2)
A hardened cement body was produced in the same manner as in Example 1 except that purified water was used instead of the humic solution.
[0043]
(Comparative Example 3)
200 g of incineration ash generated at a garbage incinerator (dioxins concentration: 1.5 ng-TEQ / g, lead concentration: 1550 mg / kg) is added to 4 liters of purified water to obtain suspended water in which the incineration ash is dispersed. It was.
[0044]
Then, after adding 63 parts by weight of the above-mentioned suspension water to 37 parts by weight of ordinary Portland cement (trade name “ordinary Portland cement” manufactured by Taiheiyo Cement Co., Ltd.), the mixture is sufficiently kneaded. The solid cement was made by pouring into a solid and producing a cuboid cemented body.
[0045]
The elution degree of dioxins and heavy metals from the hardened cement body obtained as described above was measured by the following measuring method, and the results are shown in Table 1.
[0046]
(Dissolution rate of dioxins)
300 g of a hardened cement body pulverized to a particle size of about 5 mm was added to 3 liters of water, and the water was shaken in parallel for 2 weeks. After completion of the shaking, water is allowed to rest for 30 minutes, the hardened cement body is allowed to settle naturally, and the supernatant is collected. The amount of dioxins in the supernatant is in accordance with Ministry of Health and Welfare Notification No. 234 “Method for calculating the concentration of dioxins”. Measured.
[0047]
(Lead elution)
300 g of a hardened cement body pulverized to a particle size of about 5 mm was added to 3 liters of water, and the water was shaken in parallel for 2 weeks. After completion of the shaking, water was kept at rest for 30 minutes, the hardened cement body was allowed to settle naturally, the supernatant was collected, and the amount of heavy metal in the supernatant was measured according to Ministry of Health and Welfare Notification No. 13.
[0048]
[Table 1]
[0049]
【The invention's effect】
As described above, the method for treating incinerated ash containing dioxins and heavy metals according to the present invention comprises agglomerating the incinerated ash with humic substances to grow into large particles, and then mixing the regenerated cement with solidification. Thus, the incinerated ash containing dioxins and heavy metals is contained in the hardened cement body, and the incinerated ash containing dioxins and heavy metals can be contained almost certainly in the hardened cement body over a long period of time.
[0050]
Moreover, since the humic substances have an aromatic ring as the basic structure and also have lipophilicity, it is possible to reliably prevent the dioxins adsorbed on the surface of the incineration ash from being released from the incineration ash by affinity with the dioxins. However, the incinerated ash can be contained in a hardened cement body in an aggregated state.
[0051]
Furthermore, since the recycled cement contains a large amount of components derived from raw material concrete and contains a small amount of CaO and a large amount of insoluble residue, the hardened cement obtained by curing the recycled cement is obtained by using ordinary cement. While it is maintained at a low pH compared to the hardened cement obtained by solidification, heavy metals such as lead and hexavalent chromium are more difficult to elute as the alkalinity is weaker. Furthermore, heavy metals are complexed with humic functional groups. Therefore, the heavy metal encapsulated with the incinerated ash in the hardened cement body obtained by hardening the recycled cement is almost surely contained in the hardened cement body.
[0052]
In this way, a humic solution containing incinerated ash containing dioxins and heavy metals is prepared, and the humic solution is mixed with recycled cement, and the recycled cement is solidified to be contained in the incinerated ash. Both dioxins and heavy metals can be contained almost certainly in the hardened cement.
[0053]
In addition, the method for treating incinerated ash containing dioxins of the present invention uses recycled cement as the cement and humic substances, which are natural compounds, and is excellent in terms of environment.
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