JP4577036B2 - 通信基地局 - Google Patents
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Description
そして、前記情報提供装置は、前記測位精度情報送信手段を有するから、前記通信基地局に対して、前記測位精度情報を送信することができる。ここで、前記測位精度情報に示される前記測位の精度が高いほど、前記衛星電波の受信状態が良好であることを意味する。
そして、前記情報提供装置は、前記衛星時刻情報生成手段によって、前記衛星時刻情報を生成することができる。複数の前記衛星信号に基づいて、現在位置の測位を行い、その結果として前記測位位置情報とともに正確な前記衛星時刻を取得することができる。
また、前記情報提供装置は、前記送信衛星時刻情報生成手段を有するから、前記送信衛星時刻情報を生成することができ、前記送信時刻誤差情報生成手段を有するから、前記送信時刻誤差情報を生成することができる。ここで、前記送信時刻誤差情報を生成するために使用する前記周波数偏移情報は、前記基礎周波数のずれを示す情報であるから、前記送信時刻誤差情報を生成するための情報として使用することができるのである。
前記送信衛星時刻情報は、前記通信基地局から特定の前記フレームが送信された前記衛星時刻を示す情報である。一方、前記送信時刻誤差情報は、前記通信基地局の生成する前記送信時刻自体の誤差を示す情報である。すなわち、前記送信衛星時刻情報と前記送信時刻誤差情報は、異なる性質を有する。ここで、前記周波数偏移情報に基づいて生成する前記時刻誤差情報の精度は、前記送信衛星時刻情報の精度よりも高いことがわかっている。このため、前記時刻誤差情報は、前記送信衛星時刻誤差情報を補完するために使用することができる。
そして、前記情報提供装置は、前記時刻情報送信手段を有するから、前記通信基地局に対して、前記時刻情報を送信することができる。
以上のように前記情報提供装置は、前記通信基地局に対して、前記測位精度情報、及び、前記送信衛星時刻情報及び前記送信時刻誤差情報を含む時刻情報を送信することができる。
さらに、前記通信基地局は、前記時刻情報選択手段を有するから、前記測位精度情報に基づいて、前記時刻情報を選択して前記被選択時刻情報を取得することができる。
上述のように、前記衛星電波に基づいて生成される前記測位位置情報の精度を示す前記測位精度情報に示される前記測位の精度が高いほど、前記衛星電波の受信状態が良好であることを意味する。
一方、前記送信衛星時刻情報は、前記衛星電波に基づいて生成された前記衛星時刻情報に示される前記衛星時刻を使用して生成される。したがって、前記衛星時刻が正確であるほど、前記送信衛星時刻情報の精度が高くなる。すなわち、前記衛星電波の受信状態が良好であるほど、前記送信衛星時刻情報の精度が高いことを意味する。
このため、前記測位精度情報に示される前記測位の精度が高いほど、前記送信衛星時刻情報の精度も高い。
そこで、前記通信基地局は、複数の前記情報提供装置から前記時刻情報を受信し、前記測位精度情報に基づいて、精度の高い前記時刻情報を選択することができるのである。
上述のように、前記通信基地局は、前記送信時刻を前記衛星時刻に同期させるのではなくて、前記被選択時刻情報を取得するだけであるから、その構成は簡易であり、前記通信基地局の大幅なシステム変更を必要としない。
これにより、通信基地局の大幅なシステム変更を必要とすることなく、通信基地局からの通信電波を使用する測位に使用するための相対的に精度が高い情報を選択的に提供することができる。
そして、前記端末装置は、前記端末側フレーム受信手段によって、前記通信装置から
前記フレームを受信することができる。
そして、3個以上の前記通信基地局について、前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記送信時刻誤差情報及び前記端末側受信衛星時刻情報を有する場合には、各前記通信基地局から前記通信電波が前記端末装置に到達するまでの伝搬時間を正確に算出することができるから、前記通信電波測位手段による測位が可能である。
そして、前記被選択時刻情報は、複数の前記情報提供装置からの前記時刻情報から、精度の高いものとして選択されたものであるから、前記通信電波測位手段による測位も精度の高いものになる。
この点、第6の発明の構成によれば、前記時刻情報選択手段は、前記測位位置が、前記オープンスカイ領域内か否かによって、前記時刻情報を選択する構成となっているから、確実な根拠に基づいて、精度が高い前記被選択時刻情報を取得することができる。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1に示すように、測位システム10は、固定位置に位置する通信基地局40(以下、基地局40と呼ぶ)を有する。この基地局40は、後述の測位端末60等の通信を仲介する通信基地局の一例である。
測位システム10は、また、基地局40と通信可能な測位端末60を有する。測位端末60は、端末装置の一例である。
端末20A等は、測位衛星である例えば、GPS衛星12a,12b,12c及び12dからの衛星電波である例えば、衛星電波S1,S2,S3及びS4を受信することができるようになっている。
なお、基地局40は、複数存在するが、図示を省略している。なお、異なる基地局40を意味するものとして、本実施の形態において、基地局40A、40B、40C(図示せず)を記載する場合がある。そして、基地局40等と呼ぶときは、基地局40A、40B及び40Cを総称している。
なお、本実施の形態とは異なり、GPS衛星12a等の替わりに、準天頂衛星を使用してもよい。準天頂衛星は、複数の準天頂衛星のうち少なくとも1個が日本では高仰角である例えば、仰角70度以上となる軌道で運用されるシステムにおける人工衛星である。詳細には、準天頂衛星は、例えば、高度36,000キロメートル(km)の円軌道を赤道から約45度傾けた軌道に置く衛星システムであって、少なくとも3個の準天頂衛星を同期して配置することにより、常に1個の準天頂衛星が日本の天頂付近に滞留するようになっている。このように、準天頂衛星は仰角が高いから、準天頂衛星から受信する電波は、GPS衛星12a等からの衛星電波S1等よりも、マルチパスの影響を受けにくいという利点がある。
図2は端末20Aの主なハードウエア構成を示す概略図である。
なお、端末20B及び20Cの主なハードウエア構成は、端末20Aと同様でので、説明を省略する。
図2に示すように、端末20Aは、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス22を有する。
このバス22には、CPU(Central Processing Unit)24、記憶装置26等が接続されている。記憶装置26は例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。
また、このバス22には、各種情報等を表示するための表示装置34、端末時計36が接続されている。後述のように、端末時計36の時刻は、GPS衛星12a等の時刻(以後、GPS時刻と呼ぶ)と差がない状態に維持されている。
図3は基地局40の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図3に示すように、基地局40は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス42を有する。
このバス42には、CPU44、記憶装置46、外部記憶装置48等が接続されている。外部記憶装置48は例えば、HD(Hard Disk)である。
また、このバス42には、各種情報等を表示するための表示装置54、基地局時計56が接続されている。基地局時計56は、他の基地局40の基地局時計56と同期しておらず、GPS衛星12a等の時刻(以後、GPS時刻と呼ぶ)とも同期していない。
すなわち、基地局40等間においては、時刻同期がとられていない。
図4は測位端末60の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図4に示すように、測位端末60の主なハードウエア構成は、端末20Aと同様である。
図5は、端末20Aの主なソフトウエア構成を示す概略図である。
なお、端末20B及び20Cの主なソフトウエア構成は、端末20Aと同様なので、説明を省略する。
端末20Aは、定期測位モード151aに設定されているときに端末GPS部102によってGPS衛星12a等からの衛星電波S1等を受信し、衛星電波S1等からアルマナックを例えば7日ごとに、エフェメリスを例えば4時間ごとに抽出し、常に有効な状態に維持するようになっている。
端末制御部100は、測位位置情報154aの生成時に、PDOP情報154bを生成する。PDOP情報154bは、測位精度低下率を示す情報の一例である。
測位精度情報154cは、PositionSigmaという指標を示す情報である。PositionSigmaは、上述のPDOPと、測位誤差を乗算して得られる値である。測位精度情報154cは、測位誤差を示す情報の一例である。
上述の、測位条件情報154は、上述の測位位置情報154aに対応するPDOP情報154b及び測位精度情報154cで構成される。すなわち、測位条件情報154は、測位位置情報154a、PDOP情報154b及び測位精度情報154cを含む。
端末制御部100は、衛星軌道情報152を使用して、端末GPS部102によって受信した複数の衛星電波S1等に基づいて、現在位置の測位を行うとともに、ミリ秒(ms)単位での正確なGPS時刻を示すGPS時刻情報156を生成し、第2記憶部150に格納する。
これにより、基地局40は、端末時計36(図2参照)が計測する時刻をGPS時刻と差がない状態に維持することができる。
端末制御部100は、基地局40からの通信電波CSに乗せられた各フレームF1等を受信したGPS時刻trを、端末計時部106によって計測する。
端末制御部100は、基地局位置情報254(図9参照)を、基地局40からのフレームF1等から取得する。
端末制御部100は、測位位置情報154aを、端末第2記憶部150から取得する。
基地局40の基地局時計56(図3参照)による計時の基礎となる基礎周波数H1(図6参照)は例えば、水晶発振器(図示せず)によって生成される。この水晶発振器の振動数は、温度によって変化し、水晶発振器の周波数はH1+hとなる。ここで、水晶発振器の周波数の温度による偏移hをドリフトと呼ぶ。
図6(a)に示すように、ドリフトhが生じていない場合に基地局40が発信する通信電波CSの周波数は基準周波数H2であり、端末20Aが受信する通信電波CSの受信周波数H3は、H2=H1×aに等しい。受信周波数H3は、受信周波数の一例である。ここで、基地局40と端末20Aとの相対移動はなく、ドップラー効果は考慮しなくてよいものとする。
これに対して、図6(b)に示すように、ドリフトhが生じている場合の基地局40からの発信周波数H2Aは(H1+h)×aであり、端末20Aが受信する通信電波CSの受信周波数H3は、H2A=(H1+h)×aとなる。
ここで、端末20Aは、受信周波数H3は計測可能であり、基礎周波数H1及び定数aを示す基地局周波数情報158を予め格納しているから、ドリフトhを算出することができる。
すなわち、端末制御部100は、H3=(H1+h)×aという方程式を解くことによって、ただ一つの未知数であるドリフトhを算出することができる。
基地局時計56が例えば、振動数H1回が1秒を計測するとすれば、ドリフトhが発生していない場合には、基地局時計56が計測する1秒間は、H1/H1である。
これに対して、ドリフトhが発生している場合には、基地局時計56の1秒間は、H1/H1+hとなっている。
ドリフトhを使用することによって、基地局時計56の時刻のずれを、ナノ秒(ns)単位で算出することができることがわかっている。このため、ナノ秒(ns)単位のバイアス情報164を生成することができる。
すなわち、送信GPS時刻情報162をバイアス情報164で補完することによって、各フレームF1等のより精密な送信GPS時刻を算出することができる。
上述の送信GPS時刻情報162及びバイアス情報164が時刻情報160を構成している。時刻情報160は、時刻情報の一例である。
なお、本実施の形態とは異なり、端末20Aは、基礎周波数H1及び定数aを示す基地局周波数情報158を、基地局40から受信するフレームF1等から取得するようにしてもよい。
図7に示すように、時刻情報160は、フレーム番号F1、基地局ID−1、タイムタグt1、送信GPS時刻、及びバイアスから構成されている。
タイムタグt1は、基地局40が生成したフレームF1の送信時刻であるが、フレーム番号及び基地局IDとともに、基地局送信GPS時刻とバイアスを検索するための検索キーとして使用される。
測位条件情報254及び時刻情報160を総称して、補正情報と呼ぶ。
図8に示すように、測位条件情報154及び時刻情報160は、フレーム番号に対応して、端末第2記憶部150に格納されている。
図9は、基地局40の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図9に示すように、基地局40は、各部を制御する基地局制御部200、図3の基地局通信装置52に対応する基地局通信部202、図3の基地局時計56に対応する基地局計時部204、各種プログラムを格納する基地局第1記憶部210、各種情報を格納する基地局第2記憶部250を有する。
図9に示すように、基地局40は、基地局第2記憶部250に、基地局位置情報254を格納している。基地局位置情報254は、基地局40の位置Pを示す情報であり、例えば、基地局40の位置Pが緯度、経度及び高度によって示されている。基地局位置情報254は、基地局位置情報の一例である。
送信フレーム生成プログラム212は、送信時刻情報生成プログラム212aを含む。
送信時刻情報生成プログラム212aは、基地局制御部200が基地局計時部204によって、各フレームF1等(図10参照)を送信する時刻を計測することによって、送信時刻情報256aを生成するためのプログラムである。
図10に示すように、送信フレーム256は、複数のフレームF1等から構成される。
各フレームF1乃至F3は、通信網(図示せず)を使って通信する情報の単位である。すなわち、基地局40は、フレームF1等を単位として、情報を送信するようになっている。
各フレームF1等には、例えば、フレーム番号であるF1等、送信時刻情報256aに示される送信時刻t1等、基地局識別情報252に示される基地局ID−1、基地局位置情報254に示される位置Pが含まれている。送信時刻t1等を、タイムタグとも呼ぶ。
基地局40は、基地局通信部202によって、各フレームF1等及びタイミング信号TS1を乗せた通信電波CSを継続的に送信している。
基地局制御部200は、取得した時刻情報160を基地局側時刻情報260として、測位条件情報154を基地局側測位条件情報258として、基地局第2記憶部250の補正情報リストデータベース257に格納する。
図11に示すように、基地局側測位条件情報258及び基地局側時刻情報260から構成される補正情報257aは、基地局通信部202の受信チャンネル及びフレーム番号に対応して、格納されている。
図12に示すように、例えば、良好条件リスト番号1においては、北緯36度(小数点以下は、説明を省略する。以下、同様である。)、東経137度、高度652メートル(m)の地点を中心として、半径500メートル(m)の範囲が、オープンスカイ領域であることが示されている。
基地局制御部200は、PDOPがPDOP閾値R1(図示せず)未満の補正情報、測位位置精度が位置精度閾値R2(図示せず)未満の補正情報、及び、測位位置がオープンスカイ領域外の補正情報を、補正情報リストから外す。そして、例えば、PDOPが小さい順に補正情報を並べ替える(図13参照)。
図14に示すように、時刻情報データベース270は、基地局識別情報及びフレーム番号と、送信GPS時刻及びバイアスを関連づけて格納している。
なお、本実施の形態とは異なり、基地局40は時刻情報データベース270を有さず、外部の情報管理装置に配置されるサーバ等に、被選択時刻情報270aを送信し、格納するようにしてもよい。この場合、外部の情報管理装置は、複数の基地局40等から被選択時刻情報272aを受信し、基地局IDによって識別できる態様で、被選択時刻情報270aを格納する。
図15は、測位端末60の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図15に示すように測位端末60は、各部を制御する測位端末制御部300、図4の測位端末GPS装置70に対応する測位端末GPS部302、図4の測位端末側通信装置72に対応する測位端末通信部304、図4の測位端末時計76に対応する測位端末計時部306、各種プログラムを格納する測位端末第1記憶部310、各種情報を格納する測位端末第2記憶部350を有する。
これにより、測位端末60は、測位端末時計76(図4参照)の時刻をGPS時刻と差がない状態にすることができる。
測位端末制御部300は、受信した被選択時刻情報270aを、測位端末側時刻情報356として、測位端末第2記憶部350に格納する。
具体的には、測位端末制御部300は、端末側衛星軌道情報352に含まれるアルマナックを使用して、端末計時部306によって計測された現在時刻において、測位端末60の上空に位置し、観測可能なGPS衛星12a等の数を判断する。そして、測位端末制御部300は、上空に位置するGPS衛星12a等の数を示す上空衛星数情報358を測位端末第2記憶部350に格納する。
そして、上述の擬似距離と各GPS衛星12a等の衛星軌道上の位置に基づいて、現在位置を測位する。
測位端末制御部300は、測位によって生成した衛星測位位置情報360を測位端末第2記憶部350に格納する。
なお、測位端末制御部300が衛星測位プログラム320によって行う測位を、衛星測位と呼ぶ。
フレーム受信プログラム322は、基地局情報抽出プログラム322aを含む。基地局情報抽出プログラム322aは、測位端末制御部300が、通信電波CSから、基地局識別情報252、基地局位置情報254及び送信時刻情報256a(図9参照)を抽出するためのプログラムである。
測位端末制御部300は、抽出した基地局識別情報252、基地局位置情報254及び送信時刻情報256aを測位端末側基地局情報362として、測位端末第2記憶部350に格納する。測位端末側基地局情報362は、基地局識別情報362a,基地局位置情報362b及び送信時刻情報362cを含む。
具体的には、測位端末制御部300は、端末計時部306によって、通信電波CSを受信したGPS時刻を計測し、受信GPS時刻情報364を生成する。
測位端末制御部300は、生成した受信GPS時刻情報364を、測位端末第2記憶部350に格納する。
測位端末60は、基地局40A,40B,40C(図示せず)の3つの基地局40A等から、通信電波CS1等を受信するものとして、以下説明する。
図16(a)は、各基地局40A等の位置を示す図である。基地局40等の位置は、基地局位置情報362bによって既知である。
図16(b)は、各基地局40A等からの通信電波CS1等の伝搬時間tb01等を示す図である。伝搬時間tb01等は、未知数である。ここで、通信電波CS1等の伝搬時間tb01等は、フレームF1等の伝搬時間と同義で使用する。
図16(c)は、各通信電波CS1等の送信時刻t1等を示す図である。送信時刻t1等は、送信時刻情報362cによって既知である。ここで、通信電波CS1等の送信時刻t1等は、フレームF1等の送信時刻t1等と同義である。なお、基地局40A等間においては、時刻同期していないから、t1、t2及びt3は、同時刻とは限らない。
図16(d)は、各基地局40等の時差ta1等を示す図である。時差ta1等は、送信時刻情報362cに示される時刻と、測位端末側時刻情報356から算出するフレームF1等の精密な送信時刻の差分として算出することができる。測位端末側時刻情報356は、通信電波CS1等の各フレームF1等の送信時刻をミリ秒(ms)単位で示す送信GPS時刻情報356c及び、各フレームF1等の送信時刻をナノ秒(ns)単位で算出する基礎となるバイアス情報356dを含むから、測位端末60は、精密に各フレームF1等の送信時刻を算出することができる。
図16(e)は通信電波CS1等の伝搬速度を示す図である。通信電波CS1等は電波に乗せられているから、その伝搬速度は光速Cである。
図16(f)は、通信電波CS1等の送信時刻t1等と、測位端末60が通信電波CS1等を受信した時刻との時間差td01等を示す図である。図16(g)に示すように、測位端末60が通信電波CS1等を受信した時刻をt0とする。
図16(h)に示す測位端末60の位置(X,Y,Z)は、未知数である。
まず、各基地局40A等と測位端末60との距離は、通信電波CS1等の伝搬時間と電波の速度(光速C)を乗算したものに等しいから、図16(i)の式(1)乃至式(3)が成り立つ。
次に、送信時刻t1は、GPS時刻との時差ta1を含むから、図16(j)の式(4)乃至(6)が成り立つ。
さらに、図16(f)の時間差td01等については、図16(c)の送信時刻t1等、図16(b)の伝搬時間tb01及び図16(g)の時刻t0に基づいて、図16(k)の式(7)乃至式(9)が成り立つ。
ここで、未知数が測位端末60の位置を示す、X、Y、Z、伝搬時間tb01、tb02及びtb03の6個であるから、式(1)、(2)、(3)、(7)、(8)及び(9)を連立させて計算することによって、未知数をすべて算出することができる。
測位端末制御部300は、このようにして生成した基地局測位位置情報366を測位端末第2記憶部350に格納する。
なお、測位端末制御部300は、各フレームF1等、フレーム番号、基地局ID及びタイムタグを検索キーとして、測位端末側時刻情報356から対応する情報を抽出するようになっている。
測位端末制御部300がハイブリッド測位プログラム330に基づいて行う測位は、図16を使用して説明した上述の基地局測位プログラム328に基づいて行う測位方法において、1個又は2個の基地局40AをGPS衛星12a等に代替して行う。
なお、測位端末制御部300がハイブリッド測位プログラム330に基づいて行う測位をハイブリッド測位と呼ぶ。
測位端末制御部300は、ハイブリッド測位によって生成したハイブリッド測位位置情報368を測位端末第2記憶部350に格納する。
具体的には、測位端末制御部300は、上空衛星数情報358に示されるGPS衛星12a等の数が3個以上である場合には、衛星測位を選択する。そして、測位端末制御部300は、上空衛星数情報358に示されるGPS衛星12a等の数が1個又は2個である場合には、ハイブリッド測位を選択する。そして、測位端末制御部300は、上空衛星数情報358に示されるGPS衛星12a等の数が0個である場合には、基地局測位を選択する。
例えば、衛星測位による場合には、測位誤差は0メートル(m)乃至20メートル(m)であるのに対し、基地局測位による場合には、測位誤差が5メートル(m)乃至400メートル(m)である。
この点、測位端末60は、GPS衛星12a等から信号S1等を受信することができるかぎり、衛星電波S1等のみ、又は、衛星電波S1等と通信電波CS1等を使用して測位を行うことができる。
このため、測位端末60は、観測可能なGPS衛星12a等の数に応じて、最も高い測位精度において測位をすることができる。
なお、衛星測位には、基地局40A等と、測位のために通信する必要がないという利点もある。
これに対し、ハイブリッド測位又は基地局測位は、例えば、屋内などGPS衛星12a等が3個以上観測できない環境においては、屋内でも受信可能な通信電波CS1等を使用して、測位を行うことができるという利点がある。
上述のように、端末20A等は、測位条件情報154及び時刻情報160(図5参照)を生成し、通信基地局40に送信することができる。測位条件情報154は、時刻情報160の精度を判断するための情報である。
基地局40は、端末20A等から、測位条件情報154及び時刻情報160を取得し、基地局側測位条件情報258及び基地局側時刻情報260として、補正情報リストデータベース257(図9参照)に格納することができる。そして、基地局40は、基地局側測位条件情報258及びオープンスカイ領域情報266に基づいて、補正情報リストの補正情報257aを並べ替え、被選択時刻情報270aを取得することができる。
上述のように、端末20A等は、送信GPS時刻情報162(図5参照)を、衛星電波S1等に基づいて生成したGPS時刻情報156によって補正された端末計時部106によって生成する。したがって、GPS時刻情報156が正確であるほど、送信GPS時刻情報162の精度が高くなる。ここで、GPS時刻情報156は、衛星電波S1等に基づいて生成される。一方、測位位置情報154a(図5参照)も衛星電波S1等に基づいて生成される。すなわち、測位位置情報154aの精度が高いということは、GPS時刻情報156の精度も高いことを意味する。
そこで、基地局40は、複数の端末20A等から時刻情報160を受信し、測位条件情報154に基づいて、精度の高い時刻情報160を選択することができるのである。
上述のように、基地局40は、基地局計時部204(図9参照)の時刻をGPS時刻に同期させるのではなくて、被選択時刻情報270aを取得するだけであるから、その構成は簡易であり、基地局40の大幅なシステム変更を必要としない。
これにより、通信基地局の大幅なシステム変更を必要とすることなく、通信基地局からの通信電波を使用する測位に使用するための相対的に精度が高い情報を選択的に提供することができる。
そして、測位端末60は、基地局40等から通信電波CSに乗せられたフレームF1等を受信することができる。
そして、3個以上の基地局40等からフレームF1等を受信することによって、基地局位置情報362b(図15参照)、送信時刻情報362c、送信GPS時刻情報356c、バイアス情報356d及び受信GPS時刻情報364を使用して、各基地局40等から通信電波CSが測位端末60に到達するまでの伝搬時間を正確に算出することができるから、基地局測位が可能である。
そして、被選択時刻情報270aは、複数の端末20A等からの時刻情報160から、精度の高いものとして選択されたものであるから、基地局測位も精度の高いものになる。
図17及び図18は本実施の形態に係る測位システム10の動作例を示す概略フローチャートである。
基地局40は、継続的に通信電波CSを送信していることを前提として、説明する。
続いて、端末20A等は、基地局40から補正情報要求メッセージを受信する(ステップST2)。
続いて、端末20A等は、定期測位モード151a(図5参照)に設定されているか否かを判断する(ステップST3)。ステップST3において、端末20A等が定期測位モード151aに設定されていないと判断した場合には、そのまま終了する。
これに対して、ステップST3において、端末20A等が、定期測位モード151aに設定されていると判断した場合には、測位位置情報154a、PDOP情報154b、測位精度情報154c及びGPS時刻情報156(図5参照)を生成する(ステップST4)。このステップST4は、測位位置情報生成ステップの一例であり、測位精度情報生成ステップの一例であり、衛星時刻情報生成ステップの一例でもある。
続いて、端末20A等は、例えば、到着した特定のフレームF1について、送信GPS時刻情報162及びバイアス情報164(図5参照)を生成する(ステップST6)。このステップST6は、送信衛星時刻情報生成ステップの一例であり、送信時刻誤差情報生成ステップの一例でもある。
続いて、基地局40は、各補正情報257aから、PDOP情報258b(図9参照)を取得し(ステップST9)、PDOPがPDOP閾値R1より小さいか否かを判断する(ステップST10)。ステップST10において、基地局40が、PDOPがPDOP閾値R1より小さいと判断した補正情報257aは、補正情報リストから外す(ステップST11A)。
これに対して、基地局40が、PDOPがPDOP閾値R1より小さくはないと判断した補正情報257aは、補正情報リストに残す(ステップST11)。
これに対して、基地局40が、位置精度が位置精度閾値R2より小さくはないと判断した補正情報257aは、補正情報リストに残す(ステップST14)。
これに対して、基地局40が、測位位置Qがオープンスカイ領域内であると判断した補正情報257aは、補正情報リストに残す(ステップST17)。
続いて、基地局40は、最も、測位条件のよい補正情報257aを取得して、被選択時刻情報270aとして保存する(図18のステップST19)。
これに対して、基地局40は、測位端末60に対して、被選択時刻情報270aを送信する(ステップST21)。
続いて、測位端末60は、基地局40から、被選択時刻情報270aを受信する(ステップST22)。
測位端末60は、観測可能なGPS衛星12a等の数が、3個以上であると判断した場合には、衛星測位を実施し(ステップST101)、衛星測位位置情報360(図15参照)を生成する。
そして、測位端末60は、衛星測位位置情報360を、表示装置74(図4参照)に表示する(ステップST102)。
そして、測位端末60は、ハイブリッド測位位置情報368を、表示装置74(図4参照)に表示する(ステップST202)。
なお、本実施の形態とは異なり、上述のステップST23において、GPS衛星12a等の数が3個以上であっても、ハイブリッド測位をするようにしてもよい。ハイブリッド測位では、GPS衛星12a等からの衛星電波S1等と、基地局40等からの通信電波CS1等の両方を使用することができ、測位演算に使用することができる電波の数が増えるので、測位精度を安定して高くすることができる。
コンピュータに上述の動作例の測位位置情報生成ステップと、測位精度情報送信ステップと、衛星時刻情報生成ステップと、フレーム受信ステップと、送信衛星時刻情報生成ステップと、送信時刻誤差情報生成ステップと、時刻情報送信ステップ等を実行させるための情報提供装置の制御プログラムとすることができる。
また、このような情報提供装置の制御プログラム等を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等とすることもできる。
Claims (4)
- 端末装置の通信を仲介する通信基地局であって、
情報提供装置から、測位衛星からの衛星電波に基づく前記情報提供装置の測位の精度を示す測位精度情報を取得する測位精度情報取得手段と、
複数の前記情報提供装置から、前記通信基地局からフレームが送信された測位衛星の時刻である衛星時刻を示す送信衛星時刻情報、及び、前記通信基地局が生成する前記フレームの送信時刻の基礎となる基礎周波数の偏移を示す周波数偏移情報に基づいて生成された前記送信時刻の誤差を示す送信時刻誤差情報を含む時刻情報を取得する時刻情報取得手段と、
前記測位精度情報に基づいて、前記時刻情報を選択し、被選択時刻情報を取得する被選択時刻情報取得手段と、
を有することを特徴とする通信基地局。 - 前記測位精度情報は、前記測位衛星の天空上の配置によって規定される測位精度低下率を示す情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の通信基地局。
- 前記測位精度情報は、測位誤差を示す情報を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の通信基地局。
- 前記測位精度情報は、オープンスカイ領域を示すオープンスカイ領域情報を格納するオープンスカイ領域情報格納手段を有し、
前記測位精度情報は、前記情報提供装置の測位位置を示す情報を含み、
前記時刻情報選択手段は、前記測位位置が、前記オープンスカイ領域内か否かによって、前記時刻情報を選択する構成となっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の通信基地局。
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