以下、本発明の実施の形態に係る基板用コネクタを図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係る基板用コネクタの正面図、図2は同基板用コネクタの平面図、図3は同基板用コネクタの右側面図、図4は同基板用コネクタの図2A−A断面図である。
図1〜図4に示すように、基板用コネクタ1は、水平方向に並列に配置される基板(PCB)2A及び他の基板(他のPCB)2Bに実装する同一構造の二つのソケット3A,3Bと、各ソケット3A,3B間に一端部及び他端部を嵌合して接続され、基板2Aと他の基板2Bを、その前後左右及び上下方向の3方向の位置ずれを吸収して、電気的に接続するプラグ4と、から構成される。
図5は本発明の実施の形態に係る基板用コネクタに備えるソケットの正面図、図6は同ソケットの平面図、図7は同ソケットの右側面図、図8は同ソケットの図6B−B断面図である。
図5〜図8に示すように、各ソケット3A,3Bは、絶縁樹脂からなる上面が開放された横長な箱状のソケットボディ30が、その内部に各ソケット3A,3Bの縦方向(ソケットコンタクトのピッチ方向とは垂直方向の前後方向)の中心線(図6の一点鎖線)に沿って隔壁31を内底面から一体に立ち上げ、前記中心線を境に前後対称構造に構成されており、各ソケット3A,3Bの前記中心線より前後一側の構造を説明し、反対側の構造は図面に同じ符号を付して省略する。
各ソケット3A,3Bは、ソケットボディ30の隔壁31の前後一側に、後述するプラグボディを上方から挿入して嵌合するプラグ嵌合凹部32を形成すると共に、このプラグ嵌合凹部32の外側に、下端をソケットボディ30の外底面に開放し、かつ、内側にあるプラグ嵌合凹部32と連通する複数の細幅のコンタクト溝33を、一定の間隔(等間隔)を設けて横一列に並列に形成し、この横一列の各コンタクト溝33に、導電性に優れた金属薄板を打ち抜き及び曲げ加工して形成された細幅の板状で、長さ方向に沿って略U字状に曲げられてばね性を持った導電体からなるソケットコンタクト34を、その折返し部34aを上にして一本づつソケットボディ30の下側から嵌め込み、ソケットボディ30に一定の間隔(等間隔)を設けて所定ピッチで横一列に並列に取り付けている。
また、各ソケットコンタクト34は、その折返し部34aより一側が各コンタクト溝33内の外側溝壁面に沿って固定され、折返し部34aより他側が各コンタクト溝33内で弾性変位可能に片持ち支持されて可動接片34bを形成し、この可動接片34bの先端部がプラグ嵌合凹部32に突出されて後述するプラグコンタクトとの接点部34cを形成し、各接点部34cをプラグ嵌合凹部32内に一定の間隔(等間隔)を設けて所定ピッチで横一列に並列に配置すると共に、折返し部34aより一側の端部が各コンタクト溝33の下側からソケットボディ30の外部に略水平に取り出されて面実装用の外部端子34dを形成し、各外部端子34dをソケットボディ30の前後一側の外部に一定の間隔(等間隔)を設けて所定ピッチで横一列に並列に配置している。
また、ソケットボディ30の横一列の各コンタクト溝33の外側にある前後一側の外面には、プラグ4の抜け止めを行うための複数の固定係合爪35が一体に形成されると共に、ソケットボディ30の横一列の各コンタクト溝33を挟む左右の肩部には、後述する梃子を支えるための平坦な梃子支持面36が一体に形成されている。
各ソケット3A,3Bは、上記構造を前記中心線を挟んで前後一側及び他側に構成し、一対のプラグ嵌合凹部32を並列に形成した絶縁材料からなるソケットボディ30と、ソケットボディ30に二列に取り付けた複数の導電体からなるソケットコンタクト34と、を有している。
また、各ソケット3A,3Bのソケットボディ30には、その左右外面の中央下部に端子取り付け部37が一体に形成され、この左右の端子取り付け部37にL形の金属端子38の一片がソケットボディ30の下側から圧入固定されて、金属端子38の他片が端子取り付け部37の下側からソケットボディ30の横外側に略水平に突出されて面実装用の補強端子38aを形成している。なお、各ソケット3A,3Bのソケットボディ30の外底面は平坦面に形成したが、この外底面には各ソケット3A,3Bを実装時に基板2A及び他の基板2Bに対して位置決めするための突起を形成しても良い。
各ソケット3A,3Bは、基板2A及び他の基板2Bの決められた位置に載置された後、二列の外部端子34dが基板2A及び他の基板2Bの電極に半田付けで固定接続されると共に、二つの補強端子38aが基板2A及び他の基板2Bに半田付けで固定されて、基板2A及び他の基板2Bに面実装される。ここで、各ソケット3A,3Bは実装状態において、各ソケット3A,3Bの相互間で、前記中心線の前後一側の上記構造部分が背合わせで隣り合い、その外側に他側の上記構造部分が位置するようになる。
図9は本発明の実施の形態に係る基板用コネクタに備えるプラグの正面図、図10は同プラグの平面図、図11は同プラグの底面図、図12は同プラグの右側面図、図13は同プラグの図10C−C断面図、図14は同プラグに有するスペーサの中央縦断面説明図である。
図9〜図14に示すように、プラグ4は、各ソケット3A,3Bの内側にあるプラグ嵌合凹部32にその底面及び周側面に下面及び周側面を接触して嵌合する絶縁樹脂からなる横長な略直方体状の一対の内側プラグボディ40に、複数の細幅のコンタクト溝41を一定の間隔(等間隔)を設けて横一列に並列に形成し、一方の内側プラグボディ40の横一列の各コンタクト溝41に、導電性に優れた金属薄板を打ち抜き及び曲げ加工して形成された細長い板状で、可撓性を持った導電体からなる下側プラグコンタクト42の長さ方向に沿って略U字状に曲げられた一端部42Aを、プラグボディ40の下側から嵌め込み、その一端部42Aにおける下端折返し部から内側の基端側部がプラグボディ40の内側面と略面一になるようにコンタクト溝41に圧入固定すると共に、他方の内側プラグボディ40の横一列の各コンタクト溝41に、複数の下側プラグコンタクト42の長さ方向に沿って略U字状に曲げられた他端部42Bを、プラグボディ40の下側から嵌め込み、その他端部42Bにおける下端折返し部から内側の基端側部がプラグボディ40の内側面と略面一になるようにコンタクト溝41に圧入固定し、一対の内側プラグボディ40間に複数の下側プラグコンタクト42を一定の間隔(等間隔)を設けて所定ピッチで横一列に並列に取り付けている。
一対の内側プラグボディ40には、その上部から内側方に庇状に突出され、下側プラグコンタクト42の一端部42A及び他端部42Bの基部を下面で押さえると共に、後述する上側プラグコンタクト42との間に隙間を確保する端部スペーサ43が一体に形成されている。
各下側プラグコンタクト42は、その一端部42A及び他端部42Bにおける下端折返し部から内側の基端側部片面が、一対の内側プラグボディ40の対向する内側面に略面一に露出されて各ソケット3A,3Bの内側にあるソケットコンタクト34の接点部34Cと接触する下側プラグコンタクト42側の接点部44を形成し、各接点部44を一対の内側プラグボディ40の対向する内側面に一定の間隔(等間隔)を設けて所定ピッチで横一列に形成している。
また、プラグ4は、各ソケット3A,3Bの外側にあるプラグ嵌合凹部32にその底面及び周側面に下面及び周側面を接触して嵌合する絶縁樹脂からなる横長な略直方体状の一対の外側プラグボディ45に、複数の細幅のコンタクト溝46を一定の間隔(等間隔)を設けて横一列に並列に形成し、一方の外側プラグボディ45の横一列の各コンタクト溝44に、導電性に優れた金属薄板を打ち抜き及び曲げ加工して形成された細長い板状で、可撓性を持った導電体からなる上側プラグコンタクト47の長さ方向に沿って略U字状に曲げられた一端部47Aを、プラグボディ45の下側から嵌め込み、その一端部47Aにおける下端折返し部から外側の先端側部がプラグボディ45の外側面と略面一になるようにコンタクト溝46に圧入固定すると共に、他方の外側プラグボディ45の横一列の各コンタクト溝46に、複数の上側プラグコンタクト47の長さ方向に沿って略U字状に曲げられた他端部47Bを、プラグボディ45の下側から嵌め込み、その他端部47Bにおける下端折返し部から外側の先端側部がプラグボディ45の外側面と略面一になるようにコンタクト溝46に圧入固定し、一対の内側プラグボディ45間に複数の上側プラグコンタクト47を、複数の下側プラグコンタクト42に対して隙間を設けて対向させるように複数の下側プラグコンタクト42の上側で、一定の間隔(等間隔)を設けて所定ピッチで横一列に並列に取り付けている。
各上側プラグコンタクト47は、一対の内側プラグボディ40の端部スペーサ43を各下側プラグコンタクト42との間に挟み込むように一対の内側プラグボディ40の上側を通過して、一対の内側プラグボディ40の外側にある一対の外側プラグボディ45に一端部47A及び他端部47Bを固定し、その一端部47A及び他端部47Bにおける下端折返し部から外側の先端側端部片面が、一対の外側プラグボディ45の外側面に略面一に露出されて各ソケット3A,3Bの外側にあるソケットコンタクト34の接点部34Cと接触する上側プラグコンタクト47側の接点部48を形成し、各接点部48を一対の外側プラグボディ45の外側面に一定の間隔(等間隔)を設けて所定ピッチで横一列に形成している。
一対の内側プラグボディ40には、その左右側面上部から水平方向に突出する支点軸49,50が一体に形成され、一対の外側プラグボディ45には、その左右側面上部から水平方向に突出する支点軸50が一体に形成されている。
また、プラグ4は、その一端側及び他端側に向かい合わせに配置する絶縁樹脂からなる一対のカバー51を有する。各カバー51は、各ソケット3A,3Bのソケットボディ30に並列に形成した一対のプラグ嵌合凹部32に嵌合する内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45を上方から覆うと共に、プラグ挿入時に上方より押圧操作される天板部51aと、この天板部51aの側縁から内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45の左右側部及び外側プラグボディ45より外側に垂下する左右側板部51b及び外側板部51c、とを一体に形成している。
各カバー51は、その左右側板部51bに内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45の各支点軸49,50を回転自在に嵌合する軸受け孔51d,51eを形成し、天板部51aの下側に内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45を各支点軸49,50を介して独立して揺動可能に一体的に取り付け、下側プラグコンタクト42の一端部42Aと上側プラグコンタクト47の一端部47A及び下側プラグコンタクト42の他端部42Bと上側プラグコンタクト47の他端部47Bを連結している。
各カバー51には、天板部51aの内面から内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45の上部に突出され、プラグ挿入時にプラグ挿入力を内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45の左右の端から端に伝達するための内側リブ51f及び外側リブ51gと、外側板部51cに設ける上方に開口した複数のコ字形の切り込み51hと、各切り込み51hの両端部を天板部51aにまで延設させて、その各切り込み51hの両端部の間の天板部51aでなる複数のヒンジ部51jと、各切り込み51hで囲われた外側板部51cでなり、各ヒンジ部51jに一体に連設された複数の係合片51kと、各係合片51kの下端内面から突出され、各ソケット3A,3B側の複数の固定係合爪35と係脱可能に係合させてプラグ4の抜け止めを行うための複数の可動係合爪51mと、各係合片51kの上部外面から突出され、プラグ抜去時に各カバー51の後側を持ち上げ操作するための操作部51nと、プラグ完全挿入時に各ソケット3A,3Bの内側にある梃子支持面36と突き合い接触される左右側板部51bの平坦な接触面の端部を丸みを持って立ち上げる湾曲面でなり、プラグ抜去時に各カバー51を各ソケット3A,3Bの内側にある梃子支持面36で支えて梃子にして、各カバー51に取り付けた内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45を、各ソケット3A,3Bのソケットボディ30に並列に形成した一対のプラグ嵌合凹部32から抜き上げるための梃子支点部51pと、を一体に形成している。
下側プラグコンタクト42の一端部42Aと他端部42Bの間は、その中間部42a及び一端部42Aと他端部42Bに繋がる両端部42c,42bで水平であるが、その水平な中間部42aと両端部42c,42bの間は中間部42aが両端部42c,42bより低位になるように内側に向かって斜め下方に傾斜する傾斜部42d,42eになっている。上側プラグコンタクト47の一端部47Aと他端部47Bの間は、その中間部47a及び一端部47Aと他端部47Bに繋がる両端部47b,47cで水平であるが、その水平な中間部47aと両端部47b,47cの間は中間部47aが両端部47b,47cより低位になるように内側に向かって斜め下方に傾斜する傾斜部47d,47eになっている。
また、プラグ4には、下側プラグコンタクト42の一端部42Aと他端部42Bの間における下側プラグコンタクト42の一端部42Aと他端部42Bの間における隣接する下側プラグコンタクト42間の相互接触と、上側プラグコンタクト47の一端部47Aと他端部47Bの間における隣接する上側プラグコンタクト47間の相互接触と、下側プラグコンタクト42の一端部42Aと他端部42Bの間における下側プラグコンタクト42と上側プラグコンタクト47の一端部47Aと他端部47Bの間における上側プラグコンタクト47の間の相互接触と、を防止するために、下側プラグコンタクト42の水平な中間部42aをそれぞれ遊びt持って挿通させる複数の細幅のコンタクト溝52aを下面に並列に形成すると共に、下側プラグコンタクト42の水平な中間部42aの上側に隙間を設けて対向配置される上側プラグコンタクト47の水平な中間部47aをそれぞれ前記と同じ遊びtを持って挿通させる複数の細幅のコンタクト溝52bを上面に並列に形成し、下側プラグコンタクト42の水平な中間部42aと上側プラグコンタクト47の水平な中間部47aの間に挟み込む絶縁材料からなるスペーサ52を有する。
上記のように、プラグ4は、各ソケット3A,3Bの内側にあるプラグ嵌合凹部32に嵌合する絶縁材料からなる一対の内側プラグボディ40と、各ソケット3A,3Bの外側にあるプラグ嵌合凹部32に嵌合する絶縁材料からなる一対の外側プラグボディ45と、一対の内側プラグボディ40間に一端部42A及び他端部42Bを固定して並列に取り付けられ、各ソケット3A,3Bの内側一列の複数のソケットコンタクト34を電気的に接続する可撓性を持った複数の導電体からなる下側プラグコンタクト42と、一対の外側プラグボディ45間に一端部47A及び他端部47Bを固定して複数の下側プラグコンタクト42の上側で並列に取り付けられ、各ソケット3A,3Bの外側一列の複数のソケットコンタクト34を電気的に接続する可撓性を持った複数の導電体からなる上側プラグコンタクト47と、各ソケット3A,3Bの一対のプラグ嵌合凹部32に嵌合する内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45を独立して揺動可能に一体的に取り付け、プラグ挿入時は取り付けた内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45にプラグ挿入力を伝達すると共に、プラグ抜去時は各ソケット3A,3Bのソケットボディ30により支えられて梃子となり、取り付けた内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45を抜き上げる絶縁材料からなる一対のカバー51と、複数の下側プラグコンタクト42をそれぞれ遊びtを持って挿通させる複数のコンタクト溝52aを下面に並列に形成すると共に、複数の上側プラグコンタクト47をそれぞれ遊びtを持って挿通させる複数のコンタクト溝52bを上面に並列に形成し、下側プラグコンタクト42と上側プラグコンタクト47間に挟み込む絶縁樹脂からなるスペーサ52を有している。
図15は本発明の実施の形態に係る基板用コネクタに備えるソケットとプラグを嵌合する際のプラグ挿入時の初期状態を示す要部断面図、図16は同プラグ挿入時の途中の状態を示す要部断面図、図17は同プラグ挿入時の完全挿入状態を示す要部断面図、図18は、同プラグ挿入時の完全挿入状態を示す要部右側面図である。
次に、基板用コネクタ1の各ソケット3A,3Bとプラグ4を嵌合すべく、他の基板2Bに実装したソケット3Bにプラグ4の他端側の内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45を挿入するプラグ挿入操作について図15〜図18を参照して説明する。
先ず、図15に示すように、プラグ4の他端側にあるカバー51をソケット3Bの真上に保持して、カバー51に取り付けた内側プラグボディ40をソケット3Bの内側にあるプラグ嵌合凹部32と対向させると共に、カバー51に取り付けた外側プラグボディ45をソケット3Bの外側にあるプラグ嵌合凹部32と対向させる。この状態で、カバー51を下げて他の基板2Bに近付けることにより、カバー51の外側部がソケット3Bの外側部に嵌合しながら、内側プラグボディ40の下端部が内側プラグ嵌合凹部32に嵌り込むと共に、外側プラグボディ45の下端部が外側プラグ嵌合凹部32に嵌り込む。
この状態で、さらにカバー51を下げて他の基板2Bに近付けることにより、図16に示すように、カバー51の外側部がさらにソケット3Bの外側部に嵌合しながら、下側プラグコンタクト42の他端部42Bの下端部がソケット3Bの内側にあるソケットコンタクト34の接点部34cに接触すると共に、外側プラグコンタクト47の他端部47Bの下端部がソケット3Bの外側にあるソケットコンタクト34の接点部34cに接触するまで、内側プラグボディ40が内側プラグ嵌合凹部32に挿入されると共に、外側プラグボディ45が外側プラグ嵌合凹部32に挿入される。
そして、これ以降は、内側ソケットコンタクト34の接点部34c及び外側ソケットコンタクト34の接点部34cが、内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45の挿入抵抗になるため、カバー51の天板部51aを上方から押し下げて、その内面の内側リブ51f及び外側リブ51gで内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45を押し下げることにより、カバー51の外側部がさらにソケット3Bの外側部に嵌合しながら、内側ソケットコンタクト34の接点部34cを可動接片34bを撓ませてコンタクト溝33内に押し込むと共に、外側ソケットコンタクト34の接点部34cを可動接片34bを撓ませてコンタクト溝33内に押し込み、内側ソケットコンタクト34の接点部34c及び外側ソケットコンタクト34の接点部34cを乗り越えて、内側プラグボディ40が内側プラグ嵌合凹部32にさらに挿入されると共に、外側プラグボディ45が外側プラグ嵌合凹部32にさらに挿入され、内側ソケットコンタクト34の接点部34cに下側プラグコンタクト42の接点部44が接触摺動すると共に、外側ソケットコンタクト34の接点部34cに上側プラグコンタクト47の接点部48が接触摺動する。
この状態で、カバー51の天板部51aをさらに押し下げて、内側リブ51f及び外側リブ51gで内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45を押し下げることにより、図17及び図18に示すように、カバー51の外側部がさらにソケット3Bの外側部に嵌合しながら、内側プラグボディ40の下端が内側プラグ嵌合凹部32の底面に突き当たると共に、外側プラグボディ45の下端が外側プラグ嵌合凹部32の底面に突き当たるまで、内側プラグボディ40が内側プラグ嵌合凹部32に完全挿入されると共に、外側プラグボディ45が外側プラグ嵌合凹部32に完全挿入されて、ソケット3Bとプラグ4の他端部が嵌合される。
上記のようにソケット3Bとプラグの他端部を嵌合する際、カバー51によりソケット3Bと内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45は隠されるが、ソケット3Bの内側プラグ嵌合凹部32及び外側プラグ嵌合凹部32と内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45との位置決めをカバー部材51により行うことができるので、プラグ4の挿入は難しくならない。
また、基板用コネクタ1の多ピン化でソケットコンタクト34及びプラグコンタクト42,47の数が多くなるに連れて、ソケット3Bにプラグ4の他端部を嵌合する際のプラグ4の他端部の挿入抵抗は大きくなるが、カバー51は天板部51aの押圧操作に伴うプラグ挿入力を、支点軸49と内側リブ51f及び支点軸50と外側リブ51gによって、内側プラグボディ40全体及び外側プラグボディ45全体に略均一に伝達することができるので、多ピン化でソケットコンタクト34及びプラグコンタクト42,47の数が多くなっても、これらを二列化しても、プラグ4の挿入を容易にできる。
そして、下側プラグコンタクト42の他端部42Bの下端部が内側ソケットコンタクト34の接点部34cに接触すると共に、外側プラグコンタクト47の他端部47Bの下端部が外側ソケットコンタクト34の接点部34cに接触した以降のプラグ挿入に伴って、カバー51の可動係合爪51mが係合片51kを外側に撓ませながらソケット3Bの固定係合爪35の上に乗り上げ、内側プラグボディ40が内側プラグ嵌合凹部32に完全挿入されると共に、外側プラグボディ45が外側プラグ嵌合凹部32に完全挿入された時に、可動係合爪51mが固定係合爪35を乗り越えてこの下側に移動して、係合片51kの弾性復帰によって固定係合爪35とプラグ4の抜去方向で係合する。これにより、カバー51がソケット3Bのソケットボディ30に固定(抜け止め)され、固定されたカバー51によって内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45が内側プラグ嵌合凹部32及び外側プラグ嵌合凹部32に固定(抜け止め)され、ソケット3Bとプラグ4の他端部との嵌合状態が保持される。これにより、ソケット3Bの内側プラグ嵌合凹部32内における内側ソケットコンタクト34の接点部34cと下側プラグコンタクト42の接点部44との接触が保持され、下側プラグコンタクト42の他端部42Bが他の基板2Bと電気的に接続されると共に、ソケット3Bの外側プラグ嵌合凹部32内における外側ソケットコンタクト34の接点部34cと上側プラグコンタクト47の接点部48との接触が保持され、上側プラグコンタクト47の一端部42Bが他の基板2Bと電気的に接続される。
ソケット3Bとプラグ4の他端部とが嵌合された時には、カバー51によって嵌合状態のソケット3B及びプラグ4の他端部が上方からと内側方を除く周側方から覆われ、内側ソケットコンタクト34の接点部34cと下側プラグコンタクト42の接点部44との接触部に塵埃等が入り難くなる。
また、ソケット3Bとプラグ4の他端部とが嵌合された時には、ソケット3Bの内側にある梃子支持面36に支点軸49及び支点軸50より内側にあるカバー51の左右側板部51bの平坦な下面が突き合い接触している。
なお、基板用コネクタ1のソケット3A,3Bとプラグ3Bを嵌合すべく、基板2Aに実装したソケット3Aにプラグ4の一端部の内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45を挿入するプラグ挿入操作やソケット3Aとプラグ4の一端部の嵌合状態等については、図5〜図18に示した上記他の基板2Bに実装したソケット3Bにプラグ4の他端部の内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45を挿入するプラグ挿入操作やソケット3Bとプラグ4の他端部の嵌合状態等と同じであるため、その詳しい説明及び相当図面を省略する。
そして、図1〜図4に示すように、基板2Aに実装したソケット3Aの内側プラグ嵌合凹部32及び外側プラグ嵌合凹部32にプラグ4の一端側にある内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45を完全挿入して嵌合し、ソケット4Aの内側プラグ嵌合凹部32内及び外側プラグ嵌合凹部32内で内側ソケットコンタクト34の接点部34cと下側プラグコンタクト42の一端側42Aの接点部44及び外側ソケットコンタクト34の接点部34cと上側プラグコンタクト47の一端側47Aの接点部48を接触保持し、下側プラグコンタクト42の一端側42A及び上側プラグコンタクト47の一端側47Aと基板2Aとを電気的に接続する一方、他の基板2Bに実装したソケット3Bの内側プラグ嵌合凹部32及び外側プラグ嵌合凹部32にプラグ4の他端部にある内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45を完全挿入して嵌合し、ソケット4Bの内側プラグ嵌合凹部32内及び外側プラグ嵌合凹部32内で内側ソケットコンタクト34の接点部34cと下側プラグコンタクト42の一端側42Aの接点部44及び外側ソケットコンタクト34の接点部34cと上側プラグコンタクト47の一端側47Aの接点部48を接触保持し、下側プラグコンタクト42の他端側42B及び上側プラグコンタクト47の他端側47Bと他の基板2Bとを電気的に接続することにより、各ソケット3A,3Bの二列の内側ソケットコンタクト34及び外側ソケットコンタクト34とプラグ4の下側プラグコンタクト42及び上側プラグコンタクト47を通じて基板2Aと他の基板2Bを電気的に接続することができる。
上記のように基板2Aと他の基板2Bを電気的に接続する際、基板用コネクタ1は、基板2Aと他の基板2B間にソケットコンタクト34及びプラグコンタクト42,47のピッチ方向にずれがある場合でも、プラグ4は下側プラグコンタクト42及び上側プラグコンタクト47がその幅方向に撓むことによって、そのずれを吸収して基板2Aと他の基板2Bを電気的に接続することができ、また、基板2Aと他の基板2B間にソケットコンタクト34及びプラグコンタクト42,47のピッチ方向とは垂直方向(プラグコンタクト42,47の長さ方向)にずれがある場合でも、プラグ4は下側プラグコンタクト42の長さがその傾斜部42d,42eによって変化すると共に、上側プラグコンタクト47の長さがその傾斜部47d,47eによって変化することによって、そのずれを吸収して基板2Aと他の基板2Bを電気的に接続することができ、さらに基板2Aと他の基板2B間にこれらの厚さ方向にずれがある場合でも、プラグ4は下側プラグコンタクト42及び上側プラグコンタクト47がその厚さ方向に撓むことによって、そのずれを吸収して基板2Aと他の基板2Bを電気的に接続することができる。
上記のようにプラグ4はその下側プラグコンタクト42及び上側プラグコンタクト47の可撓性によって基板2Aと他の基板2B間の3方向のずれを吸収する。この際、下側プラグコンタクト42の一端部42Aと他端部42Bの間における下側プラグコンタクト42の一端部42Aと他端部42Bの間における隣接する下側プラグコンタクト42間の相互接触と、上側プラグコンタクト47の一端部47Aと他端部47Bの間における隣接する上側プラグコンタクト47間の相互接触と、下側プラグコンタクト42の一端部42Aと他端部42Bの間における下側プラグコンタクト42と上側プラグコンタクト47の一端部47Aと他端部47Bの間における上側プラグコンタクト47の間の相互接触と、を防止するために、下側プラグコンタクト42の水平な中間部42aを挿通させる複数の細幅のコンタクト溝52aを下面に並列に形成すると共に、上側プラグコンタクト47の水平な中間部47aを挿通させる複数の細幅のコンタクト溝52bを上面に並列に形成して、下側プラグコンタクト42の水平な中間部42aと上側プラグコンタクト47の水平な中間部47aの間に挟み込んだ絶縁樹脂からなるスペーサ52が、下側プラグコンタクト42の水平な中間部42aを遊びt持って下面のコンタクト溝52aに挿通させると共に、上側プラグコンタクト47の水平な中間部47aを前記と同じ遊びtを持って上面のコンタクト溝52bに挿通させるので、基板2Aと他の基板2Bの位置ずれに対応してそのずれ方向に動く(傾く)ことができ、基板2Aと他の基板2Bの位置ずれを吸収する下側プラグコンタクト42及び上側プラグコンタクト47の可撓性が損なわれるのを抑え、吸収できる基板2Aと他の基板2Bの位置ずれ量が小さくなるのを防止することができる。
図19は本発明の実施の形態に係る基板用コネクタに備えるソケットとプラグを分離する際のプラグ抜去時の初期状態を示す要部断面図、図20は同プラグ抜去時の途中の状態を示す要部断面図である。
次に、嵌合状態の各ソケット3A,3Bとプラグ4を分離すべく、他の基板2Bに実装したソケット3Bからプラグ4の他端部の内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45を抜去するプラグ抜去操作について図19〜図20を参照して説明する。
図17,図18に示した嵌合状態からプラグ4の他端部にあるカバー51の外側部を操作部51nに指先を引っ掛けて持上げ操作すると、図19に示すように、カバー51がその内側部を梃子支点部51pによって各ソケット3Bの内側にある梃子支持面36に支え、梃子支点部51pを支点に反時計方向に回動する。これに伴って、ソケット3Bの固定係合爪35からカバー51の可動係合爪51mが外側に離反して外され、ソケット3Bとプラグ4の他端部との嵌合状態での固定が解除されると共に、カバー51に支点軸49及び支点軸50を介して取り付けられている内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45がソケット3Bの内側プラグ嵌合凹部32内及び外側プラグ嵌合凹部32内で抜き上げられる。この抜き上げによって、内側プラグボディ40の下端部及び外側プラグボディ45の下端部が内側ソケットコンタクト34の接点部34c及び外側ソケットコンタクト34の接点部34cの高さ付近に持ち上がる程度に、内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45をソケット3Bの内側プラグ嵌合凹部32内及び外側プラグ嵌合凹部32内で抜き上げた後、カバー51を上方に持ち上げて内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45をソケット3Bの内側プラグ嵌合凹部32及び外側プラグ嵌合凹部32から抜去するものである。
この際、内側ソケットコンタクト34の接点部34cが下側プラグコンタクト42の他端部42Bの接点部44に押し付けられて接触すると共に、外側ソケットコンタクト34の接点部34cが上側プラグコンタクト47の他端部47Bの接点部48に押し付けられて接触するしている抜き上げ初期には、その接触圧が内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45の大きな抜き上げ抵抗となるが、内側プラグボディ40の下端部及び外側プラグボディ45の下端部が内側ソケットコンタクト34の接点部34c及び外側ソケットコンタクト34の接点部34cの高さ付近に持ち上がると、前記接触圧は極端に小さくなり、内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45の抜き上げ抵抗は殆ど無くなる。そして、上記のように、内側プラグボディ40の下端部及び外側プラグボディ45の下端部が内側ソケットコンタクト34の接点部34c及び外側ソケットコンタクト34の接点部34cの高さ付近に持ち上がるまでは、カバー51を梃子にして内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45をソケット3Bの内側プラグ嵌合凹部32内及び外側プラグ嵌合凹部32内で抜き上げるので、プラグ4の他端部の内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45の抜去を小さな力で容易にできる。
また、内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45は、カバー51の梃子支点部51pに対して内側プラグボディ40が近く、外側プラグボディ45が遠くになるように、カバー51に支点軸49及び支点軸50を介して取り付けられているので、内側プラグボディ40より外側プラグボディ45が先行してソケット3Bの内側プラグ嵌合凹部32内及び外側プラグ嵌合凹部32内で抜き上げられるようになり、同時に内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45を抜く力に比べて小さい力で済むと共に、ソケットコンタクト34及びプラグコンタクト42,47の二列化により、カバー51(梃子)の梃子支点51pと操作部51k(力点)との距離を長くとることができ、1列構造のものより小さな力でプラグ4を抜去することができる。
また、基板用コネクタ1の多ピン化でソケットコンタクト34及びプラグコンタクト42,47の数が多くなるに連れて、ソケット3Bに嵌合されたプラグ4の他端部を抜去時に、プラグ4の他端部の抜き上げ抵抗は大きくなるが、カバー51をてこにして小さな力でプラグ4の他端部の内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45をソケット3Bの内側プラグ嵌合凹部32内及び外側プラグ嵌合凹部32内で抜き上げることができるので、多ピン化でソケットコンタクト34及びプラグコンタクト42,47の数が多くなっても、これらを二列化しても、プラグ4の抜去を容易にできる。
なお、嵌合状態の各ソケット3A,3Bとプラグ4を分離すべく、基板2Aに実装したソケット3Aからプラグ4の一端部の内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45を抜去するプラグ抜去操作については、図19,図20に示した上記他の基板2Bに実装したソケット3Bからプラグ4の他端部の内側プラグボディ40及び外側プラグボディ45を抜去するプラグ抜去操作と同じであるため、その詳しい説明及び相当図面を省略する。
以上、本実施の形態は本発明の好適な一実施の形態を示したが、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形実施することができるものである。例えば、ソケット4A,4Bは表面実装タイプのものを示したが、挿入実装タイプのものでも良い。