JP4570306B2 - ポンプの制御のためのシステムおよび方法 - Google Patents

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Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、血液、血液成分、または他の細胞性材料の懸濁液を処理および収集するための、システムならびに方法に関する。
【0002】
(発明の背景)
今日、全血は、通常は遠心分離によってその様々な治療的成分(例えば、赤血球、血小板、および血漿)に慣用的に分離される。
【0003】
従来の血液処理方法は、代表的にはプラスチック製の単回使用の滅菌処理システムを付随する、耐久性遠心分離設備を使用する。操作者は、処理の前に使い捨てシステムを遠心機に装填し、その後、それらのシステムを取り除く。
【0004】
従来の血液遠心分離は、収集位置間での容易な持ち運びが不可能な大きさである。さらに、装填および脱装填の操作は、時々、時間を浪費し得、そして冗漫であり得る。
【0005】
さらに、高容量での、オンラインでの血液収集環境での使用の役に立つ様式で、血液成分を収集するためのさらに改良されたシステムおよび方法の必要性が存在し、ここで、高収量の重大に必要な細胞性血液成分(血漿、赤血球、および血小板など)が、合理的な短い処理時間で実現され得る。
【0006】
このような流体処理システムにおける操作上の要求および性能の要求は、より小さくより持ち運び可能なシステムに対する要求が強まるとともに、さらに複雑に、精巧になっている。従って、より詳細な情報および制御シグナルを収集し、そして生成し得、操作者を処理効率および分離効率を最大化する際に補助する、自動化血液処理コントローラに対する必要性が存在する。
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、直接的かつ正確な制御機能を備えた、携帯用の、融通性のある処理プラットフォームに適する、血液および血液成分の処理のための、システムならびに方法を提供する。
【0008】
より具体的には、本発明の1局面は、ポンプを通して流体をポンピングするための、様々なシステムおよび関連する方法を提供する。このポンプは、ポンプチャンバを備え、このポンプチャンバは、流体を運搬するために付与される圧力に応答性である。これらのシステムおよび方法は、電極をこのポンプチャンバ内に配置し、この電極は、使用時に、電源に接続される。この電極は、このポンプチャンバ内に電場を発生させ、この電場は、このポンプチャンバ内の流体の容量に従って変動する。これらのシステムおよび方法は、流体がこのポンプチャンバを通って運搬されるにつれて、この電場の変動を記録する。
【0009】
1実施形態において、これらのシステムおよび方法は、電場の経時的な変動に基づいて、出力を生成する。この出力に基づいて、これらのシステムおよび方法は、例えば、このポンプチャンバにより運搬される流体の容量を示す値、またはこのポンプチャンバにより運搬される流体の流速を示す値を、導出する。
【0010】
1実施形態においては、この出力に基づいて、これらのシステムおよび方法は、異常な作動状態を検出し、そしてアラーム状態を発生させる。この異常な作動状態は、例えば、ポンプチャンバ内での空気の存在、またはポンプチャンバを通るフローの閉塞を示し得る。
【0011】
1実施形態において、これらのシステムおよび方法は、ポンプチャンバのストローク容量に従って、出力を校正する。
【0012】
1実施形態においては、これらのシステムおよび方法は、この出力に少なくとも部分的に基づいて、ポンプチャンバ上の可撓性ダイヤフラムに付与される圧力を変化させる。
【0013】
1実施形態においては、これらのシステムおよび方法は、電場の変動に起因するキャパシタンスの変動を記録する。
【0014】
1実施形態においては、ポンプチャンバのストローク容量は、本質的に一定である。これらのシステムおよび方法は、このポンプチャンバをアクチュエータに付随させて配置し、このアクチュエータは、ストローク間隔の間に可撓性ダイヤフラムと相互作用して、このポンプを通して流体を運搬する。これらのシステムおよび方法は、流体がこのポンプチャンバを通して運搬されるにつれて、電場の変動を記録し、そしてサンプル期間にわたるこの電場の変動に基づいて実際の流速を導出し、所望の流速が達成されるようにストローク間隔を調節することによって、所望の流速を支配する。1実施形態においては、このストローク間隔は、流体をポンプチャンバへと汲み出すための時間間隔成分、このポンプチャンバからこの流体を排出するための時間間隔成分、およびアイドリング時間間隔成分を含む。これらのシステムおよび方法は、これらの時間間隔成分の1つ以上を調節して、所望の流速を達成する。
【0015】
1実施形態において、これらのシステムおよび方法は、ポンプチャンバを、血液のソースと血液分離デバイスとの間に、血液処理システムまたは方法の一部として、インラインで接続する。
【0016】
本発明の別の局面は、血液分離デバイスに接続される、血液処理システムを提供する。このシステムは、カセットを備え、このカセットは、少なくとも1つの空気圧作動ポンプステーションを収容し、このポンプステーションは、本質的に一定の既知のストローク容量を有するポンプチャンバを備える。このシステムはまた、このカセットを保持し、そしてストローク間隔の間にポンプステーションに空気圧力を選択的に付与してポンプチャンバを通して流体をポンピングする、空気圧アクチュエータを備える。このシステムは、電極をポンプチャンバ内に配置する。この電極は、電源に接続されて、このポンプチャンバ内に電場を発生させ、この電場は、このポンプチャンバ内の流体の容量に従って変動する。このシステムは、この電極に接続される感知回路を備え、この感知回路は、流体がポンプチャンバを通って運搬されるにつれての電場の変動を記録する。
【0017】
本発明の別の局面は、既知のストローク容量を有するポンプを通して流体をポンピングするための、様々なシステムおよび関連する方法を提供する。これらのシステムおよび方法は、重量制御測定を利用して、そのポンプを通る流体フローをモニタリングする。これらのシステムおよび方法は、アクチュエータを含み、このアクチュエータは、ストローク間隔(TStroke)の間にポンプと相互作用して、このポンプを通して流体をポンピングする。これらのシステムおよび方法は、ポンプ内に流体を分散するためか、またはこのポンプから流体を受容するためのいずれかのレセプタクルを、ポンプに接続する。
【0018】
本発明のこの局面の1つの実施に従って、これらのシステムおよび方法は、サンプル期間にわたるレセプタクルの重量の変化を検出する。これらのシステムおよび方法は、サンプル期間にわたってこのレセプタクルの重量の変化を感知して実際の流速(QActual)を導出すること、この流体の粘度を考慮すること、およびQActualに基づいて、QDesiredを達成するようこのストローク間隔を調節することによって、所望の流速(QDesired)を達成する。1実施形態においては、このアクチュエータの作動において、このストローク間隔TStrokeは、ポンプへと流体を汲み出す時間間隔成分(T1)、このポンプからこの流体を排出する時間間隔成分(T2)、およびアイドリング時間間隔成分(T3)を含む。この実施形態において、このポンプの制御の際に、時間間隔成分T1、もしくはT2、またはT3の1つ以上が、以下の関係:
【0019】
【数34】
Figure 0004570306
【0020】
に従って、QDesiredを達成するよう新たな規模に調節される。ここで:
n(Adjusted)は、所望の流速QDesiredを達成するために調節した後の、時間間隔成分(単数または複数)の規模である。
【0021】
n(NotAdjusted)は、TStrokeの調節されていない他の時間間隔成分(単数または複数)の値の規模であり、ここで、所望の流速QDesiredを達成するために調節された後の、調節されたストローク間隔が、Tn(Adjusted)とTn(NotAdjusted)との和である。
【0022】
kは、以下:
【0023】
【数35】
Figure 0004570306
【0024】
として表される補正ファクターであって、ポンプと、上流および下流の圧力との間の相互作用を考慮する。
【0025】
本発明のこの局面の別の実施によれば、これらのシステムおよび方法は、サンプル期間にわたって、レセプタクルの重量の変化を検出し、そしてポンプ補正ファクターk(これは、ポンプと、上流および下流の圧力との間の相互作用を考慮する)に基づいて、異常な作動状態を検出する。これらのシステムおよび方法は、このポンプ補正ファクターkに基づいて、アラーム出力を生成する。ポンプ補正ファクターkは、以下のように導出される:
【0026】
【数36】
Figure 0004570306
【0027】
このアラーム出力を生成するための基準は、変動し得る。例えば、このアラーム出力は、kの規模と予測値との間の偏差に基づいて、生成され得る。あるいは、または組み合わせて、このアラーム出力は、kの極性と予測極性との間の偏差に基づいて、生成され得る。1実施形態においては、これらのシステムおよび方法はまた、アクチュエータが作動していないときのレセプタクルの重量の変化を検出して、アラーム出力を生成する。
【0028】
本発明の1つ以上の実施を組み込む1実施形態においては、ポンプは、本質的に一定の容量を有するポンプチャンバを備える。
【0029】
本発明の1つ以上の実施を組み込む1実施形態においては、ポンプは、血液処理システムの一部として、血液分離デバイスに接続される。
【0030】
本発明の1つ以上の実施を組み込む1実施形態においては、システムおよび方法は、カセットを提供し、このカセットは、空気圧作動ポンプステーションを収容し、このポンプステーションは、既知のストローク容量を有するポンプチャンバを備える。これらのシステムおよび方法は、このカセットを保持するため、およびストローク間隔の間にポンプチャンバに空気圧力を選択的に付与して、このポンプチャンバを通して流体をポンピングするための、空気圧アクチュエータを含む。
【0031】
本発明の他の特徴および利点を、以下の明細書および添付の図面に記載する。
【0032】
本発明は、その精神および本質的な特徴から逸脱することなく、いくつかの形態で実施され得る。本発明の範囲は、具体的な説明よりむしろ、添付の特許請求の範囲により規定される。従って、特許請求の範囲の均等物の意味および範囲に入る全ての実施形態は、特許請求の範囲によって包含されると意図される。
【0033】
(好ましい実施形態の説明)
図1は、本発明の特徴を実施する、流体処理システム10を示す。システム10は、様々な流体を処理するために使用され得る。システム10は、全血および他の生物学的細胞性材料の懸濁液を処理するために、特に良好に適する。従って、図示した実施形態は、この目的で使用されるシステム10を示す。
【0034】
(I.システムの概要)
システム10は、3つの主要な構成要素を備える。これらは、(i)液体および血液フローセット12;(ii)フローセット12と相互作用して1つ以上の血液成分の分離および収集を引き起こす、血液処理デバイス14;および(iii)この相互作用を支配して、操作者により選択される血液処理および収集手順を実行する、コントローラ16である。
【0035】
血液処理デバイス14およびコントローラ16は、長期間の使用が可能な耐久性の品目であることが、意図される。図示の好ましい実施形態においては、血液処理デバイス14およびコントローラ16は、携帯用のハウジングまたはケース36の内部に取り付けられる。ケース36は、小型のフットプリントを提供し、テーブルトップまたは他の比較的小さな表面上でのセットアップおよび操作に適する。ケース36はまた、収集位置に容易に持ち運びされるよう意図される。
【0036】
ケース36は、基部38およびヒンジにより取り付けられる蓋40を備え、これが、開いたり(図1に示すように)閉じたり(図4に示すように)する。蓋40は、蓋40が閉じた状態に解放可能にロックするための、ラッチ42を備える。蓋40はまた、ハンドル44を備え、蓋40が閉じたときに、ユーザがこのハンドルを把持してケース36を持ち運び得る。使用において、基部38は、ほぼ水平な支持表面に載るよう意図される。
【0037】
ケース36は、例えば成形によって、所望の形状に形成され得る。ケース36は、好ましくは、軽量な、しかし耐久性の、プラスチック材料から作製される。
【0038】
フローセット12は、滅菌の単回使用の使い捨てアイテムであることが意図される。図2が示すように、所定の血液処理および収集手順を開始する前に、操作者は、デバイス14に接続したケース36内にフローセット12の種々の成分を装填する。コントローラ16は、操作者からの他の入力を考慮して、前設定したプロトコルに基づく手順を実行する。この手順を完了した際、操作者はフローセット12をデバイス14との接続からはずす。収集された血液成分(単数または複数)を収容するセット12の一部は、ケース36からはずされ、保存、輸液、またはさらなる処理のために保持される。セット12の残りは、ケース36からはずされ、廃棄される。
【0039】
図1に示されるフローセット12は、遠心分離器と接続した使用のために設計された血液処理チャンバ18を備える。従って、図2が示すように、処理デバイス14は、遠心分離ステーション20を備え、これは、使用のための処理チャンバ18を受容する。図2および図3が示すように、遠心分離ステーション20は、基部38内に形成された仕切りを備える。遠心分離ステーション20は、仕切りを開放したり閉鎖したりするドア22を備える。このドア22は処理チャンバ18の装填を可能にするために開放する。ドア22は、作動中に処理チャンバ18を包囲するために閉鎖する。
【0040】
遠心分離ステーション20は、処理チャンバ18を回転する。回転される場合、処理チャンバ18は、ドナーから受け取った全血を成分部分(例えば、赤血球、血漿、ならびに血小板および白血球を含むバフィコート)に遠心分離する。
【0041】
システム10が血液を遠心的に分離する必要がないことも理解されるべきである。このシステム10は、他のタイプの血液分離デバイス(例えば、膜血液分離デバイス)を接続し得る。
【0042】
(II.プログラム可能な血液処理回路)
セット12は、プログラム可能な血液処理回路46を規定する。種々の遠心分離が可能である。図5は、概略的に1つの代表的配置を示す。図34は、後に記載される別の代表的配置を概略的に示す。
【0043】
図5を参照して、回路46は、種々の異なる血液処理手順を実施するためにプログラムされ得、ここで、例えば、赤血球が収集されるか、または血漿が収集されるか、または血漿および赤血球が収集されるか、またはバフィコートが収集される。
【0044】
回路46は、幾つかのポンプステーションPP(N)を備え、これらは、インラインバルブV(N)のアレイを通して流体流路F(N)のパターンによって内部接続される。この回路は、ポートP(N)によって血液処理セットの残りも接続される。
【0045】
回路46は、流路のプログラム可能なネットワークを備え、これは、11個のユニバーサルポートP1〜P8およびP11〜P13、ならびに3個のユニバーサルポンプステーションPP1、PP2、およびPP3を備える。インラインバルブV1〜V14、V16〜V18、およびV21〜23の選択操作によって、任意のユニバーサルポートP1〜P8およびP11〜P13は、任意のユニバーサルポンプステーションPP1、PP2、およびPP3と流体連絡して配置され得る。ユニバーサルバルブの選択的操作によって、流体フローは、2つのバルブ間において前方方向にまたは逆方向に、あるいは単一のバルブを通してインアウト(in−out)方向に、任意のユニバーサルポンプステーションを通って方向付けされ得る。
【0046】
図示した実施形態において、回路はまた、2つのポートP9およびP10ならびに1つのポンプステーションPP4を備える孤立した流路を備える。この流路は、「孤立した(isolated)」と呼ばれる。なぜなら、それは、外側チュービングなしで回路46内の任意の他の流路と直接にフロー連絡して配置され得ないためである。インラインバルブV15、V19、およびV20の選択的操作によって、流体フローは、2つのバルブ間において前方方向または逆方向に、あるいは単一のバルブを通してインアウト方向に、ポンプステーションを通して方向付けされ得る。
【0047】
回路46は、種々のポンプステーションに専用のポンピング機能を割り当てるためにプログラムされ得る。例えば、好ましい実施形態において、ユニバーサルポンプステーションPP3は、ポートP8を通してドナーから血液を汲み出すか、または血液をドナーに戻すために、実施される特定の血液手順に関わらず、通常の目的のドナーインターフェースポンプとして作用し得る。この配置において、このポンプステーションPP4は、ソースからポートP10を通して抗凝固剤を汲み出し、ポートP9を通して血液内に入る抗凝固剤を計量するために、専用の抗凝固剤ポンプとして作用し得る。
【0048】
この配置において、ユニバーサルポンプステーションPP1は、実施される特定の血液処理手順に関わらず、専用のインプロセス全血ポンプとして作用し、血液分離器内に全血を運搬し得る。この専用機能は、ドナーインターフェースポンプPP3から、血液分離器に全血を供給するという追加機能をなくす。従って、インプロセス全血ポンプPP1は血液分離器への血液の連続供給を維持し得、一方、ドナーインターフェースポンプPP3は、同時に単一の静脈切開針を通して血液を汲み出し、ドナーに血液を戻すために使用される。処理時間は、それにより最小になる。
【0049】
この配置において、ユニバーサルポンプステーションPP2は、実施される特定の血液処理手順に関わらず、血漿ポンプとして作用し、血液分離器から血漿を運搬し得る。個別のポンピング機能を専用とする能力は、分離器の内へおよび分離器の外へ、ならびにドナーへおよびドナーからの連続フローを提供する。
【0050】
特定の血液処理手順の目的に依存して、回路46はプログラムされ、保存または画分化の目的のために全てのもしくは幾らかの血漿を保持し得るか、あるいはドナーに全てのもしくは幾らかの血漿を戻し得る。回路46は特定の血液処理手順の目的に依存して、さらにプログラムされ、保存のために全てのもしくは幾らかの赤血球を保持し得るか、あるいはドナーに全てのもしくは幾らかの赤血球を戻し得る。この回路46はまた、特定の血液処理手順の目的に依存して、プログラムされ、保存のために全てのもしくは幾らかのバフィコートを保持し得るか、あるいはドナーに全てのもしくは幾らかのバフィコートを戻し得る。
【0051】
好ましい実施形態において、プログラム可能な流体回路46は、流体圧作動カセット28の使用によって、実行される(図6を参照のこと)。カセット28は、所定の血液処理手順に必要な全てのポンピングおよびバルビング機能のための、集中型のプログラム可能な一体化プラットホームを提供する。例示の実施形態において、流体圧は正および負の空気圧を含む。他のタイプの流体圧も使用され得る。
【0052】
図6が示すように、カセット28は、空気圧作動ポンプおよびバルブステーション30と相互作用し、これは、ケース36の40の蓋に取り付けられる(図1を参照のこと)。カセット28は、使用される場合、ポンプおよびバルブステーション30に取り付けられる。このポンプおよびバルブステーション30は、カセット28に正および負の空気圧をかけ、回路を通して液体フローを方向付けする。さらなる詳細は、後に提供される。
【0053】
カセット28は、種々の形態をとり得る。例示されるように(図6を参照のこと)、カセット28は、前面190および後面192を有する射出成形した本体188を備える。説明の目的のために、前面190は、カセット28がポンプおよびバルブステーション30に取り付けられる場合に、操作者から離れて面するカセット28の面である。可撓性ダイヤフラム194および196は、それぞれ、カセット28の前面190および後面192の両方をオーバーレイする。
【0054】
カセット本体188は、好ましくは、剛性な医療等級プラスチック材料から構成される。ダイヤフラム194および196は、好ましくは、医療等級プラスチックの可撓性シートから構成される。ダイヤフラム194および196は、それらの周辺の周りで、カセット本体188の前面および後面の周辺縁にシールされる。ダイヤフラム194および196の内部領域はまた、カセット本体188の内部領域にシールされ得る。
【0055】
カセット本体188は、前面190および後面192の両方の上に形成された内部キャビティのアレイを有する(図7および図9を参照のこと)。内部キャビティは、図5に概略的に示されたバルブステーションおよび流路を規定する。追加の内部キャビティは、カセット28の後面に設けられ、フィルター材料200を保持するステーションの形成する。例示の実施形態において、フィルター材料200は過剰成形されたメッシュフィルター構築物を備える。フィルター材料200は、使用の間、血液処理の間に形成し得る血餅および細胞凝集物を除去することが意図される。
【0056】
ポンプステーションPP1〜PP4は、カセット本体188の前面190上で開放する壁として形成される。直立縁は、ポンプステーションの開放壁の周囲を取り囲む。ポンプウェルは、各ポンプステーションに対してスルーホールまたはポート202および204の間隔をあけた対を除いて、カセット本体188の後面192上で閉鎖される。ポート202および204は、カセット本体188の後面192に通って延びる。明らかなように、ポート202または204のいずれかは、入口または出口、あるいは入口および出口の両方として、その接続されたポンプステーションに作用し得る。
【0057】
インラインバルブV1〜V23は、同様にカセットの前面190上で開放する壁として形成される。図8は、代表的なバルブV(N)を示す。直立縁は、カセット本体188の前面190上のバルブの開放壁の周囲を囲む。このバルブは、各バルブが一対のスルーホールまたはポート206および208を備えることを除いて、カセット28の後面192上で閉鎖される。1つのポート206は、カセット本体188の後面192上の選択された液体経路と連絡する。他のポート208は、カセット本体188の後面192上の別の選択された液体経路と連絡する。
【0058】
各バルブにおいて、バルブシート210は、ポート208の1つの周囲を延びる。このバルブシート210は、陥没したバルブ壁の面の下で陥没され、その結果、ポート208は、陥没したバルブ壁の取り囲む面と実質的に同一平面であり、そしてバルブシート210は、バルブ壁の面の下に延びる。
【0059】
カセット28の前面190をオーバーレイする可撓性ダイヤフラム194は、ポンプステーションおよびバルブを取り囲む直立周囲縁に対して、静止する。カセット本体188のこの面に対して均一に正の力をかけると、この可撓性ダイヤフラム194は、直立縁に対して設置される。この正の力は、ポンプステーションおよびバルブの周囲に周囲シールを形成する。次に、これは互いからおよびシステムの残りからポンプおよびバルブを孤立させる。このポンプおよびバルブステーション30は、この目的のために、カセット本体188の前面190に正の力をかける。
【0060】
これらの周囲でシールした領域をオーバーレイするダイヤフラム194の領域への正および負のさらに局在化した流体圧の適用は、これらの周囲でシールされた領域内のダイヤフラム領域を撓ませるよう作用する。ポンプステーションをオーバーレイするこれらのダイヤフラム領域へのこれらの局在化した正および負の流体圧の適用は、ポンプステーションから液体を排出し(正の圧力の適用によって)、そしてポンプステーションへ液体を汲み出す(負の圧力の適用によって)よう作用する。
【0061】
例示の実施形態において、各ポンプステーションPP1〜PP4の底部は、凹状レース316を備える(図7を参照のこと)。このレース316は、ポート202と204との間に延び、そしてまた、頂部ポート202からのある角度で延びる屈曲部(dogleg)を備える。レース316は、特にダイヤフラム領域がポンプステーションの底部に対して正の圧力がかけられる場合、ポート202と204との間のより良好な連続液体フローを提供する。レース316はまた、ダイヤフラム領域がポンプステーション内の空気をトラップするのを防ぐ。ポンプステーション内の空気は、レース316内に強いられ、ここで、ダイヤフラム領域がステーション内で底に達せられたとしても、空気はポンプステーションから頂部ポート202を通って容易に排気され得る。
【0062】
同様に、バルブをオーバーレイするダイヤフラム領域への正および負の流体圧の局在的な適用は、バルブシートに対してこれらのダイヤフラム領域を設置し(正の圧力の適用によって)および設置しない(負の圧力の適用によって)ように作用し、これによって、接続したバルブポートを閉鎖および開放する。可撓性ダイヤフラムは、バルブシート210から外側への撓みのために適用された負の圧力に対して応答性があり、各ポートを開放する。この可撓性ダイヤフラムは、バルブシート210内への撓みのために適用された正の圧力に対して応答性があり、各ポートを閉鎖する。シーリングは、凹状のバルブシート210内に撓み、バルブ壁の壁と同一平面であるポート208の周囲をシールするように可撓性ダイヤフラムに力をかけることによって達成される。可撓性ダイヤフラムは、凹状バルブシート210内に、バルブポート208の周りの周囲シールを形成する。
【0063】
作動中において、ポンプおよびバルブステーション30は、バルブポートを開放および閉鎖するために前方ダイヤフラム104のこれらの領域に局在化した正および負の流体圧を適用する。
【0064】
液体経路F1〜F38は、液体経路F15、F23、およびF24がカセット本体188の前面190上で開放する細長チャネルとして形成されることを除いて、カセット本体188の後面192上で開放する細長チャネルとして形成される。液体経路は、それらの観察を容易にするために図9で影付けされる。直立縁は、カセット本体188の前面190および後面192上の開放チャネルを周囲で取り囲む。
【0065】
液体経路F1〜F38は、チャネルがバルブステーションポートまたはポンプステーションポート上を交差することを除いて、カセット本体188の前面190上で閉鎖される。同様に、液体経路F31〜F38は、チャネルがカセット28の後面192上の特定のチャネルと連絡するインラインポート上を交差することを除いて、カセット本体188の後面192上で閉鎖される。
【0066】
カセット本体188の前面190および後面192をオーバーレイする可撓性ダイヤフラム194および196は、液体経路F1〜F38を取り囲む直立周辺縁に対して静止する。カセット本体188の前面190および後面192に対して均一に正の力を適用すると、可撓性ダイヤフラム194および196は、直立縁に対して設置される。これは、液体経路F1〜F38に沿って周囲シールを形成する。作動中において、ポンプおよびバルブステーション30は、この目的のために、ダイヤフラム194および196に正の力を適用する。
【0067】
予備成形されたポートP1〜P13は、カセット本体188の2つの側面縁に沿って延びる。このカセット28は、ポンプおよびバルブステーション30内に使用のために垂直に取り付けられる(図2を参照のこと)。この配向において、ポートP8〜P13は下向きに面し、そしてポートP1〜P7は他方の上に一方が垂直に積み重なり、内側に面する。
【0068】
図2が示すように、後に説明されるように、ポートP8〜P13は、下向きに面することによって、基部38内に形成された容器支持トレイ212と適応して配向される。内向きに面するポートP1〜P7は、後にまたより詳細に説明されるように、遠心分離ステーション20および容器ウェイトステーション214と適応して配向される。ポートP1〜P4下のポートP5〜P7(処理チャンバ18に供給する)の配向は、空気が処理チャンバ18に入るのを防ぐ。
【0069】
このポートの規則正しい配向は、ケース36の作動可能な領域と整列された、集中型の小型ユニットを提供する。
【0070】
(B.ユニバーサルセット)
図10は、ユニバーサルセット264を概略的に示し、これは、カセット28によって実施される血液処理回路46の選択的プログラミングによって、幾つかの異なる血液処理手順を実施し得る。
【0071】
ユニバーサルセット264は、ドナーチューブ266を備え、これは、取り付けられた静脈切開針268を有するチュービング300に(yコネクタ272および273を通して)取り付けられる。ドナーチューブ266は、カセット28のポートP8に結合される。
【0072】
チューブ300を通して汲み出される血液のインラインサンプルを収集するための容器275はまた、yコネクタ273を通して取り付けられる。
【0073】
抗凝固剤チューブ270は、yコネクタ272を介して静脈切開針268に結合される。抗凝固剤チューブ270は、カセットポートP9に結合される。抗凝固剤を収容する容器276は、カセットポートP10にチューブ274を介して結合される。抗凝固剤チューブ270は、従来の構造の外部の手動で作動されるインラインクランプ282を保有する。
【0074】
赤血球添加物溶液を収容する容器280は、チューブ278を介してカセットポートP3に結合される。チューブ278はまた、外部の手動で作動されるインラインクランプ282を保有する。
【0075】
生理食塩水を収容する容器288は、チューブ284を介してカセットポートP12に結合される。
【0076】
図10は、セット264の製造の間に一体的に取り付けられる、流体収容容器276、280、および288を示す。あるいは、全てのまたは幾つかの容器276、280、および288は、セット264から分離して供給され得る。容器276、280、および288は、従来のスパイクコネクタによって結合され得るか、またはセット264は、使用時に適切な滅菌接続を介して別々の容器(単数または複数)の取り付けを調製するように構成され、それによって滅菌の閉鎖した血液処理環境を維持し得る。あるいは、チューブ274、278、および284は、使用時にインライン滅菌フィルタおよび容器ポートへの挿入のための従来のスパイクコネクタを保有し、これによって滅菌の閉鎖した血液処理環境を維持し得る。
【0077】
セット264はさらに、供給ライン(umbilicus)296に延びるチューブ290、292、294を備える。処理ステーション内に挿入される場合、供給ライン296は、シールを回転する必要なく、回転処理チャンバ18をカセット28と連結する。この構築物のさらなる詳細は、後に提供される。
【0078】
チューブ290、292、および294は、それぞれカセットポートP5、P6、およびP7に結合される。チューブ290は、全血を処理チャンバ18内に運搬する。チューブ292は、処理チャンバ18から血漿を運搬する。チューブ294は、処理チャンバ18から赤血球を運搬する。
【0079】
血漿収集容器304は、チューブ302によってカセットポートP3に結合される。収集容器304は、使用時に、処理の間、血漿のためのリザーバとして作用することが意図される。
【0080】
赤血球収集容器308は、チューブ306によってカセットポートP2に連結される。収集容器308は、使用において赤血球の第1ユニットを保存のために受容することが意図される。
【0081】
全血リザーバ312は、チューブ310によってカセットポートP1に連結される。収集容器312は、使用において、処理の間全血に対するリザーバとして役立つことを意図する。これはまた、赤血球の第2ユニットを保存のために受容するために役立ち得る。
【0082】
図10に示されるように、ユーティリティカセットポートP13およびバフィポートP4に連結されるチュービングはない。
【0083】
C.ポンプおよびバルブステーション
ポンプおよびバルブステーション30は、カセットホルダー216を備える。ドア32は、蝶番をつけられて開放位置(カセットホルダー216を曝露する(図6に示される))と閉鎖位置(カセットホルダー216を覆う(図3に示される))との間でカセットホルダー216に関して動く。ドア32はまた、ラッチハンドル220を有するオーバーセンターラッチ218を備える。ドア32が閉鎖される場合、ラッチ218は、揺り動いて(swing)ラッチピン222と係合する。
【0084】
図11が示すように、ドア32の内側表面は、エラストマーガスケット224を保有する。ガスケット224は、ドア32が閉鎖される場合、カセット28の後面192と接触する。膨張可能ブラダー314は、ガスケット224の下にある。
【0085】
ドア32が開放されている場合(図2を参照のこと)、操作者は、カセット28をカセットホルダー216に配置し得る。ドア32を閉鎖し、そしてラッチ218を固定すると、ガスケット224がカセット28の後面192のダイヤフラム196と面して接触する。ブラダー314を膨張すると、ガスケット224が圧迫され、ダイヤフラム196に対して親密に密封係合する。これによって、カセット28は、カセットホルダー216内に密接した密封フィットで固定される。
【0086】
ブラダー314の膨張はまた、ラッチハンドル220に対して通常の手動の力によって打ち勝ち得ない力で、ラッチピン222に対してオーバーセンターラッチ218を完全に載せる。ドア32は、固定的にロックし、ブラダー314が膨張される場合、開放され得ない。この構成において、血液処理の間、ドア32の開放に対する保証のための補助的なロックアウトデバイスまたはセンサは必要ではない。
【0087】
ポンプおよびバルブステーション30はまた、カセットホルダ216に配置されるマニホルドアセンブリ226を備える。マニホルドアセンブリ226は、成形された(molded)または機械加工された(machined)プラスティックまたは金属の本体を備える。ダイヤフラムの前面194は、ドア32が閉鎖され、ブラダー314が膨張される場合、マニホルドアセンブリ226に対して親密な係合で収容される。
【0088】
マニホルドアセンブリ226は、空気圧力ソース234に連結され、これは、空気の正圧および負圧を供給する。空気圧力ソース234は、マニホルドアセンブリ226の後の蓋40の内側で保持される。
【0089】
例示された実施形態では、圧力ソース234は、2つのコンプレッサC1およびC2を備える。しかし、1つまたはいくつかの二重ヘッドコンプレッサがまた使用され得る。図12が示すように、1つのコンプレッサC1は、マニホルド226を通してカセット28に負圧を供給する。他のコンプレッサC2は、マニホルド226を通してカセット28に正圧を供給する。
【0090】
図12が示すように、マニホルド226は、4つのポンプアクチュエータPA1〜PA4、および23のバルブアクチュエータVA1〜VA23を備える。ポンプアクチュエータPA1〜PA4およびバルブアクチュエータVA1〜VA23は、交互に配向され、カセット28の前面190にポンプステーションPP1〜PP4およびバルブステーションV1〜V23の鏡像を形成する。
【0091】
図22がまた示すように、各アクチュエータPA1〜PA4およびVA1〜VA23がポート228を備える。ポート228は、コントローラ16によって制御される列のソースから空気の正圧または負圧を運搬する。これらの正圧および負圧のパルスは、前面ダイヤフラム194を曲げ、カセット28内のポンプチャンバPP1〜PP4およびバルブステーションV1〜V23を作動させる。次に、これは、カセット28を通して血液および処理液体を動かす。
【0092】
カセットホルダー216は、好ましくは、マニホルドアセンブリ226を横切って伸長される一体型エラストマー膜232(図6を参照のこと)を備える。膜232は、ホルダー216にはめられる場合、ピストン要素226とカセット28のダイヤフラム194との間インターフェースとして役立つ。膜232は、ポンプアクチュエータPA1〜PA4およびバルブアクチュエータV1〜V23の上の領域に1つ以上の小さなスルーホール(図示されず)を備え得る。このホールは、マニホルドアセンブリ226からカセットダイヤフラム194に空気の流体圧力を運搬するための大きさにされる。なお、このホールは、液体の通過を遅らせるのに十分な小ささである。膜232は、マニホルドアセンブリ226の曝露表面を横切る可撓性スプラッシュガード(splash guard)を形成する。
【0093】
スプラッシュガード膜232は、カセットダイヤフラム194が漏れた場合、液体がポンプアクチュエータPA1〜PA4およびバルブアクチュエータVA1〜VA23の中に入らないように維持する。スプラッシュガード膜232はまた、マニホルドアセンブリ226のポンプアクチュエータおよびバルブアクチュエータから粒子の物質を中に入れないように維持するためのフィルターとして役立つ。スプラッシュガード膜232は、カセット28が交換されるときに周期的に拭かれて洗浄され得る。
【0094】
マニホルドアセンブリ226は、ソレノイド作動空気バルブのアレイを備え、これは、ポンプアクチュエータPA1〜PA4およびバルブアクチュエータVA1〜VA23とインラインで連結される。マニホルドアセンブリ226(コントローラ16の制御下にある)は、選択的に、種々の圧力および真空レベルをポンプアクチュエータPA(N)およびバルブアクチュエータVA(N)に分配する。これらの圧力および真空のレベルは、血液および処理液体のルートを決めるために、系統的にカセット28に適用される。
【0095】
コントローラ16の制御下で、マニホルドアセンブリ226はまた、圧力レベルを、ドアブラダー314(すでに記載された)、ならびにドナー圧力カフ(cuff)(図示されず)およびドナーラインオクルーダー(occluder)320に分配する。
【0096】
図1が示すように、ドナーラインオクルーダー320は、ケース36に、ポンプおよびバルブステーション30のすぐ下に、カセット28のポートP8およびP9と整列して配置される。ドナーライン266は、ポートP8に連結され、オクルーダー320を通過する。抗凝固剤ライン270は、ポートP9に連結され、これもまたオクルーダー320を通過する。オクルーダー320は、バネの搭載された標準的に閉鎖されたピンチバルブであり、この間でライン266および270が通過する。マニホルドアセンブリ234からの空気圧力は、ソレノイドバルブを通ってブラダー(図示されず)に供給される。ブラダーは、空気圧力で拡大される場合、ピンチバルブを開放し、これによってライン266および270を開放する。空気圧力がない場合、ソレノイドバルブは閉鎖し、ブラダーは、大気に排気する。オクルーダー320のバネの搭載されたピンチバルブは閉鎖し、これによってライン266および270を閉鎖する。
【0097】
マニホルドアセンブリ226は、コントローラ16の制御下で、いくつかの異なる圧力状態および真空状態を維持する。例示された実施形態では、以下の複数の圧力状態および真空状態が維持される:
(i)Phard、すなわちHard Pressure、およびPinpr、すなわちIn−Process Pressureは、マニホルドアセンブリ226において維持される最も高い圧力である。Phardは、カセットバルブV1〜V23を閉鎖するために適用される。Pinprは、インプロセスポンプPP1および血漿ポンプPP2からの液体の搾り出し(expression)を駆動するために適用される。好ましい実施形態におけるPhardおよびPinprの典型的な圧力レベルは、500mmHgである。
【0098】
(ii)Pgen、すなわちGeneral Pressureは、ドナーインターフェースポンプPP3および抗凝固剤ポンプPP4から液体の搾り出しを駆動するために適用される。好ましい実施形態におけるPgenの典型的な圧力レベルは、150mmHgである。
【0099】
(iii)Pcuff、すなわちCuff Pressureは、ドナー圧力カフに供給される。好ましい実施形態におけるPcuffの典型的な圧力レベルは、80mmHgである。
【0100】
(iv)Vhard、すなわちHard Vacuumは、マニホルドアセンブリ226に適用される最も深い真空である。Vhardは、カセットバルブV1〜V23を開放するために適用される。好ましい実施形態におけるVhardの典型的な真空レベルは、−350mmHgである。
【0101】
(vi)Vgen、すなわちGeneral Vacuumは、4つのポンプPP1からPP4のそれぞれの汲み出す機能を駆動するために適用される。好ましい実施形態におけるVgenの典型的な圧力レベルは、−300mmHgである。
【0102】
(vii)Pdoor、すなわちDoor Presureは、カセット28をホルダー216に密封するためにブラダー314に適用される。好ましい実施形態におけるPdoorの典型的な圧力レベルは、700mmHgである。
【0103】
それぞれの圧力レベルおよび真空レベルについて、プラスまたはマイナス20mmHgのバリエーションが許容される。
【0104】
Pinprは、血液を処理チャンバ18にポンプするためにインプロセスポンプPP1を作動させるために使用される。Pinprの大きさは、約300mmHgの最小圧力に打ち勝つのに十分でなければならず、これは典型的に処理チャンバ18内に存在する。
【0105】
同様に、Pinprは、血漿ポンプPP2のために使用される。なぜなら、Pinprは、血漿が、後で記載されるように、例えば、スピル条件の間、処理チャンバ18に逆向きにポンプされるために必要とされるということにおいて同様な圧力能力を有さなければならないからである。
【0106】
PinprおよびPhardは、ポンピングとともに使用される上流バルブおよび下流バルブが、ポンプを作動させるために適用される圧力によって開放することが強いられないことを確実にするために、最高の圧力で作動される。カセット28を通る流体経路F1〜F38のカスケード相互接続可能設計は、Pinpr−Phardが適用される最高の圧力であることが必要である。その上、Vgenは、ポンプPP1〜PP4が上流および下流のカセットバルブV1〜V23に打ち勝たないことを確実にするために、Vhardよりも極端でないことが必要である。
【0107】
Pgenは、ドナーインターフェースポンプPP3を駆動するために使用され、そして低圧で維持され得、ACポンプPP4も同様であり得る。
【0108】
メインの高圧力ライン322およびメインの真空ライン324は、マニホルドアセンブリ324においてPhardおよびVhardを分配する。圧力および真空ソース234は、連続的に作動し、Phardを高圧力ライン322に供給し、Vhardを高真空ライン324に供給する。
【0109】
圧力センサS1は、高圧力ライン322においてPhardをモニターする。センサS1は、ソレノイド38を制御する。ソレノイド38は、通常は閉鎖している。センサS1は、ソレノイド38を開放し、Phardをその最大の設定値までにする。ソレノイド38は、Phardがその特定の圧力範囲内にある限り、閉鎖され、Phardがその最小の受容可能な値より下に落ちた場合に開放する。
【0110】
同様に、高真空ライン324の圧力センサS5は、Vhardをモニターする。センサS5は、ソレノイド39を制御する。ソレノイド39は、通常は閉鎖している。センサS5は、ソレノイド39を開放し、Vhardをその最大値までにする。ソレノイド39は、Vhardがその特定の圧力範囲内にある限り閉鎖しており、Vhardがその特定の範囲の外になった場合に開放する。
【0111】
通常の圧力ライン326は、高圧力ライン322から分岐する。通常の圧力ライン326におけるセンサS2は、Pgenをモニターする。センサ32は、ソレノイド30を制御する。ソレノイド30は、通常は閉鎖している。センサS2は、Pgenの最大値まで、高圧力ライン322からPgenをリフレッシュするためにソレノイド30を開放する。ソレノイド30は、Pgenがその特定の圧力範囲内にある限り閉鎖しており、Pgenがその特定の範囲の外になった場合に開放する。
【0112】
インプロセス圧力ライン328はまた、高圧力ライン322から分岐する。インプロセス圧力ライン328のセンサS3は、Pinprをモニターする。センサS3は、ソレノイド36を制御する。ソレノイド36は、通常は閉鎖している。センサS3は、Pinprの最大値まで、高圧力ライン322からPinprをリフレッシュするためにソレノイド36を開放する。ソレノイド36は、Pinprがその特定の圧力範囲内にある限り閉鎖しており、Pinprがその特定の範囲の外になった場合に開放する。
【0113】
通常の真空ライン330は、高真空ライン324から分岐する。センサS6は、通常の真空ライン330においてVgenをモニターする。センサS6は、ソレノイド31を制御する。ソレノイド31は、通常は閉鎖している。センサS6は、Vgenの最大値まで、高真空ライン324からVgenをリフレッシュするためにソレノイド31を開放する。ソレノイド31は、Vgenがその特定の圧力範囲内にある限り閉鎖しており、Vgenがその特定の範囲の外になった場合に開放する。
【0114】
インラインリザーバR1〜R5は、高圧力ライン322、インラインプロセスライン328、通常の圧力ライン326、高真空ライン324、および通常の真空ライン330において設けられる。リザーバR1〜R5は、上記のような一定の圧力および真空の調整がスムーズであり、かつ予測可能であることを確実にする。
【0115】
ソレノイド33および34は、手順が完了した時に、それぞれ圧力および真空のための排気を提供する。ポンピングおよびバルビングが連続的に圧力および真空を消費するので、ソレノイド33および34は、通常は閉鎖している。ソレノイド33および34は、血液処理手順の完了時にマニホルドアセンブリを排気するために開放される。
【0116】
ソレノイド28、29、35、37および32は、真空および圧力をマニホルドアセンブリ226に供給する空気ラインからリザーバR1〜R5を隔離する能力を提供する。これは、ずっと素早い圧力/真空減衰フィードバック(decay feedback)を提供し、その結果、カセット/マニホルドアセンブリ密封一体性の試験が達成され得る。これらのソレノイド28、29、35、37、および32は、通常は開放されており、その結果、ソレノイド28、29、35、37、および32を閉鎖するための命令がない場合には、圧力がアセンブリ226において確立され得ず、さらに、システムの圧力および真空は、エラーモードまたは電力の損失を伴って排気し得る。
【0117】
ソレノイド1〜23は、バルブアクチュエータVA1〜V23を駆動するためにPhardまたはVhardを提供する。動力が提供されていない状態では、これらのソレノイドは、通常は開放されており、全てのカセットバルブV1〜V23が閉鎖したままである。
【0118】
ソレノイド24および25は、インプロセスポンプPP1および血漿ポンプPP2を駆動するためにPinprおよびVgenを提供する。動力が提供されていない状態では、これらのソレノイドは開放されており、ポンプPP1とPP2の両方が閉鎖したままである。
【0119】
ソレノイド26および27は、ドナーインターフェースPP3およびACポンプPP4を駆動するために、PgenおよびVgenを提供する。動力が提供されていない状態では、これらのソレノイドは開放されており、ポンプPP3とPP4の両方が閉鎖したままである。
【0120】
ソレノイド43は、手順の間、高圧力ライン322からのドアブラダー314の隔離を提供する。ソレノイド43は、通常は開放されており、Pdoorが達成される場合に閉鎖される。センサS7は、Pdoorをモニターし、ブラダー圧力がPdoorより下になった場合、シグナルを発する。ソレノイド43は、ドアブラダー314が加圧される間、カセット28がホルダーから除去され得ないので、ブラダー314が確実に排気するように、動力が提供されていない状態では、開放されている。
【0121】
ソレノイド42は、安全オクルーダーバルブ320を開放するためにPhardを提供する。ドナーを危険にし得るどんなエラーモードも、オクルーダー320を閉鎖し、ドナーを隔離するために、ソレノイド42をゆるめる(排気する)。同様に、電力のどんな損失もソレノイド42を緩め、ドナーを隔離する。
【0122】
センサS4は、Pcuffをモニターし、手順の間、ドナーカフをその特定の範囲内に維持するために、ソレノイド41と(圧力の増加のために)連絡し、(排気するために)ソレノイド40と連絡する。ソレノイド40は、通常は開放されており、その結果、カフラインはシステムエラーまたは電力の損失の場合に排気する。ソレノイド41は、通常は閉鎖しており、電力損失またはシステムエラーの場合に任意のPhardからドナーを隔離する。
【0123】
図12は、ドナーインターフェースポンプアクチュエータPA3に役立つ空気ラインのセンサS8を示す。センサS8は、二方向性質量空気フローセンサであり、これは、ドナーラインにおける閉塞を検出するために、ドナーインターフェースポンプアクチュエータPA3に対して空気のフローをモニターし得る。あるいは、後でより詳細に記載されるように、電場のバリエーションが、閉塞を検出するために、ならびに流速の計算および空気の検出を可能にするために、ドナーインターフェースポンプチャンバPP3内で保持される電極によって、あるいは他のポンプチャンバPP1、PP2、またはPP4の内のいずれかまたは全てによって検出され得る。
【0124】
種々の代替の実施形態が可能である。例えば、4つのポンピングチャンバに対して利用可能な圧力および真空は、多少異なるレベルまたは異なるグループの「共有(shared)」圧力レベルおよび真空レベルを含むように改変され得る。別の例として、Vhardは、回復(restoring)バネがカセットバルブを真空の除去時に閉鎖位置に戻すので、ソレノイド2、5、8、18、19、21、22に対するアクセスから除去され得る。さらに、一緒にグループ化されて示される排気は、多くの組み合わせで隔離されるかまたは結合され得る。
【0125】
「通常開放」モードにおいて使用される任意のソレノイドは、「通常閉鎖」として実現されるように空気的に経路変更され得ることがまた理解されるべきである。同様に、任意の「通常閉鎖」ソレノイドが「通常開放」として実現され得る。
【0126】
代替の実施形態の別の例として、PdoorおよびPhardが同じ大きさに設定される場合、高圧力リザーバR1が除去され得る。この配置において、ドアブラダー314は、高圧力リザーバとして役立ち得る。圧力センサS7およびソレノイド43はまた、この配置で除去される。
【0127】
III.システムの他のプロセス制御成分
図13が最も良く示すように、ケース36は、血液処理に役立つようにコンパクトに配置される他の成分を備える。すでに記載された、遠心分離ステーション20ならびにポンプおよびバルブステーション30に加えて、ケース36は、秤量ステーション238、操作者インターフェースステーション240、および容器のための1つ以上のトレイ212またはハンガー248を備える。ケース36内のこれらの成分の配置は変わり得る。例示された実施形態では、ポンプおよびバルブステーション30と同様に、秤量ステーション238、コントローラ16、およびユーザーインターフェースステーション240が、ケース36の蓋40内に配置される。保持トレイ212は、ケース36の基部38に、遠心ステーション20に隣接して配置される。
【0128】
(A.容器支持成分)
秤量ステーション238は、蓋40の頂部に沿って配置される一連の容器ハンガー/重量センサ246を備える。使用において(図2を参照のこと)、容器304、308、312は、ハンガー/重量センサ246に掛けられる。
【0129】
容器は、処理の間分離された血液成分を受容し、これは後でより詳細に記載される。重量センサ246は、経時に渡る重量変化を反映する出力を提供する。この出力は、コントローラ16に伝達される。コントローラ16は、流体処理容量および流速を導くために増加重量変化を処理する。コントローラは、導かれる処理容量に一部基づいた、制御処理事象に対するシグナルを生成する。処理事象を制御するためのコントローラの操作のさらなる詳細は、後で提供される。
【0130】
保持トレイ212は、基部8における成形リセスを備える。このトレイ212は、容器276および280を収容する(図2を参照のこと)。例示される実施形態において、さらなるスイングアウトハンガー248もまた、蓋40の側方に提供される。ハンガー248(図2を参照のこと)は、処理の間容器288を支持する。例示される実施形態において、トレイ212およびハンガー248もまた、重量センサ246を備える。
【0131】
重量センサ246は、多様に構築され得る。図40において示される実施形態において、スケール(scale)は、ハウジング400に組み込まれた力センサ404を備え、このハウジングに向けて、ハンガー402が取り付けられる。ハンガー402の頂部表面420は、センサ404上のスプリング406に係合する。別のスプリング418は、ハンガー402によって保持される負荷として圧縮され、これが適用される。スプリング418は、ハンガー402の負荷の動きに対して、その負荷が所定の重量(例えば、2kg)を超過するまで抵抗する。そのとき、ハンガー402は、ハウジング400における機械的ストップ408上に突き当たり、それによって、過負荷に対する保護を提供する。
【0132】
図41に示される実施形態において、支持される光線410は、ハンガー416によって適用される力を、スプリング414を通じて力センサー412へと移す。この設計は、実質的に、重量感知システムからの摩擦を除去する。その光線によってかけられる負荷の大きさは、挙動が線形であり、そしてその重量感知システムを容易に校正して、ハンガー416に適用される実際の負荷を確認し得る。
【0133】
(B.コントローラおよびオペレータインターフェースステーション)
コントローラ16は、システム10のためのプロセス制御およびモニター機能をはたす。図14が模式的に示すように、コントローラ16は、主要処理ユニット(MPU)250を備え、このMPUは、例えば、Intel Corporationによって製造されたPentium(登録商標)TM型のマイクロプロセッサを備え得るが、他の型の従来のマイクロプロセッサも使用され得る。このMPU250は、ケース36の蓋40の内側に取り付けられる(図13に示されるように)。
【0134】
好ましい実施形態において、MPU250は、従来のリアルタイムマルチタスクを使用して、MPUサイクルを処理タスクへと割り当てる。周期タイマーの中断(例えば、5ミリ秒毎)は、実行タスクを優先的に割り当て(preempt)、そして実行の準備のできた状態(ready state)の別のものをスケジュール割り当てする。再スケジュールが要求される場合、準備のできた状態の最優先のタスクがスケジュール割り当てされる。そうでなければ、準備のできた状態のリストにおける次のタスクがスケジュール割り当てされる。
【0135】
図14に示されるように、MPU250は、アプリケーションコントロールマネジャ252を備える。このアプリケーションコントロールマネジャ252は、少なくとも1つのコントロールアプリケーション254のライブラリーのアクチベーションを管理する。各コントロールアプリケーション254は、所定の方法で、遠心分離ステーション20ならびにポンプおよびバルブステーション30を用いて、所定の機能タスクを実行するための手順を規定する。例示される実施形態において、アプリケーション254は、MPU250中のEPROMにおける処理ソフトウェアとして常駐する。
【0136】
アプリケーション254の数は、変動し得る。例示される実施形態において、アプリケーション254は、少なくとも1つの臨床手順アプリケーションを含む。この手順アプリケーションは、1つの規定される臨床処理手順を実施するための工程を包含する。例示される実施形態における実施例のために、アプリケーション254は、3つの手順アプリケーションを含む:(1)ダブルユニット赤血球収集手順;(2)血漿収集手順;および(3)血漿/赤血球収集手順。これらの手順の詳細は、以下に記載される。当然、さらなる手順アプリケーションが含められ得る。
【0137】
図14が示すように、いくつかのスレーブ処理ユニットは、アプリケーションコントロールマネジャ252と連絡する。スレーブ処理ユニットの数は変動し得るが、例示される実施形態は、5つのユニット256(1)〜256(5)を示す。次いで、スレーブ処理ユニット256(1)〜256(5)は、低レベルの周辺コントローラ258と連絡し、マニホルドアセンブリ226、重力センサ246、ポンプおよびバルブステーション30内のポンプおよびバルブアクチュエータPA1〜PA4およびVA1〜VA23内の空気圧力、遠心分離ステーション20のためのモータ、インターフェース感知ステーション332、ならびにそのシステムの他の機能ハードウェアを制御する。
【0138】
MPU250は、周辺コントローラ258のための命令をEPROM中に含む。この命令は、適切なスレーブ処理ユニット256(1)〜256(5)にスタートアップ時にダウンロードされる。アプリケーションコントロールマネジャ252はまた、適切なスレーブ処理ユニット256(1)〜256(5)に、アクチベートされたアプリケーション254によって規定される操作パラメータをダウンロードする。
【0139】
このダウンロードされた情報を用いて、スレーブ処理ユニット256(1)〜256(5)が進行して、周辺コントローラ258のためのデバイス命令を生成し、そのハードウェアが、その手順を実行する特定の方法において作動する。周辺コントローラ258は、現在のハードウェア状態情報を、適切なスレーブ処理ユニット256(1)〜256(5)へと戻す。次いで、これは、アプリケーションコントロールマネジャ252によって命令される作動パラメータを維持するに必要な命令を生成する。
【0140】
例示される実施形態において、1つのスレーブ処理ユニット256(2)は、環境マネジャの機能を実施する。ユニット256(2)は、スレーブユニットが不調で、そして所望の操作条件を維持することができない場合に、冗長な現在のハードウェア状態の情報を受け、そしてMPU250に報告する。
【0141】
図14が示すように、MPU250はまた、双方向のユーザインタフェイス260を備え、これは、操作者が、システム10の操作に関する情報を見、そして理解することを可能とする。インタフェイス260は、インタフェイスステーション240に接続される。インタフェイス260は、操作者がインタフェイス240を用いてアプリケーションコントロールマネジャ252に常駐するアプリケーション254を選択すること、およびそのシステム10の特定の機能および実施基準を変更することを可能にする。
【0142】
図13が示すように、このインタフェイス240は、蓋40に有されるインタフェイススクリーン262を備える。インタフェイススクリーン262は、英数字形式およびグラフィック画像で操作者がみるための情報を表示する。例示され、そして好ましい実施形態において、インタフェイススクリーン262はまた、入力デバイスとしての役割を果たす。このインタフェイススクリーンは、従来のタッチアクチベーションによって操作者からの入力を受ける。
【0143】
(C.ポンプフローのオンラインモニタリング)
(1.重量モニタリング)
そのポンプの上流または下流のいずれかの重量スケール246を用いて、コントローラ16は、ポンプストロークあたりに移動される実際の流体容量を連続的に決定し得、そして命令されたフローからの任意のずれについて補正する。コントローラ16はまた、例外的な状況(例えば、流体経路における漏れおよび障害)もまた診断し得る。モニタリングおよびコントロールのこの手段は、自動化されたアフェレーシス適用において所望される。ここでは、抗凝固剤が、ドナーからくみ出されるに従って全血に対して正確に測定されなければならない。そして、ここでは、製品の品質(例えば、ヘマトクリット、血漿純度)は、そのポンプ流速度の正確さによって影響を受ける。
【0144】
カセット28におけるポンプPP1〜PP4は、各々、相対的に定常な名目上のストローク容量すなわちSVを提供する。従って、所定のポンプに対する流速は、以下のように表現され得る:
【0145】
【数1】
Figure 0004570306
【0146】
ここで、
Qは、そのポンプの流速である。
【0147】
SVは、ストローク容量、すなわち、ポンプサイクルあたりに移動する容量である。
【0148】
Pumpは、その流体がポンプチャンバから出て移動する時間である。
【0149】
Fillは、そのポンプが流体で満たされる時間である。
【0150】
そして、TIdleは、そのポンプがアイドリングしているとき、すなわち、流体移動が生じていない時間である。
【0151】
SVは、接続された下流および上流の流体回路と、そのポンプとの相互作用によって影響を受け得る。これは、電気回路理論において、それが受ける負荷の入力インピーダンスと、非理想的電流源との相互作用に類似する。このため、実際のSVは、名目上のSVとは異なり得る。
【0152】
従って、時間の単位あたりの容量における実際の流量QActualは、以下のように表現され得る:
【0153】
【数2】
Figure 0004570306
【0154】
ここで、
Actualは、単位時間あたりの容量での実際の流量である。
【0155】
SVIdealは、ポンプチャンバの幾何学に基づく、理論的なストローク容量である。kは、補正係数であり、これは、ポンプと、上流および下流の圧力との間の相互作用を説明するとなる。
【0156】
実際の流速は、上流または下流の秤量スケール246を用いて、以下の関係式に基づいて、重量測定によって確認され得る:
【0157】
【数3】
Figure 0004570306
【0158】
ここで、
ΔWtは、時間ΔTの間の上流または下流の重量スケール246によって検出されるところの流体の重量における変化である。
【0159】
ρは、流体の密度である。
【0160】
ΔTは、重量における変化ΔWtが重量スケール246において検出される場合の時間である。
【0161】
以下の表現は、方程式(2)および(3)を合わせることによって誘導される:
【0162】
【数4】
Figure 0004570306
【0163】
コントローラ16は、方程式(4)に従ってkを算出し、次いで以下のようにTIdleを所望の流速が達成されるように調整する:
【0164】
【数5】
Figure 0004570306
【0165】
コントローラ16は、kおよびTIdleについての値を頻繁にアップデートして、流速を調整する。
【0166】
あるいは、コントローラ16は、TPumpおよび/またはTFillおよび/またはTIdleを変更して、流速を調整し得る。
【0167】
この構成において、時間間隔成分TPumpまたはTFillまたはTIdleの1つ以上を新たな大きさへと調整して、以下の関係式に従ってQDesiredを達成する:
【0168】
【数6】
Figure 0004570306
【0169】
ここで、
n(Adjusted)は、所望の流速QDesiredを達成するための調整後の時間間隔成分(単数または複数)の大きさである。
【0170】
n(NotAdjusted)は、調整されていないTStrokeの他の時間間隔成分(単数または複数)の値の大きさである。所望の流速QDesiredを達成するための調整の後の、調整されたストロークの間隔は、Tn(Adjusted)およびTn(NotAdjusted)の合計である。
【0171】
コントローラ16はまた、診断ツールとしての補正係数kを適用して、異常な操作条件を決定する。例えば、kがその名目上の値から有意に異なる場合、その流体経路は、漏れまたは障害のいずれかを有し得る。同様に、kの算出された値が、予測されたものとは異なる極性のものである場合、ポンプの方向は反転され得る。
【0172】
重量スケール246を用いて、コントローラ16は、そのポンプが流体を移動させない場合でさえ、オンライン診断を実施し得る。例えば、秤量スケール246は、流れが予測されない場合に重量における変化を検出する場合、漏れやすいバルブまたはセット264における漏れが存在し得る。
【0173】
kおよびTIdleおよび/またはTPumpおよび/またはTFillを算出する際に、コントローラ16は、ΔWtおよび/またはΔTの複数の測定に依存し得る。種々の平均または帰納的技術(例えば、帰納的最小二乗平均、カルマンフィルタリングなど)を使用して、予測スキームに伴う誤差を減少させ得る。
【0174】
上記のモニタリング技術は、他の定常ストローク容量ポンプ、すなわち、蠕動的ポンプなどのための使用について適用され得る。
【0175】
(2.電気的モニタリング)
代替の構成(図42を参照のこと)において、コントローラ16は、カセット28における各ポンプステーションPP1〜PP4のチャンバにおいて配置される金属電極422を備える。電極422は、電流源424に接続される。各電極422と通ずる電流の通過は、各ポンプチャンバPP1〜PP4内に電場を生成する。
【0176】
ポンプチャンバPP1〜PP4へ流体をくみ出し、そしてそこから流体を排出するためのダイヤフラム194の周期的変形は、電場を変化させ、電極422を通るその回路の容量の合計の変化を生じる。容量は、流体がポンプチャンバPP1〜PP4へと汲み出すに従って、増加し、そして容量は、流体がポンプチャンバPP1〜PP4から排出されるに従って減少する。
【0177】
コントローラ16は、各電極422に接続された容量センサ426(例えば、Qprox E2S)を備える。容量センサ426は、各ポンプチャンバPP1〜PP4における電極422についての容量の変化を登録する。所定の電極422についての容量シグナルは、そのポンプチャンバが液体で満たされる場合(ダイヤフラム位置194a)に高い大きさのシグナルを有し、そのポンプチャンバの液体が空である場合(ダイヤフラム位置194b)に低い大きさのシグナルを有する。そして、そのダイヤフラムが、位置194aと194bとの間の位置を占める場合、中程度の大きさの範囲のシグナルを有する。
【0178】
血液処理手順の初期において、コントローラ16は、各センサについて高い大きさのシグナルと低い大きさのシグナルとの間の差違を、各ポンプチャンバの最大ストローク容量SVに対して校正する。次いで、コントローラ16は、続いてのくみ出しおよび排出のサイクルの間の感知された最大シグナル値と最小シグナル値との間の差違を、そのポンプチャンバを通じて汲み出されそして排出された流体容量に関連付ける。コントローラ16は、サンプル時間にわたってポンプ中因された流体容量を合計して実際の流速を得る。
【0179】
コントローラ16は、実際の流速を、所望の流速と比較する。ずれが存在する場合、コントローラ16は、アクチュエータPA1〜PA4へ送達される空気圧力パルスを変動させて、TIdleおよび/またはTPumpおよび/またはTFillを調整してそのずれを最小化する。
【0180】
コントローラ16はまた、その電場における変動に基づいて異常な操作条件を検出し、そして警告出力を生成するように作動する。例示される実施形態において、コントローラ16は、経時的に低い大きさのシグナルの大きさにおける増加についてモニターする。大きさにおける増加は、ポンプチャンバ内の空気の存在を反映する。
【0181】
例示される実施形態において、コントローラ16はまた、センサ426のシグナル出力の微分を生成する。この微分における変動、または変動の非存在は、ポンプチャンバPP1〜PP4を通じたフローの閉塞の一部または全部を反映する。この微分自体もまた、その閉塞がポンプチャンバPP1〜PP4の入口または出口に生じるか否かに依存して、異なる様式で変動する。
【0182】
(IV.血液処理手順)
(A.二連のRBC収集手順(血漿収集なし)
この手順の間、ドナーからの全血を、遠心分離して処理して、2ユニット(およそ500ml)の赤血球を収集のために得る。すべての血漿成分を、ドナーへ返す。この手順は、略して、二連の赤血球収集手順と呼ぶ。
【0183】
二連の赤血球収集手順および任意の血液収集手順を行う前に、コントローラ16は、マニホルドアセンブリ226を操作してカセット28の適切な一体化性チェックを行い、カセット28に何らかの漏れがないかどうかを決定する。一旦カセットの一体化性チェックが完了し、そして漏れがないことがわかると、コントローラ16は、所望の血液収集手順を開始する。
【0184】
二連の赤血球収集手順は、収集前サイクル、収集サイクル、収集後サイクル、および保存調製サイクルを包含する。収集前サイクルの間、セット264にプライミングして(prime)、静脈穿刺の前に空気を排出する。収集サイクルの間、ドナーから汲み出された全血を処理して2ユニットの赤血球を収集し、他方で、ドナーに血漿を返す。収集後のサイクルの間、過剰の血漿をドナーに戻し、そしてそのセットを生理食塩水を用いてフラッシュする。保存調製サイクルの間、赤血球保存溶液を添加する。
【0185】
(1.収集前サイクル)
(a.抗凝固剤プライミング)
収集前サイクルの第1フェーズ(AC Prime1)において、瀉血針268へとのびるチューブ300を、クランプで閉鎖する(図10を参照のこと)。血液処理回路46をプログラム処理して(そのカセットのバルブおよびポンプステーションへ圧力の選択的適用を通じて)、ドナーインターフェイスポンプPP3を作動し、抗凝固剤を、抗凝固剤チューブ270を通じてくみ出し、そしてy接続器272を通じてドナーチューブ266へと出す(すなわち、バルブV13から入り、そしてバルブV11から出る)。この回路は、さらに、プログラム処理されて、抗凝固剤チューブ270、ドナーチューブ266、およびカセットに存在する空気を運び、そしてインプロセス容器312へと運ぶ。このフェーズは、ドナーチューブ266に沿った空気検出器298が液体を検出するまで継続される。これによって、ドナーインターフェイスポンプPP3のポンプ機能が確認される。
【0186】
収集前サイクルの第二フェーズ(AC Prime2)において、その回路をプログラム処理して、抗凝固剤ポンプPP4を、インプロセス容器312に抗凝固剤を運ぶように作動させる。重量がインプロセス容器312において変化する。AC Prime2は、抗凝固剤ポンプPP4が所定容量の抗凝固剤(例えば、10g)をインプロセス容器312へと運んだときに終結する。これによって、ポンプ機能が確認される。
【0187】
(b.生理食塩水プライム)
収集前サイクルの第3フェーズ(生理食塩水プライム1(Saline Prime 1))において、処理チャンバ46は、静止したままである。この回路は、インプロセスポンプステーションPP1を作動するためにプログラミングされ、生理食塩水容器288からインプロセスポンプPP1を通して、生理食塩水を汲み出す。このことは、静止した処理チャンバー46を通して、インプロセス容器312に向う生理食塩水の逆方向のフローを作り出す。この手順において、生理食塩水は、処理チャンバ46通って、生理食塩水容器288から、バルブV14を通ってインプロセスポンプPP1へ汲み出される。この生理食塩水は、ポンプステーションPP1から、バルブ9を通って、インプロセス容器312へ排出される。生理食塩水容器288の重量変化がモニターされる。このフェーズは、生理食塩水容器288の所定の重量変化を記録すると終結する。この重量変化は、処理チャンバ46の約2分の1を最初に満たすために十分な容量の生理食塩水の運搬を示す(例えば、約60g)。
【0188】
プライミング生理食塩水で約半分を満たした処理チャンバ46を用いる、収集前サイクルの第4フェーズ(生理食塩水プライム2(Saline Prime 2))。処理チャンバ46は、低い速度(例えば、約300RPM)で回転されるが、一方でこの回路は生理食塩水プライム3と同じ様式で作動し続ける。さらなる生理食塩水が、バルブV14を通ってポンプステーションPP1に汲み出され、そしてバルブ9を通ってポンプステーションPP1からインプロセス容器312に排出される。インプロセス容器における重量変化がモニターされる。このフェーズは、インプロセス容器312の所定の重量変化を記録すると終結する。この所定の重量変化は処理チャンバ46を実質的に満たすために十分なさらなる容量(例えば、約80g)の生理食塩水の運搬を示す。
【0189】
収集前サイクルの第5フェーズ(生理食塩水プライム3(Saline Prime 2))において、この回路はプログラミングされて、最初にインプロセスポンプステーションPP1を作動させて、生理食塩水をインプロセス容器312から分離デバイスの全ての出口ポートを通って運搬し、そして血漿ポンプステーションPP2を通って生理食塩水容器288へ戻る。このことは、処理チャンバ46およびインプロセスポンプステーションPP1(バルブV9を通して汲み上げ、そしてバルブV14を通して排出する)のプライミングを完了させ、そして、生理食塩水の受動的なフローを可能にするように開放されたバルブV7、V6、V10およびV12と共に、血漿ポンプステーションPP2にプライミングする。このときの間、処理チャンバ46が回転する速度は、0と300RPMとの間を連続的に変化する。インプロセス容器312における重量変化が、モニターされる。このような様式で、所定の初期容量の生理食塩水が運搬される場合、この回路はバルブV7を閉鎖し、バルブV9およびV14を開放し、そして生理食塩水を血漿ポンプPP2(バルブV12を通って入り、そしてバルブV10を通して出る)を通して、生理食塩水容器288へポンピングを開始するようにプログラミングされ、生理食塩水がインプロセスポンプPP1を通して受動的に流れることを可能にする。このような様式で、生理食塩水は、重量検出が予め確立された最小量の生理食塩水がインプロセス容器312を占有することを示すまで、インプロセス容器312から生理食塩水容器288へ戻される。
【0190】
収集前サイクルの第6フェーズ(ベントドナーライン(Vent Donor Line))において、この回路は、静脈穿刺の前に、ドナーインターフェイスポンプPP3を、抗凝固剤が抗凝固剤ポンプPP4を通って、インプロセス容器312にポンピングするように作動させることによって、静脈穿刺針から空気をパージするようにプログラミングされる。
【0191】
収集前サイクルの第7フェーズ(静脈穿刺)において、この回路は、全てのバルブV1〜V23を閉鎖するようにプログラミングされ、その結果、静脈穿刺が達成され得る。
【0192】
収集前サイクルのフェーズ中の回路のプログラミングは、以下の表に要約される。
【0193】
【表1】
Figure 0004570306
【0194】
Figure 0004570306
【0195】
(C.収集サイクル)
(i.血液プライム)
静脈穿刺によって、静脈切開針268に導くチューブ300が、開かれる。収集サイクルの第1フェーズ(血液プライム1(Blood Prime 1))において、血液処理回路46が、ドナーインターフェイスポンプPP3を作動させる(すなわち、バルブV13を通って入り、そしてバルブV11を通って出る)ように、そして抗凝固剤ポンプPP4を作動させる(すなわち、バルブV20を通って入り、そしてバルブV15を通って出る)ようにプログラミングされて(圧力のカセットのバルブおよびポンプステーションへの選択的な適用を介して)、抗凝固化された血液をドナーチューブ270を通してインプロセス容器312に汲み出す。このフェーズは、重量センサによってモニターされるように、増分容量の抗凝固化された全血がインプロセス容器312に入るまで、継続される。
【0196】
次のフェーズ(血液プライム2(Blood Prime 2))において、血液処理回路46が、インプロセスポンプステーションPP1を作動するようにプログラミングされ、抗凝固化された血液をインプロセス容器312から分離デバイスを通して汲み出す。このフェーズの間、血液によって置き換えられた生理食塩水は、ドナーに戻される。このフェーズは、抗凝固化された全血で分離デバイスをプライミングする。このフェーズは、重量センサによってモニターされるように、増分容量の抗凝固化された全血がインプロセス容器312を離れるまで、継続される。
【0197】
(B.全血を汲み出す間の、または全血を汲み出さない血液分離)
血液収集サイクルの次のフェーズ(全血を汲み出す間の血液分離(Blood Separation While Drawing Whole Blood))において、血液処理回路46は、ドナーインターフェイスポンプステーションPP3(すなわち、バルブV13を通って入り、そしてバルブV11を通って出る);抗凝固剤ポンプPP4(すなわち、バルブV20を通って入り、そしてバルブV15を通って出る);インプロセスポンプPP1(すなわち、バルブV9を通って入り、そしてバルブV14を通って出る);および血漿ポンプPP2(すなわち、バルブV12を通って入り、そしてバルブV10を通って出る)を作動させるようにプログラミングされる。この構成で、抗凝固化された血液をインプロセス容器312へ汲み出しながら、一方で、この血液を、インプロセス容器312から分離のための処理チャンバへ運搬する。この構成はまた、血漿を処理チャンバから取り出して血漿容器304へ移動させながら、一方で、赤血球を処理チャンバから取り出して赤血球容器308へ移動させる。このフェーズは、増分容量の血漿が血漿収集容器304に収集される(重量センサによってモニターされる)か、または目標の容量の赤血球が赤血球収集容器に収集される(重量センサによってモニターされる)まで、継続する。
【0198】
インプロセス容器312中の全血の容量が、血漿または赤血球のいずれかの目標の容量が収集される前に、所定の最大閾値に達すると、この回路は別のフェーズ(全血を汲み出さない血液分離)のためにプログラミングされ、インプロセス容器312中の全血の収集を終結するためにドナーインターフェイスポンプステーションPP3の作動を終結させる(バルブV13、V11、V18およびV13をまた閉鎖しながら)が、一方で、血液分離はなおも継続している。全血の容量が、血液分離の間に、インプロセス容器312中で所定の最大閾値に達するが、血漿または赤血球にいずれかの目標の容量が収集される前である場合、この回路は、全血を汲み出す間の血液分離フェーズ(Blood Separation While Drawing Whole Blood Phase)に戻すようにプログラミングされ、それによって、全血がインプロセス容器312に入ることを可能にする。この回路は、どちらが最初に起ころうとも、要求容量の血漿が収集されるかまたは目標の容量の赤血球が収集されるまで、インプロセス容器312ににおける高いおよび低い容量閾値に従って、全血を汲み出す間の血液分離フェーズ(Blood Separation While Drawing Whole Blood Phase)と全血を汲み出さない血液分離フェーズ(Blood Separation Without Drawing Whole Blood Phase)との間を切り替えるようにプログラミングされる。
【0199】
(C.血漿および生理食塩水のリターン)
目標の容量の赤血球が収集されない場合、血液収集サイクルの次のフェーズ(分離を伴う血漿リターン(Return Plasma With Separation))は、血液処理回路46が、ドナーインテーフェイスポンプステーションPP3(すなわち、バルブV11を通って入り、そしてバルブV13を通って出る);インプロセスポンプPP1(すなわち、バルブV9を通って入り、そしてバルブV14を通って出る);および血漿ポンプPP2(すなわち、バルブV12を通って入り、そしてバルブV10を通って出る)を作動させるようにプログラミングする。この構成は、抗凝固化された全血を、分離のためにインプロセス容器312から処理チャンバへ運搬し、一方、血漿を血漿容器304へ、そして赤血球を取り出して赤血球容器308へ移動させる。この構成はまた、血漿を血漿容器304からドナーへと運搬し、一方で、また、ライン上の容器288からの生理食塩水を、その戻された血漿と混合する。生理食塩水と血漿とのインライン混合は、生理食塩水温度を上昇させ、ドナーの快適性を改善する。このフェーズは、重量センサによってモニターされるように、血漿容器304が空になるまで継続される。
【0200】
インプロセス容器312中の全血の容量が、血漿容器304が空になる前に、特定の低い閾値に達する場合、この回路は、別のフェーズ(分離を伴わない血漿リターン(Return Plasma Without Separation))に入るようにプログラミングされ、血液分離を終わらせるためにインプロセスポンプステーションPP1の作動を終結させる(バルブV9、V10、V12およびV14をまた閉鎖しながら)。このフェーズは、血漿容器304が空になるまで継続させる。
【0201】
血漿容器304が空になると、この回路はフェーズ(ドナーライン充填(Fill Donor Line))に入るようにプログラミングされ、全血をインプロセス容器312から汲み出すために、ドナーインターフェイスポンプステーションPP3を作動させて(すなわち、バルブV11を通って入り、そしてバルブV13を通って出る)、ドナーチューブ266を満たし、それによって別の全血を汲み出すサイクルのための調製において、血漿(生理食塩水と混合された)をパージする。
【0202】
次いで、この回路は別の全血を汲み出す間の血液分離フェーズ(Blood Separation While Drawing Whole Blood Phase)を実施するようにプログラミングされ、インプロセス容器312を再び満たす。この回路は、重量センサが、所望容量の赤血球が赤血球収集容器308中に収集されたことを示すまで、連続的な血液分離(Blood Separation)および血漿リターン(Return Plasma Phase)のフェーズにおいてプログラミングされる。目標の容量の赤血球が収集されない場合、収集後サイクルが開始される。
【0203】
収集サイクルのフェーズ中の回路のプログラミングが、以下の表に要約される。
【0204】
【表2】
Figure 0004570306
【0205】
Figure 0004570306
【0206】
(D.収集後サイクル)
一旦、目標の容量の赤血球が収集されると(重量センサによってモニターされるように)、回路は、収集後サイクルのフェーズを実施するようにプログラミングされる。
【0207】
(1.過剰血漿リターン)
収集後サイクルの第1フェーズ(過剰血漿リターン(Excess Plasma Return))において、この回路は、処理チャンバへの、および処理チャンバからの血液の供給および除去を終結するためにプログラミングされるが、一方で、血漿容器304に残っている血漿をドナーに運搬するするために、ドナーインターフェイスポンプステーションPP3(すなわち、バルブV11を通って入り、そしてバルブV13を通って出る)を作動させる。この回路はまた、このフェーズで、その容器288からの生理食塩水と戻された血漿をインラインで混合するようにプログラミングされる。このフェーズは、重量センサによってモニターされるように、血漿容器304が空になるまで、継続される。
【0208】
(2.生理食塩水パージ)
収集後サイクルの次のフェーズ(生理食塩水パージ(Saline Purge))において、回路は、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動して(すなわち、バルブV11を通って中へそしてバルブV13を通って外へ)、容器288から分離デバイスを通して生理食塩水を運搬し、分離デバイスの血液内容物を、ドナーへのそれらのリターンに備えて、インプロセス容器312へ移しかえるようにプログラムされる。このフェーズは、ドナー血液の損失を減少させる。このフェーズは、所定量の生理食塩水が分離デバイスを通ってポンピングされる(重量センサによってモニタリングされる)まで続く。
【0209】
(3.ドナーへの最終的なリターン)
収集後サイクルの次のフェーズ(最終的なリターン(Final Return))において、回路は、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動し(すなわち、バルブV11通って中へそしてバルブV13を通って外へ)、インプロセス容器312の血液内容物をドナーへ運搬するようにプログラムされる。生理食塩水が、血液内容物と断続的に混合される。このフェーズは、インプロセス容器312が空になる(重量センサによってモニタリングされる)まで続く。
【0210】
次のフェーズ(流体置換(Fluid Replacement))において、回路は、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動し(すなわち、バルブV11通って中へそしてバルブV13を通って外へ)、上記生理食塩水をドナーへ運搬するように、プログラムされる。このフェーズは、所定の置換容量が注入される(重量センサによってモニタリングされる)まで続く。
【0211】
収集後サイクルの次のフェーズ(インプロセス容器を空にする(Empty In Process Container))において、回路は、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動し(すなわち、バルブV11通って中へそしてバルブV13を通って外へ)、容器308および312の両方における保存のために赤血球容器308の内容物を分割するに備えて、インプロセス容器312の残りの全ての内容物をドナーへ運搬するようにプログラムされる。このフェーズは、インプロセス容器312についてのゼロ容量が生じ(重量センサによってモニタリングされる)、そして空気が、空気検出器で検出されるまで続く。
【0212】
このフェーズで、回路は、全てのバルブを閉鎖して全てのポンプステーションをアイドリングするようにプログラムされ、その結果、静脈切開針268がドナーから取り外され得る。
【0213】
収集後サイクルのフェーズの間の回路のプログラミングを、以下の表に要約する。
【0214】
【表3】
Figure 0004570306
【0215】
Figure 0004570306
【0216】
(E.保存準備サイクル)
(1.RBCを分割する)
保存準備サイクルの第1フェーズ(RBCを分割する(Split RBC))において、回路は、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動し、赤血球収集容器308の内容物の半分をインプロセス容器312へ移動するようにプログラムされる。このポンピングされる容量は、容器308および312について重量センサによってモニタリングされる。
【0217】
(2.RBC保存薬を添加する)
保存準備サイクルの次のフェーズ(インプロセス容器へ保存溶液を添加し、そして赤血球収集容器へ保存溶液を添加する(Add Storage Solution to the In Process Container and Add Storage Solution to the Red Blood Cell Collection Container))において、回路は、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動し、所望の容量の赤血球保存溶液を、容器280から、まずインプロセス容器312へ、次いで赤血球収集容器308へ移動するようにプログラムされる。この所望の容量の移動は、秤量スケールによってモニタリングされる。
【0218】
次のかつ最終のフェーズ(手順を終了する)において、回路は、全てのバルブを閉鎖して全てのポンプステーションをアイドリングするようにプログラムされ、その結果、赤血球収集容器308および312が、保存のために、分離され、そして取り外され得る。使い捨てセットの残りが、ここで、取り外され、そして破棄され得る。
【0219】
保存準備サイクルのフェーズの間の回路のプログラミングを、以下の表に要約する。
【0220】
【表4】
Figure 0004570306
【0221】
Figure 0004570306
【0222】
(F.血漿収集(赤血球収集でない))
この手順の間、ドナー由来の全血が、遠心的に処理され、収集のために880mlの血漿を得る。全ての赤血球が、ドナーへ戻される。この手順は、速記で、血漿収集手順と呼ばれる。
【0223】
血液処理回路46のプログラミング(カセットのバルブおよびポンプステーションへの圧力の選択的適用を通して)は、ダブル赤血球収集手順におけるのと同一のユニバーサルセット264を使用することを可能にする。
【0224】
この手順は、収集前サイクル、収集サイクル、および収集後サイクルを含む。
【0225】
収集前サイクルの間、セット264は、静脈穿刺の前に空気を放出するようにプライミングされる。収集サイクルの間、ドナーから汲み出された全血が、血漿を収集するために処理され、一方、得られた赤血球をドナーへ戻す。収集後サイクルの間、過剰な血漿がドナーへ戻され、そしてこのセットは、生理食塩水で洗浄される。
【0226】
(1.収集前サイクル)
(a.抗凝固剤プライム)
血漿収集手順(赤血球なし)のための収集前サイクルにおいて、カセットが、ダブル赤血球収集手順のACプライム1およびACプライム2のフェーズと同一である、ACプライム1およびACプライム2のフェーズを実行するようにプログラムされる。
【0227】
(b.生理食塩水プライム)
血漿収集(赤血球なし)手順のための収集前サイクルにおいて、カセットは、ダブル赤血球収集手順の生理食塩水プライム1、生理食塩水プライム2、生理食塩水プライム3、ベントドナーライン、および静脈穿刺のフェーズと同一である、生理食塩水プライム1、生理食塩水プライム2、生理食塩水プライム3、ベントドナーライン、および静脈穿刺のフェーズを実行するようにプログラムされる。
【0228】
収集前サイクルのフェーズの間の回路のプログラミングを、以下の表に要約する。
【0229】
【表5】
Figure 0004570306
【0230】
Figure 0004570306
【0231】
Figure 0004570306
【0232】
(2.収集サイクル)
(a.血液プライム)
静脈穿刺を用いて、静脈切開針268へ誘導するチューブ300が開けられる。収集サイクルの第1フェーズ(血液プライム1)において、血液処理回路46が、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動し(すなわち、バルブV13を通って中へそしてバルブV11を通って外へ)および抗凝固剤ポンプPP4を作動して(すなわち、バルブV20を通って中へそしてバルブV15を通って外へ)、既に述べたようにダブル赤血球収集手順の血液プライム1と同一の様式で、ドナーチューブ270を通ってインプロセス容器312へ抗凝固された血液を汲み出すようにプログラムされる。
【0233】
次のフェーズ(血液プライム2)において、血液処理回路46が、インプロセスポンプステーションPP1を作動して、既に述べたようにダブル赤血球収集手順についての血液プライム2フェーズと同一の様式で、インプロセス容器312から分離デバイスを通って抗凝固された血液を汲み出すようにプログラムされる。このフェーズの間、血液に代わって生理食塩水を、ドナーへ戻す。
【0234】
(b.全血を汲み出す間の、または全血を汲み出さない血液分離)
血液収集サイクルの次のフェーズ(全血を汲み出す間の血液の分離(Blood Separation While Drawing Whole Blood))において、血液処理回路46が、既に述べたダブル赤血球収集手順についての全血を汲み出す間の血液分離フェーズ(Blood Separation While Drawing Whole Blood Phase)と同一の様式で、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動し(すなわち、バルブV13を通って中へそしてバルブV11を通って外へ);抗凝固剤ポンプPP4を作動し(すなわち、バルブV20を通って中へそしてバルブV15を通って外へ);インプロセスポンプPP1を作動し(すなわち、バルブV9を通って中へそしてバルブV14を通って外へ);そして血漿ポンプPP2を作動する(すなわち、バルブV12を通って中へそしてバルブV10を通って外へ)ようにプログラムされる。この配列は、抗凝固された血液をインプロセス容器312へ汲み出し、一方、インプロセス容器312からの血液を分離のための処理チャンバへ運搬する。この配列はまた、処理チャンバから血漿容器304へ血漿を取り出し、一方、処理チャンバから赤血球容器308へ赤血球を取り出す。このフェーズは、目的の容量の血漿が血漿収集容器304に収集される(重量センサによってモニタリングされる)まで、または目的の容量の赤血球が赤血球収集容器に収集される(重量センサによってモニタリングされる)まで続く。
【0235】
ダブル赤血球収集手順においてのように、インプロセス容器312内の全血の容量が、目的の容量の血漿または赤血球のいずれかが収集される前に、所定の最大閾値に達する場合、回路は、別のフェーズ(全血を汲み出さない血液分離)に入り、ドナーインターフェースポンプステーションPP3の作動を終結し(一方、また、バルブV13、V11、V18、およびV13を閉鎖する)、インプロセス容器312内の全血の収集を終結し、一方、血液分離を依然として続けるようにプログラムされる。上記の容量の全血が、血液分離の間にインプロセス容器312での所定の最小閾値に達し、しかし目的の容量の血漿または赤血球のいずれかが収集される前である場合、回路は、全血を汲み出す間の血液分離フェーズ(Blood Separation While Drawing Whole Blood Phase)へ戻り、それによって、インプロセス容器312を再度満たすようにプロブラムされる。回路は、必要な容量の血漿が収集されるまで、または目的の容量の赤血球が収集されるまで(どちらが最初かにかかわらず)、インプロセス容器312についての高容量閾値および低容量閾値に従って、全血を汲み出す間の血液分離フェーズと全血を汲み出さない血液分離フェーズとの間で切り換わるようにプログラムされる。
【0236】
(c.赤血球/生理食塩水のリターン)
目標容量の血漿が収集されていない場合、血液収集サイクルの次のフェーズ(分離を伴う赤血球リターン(Return Red Blood Cells With Separation))は、血液処理回路46をプログラムして、ドナーインターフェースポンプステーションPP3作動させ(すなわち、バルブV11を介して入れ、バルブV13を介して出す);インプロセスポンプPP1を作動させ(すなわち、バルブV9を介して入れ、バルブV14を介して出す);そして、血漿ポンプPP2を作動させる(すなわち、バルブV12を介して入れ、バルブV10を介して出す)。この配置は、抗凝固全血をインプロセス容器312から処理チャンバへと、分離のために運搬し、同時に、血漿を血漿容器304へと除去し、赤血球を赤血球容器308へと除去する。この配置はまた、赤血球を赤血球容器308からドナーへと運搬し、他方で、さらに、容器288からの生理食塩水をインラインで、戻される赤血球と混合する。生理食塩水と赤血球とのインライン混合(in line mixing)は、生理食塩水の温度を上昇させ、そしてドナーの快適性を向上する。この生理食塩水と赤血球とのインライン混合はまた、ドナーに戻される赤血球のヘマトクリットを下げ、それによって、より大きなゲージ(すなわち、より小さい直径)の静脈切開針を使用すること、さらにドナーの快適性を向上することが可能となる。このフェーズは、赤血球容器308が空になるまで続き、このとき、重量センサによってモニタリングされる。
【0237】
インプロセス容器312内の全血の容量が、赤血球容器308が空になる前に特定の低い閾値に達する場合、別のフェーズ(分離を伴わない赤血球のリターン(Red Blood Cell Return Without Separation))に入り、インプロセスポンプステーションPP1の作動を停止して(また、この間に、バルブV9、V10、V12およびV14を閉じる)、血液分離を停止するように、この回路はプログラムされる。このフェーズは、赤血球容器308が空になるまで続く。
【0238】
赤血球容器308が空になると、別のフェーズ(ドナーラインを満たす(Fill Donor Line))に入り、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動させて(すなわち、バルブV11を介して入れ、バルブV13を介して出す)、インプロセス容器312から全血を汲み出してドナーチューブ266を満たし、それによって、別の全血汲み出しサイクルの準備のために、赤血球(生理食塩水と混合されている)をパージするように、この回路はプログラムされる。
【0239】
次いで、全血汲み出しフェーズ中のさらなる血液分離を実施してインプロセス容器312を再充填するように、この回路はプログラムされる。上記のような、連続的な、全血の汲み出しおよび赤血球/生理食塩水のリターンサイクルを、重量センサが、所望容量の血漿が血漿収集容器304中に収集されたことを示すまで、実施するように、この回路はプログラムされる。目標容量の血漿が収集されたとき、収集後サイクルが開始する。
【0240】
収集サイクルのフェーズ中でのこの回路のプログラミングは、以下の表にまとめられる。
【0241】
【表6】
Figure 0004570306
【0242】
Figure 0004570306
【0243】
(d.収集後サイクル)
一旦、目標容量の血漿が収集されると(このとき、重量センサによってモニタリングされる)、この回路は収集後サイクルのフェーズを実施するようにプログラムされる。
【0244】
(3.過剰赤血球のリターン)
収集後サイクルの第一フェーズ(血漿収集容器の取外し(Remove Plasma Collection Container))において、全バルブを閉じ、全ポンプステーションを停止して、セット264からの血漿収集容器304の分離が可能となるように、回路はプログラムされる。
【0245】
収集後サイクルの第二フェーズ(赤血球のリターン(Return Red Blood Cell))において、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動させ(すなわち、バルブV11を介して入れ、バルブV13を介して出す)、赤血球収集容器308中に残存する赤血球をドナーに運搬するように、回路はプログラムされる。容器288からの生理食塩水を、戻される赤血球とインラインで混合するように、回路はさらに、このフェーズにおいてプログラムされる。このフェーズは、赤血球容器308が空になるまで続き、このとき重量センサによってモニタリングされる。
【0246】
(4.生理食塩水パージ)
収集後サイクルの次のフェーズ(生理食塩水パージ)において、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動させて(すなわち、バルブV11を介して入れ、バルブV11を介して出す)、分離デバイスを通して容器288からの生理食塩水を運搬し、分離デバイスの血液内容物を、ドナーにそれらを戻すために用意されたインプロセス容器312に置換するように、回路はプログラムされる。このフェーズは、ドナーの血液の損失を減少する。このフェーズは、所定容量の生理食塩水が分離デバイスを通してポンピングされるまで続き、このとき重量センサによってモニタリングされる。
【0247】
(5.最終的なドナーへのリターン)
収集後サイクルの次のフェーズ(最終的なリターン)において、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動させて(すなわち、バルブV11を介して入れ、バルブV13を介して出す)、インプロセス容器312の血液内容物をドナーに運搬するように、回路はプログラムされる。生理食塩水が断続的にこの血液内容物と混合される。このフェーズは、インプロセス容器312が空になるまで続き、このとき、重量センサによってモニタリングされる。
【0248】
次のフェーズ(流体置換)において、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動させ(すなわち、バルブV11を介して入れ、バルブV13を介して出す)、生理食塩水をドナーに運搬するように、回路はプログラムされる。このフェーズは、規定の置換容量が注入されるまで続き、このとき、重量センサによってモニタリングされる。
【0249】
最終フェーズ(終了手順)において、全バルブを閉じ、全ポンプステーションをアイドリングするように、回路はプログラムされ、その結果、静脈穿刺が終了され得、血漿容器が分離され得、そして保存のために取り外され得る。使い捨てセットの残りの部品が取り外され得、そして廃棄され得る。
【0250】
収集後サイクルのフェーズの中での回路のプログラミングは、以下の表にまとめられる。
【0251】
【表7】
Figure 0004570306
【0252】
Figure 0004570306
【0253】
(G.赤血球および血漿の収集)
この手順の間、ドナーからの全血は、遠心分離処理され、約550mlまでの血漿および約250mlまでの赤血球が集められる。この手順は、手短に、赤血球/血漿収集手順と称される。
【0254】
収集の間に保持されない赤血球の一部分は、血液分離の間に定期的にドナーに戻される。550mlの目標を超えて収集された血漿および250mlの目標を超えて収集された赤血球もまた、この手順の最後にドナーに戻される。
【0255】
血液処理回路46のプログラミング(カセットのバルブおよびポンプステーションへの圧力の選択的な付与による)によって、ダブル赤血球収集手順または血漿収集手順を実施するために使用される同一汎用セット264の使用が可能となる。
【0256】
この手順は、収集前サイクル、収集サイクル、および収集後サイクル、ならびに保存準備サイクルを包含する。
【0257】
収集前サイクル中、セット264は、静脈穿刺の前に排気するためにプライミングされる。収集サイクル中、血漿および赤血球を収集するために、ドナーから汲み出された全血が処理され、他方で、赤血球の一部をドナーに戻す。収集後サイクル中に、過剰の血漿および赤血球がドナーに戻され、そしてこのセットは生理食塩水でフラッシュされる。保存準備サイクル中、赤血球保存溶液が、収集された赤血球に添加される。
【0258】
((1)収集前サイクル)
(a.抗凝固剤プライム)
赤血球/血漿収集手順のための収集前サイクルにおいて、カセットは、ACプライム1およびACプライム2のフェーズを実施するようにプログラムされ、ACプライム1およびACプライム2のフェーズは、ダブル赤血球収集手順のACプライム1およびACプライム2のフェーズと同一である。
【0259】
(b.生理食塩水プライム)
赤血球/血漿収集手順のための収集前サイクルにおいて、生理食塩水プライム1、生理食塩水プライム2、生理食塩水プライム3、ベントドナーライン、および静脈穿刺のフェーズを実施するように、カセットはプログラムされ、これらの生理食塩水プライム1、生理食塩水プライム2、生理食塩水プライム3、ベントドナーライン、および静脈穿刺のフェーズは、ダブル赤血球収集手順の生理食塩水プライム1、生理食塩水プライム2、生理食塩水プライム3、ベントドナーライン、および静脈穿刺のフェーズと同一である。
【0260】
収集前サイクルのフェーズ中での回路のプログラミングを以下の表にまとめる。
【0261】
【表8】
Figure 0004570306
【0262】
Figure 0004570306
【0263】
(2.収集サイクル)
(a.血液プライム)
静脈穿刺で、静脈切開針268に導くチューブ300は開放される。赤血球/血漿収集手順の収集サイクルは、その回路を、血液プライム1フェーズおよび血液プライム2フェーズ(これは、既に記載されたダブル赤血球収集手順の血液プライム1フェーズおよび血液プライム2フェーズと同じである)を行うようにプログラムする。
【0264】
(b.全血を汲み出しながら、または全血を汲み出すことなしでの、血液分離)
赤血球/血漿収集手順に関する血液収集サイクルにおいて、この回路は、全血を汲み出しながらの血液分離のフェーズがダブル赤血球収集手順のために行われるのと同じ様式で、全血を汲み出しながらの血液分離のフェーズを行うようにプログラム化される。この配置は、抗凝固の血液をインプロセス容器312中に汲み出し、その間、血液をインプロセス容器312から分離用の処理チャンバに運搬する。この配置はまた、処理チャンバから血漿容器304へと血漿を取り除き、その間、赤血球を処理チャンバから赤血球容器308へと取り除く。このフェーズは、血漿および赤血球の所望の最大容量が血漿および赤血球収集容器304および308中に収集されるまで、続けられる(重量センサによってモニタリングされる)。
【0265】
ダブル赤血球収集手順および血漿収集手順などの場合において、インプロセス容器312中の全血の容量が、血漿または赤血球のいずれかの標的容量が収集される前に、所定の最大閾値に到達する場合、この回路は、フェーズ(全血を汲み出すことなしの血液分離)に入り、ドナーインターフェースポンプステーションPP3の作動を終結し(バルブV13、V11、V18およびV13をまた閉鎖しながら)、インプロセス容器312中の全血の収集を終結し、その間、血液分離をなお続けるように、プログラム化される。全血の容量が血液分離中のインプロセス容器312中の所定の最小閾値に達するが、標的容量の血漿または赤血球のいずれかが収集される場合、この回路は、全血を汲み出しながらの血液分離に戻され、これによって、インプロセス容器312を再び満たすようにプログラム化される。この回路は、要求の最大容量の血漿および赤血球が収集されるまで、インプロセス容器312に関する高低の容量閾値に従って、全血を汲み出しながらの血液分離サイクルと、全血を汲み出すことなしの血液分離サイクルとの間で切り替えるようにプログラム化される。
【0266】
(c.赤血球および生理食塩水リターン)
標的容量の血漿が収集されず、赤血球容器308中に収集される赤血球が所定の最大閾値を越えた場合、血液収集サイクルの次のフェーズ(分離を伴う赤血球リターン)は、血液処理回路46を、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動し(すなわち、バルブV11を通って入り、そしてバルブV13を通って出る);処理中のポンプPP1を作動し(すなわち、バルブV9を通って入り、そしてバルブV14を通って出る);および血漿ポンプPP2を作動する(すなわち、バルブV12を通って入り、そしてバルブV10を通って出る)ようにプログラム化される。この配置は、抗凝結の全血をインプロセス容器312から分離用の処理チャンバへと運搬し続け、その間、血漿を血漿容器304に、そして赤血球を赤血球容器308に取り除く。この配置はまた、赤血球容器308中に収集された赤血球の全てまたは一部をドナーに運搬する。この配置はまた、容器288からの生理食塩水を、戻された赤血球とインラインで混合する。生理食塩水と赤血球とのインライン混合により、生理食塩水の温度が上昇し、そしてドナーの快適度が向上される。生理食塩水と赤血球を有とのインライン混合はまた、ドナーへと戻される赤血球のヘマトクリットを低下させ、これによって、より大きなゲージ(すなわち、より小さな直径)の静脈切開針を使用することが可能であり、ドナーの快適度をさらに向上させる。
【0267】
このフェーズは、重量センサによってモニタリングされ、赤血球容器308が空となるまで続けられ得、これによって、血漿収集手順の分離フェーズを伴う赤血球リターンに対応する。しかし、好ましくは、プロセッサが、どのくらいさらなる血漿がこの血漿標的容量を満たすために収集されるのに必要であるかを決定する。このことから、プロセッサは、増分血漿容量に関連する増分赤血球容量を誘導する。この配置において、プロセッサは、赤血球の部分的容量をドナーに戻し、その結果、次の増分赤血球容量の収集時に、容器308中の赤血球の全容量が標的赤血球収集容量であるか、これを僅かに越える。
【0268】
インプロセス容器312中の全血の容量が、所望の容量の赤血球リターンの前に、特定の低い閾値に達する場合、この回路は、フェーズ(分離なしの赤血球リターン)に入り、処理中のポンプステーションPP1の作動を終結し(バルブV9、V10、V12およびV14をまた閉鎖しながら)、血液分離を終結するようにプログラム化される。このフェーズは、血漿収集手順の分離なしの赤血球リターンフェーズに対応する。
【0269】
所望の容量の赤血球を容器308から戻すと、この回路は、フェーズ(ドナーラインの満たし)に入り、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動し(すなわち、バルブV11を通って入り、そしてバルブV13を通って出る)、インプロセス容器312から全血を汲み出し、ドナーチューブ266を満たし、これによって、別の全血汲み出しサイクルのための準備における赤血球(生理食塩水と混合された)をパージするようにプログラム化される。
【0270】
次いで、この回路は、全血を汲み出しながらの別の血液分離フェーズを行い、インプロセス容器312中に再び満たすようにプログラム化される。必要ならば、この回路は、重量センサが、容器304および308中に収集された赤血球および血漿の容量が標的値であるかまたはそれよりも幾分多いことを示すまで、全血汲み出しおよび赤血球リターンサイクルを連続的に行い得る。次いで、収集後サイクルが開始される。
【0271】
収集サイクルフェーズ中の回路のプログラミングは、以下の表に要約される。
【0272】
【表9】
Figure 0004570306
【0273】
Figure 0004570306
【0274】
Figure 0004570306
【0275】
(d.収集後サイクル)
一旦、標的最大容量の血漿および赤血球が収集される(このとき、重量センサによってモニタリングされる)と、この回路は、収集後サイクルのフェーズを行うようにプログラム化される。
【0276】
(i.過剰血漿リターン)
血漿収集容器304中に収集された血漿の容量が標的容量を越える場合、収集後サイクルのフェーズ(過剰血漿リターン)に入り、この間、この回路は、血液の、処理チャンバへの供給および処理チャンバからの除去を終結し、その間、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動し(すなわち、バルブV11を通って入り、そしてバルブV13を通って出る)、血漿容器304中の血漿をドナーに運搬するようにプログラム化される。この回路はまた、このフェーズにおいて、容器288からの生理食塩水を、戻された血漿とインラインで混合するようにプログラム化される。このフェーズは、血漿収集容器304中の血漿の容量が標的値となる(このとき、重量センサによってモニタリングされる)まで、続けられる。
【0277】
(ii.過剰赤血球リターン)
赤血球収集容器308中に収集された赤血球の容量がまた、標的容量を越える場合、収集後サイクルのフェーズ(過剰RBCリターン)に入り、この間、この回路は、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動し(すなわち、バルブV11を通って入り、そしてバルブV13を通って出る)、赤血球収集容器308中に残っている赤血球をドナーに運搬するようにプログラム化される。この回路はまた、このフェーズにおいて、容器288からの生理食塩水を戻された赤血球とインラインで混合するようにプログラム化される。このフェーズは、赤血球収集容器308中の赤血球の容量が標的値と等しくなる(このとき、重量センサによってモニタリングされる)まで、続けられる。
【0278】
(iii.生理食塩水パージ)
容器308および304中に収集された赤血球および血漿の容量が標的値と等しい場合、収集後サイクルの次のフェーズ(生理食塩水パージ)に入り、この間、この回路は、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動し(すなわち、バルブV11を通って入り、そしてバルブV11を通って出る)、分離デバイスを通って容器288から生理食塩水を運搬し、分離デバイスの血液内容物をインプロセス容器312へと置換する(ドナーへのそれらのリターンのための準備において)ようにプログラム化される。このフェーズは、ドナーの血液の損失を減らす。このフェーズは、所定の容量の生理食塩水が分離デバイスを通ってポンピングされる(このとき、重量センサによってモニタリングされる)まで、続けられる。
【0279】
(iv.ドナーへの最終的なリターン)
収集後サイクルの次のフェーズ(最終的なリターン)において、この回路は、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動し(すなわち、バルブV11を通って入り、そしてバルブV13を通って出る)、インプロセス容器312の血液内容物をドナーに運搬するようにプログラム化される。生理食塩水は、すぐに、血液内容物と混合される。このフェーズは、インプロセス容器312が空になる(このとき、重量センサによってモニタリングされる)まで続けられる。
【0280】
次のフェーズ(流体置換)において、この回路は、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動し(すなわち、バルブV11を通って入り、そしてバルブV13を通って出る)、生理食塩水をドナーに運搬するようにプログラム化される。このフェーズは、規定の置換容量の量が注入される(このとき、重量センサによってモニタリングされる)まで続けられる。
【0281】
次のフェーズ(静脈穿刺終わり)において、この回路は、すべてのバルブを閉鎖し、そしてすべてのポンプステーションをアイドリングするようにプログラム化され、その結果、静脈穿刺は、終結され得る。
【0282】
収集後サイクルのフェーズ中の回路のプログラミングは、以下の表に要約される。
【0283】
【表10】
Figure 0004570306
【0284】
Figure 0004570306
【0285】
(e.保存調製サイクル)
(i.RBC貯蔵プライム)
保存調製サイクル(保存溶液プライム)の第1フェーズにおいて、この回路は、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動し、所望の容量の赤血球保存溶液を容器280からインプロセス容器312に移動させるようにプログラム化される。所望の容量のこの移動は、重量センサによってモニタリングされる。
【0286】
次のフェーズ(保存溶液移動)において、この回路は、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動し、所望の容量の赤血球保存溶液をインプロセス容器312から赤血球収集容器308に移すようにプログラム化される。所望の容量のこの移動は、秤量スケールによってモニタリングされる。
【0287】
次のそして最後のフェーズにおいて(終了手順)、この回路はプログラムされて全てのバルブを閉じ、そして全てのポンプステーションをアイドリングし、その結果、血漿および赤血球保存容器304および308が、保存のために分離され、除去され得る。廃棄可能セットの残余は、今度は除去され廃棄され得る。
【0288】
保存調製サイクルのフェーズ中の回路のプログラミングは、次の表に要約される。
【0289】
【表11】
Figure 0004570306
【0290】
Figure 0004570306
【0291】
(V.インターフェース制御)
(A.アンダースピルおよびオーバースピル検出)
上記の手順のいずれかにおいて、処理チャンバ18内に存在する遠心力は、全血を充填された赤血球の領域、および血漿の領域に分離する(図15Aを参照のこと)。この遠心力は、充填された赤血球の領域をチャンバの高G壁の外側に沿って集めさせ、一方で、血漿の領域はこのチャンバの内部または低−G壁に輸送される。
【0292】
中間領域は、赤血球領域と血漿領域との間のインターフェースを形成する。血小板および白血球などの中間密度細胞血液種は、血小板が白血球よりも血漿層により近くで、密度に従って配置されたインターフェースを占める。このインターフェースはまた、そのぼやけた色のために「バフィーコート」と呼ばれ、血漿領域の淡黄色および赤血球領域の赤色と対比される。
【0293】
このバフィーコート材料を、手順に従って血漿または赤血球から離すことを維持すること、またはこのバフィーコートの細胞内容物を収集すること、のいずれかのために、このバフィーコートの場所をモニターすることが所望される。システムは、この目的のために2つの光学センサ334および336を備える、感知ステーション332を含む。
【0294】
例示のおよび好適な実施形態において(図13を参照のこと)、この感知ステーション332は、遠心分離ステーション20の外側の短い距離に配置される。この配置は、感知ステーション332によりモニターする前に、チャンバーを出る構成要素の流体体積を最小化する。
【0295】
このステーション332内の第一センサ334は、血漿収集チューブ292を通る血液成分の通過を光学的にモニターする。ステーション332内の第二センサ336は、赤血球収集チューブ294を通る血液成分の通過を光学的にモニターする。
【0296】
チューブ292および294は、少なくとも1つのューブ292および294が感知ステーション332に伴って配置される領域において、感知のために使用される光エネルギーに透過性である、プラスチック(例えばポリ塩化ビニル)関連として作製される。
【0297】
例示の実施形態において、セット264は、チューブ292および294をそのそれぞれのセンサ334および336と表示整列して保持するための、固定具338(図16から18を参照のこと)を含む。固定具338は、チューブ292および294をコンパクトに集め、並んだ配列で体系化して、やはりステーション332内で並んだ関係でコンパクトに配列されるセンサ334および336に伴うグループとして配置され、そして除去される。
【0298】
例示の実施形態において、固定具338はまた、関連するセンサが提供されなくとも、全血を遠心分離ステーション20へ運搬するチューブ290を保持する。固定具338は、コンパクトで容易に取り扱える束状の供給ライン296に接続される全てのチューブ290、292、および294を集めて、保持するよう作用する。
【0299】
固定具338は、例えば、オーバーモールディングにより形成される、供給ライン296の一体部であり得る。あるいは、この固定具338は、使用のために、チューブ290、292および294のまわりに締まり嵌めする、分離して作製された部品であり得る。
【0300】
例示の実施形態においては(図2に示すように)、カセット28へ接続される容器304、308、および312は、使用中、遠心分離ステーション20の上方に吊るされる。この装置において、固定具338は、チューブ290、292、および294を、カセット28へ供給ライン296の端部をすぐに越える急峻な90°曲げを通して、方向付ける。固定具338により課されるこの曲げは、容器304、308、および312のすぐ下のエリアから離して、一列に並んだチューブ290、292、および294を、方向づけ、それによりこのエリアにおける乱雑さを防止する。この曲げを通してチューブ290、292、および294を支持し案内する固定具338の存在はまた、捻れまたはもつれの危険を減少もさせる。
【0301】
第一センサ334は、血漿収集チューブ292中の光学的に標的化された細胞種または成分の存在を検出し得る。検出のための光学的に標的化された成分は、その手順に依存して変化する。
【0302】
血漿収集手順のために、第一センサ334は、血漿収集チューブ292における血小板の存在を検出し、その結果制御手段は、血漿と血小板細胞層との間のインターフェースを、処理チャンバへ動かし戻すことが開始され得る。これは本質的には、本質的に血小板なしであり得るかまたは少なくとも血小板の数が最小化される、血漿産物を提供する。
【0303】
赤血球のみの収集手順のために、第一センサ334は、バフィーコートと赤血球層との間のインターフェースを検出し、その結果、このインターフェースを処理チャンバへ動かし戻す制御手段が開始され得る。これは、赤血球細胞収率を最大化する。
【0304】
バフィーコート収集手順(後述する)のために、第一センサ334は、バフィーコートの先端縁(すなわち血漿/血小板インターフェース)が処理チャンバを出始めるときを検出し、そしてこのバフィーコートの後端縁(すなわちバフィーコート/赤血球インターフェース)がこの処理チャンバを完全に出るときを検出する。
【0305】
第一センサ334により検出される、血漿中のこれらの細胞成分の存在は、このインターフェースが処理チャンバの低G壁に充分近いことを示し、これらの成分の全てまたはいくつかが、血漿収集ラインへ掃引されることを可能とする(図15B参照)。この状態はまた、「オーバースピル(over spill)」とも呼ばれる。
【0306】
第二センサ336は、赤血球収集チューブ294中の赤血球のヘマトクリットを検出し得る。処理中の設定最小レベルより下の赤血球(red blood)ヘマトクリットの減少は、このインターフェースが処理チャンバの高G壁に充分に近いことを示し、血漿が赤血球収集チューブ294へ入ることを可能とする(図15C参照)。この状態はまた、「アンダースピル(under spill)」と呼ばれる。
【0307】
(B.感知回路)
感知ステーション332は、感知回路340(図19参照)を含み、第一センサ334および第二センサ336が一部を形成する。
【0308】
第一センサ334は、1つの緑色発光ダイオード(LED)350、1つの赤色LED352、および2つのフォトダイオード354および355を含む。フォトダイオード354は、伝達光を計測し、フォトダイオード355は、反射光を計測する。
【0309】
第二センサ336は、1つの赤色LED356、および2つのフォトダイオード358および360を含む。フォトダイオード358は、伝達光を計測し、フォトダイオード360は反射光を計測する。
【0310】
感知回路340は、さらにLEDドライバ構成要素342を含む。ドライバ構成要素342は、センサ334および336のLED350、352、および356に結合された定電流源344を含む。定電流源344は、温度および電源電圧レベルに関係なく、一定電流を各LED350、352、および356へ供給する。定電流源344は、それゆえ、各LED350、352、および356のための一定出力強度を供給する。
【0311】
LED駆動構成要素342は、モジュレータ346を含む。モジュレータ346は、所定の周波数において一定電流を変調する。モジュレータ(modulation)346は、光学的に感知された表示から周囲光および電磁干渉(EMI)の影響を除去する。これは以降に詳細に記載する。
【0312】
感知回路340はまた、フォトダイオード354、355、358および360に結合されたレシーバ回路348を含む。レシーバ回路348は、各フォトダイオード354、355、358、および360のための、専用電流−電圧(I−V)コンバータ362を含む。レシーバ回路348の残りは、バンドバスフィルタ364、プログラム可能増幅器366、および全波整流器368を含む。これらの構成要素364、366、および368は、例えばマルチプレクサを用いてシェアされる。
【0313】
周囲光は、典型的には1000Hz未満の周波数成分を含み、EMIは典型的には2kHzを越える周波数成分を含む。このことを考えると、変調器346は、EMI周波数成分より低い周波数(例えば約2kHz)において電流を変調する.バンドパスフィルタ364は、ほぼ同じ値(すなわち約2kHz)の中央周波数を有する。センサ回路340は、周囲光源の上下の周波数成分およびEMI成分を感知された測定値から除去する。このようにして、感知回路340は、周囲光条件およびEMIに対して感応的ではない。
【0314】
より詳細には、測定される流体を含むチューブ292または294からの伝達光または反射光は、(チューブ292に対して、)フォトダイオード354および355上に入射するか、または(チューブ294に対して、)フォとダイオード358および360に入射する。各フォトダイオードは、受容された光強度に比例した光電流を生じる。この電流は、電圧に変換される。この電圧は、マルチプレクサ370を介してバンドパスフィルタ364へ供給される。バンドパスフィルタ364は、変調された光源光の搬送周波数において中央周波数(すなわち例示の実施形態においては2kHz)を有する。
【0315】
バンドパスフィルタ364の正弦波出力は、可変利得増幅器366へ送られる。この増幅器の利得は、事前確立された工程において事前プログラムされる(例えばX1、X10、X100、およびX1000)。これはこの増幅器に大きなダイナミックレンジに対して応答する能力を提供する。
【0316】
増幅器366の正弦波出力は、全波整流器368へ送られ、全波整流器368は、この正弦波出力を伝達された光エネルギーに比例したDC出力電圧に変換する。
【0317】
コントローラ16は、センサ回路340のためのタイミングパルスを発生する。このタイミングパルスは、各LEDに対して(i)所望の変調周波数(すなわち、例示の実施形態においては2kHz)における変調方形波、(ii)エネーブルシグナル、(iii)(バンドパスフィルタ364へ供給するためのセンサ出力を選択する)2センサセレクトビット、および(iv)(増幅器366に対する)レシーバ回路利得選択のための2ビットを含む。
【0318】
コントローラ16は、各LEDをON状態およびOFF状態において操作するためにドライバ回路342を調整する。
【0319】
ON状態において、エネーブルされたLEDは、HIGHに設定され、そしてこのLEDは設定された時間間隔の間(例えば100ms)照射する。ON状態の第一83.3msの間、入射フォトダイオードおよびレシーバ回路348に対する有限の上昇時間は、安定することが可能とされる。ON状態の最終の16.7msの間、回路340の出力は、2倍の変調速度にて(すなわち例示の実施形態においては4kHz)サンプリングされる。サンプリング間隔は、1つの完全な60Hzのサイクルを含むよう選択され、主周波数が測定値からフィルターされることを可能にする。4kHzサンプリング周波数は、2kHzリップルが測定値から後の除去のために捕捉されることを可能にする。
【0320】
OFF状態の間、LEDは、100msの間、暗のままにされる。周囲光および電磁干渉によるLEDベースラインは、最終の16.7msの間に記録される。
【0321】
(1.第一センサ;血小板/RBC区分)
一般に、細胞なし(「フリー」)血漿は、淡黄色を有する。血漿中における血小板の濃度が増加すると、血漿の透明度が減少する。この血漿は「曇って」見える。血漿中の赤血球の濃度が増加すると、血漿の色は淡黄色から赤色へ変化する。
【0322】
センサ回路340は、(伝達光感知フォトダイオード354を使用して)第一センサ334からの2つの異なる波長における光の感知された減衰を分析する、検出/区分モジュール372を含む。この異なる波長は、血小板に対してほぼ同じ光学的減衰を有するが、赤血球に対しては顕著に異なる光学的減衰を有するように選択される。
【0323】
例示の実施形態においては、第一センサ334は、(例示の実施形態においては緑色光(570nmおよび571nm)である)第一波長(λ1)における光の放射体350を含む。第一センサ334はまた、(例示の実施形態においては赤色(645nmから660nm)である)第二波長(λ2)において光の放射体352を含む。
【0324】
第一波長における血小板に対する光学的減衰
【0325】
【化1】
Figure 0004570306
【0326】
、および第二波長における血小板に対する光学的減衰
【0327】
【化2】
Figure 0004570306
【0328】
は、ほぼ同じである。従って経時における減衰の変化は、血小板濃度における増加または減少により影響されるように、類似する。
【0329】
しかし、第一波長におけるヘモグロビンに対する光学的減衰
【0330】
【化3】
Figure 0004570306
【0331】
は、第二波長におけるヘモグロビンに対する光学的減衰
【0332】
【化4】
Figure 0004570306
【0333】
より約10倍大きい。従って、経時の減衰の変化は、赤血球の存在により影響されるようには、類似しない。
【0334】
そこから血漿が感知されるチューブ294は、第一波長および第二波長において光に対して透明である。チューブ294は、第一放射体350および第二放射体352を過ぎた血漿流を運ぶ。
【0335】
光検出器354は、チューブ294を通って第一放射体350および第二放射体352により放射された光を受容する。検出器354は、受容した光の強度に比例したシグナルを発生する。この強度は、血小板および/または赤血球の存在により生じた光学的減衰とともに変化する。
【0336】
モジュール372は、シグナルを分析するための光検出器354に結合されて、第一および第二波長において受容された光の強度を得る。モジュール372は、経時の第一および第二波長の強度の変化を比較する。第一および第二波長の強度が経時において実質的に同じ様式で変化するとき、モジュール372は、血漿流中の血小板の存在を表す出力を発生する。第一および第二波長の強度が、経時において実質的に異なる様式で変化するとき、モジュール372は、この血漿流中の赤血球の存在を表す出力を発生する。従ってこの出力は、血漿流中の血小板濃度の変化に起因し得る強度における変化と、血漿流中の赤血球濃度における変化に起因し得る強度における変化とを区分する。
【0337】
モジュール372を実現する多様な方法がある。好適な実施形態において、検出/区分モジュール372は、血漿溶液による波長λの単色光のビームの減衰が、修正ランベルト−ベールの法則により次のように記載され得ることを考慮する。:
【0338】
【数7】
Figure 0004570306
【0339】
オーバースピル状態にわたって(図15Bに示す)、血漿収集ライン294内の第1センサ334により検出される第1細胞成分は、血小板である。従って、血小板の検出について、
【0340】
【数8】
Figure 0004570306
【0341】
である。
【0342】
血小板層と赤血球層との間のバフィーコートインターフェースを検出するために、2つの波長(λ1およびλ2)が、以下の規準に基づいて選択される:(i)λ1およびλ2は、ほぼ同一のパス長係数
【0343】
【数9】
Figure 0004570306
【0344】
を有し;そして(ii)一方の波長λ1またはλ2は、他方の波長よりずっと大きなヘモグロビンの光学減衰を有する。
【0345】
波長λ1およびλ2が同一の
【0346】
【数10】
Figure 0004570306
【0347】
を有すると仮定すると、式(2)は
【0348】
【数11】
Figure 0004570306
【0349】
に変わる。
【0350】
好ましい実施形態において、λ1=660nm(緑)であり、λ2=571nm(赤)である。571nmの光のパス長係数
【0351】
【数12】
Figure 0004570306
【0352】
は、660nmの光のパス長係数より大きい。従って、このパス長係数は、係数αおよびβによって以下のように変えられなければならない:
【0353】
【数13】
Figure 0004570306
【0354】
従って、式(3)は、以下のように再表記し得る:
【0355】
【数14】
Figure 0004570306
【0356】
赤血球の非存在下において、式(3)は、以下の式(5)が示すように、増加した血小板濃度と共に誤った赤血球検出の原因となる:
【0357】
【数15】
Figure 0004570306
【0358】
血小板、および血小板/赤血球層のあいだのインターフェースの検出の場合、式(4)がより良い解を提供する。従って、モジュール372は式(4)を用いる。係数(β−1)は、調製した血小板を加えた血漿中の異なる既知の血小板の濃度についての所望の測定ジオメトリーで、
【0359】
【数16】
Figure 0004570306
【0360】
を経験的に測定することにより、決定され得る。
【0361】
検出/区分モジュール372はまた、血漿中に赤血球が存在すること、または溶血に起因する血漿中に遊離ヘモグロビンが存在することによる強度の変化を区分する。両方の状況は、透過光感知フォトダイオード354の出力の減少を引き起こす。しかし、反射光感知フォトダイオード355の出力は、赤血球の存在下で増加し、遊離ヘモグロビンの存在下で減少する。従って、検出/区分モジュール372は、血液処理の間に、所望でない溶血の発生を感知し、その結果、オペレーターに警告され得、そして是正処置が行われ得る。
【0362】
(2. 第2センサ:充填赤血球の測定)
アンダースピル状態(図15Cに示す)において、血漿(およびバフィーコート)が赤血球と混合すると、処理チャンバ18を出る赤血球のヘマトクリットは劇的に減少する(例えば、約80の目標ヘマトクリットから約50のヘマトクリットまで)。アンダースピル状態は、バフィーコートが赤血球を有するドナーに戻ることを可能にするため、血漿収集手順の間望ましい。アンダースピル状態は、保存のために収集される赤血球の収量および質を台無しにするため、赤血球のみの収集手順の間は、所望されない。
【0363】
いずれの場合においても、アンダースピル状態がいつ存在するかを感知する能力が望まれる。
【0364】
近赤外スペクトル(NIR)(約540nm〜1000nm)光子の波長が赤血球を感知するのに適切である。なぜならこれらの強度は血液を何ミリメートルも透過した後に測定され得るからである。
【0365】
センサ回路340は、赤血球検出モジュール374を備える。この検出モジュール374は、第2センサ336の感知される光透過を分析し、処理チャンバ18を出る赤血球のヘマトクリット、およびそのヘマトクリットの変化を識別する。
【0366】
検出モジュール374は、血液による波長λの単色光ビームの減衰が、以下のように変形したランバート‐ベールの法則により記載され得ると見なす:
【0367】
【数17】
Figure 0004570306
【0368】
ここで、Iは、透過光の強度である。
【0369】
0は、入射光の強度である。
【0370】
【数18】
Figure 0004570306
【0371】
は、用いた波長におけるヘモグロビン(Hb)(gm/dl)の吸光係数である。
【0372】
Hbは、赤血球中のヘモグロビンの濃度であり、これは34gm/dlとなる。
【0373】
dは、光源と光検出器との間の距離である。
【0374】
【数19】
Figure 0004570306
【0375】
は、用いた波長におけるパス長係数であり、これは光散乱による媒体中のさらなる光子のパス長を説明する。
【0376】
Hは、全血ヘマトクリットであり、これはサンプル中の赤血球の百分率である。
【0377】
【数20】
Figure 0004570306
【0378】
は、ヘマトクリットおよび用いられる波長における赤血球の散乱係数、ならびに測定ジオメトリの関数である。
【0379】
式(6)を仮定すると、サンプルの光学密度O.Dは、以下のように表され得る:
【0380】
【数21】
Figure 0004570306
【0381】
サンプルの光学密度は、さらに以下のように表され得る:
【0382】
【数22】
Figure 0004570306
【0383】
ここで、O.D.Absorptionは、赤血球による吸収に起因する光学密度であり、以下のように表される:
【0384】
【数23】
Figure 0004570306
【0385】
O.D.Scatteringは、赤血球の散乱に起因する光学密度であり、以下のように表される:
【0386】
【数24】
Figure 0004570306
【0387】
式(9)から、O.D.Absorptionは、ヘマトクリット(H)と共に直線的に増加する。赤色およびNIRスペクトルにおける透過率測定について、
【0388】
【数25】
Figure 0004570306
【0389】
は、50と75との間のヘマトクリットで最大値に到達(照射波長および測定ジオメトリに依存する)するほぼ放物線であり、そして0および100のヘマトクリットで0である(例えば、Steinkeら、「Diffusion Model of the Optical Absorbance of Whole Blood」、J.Opt.Soc.Am.,第5巻、No.6,1988年6月を参照のこと)。従って、光透過測定について、測定される光学密度はヘマトクリットの非線形関数である。
【0390】
それにも関わらず、入射光源から所定の半径方向距離において測定される反射光の
【0391】
【数26】
Figure 0004570306
【0392】
は、少なくとも10〜90のヘマトクリット範囲について直線のままであるということが認められた。従って、このように構成される第2センサ336を使用して、検出モジュールは、サンプルの光学密度を、ヘマトクリットの直線関数である反射光について処理する。血漿中の赤血球の検出に関する第1センサ334について、同一の関係が存在する。
【0393】
この配置は簡単な測定ジオメトリを維持することに依存する。ミラーまたは焦点レンズは必要ではない。LEDまたはフォトダイオードは血流チューブに対して正確な角度で位置決めされる必要がない。特定の光学キュベットは必要ではない。第2センサ336は、透明なプラスチックチュービング294と直接連結し得る。同様に、第1センサ334は、透明なチュービング292と直接連結し得る。
【0394】
例示の実施形態において、波長805nmは赤血球の等吸収波長であるため、選択され、この波長における赤血球による光の吸収は酸素飽和と無関係であることを表す。さらに、他の波長が,NIRスペクトル内で選択され得る。
【0395】
例示の実施形態において、805nmの波長の場合、好ましい設定距離は、光源から7.5mmである。上記の取付け具338(図18を参照のこと)は、チューブ294を、第2センサ336の光源および反射光検出器に対して所望の関係で配置することを容易にする。取りつけ具338はまた、このチューブ292を第1センサ334の光源および反射光検出器に対して所望の関係で配置することを容易にする。
【0396】
7.5mmより大きい距離における測定が行われ得、これは赤血球ヘマトクリットの変化に対してより優れた感度を示す。しかし、より低いシグナル対ノイズ比は、これらのより大きい距離で遭遇する。同様に、光源に近い距離での測定は、より大きいシグナル対ノイズ比を示すが、赤血球ヘマトクリットの変化に対する感度は低い。ヘマトクリットと感知される強度との間の直線関係が、所与のヘマトクリット範囲に存在する所与の波長の最適距離は、経験的に決定され得る。
【0397】
第2センサ336は、赤血球収集ラインにおいて、赤血球を透過されるシグナルの平均透過光強度の絶対差を検出する。検出モジュールは、図20に示されるように、強度におけるこれらの測定された絶対差を、この測定された強度の標準偏差の増加量と共に分析し、アンダースピル状態でシグナルを正確に送る。
【0398】
所与の絶対ヘマトクリットにおいて、
【0399】
【数27】
Figure 0004570306
【0400】
は、平均赤血球容量および/または血漿と赤血球との間の屈折率の差の変化に起因して、ドナーによってわずかに変わる。さらに、既知のヘマトクリットを有する所与のドナーの血液のサンプルからの反射光を測定することによって、
【0401】
【数28】
Figure 0004570306
【0402】
は、そのドナーについて、処理チャンバを出る赤血球のヘマトクリットの絶対測定値を得るように校正され得る。
【0403】
(c. センサの前処理校正)
第1および第2センサ334および336は、所与の血液収集手順の生理食塩水および血液プライミングフェーズの間に校正され、この詳細はすでに記載された。
【0404】
生理食塩水プライミング段階の間、生理食塩水が血液処理チャンバ18に運搬され、そして血漿収集ライン292を通って出る。この時間の間、血液処理チャンバ18は、空気がこのチャンバ18からパージされるまで、0RPMと200RPMとの間のサイクルで回転される。この処理チャンバ18の回転速度は、次いで、最大限度の作動速度まで上げられる。
【0405】
全血が所望の全血流速(QWB)で処理チャンバ18に導入される間、この血液プライミング段階が続く。処理チャンバから血漿収集ライン292を通る血漿の流速は、生理食塩水を処理チャンバ18からパージするために、処理チャンバ18からの所望の血漿流速(Qp)の一部(例えば、80%)に設定される。第1センサ344が血漿収集ライン292中の生理食塩水の存在を光学的に感知するまで、これらの条件下で生理食塩水のパージが続く。
【0406】
(1. 血漿収集手順(誘導されたアンダースピル)について)
行われるべき手順が保存のための血漿を収集する場合(例えば、血漿収集手順または赤血球/血漿収集手順)、アンダースピル状態が、校正中に誘導される。このアンダースピル状態は、血漿収集ライン292を通る血漿のフローを減少させるかまたは止めることによって、作られる。これはバフィーコートをチャンバ18の低−G面から無理やり離し(図15に示されるように)、「清浄な」血漿のフローが血漿収集ライン292内に存在し、血小板および白血球を含まないかまたは本質的に含まないことを保証する。誘導されたアンダースピルにより、ドナーのバックグラウンドの脂質レベルを考慮するが、血小板または白血球の存在を考慮することなく、第1センサ334は校正され、そしてドナーの血漿の生理学的な呈色に関して標準化され得る。それにより、第1センサ334は、処理中に、オーバースピルが引き続き生じる場合は、バフィーコート中の血小板または白血球の存在によって引き起こされる変化に対して最大感度を有する。
【0407】
アンダースピル状態を強制することによってまた、血液処理の始めで、インターフェースが高−G壁に接近して位置決めされる。このことはチャンバの高−G側上に初期オフセット状態を作り、血液処理が進むにつれて、オーバースピル状態の最終展開を延長する。
【0408】
(2.赤血球収集手順)
手順が、血漿が収集されずに行わなければならない場合(例えば、ダブルユニット赤血球収集手順(Double Unit Red Blood Cell Collection Procedure)、アンダースピル状態は、血液パージフェーズの間には誘導されない。これは、赤血球のみの収集手順において、第1センサ334は、オーバースピルの間、血漿中の赤血球の存在を検出のみする必要があるからである。この第1センサ334は、さらに血小板を検出するために感受性である必要はない。さらに、赤血球のみの収集手順において、界面を低−G壁のできるだけ近くに保つことが望まれ得る。この所望の条件により、バフィーコートが血漿と共にドナーに戻され、そして赤血球収集のヘマトクリットが最大にされることが可能となる。
【0409】
(D.血球収集)
(1.血漿収集手順)
血漿が収集される手順(例えば、血漿収集手順または赤血球/血漿収集手順)において、QpはQp(Ideal)に設定され、これは、アンダースピルおよびオーバースピルを用いずに、システムが定常状態収集状態を保持し得る、経験的に決定された血漿流速である。
【0410】
p(Ideal)(g/ml)は、抗凝固性全血の入り口流速QWB、抗凝固性全血入り口ヘマトクリットHCTWB、および赤血球の出口ヘマトクリットHCTRBC(計算値または測定値として)の関数であり、以下のように表される:
【0411】
【数29】
Figure 0004570306
【0412】
ここで、ρplasmaは、血漿の密度(g/ml)=1.03であり、
ρWBは、全血の密度(g/ml)=1.05であり、
ρRBCは、赤血球の密度=1.08であり、
WBは、血漿収集についての、所望の全血入り口流速に設定され、これは、血漿のみの収集手順について一般に、約70ml/分である。赤血球/血漿収集手順のために、QWBは、約50ml/分に設定され、これにより従来の血漿収集手順の場合より高いヘマトクリットを有する充填赤血球を提供する。
【0413】
システムコントローラ16は、アンダースピル状態またはオーバースピル状態が検出されない限り、所望の血漿収集容量が達成されるまで、ポンプ設定を維持する。
【0414】
設定されたQPが実際の血液分離条件に高すぎる場合か、またはドナーの生理機能に起因する場合、バフィーコート容量は予測より大きく(すなわち「より厚い」)、第1センサ334は、血漿中の血小板または白血球、あるいはその両方の存在を検出し、オーバースピル状態を示す。
【0415】
高いQPにより生じるオーバースピル状態に応答して、システムコントローラ16は、設定されたQWBを変えずに、血漿収集ポンプPP2の作動を終わらせる。高いバフィーコート容量により生じるオーバースピル状態に応答して、システムコントローラ16は、アンダースピル状態が赤血球センサ336によって検出されるまで、血漿収集ポンプPP2の作動を終わらせる。これは、バフィーコート層を分離チャンバから赤血球チューブ294を通して排出するのに役立つ。
【0416】
オーバースピル応答を行うために、血液処理回路46はインプロセスポンプPP1を作動するようにプログラムされ(すなわち、バルブV9を通して汲み出し、バルブV14から排出する)、設定されたQWBで、全血をインプロセス容器312から処理チャンバ18に汲み出す。赤血球は、収集のために、収集容器308のチューブ294を通って、チャンバ18を出る。赤血球の流速は、QWBの大きさに直接依存する。
【0417】
この時間の間、血液処理回路46はまた、予め設定した時間(例えば、20秒)の間、血漿ポンプPP2の作動を中断するようにプログラムされる。これは、インターフェースを分離チャンバの中央に戻す。この予め設定した時間の後、低流速(例えば、10ml/分)で短時間(例えば、10秒)だけ、血漿ポンプPP2の作動が再開される。スピルが補正された場合、清浄な血漿が第1センサ334により検出され、そして血液処理回路46の正常な作動が再開される。清浄な血漿が感知されない場合、これはオーバースピルが補正されていないことを示し、血液処理回路46は上記の手順を繰り返す。
【0418】
オーバースピル状態を解放するための回路のプログラミングを以下の表に概説する。
【0419】
(表)
オーバースピル状態を開放するための血液処理回路のプログラミング(血漿収集手順)
【0420】
【表12】
Figure 0004570306
【0421】
オバースピル状態の補正の際に、このコントローラ16は、規定の血液処理を再開すために血液処理回路46を戻すが、パーセント減少因子(%RF)を、オバースピル状態が最初に感知された時点で設定されたQPに適用する。この減少因子(%RF)は、オバースピルの間の時間の関数であり、すなわち、%RFは、オバースピルの頻度が増加するにつれ増加し、そしてその逆も然りである。
【0422】
設定されたQpが低すぎる場合、第2センサ336は、設定レベル未満の赤血球のヘマトクリットの減少を感知し、これは、アンダースピル状態を示す。
【0423】
アンダースピル状態に応答して、このシステムコントローラ16は、設定されたQWB近くのQPをリセットする。処理を続ける場合、このインターフェースは、適時、低−G壁へ逆に移動する。このコントローラ16は、第2センサ336が、所望の設定レベルを上回る赤血球のヘマトクリットを検出するまで、これらの設定を維持する。この時点で、コントローラ16は、パーセント増大因子(%EF)をアンダースピル状態が最初に感知された時点で設定されるQPに適用する。この増大因子(%EF)は、アンダースピルの間の時間の関数であり、すなわち、%EFは、アンダースピルの頻度が増加するにつれ増加する。
【0424】
コントローラ16が、多試行(例えば、3回の試行)後に、所定のアンダースピルまたはオバースピル状態を補正し得ない場合、警報が命令される。
【0425】
(2.赤血球のみの収集手順)
赤血球のみを収集して、血漿を収集しない手順(例えば、ダブルユニット赤血球収集手順(Double Unit Red Blood Cell Collection Procedure))において、QPは、QP(Ideal)未満に設定され、そしてQWBは、この手順のために、処理チャンバ18への所望の全血入口流速に設定され、これは、一般的に、ダブルユニット赤血球収集手順について約50ml/分である。
【0426】
ダブルユニット赤血球収集手順の間、オバースピルが頻繁に発生することが所望され得る。これは、収集のために赤血球のヘマトクリットを最大にし、そしてバフィーコートを血漿と共にドナーに戻す。オバースピルが設定される頻度未満で発生する場合、QPは、経時的に増加する。同様に、QPは、オバースピルが、設定される頻度を上回って発生する場合、経時的に減少する。しかし、所望でない高いヘマトクリットを避けるために、QP(Ideal)で作動することが同様に所望され得る。
【0427】
このシステムコントローラ16は、所望の赤血球収集容量が達成されるまで、この方法でポンプ設定を制御し、アンダースピルまたはオバースピルが、発生する場合、これらを処理する。
【0428】
第1センサ334は、血漿中の赤血球の存在によってオバースピルを検出する。オバースピル状態に対応して、このシステムコントローラ16は、処理チャンバから血漿を汲み出すために血漿収集ポンプの作動を解除し、一方で、設定されたQWBを不変に保つ。
【0429】
オバースピル応答を実施するために、血液処理回路46は、直前の表に記載の様式で、血漿ポンプPP2およびインプロセスポンプPP1を作動するように、プログラムされる(バルブおよびポンプステーションへの選択的な圧力の付与を通じて)。チューブ292中で検出された赤血球は、これにより、処理チャンバ18に戻され、そしてこれにより、血漿収集容器304に入るのを防がれる。
【0430】
インターフェースは、適時、高−G壁へ逆移動する。このコントローラ16は、第2センサ336が、設定レベルを下回る赤血球のヘマトクリットの減少を検出するまで、これらの設定を維持し、これは、アンダースピル状態を示す。
【0431】
アンダースピル状態に対応して、このシステムコントローラ16は、第2センサ336が、所望の設定レベルを上回る赤血球のヘマトクリットを検出するまで、QPを増加する。この時点で、コントローラ16は、最も新しいオバースピル状態が感知された時点における値にQPをリセットする。
【0432】
(3.バフィーコート収集)
所望であれば、オバースピル状態が、バフィーコート収集容器376中にバフィーコートを収集するために所定の血漿収集手順の間に周期的に誘導され得る(図10を参照のこと)。図10に示されるように、この例示の実施形態において、バフィーコート収集容器376は、カセット28のバフィーポートP4にチュービング378によって、連結される。このバフィーコート収集容器376は、重量変化を経時的に示す出力を提供する秤量スケール246に吊るされ、これにより、コントローラ16は、収集されるバフィーコートの容量を誘導する。
【0433】
この配置において、この誘導されたオバースピル状態が検出される場合、血液処理回路46は、血漿ポンプPP2を作動する(すなわち、バルブV12を通じて汲み出し、そしてバルブV10を通じて外に排出する)ように、プログラムされ(バルブステーションおよびポンプステーションへの選択的な圧力の適用を通じて)、チューブ378を通じて処理チャンバ18から血漿を汲み出し、一方で、バルブV4およびV6を閉鎖し、そしてバルブV8を開放する。このチューブ378内のバフィーコートは、バフィーコート収集容器376に運搬される。この血液処理回路46はまた、インプロセスポンプPP1を作動する(すなわち、バルブV9を通じて汲み出し、そしてバルブV14から排出する)ために、この時の間にプログラムされ、設定されたQWBで、インプロセス容器312から処理チャンバ18へ全血を汲み出す。赤血球は、収集容器308における収集のために、チューブ294を通じて、チャンバ18を出る。
【0434】
このバフィーコート収集容器376中にバフィーコートを収集することによって、オバースピル状態を開放するための回路のプログラミングは、以下の表で概説される。
【0435】
(表)
(バフィーコートを収集することによって、オバースピル状態を開放するための血液処理回路のプログラムミング(血漿収集手順))
【0436】
【表13】
Figure 0004570306
【0437】
規定容量のバフィーコートを、バフィーコート収集容器376に運搬(秤量スケール246によってモニタリングされる)した後、規定の血液処理状態が取り戻される。バフィーコートをチューブ378に移動させるオバースピル状態は、所望のバフィーコート容量がバフィーコート収集容器中に収集されるまで、この処理期間の間、規定の間隔で誘導され得る。
【0438】
(VI.別のプログラム可能な血液処理回路)
(A.回路の図)
上記のように、プログラム可能な血液処理回路46の種々の配置が、可能である。図5は、1つの代表的な配置46を概略的に示し、この配置のプログラム可能な特徴は、記載された。図34は、匹敵するプログラム可能な特徴を有する血液処理回路46’の別の代表的な配置を示す。
【0439】
回路46のように、回路46’は、いくつかのポンプステーションPP(N)を備え、これらのポンプステーションは、インラインバルブV(N)のアレイを通る流体流路F(N)のパターンによって相互接続される。この回路は、ポートP(N)によって血液処理セットの残部に連結される。
【0440】
回路46’は、流路F1〜F33のプログラム可能なネットワークを備える。回路46’は、11個の汎用ポートP1〜P8およびP11〜P13、ならびに4個の汎用ポンプステーションPP1、PP2、PP3、およびPP4を備える。インラインバルブV1〜V21およびV23〜V25の選択的作動によって、任意の汎用ポートP1〜P8およびP11〜P13は、任意の汎用ポンプステーションPP1、PP2、PP3およびPP4とフロー連絡して配置され得る。汎用バルブの選択的作動によって、流体フローは、任意の汎用ポンプステーションを通って、2個のバルブ間で前方方向または逆方向に向けられるか、あるいは単一バルブを通って内外の方向に向けられ得る。
【0441】
例示の実施形態において、この回路46’はまた、2個のポートP9およびP10ならびに1個のインラインポンプステーションPP5を有する、分離流路(流路F9、F23、F24、およびF10を構成する)を備える。この流路は、外部チュービングを有さない回路46’内の任意の他の流路と直接フロー連絡して配置され得ないので、「分離」と呼ばれる。このインラインバルブV21およびV22の選択的作動により、流体フローは、ポンプステーションPP5を通って、2個のバルブ間で前方方向または逆方向に向けられるか、あるいは単一バルブを通って内外の方向に向けられ得る。
【0442】
回路46のように、回路46’は、種々のポンプステーションに専用のポンピング機能を与えるようにプログラムされ得る。好ましい実施形態において、一列の汎用ポンプステーションPP3およびPP4は、実施される特定の血液手順に関係なく、多目的ドナーインターフェースポンプとして役に立つ。この回路46’中のデュアルドナーインターフェイスポンプステーションPP3およびPP4は、並行して作動する。1方のポンプステーションは、流体をそのポンプチャンバに汲み出し、一方で、他方のポンプステーションは、そのポンプチャンバから流体を排出する。ポンプステーションPP3およびPP4は、汲み出しおよび排出機能を交替させる。
【0443】
好ましい配置において、この汲み出しポンプステーションの汲み出しサイクルは、排出ポンプステーションの排出サイクルよりも長くなるように調節される。これにより、ポンプステーションの入口側に流体の連続的なフローを提供し、そしてポンプステーションの出口側に脈動流を提供する。1つの代表的な実施形態において、汲み出しサイクルは、10秒間であり、そして排出サイクルは、1秒間である。この排出ポンプステーションは、汲み出しポンプの汲み出しサイクルの最初に1秒間サイクルを実施し、次いで、この汲み出しサイクルの残りの9秒間停止する。次いで、このポンプステーションは、汲み出し機能および排出機能を切り換える。これにより、連続入口フローおよび脈動性出口フローを生み出す。流体が、この手順を通じて汲み出しポンプステーションに連続的に導かれる場合、2つの交互のポンプステーションPP3およびPP4の提供は、全処理時間を減らすのに役に立つ。
【0444】
この配置において、回路46’の分離ポンプステーションPP5は、回路46中のポンプステーションPP4のように、専用の抗凝固剤ポンプとして役に立ち、ソースからポートP10を通って抗凝固剤を汲み出し、そしてポートP9を通って血液に入る抗凝固剤を測定する。
【0445】
この配置において、回路46においてのように、汎用ポンプステーションPP1は、実施される特定の血液処理手順に関係なく、専用のインプロセス全血ポンプとして役立ち、全血を血液分離器に運搬する。回路46でのように、ポンプステーションPP1の専用の機能は、ドナーインターフェースポンプPP3およびPP4を、全血をこの血液分離器に供給する付加機能から除く。従って、このインプロセス全血ポンプPP1は、血液分離器への血液の連続的な供給を維持し得、一方、ドナーインターフェースポンプPP3およびPP4は、単一の静脈切開針を通して、同時に、血液をドナーから汲み出しかつ戻すように、一列で作動する。従って、この回路46’は、処理時間を最小にする。
【0446】
この配置において、回路46でのように、回路46’の汎用ポンプステーションPP2は、実施される特定の血液処理手順に関係なく、血漿ポンプとして役立ち、血漿を血液分離器から運搬する。回路46においてのように、回路46’内に分離ポンピング機能を与える能力により、分離器内へおよび分離器外へ、ならびにドナーにおよびドナーから連続した血液のフローを提供する。
【0447】
回路46’は、回路46について上記された異なる手順の全てを実施するように、プログラムされ得る。特定の血液処理手順の目的に依存して、この回路46’は、保存または分取の目的で、全てのまたはいくらかの血漿を保持するか、あるいはドナーに血漿の全てまたはいくらかを戻すようにプログラムされ得る。この回路46’は、特定の血液処理手順の目的に依存して、保存のために赤血球の全てまたはいくらかを収容するか、あるいはドナーに赤血球の全てまたはいくらかを戻すように、さらにプログラムされ得る。この回路46’はまた、特定の血液処理手順の目的に依存して、保存のためにバフィーコートの全てまたはいくらかを収容するか、あるいはドナーにバフィーコートの全てまたはいくらかを戻すようにプログラムされ得る。
【0448】
好ましい実施形態(図34を参照のこと)において、この回路46’は、一部の汎用セット264’を形成し、この汎用セット264’は、ポートP1〜P13に連結されている。
【0449】
さらに詳細には、静脈切開針268’に接続されたドナーチューブ266’は、回路46’のポートP8に接続される。静脈切開針268’に連結される抗凝固剤チューブ270’は、ポートP9に連結される。抗凝固剤を収容する容器276’は、チューブ274’を介してポートP10に連結される。
【0450】
赤血球添加物溶液を収容する容器280’は、チューブ278’を介してポートP3に連結される。生理食塩水を収容する容器288’は、チューブ284’を介してポートP12に連結される。保存容器289’は、チューブ291’を介してポートP13に連結される。インライン白血球除去フィルター293’は、ポートP13と保存容器289’との間のチューブ291’によって保持される。容器276’、280’、288’および289’は、ポートに一体的に接続されるか、または使用時間に、適切な滅菌連絡を通して接続され得、これにより、滅菌の閉じた血液処理環境を維持する。
【0451】
チューブ290’、292’、および294’は、供給ライン296’まで伸び、この供給ラインは、処理チャンバ18’に連結される。これらのチューブ290’、292’、および294’は、それぞれ、ポートP5、P6、およびP7に連結される。このチューブ290’は、インプロセスポンプステーションPP1の作動下で、全血を処理チャンバ18に運搬する。チューブ292’は、血漿ポンプチャンバPP2の作動下で、血漿を処理チャンバ18’から運搬する。このチューブ294’は、処理チャンバ18’から赤血球を運搬する。
【0452】
血漿収集容器304’は、チューブ302’によりポートP3に連結される。この収集容器304’は、使用の際、処理の間に血漿のリザーバとして役立つことが意図される。
【0453】
赤血球収集容器308’は、チューブ306’によってポートP2に連結される。収集容器308’は、使用の際、保存用の赤血球のユニットを受容することが意図される。
【0454】
バフィーコート収集容器376’は、チューブ377’によってポートP4に連結される。この容器376’は、使用の際、保存用のバフィーコートの容量を受容することが意図される。
【0455】
全血リザーバ312’は、チューブ310’によって、ポートP1に連結される。この収集容器312’は、使用の際、ドナーインターフェースポンプPP3およびPP4の作動の間に全血を受容し、処置の間に全血のリザーバとして役立つことが意図される。これはまた、保存用の赤血球の第2ユニットを受容するのに、役に立ち得る。
【0456】
(B.カセット)
図35および36は、プログラム可能な流体回路46’が、押出し形成され、空気圧式に制御されたカセット28’として実施され得ることを示す。このカセット28’は、上述のように空気圧式ポンプおよびバルブステーション30と相互作用し、同じ集中化し、プログラム可能で、一体化したプラットフォームをカセット28として提供する。
【0457】
図35および36は、流体回路46’(図34に概略的に示される)が実施されるカセット28’を示す。カセット28について上述されるように、内部ウェル、キャビティー、およびチャンネルのアレイは、図34に概略的に示されるように、ポンプステーションPP1〜PP5、バルブステーションV1〜V25および流路F1〜F33を規定するように、カセット本体188’の前面190’および後面192’の両方に形成される。図36において、流路F1〜F33は、可視化を容易にするために陰をつけられている。可撓性ダイヤフラム194’および196’は、カセット本体188’の前面190’および後面192’を覆い、ポンプステーションPP1〜PP5、バルブV1〜V25、および流路F1〜F33を囲む直立周辺端に当接する。予め成形されたポートP1〜P13は、カセット本体188’の2つの側部端に沿って伸長する。
【0458】
カセット28’は、図2に示されるのと同じ様式で、ポンプおよびバルブステーション30での使用のために垂直に取り付けられる。この配向(図36に示される)において、側部192’は、外側に向き、ポートP8〜P13は、下側に向き、そしてポートP1〜P7は、一方をその他方上に、垂直に積み重ねられ、かつ内側に向いている。
【0459】
上述のように、ダイヤフラム194’上のポジティブな流体圧およびネガティブな流体圧のポンプおよびバルブステーション30によって局在化された適用は、バルブステーションV1〜V25を開閉するため、またはポンプステーションPP1〜PP5から液体を排出し、そして汲み出すために、ダイヤフラムを曲げるのに役に立つ。
【0460】
さらなる内部キャビティー200’は、カセット本体188’の後面192’に提供される。このキャビティー200’は、血液処理の間に形成され得る血塊および細胞の凝集を除去するための血液フィルター材料を収容するステーションを形成する。図34に概略的に示されるように、キャビティー200’は、ポートP8とドナーインターフェースポンプステーションPP3およびPP4との間の回路46’内に配置され、その結果、ドナーに戻される血液は、このフィルターを通過する。戻りの血液フローは、流路F27を通ってキャビティー200’に入り、そして流路F8を通ってキャビティー200’を出る。このキャビティー200’はまた、ドナーへのおよびドナーからの流路における空気をトラップするのに役に立つ。
【0461】
別の内部キャビティー201’(図35を参照のこと)がまた、カセット本体188’の後面192’に提供される。キャビティー201’は、インプロセス(in−process)ポンピングステーションPP1のポートP5とバルブV16との間の回路46’に配置される。血液は、開口203’を通じて流路F16からキャビティー201’に入り、そして開口205’を通り、キャビティー201’を出て、流路F5に入る。キャビティー201’は、分離チャンバ26’として働く流路において、カセット本体188’内の別の空気トラップとして働く。キャビティー201’はまた、分離チャンバとして働くインプロセスポンプPP1の脈動性ポンプストロークを鈍らせるためのキャパシターとして働く。
【0462】
(C.関連した空気マニホルドアセンブリ)
図43は、空気マニホルドアセンブリ226’を示す。このアセンブリ226’は、カセット28’と共同して用いられ、陽性空気圧および陰性空気圧を供給し、カセット28’を通して液体を運搬し得る。ダイヤフラムの前面194’は、ポンプステーション20のドア32が閉じられ、そしてブラダー314が膨張されるとき、マニホルドアセンブリ226’に対して緊密な係合で収容される。コントローラ16の制御下で、このマニホルドアセンブリ226’は、カセット28’のポンプならびにバルブアクチュエータPA(N)およびVA(N)に、種々の圧力および減圧レベルを選択的に分配する。これらのレベルの圧力および減圧は、カセット28’、経路血液および処理液体に体系的に適用される。コントローラ16の制御下で、マニホルドアセンブリ226はまた、ドアブラダー314(記載済み)ならびにドナー圧カフ(これも記載済み)およびドナーラインオクルダ320(これも記載済み)に圧力レベルを分配する。図43に示される、カセット28’のためのマニホルドアセンブリ226’は、図12に示されるように、カセット28について以前に記載されたマニホルドアセンブリ226と多くの性質を共有する。
【0463】
マニホルドアセンブリ226と同様、マニホルドアセンブリ226’は、空気圧ソース234’と連結される。これは、マニホルドアセンブリ226’の後面の蓋40内で行われる。マニホルドアセンブリ226における場合、マニホルドアセンブリ226のための圧力ソース234’は、2つのコンプレッサC1’およびC2’を備える。しかし1つまたはいくつかのデュアルヘッド(dual−head)コンプレッサがまた用いられ得る。コンプレッサC1は、マニホルド226’を通してカセット28’に陰圧を供給する。他のコンプレッサC2’は、マニホルド226’を通してカセット28に陽圧を供給する。
【0464】
図43に示すように、マニホルド226’は、5つのポンプアクチュエータであるPA1〜PA4、および25のバルブアクチュエータVA1〜VA25を備える。ポンプアクチュエータPA1〜PA5およびバルブアクチュエータVA1〜VA25は、カセット28’の前面190’上に、ポンプステーションPP1〜PP5およびバルブステーションV1〜V25の鏡像を形成するように交互に配向される。
【0465】
マニホルドアセンブリ226と同様に、図43に示されるマニホルドアセンブリ226’は、ソレノイド作動性空気バルブのアレイを備える。これは、ポンプおよびバルブアクチュエータPA1〜PA5およびVA1〜VA25とインラインで連結される。
【0466】
マニホルドアセンブリ226と同様に、マニホルドアセンブリ226’は、コントローラー16の制御下で、いくつかの異なる圧力および減圧条件を維持する。
【0467】
以前に記載されたように、マニホルドアセンブリ226と接続して、Phard(すなわち、高い圧力)、およびPinpr(すなわち、インプロセス圧力)は、高い陽圧(例えば、+500mmHg)である。この陽圧は、カセットバルブV1〜V25を閉じるためにマニホルドアセンブリ226’により維持され、そしてインプロセスポンプPP1および血漿ポンプPP2から液体の圧出を駆動する。以前に説明されたように、Pinprの大きさは、代表的には処理チャンバ18内に存在する約300mmHgの最小圧力に打ち勝つに十分でなければならない。ポンピングと併せて用いられる上流のバルブおよび下流のバルブが、ポンプを作動するために適用される圧力により開放を強制されないことを確実にするために、PinprおよびPhardは、最高圧力で作動される。
【0468】
Pgen(すなわち、通常の圧力(+300mmHg))が適用され、ドナーインターフェースポンプPP3およびPP4ならびに抗凝固剤ポンプPP5からの液体の圧出を駆動する。
【0469】
Vhard(すなわち、高い減圧(−350mmHg))は、カセットバルブV1〜V25を開放するためにマニホルドアセンブリ226’に適用される最大の減圧である。Vgen(すなわち、通常の減圧(−300mmHg))は、ポンプPP1〜PP5のそれぞれの汲み出し機能を駆動するために適用される。ポンプPP1〜PP5が上流および下流のカセットバルブV1〜V25に打ち勝たないことを確実にするため、Vgenは、Vhardほど厳しくない必要がある。
【0470】
主要な高い圧力ライン322’および主要な減圧ライン324’は、マニホルドアセンブリ324においてPhardおよびVhardを分配する。この圧力および減圧のソース234’は、連続的に作動し、高い圧力ライン322’にPhardを供給し、そして高い減圧ライン324’にVhardを供給する。圧力センサS2は、高い圧力ライン322’中のPhardをモニターする。このセンサS2は、ソレノイド38を開放しそして閉鎖し、Phardをその最大セット値に増加させる。
【0471】
同様に、高い減圧ライン324’中の圧力センサS6は、Vhardをモニターする。このセンサS6は、ソレノイド43を制御し、Vhardをその最大値に維持する。
【0472】
通常の圧力ライン326’は、高い圧力ライン322’から分岐する。通常の圧力ライン326’中のセンサS4は、Pgenをモニターする。このセンサS2は、ソレノイド34をコントロールし、Pgenをその特定された圧力範囲内に維持する。
【0473】
通常の減圧ライン330’は、高い減圧ライン324’から分岐する。センサS5は、通常の減圧ライン330’中のVgenをモニターする。センサS5は、ソレノイド45を制御し、Vgenをその特定化された減圧範囲内に維持する。
【0474】
インラインリザーバR1〜R4は、高い圧力ライン322、通常の圧力ライン326’、高い減圧ライン324’、および通常の減圧ライン330’に提供される。リザーバR1〜R4は、上記の定圧および減圧の調節が円滑かつ予測可能であることを確実にする。
【0475】
ソレノイド32および43は、手順の完了の際に、それぞれ圧力および減圧のためのベントを提供する。
【0476】
ソレノイド41、2、46、および47は、ポンプおよびバルブアクチュエータに減圧および圧力を供給する空気ラインからリザーバR1〜R4を隔てる性能を提供する。これは、より急速な圧力/減圧減衰フィードバックを提供し、これにより、カセット/マニホルドアセンブリの密閉完全性の試験が、達成され得る。
【0477】
ソレノイド1〜25は、PhardまたはVhardを提供し、バルブアクチュエータVA1〜V25を駆動する。ソレノイド27および28は、PinerおよびVgenを提供し、インプロセスポンプおよび血漿ポンプ、PP1およびPP2を駆動する。ソレノイド30および31は、PgenおよびVgenを提供し、ドナーインターフェースポンプアクチュエータPA3およびPA4を駆動する。ソレノイド29は、PgenおよびVgenを提供し、ACポンプアクチュエータPP5を駆動する。
【0478】
ソレノイド35は、手順の間、高い圧力ライン322’からのドアブラダー314の隔離を提供する。センサS1は、Pdoorをモニターし、そしてソレノイド35を制御してその圧力をその特定された範囲内に保持する。
【0479】
ソレノイド40は、Phardを提供し安全閉鎖バルブ320’を開放する。ドナーを危険にさらし得るどのような誤差モードもソレノイド40を緩め(通気し)、オクルダ320’を閉鎖し、そしてドナーを隔離する。同様に、どのようなパワーの損失もソレノイド40を緩め、そしてドナーを隔離する。
【0480】
センサS3は、Pcuffをモニターし、そしてソレノイド36(圧力を増大するために)、およびソレノイド37(通気するため)と連絡して、この手順の間、その特定の範囲内にドナーカフを維持する。
【0481】
前に説明したように、任意のソレノイドが「正常に開放する」モードで作動され得るか、または「正常に閉鎖する」モードで作動されるように空気式に再通路付けされ得、そしてその逆もしかりである。
【0482】
(D.代表的ポンピング機能)
カセット28により実施される流体回路46のプログラミングの前述の記載に基づいて、当業者は、カセット28’により実行される流体回路46’を同様にプログラミングし、すでに記載された種々の血液処理機能の全てを実行し得る。種々の血液処理手順に共通の、流体回路46’のための特定のポンピング機能は、1例として記載される。
【0483】
(1.インプロセス容器への全血流)
所定の血液収集回路の第1のフェーズにおいて、血液処理回路46’は、分離の前にインプロセス容器312’中に抗凝固全血を移動するためにドナーインターフェースポンプPP3およびPP4を合同して作動するように(カセット28’のバルブおよびポンプステーションに対する圧力の選択的適用を通じて)、プログラムされる。
【0484】
第1フェーズ(37Aを参照のこと)において、ポンプPP3は、10秒間の汲み出しサイクルで(すなわち、バルブV6、V14、V18およびV15を閉鎖した状態で、バルブV12およびV13を通じて)、抗凝固ポンプPP5と一列で(すなわち、バルブV22を通って内に、およびバルブV21を通って外に)作動され、ドナーチューブ270を通ってポンプPP3へ抗凝固血液を汲み出す。同時に、ドナーインターフェースポンプPP4は、1秒の排出サイクル(expel cycle)で作動され、抗凝固血液を、流路F20およびF1を通じて(開口バルブV4を通じて)、そのチャンバから処理容器312’へ排出する(バルブV7を通って外へ)。
【0485】
ポンプPP3についての汲み出しサイクル(例えば、図37Bを参照のこと)の終わりに、ドナーチューブ270を通してポンプPP4に抗凝固血液を汲み出すために、抗凝固剤ポンプPP5と一列で、10秒汲み出しサイクルで、ドナーインターフェースポンプPP4を作動するように(すなわち、バルブV13、V18およびV18を閉鎖した状態で、バルブV12およびV14を通って中に)、血液処理サイクル46’をプログラムする。同時に、ドナーインターフェースポンプPP3は、1秒排出サイクルで作動され、そのチャンバから処理容器312’中に、流路F20およびF1を通じて(開口バルブV4を通じて)抗凝固血液を排出する(バルブV6を通って外へ)。
【0486】
これらの変化するサイクルは、抗凝固全血の漸増する容量が、重量センサによりモニターされながら、インプロセス容器312’に入るまで続く。図37Cに示すように、血液処理サイクル46’は、回路46に関して以前に記載した様式で、血漿を血漿容器304中へ(開口バルブV9を通じて)、そして赤血球を赤血球容器308へ(開口バルブV2を通じて)移動しながら、インプロセスポンプステーションPP1を作動するように(すなわち、バルブV1を通って中に、およびバルブV16を通って外に)、そして血漿ポンプPP2がインプロセス容器312から分離のために処理化チャンバ18’に抗凝固全血を運ぶように(すなわち、バルブV9を開放し、そしてバルブV10を閉鎖した状態で、バルブV17を通って中に、そしてバルブV11を通って外へ)、プログラムされる。このフェーズは、血漿の漸増する容量が血漿収集容器304に収集される(重量センサによりモニターされる場合)まで、または赤血球の目標容量が赤血球収集容器に収集される(重量センサによりモニターされる場合)まで続く。ドナーインターフェースポンプPP3およびPP4は、血液処理が進行する場合、所定の最小レベルと最大レベルとの間でインプロセス容器312’中の抗凝固全血の容積を保持するために、必要な場合、交互の汲み出しサイクルおよび排出サイクルを実行するために切り換える。
【0487】
(2.生理食塩水のインライン添加による赤血球のリターン)
ドナーに赤血球を戻すことが所望される場合(図37Dを参照のこと)、血液処理回路46’は、赤血球を赤血球容器308’からポンプPP3へ(バルブV10を閉鎖した状態で、開口バルブV2、V3およびV5を通して)汲み出すために、10秒汲み出しサイクルで、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動するように(すなわち、バルブV13およびV7を閉鎖した状態で、バルブV6を通じて)、プログラムされる。同時に、ドナーインターフェースポンプPP4は、1秒排出サイクルで作動され、赤血球を、フィルターキャビティー200’を通してそのチャンバからドナーへ排出する(バルブV12およびV21を閉鎖した状態で、バルブV14およびV18を通って外へ)。
【0488】
ポンプPP3についての汲み出しサイクルの終了時に(図37Eを参照のこと)、血液処理回路46’は、赤血球を赤血球容器308’からポンプPP4に汲み出すために、10秒汲み出しサイクルでドナーインターフェーズポンプPP4を作動するように(すなわち、バルブV6およびV14を閉鎖した状態で、バルブV7を通って中へ)プログラムされる。同時に、ドナーインターフェースポンプPP3は、1秒排出サイクルで作動され、フィルターチャンバ200’を通してそのチャンバからドナーへ赤血球を排出する(バルブV12を閉鎖した状態で、バルブV13およびV18を通って外へ)。これらの交互のサイクルは、所望の容量の赤血球がドナーに戻るまで続く。
【0489】
同時に、バルブV24、V20およびV8は開放され、それにより汲み出しポンプステーションPP3またはPP4はまた、チャンバに汲み出される赤血球と混合するため、生理食塩水容器288’から生理食塩水を汲み出す。既に説明したとおり、生理食塩水と赤血球とのインライン混合は、生理食塩水の温度を上げ、そしてドナーの快適性を改善するがまた、赤血球のヘマトクリットを低下する。
【0490】
同時に、流体回路46に関して以前に記載した様式で、血漿を血漿容器304中へ移動しながら、分離のためにインプロセス容器312から処理チャンバへ抗凝固全血を運搬するために、インプロセスポンプPP1(すなわち、バルブV1を通って内に、そしてバルブV16を通って外に)、および血漿ポンプPP2(すなわち、バルブV9を開放した状態で、バルブV17を通って中に、そしてバルブV11を通って外へ)が作動される。
【0491】
(3.赤血球添加物溶液のインライン添加)
赤血球が保存のために収集される(例えば、ダブル赤血球収集手順(Double Red Blood Cell Collection Procedure)または血漿収集手順(Red Blood CellおよびPlasma Collection Procedure))血液処理手順において、回路46’は、赤血球保存溶液を容器280’からポンプPP3へ汲み出すために、10秒汲み出しサイクルで、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動するように(バルブ23を開放し、そしてバルブV8、V12およびV18を閉鎖した状態で、バルブV15およびV13を通って内へ)、プログラムされる(図38Aを参照のこと)。同時に、回路46’は、赤血球保存溶液を赤血球が残っている容器(例えば、インプロセス容器312)(開口バルブV4を通じて)、または赤血球収集容器308’(バルブV10を閉鎖した状態で、開口バルブV5、V3およびV2を通じて)に排出するため、1秒排出サイクルで(バルブV14およびV18を閉鎖した状態で、バルブV7を通って外へ)ドナーインターフェースポンプステーションをPP4作動するように、プログラムされる。
【0492】
ポンプPP3の汲み出しサイクルの終わりに(図38Bを参照のこと)、血液処理回路46’は、赤血球保存溶液を容器280’からポンプPP4に汲み出すために、10秒汲み出しサイクルでドナーインターフェースポンプPP4を作動するように(すなわち、バルブV7、V18、V12およびV13(閉鎖した状態で、バルブV14を通って中へ)プログラムされる。同時に、ドナーインターフェースポンプPP3は、1秒排出サイクルで作動され、赤血球保存溶液を赤血球が残る容器中に排出する(バルブV13およびV12を閉鎖した状態で、バルブV16を通って外へ)。これらの交互のサイクルは、所望の容量の赤血球保存溶液が赤血球に添加されるまで続く。
【0493】
(4.インライン白血球枯渇)
回路46’は、収集した赤血球からの白血球のオンライン枯渇を行う能力を提供する。このモードにおいて(図39Aを参照のこと)、回路46’は、赤血球が残っている容器(例えば、インプロセス容器312’)(開口バルブV4を通じて)または赤血球収集容器308(バルブV10を閉鎖した状態で、開口バルブV5、V3およびV2を通じて)から、赤血球をポンプPP3に汲み出すため、10秒汲み出しサイクルで、ドナーインターフェースポンプステーションPP3を作動するように(バルブV13およびV12を閉鎖した状態で、バルブV6を通って中に)、プログラムされる。同時に、回路46’は、インライン白血球枯渇フィルター293’を通じるチューブ291’を通じて、白血球枯渇化赤血球保存容器289’へ赤血球を排出するために、1秒排出サイクルで、ドナーインターフェースポンプステーションPP4を作動するように(バルブV18およびV8を閉鎖し、そしてバルブV15およびV25を開放した状態で、バルブV14を通って外へ)、プログラムされる。
【0494】
ポンプPP3についての汲み出しサイクルの終了時に(図39Bを参照のこと)、血液処理回路46’は、赤血球を容器312’または308’からポンプPP4に汲み出すために、10秒汲み出しサイクルでドナーインターフェースポンプPP4を作動するように(すなわち、バルブV14およびV18を閉鎖した状態で、バルブV7を通って中へ)プログラムされる。同時に、ドナーインターフェースポンプPP3は、1秒排出サイクルで作動され、インライン白血球枯渇フィルター293’を通じるチューブ291’を通じて、白血球枯渇化赤血球保存容器289’へ赤血球を排出する(バルブV12を閉鎖し、そしてバルブV15およびV25を開放した状態で、バルブV13を通って外へ)。これらの交互のサイクルは、所望の容量の赤血球がフィルター293から容器289’に移されるまで続く。
【0495】
(5.段階的バフィーコート回収)
回路46において(図5を参照のこと)、バフィーコートをポートP4を通じて回収する。これはフローラインF26から分岐するフローラインF4により行われる。このラインF26は、血漿ポンプステーションPP2から血漿収集容器304に血漿を運ぶ(図10も参照のこと)。回路46’において(図34を参照のこと)、バフイーコートは、バルブV19により制御されるように、流路F6からポートP4を通じて収集される。バフィーコート収集経路は、血漿ポンプステーションPP2を迂回し、バフィーコートへの曝露なしで、血漿ポンプステーションPP2を保持し、これにより、収集した血漿をバフィーコート成分による汚染から守る。
【0496】
分離の間、システムコントローラ(記載済み)は、分離チャンバ18’内のバフィーコート層を、血漿収集ライン292から離れて、低−G壁から間隔をあけて維持する(図15Aを参照のこと)。これにより、チャンバから血漿収集容器304’へ、血漿ポンプPP2の作動により血漿が運ばれる処理の間、バフィーコート成分が蓄積することが可能になる。
【0497】
蓄積したバフィーコート成分を収集するために、コントローラは、バフィーコート収集バルブV19を開放し、そして血漿ポンプステーションPP2の入口バルブV17および赤血球収集バルブV2を閉鎖する。このインプロセスポンプPP1は、全血をチャンバ18’に移す動作を続ける。チャンバ18’への全血のこの流れは、低−G壁へバフィーコートを動かし、オーバースピル状態を生じる(図15Bを参照のこと)。このバフィーコート成分は、血漿収集ライン292’に入り、そしてポートP6を通じて流路F6に入る。回路46’は、収集容器376’中へのポートP4を通じる通過のために、開口バルブV19を通じて直接経路F4中へ、F6中のバフィーコート成分を運搬する。
【0498】
バルブ19は、検知ステーション332が赤血球の存在を検知したとき、閉鎖される。血漿ポンピングステーションPP2は、残りの赤血球をチューブ292’から分離チャンバに戻しフラッシュするために、収集容器302’からチューブ292’を通して分離チャンバへむけて血漿を流すように、一時的に逆流方向に作動され得る(バルブV9を開放した状態で、バルブV11から中へ、そしてバルブV17を通って外へ)。このコントローラは、分離チャンバから収集容器302’への血漿運搬を再開するために、赤血球収集バルブV2を開放すること、および血漿ポンピングステーションPP2を作動すること(バルブV17を通って中へ、そしてバルブV11を通って外へ)により、正常な血漿および赤血球収集を再開し得る。
【0499】
収集のためのバフィーコートの動きを生じるオーバースピル状態は、所望のバフィーコート容量がバフイーコート収集容器中に収集されるまで、処理期間中、所定の間隔で誘導され得る。
【0500】
(6.種々雑多)
図43が想像線で示すように、マニホールドアセンブリ226’は、内部キャビティ201’に重なる可撓性ダイヤフラムの領域にPHARDを選択的に適用する補助空気式アクチュエータAAUXを備え得る(図35を参照のこと)。先に記載したように、ポンピングステーションPP1によって(アクチュエータPA2によるPHARDの適用によって)放出される全血は、開口部203’および205’を通じて処理チャンバ18’へと流路F5を侵入する。次に続くPP1のストロークの間に、アクチュエータPA2によるVGENの適用によってポンピングチャンバPP1へと全血を流すために、キャビティ201’に残存する残りの全血を、開口部205’を通じて流路F5に放出し、そしてAAUXによるPHARDの適用によってプロセシングチャンバ18’に放出する。キャビティ201’はまた、分離チャンバ18’を提供するインプロセスポンプPP1の脈動ポンプストロークを弱らせるコンデンサとして作用する。
【0501】
使用の前に、図35および36に示されるカセット28’の封鎖完全性試験を行うことが所望される。この完全性試験は、カセット28’内のポンプおよびバルブステーションが、漏出せずに機能することを決定する。この状況において、分離チャンバ26’からカセット28’を切り離すことが所望される。回路264’におけるバルブV19およびV16(図34を参照のこと)は、全血注入口と、チャンバ18’の血漿ライン292’および296’との切り離しを提供する。赤血球ライン294’もまた切り離す可能性を提供するために、特別なバルブ流体に作動されるステーションV26を、ポートP7を提供する流体流路F7に追加し得る。図43において想像線でさらに示されるように、添加物バルブアクチュエーターVA26をマニホールドアセンブリ26’に追加して、バルブV26に正の圧力を適用し、切り離しが必要な場合バルブV26を閉じ、そして負の圧力をバルブV26に適用し、切り離しが必要でない場合バルブを開き得る。
【0502】
(VII.血液分離要素)
(A.成形された処理チャンバ)
図21〜23は、遠心分離処理チャンバ18の実施形態を示す。これは、図1に示されるシステム10と関連して使用され得る。
【0503】
例示される実施形態において、処理チャンバ18を、剛性の生体適合性プラスチック材料(例えば、非可塑化医療グレードアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS))から、例えば、射出成形によって、所望の形状および構成に前形成される。
【0504】
チャンバ18の前形成された構成は、単一成形された基部388を備える。基部388は、中心ハブ120を備える。ハブ120は、内側環状壁122および外側環状壁124によって半径方向に囲まれる(図21および23を参照のこと)。それらの間に、内側環状壁122および外側環状壁124は、周囲血液分離チャネル126を規定する。成形された環状壁148は、チャネル126の下部を閉じる(図22を参照のこと)。
【0505】
チャネル126の頂部を、別々に成形した平坦蓋150(これは、例示の目的で、図21に別々に示される)によって閉じる。組み立ての間、蓋150を、例えば、円柱状の超音波溶接ホーンの使用によって、チャンバ18の頂部に固定する。
【0506】
血液分離プロセスに影響する全ての輪郭、ポート、チャネル、および壁を、一回の射出成形操作で、基部388に前形成する。あるいは、基部388を、カップ形状のサブアセンブリまたは2つの対称な半型(halve)のいずれかを入れ子状にすることにより、形成パーツを分離することによって、形成し得る。
【0507】
蓋150は、基部388に容易に溶接され得る単純な平坦部分を備える。分離プロセスに影響する全ての形状構成が1つの射出成形構成要素に組み込まれるので、基部388と蓋150との間のいかなる許容差異も、チャンバ18の分離効率に影響しない。
【0508】
基部388において前形成される輪郭、ポート、チャネル、および壁は変動し得る。図21から23に示される実施形態において、補強壁128、130、および132の円周方向に間隔を空けられた対は、ハブ120から内側環状壁122へと広がる。補強壁128、130、132は、チャンバ18に剛性を提供する。
【0509】
図23に見られるように、内側環状壁122を、補強壁の内の一対130間で開放する。対向する補強壁は、ハブ120に開放内部領域134を形成し、これはチャネル126と連絡する。血液および流体を、供給ライン296から、この領域134を通じて分離チャネル126の内外へ誘導する。
【0510】
この実施形態において(図23に示すように)、領域134の内側に形成された成形された内部壁136は、チャネル126を全体に横切って伸長し、外側環状壁124に接合する。壁136は、分離チャネル126の末端を形成し、これは、分離の間、チャネル126に沿った円周方向の流れを中断する。
【0511】
さらなる成形された内部壁は、領域124を、3つの通路142、144、および146に分割する。この通路142、144および146は、ハブ120から伸長し、そして末端壁136の反対側でチャネル126と連絡する。血液および他の流体を、ハブ120から、これらの通路142、144および146を通じてチャネル126の内外に指向させる。より詳細に後に説明されるように、通路142、144および146は、血液成分を、様々なフローパターンでチャネル126の内外へ向かわせ得る。
【0512】
基部388の下側(図22を参照のこと)は、ある形状のレセプタクル179を備える。3つの前形成されたニップル180は、レセプタクル179を占有する。各ニップル180は、基部388の反対側で、通路142、144、146のうちの1つに通じる。
【0513】
供給ライン296の縁端は、ある形状のマウント178を備える(図24および24Aを参照のこと)。マウント178を整えてレセプタクル179の形状に対応させる。マウント178を、このように、レセプタクル179に接続し得る(図25に示されるように)。マウント178は、チャネル126と流体連絡して供給ライン296に結合する、内側の内腔398(これは、ハブ120中でニップル180にわたってスライドする)を備える(図24Aを参照のこと)。
【0514】
レセプタクル179内のリブ181(図22を参照のこと)は、マウント178上に形成されるキー溝183内に独自に適合する(図24Aを参照のこと)。リブ181とキー溝183との間の独自の適合を配列して、ある形状のマウント178をある形状のレセプタクル179に接続するために特定の方向を要求する。この方法において、供給ライン296および通路142、144および146の間の所望のフロー方向を確保する。
【0515】
例示される実施形態において、供給ライン296およびマウント178を、かなりの可撓力およびねじれ力に耐える材料(単数または複数)から形成し、そこに、供給ライン296を使用の間供する。例えば、Hytrel(登録商標)ポリエステル材料を使用し得る。
【0516】
この材料は、供給ライン296に十分適しているが、基部388のABSプラスチック材料(これは、剛性の成形された血液処理環境を提供するように選択される)とは適合しない。このように、マウント178は、従来までは、レセプタクル179に対する溶媒結合技術または超音波溶接技術によって接着され得ない。
【0517】
この配置(図24および25を参照のこと)において、ある形状のレセプタクル179およびある形状のマウント178の寸法は、好ましくは、緊密な乾式プレスフィットを提供するように選択される。さらに、ABS材料(または基部388の材料と適合する別の材料)から形成される捕獲ピース185を、好ましくは、レセプタクルの外側の供給ライン296の周りで、レセプタクル179の周辺エッジと接触させて配置する。捕獲ピース185を、例えば、圧着技術または超音波溶接技術によって、レセプタクル179の周辺エッジに固定する。捕獲ピース185は、レセプタクル181からのマウント178の不慮の分離を防止する。このようにして、供給ライン296を、不適合なプラスチック材料を使用する場合でさえ、チャンバ18の基部388に完全に連結し得る。
【0518】
遠心分離ステーション20(図26〜28を参照のこと)は、遠心分離アセンブリ48を備える。遠心分離アセンブリ48を構築して、使用のための成形された処理チャンバ18を受けそして支持する。
【0519】
例示されるように、遠心分離アセンブリ48は、底部、頂部、および側壁156、158、160を有するヨーク154を備える。ヨーク154は、底部壁156に接着する軸受け要素162を回転する。電気駆動モーター164を、軸を介してカラー154の底部壁156に結合し、軸64の周りにヨーク154を回転させる。例示した実施形態において、他の角度方向も使用し得るが、軸64を、基部38の水平面の周りに約15度傾ける。
【0520】
ロータープレート166は、ヨーク154内で、それ自体の軸受け要素168の周りに回転し、この要素は、ヨーク154の頂部壁158に接着されている。ロータープレート166は、ヨーク154の回転64の軸とほぼ一直線上の軸の周りを回転する。
【0521】
処理チャンバ18の頂部は、環状リップ380を備え、それに、蓋150が固定される。ロータープレート166の周囲にもたらされるグリッピングタブ382は、リップ380とスナップフィット係合を作成して、回転のためのロータープレート166上に処理チャンバ18を固定する。
【0522】
供給ライン296の近位端上のシース182は、遠心分離ステーション20中でブラケット184に嵌合する。ブラケット184は、ヨーク154およびロータープレート166の相互に整列させた回転軸64と整列させた非回転静止位置で供給ライン296の近位端を保持する。
【0523】
ヨーク154のいずれかまたは両方の側壁160から突出するアーム186は、ヨーク154の回転の間、供給ライン296の中間位置と接触する。その近位端でブラケット184によって、およびその遠位端でチャンバ16によって制約されると(ここで、マウント178をレセプタクル179の内側に固定する)、供給ライン296は、ヨーク軸64の周りを回転するにつれて、それ自体の軸の周りにねじれる。ヨーク154とともに1オメガで回転するとき、その軸の周りの供給ライン296のねじれ回転は、ロータープレート166に対して、従って処理チャンバ18自体に対して、2オメガ回転を与える。
【0524】
1オメガ回転速度でのヨーク154および2オメガ回転速度でのロータープレート166の相対回転は、供給ライン296がねじられないように保持し、回転シールの必要性をなくす。例示される配列はまた、単一の駆動モーター164が、供給ライン296を通じて、相互に回転するヨーク154およびロータープレート166への回転を与えることを可能にする。この配列のさらなる詳細は、Brownらの米国特許第4,120,449号(これを、本明細書中で参考として援用する)に開示される。
【0525】
処理チャンバ18が回転すると、血液が、処理チャンバ18に導入され、そしてその中で分離される。
【0526】
1つのフロー配列(図29を参照のこと)において、処理チャンバ18が回転すると(図29における矢印R)、供給ライン296は、通路146を通じてチャネル126に全血を運搬する。全血は、回転(これは、図29において反時計回りである)と同じ方向でチャネル126に流れる。あるいは、チャンバ18は、全血の円周フローと反対の方向で回転され得る(すなわち、時計回り)。全血は、図15Aで示される様式で遠心力の結果として分離する。赤血球を、高重力(high−G)壁124に向かって駆動し、一方、より軽い血漿成分を、低重力(low−G)壁122に向かって変位させる。
【0527】
このフローパターンにおいて、ダム384は、高重力壁124に向かってチャネル126へ突出する。ダム384は、血漿の通過を防止し、一方、高重力壁124で陥没したチャネル386へ赤血球を通過させる。チャネル386は、赤血球を、半径方向通路144を通じて供給ライン296に指向させる。血漿成分を、半径方向通路142を通じてチャネル126から供給ライン296に運搬する。
【0528】
赤血球出口チャネル386は、高重力壁124の外側に伸長し、高重力壁よりも回転軸からさらに間隔が空いているので、血液処理の間、赤血球出口チャネル386が、赤血球と高重力壁124に非常に近い軟膜との間の界面の位置付けを可能にし、これは、赤血球収集通路144へと軟膜を溢流させることがない(オーバースピル条件を作成する)。陥没した出口チャネル386は、それにより、赤血球の収率が最大になること(赤血球収集手順において)、または本質的に血小板を含まない血漿が収集されること(血漿収集手順において)を可能にする。
【0529】
代替のフロー配列(図30を参照のこと)において、供給ライン296は、通路142を通じて全血をチャネル126に運搬する。処理チャンバ18は全血フローと同じ方向(図30において時計回りである)で回転する(図30における矢印R)。あるいは、チャンバ18を、全血の円周フローと反対の方向で回転し得る(すなわち、時計周り)。全血は、図15Aに示される様式において、遠心力の結果として分離する。赤血球を高重力壁124に向かって駆動し、一方、より軽い血漿成分を、低重力壁122に向かって変位させる。
【0530】
このフローパターンにおいて、ダム384(先に記載した)は、血漿の通過を防止し、一方、陥没するチャネル386へ赤血球を通過させる。チャネル386は、赤血球を、半径方向通路144を通じて供給ライン296に指向させる。血漿成分を、半径方向通路146を通じてチャネル126の反対端から供給ライン296に運搬する。
【0531】
別の代替のフロー配列(図31を参照のこと)において、供給ライン296は、通路144を通じて全血をチャネル126に運搬する。処理チャンバ18は血液フローと同じ方向(図31において時計回りである)で回転する(図31における矢印R)。あるいは、チャンバ18を、全血の円周フローと反対の方向で回転し得る(すなわち、反時計周り)。全血は、図15Aに示される様式において、遠心力の結果として分離する。赤血球を高重力壁124に向かって駆動し、一方、より軽い血漿成分を、低重力壁122に向かって変位させる。
【0532】
このフローパターンにおいて、チャネル126の反対端のダム385は、血漿の通過を防止し、一方、赤血球の陥没したチャネル387への通過を可能にする。チャネル387は、半径方向通路146を通じて供給チャネル296へ赤血球を向ける。血漿成分を、半径方向通路142を通じて、チャネル126の他の端から供給ライン296に運搬する。この配列において、ダム384および陥没した通路386の存在(先に記載した)により、外向き血漿フロー(通路142において)から内向き全血フロー(通路144において)を分離する。このフロー配列は、所望であれば、血小板に富む血漿の収集を可能にする。
【0533】
別の代替のフロー配列(図32を参照のこと)において、通路144は、通路142および146とは異なる方向で、ハブ120からチャネル126へ伸長する。この配列において、末端壁136は、通路142および146を分離し、そして通路144は、通路142と146との間に置く位置でチャネル126と連絡する。この配列において、供給ライン296は、通路146を通じて全血をチャネル126に運搬する。処理チャンバ18を、血液フローと同じ方向(これは、図32において時計回りである)で回転させる(図32における矢印R)。あるいは、チャンバ18を、全血の円周フローに対して反対の方向で回転させ得る(すなわち、反時計回り)。全血は、図15Aに示した様式で、遠心力の結果として分離する。赤血球を、高重力壁124に向かって駆動し、一方より軽い血漿成分を、低重力壁122に向かって変位させる。
【0534】
このフローパターンにおいて、通路144は、チャネル126から血漿を運搬し、一方、通路142は、チャネル126から赤血球を運搬する。
【0535】
先に言及したように、図28〜32に示したフローパターンのいずれかにおいて、チャンバ18を、チャネル126における全血の円周フローと同じ方向で、または反対の方向で回転させ得る。記載されるような血液分離は、いずれかの状況で生じる。にもかかわらず、分離の間のチャネル126における全血のフローと同じ方向でチャンバ18を回転させることは、例えば、コリオリの効果に起因して、障害を最小化して、分離効率の増加を生じるようであるということが分かった。
【0536】
(実施例)
全血を、種々の実験の間、図28に示した通りの処理チャンバ18において赤血球および血漿へ分離した。一方のチャンバ(これを、チャンバ1と呼ぶ)において、チャンバ18と同じ方向でチャネル126に円周方向に流れた全血を回転させた(すなわち、チャンバ18を、反時計回り方向で回転させた)。他方のチャンバ18(これを、チャンバ2と呼ぶ)において、チャンバと反対の方向でチャネル126に円周方向に流れた全血を回転させた(すなわち、チャンバ18を、時計回り方向で回転させた)。収集した赤血球についての平均ヘマトクリットを、種々の血液容量サンプルについて測定し、全血入口フロー速度および血漿出口フロー速度の種々の組み合わせで処理した。以下の表は、種々の実験についての結果を要約する。
【0537】
【表14】
Figure 0004570306
【0538】
【表15】
Figure 0004570306
【0539】
表1および2は、チャンバにおける血液フローが回転と同じ方向の場合、赤血球のヘマトクリットが、血液フローが反対方向の場合より大きいことを示す。赤血球のより大きな収率もまた、この手順のあいだの血漿のより大きな収率を意味する。
【0540】
図33は、チャンバ18’は図21から23に示したのと同じ単一の成形された基部388’を有するが、ここで、2つの流路126’および390が形成されることを示す。流路126’および390が同心性であることを示すが、それらは必要ではない。チャンバ18’は、図23に示したチャンバ18と共通する多くの他の構造特徴を共有する。一般構造特徴を、アスタリスクで示した同じ参照番号によって同定する。
【0541】
基部388’は、中心ハブ120’を備え、これは、内側環状壁122’および外側環状壁124’によって半径方向に取り囲まれ、円周血液分離チャネル126’をそれらの間に規定する。この実施形態において、第2の内側環状壁392は、ハブ120’を半径方向に取り囲む。第2の円周血液分離チャネル390を、内側環状壁122’と392との間に規定する。この構築は、同心性の外側分離チャネル126’および内側分離チャネル390を形成する。
【0542】
ダム384’に隣接する環状壁122’における中断394は、外側チャネル126’と内側チャネル390との間のフロー連絡を確立する。内部壁396は、チャネル126’と390との間のフロー連絡を、それらの反対端でブロックする。
【0543】
処理チャンバ18’が回転するとき(図33において矢印R)、供給ライン296は、通路144’を通じて全血を外側チャネル126’に運搬する。全血は、回転と同じ方向でチャネル126’を流れる(これは、図33において反時計回りである)。あるいは、チャンバ18’を、全血の円周フローと反対の方向で回転させ得る(すなわち、時計回り)。全血は、図15Aに示した様式で、遠心力の結果として、外側チャネル126’において分離する。赤血球を、高重力壁124’に向かって駆動し、一方、より軽い血漿成分を、低重力壁122’に向かって変位させる。
【0544】
先に記載したように、ダム384’は、血漿の通過を防止し、一方、高重力壁124に陥没するチャネル386’へ赤血球を通過させる。チャネル386’は、赤血球を、半径方向通路142’を通じて供給ライン296に指向させる。血漿成分を、中断394を通じてチャネル126’から内側分離チャネル390に運搬する。
【0545】
血漿は、外側チャネル126’中で全血に対して反対の方向で、内側チャネル390を通じて円周的にフローを流れる。血漿中に残る血小板は、環状壁124’に対する遠心力に応答して移動する。チャネル390は、全血が最初に導入されるチャンバ18’の同じ端に、血漿成分を指向させる。血漿成分を、通路146’によってチャネル390から運搬する。
【0546】
(VIII.他の血液処理機能)
本発明の多くの特徴を、貯蔵および血液成分治療のための、全血を成分部分に分離する際のそれらの使用を記載することによって実証してきた。これは、本発明がこれらの血液処理手順を行う際の使用に十分適合されるからである。しかし、本発明の特徴は、他の血液処理手順における使用をそれら自体に等しくもたらすことが理解されるべきである。
【0547】
例えば、血液処理チャンバと関連するプログラム可能なカセットを利用する、記載されたシステムおよび方法は、外科手術の間に血球を洗浄もしくは回収する目的のため、または治療的血漿交換を行う目的のために、あるいは血液が処置のための体外経路において循環する任意の他の手順において、使用され得る。
【0548】
本発明の特徴は、上記の特許請求の範囲に示される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、使用前の処理デバイスに付随していない使い捨て処理セットが示されている、本発明の特徴を表すシステムの斜視図である。
【図2】 図2は、遠心分離ステーションならびにポンプおよびバルブステーションへのドアが、処理セットの取り付けを受容するよう開いていることを示す、図1に示すシステムの斜視図である。
【図3】 図3は、処理セットが処理デバイスに完全に取り付けられ、使用の準備ができた、図1に示すシステムの斜視図である。
【図4】 図4は、デバイスの持ち運びのために蓋が閉じた、図1に示す処理デバイスを収容するケースの右前方斜視図である。
【図5】 図5は、血液処理回路の概略図であり、この回路は、様々な異なる血液処理手順を、図1に示すデバイスに付随して実行するようプログラムされ得る。
【図6】 図6は、カセットの分解斜視図であり、このカセットは、図5に示すプログラム可能な血液処理回路、ならびに使用のためにこのカセットを受容する図1に示す処理デバイス上のポンプおよびバルブステーションを備える。
【図7】 図7は、図6に示すカセットの前面の平面図である。
【図8】 図8は、図6に示すカセット上のバルブステーションの拡大斜視図である。
【図9】 図9は、図6に示すカセットの後面の平面図である。
【図10】 図10は、万能処理セットの平面図であり、この処理セットは、図6に示すカセットを組み込み、そして図2および図3に示すように、図1に示すデバイスに取り付けられ得る。
【図11】 図11は、使用のために図6に示すカセットが担持されるポンプおよびバルブステーションの、頂断面図である。
【図12】 図12は、空気圧式マニホルドアセンブリの概略図であり、このアセンブリは、図6に示すポンプおよびバルブステーションの一部であり、そして正および負の空気圧を供給して、図7および図9に示すカセットを通して流体を運搬する。
【図13】 図13は、デバイスの使用のために蓋の開いた、処理デバイスを収容するケースの前方斜視図であり、このケースに収容される様々な処理要素の位置を示す。
【図14】 図14は、処理制御を実行し、そして図1に示すデバイスの機能をモニタリングするコントローラの、概略図である。
【図15】 図15A、15B、および15Cは、図1に示すデバイスが組み込む血液分離チャンバの概略側面図であり、血漿および赤血球収集チューブを示し、そして通常の作動状態(図15A)、オーバースピル(over spill)状態(図15B)、およびアンダースピル(under spill)状態(図15C)を検出する、2つのインラインセンサを付随する。
【図16】 図16は、固定具の斜視図であり、この固定具は、血漿および赤血球収集チューブに接続されると、図15A、15B、および15Cに示すように、インラインセンサとの所望の観察配置においてこれらのチューブを保持する。
【図17】 図17は、形質細胞収集チューブ、赤血球収集チューブ、および全血入口チューブが取り付けられた、図16に示す固定具の斜視図であり、この固定具は、これらのチューブを、組織化された並列のアレイで集める。
【図18】 図18は、図15A、15B、および15Cに示す2つのセンサと観察配置に置かれた、図17に示す固定具およびチューブの斜視図である。
【図19】 図19は、感知ステーションの概略図であり、この感知ステーションの一部を、図15A、15B、および15Cに示す第一および第二のセンサが形成する。
【図20】 図20は、第一および第二センサにより感知された光学密度を経時的にプロットしたグラフであり、アンダースピル状態を示す。
【図21】 図21は、成形された遠心分離血液処理容器の分解頂面斜視図であり、この容器は、図1に示すデバイスに付随して使用され得る。
【図22】 図22は、図21に示す成形された処理容器の底面斜視図である。
【図23】 図23は、図21に示す成形処理容器の頂面図である。
【図24】 図24は、図21に示す成形処理容器の側断面図であり、この容器に接続されるべき供給ラインを示す。
【図24A】 図24Aは、供給ラインを図24に示す様式で形成処理容器に取り付けるコネクタの、ほぼ図24の線24A−24Aに沿って見た頂面図である。
【図25】 図25は、供給ラインを容器に接続した後の、図24に示す成形処理容器の側断面図である。
【図26】 図26は、処理容器が使用のために取り付けられた、図1に示す処理デバイスの遠心分離ステーションの分解斜視図である。
【図27】 図27は、図26に示す遠心分離ステーションおよび処理容器の、さらなる分解斜視図である。
【図28】 図28は、使用のために処理容器が取り付けられた、図26に示す処理デバイスの遠心分離ステーションの側断面図である。
【図29】 図29は、図21〜23に示す成形遠心分離血液処理容器の頂面図であり、全血を血漿および赤血球に分離するための流路配置を示す。
【図30】 図30は、図21〜23に示す成形遠心分離血液処理容器の頂面図であり、全血を血漿および赤血球に分離するための他の流路配置を示す。
【図31】 図31は、図21〜23に示す成形遠心分離血液処理容器の頂面図であり、全血を血漿および赤血球に分離するための他の流路配置を示す。
【図32】 図32は、図21〜23に示す成形遠心分離血液処理容器の頂面図であり、全血を血漿および赤血球に分離するための他の流路配置を示す。
【図33】 図33は、図21〜23に示す成形遠心分離血液処理容器の頂面図であり、全血を血漿および赤血球に分離するための他の流路配置を示す。
【図34】 図34は、別の血液処理回路の概略図であり、この回路は、様々な異なる血液処理手順を、図1に示すデバイスに付随して実行するようプログラムされ得る。
【図35】 図35は、カセットの前面の平面図であり、このカセットは、図34に示すプログラム可能な血液処理回路を含む。
【図36】 図36は、図35に示すカセットの後面の平面図である。
【図37A】 図37Aは、図34に示す血液処理回路の概略図であり、全血を血漿および赤血球に分離することに関して、異なる流体フロー作業を実行するための、カセットのプログラムを示す。
【図37B】 図37Bは、図34に示す血液処理回路の概略図であり、全血を血漿および赤血球に分離することに関して、異なる流体フロー作業を実行するための、カセットのプログラムを示す。
【図37C】 図37Cは、図34に示す血液処理回路の概略図であり、全血を血漿および赤血球に分離することに関して、異なる流体フロー作業を実行するための、カセットのプログラムを示す。
【図37D】 図37Dは、図34に示す血液処理回路の概略図であり、全血を血漿および赤血球に分離することに関して、異なる流体フロー作業を実行するための、カセットのプログラムを示す。
【図37E】 図37Eは、図34に示す血液処理回路の概略図であり、全血を血漿および赤血球に分離することに関して、異なる流体フロー作業を実行するための、カセットのプログラムを示す。
【図38A】 図38Aは、図34に示す血液処理回路の概略図であり、全血から分離された赤血球への添加物溶液のオンライン移動に関する、流体フロー作業を実行するための、カセットのプログラムを示す。
【図38B】 図38Bは、図34に示す血液処理回路の概略図であり、全血から分離された赤血球への添加物溶液のオンライン移動に関する、流体フロー作業を実行するための、カセットのプログラムを示す。
【図39A】 図39Aは、図34に示す血液処理回路の概略図であり、白血球を除去するためにフィルタを通した全血から分離した赤血球をオンライン移動させることに関する、流体フロー作業を実行するための、カセットのプログラムを示す。
【図39B】 図39Bは、図34に示す血液処理回路の概略図であり、白血球を除去するためにフィルタを通した全血から分離した赤血球をオンライン移動させることに関する、流体フロー作業を実行するための、カセットのプログラムを示す。
【図40】 図40は、図1に示すデバイスに付随する使用に適した重量計の代表的な実施形態である。
【図41】 図41は、図1に示すデバイスに付随する使用に適した別の重量計の代表的な実施形態である。
【図42】 図42は、ポンプチャンバの内部に電場を発生させるために電極を使用する、空気圧ポンプチャンバのための流速感知および制御システムの概略図である。
【図43】 図43は、空気圧式マニホルドアセンブリの概略図であり、このアセンブリは、図6に示すポンプおよびバルブステーションの一部であり、そして正および負の空気圧を供給して、図35および図36に示すカセットを通して流体を運搬する。

Claims (59)

  1. 流体をポンピングするためのシステムであって;
    ポンプチャンバ;
    印加される流体圧力に応答して該ポンプチャンバを通って流体を運搬するための該ポンプチャンバ上の可撓性ダイヤフラム;
    該ポンプチャンバ内の流体と電気伝導接触にあり、そして該ポンプチャンバ内の流体容積に従って変動する電場が該ポンプチャンバ内に発生するように電源へ接続された電極;および
    流体が該ポンプチャンバを通って運搬されるにつれ該電場の変動を記録するために該電極へ接続された感知回路;
    を備えるシステム。
  2. 前記感知回路が、前記電場の変動を処理して出力を生成するよう作動するプロセッサを備える、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記プロセッサが、前記出力に基づいて、前記ポンプチャンバにより運搬される流体の容積を示す値を導出するよう作動する機能を備える、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記プロセッサが、前記出力に基づいて、前記ポンプチャンバにより運搬される流体の流速を示す値を導出するよう作動する機能を備える、請求項2に記載のシステム。
  5. 前記プロセッサが、前記出力に基づいて、前記ポンプチャンバ内の空気の存在を示す値を導出するよう作動する機能を備える、請求項2に記載のシステム。
  6. 前記プロセッサが、前記出力に基づいて、前記ポンプチャンバを通る流れの閉塞を示す値を導出するよう作動する機能を備える、請求項2に記載のシステム。
  7. 前記プロセッサが、前記ポンプチャンバのストローク容積に従って前記出力を校正するよう作動する機能を備える、請求項2に記載のシステム。
  8. 前記プロセッサに接続されるコントローラをさらに備え、該コントローラが、少なくとも部分的に前記出力に基づいて、前記印加される圧力を変動させるよう作動する、請求項2に記載のシステム。
  9. 前記プロセッサが、前記出力の経時的な変動を記録するよう作動する機能を備える、請求項2に記載のシステム。
  10. 前記プロセッサが、前記出力をセット値と比較して偏差を導出するよう作動する機能を備える、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記プロセッサが、前記偏差の経時的な変動を記録するよう作動する機能を備える、請求項10に記載のシステム。
  12. 前記感知回路が、前記電場の変動に起因するキャパシタンスの変動を記録する、請求項1に記載のシステム。
  13. 前記感知回路が、キャパシタンスの変動を処理し、そして出力を生成するよう作動するプロセッサを備える、請求項12に記載のシステム。
  14. 前記ポンプチャンバと連絡するチュービングをさらに備え、該チュービングが、該ポンプチャンバを、血液のソースと血液分離デバイスとの間にインラインで接続する、請求項1に記載のシステム。
  15. 流体をポンピングするためのシステムであって;
    本質的に一定である既知のストローク容積を有するポンプチャンバ;
    印加される流体圧力に応答して該ポンプチャンバを通って流体を運搬するための該ポンプチャンバ上の可撓性ダイヤフラム;
    ストローク間隔の間該可撓性ダイヤフラムと相互作用し、該ポンプチャンバを通ってポンプするための流体圧力アクチュエータ;
    該ポンプチャンバ内の流体と電気伝導接触にあり、そして該ポンプチャンバ内の流体容積に従って変動する電場を該ポンプチャンバ内に発生するように電源へ接続された電極;
    流体が該ポンプチャンバを通って運搬されるにつれ該電場の変動を記録するために該電極へ接続された感知回路;および
    該感知回路へ接続され、そしてサンプリング期間にわたる該電場の変動に基づいて実際の流速を誘導し、そして所望の流速が達成されるようにストローク間隔を調節することによって該所望の流速を指令するコントローラ;
    を備えるシステム。
  16. 前記流体圧力アクチュエータが、流体を前記ポンプへと吸引するための時間間隔成分、該流体を該ポンプから排出するための時間間隔成分、およびアイドリング時間間隔成分を含む、前記ストローク間隔を提供し、そして
    前記コントローラが、前記所望の流速を達成するよう該時間間隔成分の1つ以上を調節する、請求項15に記載のシステム。
  17. 前記コントローラが、前記電場の変動に基づいて異常な作動状態を検出し、アラーム出力を生成するよう作動する、診断機能を備える、請求項15に記載のシステム。
  18. 前記感知回路が、前記電場の変動に起因するキャパシタンスの変動を記録する、請求項15に記載のシステム。
  19. 前記ポンプチャンバと連絡し、該ポンプチャンバを、血液のソースと血液分離デバイスとの間にインラインで接続する、チュービングをさらに備える、請求項15に記載のシステム。
  20. 流体をポンピングするためのシステムであって;
    本質的に一定である既知のストローク容積を有するポンプチャンバ;
    印加される流体圧力に応答して該ポンプチャンバを通って流体を運搬するための該ポンプチャンバ上の可撓性ダイヤフラム;
    ストローク間隔の間該可撓性ダイヤフラムと相互作用し、該ポンプチャンバを通ってポンプするための流体圧力アクチュエータ;
    該ポンプチャンバ内の流体と電気伝導接触にあり、そして該ポンプチャンバ内の流体容積に従って変動する電場を該ポンプチャンバ内に発生するように電源へ接続された電極;
    流体が該ポンプチャンバを通って運搬されるにつれ該電場の変動を記録するために該電極へ接続された感知回路;および
    該感知回路へ接続され、そして該電場の変動に基づいて異常な作動状態を検出し、アラーム出力を発生するように作動する診断機能を含んでいるコントローラ;
    を備えるシステム。
  21. 前記診断機能が、前記ポンプチャンバ内の空気の存在を示す値を導出するよう作動する、請求項20に記載のシステム。
  22. 前記診断機能が、前記ポンプチャンバを通る流れの閉塞を示す値を導出するよう作動する、請求項20に記載のシステム。
  23. 前記感知回路が、前記電場の変動に起因するキャパシタンスの変動を記録する、請求項20に記載のシステム。
  24. 前記ポンプチャンバに連絡し、該ポンプチャンバを、血液のソースと血液分離デバイスとの間にインラインで接続する、チュービングをさらに備える、請求項20に記載のシステム。
  25. 流体をポンピングするためのシステムであって;
    ポンプチャンバ;
    印加される流体圧力に応答して、吸引サイクルにおいて流体を該ポンプチャンバ中へ吸引し、そして排出サイクルにおいて流体を該ポンプチャンバから排出するための該ポンプチャンバ上の可撓性ダイヤフラム;
    該ポンプチャンバ内の流体と電気伝導接触にあり、そして該ポンプチャンバ内の流体容積に従って変動する電場を該ポンプチャンバ内に発生するように電源へ接続された電極;および
    該電極へ接続され、吸引および排出サイクルの間該電場の変動に起因するキャパシタンスの変化を記録するように作動する感知回路であって、該キャパシタンスは該ポンプチャンバが流体で満たされている時高いシグナル大きさを有し、該ポンプチャンバの流体が空の時低い信号大きさを有し、そして該ポンプチャンバが流体で満たされてもおらず空でもない時中間のシグナル大きさ範囲を有する、該感知回路;
    を備えるシステム。
  26. 前記感知回路が、前記高いシグナルの大きさと低いシグナルの大きさとの間の差異を、前記ポンプチャンバのストローク容積に対して校正するよう作動する機能を備える、請求項25に記載のシステム。
  27. 前記感知回路が、連続する吸引サイクルおよび排出サイクルの間に感知された最大のシグナル値と最小のシグナル値との間の差を、該ポンプチャンバを通して吸引および排出される流体容積に対して関連付けるよう作動する機能を備える、請求項25に記載のシステム。
  28. 前記感知回路が、サンプリング期間にわたってポンピングされた流体容積を合計して、流速を得るよう作動する機能を備える、請求項27に記載のシステム。
  29. 前記感知回路が、前記流速と所望の流速との間の偏差を記録するよう作動する機能を備える、請求項28に記載のシステム。
  30. 前記可撓性ダイヤフラムに印加される圧力を変化させて、前記偏差を最小化するよう作動するコントローラをさらに備える、請求項29に記載のシステム。
  31. 前記感知回路が、前記低いシグナルの大きさの経時的な増加を記録し、そしてポンプチャンバ内の空気の存在を反映するアラームシグナルを生成するよう作動する機能を備える、請求項25に記載のシステム。
  32. 前記感知回路が、前記キャパシタンスの経時的な変化の導関数を導出し、そして該導関数の変化、または導関数の非存在に基づいて、前記ポンプチャンバの閉塞を反映するアラームシグナルを生成するよう作動する機能を備える、請求項25に記載のシステム。
  33. 前記ポンプチャンバと連絡し、該ポンプチャンバを血液のソースと血液分離デバイスとの間にインラインで接続するチュービングをさらに備える、請求項25に記載のシステム。
  34. 血液分離デバイスに接続される血液処理システムであって;
    あらかじめ形成された空気圧作動ポンプチャンバと、あらかじめ形成された流体流路と、そして該流体流路中の空気圧作動バルブを含んでいるカセット;
    該ポンプチャンバ内の流体と電気伝導接触にある該ポンプチャンバ内の電極;および
    該電極を電源へ接続し、該ポンプチャンバ内の流体の容積に従って変動する電場を該ポンプチャンバ内に発生させるコネクタ;
    を備えるシステム。
  35. 血液分離デバイスに接続される血液処理システムであって;
    本質的に一定である既知のストローク容積を有するポンプチャンバを含んでいる少なくとも1つの空気圧作動ポンプステーションを収容するカセット;
    該カセットを保持し、そして該ポンプチャンバを通って流体をポンプするためストローク間隔の間該ポンプステーションへ空気圧力を印加する空気圧アクチュエータ;
    該ポンプチャンバ内に流体と電気伝導接触にあり、該ポンプチャンバ内の流体の容積に従って変化する電場を該ポンプチャンバ内に発生させるため電源へ接続された電極;および
    流体が該ポンプチャンバを通って運搬されるにつれ該電場の変動を記録するために該電極へ接続された感知回路;
    を備えるシステム。
  36. 前記感知回路に接続されるコントローラをさらに備え、該コントローラが、サンプリング期間にわたる前記電場の変動に基づいて実際の流速を誘導し、そして前記ストローク間隔を、該誘導された流速が達成されるよう調節することによって、所望の流速を指令するよう作動する制御機能を備える、請求項35に記載のシステム。
  37. 前記感知回路に接続されるコントローラをさらに備え、該コントローラが、前記電場の変動に基づいて異常な作動状態を検出し、そしてアラーム出力を発生するよう作動する診断機能を備える、請求項35に記載のシステム。
  38. 前記感知回路が、前記電場の変動を、前記ポンプチャンバのストローク容積に対して校正するよう作動する機能を備える、請求項35に記載のシステム。
  39. 前記感知回路が、前記電場の変動に起因するキャパシタンスの変動を記録する、請求項35に記載のシステム。
  40. ポンプチャンバと、印加された流体圧力に応答して該ポンプチャンバを通って流体を運搬するための該ポンプチャンバ上の可撓性ダイヤフラムを備えているポンプを通って流体を運搬するためのシステムの作動をコントローラを使って制御する方法であって、該コントローラは:
    該ポンプチャンバ内の流体と電気伝導接触に配置され、使用時、ポンプチャンバ中の流体の容積に従って変動する電場を該ポンプチャンバ内に発生させるように電源へ接続された電極により、該ポンプチャンバ内の流体の容積に従って変動する電場を該ポンプチャンバ内に発生させる工程:そして
    該電極へ接続されたセンサーにより、流体が該ポンプチャンバを通って運搬されるにつれ変動する該電場を記録する工程:を実行するように作動され、それによって該コントローラは記録された電場の変動に応答して前記ポンプを制御することを特徴とする前記方法。
  41. 前記コントローラが実行する工程は、前記電場の経時的な変動に基づいて、出力を発生させる工程をさらに包含する、請求項40に記載の方法。
  42. 前記コントローラが実行する工程は、前記電場の経時的な変動に基づいて、出力を発生させる工程、該出力に基づいて、前記ポンプチャンバにより運搬される流体の容積を示す値を誘導する工程をさらに包含する、請求項40に記載の方法。
  43. 前記コントローラが実行する工程は、前記電場の経時的な変動に基づいて、出力を発生させる工程、該出力に基づいて、前記ポンプチャンバにより運搬される流体の流速を示す値を誘導する工程をさらに包含する、請求項40に記載の方法。
  44. 前記コントローラが実行する工程は、前記電場の経時的な変動に基づいて、出力を発生させる工程、該電場の変動に基づいて、異常な作動状態を検出する工程、およびアラーム出力を発生させる工程をさらに包含する、請求項40に記載の方法。
  45. 前記コントローラが実行する工程は、前記電場の経時的な変動に基づいて、出力を発生させる工程、該出力に基づいて、前記ポンプチャンバ内の空気の存在を示す値を誘導する工程をさらに包含する、請求項40に記載の方法。
  46. 前記コントローラが実行する工程は、前記電場の経時的な変動に基づいて、出力を発生させる工程、該出力に基づいて、前記ポンプチャンバを通る流れの閉塞を示す値を誘導する工程をさらに包含する、請求項40に記載の方法。
  47. 前記コントローラが実行する工程は、前記電場の経時的な変動に基づいて、出力を発生させる工程、および前記ポンプチャンバのストローク容積に従って、該出力を校正する工程をさらに包含する、請求項40に記載の方法。
  48. 前記コントローラが実行する工程は、前記電場の経時的な変動に基づいて、出力を発生させる工程、および該出力に少なくとも部分的に基づいて、前記可撓性ダイヤフラムに印加される圧力を変化させる工程をさらに包含する、請求項40に記載の方法。
  49. 前記コントローラが実行する工程は、前記電場の経時的な変動に基づいて、出力を発生させる工程、および該出力の経時的な変動を記録する工程をさらに包含する、請求項40に記載の方法。
  50. 前記コントローラが実行する工程は、前記電場の経時的な変動に基づいて、出力を発生させる工程、および該出力をセット値と比較して、偏差を導出する工程をさらに包含する、請求項40に記載の方法。
  51. 前記コントローラが実行する工程は、前記偏差の経時的な変動を記録する工程をさらに包含する、請求項50に記載の方法。
  52. 前記コントローラが実行する工程は、前記電場の変動に起因するキャパシタンスの変動が記録される、請求項40に記載の方法。
  53. 前記コントローラが実行する工程は、キャパシタンスの変動に基づいて出力を発生させる工程をさらに包含する、請求項40に記載の方法。
  54. 前記ポンプチャンバは、血液ソースと血液分離デバイスの間にインラインで接続される請求項40に記載の方法。
  55. 本質的に一定のストローク容積を有するポンプチャンバと、印加された流体圧力に応答して該ポンプチャンバを通って流体を運搬するための該ポンプチャンバ上の可撓性ダイヤクラムを備えているポンプと、ストローク間隔の間該ポンプを通って流体を運搬するため該可撓性ダイヤクラムと相互作用する流体圧力アクチュエータを備えているシステムの作動をコントローラを使って制御する方法であって、該コントローラは:
    該ポンプチャンバ内の流体と電気伝導接触に配置され、使用時、ポンプチャンバ中の流体の容積に従って変動する電場を該ポンプチャンバ内に発生させるように電源へ接続された電極により、該ポンプチャンバ内の流体の容積に従って変動する電場を該ポンプチャンバ内に発生させる工程:
    該電極へ接続されたセンサにより、流体が該ポンプチャンバを通って運搬されるにつれ変動する該電場を記録する工程:
    該電場のサンプリング期間にわたる該電場の変動に基づいて実際の流速を誘導する工程:そして
    実際の流速を所望の流速と比較し、そしてもしその間に偏差が存在すればストローク間隔を調節することにより、所望の流速を指令する工程:を実行とするように作動されることを特徴とする前記方法。
  56. 前記コントローラが実行する工程は、所望の流速を指令する工程が、前記ポンプチャンバへ流体を吸引するための時間間隔成分、該ポンプチャンバから該流体を排出するための時間間隔成分、およびアイドリング時間間隔成分を包含するストローク間隔を提供する工程、ならびに該時間間隔成分の1つ以上を、該所望の流速を達成するよう調節する工程を包含する、請求項55に記載の方法。
  57. 前記コントローラが実行する工程は、前記電場の変動に基づいて異常な作動状態を検出する工程、およびアラーム出力を発生させる工程をさらに包含する、請求項55に記載の方法。
  58. 前記コントローラが実行する工程は、前記電場の変動に起因するキャパシタンスの変動が記録される、請求項55に記載の方法。
  59. 前記ポンプチャンバは、血液ソースと血液成分分離デバイスの間にインラインで接続されている請求項55に記載の方法。
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