JP4569629B2 - 鋳型射出造型法 - Google Patents

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Description

本発明は、射出による砂型造型の充填不良を予測し充填性を高めた造型を行う方法に関する。より詳しくは、本発明は、粒子状骨材、水溶性バインダーおよび水を攪拌して得た発泡混合物を、加熱された金型のキャビティに圧入充填して鋳型を造型する射出造型法に関する。
従来、中子システムはシェル中子やコールドボックスが主流である。いずれの中子システムも鋳鉄鋳物用に開発されたバインダーであるため、融点の低いアルミ鋳造では特に崩壊性に問題がある。シェル中子は樹脂をコーティングした乾体の中子砂を加熱した金型に圧縮空気とともに吹き込むブロー造型であり、一方、コールドボックスは樹脂をコーティングした湿体の中子砂を室温状態の金型にブロー造型し、その後、ガッシングして固化する。近年、アルミニウム鋳物を対象として、タンパク質ベースのバインダーや、無機ベースのバインダーの中子システムが開発され、注目されている。
本出願人らは天然の多糖類をベースとしたバインダーにより、アルミニウム鋳物を対象とした中子システムを開発した(非特許文献1、2)。このバインダーシステムでは、珪砂に水と多糖類ベースのバインダーを添加し、撹拌して気泡を含んだホイップ状にした後に、加熱した金型に射出造型し、乾燥、固化させるシステムである。従来のシェル中子やコールドボックスと比べて、バインダーの分解温度が低いため、崩壊性に優れており、また、天然の多糖類をベースとするバインダーであるため、臭いはほとんどない。また、従来の中子システムではブロー造型であるのに対し、バインダーシステムでは流動性の良いホイップ状で射出造型するため、造型プロセスが異なっており、細部への充填性が良好である。
善甫、加藤、浅野、長坂、日本鋳造工学会第144回全国講演大会講演概要集(2004)151 加藤、浅野、善甫、長坂、日本鋳造工学会第144回全国講演大会講演概要集(2004)152 本中子システムにおいては、従来の金型を用いても、バインダーで中子を一応射出造型できるが、充填にばらつきが生じ、造型品の品質が安定しにくい。このため、金型温度などの金型設計や、射出速度などを含めた造型条件を決定するために、中子造型の充填現象を詳細に把握することが必要である。
しかしながら、造型条件を見出すのに、中子造型の現象を分析しながら、実験を繰り返すと、多大な時間と労力が必要となる。また、造型条件だけでは安定した品質を確保することが難しい。
そこで、本発明は、叙上の事情に鑑み、最適化された造型条件に基づいて、金型キャビティへのバインダーを含むスラリー状材料の充填を安定して行うことができる鋳型射出造型法を提供することを目的とする。
上記の問題を解消するために、本発明の1局面において、射出による砂型造型の充填空間への充填不良を予測し充填性を高めた造型を行う方法は:射出造型機が採用する造型条件、前記充填空間の形状および前記鋳物砂の物理的性質を含む造型に関するデータを演算手段に入力する工程と;実際に造型が行われる前に、入力された前記造型に関するデータに基づいて前記鋳物砂の充填性を砂型造型解析法により演算する工程と;前記砂型造型解析法による演算を必要に応じて前記射出造型の造型条件を変更して繰り返す工程と;前記射出造型機により実行される実際の造型が前記砂型造型解析法による鋳物砂の充填性の演算結果に基づいて行われるように変更された前記射出造型の造型条件で前記射出造型機を作動させる工程と;を含み、前記砂型造型解析法は、前記鋳物砂の運動方程式を連続の式を満たすように数値的に計算し、微少時間後の前記鋳物砂の速度分布を求める運動方程式解析工程と、該時間における前記鋳物砂の温度分布を計算する温度分布解析工程と、上記運動方程式解析工程、上記温度分布解析工程を繰り返す工程と、から成ることを特徴とする。
上記局面において、連続体モデルに基づき、粘度の剪断速度依存性を考慮したニュートン流体として数学的モデルを構築する。そして、本モデルの各種パラメータを同定するとともに、中子造型のコンピュータシミュレーションを行う。さらに、基礎造型実験により解析モデルとパラメータの妥当性を検証し、実スケールの中子造型のコンピュータシミュレーションも行い、各種条件が造型性に及ぼす影響を予め確認し、砂型造型の充填不良を予測した。
上記局面に用いる前記射出造型機は、粒子状骨材、水溶性バインダーおよび水を攪拌して得たホイップ状の発泡混合物を、加熱された金型のキャビティに圧入方式によって充填して鋳型を造型することができる。
前記射出造型機は、前記粒子状骨材若しくは前記発泡混合物の温度測定手段、前記発泡混合物の粘度計測手段、前記発泡混合物の水分計測手段の少なくとも一つを備えることができる。
発明の別の局面において、鋳型射出造型法は、金型内部の充填空間にバインダーを含むスラリー状材料を射出によって充填し、鋳型造型を行う鋳型射出造型法であって、射出造型解析法の解析結果の判断に基づいた造型条件で鋳型造型を行う工程を含むことを特徴としている。
また、本発明の1局面において、本発明の鋳型射出造型法は、金型内部の充填空間にバインダーを含むスラリー状材料を射出によって充填し、鋳型造型を行う鋳型射出造型法であって、造型に際して設定される造型条件とスラリー状材料の物理的性質である物性値を含む造型に関するデータに基づく射出造型解析法の解析を行い、該解析の結果に基づいて、前記造型条件を変更するか否かを判断する工程と、鋳型射出造型装置により実行される実際の鋳型造型を前記判断に基づいた造型条件で行う工程とを含むことを特徴としている。
また、本発明の1局面において、鋳型射出造型法は、金型内部の充填空間にバインダーを含むスラリー状材料を射出によって充填し、鋳型造型を行う鋳型射出造型法であって、造型に際して設定される造型条件とスラリー状材料の物理的性質である物性値を含む造型に関するデータを記憶する工程と、実際に造型が行われる前に、入力された前記造型に関するデータのうち、予め記憶されている射出造型解析法に必要なパラメータを仮に設定する工程と、該仮に設定したパラメータを用いた射出造型解析法の解析を行い、良好な解析結果を得るために、該射出造型解析法による演算を前記造型条件を変更して繰り返し、パラメータを決定する工程と、射出造型装置により実行される実際の造型を、該決定されたパラメータを用いた射出造型解析法の解析結果に合致するように、変更された造型条件で行う工程とを含むことを特徴としている。
また、本発明の射出造型のためのプログラムは、造型に設定された造型条件とスラリー状材料の物理的性質である物性値を含む造型に関するデータに基づいて、射出造型解析法の解析をするためにコンピュータを、前記スラリー状材料の運動方程式を連続の式を満たすように数値的に計算し、微少時間後の前記スラリー状材料の速度分布を求める運動方程式の解析と該時間における前記スラリー状材料の温度分布を計算する温度分布の解析とを繰り返す演算手段として機能させることを特徴としている。
上記のように構成された本発明は、バインダーシステムの造型プロセスを明確にし、金型設計と造型条件を最適化して造型することができる。
本発明は、また、射出によるスラリー状材料の充填空間への充填不良がなくなるように、射出造型解析法により最適化された造型条件で造型を行うため、充填性を高めた造型を得ることができる。
以下、添付図面に基づいて本発明を説明する。本発明は、連続体モデルに基づき、粘度の剪断速度依存性を考慮したニュートン流体として数学的にモデル化した射出造型解析法の解析に必要なパラメータのうち、特定のパラメータを予め予備的な実験により求め、またはスラリー状材料の物理的性質である物性値などから推定・同定し、仮に設定しておく。そして、前記仮に設定したパラメータに基づいて、前記射出造型解析法による造型のコンピュータシミュレーションを行う。
前記パラメータとは、造型の際に設定される造型条件とスラリー状材料の物理的性質である物性値を含む造型に関するデータであり、射出造型解析法に必要なデータである。また、特定のパラメータは、とくに充填性に寄与するパラメータ、たとえば粘度や、熱伝達係数充填性、充填密度などである。
前記射出造型解析法としては、たとえば、スラリー状材料の運動方程式を連続の式を満たすように数値的に計算し、微少時間後の前記スラリー状材料の速度分布を求める運動方程式の解析と該時間における前記スラリー状材料の温度分布を計算する温度分布の解析とを繰り返す解析法を用いることができる。この射出造型解析法は、予めコンピュータに記憶されている。
本実施の形態では、射出造型解析法による造型の解析を行い、仮に設定したパラメータを用いた造型の良否を判定する。この判定結果、否の判定(充填不足状態)の場合、造型条件を変更して射出造型解析法による造型の解析を行う。そして、良の判定(充填良好状態)の場合、射出造型解析法の解析結果に合致するように、射出造型装置により実行される実際の造型が前記変更された造型条件で造型を行うようにしている。
なお、造型条件とは、射出造型装置により実行される条件であり、たとえばスラリー状材料の射出速度、射出圧力、射出流量(充填空間の形状から求める)、スラリー状材料の初期温度、金型温度、造型完了時間(充填時間と充填完了後の金型内保持時間)などである。
また、スラリー状材料の物理的性質である物性値とは、たとえば粘度(せん断速度や水の温度に依存する)、水分、密度、比熱、熱伝導度、空隙率、金型とスラリー状材料との間の熱伝達係数などである。
本発明におけるスラリー状材料としては、射出可能であればとくに限定されるものではないが、たとえば粒子状骨材、水溶性バインダーおよび水を攪拌してなる材料などを挙げることができる。スラリー状材料は、このようにして作られホイップ状になった発泡混合物を含む。本実施の形態では、前記スラリー状材料を用いた中子の造型について説明する。
また、本実施の形態では、前記粒子状骨材もしくはスラリー状材料の温度測定手段、スラリー状材料の粘度計測手段、スラリー状材料の水分計測手段の少なくとも一つを備えることができる。
つぎに、前記射出造型解析法の数学的モデル(解析モデル)を中子造型に用いる実施の形態を説明する。まず、前記解析法に必要なパラメータとして粘度や熱伝達係数を同定するとともに、中子造型のコンピュータシミュレーションを行う。なお、本発明においては、金型がバインダーの硬化温度より高温であり、金型の温度にスラリー状材料の温度が近づいていくことに特徴がある。
本実施の形態では、粒子状骨材として珪砂に水分と多糖類べ一スの水溶性バインダーを添加し、攪拌してスラリー状にした後に射出造型するため、連続体モデルに基づいて造型挙動の解析を行う。本解析での基礎式(1)、式(2)および式(3)を以下に示す。
Figure 0004569629
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前記式(1)は連続の式、式(2)は粘性流体の運動方程式であるナビエ−ストークス(Navier−Stokes)の式、式(3)はエネルギー方程式を示す。ここで、ρは密度、νは速度ベクトル、τは応力テンソルで粘度μと速度勾配で表現され、pは圧力、gは重力ベクトル、Cpは比熱、Tは温度、λは熱伝導度、γは剪断速度である。なお、前記スラリー状材料は粘性が高いため、式(2)の時間項(左辺)、慣性項(右辺第1項)及び重力項(右辺第4項)を零としてもよい。本解析では有限要素法により数値解析を行う。
(1)まず、粘度の測定について説明する。攪拌してスラリー状にした材料である中子材料の物理的性質である物性値を表1に、金型温度などの解析条件を表2に示す。中子材料の水分は、中子材料を所定重量計量して、120℃の乾燥炉内で1時間以上、充分に乾燥させて減少した重量により測定される。
Figure 0004569629
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本解析で対象としている中子材料はスラリー状材料であるため、粘度が剪断速度に依存しているチクソトロピー性があると考えられる。そこで、本解析における前記スラリー状材料である中子材料の粘度計測手段として図1に示す装置で流動性を調査する。シリンダー1内に中子材料2を満たし、ピストン3で加圧して下孔4から流出させる。ピストン3の加圧力を変化させることにより、下孔4からの流出速度を変え、式(4)で粘度を式(5)で剪断速度を算出する。
Figure 0004569629
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ここで、剪断速度γ(l/s)は下孔4から流出するフローレートQ(m3/s)と下孔4の直径D(=0.006m)で算出される。一方、粘度μ(Pa・s)はピストン3の圧力Pp(Pa)と下孔4の長さL(=0.004mm)等により表現される。得られた結果を図2に示す。両対数グラフでプロットしたところ、直線関係となったため、アレニウス(Arrhenius)の式で近似する。図2より、剪断速度の増加にともない粘度が低下し、チクソトロピーであることが確認された。すなわち、実際の造型過程において、射出速度が速いほど、流動性がよいと考えられる。また、ここでは、水分値を4.2%と4.7%の2条件としたが、本条件内では水分値の影響はほとんどないと考えられ式(6)が得られた。
Figure 0004569629
(2)つぎに、金型−中子材料間熱伝達係数の測定について説明する。金型−中子材料間の熱移動は、本発明において非常に重要な因子である。本実施例では、第1ステップとして、図3に示す簡易的な装置により、金型から中子材料に移動する熱量を測定する。
すなわち、金型5を523K(約250℃)に加熱し、その上に、スラリー状に攪拌した造型用の中子材料6を金型5に密着するように所定圧力で加圧して設置し、中子材料6内の温度分布を測定する。前記スラリー状材料である中子材料6の温度測定手段は中子材料6上部よりCA熱電対7(φ0.1mm)を挿入し、金型5と接触している温度TX=0と金型表面から10mm離れた位置における温度TX=10を測定する。この測定温度から温度勾配を算出して、式(7)で熱伝達係数h(W/m2K)を得る。
Figure 0004569629
得られた温度測定結果と算出された熱伝達係数を図4に示す。中子材料を金型表面に設置して2.5sec後には中子材料の金型に接している面の温度TX=0は373K(約100℃)に達し、水分の蒸発が行われている。また、その後、10sec間は大きな変化はない。また、熱伝達係数hはある程度の変化があるが、代表値として、70(W/m2K)でコンピュータシミュレーションを行う。
つぎに、図5に示す基礎実験型で解析モデルと各種パラメータの妥当性を評価する。中子形状は矩形リング形状であり、外寸は100mm×100mmで、断面は10mm×10mmの正方形である。また、中子キャビティの体積は40×10−6m3である。本基礎実験型で中子材料が合流するウェルド部の状態も確認する。
造型時の射出流量Qiが79×10−6m3/sでの、解析結果を図6に示す。左右対称に中子材料が流れ、0.5sec後に造型が完了している。また、充填過程における中子材料のフロントラインは滑らかな凸形状であった。
本実施例により観察された造型挙動を図7に示す。本実施例においては、φ100mmのスリーブに中子材料を満たして、電動サーボシリンダーにより射出造型を行う。シリンダーの速度は0.01m/s一定に設定し、造型過程においても、設定速度であることをレコーダーにより確認して行った。ほぼ、左右対称に充填しているが、造型完了時間は0.7secとなり、解析結果より若干長くなった。これは、造型初期段階で、スリーブ内でシリンダーが中子材料に接触する直前にシリンダーと中子材料の間に存在する空気が圧縮され徐々に流出し始めるためであると考えられる。また、充填過程における中子材料のフロントラインは滑らかな凸形状であり、解析で得られた形状に非常に近かった。
つぎに、造型時の射出流量Qiが79×10−6m3/sと393×10−6m3/sでのそれぞれの造型完了直後の温度分布を図8に示す。最終充填部分の温度が最も高く、造型過程において、先端部分は徐々に加熱されていることが明らかである。また、射出流速が遅い方は造型が完了するまでの時間が長いため、温度が高くなっている。
また、最終充填部分のキャビティ内にCA熱電対(φ0.1mm)をあらかじめ挿入しておき、造型時の温度を測定した。得られた結果を図9に示す。造型開始前においては、キャビティ内においても金型からの輻射熱で約493K(約220℃)まで空気の温度が上昇していた。そのため、造型時には熱電対は中子材料の温度を測定するため、温度は一旦低下し、その後、金型に加熱されて中子材料の温度が上昇している。造型完了直後の最終充填部分の温度を表3に示す。
Figure 0004569629
全体的に、解析結果の方は温度が低くなっているが、造型射出流量の影響は表現できていると考えられる。
ここまでの解析と実施例結果より、造型挙動と温度分布の観点から本解析モデルとパラメータが妥当であると判断できる。今後、パラメータを厳密に測定することで、より、実測結果に近くできると考えられる。
つぎに、実機スケールの中子造型のコンピュータシミュレーションを行う。実機スケールの中子として、自動車エンジンのシリンダーブロックのウォータージャケットの型で、中子造型解析、ならびに、実際の造型テストを行った。今回、対象としたウォータージャケットの中子の形状を図10に示す。図10には6箇所の射出口も合わせて示してある。
射出流量はそれぞれの射出口から330×10−6m3/s流入することとした。解析で得られた充填挙動を図11に示す。6箇所の射出口付近からそれぞれ順に中子材料が満たされている。左奥の幅木部分は比較的小さいため、約0.2秒で充填しているが、右手前の幅木部分は大きいため、最終充填部分となっている。また、本中子では、6箇所の射出口があるが、ウェルドラインが現れることなく滑らかに充填が完了している。充填時間は0.6秒であった。
つぎに、解析で得られた充填完了直後の温度分布を図12に示す。比較的早い段階で充填され、かつ、薄肉形状の部分が、最も温度が高くなっているが、約310K(約37℃)であるため、水分の気化は生じておらず、固化していないと考えられる。本条件下で、実際に造型した中子を図13に示す。未充填部分はなく、ウェルドラインも観察されず、非常に良質な中子が得られた。すなわち、充填過程において中子材料は固化せず、充填完了後に中子材料温度は373K(約100℃)を超えて固化したものと考えられる。また、実際にアルミニウムを鋳造して、良好なアルミニウム鋳物が得られた。
このため、前記射出造型解析法に、スラリー状材料の充填完了前に該スラリー状材料の温度が100℃をこえないように制限を加えて、造型条件を求めるのが好ましいことがわかる。また、前記射出造型解析法に、スラリー状材料の充填完了前に該スラリー状材料の温度が100℃をこえないで、かつ最短時間で充填できるように制限を加えて、造型条件を求めるのが好ましいこともわかる。
さらに、本発明においては、スラリー状材料のバインダーの配合や、種類、造型品の形状(たとえば複雑な形状や薄肉など)などにより、充填が完了する前に硬化してしまうおそれがあるため、充填されたスラリー状材料の温度が少なくともバインダーの硬化が完了する前までに充填が完了するような所定の温度、たとえば200〜250℃までの願わくば100℃以下であることが望ましい。そこで、前記射出造型解析法に、充填されたスラリー状材料の温度が少なくとも硬化が完了する前までに充填が完了する所定の温度になるように制限を加えて、造型条件を求めるのが好ましい。
以上の解析と実施例結果により、本解析モデル、ならびに、パラメータは、本中子システムの造型現象を表現できているものと考えられる。したがって、本発明では、パラメータが造型性(充填性)に及ぼす影響を予め確認し、造型するため、充填不良を防止することができる。
図1は中子材料の流動性を調査する装置の概略図である。 図2は中子材料の剪断速度と粘度の関係を示すグラフである。 図3金型−中子材料間熱伝達係数の測定装置の概略図である。 図4は金型−中子材料間熱伝達係数の測定における測定温度と熱伝達係数の結果を示すグラフである。 図5は本発明の解析モデルと各種パラメータの妥当性を評価する基礎実験型を示す。 図6は図5に示す基礎実験型を用いて得られた造型挙動の解析結果である。 図7は図5に示す基礎実験型を用いて得られた造型挙動の実験結果である。 図8は図5に示す基礎実験型を用いて得られた造型完了直後の温度分布結果である。 図9は図5に示す基礎実験型を用いて得られた造型時のキャビティ内の温度測定結果である。 図10は本発明の実施例に用いたウォータージャケット中子の形状である。 図11は図10に示すウォータージャケット中子を用いて得られた充填挙動の解析結果である。 図12は図10に示すウォータージャケット中子を用いて得られた充填完了直後の温度分布の解析結果である。 図13は本発明の解析結果を用いて実際に造型したウォータージャケット中子である。

Claims (7)

  1. 金型内部の充填空間にバインダーを含むスラリー状材料を射出によって充填し、鋳型造型を行う鋳型射出造型法であって:
    前記鋳型造型を行う造型条件を設定して前記スラリー状材料の速度、応力、圧力および温度を連続の式、運動方程式およびエネルギー方程式を用いて数値的に計算する射出造型解析法にて解析する工程と;
    前記解析した結果に基づいて充填状態の良否を判定する工程と;
    前記判定の結果が良となる造型条件で鋳型造型を行う工程を含み;
    前記射出造型解析法の解析において、スラリー状材料の充填完了前に該スラリー状材料の温度が100℃を超えた場合には、前記判定を否とする;
    鋳型射出造型法。
  2. 金型内部の充填空間にバインダーを含むスラリー状材料を射出によって充填し、鋳型造型を行う鋳型射出造型法であって:
    前記鋳型造型を行う造型条件を設定して前記スラリー状材料の速度、応力、圧力および温度を連続の式、運動方程式およびエネルギー方程式を用いて数値的に計算する射出造型解析法にて解析する工程と;
    前記解析した結果に基づいて充填状態の良否を判定する工程と;
    前記判定の結果が良となる造型条件で鋳型造型を行う工程と;
    前記造型条件を変更して解析する工程とを含み;
    前記射出造型解析法の解析において、スラリー状材料の充填完了前に該スラリー状材料の温度が100℃を超えた場合には前記判定を否とし、また、前記造型条件を変更した解析結果と比較して充填時間が長い場合には前記判定を否とすることにより最短時間で充填できるようにする
    鋳型射出造型法。
  3. 金型内部の充填空間にバインダーを含むスラリー状材料を射出によって充填し、鋳型造型を行う鋳型射出造型法であって:
    前記鋳型造型を行う造型条件を設定して前記スラリー状材料の速度、応力、圧力および温度を連続の式、運動方程式およびエネルギー方程式を用いて数値的に計算する射出造型解析法にて解析する工程と;
    前記解析した結果に基づいて充填状態の良否を判定する工程と;
    前記判定の結果が良となる造型条件で鋳型造型を行う工程を含み;
    前記射出造型解析法の解析において、充填されたスラリー状材料の充填が完了する前までに該スラリー材料の温度が250℃を超えた場合には、前記判定を否とする;
    鋳型射出造型法。
  4. 造型に際して設定される造型条件とスラリー状材料の物理的性質である物性値を含む造型に関するデータを記憶する工程と;
    実際に造型が行われる前に、入力された前記造型に関するデータのうち、予め記憶されている射出造型解析法に必要なパラメータを仮に設定する工程と;
    該仮に設定したパラメータを用いた射出造型解析法の解析を行い、良好な解析結果を得るために、該射出造型解析法による演算を前記造型条件を変更して繰り返し、パラメータを決定する工程と;
    射出造型装置により実行される実際の造型を、該決定されたパラメータを用いた射出造型解析法の解析結果に合致するように、変更された造型条件で行う工程とを含む;
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の鋳型射出造型法。
  5. 前記射出造型解析法は、前記スラリー状材料の運動方程式を連続の式を満たすように数値的に計算し、微少時間後の前記スラリー状材料の速度分布を求める運動方程式の解析と該時間における前記スラリー状材料の温度分布を計算する温度分布の解析とを繰り返す;
    請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の鋳型射出造型法。
  6. 粒子状骨材、水溶性バインダーおよび水を攪拌して得た発泡混合物を、加熱された金型のキャビティに圧入方式によって充填して鋳型を造型する;
    請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の鋳型射出造型法。
  7. 前記粒子状骨材若しくは前記発泡混合物の温度測定工程、前記発泡混合物の粘度計測工程、前記発泡混合物の水分計測工程の少なくとも一つを備える;
    請求項6に記載の鋳型射出造型法。
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